JP7682000B2 - 窒化ホウ素繊維、放熱グリース及び放熱シート - Google Patents

窒化ホウ素繊維、放熱グリース及び放熱シート Download PDF

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Description

本発明は、窒化ホウ素繊維並びにその窒化ホウ素繊維を含む放熱グリース及び放熱シートに関する。
パワーデバイス、トランジスタ、サイリスタ、CPUなどの発熱素子においては、使用時に発生する熱を如何に効率的に放熱するかが重要な課題となっている。従来から、このような放熱対策としては、発熱素子から発生した熱をヒートシンクなどの放熱部品へ伝導させ放熱することが一般的に行われてきた。発熱素子から発生した熱を放熱部品へ効率よく熱伝導させるために、発熱素子と放熱部品との間に接触界面におけるエアーギャップを放熱材料で埋めることが望ましい。取り扱いが容易であることから、そのような放熱材料として、例えば、窒化ホウ素を無機フィラーとして用いた放熱グリースが知られている(例えば、特許文献1参照)。窒化ホウ素は熱伝導性が高く、また絶縁性物質であるので、放熱グリースの熱伝導性を高くすることができるとともに、放熱グリースの絶縁性も確保できる。
発熱素子と放熱部品との間に放熱グリースを介在させると、放熱グリースにポンプアウト現象(放熱グリースが実装部分から流れ出してしまう現象)が起こる場合がある。ポンプアウト現象を抑制できる放熱グリースとして、例えば、特許文献2に記載されている、カーボンナノチューブを含むグリース組成物が従来技術として知られている(特許文献2)。特許文献2に記載のグリース組成物では、カーボンナノチューブの絡合構造がグリース層の成分をグリース層内にとどめるように作用することで、グリース層の成分が流動してポンプアウトすることを抑制することができる。
特開2002-194379号公報 特開2018-104651号公報
しかしながら、カーボンナノチューブは、良好な熱伝導性を有するものの、良好な電気伝導性も有するために、特許文献2に記載のグリース組成物の絶縁性は悪いと考えられる。このため、良好な熱伝導性を有し、ポンプアウト現象を抑制できるとともに、良好な絶縁性を有する放熱グリースを得るための無機フィラーとして、良好な熱伝導性を有する繊維状の絶縁性無機フィラーが望まれていた。
そこで、本発明は、良好な熱伝導性を有する繊維状の絶縁性無機フィラー、そのフィラーを用いた放熱グリースを提供することを目的とする。また、良好な熱伝導性を有する繊維状の絶縁性無機フィラーを放熱シートの無機フィラーとして用いることにより、放熱シートの内部に伝熱経路となる無機フィラーのネットワーク構造を形成することができる。そして、これにより、高い熱伝導性を有する放熱シートが得られる可能性がある。そこで、本発明は、さらに、上記フィラーを用いた放熱シートを提供することも目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を進めたところ、放熱グリースの無機フィラーとして用いられていた窒化ホウ素を繊維状にすることにより、上記課題を解決できることを見出した。
本発明は、上記の知見に基づくものであり、以下を要旨とする。
[1]平均繊維直径が1~30μmであり、中実であり、繊維軸方向の配向性を示す窒化ホウ素繊維。
[2]平均繊維長が50~2000μmである上記[1]に記載の窒化ホウ素繊維。
[3]アスペクト比(平均繊維長/平均繊維直径)が10~1000である上記[1]又は[2]に記載の窒化ホウ素繊維。
[4]繊維軸方向に対して略垂直をなす断面が同心円組織を有する上記[1]~[3]のいずれか1つに記載の窒化ホウ素繊維。
[5]繊維軸方向に対して略垂直をなす断面における空隙率(面積比)が5%以下である上記[1]~[4]のいずれか1つに記載の窒化ホウ素繊維。
[6]上記[1]~[5]のいずれか1項に記載の窒化ホウ素繊維を含む放熱グリース。
[7]上記[1]~[5]のいずれか1つに記載の窒化ホウ素繊維を含む放熱シート。
[8]厚さが200μm以下である上記[7]に記載の放熱シート。
[9]前記窒化ホウ素繊維の含有量が5~40質量%である上記[7]又は[8]に記載の放熱シート。
本発明によれば、良好な熱伝導性を有する繊維状の絶縁性無機フィラー、並びにそのフィラーを用いた放熱グリース及び放熱シートを提供することができる。
