JP2008004396A - 燃料電池用電極触媒およびその製造方法 - Google Patents

燃料電池用電極触媒およびその製造方法 Download PDF

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昌幸 横井
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Abstract

【課題】触媒活性が高く、触媒に含まれる非貴金属の溶出が抑制されて、触媒の寿命特性が改善された燃料電池用電極触媒を提供する。
【解決手段】パルス電解法により、炭素粉末、繊維、基板等の導電性担体に、貴金属および非貴金属からなる合金の微粒子を担持させる。具体例として、装置1aは、導電性担体2に電流を導通させ合金粒子3を担持させる場を提供する析出側電極11、対電極12および両電極間の電位を定電位とすることができる定電圧直流電源13からなり、容器には、貴金属イオンおよび非貴金属イオンを含む電解溶液14が入れられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池用電極触媒およびその製造方法に関し、より詳細には、本発明は、貴金属と貴金属以外の金属との合金からなる多層構造の粒子が導電性の粒子、繊維または基板上に担持された燃料電池用電極触媒およびその製造方法に関する。
固体高分子型燃料電池では、炭素の繊維や粉末などの導電性担体に白金合金の微粒子を担持させて電極としている。その微粒子の担持方法は、金属塩を薬品や気体で還元する化学還元法や、物理的な気相堆積法であるスパッタ法や蒸着法が用いられている。
しかしながら、これらの反応は、制御が難しく、コストもかかる。また、これらの方法で作製した合金微粒子は、合金金属の溶出や再析出により触媒活性が低下するなどの問題がある。この問題を解決するためには、構造を制御した白金合金微粒子を開発することが望まれている。
白金合金微粒子を導電性担体に担持させる方法として、水溶性の金属塩を炭素繊維や炭素粉末と一緒に分散させ、薬品で金属塩を還元する、いわゆる化学還元法や、物理的な気相堆積法であるスパッタ法や蒸着法が用いられている。
例えば、特開2005−135900号公報には、化学還元法により導電性担体に、貴金属と遷移金属とを含む貴金属含有粒子を担持させた燃料電池用電極触媒が開示されている。ここで用いられる貴金属含有粒子は、貴金属合金からなるコア部とその外周に形成された該コア部と組成が異なる貴金属層からなるシェル部とのコア−シェル構造を有し、シェル部の貴金属層に含まれる貴金属の含有率がコア部よりも多いことを特徴とする。
この電極触媒は、貴金属含有粒子のシェル部における貴金属含有率が高いことにより、遷移金属の溶出が抑制されるとされている。
この方法では、貴金属と遷移金属とを含む貴金属含有粒子を濃硫酸などの強酸に懸濁させ、遷移金属を溶出させることによって、貴金属含有粒子の表面領域の貴金属の含有率を上昇させている。
しかしながら、この方法では、貴金属のみを選択的に析出させるか、または、非貴金属のみを選択的に溶出させて、表面領域を実質的に貴金属のみにすることは困難である。また、強酸の廃液処理の対策が必要であり、コストがかかる。また、一般的に、化学還元法は、反応の制御が困難である、還元に薬品などを使用するのでコストがかかる、多くの薬品を使用するので液の管理が難しいなどのデメリットがある。
また、例えば、特開2006−31978号公報には、スパッタ法により導電性担体上に貴金属粒子を析出させる方法が開示されている。
しかしながら、スパッタ法や蒸着法は、コストが高く量産に向かない、粉末や繊維に担持するのが困難である、などのデメリットがある。
さらに、従来の方法で作製された電極触媒には耐久性に問題がある。それは、時間がたつと、合金金属の溶出や再析出により触媒活性が低下するためと考えられる。合金金属の溶出は、得られた白金合金触媒全てが合金化しているわけではなく、第2成分、第3成分の金属のみが粒子になったり、部分的に合金とならずに析出したりするためと考えられる。
特開2005−135900号公報 特開2006−31978号公報
本発明の課題は、上記の問題を解決するためになされるもので、耐食性の高い燃料電池用電極触媒および、そのような電極触媒を簡便に作製するための製造方法を提供する。
本発明は、導電性担体上に貴金属および非貴金属からなる合金の粒子が担持された燃料電池用電極触媒を提供する。
より詳しくは、本発明の燃料電池用電極触媒の合金の粒子は、貴金属および非貴金属からなる合金の核部分と、その周りを覆う少なくとも1の被覆層から構成される多層構造を有し、ここに、最外殻の被覆層が貴金属のみからなることを特徴とする。
また、本発明は、パルス電解法を用いて、このような多層構造の燃料電池用電極触媒を作製する方法を提供する。
