特段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、全般的に、通常当業者によって理解されるものと同じ意味を有する。全般的に、本明細書で使用される命名法、並びに細胞培養、分子遺伝学、有機化学及びペプチド化学における実験手順は、当分野において公知でありかつ通常採用されるものである。
本明細書で使用される場合、「a」及び「an」という冠詞は、冠詞の文法上の対象が1つ又は1つよりも多い(即ち、少なくとも1つである)ことを指す。例として、「an element」は、1つの要素又は1つより多くの要素を意味する。更に、「含んでいる(including)」という用語並びに「含む(include)」、「含む(includes)」及び「含んだ(included)」等の他の形態の使用は、限定的ではない。
本明細書で使用される場合、「約」という用語は当業者によって理解され、それが使用される文脈に応じてある程度変化することになる。量、時間的な継続等の測定可能な値を指す場合に本明細書で使用される場合、「約」という用語は、そのような変動が開示される方法を実施するのに適切である限り、規定値から±5%、±1%及び±0.1%を含めた、±20%又は±10%の変動を包含することを意味する。
本明細書で使用される「投与」等の用語は、対象に治療薬を与えることを指す。静脈内投与、経口投与、エアロゾル投与、非経口投与、点眼、経肺投与及び局所投与を含むがこれらに限定されない治療薬を投与する複数の技術が当分野において存在する。
「処置する」「処置された」「処置している」又は「処置」という用語は、処置されている状態、障害又は疾患に関連する又はそれらによって引き起こされる少なくとも1つの症状の縮小又は軽減を含む。特定の実施形態では、処置は、野生型又は変異体のEGFRを、がんと関係する状態を対象に本明細書で開示される有効量の化合物と接触させることを含む。
本明細書で使用される場合、「予防する」又は「予防」という用語は、何も起こっていない場合には障害若しくは疾患の発症がないこと、又は障害若しくは疾患の発症が既にある場合には更なる障害若しくは疾患の発症がないことを意味する。障害又は疾患と関連付けられる症状の一部又はすべてを予防するその能力とも考えられる。
本明細書で使用される場合、「患者」、「個体」又は「対象」という用語は、ヒト又は非ヒト哺乳動物を意味する。非ヒト哺乳動物としては、例えば、ヒツジ種、ウシ種、ブタ種、イヌ種、ネコ種及び海洋の哺乳動物等の、家畜及び愛玩動物が挙げられる。好ましくは、患者、対象又は個体はヒトである。
本明細書で使用される場合、「有効量」、「薬学的有効量」及び「治療有効量」という用語は、所望の生物学的結果をもたらす、薬剤の無毒であるが十分な量のことを指す。この結果は、疾患の兆候、症状若しくは原因の低減若しくは軽減、又は生物学的システムの他の何らかの所望の改変であってもよい。任意の個体の症例における適切な治療量は、定型化した実験法を使用して当業者により決定することができる。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される」という用語は、生物学的活性又は化合物の特性を無効にしないかつ比較的無毒な、即ち、望ましくない生物学的作用を起こす又はそれを含有する組成物中の任意の成分と有害であるように相互作用をすることなく個体に投与することが可能な、担体又は希釈剤等の材料のことを指す。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される塩」という用語は、開示される化合物の誘導体であって、既存の酸又は塩基部分をその塩形態に変換することによりその親化合物が修飾された誘導体のことを指す。薬学的に許容される塩の例としては、アミン等の塩基性残基の無機塩又は有機酸塩、カルボン酸等の酸性残基のアルカリ塩又は有機塩等が挙げられるが、これらに限定されない。本開示の薬学的に許容される塩には、親化合物の従来型の無毒な塩、例えば、無毒な無機酸又は有機酸から形成された塩が含まれる。本開示の薬学的に許容される塩は、従来の化学的方法により、塩基又は酸部分を含有する親化合物から合成することができる。一般的にそのような塩は、水中若しくは有機溶媒中、又はその2つの混合物中で(一般的にはエーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール又はアセトニトリルのような非水性媒質が好ましい)、これらの化合物の遊離の酸又は遊離の塩基形態を、化学量論量の適切な塩基又は酸と反応させることによって調製することができる。「薬学的に許容される塩」というフレーズは、モノ塩即ち1:1塩に限定されない。例えば、「薬学的に許容される塩」には、ビス塩酸塩等のビス塩も含まれる。適した塩のリストは、Remington's Pharmaceutical Sciences、第17版、Mack Publishing Company、Easton、Pa.、1985、1418頁及びJournal of Pharmaceutical Science、66、2(1977)に見出され、そのそれぞれが参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
本明細書で使用される場合、「プロドラッグ」という用語は、生体内で代謝活性化を経て活性な薬物を生じることになる前駆体化合物のことを指す。従って、例えば、本明細書で提供される化合物のプロドラッグは、対象に投与された場合、代謝活性化を経て化合物を生成することになる。
本明細書で使用される場合、「組成物」又は「医薬組成物」という用語は、本開示内で有用な少なくとも1つの化合物と薬学的に許容される担体との混合物を指す。医薬組成物は、患者又は対象への化合物の投与を容易にする。静脈内投与、経口投与、エアロゾル投与、非経口投与、点眼、経肺投与及び局所投与を含むがこれらに限定されない、化合物を投与する複数の技術が当分野において存在する。
本明細書で使用される「組み合わせ医薬」という用語は、1つより多い有効成分を混合する又は組み合わせることによって得られる製品を意味し、有効成分の固定された組み合わせ及び固定されていない組み合わせの両方が含まれる。「固定された組み合わせ」という用語は、有効成分、例えば開示の化合物及び併用薬剤(co-agent)の両方を、単一体又は単一投与量の形態で、同時に患者に投与することを意味する。「固定されていない組み合わせ」という用語は、有効成分、例えば開示の化合物及び併用薬剤の両方を分離体として、同時に、並行に、又は具体的な時間制限なしに逐次的に患者に投与し、そのような投与により2つの化合物の治療有効レベルを患者の体内にもたらすことを意味する。後者はまた、カクテル療法、例えば3つ以上の有効成分の投与にも適用される。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」という用語は、例えば液体フィラー若しくは固体フィラー、安定剤、分散剤、懸濁化剤、希釈剤、賦形剤、増粘剤、溶媒又はカプセル化材料等の、薬学的に許容される材料、組成物又は担体であって、本開示内で有用な化合物を、その意図された機能が果たされ得るように患者内に又は患者に対して運搬即ち輸送することに関与する薬学的に許容される材料、組成物又は担体を意味する。典型的には、そのような構成物は、1つの器官又は体の一部から、別の器官又は体の一部に運搬即ち輸送される。それぞれの担体は、本開示内で有用な化合物を含めた製剤の他の成分との適合性があり、患者に対して傷害性がないという意味において「許容され」なければならない。薬学的に許容される担体として働き得る材料の一部の例としては、ラクトース、グルコース及びスクロース等の糖;トウモロコシデンプン及びジャガイモデンプン等のデンプン;カルボキシルメチル・セルロース・ナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロース等のセルロース及びその誘導体;トラガント末;麦芽;ゼラチン;タルク;カカオバター及び坐薬ワックス等の賦形剤;ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及び大豆油等の油;プロピレングリコール等のグリコール;グリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコール等のポリオール;オレイン酸エチル及びラウリン酸エチル等のエステル;寒天;水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム等の緩衝化剤;表面活性薬剤;アルギン酸;発熱物質を含まない水;等張食塩水;リンゲル溶液;エチルアルコール;リン酸緩衝溶液;並びに医薬製剤において採用される他の無毒な適合性のある物質が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」にはまた、本開示内で有用な化合物の活性と適合性がありかつ患者に生理学的に許容されるありとあらゆるコーティング剤、抗菌及び抗真菌剤、並びに吸収遅延剤等も含まれる。補助活性化合物も組成物に組み込むことができる。「薬学的に許容される担体」には、本明細書で開示される化合物の薬学的に許容される塩が更に含まれ得る。医薬組成物に含めることのできる他の追加の成分が当分野において知られており、例えば、参照により本明細書に組み込まれているRemington's Pharmaceutical Sciences(Genaro、Ed.、Mack Publishing Co.、1985、Easton、PA)において記載されている。
本明細書で使用される場合、「EGFR」という用語は、上皮成長因子受容体(或いはErbB-1又はHER1とも称される)のことを指し、野生型の受容体又は1つ若しくは複数の変異を含有する受容体のことを指し得る。
本明細書で使用される場合、「HER」又は「Her」という用語は、EGFR、ERBB2、HER3及びHER4を含めたErbB受容体チロシンキナーゼファミリーのメンバーを指す。
本明細書で使用される場合、「アロステリック部位」という用語は、EGFRの結晶構造中で特徴付けられるような、ATP結合部位以外のEGFR上の部位を指す。「アロステリック部位」は、EGFRの結晶構造中で特徴付けられるような、ATP結合部位に近接した部位であってもよい。例えば、1つのアロステリック部位には、1つ又は複数の、以下の上皮成長因子受容体(EGFR)のアミノ酸残基:Lys745、Leu788、Ala743、Cys755、Leu777、Phe856、Asp855、Met766、Ile759、Glu762及び/又はAla763、が含まれる。
本明細書で使用される場合、「EGFRのダイマー形成を防ぐ薬剤」という用語又はその反復は、ダイマー形成であって、「アクチベーター」サブユニットのCローブが「レシーバー」サブユニットのNローブと衝突するダイマー形成を防ぐ薬剤のことを指す。EGFRのダイマー形成を防ぐ薬剤の例としては、セツキシマブ、トラスツズマブ、パニツムマブ及びMig6が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、それ自体での又は別の置換基の一部としての「アルキル」という用語は、特段の言明がない限り、明示された数の炭素原子を有する直鎖状又は分枝鎖状の炭化水素を意味し(即ち、C1~C6アルキルは1から6個の炭素原子を有するアルキルを意味する)、直鎖及び分枝鎖を含む。例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、ネオペンチル及びヘキシルが挙げられる。C1~C6アルキルの他の例としては、エチル、メチル、イソプロピル、イソブチル、n-ペンチル及びn-ヘキシルが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「ハロアルキル」という用語は、1つ又は複数のハロ置換基で置換された上記で定義されるアルキル基のことを指し、アルキル及びハロは本明細書で定義される通りである。ハロアルキルには、例として、クロロメチル、トリフルオロメチル、ブロモエチル、クロロフルオロエチル等が含まれる。
本明細書で使用される場合、「アルコキシ」という用語は、-O-アルキル基のことを指し、アルキルは本明細書で定義される通りである。アルコキシには、例として、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、sec-ブトキシ、t-ブトキシ等が含まれる。
本明細書で使用される場合、「アルキルアミン」という用語は、-NH-アルキル基のことを指し、アルキルは本明細書で定義される通りである。アルキルアミンには、例として、メチルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、n-プロピルアミン、n-ブチルアミン、sec-ブチルアミン、t-ブチルアミン等が含まれる。
本明細書で使用される場合、「ハロアルコキシ」という用語は、-O-ハロアルキル基のことを指し、ハロアルキルは本明細書で定義される通りである。ハロアルコキシには、例として、クロロメトキシ、トリフルオロメトキシ、ブロモエトキシ、クロロフルオロエトキシ等が含まれる。
本明細書で使用される場合、「アルケニル」という用語は、特定の実施形態では、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する2から6個又は2から8個の炭素原子を含有する炭化水素部分に由来する一価の基のことを指す。アルケニル基は、別の基との結合点であってもなくてもよい。「アルケニル」という用語は、エテニル、1-プロペニル、1-ブテニル、ヘプテニル、オクテニル等を含むがこれらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「アルキニル」という用語は、特定の実施形態では、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する2から6個又は2から8個の炭素原子を含有する炭化水素部分に由来する一価の基のことを指す。アルキニル基は、別の基との結合点であってもなくてもよい。「アルキニル」という用語は、エチニル、1-プロピニル、1-ブチニル、ヘプチニル、オクチニル等を含むがこれらに限定されない。
本明細書で使用される場合、単独での又は別の置換基の一部としての「ハロ」又は「ハロゲン」という用語は、特段の言明がない限り、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子、好ましくはフッ素、塩素又は臭素、より好ましくはフッ素又は塩素を意味する。
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」という用語は、1、2又は3個の環を有する完全飽和した非芳香族炭素環系を意味し、ここではそのような環は縮合していてもよい。「縮合した」という用語は、第1の環と共通(即ち、共有)する2つの隣接する原子を有することにより第2の環が存在する(即ち、結合される又は形成される)ことを意味する。シクロアルキルにはまた、本質的に架橋又はスピロ環状であり得る二環構造であって、二環内の個々の環が3~8原子の範囲内で変化する二環構造も含まれる。「シクロアルキル」という用語は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ビシクロ[3.1.0]ヘキシル、スピロ[3.3]ヘプタニル及びビシクロ[1.1.1]ペンチルを含むがこれらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「シクロアルケニル」という用語は、1、2又は3個の環を有する部分的に飽和した非芳香族炭素環系を意味し、ここではそのような環は縮合していてもよく、ここでは少なくとも1つの環がsp2炭素-炭素結合を含有する。「シクロアルケニル」という用語は、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、ビシクロ[3.1.0]ヘキセニル、スピロ[3.3]ヘプタネニル及びビシクロ[1.1.1]ペンテニルを含むがこれらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「ヘテロシクリル」又は「ヘテロシクロアルキル」という用語は、N、O及びSから独立に選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含有し、且つ1、2又は3個の環を有する非芳香族炭素環系を意味し、ここではそのような環は縮合していてもよく、ここでの縮合は上記で定義される。ヘテロシクリルにはまた、本質的に架橋又はスピロ環状であり得る二環構造であって、二環内の個々の環が3~8原子の範囲内で変化し、0、1又は2個のN、O又はS原子を含有する二環構造も含まれる。「ヘテロシクリル」という用語は、環状エステル(即ち、ラクトン)及び環状アミド(即ち、ラクタム)を含み、具体的にはエポキシジル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル(即ち、オキサニル)、ピラニル、ジオキサニル、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、2,5-ジヒドロ-1H-ピロリル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、チオモルホリニル、1,3-オキサジナニル、1,3-チアジナニル、2-アザビシクロ-[2.1.1]ヘキサニル、5-アザビシクロ[2.1.1]ヘキサニル、6-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、2-アザビシクロ[2.2.1]-ヘプタニル、3-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、2-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、3-アザビシクロ[3.1.0]-ヘキサニル、2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3-アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、8-アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、3-オキサ-7-アザビシクロ[3.3.1]ノナニル、3-オキサ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナニル、2-オキサ-5-アザビシクロ-[2.2.1]ヘプタニル、6-オキサ-3-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、2-アザスピロ[3.3]ヘプタニル、2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタニル、2-オキサスピロ[3.3]ヘプタニル、2-オキサスピロ[3.5]ノナニル、3-オキサスピロ[5.3]ノナニル及び8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタニルも含むがこれらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「芳香族」という用語は、1つ又は複数の多価不飽和環を伴い、芳香族の特徴を有し、即ち(4n+2)個の非局在化したπ(パイ)電子を有し、ここでnは整数である、炭素環又は複素環のことを指す。
本明細書で使用される場合、「アリール」という用語は、1、2又は3個の環を含有する芳香族炭素環系を意味し、ここではそのような環は縮合していてもよく、ここでの縮合は上記で定義される。環が縮合している場合、環の1つは完全不飽和でなければならず、縮合環は完全飽和であっても、部分的に不飽和であっても、完全不飽和であってもよい。「アリール」という用語は、フェニル、ナフチル、インダニル及び1,2,3,4-テトラヒドロナフタレニルを含むがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、アリール基は6個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、アリール基は6から10個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、アリール基は6から16個の炭素原子を有する。
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」という用語は、N、O及びSから独立に選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含有し、且つ1、2又は3個の環を有する芳香族炭素環系を意味し、ここではそのような環は縮合していてもよく、ここでの縮合は上記で定義される。「ヘテロアリール」という用語は、フラニル、チエニル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジニル、5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリニル、5,6,7,8-テトラヒドロキノリニル、6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[b]ピリジニル、6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ-[c]ピリジニル、1,4,5,6-テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾリル、2,4,5,6-テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾリル、5,6-ジヒドロ-4H-ピロロ[1,2-b]ピラゾリル、6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[1,2-b][1,2,4]トリアゾリル、5,6,7,8-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジニル、4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[1,5-a]ピリジニル、4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾリル及び4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-インダゾリルを含むがこれらに限定されない。
アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクリル部分が、異なる環原子を介して明示された部分に結合し得るか又は別様に結合し得る(即ち、具体的な結合点が表示されることなく示されている又は記載されている)場合には、炭素原子を介してであろうが、例えば三価の窒素原子を介してであろうが、すべての可能な点が意図されていることを理解すべきである。例えば、「ピリジニル」という用語は、2-、3-又は4-ピリジニルを、「チエニル」という用語は、2-又は3-チエニル等を意味する。
本明細書で使用される場合、「場合により置換されている」という用語は、言及された基が置換されていても置換されていなくてもよいことを意味する。一実施形態では、言及された基は場合により0個の置換基で置換されている、即ち、言及された基は置換されていない。別の実施形態では、言及された基は場合により、本明細書に記載の基からそれぞれ独立に選択される1つ又は複数の追加の基で置換されている。
更に別の実施形態では、ZはCHである。更に又別の実施形態では、ZはNである。ある実施形態では、ZはCFである。別の実施形態では、R6は出現毎に独立に、ヒドロキシ又はハロである。
更に別の実施形態では、R1は、ベンズイミダゾール、イミダゾピラジン、プリン、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール及びイミダゾピリジンからなる群から選択される。更に又別の実施形態では、R1は、
実施形態では、本明細書で提供される化合物112~117は、指定された各重水素原子について、少なくとも3500(指定された各重水素原子において52.5%の重水素取り込み)、少なくとも4000(60%の重水素取り込み)、少なくとも4500(67.5%の重水素取り込み)、少なくとも5000(75%の重水素取り込み)、少なくとも5500(82.5%の重水素取り込み)、少なくとも6000(90%の重水素取り込み)、少なくとも6333.3(95%の重水素取り込み)、少なくとも6466.7(97%の重水素取り込み)、少なくとも6600(99%の重水素取り込み)又は少なくとも6633.3(99.5%の重水素取り込み)の同位体濃縮係数を有する。
実施形態では、本明細書で提供される化合物036~039は、指定された各重水素原子について、少なくとも3500(指定された各重水素原子において52.5%の重水素取り込み)、少なくとも4000(60%の重水素取り込み)、少なくとも4500(67.5%の重水素取り込み)、少なくとも5000(75%の重水素取り込み)、少なくとも5500(82.5%の重水素取り込み)、少なくとも6000(90%の重水素取り込み)、少なくとも6333.3(95%の重水素取り込み)、少なくとも6466.7(97%の重水素取り込み)、少なくとも6600(99%の重水素取り込み)又は少なくとも6633.3(99.5%の重水素取り込み)の同位体濃縮係数を有する。
本明細書で開示される化合物は、互変異性体及び光学異性体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー、ジアステレオマー混合物、ラセミ混合物等)として存在し得る。
本開示の範囲において、生体内で変換されて本明細書で開示される化合物をもたらすことになるいかなる化合物もプロドラッグであることは、当分野において一般的に公知である。
本明細書で提供される化合物はまた、中間体又は最終化合物中に存在する原子のすべての同位体を含むことができる。同位体には、原子番号は同じであるが質量数が異なる原子が含まれる。例えば、水素の同位体には三重水素及び重水素が含まれる。本発明の化合物の1つ又は複数の構成原子を、天然存在比又は天然でない存在比において原子の同位体と置き換える、すなわち置換することができる。いくつかの実施形態では、化合物には少なくとも1つの重水素原子が含まれる。例えば、本開示の化合物中の1つ又は複数の水素原子を、重水素によって置き換える、すなわち置換することができる。いくつかの実施形態では、化合物には2つ以上の重水素原子が含まれる。いくつかの実施形態では、化合物には1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12個の重水素原子が含まれる。有機化合物中に同位体を含めるための合成方法が、当分野において知られている(Deuterium Labeling in Organic Chemistry by Alan F. Thomas (New York、N.Y.、Appleton-Century-Crofts、1971);The Renaissance of H/D Exchange by Jens Atzrodt、Volker Derdau、Thorsten Fey及びJochen Zimmermann、Angew. Chem. Int. Ed. 2007、7744~7765頁;The Organic Chemistry of Isotopic Labelling by James R. Hanson、Royal Society of Chemistry、2011)。同位体で標識された化合物を、種々の試験、例えばNMR分光法、代謝実験及び/又はアッセイにおいて使用することができる。
本明細書で提供される化合物において、特定の同位体として特に指定されない任意の原子は、その原子の任意の安定同位体を表すことを意味する。特段の明言がない限り、ある位置が「H」すなわち「水素」と特に指定された場合、その位置はその天然存在比の同位体組成で水素を有すると理解される。更に、特段の明言がない限り、ある位置が「D」すなわち「重水素」と特に指定された場合、その位置は少なくとも、重水素の天然存在比よりも3000倍大きな存在比の0.015%(すなわち、少なくとも45%の重水素の取り込み)で重水素を有すると理解される。
ある態様では、本明細書で提供されるのは、本明細書で開示される化合物のいずれか1つ、又はその薬学的に許容される塩、及び少なくとも1つの薬学的に許容される担体を含む医薬組成物である。
ある実施形態では、組成物は第2の活性薬剤を更に含む。別の実施形態では、第2の活性薬剤は、MEK阻害剤、PI3K阻害剤及びmTor阻害剤からなる群から選択される。更に別の実施形態では、第2の活性薬剤は、対象においてEGFRのダイマー形成を防ぐ。更に又別の実施形態では、第2の活性薬剤は、セツキシマブ、トラスツズマブ及びパニツムマブからなる群から選択される。ある実施形態では、第2の活性薬剤は、ATP競合EGFR阻害剤である。別の実施形態では、ATP競合EGFR阻害剤はオシメルチニブ、ゲフィチニブ又はエルロチニブである。別の実施形態では、ATP競合EGFR阻害剤はオシメルチニブである。
別の態様では、本明細書で提供されるのは、本開示の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物である。別の態様では、医薬組成物は、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤及び薬学的に許容される担体を更に含む。いくつかの実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤は抗体である。更なる実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤はセツキシマブ、トラスツズマブ又はパニツムマブである。更なる実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤はセツキシマブである。
場合によりEGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤と組み合わせてもよい、本開示の化合物(例えば、本明細書で開示される式の化合物)等のEGFR内のアロステリック部位に結合する化合物は、EGFRの活性を調節することができる。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、第2の活性薬剤(例えば、セツキシマブ、トラスツズマブ又はパニツムマブ等の抗体)を用いることなく、EGFRの活性を阻害する又は低下させることができる。他の実施形態では、本開示の化合物は、第2の活性薬剤と組み合わせる。ある実施形態では、第2の活性薬剤は、EGFRのダイマー形成を防ぎ、且つ/又はEGFRの活性を阻害する若しくは低下させることができる。いくつかの実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤は抗体である。更なる実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤はセツキシマブ、トラスツズマブ又はパニツムマブである。更なる実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤はセツキシマブである。ある実施形態では、第2の活性薬剤は、ATP競合EGFR阻害剤である。別の実施形態では、ATP競合EGFR阻害剤はオシメルチニブ、ゲフィチニブ又はエルロチニブである。別の実施形態では、ATP競合EGFR阻害剤はオシメルチニブである。
別の態様では、本明細書で提供されるのは、治療有効量の本明細書で提供される化合物を個体に投与する工程を含む、それを必要とする個体におけるキナーゼの阻害方法である。ある実施形態では、キナーゼはEGFRである。
更に別の態様では、本明細書で提供されるのは、治療有効量の本開示の化合物を個体に投与する工程を含む、それを必要とする個体におけるキナーゼが媒介する障害の処置又は予防方法である。ある実施形態では、キナーゼが媒介する障害はEGFR標的療法に対して耐性である。別の実施形態では、EGFR処置療法はゲフィチニブ、エルロチニブ、オシメルチニブ、CO-1686及びWZ4002からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、1つ又は複数の変異を含有するEGFRの活性を調節する(例えば、阻害する又は低下させる)ことができる。いくつかの実施形態では、変異体EGFRは、T790M、L718Q、L844V、V948R、L858R、I941R、C797S及びDelから選択される1つ又は複数の変異を含有する。他の実施形態では、変異体EGFRは変異の組み合わせを含有し、ここでは変異の組み合わせはDel/L718Q、Del/L844V、Del/T790M、Del/T790M/L718Q、Del/T790M/L844V、L858R/L718Q、L858R/L844V、L858R/T790M、L858R/T790M/I941R、Del/T790M、Del/T790M/C797S、L858R/T790M/C797S及びL858R/T790M/L718Qから選択される。他の実施形態では、変異体EGFRは変異の組み合わせを含有し、ここでは変異の組み合わせはDel/L844V、L858R/L844V、L858R/T790M、L858R/T790M/I941R、L858R/T790M/C797S、Del/T790M、Del/T790M、Del/T790M/C797S及びL858R/T790Mから選択される。他の実施形態では、変異体EGFRは変異の組み合わせを含有し、ここでは変異の組み合わせはL858R/T790M、L858R/T790M/I941R、L858R/T790M/C797S、Del/T790M、Del/T790M/C797S及びL858R/T790Mから選択される。
いくつかの実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤と組み合わせた本開示の化合物は、1つ又は複数の変異を含有するEGFRの活性を調節する(例えば、阻害する又は低下させる)ことができる。いくつかの実施形態では、変異体EGFRは、T790M、L718Q、L844V、V948R、L858R、I941R、C797S及びDelから選択される1つ又は複数の変異を含有する。他の実施形態では、変異体EGFRは変異の組み合わせを含有し、ここでは変異の組み合わせはDel/L718Q、Del/L844V、Del/T790M、Del/T790M/L718Q、Del/T790M/L844V、L858R/L718Q、L858R/L844V、L858R/T790M、L858R/T790M/I941R、Del/T790M、Del/T790M/C797S、L858R/T790M/C797S及びL858R/T790M/L718Qから選択される。他の実施形態では、変異体EGFRは変異の組み合わせを含有し、ここでは変異の組み合わせはDel/L844V、L858R/L844V、L858R/T790M、L858R/T790M/I941R、L858R/T790M/C797S、Del/T790M、Del/T790M/C797S及びL858R/T790Mから選択される。他の実施形態では、変異体EGFRは変異の組み合わせを含有し、ここでは変異の組み合わせはL858R/T790M、L858R/T790M/I941R、L858R/T790M/C797S、Del/T790M、Del/T790M/C797S及びL858R/T790Mから選択される。いくつかの実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤は抗体である。更なる実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤はセツキシマブ、トラスツズマブ又はパニツムマブである。更なる実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤はセツキシマブである。ある実施形態では、第2の活性薬剤は、ATP競合EGFR阻害剤である。別の実施形態では、ATP競合EGFR阻害剤はオシメルチニブ、ゲフィチニブ、又はエルロチニブである。
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、1つ又は複数の変異を含有するEGFRの活性を調節する(例えば、阻害する又は低下させる)ことができるが、野生型EGFRの活性には影響を及ぼさない。
他の実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤と組み合わせた本開示の化合物は、1つ又は複数の変異を含有するEGFRの活性を調節する(例えば、阻害する又は低下させる)ことができるが、野生型EGFRの活性には影響を及ぼさない。いくつかの実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤は抗体である。更なる実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤はセツキシマブ、トラスツズマブ又はパニツムマブである。更なる実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤はセツキシマブである。ある実施形態では、第2の活性薬剤は、ATP競合EGFR阻害剤である。別の実施形態では、ATP競合EGFR阻害剤はオシメルチニブ、ゲフィチニブ又はエルロチニブである。別の実施形態では、ATP競合EGFR阻害剤はオシメルチニブである。
