JP6589227B1 - 制御装置、空調制御システム、制御情報の算出方法及びプログラム - Google Patents

制御装置、空調制御システム、制御情報の算出方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】空調機の運転を最適化する制御情報を実用時間内に算出することができる制御装置を提供する。【解決手段】制御装置は、空調機の制御情報を算出する制御情報算出部と、前記制御情報に基づいて前記空調機を運転した場合の評価値を算出する評価部と、前記評価値が、所定の基準を満たすかどうかを判定する判定部と、を備え、前記判定部は、前記評価値の分布が正規分布に従う場合に、判定対象の前記評価値が、前記正規分布における所定の発生確率に相当する範囲に含まれるか否かによって前記評価値の判定を行う。【選択図】図2

Description

本発明は、制御装置、空調制御システム、制御情報の算出方法及びプログラムに関する。
電力の需要と供給のバランスを、例えば電力料金を上下させることによって調整し、ピーク時の電力供給量を抑制するADR(Automated Demand Response)と呼ばれる技術が存在する。例えば、米国では、OpenADRによる電力料金のリアルタイム化が一般市場において展開されており、リアルタイムで安い電力供給会社を選択する等の運用が可能になっている。我が国においても政府主導のもとADR規格として、米国のOpenADR2.0の国内版を展開する動きがある。
このような動きに対し、電力料金がリアルタイムに変化する条件下で、空調の快適さを損なわずに電力料金を抑制する空調システムの制御方法(RTP(Real Time Pricing)制御)が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2018−040510号公報
RTP制御では、空調機が使用する電力の上限値の条件(電力制限指令)を様々に変更しながらそれぞれの条件下における空調機の動作を予測し、当該動作に必要な電力料金および当該動作によって達成される空調の快適性に関する評価値を計算し、評価値が最適となるような電力制限指令を決定する処理を行う。対象とする空調機の台数等によっては、計算量が増加し、RTP制御を実環境で利用しようとしても、実用時間内に最適な評価値となる電力制限指令を決定することができない可能性がある。
そこでこの発明は、上述の課題を解決することのできる制御装置、空調制御システム、制御情報の算出方法及びプログラムを提供することを目的としている。
本発明の一態様によれば、制御装置は、空調機の制御情報を算出する制御情報算出部と、前記制御情報に基づいて前記空調機を運転した場合の評価値を算出する評価部と、前記評価値が、所定の基準を満たすかどうかを判定する判定部と、サンプリング後の前記評価値の分布が正規分布と近似するように設定された所定の時間をかけてランダムに生成された前記制御情報に基づいて予めサンプリングされた複数の前記評価値と、を備え、前記判定部は、前記評価部が算出した判定対象の前記評価値が、前記予めサンプリングされた複数の前記評価値の分布を近似して得られる前記正規分布に基づいて設定される所定の範囲の値か否かによって、前記評価値の判定を行う。
本発明の一態様によれば、前記判定部は、判定対象の前記評価値の前記正規分布における下側確率が、所定の値以下となると当該評価値が前記範囲の値であると判定する。
本発明の一態様によれば、前記制御情報算出部は、SA(Simulated Annealing)アルゴリズムによって、前記評価値が前記範囲の値となるような前記制御情報を算出する。
本発明の一態様によれば、前記判定部は、前記評価値の算出を開始してからの経過時間が所定時間を上回るか、または、前記評価値の算出回数が所定回数を上回ると、前記評価値が所定の基準を満たすと判定する。
本発明の一態様によれば、前記制御装置は、前記制御情報を変更したときの前記評価値を複数サンプリングして、前記評価値の標本平均と標本標準偏差を算出し、前記基準の設定を受け付ける基準設定部、をさらに備える。
本発明の一態様によれば、前記基準設定部は、サンプリングした前記評価値が正規分布に従うように計算時間を定めて前記評価値をサンプリングする。
本発明の一態様によれば、前記制御装置は、時間毎の電力料金単価の情報を取得する料金情報取得部と、室外機と1台以上の室内機を備える空調機について、1台以上の前記空調機の運転状態に関する運転状態情報を取得する運転情報取得部と、前記運転状態情報と所定の予測モデルとに基づいて、未来の所定期間における前記空調機の運転状態を予測する予測部と、をさらに備え、前記評価部は、前記予測部が予測した運転状態に基づく前記所定期間における前記室内機が空調対象とするエリア毎の快適性の評価値と、前記時間毎の電力料金単価の情報に基づく前記所定期間における前記空調機の動作に必要な電力料金の評価値と、に基づく前記空調機の全てを対象とする運転に関する評価値を算出し、前記制御情報算出部は、前記評価値が所定の基準を満たすような前記制御情報を算出する。
本発明の一態様によれば、空調制御システムは、前記制御装置と、前記制御装置が算出する制御情報に基づいて運転する1台以上の空調機とを備える。
本発明の一態様によれば、制御情報の算出方法は、空調機の制御情報を算出するステップと、前記制御情報に基づいて前記空調機を運転した場合の評価値を算出するステップと、サンプリング後の前記評価値の分布が正規分布と近似するように設定された所定の時間をかけて前記制御情報をランダムに生成し、該制御情報に基づいて複数の前記評価値をサンプリングするステップと、前記評価値を算出するステップにおいて算出された判定対象の前記評価値が、前記サンプリングされた複数の前記評価値の分布を近似して得られる正規分布に基づいて設定される所定の範囲の値か否かによって、前記評価値が所定の基準を満たすかどうかを判定するステップと、を有する。
