JP7571908B2 - 電極 - Google Patents

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Description

本開示は、電極に関し、より詳しくは、電解二酸化マンガン製造用の電極、例えば、マンガン乾電池、特にアルカリマンガン乾電池において、正極活物質として使用される電解二酸化マンガンの製造に用いる電極に関する。
電解二酸化マンガンは、一般的に、100℃に近い温度の硫酸酸性の硫酸マンガン電解液中で、陽極と陰極の間に電流を流すことにより、陽極上に電解酸化析出させて製造される。電解二酸化マンガンの析出反応が進行する陽極に対し、水素発生反応が進行する陰極は、電解二酸化マンガンの品質に直接影響を与えない。そのため、これまで陰極は着目されておらず、過去に検討された例も少ない。
陰極には、主に黒鉛が用いられるが、銅及び鋼も用いられる(特許文献1)。例えば、特許文献2では黒鉛に銅を被覆した陰極が検討されている。しかしながら、銅を含む陰極を、硫酸を含有する高温の電解液に浸漬させた場合、非通電時に電解液中に銅が溶出する。さらに、硫酸酸性かつ100℃に近い温度での電解においては、チタンやステンレスなど耐食性がある金属であっても、非通電時に腐食してしまう。一方、食塩電解用又は水電解用の陰極(特許文献3及び4)は、硫酸酸性かつ100℃に近い温度での使用を考慮して設計されていない。そのため、これらの電極は二酸化マンガンの品質に影響を与えかねない元素が使用され、なおかつ、製造コストが高く、二酸化マンガン電解用の陰極として使用することは難しい。
ところで、電解二酸化マンガン製造時には、電解液を93℃~98℃の高温で保つ。そのため、パラフィンなどの沸点が高い油層を電解液の上に浮かべることで、電解液の蒸散を防いでいる。しかしながら、パラフィンは電解二酸化マンガンの製品品質に影響を与えるため、電解二酸化マンガンに取り込まれたパラフィンの除去や、パラフィンを取り込ませない電解方法が検討されている(特許文献2)。
また、陰極や陽極などの電極は、電解時や洗浄時に電解槽及び洗浄槽の上部から出し入れされ、引き上げ時に電解液や洗浄液が付着する。電極に付着した電解液等はロスとなるため、電極への電解液等の水分付着量の低減が求められている。
国際公開2000/037714号 特開2022-7926号公報 国際公開2020/110527号 特許6837342号公報 特開2001-247987号公報
本開示は、水溶液からの引き上げ時に付着する水分量が少なく、高温かつ硫酸酸性の電解液に浸漬させても金属の脱落や溶出を伴わずに電解電圧を低減させることを目的として改質された、電解二酸化マンガン製造用の電極を提供するものである。
本開示において、電解二酸化マンガン製造用の電極の性能発現と金属溶出について着目し、電極の改質について検討した。その結果、パラフィンを含有することで電極引き上げ時の水分付着量が減少すること、及び、黒鉛に白金を担持させることで高温かつ高濃度の硫酸酸性の条件下であっても電解時の浴電圧が上昇しないことを見出した。
すなわち、本発明は特許請求の範囲の通りであり、また、本開示の要旨は以下の通りである。
[1]黒鉛に白金が担持された構造であり、かつパラフィンを含有する電極。
[2]前記電極が電解二酸化マンガン製造用電極である上記[1]に記載の電極。
[3]前記黒鉛における、単位面積当たりの白金担持量が3μg/cm以上500μg/cm以下である上記[1]又は[2]に記載の電極。
[4]前記パラフィンの含有量が電極の電解時に電解液中に浸漬する部位の重量に対し、1mg/g以上100mg/g以下である上記[1]~[3]のいずれかひとつに記載の電極。
[5]前記パラフィンの融点が40℃以上80℃以下である上記[1]~[4]のいずれかひとつに記載の電極。
[6]電極表面の純水に対する接触角が、90°を超え180°未満である、上記[1]~[5]のいずれかひとつに記載の電極。
[7][1]~[6]のいずれかひとつに記載の電極を用いる、電解二酸化マンガンの製造方法。
[8]白金を黒鉛に担持し、白金担持黒鉛を得る白金担持工程、及び、白金担持黒鉛と、パラフィンとを接触させて、白金担持黒鉛にパラフィンを含有させるパラフィン含有工程、を有する上記[1]~[6]のいずれかひとつに記載の電極の製造方法
[9]前記白金担持工程において、黒鉛に白金を担持させる方法がめっき法である、上記[8]に記載の電極の製造方法。
[10]前記パラフィン含有工程が、白金担持黒鉛表面にパラフィンを付着させ、その後白金担持黒鉛内部に浸透させる方法である、上記[8]に記載の電極の製造方法。
本開示により、水溶液からの引き上げ時に付着する水分量が少なく、高温かつ硫酸酸性の電解液に浸漬させても金属の脱落や溶出を伴わずに電解電圧を低減させることを目的として改質された、電解二酸化マンガン製造用の電極を提供することができる。更には、本開示の電極は、二酸化マンガンの製造についての電解時に非通電時も電解液への極板からの金属溶出が発生せず、更に電解電圧を低減させることができる。また、電解槽や洗浄槽からの引き上げ時の付着液量を低減できるため、電解二酸化マンガンを効率的、かつ安定的に製造することができる。
