[1.実施形態]
図1は、実施形態に係る管理装置100を含むネットワークシステム10の全体構成を示すブロック図である。図1に例示するように、ネットワークシステム10は、インターネットINETを介して互いに接続される複数のネットワークNWと、インターネットINETを介して複数のネットワークNWに接続される管理装置100と、複数のネットワークNWにそれぞれ接続される複数の端末装置200とを有する。なお、管理装置100は、インターネットINETを介さずに、複数のネットワークNWに接続されてもよい。また、本明細書における「装置」という用語は、回路、デバイス又はユニット等の他の用語に読替えてもよい。
複数のネットワークNWの各々は、例えば、通信サービスを提供する複数の通信事業者の各々により管理される移動体通信網等の電気通信回線であり、有線ネットワーク及び無線ネットワークの一方又は両方を含む。ネットワークNWの管理には、例えば、ネットワークNWの運用が含まれる。但し、通信事業者が仮想移動体通信事業者である場合、ネットワークNWの管理には、例えば、ネットワークNWに含まれる基地局等の無線局の運用が含まれない場合、及び、有線の運用が含まれない場合がある。
また、複数のネットワークNWの各々は、品質制御装置300を有する。ここで、複数のネットワークNW間の接続、ネットワークNWと端末装置200との接続、及び、ネットワークNWと管理装置100との接続は、例えば、複数の要素間を互いに通信可能にする接続であればよく、有線及び無線の一方を用いた接続でもよいし、有線及び無線の両方を用いた接続でもよい。
なお、図1では、複数のネットワークNWを互いに区別するために、ネットワークNWの符号の末尾には、小文字のアルファベット(a又はb)が付されている。また、ネットワークNWに含まれる品質制御装置300及びネットワークNWに接続される端末装置200の符号の末尾にも、対応するネットワークNWと同じ小文字のアルファベット(a又はb)が付されている。
例えば、ネットワークNWaは、ネットワークNWbを管理する通信事業者と異なる通信事業者により管理される。また、例えば、品質制御装置300aは、ネットワークNWaに含まれ、ネットワークNWaに係る通信サービスの品質を制御する。また、例えば、品質制御装置300bは、ネットワークNWbに含まれ、ネットワークNWbに係る通信サービスの品質を制御する。また、例えば、端末装置200aは、ネットワークNWaに接続された端末装置200であり、端末装置200bは、ネットワークNWbに接続された端末装置200である。なお、端末装置200としては、例えば、任意の情報処理装置を採用することができ、パーソナルコンピュータ等の据置型の情報機器であってもよいし、スマートフォン、ノートパソコン、ウェアラブル端末及びタブレット端末等の可搬型の情報端末であってもよい。以下の説明では、端末装置200としてスマートフォンを想定する。
本実施形態では、複数の端末装置200が接続されるネットワークNWに係る通信サービスの品質の制御が端末装置200毎に実行可能である場合を想定する。以下では、通信サービスの品質の制御は、QoS(Quality of Service)制御とも称される。QoS制御は、例えば、帯域制御、低遅延制御及び優先制御等を含む。帯域制御では、例えば、ネットワークNWにおける通信の帯域が制御される。帯域の制御は、帯域の下限値が設定される帯域保証であってもよいし、帯域の上限値が設定される帯域制限であってもよい。同様に、低遅延制御は、例えば、遅延の上限値が設定されている遅延保証であってもよいし、遅延の下限値が設定される遅延制限であってもよい。優先制御では、例えば、特定の通信に係るパケット(通信を行う際の転送単位のデータ)が優先して転送される。例えば、ネットワークNW上を流れるパケットに優先度が付けられ、優先度が他のパケットより高いパケットは、他のパケットよりも先に処理される。本実施形態では、QoS制御は、例えば、端末装置200がQoS制御の開始を管理装置100を介して品質制御装置300に要求することにより、開始される。
管理装置100は、例えば、サーバ等の情報処理装置であり、各ネットワークNWに接続された複数の端末装置200と通信可能である。また、本実施形態では、管理装置100は、各ネットワークNWに含まれる品質制御装置300と通信可能である。すなわち、ネットワークシステム10は、通信事業者に依存しない管理装置100を有する。なお、管理装置100は、複数の通信事業者のうちの特定の通信事業者により管理されてもよい。すなわち、特定の通信事業者が管理装置100を運用してもよい。この場合、例えば、管理装置100は、特定の通信事業者により管理されるネットワークNWにインターネットINETを介さずに接続され、他の通信事業者により管理されるネットワークNWにインターネットINETを介して接続されてもよい。管理装置100が特定の通信事業者により運用される場合においても、端末装置200等による管理装置100に対する動作は、通信事業者に依存しない。
管理装置100は、例えば、処理装置110、記憶装置160及び通信装置170を具備するコンピュータシステムにより実現される。管理装置100の複数の要素は、情報を通信するための単体又は複数のバスにより相互に接続される。また、管理装置100の複数の要素の各々を、単数又は複数の機器が構成してもよい。あるいは、管理装置100の一部の要素は省略されてもよい。
処理装置110は、管理装置100の全体を制御するプロセッサであり、例えば、単数又は複数のチップで構成される。処理装置110は、例えば、周辺装置とのインタフェース、演算装置及びレジスタ等を含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)により構成される。なお、処理装置110の機能の一部又は全部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、及び、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアによって実現してもよい。処理装置110は、各種の処理を並列的又は逐次的に実行する。
処理装置110は、例えば、記憶装置160から制御プログラムPR1を読み出し、読み出した制御プログラムPR1を実行することによって、取得部120、特定部130及びサービス管理部140として機能する。なお、制御プログラムPR1は、ネットワークNWを介して他の装置から送信されてもよい。
取得部120は、例えば、複数の通信事業者に管理される複数のネットワークNWにそれぞれ接続される複数の端末装置200のうちの一の端末装置200に対して提供される通信サービスの品質の制御の開始を要求する開始要求REQs1と一の端末装置200に関する端末情報TEinfとを、取得する(図6のS100参照)。例えば、取得部120は、複数の端末装置200のうち、QoS制御の開始を要求した一の端末装置200から、QoS制御の開始を要求する開始要求REQs1と一の端末装置200に関する端末情報TEinfとを、取得する。端末情報TEinfの一例は、後述する図4において説明する。
特定部130は、取得部120が取得した端末情報TEinfに基づいて、複数の通信事業者のうち、一の端末装置200(QoS制御の開始を要求した端末装置200)が接続されたネットワークNWを管理する一の通信事業者を、特定する。
サービス管理部140は、一の端末装置200に対するQoS制御を一の通信事業者(特定部130が特定した通信事業者)の品質制御装置300に開始させるための所定処理を実行する。所定処理をサービス管理部140が実行するために必要な情報は、例えば、記憶装置160に記憶された管理テーブルTBLに記憶されている。管理テーブルTBLの一例は、後述する図2において説明する。
所定処理は、例えば、一の通信事業者の品質制御装置300に開始要求REQs2を送信する処理を含む(図6のS120参照)。この場合、サービス管理部140は、例えば、一の端末装置200から取得した開始要求REQs1を、開始要求REQs2として、一の通信事業者の品質制御装置300に送信する。これにより、例えば、一の端末装置200(QoS制御の開始を要求した端末装置200)に対するQoS制御が、一の通信事業者の品質制御装置300(一の端末装置200が接続されたネットワークNWに含まれる品質制御装置300)により実行される。以下では、開始要求REQs1及びREQs2は、開始要求REQsと総称される場合がある。
記憶装置160は、処理装置110が読取可能な記録媒体であり、処理装置110が実行する制御プログラムPR1を含む複数のプログラム及び管理テーブルTBL等の各種のデータを記憶する。記憶装置160は、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、及び、RAM(Random Access Memory)等の少なくとも1つによって構成されてもよい。記憶装置160は、レジスタ、キャッシュ、又は、メインメモリ(主記憶装置)等と呼ばれてもよい。