本発明の一態様によれば、プログラムは、制御装置のコンピュータを、空調機の制御情報を算出する手段、前記制御情報に基づいて前記空調機を運転した場合の評価値を算出する手段、サンプリング後の前記評価値の分布が正規分布と近似するように設定された時間をかけてランダムに生成された前記制御情報に基づいて複数の前記評価値をサンプリングする手段、前記評価値を算出する手段が算出した判定対象の前記評価値が、前記サンプリングされた複数の前記評価値の分布を近似して得られる正規分布に基づいて設定される所定の範囲の値か否かによって、前記評価値が所定の基準を満たすかどうかを判定する手段、として機能させる。

本発明によれば、空調機の運転を最適化する制御情報を短時間で算出することができる。
本発明の一実施形態における空調制御システムの一例を示す図である。 本発明の一実施形態における制御装置の一例を示す機能ブロック図である。 本発明の一実施形態における電力料金スケジュール情報の一例を示す図である。 本発明の一実施形態における運転制限スケジュール情報の一例を示す図である。 本発明の一実施形態における電力制限運転を説明する第一の図である。 本発明の一実施形態における電力制限運転を説明する第二の図である。 本発明の一実施形態における探索打ち切り処理を説明する第一の図である。 本発明の一実施形態における探索打ち切り処理を説明する第二の図である。 本発明の一実施形態における探索打ち切り処理の効果を説明する図である。 本発明の一実施形態における制御装置の処理の一例を示す第一のフローチャートである。 本発明の一実施形態における制御装置の処理の一例を示す第二のフローチャートである。 本発明の一実施形態における制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
<実施形態>
以下、本発明の一実施形態による空調制御システムおよび最適な制御情報の算出方法について図1〜図12を参照して説明する。
図1は、本発明の第一実施形態における空調制御システムの一例を示す図である。空調制御システム100は、ビル4に備えられた1台以上空調機31〜3mを、ユーザの快適性を保ちつつ低コストで運転するための制御システムである。さらに本実施形態の空調制御システム100は、エリア毎にそのエリアに対する空調の優先度を設定したうえで、空調機31〜3m全体での経済性やエリア毎の快適性を所望の状態に制御することを特徴とする。ここでエリアとは、空調対象の単位となる空間のことである。エリアは、ビル4内の1つの部屋、1つのフロアであってもよいし、複数のビルを跨る複数の部屋や複数のフロアを1つのエリアとして設定してもよい。また、1つのエリアには、異なる冷媒系統(ブロック)に属する複数の室内機が設置されていてもよい。
空調制御システム100は、DRASサーバ1と、DRASクライアント2と、ゲートウェイ3と、空調機31〜3mと、を含んで構成される。DRASサーバ1は、例えば電力会社が運用するサーバ端末装置である。電力会社は、電力料金単価を例えば10分毎に変更する。例えば、電力会社は、電力の需要による電力不足が見込まれる場合には、電力料金単価を上昇させて需要家に節電を促し、電力需要が比較的少ないと見込まれる時間には電力料金単価を下げて電力の消費を促す。DRASサーバ1とDRASクライアント2とは通信可能に接続されており、一般に公開されたプロトコル(例えばOpenADR2.0等)に基づく通信を行う。例えば、DRASサーバ1は、未来における所定期間分(例えば、30分間)の電力料金のスケジュール情報を、DRASクライアント2に送信する。
DRASクライアント2は、例えば空調機31等の運用を行う企業が運用するサーバ端末装置である。DRASクライアント2は、DRASサーバ1から取得した電力料金のスケジュール情報に基づいて、どのような運転を行えば、ユーザの設定温度を実現しつつ安い電力料金で空調機31〜3mを運転できるかを示す運転制限スケジュール情報を算出する。DRASクライアント2は、インターネット等のネットワークを介して、ゲートウェイ3と通信可能に接続されている。DRASクライアント2は、算出した運転制限スケジュール情報をゲートウェイ3に送信する。
ゲートウェイ3は、ビル4に設けられた通信装置である。ビル4には、複数の室内機を有するマルチ型の空調機31〜3mが設けられている。空調機31は、室外機301と、室内機311〜31nを備える。空調機32は、室外機302と、室内機321〜32nを備える。空調機33,34,3mについても同様である。例えば、室外機301は、圧縮機、熱交換器等を有しており、冷媒を室内機311,31n等へ送出する。室内機311等は、ビル4の部屋に設けられており、その部屋の温度を、ユーザ所望の温度となるように空調を行う。空調機31〜3mの各々は、1つの冷媒系統である。つまり、室外機301と、室内機311〜31n等は冷媒配管で接続された1つの制御単位である。本実施形態では、この制御単位をブロックと呼ぶ。例えば、空調機31をブロック1、空調機32をブロック2、空調機3mをブロックmと呼ぶ。空調制御システム100では、空調機31等の制御はブロック単位で行うが、温度制御はエリア単位で行う。例えば、エリアa1は1つの部屋であって、エリアa1の温度は複数の室内機311、312、321、322を用いて制御する。室内機311、312はブロック1、室内機321、322はブロック2に属している。同様にエリアa2は1つのフロア全体であって、エリアa2の温度を制御する室内機31n〜3mnは、それぞれブロック1〜mに属している。エリアが複数のブロックに跨ることは必須ではない。例えば、エリアa3は、室内機342〜343によって制御されるが、室内機342〜343は何れもブロック4に属している。また、エリアは、エリアa4のように1つの室内機3m1で制御される空間であってもよい。本実施形態では、エリア単位で室温達成の優先度を設定することができる。例えば、エリアa1の温度を重視する場合、エリアa1の優先度を高く設定することで、他のエリアの温度を多少犠牲にしても、エリアa1の温度をより高い精度で所望の温度に制御することができる。また、室温の達成をあまり重視しない部屋については、各部屋をそれぞれ1つずつのエリアとして設定してもよいし、それらの部屋をまとめて一つのエリアとして設定してもよい。複数ブロック全体での電力料金を抑えつつ、優先度の高いエリアの快適性を重視して空調快適性を実現する制御を、エリア複合RTP(Real Time Pricing)制御と呼ぶ。
