JP7842297B1 - 油性マットインキ組成物、積層体及び工業用テープ - Google Patents

油性マットインキ組成物、積層体及び工業用テープ

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Abstract

【課題】10μm未満のプラスチックフィルムに印刷した場合でも印刷物のカールが起こりにくい優れた耐カール性を有し、かつ優れた耐溶剤性、耐ブロッキング性を有する塗膜を形成可能な、油性マットインキ組成物、これを用いた積層体及び工業用テープの提供。【解決手段】ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)と、シリカ(B)と、有機溶剤(C)と、を含有する、油性マットインキ組成物であって、(A)は(メタ)アクリル部を主骨格とし、その側鎖にウレタン部を有するグラフトポリマーであり、ウレタン部/(メタ)アクリル部で表される質量比が0.1~0.9であり、(メタ)アクリル部のガラス転移温度が40~100℃であり、(A)の含有量が28~53質量%であり、(B)/(A)で表される固形分換算での質量比が0.04~0.50である、油性マットインキ組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、油性マットインキ組成物、積層体及び工業用テープに関する。
スマートフォンやテレビをはじめとする電子部材等に用いられる工業用テープには、耐久性の向上や、機能性及び意匠性の付与、作業性の向上等の目的で、インキやニスを用い、プラスチックフィルム上にグラビア印刷等による印刷が施されている。特に近年では、企業イメージ等によるさらなる意匠性の向上や、触感付与、滑り性付与等の理由から、工業用テープにマット調を付与するための、マットインキに対する需要が高まっている。
電子部材等に用いられる工業用テープは、小型化、軽量化、低コスト化、柔軟性及び追従性等の観点から薄さが求められており、使用されるプラスチックフィルムの厚さも10μmを下回るような、一般的な軟包装等で使用されるプラスチックフィルムと比較してかなり薄いものが使用される。その際に問題となるのが、プラスチックフィルムに印刷を施して得られる印刷物のカールである。使用するプラスチックフィルムが薄いほど、印刷物のカールが起こりやすくなり、作業性が大幅に低下する。そのため、薄いプラスチックフィルムを用いた場合でも、カールが起こりにくい良好な耐カール性を有することがマットインキに求められる。
一方で、工業用テープに使用されるマットインキに求められる重要な物性として、耐溶剤性も挙げられる。製品の製造工程における部品や製品を洗浄する際や、メンテナンスの際に有機溶剤が使用され、その際に工業用テープに設けられた印刷塗膜が、溶解しにくいこと、及び劣化、物性低下、外観変化が起こりにくい優れた耐溶剤性を有することが求められる。
また、工業用テープに使用されるマットインキは、耐ブロッキング性に優れることも同時に求められる。一般的にシリカを添加することによって、マット感の付与とともに、耐ブロッキング性を向上させることが可能であることが知られているが、耐カール性に悪影響を及ぼすことで、両立が非常に難しいものとなる。
特許文献1には、酸価を有するアクリル樹脂と、カルボン酸によりエステル化されたセルロース系樹脂と、ポリウレタン/アクリル共重合樹脂と、溶剤を含有するシュリンク包装用印刷インキ組成物が開示されている。
特許文献2には、ウレタンアクリル系樹脂と、アクリル系樹脂と、酸化チタンを含有するプラスチックラベル用印刷インキが開示されている。
特開2012-207129号公報 特開2012-062415号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載されたインキ組成物は、シュリンク包装用及びプラスチックラベル用としての使用を想定されたものであり、使用されるプラスチックフィルムは工業用テープに用いられるものと比べて厚いことから、そもそも耐カール性が課題として存在しない。また、インキ組成物の耐カール性も十分であるとは認められない。さらに、いずれの文献においてもインキ組成物がシリカを含有することを想定しておらず、インキ組成物より形成されるインキ層はマット調を有するものではない。また、優れた耐カール性を有するとまでは到底言えない。耐溶剤性に関しても十分であるとは認められず、耐ブロッキング性に関しても、更なる改善が求められる。すなわち、耐カール性、耐溶剤性、耐ブロッキング性の全てを同時に満たすマットインキ組成物は未だ存在しない。
本発明は、10μm未満のプラスチックフィルムに印刷した場合でも印刷物のカールが起こりにくい優れた耐カール性を有し、かつ優れた耐溶剤性、耐ブロッキング性を有する塗膜を形成可能な、油性マットインキ組成物、これを用いた積層体及び工業用テープを提供することにある。
本発明は、以下の態様を有する。
[1] ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)と、シリカ(B)と、有機溶剤(C)と、を含有する、油性マットインキ組成物であって、
前記ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)は、(メタ)アクリル部を主骨格とし、その側鎖にウレタン部を有する、グラフトポリマーであり、
前記ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)における、前記ウレタン部/前記(メタ)アクリル部で表される質量比が0.1~0.9であり、
前記ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)を構成する前記(メタ)アクリル部のガラス転移温度が40~100℃であり、
前記ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)の固形分換算での含有量が、前記油性マットインキ組成物の総固形分に対して28~53質量%であり、
前記シリカ(B)/前記ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)で表される固形分換算での質量比が0.04~0.50である、油性マットインキ組成物。
[2] 前記ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)における、前記ウレタン部/前記(メタ)アクリル部で表される質量比が0.1~0.5である、前記[1]に記載の油性マットインキ組成物。
[3] 前記ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)の水酸基価が40~120mgKOH/g以下である、前記[1]又は[2]に記載の油性マットインキ組成物。
[4] 前記シリカ(B)の平均粒子径が2~10μm以下である、前記[1]~[3]のいずれかに記載の油性マットインキ組成物。
[5] 体質顔料(D)をさらに含有し、
前記体質顔料(D)が炭酸カルシウム及び沈降性硫酸バリウムの少なくとも一方を含み、
前記体質顔料(D)の平均粒子径が0.05~0.70μmである、前記[1]~[4]のいずれかに記載の油性マットインキ組成物。
[6] 炭化水素ワックス(E)をさらに含有し、
前記炭化水素ワックス(E)の針入度が20以下である、前記[1]~[5]のいずれかに記載の油性マットインキ組成物。
[7] 硬化剤(F)をさらに含有する、前記[1]~[6]のいずれかに記載の油性マットインキ組成物。
[8] グラビア印刷用である、前記[1]~[7]のいずれかに記載の油性マットインキ組成物。
[9] プラスチックフィルムと、前記プラスチックフィルムの一方の面上に、前記[8]に記載の油性マットインキ組成物を用いて形成されたマットインキ層と、を備える、積層体。
[10] 前記プラスチックフィルムと前記マットインキ層との間、又は前記プラスチックフィルムの他方の面上に、絵柄層をさらに備える、前記[9]に記載の積層体。
[11] 前記[9]又は[10]に記載の積層体を備える、工業用テープ。
本発明によれば、10μm未満のプラスチックフィルムに印刷した場合でも印刷物のカールが起こりにくい優れた耐カール性を有し、かつ優れた耐溶剤性、耐ブロッキング性を有する塗膜を形成可能な、油性マットインキ組成物、これを用いた積層体及び工業用テープを提供できる。
本発明の積層体の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の積層体の他の例を模式的に示す断面図である。 本発明の積層体の他の例を模式的に示す断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。以下の実施の形態は、本発明を説明するための単なる例示であって、本発明をこの実施の形態にのみ限定することは意図されない。本発明は、その趣旨を逸脱しない限り、様々な態様で実施することが可能である。
本発明において、油性マットインキ組成物における「油性」とは、媒体として有機溶剤を含むことを意味する。油性マットインキ組成物の媒体中の有機溶剤の割合は、媒体の総質量に対し、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが特に好ましく、また、100質量%であってもよい。
「塗膜」とは、油性マットインキ組成物により形成される塗膜のことである。特に、乾燥前の塗膜を「塗工膜」ともいい、乾燥後の塗膜を「マットインキ層」ともいう。塗工膜は、本発明の油性マットインキ組成物の塗工対象面(例えば、プラスチックフィルム等)上に、本発明の油性マットインキ組成物を塗工して得られる。マットインキ層は、塗工膜を乾燥させ、塗工膜中の媒体等の揮発成分を除去して得られる。必要に応じて、塗工膜を乾燥した後に、得られたマットインキ層をエージングしてもよい。
「媒体」とは、水、有機溶剤等の揮発する成分を意味する。具体的には以下の固形分以外の成分(揮発分)を意味する。
油性マットインキ組成物の「固形分」は、油性マットインキ組成物に含まれる成分のうち、媒体を除いた成分(不揮発分)を指し、最終的にマットインキ層を形成することになる成分である。媒体以外の成分が常温で液体であっても、その成分は媒体には含めず、固形分に含める。固形分は、JIS K 5601-1-2:2008に準拠して測定される。
油性マットインキ組成物の「総固形分」は、油性マットインキ組成物に含まれる固形分の総質量(合計量)を意味する。
油性マットインキ組成物中の媒体以外の成分の含有量は、すべて固形分換算である。
「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び「メタクリル」の総称である。
「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」の総称である。
