JP2016135465A - コアシェル触媒の製造方法 - Google Patents

コアシェル触媒の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016135465A
JP2016135465A JP2015011323A JP2015011323A JP2016135465A JP 2016135465 A JP2016135465 A JP 2016135465A JP 2015011323 A JP2015011323 A JP 2015011323A JP 2015011323 A JP2015011323 A JP 2015011323A JP 2016135465 A JP2016135465 A JP 2016135465A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
palladium
platinum
potential
core
solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015011323A
Other languages
English (en)
Inventor
紘子 木村
Hiroko Kimura
紘子 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2015011323A priority Critical patent/JP2016135465A/ja
Publication of JP2016135465A publication Critical patent/JP2016135465A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Inert Electrodes (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】活性の高いコアシェル触媒の製造方法を提供する。【解決手段】パラジウム含有微粒子をコア、白金を含む金属をシェルとするコアシェル触媒の製造方法であって、酸溶液中でパラジウム含有微粒子に対し電位を印加し、該パラジウム含有微粒子の表面に水素を吸着させる、第1工程と、前記第1工程の後、前記電位の印加を止め、白金イオン含有溶液を添加し、前記パラジウム含有微粒子の表面の少なくとも一部を白金で被覆し、白金/パラジウム複合体を得る、第2工程と、前記第2工程の後で、該第2工程を経た溶液中で前記白金/パラジウム複合体に電位を印加し、該白金/パラジウム複合体の表面に水素を吸着させる、第3工程とを備える、製造方法とする。【選択図】図1

Description

本発明は燃料電池電極用のコアシェル触媒の製造方法に関する。
燃料電池電極用のコアシェル触媒の製造方法として、銅アンダーポテンシャル析出(Cu−UPD)法を用いず、水素をコア金属に吸蔵させてその水素を利用してシェル金属を析出させる技術が知られている(特許文献1、2)。このような方法によれば、抵抗成分である銅を用いることなくコアシェル触媒を製造することができる。
特表2008−525638号公報 特開平07−157806号公報
特許文献1、2に開示された技術にあっては、コアに水素を吸蔵させるため水素ガスを用いている。しかしながら、この場合、溶液中に残存する水素がコア表面以外でシェル金属を還元してしまい、コアシェル構造を適切に形成できず、活性の高いコアシェル触媒が得られない場合があった。そこで、本発明は活性の高いコアシェル触媒の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を採る。すなわち、
本発明は、パラジウム含有微粒子をコア、白金を含む金属をシェルとするコアシェル触媒の製造方法であって、酸溶液中でパラジウム含有微粒子に対し電位を印加し、パラジウム含有微粒子の表面に水素を吸着させる、第1工程と、第1工程の後、電位の印加を止め、白金イオン含有溶液を添加し、パラジウム含有微粒子の表面の少なくとも一部を白金で被覆し、白金/パラジウム複合体を得る、第2工程と、第2工程の後で、第2工程を経た溶液中で白金/パラジウム複合体に電位を印加し、白金/パラジウム複合体の表面に水素を吸着させる、第3工程とを備える、製造方法である。
本発明によれば、活性の高いコアシェル触媒を製造することができる。
