以下に、図面を参照して、実施形態について説明する。図1は、評価システムのシステム構成の一例を示す図である。
本実施形態の評価システム100は、サーバ装置200、空調システム300、端末装置400を含む。本実施形態のサーバ装置200は、空調システム300、端末装置400とインターネット等のネットワークを介して通信を行う。
本実施形態のサーバ装置200は、空調システム300に含まれる機器の交換において、空調の対象となる空間の将来的な環境の変化に対応できる機器を選定するための評価情報を生成する。将来的な環境の変化とは、言い換えれば、将来的な熱負荷の変動である。
より具体的には、サーバ装置200は、空調システム300による空調の対象となる空間の将来的な環境の変化を示す空間環境情報を用いて、環境の変化に応じた機器の性能の変化が反映された機器構成情報と、環境の変化に応じた負荷の変動が反映された運転実績情報とを取得する。
そして、サーバ装置200は、環境の変化が機器の性能が反映された機器構成情報と、環境の変化が反映された運転実績情報とから、将来の環境の変化に対応できる機器の候補を選定するための評価情報を生成する。なお、評価情報とは、例えば、機器に求められる条件を示す情報を含む。
本実施形態の空調システム300は、複数の空気調和機を含み、空調システム300が設置された現場の空気を調整する。以下の説明では、空気調和機を単に機器とよぶ。空調システム300の詳細は後述する。
端末装置400は、例えば、空調システム300の管理者等によって利用される情報処理装置であってよい。サーバ装置200は、生成した評価情報を端末装置400に対して出力してよく、端末装置400は、評価情報を表示させてよい。
本実施形態のサーバ装置200は、このように、将来の環境の変化に対応できる機器を選定するための評価情報を生成する。言い換えれば、本実施形態のサーバ装置200は、将来の熱負荷の変動に対応できる機器を選定するための評価情報を生成する。そして、サーバ装置200は、評価情報を端末装置400に対して出力する。
したがって、本実施形態によれば、例えば、空調システム300の管理者等が空調システム300に含まれる機器の交換を検討する際に、将来の熱負荷の変動に対応した機器を選定することができる。
なお、図1の例では、評価システム100に含まれるサーバ装置200は1台としたが、これに限定されない。評価システム100に含まれるサーバ装置200は、複数台の情報処理装置で実現されてよい。また、評価システム100に含まれる空調システム300と端末装置400のそれぞれは、任意の数であってよい。また、図1では、評価システム100に空調システム300が含まれるものとしたが、これに限定されない。空調システム300は、評価システム100に含まれなくてもよい。
次に、図2を参照して、本実施形態の空調システム300について説明する。図2は、空調システムの一例を示す図である。
本実施形態の空調システム300は、2台の室外機301、302と、6台の室内機311~316と、2台の換気装置321、322との組合せとを含む。
図2の例では、室外機301、302はそれぞれ、3台の室内機311~313及び3台の室内機314~316と冷媒配管331及び332によって接続されている。室内機311及び312は、空調対象空間である部屋Raに設置され、室外機301と連動して部屋Raの空気調和処理を行う。
また、室内機313、314は、空調対象空間である部屋Rbに設置され、それぞれ室外機301、302と連動して部屋Rbの空気調和処理を行う。さらに室内機315、316は、空調対象空間である部屋Rcに設置され、室外機302と連動して部屋Rcの空気調和処理を行う。
また、換気装置321は、部屋Ra用として設置され、部屋Raの換気を行う。換気装置322は、部屋Rb及び部屋Rcの共用として設置され、部屋Rb及び部屋Rcの換気を行う。
なお、図2は、空調システム300の一例を示すものであり、本実施形態の空調システム300に含まれる機器の構成は、図2に示す例に限定されない。
次に、図3を参照して、本実施形態のサーバ装置200のハードウェア構成について説明する。図3は、サーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
本実施形態のサーバ装置200は、それぞれバスBで相互に接続されている入力装置21、出力装置22、ドライブ装置23、補助記憶装置24、メモリ装置25、プロセッサ26及びインターフェース装置27を含むコンピュータである。
入力装置21は、各種の情報の入力を行うための装置である。出力装置22は、各種の情報の出力を行うためものである。インターフェース装置27は、ネットワークに接続する為に用いられる。
