[第1実施形態]
<非接触式眼圧計の全体構成>
図1は、本発明の眼科装置に相当する第1実施形態の非接触式眼圧計10の側面図である。なお、図中の互いに直交するXYZ方向(3軸方向)のうちで、X方向は被検者を基準とした左右方向であり、Y方向は上下方向であり、Z方向は被検者(被検眼E)に近づく前方向と被検者から遠ざかる後方向とに平行な前後方向(作動距離方向ともいう)である。
図1に示すように、非接触式眼圧計10は、被検眼Eの角膜Ec(図2参照)に向けて空気(流体)を吹き付けることで角膜Ecを変形させてその変形状態を検出することにより、非接触で被検眼Eの眼圧値を測定する。この非接触式眼圧計10は、ベース11と、顔支持部12と、駆動機構13と、測定ヘッド14(装置本体ともいう)と、表示部15と、制御装置16と、を備えている。
ベース11上には、被検者側から検者側に向かって顔支持部12と駆動機構13とが設けられている。
顔支持部12は、被検者の顎を受ける顎受け部12aと、被検者の額が当接する額当て部12bとを備え、非接触式眼圧計10による被検眼Eの眼圧測定時に被検者の顔を支持する。
駆動機構13は、ベース11に対して測定ヘッド14をXYZ方向にそれぞれ移動自在に保持する。この駆動機構13は、図示は省略するが、測定ヘッド14をXYZ方向にそれぞれ移動させる公知のアクチュエータにより構成されており、測定ヘッド14をXYZ方向の各方向にそれぞれ移動させる。そして、制御装置16の制御の下で駆動機構13を駆動したり、後述の操作部38(図7参照)での操作に応じて駆動機構13を駆動したりすることで、被検眼Eに対する測定ヘッド14のXYZ方向のアライメントが可能になる。
測定ヘッド14は、本発明の眼特性取得部に相当するものであり、駆動機構13により被検眼Eに対してXYZ方向に相対移動可能に保持されている。この測定ヘッド14は、被検眼Eの眼圧測定に係る複数種類の光学系、及び空気の吹き付けを行う機構(後述の図2及び図3参照)と、制御装置16と、を備える。なお、制御装置16は、測定ヘッド14の外部(例えばベース11の内部)に設けられていてもよい。
また、測定ヘッド14の被検者(被検眼E)に対向する側の前面には、後述のノズル21b(図2参照)及び前眼部窓ガラス21c(図3参照)を保持する凸状のガラス保持部35が形成されている。
表示部15は、測定ヘッド14の検者に対向する背面側に取り付けられている。この表示部15は、例えばタッチパネル式モニタが用いられる。表示部15は、制御装置16の制御の下、被検眼Eの前眼部の観察像D(図2参照)を表示する。また、表示部15は、被検眼Eの眼圧値の測定結果を表示する。さらに表示部15は、各種操作を行うための操作メニュー画面と、測定ヘッド14のXYZ方向の位置調整(手動アライメント)を行うための位置調整画面と、を表示する。従って、表示部15は、検者による非接触式眼圧計10の各種操作の入力を受け付ける操作部38(図7参照)として機能する。
制御装置16は、非接触式眼圧計10の動作を統括制御する。この制御装置16は、被検眼Eの前眼部の観察像Dの取得及び表示と、被検眼Eに対する測定ヘッド14のXYZ方向のアライメントと、被検眼Eに対する測定ヘッド14の接近の監視と、アライメントの緊急停止と、被検眼Eの角膜Ec(図2参照)への空気の吹き付けと、角膜Ecへの指標光の出射及び角膜Ecからの反射光の受光と、被検眼Eの眼圧値の演算と、を含む各種動作を制御する。
[測定ヘッドの構成]
図2は、測定ヘッド14内の複数種類の光学系を上方(Y方向)側から見た上面概略図であり、図3は、測定ヘッド14内の複数種類の光学系を側方(X方向)側から見た側面概略図である。
図2及び図3に示すように、測定ヘッド14は、前眼部観察光学系21と、XYアライメント指標投影光学系22と、固視標投影光学系23と、圧平検出光学系24と、Zアライメント指標投影光学系25と、Zアライメント検出光学系26と、吹付機構34と、を備える。
前眼部観察光学系21は、被検眼Eの前眼部の観察、及び被検眼Eに対する測定ヘッド14のXY方向のXYアライメントに用いられる。この前眼部観察光学系21には、前眼部照明光源21a(図2参照)が設けられている。また、前眼部観察光学系21の光軸O1(非接触式眼圧計10の主光軸)上には、空気吹き付け用のノズル21bと、ノズル21bの先端部を保持する前眼部窓ガラス21c(図3参照)と、チャンバー窓ガラス21dと、ハーフミラー21eと、ハーフミラー21gと、対物レンズ21fと、撮像素子21iと、が設けられている。
前眼部照明光源21aは、前眼部窓ガラス21cの周囲位置に複数個設けられており、被検眼Eの前眼部を直接照明する。
ノズル21bは、吹付機構34のチャンバー34a(図3参照)に接続しており、被検眼Eの前眼部(角膜Ec)に空気を吹き付ける。
被検眼Eの前眼部の像(前眼部からの像光)は、ノズル21bの外側を通り、前眼部窓ガラス21c、後述のガラス板34b、チャンバー窓ガラス21d、ハーフミラー21g、及びハーフミラー21eを通過し、対物レンズ21fにより撮像素子21iの受光面上に結像される。
撮像素子21iは、例えばCCD(Charge Coupled Device)型又はCMOS(complementary metal oxide semiconductor)型のイメージセンサが用いられる。この撮像素子21iは、その受光面に入射した前眼部の像を撮像して撮像信号を生成し、この撮像信号を制御装置16へ出力する。これにより、制御装置16の制御の下、撮像素子21iから出力された撮像信号に基づく被検眼Eの前眼部の観察像Dが表示部15に表示される。
また、前眼部観察光学系21は、後述のXYアライメント指標投影光学系22により被検眼Eに投影されたXYアライメント指標光の角膜Ecによる反射光を、撮像素子21iの受光面へと導く。この反射光は、ノズル21b、チャンバー窓ガラス21d、ハーフミラー21g、及びハーフミラー21eを通過して、対物レンズ21fにより撮像素子21iの受光面上に結像される。これにより、撮像素子21iの受光面上には、測定ヘッド14と角膜EcとのXY方向の位置関係(相対位置)に応じた位置にXYスポット62(輝点像、図13参照)が形成される。従って、前眼部観察光学系21及びXYアライメント指標投影光学系22は、本発明の相対位置検出部の一部として機能する。
撮像素子21iは、その受光面上に形成されたXYスポット62を撮像し、このXYスポット62の撮像信号を制御装置16へと出力する。これにより、制御装置16の制御の下、前眼部の観察像DとXYスポット62とが表示部15に重畳表示される。なお、表示部15には、アライメント補助マークも表示される。
XYアライメント指標投影光学系22は、XYアライメント指標光を被検眼Eの角膜Ecに正面から投影する。このXYアライメント指標光は、被検眼Eの前眼部に対する測定ヘッド14のXYアライメントに用いられる。また、XYアライメント指標光は、被検眼Eの眼圧値の測定にも用いられる。以下、角膜EcによるXYアライメント指標光の反射光を単に「XY指標反射光」と略す。
XYアライメント指標投影光学系22は、XYアライメント用光源22aと、集光レンズ22bと、開口絞り22cと、ピンホール板22dと、ダイクロイックミラー22eと、コリメータレンズ22fと、を有する(図3参照)。なお、XYアライメント指標投影光学系22は、ハーフミラー21eを前眼部観察光学系21と共用している。
XYアライメント用光源22aは赤外光を出射する。コリメータレンズ22fは、その焦点がピンホール板22dに一致するように、XYアライメント指標投影光学系22の光路上に配置されている。このXYアライメント指標投影光学系22では、XYアライメント用光源22aから出射された赤外光が、集光レンズ22bにより集束されつつ開口絞り22cを通過して、ピンホール板22dの穴部へと導かれる。
ピンホール板22dの穴部を通過した赤外光は、ダイクロイックミラー22eにより反射されてコリメータレンズ22fへと導かれ、さらにコリメータレンズ22fで平行光とされた後、コリメータレンズ22fからハーフミラー21eへ出射される。この赤外光の平行光は、ハーフミラー21eで反射された後、前眼部観察光学系21の光軸O1に沿って進行する。これにより、赤外光の平行光は、ハーフミラー21g及びチャンバー窓ガラス21dを透過した後、ノズル21bの内部を通過することでXYアライメント指標光として被検眼Eに入射する。
