以下、図面を参照して本開示に係る路面段差解消ユニットを説明する。
図1は、本開示に係る段差解消ユニットの一実施形態を示す断面図である。図2は、図1に示す路面段差解消ユニット1の平面図である。本実施形態の路面段差解消ユニット1は、たとえば、高速道路や道路橋などの路面Rに設置され、路面Rに生じた段差Sを解消して車両の通行を可能にする。
このような路面Rの段差Sは、たとえば、震災等の自然災害により、高速道路や道路橋などの道路ジョイントに発生することがある。また、震災等の自然災害の発生時には、高速道路や道路橋などの道路ジョイントに、段差Sに加えて開きGが生じる場合がある。本実施形態の路面段差解消ユニット1は、高速道路や道路橋などの路面Rに生じた開きGも解消して、緊急車両や貨物自動車などの車両の通行を可能にする。
路面段差解消ユニット1は、底面11bに対して上面11aが所定の角度θで傾斜している2つ以上の路面段差解消材11と、平板状の複数の嵩上げ材12と、を備えている。各々の路面段差解消材11は、上面11aの傾斜方向Dtで2つ以上の分割路面段差解消材111,112,113に分割されている。また、本実施形態の路面段差解消ユニット1は、たとえば、平板状の渡し材13をさらに備えている。
図1に示すように、路面段差解消ユニット1は、たとえば、車両が段差Sを通過する方向である段差通過方向Dsにおいて、2つの路面段差解消材11を備えているが、段差Sの高さに応じて3つ以上の路面段差解消材11を備えていてもよい。また、各々の路面段差解消材11は、上面11aの傾斜方向Dtで3つの分割路面段差解消材111,112,113に分割されているが、2つまたは4つ以上に分割されていてもよい。
また、路面段差解消ユニット1は、段差通過方向Dsに並べられた2つ以上の路面段差解消材11を、段差通過方向Dsに直交する幅方向Dwに2組以上、備えている。図2に示す例では、路面段差解消ユニット1は、段差通過方向Dsに並べられた2つの路面段差解消材11を幅方向Dwに間隔をあけて2組備えている。なお、路面段差解消ユニット1は、段差通過方向Dsに並べられた2つ以上の路面段差解消材11を、幅方向Dwにおいて3組以上備えていてもよい。この場合、幅方向Dwに並べられた路面段差解消材11の各組は、たとえば、幅方向Dwにおいて隙間なく並べられていてもよい。
段差通過方向Dsに並んだ2つ以上の路面段差解消材11のうち、第1の路面段差解消材11Aは、上面11aの傾斜方向Dtを段差通過方向Dsに合わせて、段差Sから最も離れた位置で、段差Sの下側の路面Rの上に設置されている。複数の嵩上げ材12のうち、2つ以上の嵩上げ材12は、段差通過方向Dsにおいて、第1の路面段差解消材11Aに隣接して、段差Sの下側の路面Rの上に並べて配置されている。
図1に示す例において、路面段差解消ユニット1の複数の嵩上げ材12のうち、段差通過方向Dsにおいて、第1の路面段差解消材11Aに隣接して並べて配置される2つ以上の嵩上げ材12は、上下に2段以上で積み重ねられている。より具体的には、段差通過方向Dsにおいて、第1の路面段差解消材11Aの段差S側に隣接して4つの嵩上げ材12が並べて配置されており、これら段差通過方向Dsに並んだ4つの嵩上げ材12が、上下に3段で積み重ねられている。なお、段差通過方向Dsに並べて配置される嵩上げ材12は、2つ、3つ、または5つ以上であってもよく、上下に積み重ねる嵩上げ材12の段数は、4段以上であってもよい。
図1に示す例において、路面段差解消ユニット1の複数の嵩上げ材12は、第1の嵩上げ材12Aと、第2の嵩上げ材12Bと、を含んでいる。段差通過方向Dsにおいて、第2の嵩上げ材12Bの寸法は、第1の嵩上げ材12Aの寸法よりも大きい。段差通過方向Dsにおいて、第1の嵩上げ材12Aの寸法は、たとえば、約500mm程度であり、第2の嵩上げ材12Bの寸法は、たとえば、約880mm程度である。段差通過方向Dsにおいて、第2の嵩上げ材12Bの寸法は、たとえば、各々の路面段差解消材11の寸法の3分の1程度である。
また、2つ以上の路面段差解消材11のうち、第2の路面段差解消材11Bは、傾斜方向Dtを段差通過方向Dsに合わせて、第1の路面段差解消材11Aに隣接する2つ以上の嵩上げ材12の上に設置される。図1に示す例では、段差通過方向Dsにおいて、第1の路面段差解消材11Aに隣接して、1つの第1の嵩上げ材12Aと、この第1の嵩上げ材12Aに隣接する3つの第2の嵩上げ材12Bの合計4つの嵩上げ材12が配置されている。また、これら段差通過方向Dsに並んだ4つの嵩上げ材12が、上下に3段で積み重ねられている。
そのため、図1に示す例において、第2の路面段差解消材11Bは、合計12個の嵩上げ材12の上に配置されている。また、前述のように、段差通過方向Dsにおいて、第1の嵩上げ材12Aの寸法は、第2の嵩上げ材12Bの寸法よりも小さく、第2の嵩上げ材12Bの寸法は、たとえば、路面段差解消材11の寸法の約3分の1である。これにより、段差通過方向Dsにおいて、第1の路面段差解消材11Aから最も遠く、段差Sに最も近い第2の嵩上げ材12Bは、第1の嵩上げ材12Aの寸法分、第2の路面段差解消材11Bの段差S側の端部から段差Sへ向けて突出している。