「(メタ)アクリロニトリル」とは、「アクリロニトリル」及び「メタクリロニトリル」の総称である。
数値範囲を示す「~」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。例えばA~BはA以上B以下と同義である。
本明細書に開示の数値範囲の下限値及び上限値は任意に組み合わせて新たな数値範囲とすることができる。
[油性マットインキ組成物]
本実施形態の油性マットインキ組成物は、ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)と、シリカ(B)と、有機溶剤(C)と、を含有する。
油性マットインキ組成物は、体質顔料(D)をさらに含有してもよい。
油性マットインキ組成物は、炭化水素ワックス(E)をさらに含有してもよい。
油性マットインキ組成物は、硬化剤(F)をさらに含有してもよい。
油性マットインキ組成物は、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、必要に応じてウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)、シリカ(B)、有機溶剤(C)、体質顔料(D)、炭化水素ワックス(E)、及び硬化剤(F)以外の他の成分(以下、「他の任意成分」ともいう。)をさらに含有してもよい。
<ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)>
ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)は、バインダー樹脂である。
ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)は、(メタ)アクリル部を主骨格とし、その側鎖にウレタン部を有する、グラフトポリマーである。すなわち、(メタ)アクリル部である主鎖と、ウレタン部である側鎖がウレタン結合でつながっている。
ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)が、(メタ)アクリル部を有することで塗膜に耐溶剤性を付与し、ウレタン部を有することで塗膜に耐カール性を付与する。よって、油性マットインキ組成物がウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)を含有することで、耐カール性と耐溶剤性に優れる塗膜が得られる。
ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)の代表的な合成例としては、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーを反応させることで、ウレタン部を有する(メタ)アクリレートモノマーを合成し、次いで、前記ウレタン部を有する(メタ)アクリレートモノマーを用いて(メタ)アクリル重合を行うことで合成する方法;水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーを用いて(メタ)アクリル重合を行うことで、側鎖に水酸基を有する(メタ)アクリルポリマーを合成し、次いで、前記側鎖に水酸基を有する(メタ)アクリルポリマーと、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを反応させることで合成する方法などが挙げられる。
なお、ウレタンプレポリマーに代えて、ウレアプレポリマーを用いてもよい。
(メタ)アクリル部を構成する(メタ)アクリル単量体としては、水酸基を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル単量体として、水酸基を有する(メタ)アクリレート以外の単量体を併用してもよく、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸などが挙げられる。
これらの(メタ)アクリル単量体は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
また、必要に応じて、(メタ)アクリル単量体以外の重合性単量体(以下、「他の重合性単量体」ともいう。)を併用してもよい。
他の重合性単量体としては、(メタ)アクリル単量体と共重合可能であれば特に限定されないが、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、及びそれらの誘導体等のスチレン系単量体;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、及びクロトン酸等の不飽和カルボン酸系単量体;(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。
他の重合性単量体は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
ウレタン部を構成するウレタンプレポリマーの合成方法としては、例えば、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させる方法などが挙げられる。また、必要に応じて、鎖伸長剤などを用いてもよい。
なお、ウレタンプレポリマーとは、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物を反応させて得られる反応生成物であり、分子末端にイソシアネート基を有する化合物である。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、m-キシリレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4-ジフェニルエーテルジイソシアネート、2-ニトロジフェニル-4,4-ジイソシアネート、2,2-ジフェニルプロパン-4,4-ジイソシアネート、3,3-ジメチルジフェニルメタン-4,4-ジイソシアネート、4,4-ジフェニルプロパンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、ナフチレン-1,4-ジイソシアネート、ナフチレン-1,5-ジイソシアネート、及び3,3-ジメトキシジフェニル-4,4-ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、及びリジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水添化トリレンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、及び水添化ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネートなどが挙げられる。
これらのポリイソシアネート化合物は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
ポリオール化合物としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。
ポリオール化合物は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、多価カルボン酸類と、多価アルコール類又は第2~3級アミン類との脱水重縮合反応で得られる、ポリエステルポリオール又はポリエステルアミドポリオールを挙げることができる。
多価カルボン酸類の具体例としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロオルソフタル酸、及びナフタレンジカルボン酸、及びトリメリット酸等のポリカルボン酸、並びにそれらの酸エステル、及びそれらの酸無水物等を挙げることができ、これらのうちの1種以上を用いることができる。
多価アルコール類の具体例としては、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加物、トリメチロールプロパン、グリセリン、及びペンタエリスリトール等の低分子アルコール化合物;モノエタノールアミン及びジエタノールアミン等の低分子アミノアルコール化合物などを挙げることができ、これらのうちの1種以上を用いることができる。
第2~3級アミン類の具体例としては、ヘキサメチレンジアミン、キシリレンジアミン、及びイソホロンジアミン等の低分子アミン化合物等を挙げることができ、これらのうちの1種以上を用いることができる。
また、ポリエステルポリオールとしては、例えば、低分子アルコール化合物及び低分子アミノアルコール化合物等を開始剤として、ε-カプロラクトン及びγ-バレロラクトン等の環状エステル(ラクトン)モノマーを開環重合して得られるラクトン系ポリエステルポリオールを挙げることができる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、低分子アルコール化合物とホスゲンとの脱塩酸反応で得られるもの;低分子アルコール化合物と炭酸ジエステルとのエステル交換反応で得られるもの;を挙げることができる。
低分子アルコール化合物としては、ポリエステルポリオールの合成に用いられるものと同様のものを挙げることができる。
炭酸ジエステルとしては、例えば、ジエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等を挙げることができる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、低分子アルコール化合物、低分子アミン化合物、低分子アミノアルコール化合物及びフェノール類からなる群から選ばれる少なくとも1種を開始剤として、環状エーテルを開環重合させたものが挙げられる。具体的には、ポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリテトラメチレンエーテルポリオール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール等が挙げられる。さらに、ポリエーテルポリオールとして、前述のポリエステルポリオールやポリカーボネートポリオールを開始剤とするポリエステルエーテルポリオールを挙げることができる。
低分子アルコール化合物、低分子アミン化合物、低分子アミノアルコール化合物としては、ポリエステルポリオールの合成に用いられるものと同様のものが挙げられる。
環状エーテルとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン等のアルキレンオキシドが挙げられる。
鎖伸長剤としては、分子内にイソシアネート基と反応可能な官能基(例えば、アミノ基、水酸基等)を2以上有する化合物を用いることができる。