後述するサーバ装置200の機能を実現させる評価プログラムは、サーバ装置200を制御する各種プログラムの少なくとも一部であり、例えば、ネットワークからのダウンロード等によって提供される。
また、評価プログラムは、プログラムを記録した記録媒体28によって提供されてもよい。記録媒体28は、CD-ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等の様に情報を光学的、電気的或いは磁気的に記録する記録媒体、ROM、フラッシュメモリ等の様に情報を電気的に記録する半導体メモリ等、様々なタイプの記録媒体を用いることができる。
また、評価プログラムは、インターフェース装置27を介してネットワークからダウンロードされると、補助記憶装置24にインストールされる。
補助記憶装置24は、サーバ装置200の有する各記憶部等を実現するものであり、サーバ装置200にインストールされたプログラムを格納すると共に、サーバ装置200による各種の必要なファイル、情報等を格納する。メモリ装置25は、サーバ装置200の起動時に補助記憶装置24から評価プログラムを読み出して格納する。そして、プロセッサ26はメモリ装置25に格納された評価プログラムに従って、後述するような各種処理を実現している。
また、本実施形態の端末装置400は、プロセッサとメモリ装置とを有するコンピュータであり、そのハードウェア構成は、図3に示す構成と同様であってよいため、説明を省略する。
次に、図4を参照して、本実施形態のサーバ装置200の機能について説明する。図4は、サーバ装置の機能構成を説明する図である。
本実施形態のサーバ装置200は、運転実績記憶部210、機器構成記憶部220、評価記憶部230、交換候補記憶部240、機器稼働記憶部250、空間運用記憶部260、空間構成記憶部270、環境記憶部280、制御部290を有する。
運転実績記憶部210、機器構成記憶部220、評価記憶部230、交換候補記憶部240、機器稼働記憶部250、空間運用記憶部260、空間構成記憶部270、環境記憶部280は、例えばサーバ装置200の有する補助記憶装置24等により実現されてよい。
また、運転実績記憶部210、機器構成記憶部220、評価記憶部230、交換候補記憶部240、機器稼働記憶部250、空間運用記憶部260、空間構成記憶部270、環境記憶部280のそれぞれは、空調システム300毎に設けられてよい。言い換えれば、これらの各記憶部は、空調システム300が導入される建物毎に設けられていてよい。
制御部290は、メモリ装置25等に格納された評価プログラムをプロセッサ26が読み出して実行することで実現されてよい。
運転実績記憶部210には、運転実績情報が格納される。運転実績情報は、空調システム300に含まれる各機器の実績又は実験結果に係る情報である。本実施形態の運転実績情報は、本実施形態のサーバ装置200のインターフェース装置27を介して空調システム300から取得されてよい。
また、本実施形態の運転実績情報は、空調システム300に含まれる各機器から収集された運転実績情報を含む。
なお、本実施形態の運転実績情報は、例えば、実験室における実機の測定結果としての実機実験データや、機器モデルのシミュレーション結果としてのシミュレーション実験データ等を含んでもよい。
具体的には、運転実績情報は、空調システム300に含まれる各機器の空調負荷や、空調システム300による空調対象空間に含まれる区画毎の空調負荷を示す情報を含んでよい。また、運転実績情報は、例えば、空調システム300に含まれる室内機311~316のそれぞれの電源の状態(オン/オフ)を示す情報、室内機311~316のそれぞれの設定温度を示す情報、運転モード(冷暖)を示す情報、出力能力を示す情報等が含まれてよい。
また、運転実績情報は、外気温度や室内温度が含まれてよい。また、運転実績情報には、後述する機械学習に用いた実績情報が含まれてよい。
機器構成記憶部220には、機器構成情報が格納される。本実施形態の機器構成情報は、空調システム300の管理者等によって、予め入力されて、機器構成記憶部220に格納されていてよい。
具体的には、機器構成情報は、空調システム300に含まれる機器に関する情報、コストに関する情報等を含む。また、機器構成情報は、空調システム300に含まれる各機器の機種を示す情報を含む。
また、機器構成情報は、空調システム300に含まれる各機器を構成する要素に関する情報、各機器を構成する要素の特性値を示す情報、各機器を構成する要素を制御するための設定情報等を含む。各機器を構成する要素とは、例えば、圧縮機、ファン、熱交換器等であってよい。空調システム300の管理者とは、空調システム300に含まれる機器と交換する機器を選定する人物であってよい。
なお、空調システム300に含まれる機器が交換された後は、交換後の機器に関する情報が、交換候補記憶部240から取得されて、機器構成情報の一部とされてもよい。