より詳しくは、本発明は、導電性担体と、貴金属および非貴金属からなる合金の粒子とを含む燃料電池用電極触媒の製造方法であって、
貴金属のイオンおよび非貴金属のイオンを含み、さらに導電性担体が添加された溶液に浸漬された析出側電極と対電極との対のうち析出側電極に、前記溶液中で導電性担体を流動させることによって導電性担体全てに電気が導通するように導電性担体を接触させ、
第1の時間、前記析出側電極の電位を第1の電位とする電流を析出側電極と対電極との間で通電して、前記析出側電極に接触した導電性担体上に前記貴金属および非貴金属の双方を析出させ、ついで
第2の時間、前記析出側電極の電位を第2の電位とする電流を析出側電極と対電極との間で通電して、前記析出側電極に接触した導電性担体上に前記貴金属のみを析出させるか、または、前記析出側電極に接触した導電性担体上に析出した非貴金属のみを溶出させることによって、
貴金属および非貴金属からなる合金の核部分と、その周りを覆う少なくとも1の被覆層から構成される多層構造を有し、ここに、最外殻の被覆層が貴金属のみからなる合金の粒子を導電性担体上に担持させることを特徴とする燃料電池用電極触媒の製造方法を提供する。
繊維、粒子等の微細物の導電性担体上に合金微粒子を担持させる場合、この製造方法が有用である。
本発明において、導電性担体が添加された溶液中で導電性担体を流動させる方法は、攪拌装置等を用いた攪拌、ポンプ等を用いた循環、振盪器等を用いた振動などを含む。
さらに、本発明は、導電性担体と、貴金属および非貴金属からなる合金の粒子とを含む燃料電池用電極触媒の製造方法であって、
析出側電極と対電極との対のうち析出側電極に、導電性担体全てに電気が導通するように導電性担体を接触させ、
前記導電性担体を接触させた析出側電極と対電極との対を前記溶液に浸漬し、
第1の時間、前記析出側電極の電位を第1の電位とする電流を析出側電極と対電極との間で通電して、前記析出側電極に接触した導電性担体上に前記貴金属および非貴金属の双方を析出させ、ついで
第2の時間、前記析出側電極の電位を第2の電位とする電流を析出側電極と対電極との間で通電して、前記析出側電極に接触した導電性担体上に前記貴金属のみを析出させるか、または、前記析出側電極に接触した導電性担体上に析出した非貴金属のみを溶出させることによって、
貴金属および非貴金属からなる合金の核部分と、その周りを覆う少なくとも1の被覆層から構成される多層構造を有し、ここに、最外殻の被覆層が貴金属のみからなる合金の粒子を導電性担体上に担持させることを特徴とする燃料電池用電極触媒の製造方法も提供する。
ロッド、基板等の塊状物の導電性担体上に合金微粒子を担持させる場合、この製造方法が有用である。
すなわち、貴金属および非貴金属からなる合金の核部分を有し、最外殻の被覆層が貴金属のみからなる多層構造の合金微粒子は、本発明のパルス電解法を用いて容易に作製される。この方法によれば、合金微粒子を析出させる側の電極に対して、第1の時間、貴金属および非金属の双方を析出させることができる第1の電位を負荷することによって、貴金属および非貴金属からなる合金の核部分を形成し、第2の時間、貴金属のみを選択的に析出させるか、または、非貴金属のみを選択的に溶出させることができる第2の電位を負荷することによって、貴金属のみからなる最外殻の被覆層を形成することができる。
また、本発明の方法によれば、導電性担体として、炭素のごとき導電体の繊維、微粒子および基板を用いることができる。
従来、繊維や微粒子上への触媒の担持には、化学還元法やスパッタ法などの物理的吸着法が用いられ、電解法では、担体とする繊維や微粒子の全てに導通することが不可能とされ、電解法による繊維や粒子上への触媒担持は行われていなかった。
しかしながら、本発明によれば、少なくとも、析出側電極と対電極との対、定電圧電源および溶液を受容するための容器を含む電解装置を燃料電池用電極触媒の製造装置として用い、析出側電極の形状を網状、溝や凹凸などの表面処理を施した板状またはコイル状とすることによって、繊維状または粒子状の導電性担体を接触させたとき、導電性担体全てに電気を導通することが可能となった。
本発明に用いることができる導電性担体は、燃料電池用電極触媒に用いられるものであれば何ら制限なく用いることができるが、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラックのごときカーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンファイバー、グラッシーカーボン等の炭素の繊維、粒子、基板が挙げられる。
本発明に用いることができる貴金属は、燃料電池用電極触媒に用いられるものであれば何ら制限なく用いることができるが、白金、パラジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウムおよびイリジウムが挙げられ、これらの1または複数を組み合わせて用いることができる。