被検眼Eに入射したXYアライメント指標光は、図示は省略するが、角膜Ec表面で反射しXYスポット62(図13参照)を形成する。なお、開口絞り22cは、コリメータレンズ22fに関して角膜Ecの角膜頂点Epと共役な位置に設けられている。
固視標投影光学系23は、被検眼Eに固視標を投影する。この固視標投影光学系23は、固視標用光源23aとピンホール板23bとを有する(図3参照)。また、固視標投影光学系23は、ダイクロイックミラー22e及びコリメータレンズ22fをXYアライメント指標投影光学系22と共用し、且つハーフミラー21eを前眼部観察光学系21と共用している。
固視標用光源23aは、可視光を固視標光として出射する。この固視標光は、ピンホール板23bの穴部へと導かれ、ピンホール板23bの穴部及びダイクロイックミラー22eを透過した後、コリメータレンズ22fへ出射される。そして、固視標光は、コリメータレンズ22fにより略平行光とされてハーフミラー21eに向けて出射され、ハーフミラー21eで反射されることで前眼部観察光学系21の光軸O1に沿って進行する。これにより、固視標光は、ハーフミラー21g及びチャンバー窓ガラス21dを透過した後、ノズル21bの内部を通過して被検眼Eに至る。この固視標を被検者に固視目標として注視させることにより、被検者の視線を固定することができる。
圧平検出光学系24(図3参照)は、XY指標反射光を受光して、このXY指標反射光の光量を示す検出信号(圧平信号、角膜変形信号ともいう)を出力する。圧平検出光学系24は、レンズ24aとピンホール板24bと受光センサ24cとを有すると共に、ハーフミラー21gを前眼部観察光学系21と共用している。
レンズ24aは、角膜Ecの表面が平面とされた場合に、XY指標反射光を、ピンホール板24bの開口に集光させる。ピンホール板24bの開口は、レンズ24aの焦点位置に設けられている。
受光センサ24cは、例えば受光したXY指標反射光の光量に応じた検出信号を出力するフォトダイオードである。この受光センサ24cは検出信号(圧平波形信号ともいう)を制御装置16へ出力する。
XY指標反射光は、ノズル21bの内部を通り、チャンバー窓ガラス21dを透過してハーフミラー21gに至る。そして、XY指標反射光の一部は、ハーフミラー21gで反射された後、レンズ24aを経てピンホール板24bに入射する。
圧平検出光学系24は、ノズル21bからの空気の吹き付けにより角膜Ecの表面が平らな扁平状態(圧平状態)になった場合に、圧平検出光学系24に進行してきたXY指標反射光の全体を、ピンホール板24bを通して受光センサ24cに到達させる。また、圧平検出光学系24は、角膜Ecが扁平状態以外の状態ではXY指標反射光をピンホール板24bで部分的に遮りつつ受光センサ24cに到達させる。従って、圧平検出光学系24から出力されるXY指標反射光の検出信号の信号強度は、角膜Ecの表面が凸状態から扁平状態に変化するのに従って次第に増加し、さらに扁平状態から凹状態に変化するのに従って次第に減少する。
Zアライメント指標投影光学系25(図2参照)は、角膜Ecに対して斜め方向からZ軸方向のZアライメント用のZアライメント指標光を投影する。このZアライメント指標投影光学系25は、光軸O2上に沿って、Zアライメント用光源25aと、集光レンズ25bと、開口絞り25cと、ピンホール板25dと、コリメータレンズ25eと、を備える。
Zアライメント用光源25aは、赤外光(例えば波長860nm)を出射する。開口絞り25cは、コリメータレンズ25eに関して角膜頂点Epと共役な位置に設けられている。コリメータレンズ25eは、ピンホール板25dの穴部に焦点を一致させるように配置されている。
Zアライメント用光源25aから出射された赤外光は、集光レンズ25bにより集光されつつ開口絞り25cを通過してピンホール板25dへと進行する。そして、ピンホール板25dの穴部を通過した赤外光は、コリメータレンズ25eで平行光とされた後に、Zアライメント指標光として被検眼Eに入射して、角膜Ecで反射されることにより被検眼Eに輝点像を形成する。
Zアライメント検出光学系26は、Zアライメント指標光の角膜Ecによる反射光(以下、Z指標反射光と略す)を受光して、測定ヘッド14と角膜EcとのZ軸方向の位置関係を検出する。このZアライメント検出光学系26は、光軸O3上に沿って、結像レンズ26aと、シリンドリカルレンズ26bと、受光センサ26cと、を有している。
シリンドリカルレンズ26bは、Y軸方向にパワーを有するものが用いられる。受光センサ26cは、その受光面におけるZ指標反射光の受光位置を検出可能なセンサであり、例えばラインセンサ又はPSD(Position Sensitive Detector)が用いられる。
Z指標反射光は、結像レンズ26aで集束した後にシリンドリカルレンズ26bへと進行し、このシリンドリカルレンズ26bによりY軸方向に集光されることで受光センサ26c上に輝点像を形成する。
受光センサ26cは、XZ平面内においては結像レンズ26aに関して、Zアライメント指標投影光学系25により被検眼Eに形成された前述の輝点像と共役な位置関係にある。また、受光センサ26cは、YZ平面内においては結像レンズ26a及びシリンドリカルレンズ26bに関して、角膜頂点Epと共役な位置関係にある。すなわち、受光センサ26cは開口絞り25cと共役関係にあるので、Y方向に角膜Ecがずれたとしても角膜Ecの表面におけるZ指標反射光は効率良く受光センサ26cに入射する。そして、受光センサ26cは、シリンドリカルレンズ26bにより集光されたZ指標反射光の検出信号(以下、Z検出信号という)を制御装置16へと出力する。このZ検出信号は測定ヘッド14に対する被検眼EのZ方向の相対位置を示すものであり、Zアライメント指標投影光学系25及びZアライメント検出光学系26は本発明の相対位置検出部の一部に相当する。
吹付機構34(図3参照)は、チャンバー34aと、シリンダ34dと、連通管34eと、ピストン34fと、ソレノイド34gと、を有する。
チャンバー34aには、透明なガラス板34bを介してノズル21bが取り付けられている。また、チャンバー34a内には、ノズル21bと対向する位置にチャンバー窓ガラス21dが設けられている。さらに、チャンバー34a内には、圧力センサ34cが設けられている。この圧力センサ34cは、チャンバー34aの内部の圧力(内圧)を示す圧力検出信号を制御装置16へ出力する。
シリンダ34dは、連通管34eを介してチャンバー34aに接続している。これにより、シリンダ34dの内部とチャンバー34aの内部とが連通管34eを介して連通する。また、シリンダ34dの内部にはピストン34fが移動自在に設けられている。これらシリンダ34d及びピストン34fにより空気の圧縮室が構成される。
ソレノイド34gは、シリンダ34d内でピストン34fを移動させる公知のソレノイドアクチュエータである。このソレノイド34gは、制御装置16の制御下、ピストン34fを移動させてシリンダ34d内の空気を圧縮する。これにより、連通管34e及びチャンバー34aを介して、ノズル21bから被検眼Eの角膜Ecに向けて空気が吹き付けられる。
なお、吹付機構34では、圧力センサ34cによりチャンバー34aの内圧を検出することにより、ノズル21bから角膜Ecに空気を吹き付けた際の空気の圧力を取得することができる。
[静電容量型センサ]
図4は、測定ヘッド14を被検者側から見た斜視図である。図5は、図4中の静電容量型センサ36の電極36aの正面拡大図である。なお、図中の符号AXはZ方向に平行なノズル21bの中心軸を示し、図中の符号HLはX方向に平行な直線である平行線である。
図4及び図5に示すように、測定ヘッド14の被検者に対向する前面側には、前眼部窓ガラス21cを保持する凸状のガラス保持部35と、本発明の非接触式センサに相当する静電容量型センサ36と、が設けられている。
静電容量型センサ36は、後述の制御装置16の制御の下、被検者の顔(被検眼Eを含む)に対するノズル21bの接近を検出する。この静電容量型センサ36は、例えば自己容量方式のタイプが用いられ、電極36aと検出回路36bとを有する。