野生型EGFRの調節ではなく、本明細書に記載されるもの等の1つ又は複数の変異を含有するEGFRの調節は、がん及び転移、炎症、関節炎、全身性エリテマトーデス、皮膚関連障害、肺障害、心血管疾患、虚血、神経変性障害、肝疾患、胃腸障害、ウイルス及び細菌感染、中枢神経系障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、脊髄損傷並びに末梢神経障害を含むがこれらに限定されない疾患の処置、予防又は改善に対するアプローチを提供する。
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、野生型EGFRと比べて、本明細書に記載の1つ又は複数の変異を含有するEGFRに対してより大きな阻害を示す。特定の実施形態では、本開示の化合物は、野生型EGFRと比べて、本明細書に記載の1つ又は複数の変異を含有するEGFRに対して少なくとも2倍、3倍、5倍、10倍、25倍、50倍又は100倍のより大きな阻害を示す。種々の実施形態では、本開示の化合物は、野生型EGFRと比べて、本明細書に記載の1つ又は複数の変異を含有するEGFRに対して、最大1000倍のより大きな阻害を示す。種々の実施形態では、本開示の化合物は、野生型EGFRと比べて、本明細書に記載の変異の組み合わせ(例えば、L858R/T790M、L858R/T790M/I941R、L858R/T790M/C797S、Del/T790M、Del/T790M/C797S及びL858R/T790M)を有するEGFRに対して、最大10000倍のより大きな阻害を示す。
他の実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤と組み合わせた本開示の化合物は、野生型EGFRと比べて、本明細書に記載の1つ又は複数の変異を含有するEGFRに対してより大きな阻害を示す。特定の実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤と組み合わせた本開示の化合物は、野生型EGFRと比べて、本明細書に記載の1つ又は複数の変異を含有するEGFRに対して少なくとも2倍、3倍、5倍、10倍、25倍、50倍又は100倍のより大きな阻害を示す。種々の実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤と組み合わせた本開示の化合物は、野生型EGFRと比べて、本明細書に記載の1つ又は複数の変異を含有するEGFRに対して、最大1000倍のより大きな阻害を示す。種々の実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤と組み合わせた本開示の化合物は、野生型EGFRと比べて、本明細書に記載の変異の組み合わせ(例えば、L858R/T790M、L858R/T790M/I941R、L858R/T790M/C797S、Del/T790M、Del/T790M/C797S及びL858R/T790M)を有するEGFRに対して、最大10000倍のより大きな阻害を示す。いくつかの実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤は抗体である。更なる実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤はセツキシマブ、トラスツズマブ又はパニツムマブである。更なる実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤はセツキシマブである。ある実施形態では、第2の活性薬剤は、ATP競合EGFR阻害剤である。別の実施形態では、ATP競合EGFR阻害剤はオシメルチニブ、ゲフィチニブ又はエルロチニブである。別の実施形態では、ATP競合EGFR阻害剤はオシメルチニブである。
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、野生型EGFRと比べて、本明細書に記載の1つ又は複数の変異を含有するEGFRに対して約2倍から約10倍のより大きな阻害を示す。種々の実施形態では、本開示の化合物は、野生型EGFRと比べて、本明細書に記載の1つ又は複数の変異を含有するEGFRに対して、約10倍から約100倍のより大きな阻害を示す。種々の実施形態では、本開示の化合物は、野生型EGFRと比べて、本明細書に記載の1つ又は複数の変異を含有するEGFRに対して、約100倍から約1000倍のより大きな阻害を示す。種々の実施形態では、本開示の化合物は、野生型EGFRと比べて、本明細書に記載の1つ又は複数の変異を含有するEGFRに対して、約1000倍から約10000倍のより大きな阻害を示す。
他の実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤と組み合わせた本開示の化合物は、野生型EGFRと比べて、本明細書に記載の1つ又は複数の変異を含有するEGFRに対して、約2倍から約10倍のより大きな阻害を示す。他の実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤と組み合わせた本開示の化合物は、野生型EGFRと比べて、本明細書に記載の1つ又は複数の変異を含有するEGFRに対して、約10倍から約100倍のより大きな阻害を示す。他の実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤と組み合わせた本開示の化合物は、野生型EGFRと比べて、本明細書に記載の1つ又は複数の変異を含有するEGFRに対して、約100倍から約1000倍のより大きな阻害を示す。他の実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤と組み合わせた本開示の化合物は、野生型EGFRと比べて、本明細書に記載の1つ又は複数の変異を含有するEGFRに対して、約1000倍から約10000倍のより大きな阻害を示す。他の実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤は抗体である。更なる実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤はセツキシマブ、トラスツズマブ又はパニツムマブである。更なる実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤はセツキシマブである。ある実施形態では、第2の活性薬剤は、ATP競合EGFR阻害剤である。別の実施形態では、ATP競合EGFR阻害剤はオシメルチニブ、ゲフィチニブ又はエルロチニブである。別の実施形態では、ATP競合EGFR阻害剤はオシメルチニブである。
特定の実施形態では、本開示の化合物は、野生型EGFRと比べて、L858R/T790M、L858R/T790M/I941R、L858R/T790M/C797S、Del/T790M、Del/T790M/C797S及びL858R/T790Mから選択される変異の組み合わせを有するEGFRに対して、少なくとも2倍のより大きな阻害を示す。特定の実施形態では、本開示の化合物は、野生型EGFRと比べて、L858R/T790M、L858R/T790M/I941R、L858R/T790M/C797S、Del/T790M、Del/T790M/C797S及びL858R/T790Mから選択される変異の組み合わせを有するEGFRに対して、少なくとも3倍のより大きな阻害を示す。特定の実施形態では、本開示の化合物は、野生型EGFRと比べて、L858R/T790M、L858R/T790M/I941R、L858R/T790M/C797S、Del/T790M、Del/T790M/C797S及びL858R/T790Mから選択される変異の組み合わせを有するEGFRに対して、少なくとも5倍のより大きな阻害を示す。特定の実施形態では、本開示の化合物は、野生型EGFRと比べて、L858R/T790M、L858R/T790M/I941R、L858R/T790M/C797S、Del/T790M、Del/T790M/C797S及びL858R/T790Mから選択される変異の組み合わせを有するEGFRに対して、少なくとも10倍のより大きな阻害を示す。特定の実施形態では、本開示の化合物は、野生型EGFRと比べて、L858R/T790M、L858R/T790M/I941R、L858R/T790M/C797S、Del/T790M、Del/T790M/C797S及びL858R/T790Mから選択される変異の組み合わせを有するEGFRに対して、少なくとも25倍のより大きな阻害を示す。特定の実施形態では、本開示の化合物は、野生型EGFRと比べて、L858R/T790M、L858R/T790M/I941R、L858R/T790M/C797S、Del/T790M、Del/T790M/C797S及びL858R/T790Mから選択される変異の組み合わせを有するEGFRに対して、少なくとも50倍のより大きな阻害を示す。特定の実施形態では、本開示の化合物は、野生型EGFRと比べて、L858R/T790M、L858R/T790M/I941R、L858R/T790M/C797S、Del/T790M、Del/T790M/C797S及びL858R/T790Mから選択される変異の組み合わせを有するEGFRに対して、少なくとも100倍のより大きな阻害を示す。
特定の実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤と組み合わせた本開示の化合物は、野生型EGFRと比べて、L858R/T790M、L858R/T790M/I941R、L858R/T790M/C797S、Del/T790M、Del/T790M/C797S及びL858R/T790Mから選択される変異の組み合わせを有するEGFRに対して、少なくとも2倍のより大きな阻害を示す。特定の実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤と組み合わせた本開示の化合物は、野生型EGFRと比べて、L858R/T790M、L858R/T790M/I941R、L858R/T790M/C797S、Del/T790M、Del/T790M/C797S及びL858R/T790Mから選択される変異の組み合わせを有するEGFRに対して、少なくとも3倍のより大きな阻害を示す。特定の実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤と組み合わせた本開示の化合物は、野生型EGFRと比べて、L858R/T790M、L858R/T790M/I941R、L858R/T790M/C797S、Del/T790M、Del/T790M/C797S及びL858R/T790Mから選択される変異の組み合わせを有するEGFRに対して、少なくとも5倍のより大きな阻害を示す。特定の実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤と組み合わせた本開示の化合物は、野生型EGFRと比べて、L858R/T790M、L858R/T790M/I941R、L858R/T790M/C797S、Del/T790M、Del/T790M/C797S及びL858R/T790Mから選択される変異の組み合わせを有するEGFRに対して、少なくとも10倍のより大きな阻害を示す。特定の実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤と組み合わせた本開示の化合物は、野生型EGFRと比べて、L858R/T790M、L858R/T790M/I941R、L858R/T790M/C797S、Del/T790M、Del/T790M/C797S及びL858R/T790Mから選択される変異の組み合わせを有するEGFRに対して、少なくとも25倍のより大きな阻害を示す。特定の実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤と組み合わせた本開示の化合物は、野生型EGFRと比べて、L858R/T790M、L858R/T790M/I941R、L858R/T790M/C797S、Del/T790M、Del/T790M/C797S及びL858R/T790Mから選択される変異の組み合わせを有するEGFRに対して、少なくとも50倍のより大きな阻害を示す。特定の実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤と組み合わせた本開示の化合物は、野生型EGFRと比べて、L858R/T790M、L858R/T790M/I941R、L858R/T790M/C797S、Del/T790M、Del/T790M/C797S及びL858R/T790Mから選択される変異の組み合わせを有するEGFRに対して、少なくとも100倍のより大きな阻害を示す。いくつかの実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤は抗体である。更なる実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤はセツキシマブ、トラスツズマブ又はパニツムマブである。更なる実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤はセツキシマブである。ある実施形態では、第2の活性薬剤は、ATP競合EGFR阻害剤である。別の実施形態では、ATP競合EGFR阻害剤はオシメルチニブである。
いくつかの実施形態では、開示の化合物によるEGFRの阻害が生化学的アッセイによって測定され得る。例示的且つ非限定的な例により、本明細書で開示される条件及び実験パラメーターを使用して、均一時間分解蛍光(homogenous time-resolved fluorescence)(HTRF)アッセイを、EGFRの活性の阻害を決定するために使用することができる。HTRFアッセイでは、例えば、約1μMの基質(例えば、ビオチン-Lck-ペプチド基質)濃度、約0.2nMから約40nMのEGFR(変異体又はWT)濃度、及び約0.000282μMから約50μMの阻害剤濃度を採用することができる。これらの条件下でスクリーニングされた開示の化合物は、例えば、約1nMから>1μM、約1nMから約400nM、約1nMから約150nM、約1nMから約75nM、約1nMから約40nM、約1nMから約25nM、約1nMから約15nM又は約1nMから約10nMのIC50値を示す。特定の実施形態では、L858R/T790M、L858R及びT790Mから選択される変異又は変異の組み合わせを有するEGFRの阻害に対し、上記の条件下でスクリーニングされた開示の化合物は、例えば、約1nMから>1μM、約1nMから約400nM、約1nMから約150nM、約1nMから約75nM、約1nMから約40nM、約1nMから約25nM、約1nMから約15nM又は約1nMから約10nMのIC50値を示す。
いくつかの実施形態では、本開示の化合物はEGFR内のアロステリック部位に結合する。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、Lys745、Leu788及びAla743から選択される上皮成長因子受容体(EGFR)の少なくとも1つのアミノ酸残基と相互作用する。他の実施形態では、本開示の化合物は、Cys755、Leu777、Phe856及びAsp855から選択される上皮成長因子受容体(EGFR)の少なくとも1つのアミノ酸残基と相互作用する。他の実施形態では、本開示の化合物は、Met766、Ile759、Glu762及びAla763から選択される上皮成長因子受容体(EGFR)の少なくとも1つのアミノ酸残基と相互作用する。他の実施形態では、本開示の化合物は、Lys745、Leu788及びAla743から選択される上皮成長因子受容体(EGFR)の少なくとも1つのアミノ酸残基;Cys755、Leu777、Phe856及びAsp855から選択される上皮成長因子受容体(EGFR)の少なくとも1つのアミノ酸残基;並びにMet766、Ile759、Glu762及びAla763から選択される上皮成長因子受容体(EGFR)の少なくとも1つのアミノ酸残基と相互作用する。他の実施形態では、本開示の化合物は、Met793、Gly796及びCys797から選択される上皮成長因子受容体(EGFR)のいかなるアミノ酸残基とも相互作用しない。
いくつかの実施形態では、本開示は、アロステリックキナーゼ阻害剤を含む化合物であって、野生型EGFRと比べて、薬物耐性EGFR変異体に対してより強力な阻害剤である化合物を提供する。例えば、化合物は、野生型EGFRと比べて、薬物耐性EGFR変異体のキナーゼ活性の阻害において、少なくとも約2倍、3倍、5倍、10倍、25倍、50倍又は約100倍より強力であり得る。いくつかの実施形態では、薬物耐性EGFR変異体は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、WZ4002、HKI-272、CL-387785及びオシメルチニブを含むがこれらに限定されない1つ又は複数の既知のEGFR阻害剤に対して耐性である。
いくつかの実施形態では、本開示は、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤と組み合わせた、アロステリックキナーゼ阻害剤を含む化合物であって、野生型EGFRと比べて、薬物耐性EGFR変異体に対するより強力な阻害剤である化合物を提供する。例えば、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤と組み合わせた本化合物は、野生型EGFRと比べて、薬物耐性EGFR変異体のキナーゼ活性の阻害において、少なくとも約2倍、3倍、5倍、10倍、25倍、50倍又は約100倍より強力であり得る。いくつかの実施形態では、薬物耐性EGFR変異体は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、WZ4002、HKI-272、CL-387785及びオシメルチニブを含むがこれらに限定されない1つ又は複数の既知のEGFR阻害剤に対して耐性である。いくつかの実施形態では、薬物耐性EGFR変異体には、Del及びL858R等の感受性化変異が含まれる。いくつかの実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤は抗体である。更なる実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤はセツキシマブ、トラスツズマブ又はパニツムマブである。更なる実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤はセツキシマブである。ある実施形態では、第2の活性薬剤は、ATP競合EGFR阻害剤である。別の実施形態では、ATP競合EGFR阻害剤はオシメルチニブである。
いくつかの実施形態では、本開示は、アロステリックキナーゼ阻害剤を含む化合物であって、感受性化変異(例えば、Del及びL858R)並びに薬物耐性変異(例えば、T790M、L718Q、C797S及びL844V)を保有する薬物耐性EGFR変異体のキナーゼ活性を、感受性化変異は保有するが薬物耐性変異を保有しないEGFR変異体と比べて、効力(例えは、IC50によって測定される)において10倍未満の差で阻害する化合物を提供する。いくつかの実施形態では、効力における差は、約9倍、8倍、7倍、6倍、5倍、4倍、3倍又は2倍未満である。
他の実施形態では、本開示は、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤と組み合わせた、アロステリックキナーゼ阻害剤を含む化合物であって、感受性化変異(例えば、Del及びL858R)並びに薬物耐性変異(例えば、T790M、L718Q、C797S及びL844V)を保有する薬物耐性EGFR変異体のキナーゼ活性を、感受性化変異は保有するが薬物耐性変異を保有しないEGFR変異体と比べて、効力(例えは、IC50によって測定される)において10倍未満の差で阻害する、第2の活性薬剤と組み合わせた化合物を提供する。いくつかの実施形態では、効力における差は、約9倍、8倍、7倍、6倍、5倍、4倍、3倍又は2倍未満である。いくつかの実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤は抗体である。更なる実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤はセツキシマブ、トラスツズマブ又はパニツムマブである。更なる実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤はセツキシマブである。ある実施形態では、第2の活性薬剤は、ATP競合EGFR阻害剤である。別の実施形態では、ATP競合EGFR阻害剤はオシメルチニブ、ゲフィチニブ又はエルロチニブである。別の実施形態では、ATP競合EGFR阻害剤はオシメルチニブである。
いくつかの実施形態では、本開示は、アロステリックキナーゼ阻害剤を含む化合物であって、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、WZ4002、HKI-272、CL-387785及びオシメルチニブを含むがこれらに限定されない1つ又は複数の既知のEGFR阻害剤よりも、1つ又は複数の本明細書に記載の変異、例えばT790M、L718Q、L844V、L858R、C797S及びDelを含有するEGFRの活性の阻害においてより強力である化合物を提供する。例えば、本化合物は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、WZ4002、HKI-272、CL-387785及びオシメルチニブよりも、1つ又は複数の本明細書に記載の変異を含有するEGFRの活性の阻害において、少なくとも約2倍、3倍、5倍、10倍、25倍、50倍又は約100倍より強力(例えば、IC50によって測定される)であり得る。
他の実施形態では、本開示は、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤と組み合わせた、アロステリックキナーゼ阻害剤を含む化合物であって、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、WZ4002、HKI-272、CL-387785及びオシメルチニブを含むがこれらに限定されない1つ又は複数の既知のEGFR阻害剤よりも、1つ又は複数の本明細書に記載の変異、例えばT790M、L718Q、L844V、L858R、C797S及びDelを含有するEGFRの活性の阻害においてより強力である、第2の活性薬剤と組み合わせた化合物を提供する。例えば、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤と組み合わせた本化合物は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、WZ4002、HKI-272、CL-387785及びオシメルチニブよりも、1つ又は複数の本明細書に記載の変異を含有するEGFRの活性の阻害において、少なくとも約2倍、3倍、5倍、10倍、25倍、50倍又は約100倍より強力(例えは、IC50によって測定される)であり得る。いくつかの実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤は抗体である。更なる実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤はセツキシマブ、トラスツズマブ又はパニツムマブである。更なる実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤はセツキシマブである。ある実施形態では、第2の活性薬剤は、ATP競合EGFR阻害剤である。別の実施形態では、ATP競合EGFR阻害剤はオシメルチニブ、ゲフィチニブ又はエルロチニブである。別の実施形態では、ATP競合EGFR阻害剤はオシメルチニブである。
いくつかの実施形態では、本開示は、アロステリックキナーゼ阻害剤を含む化合物であって、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、WZ4002、HKI-272、CL-387785及びオシメルチニブを含むがこれらに限定されない1つ又は複数の既知のEGFR阻害剤よりも、野生型EGFRの活性の阻害において効力が低い化合物を提供する。例えば、本化合物は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、WZ4002、HKI-272、CL-387785及びオシメルチニブよりも、野生型EGFRの活性の阻害において、少なくとも約2倍、3倍、5倍、10倍、25倍、50倍又は約100倍効力が低い(例えは、IC50によって測定される)可能性がある。
他の実施形態では、本開示は、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤と組み合わせた、アロステリックキナーゼ阻害剤を含む化合物であって、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、WZ4002、HKI-272、CL-387785及びオシメルチニブを含むがこれらに限定されない1つ又は複数の既知のEGFR阻害剤よりも、野生型EGFRの活性の阻害において効力が低い、第2の活性薬剤と組み合わせた化合物を提供する。例えば、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤と組み合わせた本化合物は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、WZ4002、HKI-272、CL-387785及びオシメルチニブよりも、野生型EGFRの活性の阻害において、少なくとも約2倍、3倍、5倍、10倍、25倍、50倍又は約100倍効力が低い(例えは、IC50によって測定される)可能性がある。いくつかの実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤は抗体である。更なる実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤はセツキシマブ、トラスツズマブ又はパニツムマブである。更なる実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤はセツキシマブである。ある実施形態では、第2の活性薬剤は、ATP競合EGFR阻害剤である。別の実施形態では、ATP競合EGFR阻害剤はオシメルチニブ、ゲフィチニブ又はエルロチニブである。別の実施形態では、ATP競合EGFR阻害剤はオシメルチニブである。
EGFR感受性化変異は、L858R、G719S、G719C、G719A、L861Q、エクソン19における欠失及び/又はエクソン20における挿入を含むがこれらに限定されない。薬物耐性EGFR変異体は、T790M、T854A、L718Q、C797S又はD761Yを含む薬物耐性変異を有し得るがこれらに限定されない。
野生型EGFRと、本明細書に記載の1つ又は複数の変異を含有するEGFRとの間の選択性は、細胞増殖がキナーゼ活性に依存する細胞増殖アッセイを使用して測定することもできる。例えば、適したバージョンの野生型EGFR(例えばVIII;WT EGFRキナーゼドメインを含有する)をトランスフェクトされたマウスBa/F3細胞、又はL858R/T790M、Del/T790M/L718Q、L858R/T790M/L718Q、L858R/T790M/C797S、Del/T790M/C797S、L858R/T790M/I941R、又はエクソン19欠失/T790MをトランスフェクトされたBa/F3細胞を使用することができる。増殖アッセイは、様々な阻害剤濃度(10μΜ、3μΜ、1.1μΜ、330nM、110nM、33nM、11nM、3nM、1nM)で実施され、EC50が計算される。
EGFRの活性に対する作用を測定するための代替方法は、EGFRのリン酸化をアッセイすることである。野生型又は変異体(L858R/T790M、Del/T790M、Del/T790M/L718Q、L858R/T790M/C797S、Del/T790M/C797S、L858R/T790M/I941R又はL858R/T790M/L718Q)EGFRは、NIH-3T3細胞(通常は内在性EGFRを発現していない)にトランスフェクトすることができ、EGFRのリン酸化を阻害するための阻害剤の能力を(上記の濃度を使用して)アッセイすることができる。細胞を、阻害剤の濃度を上昇させながら阻害剤に6時間曝露し、EGFで10分間刺激する。EGFRのリン酸化に対する作用を、リン酸化部位(Y1068)特異的EGFR抗体を使用してウエスタンブロットによりアッセイする。
別の態様では、本開示は、EGFR内のアロステリック部位に結合する化合物であって、野生型EGFRと比べて、本明細書に記載の1つ又は複数の変異(例えば、L858R/T790M、Del/T790M、Del/T790M/L718Q、L858R/T790M/C797S、Del/T790M/C797S、L858R/T790M/I941R又はL858R/T790M/L718Q)を含有するEGFRに対して、2倍、3倍、5倍、10倍、25倍、50倍、100倍又は1000倍よりも大きな阻害を示す化合物に関する。
他の実施形態では、本開示は、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤と組み合わせた、EGFR内のアロステリック部位に結合する化合物であって、野生型EGFRと比べて、本明細書に記載の1つ又は複数の変異(例えば、L858R/T790M、Del/T790M、Del/T790M/L718Q、Del/T790M/C797S、L858R/T790M/C797S、L858R/T790M/I941R又はL858R/T790M/L718Q)を含有するEGFRに対して、2倍、3倍、5倍、10倍、25倍、50倍、100倍又は1000倍よりも大きな阻害を示す第2の活性薬剤と組み合わせた化合物を提供する。いくつかの実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤は抗体である。更なる実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤はセツキシマブ、トラスツズマブ又はパニツムマブである。更なる実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤はセツキシマブである。ある実施形態では、第2の活性薬剤は、ATP競合EGFR阻害剤である。別の実施形態では、ATP競合EGFR阻害剤はオシメルチニブ、ゲフィチニブ又はエルロチニブである。別の実施形態では、ATP競合EGFR阻害剤はオシメルチニブである。
更に又別の態様では、本開示は、上皮成長因子受容体(EGFR)の阻害方法であって、有効量の本明細書で開示される化合物又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与する工程を含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、本方法は、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤を投与する工程を更に含む。いくつかの実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤は抗体である。更なる実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤はセツキシマブ、トラスツズマブ又はパニツムマブである。更なる実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤はセツキシマブである。ある実施形態では、第2の活性薬剤は、ATP競合EGFR阻害剤である。別の実施形態では、ATP競合EGFR阻害剤はオシメルチニブ、ゲフィチニブ又はエルロチニブである。別の実施形態では、ATP競合EGFR阻害剤はオシメルチニブである。
別の態様では、本明細書で提供されるのは、疾患の処置又は予防方法であって、有効量の本明細書で開示される化合物又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与する工程を含む方法である。いくつかの実施形態では、疾患はキナーゼが媒介する。更なる実施形態では、キナーゼは変異システイン残基を含む。更なる実施形態では、変異システイン残基は、EGFR内のCys797に相当する位置に位置しているか又はその近くに位置しており、Jak3、Blk、Bmx、Btk、HER2(ErbB2)、HER4(ErbB4)、Itk、Tec及びTxkにおけるそのような位置が含まれる。いくつかの実施形態では、本方法は、キナーゼのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤を投与する工程を更に含む。いくつかの実施形態では、キナーゼのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤は抗体である。更なる実施形態では、第2の活性薬剤はEGFRのダイマー形成を防ぐ。更なる実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤はセツキシマブ、トラスツズマブ又はパニツムマブである。更なる実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤はセツキシマブである。ある実施形態では、第2の活性薬剤は、ATP競合EGFR阻害剤である。別の実施形態では、別の実施形態では、ATP競合EGFR阻害剤はオシメルチニブ、ゲフィチニブ又はエルロチニブである。別の実施形態では、ATP競合EGFR阻害剤はオシメルチニブである。
いくつかの実施形態では、疾患はEGFRが媒介する(例えば、EGFRが疾患の惹起又は発症の一因となる)。いくつかの実施形態では、疾患はHerキナーゼが媒介する。更なる実施形態では、Her-キナーゼはHER1、HER2又はHER4である。
特定の実施形態では、疾患はゲフィチニブ、エルロチニブ、オシメルチニブ、CO-1686又はWZ4002を含むがこれらに限定されない既知のEGFR阻害剤に対して耐性である。特定の実施形態では、疾患がEGFRにおける活性化変異と関連付けられるかどうかを決定するために、診断試験が実施される。特定の実施形態では、疾患が活性化変異及び/又は薬物耐性変異を保有するEGFRと関連付けられるかどうかを決定するために、診断試験が実施される。活性化変異は、L858R、G719S、G719C、G719A、L718Q、L861Q、エクソン19における欠失及び/又はエクソン20における挿入を含むがこれらに限定されない。薬物耐性EGFR変異体は、T790M、T854A、L718Q、C797S又はD761Yを含む薬物耐性変異を有し得るがこれらに限定されない。診断試験は、シーケンシング、パイロシーケンシング、PCR、RT-PCR、又はヌクレオチド配列を検出することが可能な、当業者に既知の類似の分析技術を含み得る。
更なる実施形態では、疾患は肺がん、結腸がん、乳がん、前立腺がん、肝がん、膵臓がん、脳がん、腎臓がん、卵巣がん、胃がん(stomach cancer)、皮膚がん、骨がん、胃がん(gastric cancer)、乳がん、膵がん、神経膠腫、神経膠芽腫、肝細胞癌、乳頭状腎癌、頭頸部扁平上皮癌、白血病、リンパ腫、骨髄腫又は固形腫瘍である。更なる実施形態では、疾患は肺がん、乳がん、神経膠腫、扁平上皮癌又は前立腺がんである。更に又更なる実施形態では、疾患は非小細胞肺がんである。
特定の実施形態では、疾患はゲフィチニブ、エルロチニブ、オシメルチニブ、CO-1686又はWZ4002を含むがこれらに限定されない既知のEGFR阻害剤に対して耐性である。特定の実施形態では、疾患がEGFRにおける活性化変異と関連付けられるかどうかを決定するために、診断試験が実施される。特定の実施形態では、疾患が活性化変異及び/又は薬物耐性変異を保有するEGFRと関連付けられるかどうかを決定するために、診断試験が実施される。活性化変異は、L858R、G719S、G719C、G719A、L718Q、L861Q、エクソン19における欠失及び/又はエクソン20における挿入を含むがこれらに限定されない。薬物耐性EGFR変異体は、T790M、T854A、L718Q、C797S又はD761Yを含む薬物耐性変異を有し得るがこれらに限定されない。診断試験は、シーケンシング、パイロシーケンシング、PCR、RT-PCR、又はヌクレオチド配列を検出することが可能な、当業者に既知の類似の分析技術を含み得る。
更に別の態様では、本明細書で提供されるのは、有効量の本明細書で開示される化合物又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与する工程を含む、キナーゼが媒介する障害の処置方法である。いくつかの実施形態では、化合物は、HER1、HER2又はHER4の阻害剤である。他の実施形態では、追加の治療薬を対象に投与する。他の実施形態では、化合物及び追加の治療薬を同時又は逐次的に投与する。
