JP7828164B2 - 吸収性物品 - Google Patents
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Description
<1>液透過性のトップシート、吸水性樹脂と親水性繊維材料とを含む吸収体、及び液不透過性のバックシートをこの順に備える吸収性物品であって、前記吸収体は、吸水性樹脂の層と、親水性繊維材料の層、とを有し、前記吸水性樹脂の層は、前記液透過性のトップシート側に配置され、前記親水性繊維材料の層は、前記液不透過性のバックシート側に配置されており、前記親水性繊維材料の層の目付量は、100g/m2以下であり、
前記吸水性樹脂は、ポリ(メタ)アクリル酸(塩)系単量体に由来する構造単位を含む架橋重合体、を含む粒子状の吸水性樹脂であって、下記の手順により求められるゲル移動指数が0.20以下であり、かつ吸水速度(Vortex法)が50秒以下である:
(1)胴径55mm、高さ70mmの容量100mLビーカーに、25℃の0.9質量%塩化ナトリウム水溶液38g及び吸水性樹脂2.00gを投入し膨潤ゲルを形成させる。
ゲル移動指数=(ゲル保形力A/ゲル保形力B)-1 (1)。
<2>前記吸水性樹脂は、球状粒子の凝集体状粒子である、<1>に記載の吸収性物品。
<3>前記吸水性樹脂は、水不溶性無機微粒子を含む、<1>又は<2>に記載の吸収性物品。
<4>前記吸水性樹脂は、ゲル保形力Aが10.0N以上である、<1>~<3>のいずれか1つに記載の吸収性物品。
<5>前記吸水性樹脂は、AAPが15g/g以上である、<1>~<4>のいずれか1つに記載の吸収性物品。
<6>前記吸収体の含む、前記吸水性樹脂の質量が前記吸水性樹脂と前記親水性繊維材料との合計質量の50質量%以上100質量%未満である、<1>~<5>のいずれか1つに記載の吸収性物品。
・ゲル移動指数が小さい吸水性樹脂は、吸液し、膨潤した状態であっても、吸収体の中での膨潤ゲルの移動(ゲルの偏り)を抑制できる(耐変形性に優れるとも言える)。そのため、該吸水性樹脂を含む吸収体は、2回目の吸液後でも、十分な吸水性能が維持できる。
・さらに、このようなゲル移動指数が小さい吸水性樹脂を、親水性繊維材料の層の上、すなわち、前記液透過性のトップシート側(肌側)に配置することにより、吸水性樹脂の層の耐変形性の向上効果がより顕著に発揮され、膨潤ゲルの移動をさらに低減できる。
[1-1.吸水性樹脂]
本発明における「吸水性樹脂」とは、水膨潤性水不溶性の高分子ゲル化剤を指し、以下の物性を満たすものをいう。即ち、「水膨潤性」として、ERT441.2-02で規定されるCRCが5g/g以上、かつ、「水不溶性」として、ERT470.2-02で規定されるExtが50重量%以下の物性を満たす高分子ゲル化剤を指す。
「EDANA」は、欧州不織布工業会(European Disposables and Nonwovens Associations)の略称であり、「ERT」は、欧州標準(ほぼ世界標準)の吸水性樹脂の測定法(EDANA Recommended Test Methods)の略称である。本発明では、特に断りのない限り、ERT原本(2002年改定/公知文献)に準拠して、吸水性樹脂の物性を測定する。
本明細書において、範囲を示す「X~Y」は「X以上、Y以下」を意味する。
本発明の一実施形態に係る吸収性物品は、液透過性のトップシート、吸水性樹脂と親水性繊維材料とを含む吸収体、及び液不透過性のバックシートをこの順に備える。以下において、「本発明の一実施形態に係る吸収性物品」を、「本吸収性物品」と称する場合がある。
本吸収性物品の備える液透過性のトップシート(本発明の一実施形態に係る液透過性のトップシート)は、本吸収性物品の吸収対象の液体が浸入する側の最外部に配置されている。本吸収性物品の装着時において、液透過性のトップシートは、本吸収体の内側(すなわち、使用者側)に配置されるものであり、液不透過性のバックシートとは反対側の最外部に配置されるものであるとも言える。
本吸収性物品の備える吸収体(本発明の一実施形態に係る吸収体であり、以下、「本吸収体」と称する場合もある)は、吸水性樹脂と親水性繊維材料とを含む。まず、本吸収体の含む吸水性樹脂(本発明の一実施形態に係る吸水性樹脂であり、以下、「本吸水性樹脂」と称する場合もある)について、詳説する。
本発明において、吸水性樹脂の形状は、好ましくは粒子状である。粒子状の形状としては、より具体的には、不定形破砕状、球状、フットボール状、凝集体状等が挙げられる。中でも粒子形状が球状であることにより、又は、特に凝集体状であることにより、吸収速度が速く吸水性樹脂が液を取り込み液戻り量が抑えられることから、一次粒子(球状粒子)の凝集体状粒子であることが特に好ましい。このような一次粒子の凝集体状粒子の吸水性樹脂は、例えば、逆相懸濁重合により得られる球状粒子の吸水性樹脂を、整粒(例えば、押出作用部及び多孔板を有するゲル整粒装置を用いて整粒)することにより得ることができる。なお、本明細書において、「球状」とは真球だけでなく、アスペクト比が1.0~1.2である略球状のものも含む。
本発明の一実施形態において、吸水性樹脂は、種々の機能を発現するための添加剤を含むこともできる。該添加剤として、具体的には、界面活性剤、リン原子を有する化合物、酸化剤、有機還元剤、水不溶性無機微粒子、金属石鹸等の有機粉末、消臭剤、抗菌剤、パルプや熱可塑性繊維等が挙げられる。これらの中でも、水不溶性無機微粒子を含むことが好ましい。これら添加剤は、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。なお、上記水不溶性無機微粒子としては、国際特許公開第2011/040530号の「〔5〕水不溶性無機微粒子」に開示された化合物が本発明に適用される。これら水不溶性無機微粒子のうち、特に親水性微粒子(欧州特許第0629411号に記載されている親水性度(水/メタノール=70/30の混合液中にコロイド状に懸濁する微粒子の割合で表される)が高い(例えば70%以上の)もの、および/または、特許第6837139号に記載されている、水に対する接触角が低い(例えば10°以下の)もの)、例えば、シリカ(二酸化珪素)やハイドロタルサイトを含むことで、膨潤した吸水性樹脂(膨潤ゲル)同士に適度な引っかかりが生じ、局所的に荷重がかかっても吸収体内で膨潤ゲルが動きにくく(すなわち、膨潤ゲルが偏りにくく)、優れた吸収性能を示すため、換言すると、吸液2回目の液戻り量が低い吸水性樹脂となるので好ましい。