ゲートウェイ3は、DRASクライアント2から取得した空調機毎の運転制限スケジュール情報を、対応する空調機31〜3mへ出力する。空調機31〜3mの各々は取得した運転制限スケジュール情報に基づいて、自装置の運転を制御する。
図2は、本発明の一実施形態における制御装置の一例を示す機能ブロック図である。
図2を用いてDRASクライアント2の構成について説明する。DRASクライアント2は、運転情報取得部21と、料金情報取得部22と、制御情報算出部23と、判定部24と、運転状態予測部25と、評価部26と、基準設定部27と、通信部28と、記憶部29とを備える。
運転情報取得部21は、空調機31〜3mの運転情報を取得する。運転情報とは、例えば、空調機31の運転による消費電力量、運転時の室内温度、設定温度および室外温度等である。運転情報取得部21は、例えば所定の時間毎に空調機31〜3mの運転情報を取得し、記憶部29に取得した運転情報を記録する。
料金情報取得部22は、DRASサーバ1が送信した電力料金のスケジュール情報を取得する。電力料金のスケジュール情報については、後に図3を用いて説明する。
制御情報算出部23は、所定の最適化手法を用いて、ユーザの快適性を保ちつつ、電力料金を抑制する空調機31〜3mの運転を実現する運転制限スケジュール情報を算出する。所定の最適化手法とは、例えば、SA(Simulated Annealing)アルゴリズム(焼きなまし法)、遺伝的アルゴリズム、粒子群最適化などの手法である。また、ユーザの快適性を保ちつつ、電力料金を抑制する運転制限スケジュール情報とは、後述する評価部26が算出する評価値Jcの値が最も小さな値となる場合の運転制限スケジュールのことをいう。本実施形態の場合、運転制限スケジュール情報とは、所定時間毎の空調機31〜3mのそれぞれが消費する電力の上限値である。
判定部24は、評価部26が算出する評価値Jcが、所定の基準を満たすかどうかを判定する。判定部24は、評価値の分布が正規分布に従う場合に評価対象となる評価値が、正規分布に基づいて設定される所定の範囲の値か否かによって、基準を満たすかどうかの判定を行う。より具体的には判定部24は、評価対象となる評価値の発生確率が、正規分布における所定の下側確率以下となると基準を満たすと判定する。
運転状態予測部25は、運転制限スケジュール情報が示す条件下での空調機31,32,3m等の運転状態を予測する。例えば、運転状態予測部25は、運転情報取得部21が取得した空調機31の現在の運転状態に基づいて数分先の空調機31の運転状態を予測する。また、例えば、運転状態予測部25は、現在の運転状態に基づいて予測した数分先の空調機31の運転状態に基づいて、さらに数分先の空調機31の運転状態を予測する。運転状態の予測には、例えば、ニューラルネットワークと呼ばれる機械学習アルゴリズムによる予測モデルを用いる。
評価部26は、運転状態予測部25が予測した所定時間先の空調機31〜3mの運転状態を後述する評価関数によって評価する。より具体的には、評価部26は、電力料金評価部261と快適性評価部262とを備えており、電力料金(コスト)とユーザにとっての快適性の両面から運転状態予測部25が予測した未来における空調機31〜3mの運転に対する評価を行う。
基準設定部27は、判定部24が判定に用いる基準を設定する。基準設定部27は、例えば、ユーザが入力した評価値Jcの正規分布における下側確率を基準として設定する。
通信部28は、他装置との通信を行う。例えば、通信部28は、DRASサーバ1とデータ通信を行い、電力料金のスケジュール情報を取得する。あるいは、通信部28は、ゲートウェイ3とデータ通信を行い、運転制限スケジュール情報をゲートウェイ3へ送信する。
記憶部29は、運転制限スケジュール情報の算出に必要な種々のデータを記憶する。例えば、記憶部29は、運転状態予測部25が運転状態の予測に用いる予測モデルを記憶している。この予測モデルは、ある運転制限スケジュール情報を与えた場合の過去の運転状態の実績情報に基づいてニューラルネットワーク等の手法で生成した予測モデルである。この予測モデルは、電力制限スケジュール情報と、実際の消費電力量、室内温度、室外温度を入力すると、所定時間先の未来における室内温度とそのときまでに消費される消費電力量の予測値を出力する。本実施形態の場合、予測モデルは、1分毎の室内温度と消費電力量を5分先まで予測する。予測モデルは、例えば、空調機31〜3m毎に用意されている。
図3は、本発明の一実施形態における電力料金スケジュール情報の一例を示す図である。電力料金のスケジュール情報には、所定時間(例えば10分)毎の電力料金単価が含まれている。図3の例の場合、本日の14:00〜14:10では1kWhあたりの電力料金が30円、14:10〜14:20では10円、14:20〜14:30では100円となっている。DRASサーバ1は、例えば、時間が10分経過する毎に、30分先までの10分毎の電力料金単価が含まれたスケジュール情報をDRASクライアント2へ送信する。DRASクライアント2では、料金情報取得部22が電力料金単価のスケジュール情報を、通信部28を介して取得し、記憶部29へ記録する。