本発明に用いることができる非貴金属は、燃料電池用電極触媒に用いられるものであれば何ら制限なく用いることができるが、クロム、鉄、コバルトおよびニッケルなどの遷移金属が挙げられ、これらの1または複数を組み合わせて用いることができる。燃料電池用電極触媒に、このような遷移金属を貴金属とともに用いれば、空気極における酸素還元過電圧を低下させ、触媒活性を向上させることができる。
本発明の方法において、非貴金属のイオン源として、一般に使用されているめっき浴を用いることができる。
例えば、非貴金属として、ニッケルを用いる場合、ワット浴、スルファミン酸塩浴、全塩化物浴が挙げられ、クロムを用いる場合、サージェント浴、3価クロム浴が挙げられ、鉄を用いる場合、塩化物浴、硫酸塩浴が挙げられ、コバルトを用いる場合、硫酸塩浴、ピロリン酸塩浴が挙げられる。
本発明の方法において、貴金属のイオン源として、白金、パラジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、イリジウム等の酢酸塩、硝酸塩、硫酸塩、ハロゲン化合物、アンミン錯体等を用いることができる。
本発明の方法によれば、特に、繊維状または粒子状の炭素材料の導電性担体上に貴金属および非貴金属からなる合金の粒子を担持させることが可能となった。
また、得られた合金微粒子は、貴金属と遷移金属等との合金であるため、燃料電池用電極触媒に用いたとき、酸素還元過電圧を低下させつつ、粒子の表面領域には実質的に貴金属のみが存在するため、非貴金属の溶出を抑制することができ、触媒の寿命を延長し、電池性能を低下させることもなくなる。
さらに、本発明の方法によれば、析出側電極に負荷する析出電位およびパルス回数により、簡便に、粒子の大きさ、密度、合金の含有率を制御することができるため、使用条件に応じた燃料電池用電極触媒を製造することができる。
本発明の第1の具体例による燃料電池用電極触媒の製造装置を図1に示す。
この具体例による装置1aは、導電性担体2に電流を導通させ合金微粒子3を担持させる場を提供する析出側電極11、対電極12および両電極間の電位を定電位とすることができる定電圧直流電源13からなり、容器には、貴金属イオンおよび非貴金属イオンを含む電解溶液14が入れられている。
この具体例による装置は、特に、繊維状の導電性担体2a上に合金微粒子3を担持するために用いることが有用である。
すなわち、析出側電極が網状の析出側電極11aであるため、繊維状の導電性担体2aの全てが接触して、電流を導通することが可能である。この具体例において、析出側電極の形状を溝や凹凸などの表面処理を施した板状とすることもできる。
本発明の第2の具体例による燃料電池用電極触媒の製造装置を図2に示す。
この具体例による装置1bは、導電性担体2に電流を導通させ合金微粒子3を担持させる場を提供する析出側電極11、対電極12および両電極間の電位を定電位とすることができる定電圧直流電源13からなり、容器には、貴金属イオンおよび非貴金属イオンを含む電解溶液14が入れられている。
この具体例による装置は、特に、粒子状の導電性担体2b上に合金微粒子3を担持するために用いることが有用である。
すなわち、析出側電極がコイル状の析出側電極11bであるため、粒子状の導電性担体2bの全てが接触して、電流を導通することが可能である。この具体例において、析出側電極の形状を多重コイル状とすることもできる。
本発明の第3の具体例による燃料電池用電極触媒の製造装置を図3に示す。
この具体例による装置1cは、導電性担体2に電流を導通させ合金微粒子3を担持させる場を提供する析出側電極11、対電極12および両電極間の電位を定電位とすることができる定電圧直流電源13からなり、容器には、貴金属イオンおよび非貴金属イオンを含む電解溶液14が入れられている。
この具体例による装置は、特に、基板状の導電性担体2c上に合金微粒子3を担持するために用いることが有用である。
すなわち、導電性担体が板状であるため、析出側電極11cは、基板を固定できるクリップ等の形状であればよく、基板状の導電性担体2cの全面に電流を導通するため、基板の対向する二辺を挟み込む形態であることが好ましい。
本発明の方法において、図4に示すごとく、析出側電極に第1の電位を負荷する第1の時間および第2の電位を負荷する第2の時間を1パルスとするパルス電流を用いて、導電性担体上に貴金属および非貴金属からなる合金微粒子を析出させる。
第1の電位は、析出側電極上に担持した導電性担体上に貴金属および非貴金属の双方を析出させて、貴金属および非貴金属からなる合金微粒子を担持することができる電位であり、第2の電位は、析出した合金微粒子の表面領域に貴金属のみを選択的に析出させる電位、または、析出した合金微粒子の表面領域から非貴金属のみを選択的に析出させる電位である。