評価記憶部230には、制御部290による処理によって得られる評価情報が格納される。評価情報は、制御部290が後述する処理を実行することで生成されて、評価記憶部230に格納される。
評価情報は、空調システム300を構成する機器に求められる条件を示す情報であり、機器のパフォーマンスに関する情報を含む。具体的には、本実施形態の評価情報は、空調システム300の消費電力及び未処理熱負荷を含む情報である。
本実施形態では、このような評価情報を、制御部290の処理によって取得することで、空調システム300に含まれる室内機毎の処理熱量のばらつきによる性能への影響をシミュレーションにより把握することができる。
交換候補記憶部240には、空調システム300を構成している機器と交換される可能性のある機器に関する交換候補情報が格納される。
交換候補情報は、空調システム300の管理者や評価システム100の管理者等によって予め入力されて、交換候補記憶部240に格納されていてよい。
以下の説明では、空調システム300を構成している機器と交換される可能性のある機器を候補機器と呼ぶ場合がある。交換候補情報は、候補機器に関する情報、コストに関する情報等を含む。交換候補情報に含まれる情報の項目は、機器構成情報に含まれる項目と同じであってもよい。
機器稼働記憶部250には、空調対象空間における空調設備以外の設備機器の運用に関する機器稼働情報が格納される。機器稼働情報は、空調システム300の管理者等によって予め入力されて機器稼働記憶部250に格納される。
空調対象空間における空調設備とは、空調システム300に含まれる各機器である。具体的には、空調設備とは、例えば、2台の室外機301、302と、6台の室内機311~316と、2台の換気装置321、322等である。空調設備以外の設備機器とは、例えば、空調対象空間に設けられた照明、窓に取り付けられたブラインド、什器、OA(office equipment)機器等を含む。
機器稼働情報は、例えば、照明の種類を示す情報、点灯率、ブラインドの使用率を含む。言い換えれば、機器稼働情報は、空調設備以外の設備機器の稼動のスケジュールを示す情報である。また、機器稼働情報は、空調設備以外の設備機器の保守に関する情報を含んでもよい。保守に関する情報とは、空調設備以外の設備機器のメンテナンス時期や交換時期を示す情報等を含んでよい。
空間運用記憶部260には、空調対象空間の関する空間運用情報が格納される。空間運用情報は、空調対象空間における空調設備の運用に関する運用情報と、空調対象空間に含まれる部屋の用途に関する情報とを含む。空間運用情報は、空調システム300の管理者等によって予め入力されて空間運用記憶部260に格納される。
具体的には、空間運用情報は、空調対象空間に含まれる部屋の用途を示す情報、間仕切りの有無を示す情報、換気量、部屋を利用する人の人数、室内設定温度、隣室の冷房、暖房の有無を示す情報等を含む。
空間構成記憶部270には、空調対象空間に設けられた設備機器以外の建物の構造体に関する空間構成情報が格納される。なお、ここでの建物とは、空調対象空間を含む建物である。空間構成情報は、空調システム300の管理者等によって予め入力されて空間構成記憶部270に格納される。
空間構成情報は、具体的には、例えば、建物が有するガラスの種類を示す情報、日射量等を含む。
環境記憶部280には、建物をとりまく環境を示す環境情報が格納される。環境情報は、空調システム300の管理者等によって予め入力されて環境記憶部280に格納される。
環境情報は、具体的には、外気温度、外気湿度、日射量、建物の向いている方位、日陰の有無を示す情報、隣棟の有無を示す情報等を含む。
なお、上述した各記憶部に格納されるそれぞれの情報の種類は、上述した例に限定されず、上述した種類の情報以外の情報が含まれてもよい。
また、以下の説明では、機器稼働情報、空間運用情報、空間構成情報、環境情報を含む情報を、空間環境情報と呼ぶ場合がある。言い換えれば、機器稼働情報、空間運用情報、空間構成情報、環境情報は、空間環境情報に含まれる情報である。
また、図4の例では、機器稼働記憶部250、空間運用記憶部260、空間構成記憶部270、環境記憶部280を設け、各記憶部に、機器稼働情報、空間運用情報、空調構成情報、環境情報が格納されるものとしたが、これに限定されない。サーバ装置200は、機器稼働記憶部250、空間運用記憶部260、空間構成記憶部270、環境記憶部280を有する代わりに、空間環境記憶部を有してもよく、機器稼働情報、空間運用情報、空調構成情報、環境情報は、空間環境情報として空間環境記憶部に格納されてもよい。
本実施形態では、このように、空調システム300に関する情報と、空調システム300による空調の対象となる空調対象空間に関する情報と、空調対象空間の外側の情報を保持し、これらの情報を用いることで、変動推定部293による推定の精度を向上させることができる。