本実施形態の路面段差解消ユニット1では、この上下に3段で積み重ねられて第2の路面段差解消材11Bの段差S側の端部から突出した第2の嵩上げ材12Bの上に、2つ以上の第1の嵩上げ材12Aが設置されている。図1に示す例では、第2の路面段差解消材11Bの段差S側の端部から突出した3段重ねの第2の嵩上げ材12Bの上に、3つの第1の嵩上げ材12Aが積み重ねられている。また、図1に示す例では、第1の嵩上げ材12Aおよび第2の嵩上げ材12Bを含むすべての嵩上げ材12の厚さが等しくなっている。
この嵩上げ材12の厚さは、たとえば、厚さが最大である路面段差解消材11の段差S側の後端部の厚さと、厚さが最小である路面段差解消材11の段差Sと反対側の先端部の厚さとの差分を、上下に積み重ねた段数で除した厚さである。より具体的には、図1に示す例では、嵩上げ材12の厚さは、路面段差解消材11の後端部の厚さと先端部の厚さとの差分の約3分の1である。この場合、路面Rに設置した第1の路面段差解消材11Aの後端部に隣接して路面Rに上下に3つの嵩上げ材12を積み重ね、その上に第2の路面段差解消材11Bを設置する。すると、第1の路面段差解消材11Aの上面11aと、第2の路面段差解消材11Bの上面11aとが、傾斜方向Dtにおいて段差なく連続する。
また、前述のように、第2の路面段差解消材11Bの下に配置されて第2の路面段差解消材11Bの段差S側の後端部から突出した第2の嵩上げ材12Bの上には、3つの第1の嵩上げ材12Aが積み重ねられている。その結果、この3つの第1の嵩上げ材12Aの最上段の第1の嵩上げ材12Aの上面12aと、第2の路面段差解消材11Bの後端部の上面11aとの間には、第2の路面段差解消材11Bの先端部の厚さに相当する段差が形成される。
このように、第2の路面段差解消材11Bの後端部との間に高さ方向の段差を有する第1の嵩上げ材12Aの上に、渡し材13の一端が配置され、段差Sの上側の路面Rの上に、渡し材13の他端が配置される。これにより、渡し材13は、段差Sの下側の路面Rと上側の路面Rとの間に形成された段差通過方向Dsの開きGの上に架け渡される。このように、本実施形態の路面段差解消ユニット1において、渡し材13は、複数の嵩上げ材12のうち、第2の路面段差解消材11Bの下に配置されていない2つ以上の嵩上げ材12の上に配置される。
また、本実施形態の路面段差解消ユニット1において、各々の嵩上げ材12の段差通過方向Dsにおける寸法と、各々の分割路面段差解消材111,112,113の段差通過方向Dsにおける寸法とが異なっている。そのため、段差通過方向Dsにおいて、第2の嵩上げ材12Bの下に配置される2つ以上の嵩上げ材12の継ぎ目12jと、第2の路面段差解消材11Bの2つ以上の分割路面段差解消材111,112,113の継ぎ目11jとが、ずれている。
より詳細には、たとえば、段差通過方向Dsにおける第1の分割路面段差解消材111の寸法は、段差通過方向Dsにおける第1の嵩上げ材12Aの寸法よりも大きく、段差通過方向Dsにおける第2の嵩上げ材12Bの寸法よりも小さい。また、段差通過方向Dsにおける第2の分割路面段差解消材112の寸法は、たとえば、段差通過方向Dsにおける第2の嵩上げ材12Bの寸法よりも僅かに小さい。さらに、段差通過方向Dsにおける第3の分割路面段差解消材113の寸法は、たとえば、段差通過方向Dsにおける第2の嵩上げ材12Bの寸法よりも大きい。
また、路面段差解消ユニット1は、段差通過方向Dsに並べられた2つ以上の嵩上げ材12を、段差通過方向Dsに直交する幅方向Dwに2組以上、備えている。図2に示す例では、路面段差解消ユニット1は、段差通過方向Dsに4つ並べられ、上下に3段で積み重ねられた12個の嵩上げ材12と、その上に積み重ねられた3つの嵩上げ材12とを、幅方向Dwに間隔をあけて2組備えている。なお、路面段差解消ユニット1は、段差通過方向Dsに2つ以上が並べられて上下に2段以上で積み重ねられた嵩上げ材12を、幅方向Dwにおいて3組以上備えていてもよい。この場合、幅方向Dwに並べられた嵩上げ材12の各組は、たとえば、幅方向Dwにおいて隙間なく並べられていてもよい。
図3および図4は、それぞれ、図1および図2に示す路面段差解消材11の基礎ブロック11cを、斜め上方および斜め下方から見た分解斜視図である。図5は、路面段差解消材11の荷重分散材11dおよび補強部材11eを斜め上方から見た斜視図である。図6は、図1および図2に示す路面段差解消材11の上面図と側面図である。路面段差解消材11は、たとえば、基礎ブロック11cと、荷重分散材11dと、補強部材11eとを備えている。
基礎ブロック11cは、たとえば、発泡樹脂製の部材であり、平坦な底面部11c1と、その底面部11c1に対して所要の角度θで傾斜する平坦な傾斜上面部11c2とを備えている。底面部11c1に対する傾斜上面部11c2の角度θは、たとえば、約1度から約10度程度である。また、基礎ブロック11cの幅方向Dwの寸法は、たとえば、約1000mm程度である。基礎ブロック11cの幅方向Dwにおける両側の側面11c3と、段差通過方向Dsにおける後端面11c4は、それぞれ、底面部11c1に垂直である。