以下に、本開示についてその実施形態の一例を示し、詳細に説明する。なお、本開示において、本明細書で開示した構成及びパラメータの任意の組合せを含むものとし、また、本明細書で開示した数値の上限及び下限の任意の組合せを含むものとする。
<電極>
本実施形態の電極は、黒鉛に白金が担持された構造であり、かつパラフィンを含有する電極、すなわち白金を担持した黒鉛とパラフィンとを含有する電極である。更に、本実施形態の電極は、白金が担持された黒鉛基材、及び、パラフィンを含有する電極、また更には白金が担持された黒鉛基材を備え、なおかつ、パラフィンを含有する電極、とみなすこともできる。
黒鉛は、本実施形態の電極の電極基材である。
黒鉛の種類は、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、熱分解黒鉛及び炭素繊維の群から選ばれる1以上が挙げられ、入手及び加工の容易さの観点から人造黒鉛が好ましい。
黒鉛の形状は、電解二酸化マンガン製造の電極として適用し得る形状を有していればよく、金属精錬やめっきでも使用される板形状のもの、直方体状のものが例示できるが、本質的にはこの形状に限るものではない。好ましい黒鉛の形状として直方体状(柱状)及び板形状が例示できる。
白金は、電解二酸化マンガン製造における電解酸化反応の触媒である。白金は、触媒として機能する状態の白金であればよく、例えば、金属白金、白金合金、及び、白金化合物の群から選ばれる1以上が挙げられる。電解二酸化マンガン製造時の浴電圧をより低減できることから、白金は金属白金が好ましい。
白金合金は、白金と白金以外の金属元素とを含む金属であり、例えば、銀(Ag)、金(Au)、コバルト(Co)、銅(Cu)、鉄(Fe)、イリジウム(Ir)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、チタン(Ti)及びジルコニウム(Zr)の群から選ばれる1以上の元素と白金(Pt)を含む金属であることが挙げられる。
白金化合物は、白金及び非金属元素を含む化合物であり、例えば、炭素(C)、塩素(Cl)及び酸素(O)の群から選ばれる1以上の元素と白金(Pt)とを含む化合物が挙げられる。
本実施形態の電極は、黒鉛に白金が担持された構造であり、特に、黒鉛表面に白金が担持された構造である。黒鉛表面に白金が担持されていること、すなわち、電極基材である黒鉛に白金が担持される状態であることで、電解二酸化マンガンの製造時の浴電圧をより低減できる。
本実施形態の電極は、黒鉛の電解二酸化マンガンの電解反応が生じる部分に白金が担持されていればよく、黒鉛表面の一部又は全部に白金が担持されていればよい。貴金属である白金の使用量を低減できるため、黒鉛表面の一部が白金で担持されていることが好ましい。換言すると、黒鉛は白金が担持された領域、及び、白金が担持されていない領域を有していてもよい。
白金は、黒鉛上に存在して黒鉛との電気的接触を保つことによって、電極触媒として作用する。白金の水素発生電極触媒活性は、黒鉛の素材であるカーボンよりも優れていることが知られている。例えば、2Nの硫酸水溶液条件下における最小水素発生過電圧は、カーボンの335mVに対して、白金は0.002mVである。そのため、黒鉛と比べ、白金は低い水素過電圧で優れた触媒活性を示す。
本実施形態の電極における黒鉛は、単位面積当たりの白金担持量(以下、単に「白金担持量」ともいう。)は3μg/cm以上500μg/cm以下であることが好ましく、10μg/cm以上400μg/cm以下がより好ましく、20μg/cm以上200μg/cm以下がさらに好ましい。白金担持量が上記範囲にあることで、高温かつ高濃度の硫酸酸性の条件下であっても担持した金属(すなわち、白金)の脱落を伴うことなく、また、電解二酸化マンガン製造における電解時の浴電圧を低下させることができる。
本実施形態における白金担持量は、電極試料において、白金が担持された領域を粉砕及び酸溶解して得られる溶解液の誘導結合プラズマ発光分析法(ICP法)による組成分析により得られる組成を使用し、以下の式から求めればよい。
G=M/A
Gは白金担持量(μg/cm)、MはICP測定により得られる溶解液の白金濃度から求まる白金量(μg)、及び、Aは電極試料において、白金が担持された領域の面積(cm)である。
ICP法は、一般的な誘導結合プラズマ発光分析装置(例えば、商品名:OPTIMA3000DV、PERKIN ELMER製)を使用して行えばよい。
溶解液は、電極試料が溶解し得る公知の方法で作製すればよく、電極の白金が担持された領域を粉砕し、大気雰囲気、400℃以上700℃で加熱した電極試料を、大気雰囲気で濃硫酸-濃硝酸混合溶液を加えて加熱し蒸発乾固させた後、王水で乾固物を溶解する方法、が挙げられる。
