JP7545046B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、トランスポンダが埋設された空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、トランスポンダの通信性を改善することを可能にした空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤにおいて、RFIDタグ(トランスポンダ)をタイヤ内に埋設することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようなトランスポンダはリーダライタとの通信時に電波を放射するが、図12に示すように、その電波にはトランスポンダTからタイヤ外側に向かって放射される電波(前面波Wa)とタイヤ内側に向かって放射される電波(背面波Wb)がある。タイヤ内に埋設されたトランスポンダTの周辺に金属製のタイヤ構成部材M(例えばチェーファーやスチールカーカス等)がある場合、トランスポンダTの背面波Wbが金属製のタイヤ構成部材Mで反射した際に背面波Wbの位相が反転(180°回転)し、反射された背面波Wcと前面波Waとは位相が逆になり、前面波Waと背面波Wcとが互いに打ち消し合うように作用する。これにより、トランスポンダの通信性が悪化するという問題がある。
特開平7-137510号公報
本発明の目的は、トランスポンダの通信性を改善することを可能にした空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するため本発明の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、トランスポンダが埋設された空気入りタイヤにおいて、前記トランスポンダのタイヤ幅方向内側に、基板をなす誘電体と該誘電体上に周期的に配設された導体とを有していて人工磁気導体として機能する複合シートが配置され、前記トランスポンダが金属部材からなるタイヤ構成部材よりもタイヤ幅方向外側に配置され、前記複合シートが前記トランスポンダと前記金属部材からなるタイヤ構成部材との間に配置されていることを特徴とするものである。
本発明では、トランスポンダが埋設された空気入りタイヤにおいて、トランスポンダのタイヤ幅方向内側に、基板をなす誘電体と誘電体上に周期的に配設された導体とを有していて人工磁気導体として機能する複合シートが配置されている。人工磁気導体は、一般に、導体上で電磁波の反射位相が反転(180°回転)するのを同相に調整するものであるので、人工磁気導体として機能する複合シートがトランスポンダのタイヤ幅方向内側に配置されていることにより、トランスポンダの周辺に金属部材からなるタイヤ構成部材が配置されている場合であっても、トランスポンダから放射される背面波が複合シートで反射した際に該背面波の位相が反転することはない。そのため、トランスポンダの前面波と複合シートで反射された背面波は、同相となる或いは位相のズレが小さくなるように調整される。これにより、トランスポンダの前面波と複合シートで反射された背面波とは互いに強め合うように作用するので、トランスポンダの通信性を改善することができる。そのため、トランスポンダの通信距離を伸ばすことも可能である。
本発明の空気入りタイヤにおいて、複合シートの長手方向はトランスポンダの長手方向軸に平行になるように配置され、トランスポンダの長手方向軸に沿って測定される導体により形成されるパターンの1ピッチの長さtyと、トランスポンダの長手方向軸に直交する方向に沿って測定される導体により形成されるパターンの1ピッチの長さtxとは2.5≦ty/tx≦35.0の関係を満たすことが好ましい。これにより、トランスポンダの通信性を効果的に改善することができる。
複合シートの厚さは15μm~1500μmの範囲にあることが好ましい。これにより、複合シートの耐久性を確保しながら、トランスポンダの通信性を効果的に改善することができる。
トランスポンダのタイヤ幅方向の投影面積に対する複合シートのタイヤ幅方向の投影面積の比は1.0~170.0の範囲にあることが好ましい。これにより、タイヤの耐久性を悪化させことなく、トランスポンダの通信性を効果的に改善することができる。