図4は、本発明の一実施形態における運転制限スケジュール情報の一例を示す図である。運転制限スケジュール情報には、所定時間(例えば5分)毎の電力制限値が含まれている。
この電力制限値は、図3で例示した電力料金単価の場合に、ユーザが設定した室内の設定温度をなるべく達成しつつ、最安の電力料金で空調機31等を運転するための空調機31等が消費する電力の上限値である。
図4の例の場合、単価が30円の時間帯(14:00〜14:10)では、前半が14kW、後半が7kwとなっている。続いて、単価が10円の時間帯(14:10〜14:20)では前半が3kW、後半が7kwとなっている。最後に単価が100円の時間帯(14:20〜14:30)では前半、後半ともに0kwとなっている。
DRASクライアント2では、制御情報算出部23が算出した運転制限スケジュールが示す条件下での30分後までの空調機31〜3mの運転状態を運転状態予測部25が予測し、評価部26がその30分間の運転による電力料金、エリア毎の快適性を評価する。そして、制御情報算出部23は、評価部26による評価結果に基づいて、より適切な運転制限スケジュール情報を再設定する。例えば、快適性が良好でも電力料金が高額になる場合には、制御情報算出部23は運転制限スケジュールの電力制限値を抑え、より低電力で運転を行う条件を再設定する。また、例えば、電力料金は非常に安くなるが快適性も低い場合、制御情報算出部23は運転制限スケジュールの電力制限値を上昇させ、電力料金が相対的に上昇してもユーザが設定した設定温度を実現することにより、快適性を向上させる条件を再設定する。図4に例示する電力制限運転のスケジュール情報は、このようにして最適化された所定時間毎の電力制限値である。
次に評価部26が使用する評価関数について説明する。以下の式(1)〜(4)が本実施形態の評価関数の一例である。
Figure 0006589227
Figure 0006589227
Figure 0006589227
Figure 0006589227
ここで、αは電力料金評価に対する重み係数、bはブロックの識別番号(b=1,2,・・・,bmax)、mは単位時間(例えば5分間)の番号、R(m)はm単位時間時の電力単価、W (m)はm単位時間時におけるブロックbでの空調機3bによる使用電力量[Wh]、aはエリアの識別番号(a=1,2,・・・,amax)、Z(m)はm単位時間時におけるエリアaの快適性評価値である。βはエリアaに対する空調の優先度(−1.0≦β≦1.0)であって式(3)が成立する。T SAA(m)はm単位時間時におけるエリアaの平均室温偏差(℃)である。iは室内機の識別番号(i=1,2・・・Imax)、T Ai(m)はm単位時間時における対象となるエリアaに属する室内機iのセンサが計測した室内温度(吸込み温度)(℃)、T Si(m)はm単位時間時における対象となるエリアaについて設定された室内機iのユーザ設定温度(℃)、Cb Piはブロックbの室内機iの定格冷暖房能力[kW]、Sb RSiはブロックbの室内機iの運転状態(0が停止、1が運転中)である。
電力料金評価部261は、式(1)右辺の第1項の式により電力料金の評価値を算出する。快適性評価部262は、式(1)右辺の第2項の式と式(2)〜式(4)により快適性の評価値を算出する。式(1)右辺の第1項はブロック別の単位時間あたりの電力料金を所定期間にわたって合計し、合計した値を全ブロックについて集計する式である。電力料金が高い程、第1項の値は大きくなる。第2項は、単位時間あたりの室内機毎のユーザによる設定温度と実際の室内温度(空調温度)の温度差に基づく値に対して、エリア別の優先度係数βを乗じて2乗した値を所定期間にわたって合計し、合計した値を全エリアについて集計する式である。第2項は、ユーザが設定した設定温度と実際の室内温度の温度差が大きい程(快適性が低い程)、大きな値となる。また、優先度係数βが大きい、つまり優先されるエリアaでの温度差が大きいほど、第2項の値は大きな値となる。従って、電力料金が安く、各エリア(特に優先度の高いエリア)での快適性が高い程、式(1)の値は小さな値となる。制御情報算出部23は、評価部26が算出した式(1)による評価値Jcがなるべく小さくなるように電力制限運転のスケジュール情報を調整する。
図5は本発明の一実施形態における電力制限運転を説明する第一の図である。
図6は本発明の一実施形態における電力制限運転を説明する第二の図である。
図5、図6において縦軸は消費電力量(kW)、横軸は時間(分)を示している。図6の場合、縦軸はさらに電力制限値(kW)を示している。
図5に示すグラフ51は、平常運転時の制御(本実施形態の電力制限値による運転制限を設けない制御)によって空調機31を運転したときの消費電力量の時間推移を示している。
図6に示すグラフ61は、本実施形態のエリア複合RTP制御によって空調機31〜3mを運転したときの空調機31についての消費電力量の時間推移を示している。また、グラフ62は、制御情報算出部23が算出した空調機31に対する運転制限スケジュール(電力制限値の時間推移)を示している。
まず、運転状態予測部25が、運転情報取得部21が取得した最新の空調機31の運転状態情報(電力制限値、実際の電力、室内温度、設定温度、室外温度)と予測モデルによって5分先までの1分毎の空調機31の運転状態を予測する。次に運転状態予測部25が、自らが予測した5分後の空調機31の運転状態情報と予測モデルによってさらに5分先(つまり時間5分から10分)までの1分毎の空調機31の運転状態を予測する。運転状態予測部25は、同様の5分単位の予測を計6回繰り返し、時間0を基準として30分後までの運転状態を模擬する。なお、これら6回の模擬において電力制限値については任意の値を与える。