本実施形態の電極はパラフィンを含有する。パラフィンを含有することで、本実施形態の電極を、電解槽や洗浄槽から引き上げた時の付着液量を低減できる。パラフィンは、炭素数16から40の直鎖状炭化水素を主成分とする炭化水素の混合物であり、二酸化マンガン電解槽の蒸散防止(すなわち、電解二酸化マンガンの製造に係る電解液の蒸散防止)に使用されるものと同一であることが好ましい。蒸散防止のため、パラフィンは電解時に液体となり、回収時に常温で固体となることが好ましい。そのため、パラフィンの融点は40℃以上80℃以下であること、すなわちパラフィンは、融点が40℃以上80℃以下のパラフィンであること、更には融点が50℃以上65℃以下のパラフィンであることが好ましい。具体的なパラフィンとして、例えば、Paraffin Wax-125(日本精蝋株式会社製;融点53℃)が挙げられる。
パラフィンの含有量は、本実施形態の電極を用いた電解二酸化マンガン製造において電解液中に浸漬する部位(以下、「浸漬部位」ともいう。)の質量(単位質量)に対し、1mg/g以上100mg/g以下が好ましく、3mg/g以上80mg/g以下がより好ましく、3mg/g以上50mg/g以下がさらに好ましい。パラフィンの含有量が上記範囲にあることで、付着する水分量(付着液量)が低減する。白金担持に支障が出なければ(すなわち、白金担持がされ得る範囲であれば)、パラフィンは白金担持前から黒鉛に含有されていてもよく、白金担持後に電極に含浸させてもよい。
なお、本実施形態におけるパラフィンの含有量は、本実施形態の電極の質量の秤量値(g)に対するパラフィンの質量である。
本実施形態の電極の単位水分付着量は、0mg/cm以上4.0mg/cm以下が好ましく、0mg/cm以上3.0mg/cm以下がより好ましく、0mg/cm以上2.5mg/cm以下がさらに好ましい。単位水分付着量が上記範囲にあることで、本実施形態の電極を、電解槽や洗浄槽から引き上げた時の付着液量を低減でき、電解液及び洗浄液のロスを低減できる。
本実施形態における単位水分付着量は、電極の純水への浸漬前後の質量差を、電極の白金が担持された領域の表面積(cm)で除して得られる値(mg/cm)である。黒鉛に白金が担持されていない領域を有する場合は、当該領域をマスキングし、純水への浸漬を行えばよい。
本実施形態の電極の接触角は、90°を超え180°未満が好ましく、95°以上180°未満がより好ましく、100°以上180°未満がさらに好ましい。接触角が90°を超えることで、本実施形態の電極を、電解槽や洗浄槽から引き上げた時の付着液量を低減でき、電解液及び洗浄液のロスがより低減されやすくなる。
本実施形態における接触角は以下の方法によって求められる値である。
すなわち、接触角計(例えば、装置名:DMo-501、協和界面化学株式会社製)、及び、測定・解析ソフトウェア(例えば、FAMAS1、協和界面化学株式会社製)を使用し、室温(25℃±5℃)で、白金が担持された領域に、純水2.0±0.1μLを滴下する。滴下から60秒後の液滴の形状を真円の一部と仮定し、以下のθ/2法の式により電極の純水に対する接触角(°)を測定する測定回数は3回行い、その算術平均値を本実施形態の電極の接触角とすることができる。
接触角(°)=2×arctan(h/r)
h:電極表面から液滴の頂点までの距離(mm)
r:電極表面及び液滴の接触面の半径(mm)
本実施形態の電極は、電解二酸化マンガン製造用陰極として使用することができ、高さ250mm、幅200mm及び厚さ10mmの板状の本実施形態の電極を陰極として使用し、以下の条件による電解における電圧(以下、「浴電圧」ともいう。)が1.23V以上2.00V以下であることが好ましく、1.23V以上1.80V以下であることがより好ましく、1.23V以上1.70V以下であることが更に好ましい。
陽極 : チタン電極
(高さ250mm、幅200mm及び厚さ10mmの板状)
電極間隔 : 50mm
電解液 : 85.4g/L硫酸マンガン-27.0g/L硫酸混合水溶液 6L、及び、パラフィン 50g
電解補給液 : 118g/L硫酸マンガン水溶液
電解温度 : 96℃
電解電流密度 : 0.65A/dm
電解に先立ち、電解液及びパラフィンが充填され、96℃に加温された電解槽に、陰極及び陽極を、互いの主面(高さ×幅の面)が対向するように、陽極、陰極及び陽極の順で50mmの間隔で設置する。その後、24時間、電解を行えばよい。
なお、電解中は電解反応の進行に伴う電解二酸化マンガンの析出により、マンガンイオンの濃度が減少する。電解液中のマンガンイオン濃度を一定に保持するため、電解は、硫酸マンガン水溶液(電解補給液)を連続的に電解槽に供給することが好ましく、硫酸マンガン水溶液の供給量と同量の電解液を排出しながら、硫酸マンガン水溶液を供給することがより好ましい。これにより、電解液中のマンガンイオン濃度を一定に保持できる。
本実施形態の電極は電解二酸化マンガン製造用の電解液に浸漬した場合であっても、白金が溶出しにくい。そのため、本実施形態の電極は、これを、以下の浸漬条件で硫酸-硫酸マンガン混合水溶液に浸漬した後の該硫酸-硫酸マンガン混合水溶液中の白金含有量(以下、「白金溶出量」ともいう。)が、0mg/L以上2mg/L以下、0mg/L以上1mg/L以下、0mg/L以上0.5mg/L以下、又は、0mg/L以上0.1mg/L以下であることが挙げられる。