トランスポンダはサイドウォール部に配置されていることが好ましい。これにより、タイヤの耐久性を十分に確保することができる。
トランスポンダは金属部材からなるタイヤ構成部材よりもタイヤ幅方向外側に配置され、トランスポンダと金属部材からなるタイヤ構成部材との間に複合シートが配置されていることが好ましい。これにより、トランスポンダの通信性を効果的に改善することができる。
複合シートは周波数選択板及び/又はキャパシタンスグリッドを構成することが好ましい。これにより、トランスポンダの通信性を効果的に改善することができる。
複合シートはトランスポンダの放射電波の位相に対して金属部材からなるタイヤ構成部材により反射された放射電波の反射位相-160°~+160°の範囲に調整するように構成されていることが好ましい。これにより、トランスポンダの通信性を効果的に改善することができる。
複合シートを構成する誘電体の比誘電率は1.5~10.0の範囲にあることが好ましい。これにより、複合シートの電波強度の低減を抑制し、トランスポンダの通信性を効果的に改善することができる。
複合シートを構成する誘電体はゴム又はエラストマーからなることが好ましい。これにより、複合シートに隣接する周辺ゴム部材との接着性を高めることができ、タイヤの耐久性を十分に確保することができる。
トランスポンダを被覆する被覆層の比誘電率は被覆層に隣接する周辺ゴム部材の比誘電率よりも低く、被覆層の総厚さGacとトランスポンダの最大厚さGarとは1.1≦Gac/Gar≦3.0の関係を満たすことが好ましい。トランスポンダを周辺ゴム部材から十分に隔離して比誘電率が低い被覆層で包み込むので、トランスポンダの通信性を改善することができる。また、被覆層の総厚さGacの上限値をトランスポンダの最大厚さGarに対して規定することにより、タイヤの耐久性を十分に確保することができる。
トランスポンダはエラストマー又はゴムからなる被覆層により被覆され、被覆層の比誘電率は7以下であることが好ましい。これにより、トランスポンダが被覆層により保護され、トランスポンダの耐久性を改善することができると共に、トランスポンダの電波透過性を確保し、トランスポンダの通信性を効果的に改善することができる。
トランスポンダの中心はタイヤ構成部材のスプライス部からタイヤ周方向に10mm以上離間して配置されていることが好ましい。これにより、タイヤの耐久性を効果的に改善することができる。
ビード部を構成するビードフィラーの側方に金属補強層が配置され、トランスポンダはビード部を構成するビードコアの上端からタイヤ径方向外側に15mmの位置と金属補強層の上端との間に配置されていることが好ましい。これにより、トランスポンダがタイヤの応力振幅が小さい領域に配置されるので、トランスポンダ及び複合シートの破損を抑制することができる。また、タイヤの耐久性を十分に確保することができる。
本発明において、各部材を構成するゴムの比誘電率は、常温において860MHz~960MHz(トランスポンダの動作周波数帯)の比誘電率である。ここで、常温はJIS規格の標準状態に準拠し、23±2℃、60%±5%RHである。当該ゴムは23℃、60%RHで24時間処理された後に比誘電率が計測される。上述した860MHz~960MHzの範囲は、現状のUHF帯のRFIDの割り当て周波数に該当するが、上記割り当て周波数が変更された場合、その割り当て周波数の範囲の比誘電率を上記の如く規定すれば良い。
本発明の実施形態からなる空気入りタイヤの一例を示す子午線半断面図である。 図1の空気入りタイヤを概略的に示す子午線断面図である。 本発明に係る空気入りタイヤに埋設可能なトランスポンダを示す斜視図である。 本発明に係る空気入りタイヤに埋設されたトランスポンダの放射電波を示す説明図である。 (a)~(c)は図1の空気入りタイヤに配置された複合シートを示すものであり、(a),(b)は平面図であり、(c)は(b)のX-X矢視断面図である。 (a)~(c)は本発明に係る空気入りタイヤに埋設されたトランスポンダを示す断面図である。 図1の空気入りタイヤに埋設されたトランスポンダを拡大して示す子午線断面図である。 被覆層により被覆された状態で空気入りタイヤに埋設されたトランスポンダを示す断面図である。 図1の空気入りタイヤを概略的に示す赤道線断面図である。 本発明の実施形態からなる空気入りタイヤの変形例を示す子午線断面図である。 試験タイヤにおけるトランスポンダのタイヤ径方向位置を示す説明図である。 従来の空気入りタイヤに埋設されたトランスポンダの放射電波を示す説明図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1及び図2は本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示すものである。