「CRC」は、Centrifuge Retention Capacity(遠心分離機保持容量)の略称であり、吸水性樹脂の無加圧下での吸水倍率を意味する。
「Ext」は、Extractables(水可溶分)の略称であり、吸水性樹脂から抽出される可溶分量を意味する。Extは、EDANA法(ERT470.2-02)に準拠して測定される。
「AAP」は、Absorption Against Pressureの略称であり、吸水性樹脂の加圧下における吸水倍率を意味する。本明細書において、AAP(加圧下吸収倍率)は、荷重条件を4.83kPa(0.7psi)に変更する以外は、EDANA法(ERT442.2-02)に準拠して測定される。具体的には、0.9質量%塩化ナトリウム水溶液を用い、吸水性樹脂0.9gを1時間、4.83kPaの加圧下で膨潤させた後、AAP(加圧下吸収倍率)(g/g)を測定する。
「含水率」は、試料量を1.0g、乾燥温度を180℃にそれぞれ変更する以外は、EDANA法(ERT430.2-02)に準拠して測定される。
吸水性樹脂の「質量平均粒子径(D50)」は、米国特許第7638570号のカラム27、28に記載された「(3)Mass-Average Particle Diameter (D50) and Logarithmic Standard Deviation (σζ) of Particle Diameter Distribution」に準拠して測定される。
吸水性樹脂が一次粒子の凝集した凝集体状の粒子形状である場合合、吸水性樹脂の数平均粒子径とは、該凝集体を構成する一次粒子の数平均粒子径であり、電子顕微鏡を用いて測定する値である。吸水性樹脂の一次粒子の数平均粒子径は、好ましくは5μm~1000μmであり、より好ましくは5μm~800μmであり、さらに好ましくは8μm~500μm、より一層好ましくは10μm~300μmであり、さらに一層好ましくは10μm~200μm、特に好ましくは30μm~100μmである。
吸水性樹脂の「嵩密度」は、EDANA法(ERT460.2-02)に準拠して測定される。
本明細書における吸水性樹脂の「表面張力」とは、吸水性樹脂を0.9質量%塩化ナトリウム水溶液中に分散させた際の、水溶液の表面張力であり、WO2015/129917に記載の方法で測定される。
本明細書において、吸水性樹脂の「吸水速度」は日本工業規格JIS K 7224(1996)のVortex法に準拠して測定される。すなわち、吸水速度(Vortex法)は、スターラーチップによって600rpmで攪拌された0.9質量%塩化ナトリウム水溶液50g中に吸水性樹脂2.0gを添加し、該スターラーチップが試験液に覆われるまでの時間のことをいう。
本明細書において、吸水性樹脂の「ゲル保形力」とは、吸水したゲル状の吸水性樹脂(膨潤ゲル)に所定の荷重を加えたときの負荷(ゲル保形性)を表わす新規な物性値である。「ゲル保形力」は後述する実施例に記載の方法により測定される。
本発明者らは、上記の本願の課題について研究を進めるうちに、吸収性物品において、局所的に荷重がかかった場合、吸収体内部でゲルの偏りが生じ、該偏りに起因して吸収体の吸水性能にも偏りが生じることが、吸液2回目以降に液戻りが生じることの原因となっているという知見を初めて得た。
ゲル移動指数=(ゲル保形力A/ゲル保形力B)-1 (1)
前記「ゲル移動指数」は、吸水性樹脂の膨潤時の移動しやすさを表す新規の物性値である。従来、膨潤ゲルに圧縮治具を押し込むことで、膨潤ゲルの物性を測定する方法が知られているが、該従来の方法においては、圧縮治具の押し込み速度は1点だけであり、このような方法では、膨潤ゲルの強度を測定することしかできなかった。一方で、「ゲル移動指数」の測定においては、異なる2点の圧縮治具の押し込み速度を測定している。押し込み速度が変われば、膨潤ゲルの再配列の状態が変わるため、異なる押し込み速度のデータを比較することにより、従来の方法では定量化できなかった吸水性樹脂の膨潤時(膨潤ゲル)の移動のしやすさを、「ゲル移動指数」として定量化できる。なお、ゲル移動指数の具体的な測定方法は、実施例に記載の通りである。
吸水性樹脂の液戻り量は、2回目吸液後の液戻り量がより低減された吸収性物品を提供する観点から、1.0g以下が好ましく、0.8g以下がより好ましく、0.7g以下がさらに好ましい。なお、本明細書において、吸水性樹脂の液戻り量は、評価用吸収シートを用いて測定される値である。吸水性樹脂の液戻り量は、評価用吸収シートの液戻り量であるとも言える。吸水性樹脂の液戻り量(評価用吸収シートの液戻り量)は、実施例に記載の方法により測定される値である。
本発明の吸水性樹脂の製造方法は、所望の物性を有する吸水性樹脂を得ることができる限り特に限定されず、水溶液重合、逆相懸濁重合、気相液滴重合、または、その他の重合方法の何れを用いてもよいが、吸水性樹脂の物性を制御しやすい点から、逆相懸濁重合が好ましい。以下、逆相懸濁重合を一例として説明する。
単量体水溶液は、吸水性樹脂の原料となる(メタ)アクリル酸(塩)系単量体を含む水溶液であり、逆相懸濁重合を行うため、疎水性有機溶媒に分散又は懸濁させる溶液である。