(浸漬条件)
電極形状 :高さ250mm、幅200mm及び厚さ10mmの板状
硫酸-硫酸マンガン混合水溶液 : 6L
(硫酸濃度 27.0g/L)
(硫酸マンガン濃度 85.4g/L)
昇温開始温度: 86℃
昇温速度 : 0.1℃/min
浸漬温度 : 96℃
浸漬時間 : 80min
さらに、本実施形態の電極は、電解反応後の非通電時においても白金溶出が生じにくいことが好ましい。本実施形態の電極は、これを、以下の電解条件による電解を行った後、電解停止から3時間経過後の電解液中の白金濃度(以下、「非通電溶出量」ともいう。)が0mg/L以上2mg/L以下、0mg/L以上1mg/L以下、0mg/L以上0.5mg/L以下、又は、0mg/L以上0.1mg/L以下であることがより好ましい。
(電解条件)
陽極 : チタン電極
(高さ250mm、幅200mm及び厚さ10mmの板状)
電極間隔 : 50mm
電解液 : 85.4g/L硫酸マンガン-27.0g/L硫酸混合水溶液 6L、及び、パラフィン 50g
電解補給液 : 118g/L硫酸マンガン水溶液
電解温度 : 96℃
電解電流密度 : 0.65A/dm
電解期間 : 6日間
非通電溶出量が上記範囲内にあることで、電解二酸化マンガン製造における電解時の浴電圧の増大を抑制することができる。また、終了時電解液中の白金溶出量が上記範囲内にあることで、電極の寿命が増大し、繰り返し電解二酸化マンガンを製造することができる。
本実施形態の電極は、これを使用した電解反応における電解電圧を低くすることができる。そのため、本実施形態の電極は、電解二酸化マンガン製造用電極(陰極)として使用することができ、これにより電解二酸化マンガンが効率的に製造できる。
<電極の製造方法>
本実施形態の電極の製造方法は、例えば、白金を用いて、上記の担持量となるように、黒鉛板を作用極として、貴金属イオンを含む電解液中で電気めっきまたは無電解めっきして貴金属を担持することにより製造することができ、また、白金担持黒鉛にパラフィンを含有させるパラフィン含有工程、を有する電極の製造方法により製造することができる。本実施形態の電極の好ましい製造方法として、白金を黒鉛に担持し、白金担持黒鉛を得る白金担持工程、及び、白金担持黒鉛と、パラフィンとを接触させて、白金担持黒鉛にパラフィンを含有させるパラフィン含有工程、を有する電極の製造方法、が挙げられる。
白金担持工程において黒鉛に白金を担持させる方法は、黒鉛に白金が担持され得る方法であればよく、めっき法であることが好ましく、電気めっき及び無電解めっきの少なくともいずれかであることがより好ましく、電気めっきであることが更に好ましい。
黒鉛に白金を担持させる好ましい電気めっきとして、陽極としてチタン白金電極、陰極として黒鉛、及び、めっき液として塩化白金酸(VI)及び塩酸の混合溶液を使用し、温度50℃以上100℃以下、及び電流密度0.3A/dm以上、2.0A/dm以下で電気めっきをすることができ、60℃以上90℃以下、及び電流密度0.5A/dm以上、1.5A/dm以下で電気めっきをすることが好ましい。
電気めっき時間が長くなるほど白金担持量が多くなる傾向がある。めっき時間は、目的とする白金担持量や黒鉛(電極基材)の大きさにより任意の時間であればよく、例えば、15秒以上2分以下が挙げられる。
めっき後の白金の脱落を抑制するため、白金の担持に先立ち、黒鉛は、研磨することが好ましい。
白金担持工程後、パラフィン含有工程に先立ち、白金担持黒鉛を洗浄する洗浄工程を有していてもよい。洗浄工程により、表面に残存しためっき液等の不純物を低減できる。洗浄工程における洗浄方法は、不純物を低減しうる方法であればよいが、純水による洗浄方法が挙げられる。好ましい洗浄方法として、30℃以上100℃以下の温水に、10分間以上60分間以下で浸漬後、純水で洗浄することが挙げられる。
洗浄後の白金担持黒鉛は任意の方法で乾燥することが好ましい。乾燥条件は任意であるが、例えば、大気雰囲気、30℃以上100℃以下、1時間以上24時間以下で乾燥することが挙げられる。
パラフィン含有工程は、白金担持黒鉛と、パラフィンとを接触させて、白金担持黒鉛にパラフィンを含有させる工程である。
白金担持黒鉛とパラフィンとの接触は、白金担持黒鉛表面にパラフィンを付着させ、その後白金担持黒鉛内部に浸透させる方法であればよく、例えば、表面にパラフィン層を有する、60℃以上100℃未満の純水に、白金担持黒鉛を浸漬させる方法が挙げられ、80℃以上100℃未満の純水であることが好ましい。白金担持黒鉛が、パラフィン層を通過することで白金担持黒鉛表面にパラフィンが付着し、その後、上記温度範囲の純水に浸漬させることにより、溶融した状態のパラフィンが白金担持黒鉛に浸透する。パラフィン層の厚さは白金担持黒鉛表面に均一にパラフィンが付着する膜厚であればよく、例えば1cm以上2cm以下であることが挙げられる。また、浸漬時間は任意であるが1時間以上24時間以下が挙げられ、5時間以上24時間以下であることが好ましい。
