JP7803443B2 - タイヤ - Google Patents
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Description
トレッド部を有する空気入りタイヤであって、
前記トレッド部は、ゴム成分100質量部に対して、シリカ50質量部以上を含むゴム組成物から構成され、
前記ゴム成分は、ブタジエンゴム50質量%超とスチレンブタジエンゴムとを含み、
前記ゴム成分中の総スチレン量が25質量%以下であり、
前記ブタジエンゴムのゴム成分中の含有量(質量%)をABR、前記トレッド部のトレッド面のランド比(%)をLとするとき、ABRとLとが以下の式を満たす空気入りタイヤ。
(1) ABR×L>3000
前記トレッド部は、ゴム成分100質量部に対して、シリカ50質量部以上を含むゴム組成物から構成され、
前記ゴム成分は、ブタジエンゴム50質量%超とスチレンブタジエンゴムとを含み、
前記ゴム成分中の総スチレン量が25質量%以下であり、
前記ブタジエンゴムのゴム成分中の含有量(質量%)をABR、前記トレッド部のトレッド面のランド比(%)をLとするとき、ABRとLとが以下の式を満たす空気入りタイヤである。
(1) ABR×L>3000
(2) (ABR/ASTY)×L>130
前記陸部のうちタイヤ幅方向最外側に位置する一対の陸部をショルダー陸部とするとき、前記ショルダー陸部は開口面積0.1超15未満mm2の小穴を1個以上有することが好ましい。
「正規状態」とは、正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填された無負荷の状態である。
V:タイヤの仮想体積(mm3)
Dt:タイヤ外径Dt(mm)
Ht:タイヤの断面高さ(mm)
Wt:タイヤの断面幅(mm)
ランド比L(%) = (有効接地面積/総接地面積)×100
「スチレン含量(質量%)」は、1H-NMR測定により算出される。
以下本発明の空気入りタイヤについて、適宜、図面を参照しながら説明する。但し、図面はあくまで例示であって、本発明は、図面をもとに限定して解釈されるものではない。
(1) ABR×L>3000
本発明の空気入りタイヤにおいて、トレッド面のランド比L(%)は、タイヤの総接地面積と有効接地面積とから、前記のとおり定義され、算出される。
本発明の空気入りタイヤは、前記ゴム組成物に含まれるゴム成分中の総スチレン量(質量%)をASTYとするとき、ABR、LおよびASTYが以下の式を満たすことが好ましい。
(2) (ABR/ASTY)×L>130
本発明の空気入りタイヤのトレッド部を構成するゴム組成物において、該ゴム組成物のガラス転移温度(℃)は、-30℃未満であることが好ましい。
本発明の空気入りタイヤは、トレッド面がタイヤ周方向に延びる2以上の周方向主溝と、前記周方向主溝によって画された陸部とを有し、前記陸部のうちタイヤ幅方向最外側に位置する一対の陸部をショルダー陸部とするとき、前記ショルダー陸部が開口面積0.1超15未満mm2の小穴を1個以上有することが好ましい。
本発明の空気入りタイヤは、トレッド面がタイヤ周方向に延びる2以上の周方向主溝と、前記周方向主溝によって画された陸部とを有し、前記陸部のうちタイヤ幅方向最外側に位置する一対の陸部をショルダー陸部とするとき、前記ショルダー陸部が少なくとも1以上の周方向細溝を有することが好ましい。
本発明の空気入りタイヤは、トレッド面が、溝幅がタイヤ半径方向内側で広がっている拡幅周方向溝を有することが好ましい。
以下、本発明の空気入りタイヤのトレッド部を構成するゴム組成物について説明する。
前記ゴム成分は、ブタジエンゴム(BR)を50質量%超と、スチレンブタジエンゴム(SBR)を含む。また、前記ゴム成分は、イソプレン系ゴム(IR系ゴム)など、BRとSBR以外のその他のゴム成分を含むものであってもよい。さらに、前記ゴム成分は、50質量%超のBRと、SBRのみからなるものであってもよい。
SBRとしては特に限定はなく、溶液重合SBR(S-SBR)、乳化重合SBR(E-SBR)、これらの変性SBR(変性S-SBR、変性E-SBR)等が挙げられる。変性SBRとしては、末端および/または主鎖が変性されたSBR、スズ、ケイ素化合物等でカップリングされた変性SBR(縮合物、分岐構造を有するもの等)等が挙げられる。なかでもS-SBRおよび変性SBRが好ましい。さらに、これらSBRの水素添加物(水素添加SBR)等も使用することができる。SBRは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