路面段差解消材11の先端の分割路面段差解消材111を構成する基礎ブロック11cは、側面視三角形の先端部が切除された形状を有している。この切除された先端部において、基礎ブロック11cの底面部11c1は、幅方向Dwの全体にわたって切り欠かれて段差状の空間部を形成している。路面段差解消材11の先端の分割路面段差解消材111は、図6に示すように、基礎ブロック11cの先端部の空間部に、先端保護部材11fが設けられている。先端保護部材11fは、たとえば、荷重分散材11dと同様の素材によって形成されている。先端保護部材11fは、平坦な底面部11f1と、その底面部11f1に対して所定の角度θで傾斜する傾斜上面部11f2とを有している。先端保護部材11fの先端部は、面取りされている。
基礎ブロック11cの傾斜上面部11c2は、傾斜方向Dtの全体にわたって、傾斜方向Dtに互いに平行に延びる複数の凹陥溝11c5を有している。凹陥溝11c5の底面は、路面段差解消材11の先端の第1の分割路面段差解消材111を構成する基礎ブロック11cの先端部に形成された空間部において開放されている。基礎ブロック11cの側面11c3における底面部11c1に近い位置には、人の手が入り込む程度の大きさの切り欠き11c6が形成されている。発泡樹脂製の基礎ブロック11cの素材は、発泡倍率が15倍~30倍程度の発泡ポリスチレンが軽量であり所要の強度を確保しやすい点から好ましいが、他に、ポリプロピレン、硬質ウレタン、ABS樹脂、塩化ビニルのような材料であってもよい。
路面段差解消材11の先端の第1の分割路面段差解消材111を構成する基礎ブロック11cは、段差通過方向Dsにおいて段差S側に配置される後端部に、底面部11c1から傾斜上面部11c2へ向けて凹陥する切り欠き凹部11c7が形成されている。また、路面段差解消材11の中間の第2の分割路面段差解消材112を構成する基礎ブロック11cの後端部にも、第1の分割路面段差解消材111の基礎ブロック11cと同様の切り欠き凹部11c7が形成されている。これらの切り欠き凹部11c7の天面部に、下方へ向けて突出する複数のT字型係止用突起11c8が一体成形されている。
また、路面段差解消材11の中央の第2の分割路面段差解消材112を構成する基礎ブロック11cは、段差通過方向Dsにおいて段差Sと反対側に配置される先端部に、傾斜上面部11c2から底面部11c1へ向けて凹陥する切り欠き凹部11c9が形成されている。また、路面段差解消材11の後端の第3の分割路面段差解消材113を構成する基礎ブロック11cの先端部にも、第2の分割路面段差解消材112の基礎ブロック11cと同様の切り欠き凹部11c9が形成されている。これらの切り欠き凹部11c9の底面部に、下方へ向けて凹陥する複数のT字型係止用凹溝11c10が一体成形されている。
第1の分割路面段差解消材111の後端部の切り欠き凹部11c7と、第2の分割路面段差解消材112の先端部の切り欠き凹部11c9とは、上下方向の深さと、段差通過方向Dsの奥行が等しい。同様に、第2の分割路面段差解消材112の後端部の切り欠き凹部11c7と、第3の分割路面段差解消材113の先端部の切り欠き凹部11c9とは、上下方向の深さと、段差通過方向Dsの奥行が等しい。
また、第1の分割路面段差解消材111の基礎ブロック11cに設けられたT字型係止用突起11c8と、第2の分割路面段差解消材112の基礎ブロック11cに設けられたT字型係止用凹溝11c10は、形状および寸法がおおむね等しい。同様に、第2の分割路面段差解消材112の基礎ブロック11cに設けられたT字型係止用突起11c8と、第3の分割路面段差解消材113の基礎ブロック11cに設けられたT字型係止用凹溝11c10は、形状および寸法がおおむね等しい。
また、T字型係止用突起11c8とT字型係止用凹溝11c10は、それぞれの基礎ブロック11cにおいて、幅方向Dwの等しい位置に形成されている。これにより、第1の分割路面段差解消材111の基礎ブロック11cの切り欠き凹部11c7と、第2の分割路面段差解消材112の基礎ブロック11cの切り欠き凹部11c9とを上下に重ね合せたときに、T字型係止用突起11c8がT字型係止用凹溝11c10に嵌合する。また、第2の分割路面段差解消材112の基礎ブロック11cの切り欠き凹部11c7と、第3の分割路面段差解消材113の基礎ブロック11cの切り欠き凹部11c9とを上下に重ね合せたときに、T字型係止用突起11c8がT字型係止用凹溝11c10に嵌合する。
路面段差解消材11は、たとえば、以下の手順によって組み立てられる。まず、第3の分割路面段差解消材113の先端部のT字型係止用凹溝11c10に、第2の分割路面段差解消材112の後端部のT字型係止用突起11c8を嵌合させ、第3の分割路面段差解消材113と第2の分割路面段差解消材112とを一体に連結する。次に、第2の分割路面段差解消材112の先端部のT字型係止用凹溝11c10に、第1の分割路面段差解消材111の後端部のT字型係止用突起11c8を嵌合させ、第1の分割路面段差解消材111と、第2の分割路面段差解消材112および第3の分割路面段差解消材113とを一体に連結する。
すなわち、各々の路面段差解消材11は、切り欠き凹部11c7、T字型係止用突起11c8、切り欠き凹部11c9、およびT字型係止用凹溝11c10からなる連結機構を備えている。そして、各々の路面段差解消材11の2つ以上の分割路面段差解消材111,112,113は、その連結機構によって連結されて接合されている。