図1は、実施例の窒化ホウ素繊維を作製するための反応装置の概略図である。 図2は、実施例の窒化ホウ素繊維の顕微鏡写真である。 図3は、実施例の窒化ホウ素繊維及び窒化ホウ素粉末のX線回折パターンを示す図である。 図4は、実施例の窒化ホウ素繊維における鏡面研磨した断面の一例の顕微鏡写真である。 図5は、実施例の窒化ホウ素繊維の破断面の一例のSEM写真である。 図6は、実施例の窒化ホウ素繊維の一例のSEM写真である。 図7は、実施例の窒化ホウ素繊維の一例のSEM写真である。
[窒化ホウ素繊維]
本発明の窒化ホウ素繊維は、平均繊維直径が1~30μmであり、中実であり、繊維軸方向の配向性を示す。この窒化ホウ素繊維を放熱グリースに用いることにより、良好な熱伝導性を有し、ポンプアウト現象を抑制できるとともに、絶縁性を有する放熱グリースを得ることができる。また、この窒化ホウ素繊維を放熱シートに用いることにより、良好な熱伝導性を有し、絶縁性を有する放熱グリースを得ることができる。
本発明の窒化ホウ素繊維の平均繊維直径は1~30μmである。窒化ホウ素繊維の平均繊維直径が1μm未満であると、窒化ホウ素繊維の取り扱い性が悪くなる場合がある。また、窒化ホウ素繊維の平均繊維直径が30μmよりも大きいと、窒化ホウ素繊維を放熱グリースに用いたとき、窒化ホウ素繊維同士の絡み合いが不十分になり、放熱グリースのポンプアウト現象を十分には抑制できない場合がある。このような観点から、窒化ホウ素繊維の平均繊維直径は、好ましくは1~20μmであり、より好ましくは2~15μmである。なお、窒化ホウ素繊維の平均繊維直径は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明の窒化ホウ素繊維は、中実であり、繊維軸方向の配向性を示す。これにより、窒化ホウ素繊維の熱伝導率を高くすることができる。なお、本発明の窒化ホウ素繊維が中実であるか、又は中空であるかについては、電子顕微鏡を用いて、窒化ホウ素繊維の断面を観察することにより、判断することができる。また、窒化ホウ素繊維が、繊維軸方向の配向性を示しているか否かについても、電子顕微鏡を用いて窒化ホウ素繊維の断面を観察することにより、判断することができる。具体的には、窒化ホウ素繊維の繊維軸方向に対して略垂直をなす断面が同心円組織(年輪状組織)を有している場合は、窒化ホウ素繊維が、繊維軸方向の配向性を示していると判断できる。
本発明の窒化ホウ素繊維の平均繊維長は、好ましくは50~2000μmである。窒化ホウ素繊維の平均繊維長が50μm以上であると、窒化ホウ素繊維を放熱グリースに用いたとき、窒化ホウ素繊維同士を十分に絡み合うようにすることができ、これにより放熱グリースのポンプアウト現象を十分に抑制することができる。また、窒化ホウ素繊維の平均繊維長が50μm以上であると、窒化ホウ素繊維を放熱シートに用いたとき、放熱シートの内部に伝熱経路となる窒化ホウ素繊維のネットワーク構造を形成することができ、これにより、放熱シートは効率よく熱を伝導することができ、放熱シートの熱伝導性を改善することができる。窒化ホウ素繊維の平均繊維長が2000μm以下であると、放熱グリース及び放熱シートを作製するために使用するスラリーの塗工性が良好になる。このような観点から、本発明の窒化ホウ素繊維の平均繊維長は、より好ましくは100~900μmであり、さらに好ましくは200~800μmである。窒化ホウ素繊維の平均繊維長は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明の窒化ホウ素繊維のアスペクト比(平均繊維長/平均繊維直径)は、好ましくは10~1000である。窒化ホウ素繊維のアスペクト比が10以上であると、窒化ホウ素繊維を放熱グリースに用いたとき、窒化ホウ素繊維同士を十分に絡み合うようにすることができ、これにより放熱グリースのポンプアウト現象を十分に抑制することができる。また、窒化ホウ素繊維のアスペクト比が10以上であると、窒化ホウ素繊維を放熱シートに用いたとき、放熱シートの内部に伝熱経路となる窒化ホウ素繊維のネットワーク構造を形成することができ、これにより、放熱シートはさらに効率よく熱を伝導することができ、放熱シートの熱伝導性を改善することができる。窒化ホウ素繊維のアスペクト比が1000以下であると、放熱グリース及び放熱シートを作製するために使用するスラリーの塗工性が良好になる。