通信装置170は、端末装置200及び品質制御装置300等の他の装置とネットワークNWを介して通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)である。通信装置170は、例えば、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、又は、通信モジュール等とも呼ばれる。通信装置170は、例えば、周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の一方又は両方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、及び、周波数シンセサイザ等を含んで構成されてもよい。
端末装置200は、例えば、処理装置210、記憶装置260、通信装置270、入力装置280及び出力装置290を具備するコンピュータシステムにより実現される。処理装置210は、端末装置200の全体を制御するプロセッサであり、上述した管理装置100の処理装置110と同様に構成される。例えば、処理装置210は、記憶装置260から制御プログラムPR2を読み出し、読み出した制御プログラムPR2を実行することによって、要求部220等として機能する。なお、制御プログラムPR2は、ネットワークNWを介して他の装置から送信されてもよい。
要求部220は、例えば、QoS制御の開始を要求する場合に、開始要求REQs1及び端末情報TEinfを管理装置100に送信する。なお、QoS制御の開始の要求は、QoS制御の開始API(Application Programming Interface)を呼び出すことであってもよい。例えば、要求部220は、QoS制御の開始APIの呼び出しを管理装置100に対して実行することにより、QoS制御の開始を管理装置100に要求してもよい。
また、本実施形態では、要求部220は、例えば、QoS制御の終了を要求する場合に、QoS制御の終了を要求する終了要求REQeを品質制御装置300に送信する(図6のS270参照)。QoS制御の終了要求は、QoS制御の終了APIを呼び出すことであってもよい。例えば、要求部220は、QoS制御の終了APIの呼び出しを品質制御装置300に対して実行することにより、QoS制御の終了を品質制御装置300に要求してもよい。なお、要求部220は、終了要求REQeを、管理装置100を介して品質制御装置300に送信してもよい。本実施形態では、開始要求REQsを送信することには、QoS制御の開始APIを呼び出すことも含まれ、終了要求REQeを送信することには、QoS制御の終了APIを呼び出すことも含まれる。
記憶装置260は、処理装置210が読取可能な記録媒体であり、処理装置210が実行する制御プログラムPR2を含む複数のプログラム等の各種のデータを記憶する。記憶装置260は、上述した記憶装置160と同様に、例えば、ROM、EPROM、EEPROM、及び、RAM等の少なくとも1つによって構成されてもよい。
通信装置270は、管理装置100及び品質制御装置300等の他の装置とネットワークNWを介して通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、上述した通信装置170と同様に構成される。
入力装置280は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、及び、センサ等)である。例えば、入力装置280は、数字及び文字等の符号を処理装置210に入力するための操作と、端末装置200の表示面に表示されるアイコンを選択するための操作とを受付ける。例えば、端末装置200の表示面に対する接触を検出するタッチパネルが入力装置280として好適である。なお、入力装置280は、ユーザが操作可能な複数の操作子を含んでもよい。
出力装置290は、外部への出力を実施するディスプレイ等の出力デバイスである。出力装置290は、例えば、処理装置210による制御のもとで、画像を表示する。例えば、液晶表示パネル及び有機EL(Electro Luminescence)表示パネル等の各種の表示パネルが出力装置290として好適に利用される。なお、入力装置280及び出力装置290は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。また、出力装置290は、スピーカー及びLED(Light Emitting Diode)ランプ等を有する出力デバイスでもよい。
品質制御装置300は、例えば、サーバ等の情報処理装置であり、QoS制御を実行する。例えば、品質制御装置300は、端末装置200に対するQoS制御の開始を要求する開始要求REQs2を受けた場合、開始要求REQs2により指定されるQoSレベルのQoS制御を、端末装置200による通信に対して実行する。QoSレベルとしては、例えば、他の品質モードに比べて大容量のデータが転送可能な大容量モード、他の品質モードに比べてデータの遅延が小さい低遅延モード、及び、ベストエフォートによる制御が行われるベストエフォートモード等がある。また、品質制御装置300は、管理装置100と通信可能である。なお、QoSレベルは、端末装置200の他に、例えば、管理装置100等のサーバ、又は、ネットワークNWに含まれる装置(品質制御装置300とは別の図示しない装置)により指定されてもよい。
例えば、品質制御装置300は、開始要求REQs2により指定されるQoSレベルのQoS制御を実行する場合、開始要求REQs2に対する肯定応答ACKsを管理装置100に送信する(図6のS330参照)。また、品質制御装置300は、開始要求REQs2により指定されるQoSレベルのQoS制御を実行できない場合、開始要求REQs2に対する否定応答NACKsを管理装置100に送信する(図7のS332参照)。なお、否定応答NACKsは、「開始要求に応じた制御が実行されないことを示す情報」の一例である。
開始要求REQs2により指定されるQoSレベルのQoS制御を実行できるか否かは、例えば、QoS制御利用判定情報に基づいて判定される。QoS制御利用判定情報は、例えば、ネットワークNWに関するネットワーク情報、QoS制御に関するAPI情報、通信サービスの提供事業者情報、及び、緊急度情報の一部又は全部を含む。ネットワーク情報の一例は、後述する図5において説明する。また、API情報の一例は、後述する図3において説明する。提供事業者情報は、例えば、端末装置200に提供された通信サービスが仮想移動体通信事業者により提供された通信サービスか否かを判定するための情報である。また、緊急度情報は、例えば、通信の緊急度(例えば、災害時か否か等)を示す情報である。なお、QoS制御利用判定情報は、上述の項目以外の項目を含んでもよい。
図1では、品質制御装置300の構成を特に図示していないが、品質制御装置300は、例えば、管理装置100と同様に、品質制御装置300の全体を制御する処理装置と、各種のデータを記憶する記憶装置と、他の装置と通信を行うための通信装置とを具備するコンピュータシステムにより実現される。なお、品質制御装置300は、単体の装置として実現されてもよいし、相互に別体で構成された複数の装置の集合として実現されてもよい。例えば、品質制御装置300において、開始要求REQs2等を受け付ける機能とQoS制御を実行する機能とが、単体の装置として実現されてもよいし、相互に別体で構成された2つの装置の集合として実現されてもよい。あるいは、品質制御装置300は、QoS制御を実行する複数の装置を有してもよい。品質制御装置300は、「品質制御システム」の一例である。すなわち、「品質制御システム」は、単体の装置として実現されてもよいし、相互に別体で構成された複数の装置により実現されてもよい。
なお、管理装置100、端末装置200及び品質制御装置300の構成は、図1に示す例に限定されない。例えば、管理装置100は、端末装置200と同様に、入力装置及び出力装置を有してもよい。また、例えば、管理装置100は、補助記憶装置を有してもよい。補助記憶装置は、管理装置100が読取可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)等の光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、及び、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、及び、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、及び、磁気ストリップ等の少なくとも1つによって構成されてもよい。同様に、端末装置200及び品質制御装置300の一方又は両方は、補助記憶装置を有してもよい。補助記憶装置は、ストレージと呼ばれてもよい。