上記単量体水溶液の調製において、重合開始剤を用いてもよい。なお、単量体水溶液の調製に重合開始剤を使用する場合は、単量体水溶液のゲル化や粘度増大が起こる恐れがあるため、重合開始剤の添加は(i)単量体水溶液を疎水性有機溶媒に分散/懸濁させる直前に行う、(ii)単量体水溶液を冷却し常温より低温(20℃以下、好ましくは0℃付近)で重合開始剤と混合する、(iii)単量体水溶液と重合開始剤をラインミキシングしながら分散工程に供する、等の方法で行うことが好ましい。重合開始剤としては、熱分解型重合開始剤が好ましく用いられる。該熱分解型重合開始剤とは、熱によって分解しラジカルを発生する化合物を意図する。熱分解型重合開始剤の10時間半減期温度は、貯蔵安定性や吸水性樹脂の生産効率の観点から、好ましくは0℃~120℃、より好ましくは30℃~100℃、さらに好ましくは50℃~80℃である。
また、必要に応じて、光分解型重合開始剤等、他の重合開始剤と、熱分解型重合開始剤とを併用することもできる。該光分解型重合開始剤として、具体的には、ベンゾイン誘導体、ベンジル誘導体、アセトフェノン誘導体、ベンゾフェノン誘導体等が挙げられる。
また、上記熱分解型重合開始剤と還元剤とを併用してレドックス系重合開始剤とすることもできる。上記レドックス系重合開始剤では、熱分解型重合開始剤が酸化剤として機能する。用いられる還元剤としては、特に限定されないが、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等の(重)亜硫酸塩;第一鉄塩等の還元性金属塩;L-アスコルビン酸(塩)、アミン類等が挙げられる。
本発明において、単量体水溶液中の単量体の濃度は、選択された単量体及び疎水性有機溶媒の種類等に応じて選択されるが、生産効率上、下限は、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは20質量%以上であり、さらにより好ましくは30質量%以上である。また、上限は、好ましくは100質量%以下であり、より好ましくは90質量%以下であり、さらに好ましくは80質量%以下であり、さらにより好ましくは70質量%以下である。
分散工程は、疎水性有機溶媒に単量体水溶液(単量体を含む液滴)を分散又は懸濁する工程である。なお、以下、単に「分散」と記載した場合には、懸濁も含む概念とする。分散工程は、より具体的には、上記単量体水溶液を、疎水性有機溶媒に添加して混合、攪拌することにより分散させる。例えば、攪拌翼(プロペラ翼、パドル翼、アンカー翼、タービン翼、ファウドラー翼、リボン翼、平板翼等)を備えた攪拌装置を用いてもよい。このような攪拌翼を有する攪拌装置を用いる場合、分散液滴径は、攪拌翼の種類、翼径、回転数当により調節することができ、バッチ式逆相懸濁重合を行う場合に特に好適に使用できる。また国際公開第2009/025235号、国際公開第2013/018571号等に記載された方法で分散液を得ることができる。連続式逆相懸濁重合を行う場合には、分散工程は、単量体水溶液及び疎水性有機溶媒を、分散装置に別々に連続的に供給し、疎水性有機溶媒中に分散する単量体を含む液滴を作製することが好ましい。
好ましい疎水性有機溶媒としては、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素からなる群から選ばれる少なくとも1種類の有機溶媒が挙げられる。具体例には、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタン等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロオクタン、デカリン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;クロルベンゼン、ブロムベンゼン、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素が例示される。これらの中でも、入手容易性及び品質安定性の観点から、n-ヘキサン、n-ヘプタン、シクロヘキサンが好ましい。疎水性有機溶媒としては、これらのうち1種類のみを単独で使用してもよく、2種以上を混合した混合溶媒として用いることも可能である。
重合工程は、上記分散工程において得られた単量体を含む液滴を重合して、含水ゲル重合体(以下、単に含水ゲルとも称する)を得る工程である。
重合工程で用いられる反応装置は、上記分散工程で用いられた分散装置をそのまま用いてもよいし、別の装置であってもよい。バッチ式逆相懸濁重合の場合、分散工程で用いた装置をそのまま反応装置として用いることができ、作業性の面で好適である。反応装置が分散装置と別の装置である場合、分散工程で得られた単量体の分散液が反応装置に供給される。
重合工程における反応温度である重合温度としては、使用する重合開始剤の種類や量によって適宜設定すればよいが、好ましくは20℃~100℃、より好ましくは40℃~90℃である。重合温度が100℃以下であれば、急激な重合反応を抑制することができる。なお、本明細書において、重合温度とは、分散媒である疎水性有機溶媒の温度(以下、「Td」と称する)を意図する。
本発明の一実施形態に係る吸収性樹脂の製造方法において、適度な凝集粒径を得る観点から、多段重合を行ってもよい。具体的には、一段目の重合工程の終了後に、単量体水溶液を再度添加し重合反応を行う等により、多段重合を行うことができる。
本発明の一実施形態に係る吸収性樹脂の製造方法において、重合中、又は、重合終了後の含水ゲル重合体に対して、適度な凝集粒径を得る観点から無機微粒子を添加してもよい。無機微粒子は、粉末状無機凝集剤ともいえる。