BRとしては特に限定されるものではなく、例えば、シス含量が50モル%未満のBR(ローシスBR)、シス含量が90モル%超のBR(ハイシスBR)、希土類元素系触媒を用いて合成された希土類系ブタジエンゴム(希土類系BR)、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR(SPB含有BR)、変性BR(ハイシス変性BR、ローシス変性BR)等タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。変性BRとしては、上記SBRで説明したのと同様の官能基等で変性されたBRが挙げられる。中でも、変性BRが好ましい。BRは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明に係るゴム成分は、SBR、およびBR以外のゴム成分を含有してもよい。他のゴム成分としては、タイヤ工業で一般的に用いられる架橋可能なゴム成分を用いることができ、例えば、イソプレン系ゴム(IR系ゴム)、スチレン-イソプレン-ブタジエン共重合ゴム(SIBR)、スチレン-イソブチレン-スチレンブロック共重合体(SIBS)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレンプロピレンゴム、ポリノルボルネンゴム、シリコーンゴム、塩化ポリエチレンゴム、フッ素ゴム(FKM)、アクリルゴム(ACM)、ヒドリンゴム等が挙げられる。その他のゴム成分は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
総スチレン量(ASTY)とは、上記定義のとおり、ゴム成分全量中に含まれるスチレン部の合計含有量(質量%)である。本発明において、ゴム成分中の総スチレン量は25質量%以下である。該総スチレン量は、20質量%未満が好ましく、より好ましくは15質量%未満、さらに好ましくは10質量%未満である。また、該総スチレン量は、通常、3質量%以上、または、4質量%以上、または、5質量%以上程度である。
本発明に係るゴム組成物は、フィラーであるシリカを、ゴム成分100質量部に対して、50質量部以上含む。
シリカとしては、特に限定されず、例えば、乾式法により調製されたシリカ(無水シリカ)、湿式法により調製されたシリカ(含水シリカ)等、タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。また、環境負荷の観点から、バイオマス材料を原料としたシリカ(例えば、籾殻より精製される非晶質シリカ)を用いてもよい。なかでもシラノール基が多いという理由から、湿式法により調製された含水シリカが好ましい。シリカは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックとしては、タイヤ工業において一般的なものを適宜利用することができ、例えば、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF等が挙げられる。また、ライフサイクルアセスメントの観点から、上記のカーボンブラックの他、リグニンを原料としたカーボンブラックや、タイヤ等のカーボンブラックを含む製品から熱分解等により得られた再生カーボンブラックを用いても良い。カーボンブラックは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
フィラーとしては、カーボンブラック、シリカ以外に、さらにその他のフィラーを用いてもよい。そのようなフィラーとしては、特に限定されず、例えば、水酸化アルミニウム、アルミナ(酸化アルミニウム)、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム、タルク、クレー、バイオ炭(BIO CHAR)等、タイヤ工業において従来一般的に用いられているフィラーをいずれも用いることができる。その他のフィラーは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シリカは、シランカップリング剤と併用することが好ましい。シランカップリング剤としては、特に限定されず、タイヤ工業において、従来シリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができるが、例えば、3-オクタノイルチオ-1-プロピルトリエトキシシラン、3-ヘキサノイルチオ-1-プロピルトリエトキシシラン、3-オクタノイルチオ-1-プロピルトリメトキシシラン等のチオエステル系シランカップリング剤;下記化学式で示されるもの等のメルカプト系シランカップリング剤;ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィド系シランカップリング剤;ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニル系シランカップリング剤;3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ系シランカップリング剤;γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のグリシドキシ系シランカップリング剤;3-ニトロプロピルトリメトキシシラン、3-ニトロプロピルトリエトキシシラン等のニトロ系シランカップリング剤;3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリエトキシシラン等のクロロ系シランカップリング剤等が挙げられる。なかでも、チオエステル系シランカップリング剤および/またはスルフィド系シランカップリング剤が好ましい。シランカップリング剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明に係るゴム組成物は、可塑剤を含有することが好ましい。可塑剤としては、例えば、炭化水素樹脂、オイル、液状ゴム、エステル系可塑剤等が挙げられる。