また、品質制御装置300は、対応するネットワークNWにおいてQoS制御を実行できればよく、ネットワークNWが品質制御装置300を含まずに定義されるか否かは特に限定されない。
図2は、図1に示した管理テーブルTBLの一例を示す説明図である。管理テーブルTBLには、例えば、所定処理をサービス管理部140が実行するために必要な情報を含む事業者個別情報CAinfが、通信事業者毎に記憶されている。
例えば、管理テーブルTBLは、複数の通信事業者と1対1に対応する複数のレコードを有する。そして、管理テーブルTBLの各レコードには、例えば、複数の通信事業者の中から各通信事業者を識別するための通信事業者IDと、通信事業者IDにより示される通信事業者の事業者個別情報CAinfとが記憶されている。
事業者個別情報CAinfは、例えば、通信事業者により管理装置100に通知されたAPIに関するAPI情報と、QoS制御の開始等を要求する際のアクセス先を示すアクセス先情報とを含む。API情報及びアクセス先情報は、通信事業者により公開されてもよい。API情報の一例は、後述する図3において説明する。アクセス先情報は、例えば、品質制御装置300のIP(Internet Protocol)アドレスであってもよいし、APIのURL(Uniform Resource Locator)であってもよい。また、アクセス先情報は、API情報に含まれてもよい。
管理装置100は、例えば、開始要求REQs2の送信先の品質制御装置300を管理している通信事業者の事業者個別情報CAinfに基づいて、開始要求REQs2を、QoS制御を実行する品質制御装置300に、送信する。なお、管理テーブルTBLは、図2に示す例に限定されない。例えば、複数の通信事業者が、2つ以上のネットワークNWを管理する一の通信事業者を含む場合、互いに異なる2つ以上の通信事業者IDが一の通信事業者に割り当てられてもよい。一の通信事業者に割り当てられる2つ以上の通信事業者IDは、例えば、一の通信事業者が管理する2つ以上のネットワークNWと1対1に対応する。ここで、一の通信事業者が2つ以上のネットワークNWを管理することは、例えば、QoS制御の開始等を要求する際のアクセス先(アクセス先情報)が互いに異なる2つ以上のネットワークNWを一の通信事業者が管理することであってもよい。
図3は、API情報の一例を示す説明図である。
API情報は、例えば、QoS制御の開始の要求、QoS制御の終了の要求、QoS制御の状態の確認、QoS制御の利用可否の確認及びSIM(Subscriber Identity Module)情報の取得等に関する情報を含む。さらに、API情報は、例えば、要求モード種別を示す情報、要求ネットワーク品質を示す情報、SIM情報、ユーザ装置情報、端末装置200が在圏するエリアに関するエリア情報、及び、通信事業者の独自機能を示す情報の一部又は全部を含む。
要求モード種別は、例えば、品質制御装置300に要求するQoS制御の品質モード(QoSレベル等)である。要求ネットワーク品質は、例えば、品質制御装置300に要求するQoS制御により実現されるネットワーク品質、又は、目標となるネットワーク品質である。ネットワーク品質としては、例えば、スループット、遅延時間、ジッタ、フレームレート及びパケット損失率等が該当する。SIM情報は、例えば、SIMに格納されている情報である。ユーザ装置情報は、例えば、端末装置200に格納されている情報である。SIM情報及びユーザ装置情報の一例は、後述する図4において説明する。
エリア情報は、端末装置200の位置を示す位置情報、端末装置200が在圏するエリアの地図情報、端末装置200が在圏するエリアの気象情報、端末装置200の周囲の遮蔽物に関する遮蔽物情報、及び、端末装置200が在圏するエリアの通信に関する障害通知の有無を示す情報の一部又は全部を含む。なお、エリア情報は、上述の項目以外の項目を含んでもよい。通信事業者の独自機能は、例えば、他の通信事業者と共通する機能と異なる機能であり、通信事業者により独自に付加された機能である。なお、独自機能は、「付加機能」の一例である。
なお、API情報に含まれる項目は、図3に示す例に限定されない。例えば、API情報は、図3に示した項目の一部を含まなくてもよい。あるいは、API情報は、図3に示した項目の一部又は全部と、図3に示した項目以外の項目(例えば、図2において説明したアクセス先情報等)とを含んでもよい。また、API情報に含まれる項目は、図1において説明したように、QoS制御利用判定情報に含まれてもよい。
図4は、端末情報TEinfの一例を示す説明図である。端末情報TEinfは、例えば、SIM情報及びユーザ装置情報を含む。
SIM情報は、例えば、開始要求REQsを送信した端末装置200に通信サービスを提供している通信事業者を特定する際に管理装置100により参照される。例えば、SIM情報は、IMSI(International Mobile Subscriber Identity)、MSNSDN(Mobile Subscriber Integrated Services Digital Network Number)、ICCID(Integrated Circuit Card ID)、契約情報、及び、契約状態を示す情報の一部又は全部を含む。なお、SIM情報に含まれる項目は、図4に示す例に限定されない。例えば、SIM情報は、図4に示した項目の一部又は全部と、図4に示した項目以外の項目とを含んでもよい。
ユーザ装置情報は、例えば、SIM情報と同様に、開始要求REQsを送信した端末装置200に通信サービスを提供している通信事業者を特定する際に管理装置100により参照されてもよい。ユーザ装置情報は、例えば、端末装置200のIPアドレス、端末装置200のモデル名、アプリケーション情報、対向サーバ情報、対向ユーザ装置情報、署名情報、パッケージ情報、端末装置200のOS(Operating System)に関するOS情報、端末装置200のメモリに関するメモリ情報、端末装置200のCPUに関するCPU情報、CPUの利用率、メモリの利用率、及び、ユーザの本人性情報の一部又は全部を含む。
端末装置200のIPアドレスは、例えば、通信事業者により提供される通信サービスを利用するために端末装置200に付与され、通信事業者を識別するための情報である。端末装置200のIPアドレスは、「第1識別情報」の一例である。アプリケーション情報は、例えば、端末装置200において実行されているアプリケーションプログラムの名称等を示す情報である。また、ユーザの本人性情報は、例えば、ユーザを認証する際に使用される情報(指紋、光彩、顔及びパスワード等)である。なお、ユーザ装置情報に含まれる項目は、図4に示す例に限定されない。例えば、ユーザ装置情報は、図4に示した項目の一部又は全部と、図4に示した項目以外の項目とを含んでもよい。
また、端末情報TEinfに含まれる項目は、図4に示す例に限定されない。例えば、端末情報TEinfは、SIM情報及びユーザ装置情報の一方を含まなくてもよい。あるいは、端末情報TEinfは、SIM情報及びユーザ装置情報の一方又は両方と、SIM情報及びユーザ装置情報以外の情報(例えば、後述する図5に示すネットワーク情報)とを含んでもよい。
図5は、ネットワーク情報の一例を示す説明図である。ネットワーク情報に含まれる項目は、例えば、図1において説明したように、QoS制御利用判定情報に含まれ、品質制御装置300が開始要求REQs2により指定されるQoSレベルのQoS制御を実行できるか否かを判定する際に、品質制御装置300により参照される。また、ネットワーク情報に含まれる項目は、端末情報TEinfに含まれてもよい。この場合、ネットワークNWに含まれる基地局等が、端末装置200からネットワークNWを介して管理装置100に送信される端末情報TEinfに、ネットワーク情報を付加してもよい。
ネットワーク情報は、例えば、5タプル情報、APN(Access Point Name)、通信方式情報、ネットワーク品質を示す情報、基地局の稼働率を示す情報、基地局の可用性を示す情報、及び、基地局への同時接続数を示す情報の一部又は全部を含む。5タプル情報は、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、送信元ポート番号、宛先ポート番号及びプロトコルIDを含む情報である。通信方式情報は、例えば、3G、4G、5G、WiFi(登録商標)、テザリング及び有線通信等の通信方式を示す。