次に評価部26が式(1)に、運転状態予測部25が模擬した30分間の運転状態情報を代入し評価値を算出する。なお、α、β、Cb Pi等の定数については予め設定され記憶部29に記録されている。また時間毎の電力料金単価R(m)には料金情報取得部22が取得した電力料金スケジュール情報を用いる。各エリアの目標温度T Si(m)については、各室内機iを通じて設定された値を用いる。
次に制御情報算出部23が、評価部26が算出した評価値に基づいて、5分毎の電力制限値の最適化を行う。例えば、開始から5分間(1回目の模擬区間)は目標の設定温度を達成するために高めの電力制限値を設定し、空調機31の運転を促進する。また、4回目の模擬区間(15〜20分)については、次に電力料金単価が100円と高額になる区間なので、高額区間(5〜6回目の模擬区間)での運転を抑制するために予め強めの運転を行って部屋を涼しくしておくなど、電力料金単価の変動と設定温度と室内温度との乖離具合(快適性)とに応じた電力制限値を設定する。
また、制御情報算出部23は、目標の設定温度を達成すべく、各エリアaに付された優先度係数βを参照して、優先度係数βが大きな室内機iの室温が設定温度を達成できるような制御情報を算出する。例えば、制御情報算出部23は、優先度係数βに大きな値が設定された室内機を多く含むブロックの空調機31等への電力制限値は、確実に目標温度が達成できるように十分に大きな値を設定し、優先度係数βに小さな値が設定された室内機を多く含む空調機の電力制限値には、相対的に小さな値を設定する。
次に運転状態予測部25は、制御情報算出部23が設定した6つの区間(30分間)に対する新たな運転制限スケジュール情報(時間毎の電力制限値、または時間毎の電力制限値および圧縮機の回転数)を用いて、再度、未来の30分間における空調機31の運転状態を模擬する。また、評価部26はその模擬結果を式(1)の評価関数によって評価する。また、制御情報算出部23が、SAアルゴリズムなどの最適化手法を用いて評価値Jcを最小にする運転制限スケジュール情報を算出する。
このような運転制限スケジュール情報の最適化を繰り返し、評価値Jcの値を最小にする空調機31〜3mごとの運転制限スケジュールが決定されると、制御情報算出部23が最適化された運転制限スケジュール情報を、通信部28を介してゲートウェイ3に送信する。ゲートウェイ3は最適化された運転制限スケジュール情報を空調機31〜3mに送信し、空調機31〜3mは、運転制限スケジュール情報が示す5分毎の電力制限値を超えないように運転を行う。これにより、低コスト且つ高い快適性を提供する空調制御が可能になる。
ここで、制御情報算出部23がm=Nhまで先の電力制限スケジュール情報を算出すると仮定すると、ブロックbに対する電力制限指令の順列は(P L1,P L2,・・・,P LNh)となり、ビル全館に配置された全ての空調機を探索対象とする電力指令値の順列は以下のようになる。
Figure 0006589227
すると探索アルゴリズムは、NALL=N Nb×Nhの状態を有する空間を、最適解を求めて探索することになる。Nは電力制限値の段数であり、例えば、電力制限値を5,10,15,20,25(KW)の5段階の中から選択する場合はN=5である。Nbはブロック数(室外機の数=bmax)である。Nhは1度に何分先まで予測するかであり、例えば、1単位時間が5分で10分先まで予測するならばNh=2である。例えば、N=5、Nb=10、Nh=2という典型的な例の場合、探索空間は、NALL=520となる。この大きさの探索空間を全探索すると、数百台以上のスーパーコンピュータを用いても何時間もかかってしまい実用的ではない。データ取得から電力制限指令値を空調機に与えて、空調機がその電力制限指令値に従って動作を始めるまでに要する時間を考慮すると、実際の空調機の制御においては、最適解(最小の評価値)の算出に割り当てることができる処理時間は10秒程度である。そこで、本実施形態では、SAアルゴリズムなどの最適化手法による探索に加え、実用時間内に十分な精度を有する解を得られた時点で探索打ち切り処理を行う。
図7は、本発明の一実施形態における探索打ち切り処理を説明する第一の図である。
図7にマルチコアのCPUによって、式(1)の評価値Jcが最小となる最適解を探索したときの様子を示す。縦軸は評価値Jcの値、横軸は探索開始からの経過時間を示している。各コアにSAアルゴリズムを実行させて並列に解の探索を実行させたことにより、複数のグラフが表示されている。0.5秒付近で一旦1つの値に収束しているのは、それまでに得られた中で最も良質な解を全てのコアで実行中のアルゴリズムに与え同期させる処理を行ったことによる。図7に示すように1秒の手前から以降は評価値Jcの値に大きな変化は無く、その後わずかに低下して10秒に至っている。探索開始から1秒を経過する手前の評価値の値は1500を下回り、その後、10秒経過時には評価値Jcの値は1397を記録した。もし、評価値Jcの値が、例えば1450程度であっても実用上問題が無い程度に低コスト且つ高快適性を実現することができれば、上限となる10秒間をかけて探索処理を行う必要は無い。図7の例では、解の探索は1秒弱で十分と考えられる。そこで、本実施形態では、所定の基準を設け、探索中の解がこの基準に達したら探索を打ち切り、基準を満たしたと判定した時点の準最適解を最終的な解として採用する。
次に本実施形態の探索打ち切り処理について説明する。
図8は、本発明の一実施形態における探索打ち切り処理を説明する第二の図である。