このような観点から、本発明の窒化ホウ素繊維のアスペクト比は、より好ましくは30~800であり、さらに好ましくは40~600である。窒化ホウ素繊維のアスペクト比は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明の窒化ホウ素繊維における繊維軸方向に対して略垂直をなす断面は同心円組織を有していることが好ましい。本発明の窒化ホウ素繊維の繊維軸方向に対して略垂直をなす断面が同心円組織を有している場合、窒化ホウ素繊維は、繊維軸方向の配向性を十分に示していることになる。これにより、窒化ホウ素繊維の繊維軸方向の熱伝導性をさらに改善することができる。
本発明の窒化ホウ素繊維における繊維軸方向に対して略垂直をなす断面における空隙率(面積比)は、好ましくは5%以下である。窒化ホウ素繊維の繊維軸方向に対して略垂直をなす断面における空隙率が5%以下であると、窒化ホウ素繊維の熱伝導性をさらに改善することができる。このような観点から、本発明の窒化ホウ素繊維の繊維軸方向に対して略垂直をなす断面における空隙率は、より好ましくは3%以下であり、さらに好ましくは1%以下であり、特に好ましくは0%である。なお、窒化ホウ素繊維の繊維軸方向に対して略垂直をなす断面における空隙率は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明の窒化ホウ素繊維は、分岐構造を有することが好ましい。これにより、窒化ホウ素繊維同士がさらに絡み合いやすくなる。その結果、本発明の窒化ホウ素繊維を放熱グリースに用いた場合、放熱グリースのポンプアウト現象をさらに抑制することができる。また、本発明の窒化ホウ素繊維を放熱シートに用いた場合、放熱シートの内部に伝熱経路となる、さらに複雑な窒化ホウ素繊維のネットワーク構造を形成することができ、これにより、放熱シートはさらに効率よく熱を伝導することができ、放熱シートの熱伝導性をさらに改善することができる。また、窒化ホウ素繊維が分岐構造を有することにより、窒化ホウ素繊維同士が強く絡み合うので、窒化ホウ素繊維のみからなるシートを作製することができる。そして、このシートに樹脂を含浸することにより、窒化ホウ素の含有量が高い放熱シートを作製することができる。
本発明の窒化ホウ素繊維の側面から針状繊維が突出していることが好ましい。これにより、窒化ホウ素繊維同士がさらに絡み合いやすくなる。その結果、本発明の窒化ホウ素繊維を放熱グリースに用いた場合、放熱グリースのポンプアウト現象をさらに抑制することができる。また、本発明の窒化ホウ素繊維を放熱シートに用いた場合、放熱シートの内部に伝熱経路となる、さらに複雑な窒化ホウ素繊維のネットワーク構造を形成することができ、これにより、放熱シートはさらに効率よく熱を伝導することができ、放熱シートの熱伝導性をさらに改善することができる。また、窒化ホウ素繊維の側面から針状繊維が突出していることにより、窒化ホウ素繊維同士が強く絡み合うので、窒化ホウ素繊維のみからなるシートを作製することができる。そして、このシートに樹脂を含浸することにより、窒化ホウ素の含有量が高い放熱シートを作製することができる。なお、分岐構造は、窒化ホウ素繊維が枝分かれしている構造であり、針状繊維は、いわば、窒化ホウ素繊維の側面から突出する棘のようなものである。
[窒化ホウ素繊維の製造方法]
窒化ホウ素繊維は、例えば、ホウ酸を加熱し、脱水・気化した酸化ホウ素を、窒化ホウ素基板上で、窒素及びアンモニアの混合ガスで窒化することにより、製造することができる。例えば、管状炉中に窒化ホウ素基板を配置し、その上に、アルミナボートを載置する。ここで、窒化ホウ素基板における窒化ホウ素の純度は、例えば95質量%以上であってよく、100質量%(実質的に基板が窒化ホウ素からなる態様)でもあってもよい。窒化ホウ素基板の大きさは、アルミナボードや管状炉の大きさ等に応じて適宜設定すればよい。窒化ホウ素基板の厚さは、例えば、5mm以上であってよく、20mm以下であってよい。また、アルミナボードのアルミナの純度は、例えば95質量%以上であってよく、100質量%(実質的に容器がアルミナからなる態様)であってもよい。また、管状炉は、窒素ガス及びアンモニアガスを通気する流入口及び排出口を有する。この管状炉は、例えば、アルミナで形成されていてよい。このアルミナの純度は、例えば、95質量%以上であってよく、100質量%(実質的に容器がアルミナからなる態様)であってもよい。管状炉の大きさは、その内部に窒化ホウ素基板等を配置できる大きさであればよい。管状炉の容積は、例えば、0.2L以上、1L以上又は5L以上であってよく、30L以下、20L以下又は10L以下であってよい。管状炉の断面積(窒素ガス及びアンモニアガスの通気方向に対して垂直な断面の面積)は、3cm以上、15cm以上又は30cm以上であってよく、180cm以下、100cm以下又は50cm以下であってよい。
