以下、本発明に係る情報機器システム器について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、一実施形態に係る情報機器システム10を底面側から見た模式的な斜視図である。図2は、図1に示す情報機器システム10の分解斜視図である。図3は、携帯用情報機器12を底面側から見た模式的な斜視図である。本実施形態の情報機器システム10は、携帯用情報機器12と、拡張装置14とを備える。図1及び図2に示すように、情報機器システム10は携帯用情報機器12に拡張装置14を連結したドッキング状態で使用することができる。図3に示すように、情報機器システム10は拡張装置14を取り外した携帯用情報機器12を単独で使用することもできる。
先ず、携帯用情報機器12の構成例を説明する。
携帯用情報機器12はクラムシェル型のノート型PCである。携帯用情報機器12は蓋体16と筐体18をヒンジ19で相対的に回動可能に連結した構成である。携帯用情報機器12はノート型PC以外、例えばタブレット型PC、スマートフォン、又は携帯用ゲーム機等でもよい。
蓋体16は薄い扁平な箱体である。蓋体16の正面にはディスプレイ20が搭載されている(図7A参照)。ディスプレイ20は、例えば有機ELディスプレイや液晶ディスプレイである。
筐体18は薄い扁平な箱体である。筐体18は、筐体本体22と、カバー部材24とを有する。筐体本体22は上面22aにキーボード装置26が臨んでいる(図7A参照)。キーボード装置26は、例えばメンブレンスイッチを用いてキーキャップを物理的に上下動させる構成である。携帯用情報機器12は筐体本体22の上面22aにタッチディスプレイを設け、これにスクリーンキーボード式のキーボード装置26を表示してもよい。
以下、携帯用情報機器12及びこれに連結される拡張装置14の各構成要素について、筐体18の幅方向(左右)をそれぞれX1,X2方向、筐体18の奥行方向(前後)をそれぞれY1,Y2方向、筐体18の厚み方向(上下)をそれぞれZ1,Z2方向と呼んで説明する。X1,X2方向をまとめてX方向と呼ぶこともあり、Y1,Y2方向及びZ1,Z2方向についても同様にY方向、Z方向と呼ぶことがある。これら各方向は、説明の便宜上定めた方向であり、情報機器システム10の使用状態又は設置姿勢等によって変化する場合も当然にあり得る。
図4は、筐体本体22の模式的な底面図である。図2及び図4に示すように、筐体本体22は筐体18の上面及び四周側面を形成する。筐体本体22は底面22bの大部分が開口部28で開口している。筐体本体22は浅いバスタブ形状を有する。開口部28は拡張装置14又はカバー部材24によって着脱可能に閉じることができる(図1~図3参照)。
筐体本体22は開口部28に臨むフレーム部30を有することができる。フレーム部30は、外縁部30aと、桟部30bとを有することができる。外縁部30aは筐体本体22の四周側面を形成する立壁22cの内壁に沿って枠状に延在している。桟部30bは外縁部30aの内側に格子状に配置されている。フレーム部30は底面22bよりもZ1側にオフセットして配置される(図7A参照)。フレーム部30のZ2側表面はカバー部材24又は後述する拡張筐体50の支持面となる(図7A及び図7C参照)。
筐体本体22は底面22bから突出する一対の脚部31,31を有することができる。脚部31は底面22bのY2縁部におけるX方向両角部にそれぞれ設置されている。脚部31は携帯用情報機器12を机の上に載置する場合等に用いる脚である。脚部31は例えば先端面がゴムで形成されたゴム脚部品である。脚部31は例えば円柱状であるが、角柱状等でもよい。脚部31は、拡張装置14を連結せずに携帯用情報機器12を単独で使用する際に使用する。筐体本体22は底面22bに臨むカバー連結機構32を有するが、詳細は後述する。
筐体本体22の内部には、マザーボード34と、バッテリ装置35と、冷却モジュール36とを収容することができる。筐体本体22の内部には、さらに各種の電子部品や機械部品等を設けることができる。