鎖伸長剤としては、例えば、エチレンジアミン、1,3-プロピレンジアミン、1,4-ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、及び2-エチルアミノエチルアミン等のジアミン化合物;ジエチレントリアミン、及びトリエチレンテトラミン等のポリアミン化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、及びトリエチレングリコール等の低分子ジオール化合物;アミノエチルエタノールアミン、並びにアミノプロピルエタノールアミン等を挙げることができる。
これらの鎖伸長剤は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)のガラス転移温度は、20~80℃が好ましく、30~70℃がより好ましく、40~65℃が特に好ましい。ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)のガラス転移温度が上記下限値未満であると、塗膜の耐溶剤性、耐ブロッキング性、耐熱性がやや低下する。ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)のガラス転移温度が上記上限値を超過すると、塗膜の耐カール性、基材に対する密着性がやや低下する。
ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)のガラス転移温度は、JIS K 7121:2012に準拠し、以下のようにして測定される。すなわち、示差走査熱量計を用い、ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)10mgを-100℃から160℃まで、20℃/分の条件で昇温させて得られる曲線(DSC曲線)におけるベースラインと吸熱カーブの接線との交点からガラス転移温度を求める。
ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)を構成する(メタ)アクリル部のガラス転移温度は、40~100℃であり、50~90℃が好ましく、65~85℃が特に好ましい。ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)を構成する(メタ)アクリル部のガラス転移温度が上記下限値未満であると、塗膜の耐溶剤性、耐ブロッキング性、耐熱性が低下する。ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)を構成する(メタ)アクリル部のガラス転移温度が上記上限値を超過すると、塗膜の耐カール性、基材に対する密着性が低下する。
ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)を構成する(メタ)アクリル部のガラス転移温度は、市販品でメーカーから開示のあるものはその値を採用し、それ以外は以下のようにして測定される。すなわち、ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)における、ウレタン変性処理を行っていない(メタ)アクリル部を合成し、JIS K 7121:2012に準拠し、示差走査熱量計を用いて、(メタ)アクリル部10mgを-100℃から160℃まで、20℃/分の条件で昇温させて得られる曲線(DSC曲線)におけるベースラインと吸熱カーブの接線との交点からガラス転移温度を求める。
ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)を構成するウレタン部のガラス転移温度は、-50~50℃が好ましく、-40~30℃がより好ましく、-35~15℃が特に好ましい。ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)を構成するウレタン部のガラス転移温度が上記下限値未満であると、塗膜の耐溶剤性、耐ブロッキング性、耐熱性がやや低下する。ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)を構成するウレタン部のガラス転移温度が上記上限値を超過すると、塗膜の耐カール性、基材に対する密着性がやや低下する。
ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)を構成するウレタン部のガラス転移温度は、市販品でメーカーから開示のあるものはその値を採用し、それ以外は以下のようにして測定される。すなわち、ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)の合成に用いる、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーをメタノールと反応させることで、ウレタン部を合成し、JIS K 7121:2012に準拠し、示差走査熱量計を用いて、ウレタン部10mgを-100℃から160℃まで、20℃/分の条件で昇温させて得られる曲線(DSC曲線)におけるベースラインと吸熱カーブの接線との交点からガラス転移温度を求める。
ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)における、ウレタン部/(メタ)アクリル部で表される質量比(以下、「ウレタン/(メタ)アクリル比」ともいう。)は0.1~0.9であり、0.1~0.5が好ましく、0.2~0.4がより好ましい。ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)におけるウレタン/(メタ)アクリル比が上記下限値未満であると、塗膜の耐カール性、基材に対する密着性が低下する。ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)におけるウレタン/(メタ)アクリル比が上記上限値を超過すると、塗膜の耐溶剤性、耐ブロッキング性、耐熱性が低下する。
ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)におけるウレタン/(メタ)アクリル比は、市販品でメーカーから開示のあるものはその値を採用する。それ以外は、ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)の合成に用いる、(メタ)アクリルモノマーの質量と、ウレタンプレポリマーの質量とから計算される質量比をウレタン/(メタ)アクリル比とする。
ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)の水酸基価は、40~120mgKOH/gが好ましく、60~115mgKOH/gがより好ましく、80~110mgKOH/gが特に好ましい。ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)の水酸基価が上記下限値未満であると、塗膜の基材に対する密着性、耐熱性、耐溶剤性がやや低下する。ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)の水酸基価が上記上限値を超過すると、塗膜の耐ブロッキング性、硬化剤(F)添加時の粘度安定性がやや低下する。
ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)の水酸基価は、試料の不揮発分1gをアセチル化させたとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに必要な水酸化カリウムの量をミリグラム数で表したものであり、JIS K 0070:1992に準拠して測定される。
ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)の酸価は、15mgKOH/g以下が好ましく、10mgKOH/g以下がより好ましく、7mgKOH/g以下が特に好ましく、また、0mgKOH/g以上であってもよく、0.5mgKOH/g以上であってもよく、1mgKOH/g以上であってもよい。上記上限値及び上記下限値は適宜組み合わせることができる。ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)の酸価が上記上限値を超過すると、塗膜の耐溶剤性、耐ブロッキング性がやや低下する。
ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)の酸価は、試料の不揮発分1g当たりのカルボキシ基等の酸基を中和するのに必要な水酸化カリウムの量をミリグラム数で表したものであり、JIS K 5601-2-1:1999に準拠して測定される。
ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)の重量平均分子量は、10000~100000が好ましく、20000~80000がより好ましく、30000~50000が特に好ましい。ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)の重量平均分子量が上記下限値未満であると、塗膜の耐溶剤性、耐ブロッキング性、耐熱性がやや低下する。ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)の重量平均分子量が上記上限値を超過すると、塗膜の耐カール性、基材に対する密着性がやや低下する。
ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)の重量平均分子量は、標準ポリスチレン分子量換算による重量平均分子量であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定される。
ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)の溶解度パラメーターは、10.0~12.5(cal/cm1/2が好ましく、10.5~12.0(cal/cm1/2がより好ましく、11.0~11.8(cal/cm1/2が特に好ましい。ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)の溶解度パラメーターが上記下限値未満であると、塗膜の耐溶剤性、特に酢酸エチルに対する耐溶剤性がやや低下する。ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)の溶解度パラメーターが上記上限値を超過すると、油性マットインキ組成物の保存安定性がやや低下する。
ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)の溶解度パラメーター(SP値)は、Fedors法により算出される値である。Fedors法によるSP値の算出は、(Polymer Engineering and Science,February,1974,Vol.14、No.2 P.147~154)に記載されているΔei(cal/mol)及びΔvi(cm/mol)の値から下記数式に当てはめることで算出することができる。