電極36aは、ガラス保持部35に設けられており、被検者の顔との間で疑似コンデンサを形成する。この電極36aは、ノズル21bの先端側から見た場合において、ノズル21bを囲む環状領域の中で平行線HLよりも下方側の領域に形成、すなわち略半環状に形成されている。ここでいう「平行線HLよりも下方側の領域に形成」には、図4及び図5に示したような平行線HLよりも下方側の全領域に形成する場合と、平行線HLよりも下方側の領域の一部に形成する場合と、の両方が含まれる。
検出回路36bは、例えば測定ヘッド14の内部(外部でも可)に設けられており、配線36cを介して電極36aに接続されている。この検出回路36bは、上述の疑似コンデンサにより発生する静電容量を検出して、その検出値を制御装置16へ出力する。電極36aと被検者の顔との間の距離が短くなるのに応じて疑似コンデンサの静電容量が増加し、逆に電極36aと被検者の顔との間の距離が長くなるのに応じて疑似コンデンサの静電容量が減少する。このため、検出回路36bによる静電容量の検出値に基づき電極36a(ノズル21b)と被検者の顔との間の距離を検出可能である。その結果、被検者の顔に対するノズル21bの接近を静電容量型センサ36により検出可能である。
図6は、静電容量型センサ36の指向性を説明するための説明図である。なお、図中の符号RDは、静電容量型センサ36の検出範囲を示す。また、図6に示した検出範囲RDはその一例を示したものであり、その範囲は適宜変更可能である。
図6に示すように、電極36aを略半環状に形成することで、ノズル21b及びガラス保持部35をX方向の任意の一方向側から見た場合に、静電容量型センサ36の検出範囲RDが中心軸AXの上方側では制限される。これにより、静電容量型センサ36は、ノズル21bの前方側に指向性を有するが、ノズル21bをX方向の任意の一方向側から見た場合に中心軸AXの下方側よりも上方側の指向性が弱くなる。
このように中心軸AXの上方側に対する静電容量型センサ36の指向性を弱めることで、被検眼Eに対してノズル21bを所定距離まで近づけた場合であっても、電極36aと被検者の額との間の距離が十分に確保される。このため、被検者の額が張り出している場合(顔の彫りが深い場合)であっても、静電容量型センサ36により検者の額が誤検出されることが防止される。また、検者が被検者の瞼を開く開瞼作業を行っている場合であっても、電極36aと検者の指との間の距離が十分に確保されるので、静電容量型センサ36により検者の指が誤検出されることが防止される。
[制御装置]
図7は、制御装置16の機能ブロック図である。図7に示すように、制御装置16は、各種のプロセッサ(Processor)及びメモリ等から構成された演算回路を備える。各種のプロセッサには、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、及びプログラマブル論理デバイス[例えばSPLD(Simple Programmable Logic Devices)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、及びFPGA(Field Programmable Gate Arrays)]等が含まれる。なお、制御装置16の各種機能は、1つのプロセッサにより実表されてもよいし、同種または異種の複数のプロセッサで実表されてもよい。
制御装置16には、既述の駆動機構13、表示部15、各種光学系21~26、及び吹付機構34の他に、操作部38が接続されている。
操作部38は、既述の通り、タッチパネル方式の表示部15の表示面等が用いられる。この操作部38は、非接触式眼圧計10の電源のオンオフ操作、及び測定ヘッド14のアライメント開始操作等を含む非接触式眼圧計10の各種の操作の入力を受け付ける。なお、操作部38として操作レバー及び操作キー等の公知の操作デバイスを用いてもよい。
制御装置16は、不図示の制御プログラムを実行することにより、観察制御部40、固視制御部42、アライメント制御部44、吹付制御部46、測定制御部48、及び眼圧値演算部50として機能する。なお、制御装置16の「~部」として説明するものは「~回路」、「~装置」、又は「~機器」であってもよい。すなわち、「~部」として説明するものは、ファームウェア、ソフトウェア、及びハードウェアまたはこれらの組み合わせのいずれで構成されていてもよい。
観察制御部40は、例えば操作部38にて非接触式眼圧計10の電源のオン操作が入力された場合に作動する。この観察制御部40は、前眼部観察光学系21を制御して、前眼部照明光源21aの点灯と、撮像素子21iによる被検眼Eの前眼部の観察像D(動画像)の撮像及び撮像信号の出力と、を実行させる。また、観察制御部40は、撮像素子21iから出力される撮像信号に基づき、表示部15に観察像Dを表示させる。
固視制御部42は、例えば非接触式眼圧計10の電源のオン操作に応じて作動する。この固視制御部42は、固視標投影光学系23を制御して固視標用光源23aを点灯させることで、被検眼Eに対して固視標の光束を投影して被検者の視線を固定する。
アライメント制御部44は、詳しくは後述するが、測定ヘッド14のアライメント開始操作に応じて、駆動機構13を駆動して被検眼Eに対する測定ヘッド14のアライメントを行う。なお、測定ヘッド14のアライメントには、アライメントを自動的に行うオートアライメントと、アライメントを手動操作に応じて行う手動アライメントと、が含まれるが、ここではオートアライメントを例に挙げて説明を行う。
また、アライメント制御部44は、詳しくは後述するが、オートアライメントの中の微Zアライメントの実行中に、ノズル21bが被検者の顔に近接するおそれがある場合に静電容量型センサ36を作動させて、この静電容量型センサ36の検出結果に基づきノズル21bが被検者の顔に近接している場合にはアライメントを停止させる。
吹付制御部46は、例えば被検眼Eに対する測定ヘッド14のオートアライメントが完了した場合に作動する。この吹付制御部46は、吹付機構34のソレノイド34gを駆動して、シリンダ34d内でピストン34fを移動させる。これにより、ピストン34fによってチャンバー34a内の空気が圧縮されて、ノズル21bから角膜Ecに空気が吹き付けられる。
測定制御部48は、吹付制御部46の作動に合せて作動する。この測定制御部48は、少なくともノズル21bから角膜Ecに空気が吹き付けられている間、XYアライメント指標投影光学系22及び圧平検出光学系24を制御して、XYアライメント用光源22aの点灯と、受光センサ24cによるXY指標反射光の受光と、を実行させる。これにより、ノズル21bから角膜Ecに空気が吹き付けられている間、XYアライメント指標投影光学系22から角膜Ecに対してXYアライメント指標光が連続的に投影される。また同時に、受光センサ24cがXY指標反射光を連続的に受光して、このXY指標反射光の検出信号を連続的に眼圧値演算部50へ出力する。
眼圧値演算部50は、受光センサ24cからのXY指標反射光の検出信号の入力に応じて作動する。眼圧値演算部50は、XY指標反射光の検出信号に基づいた圧平波形のピーク位置を公知の手法で解析する。次いで、眼圧値演算部50は、圧平波形のピーク位置と、このピーク位置に対応する圧平波形の信号強度及び圧力センサ34cの検出結果に基づき、公知の方法で被検眼Eの眼圧値を演算する。そして、眼圧値演算部50は、被検眼Eの眼圧値の演算結果を、眼圧値の測定結果として不図示の記憶部に記憶させると共に表示部15に表示させる。
[アライメント制御部]
図8は、図7中のアライメント制御部44の機能ブロック図である。図8に示すように、アライメント制御部44は、測定ヘッド14のオートアライメントを制御する。このオートアライメントには、簡易的な粗アライメントと、精密な微アライメント(精密アライメントともいう)と、が含まれる。
粗アライメントには、XY方向の粗XYアライメントと、Z方向の粗Zアライメントと、が含まれる。また、微アライメントには、XY方向の微XYアライメントと、Z方向の微Zアライメントと、が含まれる。このため、アライメント制御部44は、粗XYアライメント制御部52、粗Zアライメント制御部54、微Zアライメント制御部56、及び微XYアライメント制御部58として機能する。また、アライメント制御部44は、微Zアライメントの実行中に監視制御部60として機能する。
(粗XYアライメント)