浸漬後の白金担持黒鉛は、パラフィンを含有しない温水に浸漬後、温水で洗浄及び乾燥することが好ましい。これにより、白金担持黒鉛の最表面に残存したパラフィンが除去される。
以下、実施例により本開示について説明するが、本開示は以下の実施例に限定されるものではない。
<金属担持量の測定>
金属担持量の測定は、一般的な誘導結合プラズマ発光分析装置(商品名:OPTIMA3000DV、PERKIN ELMER製)を使用した誘導結合プラズマ発光分析法(ICP法)により、測定溶液中の金属濃度を測定することで行った。
測定溶液は次の方法で作製した。最初にスタンプミルを使用し、目開き0.5mmの篩を通るようになるまで電極試料の白金が担持された領域を粉砕した。なお、電極試料として、後述のめっき浴の浸漬部分を切り出した。すなわち、黒鉛棒(後述)の底面から5cmまでを切り出したもの(実施例1及び2、比較例1乃至4)、及び、黒鉛板(後述)の最も大きな面(すなわち、高さ×幅の面、以下「主面」ともいう。)について、黒鉛板の下端から4cmにおける、幅方向中心(黒鉛板の左端から右端へ幅方向と平行に引いた垂線を二等分する点)を基準として、右又は左に2cm乃至6cm、上に5cmの範囲(すなわち、高さ5cm、幅4cmの範囲)を切り出したもの(実施例3乃至8、比較例5乃至8)を使用した。
次いで、粉砕した後の電極試料(破片)を磁性るつぼに入れた後、これを大気雰囲気、600℃で70時間加熱した。さらに、大気雰囲気で濃硫酸1mLおよび濃硝酸2mLを加えて加熱し蒸発乾固させた後、王水で溶解して溶解液を得た。溶解液が1Lになるまで純水を添加することで測定溶液とし、得られた測定溶液の金属濃度を測定した。
ICP測定により得られた測定溶液の金属濃度から、下式により金属担持量を求めた。
G=C×W1/W2×V/A
上式において、Gは金属担持量(mg/cm)、CはICP測定により得られた測定溶液の金属濃度(mg/L)、W1は切出し後の電極試料の質量(g)、W2は粉砕後の電極試料(破片)の質量(g)、Vは測定溶液の容量(=1(L)。但し、実施例7のみ0.1L)、及び、Aは切り出した白金担持黒鉛の白金が担持された領域の表面積(cm)である。
<パラフィン含有量>
電極試料のパラフィン含有量は、ガスクロマトグラフ装置(Agilent 7890A GC、アジレント・テクノロジー株式会社製)を使用した、ガスクロマトグラム法により行った。
ネジ口試料管に、金属担持量の測定と同様な方法で粉砕した電極試料(破片)1.0g、及びヘキサン5mLを加えた後、15分間振盪した。その後、3000rpmで15分間遠心分離、及び、フィルター(商品名:マイショリディスク H-13-5、東ソー株式会社製)を使用したろ過後に回収したヘキサン層を測定試料とした。測定試料をガスクロクロマトグラム測定し、装置付属のFID検出器から検出された信号を、標準試料の信号と照らし合わせることにより、パラフィン含有量を求めた。
標準試料には、パラフィン(商品名:Paraffin Wax-125、日本精蝋株式会社製)を10mg/Lの濃度で含むヘキサン溶液を使用した。
<開始時電解液への金属溶出量の測定>
電極試料の開始時電解液への金属溶出量は、一般的な誘導結合プラズマ発光分析装置(商品名:OPTIMA3000DV、PERKIN ELMER製)を使用したICP法により測定した。
開始時電解液(後述)を純水で10倍に希釈した希釈電解液に含まれる金属濃度をICP測定した。得られた値を10倍した金属濃度を開始時電解液に含まれる金属濃度(mg/L)とした。
<水分付着量及び単位水分付着量の測定>
各実施例又は比較例の電極における、電極の水分量の測定は、純水への浸漬前後の電極質量の測定により行った。すなわち、純水を入れたスクリュー管瓶を電子天秤に配置した。当該スクリュー管瓶に、電極面が全て純水に浸漬するよう棒状電極を浸漬させた。10秒間浸漬させた後、棒状電極をスクリュー管瓶から取り出した。電極浸漬前後の電子天秤の値の差(すなわち、棒状電極浸漬前の質量と、棒状電極取り出し後の質量の差)を、算出し、水分付着量(mg)とした。
なお、測定試料には、底面から5cmより上の部分をPTFEテープで被覆した棒状電極を使用した。
測定は3回行い、その算術平均値を水分付着量(mg)とした。
次いで、得られた水分付着量(mg)を、電極の表面積(cm)で除して、単位水分付着量(mg/cm)とした。
電極の表面積(cm)は、白金が担持された領域の表面積(cm)とした。
<接触角の測定>
電極の接触角は接触角計(装置名:DMo-501、協和界面化学株式会社製)、及び、装置付属の測定・解析ソフトウェア(FAMAS1、協和界面化学株式会社製)を使用し、室温25℃の環境で電極表面に、純水の液滴2.0±0.1μLを滴下し、滴下から60秒後の液滴の形状を真円の一部と仮定し、以下のθ/2法の式により電極の純水に対する接触角(°)を測定した。