次に、本実施形態の制御部290について説明する。本実施形態の制御部290は、入力受付部291、格納制御部292、変動推定部293、マージン設定部294、評価推定部295、交換候補特定部296、出力部297を有する。
入力受付部291は、サーバ装置200に対する各種の入力を受け付ける。具体的には、例えば、入力受付部291は、機器構成情報、交換候補情報、空間環境情報の入力を受け付ける。また、入力受付部291は、空調対象空間の環境の変化を示す、空間環境情報の変動分を示す変動情報の入力を受け付ける。変動情報の詳細は後述する。
格納制御部292は、入力受付部291により入力された情報の種類に応じて、入力された情報を各記憶部に格納する。
変動推定部293は、変動情報が入力されると、変動情報とサーバ装置200に格納されている空間環境情報とを用いて、空調対象空間の環境の変化に応じた運転実績情報の変動分を推定する。運転実績情報の変動分とは、言い換えれば、空調システム300における負荷の変動分である。また、変動推定部293は、空調対象空間の環境の変化に応じた機器構成情報の変動分を推定する。変動推定部293の詳細は後述する。
マージン設定部294は、変動推定部293による推定結果である運転実績情報の変動分を、空調対象空間の環境の変化に応じた運転実績情報のマージンとして設定する。また、マージン設定部294は、機器構成情報の変動分を、空調対象空間の環境の変化に応じた機器構成情報のマージンとして設定する。
本実施形態のマージンとは、将来的な空調対象空間の環境の変化に影響されずに、空調対象空間の空気調和処理を行うために考慮すべき情報の変動分を示す。
評価推定部295は、マージン設定部294によりマージンが設定されたマージン設定後の運転実績情報と、マージンが設定されたマージン設定後の機器構成情報とに基づき、空調対象空間の環境の変化に対応した機器を選定するための空調システム300の評価情報を推定する。評価推定部295の詳細は後述する。
交換候補特定部296は、交換候補記憶部240に交換候補情報が格納されている候補機器から、評価推定部295による推定結果として得られた評価情報が示す条件を満たす交換機器を特定する。
出力部297は、サーバ装置200から各種の情報を出力する。具体的には、例えば、出力部297は、交換候補特定部296により特定された候補機器を示す情報や、評価推定部295による推定結果である評価情報を端末装置400に対して出力する。
次に、図5を参照して、本実施形態の評価システム100の動作の概要について説明する。図5は、評価システムの動作の概要を説明する図である。
図5では、機器稼働記憶部250に格納されている機器稼働情報を「A」と示し、空間運用記憶部260に格納されている空間運用情報を「B」と示す。また、図5では、空間構成記憶部270に格納されている空間構成情報を「C」と示し、環境記憶部280に格納されている環境情報を「D」と示す。
機器稼働情報、空間運用情報、空間構成情報、環境情報を含む空間環境情報は、実績負荷を算出するためのパラメータや、負荷に影響するパラメータを含む。
また、図5では、運転実績記憶部210に格納されている運転実績情報を「Q」と示し、機器構成記憶部220に格納されている機器構成情報を「P」と示し、評価情報を「R」と示す。
運転実績情報、機器構成情報は、負荷そのものや、負荷の増分によって影響を受けるパラメータである。
また、図5では、入力受付部291が受け付けた変動情報のうち、機器稼働情報における変動分を「ΔA」と示し、空間運用情報における変動分を「ΔB」と示し、空間構成情報における変動分を「ΔC」と示し、環境情報における変動分を「ΔD」と示す。
本実施形態における機器稼働情報の変動分「ΔA」のうち、時間単位や日単位の変動分としては、例えば、照明の点灯時間、空調対象空間であるオフィスのコピー機の稼動率等がある。また、機器稼働情報の変動分「ΔA」のうち、年単位の変動分としては、例えば、照明や什器の技術的変化、電力不足に起因する照明の照度の低下等がある。
また、本実施形態における空間運用情報における変動分「ΔB」のうち、時間単位や日単位の変動分としては、例えば、窓を開けることによる換気等がある。また、空間運用情報における変動分「ΔB」のうち、週単位や月単位の変動分としては、例えば、部屋の用途の変更や空調ゾーンの変化等がある。また、空間運用情報における変動分「ΔB」のうち、年単位の変動分としては、感染症の流行による換気量の増加、勤務日数の変化、設定温度の緩和等がある。
また、本実施形態における空間構成情報における変動分「ΔC」のうち、時間単位や日単位の変動分としては、窓ガラスの種類の変更等がある。また、空間構成情報における変動分「ΔC」のうち、年単位の変動分としては、空調対象空間となる建物の躯体の老朽化による隙間風の増加等がある。