別の態様では、本開示は、キナーゼが媒介する障害の処置方法であって、有効量の本明細書で開示される化合物又はその薬学的に許容される塩、及びEGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤を、それを必要とする対象に投与する工程を含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、化合物は、HER1、HER2又はHER4の阻害剤である。他の実施形態では、追加の治療薬を対象に投与する。他の実施形態では、化合物、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤及び追加の治療薬を、同時又は逐次的に投与する。いくつかの実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤は抗体である。更なる実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤はセツキシマブ、トラスツズマブ又はパニツムマブである。更なる実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤はセツキシマブである。ある実施形態では、第2の活性薬剤は、ATP競合EGFR阻害剤である。別の実施形態では、ATP競合EGFR阻害剤はオシメルチニブ、ゲフィチニブ又はエルロチニブである。別の実施形態では、ATP競合EGFR阻害剤はオシメルチニブである。
他の実施形態では、疾患はがんである。更なる実施形態では、がんは肺がん、結腸がん、乳がん、前立腺がん、肝がん、膵臓がん、脳がん、腎臓がん、卵巣がん、胃がん(stomach cancer)、皮膚がん、骨がん、胃がん(gastric cancer)、乳がん、膵がん、神経膠腫、神経膠芽腫、肝細胞癌、乳頭状腎癌、頭頸部扁平上皮癌、白血病、リンパ腫、骨髄腫又は固形腫瘍である。更なる実施形態では、疾患は肺がん、乳がん、神経膠腫、扁平上皮癌又は前立腺がんである。更に又更なる実施形態では、疾患は非小細胞肺がんである。
別の態様では、本明細書で提供されるのは、活性化されたEGFRががん細胞に含まれるがんの処置方法であって、有効量の本明細書で開示される化合物又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与する工程を含む方法である。
別の態様では、本明細書で提供されるのは、活性化されたEGFRががん細胞に含まれるがんの処置方法であって、有効量の本明細書で開示される化合物又はその薬学的に許容される塩、及びEGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤を、それを必要とする対象に投与する工程を含む方法である。いくつかの実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤は抗体である。更なる実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤はセツキシマブ、トラスツズマブ又はパニツムマブである。更なる実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤はセツキシマブである。ある実施形態では、第2の活性薬剤は、ATP競合EGFR阻害剤である。別の実施形態では、ATP競合EGFR阻害剤はオシメルチニブ、ゲフィチニブ又はエルロチニブである。別の実施形態では、ATP競合EGFR阻害剤はオシメルチニブである。
更なる実施形態では、EGFRの変異は、G719S、G719C、G719A、L858R、L861Q、エクソン19欠失変異及びエクソン20挿入変異から選択される。
更に又別の態様では、本明細書で提供されるのは、がんの処置のためにEGFRの阻害を必要としていると特定される対象におけるがんの処置方法であって、有効量の本明細書で開示される化合物又はその薬学的に許容される塩を、対象に投与する工程を含む方法である。
特定の実施形態では、EGFRの阻害を必要としていると特定される対象は、ゲフィチニブ、エルロチニブ、オシメルチニブ、CO-1686又はWZ4002を含むがこれらに限定されない既知のEGFR阻害剤に対して耐性である。特定の実施形態では、対象がEGFRにおける活性化変異を有するかどうかを決定するために、診断試験が実施される。特定の実施形態では、対象が活性化変異及び/又は薬物耐性変異を保有するEGFRを有するかどうかを決定するために、診断試験が実施される。活性化変異は、L858R、G719S、G719C、G719A、L718Q、L861Q、エクソン19における欠失及び/又はエクソン20における挿入を含むがこれらに限定されない。薬物耐性EGFR変異体は、T790M、T854A、L718Q、C797S又はD761Yを含む薬物耐性変異を有し得るがこれらに限定されない。診断試験は、シーケンシング、パイロシーケンシング、PCR、RT-PCR、又はヌクレオチド配列を検出することが可能な、当業者に既知の類似の分析技術を含み得る。
ある態様では、本明細書で提供されるのは、対象における、既知のEGFR阻害剤(ゲフィチニブ、エルロチニブ、オシメルチニブ、CO-1686又はWZ4002を含むがこれらに限定されない)に対する耐性を防ぐ方法であって、有効量の本明細書で開示される化合物又はその薬学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与する工程を含む方法である。
別の態様では、本明細書で提供されるのは、疾患における、既知のEGFR阻害剤(ゲフィチニブ、エルロチニブ、オシメルチニブ、CO-1686又はWZ4002を含むがこれらに限定されない)に対する耐性を防ぐ方法であって、有効量の本明細書で開示される化合物又はその薬学的に許容される塩、及びEGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤を、それを必要とする対象に投与する工程を含む方法である。いくつかの実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤は抗体である。更なる実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤はセツキシマブ、トラスツズマブ又はパニツムマブである。更なる実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤はセツキシマブである。
別の態様では、本開示は、EGFRが一因である疾患の処置又は予防のための医薬の製造における使用のための、本明細書で開示される化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
ある態様では、本明細書で提供されるのは、自己免疫性疾患、炎症性疾患、増殖性及び過剰増殖性疾患、免疫介在性疾患、骨疾患、代謝疾患、神経疾患及び神経変性疾患、心血管疾患、ホルモン関連疾患、アレルギー、喘息及びアルツハイマー病からなる群から選択される状態の処置又は予防方法である。他の実施形態では、前記状態は増殖性障害及び神経変性障害から選択される。
本開示の一態様は、過度の又は異常な細胞増殖を特徴とする疾患、障害及び状態の処置に対して有用な化合物を提供する。そのような疾患には、増殖性又は過剰増殖性疾患、及び神経変性疾患が含まれるがこれらに限定されない。増殖性及び過剰増殖性疾患の例にはがんが含まれるが、これに限定されない。「がん」という用語は、以下のがん:乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、前立腺がん、精巣がん、泌尿生殖器がん、食道がん、喉頭がん、神経膠芽腫、神経芽細胞腫、胃がん、皮膚がん、角化棘細胞腫、肺がん、類表皮癌、大細胞癌、小細胞癌、肺腺癌、骨がん、結腸がん、結腸直腸がん、腺腫、膵臓がん、腺癌、甲状腺がん、濾胞性癌、未分化癌、乳頭状癌、精上皮腫、黒色腫、肉腫、膀胱癌、肝癌及び胆道がん、腎臓癌、骨髄障害、リンパ系障害、ホジキン病、ヘアリー細胞、頬側口腔及び咽頭(口腔)がん、唇がん、舌がん、口がん、咽頭がん、小腸がん、結腸がん、直腸がん、大腸がん、直腸がん、脳がん及び中枢神経系がん、慢性骨髄性白血病(CML)、並びに白血病を含むがこれらに限定されない。「がん」という用語は、以下のがん:骨髄腫、リンパ腫、又は胃がん、腎がん、頭頸部がん、口腔咽頭がん、非小細胞肺がん(NSCLC)、子宮内膜がん、肝細胞癌、非ホジキンリンパ腫及び肺がんから選択されるがんを含むがこれらに限定されない。
「がん」という用語は、腫瘍、新生物、癌腫、肉腫、白血病、リンパ腫等の悪性新生細胞の増殖に起因する任意のがんを指す。例えば、がんには、中皮腫、白血病及びリンパ腫、例えば、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、非皮膚末梢性T細胞リンパ腫、成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)等のヒトT細胞リンパ向性ウイルス(HTLV)と関連付けられているリンパ腫、B細胞リンパ腫、急性非リンパ性白血病、慢性リンパ性(lymphocytic)白血病、慢性骨髄性(myelogenous)白血病、急性骨髄性(myelogenous)白血病、リンパ腫、及び多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、急性リンパ性(lymphatic)白血病(ALL)、慢性リンパ性(lymphatic)白血病(CLL)、ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、成人T細胞白血病リンパ腫、急性骨髄性(myeloid)白血病(AML)、慢性骨髄性(myeloid)白血病(CML)、又は肝細胞癌が含まれるがこれらに限定されない。更なる例には、骨髄異形成症候群、小児固形腫瘍、例えば脳腫瘍、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、骨腫瘍、及び軟部肉腫、成人によく見られる固形腫瘍、例えば頭頚部がん(例えば口腔、喉頭、鼻咽頭及び食道)、泌尿生殖器がん(例えば、前立腺、膀胱、腎臓、子宮、卵巣、精巣)、肺がん(例えば、小細胞及び非小細胞)、乳がん、膵がん、黒色腫及び他の皮膚がん、胃がん、脳腫瘍、ゴーリン症候群に関係する腫瘍(例えば、髄芽腫、髄膜腫等)、並びに肝がんが含まれる。対象化合物によって処置され得るがんの更なる例示的な形態には、骨格又は平滑筋のがん、胃がん、小腸のがん、直腸癌、唾液腺のがん、子宮内膜がん、副腎がん、肛門がん、直腸がん、副甲状腺がん、及び下垂体がんが含まれるがこれらに限定されない。
本明細書に記載の化合物が予防、処置及び研究において有用であり得る更なるがんは、例えば、結腸癌、家族性大腸ポリポーシス癌 及び遺伝性非ポリポーシス結腸直腸がん、又は黒色腫である。更に、がんには、陰唇癌、喉頭癌、下咽頭癌、舌癌、唾液腺癌、胃癌、腺癌、甲状腺がん(髄様及び乳頭状甲状腺癌)、腎癌、腎臓実質癌、子宮頸癌、子宮体癌、子宮内膜癌、絨毛膜癌、精巣癌、泌尿器癌、黒色腫、脳腫瘍、例えば神経膠芽腫、星状細胞腫、髄膜腫、髄芽腫及び末梢性神経外胚葉性腫瘍、胆嚢癌、気管支癌、多発性骨髄腫、基底細胞腫、奇形腫、網膜芽細胞腫、脈絡膜黒色腫、精上皮腫、横紋筋肉腫、頭蓋咽頭腫、骨肉腫、軟骨肉腫、筋肉腫、脂肪肉腫、線維肉腫、ユーイング肉腫、並びに形質細胞腫が含まれるがこれらに限定されない。本開示の一態様では、本開示は、本明細書で開示される種々のタイプのがんを含むがこれらに限定されないがんの処置のための医薬の製造における、1つ又は複数の本開示の化合物の使用を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、がん、例えば、結腸直腸がん、甲状腺がん、乳がん及び肺がん、並びに骨髄増殖性障害、例えば、真性多血症、血小板血症、骨髄線維症を伴う骨髄化生、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄単球性白血病、好酸球増加症候群、若年性骨髄単球性白血病及び全身性肥満細胞症の処置に対して有用である。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、造血障害、具体的には、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性前骨髄球性白血病及び急性リンパ性白血病(ALL)の処置に対して有用である。
本開示は、過形成、異形成及び前がん性病変等の細胞増殖性障害の処置又は予防方法を更に提供する。異形成は、病理学者による生検において認識可能な前がん性病変の最も初期の形態である。対象化合物は、前記過形成、異形成又は前がん性病変が拡大し続けること、又はがんになることを予防する目的のために投与され得る。前がん性病変の例は、皮膚、食道の組織、乳房及び子宮頸部上皮内の組織において生じ得る。
神経変性疾患の例には、副腎白質ジストロフィー(ALD)、アレキサンダー病、アルパース病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ルー・ゲーリック病)、毛細血管拡張性運動失調症、バッテン病(シュピールマイアー・フォークト・シェーグレン・バッテン病(Spielmeyer-Vogt-Sjogren-Batten disease)としても知られる)、ウシ海綿状脳症(BSE)、カナバン病、コケイン症候群、大脳皮質基底核変性症、クロイツフェルト・ヤコブ病、致死性家族性不眠症、前頭側頭葉変性症、ハンチントン病、HIV関連認知症、ケネディ病、クラッベ病、レビー小体型認知症、神経ボレリア症、マシャド・ジョセフ病(脊髄小脳失調症3型)、多系統萎縮症、多発性硬化症、ナルコレプシー、ニーマン・ピック病、パーキンソン病、ペリツェウス・メルツバッハ病、ピック病、原発性側索硬化症、プリオン病、進行性核上性麻痺、レフサム病、サンドホフ病、シルダー病、悪性貧血に続発する脊髄の亜急性連合性変性症、シュピールマイアー・フォークト・シェーグレン・バッテン病(バッテン病としても知られる)、脊髄小脳失調症(特徴の異なる複数のタイプ)、脊髄性筋萎縮症、スティール・リチャードソン・オルゼウスキー病、脊髄ろう、及び中毒性脳症が含まれるがこれらに限定されない。
本開示の別の態様は、有効量の化合物又は化合物を含む薬学的に許容される組成物を、それを必要とする対象に投与する工程を含む、増殖性若しくは過剰増殖性疾患又は神経変性疾患から選択される疾患の処置方法又は重症度の緩和方法を提供する。他の実施形態では、本方法は、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤を投与する工程を更に含む。いくつかの実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤は抗体である。更なる実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤はセツキシマブ、トラスツズマブ又はパニツムマブである。更なる実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤はセツキシマブである。ある実施形態では、第2の活性薬剤は、ATP競合EGFR阻害剤である。別の実施形態では、ATP競合EGFR阻害剤はオシメルチニブ、ゲフィチニブ又はエルロチニブである。別の実施形態では、ATP競合EGFR阻害剤はオシメルチニブである。
本開示の化合物及び組成物のEGFRキナーゼ阻害剤としての活性は、インビトロ、インビボ又は細胞株においてアッセイすることができる。インビトロのアッセイには、活性化されたキナーゼのキナーゼ活性又はATPアーゼ活性のいずれかの阻害を決定するアッセイが含まれる。代替のインビトロアッセイはタンパク質キナーゼに結合する阻害剤の能力を定量化するものであり、阻害剤を結合する前に放射標識し、阻害剤/キナーゼ複合体を分離して結合した放射標識の量を決定することによるか、又は新規の阻害剤を既知の放射性リガンドと結合したキナーゼとインキュベートする競合実験を行うことによるかのいずれかにより測定することができる。種々のキナーゼの阻害剤として本開示において利用される化合物をアッセイするための詳細な条件は、以下の実施例に明記される。
上述に従って、本開示は、上記の任意の疾患又は障害の、そのような処置を必要とする対象における予防又は処置方法であって、治療有効量の本開示の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び任意選択でEGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤を前記対象に投与する工程を含む方法を更に提供する。上記の使用のいずれに対しても、投与様式、処置される個々の状態、及び所望の作用に応じて、必要な投与量は変化することになる。
注射用調製物(例えば、無菌の注射用の水性又は油性懸濁液)は、適した分散剤又は湿潤剤及び懸濁化剤を使用して、既知の技術に従って製剤化することができる。無菌注射用調製物はまた、例えば1,3-ブタンジオールの溶液のような、無毒な非経口的に許容される希釈剤又は溶媒における、無菌の注射用溶液、懸濁液又はエマルションであってもよい。採用することのできる許容される媒体及び溶媒の中には、水、リンゲル溶液、U.S.P.及び等張食塩液がある。更に、無菌の固定油は、溶媒又は懸濁化媒質として従来採用されている。この目的のためには、合成モノグリセリド又はジグリセリドを含めた、任意の刺激の少ない固定油を採用することができる。更に、オレイン酸等の脂肪酸が、注射物質の調製において使用される。
薬物の作用を延ばすためには、皮下又は筋肉内注射からの薬物の吸収を遅らせることが、多くの場合は望ましい。これは、水に難溶性の結晶又は非晶質の液体懸濁液を使用することによって達成され得る。その場合薬物の吸収速度はその溶解速度に依存し、そしてその溶解速度は結晶のサイズ及び結晶の形態に依存し得る。或いは、油媒体中に薬物を溶解又は懸濁させることによっても、非経口投与される薬物形態の吸収の遅延は達成される。
直腸内投与又は腟内投与のための組成物は好ましくは坐薬であり、それは本開示の化合物を、カカオバター、ポリエチレングリコール又は坐薬ワックス等の、室温では固体であるが体温では液体であるために直腸又は膣腔中で融解して活性化合物を遊離する適した非刺激性の賦形剤即ち担体と混合することによって調製することができる。
類似のタイプの固体組成物は、ラクトース又は乳糖並びに高分子量ポリエチレングリコール等の賦形剤を使用して、軟充填及び硬充填ゼラチンカプセル剤におけるフィラーとして採用することもできる。
活性化合物はまた、1つ又は複数の上記で言及した賦形剤を有するマイクロカプセル化形態中にあってもよい。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤及び顆粒剤の固体剤形は、腸溶性コーティング、放出制御コーティング及び医薬製剤分野において公知の他のコーティング等のコーティング及びシェルを用いて調製することができる。そのような固体剤形では、活性化合物をスクロース、ラクトース又はデンプン等の少なくとも1つの不活性希釈剤と混ぜることができる。そのような剤形は、通常の慣行のように、不活性希釈剤以外の追加の物質、例えば、ステアリン酸マグネシウム及び微結晶性セルロース等の錠剤化潤滑剤及び他の錠剤化助剤も含み得る。カプセル剤、錠剤及び丸剤の場合は、剤形は緩衝化剤も含み得る。
本開示の化合物の局所投与又は経皮投与のための剤形には、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、噴霧剤、吸入剤又は貼付剤が含まれる。活性成分は、無菌条件下で、薬学的に許容される担体及び必要に応じて任意の必要とされる防腐剤又は緩衝液と混ぜる。点眼製剤、点耳剤、眼軟膏、粉末及び溶液もまた、本開示の範囲内にあるものとして企図される。
軟膏、ペースト、クリーム及びゲルは、本開示の活性化合物に加えて、賦形剤、例えば、動植物脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン、ベントナイト、ケイ酸、タルク及び酸化亜鉛、又はそれらの混合物を含有してもよい。
粉末及び噴霧剤は、本開示の化合物に加えて、賦形剤、例えば、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム及びポリアミド粉末、又はこれらの物質の混合物を含有することができる。噴霧剤は、更に加えて、クロロフルオロヒドロカーボン等の通例の噴射剤を含有することができる。
経皮貼付剤には、体への化合物の制御された送達を提供するという更なる利点がある。そのような剤形は、適切な媒質中に化合物を溶解又は分配することによって作製することができる。吸収賦活剤も、皮膚を通る化合物の流れを増加させるために使用することができる。速度は、速度制御膜を設けるか、又はポリマー・マトリックス若しくはゲル中に化合物を分散させることにより制御することができる。
本開示の処置方法に従って、所望の結果を実現するために必要な量及び時間において、治療有効量の本開示の化合物を対象に投与することにより、ヒト又は他の動物等の対象において、障害は処置又は予防される。「治療有効量」の本開示の化合物という用語は、本明細書で使用される場合、対象において障害の症状を減少させるのに十分な量の化合物を意味する。医学分野においてよく理解されているように、治療有効量の本開示の化合物は、いかなる医学的処置にも適用可能な妥当なベネフィット/リスク比となる。
一般的に、本開示の化合物は、当分野において既知の、任意の通例の許容される様式によって、治療有効量において単独で、又は1つ若しくは複数の治療薬と組み合わせて投与されることになる。治療有効量は、疾患の重症度、対象の年齢及び相対的な健康状態、使用される化合物の効力並びに他の要因に応じて広範に変化し得る。一般的に、良好な結果は、体重あたり約0.03から2.5mg/kgの1日の投与量において全身的に得られることが示されている。より大きな哺乳動物、例えばヒトにおいて示される1日の投与量は、約0.5mgから約100mgの範囲で、例えば最大1日4回の分割用量において、又は遅延形態(retard form)において、好都合なように投与される。経口投与用に適した単位剤形は、約1から50mgの有効成分を含む。
特定の実施形態では、本開示の化合物の治療量又は用量は、約0.1mg/Kgから約500mg/Kg、或いは約1から約50mg/Kgの範囲であり得る。一般的に、本開示による処置計画は、そのような処置を必要とする患者への、単回用量又は複数回用量における1日あたり約10mgから約1000mgの本開示の化合物の投与を含む。治療量又は用量はまた、投与経路並びに他の薬剤との併用の可能性によっても変化することになる。
対象の状態が改善した時には、必要であれば、本開示の化合物、組成物又は配合剤の維持用量を投与することができる。その後に、投与の用量若しくは頻度、又は両方を、症状の関数として改善された状態が保持されるレベルにまで低減し、症状が所望のレベルにまで軽減した場合には処置を終えなければならない。しかし対象は、何らかの疾患の症状の再発時に、長期ベースでの断続的な処置を必要とし得る。
しかし、本開示の化合物及び組成物の1日の総使用量は、健全な医学的判断の範囲において担当医師が決定するであろうことは理解されるであろう。任意の特定の患者のための具体的な阻害用量は、処置されている障害及び障害の重症度;採用される特定の化合物の活性;採用される特定の組成物;患者の年齢、体重、全般的な健康状態、性別及び食事;採用される特定の化合物の投与時期、投与経路及び排泄率;処置の継続時間;採用される特定の化合物と組み合わせて又は同時に使用される薬物;並びに医学分野において公知の類似の要因を含めた種々の要因に依存することになる。
本開示はまた、a)遊離形態又は薬学的に許容される塩形態における、本明細書で開示される開示の化合物である第1の薬剤、及びb)少なくとも1つの併用薬剤を含む組み合わせ医薬、例えばキットも提供する。キットは、その投与のための使用説明書を含み得る。
特定の実施形態では、これらの組成物は、場合により1つ又は複数の追加の治療薬を更に含んでもよい。例えば、増殖性疾患及びがんを治療するために、EGFRのダイマー形成を防ぐ薬剤、化学療法剤又は他の抗増殖剤を本開示の化合物と組み合わせることができる。
薬学的に許容される担体としての機能を果たし得る材料の一部の例としては、イオン交換体;アルミナ;ステアリン酸アルミニウム;レシチン;ヒト血清アルブミン等の血清タンパク質;ホスフェート、グリシン、ソルビン酸又はソルビン酸カリウム等の緩衝物質;飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物;水;硫酸プロタミン等の塩又は電解質;リン酸水素二ナトリウム;リン酸水素カリウム;塩化ナトリウム;亜鉛塩;コロイド状シリカ;三ケイ酸マグネシウム;ポリビニルピロリドン;ポリアクリレート;ワックス;ポリエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー;羊毛脂;ラクトース、グルコース及びスクロース等の;トウモロコシデンプン及びジャガイモデンプン等のデンプン;カルボキシルメチル・セルロース・ナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロース等のセルロース及びその誘導体;トラガント末;麦芽;ゼラチン;タルク;カカオバター及び坐薬ワックス等の賦形剤;ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及び大豆油等の油;プロピレングリコール又はポリエチレングリコール等のグリコール;オレイン酸エチル及びラウリン酸エチル等のエステル;寒天;水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム等の緩衝化剤;アルギン酸;発熱物質を含まない水;等張食塩水;リンゲル溶液;エチルアルコール;並びにリン酸緩衝溶液が含まれるが、これらに限定されない。更に、ラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウム等の無毒な適合性のある潤滑剤だけではなく、着色剤、解除剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤及び芳香剤、防腐剤並びに抗酸化剤も、配合者(formulator)の判断によって、組成物中に存在させることができる。タンパク質キナーゼ阻害剤又はその薬学的な塩は、動物又はヒトへの投与のための医薬組成物へと製剤化することができる。タンパク質キナーゼが媒介する状態を処置又は予防するのに効果的な量のタンパク質阻害剤、及び薬学的に許容される担体を含むこれらの医薬組成物は、本開示の他の実施形態である。
別の態様では、本開示は、本明細書で開示される化合物又はその薬学的に許容される塩から選択される、EGFR活性を阻害することができる化合物を含むキットを提供する。
別の態様では、本開示は、本明細書で開示される1つ又は複数の化合物から選択される、キナーゼ活性を阻害することができる化合物又はその薬学的に許容される塩、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤、及びがんの処置における使用のための使用説明書を含むキットを提供する。特定の実施形態では、キットは、対象がEGFRにおける活性化及び/又は薬物耐性変異を有するかどうかを決定する試験を実施するための構成要素を更に含む。いくつかの実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤は抗体である。更なる実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤はセツキシマブ、トラスツズマブ又はパニツムマブである。更なる実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤はセツキシマブである。
別の態様では、本開示は、本明細書で開示される化合物から選択される、EGFR活性を阻害することができる化合物又はその薬学的に許容される塩、及びEGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤を含むキットを提供する。いくつかの実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤は抗体である。更なる実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤はセツキシマブ、トラスツズマブ又はパニツムマブである。更なる実施形態では、EGFRのダイマー形成を防ぐ第2の活性薬剤はセツキシマブである。ある実施形態では、第2の活性薬剤は、ATP競合EGFR阻害剤である。別の実施形態では、ATP競合EGFR阻害剤はオシメルチニブ、ゲフィチニブ又はエルロチニブである。別の実施形態では、ATP競合EGFR阻害剤はオシメルチニブである。
本開示は以下の実施例及び合成スキームによって更に例示されるが、それらによって、本開示が、範囲又は趣旨において、本明細書に記載の特定の手順に限定されると解釈されるべきではない。実施例は特定の実施形態を例示するために提供されるものであり、それにより本開示の範囲に対して制限が意図されるものではないということを理解すべきである。更に、本開示の趣旨及び/又は添付の特許請求の範囲から逸脱することなく当業者にそれ自体を示唆し得る種々の他の実施形態、変更形態及びそれらの等価物に頼る可能性があることも更に理解すべきである。
本申請は、以下の実施例によって更に例示されるが、それらは更に限定するものとして解釈されるべきではない。本開示の実施には、別段の指示のない限り、当業者の範囲内である有機合成、細胞生物学、細胞培養及び分子生物学の従来の技術を使用する。
略語
ACN アセトニトリル
dba ジベンジリデンアセトン
DCM ジクロロメタン
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
dppf 1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
HATU 1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート
LDA リチウムジイソプロピルアミド
MeOH メタノール
SPhos 2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',6'-ジメトキシビフェニル
TBTU 2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルアミニウムテトラフルオロボラート
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
XPhos 2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',4',6'-トリイソプロピルビフェニル
(実施例1)
2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-(3-フルオロフェニル)メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-オン(化合物026)の調製
スキーム1
ステップ1. 2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(3-フルオロフェニル)酢酸メチル
2-アミノ-2-(3-フルオロフェニル)酢酸メチル(4.00g、21.8mmol)のDMF(109mL)溶液に、DIPEA(10.6mL、61.0mmol)を添加した。反応混合物を室温で5分間撹拌した後、5-ブロモ-2-(ブロモメチル)安息香酸メチル(6.71g、21.8mmol)を添加した。反応混合物を80℃で一晩加熱した。室温に冷却後、反応混合物を水中に注ぎ込み、酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を合わせて水、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、ヘキサン中の0~20%の酢酸エチルで溶出を行うシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(4.75g、58%)。MS m/z:379.1[M+1]+。
ステップ2. 2-(3-フルオロフェニル)-2-[6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]酢酸メチル
2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(3-フルオロフェニル)酢酸メチル(4.13g、10.9mmol)、1-メチル-4-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]ピペリジン(4.91g、16.3mmol)、1.0Mの炭酸ナトリウム溶液(21.8mL、21.8mmol)及びジオキサン(109mL)の混合物を、窒素で2回脱気した。[1,1'ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタン(0.534g、0.654mmol)及びXPhos(0.519g、1.09mmol)との錯体を添加し、次いで反応物を窒素で更に1回脱気した。反応混合物を100℃で2時間加熱した。室温に冷却後、反応混合物を水中に注ぎ込み、ジクロロメタンで2回抽出した。有機抽出物を合わせて塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を10mMの酢酸アンモニウムを含有する0~80%のACN/水で溶出を行うC18カラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(4.17g、81%)。MS m/z:473.2[M+1]+。
ステップ3. 2-(3-フルオロフェニル)-2-[6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]酢酸
2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-(3-フルオロフェニル)酢酸メチル(4.13g、10.9mmol)、1-メチル-4-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]ピペリジン(4.91g、16.3mmol)、1.0Mの炭酸ナトリウム溶液(21.8mL、21.8mmol)及びジオキサン(109mL)の混合物を、窒素で2回脱気した。[1,1'ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタン(0.534g、0.654mmol)及びXPhos(0.519g、1.09mmol)との錯体を添加し、次いで反応物を窒素で更に1回脱気した。反応混合物を100℃で2時間加熱した。室温に冷却後、反応混合物を水中に注ぎ込み、ジクロロメタンで2回抽出した。有機抽出物を合わせて塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を10mMの酢酸アンモニウムを含有する0~80%のACN/水で溶出を行うC18カラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(4.17g、81%)。MS m/z:473.2[M+1]+。
ステップ4. 2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-(3-フルオロフェニル)メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-オン(026)
2-(3-フルオロフェニル)-2-[6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]酢酸(0.100g、0.218mmol)、1,2-ジアミノベンゼン(0.053g、0.491mmol)及びHATU(0.166g、0.436mmol)のDMF(4.4mL)溶液に、DIPEA(0.150mL、0.872mmol)を添加した。室温で一晩撹拌後、反応混合物に飽和塩化ナトリウム溶液を添加した。得られた固体をろ取し、水で洗浄してアミド中間体を得、それを更なる精製を行わずに次の反応で使用した。MS m/z:549.3[M+1]+。
上記のアミド中間体に、酢酸(5mL)を添加した。80℃で一晩撹拌後、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を10mMの酢酸アンモニウムを含有する0~100%のACN/水で溶出を行うC18カラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(18mg、17%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 8.22-8.26 (m, 1H), 7.89-7.97 (m, 2H), 7.63-7.71 (m, 3H), 7.52-7.63 (m, 2H), 7.44-7.51 (m, 1H), 7.36 (d, 2H), 7.16-7.26 (m, 5H), 6.96 (s, 1H), 4.92 (d, 1H), 4.31 (d, 1H), 2.89-2.98 (m, 2H), 2.53-2.66 (m, 1H), 2.24 (s, 3H), 2.01-2.10 (m, 2H), 1.66-1.81 (m, 4H); MS m/z: 531.3 [M+1]+.