接触角(°)=2×arctan(h/r)
h:電極表面から液滴の頂点までの距離(mm)
r:電極表面及び液滴の接触面の半径(mm)
測定は3回行い、その算術平均値を接触角(°)とした。
<浴電圧及び電極耐久性の測定>
各実施例又は比較例の電極における、浴電圧及び電極耐久性は、陰極として各実施例又は比較例の黒鉛板、陽極としてチタン板、及び、電解液として硫酸マンガン-硫酸混合水溶液を備えた電解槽を使用した、電解二酸化マンガンを電解合成することで確認した。
まず、電解槽に電解液6L、及び、電解液の蒸散防止用パラフィン50gを添加した後、86℃まで昇温した。電解液には、硫酸マンガン濃度85.4g/L及び硫酸濃度27.0g/Lである硫酸マンガン-硫酸混合水溶液を使用した。
次いで、各実施例又は比較例の板状電極(陰極)1枚と、2枚のチタン板陽極(高さ250mm、幅200mm、厚さ5mm)を、それぞれ、電解液の液面に対して垂直となるように160mm電解液に浸漬させた後、陰極及び陽極、互いの主面(高さ×幅の面)が対向するように、(すなわち、陽極、陰極、陽極の順)50mmの間隔で固定した。その後、3時間かけて電解液を96℃まで昇温した。昇温完了後、電解液50mLを採取した(以下、昇温完了後に採取した電解液を「開始時電解液」ともいう)。
その後、直流安定化電源(PAN-18-10A、菊水電子工業株式会社製)接続し、4.48A(すなわち、陰極に対して0.65A/dm)の定電流で電解二酸化マンガンの電解合成を行った。電解中、電解液の組成が変化しないよう、硫酸マンガン濃度が118g/Lである硫酸マンガン水溶液(電解補給液)を連続的に電解槽に供給し、なおかつ、電解槽内の電解液量が6Lで一定となるよう、電解液を連続的に電解槽から抜き出した。電解開始後24時間後に直流安定化電源の電圧表示を読み取り、浴電圧とした。
さらに6日間電解を継続し、電解開始7日目に電解を停止した。電解停止3時間後に電解液を50mL採取した(以下、電解開始7日後に電解を停止し、電解停止3時間後に採取した電解液を「終了時電解液」ともいう)。さらに、上記<開始時電解液への金属溶出量の測定>と同様の方法で、終了時電解液への金属溶出量、すなわち、非通電溶出量(mg/L)を測定した。
実施例1
長さ(高さ)100mm、幅10mm、厚さ10mmの直方体状(柱状)の黒鉛(PSG322、SECカーボン株式会社製)の表面6面全てを粒度#400の紙やすりで研磨した(以下、研磨まで行った前述の黒鉛を「黒鉛棒」ともいう)。黒鉛棒の底面から50mmから70mmの部分をめっき用マスキングテープ(スリーエム社製)で被覆した(長さ方向に底面から50~70mmの部分を被覆した)。
その後、黒鉛棒の底面から60mm(黒鉛棒の底面から高さ方向に60mm)までの部分と、チタン白金電極とを70℃に保持した塩化白金酸(VI)10g/L、塩酸20g/Lの電解液に浸漬させ、チタン白金電極を陽極、黒鉛棒を陰極とするめっき浴とした。当該めっき浴を使用し、陰極の電流密度1.0A/dmで2分間電気めっきを行い、黒鉛棒(すなわち、黒鉛棒の底面から長さ方向に50mmまで部分)に白金を担持した。
白金の担持後、マスキングテープをはがした黒鉛棒を、50℃の温水に30分間浸漬し、流水で洗浄した後に、大気雰囲気50℃で12時間乾燥した。(以下、マスキングテープ被覆から50℃での乾燥までの工程を「白金めっき工程」ともいう。)
その後、97℃の温水に融解させたパラフィン(商品名:Paraffin Wax-125、日本精蝋株式会社製、融点53℃)を1.5cmの厚さで浮かべた液に電極を底面から6.5cmの高さまで一晩浸漬させた。パラフィンを浮かべた温水から引き揚げた後、パラフィンが凝固しないうちに75℃の温水を張ったビーカーに移し、さらに75℃の温水を10分間かけ流し、表面のパラフィンを除去した。その後、室温で1日風乾させたものを実施例1の電極とした。(以下、パラフィンを浮かべた温水への浸漬から風乾までを「パラフィン含有工程」ともいう。)
単位白金担持量は140μg/cm、パラフィン含有量は2.9mg/g、水分付着量は41mg、単位水分付着量は2.0mg/cm、及び、接触角は124°であった。
実施例2
電気めっきの時間を30秒にしたこと以外は実施例1と同様の方法で実施例2の電極を得た。
単位白金担持量は31μg/cm、パラフィン含有量は4.5mg/g、
水分付着量は48mg、単位水分付着量は2.3mg/cm、及び、接触角は123°であった。
比較例1
実施例1と同様な方法で作製した黒鉛棒を比較例1の電極とした(すなわち、白金めっき工程を行わなかったこと、パラフィン含浸工程を行わなかったこと以外は実施例1と同様の操作を行った)。
本比較例の電極の水分付着量は95mg、単位水分付着量は4.5mg/cm、及び、接触角は84°であった。
比較例2
白金めっき工程を行わなかったこと以外は実施例1と同様の操作を行って黒本比較例の電極とした。
この電極からは白金は検出されず(単位白金含有量が0mg/g)、パラフィン含有量は18mg/g、