粗XYアライメントは、XY方向の簡易アライメントであり、アライメント開始操作に応じて最初に実行される。既述の通り、XYアライメント指標光はノズル21bの内部を通って角膜Ecに照射され、角膜EcによるXY指標反射光はノズル21bの内部を通って撮像素子21iの受光面上に結像される。このため、被検眼EのXY方向のアライメント状態が大きくずれている状態、例えばオートアライメント開始前の待機状態(以下、待機状態と略す)では、XY指標反射光がノズル21bによりケラレてしまうため、撮像素子21iの受光面上にXYスポット62(図13参照)が形成されない。
そこで、粗XYアライメントでは、前眼部観察光学系21で取得される被検眼Eの前眼部の観察像Dに基づき、被検眼Eの瞳孔の略中心部のXY方向位置を光軸O1上に位置合わせする。
図9は、粗XYアライメント制御部52による粗XYアライメントの実行を説明するための説明図である。図9に示すように、待機状態では、前眼部観察光学系21が観察像Dの取得を連続的に行うと共にこの観察像Dを表示部15に連続的に出力する。これにより、観察像Dが表示部15に動画表示される。アライメント開始操作として、検者が表示部15の画面内で被検眼Eの瞳孔中心部を指定する指定操作が実行されると、粗XYアライメント制御部52が作動する。
粗XYアライメント制御部52は、表示部15の画面内で検者が指定した指定位置に基づき、この指定位置が撮像素子21iの中心位置に移動するように、駆動機構13を駆動して測定ヘッド14をXY方向に移動させる粗XYアライメントを実行する。これにより、被検眼Eの瞳孔の略中心部のXY方向位置が光軸O1上に簡易的に位置合わせされるので、XY指標反射光がノズル21bによりケラレてしまうことが防止される。なお、被検眼Eの瞳孔中心と角膜頂点EpとのXY方向位置は必ずしも一致しないので、後述のXYスポット62を利用した微XYアライメントが必要となる。
(粗Zアライメント)
図10は、粗Zアライメントを説明するための説明図である。なお、図中の作動位置P0は、眼圧測定時の被検眼Eの角膜頂点Epの適切なZ方向位置を示す。作動距離WDは、ノズル21bの先端と作動位置P0との間のZ方向距離を示す。平均角膜位置Q0は、既述の待機状態での平均的な角膜頂点EpのZ方向位置を示す。なお、個人差により角膜頂点EpのZ方向位置には±10mmのばらつきが発生するため、待機状態での角膜頂点EpのZ方向位置は、前端角膜位置Q1及び後端角膜位置Q2との間で変化する。
待機距離SDは、既述の待機状態でのノズル21bの先端と平均角膜位置Q0との間のZ方向距離を示す。Z検出範囲ZRは、Zアライメント検出光学系26でZ指標反射光を受光可能な角膜EcのZ方向の位置範囲を示す。
図10に示すように、作動距離WDは例えば11mmであり、Z検出範囲ZRは例えば作動位置P0±5mmであり、待機距離SDは例えば20mmである。粗Zアライメント及び微Zアライメントでは、最終的に角膜頂点Epが作動位置P0に移動するように測定ヘッド14をZ方向に相対移動させるが、待機状態では作動位置P0から角膜頂点EpまでのZ方向距離が個人差により10mm~30mmの間で変化する。このため、待機状態において、このZ方向距離が短くなる被検者であればZアライメント検出光学系26でZ指標反射光を受光可能であるが、大部分の被検者ではZアライメント検出光学系26でZ指標反射光を受光不可能である。
そこで、粗Zアライメントでは、Zアライメント検出光学系26でZ指標反射光が検出されるように、すなわち角膜EcがZ検出範囲ZR内に含まれるように測定ヘッド14をZ方向前方側(被検眼E側)に移動させる。
具体的には粗Zアライメント制御部54は、粗XYアライメントが完了すると、駆動機構13を駆動して測定ヘッド14をZ方向前方側に移動させる粗アライメントを開始する。角膜Ecが平均角膜位置Q0にある場合には、粗Zアライメントで測定ヘッド14をZ方向前方側に10mm前進させることにより、Zアライメント検出光学系26でZ指標反射光が検出可能になる。また、角膜Ecが後端角膜位置Q2にある場合であっても、粗Zアライメントで測定ヘッド14をZ方向前方側に20mm前進させることにより、Zアライメント検出光学系26でZ指標反射光が検出可能になる。
このように、粗ZアライメントによってZアライメント検出光学系26でZ指標反射光が検出可能になることで、このZアライメント検出光学系26から出力されるZ検出信号に基づいた微Zアライメントが実行可能になる。従って、粗Zアライメント制御部54は、Zアライメント検出光学系26でZ指標反射光が検出されると、粗アライメントを終了する。
(微Zアライメント)
図11は、微Zアライメント時の角膜EcのZ方向位置ごとのZアライメント指標光及びZ指標反射光の光束を示した説明図である。図12は、角膜EcのZ方向位置ごとの受光センサ26cへのZ指標反射光の入射位置と、受光センサ26cから出力されるZ検出信号の信号強度と、を示した説明図である。
なお、図11において、符号L0は、角膜頂点Epが作動位置P0にある場合のZアライメント指標光及びZ指標反射光の光束を示す。符号L1は、角膜頂点EpがZ検出範囲ZR内で作動位置P0よりもZ方向前方側の近位置P1にある場合のZアライメント指標光及びZ指標反射光の光束を示す。符号L2は、角膜頂点EpがZ検出範囲ZR内で作動位置P0よりもZ方向後方側の遠位置P2にある場合のZアライメント指標光及びZ指標反射光の光束を示す。
また、図12において、符号Sig0は角膜頂点Epが作動位置P0にある場合のZ検出信号を示し、符号Sig1は角膜頂点Epが近位置P1にある場合のZ検出信号を示し、符号Sig2は角膜頂点Epが遠位置P2にある場合のZ検出信号を示す。
図11及び図12に示すように、微Zアライメントは、Zアライメント検出光学系26から出力されるZ検出信号に基づき、角膜頂点EpのZ方向位置を作動位置P0に位置調整する。角膜頂点Epが作動位置P0に位置している場合、すなわち適切な作動距離WDが維持されている場合、Z指標反射光は受光センサ26cの略中央部に入射する。この場合にはZ検出信号の信号強度も強くなる。
一方、角膜頂点Epが作動位置P0からZ方向前方側(近位置P1側)にずれている場合には受光センサ26cに対するZ指標反射光の入射位置が図12中の+方向側にずれ、逆に角膜頂点Epが作動位置P0からZ方向後方側(遠位置P2側)にずれている場合には受光センサ26cに対するZ指標反射光の入射位置が図12中の-方向側にずれる。この場合には、受光センサ26c上でのZ指標反射光の結像状態が悪化するため、Z検出信号の信号強度が弱くなる。
そこで、微Zアライメントでは、Zアライメント検出光学系26から出力されるZ検出信号の検出結果、すなわち受光センサ26cに対するZ指標反射光の入射位置及びZ検出信号の信号強度等に基づき、測定ヘッド14のZ方向位置を微調整する。
具体的には微Zアライメント制御部56は、粗Zアライメントが完了すると、すなわちZアライメント検出光学系26からZ検出信号が出力されると作動する。微Zアライメント制御部56は、Zアライメント検出光学系26によるZ検出信号の検出結果に基づき、受光センサ26c上でのZ検出信号の入射位置が受光センサ26cの所定位置(中央位置)に移動するように、駆動機構13を駆動して測定ヘッド14の微Zアライメントを実行する。これにより、角膜頂点Epが作動位置P0に位置調整される。
また、微Zアライメントの途中で前眼部観察光学系21の撮像素子21iの受光面に結像されるXYスポット62(図13参照)の結像状態が次第に良好になるので、前眼部観察光学系21から出力される観察像DからXYスポット62が検出可能になる。これにより、XYスポット62に基づいた微XYアライメントが可能になる。
(微XYアライメント)
図13は、微XYアライメントを説明するための説明図である。図13及び既述の図8に示すように、微XYアライメントは、前眼部観察光学系21から出力される観察像D内のXYスポット62を利用して、角膜頂点EpのXY方向位置を光軸O1上(撮像素子21iの中心)に位置調整する。
具体的には微XYアライメント制御部58は、微Zアライメントの実行中に前眼部観察光学系21から観察像Dが出力されるごとに、この観察像DからXYスポット62を検出可能であるか否かを判定する。そして、微XYアライメント制御部58は、XYスポット62が検出可能になったと判定した場合には、観察像Dから検出したXYスポット62に基づき駆動機構13を駆動して微XYアライメントを実行、すなわち測定ヘッド14のXY方向位置を調整する。これにより、角膜頂点EpのXY方向位置が光軸O1上に位置調整される。
