以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る整流機能付きバルブを説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまで一例であり、本発明に係る整流機能付きバルブは、以下の実施形態に限定されるものではない。
図1~図7に示される、本実施形態に係る整流機能付きバルブ1(以下、バルブ1とも称する)は、ダム、プラント等の設備から排出される液体(たとえば水)が河川等に放流される際に用いることが可能なバルブである。バルブ1は、上記設備から排出される高速の液体の流れ(たとえば水流)の流量を調節する機能と、弁箱2内でキャビテーションが発生するのを抑制する機能とを有する。
バルブ1は、軸方向の一端側の開口部21に流入配管6が接続され、他端側の開口部22に流出配管7が接続される筒状の弁箱2と、弁箱2内において一端側の開口部21の開度を調節する弁体3と、弁箱2内に空気AFを供給する給気管4と、弁箱2内に設けられた整流部材5とを備えている。一端側の開口部21は、弁箱2において、液体の流れ方向における上流側の端部に位置する開口部である。他端側の開口部22は、弁箱2において、液体の流れ方向における下流側の端部に位置する開口部である。
キャビテーション(液体が低圧状態になった時に液体が気化して気泡が発生する現象)は、弁体3が一端側の開口部21を部分的に開いている状態、すなわち、一端側の開口部21の開度が全閉状態と全開状態との間の中間開度である状態(以下、中間開度状態とも称する)において発生しやすい。これは、一端側の開口部21を通過する液体の流動面積が減少することによって流速が増加し、流速増加に伴って圧力低下が生じるためである。
なお、本明細書では、弁箱2の軸方向を「軸方向」(図1に参照符号D1で示す方向)と称し、軸方向D1と直交する方向を「軸直交方向」(図1に参照符号D2で示す方向)とも称する。軸方向D1は、弁箱2の一端側の開口部21の中心と他端側の開口部22の中心とを結ぶ方向である。また、弁箱2内において、液体の流れ方向における上流側を「上流側」(図2に参照符号D11で示す方向)と称し、液体の流れ方向における下流側を「下流側」(図2に参照符号D12で示す方向)と称する。図1に示される例では、図1における左側が、液体の流れ方向における上流側D11であり、図1における右側が、液体の流れ方向における下流側D12である。すなわち、液体は、弁箱2内を図1における左側(上流側D11)から右側(下流側D12)へ流れる。また、図1、図2、図5~図7において、紙面の上下方向が、バルブ1の上下方向である。
弁箱2および弁体3の構成は、弁体3が弁箱2の一端側の開口部21の開度を調節して、一端側の開口部21から弁箱2内へ流入する液体の流量を調節できるのであれば、特に限定されない。本実施形態では、バルブ1は、筒状(たとえば円筒状)の弁箱2と、一端側の開口部21を開閉する弁体3とを備えている。本実施形態では、弁体3は、軸方向D1と、弁箱2内において弁箱2の軸方向D1に対して直交する方向(軸直交方向)D2との両方に垂直な方向に延びる回転軸31周りに回転するように構成されている。本実施形態では、弁体3は、弁箱2の一端側の開口部21に対して接触および離間することにより、一端側の開口部21を開閉する弁本体32と、弁本体32を支持するアーム部33と、アーム部33を回転可能に支持する回転軸31とを備えている。回転軸31は、図示しない回転駆動装置によって回転するように構成されている。
図1に示される例では、弁体3を回転させる回転軸31の径方向中心が、弁箱2の一端側の開口部21の径方向中心と他端側の開口部22の径方向中心とを結ぶ軸線23上にあって、弁本体32に対して弁箱2の軸方向D1に沿って下流側に偏心している(以下、このような偏心を一次偏心とも称する)。
なお、弁体3は、上述の一次偏心した偏心バルブに限定されない。たとえば、回転軸31の径方向中心の位置は、一次偏心に加えて、軸線23から弁箱2の径方向に偏心している(以下、このような偏心を二次偏心とも称する)二次偏心バルブであってもよい。また、回転軸31の径方向中心の位置が二次偏心していることに加えて、弁箱2の一端側の開口部21の内周縁に設けられた弁座の当接面を構成する円錐の中心軸が、弁箱2の軸線23に対して傾斜する位置にある(以下、このような偏心を三次偏心とも称する)三次偏心バルブであってもよい。