第1の時間および第2の時間は、担持する合金微粒子の組成や所望する粒径によって、適宜設定することができる。
実施例1
この実施例において、図1に示す装置1aを用いて、直径11μmのカーボンファイバー(トレカ糸T−300、東レ株式会社)上に白金(Pt)およびニッケル(Ni)からなる合金微粒子を担持した。
まず、Ni源として、一般にニッケルメッキ浴として用いられているワット浴(NiSO・6HO 240g/l、NiCl・6HO 45g/l、HBO 30g/l)を使用した。このワット浴20mlに、Pt源として0.1Mの塩化白金酸溶液500μlを添加して電解溶液14を調製した。電解溶液14は、0.91MのNiSO・6HO、0.19MのNiCl・6HO、0.49MのHBOおよび5.0×10−5MのHPtCl・6HOを含有する。
この装置1aの容器に電解溶液14を入れ、析出側電極11aおよび対電極12の対を浸漬した。図示しないが、参照電極として、Ag/AgCl電極を用いた。析出側電極11aは500メッシュのステンレス網であり、対電極12は白金板である。
表1に、Pt、Ni、Ag/AgClその他の電極反応における標準電極電位を示す。ここで、標準電極電位E゜(V)は、25℃の溶液中の標準水素電極(SHE)に対する電位を意味する。
Figure 2008004396
本発明の実施例において、参照電極として、飽和KCl銀塩化銀電極(Ag/AgCl電極)を用いるので、PtおよびNiの電極電位E(V)は、それぞれ、+0.992V vs.Ag/AgClおよび−0.453V vs.Ag/AgClとなる。
したがって、PtおよびNiの双方を析出させるためには、理論上、析出側電極の電位を−0.453V vs.Ag/AgClより低く設定する必要がある。また、Ptのみを析出させ、または、Niのみを溶出させるためには、理論上、析出側電極の電位を−0.453〜+0.992V vs.Ag/AgClの範囲に設定する必要がある。
電解溶液14に0.5gのカーボンファイバー2aを添加し、電解溶液14をスターラーで攪拌しつつ、PtおよびNiの双方を析出させるために、析出側電極の電位が−0.7Vvs.Ag/AgClとなるように電流を5秒間通電し、引き続き、Ptのみを析出させ、または、Niのみを溶出させるために、析出側電極の電位が0V vs.Ag/AgClになるように10秒間電流を通電するパルス電流を1回負荷した。
電解溶液14中で、析出側電極11aにカーボンファイバー2aが接触したときに、Pt/Ni合金微粒子がカーボンファイバー2a上に析出するため、パルス電流を負荷する際にスターラーで攪拌し続けることによって、全てのカーボンファイバー2aに均一にPt/Ni合金微粒子が析出することになる。
電解溶液14をろ過し、残渣を純水で洗浄して、本発明の第1の具体例の燃料電池用電極触媒を得た。この条件により得られた燃料電池用電極触媒の電子顕微鏡写真を図5に示す。図5に示されるように、カーボンファイバー上に1μm程度の粒子が担持されているのが分かる。
実施例2
この実施例において、図2に示す装置1bを用いて、カーボンブラック(ケッチェンブラックEC、ケッチェン・ブラック・インターナショナル株式会社)上に白金(Pt)およびニッケル(Ni)からなる合金微粒子を担持した。
この装置1bの容器に実施例1と同じ組成の電解溶液14を入れ、析出側電極11bおよび対電極12の対を浸漬した。図示しないが、参照電極として、Ag/AgCl電極を用いた。析出側電極11bはニッケルコイルであり、対電極12はニッケル板である。
電解溶液14に0.2gのカーボンブラック2bを添加し、電解溶液14をスターラーで攪拌しつつ、PtおよびNiの双方を析出させるために、析出側電極の電位が−0.7Vvs.Ag/AgClとなるように電流を5秒間通電し、引き続き、Ptのみを析出させ、または、Niのみを溶出させるために、析出側電極の電位が0V vs.Ag/AgClになるように10秒間電流を通電するパルス電流を1回負荷した。
電解溶液14中で、析出側電極11aにカーボンブラック2bが接触したときに、Pt/Ni合金微粒子がカーボンブラック2b上に析出するため、パルス電流を負荷する際にスターラーで攪拌し続けることによって、全てのカーボンブラック2bに均一にPt/Ni合金微粒子が析出することになる。
電解溶液14をろ過し、残渣を純水で洗浄して、本発明の第2の燃料電池用電極触媒を得た。この条件により得られた燃料電池用電極触媒の電子顕微鏡写真を図6に示す。図6に示されるように、カーボンファイバー上に数十nm程度の粒子が担持されているのが分かる。
実施例3