本発明に係るコアシェル触媒の製造方法を説明するための概略図である。 実施例にて使用した反応器を概略的に示す図である。 比較例1を説明するための概略図である。 比較例2を説明するための概略図である。
本発明に係るコアシェル触媒の製造方法は、パラジウム含有微粒子をコア、白金を含む金属をシェルとするコアシェル触媒の製造方法であって、酸溶液中でパラジウム含有微粒子に対し電位を印加し、パラジウム含有微粒子の表面に水素を吸着させる、第1工程と、第1工程の後、電位の印加を止め、白金イオン含有溶液を添加し、パラジウム含有微粒子の表面の少なくとも一部を白金で被覆し、白金/パラジウム複合体を得る、第2工程と、第2工程の後で、第2工程を経た溶液中で白金/パラジウム複合体に電位を印加し、白金/パラジウム複合体の表面に水素を吸着させる、第3工程とを備えている。以下、図1を参照しつつ、本発明に係るコアシェル触媒の製造方法を説明する。
1.第1工程
第1工程は、酸溶液中でパラジウム含有微粒子に対し電位を印加し、パラジウム含有微粒子の表面に水素を吸着させる工程である。
1.1.酸溶液
酸溶液を構成する酸としては、例えば、硝酸、硫酸、過塩素酸、塩酸、次亜塩素酸等が挙げられ、この中でも硫酸が好ましい。酸溶液を構成する溶媒は、特に限定されるものではないが、水が好ましい。酸溶液の濃度は処理すべきパラジウム含有微粒子の量等を考慮して適宜調整可能である。例えば、酸溶液として硫酸を用いる場合には、硫酸の濃度は、0.001mol/L以上であることが好ましく、0.001〜1.0mol/Lであることが特に好ましい。酸溶液の温度は、特に限定されるものではないが、15〜30℃であることが好ましい。
1.2.パラジウム含有微粒子
パラジウム含有微粒子は、燃料電池用コアシェル触媒のコアとして使用可能なものであれば、その形態は特に限定されるものではない。例えば、パラジウム粒子及びパラジウム合金粒子から選ばれる少なくとも一方の粒子を用いることができる。パラジウム合金としては、イリジウム、ルテニウム、ロジウム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、銀及び金からなる群より選ばれる1種以上の金属材料とパラジウムとの合金が挙げられる。パラジウム合金は、合金全体を基準(100質量%)として、パラジウムを80質量%以上含むことが好ましい。これにより、より均一なコアシェル構造を形成することができる。
パラジウム微粒子の平均粒子径については特に限定されるものではないが、10nm以下であることが好ましい。パラジウム含有粒子の平均粒子径が10nmを超える場合、白金の質量あたり表面積が小さくなり、必要な活性を得るには多くの白金が必要となるためコストがかかる。一方で、パラジウム含有粒子の平均粒子径が小さ過ぎると、パラジウム自体が溶けやすくなり触媒の耐久性が低下するため、パラジウム含有粒子の平均粒子径は3nm以上であることが好ましい。本発明に使用される粒子の平均粒子径の算出方法は以下の通りである。すなわち、走査型電子顕微鏡(TEM)を用いて1,000,000倍のTEM写真をとり、粒子の平面上への投影面積と同一面積を有する真円の直径(円相当粒子径)を粒子の粒径とみなす。このような写真観察による粒径の測定を、同じ種類の500個の粒子について行い、これらの粒子の粒径の平均を平均粒子径とする。
パラジウム含有粒子は、担体に担持されていることが好ましい。担体としては、特に限定されるものではないが、本発明のコアシェル触媒を燃料電池の電極触媒層に使用した際、電極触媒層に導電性を担保する観点から、導電性担体を用いることが好ましい。パラジウム含有粒子を担持する担体として使用できる材料の具体例としては、ケッチェンブラック(商品名:ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製)、バルカン(商品名:Cabot社製)、ノーリット(商品名:Norit社製)、ブラックパール(商品名:Cabot社製)、アセチレンブラック(商品名:Chevron社製)等の炭素粒子や炭素繊維等の導電性炭素材料、金属粒子や金属繊維等の金属材料、ペリレンレッド等の有機顔料等の非導電性材料が挙げられる。