また、本実施形態における環境情報における変動分「ΔD」のうち、時間単位や日単位の変動分としては、天候、外気温度、外気湿度等がある。また、環境情報における変動分「ΔD」のうち、年単位の変動分としては、地球温暖化による外気温度の上昇等がある。
また、図5では、変動情報が示す空調対象空間の環境の変化に応じた運転実績情報の変動分を「ΔQ」と示し、変動情報が示す空調対象空間の環境の変化に応じ機器構成情報の変動分を「ΔP」と示す。
本実施形態の変動推定部293には、環境が変化した場合の空間環境情報として、空間環境情報及び変動情報である「A+ΔA」、「B+ΔB」、「C+ΔC」、「D+ΔD」が入力される。
なお、変動情報としての「ΔA」、「ΔB」、「ΔC」、「ΔD」は、空調システム300の管理者等によって入力されてもよいし、別途実施されたシミュレーションによって、想定若しくは推定される値とされてもよい。また、本実施形態の変動情報は、「ΔA」、「ΔB」、「ΔC」、「ΔD」の少なくとも1つが設定されていればよく、全てが設定されていなくてもよい。また、本実施形態では、「ΔA」、「ΔB」、「ΔC」、「ΔD」のうち、値が入力されていないものには、その値が「0」とされてもよい。
また、空調対象空間の環境の変化を空間環境情報に反映させる方法は、上述したように、各記憶部に格納された機器稼働情報、空間運用情報、空調構成情報、環境情報のそれぞれに変動分を加算する方法に限定されない。本実施形態では、空調対象空間の環境の変化を空間環境情報に反映させる方法として、「A」、「B」、「C」、「D」のそれぞれに対して、環境の変動を反映させるための倍率を乗算する方法を用いてもよい。
この場合、機器稼働情報に変化を反映させる倍率を「αA」と示し、空間運用情報に変化を反映させる倍率を「αB」と示し、空間構成情報に変化を反映させる倍率を「αC」と示し、環境情報に変化を反映させる倍率を「αD」と示す。この場合、変動推定部293には、空間環境情報と変動情報として、「A×αA」、「B×αB」、「C×αC」、「D×αD」が入力される。
本実施形態の変動推定部293は、空間環境情報と、空調対象空間の環境の変化を示す変動情報とが入力されると、空調対象空間の環境の変化に応じた運転実績情報の変動分「ΔQ」を推定する。
ここで、本実施形態の変動推定部293について説明する。本実施形態の変動推定部293は、多層パーセプトロン(MultiLayer Perceptron,MLP)といったようなニューラルネットワーク(Neural Network)アルゴリズム等の機械学習アルゴリズムによって構築された、学習済みの空調実績モデルを用いて、運転実績情報の変動分「ΔQ」を推定してもよい。
この場合、運転実績情報の変動分「ΔQ」は、所定期間における単位時間毎の変動分となっている。所定期間とは、例えば、1年間であってよく、単位時間は1日のうちの1時間であってよい。
空調実績モデルは、変動情報が反映された空間環境情報(「A+ΔA」、「B+ΔB」、「C+ΔC」、「D+ΔD」)を説明変数とし、運転実績情報の変動分ΔQ、又は、運転実績情報の変動分「ΔQ」をマージンとしたマージン設定後の運転実績情報「Q+ΔQ」を目的変数とした学習済みモデルである。
ここで、空調実績モデルの出力がマージン設定後の運転実績情報「Q+ΔQ」である場合、運転実績記憶部210に格納されている運転実績情報「Q」を、空調実績モデルの出力である運転実績情報「Q+ΔQ」から差し引くことによって、「変動分ΔQ」(の推定時系列値)が得られる。
また、本実施形態の変動推定部293は、第1空調実績モデルと第2空調実績モデルとを用いて、運転実績情報の変動分ΔQを推定してよい。
第1空調実績モデルは、空間環境情報に含まれる機器稼働情報「A」、空間運用情報「B」、空間構成情報「C」、環境情報「D」を説明変数とし、運転実績情報「Q」を目的変数とした学習済みモデルである。第2空調実績モデルは、変動情報が反映された空間環境情報(「A+ΔA」、「B+ΔB」、「C+ΔC」、「D+ΔD」)を入力とし、マージン設定後の運転実績情報「Q+ΔQ」を出力とした学習済みモデルである。
変動推定部293は、第2空調実績モデルの出力であるマージン設定後の運転実績情報「Q+ΔQ」から、第1空調実績モデルの出力である運転実績情報「Q」を差し引くことによって、変動分「ΔQ」を取得してもよい。
なお、いずれの場合においても、空間運用情報のマージン設定後の運転実績情報「Q+ΔQ」は、運転実績情報「Q」に、この推定値としての変動分「ΔQ」を足し合わせた値とすることができる。
また、本実施形態の変動推定部293は、空調対象空間の物理モデルに対する空調実績シミュレーションによって、運転実績情報の変動分「ΔQ」を推定してもよい。空調対象空間の物理モデルは、簡易な熱収支式モデルや、シミュレーションソフトウェアに備えられたモデル等であってよく、事前に構築されていてもよい。