[接近監視制御]
図14は、監視制御部60による静電容量型センサ36を用いた被検者の顔の接近検出の実行条件を説明するための説明図である。監視制御部60は、微Zアライメントの実行中においてノズル21bが被検者の顔に接触するおそれがある場合に、静電容量型センサ36から出力される静電容量の検出値に基づき、微アライメントの実行中にノズル21bが被検者の顔に近接しているか否かを判定して、ノズル21bが被検者の顔に近接した場合には微Zアライメントを中止する。この際に、静電容量型センサ36を用いた被検者の顔の接近検出を微Zアライメント中に常時行うと、被検者の顔の形状等によってはノズル21bが被検者の顔に接触するおそれがないのにも関わらず、被検者の顔にノズル21bが近接していると判定されるおそれがある。
例えば図14の符号XIVAに示すように、粗XYアライメントが精度良く行われている場合であっても、微Zアライメントの実行中に測定ヘッド14をZ方向前方側(被検者側)に移動させる途中で、静電容量型センサ36の検出範囲RD内に被検者の鼻梁(或いは額や頬)が含まれる場合ある。この場合には、微Zアライメントを継続してもノズル21bが鼻梁に接触するおそれがないのにも関わらず、被検者の顔にノズル21bが近接していると判定されてしまう。このため、この場合には、静電容量型センサ36を用いた被検者の顔の接近検出を停止した方が好ましい。
一方、図14の符号XIVBに示すように、粗XYアライメント後でも被検眼Eと光軸O1のXY方向位置が大きくずれている場合には、微Zアライメントを実行するとノズル21bが被検者の顔に接触するおそれがある。この場合には、静電容量型センサ36を用いた被検者の顔の接近検出を行う必要がある。
ここで、粗XYアライメントに問題がある等の理由でノズル21bが被検者の顔に接触するおそれがある場合には、アライメントがずれているため、Zアライメント検出光学系26の受光センサ26cにZ指標反射光が入射せず、Zアライメント検出光学系26から微Zアライメントに好適なZ検出信号が出力されない。逆に粗XYアライメントに問題がなくノズル21bが被検者の顔に接触するおそれがない場合には、受光センサ26cにZ指標反射光が入射するため、Zアライメント検出光学系26から微Zアライメントに好適なZ検出信号が出力される。
換言すると、Zアライメント検出光学系26から微Zアライメントに好適なZ検出信号が出力される場合には、被検眼Eと測定ヘッド14との相対位置関係が明確であり、ノズル21bが被検者の顔に接触する可能性は低い。従って、既述の符号XIVAに示したように、ノズル21bが被検者の鼻梁(額或いは頬)に近接する場合であっても、被検眼E(角膜Ec)の位置が既知であるので、ノズル21bが被検眼Eに接触する危険性はなく、眼圧測定が可能である。
逆にZアライメント検出光学系26から微Zアライメントに好適なZ検出信号が出力されない場合には、被検眼Eに対する測定ヘッド14のXY方向のアライメントが大きくずれていることで測定ヘッド14の正面に被検眼Eの代わりに鼻梁、頬、額などが存在していたり、瞼を閉じていたりすることが考えられる。また、測定ヘッド14が被検眼Eに対してZ方向に大きく離れていたり、或いは近すぎたりすることも考えられる。このような場合には、被検眼Eと測定ヘッド14との相対位置関係が不明確であるから、ノズル21bが被検者の顔、特に被検眼Eに接触する可能性がある。従って、微Zアライメントの実行中において、Zアライメント検出光学系26から微Zアライメントに好適なZ検出信号が出力されているか否かに基づき、ノズル21bが被検者の顔に接触するおそれの無有を判定可能である。
そこで、監視制御部60は、微Zアライメントの実行中にZアライメント検出光学系26からのZ検出信号の出力が途切れた場合或いはZ検出信号が微Zアライメントに好適ではない場合、すなわち被検眼Eと測定ヘッド14との相対位置関係が不明確(検出不能)になった場合に、静電容量型センサ36を用いた被検者の顔の接近検出を行う。これにより、監視制御部60は、被検者の顔に対するノズル21bの近接の有無を判定する。そして、監視制御部60は、ノズル21bが被検者の顔に近接した場合には微Zアライメントを中止する。
図8に戻って、監視制御部60は、検出制御部60a、判定部60b、停止制御部60c、及び報知制御部60dとして機能する。
検出制御部60aは、微Zアライメントの実行中において、Zアライメント指標投影光学系25による角膜Ecに対するZアライメント指標光の投影と、Zアライメント検出光学系26によるZ指標反射光の検出及びZ検出信号の出力と、を継続させる。
判定部60bは、微Zアライメントの実行中において、Zアライメント検出光学系26からZ検出信号が出力されている間は作動せず、Zアライメント検出光学系26からのZ検出信号の出力が途切れた場合或いはZ検出信号が微Zアライメントに好適ではない場合に作動すると共に、静電容量型センサ36を用いた被検者の顔の接近検出を開始させる。これにより、静電容量型センサ36から静電容量の検出値から判定部60bに逐次入力される。なお、静電容量型センサ36は判定部60bが判定を行う場合のみ作動してもよいし、或いは静電容量型センサ36を常時作動させておき、判定部60bが判定を行う場合にのみ判定部60bが静電容量型センサ36から検出値を取得してもよい。
判定部60bは、静電容量型センサ36から新たな静電容量の検出値を取得するごとに、この検出値が予め定めた閾値よりも大きくなるか否かの判定を継続的に行う。この閾値は、例えば、ノズル21bと被検者の顔との間の距離(以下、顔距離という)が5mmになる場合の静電容量の検出値、すなわち、顔のまつ毛にノズル21bが接触する顔距離に対応した静電容量の検出値に基づき定められる。従って、判定部60bは、静電容量型センサ36から新たな静電容量の検出値を取得するごとに、顔距離が所定の閾値未満になったか否かの判定を継続的に行っているともいえる。
停止制御部60cは、Zアライメント検出光学系26からZ検出信号が出力されている間、又は判定部60bが否と判定している間は作動せず、判定部60bにより静電容量の検出値が閾値よりも大きくなった(顔距離が閾値未満となった)と判定された場合、すなわちノズル21bが被検者の顔に近接しているとの判定がなされた場合に作動する。停止制御部60cは、駆動機構13を駆動して微Zアライメント(オートアライメント)を停止させた後、測定ヘッド14(ノズル21b)を被検眼Eから遠ざかるように退避させる。この場合に停止制御部60cは、本発明の危険回避動作制御部として機能し、危険回避動作として、オートアライメントの停止(測定ヘッド14の移動停止)及び測定ヘッド14の退避を行う。なお、測定ヘッド14の移動停止及び退避のいずれか一方のみを行ってもよい。
図15は、報知制御部60dによる警告情報64の報知の一例を示した説明図である。図15及び既述の図8に示すように、報知制御部60dは、表示部15と共に本発明の報知部として機能する。この報知制御部60dは、判定部60bによる近接判定がなされた場合に、ノズル21bが被検者の顔に近接していることを示す警告情報64を表示部15に表示させる。なお、報知制御部60dが、警告情報64を表示部15に表示させる代わりに或いは表示させると共に、警告情報64を不図示のスピーカから音声出力させたり、非接触式眼圧計10の一部を振動させたりしてもよい。
[第1実施形態の非接触式眼圧計の作用]
図16は、本発明の眼科装置に制御方法に係る上記構成の第1実施形態の非接触式眼圧計10による被検眼Eの眼圧測定処理の流れを示したフローチャートである。図16に示すように、非接触式眼圧計10の電源がオンされると、非接触式眼圧計10の各光学系が作動し、前眼部観察光学系21により取得された被検眼Eの前眼部の観察像Dが表示部15に表示(動画表示)される。そして、検者は、被検者の顔が顔支持部12に支持されると、観察像Dが表示部15内に表示されるように操作部38を操作して顔位置調整(顎受け部12aの高さ調整等)を行う(ステップS1、ステップS2でNO)。