担体の平均粒子径は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.01〜数百μm、より好ましくは0.01〜1μmである。担体の平均粒子が上記範囲未満であると、担体が腐食劣化する場合があり、当該担体に担持されるパラジウム含有粒子が経時的に脱落してしまうおそれがある。また、担体の平均粒径が上記範囲を超える場合、比表面積が小さく、パラジウム含有粒子の分散性が低下するおそれがある。担体の比表面積は、特に限定されるものではないが、好ましくは50〜2000m/g、より好ましくは100〜1600m/gである。担体の比表面積が上記範囲未満であると、担体へのパラジウム含有粒子の分散性が低下し、十分な電池性能が発現されないおそれがある。また、担体の比表面積が上記範囲を超える場合、パラジウム含有粒子の有効利用率が低下し、十分な電池性能が発現されないおそれがある。
担体によるパラジウム含有粒子担持率[{(パラジウム含有粒子質量)/(パラジウム含有粒子質量+担体質量)}×100%]は特に限定されず、一般的には、20〜60%の範囲であることが好ましい。パラジウム含有粒子の担持量が少なすぎると、触媒機能が十分に発現しないおそれがある。一方、パラジウム含有粒子の担持量が多すぎると、触媒機能の観点からは特に問題は生じないかもしれないが、必要以上のパラジウム含有粒子を担持させても、製造コストの上昇に見合った効果が得られにくくなる。
パラジウム含有粒子を担体に担持する方法としては、従来から用いられている方法を採用することができる。例えば、担体を分散させた担体分散液に、パラジウム含有粒子を混合し、ろ過、洗浄して、エタノール等に再分散した後、真空ポンプ等で乾燥する方法が挙げられる。乾燥後、必要に応じて、加熱処理してもよい。なお、パラジウム合金粒子を使用する場合には、合金の合成とパラジウム合金粒子の担体への担持が同時に行われてもよい。
パラジウム含有粒子は、電位を印加する前に、酸溶液中に浸漬させてクリーニング処理を施しておくことが好ましい。クリーニング処理により、パラジウム含有粒子の表面の酸化物を除去することができる。この場合、酸溶液は、超音波ホモジナイザー、マグネチックスターラー、攪拌羽つきモーター等を用いて攪拌することが好ましい。
第1工程においては、上述の酸溶液中でパラジウム含有微粒子に対し電位を印加する。電位を印加する方法は、特に限定されず、一般的な方法を採用することができる。例えば、酸溶液中に、作用極、対極及び参照極を浸漬させ、作用極に電位を印加する方法が挙げられる。作用極としては、例えば、チタン、白金メッシュ、白金板、金板等の金属材料、グラッシーカーボン、カーボン板等の導電性炭素材料等の導電性が担保できる材料を用いることができる。なお、反応容器を上記導電性材料で形成し、作用極としても機能させることもできる。金属材料の反応容器を作用極として用いる場合、反応容器の内壁には、腐食を抑制する観点から、RuOをコーティングすることが好ましい。炭素材料の反応容器を作用極として用いる場合は、コーティング無しでそのまま使用することが可能である。対極としては、例えば、白金メッシュに白金黒をめっきしたもの及び導電性炭素繊維等を用いることができる。参照極としては、可逆水素電極(reversible hydrogen electrode;RHE)、銀−塩化銀電極及び銀−塩化銀−塩化カリウム電極等を用いることができる。電位制御装置としては、ポテンショスタット及びポテンショガルバノスタット等を用いることができる。
この場合の印加電位は、パラジウム含有微粒子の表面に水素が吸着し得る電位であればよい。具体的には、0.05V(vs.RHE)以上0.3V(vs.RHE)以下が好ましい。電位の保持時間は特に限定されるものではない。例えば、反応電流が定常となり、ゼロに近付くまでとすることができる。
図1(A)に、第1工程におけるパラジウム含有微粒子の形態を概略的に示す。図1(A)に示すように、第1工程においてパラジウム含有微粒子1は表面全体に水素が吸着した状態となる。例えば、パラジウム含有微粒子に印加される電位を0.1Vに制御した場合、当該微粒子の表面に水素が原子1層相当吸着する。また、当該微粒子の内部に水素が少量吸蔵される。
2.第2工程
第2工程は、第1工程の後、電位の印加を止め、白金イオン含有溶液を添加し、パラジウム含有微粒子の表面の少なくとも一部を白金で被覆し、白金/パラジウム複合体を得る工程である。
2.1.白金イオン含有溶液
本発明により製造されるコアシェル触媒のシェルは、白金を含む金属からなる。白金を含む金属としては、白金及び/又は白金合金が挙げられる。白金合金としては、イリジウム、ルテニウム、ロジウム、ニッケル及び金からなる群より選ばれる金属材料との合金等が挙げられる。白金合金を構成する白金以外の金属は1種でも2種以上でもよい。白金合金は、合金全体を基準(100質量%)として、白金を90質量%以上含むことが好ましい。これにより、一層優れた触媒活性及び耐久性が得られる。