図1に示すように、本実施形態の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、トレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2と、これらサイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3とを備えている。
一対のビード部3間には、複数本のカーカスコードをラジアル方向に配列してなる少なくとも1層(図1では1層)のカーカス層4が装架されている。カーカス層4はゴムで被覆されている。カーカス層4を構成するカーカスコードとしては、ナイロンやポリエステル等の有機繊維コードが好ましく使用される。各ビード部3には環状のビードコア5が埋設されており、そのビードコア5の外周上に断面三角形状のゴム組成物からなるビードフィラー6が配置されている。
一方、トレッド部1におけるカーカス層4のタイヤ外周側には、複数層(図1では2層)のベルト層7が埋設されている。ベルト層7は、タイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。ベルト層7において、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°~40°の範囲に設定されている。ベルト層7の補強コードとしては、スチールコードが好ましく使用される。
ベルト層7のタイヤ外周側には、高速耐久性の向上を目的として、補強コードをタイヤ周方向に対して例えば5°以下の角度で配列してなる少なくとも1層(図1では2層)のベルトカバー層8が配置されている。図1において、タイヤ径方向内側に位置するベルトカバー層8はベルト層7の全幅を覆うフルカバーを構成し、タイヤ径方向外側に位置するベルトカバー層8はベルト層7の端部のみを覆うエッジカバー層を構成している。ベルトカバー層8の補強コードとしては、ナイロンやアラミド等の有機繊維コードが好ましく使用される。
上記空気入りタイヤにおいて、カーカス層4の両端末4eは、各ビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側へ折り返され、ビードコア5及びビードフィラー6を包み込むように配置されている。カーカス層4は、トレッド部1から各サイドウォール部2を経て各ビード部3に至る部分である本体部4Aと、各ビード部3においてビードコア5の廻りに巻き上げられて各サイドウォール部2側に向かって延在する部分である巻き上げ部4Bとを含む。
また、タイヤ内表面には、カーカス層4に沿ってインナーライナー層9が配置されている。トレッド部1にはキャップトレッドゴム層11が配置され、サイドウォール部2にはサイドウォールゴム層12が配置され、ビード部3にはリムクッションゴム層13が配置されている。
サイドウォール部2には、トランスポンダ20が埋設されている。より具体的には、トランスポンダ20は、タイヤ幅方向の配置領域として、カーカス層4とサイドウォールゴム層12又はリムクッションゴム層13との間に配置されている。また、トランスポンダ20は、タイヤ径方向の配置領域として、ビードコア5の上端5e(タイヤ径方向外側の端部5e)からタイヤ径方向外側に15mmの位置P1とベルト層7の端末7eからタイヤ径方向内側に5mmの位置P2との間に配置されていると良い。即ち、トランスポンダ20は、図2に示す領域S1に配置されていると良い。
トランスポンダ20として、例えば、RFID(Radio Frequency Identification)タグを用いることができる。トランスポンダ20は、図3に示すにように、データを記憶する基板21と、データを非接触で送受信するアンテナ22とを有している。このようなトランスポンダ20を用いることで、適時にタイヤに関する情報を書き込み又は読み出し、タイヤを効率的に管理することができる。なお、RFIDとは、アンテナ及びコントローラを有するリーダライタと、基板及びアンテナを有するIDタグから構成され、無線方式によりデータを交信可能な自動認識技術である。