マザーボード34は携帯用情報機器12のメインボードとなる回路基板である。マザーボード34は例えば筐体本体22内でY2側寄りに配置され、X方向に延在している。マザーボード34はCPU(Central Processing Unit)34aを実装している。マザーボード34は、例えば左右の縁部にIOポート34bを実装している。IOポート34bとしては、USB規格やHDMI(登録商標)規格に準拠したコネクタ、LANポート等を例示できる。マザーボード34はさらにメモリや通信モジュール等も実装している。マザーボード34は、例えばZ2側表面に接続端子34cを実装していることができる。接続端子34cはZ2方向に突出した複数の端子ピンで構成されている。各端子ピンは、接続相手側である拡張装置14の接続端子62cに対する接触方向(Z2方向)に向かって常時弾性付勢されていることが好ましい。端子ピンは例えばポゴピンで構成できる。
バッテリ装置35は携帯用情報機器12の電源となる充電池である。バッテリ装置35は例えばマザーボード34のY1側に並ぶように配置され、X方向に延在している。
CPU34aは携帯用情報機器12に搭載された電子部品中で最大級の発熱量の発熱体である。冷却モジュール36はCPU34aが発生する熱を吸熱及び拡散し、筐体18外へと排出することができる。冷却モジュール36はCPU34a以外の発熱体を冷却することもできる。
冷却モジュール36は、ヒートパイプ38と、ヒートシンク39と、ファン40とを有することができる。図2ではヒートパイプ38及びヒートシンク39の図示を省略している。
ヒートパイプ38はパイプ型の熱輸送デバイスである。ヒートパイプ38は金属パイプを薄く扁平に潰して断面楕円形状に形成し、内側の密閉空間に水等の作動流体を封入した構成である。ヒートパイプ38は、一端部がCPU34aと熱的に接続され、他端がヒートシンク39と接続されている。これによりヒートパイプ38bはCPU34aの熱を高効率且つ迅速にヒートシンク39に移動させることができる。
ヒートシンク39は薄い金属プレートで形成された複数枚のフィンをX方向に等間隔に並べた構造である。隣接するフィンの間にはファン40から吐出された空気が通過する隙間が形成されている。ヒートシンク39はファン40の吐出口40aに対向配置されている。
ファン40は、例えばファン筐体の内部に収容したインペラをモータによって回転させる遠心ファンである。ファン40はヒートシンク39に面したY2側の側面に吐出口40aを有する。ファン40はファン筐体の下面に吸込口40bを有する。吸込口40bはファン筐体の上面にも設けることができる。ファン40は吸込口40bから筐体18外の空気を吸い込み、吐出口40aから吐き出すことができる。
筐体本体22はY2側の立壁22cに通気口42を有することができる。通気口42は、吐出口40aから吐出されてヒートシンク39を通過した空気(排気)を筐体18外に排出するための開口である。通気口42は立壁22cの長手方向に沿って並列された複数の小窓で形成することができる。通気口42は、例えば立壁22cの長手方向で中央付近からX1側端部に亘って形成されている。この立壁22cには補助通気口43が形成することができる。補助通気口43はY2側の立壁22cに形成された複数の小窓で形成することができる。補助通気口43は、例えば立壁22cの長手方向でX2側に寄った位置に形成されている。補助通気口43は、後述する拡張装置14のX2側のファン70の空気を排出するための開口である。補助通気口43は省略されてもよい。
図5は、カバー部材24の平面図である。図5はカバー部材24を筐体本体22の底面20bに対向配置される内面24b側から見た図である。図1~図3及び図5に示すように、カバー部材24は略矩形の薄いプレートで形成することができる。カバー部材24は筐体本体22の底面22bの開口部28を着脱可能に閉じることができる(図3参照)。カバー部材24は後述する拡張筐体50の底面50bの開口部53を着脱可能に閉じることもできる(図1参照)。
カバー部材24は、一対の孔部44,44と、一対の底面通気口45,46と、一対の脚部47,47とを有することができる。
孔部44はカバー部材24のY2側縁部におけるX方向両角部にそれぞれ形成された貫通孔である。各孔部44はそれぞれ平面視で各脚部31と上下にオーバーラップする位置にある。孔部44は携帯用情報機器12の脚部31を挿通可能な内径を有する。孔部44は脚部31をXY方向に位置決めできることが好ましい。従って孔部44の内径は脚部31の外径より僅かに大きい程度であることが好ましい。孔部44は後述する拡張装置14の拡張脚部56も脚部31と同様に挿通可能である。孔部44は拡張脚部56もXY方向に位置決めできることが好ましい(図1及び図2参照)。