水分付着量は44mg、単位水分付着量は2.1mg/cm、及び、接触角は113°であった。
比較例3
パラフィン含浸工程を行わなかったこと以外は実施例1と同様の操作を行い、比較例3の電極とした。
単位白金担持量は140μg/cm、パラフィンは検出されず(パラフィンの含有量が0mg/g)、また、水分付着量は95mg、単位水分付着量は4.5mg/cm、及び、接触角は81°であった。
比較例4
パラフィン含浸工程を行わなかったこと以外は実施例2と同様の操作を行い比較例4の電極とした。
単位白金担持量は32μg/cm、パラフィンは検出されず、また、水分付着量は110mg、単位水分付着量は5.2mg/cm、及び、接触角は74°であった。
これらの実施例及び比較例の結果を下表に示す。

上表から、黒鉛にパラフィンが浸透している場合、電極への水分の付着量が減少することがわかった。さらに、パラフィンを含有している電極は、金属めっきの有無及び金属めっき量にかかわらず、純水の接触角が増大することで、水分付着量が減少することがわかった。
実施例3
高さ250mm、幅200mm、厚さ10mmの直方体状の黒鉛(PSG322、SECカーボン株式会社製、以下、「黒鉛板」ともいう)を用いて、黒鉛板の底面から160mmから185mmの部分をめっき用マスキングテープ(スリーエム社製)で被覆した。その後、底面から160mm(底面から高さ方向に160mm)までの部分を、70℃に保持した塩化白金酸(VI)10g/L、塩酸20g/Lの電解液に浸漬させ、黒鉛板の最も大きな2面(高さ×幅の面;以下「主面」ともいう。)と向き合うようにセットし、2枚のチタン白金電極を陽極、黒鉛板を陰極とするめっき浴を構成した。当該めっき浴を使用し、陰極の電流密度1.0A/dmで4分間電気めっきを行い、電極に白金を担持した。その後、マスキングテープをはがした後50℃の温水に30分間浸漬させ、更に流水で洗浄した後50℃で12時間乾燥させた。その後、97℃の温水にパラフィン(商品名:Paraffin Wax-125、日本精蝋株式会社製、融点53℃)を1.5cmの厚さで浮かべたものに底面から15cmの高さまで一晩浸漬させた。パラフィンを浮かべた温水から引き揚げた後、パラフィンが凝固しないうちに75℃の温水を張った容器に浸漬し、さらに75℃の温水を10分間かけ流し、表面のパラフィンを除去した。その後、室温で1日風乾させたものを実施例3の電極とした。
単位白金担持量は400μg/cm、パラフィン含有量は44mg/g、接触角は133°、及び、浴電圧は1.52Vであり、開始時電解液、終了時電解液から白金は検出されなかったため、白金溶出量及び非通電溶出量はいずれも0mg/Lであった。
実施例4
電気めっき時間を2分間とした以外は実施例3と同様の方法で電極を作製し、本実施例の電極とした。
単位白金担持量は130μg/cm、パラフィン含有量は19mg/g、接触角は114°、及び、浴電圧は1.50Vであり、開始時電解液、終了時電解液から白金は検出されなかったため、白金溶出量及び非通電溶出量はいずれも0mg/Lであった。
実施例5
電気めっき時間を1分間とした以外は実施例3と同様の方法で電極を作製し、実施例5の電極とした。
単位白金担持量は59μg/cm、パラフィン含有量は9.4mg/g、接触角は107°、及び、浴電圧は1.54Vであり、開始時電解液、終了時電解液から白金は検出されなかったため、白金溶出量及び非通電溶出量はいずれも0mg/Lであった。
実施例6
電気めっき時間を30秒間とした以外は実施例3と同様の方法で電極を作製し、実施例6の電極とした。
単位白金担持量は21μg/cm、パラフィン含有量は21mg/g、接触角は112°、及び、浴電圧は1.62Vであり、開始時電解液、終了時電解液から白金は検出されなかったため、白金溶出量及び非通電溶出量はいずれも0mg/Lであった。
実施例7
電気めっき時間を15秒間とした以外は実施例3と同様の方法で電極を作製し、実施例7の電極とした。
単位白金担持量は3.5μg/cm、パラフィン含有量は39mg/g、接触角は115°、及び、浴電圧は1.68Vであり、開始時電解液、終了時電解液から白金は検出されなかったため、白金溶出量及び非通電溶出量はいずれも0mg/Lであった。
比較例5
黒鉛板を本実施例の電極とした(すなわち、白金めっき工程を行わなかったこと、パラフィン含浸工程を行わなかったこと以外は実施例3と同様の操作を行った)。
この電極からは白金、銅、パラジウム、パラフィンは検出されなかった(単位白金担持量、単位銅担持量、及び、単位パラジウム担持量が0μg/cm、並びに、パラフィン含有量がいずれも0mg/g)。
本比較例の電極について浴電圧の測定を行った。ただし、電解槽にパラフィンを添加せずに行い、電解液の分析は行わなかった。
接触角は84°、及び、浴電圧は1.67Vであった。
比較例6
白金めっき工程を行わなかったこと以外は実施例3と同様の操作を行い、黒鉛板にパラフィンを含浸させたものを比較例6の電極とした。