図8のドットで示す領域K1は、一例として、N=5、N=20、N=6(NALL=5120)の探索空間から10000点をサンプリングしたときの評価値Jcのヒストグラムである。横軸に評価値Jcの値、縦軸に出現率を示す。サンプリングした値の標本平均XJCは2072、標本標準偏差SJCは128.3である。図8のグラフK2は、標本平均XJCと標本標準偏差SJCを用いて算出した正規分布のグラフである。図示するようにサンプリングした評価値Jcの分布は正規分布に近似できる。他のサンプリング例でも評価値Jcの分布が概ね正規分布となることが実験的に確認できている。そこで、本実施形態では、探索空間を構成する評価値Jcが正規分布に従うと仮定し、以下の処理手順により解が正規分布の下位何%に到達しているのかを計算し、所定の基準より下位に達していれば(小さな値となっていれば)探索を打ち切る処理を行う。
[1].電力制限指令値の順列をランダムに複数生成して、各順列で空調機を運転したときの評価値Jcの評価値をサンプリングする。[2].サンプリングした評価値の標本平均XJCと標準偏差SJCを算出する。[3].下側確率PJC ENDを設定する。[4].解の探索を開始する。[5].探索中の評価値Jの標準化変数ZJC=(評価値J−XJC)/SJCを算出する。[6].累積分布関数(式(6))により、ZJCの下側確率PJC(%)を求める。
Figure 0006589227
Figure 0006589227
上記の式(7)は確率密度関数である。[7].下側確率PJC(%)が上で設定した下側確率PJC ENDに到達したら(下側確率PJC≦下側確率PJC ENDとなったら)探索を打ち切る。例えば、図8に示すPxが、下側確率がPJC ENDとなる点であるとすると、評価値JがPx以下の値となっていれば、探索を打ち切る。
図9は、本発明の一実施形態における探索打ち切り処理の効果を説明する図である。
図9に実際に上記手順で探索を打ち切った実行例を示す。図中J´cminは、予め全探索により発見した厳密最小解J´cmin=111である。一方、上記の[1]〜[7]の手順で解の探索及び探索の打ち切りを実行したところ、探索の開始から0.02秒が経過した時に厳密最小解J´cminと同じ値の解Jcmin=111を得ることができた。
図10は、本発明の一実施形態における制御装置の処理の一例を示す第1のフローチャートである。
図10を用いて、解の探索および探索打ち切り処理に先立ち必要となる処理の流れを説明する。まず、基準設定部27が、これから行う空調と同様の条件(例えば、各エリアの設定温度や何分先までの評価値を算出するか等)を設定して、ランダムに生成した複数の電力制限スケジュール情報に基づいて評価値Jcのサンプリングを行う(ステップS1)。運転状態の予測には、運転状態予測部25を用いることができる。また、1つの評価値Jcのサンプルを得るための計算時間を定め、その計算時間で得られた評価値Jcを複数(例えば、1万個)算出する。サンプルを得るための計算時間には、サンプリングした複数の評価値Jcの分布が正規分布に従うような適切な時間を設定することができる。例えば、図7に例示した例では計算時間を10秒として設定すると、多数の解が最適解付近に収束してしまい、サンプリングした評価値Jcが正規分布とならない。従って、図7に示す例では、計算時間を、例えば0.8〜1秒程度に制限してサンプリングを行う。次に基準設定部27は、サンプリングした複数の評価値Jcに基づいて、標本平均XJCと標本標準偏差SJCを算出する(ステップS2)。次に基準設定部27は、基準となる所定の下側確率を設定する(ステップS3)。下側確率PJC END(例えば、0.01%)は、ユーザが入力してもよい。次に基準設定部27は、標本平均XJCと標本標準偏差SJCと下側確率PJC ENDを記憶部29に記録する(ステップS4)。
図11は、本発明の一実施形態における制御装置の処理の一例を示す第2のフローチャートである。
図11を用いて運転制限スケジュール情報の生成処理の流れについて説明する。記憶部29には、式(1)〜(4)に用いられる定数(α,β等)が記録されている。また、予め図10で説明した処理により、記憶部29には標本平均XJCと標本標準偏差SJCと下側確率PJC ENDが記録されている。空調制御システム100の構成は、図1の構成を前提とする。
まず、料金情報取得部22が、DRASサーバ1が生成した電力料金単価スケジュール情報を取得し(ステップS11)、記憶部29に記録する。電力料金スケジュール情報には、例えば、30分先までの10分毎の電力料金単価が含まれている。
次に運転情報取得部21が、複数の空調機31〜3mそれぞれの運転状態情報を取得する(ステップS12)。運転状態情報には、ブロック単位での単位時間毎の消費電力量、外気温度、室内機単位での室内温度、ユーザによる設定温度等の情報が含まれている。運転情報取得部21は、取得した運転状態情報を記憶部29に記録する。
次に制御情報算出部23が、空調機31〜3mのそれぞれについて、未来の所定期間(例えば30分間)における所定時間毎(例えば5分毎)の運転制限スケジュール情報を算出する(ステップS13)。例えば、制御情報算出部23は、初回では任意の初期値を30分間にわたる5分毎の電力制限値として設定してもよい。
次に運転状態予測部25が、空調機31〜3mのそれぞれについて、未来の所定期間における所定時間毎の運転状態を予測する(ステップS14)。より具体的には、運転状態予測部25は、ステップS12で取得した運転状態情報と、ステップS13で設定した運転制限スケジュール情報とを予測モデルに入力し、未来の5分間における1分毎の空調機単位の消費電力量と、室内機単位の室内温度を予測する。次に運転状態予測部25は、ステップS12で取得した運転状態情報とステップS13で設定した運転制限スケジュール情報とのうち、ステップS12で取得した実際の消費電力量と室内温度とを、予測モデルによって予測した5分後の予測値で置き換えた情報を、予測モデルに入力し、さらに5分先(開始時間から5分後〜10分後までの5分間)までの1分毎の空調機単位の消費電力量と、室内機単位の室内温度を予測する。以下、同様にして5分毎の予測を計6回繰り返し、30分間分の消費電力量と、室内温度の予測を行う。