なお、ネットワーク情報に含まれる項目は、図5に示す例に限定されない。例えば、ネットワーク情報は、図5に示した項目の一部又は全部と、図5に示した項目以外の項目とを含んでもよい。また、ネットワーク情報が端末情報TEinfに含まれる場合、QoS制御利用判定情報に含まれるネットワーク情報の項目は、端末情報TEinfに含まれるネットワーク情報の項目と相違してもよい。
図6は、図1に示したネットワークシステム10の動作の一例を示すシーケンスチャートである。図6に示す例では、複数のネットワークNWにそれぞれ接続された複数の端末装置200のうち、ネットワークNWaに接続された複数の端末装置200aのいずれかから開始要求REQs1が送信された場合を想定する。従って、図6の説明では、特に断りがない場合、端末装置200aは、ネットワークNWaに接続された複数の端末装置200aのうち、開始要求REQs1を送信した一の端末装置200aを意味するものとする。
先ず、端末装置200aの要求部220は、QoS制御の開始を要求するために、開始要求REQs1及び端末装置200aに関する端末情報TEinfを管理装置100に送信する(S200)。これにより、管理装置100の取得部120は、開始要求REQs1及び端末情報TEinfを端末装置200aから取得する(S100)。
そして、管理装置100の特定部130は、端末装置200aに対して通信サービスを提供する一の通信事業者を、端末装置200aから取得した端末情報TEinfに基づいて特定する(S110)。例えば、管理装置100の特定部130は、端末装置200aに対して通信サービスを提供する一の通信事業者を、端末情報TEinfに含まれる端末装置200aのIPアドレスに基づいて特定してもよい。あるいは、管理装置100の特定部130は、端末装置200aに対して通信サービスを提供する一の通信事業者を、端末情報TEinfに含まれるSIM情報(例えば、ICCID等)に基づいて特定してもよい。以下では、特に断りがない場合、一の通信事業者は、複数の通信事業者のうち、端末装置200aに対して通信サービスを提供する通信事業者を意味するものとする。
管理装置100のサービス管理部140は、一の通信事業者が特定された後、一の通信事業者に対応する事業者個別情報CAinfに基づいて、開始要求REQs2を一の通信事業者の品質制御装置300aに送信する(S120)。開始要求REQs2には、例えば、端末装置200aから取得した開始要求REQs1に含まれる項目が含まれる。なお、開始要求REQs2には、図3に示したAPI情報に含まれる項目の一部又は全部と、開始要求REQs1に含まれる項目とが含まれてもよい。従って、開始要求REQs2を品質制御装置300aに送信することには、開始要求REQs1を品質制御装置300aに送信することも含まれる。すなわち、管理装置100のサービス管理部140は、端末装置200aから取得した開始要求REQs1を品質制御装置300aに送信する処理を含む所定処理を、実行する。
品質制御装置300aは、管理装置100から送信された開始要求REQs2を受信する(S320)。そして、品質制御装置300aは、開始要求REQs2により指定されるQoSレベルのQoS制御を実行できるか否かを、QoS制御利用判定情報に基づいて判定する。図6に示す例では、開始要求REQs2により指定されるQoSレベルのQoS制御を品質制御装置300aが実行できる場合を想定する。従って、品質制御装置300aは、開始要求REQs2に対する肯定応答ACKs(開始要求REQsに応じたQoS制御が実行されることを示す情報)を、管理装置100に送信する(S330)。また、品質制御装置300aは、開始要求REQs2により指定されるQoSレベルのQoS制御を開始する(S340)。例えば、品質制御装置300aは、API情報に含まれるSIM情報等に基づいて、端末装置200aの電話番号を特定し、特定した電話番号に対応する端末装置200aに対して、開始要求REQs2により指定されるQoSレベルのQoS制御を開始する。これにより、端末装置200aに対するQoS制御が開始される。
また、管理装置100は、開始要求REQs2に対する肯定応答ACKsを、品質制御装置300aから受信する(S130)。そして、管理装置100のサービス管理部140は、品質制御装置300aから受信した肯定応答ACKsを、端末装置200aに送信する(S140)。端末装置200aは、開始要求REQs1に対する応答として、肯定応答ACKsを管理装置100から受信する(S240)。これにより、端末装置200aは、開始要求REQs1に応じたQoS制御が開始されたことを認識できる。
また、端末装置200aの要求部220は、端末装置200aに対するQoS制御を終了させる場合、終了要求REQeを品質制御装置300aに送信する(S270)。なお、品質制御装置300aにアクセスするための情報(品質制御装置300aのアドレス等)は、例えば、肯定応答ACKsに含まれてもよいし、管理装置100から端末装置200aに肯定応答ACKsとは別に送信されてもよい。
品質制御装置300aは、終了要求REQeを端末装置200aから受信する(S370)。そして、品質制御装置300aは、終了要求REQeに対する肯定応答ACKeを、端末装置200aに送信する(S380)。これにより、端末装置200aは、終了要求REQeに対する肯定応答ACKeを、品質制御装置300aから受信する(S280)。また、品質制御装置300aは、終了要求REQeにより示される端末装置200aに対するQoS制御を終了する(S390)。
このように、端末装置200aは、管理装置100に開始要求REQs1を送信することにより、QoS制御を品質制御装置300aに開始させることができる。すなわち、端末装置200aは、通信サービスを提供する通信事業者を特に認識することなく、QoS制御を品質制御装置300aに開始させることができる。
ここで、例えば、アプリケーションプログラムを提供するアプリケーション事業者は、QoS制御を利用するために、QoS制御を利用するためのQoS制御SDK(Software Development Kit)をアプリケーションプログラムに内包してもよい。開始要求REQs1の送信先は、アプリケーションプログラムがインストールされる端末装置200が接続されるネットワークNWを管理する通信事業者に拘わらず、管理装置100である。この結果、本実施形態では、複数の通信事業者が管理する複数のネットワークNWのいずれに対しても、QoS制御の実行を要求できるアプリケーションプログラムを作成する場合に、通信事業者に合わせて開始要求REQs1の送信先を変更する必要がない。このため、本実施形態では、アプリケーションプログラムが煩雑になることを抑制することができる。
なお、図6に示す例では、ネットワークNWaに接続された端末装置200aが開始要求REQs1を送信する場合を想定しているため、ネットワークNWbを管理する通信事業者の品質制御装置300bでは、端末装置200aに対するQoS制御に関する処理は、特に実行されない。
図7は、図1に示したネットワークシステム10の動作の別の例を示すシーケンスチャートである。図7に示す例では、図6に示した例と同様に、ネットワークNWaに接続された複数の端末装置200aのうちの一の端末装置200aから開始要求REQs1が送信された場合を想定する。従って、図7の説明においても、特に断りがない場合、端末装置200aは、ネットワークNWaに接続された複数の端末装置200aのうち、開始要求REQs1を送信した一の端末装置200aを意味するものとする。また、図7に示す例では、開始要求REQs2により指定されるQoSレベルのQoS制御を品質制御装置300aが実行できない場合を想定する。なお、図7に示す例では、品質制御装置300aが開始要求REQs2を受信するまでの動作(S200、S100、S110、S120及びS320)は、図6に示した動作と同様であるため、説明を省略する。
品質制御装置300aは、管理装置100から送信された開始要求REQs2を受信した後、開始要求REQs2により指定されるQoSレベルのQoS制御を実行できるか否かを、QoS制御利用判定情報に基づいて判定する。図7に示す例では、開始要求REQs2により指定されるQoSレベルのQoS制御を品質制御装置300aが実行できない場合を想定しているため、品質制御装置300aは、開始要求REQs2に対する否定応答NACKsを、管理装置100に送信する(S332)。
これにより、管理装置100は、開始要求REQs2に対する応答として、否定応答NACKsを品質制御装置300aから受信する(S132)。そして、管理装置100のサービス管理部140は、品質制御装置300aから受信した否定応答NACKsを、開始要求REQs1に対する応答として、端末装置200aに送信する(S142)。これにより、端末装置200aは、開始要求REQs1に対する応答として、否定応答NACKsを管理装置100から受信する。