そして、アルミナボートにホウ酸(粉末状)を載せ、窒素及びアンモニアの混合ガス気流中で、例えば、1450~1800℃の加熱温度、0.5~5時間の加熱時間でホウ酸を加熱する。窒素ガスの流量は、ホウ酸1g当たり、例えば、0.5~5L/minである。また、アンモニアガスの流量は、例えば、ホウ酸1g当たり、1.0L/min超~5L/min以下である。ホウ酸を加熱し、脱水・気化した酸化ホウ素は、窒素及びアンモニアの混合ガスにより窒化する。窒素及びアンモニアの混合ガスによるホウ素の窒化により得られた窒化ホウ素は、窒化ホウ素基板上で成長し、窒化ホウ素繊維となる。なお、ホウ酸量に対するアンモニアガスの流量を多くすることで分岐構造が少なくなる傾向がある。
上記の樹脂組成物は、例えば、放熱材として用いることができる。放熱材は、例えば、樹脂組成物を硬化させることにより製造することができる。樹脂組成物を硬化させる方法は、樹脂組成物が含有する樹脂(及び必要に応じて用いられる硬化剤)の種類に応じて適宜選択される。
[放熱グリース]
本発明の放熱グリースは、本発明の窒化ホウ素繊維を含む。これにより、放熱グリースのポンプアウト現象を抑制することができる。
本発明の放熱グリースは、例えば、液状ポリマー及び本発明の窒化ホウ素繊維を混練してペースト状にしたものである。液状ポリマーには、例えば、ポリオレフィン、アルキル芳香族、脂環式化合物などの炭化水素油、ポリグリコール、フェニルエーテルなどのポリエーテル類、ジエステル、ポリオールエステルなどのエステル類、芳香族リン酸エステルなどのリン化合物、シリコーンなどのケイ素化合物、フッ素化ポリエーテルなどのハロゲン化合物、鉱物油、フロロシリコーン、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。これらの液状ポリマーの中で、耐熱性、耐候性、電気絶縁性及び化学的安定性の観点からシリコーンが好ましい。
本発明の放熱グリースにおける窒化ホウ素繊維の含有量は、好ましくは5~40質量%である。窒化ホウ素繊維の含有量が5質量%以上であると、放熱グリースの熱伝導率を高くすることができる。また、放熱グリースのポンプアウト現象の発生をさらに抑制することができる。窒化ホウ素繊維の含有量が40質量%以下であると、放熱グリースの塗工性を良好にすることができる。このような観点から、本発明の放熱グリースにおける窒化ホウ素繊維の含有量は、より好ましくは10~35質量%であり、さらに好ましくは15~30質量%である。
[放熱シート]
本発明の放熱シートは本発明の窒化ホウ素繊維を含む。これにより、放熱シートの内部に伝熱経路となる窒化ホウ素繊維のネットワーク構造を形成することができ、放熱シートは効率よく熱を伝導することができるので、放熱シートの熱伝導性を改善することができる。
本発明の放熱シートは、例えば、樹脂成分及び窒化ホウ素繊維を含むスラリーをドクターブレード法によりシート状に成形することにより作製することができる。樹脂成分の樹脂には、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂(シリコーンゴムを含む)、アクリル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル、フッ素樹脂、ポリアミド(例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等)、ポリエステル(例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等)、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、全芳香族ポリエステル、ポリスルホン、液晶ポリマー、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、マレイミド変性樹脂、ABS樹脂、AAS(アクリロニトリル-アクリルゴム・スチレン)樹脂、AES(アクリロニトリル・エチレン・プロピレン・ジエンゴム-スチレン)樹脂などが挙げられる。これらの中で、耐熱性、柔軟性及びヒートシンク等への密着性の観点から、シリコーン樹脂が好ましい。