分離工程は、上記重合工程において得られた含水ゲル重合体と、疎水性有機溶媒とを分離する工程である。分離工程で用いる装置の種類及び構造については特に限定されないが、例えば、ろ過、沈降、遠心分離、圧搾等の公知の装置を利用することができる。また、重合工程で用いた攪拌羽を有する攪拌装置を用いて常圧又は減圧下で加熱し、蒸留することにより疎水性有機溶媒と分離してもよい。バッチ式逆相懸濁重合においては常圧又は減圧下での蒸留が好適に行われる。
本発明の一実施形態に係る吸収性樹脂の製造方法は、ゲル整粒工程を含んでもよい。ゲル整粒工程では、上記分離工程で疎水性有機溶媒から分離された含水ゲル重合体を、押出作用部及び多孔板を有するゲル整粒装置を用いて整粒する。これにより、整粒された含水ゲル重合体(以後、ゲル整粒後の含水ゲル重合体を整粒ゲルと表す)が得られる。ゲル整粒工程を有することで、吸水性樹脂の膨潤ゲルの保形力を制御しやすくなる。
ゲル整粒装置に供する含水ゲル重合体の温度の下限は特に制限されないが、造粒効率及び含水ゲルへのダメージの抑制の観点から好ましくは80℃以上、より好ましくは90℃以上である。ゲル整粒装置投入時の含水ゲル重合体の温度の上限は特に制限されないが、例えば、100℃以下である。
本明細書において、「ゲル整粒」とは、含水ゲル重合体(粉体の湿塊)を多孔板の小孔から円柱状に押し出すことにより、湿粉状の原料からほぼ均一な形状及びサイズを有する粒状のゲル(整粒ゲル)を作製する操作である。つまり、多孔板を用いることにより、分離工程で過度に凝集した粗大凝集物の形状になっている含水ゲルは解砕され、小粒径の単粒子状の含水ゲルは適度に凝集される。したがって、本工程によって、比較的粒子径の均一な造粒形状の含水ゲル(整粒ゲル)を得ることができる。なお、整粒ゲルは単粒子状の含水ゲルを含んでいてもよい。
乾燥工程は、含水ゲルを乾燥する工程である。本発明において、乾燥工程における乾燥の手法としては、特に限定されず、従来公知の方法(例えば、疎水性分散溶媒中の共沸脱水)を用いてもよいが、本発明の吸水性樹脂を逆相懸濁重合で得る観点から、より好適な手法としては、攪拌乾燥、または、静置乾燥を採用できる。中でも、上記ゲル整粒工程で制御したゲルの粒子径を維持するため、攪拌乾燥が好ましい。
本発明の効果が阻害されない限り、乾燥工程に供される含水ゲルに添加剤を添加してもよい。添加は、回転容器による撹拌(回転)及び/又は加熱手段による加熱中に添加してもよいし、乾燥工程前(回転容器のよる撹拌(回転)及び加熱手段による加熱前)であってもよい。さらには、乾燥工程以前の任意の工程で添加してもよい。添加剤によって乾燥時の含水ゲル同士の過度の付着が低減でき、吸水速度に優れた吸水性樹脂を得ることができる。
乾燥助剤は、乾燥工程における攪拌乾燥時に流動性を保つことを目的として添加されるものである。乾燥助剤としては、具体的には、界面活性剤や高分子滑材が挙げられる。乾燥助剤として、高分子滑剤と界面活性剤とを併用してもよい。本発明の一実施形態に係る吸収性樹脂の製造方法において、含水ゲル同士の付着を低減して均一に乾燥させ、含水ゲルの粒子強度に偏りを生じず、かつ、優れた保形性を得る観点から、乾燥助剤を使用することが好ましい。
上記乾燥工程で得られた乾燥重合体の粒度分布としては、粒子径850μm以上の割合(目開き850μmの篩を通過しなかった粒子の割合)が好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、更に好ましくは40質量%以下である。本実施形態の方法によれば、撹拌型乾燥機を用いた乾燥と組み合わせることにより、粗大粒子の形成が有意に抑制されるために、上記好ましい範囲とすることが可能となる。また、乾燥重合体の粒子径1400μm以上の割合(目開き1400μmの篩を通過しなかった粒子の割合)は好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。
上記乾燥工程(及びその後の任意の工程)を経て得られる吸水性樹脂粉末は、表面架橋剤によって表面架橋されることが好ましい。この表面架橋は、吸水性樹脂粉末の表面層(吸水性樹脂粉末の表面から数10μmの部分)に架橋密度の高い部分を設ける処理である。表面架橋処理を行うことで、吸水性樹脂の各種吸水特性を向上させることができる。特に、吸水性樹脂(粉末)の架橋密度を適宜調整することで、優れた加圧下吸収倍率を有する吸水性樹脂を得ることができる。なお、本発明においては、疎水性有機溶媒に分散させた状態での表面架橋、または、乾燥状態の粉体への表面架橋等の、従来公知の表面架橋技術を適宜適用できるが、得られる吸水性樹脂の加圧下吸収倍率向上の観点から、ゲル分離工程と乾燥工程を経た吸水性樹脂を表面架橋工程することが好ましい。なお、本発明の一実施形態に係る吸収性樹脂の製造方法における、表面架橋工程で用いられる表面架橋剤は、単量体水溶液調製工程で使用される内部架橋剤と区別するため、公知技術では「後架橋剤」としても示されるものである。
本発明の一実施形態に係る吸水性樹脂の製造方法は、上述した各工程以外に、必要に応じて、冷却工程、粉砕工程、含水(再湿潤)工程、その他の添加剤添加工程、分級工程、整粒工程、及び微粉再利用工程を含むことができる。また、輸送工程、貯蔵工程、梱包工程、保管工程等をさらに含んでもよい。
本発明の一実施形態に係る吸収性樹脂の製造方法において、任意に実施される冷却工程では、乾燥工程において得られた粒子状の乾燥重合体を、公知の冷却手段を用いて冷却することにより、所望の温度まで冷却された粒子状の乾燥重合体を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る吸収性樹脂の製造方法は、上記乾燥工程(及びその後の任意の冷却工程)で得られた粒子状の乾燥重合体を粉砕する粉砕工程を経ることが好ましい。粉砕工程を経ることによって、粒子径又は粒度分布が制御された吸水性樹脂粉末を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る吸収性樹脂の製造方法において、任意に実施される再湿潤工程は、上記表面架橋工程で得られた吸水性樹脂粒子に、多価金属塩、カチオン性ポリマー、キレート剤、無機還元剤、α-ヒドロキシカルボン酸化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤を添加する工程である。
