JP7787828B2 - ピストンポンプ及びシール部材の製造方法 - Google Patents

ピストンポンプ及びシール部材の製造方法

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Description

本発明は、ピストンポンプ及びシール部材の製造方法に関する。
従来、ピストンポンプとして、自動車などの車両に搭載されるブレーキ液圧制御装置に用いられるものが知られている。ピストンポンプは、例えば、特許文献1に記載されているように、偏心カムなどの駆動部材と、駆動部材の動きに伴ってシリンダ室内で往復動するピストン(プランジャとも呼ばれる)とを備えている。このピストンポンプは、ピストンを往復動させることで、吸入穴からシリンダ室内にブレーキ液を吸入するとともに、シリンダ室内のブレーキ液を吐出穴に吐出するように構成されている。
このようなピストンポンプでは、シリンダ室とピストンとの間にシール部材(Xリング)が介設されており、このシール部材によってポンプ室とカム室とを区画(シール)している。ピストンが往復動するときは、ピストンの外周面がシール部材の内周面に対して摺動する。
特許第5718290号公報
従来のピストンポンプでは、シール部材の外周面がシリンダ室の内面に対して摺動するおそれがあった。仮に、シール部材の外周面がシリンダ室の内面に対して摺動してしまうと、ポンプ室内のブレーキ液の昇圧に影響が出るおそれがあるため、これを防止する技術の開発が望まれている。
本発明は、前記した課題を解決し、ポンプ室の液体を良好に昇圧できるピストンポンプを提供することを課題とし、さらには、このピストンポンプに使用されるシール部材の製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明のピストンポンプは、ポンプボディに形成されたシリンダ室内を往復移動するピストンと、前記シリンダ室の内周面と前記ピストンとの間に設けられた環状のシール部材と、を備えたピストンポンプである。前記シール部材は、前記ピストンに摺接する内周側面と、前記シリンダ室の内周面に密着する外周側面と、を備えている。前記内周側面に凹凸面を形成して、前記内周側面を前記外周側面よりも低摩擦面とした。前記内周側面と前記外周側面とは、パーティングラインで区画されており、前記パーティングラインは、前記シール部材の略対角の位置に設けられた一対のオーバーフロー部に沿っている。一対の前記オーバーフロー部は、前記外周側面に形成されている。
本発明によれば、シール部材の内周側面と外周側面との摺動抵抗の大きさに差をもたせることができるので、ピストンの摺動性を向上できるとともに、シリンダ室に対するシール部材の密着性を向上できる。これにより、ピストンの往復動に起因するシール部材の移動を抑制でき、ポンプ室内の液体を良好に昇圧することができる。
また、前記内周側面と前記外周側面とは、パーティングラインで区画されている。
例えば、前記シール部材が、四方にリップ部が突出する断面略X字状を呈している場合には、前記パーティングラインを、対角に配置される前記リップ部同士を結ぶように配置することが好ましい。
また、前記シール部材が、前記ピストンの摺動方向が長軸となりこれに直交する方向が短軸となる断面略楕円形状を呈している場合には、前記パーティングラインを、前記長軸に対して傾斜するとともに前記短軸に対して傾斜する線上に位置させることが好ましい。
さらに、前記シール部材が、前記内周側面の幅方向中央部が前記ピストンに向けて膨出する断面略D字形状を呈している場合にも、前記内周側面と前記外周側面側とをパーティングラインで区画することが好ましい。
このように、パーティングラインにて各種シール部材を成形することにより、煩雑なマスキング処理を施すことなく、内周側面と外周側面との面粗さを異ならせた各種形状のシール部材を安価かつ容易に得ることができる。
また、本発明のシール部材の製造方法は、環状を呈するシール部材の製造方法において、前記シール部材の軸方向に対して傾斜し、前記シール部材の略対角の位置に設けられた一対のオーバーフロー部に沿う斜め割りの分割面を備えた金型にて前記シール部材を製造するものである。前記金型は、前記シール部材の内周側面を形成する第一の金型と、前記シール部材の外周側面を形成する第二の金型とを備え、一対の前記オーバーフロー部は、前記第二の金型に形成されていることを特徴とする。すなわち、本発明のシール部材の製造方法は、円錐台の側面(テーパー面)に沿う分割面を備えた金型で前記シール部材を製造するというものである。
本発明によれば、ピストンに摺接する内周側面がシリンダ室に密着する外径面側よりも低摩擦面となるシール部材を安価かつ容易に製造できる。本発明のシール部材を、ポンプボディに形成されたシリンダ室とこのシリンダ室内を往復移動するピストンとの間に用いることにより、ピストンの摺動性を向上できるとともに、シリンダ室に対する密着性を向上でき、ポンプ室内の液体を良好に昇圧できるピストンポンプが得られる。