表示部15に観察像Dが表示されると、検者は、既述の図9に示したようにアライメント開始操作として、表示部15の画面内(観察像D内)で被検眼Eの瞳孔中心部を指定する指定操作を行う。この操作を受けて粗XYアライメント制御部52が、表示部15の画面内で検者が指定した指定位置が撮像素子21iの中心位置に移動するように、駆動機構13を駆動して測定ヘッド14の粗XYアライメントを実行する(ステップS3)。
粗XYアライメントが完了すると、粗Zアライメント制御部54が、既述の図10に示しように、駆動機構13を駆動して測定ヘッド14の粗Zアライメントを開始する(ステップS4)。この粗Zアライメントは、Zアライメント検出光学系26からZ検出信号が出力されるまで継続する。なお、所定時間が経過もしくは所定量移動してもZアライメント検出光学系26からZ検出信号が出力されない場合には、ステップS2からの処理が繰り返される(ステップS5でNO)。
粗Zアライメントにより角膜EcがZ検出範囲ZR内に移動すると、Zアライメント検出光学系26でZ指標反射光が検出され、Zアライメント検出光学系26からZ検出信号が出力される(ステップS5でYES)。
Zアライメント検出光学系26からZ検出信号が出力されると、微Zアライメント制御部56が、既述の図11及び図12に示したように、Zアライメント検出光学系26によるZ検出信号の検出結果に基づき、駆動機構13を駆動して測定ヘッド14の微Zアライメントを開始させる(ステップS6、本発明のアライメント制御ステップに相当)。
また、微Zアライメントの開始に応じて、既述の図8に示した監視制御部60が作動する。最初に検出制御部60aは、微Zアライメントの実行中においてもZアライメント指標投影光学系25及びZアライメント検出光学系26の作動を継続させる。これにより、Zアライメント検出光学系26からのZ検出信号の出力が継続される(ステップS7、本発明の検出制御ステップに相当)。この際には静電容量型センサ36を用いた被検者の顔の接近検出が行われていないので、図14の符号XIVAに示したように、ノズル21bが被検者の顔に接触するおそれがないのにも関わらず被検者の顔にノズル21bが近接しているとの判定がなされて、微Zアライメントが停止されることが防止される。
微Zアライメント及びZアライメント検出光学系26からのZ検出信号の出力が継続されると、撮像素子21iの受光面に結像されるXYスポット62の結像状態が次第に良好になる(ステップS8でYES)。微XYアライメント制御部58は、前眼部観察光学系21から観察像Dが出力されるごとに、この観察像DからXYスポット62を検出可能であるか否かを判定する(ステップS9でNO)。
そして、微XYアライメント制御部58は、観察像DからXYスポット62が検出可能になると(ステップS9でYES)、既述の図13に示したように観察像Dから検出したXYスポット62に基づき駆動機構13を駆動して測定ヘッド14の微XYアライメントを開始する。これにより、測定ヘッド14の微XYZアライメントが行われる(ステップS10)。以下、微XYZアライメントが完了するまで、ステップS8からステップS11の処理が繰り返し実行される(ステップS11でNO)。
Zアライメント検出光学系26からのZ検出信号の出力が途切れることなく微XYZアライメントが完了すると(ステップS11でYES)、吹付制御部46が吹付機構34を駆動してノズル21bから被検眼Eの角膜Ecに対して空気が吹き付けられる(ステップS12)。また同時に、測定制御部48がXYアライメント指標投影光学系22及び圧平検出光学系24を制御して、角膜Ecに対するXYアライメント指標光の投影と、受光センサ24cによるXY指標反射光の受光と、受光センサ24cから眼圧値演算部50に対するXY指標反射光の検出信号の出力と、を実行させる。
そして、眼圧値演算部50が、受光センサ24cから入力されるXY指標反射光の検出信号に基づき、被検眼Eの眼圧値を演算する。この眼圧値は、不図示の記憶部に記憶されると共に、表示部15に表示される(ステップS13)。
一方、微Zアライメントの途中においてZアライメント検出光学系26からのZ検出信号の出力が途切れるなどの原因で、被検眼Eと測定ヘッド14との相対位置関係が不明確(検出不能)になった場合(ステップS8でNO)、判定部60bは、静電容量型センサ36から静電容量の検出値を逐次取得する(ステップS14)。
そして、判定部60bは、静電容量型センサ36から新たな静電容量の検出値を取得するごとに、この検出値が予め定めた閾値よりも大きくなるか否か、すなわち顔距離が所定の閾値未満になったか否かを判定する近接判定を行う(ステップS15、本発明の判定ステップに相当)。判定部60bが否と判定した場合、すなわちノズル21bが被検者の顔に近接していないと判定した場合には、ステップS8以降の処理が継続される(ステップS16でNO)。
逆に、判定部60bによりノズル21bが被検者の顔に近接しているとの判定がなされた場合(ステップS16でYES)、停止制御部60cが、駆動機構13を駆動して微Zアライメント(微XYアライメントも同様)を停止させる(ステップS17、本発明の危険回避動作ステップに相当)。これにより、被検者の顔に対するノズル21bの衝突が防止される。
また同時に、報知制御部60dが既述の図15に示したように警告情報64を表示部15に表示させる(ステップS18)。これにより、ノズル21bが被検者の顔に近接したこと検者に知らせることができる。そして、停止制御部60cが、駆動機構13を駆動して、測定ヘッド14を被検眼Eから遠ざかるように退避させる(ステップS19)。
[第1実施形態の効果]
以上のように第1実施形態では、微Zアライメントの実行中に被検眼Eと測定ヘッド14との相対位置関係が不明確になった場合に静電容量型センサ36を用いた被検者の顔の接近検出を行い、それ以外の場合には上記接近検出を省略可能である。このため、ノズル21bが被検者の顔に接触する可能性がある場合には上記接近検出を行うことで、微Zアライメント中の被検者の顔へのノズル21bの接触が防止される。また、ノズル21bが被検者の顔に接触する可能性がない場合には上記接近検出を省略することで、ノズル21bが被検者の顔に接触するおそれがないのにも関わらず被検者の顔にノズル21bが近接しているとの判定がなされることが防止されるため、微Zアライメントを簡単且つ短時間で行うことができる。その結果、微Zアライメント中の被検者の顔へのノズル21bの接触を防止しつつ、この微Zアライメントを簡単且つ短時間で行うことができる。
[第2実施形態]
図17は、第2実施形態の非接触式眼圧計10による被検眼Eの眼圧測定処理の流れを示したフローチャートである。なお、第2実施形態の非接触式眼圧計10の構成は上記第1実施形態と基本的に同じであるので、上記第1実施形態と機能又は構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。
上記第1実施形態では、既述の図16のステップS8で示したように微Zアライメントの途中でZアライメント検出光学系26からのZ検出信号の出力が途切れるなどした場合に、判定部60bによる静電容量型センサ36からの静電容量の検出値の取得(ステップS14)と判定(ステップS15)とが直ちに開始される。この場合には、被検眼Eの瞬き或いは瞬間的な視線の移動によって上述のZ検出信号の出力が途切れるなどしても、静電容量型センサ36を用いた被検者の顔の接近検出が開始されてしまう。
そこで図17に示すように、第2実施形態では、Zアライメント検出光学系26からのZ検出信号の出力が途切れるなどした状態が予め定めた一定時間継続した場合に(ステップS8AでYES)、ステップS14以降の処理が開始される。これにより、上述のように被検眼Eの瞬き或いは瞬間的な視線の移動によって不要な接近検出が開始されることが防止されるので、第1実施形態よりもアライメントを簡単且つ短時間で行うことができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態の非接触式眼圧計10について説明を行う。上記各実施形態の非接触式眼圧計10は、微Zアライメントの実行中にZアライメント検出光学系26からのZ検出信号の出力が途絶えた場合(被検眼Eと測定ヘッド14との相対位置関係が検出不能になった場合)にのみ、判定部60bが静電容量型センサ36からの検出値の取得と近接判定とを実行している。これに対して、第3実施形態の非接触式眼圧計10では、微Zアライメントの実行中に判定部60bが検出値の取得と近接判定(静電容量型センサ36の検出値が閾値よりも大きくなるか否かの判定)とを繰り返し実行する。従って第3実施形態の非接触式眼圧計10では、微Zアライメントの実行中に、Zアライメント検出光学系26からZ検出信号が出力されているか否かの判定と、近接判定と、が繰り返し実行される。