空調実績シミュレーションは、本実施形態において動的熱負荷(空調負荷)シミュレーションであって、例えばEnergyPLus(登録商標)等の公知のシミュレーションソフトウェアを用いて実施することができる。この場合、空調対象空間の物理モデルに対し、動的負荷(空調負荷)シミュレーションを行うことで、変動分「ΔQ」が得られる。
具体的には、変動推定部293は、機器稼働情報「A」、空間運用情報「B」、空間構成情報「C」、環境情報「D」を、物理モデル構築に用いたりシミュレーション条件に設定したりして、第1のシミュレーション結果である運転実績情報「Q」を算出する。また、変動推定部293は、変動情報が反映された空間環境情報(「A+ΔA」、「B+ΔB」、「C+ΔC」、「D+ΔD」)を、物理モデル構築に用いたりシミュレーション条件に設定したりして、第2のシミュレーション結果である運転実績情報「Q+ΔQ」を算出する。そして、変動推定部293は、第2のシミュレーション結果から、第1のシミュレーション結果を差し引くことで、変動分「ΔQ」を得ることができる。
さらに変動推定部293は、上述したように、空調実績に係る機械学習モデルと空調実績シミュレーションとを組み合わせて用いて、例えば特許文献:特開2022-044555号公報に開示された手法を用いて、変動分「ΔQ」を推定してもよい。
具体的には、変動推定部293は、空調実績シミュレーションによる第1のシミュレーション結果に対し、空調実績誤差推定モデルによって推定された空調実績誤差を用いた補正を実施して、補正後の第1のシミュレーション結果である補正後の運転実績情報「Q′」を算出する。また、変動推定部293は、空調実績シミュレーションによる第2のシミュレーション結果に対し、上記の空調実績誤差推定モデルによって推定された空調実績誤差を用いた補正を実施して、補正後の第2のシミュレーション結果である、補正後の運転実績情報「Q′+ΔQ′」を算出する。続いて、変動推定部293は、補正後の第2のシミュレーション結果から補正後の第1のシミュレーション結果を差し引くことによって、補正後の変動分「ΔQ′」を得ることができる。
これにより、シミュレーション条件の不足や、シミュレーション条件の実際からの乖離に起因する空調実績シミュレーションの誤差を抑制し、より精度の高い運転実績情報「Q」の変動分「ΔQ」の推定値を得ることができる。
また、本実施形態の変動推定部293では、運転実績情報の変動分「ΔQ」を、予め機決められた所定の計算式によって算出してもよい。所定の計算式は、空調システム300に含まれる各機器のエネルギー消費率を指標とした計算式であってよい。
また、本実施形態の変動推定部293は、空調対象空間の環境の変化を空調システム300の機器の構成に反映させるシミュレーション等を行って、機器構成情報の変動分「ΔP」を推定してよい。
例えば、変動推定部293は、運転実績情報の変動分「ΔQ」に基づき、空調システム300の機器の性能を目減りさせた分を、機器構成情報の変動分「ΔP」としてもよい。また、変動推定部293は、経年劣化による機器の性能の変化分を、機器構成情報の変動分「ΔP」としてもよい。経年劣化による機器の性能の変化とは、例えば、フィルタの目詰まりによる風量低下のようにメンテナンスの間隔に影響されるものであってもよい。
本実施形態では、このように、変動推定部293を有することで、変動情報に対応した運転実績情報と機器構成情報の変動を推定できる。
また、本実施形態では、機器構成情報の変動分「ΔP」は、変動推定部293により推定しなくてもよく、予め決められた値としてもよい。また、機器構成情報の変動分「ΔP」は、例えば、空調システム300の管理者等によって、変動情報と共に、端末装置400等から入力されてもよい。
本実施形態のサーバ装置200は、運転実績情報の変動分「ΔQ」と機器構成情報の変動分「ΔP」とが、マージン設定部294によって、運転実績情報「Q」、機器構成情報「P」に設定されると、評価推定部295に対し、マージン設定後の運転実績情報「Q+ΔQ」と、マージン設定後の機器構成情報「P+ΔP」を入力し、評価情報「R+ΔR」を得る。
なお、評価情報「R+ΔR」は、マージン設定後の運転実績情報「Q+ΔQ」と、マージン設定後の機器構成情報「P+ΔP」が評価推定部295に入力された場合に得られる推定結果である。言い換えれば、評価情報「R+ΔR」は、評価推定部295に入力される運転実績情報と機器構成情報の少なくとも一方に、マージンが設定されていた場合に得られる推定結果である。
評価推定部295は、マージンが設定されていない運転実績情報Qと機器構成情報Pとの両方にマージンが設定されていない場合には、評価情報Rを出力する。したがって、評価情報「R+ΔR」は、空調対象空間の環境の変化が反映された評価情報と言える。