SP値=(ΣΔei/ΣΔvi)1/2
ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)としては、公知の製造方法により製造したものを用いてもよく、市販品を用いてもよい。
ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
<シリカ(B)>
シリカ(B)は、塗膜にマット調の外観を付与するために用いられるマット化剤である。加えて、油性マットインキ組成物がシリカ(B)を含有することで、塗膜の耐ブロッキング性が向上する。
シリカ(B)は、天然産及び合成品のいずれでもよく、また、結晶性及び非結晶性のいずれでもよい。合成法としては、乾式法及び湿式法のいずれでもよい。乾式法としては、燃焼法及びアーク法が知られている。湿式法としては、沈降法及びゲル法が知られている。
シリカ(B)は、疎水性シリカ及び親水性シリカのいずれであってもよい。
シリカ(B)は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
シリカ(B)の平均粒子径は、2~10μmが好ましく、2.5~8μmがより好ましく、3~6μmがさらに好ましい。シリカ(B)の平均粒子径が上記下限値未満であると、塗膜の耐ブロッキング性がやや低下する。シリカ(B)の平均粒子径が上記上限値を超過すると、塗膜の基材に対する密着性、耐摩擦性、油性マットインキ組成物の印刷適性がやや低下する。
シリカ(B)の平均粒子径は、レーザー回析・散乱法によって測定される粒度分布における体積基準の積算値50%(D50)での粒子径である。
<有機溶剤(C)>
有機溶剤(C)としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル等のエステル系有機溶剤;メタノール、エタノール、n-プロパノール、i-プロパノール、n-ブタノール、i-ブタノール等のアルコール系有機溶剤などが挙げられる。
有機溶剤(C)は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
有機溶剤(C)としては、2種以上の有機溶剤からなる混合溶剤を用いることが好ましい。好ましい組み合わせの一例としては、ケトン系有機溶剤とエステル系有機溶剤との組み合わせが挙げられる。その中でも特に、メチルエチルケトンと酢酸n-プロピルとの組み合わせが好ましい。
<体質顔料(D)>
体質顔料(D)(ただし、シリカ(B)を除く。)は、無機材料で形成された固体粒子であり、油性マットインキ組成物中で安定して存在できる。
油性マットインキ組成物が体質顔料(D)を含有することで、マットインキ層のマット感がより高まる。
体質顔料(D)はマット化剤である。
体質顔料(D)としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化スズ、クレー、カオリン等が挙げられる。中でも、油性マットインキ組成物の保存安定性、意匠性、コストに優れる観点から、炭酸カルシウム、硫酸バリウムが好ましく、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウムがより好ましい。
体質顔料(D)は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
体質顔料(D)の平均粒子径は、0.05~0.70μmが好ましく、0.07~0.65μmがより好ましく、0.10~0.60μmが特に好ましい。体質顔料(D)の平均粒子径が上記下限値未満であると、塗膜の耐ブロッキング性、マット性がやや低下する。体質顔料(D)の平均粒子径が上記上限値を超過すると、油性マットインキ組成物の保存安定性、印刷適性がやや低下する。
体質顔料(D)の平均粒子径は、平均粒子径が100nm以上の場合は、レーザー回析・散乱法によって測定される粒度分布における体積基準の積算値50%(D50)での粒子径であり、平均粒子径が100nm未満の場合は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて測定される粒度分布における個数基準の積算値50%(D50)での粒子径である。
<炭化水素ワックス(E)>
塗膜の耐摩擦性をより向上させる目的で、油性マットインキ組成物に、炭化水素ワックス(E)をさらに含有させることができる。
炭化水素ワックス(E)は、従来公知のワックスであってよく、例えば、ポリオレフィンワックス、フィッシャー・トロプシュ・ワックス、パラフィンワックス、変性パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。これらの中でも、ポリオレフィンワックス、フィッシャー・トロプシュ・ワックスが好ましく、ポリオレフィンワックスがより好ましい。
炭化水素ワックス(E)は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
ポリオレフィンワックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等が挙げられる。これらの中でも、ポリエチレンワックスが好ましい。ポリエチレンワックスとしては、高密度重合ポリエチレン、低密度重合ポリエチレン、酸化ポリエチレン、酸変性ポリエチレン、及び特殊モノマー変性ポリエチレン等が挙げられる。
フィッシャー・トロプシュ・ワックスは、一酸化炭素と水素を原料とし、フィッシャー・トロプシュ法により製造されたワックスであり、ほぼ飽和の、分枝を有しない直鎖の分子構造を有する。
炭化水素ワックス(E)の針入度(硬度)は、20以下が好ましく、17以下がより好ましく、15以下が特に好ましく、また、1以上であってもよく、3以上であってもよく、5以上であってもよい。上記上限値及び上記下限値は適宜組み合わせることができる。炭化水素ワックス(E)の針入度が上記上限値を超過すると、塗膜の耐溶剤性、耐熱性がやや低下する。炭化水素ワックス(B)の針入度が上記下限値未満であると、塗膜の耐カール性、耐摩擦性がやや低下する。
炭化水素ワックス(E)の針入度は、JIS K 2235:2022に準拠して求められる。測定温度は25℃とする。
<硬化剤(F)>
硬化剤(F)としては、例えば、イソシアネート系硬化剤、ブロックイソシアネート系硬化剤等が挙げられる。これらの中でも、エージング条件の温和性及び架橋速度の観点から、イソシアネート系硬化剤が好ましい。
硬化剤(F)は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
イソシアネート系硬化剤は、1分子中にイソシアネート基を2以上有する化合物である。
イソシアネート系硬化剤としては、例えば、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,2’-MDI、2,4’-MDI、2,4-トリレンジイソシアネート(TDI)、2,6-TDI、m-キシリレンジイソシアネート(XDI)、及び1,4-フェニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート(IPDI)、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(水添XDI)、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート(水添MDI)、及び1-メチルシクロヘキサン-2,4-ジイソシアナート(水添TDI)等の脂環族ジイソシアネート;テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、及び2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;並びに各種ジイソシアネートのアダクト体、各種ジイソシアネートのイソシアヌレート体、HDIのビウレット体、及びHDIのアロファネート体等のイソシアネートプレポリマーなどが挙げられる。これらの中でも、塗膜の耐カール性がより向上する観点から、HDI、IPDI、XDI、又はこれらのアダクト体、イソシアヌレート体、ビウレット体及びアロファネート体が好ましく、HDI、IPDI、XDI、又はこれらのアダクト体がより好ましく、HDI又はHDIのアダクト体がさらに好ましく、HDIのアダクト体が特に好ましい。
イソシアネート系硬化剤は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
なお、アダクト体とは、1分子中にイソシアネート基を2以上有するポリイソシアネート(例えば、ジイソシアネート)と、2官能以上の低分子活性水素含有化合物(例えば、トリメチロールプロパン、グリセリン等の低分子量トリオール)とを反応させてなる、2官能以上のイソシアネート化合物の総称である。アダクト体としては、例えば、HDIとトリメチロールプロパン(TMP)との反応生成物、XDIとTMPとの反応生成物、IPDIとTMPとの反応生成物等が挙げられる。
<他の任意成分>
他の任意成分としては、公知の添加剤を用いることができる。添加剤の例としては、ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)以外のバインダー樹脂(以下、「他のバインダー樹脂」ともいう。)、消泡剤、界面活性剤、沈降防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、表面張力調整剤、レオロジー調整剤、光安定剤、滑剤、分散剤、安定剤、pH調整剤、フィラー、防カビ剤、帯電防止剤、金属微粒子、磁性粉等が挙げられる。
他の任意成分は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
他のバインダー樹脂としては特に限定されないが、例えば、アクリルポリオール樹脂等の(メタ)アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂が挙げられる。
他のバインダー樹脂は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
なお、油性マットインキ組成物は、体質顔料(D)以外の顔料等の着色剤を含んでもよいが、視認性を考慮すると、実質的に含まないことが好ましい。
また、油性マットインキ組成物は、水を実質的に含まないことが好ましい。
本明細書において、「実質的に含まない」とは、意図的に配合していないことを意味する。
<各成分の含有量>
ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)の固形分換算での含有量は、油性マットインキ組成物の総質量に対して、11~32質量%が好ましく、13~28質量%がより好ましく、15~25質量%が特に好ましい。
ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)の固形分換算での含有量は、油性マットインキ組成物の総固形分に対して、28~53質量%であり、32~50質量%が好ましく、35~45質量%がより好ましい。ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)の含有量が上記下限値未満であると、塗膜の耐カール性、耐溶剤性、耐摩擦性、基材に対する密着性、油性マットインキ組成物の印刷適性が低下する。ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)の含有量が上記上限値を超過すると、塗膜の耐ブロッキング性が低下する。
ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)の固形分換算での含有量は、バインダー樹脂の総固形分に対して、60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が特に好ましく、また、100質量%以下であってもよく、95質量%以下であってもよく、90質量%以下であってもよい。ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)の含有量が上記下限値未満であると、塗膜の耐カール性、耐溶剤性、耐ブロッキング性の両立が損なわれる。
シリカ(B)の固形分換算での含有量は、油性マットインキ組成物の総質量に対して、0.1~15.0質量%が好ましく、0.5~12.5質量%がより好ましく、1.0~10.0質量%が特に好ましい。
シリカ(B)の固形分換算での含有量は、油性マットインキ組成物の総固形分に対して、1.1~26.5質量%が好ましく、1.5~23.0質量%がより好ましく、2.0~20.0質量%が特に好ましい。
シリカ(B)の含有量が上記下限値未満であると、塗膜の耐ブロッキング性がやや低下する。シリカ(B)の含有量が上記上限値を超過すると、塗膜の耐カール性、耐溶剤性、耐摩擦性、基材に対する密着性、油性マットインキ組成物の印刷適性がやや低下する。
シリカ(B)/ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)で表される固形分換算での質量比(以下、「B/A比」ともいう。)は、0.04~0.50であり、0.06~0.48が好ましく、0.08~0.45がより好ましい。B/A比が上記下限値未満であると、塗膜の耐ブロッキング性が低下する。B/A比が上記上限値を超過すると、塗膜の耐カール性、耐溶剤性、耐摩擦性、基材に対する密着性、油性マットインキ組成物の印刷適性が低下する。
ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)及びシリカ(B)の固形分換算での含有量の合計(以下、「A+B量」ともいう。)は、油性マットインキ組成物の総質量に対して、11.1~32.5質量%が好ましく、12.5~27.5質量%がより好ましく、15.0~25.0質量%が特に好ましい。
A+B量は、油性マットインキ組成物の総固形分に対して、29.1~70.0質量%が好ましく、30.0~68.0質量%がより好ましく、35.0~65.0質量%が特に好ましい。
A+B量が上記下限値未満であると、塗膜の基材に対する密着性、油性マットインキ組成物の保存安定性がやや低下する。A+B量が上記上限値を超過すると、油性マットインキ組成物の印刷適性がやや低下する。
有機溶剤(C)の含有量は、油性マットインキ組成物の総質量に対して、5.0~88.9質量%が好ましく、10.0~80.0質量%がより好ましく、20.0~70.0質量%が特に好ましい。
有機溶剤(C)の含有量が上記下限値未満であると、油性マットインキ組成物の流動性、印刷適性がやや低下する。有機溶剤(C)の含有量が上記上限値を超過すると、油性マットインキ組成物の印刷適性や保存安定性がやや低下する。
ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)及びシリカ(B)の固形分換算での含有量と、有機溶剤(C)の含有量との合計(以下、「A+B+C量」ともいう。)は、油性マットインキ組成物の総質量に対して、50~100質量%が好ましく、50~95質量%がより好ましく、60~90質量%がさらに好ましく、70~85質量%が特に好ましい。
A+B+C量が上記下限値未満であると、塗膜の基材に対する密着性、油性マットインキ組成物の保存安定性がやや低下する。A+B+C量が上記上限値を超過すると、塗膜の耐溶剤性、耐摩擦性がやや低下する。
油性マットインキ組成物が体質顔料(D)を含有する場合、体質顔料(D)の固形分換算での含有量は、油性マットインキ組成物の総質量に対して、1.0~25.0質量%が好ましく、2.5~22.5質量%がより好ましく、5.0~20.0質量%が特に好ましい。
油性マットインキ組成物が体質顔料(D)を含有する場合、体質顔料(D)の固形分換算での含有量は、油性マットインキ組成物の総固形分に対して、5~45質量%が好ましく、10~40質量%がより好ましく、20~36質量%が特に好ましい。
体質顔料(D)の含有量が上記下限値未満であると、塗膜の耐ブロッキング性、耐熱性がやや低下する。体質顔料(D)の含有量が上記上限値を超過すると、塗膜の基材に対する密着性、耐摩擦性、油性マットインキ組成物の印刷適性がやや低下する。
油性マットインキ組成物が炭化水素ワックス(E)を含有する場合、炭化水素ワックス(E)の固形分換算での含有量は、油性マットインキ組成物の総質量に対して、0.1~5.0質量%が好ましく、0.2~3.0質量%がより好ましく、0.4~2.0質量%が特に好ましい。
油性マットインキ組成物が炭化水素ワックス(E)を含有する場合、炭化水素ワックス(E)の固形分換算での含有量は、油性マットインキ組成物の総固形分に対して、0.1~8.0質量%が好ましく、0.5~5.0質量%がより好ましく、1.0~3.0質量%が特に好ましい。
炭化水素ワックス(E)の含有量が上記下限値未満であると、塗膜の耐摩擦性がやや低下する。炭化水素ワックス(E)の含有量が上記上限値を超過すると、塗膜の耐溶剤性、耐ブロッキング性がやや低下する。
油性マットインキ組成物が硬化剤(F)を含有する場合、硬化剤(F)の固形分換算での含有量は、油性マットインキ組成物の総質量に対して、0.5~20.0質量%が好ましく、3.0~18.0質量%がより好ましく、6.0~16.0質量%が特に好ましい。
油性マットインキ組成物が硬化剤(F)を含有する場合、硬化剤(G)の固形分換算での含有量は、油性マットインキ組成物の総固形分に対して、10~40質量%が好ましく、12~35質量%がより好ましく、15~30質量%が特に好ましい。
硬化剤(F)の含有量が上記下限値未満であると、塗膜の耐溶剤性、耐摩擦性がやや低下する。硬化剤(F)の含有量が上記上限値を超過すると、塗膜の耐ブロッキング性がやや低下する。
他の任意成分の固形分換算での含有量は、本発明の効果を損なわない範囲内であれば特に制限されないが、例えば油性マットインキ組成物の総質量に対して0~20質量%が好ましく、0~15質量%がより好ましく、0~10質量%が特に好ましい。
油性マットインキ組成物が他の任意成分を含有する場合、他の任意成分の固形分換算での含有量は、油性マットインキ組成物の総質量に対して0.01質量%以上が好ましく、0.10質量%以上がより好ましく、0.50質量%以上が特に好ましい。
他の任意成分の含有量が上記上限値を超過すると、本発明の効果が十分に得られなくなるおそれがある。
<製造方法>
本実施形態の油性マットインキ組成物は、例えば、ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)、シリカ(B)、有機溶剤(C)、必要に応じて体質顔料(D)、必要に応じて炭化水素ワックス(E)、必要に応じて硬化剤(F)、必要に応じて他の任意成分を混合することで得られる。
各成分の混合方法としては特に限定されず、種々の方法により各成分を混合することができる。例えば、ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)、シリカ(B)、必要に応じて体質顔料(D)、必要に応じて炭化水素ワックス(E)、必要に応じて硬化剤(F)、必要に応じて他の任意成分を、有機溶剤(C)に溶解又は分散させる方法が挙げられる。特に、硬化剤(F)は油性マットインキ組成物を使用する直前に配合することが好ましい。
各成分を有機溶剤(C)に溶解又は分散させる方法としては特に制限されず、公知の分散機を用いて行うことができる。分散機としては、例えばペイントシェーカー、ディゾルバー、ボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル、ダイノミル、ロールミル、超音波ミル、高圧衝突分散機などが挙げられる。このとき、1種の分散機を使用して1回又は複数回分散処理してもよいし、2種以上の分散機を併用して複数回分散処理してもよい。
<作用効果>
以上説明した本実施形態の油性マットインキ組成物によれば、上述した特定のウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)、シリカ(B)、有機溶剤(C)を含有し、ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)の固形分換算での含有量が28~53質量%であり、かつ、B/A比が0.04~0.50であることによって、10μm未満のプラスチックフィルムに印刷した場合でも印刷物のカールが起こりにくい優れた耐カール性を有し、かつ優れた耐溶剤性、耐ブロッキング性を有する塗膜を形成できる。
<用途>
本実施形態の油性マットインキ組成物は、プラスチックフィルム等の任意の基材の表面(基材の表面に、絵柄層等の任意の層が形成されている場合は、この任意の層の表面)に印刷する際のマットインキとして好適である。その中でも、グラビア印刷により基材の表面又は前記任意の層の表面に印刷する際のマットインキとして好適である。すなわち、本実施形態の油性マットインキ組成物は、グラビア印刷用として特に好適である。
なお、本実施形態の油性マットインキ組成物は、そのままマットインキとして用いてもよいし、有機溶剤等の媒体で希釈した希釈液をマットインキとして用いてもよい。
本実施形態の油性マットインキ組成物は、任意の基材に印刷されてマットインキ層を形成する。以下、油性マットインキ組成物を用いて形成されたマットインキ層を印刷層ともいう。
[積層体]