白金イオン含有溶液に用いられる白金塩としては、例えば、KPtCl、KPtCl等が挙げられる。また、([PtCl][Pt(NH])等のアンモニア錯体を用いることもできる。白金イオン含有溶液中において白金イオン濃度は特に限定されないが、0.0005〜0.1mol/Lであることが好ましい。
白金イオン含有溶液は例えば上述の白金塩を酸溶液に添加することで容易に作製可能である。酸溶液は上述の酸溶液と同様とすることができる。白金イオン含有溶液は、パラジウム含有粒子の表面の酸化防止の観点から、予め窒素をバブリングさせることが好ましい。白金イオン含有溶液の温度は、特に限定されないが、コアシェル触媒の触媒活性向上の観点から、3〜10℃であることが好ましい。
第2工程においては、第1工程を経たパラジウム含有微粒子を含む酸溶液に対して、電位の印加を止めた後、上述した白金イオン含有溶液を添加する。すなわち、OCV状態にて白金イオン含有溶液を添加すると良い。この場合、パラジウム含有微粒子の表面に吸着した水素と白金イオンとが、イオン化傾向の違いによって互いに置換され、パラジウム含有微粒子の表面が白金を含む金属で被覆される。
置換時間(白金イオン含有溶液とパラジウム含有粒子との接触時間)は、特に限定されるものではないが、10分以上確保することが好ましい。また、白金イオン含有溶液を加えていくと、反応溶液の電位が上昇していくため、そのモニター電位が変化しなくなるまで(OCVが定常となるまで)放置することがより好ましい。
図1(B)に、第2工程を経て得られる白金/パラジウム複合体の形態を概略的に示す。図1(B)に示すように、第2工程においてパラジウム含有微粒子1の表面が白金含有金属2によって被覆され、白金/パラジウム複合体となる。ここで、白金イオンは2価であるため、第1工程を経てパラジウム含有微粒子の表面に吸着した2つの水素が1つの白金原子と置換される。また、パラジウム含有微粒子の内部に吸蔵された少量の水素が水素イオンとなりやはり白金原子と置換される(或いは、パラジウムと白金との直接置換が生じる)。第2工程により得られる白金/パラジウム複合体においては、例えば、パラジウム含有微粒子の表面全体の8〜9割程度が白金含有金属によって被覆されることとなる。
3.第3工程
第3工程は、第2工程の後で、第2工程を経た溶液中で白金/パラジウム複合体に電位を印加し、白金/パラジウム複合体の表面に水素を吸着させる工程である。印加する電位の値や電位の印加方法については第1工程と同様とすることができる。「第2工程を経た溶液」には依然として水素イオンが含まれており、電位を印加することで複合体の表面に水素を吸着することができる。
図1(C)に、第3工程を経た白金/パラジウム複合体の形態を概略的に示す。図1(C)に示すように、第3工程において白金/パラジウム複合体は表面全体に水素が吸着した状態となる。例えば、白金/パラジウム複合体に印加される電位を0.1Vに制御した場合、当該複合体の表面に水素が原子1層相当吸着する。また、当該複合体の内部に水素が少量吸蔵される。
「第2工程を経た溶液」には依然として白金イオンが含まれている。よって、第3工程の後、電位の印加を止めた場合(OCV状態とした場合)、白金/パラジウム複合体の表面に吸着した水素が、溶液に残存している白金イオンと置換される。ここで、白金/パラジウム複合体のエッジ部(白金含有金属で被覆されていない露出部分)はエネルギー的に不安定であるため、水素と白金イオンとの置換が優先的に生じるものと考えられる。
これにより、白金含有金属のシェルの配列が生じるものと考えられ、図1(D)に示すように、パラジウム含有微粒子1の表面全体が白金含有金属2によって均一に被覆されたコアシェル触媒10を製造することができる。このようにして製造されたコアシェル触媒は、従来法により製造されたコアシェル触媒よりも優れた活性を有する。
<実施例1>
(反応器の準備)
図2に示すような反応器を用いてコアシェル触媒を製造した。すなわち、ガラス製円筒容器(700mL)に、カーボン板(厚さ約2mm)を十字に交差した形の作用極を挿入した。カーボン板には約2mmφの穴をあけた。この作用極に外部から電位制御装置(ポテンショスタット)を接続して電位を制御するものとした。PtメッシュにPt黒をめっきした対極を、底にフリットガラスのついたコンパートメントに入れて、ポリスチレンフロートで反応容器にセットした。作用極は2本、対角線上に配置した(図2では1本のみ表示されている)。尚、コンパートメントに対極を入れたのはPd/C粉末の接触を防ぐためである。参照極は、Cypress Systems社製のリークフリーAg/AgCl/KCl(3M)電極を使用した。溶液は事前に不活性ガスでバブリングしておいた。溶液の攪拌はスターラーで行うものとした。