本発明に係るピストンポンプ及びシール部材の製造方法によれば、シール部材の外周面がシリンダ室の内面に対して摺動するのを防止でき、ポンプ室内の液体を良好に昇圧できる。
本発明の実施形態に係るピストンポンプが適用される車両用ブレーキ液圧制御装置を示す側面図である。 本発明の実施形態に係るピストンポンプを示す図であり、図1のII-II線に沿う拡大断面図である。 本発明の実施形態に係るピストンポンプに使用されるシール部材及びパーティングラインを示す拡大断面図である。 本発明の実施形態に係るピストンポンプに使用されるシール部材を成形する際の分割面及び凹凸面を備えた内周側面の区間を示す模式図である。 従来のシール部材を成形する際の分割面及び凹凸面を形成するためのマスキング処理の区間を示す模式図である。 本発明の実施形態に係るピストンポンプに使用されるその他の形態のシール部材及びパーティングラインを示す拡大断面図である。 図6に示したシール部材を成形する際の分割面及び凹凸面を備えた内周側面の区間を示す模式図である。 本発明の実施形態に係るピストンポンプに使用されるその他の形態のシール部材及びパーティングラインを示す拡大断面図である。 図8に示したシール部材を成形する際の分割面及び凹凸面を備えた内周側面の区間を示す模式図である。
以下では、本発明の実施形態について、適宜図面を参照して詳細に説明する。以下の説明において、同一の要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。以下の実施形態では、自動車などの車両に搭載されるブレーキ液圧制御装置の油圧発生装置として用いられるピストンポンプを例として説明する。なお、以下の説明において、一端側とは図2の左側に対応し、他端側とは図2の右側に対応している。
図1に示すように、ブレーキ液圧制御装置1は、ポンプボディとしての基体100と、基体100の前面103に取り付けられる電磁弁104及びモータ(電動モータ)105と、を備えている。基体100の前面103には、その他に、制御装置が収容された不図示のコントロールハウジングが取り付けられる。基体100の側面101には、ピストンポンプ10を構成するシリンダ室102の一端が開口している。シリンダ室102の一端開口は、蓋部材19で封止されている。基体100内には、液体としてのブレーキ液が通流する複数の流路(不図示)が形成されている。
このようなブレーキ液圧制御装置1は、自動二輪車、自動三輪車、オールテレーンビークル(ATV)などバーハンドルタイプの車両に用いられるものである。ブレーキ液圧制御装置1は、車輪ブレーキに作用するブレーキ液圧を制御するものであり、図示しないマスタシリンダ室と車輪ブレーキとの間に接続される。
図2は本実施形態のシール部材20が適用されるピストンポンプ10の断面図である。ピストンポンプ10は、電動モータ105(図1参照)により駆動されるポンプである。ピストンポンプ10は、図2に示すように、シリンダ室102と、シート部材12と、ピストン15と、駆動部材として機能する偏心カム14と、コイルばね16と、蓋部材19と、を備えている。
シリンダ室102の一端は基体100の側面101に開口し、他端はモータ軸106が挿通されるカム室120に連通している。シリンダ室102は、基体100の側面101から中心部に向けて段状に窄まる段付き円筒状を呈している。シリンダ室102は、側面101に開口する大径部112と、大径部112の一端に連続する第一中径部113と、第一中径部113の一端に連続する第二中径部114と、第二中径部114の一端に連続する小径部115とを備えている。
大径部112には蓋部材19が装着され、第一中径部113にはシート部材12が装着されている。また、第二中径部114の内側にはシール部材20が配置されている。そして第一中径部113の内側から小径部115の内側に亘ってピストン15が配置されている。
蓋部材19は、断面凹(断面U字状)状を呈しており、大径部112の開口(シリンダ室102の一端開口)を閉塞している。蓋部材19の凹状の内空部には、吐出弁25を構成する付勢スプリング25aと、球状の弁体25bとが収容されている。弁体25bは、付勢スプリング25aによりシート部材12に向けて付勢され、シート部材12の一端の底部に開口形成された孔部12aに着座している。
蓋部材19の周壁部には、凹状の内空に連通する吐出口18が形成されている。この吐出口18を通じてピストンポンプ10からブレーキ液が吐出される。
シート部材12は、有底円筒状を呈しており、凹状の内空部からなるポンプ室13を形成している。シート部材12の周壁部には、第一中径部113の内側に形成されるスペース部113aに連通する吸入口17が形成されている。スペース部113aには、図示しない吸入弁及び吸入口17を介してブレーキ液が流入するように構成されている。