また、バルブ1は、回転軸31の径方向中心の位置が偏心した偏心バルブに限定されない。バルブ1は、たとえば、弁体の回転軸が弁箱の一端側の開口部に対して偏心していないバルブであってもよい。そのようなバルブとしては、たとえば、バタフライバルブを挙げることができる。また、バルブ1は、他の種類のバルブであってもよい。たとえば、バルブ1は、筒状の弁体が筒状の弁箱内において、弁箱の軸線方向に沿って移動するバルブであってもよい。そのようなバルブとしては、たとえば、ニードルバルブを挙げることができる。また、バルブ1は、球状の弁体が球状の弁箱内で回転するバルブであってもよい。そのようなバルブとしては、たとえばボールバルブを挙げることができる。
なお、本明細書において、弁体3が一端側の開口部21を閉鎖した全閉状態にあるときに(図1参照)、回転軸31から弁本体32に向かって弁箱2の軸方向D1に沿って延ばした線が延びる方向を弁体3の基準方向D3とする(図1参照)。本実施形態では、弁体3の基準方向D3が、軸方向D1と直交する状態に近付くように弁体3が回転することで(図7参照)、弁体3が一端側の開口部21の内周縁(座面)から最も離間して、一端側の開口部21の開度が全開状態となる。全開状態では、一端側の開口部21から弁箱2内に流入する液体の流量が最大となる。
また、弁体3は、弁体3の基準方向D3が、軸方向D1に対して傾斜している(基準方向D3と軸方向D1とがなす傾斜角度が0°より大きく90°未満である)状態(図2、図5、図6参照)において、弁体3(具体的には弁本体32)が一端側の開口部21の内周縁(座面)から離間して、弁体3と一端側の開口部21の内周縁との間に隙間G1が生じている状態となる。この隙間G1の大きさが小さい場合、隙間G1を通過する液体の流速が大きくなる。液体の流速が大きくなると、圧力低下が生じて、キャビテーションが発生しやすくなる。圧力低下は、弁体3の周辺の領域、特に、弁体3の周辺の領域のうち、一端側の開口部21とは反対側の領域(他端側の開口部22側の領域)において生じやすい。具体的には、弁本体32の周辺の領域、特に、弁本体32の周辺の領域のうち、一端側の開口部21とは反対側の領域において生じやすい。
本実施形態では、一端側の開口部21の開度が全閉である状態(図1参照)から開度をある程度大きくすると(たとえば開度25%、図2参照)、弁体3と一端側の開口部21の下部との間の隙間G1(以下、下側の隙間G11とも称する)が大きくなるとともに、弁体3と一端側の開口部21の上部との間の隙間G1(以下、上側の隙間G12とも称する)も大きくなる。弁体3は弁箱2の内壁面242の上部に接近する。図2に示される例では、上側の隙間G12は下側の隙間G11よりも小さい。上側の隙間G12を通過した液体は、弁体3と弁箱2の内壁面242の上部との間の隙間を給気管4側へ流れる。ただし、弁体3と給気管4との間には、整流部材5が介在している。このため、上側の隙間G12を通過した液体は、整流部材5を経由して、給気管4側へ流れる。
一端側の開口部21の開度を図2よりもさらに大きくすると(たとえば開度50%、図5参照)、弁体3と一端側の開口部21の下部との間の隙間G1(隙間G11)がさらに大きくなるとともに、弁体3と一端側の開口部21の上部との間の隙間G1(隙間G12)もさらに大きくなる。弁体3は弁箱2の内壁面242の上部に図2よりもさらに接近する。図5に示される例では、上側の隙間G12は下側の隙間G11よりも小さい。上側の隙間G12を通過した液体は、弁体3と弁箱2の内壁面242の上部との間の隙間を給気管4側へ流れる。ただし、弁体3と給気管4との間には、整流部材5が介在している。このため、上側の隙間G12を通過した液体は、整流部材5を経由して、給気管4側へ流れる。
一端側の開口部21の開度を図5よりもさらに大きくすると(たとえば開度75%、図6参照)、弁体3と一端側の開口部21の下部との間の隙間G1(隙間G11)がさらに大きくなるとともに、弁体3と一端側の開口部21の上部との間の隙間G1(隙間G12)は小さくなる。弁体3は弁箱2の内壁面242の上部に図5よりもさらに接近する。図6に示される例では、上側の隙間G12は下側の隙間G11よりも小さい。上側の隙間G12を通過した液体は、弁体3と弁箱2の内壁面242の上部との間の隙間を給気管4側へ流れる。ただし、弁体3と給気管4との間には、整流部材5が介在している。このため、上側の隙間G12を通過した液体は、整流部材5を経由して、給気管4側へ流れる。