なお、第3実施形態の非接触式眼圧計10は、上記各実施形態の非接触式眼圧計10と基本的に同じ構成であるので、上記各実施形態と機能又は構成上同一のものについては、同一符号を付してその説明は省略する。
図18は、第3実施形態の非接触式眼圧計10による被検眼Eの眼圧測定処理の流れを示したフローチャートである。なお、図中のステップS1からステップS7までの処理は、図16に示した第1実施形態と基本的に同じであるので、ここでは具体的な説明を省略する。
図18に示すように、測定ヘッド14の微Zアライメントが開始されると(ステップS6、図16参照)、検出制御部60aがZアライメント指標投影光学系25及びZアライメント検出光学系26の作動を継続することで、Zアライメント検出光学系26からのZ検出信号の出力が継続する(ステップS7)。
また同時に、第3実施形態の判定部60bが、静電容量型センサ36からの静電容量の検出値を取得して(ステップS8B)、この検出値が閾値よりも大きくなるか否か、すなわちノズル21bが被検者の顔に近接したか否かの近接判定を開始する(ステップS8C)。これにより、第3実施形態では、微Zアライメントの実行中に判定部60bが検出値の取得と近接判定とを継続的に行う。
第3実施形態では、Zアライメント検出光学系26からのZ検出信号の出力が継続している場合には、判定部60bによる近接判定の判定結果に関係なく、微Zアライメントが継続する(ステップS8DでNO)。このように第3実施形態では、被検眼Eと測定ヘッド14との相対位置関係が明確である限り、ノズル21bが被検者の顔に接触するおそれがないので微Zアライメント(微XYアライメントも同様)を継続する。なお、Zアライメント検出光学系26からのZ検出信号の出力が継続している状態において、判定部60bによりノズル21bが被検者の顔に近接している(静電容量の検出値が閾値よりも大きい)との判定がなされた場合には、既述の警告情報64の報知を行ったり、測定ヘッド14の移動速度を減速させたりしてもよい。
以下、Zアライメント検出光学系26からのZ検出信号の出力が途切れることなく継続している場合には、図16及び図17にした上記各実施形態と同様のステップS9からステップS13までの処理が実行される。
一方、第3実施形態の停止制御部60cは、Zアライメント検出光学系26からのZ検出信号の出力が途切れ且つ判定部60bによりノズル21bが被検者の顔に近接している(静電容量の検出値が閾値よりも大きい)との判定がなされた場合に(ステップS8DでYES)、既述のステップS17の処理(微XYZアライメント停止)を実行する。以下、第1実施形態と同様にステップS18以降の処理が実行される。
以上のように第3実施形態では、被検眼Eと測定ヘッド14との相対位置関係が検出不能な場合であって且つ被検者の顔にノズル21bが近接しているとの判定がなされた場合にのみ微XYZアライメントを停止させ、それ以外の場合には微XYZアライメントが継続する。これにより、ノズル21bが被検者の顔に接触するおそれがないのにも関わらず微XYZアライメントが停止される、すなわち危険回避動作が実行されることが防止されるので、上記第1実施形態と同様の効果が得られる。
[第4実施形態]
図19は、第4実施形態の非接触式眼圧計10による被検眼Eの眼圧測定処理の流れを示したフローチャートである。なお、第4実施形態の非接触式眼圧計10の構成は、上記各実施形態と基本的に同じであるので、上記各実施形態と機能又は構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。
図19に示すように、第4実施形態の停止制御部60cは、上記第2実施形態(図17参照)で説明したように、Zアライメント検出光学系26からのZ検出信号の出力が途切れた状態が一定時間以上継続したか否かを判定する。そして、停止制御部60cは、Z検出信号の出力が途切れた状態が一定時間継続した場合であって(ステップS8EでYES)、且つ判定部60bによりノズル21bが被検者の顔に近接しているとの判定がなされた場合に(ステップS8FでYES)、駆動機構13を駆動して微XYZアライメントを停止させる(ステップS17)。以下、上記各実施形態と同様にステップS18以降の処理が実行される。
また、第4実施形態では、Z検出信号の出力が途切れたとしてもその状態が一定時間継続しない場合(ステップS8EでNO)、或いはノズル21bが被検者の顔に近接していないと判定部60bが判定している間は(ステップS8FでNO)、既述のステップS9からステップS13までの処理を実行する。
以上のように第4実施形態では、被検眼Eと測定ヘッド14との相対位置関係が検出不能になった状態が一定時間継続し且つ被検者の顔にノズル21bが近接しているとの判定がなされた場合にのみ微XYZアライメントを停止するので、上記第2実施形態で説明した効果と同様の効果が得られる。
[第5実施形態]
図20は、第5実施形態の非接触式眼圧計10による被検眼Eの眼圧測定処理の流れを示したフローチャートである。なお、第5実施形態の非接触式眼圧計10の構成は、上記各実施形態と基本的に同じであるので、上記各実施形態と機能又は構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。
図20に示すように、第5実施形態の停止制御部60cは、微Zアライメントの実行中に、Zアライメント検出光学系26からのZ検出信号の出力が途切れた回数(Z検出信号の検出不能回数)をカウント(カウントアップ)する(ステップS8GでNO、ステップS8H)。そして、停止制御部60cは、Z検出信号の出力が途切れた回数のカウント数が所定の上限回数に達し(ステップS8IでYES)、且つ判定部60bによりノズル21bが被検者の顔に近接しているとの判定がなされた場合に(ステップS8JでYES)、駆動機構13を駆動して微XYZアライメントを停止させる(ステップS17)。以下、上記各実施形態と同様にステップS18以降の処理が実行される。
一方、第5実施形態では、上述のカウント数が上限回数に達するまでの間(ステップS8IでNO)、或いはノズル21bが被検者の顔に近接していないと判定部60bが判定している間は(ステップS8JでNO)、既述のステップS9からステップS13までの処理を実行する。
以上のように第5実施形態では、Z検出信号の出力が途切れた回数、すなわち被検眼Eと測定ヘッド14との相対位置関係が検出不能になった回数が所定の上限回数に達し且つ被検者の顔にノズル21bが近接しているとの判定がなされた場合にのみ微XYZアライメントを停止する。これにより、上記第2実施形態(上記第4実施形態)と同様に、被検眼Eの瞬き或いは瞬間的な視線の移動に起因した微XYZアライメントの停止、すなわち危険回避動作の実行が防止される。その結果、上記第2実施形態で説明した効果と同様の効果が得られる。
なお、上記第2実施形態(図17参照)においても、上記第5実施形態で説明したように、Z検出信号の出力が途切れた回数が所定の上限回数に達した場合にのみステップS14以降の処理を実行してもよい。
[第6実施形態]
図21は、第6実施形態の非接触式眼圧計10のブロック図である。上記各実施形態では、被検眼Eに対する測定ヘッド14のアライメントとしてオートアライメント(粗XYZアライメント、微XYZアライメント)を行っているが、第6実施形態の非接触式眼圧計10では手動アライメントを行う。なお、第6実施形態の非接触式眼圧計10は、操作部38に操作レバー38aが設けられており、且つ制御装置16がモード切替制御部70として機能する点を除けば、上記各実施形態の非接触式眼圧計10と基本的に同じ構成である。このため、上記各実施形態と機能又は構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。