次に評価部26が、運転状態予測部25によって予測された運転状態に対する評価値を算出する(ステップS15)。具体的には、ステップS14の予測により、1分毎の消費電力量、室内機毎の室内温度の予測値が算出されているので、評価部26は、式(1)〜式(4)を用いてビル4全体の評価値Jcを算出する。評価部26は、評価値Jcを判定部24へ出力する。
次に判定部24が、評価値Jcが基準に達したか否かを判定する(ステップS16)。具体的には、判定部24が、評価対象の評価値Jcと、記憶部29が記憶する標本平均XJCおよび標本標準偏差SJCに基づいて、標準化変数ZJCを算出する。続いて判定部24は、上記の式(6)、(7)を用いて、標準化変数ZJCの下側確率PJCを算出する。次に判定部24は、下側確率PJCと記憶部29が記憶する下側確率PJC ENDを比する。下側確率PJC≦下側確率PJC ENDが成立すると、判定部24は評価値Jcが基準に達したと判定する。下側確率PJC>下側確率PJC ENDの場合、判定部24は評価値Jcが基準に達していないと判定する。
予め基準設定部27によってサンプリングされた評価値Jcによっては、しばらく計算を繰り返しても、下側確率PJC≦下側確率PJC ENDが成立しない可能性がある。そのような場合、判定部24は、解の探索から所定の上限時間(例えば、10秒)が経過すると評価値Jcが基準に達したと判定する。又は、判定部24は、評価値の算出回数が規定回数に到達すると、評価値Jcが基準に達したと判定してもよい。
評価値が基準に到達した場合(ステップS16;Yes)、制御情報算出部23は、評価値Jcが基準を満たす場合の空調機31〜3m毎の運転制限スケジュール情報を、ゲートウェイ3へ出力する(ステップS17)。ゲートウェイ3は、運転制限スケジュール情報を対応する空調機31〜3mへ出力し、各空調機31〜3mは、運転制限スケジュール情報に従って、次の30分間の運転を行う。これにより、ユーザ所望の設定温度を達成しつつ、空調機の電力料金を低減することができる。
評価値が基準に到達しない場合(ステップS16;No)、評価値が基準に到達するまで、ステップS13からの処理を繰り返す。具体的には、制御情報算出部23がSAアルゴリズムなどの最適化手法を用いて、式(1)による評価値を最小化する新たな運転制限スケジュール情報を算出する(ステップS13)。
本実施形態の空調制御システム100によれば、電力料金単価が変動する環境下でも、優先度係数βに応じたユーザの快適性を実現しつつ、建物全体での電力料金を抑えた複数の空調機の運転が可能になる。また、その際に最適な運転制限スケジュール情報を算出する必要があるが、本実施形態の探索打ち切り処理によれば、最適化手法によって最適な運転制限スケジュール情報を算出するにあたり、所定の基準により解の探索を継続するか否かを判定する。当該基準に基づいて解の探索を継続するか否かを判定することにより、厳密な最適解の発見に必要な時間よりも大幅に短縮した時間内で、十分実用に耐える準最適解(低コスト且つ高快適性を十分に実現できる運転制限スケジュール情報)を算出することができる。これにより、制御対象となる空調機(ブロック)が多数存在する場合や電力制限値の段数が多い場合などでも効果的に計算量を削減し、処理の高速化、計算負荷の低減を図り、遅延なく空調機に電力制限指令を行うことができる。
なお、上記例では、運転制限スケジュール情報の算出を行う機能を、DRASクライアント2に実装する場合を例に説明を行ったが、これに限定されない。例えば、これらの機能をゲートウェイ3に実装してもよい。
また、上記例では最適化手法として、SAアルゴリズムを用いたが、探索中の解の分布が正規分布に従うならば、他の方法であっても本実施形態の探索打ち切り処理を適用することができる。
図12は、本発明の一実施形態における制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
コンピュータ900は、CPU901、主記憶装置902、補助記憶装置903、入出力インタフェース904、通信インタフェース905を備える。
上述のDRASクライアント2(制御装置)は、コンピュータ900に実装される。そして、上述した各機能は、プログラムの形式で補助記憶装置903に記憶されている。CPU901は、プログラムを補助記憶装置903から読み出して主記憶装置902に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU901は、プログラムに従って、記憶領域を主記憶装置902に確保する。また、CPU901は、プログラムに従って、処理中のデータを記憶する記憶領域を補助記憶装置903に確保する。
なお、DRASクライアント2の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各機能部による処理を行ってもよい。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、CD、DVD、USB等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ900に配信される場合、配信を受けたコンピュータ900が当該プログラムを主記憶装置902に展開し、上記処理を実行しても良い。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。なお、DRASクライアント2は、複数のコンピュータ900によって構成されていても良い。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。また、この発明の技術範囲は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。なお、DRASクライアント2は制御装置の一例である。