なお、ネットワークシステム10の動作は、図6及び図7に示す例に限定されない。例えば、管理装置100のサービス管理部140は、開始要求REQs2に加えて、端末装置200aから取得した端末情報TEinfを品質制御装置300aに送信してもよい。すなわち、所定処理は、品質制御装置300に端末情報TEinfを送信する処理を含んでもよい。また、端末装置200aの要求部220は、終了要求REQeを、管理装置100を介して品質制御装置300aに送信してもよい。すなわち、端末装置200aの要求部220は、終了要求REQeを管理装置100に送信してもよい。この場合、管理装置100のサービス管理部140は、端末装置200aから受信した終了要求REQeを、品質制御装置300aに送信する。
また、品質制御装置300aは、否定応答NACKsを管理装置100に送信する場合、QoS制御を実行できない理由を示す否定理由情報を、管理装置100に送信してもよい。この場合、管理装置100のサービス管理部140は、否定応答NACKs及び否定理由情報の両方を端末装置200aに送信してもよい。
また、品質制御装置300aは、否定応答NACKsを、管理装置100及び端末装置200aの両方又は端末装置200aのみに送信してもよい。この場合においても、品質制御装置300aは、否定応答NACKsと一緒に否定理由情報を送信してもよい。
また、管理装置100のサービス管理部140は、QoS制御に関する予め決められた複数の品質モードのいずれにも、開始要求REQs1により指定される品質モードが当てはまらない場合、開始要求REQs1を棄却してもよい。この場合、管理装置100のサービス管理部140は、開始要求REQs2を品質制御装置300aに送信せずに、否定応答NACKsを端末装置200aに送信してもよい。この場合においても、管理装置100のサービス管理部140は、否定応答NACKsと一緒に否定理由情報を送信してもよい。
また、管理装置100のサービス管理部140は、品質モード以外の条件に基づいて、開始要求REQs1を棄却するか否かを判定してもよい。すなわち、管理装置100のサービス管理部140が、開始要求REQs2により指定されるQoSレベルのQoS制御を品質制御装置300aが実行できるか否かを、QoS制御利用判定情報に基づいて判定してもよい。例えば、管理装置100のサービス管理部140は、開始要求REQs2により指定されるQoSレベルのQoS制御を品質制御装置300aが実行できないと判定した場合、開始要求REQs2を品質制御装置300aに送信せずに、否定応答NACKsを端末装置200aに送信してもよい。この場合においても、管理装置100は、否定応答NACKsと一緒に否定理由情報を端末装置200aに送信してもよい。
以上、本実施形態では、管理装置100は、取得部120、特定部130及びサービス管理部140を有する。取得部120は、複数の通信事業者に管理される複数のネットワークNWにそれぞれ接続される複数の端末装置200のうちの一の端末装置200に対して提供される通信サービスの品質の制御の開始を要求する開始要求REQs1と一の端末装置200に関する端末情報TEinfとを取得する。特定部130は、端末情報TEinfに基づいて、複数の通信事業者のうち、一の端末装置に対して通信サービスを提供する一の通信事業者を、特定する。サービス管理部140は、一の端末装置200に対する通信サービスの品質の制御を一の通信事業者の品質制御装置300に開始させるための所定処理を実行する。
このように、本実施形態では、端末装置200から開始要求REQs1を取得した管理装置100が、一の端末装置200に対する通信サービスの品質の制御を一の通信事業者の品質制御装置300に開始させるための所定処理を、実行する。従って、本実施形態では、端末装置200aは、通信サービスを提供する通信事業者に拘わらず、管理装置100に開始要求REQs1を送信することにより、QoS制御を品質制御装置300aに開始させることができる。すなわち、開始要求REQs1の送信先は、アプリケーションプログラムがインストールされる端末装置200が接続されるネットワークNWを管理する通信事業者に拘わらず、管理装置100である。この結果、本実施形態では、複数の通信事業者が管理する複数のネットワークNWのいずれに対しても、QoS制御の実行を要求できるアプリケーションプログラムを作成する場合に、アプリケーションプログラムが煩雑になることを抑制することができる。
また、本実施形態では、例えば、端末情報TEinfは、一の通信事業者により提供される通信サービスを利用するために一の端末装置200に付与された、一の通信事業者を識別するためのIPアドレスを含んでもよい。この場合、特定部130は、一の端末装置に対して通信サービスを提供する一の通信事業者を、一の端末装置200のIPアドレスに基づいて容易に特定することができる。
また、本実施形態では、例えば、所定処理は、一の通信事業者の品質制御装置300に開始要求REQs1を送信する処理を含む。これにより、本実施形態では、一の端末装置200に対する通信サービスの品質の制御を一の通信事業者の品質制御装置300に開始させることができる。
また、本実施形態では、例えば、所定処理は、一の通信事業者の品質制御装置300に端末情報TEinfを送信する処理を含んでもよい。この場合、品質制御装置300は、開始要求REQs1に応じたQoS制御を実行できるか否かの判定を、端末情報TEinfを含むQoS制御利用判定情報に基づいて実行できる。
また、本実施形態では、例えば、サービス管理部140は、一の通信事業者の品質制御装置300において開始要求REQs1に応じた制御が実行されない場合、開始要求REQs1に応じたQoS制御が実行されないことを示す否定応答NACKsを、一の端末装置200に送信してもよい。この場合、端末装置200は、否定応答NACKsの受信により、開始要求REQs1に応じたQoS制御が実行されないことを認識できる。
また、本実施形態では、例えば、サービス管理部140は、QoS制御に関する予め決められた複数の品質モードのいずれにも、開始要求REQs1により指定される品質モードが当てはまらない場合、開始要求REQs1を棄却してもよい。この場合、開始要求REQs1に応じた制御を実行できるか否かを品質制御装置300が判定する必要がないため、品質制御装置300の負荷が増加することを抑制することができる。
[2.変形例]
本発明は、以上に例示した実施形態に限定されない。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を併合してもよい。
[第1変形例]
上述した実施形態では、通信サービスの品質の制御を品質制御装置300に開始させるための所定処理が、品質制御装置300に開始要求REQs2を送信する処理を含む場合を示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、所定処理は、一の通信事業者の品質制御装置300に対して一の端末装置200が通信サービスの品質の制御を要求するために必要な事業者個別情報CAinfを、一の端末装置200に送信する処理を含んでもよい。
図8は、第1変形例に係るネットワークシステム10の動作の一例を示すシーケンスチャートである。図8に示す例では、図6に示した例と同様に、ネットワークNWaに接続された複数の端末装置200aのうちの一の端末装置200aから開始要求REQs1が送信された場合を想定する。従って、図8の説明においても、特に断りがない場合、端末装置200aは、ネットワークNWaに接続された複数の端末装置200aのうち、開始要求REQs1を送信した一の端末装置200aを意味するものとする。また、図1から図7において説明した動作と同様の動作については、詳細な説明を省略する。
図8に示す例では、管理装置100の動作は、図6に示したステップS120の処理の代わりにステップS120Aの処理が実行されること、及び、図6に示したステップS140の処理が実行されないことを除いて、図6に示した管理装置100の動作と同様である。また、端末装置200aの動作は、ステップS210及びS220の処理が実行されること、及び、図6に示したステップS240の処理の代わりにステップS230の処理が実行されることを除いて、図6に示した端末装置200aの動作と同様である。なお、品質制御装置300aの動作は、図6に示した品質制御装置300aの動作と同様である。但し、図8に示す動作では、品質制御装置300aが受信する開始要求REQs2は、端末装置200aから送信され、肯定応答ACKsの送信先は、端末装置200aである。