一端側の開口部21の開度を図6よりも大きくして最大の開度にすると(開度100%、図7参照)、弁体3と一端側の開口部21の下部との間の隙間G1(隙間G11)がさらに大きくなる。図7に示される例では、弁体3の弁本体32が一端側の開口部21の全体に対して上側に退いた状態となる。したがって、一端側の開口部21から弁箱2内へ流入する液体の流量は最大となる。また、隙間G12の大きさに関わらず、一端側の開口部21から弁箱2内へ流入した液体の略全てが、弁体3の弁本体32の下方を通過する。したがって、一端側の開口部21から弁箱2内へ流入した液体が、上側の隙間G12を通過して給気管4側へ流れる量は少ない。
給気管4は、弁箱2内に空気AFを供給することにより、弁箱2内の液体の圧力低下を抑制することができる。弁箱2内の液体の圧力低下を抑制することにより、弁箱2内のキャビテーションの発生を抑制することができる。本実施形態では、給気管4は、弁箱2の周壁24における、弁体3と他端側の開口部22との間の部分に接続されている。給気管4を弁箱2のこのような部分に接続することにより、弁体3の周辺の領域、特に、弁体3の周辺の領域のうち、一端側の開口部21とは反対側の領域に空気AFを送り込みやすくなる。給気管4は、このような領域(キャビテーションが発生しやすい領域)に空気AFを送り込むことにより、弁体3の周辺の領域におけるキャビテーションの抑制効率を高めることができる。
しかしながら、一端側の開口部21から弁箱2内に流入した液体の流れが、給気管4から弁箱2内への空気AFの供給を阻害する場合があり得る。具体的には、弁体3と一端側の開口部21との間の隙間G1から弁箱2内に流入した液体、特に、上側の隙間G12から弁箱2内に流入した液体の流れが、給気管4から弁箱2内への空気AFの供給を阻害する場合があり得る。また、給気管4から弁箱2内に流入した空気AFが液体の圧力低下の生じやすい領域へ供給されるのを、隙間G1(特に、上側の隙間G12)から弁箱2内に流入した液体の流れが阻害する場合があり得る。
整流部材5は、上述した液体の流れを制御し、給気管4から弁箱2内への空気AFの供給および給気管4から弁箱2内に流入した空気AFが液体の圧力低下の生じやすい領域へ供給されることが阻害されることを抑制する。整流部材5は、弁箱2の一端側の開口部21と弁体3との間の隙間G1から弁箱2内に流入した液体が、給気管4から弁箱2内に流入した空気AFの流通領域DAを避けて流れるように、液体の流れLFを整流するように構成されている。すなわち、整流部材5は、隙間G1から弁箱2内に流入した液体が、給気管4から弁箱2内に流入した空気AFの流通領域DAを避けて流れるように、液体の流れLFを整流する機能(以下、整流機能とも称する)を有する。
整流部材5は、隙間G1から弁箱2内に流入した液体が、給気管4から弁箱2内に流入した空気AFの流通領域DAを避けて流れるように、液体の流れLFを整流することにより、弁箱2内における空気AFの流通領域DAを確保することができる。これにより、給気管4から弁箱2内に流れようとする空気AFに液体の流れが衝突するのを抑制するとともに、給気管4から弁箱2内に供給された空気AFに液体の流れが衝突するのを抑制することができる。したがって、給気管4から弁箱2内への空気AFの供給を安定して行い、キャビテーションの抑制効率を高めることができる。
本実施形態では、流通領域DA(図2、図5、図6参照)は、給気管4における空気AFの流れ方向における下流側端部41から弁体3に向かって延びる領域である。または、流通領域DAは、給気管4から排出されるまたは給気管4を通る流路のうち、弁箱2の径方向(軸直交方向D2)で弁箱2の内壁面242よりも内側(弁箱2の軸心に近い側)となる領域である。本明細書において、「給気管4における空気AFの流れ方向における下流側端部41」とは、給気管4が弁箱2の周壁24に形成された貫通孔241に接続される場合に、貫通孔241における空気AFの流れ方向における下流側端部を意味する。したがって、給気管4の下流側端部41は、弁箱2の周壁24の内壁面242から弁箱2の内部空間に突出しない。後述するように、貫通孔241における空気AFの流れ方向における下流側端部から弁箱2の内部空間に管状部材が突出する場合、当該管状部材は整流部材5として機能し得る。