100・・・空調制御システム
1・・・DRASサーバ
2・・・DRASクライアント
3・・・ゲートウェイ
31、32、33、34、3m・・・空調機
4・・・ビル
301、302、303、304、30m・・・室外機
311、312、313、31n、321,322、323、32n、331、332、333、33n、341、342、343、34n、3m1、3m2、3m3、3mn・・・室内機
21・・・運転情報取得部
22・・・料金情報取得部
23・・・制御情報算出部
24・・・判定部
25・・・運転状態予測部
26・・・評価部
261・・・電力料金評価部
262・・・快適性評価部
27・・・基準設定部
28・・・通信部
29・・・記憶部

Claims (10)

  1. 空調機の制御情報を算出する制御情報算出部と、
    前記制御情報に基づいて前記空調機を運転した場合の評価値を算出する評価部と、
    前記評価値が、所定の基準を満たすかどうかを判定する判定部と、
    サンプリング後の前記評価値の分布が正規分布と近似するように設定された所定の時間をかけてランダムに生成された前記制御情報に基づいて予めサンプリングされた複数の前記評価値と、
    を備え、
    前記判定部は、前記評価部が算出した判定対象の前記評価値が、前記予めサンプリングされた複数の前記評価値の分布を近似して得られる正規分布に基づいて設定される所定の範囲の値か否かによって、前記評価値の判定を行う、
    制御装置。
  2. 前記判定部は、判定対象の前記評価値の前記正規分布における下側確率が、所定の値以下となると当該評価値が前記範囲の値であると判定する、
    請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記制御情報算出部は、SA(Simulated Annealing)アルゴリズムによって、前記評価値が前記範囲の値となるような前記制御情報を算出する、
    請求項1または請求項2に記載の制御装置。
  4. 前記判定部は、前記評価値の算出を開始してからの経過時間が所定時間を上回るか、または、前記評価値の算出回数が所定回数を上回ると、前記評価値が所定の基準を満たすと判定する、
    請求項1から請求項3の何れか1項に記載の制御装置。
  5. 前記制御情報を変更したときの前記評価値を複数サンプリングして、前記評価値の標本平均と標本標準偏差を算出し、前記基準の設定を受け付ける基準設定部、
    をさらに備える請求項1から請求項4の何れか1項に記載の制御装置。
  6. 前記基準設定部は、サンプリングした前記評価値が正規分布に従うように計算時間を定めて前記評価値をサンプリングする、
    請求項5に記載の制御装置。
  7. 時間毎の電力料金単価の情報を取得する料金情報取得部と、
    室外機と1台以上の室内機を備える空調機について、1台以上の前記空調機の運転状態に関する運転状態情報を取得する運転情報取得部と、
    前記運転状態情報と所定の予測モデルとに基づいて、未来の所定期間における前記空調機の運転状態を予測する予測部と、をさらに備え、
    前記評価部は、前記予測部が予測した運転状態に基づく前記所定期間における前記室内機が空調対象とするエリア毎の快適性の評価値と、前記時間毎の電力料金単価の情報に基づく前記所定期間における前記空調機の動作に必要な電力料金の評価値と、に基づく前記空調機の全てを対象とする運転に関する評価値を算出し、
    前記制御情報算出部は、前記評価値が所定の基準を満たすような前記制御情報を算出する、
    請求項1から請求項6の何れか1項に記載の制御装置。
  8. 請求項7に記載の制御装置と、
    前記制御装置が算出する制御情報に基づいて運転する1台以上の空調機と、
    を備える空調制御システム。
  9. 空調機の制御情報を算出するステップと、
    前記制御情報に基づいて前記空調機を運転した場合の評価値を算出するステップと、
    サンプリング後の前記評価値の分布が正規分布と近似するように設定された所定の時間をかけて前記制御情報をランダムに生成し、該制御情報に基づいて複数の前記評価値をサンプリングするステップと、
    前記評価値を算出するステップにおいて算出された判定対象の前記評価値が、前記サンプリングされた複数の前記評価値の分布を近似して得られる正規分布に基づいて設定される所定の範囲の値か否かによって、前記評価値が所定の基準を満たすかどうかを判定するステップと、
    を有する制御情報の算出方法。
  10. 制御装置のコンピュータを、
    空調機の制御情報を算出する手段、
    前記制御情報に基づいて前記空調機を運転した場合の評価値を算出する手段、
    サンプリング後の前記評価値の分布が正規分布と近似するように設定された時間をかけてランダムに生成された前記制御情報に基づいて複数の前記評価値をサンプリングする手段、
    前記評価値を算出する手段が算出した判定対象の前記評価値が、前記サンプリングされた複数の前記評価値の分布を近似して得られる正規分布に基づいて設定される所定の範囲の値か否かによって、前記評価値が所定の基準を満たすかどうかを判定する手段、
    として機能させるためのプログラム。
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