本発明の一実施形態に係る吸収性樹脂の製造方法においては、上述した添加剤以外の添加剤(その他の添加剤)を、吸水性樹脂に種々の機能を付加させるため添加することもできる。該添加剤として、具体的には、界面活性剤、リン原子を有する化合物、酸化剤、有機還元剤、水不溶性無機微粒子、金属石鹸等の有機粉末、消臭剤、抗菌剤、パルプや熱可塑性繊維等が挙げられる。なお、上記水不溶性無機微粒子は、国際特許公開第2011/040530号の「〔5〕水不溶性無機微粒子」に開示された化合物が本発明に適用される。これら水不溶性無機微粒子を添加することで、吸水性樹脂粒子同士の摩擦力が向上し、吸水コア内でのゲルの移動が抑えられ吸収コアが変形しにくくなるため好ましく、特にシリカ(二酸化珪素)を添加することが好ましい。ここで、水不溶性無機微粒子は、重合工程等で添加する無機微粒子(粉末状無機凝集剤)を兼ねても良いし、別途添加しても良い。
「吸水性樹脂粉末整粒工程」とは、上記表面架橋工程を経て緩く凝集した吸水性樹脂粉末をほぐして粒子径を整える工程を意味する。なお、この整粒工程は、表面架橋工程以降の微粉除去工程及び分級工程を含むものとする。本発明の一実施形態に係る吸収性樹脂の製造方法は、吸水性樹脂の粒子径を整え、安定した吸水物性を得る観点から、吸水性樹脂粉末整粒工程を含むことが好ましい。吸水性樹脂粉末整粒工程の具体的態様としては、特に限定されないが、例えば、吸水性樹脂粉末を、篩(例えば、JIS標準篩)に通過させる方法等が挙げられる。
「微粉再利用工程」とは、上記各工程で篩分級等により発生した微粉をそのまま、又は微粉を造粒した後にいずれかの工程に供給する工程を意味する。本発明の一実施形態に係る吸収性樹脂の製造方法は、吸水性樹脂の生産ロスを低減する観点から、微粉再利用工程を含むことが好ましい。
本吸収体は、親水性繊維材料を含む。かかる親水性繊維材料としては、パルプ繊維、コットンリンター架橋セルロース繊維、レーヨン、綿、羊毛、アセテート及びビニロン等の親水性繊維を使用することができる。なお、親水性繊維材料としては、上記の1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。ただし、本明細書において、布状のもの(織布または不織布)は、親水性繊維とはみなさない。
本吸収体は、上記吸水性樹脂および親水性繊維材料に加えて、任意で添加剤を含んでいてもよい。このような添加剤としては、吸収性物品における吸収体に一般に含まれ得る添加剤を使用することができ、例えば、無機粉末(例えば非晶質シリカ)、消臭剤、抗菌剤、香料等を挙げることができる。また、本吸収体に含まれる吸水性樹脂が無機粒子を含む場合、本吸収体は吸水性樹脂の含む無機粒子とは別に、無機粉末を含んでいてもよい。本吸収体の含み得る無機粉末と、本吸収体に含まれる吸水性樹脂が含む無機粒子とは、同じものを使用してもよく、それぞれ異なるものを使用してもよい。前記無機粉末としては、例えば、二酸化ケイ素、ゼオライト、カオリンおよびクレイ等が挙げられる。
本吸収体の製造方法は特に限定されないが、例えば、層状に敷き詰めた親水性繊維材料状に、吸水性樹脂を積層することにより、本吸収体を製造することができる。このようにして製造された吸収体は、吸水性樹脂の層と、親水性繊維材料の層、とを有する吸収体であるとも言える。
液不透過性のバックシートは、本吸収性物品において液透過性のトップシートとは反対
側の最外部に配置されている。本吸収性物品の装着時において、液不透過性のバックシートは、本吸収体の下側に配置される。液不透過性のバックシートは、液透過性のトップシートを介して本吸収体に吸収された液体が、液不透過性のバックシート側から、本吸収性物品外部へ漏れ出すことを防止する。
本吸収性物品の2回目の液戻り量は、0.6g未満であることが好ましく、0.5g以下であることがより好ましい。2回目の液戻り量が0.6g未満である吸収性物品は、装着時の不快感を低減できるため好ましい。なお、本吸収性物品の2回目の液戻り量は、実施例に記載の方法により測定することができる。
〔3.吸収性物品の製造方法〕
本吸収性物品の製造方法は特に限定されないが、例えば、液透過性のトップシート、吸収体、液不透過性のバックシートをこの順で積層することで、本吸収体を製造することができる。本吸収体は、液透過性のトップシート、吸収体、液不透過性のバックシートがこの順で積層してなる積層体であるとも言える。また、必要に応じて、得られた積層体を加圧してもよく、外縁部を接着剤等で接着してもよい。
本吸収性物品の用途は、特に限定されないが、吸液2回目の液戻り量が抑えられ、装着時の不快感を低減できることから、紙オムツ(幼児用、成人用)、生理用ナプキン、失禁パッド等の衛生用品として好適に使用することができる。特に、局所的に荷重(体重)がかかった場合にその箇所のゲルが移動して偏りが生じ、複数回に渡る液の吸収の効率低下が問題となっていた薄型の高濃度紙オムツとして好適に使用することができる。また、本吸収性物品は、その他の吸収性物品としても使用することができる。その他の吸収性物品をとしては、例えば、土壌保水剤、育苗用シート、結露防止シート、ドリップ吸収材、鮮度保持材、冷却用バンダナ、保冷剤、医療用廃液固化剤、残土固化材、水損防止廃液ゲル化剤、吸水土のう、災害用簡易トイレ、湿布材、電気・電子材料通信ケーブル用止水材、ガスケットパッキング、ペットシート、創傷保護用ドレッシング材、結露防止用建築資材等の樹脂用添加剤などが挙げられる。