各々の路面段差解消材11は、図5および図6に示すように、荷重分散材11dと補強部材11eを備えている。荷重分散材11dは、平板状の部材であり、各々の分割路面段差解消材111,112,113を構成する基礎ブロック11cの傾斜上面部11c2の上に設けられている。荷重分散材11dは、路面段差解消材11の上を車両が通過するときの荷重を分散させ、基礎ブロック11cに大きな集中荷重が作用するのを回避する。路面段差解消材11の上面11aとなる荷重分散材11dの表面は、平坦面でもよいが、車両のスリップを防止するための微小な凹凸を有してもよく、スリップ防止用の表面加工が施されていてもよい。
補強部材11eは、各々の路面段差解消材11の傾斜方向Dtに沿って適数本が設けられている。図5に示す例において、各々の荷重分散材11dに対して3本の補強部材11eが設けられている。補強部材11eは、荷重分散材11dに固定されている。補強部材11eは、図3に示す路面段差解消材11の各々の分割路面段差解消材111,112,113を構成する基礎ブロック11cの傾斜上面部11c2に設けられた凹陥溝11c5に嵌め込まれて、凹陥溝11c5内に設置され、接着剤により固定される。このように、荷重分散材11dに固定された補強部材11eを、基礎ブロック11cの凹陥溝11c5に嵌合させて固定することで、荷重分散材11dは、補強部材11eを基礎ブロック11cの傾斜上面部11c2に設置した状態で、基礎ブロック11cに設けられる。
荷重分散材11dおよび補強部材11eの素材は、特に限定されないが、たとえば、樹脂材、鋼材、コンクリート材、繊維強化樹脂材、木質系合成材、合成ゴム、ゴム含有樹脂材など車両の荷重に対する十分な強度を有する素材を選定することができる。荷重分散材11dおよび補強部材11eの軽量化と十分な強度確保を両立する観点から、荷重分散材11dおよび補強部材11eの素材は、繊維強化樹脂材であることが好ましい。
図7は、図1および図2に示す嵩上げ材12の上面図および側面図である。図7では、左側に第1の嵩上げ材12Aの上面図および側面図を示し、右側に第2の嵩上げ材12Bの上面図および側面図を示している。嵩上げ材12は、それぞれ、発泡樹脂製の基礎ブロック121と、基礎ブロック121の上に設けられた表面材122と、を備えている。
基礎ブロック121は、たとえば、段差通過方向Dsを短手方向とし、段差通過方向Dsに直交する幅方向Dwを長手方向とする長方形の板状の部材である。基礎ブロック121の素材は、たとえば、路面段差解消材11の基礎ブロック11cと同様の素材を用いることができる。基礎ブロック121の厚さは、たとえば、約90mm程度である。
表面材122は、たとえば、約5mm程度の厚さのゴムマットであり、基礎ブロック121の上面に接着剤を介して接合されている。なお、表面材122は、ゴムマットに限定されず、たとえば、路面段差解消材11の荷重分散材11dと同様の素材を用いることも可能である。また、嵩上げ材12の上面となる表面材122の表面122aは、平坦でもよいが、微小な凹凸を有してもよい。
図8は、図7の嵩上げ材12の表面材122の表面122aに形成される微小な凸部122b,122cの例を示す上面図および側面拡大図である。図8では、左側に、千鳥状に設けられた複数の凸部122bを示し、右側に、筋状に設けられた複数の凸部122cを示している。
図8の左側に示すように、千鳥状に配置された複数の凸部122bは、たとえば、各々の凸部122bが平面視で円形の形状を有している。この円形の凸部122bの高さhは、5mm以下である。より具体的には、凸部122bは、たとえば、高さhが約1.6mm程度であり、直径dが約10mm程度である。また、表面材122の厚さtは、たとえば、約5mm程度である。
また、表面材122の表面122aの凸部122bが形成された部分の面積の合計は、たとえば、表面122aの全体の面積の5%以上である。より具体的には、表面材122の表面122aの複数の凸部122bが形成された部分の面積の合計は、たとえば、表面122aの全体の面積の約6.5%程度である。
また、図8の右側に示すように、筋状に設けられた複数の凸部122cは、たとえば、段差通過方向Dsに交差する方向へ延びている。より具体的には、複数の凸部122cは、たとえば、段差通過方向Dsに直交し、幅方向Dwに平行な方向へ延びている。この筋状の凸部122cの高さhは、5mm以下である。
より具体的には、筋状の凸部122cは、たとえば、高さhが約1.6mm程度であり、段差通過方向Dsの幅wが約2.2mm程度であり、隣り合う凸部122cの間隔cが約2.5mm程度である。段差通過方向Dsにおいて、複数の凸部122cの隣り合う2つの凸部122cの間隔cは、たとえば、各々の凸部122cの幅wの80%以上かつ120%以下である。
また、筋状の凸部122cが設けられた表面材122の厚さtは、たとえば、約5mm程度である。また、表面材122の表面122aの複数の筋状の凸部122cが形成された部分の面積の合計は、たとえば、表面122aの全体の面積の5%以上である。より具体的には、表面材122の表面122aの凸部122cが形成された部分の面積の合計は、たとえば、表面122aの全体の面積の51%以下である。
図9は、図1に示す路面段差解消ユニット1の渡し材13の斜視図である。渡し材13は、複数の嵩上げ材12のうち、第2の路面段差解消材11Bの下に配置されていない2つ以上の嵩上げ材12の上に配置される。渡し材13は、繊維強化樹脂製であり、たとえば、中空平板状に設けられている。より具体的には、渡し材13は、たとえば、上板131と、下板132と、複数の補強材133とを有している。