化合物025を、2-(3-フルオロフェニル)-2-[6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]酢酸及びピリジン-2,3-ジアミンから、実施例1と類似の方法により調製した。
(実施例2)
2-[(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-(1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-イル)メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-オン;塩酸塩(化合物015)の調製
スキーム2
ステップ1. 2-ブロモ-4-フルオロ-1-(メトキシメトキシ)ベンゼン
2-ブロモ-4-フルオロ-フェノール(100g、523mmol)のTHF(1L)溶液に、水素化ナトリウム(23.0g、575mmol、鉱物油中に60%)を0℃で4時間にわたって添加した後、メトキシメチルクロリド(44.9mL、601mmol)を添加した。室温で10時間撹拌後、反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を合わせて塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を石油エーテル中の1~10%の酢酸エチルで溶出を行うシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(80g、65%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.30 (dd, 1H), 7.12 (dd, 1H), 6.97 (m, 1H), 5.07-5.24 (m, 2H), 3.46-3.62 (m, 3H).
ステップ2. 2-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]-2-オキソ-酢酸エチル
2-ブロモ-4-フルオロ-1-(メトキシメトキシ)ベンゼン(80.0g、340mmol)の-78℃のTHF(1L)溶液に、n-ブチルリチウム(ヘキサン中に2.5M、142mL、357mmol)を滴下した。-78℃で1時間撹拌後、シュウ酸ジエチル(74.4g、510mmol)の予冷された(-78℃)THF(500mL)溶液に、反応混合物をカニューレで添加した。添加の完了時に、反応混合物を室温にまで昇温させた。反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を合わせて塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、石油エーテル中の10%の酢酸エチルで溶出を行うシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(70g、80%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.57 (dd, 1H), 7.26-7.31 (m, 1H), 7.18-7.23 (m, 1H), 5.15 (s, 2H), 4.37-4.43 (m, 2H), 3.46-3.50 (m, 3H), 1.35-1.41 (m, 3H).
ステップ3. 2-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]-2-ヒドロキシイミノ酢酸エチル
ヒドロキシルアミン塩酸塩(37.9g、546mmol)のエタノール(500mL)溶液に、2-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]-2-オキソ-酢酸エチル(70.0g、273mmol)及び酢酸ナトリウム(44.7g、132mmol)を添加した。80℃で2.5時間撹拌後、溶媒を減圧下で除去し、得られた残渣を水とジクロロメタンの間で分液した。水相を、更なるジクロロメタンで抽出した。有機抽出物を合わせて塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して表題化合物を得た(68g、92%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 9.76 (br s, 1H), 7.17-7.23 (m, 1H), 7.07-7.14 (m, 2H), 5.10 (s, 2H), 4.31-4.39 (m, 2H), 3.44-3.48 (m, 3H), 1.35-1.40 (m, 3H).
ステップ4. 2-アミノ-2-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]酢酸エチル
ラネーニッケル(1.46g、25.0mmol)のEtOH/THF(650mL、4/1)溶液に、2-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]-2-ヒドロキシイミノ-酢酸エチル(34.0g、125mmol)を添加した。フラスコを排気し、水素で再び充填し、反応混合物を、水素雰囲気下(50psi)で、70℃で24時間撹拌させた。反応混合物を、エタノールで複数回洗浄したセライトパッドによりろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、石油エーテル中の33%の酢酸エチルで溶出を行うシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(30.6g、48%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 7.23 (dd, 1H), 7.04-7.08 (m, 2H), 5.14-5.18 (m, 2H), 4.66 (s, 1H), 3.92-4.12 (m, 2H), 3.37 (s, 3H), 1.06-1.22 (m, 3H).
ステップ5. 2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]酢酸エチル
2-アミノ-2-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]酢酸エチル(30.6g、118mmol)のDMF(300mL)溶液に、DIPEA(58.4mL、354mmol)を添加した。反応混合物を室温で5分間撹拌した後、5-ブロモ-2-(ブロモメチル)安息香酸メチル(32.6g、106mmol)を添加した。反応混合物を100℃で10時間加熱した。室温に冷却後、反応混合物を水中に注ぎ込み、酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を合わせて水、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、石油エーテル中の33%の酢酸エチルで溶出を行うシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(35g、66%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.00 (d, 1H), 7.63 (dd, 1H), 7.22-7.36 (m, 1H), 7.10-7.19 (m, 1H), 6.94-7.08 (m, 2H), 6.36-6.54 (m, 1H), 5.06-5.21 (m, 2H), 4.72 (d, 1H), 4.13-4.34 (m, 2H), 3.94 (d, 1H), 3.31-3.45 (m, 3H), 1.24-1.28 (m, 3H); MS m/z: 453.8 [M+1]+.
ステップ6. 2-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]-2-[6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]酢酸エチル
2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)-フェニル]酢酸エチル(5.34g、11.8mmol)、1-メチル-4-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]ピペリジン(4.60g、15.3mmol)、炭酸ナトリウム(3.12g、29.5mmol)及びジオキサン/水(125mL、4/1)の混合物を、窒素下で2回脱気した。[1,1'ビス(ジフェニルホスフィノ)-フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタンとの錯体(1.44g、1.77mmol)を添加し、次いで反応物を窒素下で更に1回脱気した。反応混合物を100℃で2時間加熱した。室温に冷却後、反応混合物を水中に注ぎ込み、酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を合わせて塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をジクロロメタン中の0~15%のメタノールで溶出を行うシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(4.91g、76%)。MS m/z:547.3[M+1]+。
ステップ7. 2-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]-2-[6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]酢酸
2-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]-2-[6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]酢酸エチル(4.91g、8.98mmol)のTHF/MeOH/水(90mL、1/1/1)溶液に、水酸化リチウム一水和物(1.50g、35.9mmol)を添加した。室温で2時間撹拌後、溶媒を減圧下で除去し、得られた残渣を濃HClで中和した。粗生成物を0.1%のギ酸を含有する0~45%のACN/水で溶出を行うC18カラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(4.01g、86%)。MS m/z:519.3[M+1]+。
ステップ8. 2-[[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]-(1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-イル)メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-オン
2-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]-2-[6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)-フェニル]-1-オキソ-イソインドリン-2-イル]酢酸(0.200g、0.385mmol)、3,4-ジアミノピリジン(0.084g、0.770mmol)及びHATU(0.219g、0.577mmol)のDMF(4mL)溶液に、DIPEA(0.265mL、1.53mmol)を添加した。室温で2時間撹拌後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液及び塩水で2回洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を0.1%のギ酸を含有する0~50%のACN/水で溶出を行うC18カラムクロマトグラフィーにより精製してアミド中間体を白色固体として得た(172mg、73%)。MS m/z:610.3[M+1]+。
上記のアミド中間体(0.172g、0.282mmol)に、酢酸(3.66mL)を添加した。80℃で30分撹拌後、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を0.1%のギ酸を含有する0~40%のACN/水で溶出を行うC18カラムクロマトグラフィーにより精製した。生成物画分をプールし、減圧下で濃縮して有機溶媒を除去した。残りの水溶液を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で塩基性化し、酢酸エチルで2回抽出した。有機抽出物を合わせて塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して表題化合物を得た(143mg、86%)。MS m/z:592.3[M+1]+。
ステップ9. 2-[(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-(1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-イル)メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-オン;塩酸塩(化合物015)
2-[[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]-(1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-2-イル)メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-オン(0.143g、0.241mmol)のジクロロメタン(5.2mL)溶液に、ジオキサン中のHCl(4M、0.6mL、2.40mmol)を添加した。室温で1時間撹拌後、溶媒を減圧下で除去した。ジエチルエーテルを残渣に添加し、得られた固体をろ過により単離して表題化合物を得た(131mg、93%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 10.52 (br s, 1H), 10.09 (s, 1H), 9.31 (br s, 1H), 8.50 (d, 1H), 8.00 (d, 1H), 7.84-7.89 (m, 2H), 7.62-7.68 (m, 3H), 7.30 (d, 2H), 7.01-7.09 (m, 2H), 6.91-6.96 (m, 1H), 6.85 (m, 1H), 4.74 (d, 1H), 4.16 (d, 1H), 3.38-3.50 (m, 2H), 2.92-3.08 (m, 2H), 2.74-2.85 (m, 1H), 2.66-2.73 (m, 3H), 1.84-2.08 (m, 4H); MS m/z: 548.3 [M+1]+.
以下の化合物を、2-アミノ-2-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]酢酸エチル、並びに5-ブロモ-2-(ブロモ-メチル)-安息香酸メチル又は5-ブロモ-2-(ブロモメチル)ニコチン酸メチルのいずれか、並びに対応するボロネート及びジアミノアリールの出発材料から、実施例2と類似の方法により調製した。
以下の化合物を、2-アミノ-2-(5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル)酢酸エチル、並びに5-ブロモ-2-(ブロモ-メチル)-安息香酸メチル又は6-(ブロモメチル)-3-クロロ-2-フルオロ安息香酸メチルのいずれか、並びに対応するボロネート及びジアミノアリールの出発材料から、実施例2と類似の方法により調製した。
(実施例3)
2-[(R)-1H-ベンズイミダゾール-2-イル-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-オン及び2-[(S)-1H-ベンズイミダゾール-2-イル-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-オン(化合物022及び023)の調製
2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)-フェニル]イソインドリン-1-オン;塩酸塩(0.600g、1.02mmol)を、飽和炭酸水素ナトリウム溶液と酢酸エチルの間で分液した。水相を更なる酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を合わせて塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、10MPaにおいて45%(MeOH中の0.3% TEA)/55% CO2で溶出を行う、Chiralpak IAカラムを用いたprep SFCにより精製してエナンチオマーを分離した。単離した各エナンチオマーのキラル中心の絶対配置は不明である。最初の溶出ピーク(022)(120mg、22% 収率、94:6 er);[α]20
D-34.2°(c=0.12、MeOH);1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ: 8.02 (s, 1H), 7.84-7.90 (m, 1H), 7.52-7.63 (m, 5H), 7.36 (d, 2H), 7.20-7.27 (m, 2H), 7.14 (s, 1H), 6.97-7.05 (m, 1H), 6.86-6.91 (m, 1H), 6.73-6.79 (m, 1H), 4.76 (d, 1H), 4.26 (d, 1H), 2.99-3.08 (m, 2H), 2.56-2.66 (m, 1H), 2.35 (s, 3H), 2.21 (m, 2H), 1.77-1.94 (m, 4H); MS m/z: 547.2 [M+1]+.2番目の溶出ピーク(023)(154mg、28% 収率、89:11 er);[α]20
D+28.0°(c=0.1、MeOH);1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ: 8.02 (s, 1H), 7.84-7.89 (m, 1H), 7.52-7.64 (m, 5H), 7.36 (d, 2H), 7.20-7.27 (m, 2H), 7.14 (s, 1H), 6.96-7.06 (m, 1H), 6.86-6.92 (m, 1H), 6.74-6.79 (m, 1H), 4.76 (d, 1H), 4.27 (d, 1H), 3.00-3.09 (m, 2H),
2.56-2.68 (m, 1H), 2.36 (s, 3H), 2.23 (m, 2H), 1.78-1.94 (m, 4H); MS m/z: 547.3 [M+1]+.
(実施例4)
6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)メチル]イソインドリン-1-オン(化合物012)の調製
スキーム3
ステップ1. 2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]酢酸
2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)-フェニル]酢酸エチル(22.0g、48.6mmol)のTHF/MeOH/水(300mL、1/1/1)溶液に、水酸化リチウム一水和物(6.10g、145mmol)を添加した。室温で3時間撹拌後、溶媒を減圧下で除去し、得られた残渣をHCl(1M)によってpH3に調整した。固体をろ取し、水で洗浄して表題化合物を得た(18.2g、88%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.20 (br s, 1H), 7.90 (d, 1H), 7.56 (dd, 1H), 7.19 (s, 1H), 6.94-7.15 (m, 3H), 6.35 (s, 1H), 5.03-5.10 (m, 2H), 4.63 (d, 1H), 3.89 (d, 1H), 3.27-3.36 (m, 3H).
ステップ2. 2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]メチル]-6-ブロモ-イソインドリン-1-オン
2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)-フェニル]酢酸(18.2g、42.9mmol)、1,2-ジアミノベンゼン(9.27g、85.8mmol)及びHATU(32.6g、85.8mmol)のDMF(200mL)溶液に、DIPEA(30.3mL、42.4mmol)を添加した。室温で10時間撹拌後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液及び塩水で2回洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をNH4OH/MeOH/DCM(1/5/100)で溶出を行うシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製してアミド中間体を黄色固体として得た(15.5g、70%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 9.72 (s, 1 H), 7.88 (d, 1H), 7.75-7.85 (m, 1H), 7.51-7.69 (m, 1H), 7.08-7.23 (m, 4H), 6.89-6.96 (m, 1H), 6.74 (dd, 1H), 6.53-6.60 (m, 1H), 6.31 (s, 1H), 5.11-5.27 (m, 2H), 4.85 (br s, 2H), 4.62 (d, 1H), 3.94-4.08 (m, 1H), 3.25 (s, 3H).
上記のアミド中間体(15.5g、30.1mmol)に、酢酸(150mL)を添加した。80℃で30分撹拌後、溶媒を減圧下で除去した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で中和し、酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を合わせて硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を酢酸エチルから再結晶化して表題化合物を得た(12.5g、84%)。MS m/z:497.3[M+1]+。
ステップ3. 6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)-フェニル]メチル]イソインドリン-1-オン
2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]メチル]-6-ブロモ-イソインドリン-1-オン(0.150g、0.302mmol)、5-エチニルピリジン-2-アミン(0.071g、0.604mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.012g、0.017mmol)、ヨウ化銅(I)(0.006g、0.030mmol)及びTEA/DMF(3mL、1/1)の混合物を、窒素下で2回脱気した。反応混合物を100℃で一晩加熱した。室温に冷却後、反応混合物を水中に注ぎ込み、酢酸エチルで2回抽出した。有機抽出物を合わせて塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を0.1%のギ酸を含有する5~100%のACN/水で溶出を行うC18カラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(66g、41%)。MS m/z:534.2[M+1]+。
ステップ4. 6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)メチル]イソインドリン-1-オン(化合物012)
6-[2-(6-アミノ-3-ピリジル)エチニル]-2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]メチル]イソインドリン-1-オン(0.066g、0.123mmol)のジクロロメタン(2.6mL)溶液に、ジオキサン中のHCl(4M、0.305mL、1.22mmol)を添加した。室温で2時間撹拌後、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、10mMの酢酸アンモニウムを含有する0~100%のACN/水で溶出を行う逆相HPLCにより精製して表題化合物を得た(6mg、10%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 8.16 (s, 1H), 7.68-7.78 (m, 2H), 7.59-7.64 (m, 1H), 7.44-7.56 (m, 3H), 7.11-7.19 (m, 2H), 7.00-7.09 (m, 1H), 6.77-6.97 (m, 3H), 6.43-6.48 (m, 3H), 4.70-4.86 (m, 1H), 4.20-4.36 (m, 1H); MS m/z: 490.2 [M+1]+.
以下の化合物を、2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]メチル]-6-ブロモ-イソインドリン-1-オン及び対応するアセチレンの出発材料から、実施例4と類似の方法により調製した。
(実施例5)
2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)メチル]-7-フルオロ-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-オン;塩酸塩(化合物032)の調製
スキーム4
ステップ1: 3-クロロ-2-フルオロ-6-メチル-安息香酸
1-クロロ-2-フルオロ-4-メチル-ベンゼン(10.0g、69.1mmol)の-70℃のTHF(100mL)溶液に、LDA(THF中に2M、36.2mL、72.5mmol)を滴下した。-70℃で0.5時間撹拌後、CO2(9.10g)を反応混合物に添加し、同じ温度で1時間撹拌した。室温に昇温後、溶媒を減圧下で除去した。水を残渣に添加し、混合物を酢酸エチルで2回洗浄した。水相をHCl(1M)によってpH1に調整し、酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を合わせて塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して表題化合物を得た(3.5g、27%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 13.38 (br s, 1H), 7.51-7.58 (m, 1H), 7.16 (d, 1H), 2.33 (s, 3H).
ステップ2: 3-クロロ-2-フルオロ-6-メチル-安息香酸メチル
3-クロロ-2-フルオロ-6-メチル-安息香酸(3.50g、18.5mmol)のジクロロメタン(50mL)溶液に、塩化オキサリル(4.69g、37.0mmol)を0℃で添加した。同じ温度で0.5時間撹拌後、溶媒を減圧下で除去した。残渣をメタノール(20mL)中に溶解し、トリエチルアミン(7.47g、74.0mmol)を添加した。室温で1時間撹拌後、溶媒を減圧下で除去し、粗生成物を石油エーテル中の3%の酢酸エチルで溶出を行うシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(1.9g、51%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 7.60-7.66 (m, 1H), 7.20 (d, 1H), 3.90 (s, 3H), 2.32 (s, 3H).
ステップ3: 6-(ブロモメチル)-3-クロロ-2-フルオロ-安息香酸メチル
3-クロロ-2-フルオロ-6-メチル-安息香酸メチル(1.90g、9.37mmol)の四塩化炭素(20mL)溶液に、N-ブロモスクシンイミド(1.66g、9.37mmol)及び過酸化ベンゾイル(0.452g、1.87mmol)を添加した。80℃で12時間撹拌後、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、石油エーテル中の1%の酢酸エチルで溶出を行うシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(0.9g、34%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.45-7.52 (m, 1H), 7.19 (d, 1H), 4.62 (s, 2H), 4.02 (s, 3H).
ステップ4: 2-(6-クロロ-7-フルオロ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)-フェニル]酢酸エチル
2-アミノ-2-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]酢酸エチル(1.06g、4.14mmol)のDMF(15mL)溶液に、DIPEA(1.23g、9.57mmol)を添加した。反応混合物を室温で5分間撹拌後、6-(ブロモメチル)-3-クロロ-2-フルオロ-安息香酸メチル(0.900g、3.19mmol)を添加した。反応混合物を100℃で1時間加熱した。室温に冷却後、反応混合物を水中に注ぎ込み、酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を合わせて水、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、石油エーテル中の33%の酢酸エチルで溶出を行うシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(800mg、59%)。MS m/z:426.1[M+1]+。
ステップ5: 2-(6-クロロ-7-フルオロ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]酢酸
2-(6-クロロ-7-フルオロ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-[5-フルオロ-2-(メトキシ-メトキシ)フェニル]酢酸エチル(0.800g、1.87mmol)のTHF/MeOH/水(15mL、1/1/1)溶液に、水酸化リチウム一水和物(0.314g、7.48mmol)を添加した。室温で1時間撹拌後、溶媒を減圧下で除去し、得られた残渣をHCl(1M)によってpH3に調整した。得られた固体をろ取し、水で洗浄して表題化合物を得た(750mg、定量)。MS m/z:398.0[M+1]+。
ステップ6: 2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]メチル]-6-クロロ-7-フルオロ-イソインドリン-1-オン
2-(6-クロロ-7-フルオロ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-[5-フルオロ-2-(メトキシ-メトキシ)フェニル]酢酸(0.750g、1.88mmol)、1,2-ジアミノベンゼン(0.213g、1.97mmol)及びHATU(1.07g、2.82mmol)のDMF(10mL)溶液に、DIPEA(0.728g、5.64mmol)を添加した。室温で一晩撹拌後、反応混合物を水と酢酸エチルの間で分液した。水相を更なる酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を合わせて塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮してアミド中間体(800mg、87%)を得、それを更なる精製を行わずに次の反応で使用した。MS m/z:488.3[M+1]+。
上記のアミド中間体に、酢酸(15mL)を添加した。80℃で0.5時間撹拌後、溶媒を減圧下で除去した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で中和し、酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を合わせて硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を酢酸エチルから再結晶化して表題化合物を得た(550mg、72%)。MS m/z:470.0[M+1]+。
ステップ7: 2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]メチル]-7-フルオロ-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-オン
2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]メチル]-6-クロロ-7-フルオロ-イソインドリン-1-オン(0.550g、1.17mmol)、1-メチル-4-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]ピペリジン(0.385g、1.28mmol)、炭酸ナトリウム(0.487g、3.51mmol)、SPhos(0.192g、0.468mmol)、Pd2(dba)3(0.321g、0.351mmol)及びジオキサン(10mL)の混合物を、窒素で2回脱気した。反応混合物を105℃で4時間加熱した。室温に冷却後、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物をジクロロメタン中の10%のメタノールで溶出を行うシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(120mg、17%)。MS m/z:609.3[M+1]+。
ステップ8: 2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)メチル]-7-フルオロ-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-オン;塩酸塩(化合物032)
2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]メチル]-7-フルオロ-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-オン(0.120g、0.197mmol)のジクロロメタン(5mL)溶液に、ジオキサン中のHCl(4M、0.985mL、3.94mmol)を添加した。室温で1時間撹拌後、溶媒を減圧下で除去した。ジエチルエーテルを残渣に添加し、得られた固体をろ過により単離して表題化合物を得た(112mg、94%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 10.51 (br s, 1H), 10.29 (br s, 1H), 7.74-7.82 (m, 1H), 7.65-7.73 (m, 2H), 7.49-7.59 (m, 3H), 7.35-7.49 (m, 4H), 6.97-7.22 (m, 4H), 4.80 (d, 1H), 4.25 (d, 1H), 3.48-3.51 (m, 2H), 3.03-3.13 (m, 2H), 2.85-2.93 (m, 1H), 2.73-2.81 (m, 3H), 1.91-2.15 (m, 4H); MS m/z: 565.3 [M+1]+.
(実施例6)
2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)メチル]-7-フルオロ-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]インダゾール(035)及び2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[7-フルオロ-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]インダゾール-2-イル]メチル]-4-フルオロ-フェノール;塩酸塩(034)の調製
スキーム5
ステップ1. 2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)酢酸メチル
2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)酢酸(0.900g、4.88mmol)のメタノール(20mL)溶液に、硫酸(0.983mL、18.5mmol)を添加した。70℃で2時間撹拌後、溶媒を減圧下で除去し、得られた残渣を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウムで3回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して表題化合物を得た(900mg、93%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.01-6.90 (m, 2H), 6.85-6.77 (m, 1H), 3.81 (s, 3H), 3.72 (s, 3H), 3.66-3.61 (m, 2H).
ステップ2. 2-ブロモ-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)酢酸メチル
2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)酢酸メチル(0.900g、5.44mmol)の四塩化炭素(20mL)溶液に、N-ブロモスクシンイミド(0.968g、5.44mmol)及び過酸化ベンゾイル(0.109g、0.454mmol)を添加した。80℃で16時間撹拌後、溶媒を減圧下で除去した。粗化合物を、石油エーテル中の12%の酢酸エチルで溶出を行うシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(1.2g、96%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.42 (dd, 1H), 6.98-7.07 (m, 1H), 6.83 (dd, 1H), 5.90-5.80 (m, 1H), 3.87 (s, 3H), 3.82 (s, 3H).
ステップ3. 2-(6-ブロモ-7-フルオロ-インダゾール-2-イル)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)酢酸
2-ブロモ-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)酢酸メチル(0.579g、2.09mmol)及び6-ブロモ-7-フルオロ-1H-インダゾール(0.450g、2.09mmol)のアセトニトリル(15mL)溶液に、炭酸セシウム(0.814g、2.50mmol)を添加した。0℃で30分間撹拌し、次いで室温で1時間撹拌した後、反応混合物を水と酢酸エチルの間で分液した。水相を更なる酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を合わせて塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮してエステル中間体を得た。MS m/z:412.9[M+1]+。
上記の中間体のTHF/MeOH/水(15mL、1/1/1)溶液に、水酸化リチウム一水和物(0.336g、8.01mmol)を添加した。室温で1時間撹拌後、溶媒を減圧下で除去し、得られた残渣を水と酢酸エチルの間で分液した。水相を5%のクエン酸でpH3に調整し、酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を合わせて硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、石油エーテル中の35%の酢酸エチルで溶出を行うシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(280mg、26%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 8.57 (d, 1H), 7.53 (d, 1H), 7.38-7.11 (m, 4H), 6.82 (s, 1H), 3.82 (s, 3H). MS m/z: 398.8 [M+1]+.
