JP7545609B1 - 積層体、包装袋、蓋材、および積層体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリオレフィン基材層による積層体をヒートシールする際に、ヒートシール時の積層体の収縮が抑制され、複数回のヒートシール時においても成形性に優れ、ヒートシール時に透明コート層表面の傷も発生せず、かつ積層体の内層に施された色や意匠を確認することができる積層体を提供することを目的とする。【解決手段】ヒートシール層と、基材層と、基材層からみてヒートシール層とは反対側の最外面に透明コート層を有する積層体であって、前記基材層はポリオレフィン樹脂を含むフィルムであり、前記透明コート層は、バインダー樹脂、固体粒子を含み、前記バインダー樹脂は、アクリルポリオールまたは塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体と、イソシアネート化合物との架橋組成物を含み、前記固体粒子は、平均粒子径が3~15μmの酸化ポリエチレンワックス粒子と、平均粒子径が1~30μmのシリカ粒子とを含む、積層体。【選択図】 なし

Description

本発明は、ヒートシール層を有する積層体、包装袋、蓋材、および積層体の製造方法に関する。
近年、世界各国において資源循環への国際的な意識の高まりやごみ問題の深刻化があり、食品、医薬品等に求められるプラスチック製包装材料についても、3R(recycle、reuse、reduce)の観点から環境対応型の製品が求められている。
前記の環境に優しい包装材料とする検討の一つとして、包装材料がリサイクル可能な同一素材から成ること、つまりモノマテリアル化することが積極的に検討されている。モノマテリアル化のための素材としては、例えばポリエステル系またはポリオレフィン系の検討がそれぞれ進められている。
こうした包装材料へのモノマテリアル化への取り組みから、食品、菓子、スナック等の包装フィルムや包装袋、食品容器の蓋材、また容器に付着するラベルにおいて、リサイクルを促進して環境負荷を低減するため、モノマテリアル(単一素材)化が進んでいる。これら包装袋、および蓋材では、フィルム同士や、フィルムと容器とをヒートシール剤を用いて融着して密封や接着されることがあり、単一素材のフィルム基材とヒートシール剤とを含む多層の積層体が用いられる。
しかし、従来の異種材料を組み合わせた積層体は、包装材料の耐性や強度を向上させるよう様々な材料、例えば低収縮、高強度かつ高融点のポリエチレンテレフタレート樹脂やナイロン樹脂を基材として用いる等の材料を選択していたが、単一素材であるモノマテリアルでは、ヒートシール材に合わせるよう、多層体の素材の多くをポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂のみで構成する必要があり、基材となるポリオレフィン樹脂は他の樹脂に比べて低融点かつ高収縮である都合、ヒートシールの処理を行う際に基材の収縮が発生し、折れやヒートシール部分の曲がり等のトラブルが発生することがあった。
特に、現在主流の高速製袋機では、積層および印刷された積層体原反を、ラインの高速化、かつ内容物のヒートシール部分からの漏出防止の観点から、1つの包装材料に対して、ヒートシールを複数回行うことが主流であり、大量生産する場合、ヒートシール時に収縮した基材をさらにヒートシール時に加熱するため成形された包装袋がゆがむ、ヒートシール部分が曲がる等のヒートシール時のトラブルの頻度が高かった。
こうしたポリオレフィンにおけるヒートシール時のトラブルを回避する方法がこれまでにもいくつか提案されている。
特許文献1は、保護層とポリエチレン製の基材層とシーラント層を備える積層体に係る発明であって、熱硬化性樹脂又は融点160℃以上の樹脂を保護層とすることで、ヒートシールバーへの溶融した基材の付着やヒートシール部のシワといった外観のトラブルを抑制した耐熱性が得られ、印刷視認性にも優れるとある。しかし、前記の通りポリオレフィン基材は高収縮な基材であるため、接着性を高めるよう加熱したヒートシールバーの押しつけを繰り返し行うと、基材であるポリオレフィンが収縮して形状がゆがみ、ゆがんだ状態でヒートシールされた部分が折れて融着されることがある問題があった。
特許文献2は、ポリオレフィン系樹脂層と、酸変性オレフィン系樹脂を含有する層と、ポリウレタンコーティング剤からなる層である多層フィルムの発明であり、特定の融点およびメルトフローレートのポリオレフィン系樹脂と、(メタ)アクリル酸エステルを含む酸変性オレフィン系樹脂を共押出積層することでヒートシール時の収縮を抑え、さらにポリウレタンコーティング剤からなる層を設けることで包装機械適性、およびコート層とオレフィン系フィルムの密着性に優れるとあり、実施例では縦ピロー包装を行った際にヒートシール部分の収縮、シワ、および剥がれのないことが示されている。
しかし、ピロー包装のように、内容物を入れてヒートシールの1回の動作で時間をかけて封止する場合のヒートシール時のトラブルを解決できるものであったが、高速製袋機のように複数回ヒートシールバーを動作させてヒートシールを行う場合、収縮やシワのトラブルがあり、また特許文献2における収縮の抑制は基材となる酸変性オレフィン系樹脂を共押出積層したポリプレピレンフィルムのメルトフローレートや融点といった樹脂物性による効果であるため、基材の選択が限定された。
また、特許文献3は、融点150℃以上であるプロピレン系重合体、プロピレン-α-オレフィン樹脂組成物、および特定形状の定形球状シリカまたは有機系アンチブロッキング剤を含有するポリプロピレン樹脂組成物に関わる発明であり、前記ポリプロピレン樹脂組成物を、ポリプロピレンと溶融押出により積層することで、アンチブロッキング剤の白斑が少なく、ヒートシールバーへ積層体が融着しない耐熱性を有する積層体が得られるとある。しかし、樹脂中に粒子を含有した樹脂組成物は、含有しない樹脂に比べて積層体が収縮する傾向があり、特許文献1と同様、接着性を高めるよう加熱したヒートシールバーの押しつけを繰り返し行うと、基材であるポリオレフィンが収縮して形状がゆがみ、ヒートシール部分が折れて融着される問題があった。
特許文献4は、表面にコーティング層を形成し、角度60°の鏡面光沢度が50以下の熱収縮性のプラスチックラベルの発明であって、実施例においてアクリル系樹脂、有機物コートされた表面処理シリカ、シリコーンオイル、及び酸化ポリエチレン系ワックスまたはフッ素樹脂粉末を含有したコーティング剤により熱収縮性ポリエステル系フィルムにコーティング層を形成してシュリンクラベルとすることで、つや消し、滑り性、および耐スクラッチ性にすぐれ、容器にヒートシールしたラベル同士がホットベンダー内で熱融着しない容器を提供できるとある。しかし、熱収縮性フィルムにおけるラベル表面同士の熱融着は解決できるものの、容器形状に添う様に熱収縮させることを目的としたプラスチックラベルであるため、ヒートシール時の収縮の問題を解決できるものではなく、高速製袋機でヒートシールした場合、収縮に伴いヒートシール部分が折れて融着する問題があった。
また、前記滑り性は、シリコーンオイルを酸化ポリエチレン系ワックスやフッ素樹脂粉末と併用して得るものであるため、高速製袋機で複数回ヒートシールした場合、シリコーンオイルが裏移りし、シール阻害やヒートシールバーの汚染が生じる問題があった。