炭化水素樹脂とは、炭化水素により形成される骨格を有するポリマーであって、25℃で固体のものを指す。炭化水素樹脂は、一般にカルボキシル基、水酸基、クマロン等由来の酸素元素を含んでいてもよい。炭化水素樹脂としては、特に限定されないが、タイヤ工業で慣用される石油樹脂、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、フェノール系樹脂等が挙げられる。炭化水素樹脂としては、例えば、丸善石油化学(株)、住友ベークライト(株)、ヤスハラケミカル(株)、東ソー(株)、RutgersChemicals社、BASF社、クレイトン社、イーストマンケミカル社、日塗化学(株)、LUHUA社、(株)日本触媒、ENEOS(株)、荒川化学工業(株)、田岡化学工業(株)等より市販されているものを使用することができる。炭化水素樹脂は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
石油樹脂としては、C5系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、C5C9系石油樹脂等を使用することができる。石油樹脂は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
テルペン系樹脂としては、α-ピネン、β-ピネン、リモネン、ジペンテン等のテルペン化合物から選ばれる少なくとも1種からなるポリテルペン樹脂;前記テルペン化合物と芳香族化合物とを原料とする芳香族変性テルペン樹脂;テルペン化合物とフェノール系化合物とを原料とするテルペンフェノール樹脂;並びにこれらのテルペン系樹脂に水素添加処理を行ったもの(水素添加されたテルペン系樹脂)が挙げられる。芳香族変性テルペン樹脂の原料となる芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルトルエン等が挙げられる。テルペンフェノール樹脂の原料となるフェノール系化合物としては、例えば、フェノール、ビスフェノールA、クレゾール、キシレノール等が挙げられる。テルペン系樹脂は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ロジン系樹脂としては、特に限定されないが、例えば天然樹脂ロジン、それを水素添加、不均化、二量化、エステル化等で変性したロジン変性樹脂等が挙げられる。ロジン系樹脂は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
フェノール系樹脂としては、特に限定されないが、フェノールホルムアルデヒド樹脂、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、アルキルフェノールアセチレン樹脂、オイル変性フェノールホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。フェノール系樹脂は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
炭化水素樹脂の軟化点は、ウェットグリップ性能の観点から、60℃超が好ましく、70℃超がより好ましく、80℃超がさらに好ましい。また、加工性、ゴム成分とフィラーとの分散性向上という観点からは、150℃未満が好ましく、140℃未満がより好ましく、130℃未満がさらに好ましい。なお、軟化点は前記測定方法で測定される。
炭化水素樹脂のTgは、ゴム成分との相溶性が優れる点から、110℃以下であることが好ましく、105℃以下であることがより好ましく、100℃以下であることがさらに好ましい。また、Tgは、ゴム成分との相溶性が優れる点から、-35℃以上であることが好ましく、0℃以上であることがより好ましく、30℃以上であることがさらに好ましい。なお、Tgは示差走査熱量計を用いた前記測定方法で測定される。
炭化水素樹脂のMwは、揮発しにくく、グリップ性が良好である点から、500超が好ましく、600超がより好ましく、650超がさらに好ましい。また、Mwは、ポリマーと絡みやすく、外れにくいため、ドライグリップ性が優れる点から、15000未満が好ましく、13000未満がより好ましく、11000未満がさらに好ましい。Mwが上記範囲内であることにより、得られるゴム組成物は、加工性が優れ、かつ、発熱性および破断伸びが改善され得る。なお、Mwは前記測定方法で測定される。
本発明に係るゴム組成物は、ウェットグリップ性能の観点等から、少なくとも1種の炭化水素樹脂を含むことが好ましく、また、本発明のゴム組成物は前記炭化水素樹脂のゴム組成物中の含有量が5質量%以上であることが好ましい。当該ゴム組成物中の樹脂の含有量は、6質量%超であることがより好ましく、さらに好ましくは7質量%超、さらに好ましくは10質量%超、さらに好ましくは12質量%超である。また、当該ゴム組成物中の前期炭化水素樹脂の含有量は、発熱性抑制等の観点から、100質量%未満であることが好ましく、より好ましくは80質量%未満、さらに好ましくは60質量%未満、特に好ましくは50質量%未満、より特に好ましくは35質量%未満、最も好ましくは25質量%未満である。