底面通気口45,46は、それぞれ複数本のスリット状の孔部を並列して構成することができる。X1側の底面通気口45は平面視でファン40と上下にオーバーラップする位置にある。底面通気口45の配置は、平面視で後述する拡張装置14の一方のファン70と上下にオーバーラップする位置でもある。X2側の底面通気口46は、平面視で後述する拡張装置14の他方のファン70と上下にオーバーラップする位置にある。底面通気口45,46は、各ファン40,70の吸込口40b,70bに外気を導入するための吸気口となる。
本実施形態の場合、ファン40に対応する一方の底面通気口45は、その開口面積が他方の底面通気口46の開口面積よりも大きい。これによりカバー部材24が携帯用情報機器12に装着されているか又は拡張装置14に装着されているか否かに関わらず、底面通気口45は十分な外気の導入量を確保できる。一方で、底面通気口46は実質的に拡張装置14にカバー部材24を装着した場合にのみ利用される。このため底面通気口46は携帯用情報機器12の外観上で目立つことを避けるため、その開口面積を小さくしている。
脚部47はカバー部材24の外面24aから突出している。脚部47は、例えば外面24aのY1側縁部におけるX方向両角部にそれぞれ設置されている。脚部47は図1に示す情報機器システム10又は図3に示す携帯用情報機器12を机の上に載置する場合等に用いる脚である。脚部47は上記した脚部31と同様に先端面がゴムで形成されたゴム脚部品で構成できる。カバー部材24は内面24bに臨む連結機構48を有するが、詳細は後述する。
次に、拡張装置14の構成例を説明する。
図6Aは、拡張装置14の模式的な平面図である。図6Bは、拡張装置14の模式的な底面図である。図1、図2、図6A及び図6Bに示すように、拡張装置14は、携帯用情報機器12に連結され、その機能を拡張するドックである。
拡張装置14は拡張筐体50を備える。拡張筐体50は薄い扁平な箱体である。拡張筐体50の上面50aは携帯用情報機器12の底面22bに対する連結面となる。拡張筐体50の底面50bはカバー部材24の連結面となる。拡張筐体50は、上面50a及び底面50bの大部分がそれぞれ開口部52,53で開口している。拡張筐体50の四周側面は立壁50cで形成されている。開口部52,53は立壁50cの内側にそれぞれ形成されている。
拡張筐体50は、一対の穴部54,54と、一対の拡張脚部56,56とを有することができる。
穴部54は拡張筐体50のY2側縁部におけるX方向両角部にそれぞれ形成されている。穴部54は上面50aに臨んで開口したZ方向の穴である(図6A及び図7B参照)。穴部54は携帯用情報機器12の脚部31を挿入可能な内径及び深さを有する。穴部54は脚部31を位置決めして挿入できることが好ましい。従って穴部54の内径は脚部31の外径より僅かに大きい程度であることが好ましい。穴部54はZ方向の貫通穴でもよい。拡張筐体50は上面50aに臨む連結機構58を有するが、詳細は後述する。
拡張脚部56は底面50bのY2側縁部におけるX方向両角部にそれぞれ設置されている。拡張脚部56は携帯用情報機器12に拡張装置14を連結した情報機器システム10を机の上に載置する場合等の脚となるものである。拡張脚部56は上記した脚部31と同様に先端面がゴムで形成されたゴム脚部品で構成できる。拡張筐体50は底面50bに臨むカバー連結機構60を有するが、詳細は後述する。
拡張筐体50の内部には、拡張ボード62と、拡張バッテリ装置63と、拡張冷却モジュール64とを収納することができる。拡張筐体50の内部には、さらに各種の電子部品や機械部品等を設けることができる。
拡張ボード62は携帯用情報機器12のマザーボード34の機能拡張用のサブボードとなる回路基板である。拡張ボード62は例えば拡張筐体50内でY2側寄りに配置されている。拡張ボード62は、例えばdGPU(dedicated Graphics Processing Unit)62aを実装し、携帯用情報機器12のグラフィック性能を強化することができる。拡張ボード62は、例えば左右の縁部にIOポート62bを実装している。IOポート62bは、上記した携帯用情報機器12のIOポート34bと同一又は異なる種類の規格に準拠したコネクタ等を例示できる。拡張ボード62は、例えばZ1側表面に接続端子62cを実装していることができる。接続端子62cは携帯用情報機器12の接続端子34cと上下にオーバーラップする位置にある。接続端子62cは、例えばポゴピンで形成された接続端子34cを接続可能な導電パッドで構成することができる。