ステップ4. 2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)メチル]-6-ブロモ-7-フルオロ-インダゾール
2-(6-ブロモ-7-フルオロ-インダゾール-2-イル)-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)酢酸(0.280g、0.704mmol)、1,2-ジアミノベンゼン(0.091g、0.844mmol)及びTBTU(0.270g、0.844mmol)のDMF(10mL)溶液に、DIPEA(0.091g、0.704mmol)を添加した。室温で16時間撹拌後、反応混合物を飽和塩化ナトリウムと酢酸エチルの間で分液した。水相を酢酸エチルで3回抽出し、有機抽出物を合わせて硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、石油エーテル中の35%の酢酸エチルで溶出を行うシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製してアミド中間体を得た。MS m/z:488.8[M+1]+。
上記のアミド中間体に、酢酸(15mL)を添加した。80℃で30分間撹拌後、溶媒を減圧下で除去した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウムで3回洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して表題化合物を得た(330mg、67%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 10.75 (br s, 1H), 8.20 (d, 1H), 7.67 (s, 1H), 7.56 (s, 1H), 7.46-7.36 (m, 1H), 7.29-7.20 (m, 2H), 7.07 (dd, 1H), 7.00 (dd, 1H), 6.90-6.99 (m, 1H), 6.75 (dd, 1H), 6.64 (s, 1H), 3.69 (s, 3H); MS m/z: 470.8 [M+1]+.
ステップ5. 2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)メチル]-7-フルオロ-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]インダゾール(化合物035)
2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)メチル]-6-ブロモ-7-フルオロ-インダゾール(0.200g、0.426mmol)、1-メチル-4-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]ピペリジン(0.140g、0.468mmol)、炭酸ナトリウム(0.146g、1.06mmol)、[1,1'ビス-(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタンとの錯体(0.047g、0.064mmol)及びジオキサン/水(8mL、4/1)の混合物を、窒素で2回脱気した。反応混合物を100℃で20時間加熱した。室温に冷却後、反応混合物を水中に注ぎ込み、酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を合わせて塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をジクロロメタン中の6%のメタノールで溶出を行うシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(150mg、62%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 12.67 (s, 1H), 8.58 (d, 1H), 7.60-7.65 (m, 3H), 7.49-7.57 (m, 3H), 7.37 (d, 2H), 7.14-7.33 (m, 5H), 6.98 (m, 1H), 3.80 (s, 3H), 2.99-3.14 (m, 2H), 2.56-2.65 (m, 1H), 2.19-2.42 (m, 5H), 1.68-1.91 (m, 4H); MS m/z: 564.3 [M+1]+.
ステップ6. 2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[7-フルオロ-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]インダゾール-2-イル]メチル]-4-フルオロ-フェノール;塩酸塩(化合物034)
2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)メチル]-7-フルオロ-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]インダゾール(0.150g、0.266mmol)の0℃のジクロロメタン(8mL)溶液に、三臭化ホウ素(0.666g、2.66mmol)を添加した。室温で2時間撹拌後、反応混合物をジクロロメタンで希釈し、氷水中に注ぎ込んだ。水相をジクロロメタンで3回抽出した。有機抽出物を合わせて塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、0~100%のACN/水(0.05% HCl調整剤)で溶出を行う逆相HPLCにより精製して表題化合物を得た(25mg、30%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 10.10-10.47 (m, 2H), 8.65 (d, 1H), 7.51-7.72 (m, 6H), 7.29-7.42 (m, 4H), 7.11-7.23 (m, 2H), 6.99 (m, 1H), 6.90 (m, 1H), 3.48-3.57 (m, 2H), 3.00-3.14 (m, 2H), 2.76-2.93 (m, 4H), 1.92-2.10 (m, 4H); MS m/z: 550.3 [M+1]+.
以下の例を、2-ブロモ-2-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)酢酸メチル又は2-ブロモ-2-フェニル酢酸メチル及び対応する二環性の出発材料から、実施例6と類似の方法により調製した。
化合物067及び068: 2-[(R)-1H-ベンズイミダゾール-2-イル-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソキノリン-1-オン及び2-[(S)-1H-ベンズイミダゾール-2-イル-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソキノリン-1-オンの調製
2-[(rac)-1H-ベンズイミダゾール-2-イル-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)-フェニル]イソキノリン-1-オン;二塩酸塩(069、0.050g、0.079mmol)を、10MPa BPRにおいて55% (MeOH中の0.3% TEA)/45% CO2で溶出を行う、40℃での、Chiral Technologies社のChiralpak IG(5ミクロン 250×10mm)カラムを用いたprep SFCにより精製してエナンチオマーを分離した。単離した各エナンチオマーのキラル中心の絶対配置は不明である。最初の溶出ピーク(067)(17.0mg、38% 収率、98.5:1.5 er);[α]20
D-12.9(c=0.31、MeOH);1H NMR (DMSO-d6) δ: 12.6-12.9 (m, 1H), 9.9-10.2 (m, 1H), 8.28 (d, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.82 (dd, 1H), 7.74 (d, 2H), 7.65 (s, 1H), 7.54 (br s, 2H), 7.39 (d, 2H), 7.29 (d, 1H), 7.19 (br dd, 2H), 7.1 (m, 1H), 6.89 (dd, 1H), 6.6-6.7 (m, 2H), 2.88 (d, 2H), 2.5-2.6 (m, 1H), 2.20 (s, 3H), 1.9-2.1 (m, 2H), 1.6-1.8 (m, 4H); MS m/z: 559.3 [M+1]+.2番目の溶出ピーク(068)(14.1mg、31% 収率、1.5:98.5 er);[α]20
D+14.1(c=0.64、MeOH);1H NMR (DMSO-d6) δ: 12.6-12.9 (m, 1H), 9.9-10.2 (m, 1H), 8.28 (d, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.82 (dd, 1H), 7.74 (d, 2H), 7.65 (s, 1H), 7.54 (br s, 2H), 7.39 (d, 2H), 7.29 (d, 1H), 7.19 (br dd, 2H), 7.1 (m, 1H), 6.89 (dd, 1H), 6.6-6.7 (m, 2H), 2.88 (d, 2H), 2.5-2.6 (m, 1H), 2.20 (s, 3H), 1.9-2.1 (m, 2H), 1.6-1.8 (m, 4H); MS m/z: 559.3 [M+1]+.
化合物065及び066: 2-[(R)-1H-ベンズイミダゾール-2-イル-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)メチル]-8-フルオロ--6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソキノリン-1-オン及び2-[(S)-1H-ベンズイミダゾール-2-イル-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)メチル]-8-フルオロ--6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソキノリン-1-オンの調製
2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)メチル]-8-フルオロ-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソキノリン-1-オン;塩酸塩(070、0.012g、0.020mmol)を、10MPaにおいて55% (MeOH中の0.3% TEA)/45% CO2で溶出を行う、Phenomenex社のLux Cellulose-4カラムを用いたprep SFCにより精製してエナンチオマーを分離した。単離した各エナンチオマーのキラル中心の絶対配置は不明である。最初の溶出ピーク(065)(3mg、27% 収率、100:0 er);[α]20
D-13.3(c=0.37、MeOH);1H NMR (DMSO-d6) δ: 12.69 (br s, 1H), 9.95 (br s, 1H), 7.68-7.73 (m, 3H), 7.37-7.58 (m, 4H), 7.32 (d, 2H), 7.22 (d, 1H), 7.08-7.16 (m, 2H), 6.99-7.07 (m, 1H), 6.80-6.86 (m, 1H), 6.56-6.63 (m, 2H), 2.81 (d, 2H), 2.45-2.50 (m, 1H), 2.13 (s, 3H), 1.85-1.96 (m, 2H), 1.57-1.73 (m, 4H); MS m/z: 577.3 [M+1]+.2番目の溶出ピーク(066)(4mg、36% 収率、100:0 er);[α]20
D+14.8(c=0.27、MeOH);1H NMR (DMSO-d6) δ: 12.69 (br s, 1H), 9.98 (br s, 1H), 7.68-7.73 (m, 3H), 7.38-7.58 (m, 4H), 7.32 (d, 2H), 7.22 (d, 1H), 7.08-7.18 (m, 2H), 6.99-7.06 (m, 1H), 6.80-6.86 (m, 1H), 6.56-6.63 (m, 2H), 2.81 (d, 2H), 2.45-2.52 (m, 1H), 2.13 (s, 3H), 1.83-1.96 (m, 2H), 1.57-1.73 (m, 4H); MS m/z: 577.3 [M+1]+.
(実施例7)
3-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]キナゾリン-4-オン;塩酸塩(化合物006)の調製
スキーム6
ステップ1. 2-[(2-アミノ-5-ブロモ-ベンゾイル)アミノ]-2-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]酢酸エチル
2-アミノ-2-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]酢酸エチル(10.0g、38.8mmol)及び6-ブロモ-2,4-ジヒドロ-1H-3,1-ベンゾオキサジン-2,4-ジオン(10.3g、42.6mmol)のTHF(80mL)溶液に、トリエチルアミン(7.85g、77.6mmol)を添加した。40℃で3時間撹拌後、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、石油エーテル中の25%の酢酸エチルで溶出を行うシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(5g、28%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 8.95 (d, 1H), 7.77 (d, 1H), 7.29 (dd, 1H), 7.15-7.22 (m, 3H), 6.69 (d, 1H), 6.57 (s, 2H), 5.99 (d, 1H), 5.19-5.27 (m, 2H), 4.09-4.18 (m, 2H), 3.38 (s, 3H), 1.14-1.18 (m, 3H).
ステップ2. 2-(6-ブロモ-4-オキソ-キナゾリン-3-イル)-2-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]酢酸エチル
2-[(2-アミノ-5-ブロモ-ベンゾイル)アミノ]-2-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)-フェニル]酢酸エチル(5.25g、11.5mmol)のトリエトキシメタン(20mL)溶液を、110℃で22時間撹拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を石油エーテル中の10~33%の酢酸エチルで溶出を行うシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(2.2g、41%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 8.25-8.29 (m, 2H), 8.02 (dd, 1H), 7.66 (d, 1H), 7.26-7.37 (m, 2H), 7.14-7.21 (m, 1H), 6.68 (s, 1H), 5.17-5.25 (m, 2H), 4.22-4.30 (m, 2H), 3.26 (s, 3H) 1.15-1.25 (m, 3H).
ステップ3. 2-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]-2-[6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]-4-オキソ-キナゾリン-3-イル]酢酸エチル
2-(6-ブロモ-4-オキソ-キナゾリン-3-イル)-2-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)-フェニル]酢酸エチル(2.2g、4.72mmol)、1-メチル-4-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]ピペリジン(1.98g、6.60mmol)、炭酸カリウム(1.96g、14.1mmol)及びジオキサン/水(20mL、4/1)の混合物を、窒素ガスで脱気した。[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタンとの錯体(0.690g、0.944mmol)を添加し、次いで反応物を窒素下で更に1回脱気した。反応混合物を105℃で3時間加熱した。室温に冷却後、反応混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を合わせて塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をジクロロメタン中の0~15%のメタノールで溶出を行うシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(1.8g、68%)。MS m/z:560.4[M+1]+。
ステップ4. 2-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]-2-[6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]-4-オキソ-キナゾリン-3-イル]酢酸
2-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]-2-[6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)-フェニル]-4-オキソ-キナゾリン-3-イル]酢酸エチル(1.80g、3.21mmol)のTHF/MeOH/水(30mL、1/1/1)溶液に、水酸化リチウム一水和物(0.404g、9.62mmol)を添加した。室温で3時間撹拌後、溶媒を減圧下で除去し、得られた残渣をHCl(1M)でpH3に調整した。得られた固体をろ取し、水で洗浄して表題化合物を得た(1.5g、88%)。MS m/z:532.1[M+1]+。
ステップ5. 3-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]キナゾリン-4-オン
2-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]-2-[6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)-フェニル]-4-オキソ-キナゾリン-3-イル]酢酸(0.900g、1.69mmol)、1,2-ジアミノベンゼン(0.218g、2.02mmol)及びHATU(0.962g、2.53mmol)のDMF(10mL)溶液に、DIPEA(0.545g、4.22mmol)を添加した。室温で10時間撹拌後、飽和塩化ナトリウムを反応混合物に添加した。得られた固体をろ取し、水で洗浄した。粗生成物をジクロロメタン中の0~10%のメタノールで溶出を行うシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製してアミド中間体を得た。MS m/z:622.3[M+1]+。
上記のアミド中間体に、酢酸(8mL)を添加した。80℃で3時間撹拌後、溶媒を減圧下で除去した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウムで中和し、酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を合わせて硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を酢酸エチルから再結晶化して表題化合物を得た(170mg、50%)。MS m/z:604.3[M+1]+。
ステップ6. 3-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)-フェニル]キナゾリン-4-オン;塩酸塩(化合物006)
3-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]キナゾリン-4-オン(0.120g、0.198mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液に、ジオキサン中のHCl(4M、0.495mL、1.98mmol)を添加した。室温で1時間撹拌後、溶媒を減圧下で除去した。残渣にジエチルエーテルを添加し、得られた固体をろ過により単離して表題化合物を得た(160mg、91%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 10.28-10.48 (m, 2H), 8.38 (s, 1H), 8.29 (s, 1H), 8.22 (d, 1H), 7.75-7.86 (m, 3H), 7.68 (m, 2H), 7.59 (s, 1H), 7.34-7.45 (m, 4H), 7.20 (m, 1H), 6.96-7.06 (m, 2H), 3.47-3.54 (m, 2H), 3.00-3.15 (m, 2H), 2.75-2.92 (m, 4H), 1.92-2.13 (m, 4H); MS m/z: 560.3 [M+1]+.
以下の化合物を、2-(6-ブロモ-4-オキソ-キナゾリン-3-イル)-2-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]酢酸エチル及び対応するボロネートから、又は2-アミノ-2-フェニル酢酸エチルから、実施例7と類似の方法により調製した。
(実施例8)
2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル(1,4,5,6-テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾール-3-イル)メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-オン(化合物033)の調製
スキーム7
ステップ1. 2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-[1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)-5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[c]ピラゾール-3-イル]アセトニトリル
1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)-5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[c]ピラゾール-3-カルバルデヒド(3.25g、11.5mmol)のアセトニトリル(30mL)溶液に、2-(アミノメチル)-5-ブロモ安息香酸メチル塩酸塩(3.25g、11.5mmol)、DIPEA(4.73mL、28.7mmol)及びシアン化トリメチルシリル(1.35g、13.7mmol)を添加した。反応混合物を75℃で16時間加熱した。室温に冷却後、反応混合物を水中に注ぎ込み、酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を合わせて水、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、石油エーテル中の1~20%の酢酸エチルで溶出を行うシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(1.77g、32%)。MS m/z:488.2[M+1]+。
ステップ2. 2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-[1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)-5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[c]ピラゾール-3-イル]酢酸
氷浴中の、2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-[1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)-5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[c]ピラゾール-3-イル]アセトニトリル(0.950g、1.94mmol)のエタノール(10mL)溶液に、水酸化カリウム水溶液(2M、4.85mL、9.70mmol)を滴下した。100℃で2時間撹拌後、反応混合物を水で希釈し、酢酸によってpH5に調整した。水相を酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を合わせて硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を10mMの酢酸アンモニウムを含有する0~70%のACN/水で溶出を行うC18カラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(420mg、43%)。MS m/z:507.1[M+1]+。
ステップ3. 2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)-5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[c]ピラゾール-3-イル]メチル]-6-ブロモ-イソインドリン-1-オン
2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-[1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)-5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[c]ピラゾール-3-イル]酢酸(0.250g、0.494mmol)、1,2-ジアミノベンゼン(0.120g、1.11mmol)及びHATU(0.377g、0.987mmol)のDMF(10mL)溶液に、DIPEA(0.342mL、1.97mmol)を添加した。室温で5時間撹拌後、飽和塩化ナトリウムを反応混合物に添加した。得られた固体をろ取し、水で洗浄してアミド中間体を得、それを更なる精製を行わずに次の反応で使用した。MS m/z:597.2[M+1]+。
上記のアミド中間体に、酢酸(8mL)を添加した。80℃で1時間撹拌後、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を0.1%のギ酸を含有する0~100%のACN/水で溶出を行うC18カラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(220mg、58%)。MS m/z:579.2[M+1]+。
ステップ4. 2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)-5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[c]ピラゾール-3-イル]メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-オン
2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)-5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[c]ピラゾール-3-イル]メチル]-6-ブロモ-イソインドリン-1-オン(0.100g、0.173mmol)、1-メチル-4-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]ピペリジン(0.060g、0.199mmol)、炭酸ナトリウム(0.024g、0.222mmol)のジオキサン/水(4.5mL、7/2)中の混合物を、窒素で2回脱気した。[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタンとの錯体(0.028g、0.035mmol)を添加し、次いで反応物を窒素で更に1回脱気した。反応混合物を105℃で1.5時間加熱した。室温に冷却後、反応混合物を水中に注ぎ込み、酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を合わせて塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を0.1%のギ酸を含有する0~100%のACN/水で溶出を行うC18カラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(88mg、76%)。MS m/z:673.4[M+1]+。
ステップ5. 2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル(1,4,5,6-テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾール-3-イル)メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-オン(化合物033)
2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)-5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[c]ピラゾール-3-イル]メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-オン(0.087g、0.129mmol)の水(0.464mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(2mL)を添加した。室温で一晩撹拌後、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を0.1%のギ酸を含有する0~100%のACN/水で溶出を行うC18カラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(44mg、63%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 12.56 (br s, 1H), 8.20 (s, 1H), 7.87-7.98 (m, 2H), 7.64-7.75 (m, 3H), 7.47-7.62 (m, 2H), 7.37 (d, 2H), 7.12-7.24 (m, 2H), 6.85 (s, 1H), 4.92 (d, 1H), 4.35 (d, 1H), 2.98-3.05 (m, 2H), 2.54-2.66 (m, 3H), 2.27-2.38 (m, 5H), 2.14-2.27 (m, 3H), 1.89-2.01 (m, 1H), 1.69-1.86 (m, 4H); MS m/z: 543.4 [M+1]+.
化合物031を、2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-[1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)-5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[c]ピラゾール-3-イル]酢酸及びピリジン-2,3-ジアミンから、実施例8と類似の方法により調製した。
(実施例9)
3-((1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)メチル)-6-(4-(1-メチルピペリジン-4-イル)フェニル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4(3H)-オン2,2,2-トリフルオロアセテート(化合物009)の調製
スキーム8
ステップ1. 3-アミノ-6-ブロモピコリン酸メチル
H2SO4の溶液(207mL、4mmol)中の3-アミノピコリン酸メチル(650mg、4.27mmol)と、水(13mL)との混合物を、臭素(200mL、4.27mmol)の酢酸(800mL)溶液を1分かけて滴下することにより処理した。反応混合物を室温で15分間撹拌し、10NのNaOHでpH6に塩基性化した。混合物をEtOAcで3回抽出した。有機抽出物を合わせて飽和塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣を、ヘキサン中の0~60%のEtOAcで溶出を行うシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(600mg、61%)。1 H NMR (500 MHz, DMSO-d6) d ppm 7.45 (d, 1H) 7.22 (d, 1H) 6.89 (s, 2 H) 3.82 (s, 3 H); MS m/z: 232.9 [M+1]+.
ステップ2. 3-アミノ-6-ブロモピコリン酸
3-アミノ-6-ブロモピコリン酸メチル(600mg、2.6mmol)、THF(6mL)中の水酸化リチウム一水和物(600mg、14.3mmol)、MeOH(1.5mL)及び水(1.5mL)との混合物を室温で45分間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。残渣を水(20mL)中に溶解して、2NのHClで処理してpH6にした。白色固体をろ取し、冷水で洗浄し、乾燥して表題化合物を得た(400mg、71%)。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) d ppm 7.19 (d, 1H) 7.43 (d, 1H); MS m/z: 218.9 [M+1]+.
ステップ3. 2-(3-アミノ-6-ブロモピコリンアミド)-2-(5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル)酢酸エチル
3-アミノ-6-ブロモピコリン酸(167mg、0.77mmol)、2-アミノ-2-(5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル)酢酸エチル(237mg、0.92mmol)、HATU(585mg、1.54mmol)及びDIPEA(401mL、2.31mmol)の脱気したDMF(2mL)中の混合物を、60℃で1時間撹拌した。冷却後、反応混合物を飽和塩水(20mL)中に注ぎ込み、EtOAcで3回抽出した。有機抽出物を合わせてNa2SO4で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣を、ヘキサン中の0~55%のEtOAcで溶出を行うシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(315mg、90%)。MS m/z:458.0[M+1]+。
ステップ4. 2-(6-ブロモ-4-オキソピリド[3,2-d]ピリミジン-3(4H)-イル)-2-(5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)-フェニル)酢酸エチル
密封したバイアル内のオルトギ酸トリエチル(4mL)中の、2-(3-アミノ-6-ブロモピコリンアミド)-2-(5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)-フェニル)酢酸エチル(315mg、0.68mmol)の混合物を、マイクロ波中で2時間210℃で加熱した。冷却後、過剰のオルトギ酸トリエチルを減圧下で除去し、残渣をヘキサン中の0~65%のEtOAcで溶出を行うシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(310mg、98%)。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) d ppm 8.37 (s, 1H) 8.06-8.09 (m, 2H) 7.36 (dd, 1H) 7.25-7.32 (m, 1H) 7.17-7.23 (m, 1H) 6.71 (s, 1 H) 5.19-5.25 (m, 2H) 4.27 (q, 2H) 3.29 (s, 3H) 1.19-1.23 (m, 3H); MS m/z: 468.0 [M+1]+.
ステップ5. 2-(5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル)-2-(6-(4-(1-メチルピペリジン-4-イル)フェニル)-4-オキソピリド[3,2-d]ピリミジン-3(4H)-イル)酢酸
2-(6-ブロモ-4-オキソピリド[3,2-d]ピリミジン-3(4H)-イル)-2-(5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル)酢酸エチル(310mg、0.73mmol)、1-メチル-4-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)ピペリジン(265mg、0.88mmol)、Pd(dppf)Cl2. DCM(119mg、0.146mmol)及び炭酸ナトリウム(232mg、2.19mmol)の、ジオキサン:水(4:1、7.5mL)中の混合物を、100℃で24時間、窒素下で加熱した。冷却後、反応混合物をろ過し、ろ液を濃縮し、0~80%のACN/水(0.035% TFA調整剤)で溶出を行う逆相HPLCにより精製して表題化合物を得た(151mg、39%)。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) d ppm 9.36 (br s, 1H) 8.43 (d, 1H) 8.33 (d, 1H) 8.20 (m, 3H) 7.44 (d, 2H) 7.41 (dd, 1H) 7.24-7.33 (m, 1H) 7.19 (dd, 1H) 6.67 (s, 1H) 5.25 (d, 1H) 5.22 (d, 1H) 3.56 (d, 2H) 3.28 (s, 3H) 3.11 (m, 2H) 2.91 (m, 1H) 2.84 (d, 3H) 2.03-2.13 (m, 2H) 1.81-1.96 (m, 2H). MS m/z: 533 [M+1]+.
ステップ6. 3-((1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)(5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル)メチル)-6-(4-(1-メチルピペリジン-4-イル)フェニル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4(3H)-オン
2-(5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル)-2-(6-(4-(1-メチルピペリジン-4-イル)フェニル)-4-オキソピリド[3,2-d]ピリミジン-3(4H)-イル)酢酸(75mg、0.14mmol)、オルトフェニレンジアミン(31mg、0.28mmol)、HATU(106mg、0.28mmol)、及びDIPEA(156mL、0.90mmol)の、脱気したDMF(3mL)中の混合物を、60℃で1.5時間撹拌した。反応混合物を、0~80%のACN/水(0.035% TFA調整剤)で溶出を行う逆相HPLCにより精製してアミド中間体を得た。MS m/z:623.7[M+1]+。
上記のアミド中間体を酢酸(5mL)中に溶解し、110℃で1時間加熱した。過剰の酢酸を減圧下で除去して表題化合物を得、更なる精製を行わずに使用した。MS m/z:605.4[M+1]+。
ステップ7. 3-((1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)メチル)-6-(4-(1-メチルピペリジン-4-イル)フェニル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4(3H)-オン2,2,2-トリフルオロアセテート(化合物009)
上記の材料の、3-((1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)(5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)-フェニル)メチル)-6-(4-(1-メチルピペリジン-4-イル)フェニル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-4(3H)-オンを、5mLの1:1のDCM/TFAで6時間処理した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を0~80%のACN/水(0.035% TFA調整剤)で溶出を行う逆相HPLCにより精製して表題化合物を得た(14mg、15%)。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) d ppm 10.20 (s, 1H) 9.30 (br s, 1H) 8.46 (d, 1H) 8.31 (s, 1H) 8.23 (d, 1H) 8.21 (d, 2H) 7.58 (m, 3H) 7.43 (d, 2H) 7.24 (m, 2H) 7.17 (m, 1H) 6.94 (dd, 1H) 6.80 (m, 1H) 3.55 (d, 2H) 3.10 (m, 2H) 2.90 (m,, 1H) 2.85 (d, 3H) 2.08 (m, 2H) 1.87 (m, 2H); MS m/z: 561.3 [M+1]+.
以下の化合物を、対応するアミン及び酸の出発材料から、実施例9と類似の方法により調製した。
以下の化合物を、2-アミノ-2-(5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル)酢酸エチル及び対応する酸の出発材料から、実施例9と類似の方法により調製した。
化合物077: 3-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)メチル]-5-メトキシ-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]キナゾリン-4-オン;二塩酸塩
スキーム9
ステップ1. 6-アミノ-N-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]メチル]-3-ブロモ-2-メトキシ-ベンズアミド
6-ブロモ-5-メトキシ-2,4-ジヒドロ-1H-3,1-ベンゾオキサジン-2,4-ジオン(0.350g、1.28mmol)のTHF(30mL)溶液に、2-アミノ-2-(5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル)酢酸エチル(0.385g、1.28mmol)を添加した。70℃で12時間撹拌後、反応混合物を減圧下で濃縮し、0~100%のACN/水(0.035% TFA調整剤)で溶出を行う逆相HPLCにより精製して表題化合物を得た(0.21g、31%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 12.28-12.38 (m, 1H), 9.34-9.45 (m, 1H), 7.52-7.60 (m, 1H), 7.39-7.48 (m, 1H), 7.26-7.32 (m, 2H), 7.13-7.20 (m, 4H), 6.83 (d, 1H), 6.46 (d, 1H), 6.11 (s, 2H), 5.24 (d, 1H), 5.17 (d, 1H), 3.62 (s, 3H), 3.26 (s, 3H); MS m/z: 529.1 [M+1]+.
ステップ2. 3-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]メチル]-6-ブロモ-5-メトキシ-キナゾリン-4-オン
6-アミノ-N-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]-メチル]-3-ブロモ-2-メトキシ-ベンズアミド(0.200g、0.377mmol)のオルトギ酸トリエチル(20mL)中の混合物を、210℃で2時間加熱した。室温に冷却後、反応混合物を減圧下で濃縮し、0~100%のACN/水(0.035% TFA調整剤)で溶出を行う逆相HPLCにより精製して表題化合物を得た(0.14g、69%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 12.88 (br s, 1H), 8.18-8.32 (m, 1H), 7.94-8.14 (m, 1H), 7.59-7.75 (m, 2H), 7.47-7.56 (m, 1H), 7.38-7.47 (m, 1H), 7.23 (d, 4H), 6.76-6.96 (m, 1H), 5.10-5.26 (m, 2H), 3.82 (s, 3H), 3.13 (s, 3H); MS m/z: 539.1 [M+1]+.