吸水性樹脂又は吸水性樹脂粉末の走査型電子顕微鏡写真(SEM)を撮影した。写真の中から凝集体状粒子の正面にある50個の一次粒子を無作為に選択し、各粒子の長径と短径とを測定して平均化した値を一次粒子径とした。各粒子の一次粒子径の平均値を算出し、その平均値を該吸水性樹脂の数平均粒子径とした。
吸水性樹脂の含水率は、EDANA法(ERT430.2-02)に準拠して測定した。なお、測定に際し、試料の質量を1.0gに、乾燥温度を180℃に、乾燥時間を3時間にそれぞれ変更した。具体的には、底面の直径が50mmのアルミカップに含水ゲル又は吸水性樹脂を1.0g投入した後、試料(含水ゲル又は吸水性樹脂)及びアルミカップの総質量W1(g)を正確に秤量した。次に、前記試料をアルミカップに投入した状態で、雰囲気温度180℃に設定されたオーブン内に静置した。3時間経過後、該試料をアルミカップとともに前記オーブンから取り出し、乾燥後の試料及びアルミカップの総質量W2(g)を正確に秤量した。本測定に供された試料の質量をM(1.0g)としたときに、下記式(1)にしたがって、試料の含水率α(質量%)を求めた。
(質量平均粒子径(D50))
吸水性樹脂の質量平均粒子径(D50)は、米国特許第7638570号のカラム27、28に記載された「(3)Mass-Average Particle Diameter(D50) and Logarithmic Standard Deviation(σζ) of Particle Diameter Distribution」に記載の方法に従って測定した。
吸水性樹脂のCRC(遠心分離機保持容量)は、EDANA法(ERT441.2-02)に準拠して測定した。具体的には、吸水性樹脂0.2gを不織布製の袋に入れた後、大過剰の0.9質量%塩化ナトリウム水溶液中に30分間浸漬して自由膨潤させ、その後、遠心分離機(250G)で3分間、水切りした後の吸水倍率(g/g)を求めた。
吸水性樹脂のAAP(加圧下吸収倍率)は、EDANA法(ERT442.2-02)に準拠して測定した。なお、荷重条件を4.83kPa(0.7psi)に変更した。
吸水性樹脂のExt(水可溶分)は、EDANA法(ERT470.2-02)に準拠して測定した。
吸水性樹脂の嵩密度は、EDANA法(ERT460.2-02)に準拠して測定した。
吸水性樹脂の表面張力は、WO2015/129917に記載の方法で測定した。
吸水性樹脂の吸水速度は、日本工業規格JIS K 7224(1996)に準拠して測定した。
吸水性樹脂のゲル保形力を以下の方法により測定した。
平坦な測定台上に設置された、室温(25℃)の0.9質量%塩化ナトリウム水溶液38gが入った胴径55mm、高さ70mmの容量100mlのビーカー(例えば相互理化学硝子製作所が販売するJISR-3503に準拠したビーカー)に吸水性樹脂2.00gを、400rpmの撹拌下で投入した。
(ゲル保形力Aの測定)
ゲル保形力Aの測定には、オートグラフ AG-X(株式会社島津製作所製、商品名:オートグラフ AG-X)を用いた。上述のビーカーに収容された20倍膨潤ゲルに対して、圧縮治具を、特定の条件下でゲルの表面に接触させた際に、該圧縮治具に負荷される荷重の応答をロードセルが観測し、試験力として測定画面上に表示される該荷重の値をゲル保形力A(N)とした。より具体的な測定方法は、下記の通りであった。
「システム」
試験モード:シングル
試験種類:圧縮
ロードセル極性:圧縮
移動方向:ダウン
単位:SI
書式:四捨五入
「センサー」
試験力
チャンネル:試験力アンプ
名称:試験力
フルスケール:50N
リミット:50N(チェックを入れる)
応力名称:応力
真応力を使用する:チェックをはずす
ストローク
名称:ストローク
リミット:500mm(チェックを入れる)
ストローク(ひずみ)名称:ストローク(ひずみ)
真ひずみを使用する:チェックをはずす
たわみ補正を行う:チェックをはずす
変位計
変位計1
チャンネル:なし
幅計
チャンネル:なし
その他
その他1
チャンネル:なし
「試験制御」
伸び原点:最初から
エリア1
制御動作:負荷
コントロール:ストローク
V1:10cm/min
エリア1とエリア2の間の設定
目標値チャンネル
ストローク
10mm
エリア2
制御動作:OFF
終了条件
破断設定:全てチェックをはずす
試験後動作:ストップ
破断検出開始点:0.035%
サンプリング
時間:10msec
予備負荷
全てチェックをはずす
「試験片」
材質:プラスチック
形状:平板
バッチ数:1
サブバッチ数:1
寸法単位:mm
「データ処理項目」
特に設定しなくてよい
「グラフ」
任意に設定してよい
「レポート」
任意に設定してよい
(試験力の観測)
試験力の観測は温度25±2℃、湿度50±10%の環境下で行った。
圧縮治具100を押し込む速度を1mm/minに変更したこと以外は、上記(ゲル保形力Aの測定)と同様の操作を行い、20倍膨潤ゲルに、圧縮治具100を測定開始位置から鉛直方向に8.0mmの位置に押し込んだときに、観測された試験力(該圧縮治具100に負荷される荷重))をゲル保形力B(N)とした。なお、オペレーションソフトウェア上での試験条件の変更点は下記の通りであった。
「試験制御」
伸び原点:最初から
エリア1
制御動作:負荷
コントロール:ストローク
V1:1mm/min
サンプリング
時間:1sec
(ゲル移動指数)
下記式(1)より、ゲル移動指数を算出した。
ゲル移動指数=(ゲル保形力A/ゲル保形力B)-1 (1)。
後述の実施例および比較例にて使用した吸収体における親水性繊維材料の層の面積および重量を用いて、以下の式に基づき、当該吸収体における親水性繊維材料の層の目付量を算出した:
親水性繊維材料の層の目付量(g/m2)=親水性繊維材料の層の重量(g)/親水性繊維材料の層の面積(m2)。
液透過性のトップシート、コアラップ、および液不透過性のバックシートの厚みは、ダイヤルシックネスゲージ 大型タイプ(厚み測定器)(株式会社 尾崎製作所製、型番:J-B、測定子:アンビル上下φ50mm)を用い、厚み測定器の上部測定子を液透過性のトップシートおよびコアラップから2~3mmの高さ位置まで近づけた後、ハンドルからゆっくりと手を離すことで、測定した。
(1)参考評価用吸収シートの作製
図2および図3に示す参考評価用吸収シート200(以下、吸収シート200と称する場合がある)を用いて、該吸収シート200の液戻り量(すなわち、吸水性樹脂の液戻り量)の測定を行った。具体的な吸収シート200の作製手順は以下の通りである。
作製した吸収シート200を、不織布面22を上面として、平面な台上に設置し、シリンジ(シリンジ針のゲージ:21G)を用いて、その先端を該吸収シート200の中央部に接触させながら、20℃の0.9質量%塩化ナトリウム水溶液10mLを1分間かけて添加した。該0.9質量%塩化ナトリウム水溶液の添加開始から10分後に、Φ25mm・重量500gの錘を該吸収シート200の中央部に載せ、さらに1分後に錘を取り除いた。続いて、シリンジを用いて、シリンジの先端を該吸収シート200の中央部に接触させながら、20℃の0.9質量%塩化ナトリウム水溶液5mLを10秒かけて追加添加した。該0.9質量%塩化ナトリウム水溶液の追加添加終了後、直ちに、3cm×3cmにカットした、総重量K1(g)のキッチンペーパー(王子ネピア株式会社製キッチンタオル)36枚を重ねて、該吸収シート200上に載せ、さらに、該キッチンペーパーの最上部にΦ25mm・重量100gの錘を置き、該キッチンペーパー及び該錘を載せてから30秒後に該キッチンペーパー及び該錘を取り除いて、該キッチンペーパー36枚の総重量K2(g)を測定し、下記式に基づいて、キッチンペーパーが吸収した液量として液戻り量を算出した:
液戻り量(g)=K2-K1。
吸収性物品の2回目の液戻り量(Rewet)は、下記に示す手順に従い測定した:
吸収性物品を平面の台に設置し、吸収性物品の中央部に対して5mmの高さから送液チューブ(内径1mm)を介して0.9質量%塩化ナトリウム水溶液25gを液添加開始から40秒をかけて添加し、添加終了後すぐに、吸収性物品の中央部に直径30mmの円柱の錘380gを載せた。
吸収性物品の2回目の液戻り量(Rewet)(g)=K4-K3
[製造例1]
国際公開第2020/067310号の図1に示す製造プロセスに従って、分離装置16から排出された含水ゲル重合体(1)を得た。ここで、分散装置12としては国際公開第2020/067310号の図8に示し、実施例1で用いた二重円筒型の高速回転せん断型攪拌機(分散装置12G)を使用した。具体的には下記の通りであった。
製造例1と同様の製造プロセスを実施した。具体的には下記の通りであった。
製造例1において、架橋剤であるポリエチレングリコールジアクリレートの量を単量体(アクリル酸(塩))100モル%に対して0.007モル%に変更した他は製造例1と同様に重合工程、続く分離工程、ゲル整粒工程、乾燥工程を行い、比較乾燥重合体(1)を得た後、ロールミル(粉砕機)に供給して粉砕することにより粒度を調節し、さらに目開き150μmの篩を用いて分級し、比較吸水性樹脂粉末(1)を得た。比較吸水性樹脂粉末(1)の平均粒子径は390μmであった。
製造例1において、分散助剤である無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体に代えて、ショ糖脂肪酸エステル(商品名・S-370、三菱ケミカル株式会社製)を0.11質量%使用した他は製造例1と同様に重合工程、続く分離工程、ゲル整粒工程、乾燥工程を行い、比較乾燥重合体(2)を得た後、ロールミル(粉砕機)に供給して粉砕することにより粒度を調節し、さらに目開き150μmの篩を用いて分級し、比較吸水性樹脂粉末(2)を得た。
(吸収性物品の作製)
縦12cm、横12cmに切断したポリプロピレン製の不織布1(スパンボンド、コアラップに相当する。厚さ0.18mm、目付量:13g/m2。)の四辺の端部から1.5cmずつ内側の、縦9cm、横9cmの正方形の部分に粉砕パルプ(親水性繊維材料に相当する。)を目付量が15g/m2になるように0.12g均一に散布し、親水性繊維材料の層を形成した。次に、粉砕パルプの上に吸水性樹脂(2)を1.65g均一に散布した。
次に、吸水性樹脂(2)の上に、縦12cm、横12cmに切断したポリプロピレン製の不織布(スパンボンド、液透過性のトップシートに相当する。厚さ0.18mm、目付量:13g/m2。)を重ねて、吸水性樹脂の層と、親水性繊維材料の層とを、スパンボンド不織布(液透過性のトップシートおよびコアラップ)で挟んだ。前記スパンボンド織布の四辺の端部から1.0cmずつ内側をヒートシーラーで加熱圧着することで、両面が不織布(液透過性のトップシートおよびコアラップ)で挟まれた吸収体を得た。
実施例1において、親水性繊維材料の使用量を0.26gに変更することにより、親水性繊維材料層の目付量を32g/m2に変更したこと以外は実施例1と同様にして吸収性物品(2)を得た。得られた吸収性物品の物性を表2に示す。
実施例1において、親水性繊維材料の使用量を0.45gに変更することにより、親水性繊維材料層の目付量を55g/m2に変更したこと以外は実施例1と同様にして吸収性物品(3)を得た。得られた吸収性物品の物性を表2に示す。
実施例1において、親水性繊維材料の使用量を0.62gに変更することにより、親水性繊維材料層の目付量を77g/m2に変更したこと以外は実施例1と同様にして吸収性物品(4)を得た。得られた吸収性物品の物性を表2に示す。