拡張バッテリ装置63は携帯用情報機器12の外部電源となる充電池である。拡張バッテリ装置63はバッテリ装置35を補完して携帯用情報機器12の駆動時間を延長することができる。拡張バッテリ装置63は例えば拡張ボード62のY1側に並ぶように配置され、X方向に延在している。
dGPU62aは拡張装置14に搭載された電子部品中で最大級の発熱量の発熱体である。拡張冷却モジュール64はdGPU62aが発生する熱を吸熱及び拡散し、拡張筐体50外へと排出することができる。拡張冷却モジュール64は携帯用情報機器12の筐体18内も同時に冷却することができる。
拡張冷却モジュール64は、ヒートパイプ68と、一対のヒートシンク69,69と、一対のファン70,70とを有することができる。図2ではヒートパイプ68及びヒートシンク69の図示を省略している。
ヒートパイプ68、ヒートシンク69及びファン70は、それぞれ携帯用情報機器12に搭載したヒートパイプ38、ヒートシンク39及びファン40と同一又は同様な構成とすることができるため、詳細な説明は省略する。ヒートパイプ68は中央付近がdGPU62aと熱的に接続され、両端が左右のヒートシンク69,69と接続されている。各ファン70は、それぞれファン40の吐出口40a及び吸込口40bと同様な吐出口70a及び吸込口70bを有する。
拡張筐体50はY2側の立壁50cに通気口72を有することができる。通気口72は、左右の吐出口70aからそれぞれ吐出されて左右のヒートシンク69を通過した空気(排気)を拡張筐体50外に排出するための開口である。図1及び図2に示すように、通気口72は立壁50cの長手方向に沿って並列された複数の小窓で形成することができる。通気口72は立壁50cの略全長に亘って延在している。
図2及び図6Bに示すように、拡張筐体50は底面50bの開口部53に臨むフレーム部74を有することができる。フレーム部74は、携帯用情報機器12のフレーム部30を構成する外縁部30a及び桟部30bと同様な外縁部74a及び桟部74bを有する構成とすることができるため、詳細な説明は省略する。フレーム部74も底面50bよりもZ1側にオフセットして配置される(図7B参照)。フレーム部74のZ2側表面はカバー部材24の支持面となる(図7C参照)。拡張筐体50は上面50aの開口部52に臨む部分にもフレーム部74と同様な構成を設けることができる。
次に、携帯用情報機器12に対する拡張装置14の連結構造及び連結動作を説明する。
図7Aは、携帯用情報機器12の模式的な側面断面図である。図7Bは、図7Aに示す携帯用情報機器12からカバー部材24を取り外して拡張装置14を連結する動作を示す側面断面図である。図7Cは、図7Bに示す携帯用情報機器12に拡張装置14を連結した情報機器システム10の側面断面図である。
図4及び図7Bに示すように、携帯用情報機器12の筐体本体22は底面22b側にカバー連結機構(第1カバー連結機構)32を備える。カバー連結機構32は、複数の磁石32aと、複数の係合穴32bとを有することができる。磁石32aは、例えばY2側の立壁20cに沿う外縁部30aにX方向で3つ設けられる。磁石32aは、例えばX方向に延びる桟部30bの両端付近にそれぞれ設けられる。磁石32aは外縁部30a及び桟部30bに埋設され、開口部28から底面22b側を臨んでいる。係合穴32bは、例えばY1側の立壁20cの内壁に左右一対で設けられ、Y2方向を向いて開口している。磁石32aは一部又は全部をねじで代用することもでき、他の磁石48a,58a,60aも同様である。
図5及び図7Bに示すように、カバー部材24は内面24b側に連結機構(第1連結機構)48を備える。連結機構48は、複数の磁石48aと、複数のフック48bとを有することができる。各磁石48aは、筐体本体22の各磁石32aと吸着可能な位置に配置されている。つまり各磁石48aはカバー部材24を筐体本体22に位置決めした際、各磁石32aと上下に対向する位置にある。磁石48aはカバー部材24に埋設され、内面24b側を臨んでいる。各フック48bは、筐体本体22の各係合穴32bと係合可能な位置に配置されている。つまり各フック48bはカバー部材24を筐体本体22に位置決めした際、各係合穴32bと係脱可能な位置にある。フック48bはカバー部材24の内面24bから突出するように設けられている。