放熱シートにおける窒化ホウ素繊維の含有量は、好ましくは5~40質量%である。窒化ホウ素繊維の含有量が5質量%以上であると、放熱シートの熱伝導率をさらに高くすることができる。放熱シートにおける窒化ホウ素繊維の含有量が40質量%以下であると、放熱シートを作製するときに用いるスラリーの塗工性が良好となり、放熱シートが製造しやすくなる。このような観点から、放熱シートにおける窒化ホウ素繊維の含有量は、より好ましくは10~35質量%であり、さらに好ましくは15~30質量%である。
本発明の放熱シートの厚さは、好ましくは200μm以下である。放熱シートの厚さが200μm以下であると、放熱シートの放熱性をさらに改善することができる。なお、本発明の放熱シートでは、無機フィラーとして窒化ホウ素繊維を用いるので、窒化ホウ素繊維を面内方向に配向させることにより、放熱シートの厚さを200μmにすることが容易である。このような観点から、放熱シートの厚さは、より好ましくは180μm以下であり、さらに好ましくは150μm以下である。また、放熱シートの強度の観点から、本発明の放熱シートの厚さは、好ましくは80μm以上であり、より好ましくは100μm以上であり、さらに好ましくは120μm以上である。
本発明の放熱シートの強度を改善するために、本発明の放熱シートは、中間補強層を有してもよい。中間補強層には、例えば、紙、布、フィルム、不織布、金属箔などが挙げられる。これらの中で、目開き部分を設けることで、中間補強層による熱伝導の阻害を抑制できるという観点から、布が好ましく、ガラスクロス及びポリアミド-イミド繊維クロスがより好ましく、ガラスクロスがさらに好ましい。また、放熱シートを薄くしても高絶縁性を確保できるという観点から、フィルムが好ましく、耐熱性及び熱伝導性の観点からポリイミドフィルムがより好ましい。
以下、本発明について、実施例により、詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[窒化ホウ素繊維の製造]
図1に示す管状炉4のアルミナ炉心管5の中に窒化ホウ素基板2を配置する。その窒化ホウ素基板2の上に2つのアルミナボート1を、アルミナボート1の長手方向が後述の混合ガスが流れる方向と平行になるように、後述の混合ガスが流れる方向に並べて配置した。それぞれのアルミナボート1には、アルミナボートの開口部の一部を塞ぐように窒化ホウ素基板3を配置した。後述の混合ガスの流れに対して上流側のアルミナボートには2gのホウ酸を載せ、下流側のアルミナボート1には1gのホウ酸を載せた。窒素ガスのガスボンベ8から2L/minの流量で窒素ガスを、アンモニアガスのガスボンベ9から4L/minの流量でアンモニアガスをガス混合機10に供給して窒素ガス及びアンモニアガスの混合ガスを作製し、アルミナ炉心管5の中に供給した。発熱体6を発熱させて、1600℃の加熱温度及び1時間の加熱時間でアルミナボート1を加熱した。上流側のアルミナボート1近傍の窒化ホウ素基板の上に窒化ホウ素繊維を生成させ、実施例の窒化ホウ素繊維を得た。窒化ホウ素基板に生成した実施例の窒化ホウ素繊維の顕微鏡写真を図2に示す。
[窒化ホウ素繊維の平均繊維直径、平均繊維長及びアスペクト比(平均繊維長/平均繊維直径)]
得られた実施例の窒化ホウ素繊維をデジタルマイクロスコープ(商品名「VHX-7000」、株式会社キーエンス製)の試料台の上に散布した。そして、デジタルマイクロスコープを用いて、50本の窒化ホウ素繊維の繊維直径及び繊維長を測定し、それらの平均値を、実施例の窒化ホウ素繊維の平均繊維直径及び平均繊維長とした。そして、平均繊維直径で平均繊維長を割り算して、実施例の窒化ホウ素繊維のアスペクト比(平均繊維長/平均繊維直径)を算出した。その結果、実施例の平均繊維直径が10μmであり、平均繊維長が481μmであり、アスペクト比が48であった。
[窒化ホウ素繊維の含有元素]
EDS(エネルギー分散型X線分析装置)搭載走査型電子顕微鏡(SEM-EDS)(商品名「JSM-7001F」、日本電子株式会社製)を用いて、実施例の窒化ホウ素繊維の含有元素を調べた。その結果、実施例の窒化ホウ素繊維に含まれている主な元素は、ホウ素及び窒素であった。