ポンプ室13は、ブレーキ液の液圧を高めるための空間である。ポンプ室13には、コイルばね16が配置されている。コイルばね16は、ポンプ室13内に配置されるピストン15の一端部に当接して、ピストン15を他端側の偏心カム14に向けて付勢している。偏心カム14は電動モータ105の出力軸106に取り付けられている。
シール部材20は、第二中径部114の内側に配置され、ピストン15の略中間位置に外嵌されている。シール部材20は、シリンダ室102の第二中径部114の内周面とピストン15の外周面とにより挟圧され、第二中径部114の内周面とピストン15の外周面との間を液密にシールしている。このようなシール部材20は、図2に示すような第二中径部114の内面に内嵌された二体の環状のストッパ26a,26bの間に位置決めされている。シール部材20の詳細については後記する。
このようなピストンポンプ10は、偏心カム14によりピストン15がシリンダ室102内で軸方向に往復動する。そして、ピストン15が他端側(カム室120側)に移動することで吸入口17からポンプ室13内にブレーキ液を吸入し、ピストン15が一端側(ポンプ室13側)に移動することで、ポンプ室13内から吐出弁25及び吐出口18を介して吐出路116にブレーキ液を吐出する。
次に、シール部材20について詳細に説明する。シール部材20は、ピストン15の外周面との摺動抵抗が小さく、靭性と耐摩耗性とを有する樹脂製のリング状部材からなる。シール部材20は、図3に示すように、四方に突出するリップ部21を有しており、断面略X字状を呈している。
シール部材20の外面には、ピストン15の外周面に摺接する内周側面23と、シリンダ室102の内周面に密着する外周側面24とを備えている。内周側面23は、図3において区間23aの二点鎖線で表される面のことを言い、シール部材20の径方向内側においてオーバーフロー部22aから対角に位置するオーバーフロー部22bに至る区間により設定されている。また、外周側面24は、内周側面23以外の残りの面のことを言う。
内周側面23には、梨地処理による凹凸面が全体的に形成されている。凹凸面は、例えば、高低差をつけることで凹凸に形成されている。これにより、内周側面23は、外周側面24よりも摩擦係数の小さい低摩擦面に設定されている。シール部材20は、図3に示すようなパーティングラインP1を備えている。シール部材20は、シール部材20の軸方向X1に対して傾斜する斜め割りにて封止される分割面P11(図4参照)により形成され、この分割面P11により内周側面23と外周側面24とが区画されたものとなっている。ここで、シール部材20の軸方向X1は、ピストン15の軸方向(摺動方向)と同じ方向である。
図4において、シール部材20は上下に分割される上型(金型)51と下型(金型)52とにより圧縮成形される。上型51と下型52の分割面P11は、対角に配置されるリップ部21のオーバーフロー部22a,22b(凹部55a,55b)に沿っており、内周側と外周側とで軸方向X1(ピストン15の軸方向)に相互に位置が異なっている。下型52の内面53は、シール部材20の内周側面23(区間23a、図3参照)の形状に対応する形状を有している。下型52の内面53には、全体に梨地処理が施されている。つまり、下型52は、内面53の一部分に梨地処理が施されたものではなく、内面53の全体に梨地処理が施されたものとなっているので、梨地処理が施し易い。
一方、上型51の内面54は、シール部材20の外周側面24(図3参照)の形状に対応する形状を有している。上型51の内面54は、梨地処理の施されない面となっている。なお、上型51には、オーバーフロー部22a,22b(図3参照)となる凹部55a,55bが形成されている。
このような上型51と下型52とでシール部材20を成形することにより、内周側面23と外周側面24との間に摩擦係数の差をもたせることができ、ピストン15に対する摺動性の向上を図るとともに、シリンダ室102に対する密着性を維持できるシール部材20が形成される。
シール部材20を成形する際には、上型51と下型52とを上下に分離し、下型52に対してシール部材20を成形するための樹脂材料を配置する。その後、上型51と下型52とを閉じ、所定の架橋時間加熱状態を保持する。その後、上型51と下型52とを離型し、成形品を冷却することで、内周側面23にのみ凹凸面が形成されたシール部材20が得られる。