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、動物油脂等が挙げられる。前記プロセスオイルとしてはパラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル等が挙げられる。また、環境対策で多環式芳香族(polycyclic aromatic compound:PCA)化合物の含量の低いプロセスオイルを使用することもできる。前記低PCA含量プロセスオイルとしては、軽度抽出溶媒和物(MES)、処理留出物芳香族系抽出物(TDAE)、重ナフテン系オイル等が挙げられる。オイルは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
液状ゴムは、常温(25℃)で液体状態のポリマーであれば特に限定されないが、例えば、液状ブタジエンゴム(液状BR)、液状スチレンブタジエンゴム(液状SBR)、液状イソプレンゴム(液状IR)、液状スチレンイソプレンゴム(液状SIR)、液状ファルネセンゴム等が挙げられる。液状ゴムは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
エステル系可塑剤としては、例えば、アジピン酸ジブチル(DBA)、アジピン酸ジイソブチル(DIBA)、アジピン酸ジオクチル(DOA)、アゼライン酸ジ2-エチルヘキシル(DOZ)、セバシン酸ジブチル(DBS)、アジピン酸ジイソノニル(DINA)、フタル酸ジエチル(DEP)、フタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジウンデシル(DUP)、フタル酸ジブチル(DBP)、セバシン酸ジオクチル(DOS)、リン酸トリブチル(TBP)、リン酸トリオクチル(TOP)、リン酸トリエチル(TEP)、リン酸トリメチル(TMP)、チミジントリリン酸(TTP)、リン酸トリクレシル(TCP)、リン酸トリキシレニル(TXP)等が挙げられる。エステル系可塑剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
可塑剤のゴム成分100質量部に対する含有量は、ウェットグリップ性能の観点から、5質量部超が好ましく、10質量部超がより好ましく、15質量部超がさらに好ましい。また、加工性の観点からは、120質量部未満が好ましく、80質量部未満がより好ましく、60質量部未満がさらに好ましい。
本発明に係るゴム組成物には、前記成分以外にも、従来タイヤ工業で一般に使用される配合剤、例えば、加工助剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、ワックス、老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤等を適宜含有することができる。
加工助剤としては、例えば、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド、アミドエステル、シリカ表面活性剤、脂肪酸エステル、脂肪酸金属塩とアミドエステルとの混合物、脂肪酸金属塩と脂肪酸アミドとの混合物等が挙げられる。加工助剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。加工助剤としては、例えば、Schill+Seilacher社、パフォーマンスアディティブス社等より市販されているものを使用することができる。
酸化亜鉛を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の観点から、0.5質量部超が好ましく、1.0質量部超がより好ましく、1.5質量部超がさらに好ましい。また、耐摩耗性能の観点からは、10質量部未満が好ましく、7質量部未満がより好ましく、5質量部未満がさらに好ましい。
ステアリン酸を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の観点から、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましく、1.5質量部以上がさらに好ましい。また、加硫速度の観点からは、10質量部以下が好ましく、5.0質量部以下がより好ましい。
ワックスを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、ゴムの耐候性の観点から、0.5質量部超が好ましく、1.0質量部超がより好ましく、1.3質量部超がさらに好ましい。また、ブルームによるタイヤの白色化防止の観点からは、10質量部未満が好ましく、7.0質量部未満がより好ましく、5.0質量部未満がさらに好ましい。
老化防止剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、アミン系、キノリン系、キノン系、フェノール系、イミダゾール系の各化合物や、カルバミン酸金属塩等の老化防止剤が挙げられ、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-イソプロピル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘキシル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン等のフェニレンジアミン系老化防止剤、および2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン重合体、6-エトキシ-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン等のキノリン系老化防止剤が好ましい。老化防止剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