図1に、本発明の一実施形態に係る積層体の一例を示す。なお、図1における寸法比は、説明の便宜上、実際のものとは異なったものである。
図1の積層体10は、基材であるプラスチックフィルム11と、プラスチックフィルム11の一方の面上に印刷されたマットインキ層12とを備える印刷物である。
<プラスチックフィルム>
プラスチックフィルム11を構成する樹脂としては、例えばポリオレフィン(例えばポリエチレン(PE)、乳白ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)等)、ポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート(PET)等)、ポリスチレン(PS)、延伸ポリプロピレン(OPP)、ポリアミド(NY)等のプラスチックフィルム(基材フィルム)が挙げられる。
これらのプラスチックフィルム11は1種を単独で用いてもよく2種以上を貼り合わせて使用してもよい。
プラスチックフィルム11は、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。すなわち、プラスチックフィルム11は、単層フィルムであってもよいし、積層フィルムであってもよい。プラスチックフィルム11が積層フィルムである場合、同じ種類のフィルムを2枚以上積層した構成であってもよいし、異なる種類のフィルムを2枚以上積層した構成であってもよい。
プラスチックフィルム11は、コロナ処理が施されていなくてもよいし、コロナ処理が施されていてもよい。
プラスチックフィルム11の厚さ(2種以上を貼り合わせて使用する場合は貼り合わせ後の厚さ)は特に限定されないが、例えば積層体10を工業用テープとして用いる場合、25μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましく、10μm以下がさらに好ましく、10μm未満が特に好ましく、また、1μm以上であってもよく、3μm以上であってもよく、5μm以上であってもよい。上記上限値及び上記下限値は適宜組み合わせることができる。
また、プラスチックフィルム11の厚さは10μm以上であってもよく、例えば、10~50μmであってもよい。
<マットインキ層>
図示例の積層体10において、マットインキ層12は、プラスチックフィルム11の一方の面上に設けられている。
マットインキ層12は、上述した本発明の油性マットインキ組成物を用いて形成された層である。
マットインキ層12は、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
マットインキ層12は、積層体にマット調の外観を付与するものである。また、マットインキ層12は、人の手等の外部接触からプラスチックフィルム11を保護する役割も果たす。
マットインキ層12の厚さは特に限定されず、例えば、0.1~1μmであってもよい。なお、マットインキ層が粒子(例えば、シリカ(B)の粒子、体質顔料(D)の粒子、炭化水素ワックス(E)の粒子等)を含み、粒子の一部がマットインキ層の表面上に突出している場合、マットインキ層の厚さは、粒子が突出していない部分の厚さとする。
<積層体の製造方法>
本実施形態の積層体10の製造方法は、プラスチックフィルム11の一方の面上に、本発明の油性マットインキ組成物を用いてマットインキ層12を形成する工程を含む。
本発明の積層体10の製造方法では、例えばプラスチックフィルム11の一方の面上に、本発明の油性マットインキ組成物を塗工し、塗工膜を形成して積層体前駆体とし、次いで、塗工膜を乾燥させてマットインキ層12を形成する。塗工膜を乾燥させてマットインキ層12を形成した後に、得られたマットインキ層12をさらにエージングしてもよい。特に、油性マットインキ組成物が硬化剤(F)を含有する場合は、マットインキ層12をエージングすることが好ましい。エージングすることで、硬化剤(F)による架橋反応が促進される。マットインキ層12をエージングする工程を「エージング工程」ともいう。
なお、本発明の油性マットインキ組成物をプラスチックフィルム11の一方の面上に塗工し、得られた塗工膜を乾燥させてマットインキ層12を形成した後、さらに本発明の油性マットインキ組成物を塗工(重ね塗り)し、得られた塗工膜を乾燥させる工程を1回以上行い、積層構造のマットインキ層を形成してもよい。本発明の油性マットインキ組成物を重ね塗りする場合、各油性マットインキ組成物の組成は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
マットインキ層12の形成方法は、公知の印刷方法であってよい。例えば、プラスチックフィルム11の一方の面上に本発明の油性マットインキ組成物を塗工し、塗工膜を乾燥することでマットインキ層12が形成される。
塗工方法は、公知の塗工方法であってよく、例えば、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、ハケ塗り、グラビアコーター法、ダイコーター法、バーコーター法、スプレーコート法、フローコート法、ディップコート法、スピンコート法及びカーテンコート法等が挙げられる。これらの中でも、品質及び生産性に優れる点からグラビア印刷法が好ましい。
塗工膜の乾燥方法としては、プラスチックフィルム11の一方の面上に塗工された油性マットインキ組成物に含まれる有機溶剤(C)を除去できれば特に制限されず、公知の乾燥方法を用いることができる。例えば、自然乾燥であってもよいし、減圧乾燥、加圧乾燥、加熱乾燥、風乾等の強制乾燥であってもよい。
加熱により乾燥する場合、乾燥温度は、30~70℃が好ましい。
エージング工程の条件は特に限定されないが、例えば、エージング温度は30~70℃が好ましく、エージング時間は24~72時間が好ましい。
<作用効果>
以上説明した本実施形態の積層体は、プラスチックフィルムの一方の面上に、上述した本発明の油性マットインキ組成物を用いて形成されたマットインキ層が設けられており、耐カール性、耐溶剤性、耐ブロッキング性に優れる。加えて、本実施形態の積層体は、マット調の外観を有し、意匠性にも優れる。
<用途>
本実施形態の積層体は、工業用テープとして好適である。工業用テープの一例としては、本発明の積層体を備えるものが挙げられる。
また、本実施形態の積層体は、包装ラベル等の包装材として用いることもできる。
<他の実施形態>
積層体は、上述した実施形態に限定されない。
例えば図2に示すように、積層体10は、プラスチックフィルム11とマットインキ層12との間に、絵柄層13をさらに備えていてもよい。すなわち、プラスチックフィルム11の一方の面上に、絵柄層13及びマットインキ層12がこの順に形成されていてもよい。
また、例えば図3に示すように、積層体10は、プラスチックフィルム11の他方の面上に、絵柄層13をさらに備えていてもよい。すなわち、絵柄層13、プラスチックフィルム11及びマットインキ層12がこの順に積層していてもよい。
絵柄層13は、典型的にはインキを用いて形成される印刷層である。インキは公知のインキであってよい。インキは典型的には顔料を含有する。絵柄層13の形成方法は、マットインキ層12の形成方法と同様、公知の印刷方法であってよい。
図2に示す絵柄層13はプラスチックフィルム11の一方の面の全体に設けられているが、絵柄層13はプラスチックフィルム11の一方の面の一部に設けられていてもよい。すなわち、プラスチックフィルム11の一方の面は、一部が絵柄層13から露出していてもよい。
また、図3に示す絵柄層13はプラスチックフィルム11の他方の面の全体に設けられているが、絵柄層13はプラスチックフィルム11の他方の面の一部に設けられていてもよい。すなわち、プラスチックフィルム11の他方の面は、一部が絵柄層13から露出していてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
[使用原料]
<ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)>
ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)又はその比較品として、以下に示す化合物を用いた。
・A-1:ウレタン/(メタ)アクリル比:0.25、(メタ)アクリル部のガラス転移温度:75℃、ウレタン部のガラス転移温度:-20℃、全体のガラス転移温度:56℃、水酸基価:103mgKOH/g、酸価:1mgKOH/g、SP値:11.40(cal/cm1/2、(メタ)アクリル部:メチルメタクリレート系、不揮発分:30質量%。
・A-2:ウレタン/(メタ)アクリル比:0.43、(メタ)アクリル部のガラス転移温度:82℃、ウレタン部のガラス転移温度:10℃、全体のガラス転移温度:60℃、水酸基価:43mgKOH/g、酸価:6.3mgKOH/g、SP値:10.96(cal/cm1/2、(メタ)アクリル部:メチルメタクリレート系、不揮発分:40質量%。
・A-3:ウレタン/(メタ)アクリル比:0.25、(メタ)アクリル部のガラス転移温度:75℃、ウレタン部のガラス転移温度:-30℃、全体のガラス転移温度:54℃、水酸基価:103mgKOH/g、酸価:0.77mgKOH/g、SP値:11.41(cal/cm1/2、(メタ)アクリル部:メチルメタクリレート系、不揮発分:29.5質量%。
・A-4: ウレタン/(メタ)アクリル比:0.67、(メタ)アクリル部のガラス転移温度:60℃、ウレタン部のガラス転移温度:-10℃、全体のガラス転移温度:32℃、水酸基価:35mgKOH/g、酸価:6.9mgKOH/g、SP値:10.84(cal/cm1/2、(メタ)アクリル部:メチルメタクリレート系、不揮発分:30質量%。
・A-5:ウレタン/(メタ)アクリル比:1.0、(メタ)アクリル部のガラス転移温度:60℃、ウレタン部のガラス転移温度:40℃、全体のガラス転移温度:50℃、水酸基価:0mgKOH/g、酸価:7.5mgKOH/g、(メタ)アクリル部:メチルメタクリレート系、不揮発分:41.5質量%。ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)の比較品。
・A-6:ウレタン/(メタ)アクリル比:0.43、(メタ)アクリル部のガラス転移温度:30℃、ウレタン部のガラス転移温度:-10℃、全体のガラス転移温度:18℃、水酸基価:90mgKOH/g、酸価:5.7mgKOH/g、SP値:11.26(cal/cm1/2、(メタ)アクリル部:メチルメタクリレート系、不揮発分:35.5質量%。ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)の比較品。
・A-7:ウレタン/(メタ)アクリル比:0.82、(メタ)アクリル部のガラス転移温度:105℃、水酸基価:11mgKOH/g、酸価:0.57mgKOH/g、(メタ)アクリル部:メチルメタクリレート系、不揮発分:35質量%。ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)の比較品。