この実施例において、図3に示す装置1cを用いて、直径5.2mmのグラッシーカーボンロッド(RA5−100、東海カーボン株式会社)を5mm厚にスライスして得られたグラッシーカーボン基板の平面部上に白金(Pt)およびニッケル(Ni)からなる合金微粒子を担持した。
この装置1cの容器に実施例1と同じ組成の電解溶液14を入れ、グラッシーカーボン基板2cを固定した析出側電極11cおよび対電極12の対を浸漬した。図示しないが、参照電極として、Ag/AgCl電極を用いた。析出側電極11cはクリップであり、対電極12は白金板である。
PtおよびNiの双方を析出させるために、析出側電極の電位が−0.7Vvs.Ag/AgClとなるように電流を5秒間通電し、引き続き、Ptのみを析出させ、または、Niのみを溶出させるために、析出側電極の電位が0V vs.Ag/AgClになるように10秒間電流を通電するパルス電流を1回負荷した。
電解溶液14からグラッシーカーボン基板を取り出し、純水で洗浄して、本発明の第3の具体例の燃料電池用電極触媒を得た。この条件により得られた燃料電池用電極触媒の電子顕微鏡写真を図7に示す。図7に示されるように、グラッシーカーボン基板上に数十nm程度の粒子が担持されているのが分かる。
実施例4
実施例3で作製した燃料電池用電極触媒の白金/ニッケル合金微粒子の微視的構造を光電子分光分析(XPS)により調べた。
XPSは、X線を試料に照射することにより試料表面から放出される光電子のエネルギー分布を測定し、主に内殻光電子の原子核に対する結合エネルギーから、試料表面の数nm程度に存在する元素の種類、存在量、化学状態に関する情報を得ることができる測定方法である。
実施例3で作製した燃料電池用電極触媒上に担持したPt/Ni合金微粒子の表面をエッチングすることによって表面を除去し、微粒子の深さ方向のPtおよびNiの原子濃度の変化を調べた。
具体的には、エッチング前の試料および、0.1分間間隔で1分間まで段階的にエッチングした試料につきXPSを行い、Ni原子濃度(%)を定量した。各試料につき1点づつ測定した。得られた結果を表2および図8に示す。
エッチングは、アルゴンイオン(Ar)を加速電圧2kVで照射することによって行った。このエッチング条件では、0.1分間のエッチングにより約0.4nmの厚みを除去することができた。
比較のため、直流プラズマスパッタ法(ターゲット:Pt・Ni、ターゲット電圧:750V)により直径5.2mmのグラッシーカーボン基板上に白金(Pt)およびニッケル(Ni)からなる10〜20nm厚の合金薄膜を形成した。
上記と同様に、スパッタ法で形成したPt/Ni薄膜の表面をエッチングすることによって表面を除去し、薄膜の深さ方向のPtおよびNiの原子濃度の変化を調べた。得られた結果を表2および図8に示す。
Figure 2008004396
図8から明らかなように、スパッタ法により形成されたPt/Ni薄膜において、表面から内部までNi原子濃度が一定であった。一方、本発明のパルス電解法により作製されたPt/Ni合金微粒子において、内部領域のNi原子濃度は一定であるが、表面領域のNi原子濃度が、内部領域よりも低くなっていた。
XPSでは、表面から数nmの深さ領域に存在する元素の情報を得るため、原子レベル(数Å)の深さ領域のPt/Ni分布は詳細には把握できないが、析出側電極に負荷したパルスの前半の第1の電位において、Pt/Niが均一に析出して合金を形成し(図9A)、パルスの後半の第2の電位において、Ptのみが選択的に析出し(図9B)、または、Niのみが選択的に溶出し(図9C)、または、両方の現象が生じていることを示している。
また、本発明のパルス電解法により作製されたPt/Ni合金微粒子から得られた結合エネルギースペクトルにおけるPt4fのピークシフトを観察すると、図10に示すように、Ptのみの結合エネルギースペクトルにおけるPt4fピークと比較して、Pt/Ni合金微粒子に対するPt4fピークは高エネルギー側に0.25eVシフトしていた。
実施例5
つぎに、Pt/Ni合金微粒子の表面領域のNiが溶出する程度を調べるための硫酸浸漬試験を行った。
実施例3で作製した燃料電池用電極触媒上に担持したPt/Ni合金微粒子および比較のため上記同様にスパッタ法で形成したPt/Ni薄膜の表面領域に存在するNi原子濃度を、0.1Mの硫酸溶液に浸漬する前と浸漬24時間後に、XPSにより測定した。その結果を表3に示す。
Figure 2008004396
本発明のパルス電解法により作製されたPt/Ni合金微粒子において、硫酸浸漬24時間後でも10原子%以上のNiの存在が確認されたが、スパッタ法により形成されたPt/Ni薄膜では、深さ数nm程度の表面領域からNiが全て溶出してしまった。
このことからも、本発明のパルス電解法により作製されたPt/Ni合金微粒子の最外殻には、実質的にPtのごとき貴金属のみが存在し、Niのごとき非貴金属が露出していないことが示された。