ステップ3. 3-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]メチル]-5-メトキシ-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]キナゾリン-4-オン
3-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]メチル]-6-ブロモ-5-メトキシ-キナゾリン-4-オン(0.100g、0.185mmol)、1-メチル-4-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)ピペリジン(0.056g、0.185mmol)、Pd(dppf)Cl2(0.014g、0.019mmol)及び炭酸カリウム(0.050g、0.370mmol)のジオキサン:DMF:水(1:1:1、10mL)中の混合物を、100℃で12時間、窒素下で加熱した。冷却後、反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮し、0~100%のACN/水(0.035% TFA調整剤)で溶出を行う逆相HPLCにより精製して表題化合物を得た(0.085g、73%)。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ: 8.27-8.37 (m, 2H), 8.11-8.19 (m, 1H), 7.81-7.90 (m, 1H), 7.70-7.74 (m, 1H), 7.59-7.64 (m, 4H), 7.35-7.43 (m, 2H), 7.28-7.31 (m, 2H), 7.19-7.25 (m, 1H), 6.82-6.88 (m, 1H), 5.17-5.25 (m, 2H), 3.60-3.68 (m, 2H), 3.53 (s, 3H), 3.11-3.25 (m, 5H), 2.93-2.97 (m, 4H), 1.98-2.24 (m, 4H); MS m/z: 634.5 [M+1]+.
ステップ4. 3-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)メチル]-5-メトキシ-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]キナゾリン-4-オン;二塩酸塩
3-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]メチル]-5-メトキシ-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]キナゾリン-4-オン(0.075g、0.118mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液に、メタノール中のHCl(4M、0.590mL、2.36mmol)を添加した。室温で12時間撹拌後、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、0~100%のACN/水(0.05% HCl調整剤)で溶出を行う逆相HPLCにより精製して表題化合物を得た(0.026g、37%)。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ: 8.41 (s, 1H), 7.92 (d, 1H), 7.73-7.82 (m, 2H), 7.52-7.69 (m, 6H), 7.37-7.45 (m, 2H), 7.21-7.35 (m, 2H), 6.99-7.07 (m, 1H), 3.60-3.68 (m, 2H), 3.53 (s, 3H), 3.15-3.26 (m, 2H), 2.89-3.05 (m, 4H), 1.98-2.20 (m, 4H); MS m/z: 590.7 [M+1]+.
化合物078: 2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-チオン;二塩酸塩
スキーム10
ステップ1. 2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-チオン;二塩酸塩
2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-オン(1.00g、1.82mmol)のトルエン(20mL)溶液に、ローソン試薬(3.68g、9.10mmol)を添加した。120℃で72時間撹拌後、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、0~100%のACN/水(0.05% HCl調整剤)で溶出を行う逆相HPLCにより精製して表題化合物を得た(0.026g、3%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 10.33-10.99 (m, 2H), 7.96-8.21 (m, 2H), 7.63-7.90 (m, 6H), 7.36-7.54 (m, 4H), 7.14-7.24 (m, 1H), 6.92-7.16 (m, 2H), 5.08-5.26 (m, 1H), 4.40-4.57 (m, 1H), 3.00-3.14 (m, 3H), 2.86-2.98 (m, 2H), 2.80 (s, 3H), 1.96-2.19 (m, 4H); MS m/z: 563.1 [M+1]+.
化合物083及び084: 2-[(R)-1H-ベンズイミダゾール-2-イル-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-チオン及び2-[(S)-1H-ベンズイミダゾール-2-イル-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-チオンの調製
2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-チオン;二塩酸塩(0.013g、0.020mmol)を、10MPaにおいて45% (MeOH中の0.3% TEA)/55% CO2で溶出を行う、Phenomenex社のLux Cellulose-4カラムを用いたprep SFCにより精製してエナンチオマーを分離した。単離した各エナンチオマーのキラル中心の絶対配置は不明である。最初の溶出ピーク(083)(4mg、31% 収率、100:0 er);[α]20
D-88.9(c=0.18、MeOH);1H NMR (DMSO-d6) δ: 12.74 (br s, 1H), 10.06 (br s, 1H), 8.06 (s, 1H), 7.93 (d, 1H), 7.73 (d, 1H), 7.45-7.69 (m, 5H), 7.39 (d, 2H), 7.08-7.26 (m, 3H), 6.88-6.98 (m, 1H), 6.62-6.71 (m, 1H), 5.08-5.20 (m, 1H), 4.38-4.49 (m, 1H), 2.85-2.94 (m, 2H), 2.53-2.57 (m, 1H), 2.21 (s, 3H), 1.94-2.06 (m, 2H), 1.66-1.83 (m, 4H); MS m/z: 563.3 [M+1]+.2番目の溶出ピーク(084)(4mg、31% 収率、99:1 er);[α]20
D+56.0(c=0.25、MeOH);1H NMR (DMSO-d6) δ: 12.74 (br s, 1H), 10.08 (br s, 1H), 8.06 (s, 1H), 7.93 (d, 1H), 7.73 (d, 1H), 7.44-7.69 (m, 5H), 7.39 (d, 2H), 7.08-7.24 (m, 3H), 6.89-7.00 (m, 1H), 6.60-6.71 (m, 1H), 5.07-5.20 (m, 1H), 4.37-4.51 (m, 1H), 2.84-2.95 (m, 2H), 2.53-2.58 (m, 1H), 2.21 (s, 3H), 1.93-2.06 (m, 2H), 1.64-1.84 (m, 4H)); MS m/z: 563.2 [M+1]+.
化合物085: 2-[(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-オン
スキーム11
ステップ1. 2-メチル-N-[(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メチレン]プロパン-2-スルフィンアミド
4-メチル-1H-イミダゾール-2-カルボキシアルデヒド(5.00g、45.4mmol)及び2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(8.25g、68.1mmol)のTHF(80mL)溶液に、オルトチタン酸テトラエチル(15.5g、68.1mmol)を添加した。75℃で16時間撹拌後、反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を合わせて塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、石油エーテル中の0~100%の酢酸エチルで溶出を行うシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(3g、31%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 10.13-10.62 (m, 1H), 8.41 (s, 1H), 6.76-7.04 (m, 1H), 2.19-2.45 (m, 3H), 1.09-1.25 (m, 9H); MS m/z: 214.2 [M+1].
ステップ2. N-[(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メチル]-2-メチル-プロパン-2-スルフィンアミド
2-メチル-N-[(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メチレン]プロパン-2-スルフィンアミド(2.30g、10.7mmol)のTHF(50mL)溶液に、5-フルオロ-2-メトキシフェニルマグネシウムブロミドのTHF(0.5M、64.0mL、32.0mmol)溶液を-78℃で滴下した。室温で16時間撹拌後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム溶液中に注ぎ込み、酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を合わせて塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、酢酸エチル中の0~10%のメタノールで溶出を行うシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(0.5g、14%)。MS m/z:340.1[M+1]+。
ステップ3. (5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メタンアミン
N-[(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メチル]-2-メチル-プロパン-2-スルフィンアミド(0.560g、1.64mmol)のメタノール(10mL)溶液に、ジオキサン中のHCl(4M、1.23mL、4.92mmol)を0℃で添加した。室温で16時間撹拌後、溶媒を減圧下で除去して表題化合物(0.385g、定量)を得、それを更なる精製を行わずに次の反応で使用した。MS m/z:236.0[M+1]+。
ステップ4. 6-ブロモ-2-[(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メチル]イソインドリン-1-オン
(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メタンアミン(0.380g、1.61mmol)のDMF(5mL)溶液に、DIPEA(1.31mL、8.04mmol)を添加した。反応混合物を室温で5分間撹拌した後、5-ブロモ-2-(ブロモメチル)安息香酸メチル(0.495g、1.61mmol)を添加した。反応混合物を90℃で16時間加熱した。室温に冷却後、反応混合物を水中に注ぎ込み、酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を合わせて水、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、石油エーテル中の0~100%の酢酸エチルで溶出を行うシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(0.28g、40%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.76-12.10 (m, 1H), 7.75-7.84 (m, 2H), 7.50-7.60 (m, 1H), 7.17-7.26 (m, 1H), 7.02-7.13 (m, 1H), 6.88-6.96 (m, 1H), 6.74-6.83 (m, 1H), 6.56 (s, 1H), 4.64-4.75 (m, 1H), 3.96-4.08 (m, 1H), 3.72 (d, 3H), 2.10 (d, 3H).
ステップ5. 2-[(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-オン
6-ブロモ-2-[(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メチル]イソインドリン-1-オン(0.280g、0.650mmol)、1-メチル-4-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)ピペリジン(0.293g、0.975mmol)、Pd(dppf)Cl2(0.024g、0.033mmol)及び炭酸カリウム(0.271g、1.95mmol)のジオキサン:水(9:1、5mL)中の混合物を、100℃で16時間、窒素下で加熱した。冷却後、反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮し、0~100%のACN/水(0.05% HCl調整剤)で溶出を行う逆相HPLCにより精製して表題化合物を得た(0.2g、59%)。MS m/z:525.3[M+1]+。
ステップ6. 2-[(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-オン
2-[(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-オン(0.150g、0.285mmol)の0℃のジクロロメタン(15mL)溶液に、三臭化ホウ素(0.713g、2.85mmol)を添加した。室温で2時間撹拌後、反応混合物をジクロロメタンで希釈し、氷水中に注ぎ込んだ。水相をジクロロメタンで3回抽出した。有機抽出物を合わせて塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、10mMの酢酸アンモニウムを含有する0~100%のACN/水で溶出を行う逆相HPLCにより精製して表題化合物を得た(0.068g、47%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 11.81-12.07 (m, 1H), 10.05 (br s, 1H), 7.80-7.95 (m, 2H), 7.59-7.6 (m, 3H), 7.35 (d, 2H), 6.96-7.08 (m, 1H), 6.53-6.90 (m, 4H), 4.72 (d, 1H), 4.10 (d, 1H), 2.89 (d, 2H), 2.53-2.57 (m, 1H), 2.21 (s, 3H), 1.90-2.12 (m, 5H), 1.62-1.80 (m, 4H); MS m/z: 511.4 [M+1]+.
以下の化合物を、(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メタンアミン及び6-(ブロモメチル)-3-クロロ-2-フルオロ安息香酸メチルから、化合物085と類似の方法により調製した。
化合物086: 2-[(3-フルオロフェニル)-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-オン
表題化合物を、2-メチル-N-[(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メチレン]プロパン-2-スルフィンアミド及び3-フルオロフェニルマグネシウムブロミドから、化合物085と同様に調製した。1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.80-12.26 (m, 1H), 8.19 (s, 1H), 7.86-7.96 (m, 2H), 7.63-7.71 (m, 3H), 7.41-7.49 (m, 1H), 7.37 (d, 2H), 7.15-7.23 (m, 1H), 7.02-7.12 (m, 2H), 6.72 (s, 1H), 4.82 (d, 1H), 4.28 (d, 1H), 2.93-3.01 (m, 2H), 2.56-2.62 (m, 1H), 2.29 (s, 3H), 2.09-2.19 (m, 5H), 1.67-1.84 (m, 4H); MS m/z: 495.3 [M+1]+
化合物087: 2-[(4,5-ジメチル-1H-イミダゾール-2-イル)-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-オン
表題化合物を、4,5-ジメチル-1H-イミダゾール-2-カルバルデヒド及び2-メチルプロパン-2-スルフィンアミドから、化合物085と同様に調製した。1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.75 (br s, 1H), 10.19 (br s, 1H), 7.84-7.89 (m, 2H), 7.59-7.70 (m, 3H), 7.36 (d, 2H), 6.98-7.08 (m, 1H), 6.80-6.91 (m, 2H), 6.72 (s, 1H), 4.69 (d, 1H), 4.13 (d, 1H), 2.89 (d, 2H), 2.45-2.49 (m, 1H), 2.21 (s, 3H), 1.94-2.12 (m, 8H), 1.63-1.84 (m, 4H); MS m/z: 525.3 [M+1]+
化合物088: 2-[(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-(2-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-オン;二塩酸塩
表題化合物を、2-メチル-1H-イミダゾール-5-カルバルデヒド及び2-メチルプロパン-2-スルフィンアミドから、化合物085と同様に調製した。1H NMR (DMSO-d6) δ: 10.54 (br s, 1H), 10.11 (br s, 1H), 7.86-7.99 (m, 2H), 7.62-7.75 (m, 3H), 7.33-7.44 (m, 3H), 7.05-7.15 (m, 1H), 6.87-7.01 (m, 2H), 6.75 (s, 1H), 4.54 (d, 1H), 4.22 (d, 1H), 3.49-3.52 (m, 2H), 2.99-3.12 (m, 2H), 2.70-2.91 (m, 4H), 2.54 (s, 3H), 1.94-2.10 (m, 4H); MS m/z: 511.2 [M+1]+
化合物089: 2-[(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-(5-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-オン;塩酸塩
スキーム12
ステップ1. 2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]-アセトヒドラジド
2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)-フェニル]酢酸エチル(0.900g、1.98mmol)のエタノール(30mL)溶液に、ヒドラジン(0.618mL、19.7mmol)を添加した。80℃で16時間撹拌後、反応混合物を減圧下で濃縮して表題化合物を得た(0.75g、86%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 9.62 (s, 1H), 8.92 (br s, 2H), 7.73-7.89 (m, 2H), 7.52 (d, 1H), 7.04-7.25 (m, 3H), 6.11 (s, 1H), 5.02-5.20 (m, 2H), 4.63 (d, 1H), 3.88 (d, 1H), 3.19 (s, 3H); MS m/z: 438.1 [M+1]+.
ステップ2. 6-ブロモ-2-[[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]-(5-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル]イソインドリン-1-オン
2-(6-ブロモ-1-オキソ-イソインドリン-2-イル)-2-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)-フェニル]アセトヒドラジド(0.400g、0.912mmol)及びエタンイミドアミド塩酸塩(0.258g、2.73mmol)のブタノール(80mL)懸濁液に、THF中のカリウムtert-ブトキシド(1M、2.73mL、2.73mmol)を添加した。反応混合物を120℃で16時間加熱した。室温に冷却後、反応混合物を水中に注ぎ込み、酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を合わせて水、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をジクロロメタン中の0~10%のメタノールで溶出を行うシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(0.185g、44%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 13.63 (br s, 1H), 7.72-7.86 (m, 2H), 7.54 (d, 1H), 7.09-7.25 (m, 2H), 6.81-6.98 (m, 2H), 5.14 (d, 2H), 4.65 (d, 1H), 3.95-4.08 (m, 1H), 3.21 (s, 3H), 2.34 (s, 3H); MS m/z: 461.0 [M+1]+.
ステップ3. 2-[[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]-(5-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-オン
6-ブロモ-2-[[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]-(5-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル]イソインドリン-1-オン(0.100g、0.216mmol)、[4-(1-メチルピペリジン-4-イル)フェニル]ボロン酸(0.057g、0.259mmol)、Pd(dppf)Cl2(0.016g、0.022mmol)及び炭酸ナトリウム(0.071g、0.648mmol)のジオキサン:水(4:1、5mL)中の混合物を、100℃で16時間、窒素下で加熱した。冷却後、反応混合物を水中に注ぎ込み、酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を合わせて水、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をジクロロメタン中の15%のメタノールで溶出を行うシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(0.07g、58%)。MS m/z:556.3[M+1]+。
ステップ4. 2-[(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-(5-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-オン;塩酸塩
表題化合物を、2-[[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]-(5-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-オンから、例076のステップ4と同様に調製した。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ: 8.02 (d, 1H), 7.85-7.93 (m, 1H), 7.60-7.69 (m, 3H), 7.41 (d, 2H), 7.03-7.10 (m, 2H), 6.87-6.99 (m, 2H), 4.76 (d, 1H), 4.24 (d, 1H), 3.64 (d, 2H), 3.14-3.25 (m, 2H), 2.86-3.01 (m, 4H), 2.62 (s, 3H), 2.00-2.21 (m, 4H); MS m/z: 512.4 [M+1]+.
(実施例10)
3-((1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)(フェニル)メチル)-5-フルオロ-6-(4-(1-メチルピペリジン-4-イル)フェニル)キナゾリン-4(3H)-オン2,2,2-トリフルオロアセテート(化合物003)の調製
スキーム13
ステップ1. 6-アミノ-3-ブロモ-2-フルオロ安息香酸
6-アミノ-3-ブロモ-2-フルオロベンゾニトリル(2.56mg、11.8mmol)、水酸化リチウム一水和物(4.99g、118mmol)及び水(70mL)の混合物を、1時間還流加熱した。冷却後、溶液を6NのHClで処理してpH4にした。得られた沈殿物をろ過し、水で洗浄し、乾燥して表題化合物を得た(2.51g、92%)。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) d ppm 7.39 (dd, 1H) 6.57 (dd, 1H); MS m/z: 234.0 [M+1]+.
ステップ2. 6-ブロモ-5-フルオロキナゾリン-4(3H)-オン
6-アミノ-3-ブロモ-2-フルオロ安息香酸(950mg、4.0mmol)及びホルムアミド(20mL)の混合物を、160℃で8時間加熱した。冷却後、反応混合物を水(100mL)中に注ぎ込み、EtOAcで3回抽出した。有機抽出物を合わせて飽和塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣を、ヘキサン中の0~35%のEtOAcで溶出を行うシリカゲルフラッシュクロマトグラフにより精製して表題化合物を得た(490mg、50%)。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) d ppm 8.13 (d, 1H) 8.05 (dd, 1H) 7.45 (dd, 1H); MS m/z: 241.9 [M+1]+.
ステップ3. 2-(6-ブロモ-5-フルオロ-4-オキソキナゾリン-3(4H)-イル)-2-フェニル酢酸メチル
2-ブロモ-2-フェニル酢酸メチル(349mL、2.2mmol)を、DMF(3mL)中の6-ブロモ-5-フルオロキナゾリン-4(3H)-オン(440mg、1.9mmol)及びCs2CO3(1.20g、3.7mmol)に添加し、混合物を30℃に1時間加熱した。冷却後、反応混合物を水(250mL)中に注ぎ込み、EtOAcで3回抽出した。有機抽出物を合わせて飽和塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣を、ヘキサン中の0~30%のEtOAcで溶出を行うシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(290mg、39%)。1H NMR (500 MHz, CDCl3-d) d ppm 7.82-7.91 (m, 2H) 7.45-7.52 (m, 3H) 7.33-7.43 (m, 3H) 6.72 (s, 1H) 3.88 (s, 3H); MS m/z: 390.0 [M+1]+.
ステップ4. 2-(5-フルオロ-6-(4-(1-メチルピペリジン-4-イル)フェニル)-4-オキソキナゾリン-3(4H)-イル)-2-フェニル酢酸
表題化合物を、2-(6-ブロモ-5-フルオロ-4-オキソキナゾリン-3(4H)-イル)-2-フェニル酢酸メチル及び1-メチル-4-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)ピペリジンから、実施例9のステップ5と同様に調製した。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) d ppm 9.35 (br s, 1H) 8.11 (s, 1H) 7.94-7.99 (m, 1H) 7.60 (m, 3H) 7.52-7.56 (m, 2H) 7.43-7.51 (m, 3H) 7.40 (m, 2H) 6.49 (s, 1H) 3.56 (d, 2H) 3.06-3.16 (m, 2H) 2.84 (d, 4H) 2.05-2.13 (m, 2H) 1.80-1.93 (m, 2H); MS m/z: 472.2 [M+1]+.
ステップ5. 3-((1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)(フェニル)メチル)-5-フルオロ-6-(4-(1-メチルピペリジン-4-イル)フェニル)キナゾリン-4(3H)-オン2,2,2-トリフルオロアセテート(化合物003)
表題化合物を、2-(5-フルオロ-6-(4-(1-メチルピペリジン-4-イル)フェニル)-4-オキソキナゾリン-3(4H)-イル)-2-フェニル酢酸から、実施例9のステップ6と同様に調製した。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) d ppm 9.29 (br s, 1H) 8.32 (s, 1H) 7.94-8.03 (m, 1H) 7.56-7.64 (m, 5H) 7.54 (s, 1H) 7.44-7.49 (m, 3H) 7.35-7.42 (m, 4H) 7.17-7.29 (m, 2H) 3.50-3.59 (m, 2H) 3.04-3.16 (m, 2H) 2.84 (m, 4H) 2.04-2.13 (m, 2H) 1.79-1.93 (m, 2H); MS m/z: 544.3 [M+1]+
(実施例11)
中間体の調製
スキーム14
ステップ1. 4-(4-ブロモ-2-フルオロ-フェニル)-1-メチル-ピペリジン-4-オール
4-ブロモ-2-フルオロ-1-ヨード-ベンゼン(24.0g、79.7mmol)の-70℃のTHF(400mL)溶液に、n-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、31.9mL、79.7mmol)を滴下した。-70℃で30分間撹拌後、1-メチルピペリジン-4-オン(9.01g、79.7mmol)のTHF(20mL)溶液を滴下した。70℃で1時間撹拌後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム溶液中に注ぎ込み、酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を合わせて塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、石油エーテル中の5~66%の酢酸エチルで溶出を行うシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(13.0g、57%)。MS m/z:289.8[M+1]+。
ステップ2. 4-(4-ブロモ-2-フルオロ-フェニル)-1-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン
4-(4-ブロモ-2-フルオロ-フェニル)-1-メチル-ピペリジン-4-オール(13.0g、45.1mmol)及び6MのHCl(70mL)の混合物を、85℃で一晩加熱した。室温に冷却後、反応混合物を水中に注ぎ込み、飽和炭酸水素ナトリウムによってpH8に調整し、酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を合わせて塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、石油エーテル中の5~66%の酢酸エチルで溶出を行うシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(4.0g、31%)。MS m/z:271.7[M+1]+。
ステップ3. 4-[2-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-1-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン
4-(4-ブロモ-2-フルオロ-フェニル)-1-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン(3.00g、11.1mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(2.81g、11.1mmol)、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.812g、1.11mmol)、酢酸カリウム(3.26g、33.3mmol)及びジオキサン(30mL)の混合物を、窒素下で2回脱気した。反応混合物を90℃で16時間加熱した。室温に冷却後、反応混合物を水中に注ぎ込み、酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を合わせて塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、石油エーテル中の5~50%の酢酸エチルで溶出を行うシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(3.0g、85%)。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ: 7.49 (dd, 1H), 7.27-7.40 (m, 2H), 6.01-6.03 (m, 1H), 3.18-3.21 (m, 2H), 2.72-2.80 (m, 2H) 2.57-2.65 (m, 2H), 2.43 (s, 3H) 1.30-1.39 (m, 12H).
ステップ4. 4-[2-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-1-メチル-ピペリジン
パラジウム(炭素上に10%、1.10g、0.945mmol)のメタノール(200mL)溶液に、4-[2-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-1-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン(3.00g、9.45mmol)を添加した。フラスコを排気し、水素で再度充填し、反応混合物を、水素雰囲気下(30psi)で、30℃で16時間撹拌させた。反応混合物を、メタノールで複数回洗浄したセライトパッドによりろ過した。ろ液を減圧下で濃縮して表題化合物を得た(2.7g、85%)。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ: 7.49 (d, 1H), 7.26-7.36 (m, 2H), 3.00-3.10 (m, 2H), 2.83-2.98 (m, 1H), 2.37 (s, 3H), 2.18-2.31 (m, 2H), 1.79-1.89 (m, 4H), 1.27-1.39 (m, 12H).
スキームSM-1
ステップ1. 3-メチル-6-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-3-アザビシクロ-[4.1.0]ヘプタン
ジエチル亜鉛(ヘキサン中に1M、10.0mL、10.0mmol)の0℃のジクロロメタン(5mL)溶液に、ジヨードメタン(2.67g、10.0mmol)を添加した。同じ温度で0.5時間撹拌後、4-(1-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)フェニルボロン酸ピナコールエステル(0.500g、1.67mmol)のジクロロメタン(5mL)溶液を、反応混合物に滴下した。室温で18時間撹拌後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム溶液中に注ぎ込み、酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を合わせて塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、石油エーテル中の5~50%の酢酸エチルで溶出を行うシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(0.310g、59%)。MS m/z:314.2[M+1]+。
スキームSM-2
ステップ1. 5-エチル-6-ヨード-3H-キナゾリン-4-オン
6-アミノ-2-エチル-3-ヨード安息香酸(3.50g、12.0mmol)のエタノール(70mL)溶液に、酢酸ホルムアミジン(5.94g、57.1mmol)を添加し、反応混合物を95℃で6時間加熱した。室温に冷却後、得られた固体をろ取し、エタノールで洗浄して表題化合物を得た(2.10g、58%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 8.19 (d, 1H), 8.06 (s, 1H), 7.26 (d, 1H), 3.41-3.59 (m, 2H), 1.04-1.16 (m, 3H).
(実施例12)
2-((1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)メチル-d)-6-(4-(1-メチルピペリジン-4-イル)フェニル)イソインドリン-1-オン(化合物036)の調製
スキーム15
2-((1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)メチル)-6-(4-(1-メチルピペリジン-4-イル)フェニル)イソインドリン-1-オン(101mg、0.185mmol)を、CD3OD(10g)及びD2O(1mL)中で撹拌して不均一な混合物を得た。次いで、ギ酸(40uL、1.07mmol)を添加し、得られた溶液を一晩撹拌した。16時間後、反応溶液の1H NMR(メタノール-d4)は、メチン炭素において、7.16ppmでのメチンのピークの積分面積に基づく約50%の重水素の取り込みを示した。反応物を50℃に加熱し、更に8時間撹拌すると、1H NMR(メタノール-d4)は90%を超える重水素の取り込みを示した。更にギ酸40uL(1.07mmol)を添加し、反応物を、窒素雰囲気下で撹拌しながら、更に6時間50℃で撹拌した。1H NMR(メタノール-d4)は、メチン炭素において、100%の重水素の取り込みを示した。DClの溶液(100uL、D2O中に35質量%)を反応溶液に添加した。10分後、反応溶液を濃縮し、残渣を真空下で一晩乾燥して96mgの白色固体を得た。
粗生成物を、100% 酢酸エチルから60% 酢酸エチル/40% [10% (水中の28% アンモニア)/90% MeOH]で溶出を行うシリカクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を白色粉末として得た。1H NMR (400 MHz, メタノール- d4) δ: 8.02 (s, 1H), 7.84-7.90 (m, 1H), 7.52-7.63 (m, 5H), 7.33-7.39 (m, 2H), 7.20-7.27 (m, 2H), 6.97-7.05 (m, 1H), 6.86-6.91 (m, 1H), 6.73-6.79 (m, 1H), 4.76 (d, 1H), 4.26 (d, 1H), 2.99-3.08 (m, 2H), 2.56-2.66 (m, 1H), 2.35 (s, 3H), 2.21 (m, 2H), 1.77-1.94 (m, 4H); MS m/z: 548.3 [M+1]+.