この電極からは白金、銅、パラジウムは検出されず(単位白金担持量、単位銅担持量、及び、単位パラジウム担持量が0μg/cm)、パラフィン含有量は48mg/g、接触角は115°、及び、浴電圧は2.09Vであった。
比較例7
実施例3と同様の黒鉛板を用いて、黒鉛板の底面から160mmから180mmの部分をめっき用マスキングテープ(スリーエム社製)で被覆した後、底面から160mmまでを70℃に保持した銅(Cu2+)イオン20g/L、硫酸濃度40g/Lの電解液に浸漬させ、黒鉛板の最も大きな2面と向き合うようにセットした2枚の銅板電極を陽極、黒鉛板を陰極として電流密度1.0A/dmで10分間電気めっきを行い、電極の両面に銅を担持した。その後、マスキングテープをはがした後50℃の温水に30分間浸漬させ、さらに流水で洗浄した後50℃で12時間乾燥させた後、実施例3と同様のパラフィン含浸工程を行ったものを比較例7の電極とした。
黒鉛における単位面積当たりの銅の担持量は1900μg/cm、パラフィン含有量は36mg/g、接触角は112°、及び、浴電圧は1.74Vであり、開始時電解液と終了時電解液からはそれぞれ22mg/L、27mg/Lの銅が検出されたため、銅溶出量は22mg/L、非通電溶出量は27mg/Lであった。
比較例8
実施例3と同様の黒鉛板を用いて、黒鉛板の底面から160mmから180mmの部分をめっき用マスキングテープ(スリーエム社製)で被覆した後、底面から160mmまでを50℃に保持したパラジウムめっき液(パラブライトSST-L、日本高純度株式会社)に浸漬させ、黒鉛板の最も大きな2面と向き合うようにセットした2枚のチタン白金電極を陽極、黒鉛板を陰極として電流密度1.0A/dmで15秒間電気めっきを行い、電極の両面にパラジウムを担持した。その後、マスキングテープをはがした後50℃の湯に30分間浸漬させ、続いて50℃の5%塩酸水溶液に5分間浸漬させた後、再度50℃の湯に30分間浸漬させた後流水で洗浄し、50℃で12時間乾燥させた後、実施例3と同様のパラフィン含浸工程を行ったものを比較例8の電極とした。
黒鉛における単位面積当たりのパラジウムの担持量は47μg/cm、パラフィン含有量は30mg/g、接触角は126°、及び、浴電圧は1.62Vであり、開始時電解液からパラジウムは検出されず、終了時電解液からは2.8mg/Lのパラジウムが検出されたため、パラジウム溶出量は0mg/L、非通電溶出量は2.8mg/Lであった。
パラフィンを含有すると金属を担持しない黒鉛電極は性能が低下する。以上の実施例及び比較例の結果を下表に示す。






表2の比較例5及び6から、パラフィンを含有し、かつ金属(白金、銅又はパラジウム)をめっきしない黒鉛電極は浴電圧が増大し、電極の性能が低下する。
しかし、パラフィンを含有し、かつ金属(白金、銅又はパラジウム)をめっきすることで浴電圧が低減した。さらに、実施例3~7から、めっき金属を白金とすることで、金属溶出を抑制できることがわかった。
以上のように、本実施例の電極は、パラフィンを含有することにより電極への水分の付着を低減しつつ、白金を担持することにより高温かつ硫酸を含有する条件での電解液であっても、非通電時も電解液への金属溶出がなく、かつ電解時の電圧を低減させる効果を有するものである。
特許文献3では黒鉛にパラフィンが浸透すること、パラフィンを除去すると黒鉛電極の性能が向上することが示されているが、今回、本発明の黒鉛がパラフィンを含有することにより、液体からの引き上げ時に電極に付着する液量を低減できる効果を有することがわかった。

Claims (10)

  1. 黒鉛に白金が担持された構造であり、かつパラフィンを含有する、電解二酸化マンガン製造用電極。
  2. 前記黒鉛が人造黒鉛である請求項1に記載の電極。
  3. 前記黒鉛における、単位面積当たりの白金担持量が3μg/cm以上500μg/cm以下である請求項1又は2に記載の電極。
  4. 前記パラフィンの含有量が電極の電解時に電解液中に浸漬する部位の重量に対し、1mg/g以上100mg/g以下である請求項1又は2に記載の電極。
  5. 前記パラフィンの融点が40℃以上80℃以下である請求項1又は2に記載の電極。
  6. 電極表面の純水に対する接触角が、90°を超え180°未満である請求項1又は2に記載の電極。
  7. 請求項1又は請求項2に記載の電極を用いる、電解二酸化マンガンの製造方法。
  8. 白金を黒鉛に担持し、白金担持黒鉛を得る白金担持工程、及び、白金担持黒鉛と、パラフィンとを接触させて、白金担持黒鉛にパラフィンを含有させるパラフィン含有工程、を有する請求項1又は2に記載の電極の製造方法。
  9. 前記白金担持工程において、黒鉛に白金を担持させる方法がめっき法である、請求項8に記載の電極の製造方法。
  10. 前記パラフィン含有工程が、白金担持黒鉛表面にパラフィンを付着させ、その後白金担持黒鉛内部に浸透させる方法である、請求項8に記載の電極の製造方法。
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