トランスポンダ20の全体の形状は、特に限定されるものではないが、例えば、図3に示すような柱状のものを用いることができる。柱状のトランスポンダ20を用いた場合、タイヤの各方向の変形に対して追従することができるので好適である。この場合、トランスポンダ20のアンテナ22は、基板21の両端部の各々から突出し、螺旋状を呈している。これにより、走行時におけるタイヤの変形に対して追従することができ、トランスポンダ20の耐久性を改善することができる。また、アンテナ22の長さを適宜変更することにより、通信性を確保することができる。
上記空気入りタイヤにおいて、トランスポンダ20のタイヤ幅方向内側には、人工磁気導体(Artificial Magnetic Conductor)として機能する複合シート30が配置されている。人工磁気導体は、一般に、導体上で電磁波の反射位相が反転(180°回転)するのを同相に調整する機能を有するものである。そのため、図4に示すように、トランスポンダ20の背面波Wbが複合シート30で反射した際に背面波Wbの位相は反転しない。即ち、トランスポンダ20の前面波Waと複合シート30で反射された背面波Wcは、同相となる或いは位相のズレが小さくなるように調整される。これにより、トランスポンダ20の前面波Waと複合シート30で反射された背面波Wcとは互いに強め合うように作用する。トランスポンダ20の周辺に金属部材からなるタイヤ構成部材M(例えばチェーファーやスチールカーカス等)が配置されている場合であっても、複合シート30を配置することにより同様の作用効果を得ることができる。
このような複合シート30は、図5(a)~(c)に示すように、基板をなす誘電体31と、誘電体31上に周期的に配設された導体32とを有している。より具体的には、複合シート30は、その長手方向及び短手方向の各々に連続的に配列された複数の要素300から構成されており、各要素300(図5(a)に示す斜線部)には、誘電体31上に導体32が固定されていて特定の配列パターンが形成されている。複合シート30において、図5(b)に示すピッチpは、導体32により形成されるパターンに基づく繰り返し単位である。複合シート30の導体32による配列パターンは、特に限定されるものではなく、任意の配列パターンを適宜採用することができる。なお、図5(a)において、複合シート30の長手方向及びトランスポンダ20の長手方向軸Lはタイヤ周方向Tcに平行に配置され、複合シート30の短手方向はタイヤ径方向Trに平行に配置されている。
また、複合シート30の誘電体31は、例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ビスマレイミド樹脂、フェノール樹脂等の低誘電率の材料から構成することができる。更に、誘電体31に補強繊維としてガラスを添加することにより、耐熱性を向上させることができる。また、誘電体31は、樹脂の他にもゴム又はエラストマーから構成することもでき、この場合には誘電体31に柔軟性を持たせることができる。更に、誘電体31をゴムで構成した場合、タック性を有すると共に、誘電体31に隣接する周辺ゴム部材との接着が容易であるため、取扱い性の観点から好適である。このような誘電体31に対して、導体32を印刷や蒸着、接着等により固定することができる。
上述した空気入りタイヤでは、トランスポンダ20のタイヤ幅方向内側に、基板をなす誘電体31と誘電体31上に周期的に配設された導体32とを有していて人工磁気導体として機能する複合シート30が配置されている。人工磁気導体として機能する複合シート30がトランスポンダ20のタイヤ幅方向内側に配置されていることにより、トランスポンダ20の周辺に金属部材からなるタイヤ構成部材Mが配置されている場合であっても、トランスポンダ20から放射される背面波Wbが複合シート30で反射した際に背面波Wbの位相が反転することはない。そのため、トランスポンダ20の前面波Waと複合シート30で反射された背面波Wcは、同相となる或いは位相のズレが小さくなるように調整される。これにより、トランスポンダ20の前面波Waと複合シート30で反射された背面波Wcとは互いに強め合うように作用するので、トランスポンダ20の通信性を改善することができる。そのため、トランスポンダ20の通信距離を伸ばすことも可能である。