化合物037及び038を、実施例12の手順に従って調製した。次いで、粗生成物を、日本分光社のsemi-prep SFC上で、10MPaの背圧レギュレーター(BPR)値及び10mL/分の流量において、45% (MeOH中の0.3% TEA)/55% CO2で溶出を行うChiralpak IA(10×250mm 5ミクロン)カラムを使用して精製してエナンチオマーを分離した。単離した各エナンチオマーのキラル中心の絶対配置は不明である。最初の溶出ピーク(27.4mg、27%);1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ: 8.02 (s, 1H), 7.84-7.90 (m, 1H), 7.52-7.63 (m, 5H), 7.33-7.39 (m, 2H), 7.20-7.27 (m, 2H), 6.97-7.05 (m, 1H), 6.86-6.91 (m, 1H), 6.73-6.79 (m, 1H), 4.76 (d, 1H), 4.26 (d, 1H), 2.99-3.08 (m, 2H), 2.56-2.66 (m, 1H), 2.35 (s, 3H), 2.21 (m, 2H), 1.77-1.94 (m, 4H); MS m/z: 548.3 [M+1]+.2番目の溶出ピーク(31mg、28%);1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ: 8.02 (s, 1H), 7.84-7.89 (m, 1H), 7.52-7.64 (m, 5H), 7.36 (d, 2H), 7.20-7.27 (m, 2H), 6.96-7.06 (m, 1H), 6.86-6.92 (m, 1H), 6.74-6.79 (m, 1H), 4.76 (d, 1H), 4.27 (d, 1H), 3.00-3.09 (m, 2H), 2.56-2.68 (m, 1H), 2.36 (s, 3H), 2.23 (m, 2H), 1.78-1.94 (m, 4H); MS m/z: 548.3 [M+1]+.
(実施例13)
2-((1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)メチル-d)-6-(4-(1-メチルピペリジン-4-イル)フェニル)イソインドリン-1-オン-3,3-d2(化合物039)の調製
スキーム16
2-((1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)メチル)-6-(4-(1-メチルピペリジン-4-イル)フェニル)イソインドリン-1-オン(24.5mg、0.047mmol)を、CD3OD(1g). D2O(0.5mL)中で撹拌し、炭酸ナトリウム(9.84mg、0.093mmol)を添加し、混合物を、密封したバイアル中で50℃で18時間撹拌した。反応混合物の1H NMR(メタノール-d4)は、メチン炭素において、7.16ppmでのメチンのピークの積分面積に基づく95%を超える重水素の取り込み、並びにラクタムのメチレン炭素において約60%の重水素の取り込みを示した。反応物を60℃で更に48時間撹拌した。反応混合物の1H NMR(メタノール-d4)は、メチン炭素とラクタムのメチレン炭素の両方の完全な重水素化を示した。反応物を室温に冷却し、次いで、35質量%のDClのD2O溶液(50uL、0.48mmol)を添加した。数分撹拌後、反応物を濃縮し、残渣を、100% DCMから100% (MeOH/DCM中の10% 7N NH3)で溶出を行うシリカクロマトグラフィーによって精製して表題化合物を白色粉末として得た(18mg、70%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.08 - 13.11 (m, 1 H) 9.72 - 10.71 (m, 1 H) 7.86 - 7.92 (m, 2 H) 7.60 - 7.69 (m, 3 H) 7.52 (br s, 2 H) 7.35 (d, J=8.19 Hz, 2 H) 7.17 (br dd, J=5.81, 3.00 Hz, 2 H) 7.01 - 7.11 (m, 1 H) ) 6.91 (dd, J=8.80, 4.77 Hz, 1 H) 6.80 (dd, J=9.41, 3.06 Hz, 1 H) 3.05 - 3.21 (m, 1 H) 2.87 (br d, J=11.25 Hz, 2 H) 1.87 - 2.06 (m, 2 H) 2.19 (s, 3 H) 1.62 - 1.81 (m, 4 H); MS m/z: 550.3 [M+1]+.
(実施例14)
2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)メチル]-6-[4-[2-(ジメチル-アミノ)エトキシ]フェニル]イソインドリン-1-オン;塩酸塩(化合物040)
スキーム17
ステップ1. N-(1H-ベンズイミダゾール-2-イルメチレン)-2-メチル-プロパン-2-スルフィンアミド
1H-1,3-ベンゾジアゾール-2-カルバルデヒド(75.0g、513mmol)及び2-メチル-2-プロパンスルフィンアミド(93.2g、769mmol)のTHF(1L)溶液に、チタン(IV)エトキシド(175g、769mmol)を添加した。75℃で16時間撹拌後、水を添加し、反応混合物を酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を合わせて塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。酢酸エチル及び石油エーテルの溶液(1/1)を残渣に添加し、得られた固体をろ過により単離して表題化合物を得た(65g、51%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 10.92 (s, 1H), 8.70-8.91 (m, 1H), 7.89 (d, 1H), 7.53 (d, 1H), 7.37 (dd, 2H), 1.19-1.32 (m, 9H).
ステップ2. N-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]メチル]-2-メチル-プロパン-2-スルフィンアミド
2-ブロモ-4-フルオロ-1-(メトキシメトキシ)ベンゼン(84.6g、360mmol)の-65℃のTHF(600mL)溶液に、n-ブチルリチウム(ヘキサン中に2.5M、158mL、396mmol)を滴下した。-65℃で20分間撹拌後、反応混合物を、N-(1H-ベンズイミダゾール-2-イルメチレン)-2-メチル-プロパン-2-スルフィンアミド(45.0g、180mmol)の予冷した(-65℃の)THF(1100mL)溶液に、カニューレで添加した。65℃で40分間撹拌後、反応混合物を15℃に昇温させた。反応混合物を飽和塩化アンモニウム溶液によりクエンチし、酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を合わせて塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、石油エーテル中の33~100%の酢酸エチルで溶出を行うシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(40g、38%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 11.26 (s, 1H), 7.32-7.77 (m, 2H), 7.14-7.23 (m, 3H), 7.10 (dd, 1H), 6.87-7.02 (m, 1H), 5.96 (d, 1H), 5.13 (d, 1H), 4.93-5.05 (m, 2H), 3.29 (s, 3H), 1.27-1.41 (m, 9H).
ステップ3. 1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]メタンアミン
N-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]メチル]-2-メチル-プロパン-2-スルフィンアミド(30.0g、73.9mmol)のメタノール(600mL)溶液に、ジオキサン中のHCl(4M、55.2mL、221mmol)を、0℃で添加した。15時間室温で撹拌後、反応混合物を水で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液によりpH8に調整した。水相を酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を合わせて塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して表題化合物を得た(30.0g、定量)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.56 (s, 2H), 7.19-7.26 (m, 2H), 7.06-7.12 (m, 2H), 6.89-6.97 (m, 1H), 5.64 (s, 1H), 5.12 (d, 2H), 3.32-3.41 (m, 3H). MS m/z: 302.3 [M+1]+.
ステップ4. 2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]メチル]-6-ブロモ-イソインドリン-1-オン
1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]メタンアミン(23.0g、76.3mmol)のDMF(250mL)溶液に、DIPEA(37.5mL、228mmol)を添加した。反応混合物を室温で5分間撹拌し、次いで5-ブロモ-2-(ブロモメチル)安息香酸メチル(28.1g、91.5mmol)を添加した。反応混合物を90℃で16時間加熱した。室温に冷却後、反応混合物を水中に注ぎ込み、酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を合わせて水、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して表題化合物を得た(29.5g、78%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 12.69 (s, 1H), 7.87 (d, 1H), 7.80 (dd, 1H), 7.54-7.64 (m, 2H), 7.47 (d, 1H), 7.13-7.25 (m, 4H), 7.09 (s, 1H), 6.92 (dd, 1H), 5.10-5.22 (m, 2H), 4.74 (d, 1H), 4.17 (d, 1H), 3.14-3.23 (m, 3H); MS m/z: 496.1 [M+1]+.
ステップ5. 2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]メチル]-6-[4-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル]イソインドリン-1-オン
2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]メチル]-6-ブロモ-イソインドリン-1-オン(160mg、0.322mmol)、N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-N-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)アニリン(132mg、0.436mmol)、炭酸ナトリウム(89.0mg、0.840mmol)及びジオキサン/水(5mL、4/1)の混合物を、窒素下で2回脱気した。[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタンとの錯体(41.1mg、0.050mmol)を添加し、次いで反応混合物を窒素下で更に1回脱気した。反応混合物を100℃で2時間加熱した。室温に冷却後、反応混合物を水中に注ぎ込み、酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を合わせて塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を0.1%のギ酸を含有する0~55%のACN/水で溶出を行う逆相HPLCにより精製して表題化合物を得た(101mg、53%)。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ: 8.00 (s, 1H), 7.84 (dd, 1H), 7.51-7.64 (m, 5H), 7.19-7.27 (m, 4H), 7.09-7.17 (m, 1H), 7.05 (d, 2H), 6.86 (dd, 1H), 5.06-5.19 (m, 2H), 4.70 (d, 1H), 4.28 (d, 1H), 4.16 (m, 2H), 3.20 (s, 3H), 2.80 (m, 2H), 2.36 (s, 6H); MS m/z: 581.3 [M+1]+.
ステップ6. 2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)メチル]-6-[4-[2-(ジメチルアミノ)-エトキシ]フェニル]イソインドリン-1-オン;塩酸塩(化合物040)
2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]メチル]-6-[4-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル]イソインドリン-1-オン(0.108g、0.185mmol)のジクロロメタン(3.97mL)溶液に、ジオキサン中のHCl(4M、0.462mL、1.85mmol)を添加した。室温で1時間撹拌後、溶媒を減圧下で除去した。ジエチルエーテルを残渣に添加し、得られた固体をろ過により単離して表題化合物を得た(91mg、86%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 10.37 (br s, 1H), 10.22 (br s, 1H), 7.83-7.89 (m, 2H), 7.60-7.69 (m, 5H), 7.34-7.45 (m, 2H), 7.01-7.13 (m, 5H), 6.94 (dd, 1H), 4.71 (d, 1H), 4.35 (t, 2H), 4.19 (d, 1H), 3.42-3.49 (m, 2H), 2.79 (d, 6H); MS m/z: 537.3 [M+1]+.
(実施例15)
2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)メチル]-6-[4-(1-メチルアゼチジン-3-イル)フェニル]イソインドリン-1-オン(化合物049)
スキーム18
ステップ1. 3-[4-[2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]メチル]-3-オキソ-イソインドリン-5-イル]フェニル]アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル
2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]メチル]-6-ブロモ-イソインドリン-1-オン(191mg、0.384mmol)、3-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-1-アゼチジンカルボン酸tert-ブチル(158mg、0.441mmol)、炭酸ナトリウム(105mg、0.990mmol)及びジオキサン/水(9mL、4/1)の混合物を、窒素下で2回脱気した。[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタンとの錯体(62.7mg、0.077mmol)を添加し、次いで反応混合物を窒素下で更に1回脱気した。反応混合物を100℃で1時間加熱した。室温に冷却後、反応混合物を水中に注ぎ込み、酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を合わせて塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、ヘキサン中の0~75%の酢酸エチルで溶出を行うシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(164mg、66%)。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ: 8.08 (s, 1H), 7.89-7.96 (m, 1H), 7.68-7.75 (m, 2H), 7.45-7.67 (m, 5H), 7.21-7.31 (m, 4H), 7.12-7.19 (m, 1H), 6.86-6.93 (m, 1H), 5.12-5.19 (m, 2H), 4.75 (d, 1H), 4.36-4.45 (m, 2H), 4.33 (d, 1H), 3.96-4.04 (m, 2H), 3.90 (d, 1H), 3.23 (s, 3H), 1.50 (s, 9H); MS m/z: 649.3 [M+1]+.
ステップ2. 6-[4-(アゼチジン-3-イル)フェニル]-2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)-フェニル]メチル]イソインドリン-1-オン
3-[4-[2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)-フェニル]メチル]-3-オキソ-イソインドリン-5-イル]フェニル]アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(164mg、0.252mmol)のジクロロメタン(5mL)溶液に、エタノール(73.5μL、1.26mmol)及び臭化亜鉛(283mg、1.26mmol)を添加した。一晩室温で撹拌後、反応混合物を1NのNaOH溶液とメタノールの混合物に添加し、得られた固体をろ過により単離して表題化合物を得た(44mg、32%)。MS m/z:549.3[M+1]+。
ステップ3. 2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]メチル]-6-[4-(1-メチル-アゼチジン-3-イル)フェニル]イソインドリン-1-オン
6-[4-(アゼチジン-3-イル)フェニル]-2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]メチル]イソインドリン-1-オン(45mg、0.082mmol)のメタノール(0.983mL)溶液に、ホルムアルデヒド(水中に37%、60.9μL、0.164mmol)を添加した。反応混合物を室温で5分間撹拌し、次いでシアノ水素化ホウ素ナトリウム(10.3mg、91.5mmol)を添加した。反応混合物を室温で5時間撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液でクエンチし、酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を合わせて水、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を0.1%のギ酸を含有する10~100%のACN/水で溶出を行う逆相HPLCにより精製して表題化合物を得た(14mg、30%)。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ: 8.57 (s, 1H), 8.07 (d, 1H), 7.89-7.96 (m, 1H), 7.53-7.74 (m, 5H), 7.44-7.49 (m, 2H), 7.22-7.29 (m, 4H), 7.10-7.18 (m, 1H), 6.85-6.91 (m, 1H), 5.13-5.18 (m, 2H), 4.75 (d, 1H), 4.33 (d, 1H), 4.04-4.14 (m, 2H), 3.91-4.03 (m, 1H), 3.59-3.73 (m, 2H), 3.23 (s, 3H), 2.65 (s, 3H); MS m/z: 563.3 [M+1]+.
ステップ4. 2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)メチル]-6-[4-(1-メチルアゼチジン-3-イル)フェニル]イソインドリン-1-オン(化合物049)
2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]メチル]-6-[4-(1-メチルアゼチジン-3-イル)フェニル]イソインドリン-1-オン(14.0mg、0.0248mmol)のジクロロメタン(1mL)溶液に、ジオキサン中のHCl(4M、62.0μL、0.248mmol)を添加した。室温で一晩撹拌後、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を0.1%のギ酸を含有する10~100%のACN/水で溶出を行う逆相HPLCにより精製して表題化合物を得た(3mg、23%)。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ: 8.06 (s, 1H), 7.88-7.94 (m, 1H), 7.68-7.74 (m, 2H), 7.63-7.67 (m, 1H), 7.52-7.61 (m, 2H), 7.44-7.51 (m, 2H), 7.23-7.29 (m, 2H), 7.16 (s, 1H), 7.00-7.07 (m, 1H), 6.89-6.95 (m, 1H), 6.75-6.81 (m, 1H), 4.74-4.82 (m, 1H), 4.29 (d, 1H), 4.09-4.19 (m, 2H), 3.94-4.06 (m, 1H), 3.70-3.80 (m, 2H), 2.70 (s, 3H); MS m/z: 519.2 [M+1]+.
(実施例16)
2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)メチル]-6-[4-(1-メチルアゼチジン-3-イル)オキシフェニル]イソインドリン-1-オン;二塩酸塩(化合物056)
スキーム19
ステップ1. 2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]メチル]-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イソインドリン-1-オン
2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]メチル]-6-ブロモ-イソインドリン-1-オン(6.30g、12.6mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(3.19g、12.6mmol)、酢酸カリウム(3.70g、37.8mmol)及びジオキサン(160mL)の混合物を、窒素下で2回脱気した。[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタンとの錯体(0.921mg、1.26mmol)を添加し、次いで反応混合物を窒素下で更に1回脱気した。反応混合物を100℃で12時間加熱した。室温に冷却後、反応混合物をセライトパッドによりろ過した。ろ液を濃縮し、酢酸エチルと石油エーテルの混合物(1/1)を用いてすりつぶして表題化合物を得た(5.10g、75%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 11.78 (br s, 1H), 8.17 (s, 1H), 7.89 (d, 1H), 7.75 (s, 1H), 7.35-7.47 (m, 2H), 7.16-7.26 (m, 4H), 6.94 (dd, 2H), 4.75-4.83 (m, 2H), 4.69 (d, 1H), 4.45 (d, 1H), 2.98 (s, 3H), 1.33 (d, 12H); MS m/z: 544.1 [M+1]+.
ステップ2. 2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]メチル]-6-[4-(1-メチルアゼチジン-3-イル)オキシフェニル]イソインドリン-1-オン
2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]メチル]-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イソインドリン-1-オン(0.309g、0.569mmol)、3-(4-ヨードフェノキシ)-1-メチルアゼチジン(0.150g、0.518mmol)、炭酸カリウム(0.215g、1.55mmol)及びジオキサン/水(6mL、10/1)の混合物を、窒素下で2回脱気した。[1,1'-ビス(ジフェニル-ホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタンとの錯体(75.3mg、0.259mmol)を添加し、次いで反応混合物を窒素下で更に1回脱気した。反応混合物を105℃で4時間加熱した。室温に冷却後、反応混合物を水中に注ぎ込み、酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を合わせて塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をジクロロメタン中の11%のメタノールで溶出を行うシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(150mg、50%)。MS m/z:579.1[M+1]+。
ステップ3. 2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)メチル]-6-[4-(1-メチルアゼチジン-3-イル)オキシフェニル]イソインドリン-1-オン;二塩酸塩(化合物056)
2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]メチル]-6-[4-(1-メチルアゼチジン-3-イル)オキシフェニル]イソインドリン-1-オン(0.150g、0.259mmol)のジオキサン(5mL)溶液に、ジオキサン中のHCl(4M、3.0mL、12.0mmol)を添加した。室温で3時間撹拌後、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、0~100%のACN/水(0.05% HCl調整剤)で溶出を行う逆相HPLCにより精製して表題化合物を得た(22mg、15%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 10.59-10.96 (m, 1H), 10.28 (br s, 1H), 7.91-7.96 (m, 2H), 7.67-7.77 (m, 5H), 7.46 (s, 2H), 7.07-7.22 (m, 3H), 6.96-7.05 (m, 3H), 5.02-5.30 (m, 1H), 4.70-4.84 (m, 2H), 4.39-4.47 (m, 1H), 4.22-4.33 (m, 2H), 4.04-4.12 (m, 1H), 2.92 (m, 3H); MS m/z: 535.2 [M+1]+.
以下の例を、2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]メチル]-6-ブロモ-イソインドリン-1-オン及び対応するボロネートの出発材料から、実施例14と類似の方法により調製した。
以下の例を、対応するハロゲンで置換したフェノール及びボロネートの出発材料から、実施例14と類似の方法により調製した。対応するフェノールを、スルフィンアミドと反応させる前にメトキシメチル誘導体として保護した。
以下の例を、対応するアルデヒド及びボロネートの出発材料から、実施例14と類似の方法により調製した。
以下の例を、2-アミノ-2-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]酢酸エチル、及び5-ブロモ-2-(ブロモ-メチル)-安息香酸メチル又は6-ブロモ-3-(ブロモメチル)ピコリン酸メチルのいずれか;及び対応するジアミノアリールの出発材料から、実施例2と類似の方法により調製した。
以下の例を、2-ブロモ-2-(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)酢酸メチル及び対応する二環性の出発材料から、実施例6と類似の方法により調製した。
以下の例を、2-ブロモ-2-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)酢酸メチル又は2-ブロモ-2-(5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル)酢酸メチル及び対応する二環性の出発材料から、実施例6と類似の方法により調製した。
以下の例を、2-アミノ-2-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]酢酸エチル並びに対応するボロネート及び酸の出発材料から、実施例7と類似の方法により調製した。
以下の例を、実施例4のステップ3と同様に、2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)-5,6-ジヒドロ-4H-シクロペンタ[c]ピラゾール-3-イル]メチル]-6-ブロモ-イソインドリン-1-オン及び5-エチニルピリジン-2-アミンから、実施例8と類似の方法により調製した。
以下の化合物を、2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-[5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]メチル]-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イソインドリン-1-オン及び対応するハロゲン化アリールの出発材料から、実施例16と類似の方法により調製した。
(実施例17)
4-[3-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-フェニル]-1-メチル-ピペリジンの調製
スキーム20
ステップ1. 4-(4-ブロモ-3-フルオロ-フェニル)-1-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン
1-ブロモ-2-フルオロ-4-ヨードベンゼン(10.0g、33.2mmol)、1-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン(7.40g、33.2mmol)、炭酸ナトリウム(10.9g、99.6mmol)、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(2.42g、3.32mmol)及びジオキサン/水(100mL、4/1)の混合物を、窒素下で2回脱気した。反応混合物を100℃で16時間加熱した。室温に冷却後、反応混合物を水中に注ぎ込み、酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を合わせて塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、石油エーテル中の50~67%の酢酸エチルで溶出を行うシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(7.00g、78%)。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ:7.51-7.59 (m, 1H), 7.25-7.31 (m, 1H), 7.13-7.23 (m, 1H), 6.21-6.24 (m, 1H), 3.10-3.16 (m, 2H), 2.67-2.75 (m, 2H) 2.52-2.61 (m, 2H), 2.39 (s, 3H); MS m/z: 271.8 [M+1]+.
ステップ2. 4-[3-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-1-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン
4-(4-ブロモ-3-フルオロ-フェニル)-1-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン(1.00g、3.70mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(1.40g、5.55mmol)、[1,1'ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.541g、0.740mmol)、酢酸カリウム(1.08g、11.1mmol)及びジオキサン(20mL)の混合物を、窒素下で2回脱気した。反応混合物を100℃で3時間加熱した。室温に冷却後、反応混合物を水中に注ぎ込み、酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を合わせて塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、石油エーテル中の50~100%の酢酸エチルで溶出を行うシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(0.432g、37%)。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ: 7.60-7.68 (m, 1H), 7.22-7.27 (m, 1H), 7.06-7.13 (m, 1H), 6.20-6.27 (m, 1H), 3.16-3.23 (m, 2H), 2.74-2.81 (m, 2H), 2.57-2.64 (m, 2H), 2.44 (s, 3H), 1.34 (s, 12H); MS m/z: 318.1 [M+1]+.
ステップ3. 4-[3-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-1-メチル-ピペリジン
パラジウム(炭素上に10%、0.900g、0.851mmol)のメタノール(54mL)溶液に、4-[3-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]-1-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン(2.70g、8.51mmol)を添加した。フラスコを排気し、水素で再度充填し、反応混合物を水素雰囲気下(50psi)で、30℃で48時間撹拌させた。反応混合物を、メタノールで複数回洗浄したセライトパッドによりろ過した。ろ液を減圧下で濃縮して表題化合物を得た(1.89g、70%)。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ: 7.61-7.67 (m, 1H), 7.06-7.11 (m, 1H), 6.89-7.00 (m, 1H), 2.98-3.11 (m, 2H), 2.53-2.69 (m, 1H), 2.37 (s, 3H) 2.16-2.27 (m, 2H), 1.72-1.93 (m, 4H) 1.35 (s, 12H); MS m/z: 320.1 [M+1]+.
(実施例18)
7-フルオロ-2-[(R)-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-オン及び7-フルオロ-2-[(S)-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-オン(094及び095)の調製
7-フルオロ-2-[(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-オン(093、0.020g、0.038mmol)を、10MPaにおいて45% (MeOH中の0.3% TEA)/55% CO2で溶出を行う、40℃での、Chiral Technologies社のChiralpak IA(5ミクロン 250×10mm)カラムを用いたprep SFCにより精製してエナンチオマーを分離した。単離した各エナンチオマーのキラル中心の絶対配置は不明である。最初の溶出ピーク(094)(6mg、30% 収率、100:0 er);[α]20
D-78.3(c=0.035、MeOH);1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.77-12.05 (m, 1H), 10.08 (br s, 1H), 7.65-7.74 (m, 1H), 7.43-7.50 (m, 3H), 7.37 (d, 2H), 6.97-7.07 (m, 1H), 6.77-6.88 (m, 2H), 6.73 (s, 1H), 6.53-6.65 (m, 1H), 4.73 (d, 1H), 4.09 (d, 1H), 2.88 (d, 2H), 2.41-2.49 (m, 1H), 2.20 (s, 3H), 2.12 (s, 3H), 1.94-2.03 (m, 2H), 1.64-1.81 (m, 4H); MS m/z: 529.3 [M+1]+.2番目の溶出ピーク(095)(6mg、30% 収率、97.8:2.2 er);[α]20
D+55.3(c=0.038、MeOH);1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.78-12.05 (m, 1H), 10.06 (br s, 1H), 7.66-7.75 (m, 1H), 7.44-7.51 (m, 3H), 7.38 (d, 2H), 6.97-7.07 (m, 1H), 6.77-6.88 (m, 2H), 6.73 (s, 1H), 6.52-6.65 (m, 1H), 4.74 (d, 1H), 4.10 (d, 1H), 2.89 (d, 2H), 2.41-2.49 (m, 1H), 2.21 (s, 3H), 2.13 (s, 3H), 1.94-2.05 (m, 2H), 1.64-1.82 (m, 4H); MS m/z: 529.3 [M+1]+.
(実施例19)
2-[(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-[5-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル]メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-オン;塩酸塩(103)
スキーム21
ステップ1. 2-メチル-N-[[5-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル]メチレン]プロパン-2-スルフィンアミド
5-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-カルバルデヒド(9.80g、59.7mmol)及び2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(10.8g、98.5mmol)のTHF(300mL)溶液に、オルトチタン酸テトラエチル(20.4g、89.5mmol)を添加した。75℃で5時間撹拌後、反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を合わせて塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、石油エーテル中の0~100%の酢酸エチルで溶出を行うシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(9.6g、60%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 11.34 (br s, 1H), 8.52 (s, 1H), 7.49 (s, 1H), 1.16 (s, 9H); MS m/z: 267.9 [M+1]+.
ステップ2. 2-メチル-N-[[5-(トリフルオロメチル)-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)イミダゾール-2-イル]メチレン]プロパン-2-スルフィンアミド
2-メチル-N-[[5-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル]メチレン]プロパン-2-スルフィンアミド(9.60g、35.9mmol)のDMF(200mL)溶液に、水素化ナトリウム(1.29g、53.8mmol)を0℃で添加した。同じ温度で15分間撹拌後、2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(8.96g、53.8mmol)を添加した。室温で2時間撹拌後、反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を合わせて塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、石油エーテル中の0~10%の酢酸エチルで溶出を行うシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(6.5g、46%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.65 (s, 1H), 7.60 (s, 1H), 5.90 (d, 1H), 5.71 (d, 1H), 3.50-3.68 (m, 2H), 1.28 (s, 9H), 0.87-0.97 (m, 2H), -0.01-0.01 (m, 9H); MS m/z: 398.0 [M+1]+.
ステップ3. N-[(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-[5-(トリフルオロメチル)-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)-イミダゾール-2-イル]メチル]-2-メチル-プロパン-2-スルフィンアミド
2-メチル-N-[[5-(トリフルオロメチル)-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)イミダゾール-2-イル]メチレン]プロパン-2-スルフィンアミド(6.50g、16.3mmol)のTHF(100mL)溶液に、5-フルオロ-2-メトキシフェニルマグネシウムブロミドのTHF(0.5M、97.8mL、48.9mmol)溶液を-78℃で滴下した。室温で16時間撹拌後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム溶液中に注ぎ込み、酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を合わせて塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、10mMの酢酸アンモニウムを含有する0~100%のACN/水で溶出を行う逆相HPLCにより精製して表題化合物を得た(1.9g、22%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.24-7.33 (m, 1H), 6.93-7.07 (m, 2H), 6.84 (dd, 1H), 6.15 (d, 1H), 5.17-5.26 (m, 2H), 4.92 (d, 1H), 3.85 (s, 3H), 3.24-3.45 (m, 2H), 1.21 (s, 9H), 0.74-0.89 (m, 2H), -0.06-0.00 (m, 9H); MS m/z: 524.1 [M+1]+.