ここで、評価推定部295について説明する。本実施形態の評価推定部295は、多層パーセプトロンといったようなニューラルネットワークアルゴリズム等の機械学習アルゴリズムによって構築された学習済みの空調評価モデルによって、評価情報Rを推定してよい。
本実施形態の空調評価モデルは、マージン設定後の運転実績情報「Q+ΔQ」と、マージン設定後の機器構成情報「P+ΔP」とを説明変数とし、評価情報Rを目的変数とした学習済みモデルである。なお、本実施形態では、ΔQ、ΔPが設定されていない場合には、ΔQ、ΔPの値を0としてよい。
また、評価推定部295は、空調システム300の物理モデルに対する空調評価シミュレーションによって、評価情報Rを推定してもよい。空調評価シミュレーションは、例えば、評価情報Rとして消費電力を用いる場合には、消費電力シミュレーションであってよい。
これらのシミュレーションは、例えば、EnergyPLus(登録商標)等の公知のシミュレーションソフトウェアを用いて実施することができる。この場合、マージン設定後の運転実績情報「Q+ΔQ」と、マージン設定後の機器構成情報「P+ΔP」とを、物理モデル構築に用いたりシミュレーション条件に設定したりして、シミュレーション結果である評価情報Rを算出してもよい。
さらに評価推定部295は、上述したように、空調評価に係る機械学習モデルと空調評価シミュレーションとを組み合わせて用いて、例えば特許文献:特開2022-044555号公報に開示された手法を用いて、評価情報Rを推定してもよい。
具体的には、評価推定部295は、空調評価シミュレーションの結果として得られた評価情報Rに対し、(シミュレーション条件下での結果の誤差を学習した)空調評価誤差推定モデルによって推定された空調評価誤差を用いた補正を実施して、補正後の結果である評価情報R′を算出し、評価推定部295による推定結果としてもよい。これにより、シミュレーション条件の不足やシミュレーション条件の実際からの乖離に起因する空調評価シミュレーションの誤差を抑制し、より精度の高い推定結果を得ることも可能となる。
次に、図6を参照して、本実施形態の評価システム100におけるサーバ装置200の処理について説明する。図6は、サーバ装置の処理を説明するフローチャートである。
本実施形態のサーバ装置200は、入力受付部291により、空調対象空間の環境の変化を示す変動情報の入力を受け付ける(ステップS601)。続いて、サーバ装置200は、機器稼働記憶部250、空間運用記憶部260、空間構成記憶部270、環境記憶部280に格納された機器稼働情報、空間運用情報、空間構成情報、環境情報を含む空間環境情報と、変動情報とを変動推定部293に入力する(ステップS602)。
続いて、サーバ装置200は、変動推定部293から出力される運転実績情報の変動分「ΔQ」と、機器構成情報の変動分「ΔP」とを取得する(ステップS603)。続いて、サーバ装置200は、マージン設定部294により、運転実績記憶部210に格納されている運転実績情報と、機器構成記憶部220に格納されている機器構成情報とに、変動分「ΔQ」と、変動分「ΔP」とをマージンとして設定する(ステップS604)。
続いて、サーバ装置200は、変動分「ΔQ」がマージンとして設定されたマージン設定後の運転実績情報と、変動分「ΔP」がマージンとして設定されたマージン設定後の機器構成情報とを、評価推定部295に入力する(ステップS605)。
サーバ装置200は、評価推定部295から出力される評価情報を取得する(ステップS606)。なお、取得された評価情報は、格納制御部292により、評価記憶部230に格納されてよい。
続いて、サーバ装置200は、交換候補特定部296により、交換候補記憶部240に交換候補情報が格納された候補機器の中から、評価情報に応じて、空調システム300に含まれる機器と交換が可能な候補機器を特定する(ステップS607)。
続いて、サーバ装置200は、出力部297により、特定された候補機器を示す情報を端末装置400に出力する(ステップS608)。
以下に、本実施形態の評価システム100の動作の具体例を説明する。
はじめに、変動情報として、外気温度の条件(一般的な設計条件、ある地点での過去数年の統計から算出した外気温度の値)と、機器の劣化条件とが入力された場合について説明する。
サーバ装置200は、変動情報が入力されると、変動推定部293に、機器稼働情報、空間運用情報、空間構成情報、環境情報を含む空間環境情報と、入力された変動情報とを入力する。
変動推定部293は、運転実績記憶部210に格納されている運転実績情報において負荷がピークとなるときの外気温度と、変動情報が示す外気温度との差分から、運転実績情報に変動分「ΔQ」を推定する。