上記空気入りタイヤにおいて、複合シート30は周波数選択板(Frequency Selective Surfaces)又はキャパシタンスグリッドをなすように構成しても良く、或いは周波数選択板とキャパシタンスグリッドとを組み合わせた構造を有するように構成しても良い。更に、複合シート30は、トランスポンダ20の放射電波(例えば図4に示す前面波Wa)の位相に対して金属部材からなるタイヤ構成部材Mにより反射された放射電波(例えば図4に示す背面波Wc)の反射位相を-160°~+160°の範囲に調整するように構成されていると良く、特に-90°~+90°の範囲がより好ましく、-45°~+45°の範囲が更に好ましい。図4は、前面波Waの位相に対する背面波Wcの反射位相が0°の例を示している。このような金属部材からなるタイヤ構成部材Mとして、例えば、ベルト層、補強層(チェーファー等)や、トラックバス用タイヤで使用されるスチールコードからなるカーカス層を挙げることができる。このように複合シート30を構成することで、トランスポンダ20の通信性を効果的に改善することができる。なお、周波数選択板は、特定の周波数を持つ電磁波を透過させる或いは反射させる空間フィルタである。
また、図4に示すように、トランスポンダ20は、金属部材からなるタイヤ構成部材Mよりもタイヤ幅方向外側に配置され、トランスポンダ20と金属部材からなるタイヤ構成部材Mとの間に複合シート30が配置されていると良い。人工磁気導体として機能する複合シート30を用いた場合には、トランスポンダ20の通信性の悪化を避けるためにトランスポンダ20を金属部材からなるタイヤ構成部材Mから十分に離間させる必要がないので、金属部材からなるタイヤ構成部材Mと近接した位置に配置することができる。このようにトランスポンダ20及び複合シート30を配置することにより、トランスポンダ20の通信性を効果的に改善することができるのである。
これに対して、本発明のような複合シート30を用いない場合、トランスポンダの通信性が悪化するため、トランスポンダを金属部材からなるタイヤ構成部材と近接した位置に配置することは難しく、配置するとしても所定の通信性を確保できるように金属部材からなるタイヤ構成部材から十分に離間させる必要がある。
また、上記空気入りタイヤにおいて、複合シート30の厚さg(例えば図8参照)は、15μm~1500μmの範囲にあると良い。このように複合シート30の厚さgを適度に設定することで、複合シート30の耐久性を確保しながら、トランスポンダ20の通信性を効果的に改善することができる。なお、複合シート30の厚さgは、トランスポンダ20を含む位置での複合シート30の総厚さであり、例えば、図8に示すように、タイヤ子午線断面においてトランスポンダ20の中心Cを通って最も近いカーカス層4のカーカスコードと直交する直線上での総厚さである。
ここで、複合シート30の厚さgが15μmより薄いと、トランスポンダ20の通信性が悪化する傾向があると共に、複合シート30の取扱い性が悪化し、タイヤの生産性が悪化する(タイヤ成形時のサイクルタイムが増える)。逆に、複合シート30の厚さgが1500μmより厚いと、複合シート30がタイヤの変形に追従しにくくなり、誘電体31が破断する或いは誘電体31が破損して機能しなくなることがある。
また、トランスポンダ20のタイヤ幅方向の投影面積に対する複合シート30のタイヤ幅方向の投影面積の比は、1.0~170.0の範囲にあることが好ましく、6.0~120.0の範囲にあることがより好ましく、10.0~80.0の範囲にあることが更に好ましく、20.0~80.0の範囲にあることが最も好ましい。その際、複合シートのタイヤ幅方向の投影面積は、400mm2~4320mm2の範囲にあることが好ましく、600mm2~3000mm2の範囲にあることがより好ましく、1000mm2~3000mm2の範囲にあることが最も好ましい。このようにトランスポンダ20の投影面積に対する複合シート30の投影面積の比を適度に設定することで、タイヤの耐久性を悪化させことなく、トランスポンダ20の通信性を効果的に改善することができる。