加硫剤としては硫黄が好適に用いられる。硫黄としては、粉末硫黄、油処理硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄等を用いることができる。加硫剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド-アミン系若しくはアルデヒド-アンモニア系、イミダゾリン系、またはキサンテート系加硫促進剤等が挙げられる。加硫促進剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明に係るゴム組成物は、いずれも、公知の方法により製造することができる。例えば、前記の各成分をオープンロール、密閉式混練機(バンバリーミキサー、ニーダー等)等のゴム混練装置を用いて混練りすることにより製造できる。
本発明の空気入りタイヤは、いずれの用途にも使用することができ、例えば、乗用車用タイヤ、大型乗用車用タイヤ、ライトトラック用タイヤ、大型SUV用タイヤ、競技用タイヤ、モーターサイクル用タイヤとして使用することができる。このうち、乗用車用タイヤや、ライトトラック用タイヤが好ましい。ここで、乗用車用タイヤとは、四輪で走行する自動車に装着されることを前提としたタイヤであり、JATMA規格における最大負荷能力が1000kg以下のものを指し、ライトトラック用タイヤとは、同1400kg未満のものを指す。
以下、実施例および比較例において用いた各種薬品をまとめて示す。
NR:TSR20
SBR1:TRINSEO社製のSLR6430(S-SBR、スチレン含量:40質量%、ビニル結合量:24モル%、Tg:-30℃、Mw:101万、ゴム成分100重量部に対しオイル分37.5重量部を含む油展品)
SBR2:下記製造例1で合成したスチレンブタジエンゴム(変性S-SBR、スチレン含量:20質量%、ビニル含量:20モル%、Tg:-60℃、Mw:80万)
SBR3:下記製造例2で合成したスチレンブタジエンゴム(変性S-SBR、スチレン含量:15質量%、ビニル含量:30モル%、Tg:-60℃、Mw:80万)
BR1:宇部興産(株)製のUBEPOL BR(登録商標)150B(ビニル含量:1.5モル%、シス含量:97モル%、Tg:-108℃、Mw:44万)
BR2:旭化成(株)製のASAPRENE N103(テトラグリシジル-1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサンと、そのオリゴマー成分との混合物により末端が変性された変性BR、ビニル含量:12モル%、シス含量:36質量%、Tg:-90℃、Mw:55万)
CB(カーボンブラック):キャボットジャパン(株)製のショウブラックN134(N2SA:148m2/g、平均一次粒子径:18nm)
シリカ:エボニックデグサ社製のULTRASIL(登録商標)VN3(N2SA:175m2/g、平均一次粒子径:18nm)
カップリング剤(シランカップリング剤):エボニックデグサ社製のSi266(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
オイル:H&R社製のVivaTec500(TDAEオイル)
炭化水素樹脂1:クレイトン社製のSylvatraxx4401(芳香族ビニル系樹脂(スチレンとα-メチルスチレンとの共重合体)、Mw:700、軟化点:85℃、Tg:34℃)
炭化水素樹脂2:エクソンモービル社製のPR395(C5C9系樹脂、Mw:880、軟化点:117.8℃、Tg:68℃)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華2種
ステアリン酸:日油(株)製のビーズステアリン酸つばき
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
老化防止剤1:住友化学(株)製のアンチゲン6C(6PPD、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン)
老化防止剤2:大内新興化学工業(株)製のノクラック224(TMQ、2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン重合体)
硫黄:軽井沢硫黄(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤1:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(CBS、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤2:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(DPG、1,3-ジフェニルグアニジン)
製造例1:SBR2の合成