<他のバインダー樹脂>
他のバインダー樹脂として、以下に示す化合物を用いた。
・アクリルポリオール樹脂:大成ファインケミカル株式会社製、商品名「アクリット6AN-830D」、水酸基価:27.4mgKOH/g、酸価:1.0mgKOH/g、ガラス転移温度:86.1℃、不揮発分:40質量%。
・ポリウレタン樹脂:三洋化成工業株式会社製、商品名「サンプレンIB-1700D」、水酸基価:3.3mgKOH/g、ガラス転移温度:-45℃、不揮発分:30質量%。
<シリカ(B)>
シリカ(B)として、以下に示す化合物を用いた。
・B-1:東ソー・シリカ株式会社製、商品名「ニップジェルAZ200」、平均粒子径:4.2μm、不揮発分:95質量%、親水性シリカ。
・B-2:富士シリシア化学株式会社製、商品名「サイリシア300」、平均粒子径:1.7μm、不揮発分:100質量%、親水性シリカ。
・B-3:東ソー・シリカ株式会社製、商品名「ニップジェルAY-603」、平均粒子径:10.8μm、不揮発分:100質量%、親水性シリカ。
<有機溶剤(C)>
有機溶剤(C)として、以下に示す化合物を用いた。
・C-1:メチルエチルケトンと酢酸n-プロピルの混合溶剤(メチルエチルケトン:酢酸n-プロピル=3:1(質量比))。
<体質顔料(D)>
体質顔料(D)として、以下に示す化合物を用いた。
・D-1:炭酸カルシウム(白石カルシウム株式会社製、商品名「白艶華DD」、平均粒子径:0.1μm、不揮発分:100質量%)。
・D-2:沈降性硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製、商品名「沈バリ100」、平均粒子径:0.6μm、不揮発分:100質量%)。
・D-3:沈降性硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製、商品名「バリファインBF20」、平均粒子径:0.03μm、不揮発分:100質量%)。
・D-4:沈降性硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製、商品名「沈バリ200」、平均粒子径:0.8μm、不揮発分:100質量%)。
<炭化水素ワックス(E)>
炭化水素ワックス(E)として、以下に示す化合物を用いた。
・E-1:ポリオレフィンワックス(三井化学株式会社製、商品名「ハイワックス220P」、針入度:13、不揮発分:100質量%)。
・E-2:ポリオレフィンワックス(三井化学株式会社製、商品名「ハイワックス110P」針入度:25、不揮発分:100質量%)。
<硬化剤(F)>
硬化剤(F)として、以下に示す化合物を用いた。
・F-1:イソシアネート系硬化剤(三井化学株式会社製、商品名「タケネートD-160N」、不揮発分:75質量%、ヘキサメチレンジイソシアネートのTMPアダクト体)。
[評価方法]
<耐カール性の評価>
積層体(エージング後)を、幅2.5cm及び長さ15cmの大きさにカットし、試験片を作製した。得られた試験片を温度25℃ 、相対湿度60%の環境下に1時間静置した後、平らな台の上に、試験片をカールした側を上に向けて置き、台からカールした試験片の端までの距離(カール高さ)を測定した。3枚の試験片についてカール試験を行い、カール高さを測定し、その平均値をカール高さとし、以下に示す評価基準にしたがってマットインキ層の耐カール性を評価した。3~5を合格とする。
5:カール高さ0mmである。
4:カール高さ0mm超え、1mm以下である。
3:カール高さ1mm超え、3mm以下である。
2:カール高さ3mm超え、5mm以下である。
1:カール高さ5mm超えである。
<耐溶剤性(イソプロパノール)の評価>
積層体(エージング後)を温度25℃ 、相対湿度60%の環境下に1時間静置した。静置後の積層体のマットインキ層の表面を、学振型摩擦堅牢度試験機(テスター産業株式会社製、製品名「AB-301」)を用いて、イソプロパノール(IPA)を浸した黒布(金巾3号)で、500gfの荷重をかけた状態で30往復擦る摩擦試験を行った。その後、マットインキ層の外観を目視にて確認し、以下に示す評価基準にしたがってマットインキ層の耐溶剤性(イソプロパノール)を評価した。3~5を合格とする。
5:黒布(金巾3号)へ移行したマットインキ層の面積の割合が、マットインキ層の総面積に対して0%である。
4:黒布(金巾3号)へ移行したマットインキ層の面積の割合が、マットインキ層の総面積に対して0%超え、5%以下である。
3:黒布(金巾3号)へ移行したマットインキ層の面積の割合が、マットインキ層の総面積に対して5%超え、10%以下である。
2:黒布(金巾3号)へ移行したマットインキ層の面積の割合が、マットインキ層の総面積に対して10%超え、30%以下である。
1:黒布(金巾3号)へ移行したマットインキ層の面積の割合が、マットインキ層の総面積に対して30%超えである。
<耐溶剤性(酢酸エチル)の評価>
積層体(エージング後)を温度25℃ 、相対湿度60%の環境下に1時間静置した。静置後の積層体のマットインキ層の表面を、学振型摩擦堅牢度試験機(テスター産業株式会社製、製品名「AB-301」)を用いて、酢酸エチル(EtAc)を浸した黒布(金巾3号)で、500gfの荷重をかけた状態で30往復擦る摩擦試験を行った。その後、マットインキ層の外観を目視にて確認し、以下に示す評価基準にしたがってマットインキ層の耐溶剤性(酢酸エチル)を評価した。3~5を合格とする。
5:黒布(金巾3号)へ移行したマットインキ層の面積の割合が、マットインキ層の総面積に対して0%である。
4:黒布(金巾3号)へ移行したマットインキ層の面積の割合が、マットインキ層の総面積に対して0%超え、5%以下である。
3:黒布(金巾3号)へ移行したマットインキ層の面積の割合が、マットインキ層の総面積に対して5%超え、10%以下である。
2:黒布(金巾3号)へ移行したマットインキ層の面積の割合が、マットインキ層の総面積に対して10%超え、30%以下である。
1:黒布(金巾3号)へ移行したマットインキ層の面積の割合が、マットインキ層の総面積に対して30%超えである。
<耐ブロッキング性の評価>
積層体前駆体を2枚用意した。
一方の積層体前駆体の塗工膜側の表面(印刷面)と、他方の積層体前駆体の塗工膜側の表面(印刷面)とが接するように2枚の積層体前駆体を重ね合わせて、2kg/cmの荷重をかけ、40℃の恒温機内で24時間保管した。その後、2枚の積層体前駆体同士を剥離し、以下に示す評価基準にしたがって塗工膜の耐ブロッキング性を評価した。3~5を合格とする。なお、下記の「マットインキ取られ」とは、剥離時に一方の積層体前駆体の塗工膜が対向面(本評価では他方の積層体前駆体の印刷面)に付着したまま、一方の積層体前駆体の塗工膜がプラスチックフィルムから剥がれることを意味する。
5:印刷面へのマットインキ取られが無い。
4:印刷面へのマットインキ取られが、塗工膜の総面積に対して、0%超え、10%以下である。
3:印刷面へのマットインキ取られが、塗工膜の総面積に対して、10%超え、30%以下である。
2:印刷面へのマットインキ取られが、塗工膜の総面積に対して、30%超え、50%以下である。
1:印刷面へのマットインキ取られが、塗工膜の総面積に対して、50%超えである。
<印刷適性の評価>
油性マットインキ組成物を、ザーンカップ#3を用いて測定される25℃における粘度が17秒となるように有機溶剤(C-1)を用いて希釈し、印刷用のマットインキを調製した。得られたマットインキを、市販品のスチール製ドクターブレードと、非画線部のみの版とを備えた5色グラビア印刷機(富士機械工業株式会社製)のインキパンに供給し、150m/minの条件で30分間、版の空転を行った。その後、版面に発生する筋状の汚れ(ドクター筋)を目視で確認し、以下に示す評価基準にしたがって油性マットインキ組成物の印刷適性を評価した。3~5を合格とした。
5:ドクター筋がない、又は薄いドクター筋が1~2本確認された。
4:薄いドクター筋が3~5本確認された。
3:薄いドクター筋が6本以上、又は濃いドクター筋が1~2本確認された。
2:濃いドクター筋が3~5本確認された。
1:濃いドクター筋が6本以上確認された。
<耐摩擦性の評価>
積層体(エージング後)を温度25℃ 、相対湿度60%の環境下に1時間静置した。静置後の積層体のマットインキ層の表面を、学振型摩擦堅牢度試験機(テスター産業株式会社製、製品名「AB-301」)を用いて、黒布(金巾3号)で、500gfの荷重をかけた状態で200往復擦る摩擦試験を行った。その後、マットインキ層の外観を目視にて確認し、以下に示す評価基準にしたがってマットインキ層の耐摩擦性を評価した。3~5を合格とする。
5:黒布(金巾3号)へ移行したマットインキ層の面積の割合が、マットインキ層の総面積に対して0%である。
4:黒布(金巾3号)へ移行したマットインキ層の面積の割合が、マットインキ層の総面積に対して0%超え、5%以下である。
3:黒布(金巾3号)へ移行したマットインキ層の面積の割合が、マットインキ層の総面積に対して5%超え、10%以下である。
2:黒布(金巾3号)へ移行したマットインキ層の面積の割合が、マットインキ層の総面積に対して10%超え、30%以下である。
1:黒布(金巾3号)へ移行したマットインキ層の面積の割合が、マットインキ層の総面積に対して30%超えである。
[実施例1~18、比較例1~10]
<油性マットインキ組成物の調製>
表1~5に示す組成にしたがって、ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)、他のバインダー樹脂、シリカ(B)、有機溶剤(C)、体質顔料(D)及び炭化水素ワックス(E)を混合し、混合物を得た。得られた混合物をペイントシェーカーで練肉した後、硬化剤(F)を配合する場合は、硬化剤(F)を加えてペイントシェーカーでさらに練肉し、油性マットインキ組成物を得た。
なお、硬化剤(F)は次の<積層体の作製>において印刷用のマットインキを調製する直前に添加した。
<積層体の作製>
調製した油性マットインキ組成物を、ザーンカップ#3を用いて測定される25℃における粘度が18秒となるように有機溶剤(C-1)を用いて希釈し、印刷用のマットインキを調製した。
網150線/inch(40μm)グラビア彫刻版を備えたグラビア印刷機(松尾産業社製、商品名「Kプリンティングプルーファー」)を使用し、プラスチックフィルムとしてPETフィルム(東レ株式会社製、商品名「ルミラー #6C-F53」、厚さ:6μm)の一方の面上に、調製した印刷用のマットインキを塗布し、プラスチックフィルム上に塗工膜が形成された積層体前駆体を得た。次いで、積層体前駆体を60℃で1分間熱風乾燥した後、さらに40℃で48時間エージングを行うことで、プラスチックフィルム上に厚さ3μmのマットインキ層が形成された積層体(印刷物)を得た。