例えば、管理装置100は、端末装置200aに対して通信サービスを提供する一の通信事業者を端末情報TEinfに基づいて特定した後、図2及び図3等において説明した事業者個別情報CAinfを端末装置200aに送信する(S120A)。すなわち、管理装置100のサービス管理部140は、一の通信事業者の品質制御装置300aに対して端末装置200aが通信サービスの品質の制御を要求するために必要な事業者個別情報CAinfを、端末装置200aに送信する。
これにより、端末装置200aは、一の通信事業者の事業者個別情報CAinfを管理装置100から受信する(S210)。そして、端末装置200aの要求部220は、管理装置100から受信した事業者個別情報CAinfに基づいて、開始要求REQs2を品質制御装置300aに送信する(S220)。すなわち、端末装置200aの要求部220は、管理装置100に送信した開始要求REQs1の応答として管理装置100から受信した事業者個別情報CAinfに基づいて、開始要求REQs2を品質制御装置300aに送信する。
これにより、品質制御装置300aは、端末装置200aから送信された開始要求REQs2を受信する(S320)。そして、品質制御装置300aは、開始要求REQs2により指定されるQoSレベルのQoS制御を実行できるか否かを、QoS制御利用判定情報に基づいて判定する。図8に示す例では、開始要求REQs2により指定されるQoSレベルのQoS制御を品質制御装置300aが実行できる場合を想定する。従って、品質制御装置300aは、開始要求REQs2に対する肯定応答ACKs(開始要求REQsに応じたQoS制御が実行されることを示す情報)を、端末装置200aに送信する(S330)。また、品質制御装置300aは、開始要求REQs2により指定されるQoSレベルのQoS制御を開始する(S340)。これにより、端末装置200aに対するQoS制御が開始される。
端末装置200aは、開始要求REQs2に対する肯定応答ACKsを、品質制御装置300aから受信する(S230)。これにより、端末装置200aは、開始要求REQs2に応じたQoS制御が開始されたことを認識できる。
このように、端末装置200aは、管理装置100に開始要求REQs1を送信することにより、QoS制御を品質制御装置300aに開始させるために必要な事業者個別情報CAinfを取得することができる。これにより、第1変形例においても、複数の通信事業者が管理する複数のネットワークNWのいずれに対しても、QoS制御の実行を要求できるアプリケーションプログラムを作成する場合に、通信事業者に合わせて開始要求REQs1の送信先を変更する必要がない。このため、第1変形例においても、アプリケーションプログラムが煩雑になることを抑制することができる。
以上、第1変形例では、品質制御装置300に開始要求REQs2等を送信する処理(S120)の代わりに、開始要求REQsの送信元の端末装置200に事業者個別情報CAinfを送信する処理(S120A)が、所定処理として実行される。第1変形例においても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
[第2変形例]
上述した実施形態及び第1変形例では、端末装置200aが終了要求REQeを品質制御装置300aに送信する場合を示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、サービス管理部140は、一の端末装置200に関する所定の制御終了条件が満たされた場合、一の端末装置200に対して提供される通信サービスの品質の制御の終了を要求する終了要求REQeを、一の通信事業者の品質制御装置300に送信してもよい。
図9は、第2変形例に係るネットワークシステム10の動作の一例を示すシーケンスチャートである。なお、図9は、ネットワークNWaに接続された複数の端末装置200aのうちの一の端末装置200aに対するQoS制御が開始された後のネットワークシステム10の動作の一例を示している。従って、図9の説明においても、特に断りがない場合、端末装置200aは、ネットワークNWaに接続された複数の端末装置200aのうち、開始要求REQs1を送信した一の端末装置200aを意味するものとする。また、図1から図8において説明した動作と同様の動作については、詳細な説明を省略する。
図9に示す例では、制御終了条件が、QoS制御の対象となるアプリケーションプログラムが異常終了することである場合を想定する。以下では、QoS制御の対象となるアプリケーションプログラムは、制御対象アプリケーションプログラムとも称される。なお、図9の星印は、制御対象アプリケーションプログラムが異常終了したことを示す。また、図9に示す例では、端末装置200aが、制御対象アプリケーションプログラムが動作している期間中、端末装置200aを識別するための端末識別情報TIDinfを所定間隔で管理装置100に送信する場合を想定する。例えば、図9の×印は、端末識別情報TIDinfの送信が途絶えたことを示す。
端末装置200aは、制御対象アプリケーションプログラムが動作している期間中、端末識別情報TIDinfを所定間隔で管理装置100に送信する(S250)。端末識別情報TIDinfの送信は、例えば、pingコマンドを実行することであってもよい。
また、管理装置100のサービス管理部140は、開始要求REQs1を端末装置200aから取得した後、制御対象アプリケーションプログラムの異常終了を検出するために、端末装置200aの動作を監視する(S150)。例えば、管理装置100のサービス管理部140は、端末装置200aから端末識別情報TIDinfが所定間隔で送信されているかを監視する。
制御対象アプリケーションプログラムが異常終了した場合(図9の星印)、端末識別情報TIDinfの送信が途絶える(図9の×印)。この場合、管理装置100は、端末装置200aから端末識別情報TIDinfを受信した時刻から、所定間隔に対応する所定時間以上経過しても、端末装置200aから次の端末識別情報TIDinfを受信できない。このため、管理装置100のサービス管理部140は、端末装置200aからの端末識別情報TIDinfの送信が途絶えたと判定する。端末装置200aからの端末識別情報TIDinfの送信が途絶えたため、管理装置100のサービス管理部140は、制御対象アプリケーションプログラムが異常終了したと判定する。すなわち、管理装置100のサービス管理部140は、制御終了条件が充足されたと判定する(S160)。このため、管理装置100のサービス管理部140は、端末装置200aに対するQoS制御の終了を要求する終了要求REQeを、品質制御装置300aに送信する(S170)。
これにより、品質制御装置300aは、終了要求REQeを管理装置100から受信する(S370)。そして、品質制御装置300aは、終了要求REQeに対する肯定応答ACKeを、管理装置100に送信する(S380)。これにより、管理装置100は、終了要求REQeに対する肯定応答ACKeを、品質制御装置300aから受信する(S180)。また、品質制御装置300aは、終了要求REQeにより示される端末装置200aに対するQoS制御を終了する(S390)。
このように、管理装置100は、例えば、制御対象アプリケーションプログラムが異常終了した場合、端末装置200aに対するQoS制御を終了させることができる。この結果、第2変形例では、不要なQoS制御が継続されることを抑制することができる。
なお、制御対象アプリケーションプログラムが正常に終了した場合は、終了要求REQeが端末装置200aから品質制御装置300aに送信されることにより、端末装置200aに対するQoS制御が終了する。この場合においても、端末識別情報TIDinfの送信が途絶えるため、終了要求REQeが管理装置100から送信される。しかし、終了要求REQeは、端末装置200aに対するQoS制御の終了の要求であるため、端末装置200a及び管理装置100のそれぞれから品質制御装置300aに終了要求REQeが送信される場合でも、特に問題は発生しない。なお、端末装置200aは、制御対象アプリケーションプログラムが正常に終了した場合、終了要求REQeを管理装置100及び品質制御装置300aの両方に送信してもよい。この場合、終了要求REQeを端末装置200aから受信した管理装置100は、終了要求REQeを品質制御装置300aに送信することなく、端末装置200aの動作の監視を終了してもよい。
第2変形例に係るネットワークシステム10の動作は、図9に示す例に限定されない。例えば、管理装置100のサービス管理部140は、終了要求REQeに対する肯定応答ACKeを品質制御装置300aから受信した場合、QoS制御を終了させたことを示す情報を、端末装置200aに送信してもよい。また、例えば、端末装置200aの動作の監視は、端末識別情報TIDinfを用いた方法に限定されない。管理装置100のサービス管理部140は、例えば、制御対象アプリケーションプログラムが動作しているかを端末装置200aに問い合わせることにより、端末装置200aの動作を監視してもよい。