スチレンおよび1,3-ブタジエンの比率は、目的物において、スチレン含量が20質量%となるように調整する。窒素置換されたオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、スチレン、および1,3-ブタジエンを仕込む。反応器の内容物の温度を20℃に調整した後、n-ブチルリチウムを添加して重合を開始する。断熱条件で重合し、重合転化率が99%に達した時点で1,3-ブタジエンを追加し、さらに重合させた後、メチルトリエトキシシランを変性剤として加えて、変性反応を行う。反応終了後、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾールを添加する。次いで、スチームストリッピングにより脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールにより乾燥し、SBR2を得る。
スチレンおよび1,3-ブタジエンの比率は、目的物において、スチレン含量が15質量%となるように調整する。窒素置換されたオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、スチレン、および1,3-ブタジエンを仕込む。反応器の内容物の温度を20℃に調整した後、n-ブチルリチウムを添加して重合を開始する。断熱条件で重合し、重合転化率が99%に達した時点で1,3-ブタジエンを追加し、さらに重合させた後、3-[ビス-(トリメチルシリル)アミノ]プロピルトリエトキシシランを変性剤として加えて、変性反応を行う。反応終了後、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾールを添加する。次いで、スチームストリッピングにより脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールにより乾燥し、SBR3を得る。
各表に示す配合処方にしたがい、1.7Lの密閉型バンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤以外の薬品を排出温度150~160℃になるまで1~10分間混練りし、混練物を得る。次に、2軸オープンロールを用いて、得られた混練物に硫黄および加硫促進剤を添加し、4分間、105℃になるまで練り込み、未加硫ゴム組成物を得る。得られた未加硫ゴム組成物を用いて、各表に従い所定のトレッドの形状に合わせて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを作製し、170℃の条件下で12分間プレス加硫して、各試験用タイヤ(タイヤ1:225/60R16 98H、タイヤ2:275/55R20 117T XL)を得る。
各試験用タイヤについて、以下の方法により測定される結果を、下記表の対応する欄にも記載する。
各試験用タイヤについて、前記定義による総接地面積および有効接地面積を求め、ランド比(%)を算出する。
各試験用タイヤを、車両(タイヤ1:国産のFF車、排気量2000cc、タイヤ2:国産の4WD車、排気量3000cc)の全輪に装着し、湿潤アスファルト路面のテストコースを速度100km/hで走行させ、その走行中のグリップ性能をテストドライバー20人により評点1~5で評価し、合計点を算出する。その結果を、基準比較例を100として指数表示する。指数が大きいほど走行時の操縦安定性が優れており、高速ウェットグリップ性能が優れることを示す。
各試験用タイヤを、車両(タイヤ1:国産のFF車、排気量2000cc、タイヤ2:国産の4WD車、排気量3000cc)の全輪に装着し、アスファルト路面のテストコースを外気温10℃以下の時期に20,000km走行させ、走行開始時からのトレッドの厚さの減少量を測定する。その結果を、基準比較例を100として指数表示する。指数が大きいほど減少量が少なく、低温耐摩耗性能が優れることを示す。
以下に、好ましい実施形態を示す。
前記トレッド部は、ゴム成分100質量部に対して、シリカ50質量部以上、好ましくは70質量部以上、より好ましくは80質量部以上、さらに好ましくは90質量部以上、を含むゴム組成物から構成され、
前記ゴム成分は、ブタジエンゴム50質量%超とスチレンブタジエンゴムとを含み、
前記ゴム成分中の総スチレン量が25質量%以下であり、
前記ブタジエンゴムのゴム成分中の含有量(質量%)をABR、前記トレッド部のトレッド面のランド比(%)をLとするとき、ABRとLとが以下の式を満たす空気入りタイヤ。
(1) ABR×L>3000
[2]前記総スチレン量(質量%)をASTYとするとき、ABR、LおよびASTYが以下の式を満たす、[1]記載の空気入りタイヤであって、
(2) (ABR/ASTY)×L>130
ここにおいて、式(2)の右辺は、好ましくは200、より好ましくは300、さらに好ましくは360、さらに好ましくは450、さらに好ましくは550、さらに好ましくは600である。
[3]前記ゴム組成物が少なくとも1種の炭化水素樹脂を含み、前記炭化水素樹脂のゴム組成物中の含有量が5質量%以上、好ましくは6質量%超、より好ましくは7質量%超、さらに好ましくは10質量%超、さらに好ましくは12質量%超である、[1]または[2]記載の空気入りタイヤ。
[4]前記シリカのゴム成分100質量部に対する含有量が70質量部超、好ましくは80質量部以上、より好ましくは90質量部超、さらに好ましくは100質量部以上である、[1]~[3]のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