上板131および下板132は、たとえば、繊維強化樹脂製の矩形の平板である。補強材133は、たとえば、繊維強化樹脂製の角筒状の部材である。複数の補強材133は、たとえば、路面段差解消ユニット1の段差通過方向Dsに平行に配置され、路面段差解消ユニット1の幅方向Dwに等間隔に並べられ、上板131と下板132の間に配置される。上板131および下板132と、複数の補強材133とは、たとえば、接着剤を介して接合されて一体化される。なお、補強材133の数は、図9に示す3本に限定されず、4本以上であってもよい。
なお、図9に示す渡し材13に替えて、図5に示す荷重分散材11dを渡し材として用いることも可能である。この場合、荷重分散材11dは、補強部材11eを4本以上有していてもよく、補強部材11eを有しなくてもよい。また、荷重分散材11dを渡し材として用いる場合、荷重分散材11dの素材は、特に限定されないが、軽量化と十分な強度確保を両立する観点から、繊維強化補強樹脂材を用いることができる。
以下、本実施形態の路面段差解消ユニット1の作用を説明する。
たとえば、震災等の自然災害の発生時に、高速道路や道路橋などの道路ジョイントに段差Sが生じる場合がある。また、災害発生時には、道路ジョイントに、段差Sに加えて開きGが発生する場合もある。このような場合、路面Rに生じた段差Sや開きGを迅速に解消して、災害現場へ急行する緊急車両や、災害現場へ物資を輸送する貨物自動車などの車両を通行させることが要求される。
前述の特許文献1に記載された従来の路面段差解消材は、路面に生じた段差を迅速かつ容易に解消することが可能となり、複数の分割路面段差解消材を連結することで、たとえば、約30cm程度のより高い段差であっても、その低位部と高位部とを連続した斜面で接続することが可能となる。しかし、さらに段差が高くなると、分割路面段差解消材の高さが増加することで重量が増大し、作業員による設置が困難になるおそれがある。
そのため、上記路面段差解消材とともに、前述の特許文献2に記載された矩形ブロックを用いることが考えられる。しかし、上記矩形ブロックの上面と底面には、それぞれ、上記連結部を構成する凸部と凹部が形成されている。そのため、矩形ブロックの設置時に、たとえば、作業員が矩形ブロックの上面の凸部に足を取られてバランスを崩したり、矩形ブロックの凹部に土埃が詰まって上下の矩形ブロックの連結が妨げられたりして、設置作業の効率が低下するおそれがある。
これに対し、本実施形態の路面段差解消ユニット1は、次の構成により、路面Rに生じた段差Sを解消する。路面段差解消ユニット1は、底面11bに対して上面11aが所定の角度θで傾斜している2つ以上の路面段差解消材11と、平板状の複数の嵩上げ材12と、を備えている。各々の路面段差解消材11は、上面11aの傾斜方向Dtで2つ以上の分割路面段差解消材111,112,113に分割されている。これら2つ以上の分割路面段差解消材111,112,113のうち、第1の路面段差解消材11Aは、傾斜方向Dtを車両が段差Sを通過する段差通過方向Dsに合わせて、段差Sから最も離れた位置で路面Rに設置される。複数の嵩上げ材12のうち、2つ以上の嵩上げ材12は、段差通過方向Dsにおいて、第1の分割路面段差解消材111に隣接して路面Rに並べて配置される。そして、2つ以上の路面段差解消材11のうち、第2の路面段差解消材11Bは、傾斜方向Dtを段差通過方向Dsに合わせて第1の路面段差解消材11Aに隣接する2つ以上の嵩上げ材12の上に設置される。
また、本実施形態の路面段差解消方法は、底面11bに対して上面11aが所定の角度θで傾斜している2つ以上の路面段差解消材11と、平板状の複数の嵩上げ材12と、を備え、各々の路面段差解消材11が、上面11aの傾斜方向Dtで2つ以上の分割路面段差解消材111,112,113に分割された路面段差解消ユニット1を用いて、路面に生じた段差を解消する。具体的には、まず、2つ以上の路面段差解消材11のうち、第1の路面段差解消材11Aを、傾斜方向Dtを車両が段差Sを通過する段差通過方向Dsに合わせて、段差Sから最も離れた位置で路面Rに設置する。次に、複数の嵩上げ材12のうち、2つ以上の嵩上げ材12を、段差通過方向Dsにおいて、第1の路面段差解消材11Aに隣接して路面Rに並べて配置する。そして、2つ以上の路面段差解消材11のうち、第2の路面段差解消材11Bを、傾斜方向Dtを段差通過方向Dsに合わせて、第1の路面段差解消材11Aに隣接する2つ以上の嵩上げ材12の上に設置する。
このような構成により、本実施形態の路面段差解消ユニット1および路面段差解消方法は、路面Rに設置される第1の路面段差解消材11Aと、その第1の路面段差解消材11Aに隣接して路面Rに設置される2つ以上の嵩上げ材12と、その2つ以上の嵩上げ材12の上に設置される第2の路面段差解消材11Bとによって、路面Rに生じた段差Sを解消することができる。これにより、嵩上げ材12によって第2の路面段差解消材11Bの高さを嵩上げすることができ、たとえば、約40cmから約60cm程度の従来よりも高い段差Sを、個々の路面段差解消材11の高さを増加させることなく、解消することが可能になる。