ステップ4. (5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-[5-(トリフルオロメチル)-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)-イミダゾール-2-イル]メタンアミン
N-[(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-[5-(トリフルオロメチル)-1-(2-トリメチルシリル-エトキシメチル)イミダゾール-2-イル]メチル]-2-メチル-プロパン-2-スルフィンアミド(1.90g、3.62mmol)のメタノール(80mL)溶液に、メタノール中のHCl(4M、9.05mL、36.2mmol)を0℃で添加した。室温で2時間撹拌後、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、10mMの酢酸アンモニウムを含有する0~100%のACN/水で溶出を行う逆相HPLCにより精製して表題化合物を得た(1.1g、73%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.24-7.33 (m, 1H), 6.90-6.98 (m, 1H), 6.79-6.89 (m, 2H), 5.63 (s, 1H), 5.02-5.13 (m, 2H), 3.85 (s, 3H), 3.24-3.41 (m, 2H), 0.70-0.86 (m, 2H), -0.03 (s, 9H); MS m/z: 420.0 [M+1]+.
ステップ5. 5-ブロモ-2-[[[(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-[5-(トリフルオロメチル)-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)イミダゾール-2-イル]メチル]アミノ]メチル]安息香酸メチル
(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-[5-(トリフルオロメチル)-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)イミダゾール-2-イル]メタンアミン(1.05g、2.50mmol)及び5-ブロモ-2-(ブロモメチル)安息香酸メチル(0.846g、2.75mmol)のDMF(50mL)溶液に、DIPEA(2.05mL、12.5mmol)を添加した。反応混合物を90℃で1時間加熱した。室温に冷却後、反応混合物を水中に注ぎ込み、酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を合わせて水、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して表題化合物(1.61g、定量)を得、それを更なる精製を行わずに次の反応で使用した。MS m/z:646.0[M+1]+。
ステップ6. 6-ブロモ-2-[(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-[5-(トリフルオロメチル)-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)イミダゾール-2-イル]メチル]イソインドリン-1-オン
5-ブロモ-2-[[[(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-[5-(トリフルオロメチル)-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)イミダゾール-2-イル]メチル]アミノ]メチル]安息香酸メチル(1.61g、2.49mmol)のトルエン(50mL)溶液に、トリメチルアルミニウム(0.179g、2.49mmol)を添加した。反応混合物を90℃で16時間加熱した。室温に冷却後、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、10mMの酢酸アンモニウムを含有する0~100%のACN/水で溶出を行う逆相HPLCにより精製して表題化合物を得た(1.2g、78%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.98 (d, 1H), 7.65 (dd, 1H), 7.29-7.35 (m, 2H), 7.26 (s, 1H), 7.18 (dd, 1H), 6.98-7.07 (m, 1H), 6.86 (dd, 1H), 5.59 (d, 1H), 5.22 (d, 1H), 4.96 (d, 1H), 4.06 (d, 1H), 3.75-3.84 (m, 3H), 3.21-3.44 (m, 2H), 0.53-0.78 (m, 2H), -0.12-0.00 (m, 9H); MS m/z: 614.1 [M+1]+.
ステップ7. 6-ブロモ-2-[(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-[5-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル]メチル]イソインドリン-1-オン
6-ブロモ-2-[(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-[5-(トリフルオロメチル)-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)イミダゾール-2-イル]メチル]イソインドリン-1-オン(0.540g、0.878mmol)のメタノール(5mL)溶液に、HCl水溶液(12M、10.0mL、120mmol)を0℃で添加した。室温で4時間撹拌後、溶媒を減圧下で除去し、凍結乾燥して表題化合物を得た(0.425g、定量)。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ: 7.94 (d, 1H), 7.69-7.82 (m, 2H), 7.48 (d, 1H), 7.07-7.29 (m, 2H), 6.82-7.03 (m, 2H), 4.65 (d, 1H), 4.13-4.18 (m, 1H), 3.79 (s, 3H); MS m/z: 485.9 [M+1]+.
ステップ8. 2-[(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-[5-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル]メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-オン
6-ブロモ-2-[(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-[5-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル]メチル]イソインドリン-1-オン(0.425g、0.878mmol)、1-メチル-4-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)ピペリジン(0.403g、1.34mmol)、Pd(dppf)Cl2(0.032g、0.044mmol)及び炭酸カリウム(0.372g、2.68mmol)のジオキサン:水(9:1、10mL)中の混合物を、100℃で2時間、窒素下で加熱した。冷却後、反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮し、ジクロロメタン中の0~15%のメタノールで溶出を行うシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(0.3g、58%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.94 (d, 1H), 7.72-7.79 (m, 1H), 7.45-7.55 (m, 3H), 7.32-7.41 (m, 4H), 6.96-7.07 (m, 1H), 6.89-6.95 (m, 1H), 6.71-6.82 (m, 1H), 4.82-4.96 (m, 1H), 4.34-4.53 (m, 1H), 3.57-3.67 (m, 3H), 2.99-3.09 (m, 2H), 2.48-2.63 (m, 1H), 2.34-2.39 (m, 4H), 2.07-2.16 (m, 3H), 1.86-1.97 (m, 2H); MS m/z: 579.3 [M+1]+.
ステップ9. 2-[(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-[5-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル]メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-オン;塩酸塩
2-[(5-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-[5-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル]メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-オン(0.250g、0.432mmol)の0℃のジクロロメタン(5mL)溶液に、三臭化ホウ素(0.407g、4.32mmol)を添加した。室温で1時間撹拌後、反応混合物をジクロロメタンで希釈し、氷水中に注ぎ込んだ。水相をジクロロメタンで3回抽出した。有機抽出物を合わせて塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、0~100%のACN/水(0.05% HCl調整剤)で溶出を行う逆相HPLCにより精製して表題化合物を得た(0.122g、50%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 10.58 (br s, 1H), 9.98 (br s, 1H), 7.88-7.96 (m, 2H), 7.80 (d, 1H), 7.63-7.76 (m, 3H), 7.36 (d, 2H), 7.02-7.12 (m, 1H), 6.84-6.98 (m, 2H), 6.70 (dd, 1H), 4.67 (d, 1H), 4.12 (d, 1H), 3.49 (d, 2H), 2.99-3.16 (m, 2H), 2.80-2.89 (m, 1H), 2.77 (d, 3H), 1.96-2.12 (m, 4H); MS m/z: 565.5 [M+1]+.
(実施例20)
2-[(R)-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-オン及び2-[(S)-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-オン(104及び105)の調製
2-[(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)-(4-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソインドリン-1-オン(085、0.020g、0.039mmol)を、12MPaにおいて35% (MeOH中の0.3% TEA)/65% CO2で溶出を行う、40℃での、Chiral Technologies社のChiralpak IA(5ミクロン 250×10mm)カラムを用いたprep SFCにより精製してエナンチオマーを分離した。単離した各エナンチオマーのキラル中心の絶対配置は不明である。最初の溶出ピーク(104)(6.5mg、33% 収率、97.9:2.1 er);[α]20
D-88.2(c=0.0465、MeOH);1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.74-12.04 (m, 1H), 10.06 (br s, 1H), 7.84-7.88 (m, 2H), 7.64 (br d, J=8.2 Hz, 3H), 7.35 (d, J=8.2 Hz, 2H), 7.02 (td, J=8.5, 3.1 Hz, 1H), 6.51-6.90 (m, 4H), 4.72 (br d, J=17.7 Hz, 1H), 4.11 (br d, J=17.4 Hz, 1H), 2.88 (br d, J=10.9 Hz, 2H), 2.20 (s, 3H), 2.08-2.17 (m, 3H), 1.92-2.02 (m, 2H), 1.59-1.81 (m, 4H); MS m/z: 511.3 [M+1]+.2番目の溶出ピーク(105)(7.3mg、37% 収率、97.7:2.3 er);[α]20
D+67.3(c=0.049、MeOH);1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.74-12.20 (m, 1H), 10.08 (br s, 1H), 7.82-7.90 (m, 2H), 7.65 (br d, J=8.2 Hz, 3H), 7.36 (d, J=8.2 Hz, 2H), 7.02 (td, J=8.6, 3.2 Hz, 1H), 6.52-6.91 (m, 4H), 4.72 (d, J=17.9 Hz, 1H), 4.11 (d, J=17.9 Hz, 1H), 2.88 (br d, J=11.1 Hz, 2H), 2.21 (s, 3H), 2.13 (s, 3H), 1.98 (td, J=11.3, 2.1 Hz, 2H), 1.59-1.84 (m, 4H); MS m/z: 511.3 [M+1]+.
(実施例21)
6-[(R)-1H-ベンズイミダゾール-2-イル-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)メチル]-2-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]-5H-ピロロ[3,4-b]ピリジン-7-オン及び6-[(S)-1H-ベンズイミダゾール-2-イル-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)メチル]-2-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]-5H-ピロロ[3,4-b]ピリジン-7-オン(106及び107)の調製
6-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)メチル]-2-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]-5H-ピロロ[3,4-b]ピリジン-7-オン(028、0.020g、0.037mmol)を、10MPaにおいて55% (MeOH中の0.3% TEA)/45% CO2で溶出を行う、40℃での、Chiral Technologies社のChiralpak IA(5ミクロン 250×10mm)カラムを用いたprep SFCにより精製してエナンチオマーを分離した。単離した各エナンチオマーのキラル中心の絶対配置は不明である。最初の溶出ピーク(106)(2.8mg、14% 収率、98.5:1.5 er);[α]20
D-12.3(c=0.06、MeOH);1H NMR (DMSO-d6) δ: 7.96-8.09 (m, 4H), 7.39-7.51 (m, 2H), 7.33 (d, J=8.3 Hz, 2H), 7.06-7.16 (m, 2H), 6.94-7.06 (m, 2H), 6.83 (dd, J=8.9, 4.8 Hz, 1H), 6.76 (dd, J=9.3, 3.1 Hz, 1H), 4.72 (d, J=17.9 Hz, 1H), 4.14 (br d, J=17.7 Hz, 1H), 2.75-2.86 (m, 2H), 2.13 (s, 3H), 1.91 (td, J=11.0, 1.5 Hz, 2H), 1.56-1.78 (m, 4H); MS m/z: 548.3 [M+1]+.2番目の溶出ピーク(107)(6.1mg、30% 収率、97.2:2.8 er);[α]20
D+21.8(c=0.055、MeOH);1H NMR (DMSO-d6) δ: 12.56 (br s, 1H), 9.92 (br s, 1H), 7.94-8.13 (m, 4H), 7.46-7.57 (m, 1H), 7.36- 7.44 (m, 1H), 7.33 (d, J=8.3 Hz, 2H), 7.11 (br s, 2H), 7.00-7.05 (m, 1H), 6.99 (s, 1H), 6.84 (dd, J=8.9, 4.8 Hz, 1H), 6.75 (dd, J=9.3, 3.1 Hz, 1H), 4.73 (d, J=17.9 Hz, 1H), 4.11 (d, J=17.9 Hz, 1H), 2.73-2.88 (m, 2H), 2.13 (s, 3H), 1.80-1.97 (m, 2H), 1.53-1.78 (m, 4H); MS m/z: 548.3 [M+1]+.
以下の例を、2-ブロモ-2-(5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル)酢酸メチル及び対応するボロネートの出発材料から、化合物069と類似の方法により調製した。
以下の例を、2-ブロモ-2-(5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル)酢酸メチル及び対応するボロネートの出発材料から、化合物070と類似の方法により調製した。
(実施例22)
2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-ジュウテリオ-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソキノリン-1-オン(112)
スキーム22
Rac-2-(1H-1,3-ベンゾジアゾール-2-イル)(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)メチル]-6-[4-(1-メチルピペリジン-4-イル)フェニル]-1,2-ジヒドロイソキノリン-1-オン(069、20.4mg、0.0365mmol)を、撹拌子を備えたバイアル内の乾燥テトラヒドロフラン(1mL)中に溶解した。次いで、重水素酸化物(350μL、19.3mmol)を撹拌しながら添加し、その後にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(38.1μL、219μmol)を撹拌しながら添加した。反応バイアルを密封し、反応物を70℃で60時間撹拌させた。反応溶液の1HNMR(DMSO-d6)は、メチン炭素において、約7.67ppmでのメチンのピークの消失に基づく約100%の重水素の取り込みを示した。反応物を室温に冷却し、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物をDCM中の0~15%の(メタノール中の7N NH3)で溶出を行うシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(14mg、68%)。1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ: 11.9-13.5 (m, 1H), 9.6-10.9 (m, 1H), 8.28 (d, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.81 (d, 1H), 7.7-7.8 (m, 2H), 7.54 (br s, 2H), 7.3-7.4 (m, 2H), 7.29 (d, 1H), 7.19 (br dd, 2H), 7.08 (dt, 1H), 6.88 (dd, 1H), 6.6-6.7 (m, 2H), 2.88 (br d, 2H), 2.5-2.7 (m, 1H), 2.20 (s, 3H), 1.9-2.0 (m, 2H), 1.6-1.8 (m, 4H); MS m/z: 560.3 [M+1]+.
以下の例を、2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)メチル]-8-フルオロ-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソキノリン-1-オン(070)から、実施例22と類似の方法により調製した。
(実施例23)
2-[(S)-1H-ベンズイミダゾール-2-イル-ジュウテリオ-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソキノリン-1-オン及び2-[(R)-1H-ベンズイミダゾール-2-イル-ジュウテリオ-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)メチル]-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソキノリン-1-オン(114及び115)の調製
スキーム23
Rac-2-(1H-1,3-ベンゾジアゾール-2-イル)(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)メチル]-6-[4-(1-メチルピペリジン-4-イル)フェニル]-1,2-ジヒドロイソキノリン-1-オン(069、50mg、0.090mmol)を、撹拌子を備えたバイアル内の乾燥テトラヒドロフラン(2mL)中に溶解した。次いで重水素酸化物(1000μL、55.4mmol)を撹拌しながら添加し、その後にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(62.2μL、358μmol)を撹拌しながら添加した。反応バイアルを密封し、次いで反応物を70℃で60時間撹拌させた。反応溶液の1HNMR(DMSO-d6)は、メチン炭素において、約7.67ppmでのメチンのピークの消失に基づく約100%の重水素の取り込みを示した。反応物を室温に冷却し、次いで蒸発させて粗生産物を残し、それを5mLのTHF中に溶解した。次いで35質量%のDClのD2O溶液の75uLを、撹拌しながら滴下した。10分後、反応溶液を濃縮し、残渣を真空下で一晩乾燥して粗生成物をビスDCl塩として得た。粗生成物を、日本分光社のsemi-prep SFC上で、10MPaの背圧レギュレーター(BPR)値及び7mL/分の流速において、55% (MeOH中の0.3% TEA)/45% CO2で溶出を行うChiralpak IG(10×250mm 5ミクロン)カラムを使用して精製してエナンチオマー分離した。単離した各エナンチオマーのキラル中心の絶対配置は不明である。最初の溶出ピーク(114)(19.7mg、37%、100:0 er);[α]20
D-13.6(c=0.0515、MeOH);1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ: 11.9-13.5 (m, 1H), 9.6-10.9 (m, 1H), 8.28 (d, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.81 (d, 1H), 7.7-7.8 (m, 2H), 7.54 (br s, 2H), 7.3-7.4 (m, 2H), 7.29 (d, 1H), 7.19 (br dd, 2H), 7.08 (dt, 1H), 6.88 (dd, 1H), 6.6-6.7 (m, 2H), 2.88 (br d, 2H), 2.5-2.7 (m, 1H), 2.20 (s, 3H), 1.9-2.0 (m, 2H), 1.6-1.8 (m, 4H) ; MS m/z: 560.3 [M+1]+.2番目の溶出ピーク(115)(18.8mg、36%、99.7:0.3 er);[α]20
D+14.2(c=0.0705、MeOH);1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ: 11.9-13.5 (m, 1H), 9.6-10.9 (m, 1H), 8.28 (d, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.81 (d, 1H), 7.7-7.8 (m, 2H), 7.54 (br s, 2H), 7.3-7.4 (m, 2H), 7.29 (d, 1H), 7.19 (br dd, 2H), 7.08 (dt, 1H), 6.88 (dd, 1H), 6.6-6.7 (m, 2H), 2.88 (br d, 2H), 2.5-2.7 (m, 1H), 2.20 (s, 3H), 1.9-2.0 (m, 2H), 1.6-1.8 (m, 4H); MS m/z: 560.3 [M+1]+.
以下の例を、2-[1H-ベンズイミダゾール-2-イル-(5-フルオロ-2-ヒドロキシ-フェニル)メチル]-8-フルオロ-6-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)フェニル]イソキノリン-1-オン(070)から、実施例23と類似の方法により調製した。単離した各エナンチオマーのキラル中心の絶対配置は不明である。
(実施例24)
2-((1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)(5-フルオロ-6-(4-(1-メチルピペリジン-4-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)メチル)-4-フルオロフェノール(118)
スキーム24
ステップ1. 2-(6-ブロモ-5-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-(5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル)酢酸メチル
2-ブロモ-2-(5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル)酢酸メチル(513mg、1.67mmol)を、6-ブロモ-5-フルオロ-2H-インダゾール(360mg、1.67mmol)及び炭酸セシウム(651mg、2.09mmol)のCH3CN(16mL)懸濁液に添加し、混合物を0℃で1時間撹拌し、次いでRTで16時間撹拌した。混合物を水とEtOAcの間で分液し、水相をEtOAcで抽出した(3×30mL)。有機相を合わせて塩水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、残渣をシリカクロマトグラフィー(Hex中の0~20% EtOAc)により精製して表題化合物を固体として得た(204mg、19%)。1H NMR (CDCl3-d) δ: 8.00 (d, 1H), 7.92 (s, 1H), 7.31 (d, 1H), 7.20 (dd, 1H), 7.13 (m, 1H), 7.11 (d, 1H), 6.80 (s, 1H), 5.18 (d, 1H), 5.14 (d, 1H), 3.86 (s, 3H), 3.35 (s, 3H); MS m/z: 442.8 [M+1]+.
ステップ2. 2-(5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル)-2-(5-フルオロ-6-(4-(1-メチルピペリジン-4-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)酢酸
2-(6-ブロモ-5-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-(5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)-フェニル)酢酸メチル(205mg、0.47mmol)、1-メチル-4-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)ピペリジン(147mg、0.49mmol)、Pd(dppf)Cl2.DCM(38mg、0.047mmol)及び炭酸ナトリウム(149mg、1.41mmol)のジオキサン:水(3:1、3mL)中の混合物を脱気し、窒素で3回再充填した。混合物を100℃で4時間窒素下で加熱した。冷却後、反応混合物をろ過し、0~80%のACN/水(0.035% TFA調整剤)で溶出を行う逆相HPLCにより精製して表題化合物を得た(117mg、48%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 9.35 (br s, 1H), 8.47 (s, 1H), 7.72 (d, 1H), 7.56 (m, 3H), 7.36 (d, 2H), 7.27 (m, 1H), 7.22 (dd, 1H), 7.16 (dd, 1H), 6.83 (s, 1H), 5.25 (d, 2H), 5.22 (d, 2H), 3.56 (d, 2H), 3.32 (s, 3H), 3.11 (m, 2H), 2.87 (m, 1H), 2.84 (d, 3H), 2.08 (m, 2H), 1.87 (m, 2H); MS m/z: 521.9 [M+1]+.
ステップ3. N-(2-アミノフェニル)-2-(5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル)-2-(5-フルオロ-6-(4-(1-メチルピペリジン-4-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)アセトアミド
2-(6-ブロモ-(5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル)-2-(5-フルオロ-6-(4-(1-メチルピペリジン-4-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)酢酸(117mg、0.48mmol)、ベンゼン-1,2-ジアミン(156mg、1.44mmol)、HATU(365mg、0.96mmol)、DIEA(250mL、1.44mmol)及び脱気したDMF(3mL)の混合物を、1時間撹拌した。反応混合物を、0~80%のACN/水(0.035% TFA調整剤)で溶出を行う逆相HPLCにより精製して表題化合物を得た。1H NMR (DMSO-d6) δ: 9.92 (s, 1H), 9.33 (br s, 1H), 8.31 (s, 1H), 7.73 (d, 1H), 7.57 (m, 3H), 7.36 (d, 2H), 7.29 (m, 1H), 7.27 (dd, 1H), 7.18 (dd, 1H), 7.01 (dd, 1H), 6.99 (s, 1H), 6.96 (m, 1H), 6.74 (d, 1H), 6.58 (m, 1H), 5.24 (d, 1H), 5.19 (d, 1H), 3.55 (d, 2H), 3.25 (s, 3H), 3.11 (m, 2H), 2.87 (m, 1H), 2.84 (d, 3H), 2.08 (m, 2H), 1.86 (m, 2H).
ステップ4. 2-((1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)(5-フルオロ-6-(4-(1-メチルピペリジン-4-イル)フェニル)-2H-インダゾール-2-イル)メチル)-4-フルオロフェノール(118)
ステップ3由来の材料を、AcOH(5mL)中で100℃で1時間加熱した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を1:1のTFA:DCM(5mL)中に5時間かけて溶解した。反応混合物を、0~80%のACN/水(0.035% TFA調整剤)で溶出を行う逆相HPLCにより精製して表題化合物を得た(3ステップで、39mg、13%)。1H NMR (DMSO-d6) δ: 10.18 (br s, 1H), 9.36 (br s, 1H), 8.46 (s, 1H), 7.71 (d, 1H), 7.59 (d, 2H), 7.57 (m, 4H), 7.35 (d, 2H), 7.24 (m, 2H), 7.12 (dd, 1H), 6.93 (dd, 1H), 6.87 (dd, 1H), 3.54 (d, 2H), 3.10 (m, 2H), 2.86 (m, 1H), 2.84 (d, 3H), 2.08 (m, 2H), 1.86 (m, 2H); MS m/z: 550.0 [M+1]+.
以下の例を、2-ブロモ-2-(5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル)酢酸メチル及び対応する二環性の出発材料から、実施例24と類似の方法により調製した。
スキーム25
ステップ1 2-ブロモ-2-(5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル)酢酸メチル
5-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)ベンゼン酢酸メチル(5.00g、21.9mmol)のクロロホルム(80mL)溶液に、N-ブロモスクシンイミド(4.66g、26.2mmol)及び過酸化ベンゾイル(0.530g、2.19mmol)を添加した。80℃で16時間撹拌後、溶媒を減圧下で除去した。粗化合物を、石油エーテル中の0~5%の酢酸エチルで溶出を行うシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た(2.4g、36%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.31 (dd, 1H), 6.97-7.03 (m, 1H), 6.87-6.95 (m, 1H), 5.76 (s, 1H), 5.12 (d, 2H), 3.72 (s, 3H), 3.41 (s, 3H).
(実施例25)
HTRFベースのEGFR生化学的アッセイ
EGFRの生化学的活性測定を、均一系時間分解蛍光(HTRF)アッセイ(Cisbio社)を使用して実施した。最初に、阻害剤及びDMSO標準液(DMSO normalization)を、空の黒色低容量384ウェルプレート(Corning社)に、D300デジタルリキッドディスペンサー(HP社)を用いて分注した。すべての反応は室温で実施し、Multidrop Combi試薬ディスペンサー(ThermoFisher社)を用いて、溶液をプレートに添加した。反応混合物(終量10μl)は、反応緩衝液(50mM HEPES pH7.0、5mM MgCl2、1mM MnCl2、0.01% BSA、2mM TCEP、0.1mM NaVO4)中に、1μMのチロシンキナーゼペプチド-ビオチン基質及び変異体EGFRを含有した。酵素濃度は、異なるキナーゼ活性に合わせて調整した(L858R 0.1nM、L858R/T790M 0.02nM)。化合物を含有する384ウェルプレートに、酵素反応溶液(2x濃度、5μL)を添加し、30分間インキュベートした。5μLのATPを添加して終濃度を100μMとすることにより酵素反応を開始し、20分間反応させた。EDTAを含有する検出緩衝液中のホスホチロシン抗体-ユーロピウム(III)クリプテート(1対180の体積比率)及びストレプトアビジン-XL665(46.7nM)を10μL添加することにより反応をクエンチし、次いで室温で1時間インキュベートし、PHERAstarプレートリーダー(励起=337nm、発光=620nm及び665nm)で読み取りを行った。IC50値は、GraphPad Prism 7.0dにおける非線形最小二乗適合を用いて、3連における阻害曲線(1.0μMから0.130nMまでの11ポイントの曲線又は1.0μMから0.130pMまでの23ポイントの曲線)により決定した。得られたデータを、以下のTable 7(表31)に示す。
(実施例26)
Ba/F3細胞増殖モデル
EGFR変異体L858R及びL858R/T790MのBa/F3細胞について、以前に記載されている(Zhou、W.ら、Nature 462、2009、1070~1074頁)。すべての細胞株は、10%のFBS、100ユニット/mLのペニシリン、100ユニット/mLのストレプトマイシンを補ったRPMI 1640(Cellgro;株式会社Mediatech、Herndon、CA)中で維持した。メーカーの使用説明書に従ってQuick Change部位特異的変異誘発キット(Stratagene社;La Jolla, CA)を使用して、EGFRのI941R変異を部位特異的変異誘発により導入した。すべてのコンストラクトを、DNAシーケンシングにより確認した。Cre組み換えシステム(Agilent Technologies社、Santa Clara, CA)を使用して、コンストラクトをレトロウイルスベクターJP1540にシャトルさせた。次いで、Ba/F3細胞を、以前に記載されたような(Zhouら、Nature 2009)標準的なプロトコールに従って、レトロウイルスに感染させた。ピューロマイシン(2μg/ml)中での選択により、安定なクローンを得た。
増殖及び増殖阻害は、Cell Titer Gloアッセイ(Promega社、Madison、WI)により評価し、メーカーの使用説明書に従って実施した。Cell Titer Gloアッセイは、存在する代謝的に活性な細胞の量に正比例する存在するATPの定量化に基づく、生存細胞数決定のために使用される発光ベースの方法である。異なるEGFR遺伝子型のBa/F3細胞を、単一薬剤としての化合物に、又は1μg/mlのセツキシマブと組み合わせた化合物に72時間曝露し、実験ごとに使用する細胞数を以前に確立された(Zhouら、Nature 2009)ように経験的に決定した。すべての実験点は384ウェルプレート内に3連で配置し、すべての実験を少なくとも3回繰り返した。発光シグナルは分光計を使用して検出し、Windows用のGraphPad Prismバージョン5.0(GraphPadソフトウェア;www.graphpad.com)を使用してデータを図表で表示した。曲線は、シグモイド型用量反応を用いた非線形回帰モデルを使用して適合させた。本明細書で開示される化合物についての本アッセイの結果を、Table. 8(表32)において示す。
本開示の主題は、本明細書に記載の特定の実施形態及び実施例により範囲が限定されるものではない。実際に、記載されるものに加え、本開示の種々の変更形態が上述の記載及び添付の図から当業者には明らかになるであろう。そのような変更形態は添付の特許請求の範囲に含まれるものとする。
本明細書で引用されたすべての参照(例えば、公表文献又は特許又は特許出願)は、個々の参照(例えば、公表文献又は特許又は特許出願)が参照によりその全体がすべての目的のために組み込まれていると具体的且つ個別に示される場合と同程度に、参照によりそれらの全体がすべての目的のために本明細書に組み込まれている。他の実施形態は以下の特許請求の範囲内にある。