ここで、図5を参照して従来のシール部材の圧縮成形について考察する。従来のシール部材の圧縮成形であると、上下の金型61,62の構造は、シール部材の軸方向X1の略中央部で上下に分割される分割面P2を備えたものとなっている(オーバーフロー部となる凹部66a,66bの近傍で区画する)。すなわち、金型61,62の分割面P2は、シール部材の内周側と外周側とで軸方向X1(ピストン15の軸方向)に同じ位置となっている。このため、シール部材の内周側面と外周側面とで摩擦係数の大きさに差を持たせようとすると、図5に示すように、上型61と下型62とに分けて内周側面となる部位63,63にマスキング処理63a,63bをそれぞれ施す必要がある。したがって、シール部材の成形が煩雑であるという問題があった。特に、多数個取りである場合に、マスキングによる梨地変更であると、キャビティー毎のマスキングの出来具合により梨地変更面にばらつきが出るため、摺動時の荷重にばらつきが生じるおそれがある。
また、シール部材が小径である場合には、上型61と下型62とに分けてマスキング処理を施すこと自体が難しく、内周側面と外周側面との摺動抵抗の大きさに差をもたせることが不可能であった。
これに対し、本実施形態のピストンポンプ10のシール部材20は、シール部材20の軸方向X1に対して傾斜する斜め割りの分割面P11により内周側面と外周側面とをパーティングラインP1で区画したものとなっている。これにより、下型52のみで内周側面23に凹凸面を形成することができるため、シール部材20の成形が容易である。特に、シール部材20が小径である場合にも、下型52のみで内周側面23に凹凸面を形成することができるため、内周側面23と外周側面24との摺動抵抗の大きさに差をもたせることが容易である。
また、下型52のみで内周側面23に凹凸面を形成することができるため、多数個取りによるシール部材20の成形にも適しており、摺動時の荷重にばらつきも生じない。
以上説明した本実施形態のピストンポンプによれば、シール部材20の内周側面と外周側面との摺動抵抗の大きさに容易に差をもたせることができるので、ピストン15の摺動性を向上できるとともに、シリンダ室102に対するシール部材20の密着性を向上できる。これにより、ピストン15の往復動に起因するシール部材20の移動を抑制でき、ポンプ室13内のブレーキ液を良好に昇圧することができる。
次に、本発明の変形例について図6から図9を参照して説明する。図6は本発明の実施形態に係るピストンポンプ10に使用されるその他の形態のシール部材20A及びパーティングラインP3を示す拡大断面図、図7は図6に示したシール部材20Aを成形する際の分割面P13及び凹凸面を備えた内周側面23の区間を示す模式図である。
図6に示すシール部材20Aは、軸方向X1(ピストン15の摺動方向)が長軸となり、これに直交するシール部材20Aの径方向が短軸となる断面略楕円形状を呈している。
このシール部材20Aにおいても、ピストン15の外周面に摺接する内周側面23と、シリンダ室102の内周面に密着する外周側面24とを備えている。内周側面23は、図6において区間23aの二点鎖線で表される面であり、シール部材20の径方向内側においてオーバーフロー部22aから略対角に位置するオーバーフロー部22bに至る区間により設定されている。また、外周側面24は、内周側面23以外の残りの面である。
シール部材20Aは、図6に示すようなパーティングラインP3を備えている。シール部材20Aは、図7に示すように、シール部材20Aの軸方向X1に対して傾斜する斜め割りにて封止される分割面P13により形成され、この分割面P13により内周側面23と外周側面24とが区画されたものとなっている。
図7において、シール部材20Aは上下に分割される上型51Aと下型52Aとにより圧縮成形される。下型52Aの内面53は、シール部材20Aの内周側面23(区間23a、図6参照)の形状に対応する形状を有している。下型52Aの内面53には、全体に梨地処理が施されている。つまり、下型52Aは、内面53の一部分に梨地処理が施されたものではなく、内面53の全体に梨地処理が施されたものとなっているので、梨地処理が施し易い。
一方、上型51Aの内面54は、シール部材20Aの外周側面24(図6参照)の形状に対応する形状を有している。上型51Aの内面54は、同様に梨地処理の施されない面となっている。このような上型51Aと下型52Aとでシール部材20Aを成形することにより、内周側面23と外周側面24との間に摩擦係数の差をもたせることができ、ピストン15に対する摺動性の向上を図るとともに、シリンダ室102に対する密着性を維持できるシール部材20Aが形成される。
図8は本発明の実施形態に係るピストンポンプ10に使用されるその他の形態のシール部材20B及びパーティングラインP4を示す拡大断面図、図9は図8に示したシール部材20Bを成形する際の分割面P14及び凹凸面を備えた内周側面23の区間を示す模式図である。