(パラジウム微粒子の準備)
パラジウム微粒子が担持されたカーボン(パラジウム担持量30%)を0.5g秤量し、超純水100mLに分散させた。上記反応器に入れ、0.05M硫酸0.45Lとなるように水に濃硫酸を追加して調整した。不活性ガスでバブリングし、スターラーで攪拌しながら電位サイクルをかけ、パラジウム微粒子に対してクリーニングを施し、パラジウム微粒子表面の酸化物を除去した。
(第1工程)
攪拌したまま、0.1V(vs.RHE)に電位を保持した。電位保持時間は反応電流が定常となり、ゼロに近付くまでとした。
(第2工程)
事前にKPtClを0.248g秤量し、0.05M硫酸50mLに溶かし、窒素バブリングし、白金イオン含有溶液を用意しておいた。上記のパラジウム微粒子を含む酸溶液について、電位の印加を止め(電位保持を解除し)、OCV状態とした。OCV状態にて、白金イオン含有溶液を約30分かけてゆっくり反応器に滴下した。OCVが定常となるまで放置した。この結果、パラジウム微粒子の表面の少なくとも一部に白金が析出し、白金/パラジウム複合体が得られた(図1(B))。
(第3工程)
再度0.1V(vs.RHE)に電位を保持した。保持時間は30分とした。
電位保持を解除し、OCV状態で30分放置した後、濾過し、その後、常温純粋4Lを10回に分けて加え、その都度濾過し、洗浄した。得られた固形分を60℃で12時間乾燥させ、乳鉢を用いて粉砕処理をし、実施例1に係るコアシェル触媒を得た(図1(D))。
<実施例2>
第2工程において、KPtClの量を0.372gとしたこと以外は実施例1と同様にしてコアシェル触媒を得た。
<比較例1>
実施例1の第2工程において、電位保持を解除せずに0.1Vに保持したまま、白金イオン含有溶液を30分かけてゆっくり反応機に滴下した。滴下後1時間放置した。
その後、溶液を濾過し、常温純水4Lを10回に分けて加え、その都度濾過し、洗浄した。得られた固形分を60℃で12時間乾燥させ、乳鉢を用いて粉砕処理をし、比較例1に係るコアシェル触媒を得た。
<比較例2>
(パラジウム微粒子の準備)
実施例1と同様にして、パラジウム微粒子に対してクリーニングを施し、パラジウム微粒子表面の酸化物を除去した。
攪拌したまま不活性ガス(アルゴン)によるバブリングを水素ガスによるバブリングに切り替え、30分間水素ガスバブリングを行った。
反応器の気相を不活性ガスでパージした後、白金イオン含有溶液を約5分で滴下し、滴下後、不活性ガスによるバブリングに切り替え30分放置した。
攪拌したまま不活性ガスによるバブリングを水素ガスによるバブリングに切り替え、30分間水素ガスバブリングを行った。その後、攪拌したまま水素ガスによるバブリングを再び不活性ガスによるバブリングに切り替え、30分間不活性ガスバブリングを行った。
その後、溶液を濾過し、常温純水4Lを10回に分けて加え、その都度濾過し、洗浄した。得られた固形分を60℃で12時間乾燥させ、乳鉢を用いて粉砕処理をし、比較例2に係るコアシェル触媒を得た。
(コアシェル触媒の評価)
以下の測定を行うことで、コアシェル触媒の評価を行った。結果を下記表1に示す。
1.質量活性(MA)、面積比活性(SA)、電気化学表面積(ECSA)の測定
測定装置として回転ディスク電極(電極面積0.196cm)を用いて、以下の手順で測定を行った。
(i)バフ研磨により、グラッシーカーボン(GC)電極表面を鏡面に仕上げた。
(ii)超純水を用いて、電極を超音波洗浄した。
(iii)以下の組成を有するインクを超音波分散させた後、10μLだけ電極に塗布した。
(インク組成)コアシェル触媒:30mg、超純水:30ml、濃硫酸:7.5μL、5%Nafion:131μL
(iv)ガラスセルに0.1mol/L HClO溶液を入れ、電極をセットした。酸素バブリング下、電位走引範囲1.05V〜0.1V、電位走引速度10mV/sで電位を走引した(2サイクル)。2サイクル目の0.1Vから1.05Vへと走引する際の、0.9Vでの電流値(I)、0.3Vでの電流値(Id)を測定した。活性支配電流(Ik)を以下の式に基づいて算出した。
Ik=(Id×I)/(Id−I)