また、前記の特許文献1、特許文献2および特許文献4のような、基材を保護するコート剤についても、これまで様々なものが提案されている。
たとえば、特許文献5は、紙、不織布、または織布基材に塗布する食品包装シート用コート剤に係る発明であって、特定のガラス転移点や酸価のエチレン性不飽和単量体(a)の重合体である樹脂微粒子(A)を含む水分散体を塗布することで、ブロッキング性およびヒートシール強度に優れ、加えてケチャップやソース等の調味料耐性、および電子レンジ耐性といった耐食品性にも優れる。しかし、前記コート剤は紙に塗布する水分散体に係る発明であるため、ポリオレフィン基材に塗布した場合、基材上に均一に塗布することはできず、また高収縮の基材の問題を解決できるものではなく、ヒートシール部分が折れて融着されるとともに、ヒートシールバーにコート剤が融着する問題があった。
また、特許文献6は、基材層と、基材保護層と、金属箔層と、基材保護層と反対側の最外層にシーラント層を有する蓄電デバイス用外装材の発明であり、基材保護層にポリマーワックス粒子と、フィラーを含むことで、ヒートシール後に熱封緘した跡を残す外装材を提供し、実施例では、ポリプロピレン基材に、アクリルポリオールバインダー、架橋ポリカーボネート樹脂からなるフィラー、およびポリマーワックスを含むことで、変色した熱封緘の跡が得られたことが記載されている。しかし、前記基材保護層は、ヒートシールの跡を残す発明であるため、食品袋、蓋材、およびラベルではヒートシール密着部分が変色することは問題であり、使用することはできなかった。
また、特許文献7は、イソシアネート系架橋剤と、バインダーとして特定の貯蔵弾性率のポリウレタン樹脂とその他のバインダーとを含み、さらにシリカまたはワックスを含むマットコート剤の発明であって、熱によってもマットコート層が剥離しない耐熱性、および残留溶剤の少ないマットコート剤を提供できるとある。しかし、前記マットコート剤は半透明なマット感を得るマットコート剤であるため積層体としての意匠性は劣り、ポリオレフィン基材に塗布した場合、ヒートシール時の収縮の問題を解決できるものではなく、ヒートシール部分が折れて融着されるとともに、ヒートシールバーにマットコート剤が融着する問題があった。
国際公開第2022/230812号公報 国際公開第2013/002176号公報 特開2018-65922号公報 特開2005-345793号公報 特開2022-16065号公報 特開2016-195084号公報 特開2022-95299号公報
そこで、本発明は、ポリオレフィン基材層による積層体をヒートシールする際に、ヒートシール時の積層体の収縮が抑制され、複数回のヒートシール時においても成形性に優れ、ヒートシール時に透明コート層表面の傷も発生せず、かつ積層体の内層に施された色や意匠を確認することのできる、積層体、包装袋、蓋材、および積層体の製造方法を提供する。
本発明者らは、ヒートシール層と、ポリオレフィン樹脂を含むフィルムである基材層とともに、基材層からみてヒートシール層とは反対側の最外面に、アクリルポリオールまたは塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体と、イソシアネート化合物との架橋組成物を含むバインダー樹脂と、特定の平均粒子径の酸化ポリエチレンワックス粒子と特定の平均粒子径のシリカ粒子を含む固体粒子とを含む透明コート層を有する積層体とすることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)ヒートシール層と、基材層と、基材層からみてヒートシール層とは反対側の最外面に透明コート層を有する積層体であって、前記基材層はポリオレフィン樹脂を含むフィルムであり、前記透明コート層は、バインダー樹脂、固体粒子を含み、前記バインダー樹脂は、アクリルポリオールまたは塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体と、イソシアネート化合物との架橋組成物を含み、前記固体粒子は、平均粒子径が3~15μmの酸化ポリエチレンワックス粒子と、平均粒子径が1~30μmのシリカ粒子とを含む、積層体、
(2)(1)の酸化ポリエチレンワックス粒子が酸価0.5~50mgKOH/gの酸化ポリエチレンワックス粒子である、(1)の積層体、
(3)(1)または(2)のアクリルポリオールまたは前記塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体の水酸基価が20~250mgKOH/gである積層体、
(4)(1)または(2)の積層体であって、透明コート層の厚みが0.3~8μmである積層体、
(5)(1)または(2)の積層体により形成された包装袋、
(6)(1)または(2)の積層体により形成された蓋材、
(7)基材層としてポリオレフィン樹脂を準備する工程と、ヒートシール剤またはヒートシールフィルムを積層して、基材層とヒートシール層を有するヒートシール性積層体を形成する工程と、該ヒートシール性積層体の、基材から見てヒートシール剤またはヒートシールフィルムを積層した面とは反対側の最外面に透明コート剤を塗布して透明コート層を形成する塗布工程とを含む積層体の製造方法であって、前記透明コート剤は、バインダー樹脂、固体粒子、及び有機溶剤を含み、前記バインダー樹脂は、アクリルポリオールまたは塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体と、イソシアネート化合物との架橋組成物を含み、前記固体粒子は、平均粒子径が3~15μmの酸化ポリエチレンワックス粒子と、平均粒子径が1~30μmのシリカ粒子を含む透明コート剤、であることを特徴とする積層体の製造方法、
に関するものである。
本発明によれば、ポリオレフィン基材層による積層体をヒートシールする際に、ヒートシール時の積層体の収縮が抑制され、複数回のヒートシール時においても成形性に優れ、ヒートシール時に透明コート層表面の傷も発生せず、かつ積層体の内層に施された色や意匠を確認することのできる、積層体、包装袋、蓋材、および積層体の製造方法を提供する。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、本実施形態は、本発明を実施するための一形態に過ぎず、本発明は本実施形態によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更、実施の形態が可能である。また、本明細書中、数値範囲の説明における「a~b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下のことを表す。例えば、「1~5重量部」とは「1重量部以上5重量部以下」を意味する。
本発明の積層体は、ヒートシール層と、基材層と、基材層からみてヒートシール層とは反対側の最外面に透明コート層を積層する積層体であって、前記基材層はポリオレフィン樹脂を含むフィルムであり、前記透明コート層は、バインダー樹脂、固体粒子を含み、前記バインダー樹脂は、アクリルポリオールまたは塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体と、イソシアネート化合物との架橋組成物を含み、前記固体粒子は、平均粒子径3~15μmの酸化ポリエチレンワックス粒子と、平均粒子径1~30μmのシリカ粒子とを含む、積層体である。