そのため、路面段差解消材11を構成する2つ以上の分割路面段差解消材111,112,113のうち、最も段差Sの近くに配置され、段差S側の後端部で高さが最大となる分割路面段差解消材113の重量の増加を抑制することができる。したがって、本実施形態の路面段差解消ユニット1によれば、従来よりも高い段差Sを解消することを可能としつつ、路面段差解消材11の重量増加を抑制して、作業員による路面段差解消材11の設置を容易にすることができる。
また、本実施形態の路面段差解消ユニット1の嵩上げ材12は平板状であり、上記従来の矩形ブロックのように上面と底面に連結部を構成する凸部と凹部が設けられていない。そのため、作業員は、嵩上げ材12の設置時に、嵩上げ材12の上で安定して作業をすることが可能になる。また、嵩上げ材12は、上面と底面に連結部を構成する凸部や凹部を有しないため、上記従来の矩形ブロックのような土埃の詰まりによる設置作業の効率低下が防止される。したがって、本実施形態の路面段差解消ユニット1によれば、従来よりも作業員による設置作業の安全性や効率を向上させることが可能になる。
また、前記特許文献2に記載された従来の矩形ブロックは、路面上に積み重ねて設置したときに、たとえば、路面の凹凸によって隣り合う矩形ブロック間に段差が生じ、その結果、隣り合う傾斜ブロックの傾斜面の間に段差が生じるおそれがある。このような傾斜面の段差は、たとえば、車両の通過時に、階段状に積み重ねて並べられた矩形ブロックや傾斜ブロックにずれを生じさせる要因となり得る。
これに対し、本実施形態の路面段差解消ユニット1は、複数の嵩上げ材12の各々の嵩上げ材12の段差通過方向Dsにおける寸法と、2つ以上の分割路面段差解消材111,112,113の各々の分割路面段差解消材111,112,113の段差通過方向Dsにおける寸法とが異なっている。その結果、段差通過方向Dsにおいて、第2の路面段差解消材11Bの下に配置される2つ以上の嵩上げ材12の継ぎ目12jと、第2の路面段差解消材11Bの複数の分割路面段差解消材111,112,113の継ぎ目11jとが、ずれている。
このような構成により、本実施形態の路面段差解消ユニット1は、路面Rの凹凸によって、第2の路面段差解消材11Bの分割路面段差解消材111,112,113の継ぎ目11jに段差が生じるのを防止することができる。より具体的には、路面Rの凹凸によって、路面Rに並べて設置された2つ以上の嵩上げ材12の継ぎ目12jに段差が生じる場合がある。しかし、段差が生じた嵩上げ材12の継ぎ目12jと、その上に設置される第2の路面段差解消材11Bの分割路面段差解消材111,112,113の継ぎ目11jは、段差通過方向Dsにずれている。
そのため、嵩上げ材12の継ぎ目12jに生じた段差が、個々の分割路面段差解消材111,112,113の底面によって下方へ押されて軽減される。また、嵩上げ材12の継ぎ目12jに生じた段差によって、分割路面段差解消材111,112,113の継ぎ目11jに段差が生じることが防止される。これにより、路面段差解消ユニット1によって解消した段差Sを通過する車両の安定性や安全性を向上させることができる。嵩上げ材12の継ぎ目12jと、分割路面段差解消材111,112,113の継ぎ目11jとの段差通過方向Dsのずれは、たとえば、1cm以上であればよく、5cm以上であることが好ましく、10cm以上、20cm以上、または30cm以上のように、適切な範囲でより大きいことがより好ましい。
また、本実施形態の路面段差解消ユニット1において、嵩上げ材12は、それぞれ、発泡樹脂製の基礎ブロック121と、その基礎ブロック121の上に設けられた表面材122と、を備えている。そして、嵩上げ材の上面である表面材122の表面122aに、5mm以下の高さの複数の凸部122bまたは凸部122cが規則的に形成されている。この表面材122の表面122aの凸部122bまたは凸部122cが形成された部分の面積の合計は、表面122aの全体の面積の5%以上である。
このような構成により、本実施形態の路面段差解消ユニット1は、嵩上げ材12が発泡樹脂製の基礎ブロック121を備えることで、嵩上げ材12の軽量化が可能になり、作業員による設置作業を容易にして、設置作業の効率を向上させることができる。また、嵩上げ材12の上面である表面材122の表面122aに規則的に形成された5mm以下の高さの複数の凸部122bまたは凸部122cは、表面材122の表面122aの滑り止めとして機能する。
これにより、嵩上げ材12を積み重ねたときに、上下の嵩上げ材12のずれを防止することができる。また、複数の凸部122bまたは凸部122cの高さが5mm以下であるため、嵩上げ材12の上で作業する作業員が足を取られたり足を滑らせたりすることが防止され、安定して作業することができる。したがって、本実施形態の路面段差解消ユニット1によれば、作業員による設置作業の安全性と作業効率を向上させることができる。
また、本実施形態の路面段差解消ユニット1において、嵩上げ材12の表面材122はゴムマットである。また、表面材122の表面122aの複数の凸部122cは、段差通過方向Dsに交差する方向に延びる筋状に設けられている。段差通過方向Dsにおいて、複数の凸部122cの隣り合う2つの凸部122cの間隔cは、各々の凸部122cの幅wの80%以上かつ120%以下である。