[窒化ホウ素繊維の粉末X線回折分析]
X線回折装置(商品名「Ultima IV」、株式会社リガク製)を用いて、実施例の窒化ホウ素繊維の粉末X線回折分析を行った。また、参考のために、窒化ホウ素粉末(商品名「デンカボロンナイトライドGP」、デンカ株式会社製)の粉末X線回折分析も行った。実施例の窒化ホウ素繊維及び窒化ホウ素粉末のX線回折パターンを図3に示す。実施例の窒化ホウ素繊維のX線回折パターンのメインピークは、窒化ホウ素粉末のX線回折パターンのメインピークと一致していた。
[窒化ホウ素繊維の断面における空隙率(面積比)]
実施例の窒化ホウ素繊維をエポキシ樹脂に混合してなる混合物を25℃、12時間で硬化させた。その後、樹脂に充填された実施例の窒化ホウ素繊維の断面が含まれる任意の断面を鏡面研磨した。そして、走査型電子顕微鏡(SEM)(商品名「JSM-7001F」、日本電子株式会社製)を用いて、実施例の窒化ホウ素繊維の鏡面研磨した断面を撮影した。画像解析ソフト(商品名「Mac-View」、株式会社マウンテック製)を使用して、撮影した画像の窒化ホウ素繊維の断面において中実部分と空隙部分とが抽出できるように、撮影した画像を2値化し、窒化ホウ素繊維の断面における空隙率(面積比)を測定した。そして、10本の窒化ホウ素繊維の断面における空隙率(面積比)を測定し、その平均値を実施例の窒化ホウ素繊維の断面における空隙率(面積比)とした。実施例の窒化ホウ素繊維における鏡面研磨した断面の一例の顕微鏡写真を図4に示す。その結果、実施例の窒化ホウ素繊維は中実であることがわかり、実施例の窒化ホウ素繊維の断面における空隙率(面積比)は、5%以下であった。
[窒化ホウ素繊維の断面の組織]
走査型電子顕微鏡(SEM)(商品名「JSM-7001F」、日本電子株式会社製)を用いて、実施例の窒化ホウ素繊維の破断面を観察して、窒化ホウ素繊維の繊維軸方向に対して略垂直をなす断面の組織を調べた。実施例の窒化ホウ素繊維の破断面の一例のSEM写真を図5に示す。その結果、実施例の窒化ホウ素繊維における繊維軸方向に対して略垂直をなす断面が同心円組織を有することがわかった。そして、実施例の窒化ホウ素繊維の断面が同心円組織を有することから、実施例の窒化ホウ素繊維は繊維軸方向の配向性を示すことがわかった。そして、実施例の窒化ホウ素繊維は繊維軸方向の配向性を示すことに加えて、実施例の窒化ホウ素繊維は中実であることから、実施例の窒化ホウ素繊維は良好な熱伝導性を有することがわかる。
[窒化ホウ素繊維の構造]
走査型電子顕微鏡(SEM)(商品名「JSM-7001F」、日本電子株式会社製)を用いて、実施例の窒化ホウ素繊維を観察して、窒化ホウ素繊維の構造を調べた。実施例の窒化ホウ素繊維の一例のSEM写真を図6及び図7に示す。その結果、図6のSEM写真が示すとおり、実施例の窒化ホウ素繊維は分岐構造を有することがわかった。また、図7のSEM写真が示すとおり、実施例の窒化ホウ素繊維の側面から針状繊維が突出していることがわかった。
1 アルミナボート
2,3 窒化ホウ素基板
4 管状炉
5 アルミナ炉心管
6 発熱体
7 熱電対
8,9 ガスボンベ
10 ガス混合機

Claims (8)

  1. 平均繊維直径が1~30μmであり、
    中実であり、
    繊維軸方向の配向性を示し、
    走査型電子顕微鏡を用いて調べた繊維軸方向に対して略垂直をなす破断面が同心円組織を有する窒化ホウ素繊維。
  2. 平均繊維長が50~2000μmである請求項1に記載の窒化ホウ素繊維。
  3. アスペクト比(平均繊維長/平均繊維直径)が10~1000である請求項1又は2に記載の窒化ホウ素繊維。
  4. 繊維軸方向に対して略垂直をなす断面における空隙率(面積比)が5%以下である請求項1~のいずれか1項に記載の窒化ホウ素繊維。
  5. 請求項1~のいずれか1項に記載の窒化ホウ素繊維を含む放熱グリース。
  6. 請求項1~のいずれか1項に記載の窒化ホウ素繊維を含む放熱シート。
  7. 厚さが200μm以下である請求項に記載の放熱シート。
  8. 前記窒化ホウ素繊維の含有量が5~40質量%である請求項又はに記載の放熱シート。
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