前記積層体は、ポリオレフィン基材層による積層体をヒートシールする際に、ヒートシール時の積層体の収縮が抑制され、複数回のヒートシール時においても成形性に優れ、ヒートシール時に透明コート層表面の傷も発生せず、かつ積層体の内層に施された色や意匠を確認することのできる、積層体、包装袋、蓋材、および積層体の製造方法を提供できる。
本発明の積層体は、前記の構成とすることで、積層体をヒートシールする際に、ヒートシールの熱に伴う積層体の収縮を抑制できる。
これらの効果は、透明コート層の表面側からヒートシールを行った場合、透明コート層がヒートシール時の加熱を基材層に伝えることを抑制するとともに、バインダーであるアクリルポリオールまたは塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体と、イソシアネート化合物とを混合塗布して形成される架橋物と、酸化ポリエチレンおよびシリカ粒子との接着性により形成された透明コート層が、ヒートシール時のポリオレフィン樹脂を含む基材層の収縮を抑制しているものと推察される。
以下に積層体の各層ならびに各層に含まれる成分について記載する。
[透明コート層]
本発明の積層体における透明コート層は、透明コート層の下面の層の色や意匠が見えるよう透明であることが好ましく、平均光線透過率は、JIS K7361-1:1997に準拠して測定した全光線透過率が好ましくは80~99%、より好ましくは85~99%であることが好ましい。
前記透明コート層は、透明コート層の成分および有機溶剤を含む透明コート剤をグラビアインキ組成物として塗布するグラビア印刷方式やフレキソインキ組成物として塗布するフレキソ印刷方式等で塗布し、その後に乾燥して形成された層が好適に用いられるが、前記透明コート層の厚みは、0.3~8μmであることが好ましく、0.4~6μmであることがより好ましく、0.5~5μmであることがさらに好ましい。
透明コート層の厚みが0.3μm未満であるとヒートシール時の積層体の耐熱性が劣り、8μmより大きいと透明性や、複数の積層体を重ねた際の耐ブロッキング性に劣る。
前記透明コート層は、下記に記載のバインダー樹脂、および固体粒子を含む。
[固体粒子]
前記固体粒子は、酸化ポリエチレンワックス粒子と、シリカ粒子とを含む。
[酸化ポリエチレンワックス粒子]
前記酸化ポリエチレンワックス粒子の平均粒子径は3~15μmであることが好ましく、5~10μmであることがより好ましい。
なお、本発明における平均粒子径とは、レーザー回折/散乱法による測定装置で測定されたD50粒子径のことをいう。例えば、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA-920((株)堀場製作所製)やMICROTRAC 9320-X100(Honeywell社製)などが挙げられる。
前記酸化ポリエチレンワックス粒子の平均粒子径(D50)は、前記の平均粒子径であるとともに、透明コート層の厚み(T)に対する比(D50)/(T)=1.1~45であることが好ましく、1.2~20であることがより好ましく、1.2~10であることがさらに好ましい。
この範囲であると、酸化ポリエチレンワックス粒子と、バインダー樹脂との接着性が有効に働くためヒートシール時の積層体の収縮を抑制しつつ、ヒートシール時に透明コート層の表面で溶融した酸化ポリエチレンワックス粒子が、ヒートシール時の透明コート層の表面の傷を修復することで、ヒートシール時に傷が発生せず、成形性も優れた積層体を得ることができる。
前記酸化ポリエチレンワックス粒子の形状は、フレーク状あるいは球状であることが好ましい。
また、前記酸化ポリエチレンワックス粒子の融点は85~130℃であることが好ましい。
酸化ポリエチレンワックス粒子は、ポリエチレンワックス粒子を酸化処理したものであり、ポリエチレン由来の骨格(ポリエチレン骨格)を有している。ポリエチレン骨格は、主として、エチレンに由来する構造単位を有している。
前記酸化ポリエチレンワックス粒子の酸価は、0.5~50mgKOH/gが好ましく、5~30mgKOH/gがより好ましく、10~20mgKOH/gがさらに好ましい。前記酸化ポリエチレンワックス粒子の酸価が0.5mgKOH/gより小さいと、前記積層体がヒートシール時に収縮し、50mgKOH/gを超えると、透明コート層を形成する際の透明コート剤が増粘するため、均一な透明コート層を得ることができない。
前記酸化ポリエチレンワックス粒子の濃度は、前記透明コート層の固形分に対して0.5~20%であることが好ましく、1~10%であることがより好ましい。
0.5%より小さいと前記積層体がヒートシール時に収縮し、20%より大きいと透明コート層の透明性が劣る。
本発明の積層体の透明コート層は、表面の滑り性を向上させる観点から、前記酸化ポリエチレンワックス粒子とは別に、酸化されない一般重合型のポリエチレンワックス粒子をさらに添加しても良いが、その場合、酸化ポリエチレンワックス粒子と酸化されない一般重合型のポリエチレンワックス粒子の重量比から求められる平均の酸価が、前記記載の酸価の範囲内であることが好ましく、ポリエチレンワックス粒子の全量のうち、酸化ポリエチレンワックスは10~100%であることが好ましい。
酸化されない一般型重合型のポリエチレンワックス粒子としては、三井化学株式会社のハイワックス110P、210P、220P、410Pのような低密度タイプのポリエチレンワックスや、ハイワックス100P、200P、400P、800P等のような高密度タイプが挙げられる。
[シリカ粒子]
前記シリカ粒子としては、合成品、天然産、結晶性、非結晶性、あるいは疎水性、親水性のもの等が挙げられる。シリカ粒子は、表面に親水性官能基を有する親水性シリカでも良いし、さらに変性して疎水化した疎水性シリカでも良い。
前記シリカ粒子の平均粒子径は、1.0~30μmであることが好ましく、2.0~20μmであることがより好ましく、2.0~15μmであることがさらに好ましい。1.0μm未満であると熱収縮性および透明性に劣り、30μmより大きいと耐スクラッチ性に劣る。
前記シリカ粒子の濃度は、前記透明コート層の固形分に対して0.1~10%であることが好ましく、0.3~8%であることがより好ましく、0.5~5%であることがさらに好ましい。0.1%より小さいとヒートシール時に積層体が収縮し、10%より大きいと透明コート層の透明性や耐スクラッチ性が劣る。
[バインダー樹脂]
前記透明コート層に含まれるバインダー樹脂は、熱可塑性樹脂であることが好ましく、バインダー樹脂のガラス転移温度Tgは、50~120℃であることが好ましい。なお、バインダー樹脂とは透明コート層として塗布する透明コート剤等における結着機能を担う有機溶剤に可溶な熱可塑性樹脂をいう。
本発明における透明コート層は、バインダー樹脂として、アクリルポリオールとイソシアネート化合物との架橋物、または塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体とイソシアネート化合物との架橋物を含む。前記バインダー樹脂は、各成分を液状の有機溶剤に分散させ透明コート剤とした後、塗布することで架橋物を形成する。