このような構成により、本実施形態の路面段差解消ユニット1は、嵩上げ材12の表面材122の表面122aに設けられた凸部122cによる滑り止め機能を、より向上させることができる。また、凸部122cと凸部122cの間から土埃などの異物の排出を容易にして、凸部122cと凸部122cの間の目詰まりを防止して、複数の筋状の凸部122cによる滑り止め機能の低下を防止することができる。
また、本実施形態の路面段差解消ユニット1は、複数の嵩上げ材12のうち、第2の路面段差解消材11Bの下に配置されていない2つ以上の嵩上げ材12の上に配置される繊維強化樹脂製のたとえば中空平板状の渡し材13をさらに備えている。また、本実施形態の路面段差解消方法は、複数の嵩上げ材12のうち、第2の路面段差解消材11Bの下に配置されていない2つ以上の嵩上げ材12の上に渡し材13を配置する。この構成により、本実施形態の路面段差解消ユニット1および路面段差解消方法は、渡し材13の一端を、第2の路面段差解消材11Bよりも段差S側に配置された2つ以上の嵩上げ材12の上に配置し、渡し材13の他端を、段差Sの上側の路面Rに配置することができる。これにより、本実施形態の路面段差解消ユニット1および路面段差解消方法は、段差Sの下側の路面Rと上側の路面Rとの間に生じた段差通過方向Dsの開きGの上に渡し材13を架け渡すことで、路面Rに生じた段差Sだけでなく、路面Rに生じた開きGも解消することができる。
また、本実施形態の路面段差解消ユニット1において、2つ以上の路面段差解消材11の各々の路面段差解消材11は、発泡樹脂製の基礎ブロック11cと、荷重分散材11dと、適数本の補強部材11eとを備える。基礎ブロック11cは、底面部11c1と、その底面部11c1に対して所定の角度θで傾斜する傾斜上面部11c2とを少なくとも備える。荷重分散材11dは、基礎ブロック11cの傾斜上面部11c2の上に設けられる。補強部材11eは、傾斜方向Dtに沿って設けられる。荷重分散材11dは、補強部材11eを基礎ブロック11cの底面部11c1に設置した状態で基礎ブロック11cに設けられている。各々の路面段差解消材11の2つ以上の分割路面段差解消材111,112,113は、前述のように、連結機構によって接合されている。
このような構成により、本実施形態の路面段差解消ユニット1は、路面段差解消材11の発泡樹脂製の基礎ブロック11cにより、路面段差解消材11が軽量化され、路面段差解消材11の設置作業を容易かつ迅速に行うことができる。さらに、基礎ブロック11cの傾斜上面部11c2と、その上に設けられた荷重分散材11dとによって、段差Sを解消するための傾斜面を形成することができ、段差Sが生じた高速道路や道路橋に緊急車両や貨物自動車などを通行させることができる。
また、荷重分散材11dによって、路面段差解消材11の上を通過する車両の荷重を分散させ、発泡樹脂製の基礎ブロック11cに集中荷重が作用するのを防止することができる。また、適数本の補強部材11eによって、路面段差解消材11に必要な強度を持たせることができる。
さらに、各々の路面段差解消材11の2つ以上の分割路面段差解消材111,112,113は、前述のように、連結機構によって接合されている。そのため、路面段差解消ユニット1の上を車両が通過する際の振動や、段差通過方向Ds方向および幅方向Dwに作用する力によって2つ以上の分割路面段差解消材111,112,113が分離するのを確実に防止することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、従来よりも高い段差Sを解消し、解消した段差を通過する車両の安定性や安全性を向上させることができ、かつ作業員による設置作業の安全性や効率を向上させることが可能な路面段差解消ユニット1を提供することができる。なお、本開示に係る路面段差解消ユニットは、本実施形態の路面段差解消ユニット1の構成に限定されない。以下、図10から図12を参照して、本実施形態の路面段差解消ユニット1の変形例を説明する。
図10は、図1の路面段差解消ユニット1の変形例1を示す断面図である。図11は、図1の路面段差解消ユニット1の変形例2を示す断面図である。これらの変形例において、路面Rには段差Sのみが生じ、開きGは生じていない。この場合、路面段差解消ユニット1は、すべての嵩上げ材12が第2の路面段差解消材11Bの下に配置され、渡し材13を有しない。また、図10に示す変形例1において、路面段差解消ユニット1の複数の嵩上げ材12は、複数の第2の嵩上げ材12Bであり、第1の路面段差解消材11Aを含んでいない。
また、図11に示す変形例2において、路面段差解消ユニット1の複数の嵩上げ材12は、第1の路面段差解消材11Aに隣接して上下に3段で積み重ねられた複数の第1の嵩上げ材12Aと、段差Sに隣接して上下に3段で積み重ねられた複数の第1の嵩上げ材12Aを含む。また、図11に示す変形例2において、路面段差解消ユニット1の複数の嵩上げ材12は、段差通過方向Dsの両側で上下に3段で積み重ねられた第1の嵩上げ材12Aの間に配置された複数の第2の嵩上げ材12Bを含んでいる。この複数の第2の嵩上げ材12Bは、段差通過方向Dsに2つ並んで上下に3段で積み重ねられている。
これらの変形例1および変形例2の路面段差解消ユニット1によれば、前述の実施形態の路面段差解消ユニット1と同様に、従来よりも高い段差Sを解消し、解消した段差を通過する車両の安定性や安全性を向上させることができ、かつ作業員による設置作業の安全性や効率を向上させることができる。