また、制御終了条件は、制御対象アプリケーションプログラムが異常終了することに限定されない。例えば、制御終了条件は、端末装置200aが異常終了することを含んでもよいし、端末装置200aとネットワークNWaとの接続が予め決められた処理が実行されずに切断されることを含んでもよい。
また、例えば、QoS制御の終了は、ネットワークNWaとの接続の切断等の接続異常が発生した1つの端末装置200に対して実行されてもよいし、接続異常が発生した複数の端末装置200に対して実行されてもよいし、接続異常が発生した端末装置200と同じネットワークNWaに接続された全ての端末装置200に対して実行されてもよい。
また、例えば、品質制御装置300aは、管理装置100からの終了要求REQeを棄却してもよい。
以上、第2変形例においても、上述した実施形態及び第1変形例と同様の効果を得ることができる。さらに、第2変形例では、端末装置200に関する所定の制御終了条件が満たされた場合、一の端末装置200に対するQoS制御を終了させることができるため、不要なQoS制御が継続されることを抑制することができる。すなわち、第2変形例では、制御対象アプリケーションプログラム等が異常終了した場合、又は、端末装置200aとネットワークNWaとの接続が予め決められた処理が実行されずに切断された場合、ネットワークNWaにおける通信サービスの品質を元の状態(端末装置200aに対するQoS制御が実行される前の状態)に正常に戻すことができる。なお、例えば、端末装置200aの動作の監視、及び、制御終了条件が充足されたかの判定は、品質制御装置300aにより実行されてもよい。
[第3変形例]
上述した実施形態、第1変形例及び第2変形例では、通信事業者の独自機能が追加された場合の管理装置100の動作については、特に説明していないが、管理装置100は、独自機能が追加された場合、開始要求REQsの送信元の端末装置200に、独自機能を示す情報を送信してもよい。
例えば、サービス管理部140は、特定部130により特定された一の通信事業者により実行可能なQoS制御に関する機能が、複数の通信事業者において共通な機能と、独自機能とを含む場合、開始要求REQsを送信した一の端末装置200に、独自機能を示す情報を送信してもよい。すなわち、所定処理は、一の通信事業者により実行可能なQoS制御に関する機能が、複数の通信事業者において共通な機能と、一の通信事業者により付加された独自機能とを含む場合、独自機能を示す情報を一の端末装置200に送信する処理を含んでもよい。
ここで、例えば、複数の通信事業者において共通な機能は、端末装置200が独自機能を示す情報を受信したか否かに拘わらず、端末装置200が品質制御装置300に要求できるQoS制御の品質モードである。例えば、大容量モード、低遅延モード、及び、ベストエフォートモードが、複数の通信事業者において共通な機能であってもよい。この場合、大容量モード、低遅延モード、及び、ベストエフォートモードのいずれとも異なる品質モード(独自機能)が、通信事業者毎に、QoS制御に関する機能に付加されてもよい。あるいは、大容量モード、低遅延モード、及び、ベストエフォートモードの少なくとも1つをより詳細に設定する独自機能が、通信事業者毎に、QoS制御に関する機能に付加されてもよい。なお、管理装置100は、各通信事業者が独自機能の追加に関するコードを付与できる機能を有してもよい。
端末装置200は、独自機能を示す情報を受信した場合、複数の通信事業者において共通な機能と独自機能とを含む複数の機能の中から、所望の機能を、品質制御装置300に要求するQoS制御の品質モードとして選択してもよい。例えば、端末装置200は、複数の通信事業者において共通な機能と独自機能とを含む複数の機能の中から選択した機能(品質モード)のQoS制御を要求する開始要求REQsを、管理装置100又は品質制御装置300に送信してもよい。
なお、端末装置200は、通信サービスを提供する通信事業者が他の通信事業者に変更された場合、変更前の通信事業者の独自機能を選択できないように、変更前の通信事業者の独自機能を示す情報を削除してもよい。
以上、第3変形例においても、上述した実施形態、第1変形例及び第2変形例と同様の効果を得ることができる。さらに、第3変形例では、通信事業者の独自機能によるQoS制御を端末装置200が要求することができる。なお、例えば、品質制御装置300が、開始要求REQsの送信元の端末装置200に、独自機能を示す情報を送信してもよい。
[第4変形例]
上述した実施形態、第1変形例、第2変形例及び第3変形例では、特定部130により特定された一の通信事業者が仮想移動体通信事業者である場合については、特に説明していないが、一の通信事業者が仮想移動体通信事業者である場合、管理装置100は、例えば、以下に示す例のように動作してもよい。
仮想移動体通信事業者により管理されるネットワークNWのQoS制御の実行の権限を、仮想移動体通信事業者が有する場合、管理装置100の動作は、上述した実施形態、第1変形例、第2変形例及び第3変形例の管理装置100の動作と同様である。
また、仮想移動体通信事業者により管理されるネットワークNWのQoS制御の実行の権限を他の通信事業者が有する場合、管理装置100は、例えば、仮想移動体通信事業者を識別するための事業者識別情報と開始要求REQs2とを、他の通信事業者の品質制御装置300に送信してもよい。他の通信事業者は、例えば、ネットワークNWを仮想移動体通信事業者に貸し出している移動体通信事業者である。また、事業者識別情報は、例えば、仮想移動体通信事業者のAPNであってもよい。なお、事業者識別情報は、「第2識別情報」の一例である。他の通信事業者の品質制御装置300は、事業者識別情報及び開始要求REQs2に基づいて、QoS制御を実行するかを決定してもよい。また、仮想移動体通信事業者の所定の装置が、例えば、他の通信事業者の品質制御装置300にQoS制御を実行するかを問い合わせてもよい。
ここで、仮想移動体通信事業者により管理されるネットワークNWのQoS制御の実行の権限を他の通信事業者が有する場合は、仮想移動体通信事業者の品質制御装置300が、他の通信事業者の品質制御装置300と共通である場合に該当する。すなわち、一の通信事業者が仮想移動体通信事業者であり、且つ、仮想移動体通信事業者の品質制御装置300が、複数の通信事業者のうち、一の通信事業者とは異なる他の通信事業者の品質制御装置300と共通である場合、所定処理は、事業者識別情報及び開始要求REQsを、品質制御装置300に送信する処理を含んでもよい。
以上、第4変形例においても、上述した実施形態、第1変形例、第2変形例及び第3変形例と同様の効果を得ることができる。
[第5変形例]
上述した実施形態、及び、第1変形例から第4変形例までの変形例では、通信サービスが海外ローミングにより提供される場合については、特に説明していないが、通信サービスが海外ローミングにより提供される場合、管理装置100は、上述した実施形態及び変形例と同様に動作してもよい。但し、管理装置100又は端末装置200は、通信サービスが海外ローミングにより提供されているか否かを判定し、判定結果に基づいて、QoS制御の開始を要求するか否かを判定してもよい。あるいは、品質制御装置300は、通信サービスが海外ローミングにより提供されているか否かを判定し、判定結果に基づいて、QoS制御を実行するか否かを判定してもよい。以上、第5変形例においても、上述した実施形態及び変形例と同様の効果を得ることができる。
[第6変形例]
上述した実施形態、及び、第1変形例から第5変形例までの変形例では、複数の通信事業者にそれぞれ管理された複数のネットワークNWに1つの端末装置200が同時に接続されている場合については、特に説明していないが、1つの端末装置200は、複数のネットワークNWに同時に接続されてもよい。すなわち、端末装置200は、複数のネットワークNWに同時に接続されている場合でも、「複数のネットワークにそれぞれ接続される複数の端末装置のうちの一の端末装置」に該当する。なお、複数のネットワークNWに同時に接続としては、例えば、複数のネットワークNWとの接続が確立されている状態が該当する。
以下の説明では、ネットワークNWa及びNWbに同時に接続されている端末装置200が、ネットワークNWaを介して管理装置100に開始要求REQs1及び端末情報TEinfを送信した場合を想定する。この場合、管理装置100の特定部130は、例えば、端末情報TEinfに含まれるSIM情報等に基づいて、開始要求REQs1等の送信に使用されたネットワークNWaを管理する通信事業者(端末装置200に対して通信サービスを提供する一の通信事業者)を特定してもよい。