前記バインダー樹脂は、積層体の耐熱性および収縮性に影響しない範囲で、さらに(メタ)アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、硝化綿、塩素化ポリオレフィン樹脂、アルキッド樹脂、セルロース系樹脂(硝化綿、セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートなど)、酢酸ビニル樹脂、ロジン系樹脂(ロジン、硬化ロジン、重合ロジン、ロジンエステル、ロジン変性マレイン酸樹脂など)、ケトン樹脂、ポリブチラール樹脂、環化ゴム系樹脂、塩化ゴム系樹脂、石油樹脂、オレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ乳酸樹脂などのうち少なくとも一つ以上の樹脂を含むこともできる。これらの樹脂の作製方法は、常法によるものであればよい。
[アクリルポリオール]
前記アクリルポリオールは、水酸基を有するアクリルポリオールであることが好ましく、前記水酸基は、以下に記載のイソシアネート化合物と架橋反応して特性向上を促す。
前記アクリルポリオールの水酸基価は、20~250mgKOH/gが好ましい。水酸基価が20mgKOH/gより小さいとバインダーの十分な架橋が行えずヒートシール時の透明コート層の耐熱性が劣り、水酸基価が250mgKOH/gより大きいと架橋物がゲル化し、透明コート層の印刷時のコート剤の印刷適性が劣る。
また前記アクリルポリオールは、ガラス転移温度が50~120℃であることが好ましい。前記アクリルポリオールのガラス転移温度が50℃未満であると積層体の耐熱性および耐ブロッキング性が劣り、120℃より大きいと透明コート層の基材密着性が劣る。
なお、本発明においてガラス転移温度とは、示差走査熱量計(DSC)による測定値をいい、DSC測定におけるベースラインシフトの変曲点における温度がガラス転移温度である。
またアクリルポリオールの重量平均分子量は20,000~150,000が好ましい。重量平均分子量が20,000未満であると耐熱性が劣り、重量平均分子量が150,000より大きいと、透明コート層の印刷時の透明コート剤の印刷適性が劣る。なお、重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)による測定値をいう。
アクリルポリオールの合成方法としては特に制限はなく、有機溶剤の存在下でアクリルモノマーのアニオン重合、リビングアニオン重合、カチオン重合、リビングカチオン重合、ラジカル重合、及びリビングラジカル重合等、公知の方法が使用できる。
前記アクリルモノマーの例としては、水酸基含有(メタ)アクリルモノマー と、水酸基を含有しない(メタ)アクリルモノマーとの共重合体が好ましく用いられる。水酸基含有(メタ)アクリルモノマーは、1分子中に1個の(メタ)アクリロイル基と1個以上の水酸基を含有するモノマーであればよい。
前記水酸基含有アクリルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6-ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8-ヒドロキシオクチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルや、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1,4-シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレートなどのグリコールモノ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルアクリルアミドなどが挙げられる。アクリルポリオールは、水酸基含アクリルモノマー由来の構成単位をアクリルポリオール総質量中1~30質量%含有することが好ましい。
前記水酸基を含有しないアクリルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシルなどが挙げられる。アクリルポリオールは、メチルメタクリレート由来の構成単位を含むことが好ましい。メチルメタクリレート由来の構成単位の含有量はアクリルポリオール総質量中5~60質量%であることが好ましく、10~50質量%であることがなお好ましい。また、アクリルポリオールは、ブチルメタクリレート由来の構成単位を有することが好ましい。ブチルメタクリレート由来の構成単位の含有量はアクリルポリオール総質量中含有量30~70質量%であることが好ましい。
なお、(メタ)アクリル、(メタ)アクリレート、ないし(メタ)アクリロイルは、それぞれアクリルおよびメタクリル、アクリレートおよびメタクリレート、アクリロイルおよびメタクリロイルを意味する。
アクリルモノマーは、他にカルボキシル基含有アクリルモノマー、アミド結合基含有アクリルモノマー、アミノ基含有アクリルモノマー、アルキレンオキサイド基含有アクリルモノマー、エポキシ基含有アクリルモノマーなどを含有しても良い。
[塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体]
塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体の重量平均分子量は、20,000~100,000のものが好ましく40,000~80,000が更に好ましい。塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニルモノマー由来の構造は、1~30質量%が好ましく、塩化ビニルモノマー由来の構造は、70~95質量%であることが好ましい。また、ガラス転移温度は50℃~90℃であることが好ましい。
また、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体は、イソシアネート硬化剤と反応できる水酸基を有することが好ましく、水酸基価として20~250mgKOH/gが好ましく、40~150mgKOH/gがより好ましく、60~100mgKOH/gであることがさらに好ましい。
水酸基価が20mgKOH/gより小さいとバインダーの十分な架橋が行えずヒートシール時の透明コート層の耐熱性が劣り、水酸基価が250mgKOH/gより大きいと架橋物がゲル化し、透明コート層の印刷時のコート剤の印刷適性が劣る。
前記の水酸基価を有する塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体とイソシアネート硬化剤により形成される架橋物とすることで、酸化ポリエチレンワックス粒子およびシリカ粒子との優れた接着性を有する架橋物の透明コート剤を積層したヒートシール時に収縮の抑制された積層体を得ることができる。
[イソシアネート化合物]
イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3 - ビス( イソシアナトメチル) シクロヘキサン、4,4’-ジシクロヘキシルジイソシアネート、ペンタン- 1,5-ジイソシアネート(スタビオPDI)などの脂肪族ジイソシアネートおよびこれらのトリメチロールプロパン三量体、イソシアヌレート体、ビュレット体、アロファネート体などの変性体などが利用でき、24A-100、22A-75、TPA-100、TSA-100、TSS-10 0、TAE-100、TKA-100、P301-75E、E402-808、E405-70B、AE700-100、D101、D201、A201H(旭化成社製)、マイテックY260A(三菱化学社製)、コロネートCORONATE HX 、コロネートCORONATE HL、コロネート CORONATE L (東ソー(株)製)、デスモデュール N75MPA/X(バイエル社製)、LG 硬化剤C( 東京インキ(株)製)等が例示できる。なかでも、脂肪族ジイソシアネートがより好ましい。
前記イソシアネート化合物の濃度は、透明コート層内のバインダー(B1)と前記イソシアネート化合物(B2)の固形分重量比が、(B1)/(B2) =60/40~99/1であることが好ましく、(B1)/(B2)=62/38~95/5であることがより好ましい。(B1)/(B2)が99/1より大きいと、ヒートシール時にフィルム収縮し、(B1)/(B2)が60/40より小さいと、塗布工程において印刷物をロール状に巻き取った際にブロッキングが発生するおそれがある。
[透明コート層におけるその他の成分]
前記透明コート層には、剥離剤、離型剤、無機充填剤、有機充填剤、消泡剤、レベリング剤、ブロッキング防止剤、ワックス、顔料分散剤、帯電防止剤、スリップ剤、可塑剤、粘着付与剤、色材などを含有することもできる。公知慣用のものであればいかなるものも、透明コート層としての透明ならびに、積層体としての収縮性や成形性などの特性を損なわない範囲で、適宜選択できる。
[基材層]
基材層は、ポリオレフィン樹脂を主成分として含むことが好ましい。ポリオレフィン樹脂としては具体的には、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(LLDPE)等のポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、α-オレフィン重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メチルメタクリレート共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、環状オレフィン樹脂、およびポリオレフィン樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマル酸その他の不飽和カルボン酸で変性した変性オレフィン系樹脂などが挙げられる。
前記基材層の厚みは20~100μmであることが好ましい。
前記基材層は、押出法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法等の、従来公知の方法により成膜することで製造することができ、無延伸フィルムであってもよく、基材のフィルムの成形性や強度の観点から、チューブラー方式、Tダイ方式等を利用して一軸ないし二軸方向に延伸したものであってもよく、一種類または二種類以上を積層していてもよい。
前記基材層は、その表面にコロナ処理、低温プラズマ処理、フレーム処理、オゾン処理、グロー放電処理、溶剤処理、コート処理等の表面処理を施すか、あるいはあらかじめ施されたものであってもよい。
上記基材層は、必要に応じて添加剤を含んでいてもよい。具体的には、加工性、耐熱性、耐候安定性、機械的性質、寸法安定性、滑り性、離型性、難燃性、意匠性、抗カビ性、電気的特性等を改良する目的で、エラストマー、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料、染料および抗カビ剤等のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができる。添加剤の添加量は、基材層の収縮性や他の性能やリサイクル性を大きく損なわない範囲で調整する。
[ヒートシール層]
本発明の積層体のヒートシール層は、ポリオレフィン樹脂で構成されるものであることが好ましく、通常押出しラミネート法、ドライラミネート法、あるいはエマルジョンを塗布する方法等、一般的な形成方法により設けることができる。
前記ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-αオレフィン共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体などのエチレン系樹脂や、ポリエチレンとポリブテンのブレンド樹脂や、ホモポリプロピレン樹脂(PP)、プロピレン-エチレンランダム共重合体、プロピレン-エチレンブロック共重合体、プロピレン-αオレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂等を使用することができる。
また、前記ヒートシール層はポリオレフィン樹脂以外のその他成分とする事、その他成分を添加することもでき、その他成分の例としては、例えば、塩化ビニリデン、セラック類、ロジン類、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、硝化綿、酢酸セルロース、セルロースアセチルプロピオネート、セルロースアセチルブチレート、塩化ゴム、環化ゴム、ポリアミド樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ケトン樹脂、ブチラール樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化エチレンビニルアセテート樹脂、エチレンビニルアセテート樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エチレン-ビニルアルコール樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、カゼイン、アルキッド樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられ、これらは一種類または二種類以上組み合わせて使用してもよい。これらの樹脂を溶剤に溶解したタイプ、水系に溶解したタイプ、あるいはアクリル系エマルジョン、ウレタン系エマルジョン、エチレン-ビニルアルコール系エマルジョン、エチレンビニルアセテート系エマルジョンなど水中に分散させたものが挙げられる。
また前記ヒートシール層は、予めヒートシール剤を付与またはヒートシール機能を有するシーラントフィルムを貼り合わせてヒートシール層とすることもできる。