操作レバー38aは、手動アライメント時に測定ヘッド14をXYZ方向に移動させる際に操作される操作部材である。例えば、操作レバー38aがZ方向(前後方向)又はX軸方向(左右方向)に傾倒操作されると、アライメント制御部44が、駆動機構13を駆動して測定ヘッド14をZ方向又はX方向に移動させる。また、操作レバー38aがその長手軸周りに回転操作されると、その回転操作方向に応じて駆動機構13が測定ヘッド14をY方向(上下方向)に移動させる。
モード切替制御部70は、静電容量型センサ36から取得した静電量の検出値に基づき、手動アライメント時にアライメント制御部44が駆動機構13を駆動する駆動モードを、通常モード及び速度制限モードのいずれか一方に選択的に切り替える。
具体的にはモード切替制御部70は、静電容量型センサ36から取得した静電量の検出値が予め定められた閾値以下である場合、すなわちノズル21bが被検者の顔に近接していない場合には、駆動モードを通常モードに切り替える。この通常モードは、操作レバー38aの傾倒角度或いは回転角度が大きくなるほど測定ヘッド14の移動速度を増加させ、逆に操作レバー38aの傾倒角度或いは回転角度が小さくなるほど測定ヘッド14の移動速度を減少させるモードである。これにより、操作レバー38aを最大角度で傾倒或いは回転させることで、設定された最大速度で測定ヘッド14を移動させることができる。
一方、モード切替制御部70は、静電容量型センサ36から取得した静電量の検出値が閾値よりも大きくなる場合、すなわちノズル21bが被検者の顔に近接している場合には、駆動モードを速度制限モードに切り替える。速度制限モードは、少なくとも測定ヘッド14のZ方向の前方向側への移動速度を、操作レバー38aの傾倒角度に応じた速度よりも減速させると共に、移動速度の最大速度にも制限を設けているモードである。これにより、操作レバー38aを前方向側に一定角度以上傾倒させても、測定ヘッド14の前方向側への移動速度は制限される。なお、操作レバー38aの前方向側への傾倒角度が一定角度に達するまでは通常モードと同じ移動速度に設定し、この傾倒角度が一定角度を超えてから移動速度を制限してもよい。
図22は、第6実施形態の非接触式眼圧計10による被検眼Eの眼圧測定処理の流れを示したフローチャートである。図22に示すように被検眼Eに対する測定ヘッド14の手動アライメントが開始されると(ステップS22)、モード切替制御部70が、静電容量型センサ36から静電容量の検出値を取得し、この検出値が閾値を超えているか否かを判定、すなわちノズル21bが被検者の顔に近接したか否かを判定する近接判定を行う(ステップS23)。
モード切替制御部70は、静電容量の検出値が閾値以下である場合には、駆動機構13の駆動モードを通常モードに設定する(ステップS23でNO、ステップS24)。これにより、アライメント制御部44が、操作レバー38aの「傾倒方向及び傾倒角度」或いは「回転方向及び回転角度」応じて駆動機構13を駆動して、操作レバー38aの傾倒角度或いは回転角度に応じた速度で測定ヘッド14をXYZ方向に移動させる。
一方、モード切替制御部70は、静電容量の検出値が閾値よりも大きくなる場合には、駆動機構13の駆動モードを速度制限モードに設定する(ステップS23でYES、ステップS25)。これにより、アライメント制御部44は、少なくとも操作レバー38aがZ方向の前方向側に傾倒操作された場合には、駆動機構13を駆動して測定ヘッド14を前方向側に移動させる際の移動速度を通常モード時よりも制限、すなわち低速にする。これにより、ノズル21bが被検者の顔に近接している場合でも被検者の顔にノズル21bが接触し難くなる。なお、この場合には既述の警告情報64の報知を行ってもよい。
なお、アライメント制御部44は、速度制限モード下で操作レバー38aが前方向側以外の方向に傾倒操作されたり或いは回転操作されたりした場合には、駆動機構13を駆動して通常モード時と同様の移動速度で測定ヘッド14を移動させてもよい。
以下、手動アライメントが完了するまで、上述のステップS22からステップS25の処理が繰り返し実行される(ステップS26でNO)。そして、手動アライメントが完了すると(ステップS26でYES)、上記各実施形態と同様に、被検眼Eの眼圧測定(ステップS27)及び眼圧測定結果の表示(ステップS28)が実行される。
以上のように第6実施形態では、手動アライメント時にノズル21bが被検者の顔に近接している場合には、測定ヘッド14の少なくとも前方向側の移動速度を制限することができるので、被検者の顔にノズル21bを接触し難くすることができる。
[その他]
上記各実施形態では、微Zアライメント中にのみ監視制御部60を作動させているが、微XYアライメント中においても監視制御部60を作動させてもよい。この場合には、検出制御部60aが、前眼部観察光学系21によるXYアライメント指標光の出射とXYスポット62の撮像とその撮像信号の出力とを継続させる。また、判定部60bが、前眼部観察光学系21からの撮像信号の出力が途切れるなどした場合に、静電容量型センサ36を用いた被検者の顔の接近検出を行い、この検出結果に基づき近接判定を行う。なお、停止制御部60c及び報知制御部60dの動作は上記各実施形態と共通である。
上記各実施形態では、微Zアライメント(微XYアライメント)中にのみ監視制御部60を作動させているが、例えば、粗Zアライメント中においても監視制御部60の一部の機能を用いて、被検者の顔へのノズル21bの接触を防止してもよい。例えば判定部60bは、既述の図16のステップS5に示したように粗Zアライメントが開始されてから一定時間が経過してもZアライメント検出光学系26からZ検出信号が出力されない場合に、静電容量型センサ36を用いた被検者の顔の接近検出を行い、その検出結果に基づき近接判定を行う。そして、ノズル21bが被検者の顔に近接していると判定部60bが判定した場合には、停止制御部60c及び報知制御部60dが作動する。これにより、粗Zアライメント中の被検者の顔へのノズル21bの接触を防止することができる。
上記各実施形態では、被検眼Eに対する測定ヘッド14のアライメントとしてオートアライメントを例に挙げて説明したが、手動アライメントを行う場合にも本発明を適用可能である。手動アライメントでは、Zアライメント検出光学系26から出力されるZ検出信号及び観察像Dから検出されるXYスポット62に基づき、被検眼Eに対する測定ヘッド14のアライメント状態を表示部15に表示することで、この表示に従って検者が操作部38を操作してXYZ方向のアライメントを行う。この場合であっても、ノズル21bが被検者の顔に近接していると判定部60bが判定すると、操作部38に対する操作に関わらず、停止制御部60cが駆動機構13を駆動してアライメントを停止させると共に、報知制御部60dが警告情報64の報知を行う。そして、このアライメント停止後に操作部38に対して停止解除操作がなされた場合には、停止制御部60cによるアライメントの停止制御を解除してもよい。
上記各実施形態では、静電容量型センサ36の電極36aが半環状に形成されているが、ノズル21bに対する被検者の顔(被検眼E)の接近を検出可能であれば、電極36aの位置(例えばノズル21bの近傍)及び形状は適宜変更可能である。また、上記各実施形態では、ノズル21bの周囲に1個の静電容量型センサ36を設けているが、ノズル21bの周囲に複数の静電容量型センサ36を設けてもよい。この場合、判定部60bは、静電容量型センサ36ごとの静電容量の検出値のいずれかが閾値よりも大きくなった場合、ノズル21bが被検者の顔に近接していると判定する。
上記各実施形態では、静電容量型センサ36を用いて被検者の顔に対するノズル21bの接近を検出しているが、例えば超音波センサ及び赤外線近接センサ等の公知の1又は複数の非接触式センサ(近接センサ)を用いてもよい。
上記各実施形態では、ノズル21bから被検眼Eの角膜Ecに向けて空気を吹き付けているが、空気以外の各種流体を吹き付けてもよい。
上記各実施形態では、本発明の危険回避動作として、アライメントの停止(測定ヘッド14の移動停止)及び測定ヘッド14の退避を行っているが、測定ヘッド14の移動停止及び退避を行う代わりに、危険回避動作として報知制御部60dによる警告情報64の報知のみを行ってもよい。この場合には、報知制御部60d及び表示部15が本発明の危険回避動作制御部として機能する。
上記各実施形態では、本発明の眼科装置として非接触式眼圧計10を例に挙げて説明を行ったが、被検眼Eの各種眼特性を取得する各種眼科装置(複合機を含む)に本発明を適用可能である。