油性マットインキ組成物を用いて印刷適性を評価し、積層体前駆体を用いて耐ブロッキング性評価し、積層体(エージング後)を用いて耐カール性、耐溶剤性及び耐摩擦性を評価した。これらの結果を表1~5に示す。
[実施例19、20]
<油性マットインキ組成物の調製>
表3に示す組成にしたがって、ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)、他のバインダー樹脂、シリカ(B)、有機溶剤(C)、体質顔料(D)及び炭化水素ワックス(E)を混合し、混合物を得た。得られた混合物をペイントシェーカーで練肉した後、硬化剤(F)を加えてペイントシェーカーでさらに練肉し、油性マットインキ組成物を得た。
なお、硬化剤(F)は後述の<積層体の作製>において印刷用のマットインキを調製する直前に添加した。
<インキ組成物の調製>
ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A-1)を固形分換算で22質量部と、カーボンブラック(三菱ケミカル株式会社製、商品名「ミツビシカーボンブラックMA100」)を固形分換算で18.5質量部と、炭化水素ワックス(E-1)を固形分換算で1質量部と、分散剤(日本ルーブリゾール株式会社製、商品名「ソルスパース20000」)を固形分換算で1質量部と、有機溶剤(C-1)とを混合し、混合物を得た。得られた混合物をペイントシェーカーで練肉した後、硬化剤(F-1)を固形分換算で11質量部加えてペイントシェーカーでさらに練肉し、油性インキ組成物を得た。
なお、硬化剤(F-1)は後述の<積層体の作製>において印刷用のインキを調製する直前に添加した。
また、有機溶剤(C-1)の配合量によって、油性インキ組成物に含まれる全配合成分の合計の配合量(質量%)が100質量%となるように調整した。
<積層体の作製>
調製した油性マットインキ組成物を、ザーンカップ#3を用いて測定される25℃における粘度が18秒となるように有機溶剤(C-1)を用いて希釈し、印刷用のマットインキを調製した。
別途、調製した油性インキ組成物を、ザーンカップ#3を用いて測定される25℃における粘度が18秒となるように有機溶剤(C-1)を用いて希釈し、印刷用のインキを調製した。
網150線/inch(40μm)グラビア彫刻版を備えたグラビア印刷機(松尾産業社製、商品名「Kプリンティングプルーファー」)を使用し、プラスチックフィルムとしてPETフィルム(東レ株式会社製、商品名「ルミラー #6C-F53」、厚さ:6μm)の一方の面上に、調製した印刷用のインキを塗布した。次いで、60℃で1分間熱風乾燥した後、さらに40℃で48時間エージングを行うことで、プラスチックフィルム上に厚さ3μmの絵柄層(インキ層)を形成した。
次いで、網150線/inch(40μm)グラビア彫刻版を備えたグラビア印刷機(松尾産業社製、商品名「Kプリンティングプルーファー」)を使用し、絵柄層上に、調製した印刷用のマットインキを塗布し、絵柄層上に塗工膜が形成された積層体前駆体を得た。次いで、積層体前駆体を60℃で1分間熱風乾燥した後、さらに40℃で48時間エージングを行うことで、プラスチックフィルム上に絵柄層及び厚さ3μmのマットインキ層がこの順に形成された積層体(印刷物)を得た。
油性マットインキ組成物を用いて印刷適性を評価し、積層体前駆体を用いて耐ブロッキング性評価し、積層体(エージング後)を用いて耐カール性、耐溶剤性及び耐摩擦性を評価した。これらの結果を表3に示す。
表1~5中の有機溶剤(C)以外の各成分の配合量は、固形分換算での量である。
表1~5中の空欄は、その成分が配合されていないこと(配合量0質量%)を意味する。
表1~5中の「残分」は、油性マットインキ組成物に含まれる全配合成分の合計の配合量(質量%)が100質量%となるように調整して添加した有機溶剤(C)の量である。
表1~5中の「F/M」は、プラスチックフィルムの一方の面上にマットインキ層が形成された層構成を意味し、「F/I/M」は、プラスチックフィルムの一方の面上に絵柄層(インキ層)及びマットインキ層がこの順に形成された層構成を意味する。
表1~5中の「(A)の含有量」は、油性マットインキ組成物の総固形分に対するウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)の固形分換算での含有量であり、小数点第2位を四捨五入している。
表1~5中の「B/A比」は、シリカ(B)/ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)で表される固形分換算での質量比であり、小数点第4位を四捨五入している。
表1~3の結果から明らかなように、各実施例で得られた油性マットインキ組成物は、印刷適性に優れていた。また、これらの油性マットインキ組成物より形成される塗膜は、耐カール性、耐溶剤性、耐ブロッキング性及び耐摩擦性に優れていた。
一方、表4、5の結果から明らかなように、ウレタン/(メタ)アクリル比が1.0であるウレタン変性(メタ)アクリル樹脂を用いた比較例1で得られた油性マットインキ組成物より形成される塗膜は、耐溶剤性及び耐ブロッキング性に劣っていた。
(メタ)アクリル部のガラス転移温度が30℃であるウレタン変性(メタ)アクリル樹脂を用いた比較例2で得られた油性マットインキ組成物より形成される塗膜は、耐溶剤性及び耐ブロッキング性に劣っていた。
(メタ)アクリル部のガラス転移温度が105℃であるウレタン変性(メタ)アクリル樹脂を用いた比較例3で得られた油性マットインキ組成物より形成される塗膜は、耐カール性に劣っていた。
ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)の代わりにアクリルポリオール樹脂を用いた比較例4で得られた油性マットインキ組成物より形成される塗膜は、耐カール性に劣っていた。
ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)の代わりにポリウレタン樹脂を用いた比較例5で得られた油性マットインキ組成物より形成される塗膜は、耐溶剤性及び耐ブロッキング性に劣っていた。
ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)の含有量が26.3質量%である比較例6で得られた油性マットインキ組成物より形成される塗膜は、耐溶剤性に劣っていた。
ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)の含有量が54.8質量%である比較例7で得られた油性マットインキ組成物より形成される塗膜は、耐ブロッキング性に劣っていた。
B/A比が0.027である比較例8で得られた油性マットインキ組成物より形成される塗膜は、耐ブロッキング性に劣っていた。
B/A比が0.541である比較例9で得られた油性マットインキ組成物より形成される塗膜は、耐カール性及び耐溶剤性に劣っていた。
シリカ(B)を含まない比較例10で得られた油性マットインキ組成物より形成される塗膜は、耐ブロッキング性に劣っていた。
本発明の油性マットインキ組成物は、10μm未満のプラスチックフィルムに印刷した場合でも印刷物のカールが起こりにくい優れた耐カール性を有し、かつ優れた耐溶剤性、耐ブロッキング性を有する塗膜を形成でき、工業用テープ用のマットインキとして有用である。
10 積層体
11 プラスチックフィルム
12 マットインキ層
13 絵柄層

Claims (11)

  1. ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)と、シリカ(B)と、有機溶剤(C)と、を含有する、油性マットインキ組成物であって、
    前記ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)は、(メタ)アクリル部を主骨格とし、その側鎖にウレタン部を有する、グラフトポリマーであり、
    前記ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)における、前記ウレタン部/前記(メタ)アクリル部で表される質量比が0.1~0.9であり、
    前記ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)を構成する前記(メタ)アクリル部のガラス転移温度が40~100℃であり、
    前記ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)の固形分換算での含有量が、前記油性マットインキ組成物の総固形分に対して28~53質量%であり、
    前記シリカ(B)/前記ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)で表される固形分換算での質量比が0.04~0.50である、油性マットインキ組成物。
  2. 前記ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)における、前記ウレタン部/前記(メタ)アクリル部で表される質量比が0.1~0.5である、請求項1に記載の油性マットインキ組成物。
  3. 前記ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂(A)の水酸基価が40~120mgKOH/g以下である、請求項1に記載の油性マットインキ組成物。
  4. 前記シリカ(B)の平均粒子径が2~10μm以下である、請求項1に記載の油性マットインキ組成物。
  5. 体質顔料(D)をさらに含有し、
    前記体質顔料(D)が炭酸カルシウム及び沈降性硫酸バリウムの少なくとも一方を含み、
    前記体質顔料(D)の平均粒子径が0.05~0.70μmである、請求項1に記載の油性マットインキ組成物。
  6. 炭化水素ワックス(E)をさらに含有し、
    前記炭化水素ワックス(E)の針入度が20以下である、請求項1に記載の油性マットインキ組成物。
  7. 硬化剤(F)をさらに含有する、請求項1に記載の油性マットインキ組成物。
  8. グラビア印刷用である、請求項1~7のいずれか一項に記載の油性マットインキ組成物。
  9. プラスチックフィルムと、前記プラスチックフィルムの一方の面上に、請求項8に記載の油性マットインキ組成物を用いて形成されたマットインキ層と、を備える、積層体。
  10. 前記プラスチックフィルムと前記マットインキ層との間、又は前記プラスチックフィルムの他方の面上に、絵柄層をさらに備える、請求項9に記載の積層体。
  11. 請求項10に記載の積層体を備える、工業用テープ。
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