前記ヒートシール剤の例としては、例えば、ポリエチレン、塩化ビニリデン、セラック類、ロジン類、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、硝化綿、酢酸セルロース、セルロースアセチルプロピオネート、セルロースアセチルブチレート、塩化ゴム、環化ゴム、ポリアミド樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ケトン樹脂、ブチラール樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化エチレンビニルアセテート樹脂、エチレンビニルアセテート樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エチレン-ビニルアルコール樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、カゼイン、アルキッド樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられ、これらは一種類または二種類以上組み合わせて使用してもよい。これらの樹脂を溶剤に溶解したタイプ、あるいはアクリル系エマルジョン、ウレタン系エマルジョン、エチレン-ビニルアルコール系エマルジョン、ポリエチレン系エマルジョン、ポリプロピレン系エマルジョン、エチレンビニルアセテート系エマルジョンなど水中に分散させたものが挙げられる。
前記シーラントフィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-ビニルアセテート、これらの共重合体などのポリオレフィンフィルムやその共押フィルムおよび着色フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、エチレン-ビニルアルコール樹脂フィルム等や前記ヒートシール剤を基材に塗布したもの等が挙げられ、延伸していても、無延伸のどちらでもよく、一種類または二種類以上を積層していてもよい。
[その他の積層体]
本発明の積層体は、透明コート層と基材層の間または基材層とヒートシール層の間に、印刷層、透明蒸着層、またはガスバリア性被膜層、もしくは剛性、腰、ガスバリア性、保香性、防湿性、耐ピンホール性、デッドホール性、遮光性、直線カット性などの性能を付与または強化ができる樹脂層を設けてもよい。
前記印刷層としては、基材層における積層体の意匠を確認する面、つまり基材層からみて透明コート層を有する面を表として、基材層の表側、いわゆる表刷りタイプの印刷層として設けてもよく、また透明性の基材層などで、基材層の裏側、いわゆる裏刷りタイプの印刷層として設けてもよい。
前記印刷層は、グラビア印刷用インキ(以下、インキともいう。)からなる層であることが好ましく、グラビア印刷用インキをグラビア印刷法により塗工して形成されることが好ましい。特に、多色グラビア印刷機を用いたグラビア印刷法により塗工されて形成されることがより好ましい。さらに、グラビア印刷法による塗工されて形成されるため、全ベタ印刷だけでなく、階調印刷や部分印刷も可能である。また、反転機構を有する印刷機を使用することにより、多種の他の印刷層として有する積層体を得ることができる。
本発明の積層体は、基材層の厚みに対して透明コート層の厚みが薄いため、基材層とヒートシール層とをポリオレフィン樹脂とし、積層体のうち好ましくは80重量%、より好ましくは90重量%をポリオレフィン樹脂とすることで、モノマテリアル樹脂積層体とすることができる。
[積層体の製造方法]
本発明の積層体の製造方法は、基材層としてポリオレフィン樹脂を準備する工程と、ヒートシール剤またはヒートシールフィルムを積層して、基材層とヒートシール層を有するヒートシール性積層体を形成する工程と、該ヒートシール性積層体の、基材から見てヒートシール剤またはヒートシールフィルムを積層した面とは反対側の最外面に透明コート剤を塗布して透明コート層を形成する塗布工程とを含む積層体の製造方法において、前記透明コート剤を使用することを特徴とする積層体の製造方法である。
以下に、前記製造方法の詳細を記載する。
本発明の積層体の製造方法における、前記ヒートシール性積層体を形成する工程と、前記透明コート剤を塗布する工程とは、積層体とする構成に合わせて工程の順番を任意に設定できる。
例えば、前記積層体において、さらに基材層とヒートシール層の間に、裏刷りタイプの印刷を行って印刷層を設ける場合は、印刷層を形成後にヒートシール性積層体を形成し、その後、透明コート剤を塗布し、乾燥させて透明コート層を形成することができる。
一方、基材層と透明コート層の間に、表刷りタイプの印刷を行って印刷層を設ける場合は、印刷層を形成後に、透明コート剤を塗布し、乾燥させて透明コート層を形成し、その後、ヒートシール性積層体を形成することができる。
前記塗布工程は、前記透明コート剤をグラビアインキ組成物として塗布するグラビア印刷方式、フレキソインキ組成物として塗布するフレキソ印刷方式が好適に用いられるが、好ましくはグラビア印刷方式である。グラビア印刷方式により高速印刷が可能となり、生産性が著しく向上する。
前記塗布工程は、透明コート剤が、下記の乾燥工程の後において、0.3~8μmの厚みとなるよう塗布することが好ましい。
前記透明コート剤は、透明コート層の成分となるバインダー樹脂および固体粒子を有機溶剤に分散させたものであり、グラビアインキ組成物としてグラビア印刷により塗布することが好ましい。
また、前記透明コート層に含まれるイソシアネート化合物以外の成分をインキとしてあらかじめ用意し、別途イソシアネート化合物を有機溶剤に溶解させたイソシアネート硬化剤を用意し、グラビア印刷で塗布する直前にインキとイソシアネート硬化剤を混合しても良い。
前記グラビアインキ組成物中の有機溶剤は、通常グラビアインキに使用される溶剤を使用することができる。前記溶剤としては、例えばトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソブタノール、tert-ブタノールなどのアルコール系溶剤、酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec-ブチル、酢酸tert-ブチルなどのエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコールエーテル系溶剤およびこれらのエステル化物が挙げられ、エステル化物としては主にアセテート化したものが選ばれ、例えばエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどが挙げられる。なかでも、印刷適性や汎用性の観点から、トルエン、酢酸エチル、酢酸n-プロピル、イソプロピルアルコール、メタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルエチルケトンなどがより好ましい。これらは、一種類または二種類混合して用いることができる。
前記グラビアインキ組成物の粘度は、印刷に支障のない範囲であれば、特に制限はない。グラビア印刷で使用されるインキ組成物の製造適性、取扱いなどを考慮すれば、25℃において10~1,000mPa・sであることが好ましい。10mPa・sより小さいと、粘度が低すぎて、インキ中で顔料が沈降しやすい傾向になり、1,000mPa・sより大きいと、流動性が悪く、インキ製造時に支障が出たり、容器への充填が困難となる。この場合、ブルックフィールド型粘度計やコーンプレート型粘度計などの市販の粘度計を用いて測定することができる。
前記グラビアインキ組成物は、グラビア印刷で使用されることが好ましく、そのまま塗工することもできるが、塗工条件、塗工効果に応じ、ザーンカップ#3((株)離合社製)にて、希釈溶剤で希釈することにより所望の粘度に調整して使用できる。この場合の粘度は、25℃において10~40秒であることが好ましい。10秒より小さいと、泳ぎやすく、40秒より大きいと印刷時の転移性が悪くなる。