あらかじめ得られたコアシェル触媒の金属組成をICP−AESにて測定しておき、塗布した触媒インクからGC電極表面に載っている白金量を算出した。Ikを白金量(g)で割った値を質量活性MA(A/g−Pt)とした。
(v)次に、別のガラスセルに0.1mol/L HClO溶液を入れ、電極をセットした。アルゴンバブリング下、電位走引範囲0.05V〜1.2V(vs.RHE)、走引速度50mV/sで電位を走引した(2サイクル)。ここで、1.2Vから0.05Vに電位を下げる際の、0.4V付近より下の電位範囲が水素吸着領域となる。水素吸着領域では、触媒表層で水素イオン吸着反応が起きる。これは表層一層だけの電気化学反応であるため、反応に用いられた電気量(Q)から触媒表面に吸着した水素量を求めることができる。この水素量は触媒の表面積に比例するため、反応に用いられた電気量を白金の水素脱離に要する電気量で割ったものを触媒表面積の指標とすることができる。また、この電気量を下記式に代入して触媒表面積を算出することができる。吸着電荷量は、1.2Vから0.05Vに電位を下げる時に流れる電流から計算し、電気二重層容量を差し引く。また、0.09V付近より低電位で流れるパラジウムの水素吸蔵による電流を除くため、水素吸蔵による電流値が増加する手前までの電流値を計算で使用した。
(触媒表面積[m])=Q[C]/(210×10−2[C/m])
触媒表面積を、白金量(g)で割った値を電気化学表面積ECSA(m/g−Pt)とし、Ikを触媒表面積で割った値を面積比活性SA(A/m)とした。
2.Pd溶出量の測定
コアシェル触媒の、燃料電池条件下での加速耐久試験の一つとして、以下の手順で、80℃硫酸中のPd溶出量を測定した。
(i)0.1M硫酸300mLを80℃に保温した。
(ii)触媒粉50mgを30mLの純水に分散させた。
(iii)窒素バブリング5分、水素バブリング30分、窒素バブリング5分を順に行った。
(iv)(i)に(ii)の分散液を投入した。
(v)1時間後、約10mLの上澄みをシリンジで濾過、濾過液をICP−MSで分析し、Pd溶出量(wt%/h)を算出した。
Figure 2016135465
表1に示す結果から明らかなように、実施例1、2に係るコアシェル触媒は、比較例1、2に係るコアシェル触媒よりも、質量活性(MA)、面積比活性(SA)ともに飛躍的に向上している。また、実施例1、2に係るコアシェル触媒は、比較例1、2に係るコアシェル触媒よりも、Pd溶出が抑制されている。
図3を参照しつつ、比較例1に係るコアシェル触媒において十分な活性が得られなかった理由について説明する。図3に示すように、電位を0.1Vに保持してパラジウム微粒子の表面に水素を吸着させた後(図3(A))、電位を0.1Vに保持したまま白金イオンが投入されると、白金イオンの一部は吸着水素イオンと置換する。また、0.1Vに制御されている作用極にパラジウム微粒子が接触すると電位によって白金イオンが還元されてパラジウム微粒子の表面に白金が直接析出する(Pt2++2e→Pt)。また、さらに白金上にも水素イオンが吸着していく。すなわち、パラジウム微粒子上に吸着した水素との置換、及び、白金シェル上に吸着した水素イオンとの置換が連続的且つランダムに生じる(図3(B))。その結果、白金シェルが不均一に形成され(図3(C))、活性が低くなり、加速試験でのPd溶出量も増加する。
図4を参照しつつ、比較例2に係るコアシェル触媒において十分な活性が得られなかった理由について説明する。図4に示すように、比較例2においては、溶液中に溶存した水素によって白金イオンが還元された後、パラジウム微粒子の表面に白金が析出することとなる(図4(A))。すなわち、パラジウム微粒子に吸着した水素との置換析出ではないため、パラジウム微粒子の表面に白金原子が綺麗に配列せずランダムに析出する(堆積する)。その結果、白金シェルが不均一に形成される(図4(B))。また、パラジウム微粒子の担体であるカーボン表面に直接白金が析出・堆積する可能性もある。そのため、活性が低くなり、加速試験でのPd溶出量も増加する。
本発明により製造されるコアシェル触媒は燃料電池の電極用の触媒として広く利用可能である。

Claims (1)

  1. パラジウム含有微粒子をコア、白金を含む金属をシェルとするコアシェル触媒の製造方法であって、
    酸溶液中でパラジウム含有微粒子に対し電位を印加し、該パラジウム含有微粒子の表面に水素を吸着させる、第1工程と、
    前記第1工程の後、前記電位の印加を止め、白金イオン含有溶液を添加し、前記パラジウム含有微粒子の表面の少なくとも一部を白金で被覆し、白金/パラジウム複合体を得る、第2工程と、