すなわち、本発明のパルス電解法によれば、高耐食性の電極触媒が作製されることが明らかとなった。
実施例6
パルス回数を1、2、6、10および20回と段階的に変化させる以外は、実施例3と同様に、析出電位を−0.7V vs.Ag/AgClと一定にした状態で、グラッシーカーボン上にPt/Ni合金微粒子を析出させた。
各パルス回数で作製されたPt/Ni合金微粒子の表面領域に存在するPtおよびNiの析出量およびNi含有率を誘導結合高周波プラズマ発光分析(ICP)で測定した。ICP測定は、以下の手順により行った。
まず、Pt/Ni合金微粒子を析出させたグラッシーカーボンの試料10個を王水10mlに浸漬して、PtおよびNiを完全に溶解させた。PtおよびNiを含有する王水溶液を残らず回収して、25mlに希釈した。この希釈溶液を用いて測定を行い、試料1個当たりのPtおよびNiの析出量およびNi含有率を算出した。
結果を表4および図11に示す。
Figure 2008004396
パルス回数が多いほど、Niの含有率は少なくなった。また、Pt/Ni合金微粒子の析出状態をSEMにより調べた。パルス10回および1回の条件で得られた合金微粒子についてのSEM像は、それぞれ、図14(C)および(F)に示した。
パルス回数を増やすと、粒子の密度および大きさが増大し、粒子の大きさにもバラツキがあることが示されている。このことより、パルス電解を複数回行うと、導電性基板上に新たな粒子が直接析出する場合や、すでに析出した粒子の表面をさらなる析出層が被覆する場合があることが示唆された。
本発明において、複数回のパルスを負荷したときに得られる燃料電池用電極触媒の概略図を図12に示す。
導電性担体としてグラッシーカーボン基板2c上に(図12A)、第1のパルスの第1電位にて第1のPt/Ni合金微粒子が析出し、核部分31が形成される(図12B)。引き続き、第1のパルスの第2の電位にて、核部分31の表面が実質的にPtのみからなるPt層32が形成される(図12C)。
このまま、第2のパルスを負荷すると、第1の電位にて、第1のPt/Ni合金微粒子の表面または基板2c上に、第2のPt/Ni合金微粒子が析出し、核部分33が形成され、あるいは、第1のPt/Ni合金微粒子の表面上に再度、Pt/Ni合金層34が形成される。引き続き、第2のパルスの第2の電位にて、第1のPt/Ni合金微粒子の最表面に再度、Pt層35が形成され、第2のPt/Ni合金微粒子の表面にもPt層36が形成される。
このように、本発明のパルス電解法により燃料電池用電極触媒を作製すると、Pt/Ni合金微粒子の構造は多層構造または複核構造となる。すなわち、1の合金微粒子において、核部分から表面層に向かって、Pt/Ni合金層およびPt層からなり、最表面がPt層である多層構造が形成される。また、複数の合金微粒子が結合した複核構造が形成される。
実施例7
析出電位を−0.5、−0.6、−0.7、−0.8および−0.9V vs.Ag/AgClと段階的に変化させる以外は、実施例3と同様に、パルス回数を10回と一定にした状態で、グラッシーカーボン上にPt/Ni合金微粒子を析出させた。
実施例7と同様に、各析出電位で作製されたPt/Ni合金微粒子の表面領域に存在するPtおよびNiの析出量およびNi含有率をICPで測定した。結果を表5および図13に示す。
Figure 2008004396
析出電位が−0.5から−0.9V vs.Ag/AgClの範囲で、Pt/Ni合金微粒子の析出が可能であった。析出電位を変化させても、Ptの析出量は大きく変化しないが、Niの析出量が−0.9V vs.Ag/AgClのとき、急激に増大した。
Pt/Ni合金微粒子の析出状態をSEMにより調べた。各析出電位の条件で得られた合金微粒子についてのSEM像は、それぞれ、図14(A)から(E)に示した。析出電位の絶対値を大きくするほど、粒子の大きさは大きくなり、析出電位が−0.9V vs.Ag/AgClのとき、グラッシーカーボンの表面は析出した合金で完全に覆われていた。
実施例8
燃料電池の空気極では表1に表される酸素還元反応が行われ、この標準電極電位E゜(V)は、+1.229V vs.SHEであり、この実施例では、参照電極としてAg/AgCl電極を用いるので、電極電位E(V)は、+1.033V vs.Ag/AgClとなる。
理論上、電極電位を+1.033V以下にすれば、酸素還元反応が起こり、水が発生するが、実際は、それよりもさらに低い電位にしなければ反応は進行しない。酸素還元反応が進行する理論上の電極電位と実際に反応を進行させるのに必要な電極電位との差を過電圧という。酸素還元反応における過電圧は、反応物質の活性化にエネルギーが消費されるためであり、触媒活性が低ければ、過電圧が大きくなる。