前記ヒートシール性積層体を形成する工程は、基材層へヒートシール剤を塗布してもよく、またいわゆるシーラントフィルムと呼ばれるヒートシールフィルムを基材層と積層して、ヒートシール層性積層体を形成してもよい。また、本発明の積層体が基材層とヒートシール層の間に中間層を設けるのであれば、中間層の上にヒートシール層を設けることができる。
前記ヒートシール剤を塗布する方法としては、通常押出しラミネート法、ドライラミネート法、あるいはエマルジョンを塗布する方法等、一般的な形成方法により設けることができる。
また、前記ヒートシールフィルム(シーラントフィルム)としては、シール強度が十分確保できるものであれば、貼り合わせ方法は基材、用途、構成などに応じて適宜選択される。例えば、シーラントフィルムとの貼り合わせ(ドライラミネート法、ノンソルベントラミネート法、ウェットラミネート法)、熱による貼り合わせ(熱ラミネート法)、押出ラミネート法による樹脂コーティング(押出ラミネート法、共押出ラミネート法、PEサンドイッチラミネート法)などが好ましく、またシーラントフィルムを接着剤や粘着剤により接着してもよい。
前記透明コート層は、積層体の全面にコートすることが好ましいが、ヒートシール部周辺に合わせて塗工することもできる。
本発明の包装袋は、前記の基材層と、ヒートシール層と、透明コート層とを備える積層体によって形成されたものであることが好ましい。
前記包装袋としては、二方シール、三方シール、四方シール、ピローシール、スタンディングパウチ、封筒貼り、ガゼット、溶断シールなどの周知の形態のいずれでもよい。
本発明の蓋材は、前記の基材層と、ヒートシール層と、透明コート層とを備える積層体によって形成されたものであることが好ましい。蓋材の形態としては、カバー、蓋、キャップなど周知の形態のいずれでもよい。

[実施例]
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、例中、「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」を表す。
[水酸基含有アクリルポリオールHAP1の製造方法]
反応容器にメタクリル酸メチル54部、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル5部、メタクリル酸ブチル40部、酢酸エチル150部、イソプロピルアルコール100部及び0.5部のアゾビスイソブチロニトリルを加えて混合し、窒素ガス雰囲気化、70℃で8時間重合し、アクリルポリオールHAP1を得た。得られた樹脂溶液の固形分は29%、水酸基価は22mgKOH/gであった。
[水酸基含有アクリルポリオールHAP2の製造方法]
反応容器にメタクリル酸メチル26部、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル50部、メタクリル酸ブチル21部、酢酸エチル150部、イソプロピルアルコール100部及び0.7部のアゾビスイソブチロニトリルを加えて混合し、窒素ガス雰囲気化、70℃で8時間重合し、アクリルポリオールHAP2を得た。得られた樹脂溶液の固形分は29%、水酸基価は223mgKOH/gであった。
[塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体]
日信化学社製ソルバインAL(水酸基価64mgKOH/g)を固形分15%となるよう、酢酸エチルと混合の上、撹拌機にて600rpmで10分攪拌し、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体CL1を作製した。
日信化学社製ソルバインTA5R(水酸基価 146mgKOH/g)を固形分15%となるよう、酢酸エチルと混合の上、撹拌機にて600rpmで10分攪拌し、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体CL2を作製した。
日信化学社製ソルバインC(水酸基価 0mgKOH/g)を固形分15%となるよう、酢酸エチルと混合の上、撹拌機にて600rpmで10分攪拌し、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体CL3を作製した。
[酸化ポリエチレンワックス粒子]
酸化ポリエチレンワックス(酸価17mgKOH/g、平均粒子径:9μm)をイソプロピルアルコールと固形分20%となるよう混合し、酸化ポリエチレンワックス粒子分散液OPW1を作製した。
また、酸化ポリエチレンワックス(酸価17mgKOH/g、平均粒子径:15μm)をイソプロピルアルコールと固形分20%となるよう混合し、酸化ポリエチレンワックス粒子分散液OPW2を作製した。
また、酸化ポリエチレンワックス(酸価17mgKOH/g、平均粒子径:3μm)をイソプロピルアルコールと固形分20%となるよう混合し、酸化ポリエチレンワックス粒子分散液OPW3を作製した。
また、酸化ポリエチレンワックス(酸価17mgKOH/g、平均粒子径:2μm)をイソプロピルアルコールと固形分20%となるよう混合し、酸化ポリエチレンワックス粒子分散液OPW4を作製した。
また、酸化ポリエチレンワックス(酸価17mgKOH/g、平均粒子径:18μm)をイソプロピルアルコールと固形分20%となるよう混合し、酸化ポリエチレンワックス粒子分散液OPW5を作製した。
本発明で用いた他の原材料は以下の通りである。
・シリカ粒子SL1・・製品名:AY-6A3、東ソー・シリカ社製、平均粒子径6.5μm、親水性シリカ
・シリカ粒子SL2・・製品名:ACEMATT HK440、エボニック社製、平均粒子径14.5μm、沈降性シリカ
・シリカ粒子SL3・・製品名:ニップシールSS-50F、東ソー・シリカ社製、平均粒子径1.3μm、疎水性シリカ
・シリカ粒子SL4・・製品名:WACKER HDK H18、旭化成ワッカーシリコーン(株)社製、平均粒子径0.2μm、乾式法シリカ

・ポリウレタン樹脂・・製品名:サンプレンIB-971、三洋化成社製、固形分30%
・炭酸カルシウムCC・・製品名:白艶華DD、白石工業社製(平均粒子径50nm、ロジン酸表面処理)
・ポリエチレンワックス粒子PW1・・製品名:ハイワックス200P、三井化学製、酸化=0mgKOH/g、高密度タイプ
・イソシアネート化合物・・製品名:LG硬化剤D、東京インキ社製、溶剤:酢酸エチル、固形分50%
・有機溶剤:酢酸プロピル/イソプロピルアルコール=7:3混合溶液
[水酸基価、酸価、および平均粒子径の測定方法]
水酸基価は、樹脂中の水酸基を過剰のアセチル化試薬にてアセチル化し、水酸基と結合した酸をアルカリで逆滴定して算出した樹脂1g中の水酸基量を、水酸化カリウムのmg数に換算した値であり、JIS K0070に準じて測定した値である。
また、酸価は、試料1g中に含有する酸をアルカリで逆滴定して算出した樹脂1g中の水酸基量を、水酸化カリウムのmg数に換算した値であり、JIS K0070に準じて測定した値である。
また、平均粒子径は、レーザー回折散乱法(レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置、HORIBA社製、「LA-960」)により粒度回析を行い、測定した。