実施例1において、吸水性樹脂(2)から吸水性樹脂(1)に変更したこと以外は実施例1と同様にして比較吸収性物品(5)を得た。得られた吸収性物品の物性を表2に示す。
実施例1において、親水性繊維材料の使用量を1.00gに変更することにより、親水性繊維材料層の目付量を123g/m2に変更したこと以外は実施例1と同様にして比較吸収性物品(1)を得た。得られた吸収性物品の物性を表2に示す。
実施例1において、粉砕パルプを使用しなかったこと以外は実施例1と同様にして比較吸収性物品(2)を得た。得られた吸収性物品の物性を表2に示す。
実施例1において、粉砕パルプの代わりに、エアレイド不織布(目付量46.6g/m2)に変更したこと以外は実施例1と同様にして比較吸収性物品(3)を得た。得られた吸収性物品の物性を表2に示す。
実施例1において、親水性繊維材料の層と吸水性樹脂の層の順番を入れ替えたこと以外は実施例1と同様にして比較吸収性物品(4)を得た。具体的には、縦12cm、横12cmに切断したポリプロピレン製の不織布1(スパンボンド、コアラップに相当する。厚さ0.18mm、目付量:13g/m2。)の四辺の端部から1.5cmずつ内側の、縦9cm、横9cmの正方形の部分に吸水性樹脂(2)を1.65g均一に散布した。次に、吸水性樹脂(2)の上に粉砕パルプ(親水性繊維状物に相当する。)を目付量が15g/m2になるように均一に散布したこと以外は、実施例1と同様にして比較吸収性物品(4)を得た。得られた吸収性物品の物性を表2に示す。
実施例1において、吸水性樹脂(2)から比較吸水性樹脂(1)に変更したこと以外は実施例1と同様にして比較吸収性物品(5)を得た。得られた吸収性物品の物性を表2に示す。
実施例1において、吸水性樹脂(2)から比較吸水性樹脂(2)に変更したこと以外は実施例1と同様にして比較吸収性物品(6)を得た。得られた吸収性物品の物性を表2に示す。
表2より明らかなように、実施例1~4と、比較例1及び2との比較より、親水性繊維材料を含まない、あるいは、親水性繊維材料の層の目付量が100g/m2超である場合、2回目の液戻り量が多く、使用感が不快な吸収性物品となることが分かる。また、比較例3から、親水性繊維材料は不織布では代用できないことが分かる。比較例4から、親水性繊維材料の位置を変更(トップシート側に配置)した場合、2回目の液戻り量が多く、使用感が不快な吸収性物品となることが分かる。さらに、実施例1及び5と比較例5及び6との比較より、ゲル移動指数が0.20以下で吸水速度が50秒以下である吸水性樹脂を使用することにより、2回目の液戻り量が少なく、使用者に液戻りを感じさせず、快適に使用できる吸収性物品を提供できることが分かる。
2 :棒状部
20 :粘着テープ
21 :吸水性樹脂散布領域
22 :不織布
23 :吸水性樹脂
100:圧縮治具
200:参考評価吸収シート
Claims (5)
- 液透過性のトップシート、吸水性樹脂と親水性繊維材料とを含む吸収体、及び液不透過性のバックシートをこの順に備える吸収性物品であって、
前記吸収体は、吸水性樹脂の層と、親水性繊維材料の層、とを有し、
前記吸水性樹脂の層は、前記液透過性のトップシート側に配置され、
前記親水性繊維材料の層は、前記液不透過性のバックシート側に配置されており、
前記親水性繊維材料の層の目付量は、100g/m2以下であり、
前記吸水性樹脂は、ポリ(メタ)アクリル酸(塩)系単量体に由来する構造単位を含む架橋重合体、を含む粒子状の吸水性樹脂であって、
水不溶性無機微粒子を含み、
表面張力が62mN/m以上であり、かつ、
下記の手順により求められるゲル保形力Aが9.6N以上であり、下記の手順により求められるゲル移動指数が0.20以下であり、かつ吸水速度(Vortex法)が50秒以下である:
(1)胴径55mm、高さ70mmの容量100mLビーカーに、25℃の0.9質量%塩化ナトリウム水溶液38g及び吸水性樹脂2.00gを投入し膨潤ゲルを形成させる。
(2)円板部と、該円板部の中央に一端が接続された棒状部と、を備える圧縮治具(円板部は表裏に平坦面を有し、かつ直径が2.5cm、厚さ1cmの円盤状であり、棒状部の長さは5.5cmである)を、(1)の膨潤ゲルが収容されたビーカーの中央部に位置するように配置し、該圧縮治具の円板部の下面と該膨潤ゲルの表面とを接触させた後、該圧縮治具を、該円板部の下面が該膨潤ゲルの表面から、鉛直方向に0.05mm上昇させた位置となるような、測定開始位置に配置する。
(3)該測定開始位置に配置した圧縮治具を、該膨潤ゲルに10cm/minの速度で、鉛直方向に10.0mm押し込む。
(4)(3)にて、該圧縮治具を、該測定開始位置から鉛直方向に8.0mmの位置に押し込んだときに、該圧縮治具に付加される荷重(N)を観測し、ゲル保形力Aとする。
(5)該圧縮治具を押し込む速度を1mm/minに変更すること以外は、(1)~(4)と同様の操作を行い、該圧縮治具に付加される荷重(N)を観測し、ゲル保形力Bとする。
(6)下記式(1)に従い、ゲル移動指数を算出する
ゲル移動指数=(ゲル保形力A/ゲル保形力B)-1 (1)。 - 前記吸水性樹脂は、球状粒子の凝集体状粒子である、請求項1に記載の吸収性物品。
- 前記吸水性樹脂は、ゲル保形力Aが10.0N以上である、請求項1または2に記載の吸収性物品。
- 前記吸水性樹脂は、AAPが15g/g以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
- 前記吸収体の含む、前記吸水性樹脂の質量が前記吸水性樹脂と前記親水性繊維の合計質量の50質量%以上100質量%未満である、請求項1~4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
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