酸素還元過電圧は、電極電位を酸化還元反応が進行する理論電位より高い電位から低下させながら、流れる電流を観察することによって測定する。電極電位が高い領域では、電流は流れず、ある電位を下回ると電流が流れ始め、最終的に一定の電流値(拡散電流値)になる。本発明において、この拡散電流値の半分の値の電流値を与える電極電位(半値電位)を「実際に反応を進行させるのに必要な電極電位」と定義する。
本来、上記の半値電位と理論電位との差異から過電圧を算出するが、触媒作製のための析出電位に応じてPt/Niの組成比が変動し、理論電位も異なるため、この実施例においては、Pt単体粒子を析出させた触媒(Pt触媒)の半値電位を基準として、Pt/Ni触媒の半値電位が高いほど、触媒活性が高いと判断する。
本発明の方法により作製した燃料電池用電極触媒の酸素還元反応における半値電位を測定した。この測定において、図3に示された装置と同様の装置を用いたが、導電性担体を固定するだけの単純な構成で表示されている析出側電極11cを回転リングディスク電極に変更した。回転リングディスク電極は、電気化学測定においてよく知られた回転電極法に用いられる電極であり、電極を一定の速度で回転させることによって、電極表面への物質の拡散や電極表面からの反応物の逸散を制御するためのものである。図示しないが、回転リングディスク電極は、ディスク電極を固定するディスク電極用のシャフト、その外側に、リング電極を固定するリング電極用の中空シャフト、その外側に、例えばフッ素樹脂等の絶縁物からなる筒状の電極ホルダーを有し、ディスク電極用シャフトは例えばフッ素樹脂等の絶縁物からなる筒状の絶縁リングを介してリング電極用の中空シャフトに回転可能に挿入されている。
グラッシーカーボン基板上に、−0.5〜−0.9V vs.Ag/AgClにて10回パルスを負荷することによってPt/Ni合金微粒子を析出させた本発明の電極触媒(Pt/Ni触媒)をディスク電極として用いて、測定した。また、比較のため、−0.7V vs.Ag/AgClにて10回パルスを負荷することによってPt単体粒子を析出させたPt触媒をディスク電極として用いて、測定を行った。
全ての測定は、30℃にて、酸素飽和させた0.1M硫酸中で行い、回転電極の回転数を2000rpmとし、挿引速度を5mV/秒とした。
本発明のPt/Ni触媒およびPt触媒について、電極電位と電流密度との関係を図15に示した。図15によれば、本発明のPt/Ni触媒は、Pt触媒よりも高い電位で電流が流れているのが分かる。また、各触媒の半値電位を表6に示し、触媒作製のための析出電位との関係を図16に示した。
Figure 2008004396
上記の結果から、本発明のPt/Ni触媒におけるPt/Ni合金微粒子の表面領域は実質的にPt単体からなるにもかかわらず、Pt触媒と比較して、触媒活性が向上されることが分かった。
また、図16から、析出電位が−0.5V vs.Ag/AgClにて得られたPt/Ni触媒の半値電位はPt触媒の半値電位と同等であり、−0.7V vs.Ag/AgClにて得られたPt/Ni触媒の半値電位が最も高いことが明らかとなった。
すなわち、析出側電極の電位が−0.5から−0.9V vs.Ag/AgClの範囲にあれば、本発明のPt/Ni触媒を作製することができるが、触媒活性の観点からは、析出側電極の電位が−0.6から−0.9V vs.Ag/AgClの範囲にあることがより好ましい。
本発明の第1の具体例による製造装置の概略図。 本発明の第2の具体例による製造装置の概略図。 本発明の第3の具体例による製造装置の概略図。 本発明の方法において、析出側電極に負荷する電位の変化図。 本発明の方法により得られた炭素繊維上のPt/Ni合金微粒子のSEM像。 本発明の方法により得られた炭素微粒子上のPt/Ni合金微粒子のSEM像。 本発明の方法により得られた炭素基板上のPt/Ni合金微粒子のSEM像。 本発明の方法および従来の方法により得られたPt/Ni合金微粒子の深さ方向のNi原子濃度分布を比較するグラフ。 本発明のパルス電解法により作製された1個のPt/Ni合金微粒子の一部のPt/Ni分布を示す概略断面図。 本発明の方法により得られた炭素基板上のPt/Ni合金微粒子およびPt単体微粒子の結合エネルギースペクトル。 パルス回数と表面領域に存在するNi含有率との関係を示すグラフ。 本発明の方法により得られた炭素基板上のPt/Ni合金微粒子の概略図。 析出電位と表面領域に存在するNi含有率との関係を示すグラフ。 析出電位とパルス回数を変化させて作製された炭素基板上のPt/Ni合金微粒子のSEM像。 酸素還元反応における電極電位と電流密度との関係を示すグラフ。 析出電位と半値電位との関係を示すグラフ。
符号の説明
1・・・パルス電解装置、
11・・・析出側電極(11a:メッシュ状電極、11b:コイル状電極、11c:クリップ状電極)、
12・・・対電極、
13・・・DC電源、
14・・・電解溶液
2・・・導電性担体(2a:繊維、2b:微粒子、2c:基板)、