図6A及び図7Bに示すように、拡張装置14の拡張筐体50は上面50a側に連結機構(第2連結機構)58を備える。連結機構58は、複数の磁石58aと、複数のフック58bとを有することができる。各磁石58aは、筐体本体22の各磁石32aと吸着可能な位置に配置されている。つまり各磁石58aは拡張筐体50を筐体本体22に位置決めした際、各磁石32aと上下に対向する位置にある。磁石58aは拡張筐体50に埋設され、開口部52から上面50a側を臨んでいる。各フック58bは、筐体本体22の各係合穴32bと係合可能な位置に配置されている。つまり各フック58bは拡張筐体50を筐体本体22に位置決めした際、各係合穴32bと係脱可能な位置にある。フック58bは上面50aから突出するように設けられている。
図6B及び図7Bに示すように、拡張装置14の拡張筐体50は底面50b側にカバー連結機構(第2カバー連結機構)60を備える。カバー連結機構60は、複数の磁石60aと、複数の係合穴60bとを有することができる。磁石60aは、カバー部材24を拡張筐体50に位置決めした際、各磁石48aと上下に対向する位置にある。磁石60aは、外縁部74a及び桟部74bに埋設され、開口部53から底面50b側を臨んでいる。係合穴60bは、例えばY2側の立壁50cの内壁に左右一対で設けられ、Y2方向を向いて開口している。各係合穴60bは、カバー部材24を拡張筐体50に位置決めした際、各フック48bを係合可能な位置に配置されている。
次に、携帯用情報機器12に対する拡張装置14の連結動作を説明する。
図3及び図7Aに示すように、携帯用情報機器12は、拡張装置14を連結しない場合は底面22bの開口部28をカバー部材24で閉じることができる。カバー部材24は、連結機構48をカバー連結機構32に連結することで筐体本体22に着脱可能に連結できる。カバー部材24は、各磁石48aが各磁石32aに吸着し、各フック48bが各係合穴32bに係合する。この際、カバー部材24の孔部44には底面22bから突出する脚部31が挿通される。これによりカバー部材24はがたつきなく安定して筐体本体22に連結される。特に孔部44が脚部31の位置決め機能を有すると、カバー部材24の筐体本体22に対する連結時の位置合わせが容易となる。さらにカバー部材24が筐体本体22に連結された状態での位置ずれが一層確実に抑制される。このように拡張装置14を連結しない携帯用情報機器12は薄型且つ軽量である。
図2及び図7Bに示すように、携帯用情報機器12に拡張装置14を連結する場合は、先ずカバー部材24を取り外す。カバー部材24は、例えばY2側縁部を指先や工具でZ2側に持ち上げて磁石48aを磁石32aから引き剥がす。続いてカバー部材24をY2方向にスライドさせる。これによりフック48bが係合穴32bから抜去され、カバー部材24を筐体本体22から容易に取り外すことができる。図1~図3及び図5に示すように、カバー部材24はY2側縁部の中央部に切欠形状部24cを設けておくこともできる。そうするとカバー部材24は筐体本体22から持ち上げる際、一層容易に指先や工具を引っ掛けることができる。
図2及び図7Bに示すように、筐体本体22はカバー部材24が取り外されると底面22bに開口部28が露出する。そこで、次に拡張装置14を携帯用情報機器12に連結する。拡張装置14は、連結機構58をカバー連結機構32に連結することで筐体本体22に着脱可能に連結できる。この連結は、先ず拡張筐体50のY2側縁部をZ2側に持ち上げた姿勢とし、各フック58bを筐体本体22の各係合穴32bに係合させる。続いて拡張筐体50をZ1側に移動させ、各磁石58aを各磁石32aに吸着させる。同時に、筐体本体22の底面22bから突出する脚部31を拡張筐体50の上面50aで開口する穴部54に挿入する。これにより拡張装置14はがたつきなく安定して筐体本体22に連結される(図7C参照)。特に穴部54が脚部31の位置決め機能を有すると、拡張装置14の筐体本体22に対する連結時の位置合わせが容易となる。さらに拡張装置14が筐体本体22に連結された状態での位置ずれが一層確実に抑制される。
なお、拡張装置14が筐体本体22に連結されると、接続端子34cと接続端子62cが互いに接続される。これより情報機器システム10は携帯用情報機器12と拡張装置14とが電気的に接続され、有線での情報の送受信が可能となる。なお、携帯用情報機器12及び拡張装置14は接続端子34c,62cを省略し、互いに無線で接続される構成とすることもできる。この場合の無線通信規格は、Bluetooth(登録商標)又は無線LAN等を例示できる。