整流部材5は、上述の整流機能を有するのであれば、その構成は特に限定されない。本実施形態では、整流部材5は、弁箱2の一端側の開口部21と弁体3との間の隙間G1(図2、図5、図6参照)から弁箱2内に流入した液体を、流通領域DAよりも液体の流れ方向における上流側D11において、流通領域DAを挟む一方側の流れLF1(図3、図4(a)参照)と他方側の流れLF2とに分流するように構成されている。整流部材5が、液体をこのように分流するように構成されることにより、液体が空気AFの流通領域DAを避けるように、液体の進路を制御することができる。これにより、液体の流れが流通領域DAを流れる空気AFと衝突して空気AFの流通を阻害するのを、より確実に防止することができる。
本実施形態では、整流部材5(図2、図3、図4参照)は、弁箱2の一端側の開口部21と弁体3との間の隙間G1(図2、図5、図6参照)から弁箱2内に流入した液体を、流通領域DAよりも液体の流れ方向における上流側D11において、流通領域DAを挟む一方側の流れLF1と他方側の流れLF2とに分流する機能(以下、分流機能とも称する)の分流部51を備えている。分流部51は、上述の分流機能を有するのであれば、その構成は特に限定されない。
本実施形態では、分流部51は、弁箱2の内壁面242から弁箱2の径方向内側へ突出するように構成されている。また、整流部材5は、弁箱2の内壁面242と一体的に形成されている。整流部材5が内壁面242と一体的に形成されていることにより、液体の流れが速く、整流部材5が液体から強い力を受ける場合であっても、整流部材5が内壁面242から脱落するのを防止することができる。なお、整流部材5は、内壁面242に対して着脱可能に取り付けられていてもよい。整流部材5が内壁面242に対して着脱可能に取り付けられることにより、整流部材5のメンテナンス作業および交換作業を容易に行うことができる。
本実施形態では、分流部51は、弁箱2の径方向中心部側から見て、液体の流れ方向の上流側D11から下流側D12に向かってV字状に広がるように構成されている。分流部51は、弁箱2の内壁面242から弁箱2の径方向内側へ突出するように構成されている。すなわち、分流部51は、V字を構成する2つの側壁511を有している。2つの側壁511は、V字の頂点において互いが所定の角度θ(図4(a)参照)をなすように構成されている。角度θは、分流部51が上述の分流機能を有することが可能な角度に設定されている。分流部51は、上流側D11から下流側D12に向かってV字状に広がるように構成される構成により、流れ方向の上流側D11から流れてきた液体を分離しやすくなるとともに、液体の流れ方向における分流部51の上流側で、液体が滞留するのを抑制することができる。液体の滞留を抑制することにより、滞留した液体がより上流側の液体の分流を阻害するのを抑制することができる。なお、分流部51は、上述のようにV字状に広がるように構成されていなくてもよく、弁箱2の径方向中心部側から見て、たとえば、U字状または半円状に構成されていてもよい。
また、本実施形態では、分流部51の側面511は、液体の流れ方向における上流側D11から下流側D12に向かってV字の中心線CLに対して外側へ湾曲するように構成されている(図3、図4(a)参照)。本実施形態では、分流部51のV字の中心線CL(分流部51を対称となるように分離する線)が給気管4の中心を通るように、分流部51が設けられている。分流部51の側面511がこのように湾曲している構成により、分流された液体を湾曲面に沿ってV字の中心線CLに対してより外側へ向かわせることができる。これにより、液体の分流を促進することができる。なお、図3および図4(a)に示される例では、分流部51の側面511は、液体の流れ方向における上流側において平面状に構成され、液体の流れ方向における下流側において曲面状に構成されているが、これに限定されない。たとえば、分流部51の側面511は、液体の流れ方向における全体において平面状または曲面状に構成されていてもよい。
また、本実施形態では、整流部材5は、弁体3の移動領域MAと、給気管4における空気AFの流れ方向における下流側端部41との間に設けられ、かつ、弁体3の移動領域MA全体にわたり、弁体3と干渉しないように構成されている。整流部材5が、弁体3の移動領域MAと、給気管4における空気AFの流れ方向における下流側端部41との間に設けられることにより、移動する弁体3が整流部材5と干渉するのを防止することができる。
具体的には、整流部材5は、弁体3の移動領域に対応する部分が切り欠かれた形状を有している。すなわち、整流部材5は、弁体3の移動領域に対応する部分が切り欠かれた切欠部512を有する。分流部51は、切欠部512を有する構成により、弁体3との干渉を防止しながら、液体を分流することができる。なお、本実施形態では、切欠部512を構成する切欠面は、弁体3の軌跡に沿った形状を有している。また、切欠面は、弁体3の移動領域との間に隙間を有するように構成されている。これにより、弁体3と分流部51との干渉をより確実に防止することができる。