3・・・貴金属含有金属粒子、
31・・・第1パルスの第1の電位にて析出した第1のPt/Ni合金微粒子の核部分、
32・・・第1パルスの第2の電位にて、第1のPt/Ni合金微粒子の表面に形成されたPt層、
33・・・第2パルスの第1の電位にて析出した第2のPt/Ni合金微粒子の核部分、
34・・・第2パルスの第2の電位にて、第1のPt/Ni合金微粒子のPt層上形成されたPt/Ni合金層、
35・・・第2パルスの第2の電位にて、第1のPt/Ni合金微粒子の表面に再び形成されたPt層、
36・・・第2のパルスの第2の電位にて、第2のPt/Ni合金微粒子の表面に形成されたPt層。

Claims (8)

  1. 導電性担体上に貴金属および非貴金属からなる合金の粒子が担持され、前記合金の粒子は、貴金属および非貴金属からなる合金の核部分と、その周りを覆う少なくとも1の被覆層から構成される多層構造を有し、ここに、最外殻の被覆層が貴金属のみからなることを特徴とする燃料電池用電極触媒。
  2. 導電性担体が、炭素繊維、炭素粒子または炭素基板である請求項1に記載の燃料電池用電極触媒。
  3. 貴金属が、白金、パラジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウムおよびイリジウムよりなる群から選択される金属の1またはそれらの組合せである請求項1に記載の燃料電池用電極触媒。
  4. 非貴金属が、クロム、鉄、コバルトおよびニッケルよりなる群から選択される遷移金属の1またはそれらの組合せである請求項1に記載の燃料電池用電極触媒。
  5. 導電性担体と、貴金属および非貴金属からなる合金の粒子とを含む燃料電池用電極触媒の製造方法であって、
    貴金属のイオンおよび非貴金属のイオンを含み、さらに導電性担体が添加された溶液に浸漬された析出側電極と対電極との対のうち析出側電極に、前記溶液中で導電性担体を流動させることによって導電性担体全てに電気が導通するように導電性担体を接触させ、
    第1の時間、前記析出側電極の電位を第1の電位とする電流を析出側電極と対電極との間で通電して、前記析出側電極に接触した導電性担体上に前記貴金属および非貴金属の双方を析出させ、ついで
    第2の時間、前記析出側電極の電位を第2の電位とする電流を析出側電極と対電極との間で通電して、前記析出側電極に接触した導電性担体上に前記貴金属のみを析出させるか、または、前記析出側電極に接触した導電性担体上に析出した非貴金属のみを溶出させることによって、
    貴金属および非貴金属からなる合金の核部分と、その周りを覆う少なくとも1の被覆層から構成される多層構造を有し、ここに、最外殻の被覆層が貴金属のみからなる合金の粒子を導電性担体上に担持させることを特徴とする燃料電池用電極触媒の製造方法。
  6. 導電性担体と、貴金属および非貴金属からなる合金の粒子とを含む燃料電池用電極触媒の製造方法であって、
    析出側電極と対電極との対のうち析出側電極に、導電性担体全てに電気が導通するように導電性担体を接触させ、
    前記導電性担体を接触させた析出側電極と対電極との対を前記溶液に浸漬し、
    第1の時間、前記析出側電極の電位を第1の電位とする電流を析出側電極と対電極との間で通電して、前記析出側電極に接触した導電性担体上に前記貴金属および非貴金属の双方を析出させ、ついで
    第2の時間、前記析出側電極の電位を第2の電位とする電流を析出側電極と対電極との間で通電して、前記析出側電極に接触した導電性担体上に前記貴金属のみを析出させるか、または、前記析出側電極に接触した導電性担体上に析出した非貴金属のみを溶出させることによって、
    貴金属および非貴金属からなる合金の核部分と、その周りを覆う少なくとも1の被覆層から構成される多層構造を有し、ここに、最外殻の被覆層が貴金属のみからなる合金の粒子を導電性担体上に担持させることを特徴とする燃料電池用電極触媒の製造方法。
  7. 少なくとも、析出側電極と対電極との対、定電圧電源および溶液を受容するための容器を含む、導電性担体上に貴金属および非貴金属からなる合金の粒子が担持された燃料電池用電極触媒の製造装置。
  8. 析出側電極が網状、板状またはコイル状であって、繊維状または粒子状の導電性担体に電気を導通することができる請求項7に記載の燃料電池用電極触媒の製造装置。
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JP2012016684A (ja) * 2010-07-09 2012-01-26 Toyota Motor Corp コアシェル型触媒微粒子の製造方法、及び、当該製造方法により製造されるコアシェル型触媒微粒子
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