[5]前記ゴム組成物のガラス転移温度が-30℃未満、好ましくは-33℃未満、より好ましくは-37℃未満、さらに好ましくは-40℃未満、さらに好ましくは-42℃未満である、[1]~[4]のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
[6]式(1)の右辺が3250である、[1]~[5]のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
[7]式(1)の右辺が3500、好ましくは3750、より好ましくは4000である、[1]~[5]のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
[8]前記ブタジエンゴムのゴム成分中の含有量ABRが70質量%未満、好ましくは65質量%未満、より好ましくは60質量%未満である、[1]~[7]のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
[9]前記スチレンブタジエンゴムのガラス転移温度が-30℃未満、好ましくは-40℃未満、より好ましくは-50℃未満、さらに好ましくは-55℃未満である、[1]~[8]のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
[10]前記トレッド面がタイヤ周方向に延びる2以上の周方向主溝と、前記周方向主溝によって画された陸部とを有し、
前記陸部のうちタイヤ幅方向最外側に位置する一対の陸部をショルダー陸部とするとき、前記ショルダー陸部が開口面積0.1超15未満mm2、好ましくは0.5超10未満mm2、より好ましくは0.5超7.0未満mm2、さらに好ましくは1.0超5.0未満mm2の小穴を1個以上有する、[1]~[9]のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
[11]前記トレッド面がタイヤ周方向に延びる2以上の周方向主溝と、前記周方向主溝によって画された陸部とを有し、
前記陸部のうちタイヤ幅方向最外側に位置する一対の陸部をショルダー陸部とするとき、前記ショルダー陸部が少なくとも1以上の周方向細溝を有する、[1]~[10]のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
[12]前記トレッド面が、溝幅がタイヤ半径方向内側で広がっている拡幅周方向溝を有する、[1]~[11]のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
[13]前記拡幅周方向溝が、タイヤ中心線上に位置する陸部、または、タイヤ中心線上に周方向主溝が存在する場合にはタイヤ中心線に最も近い陸部に存在する、[12]記載の空気入りタイヤ。
Te・・トレッド接地端
W・・・タイヤ幅方向
C・・・タイヤ周方向
1・・・タイヤ
2・・・周方向主溝
3・・・陸部
4・・・小穴
5・・・周方向細溝
6・・・拡幅周方向溝
Claims (11)
- トレッド部を有する空気入りタイヤであって、
前記トレッド部は、ゴム成分100質量部に対して、シリカ50質量部以上を含むゴム組成物から構成され、
前記ゴム成分は、ブタジエンゴム50質量%超とスチレンブタジエンゴムとを含み、
前記ゴム成分中の総スチレン量が25質量%以下であり、
前記ゴム組成物のガラス転移温度が-30℃未満であり、
前記ブタジエンゴムのゴム成分中の含有量(質量%)をABR、前記トレッド部のトレッド面のランド比(%)をLとするとき、ABRとLとが以下の式を満たす空気入りタイヤ。
(1) ABR×L>3000 - 前記総スチレン量(質量%)をASTYとするとき、ABR、LおよびASTYが以下の式を満たす、請求項1記載の空気入りタイヤ。
(2) (ABR/ASTY)×L>130 - 前記ゴム組成物が少なくとも1種の炭化水素樹脂を含み、前記炭化水素樹脂のゴム組成物中の含有量が5質量%以上である、請求項1記載の空気入りタイヤ。
- 前記シリカのゴム成分100質量部に対する含有量が100質量部以上である、請求項1記載の空気入りタイヤ。
- 前記ゴム組成物のガラス転移温度が-33℃未満である、請求項1記載の空気入りタイヤ。
- 式(1)の右辺が3250である、請求項1記載の空気入りタイヤ。
- 式(1)の右辺が3500である、請求項6記載の空気入りタイヤ。
- 前記ブタジエンゴムのゴム成分中の含有量ABRが、70質量%未満である、請求項1記載の空気入りタイヤ。
- 前記スチレンブタジエンゴムのガラス転移温度が-30℃未満である、請求項1記載の空気入りタイヤ。
- 前記トレッド面がタイヤ周方向に延びる2以上の周方向主溝と、前記周方向主溝によって画された陸部とを有し、
前記陸部のうちタイヤ幅方向最外側に位置する一対の陸部をショルダー陸部とするとき、前記ショルダー陸部が開口面積0.1超15未満mm2の小穴を1個以上有する、請求項1記載の空気入りタイヤ。 - 前記トレッド面がタイヤ周方向に延びる2以上の周方向主溝と、前記周方向主溝によって画された陸部とを有し、
前記陸部のうちタイヤ幅方向最外側に位置する一対の陸部をショルダー陸部とするとき、前記ショルダー陸部が少なくとも1以上の周方向細溝を有する、請求項1記載の空気入りタイヤ。
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