また、本実施形態では、分流部51の高さH(弁箱2の内壁面242から弁箱2の径方向内側への突出長さ、図4(b)参照)は、分流部51が上述の分流機能を有することが可能な高さに設定されている。分流部51の高さHは、たとえば、弁体3と弁箱2の上部の内壁面242との間の間隔や、弁体3と弁箱2の内壁面242との間の隙間G2から給気管4側へ流れる液体の断面の大きさに応じて設定され得る。
また、本実施形態では、バルブ1は、上述したように、偏心バルブである(図1、図2、図5~図7参照)。本実施形態では、弁体3が弁箱2の一端側の開口部21の一部を開いた状態にある場合(図2、図5、図6参照)に、整流部材5は、一端側の開口部21から流入して弁体3と弁箱2の内壁面242との間の隙間G2を給気管4に向かって流れる液体の流れLFを整流するように構成されている。整流部材5が、このような液体の流れLFを整流するように構成されることにより、弁体3と弁箱2の内壁面242との間の隙間G2を液体が流れるタイプのバルブ1において、給気管4からの弁箱2内への空気AFの流入が液体の流れLFによって阻害されるのを防止することができる。また、そのようなタイプのバルブ1において、給気管4から弁箱2内に流入した空気AFが液体の圧力低下の生じやすい領域へ供給されることが液体の流れLFによって阻害されるのを防止することができる。
また、本実施形態では、整流部材5は、弁体3の移動領域MAと、給気管4における空気AFの流れ方向における下流側端部41との間に設けられている(図1、図2、図5~図7参照)。弁体3の移動領域MAは、弁体3が一端側の開口部21を全閉状態と全開状態との間で遷移させる際の、弁体3の姿勢の変化または移動の軌跡である。整流部材5が、弁体3の移動領域MAと、給気管4における空気AFの流れ方向における下流側端部41との間(液体の流れ方向における給気管4の上流側)に設けられる構成により、弁体3と一端側の開口部21との間の隙間G1から弁箱2内に流入した液体は、給気管4付近に到達する前に、整流部材5によって整流されやすい。したがって、弁体3と一端側の開口部21との間の隙間G1から弁箱2内に流入した液体が、給気管4から弁箱2内に流入した空気AFと衝突するのを、より確実に防止することができる。
本実施形態では、移動領域MAは、弁体3が回転軸31を中心として回転する際の弁体3の姿勢の変化または移動の軌跡である。具体的には、弁体3の基準方向D3が弁箱2の軸線23上にある状態(全閉状態、図1参照)と、弁体3の基準方向D3が弁箱2の軸直交方向D2に対して平行に近づいた状態(全開状態(たとえば、基準方向D3と軸直交方向D2とがなす角度が0°~20°)、図7参照)との間で弁体3が遷移する(図2、図5、図6参照)際の、弁体3の姿勢の変化の軌跡である。本実施形態では、弁体3は、上側(給気管4が位置する側)に回転する。これにより、弁体3と一端側の開口部21との間の隙間G1は、弁体3と一端側の開口部21の上部との間の隙間G12の方が、弁体3と一端側の開口部21の下部との間の隙間G11よりも小さくなる。したがって、弁体3と一端側の開口部21の上部との間(隙間G12)を通過する液体の流通面積は、弁体3と一端側の開口部21の下部との間(隙間G11)を通過する液体の流通面積よりも小さくなる。このため、小さい整流部材5であっても、弁体3と一端側の開口部21の上部との間の隙間G12を通過する液体の流れを整流することができる。したがって、整流部材5をコンパクトに構成することができる。また、整流部材5をコンパクトに構成することにより、液体の流れに対する整流部材5の抵抗を小さくすることができる。これにより、整流部材5を設けることによる流量の低下を抑制することができる。
なお、弁体3は、上側(給気管4が位置する側)に回転する形態に限定されない。弁体3は、下側(給気管4が位置する側とは反対側)に回転するように構成されていてもよい。この場合、弁体3と一端側の開口部21との間の隙間G1は、弁体3と一端側の開口部21の上部との間の隙間G12の方が、弁体3と一端側の開口部21の下部との間の隙間G11よりも大きくなる。したがって、弁体3と一端側の開口部21の上部との間の隙間G12を通過する液体の流通面積は、弁体3と一端側の開口部21の下部との間の隙間G11を通過する液体の流通面積よりも大きくなる。このため、図1、図2、図5、図6に示される例の整流部材5と比べて大きめの整流部材5を設けることにより、弁体3と一端側の開口部21の上部との間の隙間G12を通過する液体の流れを整流することができる。