図12は、図1の路面段差解消ユニット1の変形例3を示す断面図である。この変形例3の路面段差解消ユニット1において、渡し材13は、第1の路面段差解消材11Aと第2の路面段差解消材11Bとの間にも配置されている。すなわち、この変形例3の路面段差解消方法では、渡し材13を第1の路面段差解消材11Aと第2の路面段差解消材11Bの間に配置する。より具体的には、変形例3の路面段差解消ユニット1は、第1の路面段差解消材11Aと、第2の路面段差解消材11Bおよびその下に配置された嵩上げ材12との間に、さらに、2つ以上の嵩上げ材12とその上に配置された渡し材13とを備えている。
図12に示す例では、第1の路面段差解消材11Aと第2の路面段差解消材11Bとの間の路面Rに、第1の嵩上げ材12Aと第2の嵩上げ材12Bとが段差通過方向Dsに交互に並べられ、段差通過方向Dsに合計4つの嵩上げ材12が並べられている。さらに、この段差通過方向Dsに並べられた4つの嵩上げ材12が上下に3段で積み重ねられている。渡し材13は、これら路面Rに並べて積み重ねられた12個の嵩上げ材12の上に配置され、第1の路面段差解消材11Aと第2の路面段差解消材11Bとの間に配置されている。
変形例3の路面段差解消ユニット1によれば、第1の路面段差解消材11Aの傾斜面と第2の路面段差解消材11Bの傾斜面との間に、2以上の嵩上げ材12とその上に設置された渡し材13とによって平坦な面を形成することができる。したがって、変形例3の路面段差解消ユニット1によれば、路面段差解消ユニット1によって形成される勾配を緩やかにして、タンクローリーなどの車高が低い大型車両の通過を容易にすることができる。
なお、変形例3の路面段差解消ユニット1において、第1の路面段差解消材11Aと第2の路面段差解消材11Bとの間に配置される渡し材13を省略してもよい。この場合、車両は、第1の路面段差解消材11Aと第2の路面段差解消材11Bとの間に配置された2つ以上の嵩上げ材12の上を通過する。したがって、嵩上げ材12の表面材122は、路面段差解消材11の荷重分散材11dと同様の素材によって形成してもよく、荷重分散材11dの表面と同様の滑り止め加工が施されていてもよい。
以上、図面を用いて本開示に係る路面段差解消ユニットの実施形態およびその変形例を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本開示に含まれるものである。
[嵩上げ材の評価]
以下の手順により、路面段差解消ユニットの嵩上げ材の評価を実施した。まず、表面材を有しない発泡樹脂製の基礎ブロックのみの比較例の嵩上げ材を用意した。次に、発泡樹脂製の基礎ブロックの上に、表面材として凸部を有しない平坦なゴムマットを接合した実施例1の嵩上げ材を用意した。また、発泡樹脂製の基礎ブロックの上に、表面材として、それぞれ、千鳥状の複数の円形の凸部を有するゴムマットと、複数の筋状の凸部を有するゴムマットを接合した実施例2と実施例3の嵩上げ材を用意した。
実施例2と実施例3の嵩上げ材において、表面材の凸部の高さは、1.6mmであった。また、実施例2の嵩上げ材において、表面材の表面の円形の凸部が形成された部分の面積の合計は、表面材の表面全体の面積の6.5%であった。また、実施例3の嵩上げ材において、表面材の表面の筋状の凸部が形成された部分の面積の合計は、表面材の表面全体の面積の51%であった。
上記比較例および実施例1から実施例3の複数の嵩上げ材をそれぞれ使用した路面段差解消ユニットを、図1に示すように、2つの路面段差解消材および渡し材とともに、路面に形成した段差および開きを解消するように設置した。その後、それぞれの路面段差解消ユニットに使用された嵩上げ材に対し、以下の手法により、走行性検証、摩耗性検証、および作業性検証を実施した。
(走行性検証)
5台の作業車両(4トン車)に路面段差解消ユニットの上を通過させた後、嵩上げ材の継ぎ目に生じた隙間を測定する。この隙間が2mm以下の場合、合格とする。
(摩耗性検証)
路面段差解消ユニットの設置と撤去を5回繰り返し行って、嵩上げ材の表面の破損を確認する。破損なしを合格とする。
(作業性検証)
雨天時に、路面段差解消ユニットの設置と撤去を5回繰り返し行って、作業者による作業性の評価を確認する。作業性に問題がない場合を合格とする。
表面材を有しない発泡樹脂製の基礎ブロックのみの比較例の嵩上げ材と、表面材として凸部を有しない平坦なゴムマットを使用した実施例1の嵩上げ材は、走行性検証において、3mm以上の隙間が発生した。また、これら比較例と実施例1の嵩上げ材は、作業性検証において、作業員の足元が滑り、作業性に問題があった。
また、表面材を有しない発泡樹脂製の基礎ブロックのみの比較例の嵩上げ材は、摩耗性検証において表面に欠けが発生したが、表面材として平坦なゴムマットを使用した実施例1の嵩上げ材は、基礎ブロックの損傷を防止することができた。また、表面材として、千鳥状の複数の円形の凸部を有するゴムマットを使用した実施例2の嵩上げ材は、走行性検証、摩耗性検証、および作業性検証のすべての検証結果が良好であった。
さらに、表面材として複数の筋状の凸部を有するゴムマットを使用した実施例3の嵩上げ材は、摩耗性検証において、実施例2の嵩上げ材と同様の良好な結果が得られた。また、実施例3の嵩上げ材は、走行性検証および作業性検証において、実施例2の嵩上げ材と比較して、より良好な結果が得られた。