また、変動推定部293は、機器構成記憶部220に格納されている機器構成情報が示す機器の性能と、変動情報が示す機器の劣化条件に基づき機器の性能が劣化した場合の差分から、機器構成情報の変動分「ΔP」を推定する。
続いて、サーバ装置200は、運転実績情報に変動分「ΔQ」と、機器構成情報の変動分「ΔP」のそれぞれをマージンとして設定した設定後の運転実績情報「Q+ΔQ」と、機器構成情報「P+ΔP」とを評価推定部295に入力し、評価推定部295において推定された評価情報を取得する。
ここで取得される評価情報は、将来的に、外気温度の変化や機器の性能の劣化があった場合であっても、空調対象空間の環境を現在の環境と同等に維持するための機器の条件であってよい。
サーバ装置200は、評価情報が取得されると、交換候補特定部296により、交換候補記憶部240に交換候補情報が格納された候補機器の中から、評価情報が示す条件を満たす候補機器を特定する。
本実施形態では、このように、候補機器を選定する際に参照される評価情報を、空調対象空間の使用条件の変更や気候の変化による熱負荷の変動に対応できる条件を含む情報とする。本実施形態では、これにより、例えば、空調システム300に含まれる機器を交換する場合等において、将来的な空調対象空間の環境の変化に対応し得る機器を、空調システム300の管理者等に把握させることができる。
また、本実施形態では、既設の空調システム300に含まれる機器の交換を前提として説明したが、これに限定されない。本実施形態では、例えば、新規に空調システム300を設定する場合に適用されてもよい。
この場合、機器構成記憶部220に格納される機器構成情報は、新規に設置する空調システム300に含める仮の機器の機器構成情報とし、運転実績記憶部210に格納される運転実績情報をシミュレーション等によって得られた運転実績情報としてもよい。
このようにすることで、サーバ装置200に対して変動情報を入力して得られる評価情報に基づき特定された候補機器を、新規に設置する空調システム300に含める機器として選定することができる。
また、上述した例では、空調対象空間の環境の変化に対応するためのマージンは、運転実績情報と機器構成情報とに設定されるものとしたが、空調対象空間の環境の変化に対応するためのマージンは、評価情報に含まれてもよい。
評価情報におけるマージンは、評価推定部295によって推定されて、評価推定部295から出力される評価情報の一部とされてよい。
以下に、評価情報に、マージンが含まれる場合について説明する。ここでは、変動情報として、外気温度の条件が入力されるものとする。
サーバ装置200において、変動情報が入力されると、変動推定部293は、運転実績記憶部210に格納されている運転実績情報において負荷がピークとなるときの外気温度と、変動情報が示す外気温度との差分から、運転実績情報に変動分「ΔQ」を推定する。ここでの変動分「ΔQ」は、運転実績情報が示す負荷に対してとるべきマージンとなる負荷の増加分である。
ここで、変動分「ΔQ」が示す負荷のうち、1の負荷増分が室外機の圧縮機の回転数に換算して20回転増であったとする。この場合に、空調システム300に含まれる室外機301、302の圧縮機の回転数が、1の負荷増分に対して10回転増が上限であった場合、変動情報が示す環境の変化に対応するためには、1負荷増分に対して、さらに10回転増となる圧縮機を有する室外機が求められる。
したがって、変動推定部293は、空調システム300に含まれる室外機301、302の圧縮機の回転数を20回転増加させた場合の機器構成情報と、機器構成記憶部220に格納されている機器構成情報「P」との差分から、機器構成情報の変動分「ΔP」を推定する。
続いて、サーバ装置200は、変動分「ΔQ」がマージンとして設定された運転実績情報と、変動分「ΔP」がマージンとして設定された機器構成情報と、を評価推定部295に入力する。
ここで、評価推定部295は、さらに、評価情報に、空調対象空間の環境の変化に対応するためのマージンとなる条件を推定してよい。例えば、ここで推定される条件は、変動分「ΔQ」が示す負荷の増加分に対応した回転数以上の回転数を上限値とする室外機を含む、という条件であってよい。
そして、評価推定部295は、マージンとして推定された条件を含む評価情報を、評価推定部295の出力とする。
サーバ装置200は、評価情報を取得すると、交換候補特定部296により、交換候補記憶部240を参照し、評価情報が示す条件を満たす機器を候補機器に特定する。ここでは、交換候補特定部296は、例えば、運転実績情報に対して圧縮回転数で20回転分のマージンをとった機器を候補機器に特定してよい。
本実施形態では、このように、運転実績情報、機器構成情報、評価情報のそれぞれに対してマージンが設定されてもよい。
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。