なお、上述のバルブ1では、整流部材5が、弁箱2の内壁面242において、弁体3と給気管4との間の区間に設けられているが、これに限定されない。たとえば、整流部材5は、弁箱2の周壁24に形成された貫通孔241に給気管4が接続されている場合において、貫通孔241から弁箱2の径方向内側へ突出するように整流部材(図示せず)が設けられてもよい。この整流部材は、一端側の開口部21と弁体3との間の隙間G1から弁箱2内に流入した液体が、給気管4から弁箱2内に流入した空気AFの流通領域DAを避けて流れるように、液体の流れを整流するように構成されている。具体的には、この整流部材は、たとえば、弁箱2の径方向中心部側から見て、液体の流れ方向の上流側D11から下流側D12に向かってV字状に広がるように構成された、断面V字状の板状部材である。この整流部材は、液体の流れ方向における上流側の面で、液体を整流(分流)することができる。この整流部材は、液体の流れ方向における上流側の面が開放されているが、これに限定されない。たとえば、整流部材は、液体の流れ方向の上流側D11が断面V字状に形成され、下流側D12が閉鎖された、全体として筒状の部材であってもよい。この整流部材は、下流側D12が閉鎖された管状部材であるため、液体の流れ方向における上流側D11の面で、液体を整流(分流)しながら、空気AFを管の軸方向に沿って案内することができる。したがって、下流側D12が閉鎖されていない場合と比べて、空気AFの流通領域DAをより確実に確保することができる。
以上説明したように、本実施形態に係るバルブ1は、整流部材5が、弁箱2の一端側の開口部21と弁体3との間の隙間G1から弁箱2内に流入した液体が、給気管4から弁箱2内に流入した空気の流通領域DAを避けて流れるように、液体の流れを整流するように構成されている。この構成により、整流部材5は、弁箱2内における空気の流通領域DAを確保することができる。したがって、給気管4から弁箱2内に流れようとする空気に液体の流れが衝突するのを抑制するとともに、給気管4から弁箱2内に供給された空気に液体の流れが衝突するのを抑制することができる。したがって、給気管4から弁箱2内への空気の供給を安定して行い、キャビテーションの抑制効率を高めることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されない。なお、上記した実施形態は、以下の構成を有する発明を主に説明するものである。
(1)軸方向の一端側の開口部に流入配管が接続され、他端側の開口部に流出配管が接続される筒状の弁箱と、
前記弁箱内において前記一端側の開口部の開度を調節する弁体と、
前記弁箱内に空気を供給する給気管と、
前記弁箱内に設けられた整流部材と
を備え、
前記整流部材は、前記一端側の開口部と前記弁体との間の隙間から前記弁箱内に流入した液体が、前記給気管から前記弁箱内に流入した空気の流通領域を避けて流れるように、前記液体の流れを整流するように構成されている、
整流機能付きバルブ。
(2)前記流通領域は、前記給気管における空気の流れ方向における下流側端部から前記弁体に向かって延びる領域である、
(1)に記載の整流機能付きバルブ。
(3)前記整流部材は、前記一端側の開口部と前記弁体との間の隙間から前記弁箱内に流入した液体を、前記流通領域よりも液体の流れ方向における上流側において、前記流通領域を挟む一方側の流れと他方側の流れとに分流するように構成されている、
(1)または(2)に記載の整流機能付きバルブ。
(4)前記弁体は、前記一端側の開口部に対して前記液体の流れ方向の下流側に位置する回転軸と、前記一端側の開口部を開閉する弁本体とを備え、前記弁体は、前記回転軸が前記弁本体に対して前記液体の流れ方向の下流側に位置する偏心バルブであり、
前記弁体が前記一端側の開口部の一部を開いた状態にある場合に、前記整流部材は、前記一端側の開口部から流入して前記弁体と前記弁箱の内壁面との間の隙間を前記給気管に向かって流れる液体の流れを整流するように構成されている、
(1)~(3)のいずれか1つに記載の整流機能付きバルブ。
(5)前記整流部材は、前記弁体の移動領域と、前記給気管における空気の流れ方向における下流側端部との間に設けられている、
(1)~(4)のいずれか1つに記載の整流機能付きバルブ。