また、以下の説明では、ネットワークNWa及びNWbに同時に接続されている端末装置200が、ネットワークNWaを介して管理装置100に開始要求REQs1及び端末情報TEinfを送信し、さらに、ネットワークNWbを介して管理装置100に開始要求REQs1及び端末情報TEinfを送信した場合を想定する。この場合、管理装置100の特定部130は、例えば、ネットワークNWaを介して取得した端末情報TEinfに基づいて、ネットワークNWaを管理する通信事業者を特定し、ネットワークNWbを介して取得した端末情報TEinfに基づいて、ネットワークNWbを管理する通信事業者を特定する。
このように、第6変形例においても、端末装置200に対して通信サービスを提供する通信事業者を、端末情報TEinfに基づいて特定することができる。従って、第6変形例においても、上述した実施形態、及び、第1変形例から第5変形例までの変形例と同様の効果を得ることができる。
なお、管理装置100の特定部130は、端末装置200から取得した複数の端末情報TEinfに基づいて特定した複数の通信事業者のうち、一部の通信事業者を、QoS制御を実行させる品質制御装置300を管理している通信事業者として特定してもよい。例えば、特定部130は、複数の端末情報TEinfに基づいて特定した複数の通信事業者のうち、最も電波強度の高い通信事業者を、QoS制御を実行させる品質制御装置300を管理している通信事業者として特定してもよい。あるいは、特定部130は、複数の端末情報TEinfに基づいて特定した複数の通信事業者のうち、端末装置200に最も近い位置に基地局を有する通信事業者を、QoS制御を実行させる品質制御装置300を管理している通信事業者として特定してもよい。なお、複数の端末情報TEinfに基づいて特定された複数の通信事業者から、QoS制御を実行させる品質制御装置300を管理している通信事業者を特定する方法は、上述の例に限定されない。
また、管理装置100は、複数の端末情報TEinfに基づいて特定した複数の通信事業者から、QoS制御を実行させる品質制御装置300を管理している通信事業者を特定した場合、特定した通信事業者以外の通信事業者により管理されるネットワークNWと端末装置200との間の通信を一時的に停止してもよい。この場合、通信品質の高いネットワークNWを端末装置200が効率よく使用することができるため、端末装置200に対する通信サービスの品質が低下することを抑制することができる。
[第7変形例]
上述した実施形態、及び、第1変形例から第6変形例までの変形例では、端末装置200が開始要求REQs1を管理装置100に送信する場合を示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、QoS制御の対象となるアプリケーションプログラムを実行している端末装置200の通信先であるアプリケーション管理装置(図示せず)が、端末装置200に対するQoS制御の開始要求REQs1と端末装置200に関する端末情報TEinfとを、管理装置100に送信してもよい。すなわち、管理装置100の取得部120は、端末装置200に対するQoS制御の開始要求REQs1と端末装置200に関する端末情報TEinfとを、アプリケーション管理装置から取得してもよい。この場合においても、上述した実施形態、及び、第1変形例から第6変形例までの変形例と同様の効果を得ることができる。
また、管理装置100の取得部120は、開始要求REQs1が端末装置200又はアプリケーション管理装置から送信されていない場合でも、QoS制御の対象となるアプリケーションプログラムを実行している端末装置200に関する端末情報TEinfを、端末装置200又はアプリケーション管理装置から取得してもよい。そして、管理装置100のサービス管理部140は、開始要求REQs1を取得部120が取得していなくても、端末情報TEinf(例えば、アプリケーション情報及びエリア情報等)に基づいて、開始要求REQs2及び終了要求REQeを品質制御装置300に送信してもよい。例えば、QoS制御を受けている端末装置200の位置が移動したことにより、QoS制御を実行する品質制御装置300が変更される場合、サービス管理部140は、端末情報TEinfに含まれるエリア情報等に基づいて、変更後の品質制御装置300に開始要求REQs2を送信してもよい。サービス管理部140が開始要求REQs2等を送信する場合においても、上述した実施形態、及び、第1変形例から第6変形例までの変形例と同様の効果を得ることができる。
[3.その他]
(1)上述した実施形態では、記憶装置(例えば、記憶装置160及び260)は、処理装置(例えば、処理装置110及び210)が読取可能な記録媒体であり、ROM及びRAMなどを例示したが、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、CD-ROM(Compact Disc-ROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ、データベース、サーバその他の適切な記憶媒体である。また、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。また、プログラムは、電気通信回線を介して通信網から送信されてもよい。
(2)上述した実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi)、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
(3)上述した実施形態において、説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
(4)上述した実施形態において、入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
(5)上述した実施形態において、判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
(6)上述した実施形態において例示した処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
(7)図1等の図面に例示された各機能は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
また、通信装置170及び270は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置170及び270は、例えば、周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。
(8)上述した実施形態で例示したプログラムは、ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
(9)前述の各形態において、「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
(10)本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
(11)上述した実施形態において、端末装置200は、移動局(MS:Mobile Station)である場合が含まれる。移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。また、本開示においては、「移動局」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」等の用語は、互換的に使用され得る。
(12)上述した実施形態において、「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
(13)上述した実施形態において、「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
(14)本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
(15)上述した実施形態において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
(16)本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
(17)本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」等の用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
(18)本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。