    前記第2工程の後で、該第2工程を経た溶液中で前記白金/パラジウム複合体に電位を印加し、該白金/パラジウム複合体の表面に水素を吸着させる、第3工程と、
    を備える、製造方法。
JP2015011323A 2015-01-23 2015-01-23 コアシェル触媒の製造方法 Pending JP2016135465A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015011323A JP2016135465A (ja) 2015-01-23 2015-01-23 コアシェル触媒の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015011323A JP2016135465A (ja) 2015-01-23 2015-01-23 コアシェル触媒の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016135465A true JP2016135465A (ja) 2016-07-28

Family

ID=56512353

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015011323A Pending JP2016135465A (ja) 2015-01-23 2015-01-23 コアシェル触媒の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016135465A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5660603B2 (ja) 白金コアシェル触媒の製造方法
JP6554266B2 (ja) 燃料電池用電極触媒、及び触媒を活性化させる方法
JP6116000B2 (ja) 白金コアシェル触媒の製造方法及びそれを用いた燃料電池
JP6075305B2 (ja) コアシェル触媒粒子の製造方法
JP5768848B2 (ja) コアシェル触媒及びコアシェル触媒の製造方法
JPWO2011125195A1 (ja) コアシェル型金属ナノ微粒子、及び、コアシェル型金属ナノ微粒子の製造方法
EP3269449A1 (en) Method for manufacturing platinum catalyst, and fuel cell using same
WO2005081340A1 (ja) 燃料電池用担持触媒、その製造方法及び燃料電池
JP5664370B2 (ja) 触媒微粒子の製造方法
US9017530B2 (en) Method and electrochemical cell for synthesis and treatment of metal monolayer electrocatalysts metal, carbon, and oxide nanoparticles ion batch, or in continuous fashion
JP2014229516A (ja) 燃料電池用触媒の製造方法
JP2016126907A (ja) 燃料電池用コアシェル触媒の製造方法及び燃料電池用コアシェル触媒製造装置
JP6172734B2 (ja) 固体高分子形燃料電池カソード用の触媒およびそのような触媒の製造方法
JP2014213212A (ja) コアシェル触媒粒子の製造方法
JP6308090B2 (ja) コアシェル触媒の製造方法
JP5678698B2 (ja) 触媒微粒子の製造方法
WO2014069208A1 (ja) 白金コアシェル触媒、その製造方法及びそれを用いた燃料電池
JP2014221448A (ja) コアシェル触媒粒子の製造方法及びコアシェル触媒粒子
JP2016165675A (ja) コア/シェル構造の触媒粒子が担持された触媒の製造方法
US9941521B2 (en) Method for producing core-shell catalyst
WO2015151578A1 (ja) コアシェル触媒の製造方法
JP2016135465A (ja) コアシェル触媒の製造方法
JP5673598B2 (ja) コアシェル粒子の被覆率定量方法およびコアシェル粒子の製造方法
JP2008004396A (ja) 燃料電池用電極触媒およびその製造方法
JP6020508B2 (ja) 触媒微粒子及びカーボン担持触媒の各製造方法