図8に示すシール部材20Bは、断面略D字形状を呈している。このシール部材20Bにおいても、ピストン15の外周面に摺接する内周側面23と、シリンダ室102の内周面に密着する外周側面24とを備えている。内周側面23は、図8において区間23aの二点鎖線で表される面であり、シール部材20Bの径方向内側においてオーバーフロー部22aから略対角に位置するオーバーフロー部22bに至る区間により設定されている。内周側面23の軸方向X1の中央部には、径方向内側に向けて湾曲状に突出する凸部27が設けられている。また、外周側面24は、内周側面23以外の残りの面である。
シール部材20Bは、図8に示すようなパーティングラインP4を備えている。シール部材20Bは、図9に示すように、シール部材20Bの軸方向X1に対して傾斜する斜め割りにて封止される分割面P14により形成され、この分割面P14により内周側面23と外周側面24とが区画されたものとなっている。
図9において、シール部材20Bは上下に分割される上型51Bと下型52Bとにより圧縮成形される。下型52Bの内面53は、シール部材20Bの内周側面23(区間23a、図8参照)の形状に対応する形状を有している。下型52Bの内面53には、全体に梨地処理が施されている。つまり、下型52Bは、内面53の一部分に梨地処理が施されたものではなく、内面53の全体に梨地処理が施されたものとなっているので、梨地処理が施し易い。
一方、上型51Bの内面54は、シール部材20Bの外周側面24(図8参照)の形状に対応する形状を有している。上型51Bの内面54は、同様に梨地処理の施されない面となっている。このような上型51Bと下型52Bとでシール部材20Bを成形することにより、内周側面23と外周側面24との間に摩擦係数の差をもたせることができ、ピストン15に対する摺動性の向上を図るとともに、シリンダ室102に対する密着性を維持できるシール部材20Bが形成される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
前記実施形態では、ピストン15の外周にシール部材20(20A,20B)を1つ配置する例を示したが、2つ以上配置するものにも好適に適用することができる。
また、ピストン15の軸に直交する方向に入口弁及び出口弁が配置されるピストンポンプにたいしても本発明を好適に適用することができる。
また、通常のOリングを用いたピストンポンプ10も対しても本発明を好適に適用することができる。
1 ブレーキ液圧制御装置
10 ピストンポンプ
15 ピストン
20 シール部材
20A~20B シール部材
21 リップ部
23 内周側面
24 外周側面
100 基体(ポンプボディ)
102 シリンダ室
P1,P3,P4 パーティングライン
P11,P13,P14 分割面
X1 軸方向

Claims (5)

  1. ポンプボディに形成されたシリンダ室内を往復移動するピストンと、
    前記シリンダ室の内周面と前記ピストンとの間に設けられた環状のシール部材と、を備えたピストンポンプであって、
    前記シール部材は、前記ピストンに摺接する内周側面と、前記シリンダ室の内周面に密着する外周側面と、を備えており、
    前記内周側面に凹凸面を形成して、前記内周側面を前記外周側面よりも低摩擦面としており、
    前記内周側面と前記外周側面とは、パーティングラインで区画されており、
    前記パーティングラインは、前記シール部材の対角の位置に設けられた一対のオーバーフロー部に沿っており、
    一対の前記オーバーフロー部は、前記外周側面に形成されていることを特徴とするピストンポンプ。
  2. 前記シール部材は、四方にリップ部が突出する断面略X字状を呈しており、
    前記パーティングラインは、対角に配置される前記リップ部同士を結ぶように配置されることを特徴とする請求項1に記載のピストンポンプ。
  3. 前記シール部材は、前記ピストンの摺動方向が長軸となりこれに直交する方向が短軸となる断面略楕円形状を呈しており、
    前記パーティングラインは、前記長軸に対して傾斜するとともに前記短軸に対して傾斜する線上に位置することを特徴とする請求項1に記載のピストンポンプ。
  4. 前記シール部材は、前記内周側面の幅方向中央部が前記ピストンに向けて膨出する断面略D字形状を呈していることを特徴とする請求項1に記載のピストンポンプ。
  5. 環状を呈するシール部材の製造方法において、
    前記シール部材の軸方向に対して傾斜し、前記シール部材の対角の位置に設けられた一対のオーバーフロー部に沿う斜め割りの分割面を備えた金型にて前記シール部材を製造するものであり、
    前記金型は、前記シール部材の内周側面を形成する第一の金型と、前記シール部材の外周側面を形成する第二の金型とを備え、
    一対の前記オーバーフロー部は、前記第二の金型に形成されていることを特徴とするシール部材の製造方法。
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