[透明コート剤g1の作製]
作製した水酸基含有アクリルポリオールHAP1(固形分35%)70部、有機溶剤26.5部、酸化ポリエチレンワックス粒子分散液OPW1 2.5部、シリカ粒子SL1 1重量部を仕込み、撹拌機にて600rpmで10分攪拌し、その後、イソシアネート硬化剤溶液を10部添加して、透明コート剤g1を作製した。
同様に、表1および表2の通り、透明コート剤g2~g9、およびg11~g20を作製した。
Figure 0007545609000001
Figure 0007545609000002
[積層体の作成]
GRAVO-PROOF (品番:CM-W、(株)日商グラビア製)に、彫刻ヘリオ版(コンプレスト スタイラス130°、70L/m)を取り付け、厚み20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(製品名:P2271、東洋紡社製)に、墨インキ(製品名:LG-FK920R墨、東京インキ社製)で10×10cm四方の模様を、インキの固化時の膜厚1μmとなるようベタ印刷して印刷層を作製し、さらに透明コート剤g1を有機溶剤にて希釈してザーンカップNo.3で粘度17秒に調整した後、固化後の透明コート層の膜厚が1μmとなるよう印刷し、その後、シーラントGLC30μm(アールエム東セロ社製、無延伸ポリプロピレンフィルム)を貼り付けて、実施例1の積層体を得た。
同様に、表3および表4の通り、透明コート剤と透明コート層の膜厚を変更し、それぞれ実施例2~11、および比較例1~10の積層体を得た。
また、後述する透明性の評価の基準とするために、実施例1を参考に、前記二軸延伸ポリプロピレンフィルムに、前記墨インキで10×10cm四方の模様をベタ印刷して膜厚1μmの印刷層を作製し、透明コート層を有さない積層体のサンプルを得た。
得られた積層体から、以下のように評価サンプルを作製した。
作製した積層体を横15×縦20cmとなるよう長方形にカットし、カットした積層体2枚を重ね合わせ、ヒートシールテスターを用いて温度180℃、圧力0.2MPa、加熱時間0.3秒の条件にて、1秒インターバルをあけながら3回ヒートシールする条件で、横方向の2箇所のサイドをシールし、その後、同じ条件で縦方向のサイドの1箇所を底となるようシールし、三方シールした評価サンプルを作製した。
作製した評価サンプルを、以下の評価方法で評価し、すべての評価結果が〇となるものを良品と判断した。
[繰り返しヒートシール時の透明コート層の表面状態の評価]
作製した評価サンプルにおけるヒートシールを行った箇所の、透明コート層側表面を目視およびルーペで確認して評価した。結果を表3および表4に記載する。
〇:ヒートシールバーのとられによる傷が、目視およびルーペ観察ともみられない。
△:ヒートシールバーのとられによる傷が、目視では確認されないが、ルーペ観察で確認できる。
×:ヒートシールバーのとられによる傷が目視で確認できる。
[繰り返しヒートシール時の包装体の収縮の評価]
作製した長方形の評価サンプルの横方向3箇所と、縦方向3箇所(合計全6箇所)の寸法率を測定して、収縮によるゆがみを評価した。結果を表3および表4に記載する。
〇:6箇所の寸法率が、すべて1%以内。
△:6箇所の寸法率のうち、いずれかが1%より大きく、3%より小さい。
×:6箇所の寸法率のうち、いずれかが3%以上。
[繰り返しヒートシール時のヒートシール後のシワの評価]
作製した評価サンプルのヒートシール部を目視で確認して評価した。結果を表3および表4に記載する。
〇:シワなし。
△:部分的にシワあり。
×:全体的にあり。
[透明性の評価]
作製した評価サンプルの印刷層の模様を、評価サンプルの透明コート層側の表面から5人の評価者によって目視で確認し、作製した透明コート層を有さない積層体のサンプル(以下参照例という)と比較して同等、もしくはそれ以上の艶を有しているかを判断して、透明性を評価した。結果を表3および表4に記載する。
〇:評価者5人とも同等、もしくはそれ以上の艶を有していると判断した。
△:評価者のうち1~2人が、艶が劣ると判断した。
×:評価者のうち3人以上が、艶が劣ると判断した。
[耐ブロッキング性の評価]
作製した評価サンプルを3×3cmの大きさに切り取り、透明コート層面とヒートシール層面とを重ね合わせて50℃で24時間、500g/cmの荷重を掛けた後、前記透明コート層面とヒートシール層面を剥離した時の剥離抵抗と、透明コート層を観察した剥離状態を評価した。
結果を表3および表4に記載する。
〇:剥離抵抗がなく、透明コート層の剥離がない。
×:剥離抵抗が認められ、透明コート層の剥離も認められる。
Figure 0007545609000003
Figure 0007545609000004

Claims (7)

  1. ヒートシール層と、基材層と、基材層からみてヒートシール層とは反対側の最外面に透明コート層を有する積層体であって、
    前記基材層はポリオレフィン樹脂を含むフィルムであり、
    前記透明コート層は、バインダー樹脂、固体粒子を含み、
    前記バインダー樹脂は、アクリルポリオールまたは塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体と、イソシアネート化合物との架橋組成物を含み、
    前記固体粒子は、平均粒子径が3~15μmの酸化ポリエチレンワックス粒子と、平均粒子径が1~30μmのシリカ粒子とを含む、
    積層体。
  2. 請求項1に記載の酸化ポリエチレンワックス粒子が酸価0.5~50mgKOH/gの酸化ポリエチレンワックス粒子である、請求項1に記載の積層体。
  3. 請求項1または2に記載のアクリルポリオールまたは前記塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体の水酸基価が20~250mgKOH/gである積層体。
  4. 請求項1または2に記載の積層体であって、透明コート層の厚みが0.3~8μmである積層体。
  5. 請求項1または2に記載の積層体により形成された包装袋。
  6. 請求項1または2に記載の積層体により形成された蓋材。
  7. 基材層としてポリオレフィン樹脂を準備する工程と、ヒートシール剤またはヒートシールフィルムを積層して、基材層とヒートシール層を有するヒートシール性積層体を形成する工程と、
    該ヒートシール性積層体の、基材から見てヒートシール剤またはヒートシールフィルムを積層した面とは反対側の最外面に透明コート剤を塗布して透明コート層を形成する塗布工程とを含む積層体の製造方法であって、
    前記透明コート剤は、バインダー樹脂、固体粒子、及び有機溶剤を含み、
    前記バインダー樹脂は、アクリルポリオールまたは塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体と、イソシアネート化合物との架橋組成物を含み、
    前記固体粒子は、平均粒子径が3~15μmの酸化ポリエチレンワックス粒子と、平均粒子径が1~30μmのシリカ粒子を含む透明コート剤、
    であることを特徴とする積層体の製造方法。
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