続いて、拡張装置14の底面50bにカバー部材24を装着する。カバー部材24は、連結機構48をカバー連結機構60に連結することで拡張筐体50に着脱可能に連結できる。なお、カバー部材24は拡張装置14を携帯用情報機器12に連結する前に底面50bに装着してもよい。この連結は、先ずカバー部材24のY2側縁部をZ2側に持ち上げた姿勢とし、各フック48bを拡張筐体50の各係合穴60bに係合させる。続いてカバー部材24をZ1側に移動させ、各磁石48aを各磁石60aに吸着させる。同時に、拡張筐体50の底面50bから突出する拡張脚部56を孔部44に挿通させる。これによりカバー部材24はがたつきなく安定して拡張筐体50に連結される(図7C参照)。特に孔部44が拡張脚部56の位置決め機能を有すると、カバー部材24の拡張筐体50に対する連結時の位置合わせが容易となる。さらにカバー部材24が拡張筐体50に連結された状態での位置ずれが一層確実に抑制される。このように拡張装置14を携帯用情報機器12に連結した情報機器システム10は、携帯用情報機器12のパフォーマンスを拡張装置14で向上させることができる。
以上のように、本実施形態に係る情報機器システム10は、携帯用情報機器12と、携帯用情報機器12に着脱可能に連結される拡張装置14とを備える。携帯用情報機器12は、底面22bが開口した筐体本体22と、筐体本体22の底面22b側に設けられたカバー連結機構32と、カバー連結機構32に連結機構48で着脱されて底面22bを閉じるカバー部材24と、を有する。拡張装置14は、上面50aが開口した拡張筐体50と、拡張筐体50の上面50a側に設けられ、カバー部材24が取り外された筐体本体22のカバー連結機構32に着脱されることで拡張装置14を携帯用情報機器12に連結する連結機構58と、を有する。
このような情報機器システム10は、カバー部材24を取り外した携帯用情報機器12の筐体18に対して拡張装置14を連結する。この際、拡張装置14の連結機構58は、カバー部材24を筐体本体22に連結していたカバー連結機構32を利用して携帯用情報機器12に連結する。つまり情報機器システム10は、底面22bから取り外したカバー部材24に代えて拡張装置14を携帯用情報機器12に連結する。このため拡張装置14は携帯用情報機器12に一体的に連結することができる。その結果、情報機器システム10は拡張装置14をドッキングした携帯用情報機器12を容易に持ち運びすることができ、例えば外出先等でのモバイル使用にそのまま対応できる。このため情報機器システム10は、モバイル使用時にも拡張装置14の拡張機能を利用した高いパフォーマンスを得ることができる。
情報機器システム10は、拡張装置14を取り外すことで携帯用情報機器12の小型化及び軽量化を図ることができる。つまり携帯用情報機器12は拡張装置14による性能向上を前提として、携帯用情報機器12自身に搭載する機能を必要最小限に抑えることもできる。これにより携帯用情報機器12の単独使用時のさらなる薄型化及び軽量化が可能となる。このように情報機器システム10は、ユーザの用途や目的に応じて携帯用情報機器12のパフォーマンスや大きさを容易に選択することができる。このため情報機器システム10は携帯用情報機器12の汎用性を向上させることができる。その結果、ユーザはより柔軟な使用方法を選択することができる。さらに携帯用情報機器12は例えば拡張装置14を交換することでパフォーマンスのアップデートを図ることができ、製品寿命の延長も可能となる。
特に拡張装置14はカバー部材24を取り外して開口部28を露出させた筐体本体22に連結する。このため情報機器システム10は、拡張装置14が搭載する拡張冷却モジュール64で携帯用情報機器12の筐体18内を直接的に冷却することができる。その結果、携帯用情報機器12は拡張装置14によって冷却性能が大幅に向上するため、パフォーマンスが一層向上する。
しかも情報機器システム10では、底面22bからカバー部材24を取り外した携帯用情報機器12に対し、上面50aにカバー部材24のようなプレート部材を持たない拡張装置14を連結できる。このため情報機器システム10は、携帯用情報機器12と拡張装置14の連結面から、上記した2枚のプレート部材分の厚みを削減できる。その結果、情報機器システム10はさらなる薄型化及び軽量化が可能となる。
拡張筐体50は、開口した底面50b側にカバー部材24の連結機構48を着脱可能なカバー連結機構60を有することができる。これにより携帯用情報機器12に連結された拡張筐体50の底面50bをカバー部材24で着脱可能に閉じることができる。そうすると拡張装置14は拡張筐体50の底面50bにカバー部材24のようなプレート部材を予め設ける必要がない。このため拡張装置14はさらなる薄型化及び軽量化が可能となる。さらにカバー部材24は携帯用情報機器12から取り外して拡張装置14に再利用することで、その保管場所の確保や紛失の問題も解消できる。
携帯用情報機器12は筐体本体22の底面22bから突出する脚部31を有し、拡張装置14拡張筐体50の底面50bから突出する拡張脚部56を有することができる。この場合、カバー部材24は脚部31及び拡張脚部56をそれぞれ挿通可能な孔部44を有するとよい。そうすると携帯用情報機器12は、単独で使用する場合はカバー部材24の孔部44を挿通させた脚部31を机の上等に対する脚として利用できる。さらに拡張装置14を携帯用情報機器12に連結した情報機器システム10はカバー部材24の孔部44を挿通させた拡張脚部56を机の上等に対する脚として利用できる。
図8は、変形例に係る情報機器システム10Aの分解斜視図である。
図8に示す情報機器システム10Aは、図2等に示す情報機器システム10と比べて、携帯用情報機器12及び拡張装置14と構成の異なる携帯用情報機器12A及び拡張装置14Aを備える。携帯用情報機器12Aは、携帯用情報機器12よりも構成を簡素化し、薄型化及び軽量化を向上させたものである。
携帯用情報機器12Aは、例えばヒートパイプ38、ヒートシンク39及びファン40を搭載していない。代わりに携帯用情報機器12Aは、例えば筐体本体22にCPU34aの熱を拡散するための金属プレートやベーパーチャンバを搭載することができる。これにより携帯用情報機器12Aは筐体本体22の収容部品を一層削減でき、さらなる薄型化及び小型化が可能となる。携帯用情報機器12Aはファン40を搭載しないことで通気口42及び補助通気口43も省略することができる。これにより携帯用情報機器12Aの外観品質が向上する。
携帯用情報機器12Aを構成するカバー部材24Aは、上記したカバー部材24と比べて底面通気口45,46を持たない構成とすることができる。携帯用情報機器12Aはファン40を備えない。そこで、カバー部材24Aは底面通気口45,46を備えないことで、携帯用情報機器12Aの底面をよりフラットに形成でき、外観品質を一層向上させることができる。
拡張装置14Aは、上記した拡張装置14と比べて、例えばX方向の各立壁50cに側面通気口78を有することができる。側面通気口78は左右の立壁50cに並列された複数の小窓で形成されている。側面通気口78は、ファン70の吸込口70bに対する外気の導入口となる。つまり拡張装置14Aのファン70は、側面通気口78から吸い込んだ外気を吐出口70aからヒートシンク69を通して通気口72へと排気することができる。拡張装置14Aのファン70は、さらに拡張筐体50の上面50aの開口部52を介して筐体本体22内の熱を吸引し、通気口72へと排気することもできる。
このように情報機器システム10Aは、ファンレスの携帯用情報機器12Aを備えることで携帯用情報機器12の単独使用時の薄型化及び軽量化を図ることができる。しかも情報機器システム10Aは拡張装置14Aのファン70を用いて携帯用情報機器12Aの冷却も可能である。このため携帯用情報機器12Aは拡張装置14Aを連結することで、CPU34aのパフォーマンスを大幅に向上させることもできる。
図8に示すように、拡張装置14Aは上面50aに臨む受熱部材80を備えることができる。受熱部材80は銅やアルミニウム等の熱伝導率の高い金属プレートである。受熱部材80は例えば所定のヒートパイプやベーパーチャンバ等を介してヒートシンク69と熱的に接続されている。受熱部材80は拡張装置14Aが携帯用情報機器12Aに連結された際、CPU34aと熱的に接続される。これにより拡張装置14Aは受熱部材80を介してCPU34aを一層効率的に冷却することができる。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
拡張装置14,14Aは、拡張筐体50の底面50bに開口部53を持たず、カバー部材24,24Aと同様なプレート部材で底面50bを塞いだ構成とすることもできる。この場合、拡張装置14,14Aはカバー部材24を連結するためのカバー連結機構60は不要となる。