ここで、上記比が1.0より小さい場合(複合シート30の投影面積が過度に小さい場合)、トランスポンダ20の通信性の改善効果を十分に得ることができない。逆に、上記比が170.0より大きい場合(複合シート30の投影面積が過度に大きい場合)、複合シート30に隣接する周辺ゴム部材(例えばカーカス層4のコートゴムやサイドウォールゴム層12、リムクッションゴム層13等)とセパレーションが生じて、タイヤの耐久性が悪化する傾向がある。
更に、上記空気入りタイヤにおいて、複合シート30を構成する誘電体31の比誘電率は、1.5~10.0の範囲にあると良い。このように誘電体31の比誘電率を適度に設定することで、複合シート30の電波強度の低減を抑制し、トランスポンダ20の通信性を効果的に改善することができる。ここで、誘電体31の比誘電率が10.0より大きい場合、トランスポンダ20の通信性の改善効果を十分に得ることができない。
また、複合シート30を構成する誘電体31は、ゴム又はエラストマーからなることが好ましい。このように誘電体31を構成することで、複合シート30に隣接する周辺ゴム部材との接着性を高めることができ、タイヤの耐久性を十分に確保することができる。
図6(a)~(c)に示すように、複合シート30の長手方向は、トランスポンダ20の長手方向軸Lに平行になるように配置されることが好ましい。その際、複合シート30の長手方向は、トランスポンダ20の長手方向軸Lに対して-5°~+5°の範囲であれば傾斜していても良い。図6(a)~(c)では、複合シート30の長手方向はタイヤ周方向Tcに平行になるように配置されているので、トランスポンダ20の長手方向軸Lのタイヤ周方向Tcに対する傾斜角度αが-5°~+5°の範囲にあれば良い。柱状のトランスポンダ20の場合にはアンテナ22の延在方向が電界成分方向になるので、上述したように複合シート30を配置すると、複合シート30の長手方向がトランスポンダ20の電界成分方向に平行になるように配置されると共に、複合シート30の短手方向がトランスポンダ20の電界成分方向に直交する方向に沿って配置されることになる。なお、トランスポンダ20の長手方向軸Lは、基本的に基板21の中心を通ってアンテナ22の両端末を結ぶ直線とするが(図6(a),(b)参照)、トランスポンダ20がタイヤの曲率等により屈曲又は湾曲している場合には、基板21の中心とアンテナ22の両端末の3点のからの距離が互いに等しくなる直線とする(図6(c)参照)。
このように複合シート30の長手方向をトランスポンダ20の長手方向軸Lに平行になるように配置した上で、複合シート30の導体32により形成されるパターンの1ピッチの長さtyと、複合シート30の導体32により形成されるパターンの1ピッチの長さtxとは、2.5≦ty/tx≦35.0の関係を満たすことが好ましい。なお、長さtyは、トランスポンダ20の長手方向軸Lに沿って測定され、長さtxは、トランスポンダ20の長手方向軸Lに直交する方向に沿って測定される。
上述したように複合シート30の長手方向がトランスポンダ20の長手方向軸に平行になるように配置され、長さtyと長さtxとが2.5≦ty/tx≦35.0の関係を満たすことにより、トランスポンダ20の通信性を効果的に改善することができる。ここで、長さtyと長さtxが上記関係式の範囲から外れる場合、トランスポンダ20の通信性の改善効果を十分に得ることができない。
図7に示すように、トランスポンダ20はエラストマー又はゴムからなる被覆層23により被覆されていると良い。この被覆層23は、トランスポンダ20の表裏両面を挟むようにしてトランスポンダ20の全体を被覆する。被覆層23は、サイドウォールゴム層12又はリムクッションゴム層13を構成するゴムと同じ物性を有するゴムで構成しても良く、異なる物性を有するゴムで構成しても良い。このようにトランスポンダ20が被覆層23により保護されていることで、トランスポンダ20の耐久性を改善することができる。なお、被覆層23の断面形状は、特に限定されるものではないが、例えば、三角形や長方形、台形、紡錘形を採用することができる。
被覆層23の組成として、被覆層23は、ゴム又はエラストマーと20phr以上の白色フィラーとからなることが好ましい。このように被覆層23を構成することで、カーボンを含有する場合に比べ、被覆層23の比誘電率を比較的低くすることができ、トランスポンダ20の通信性を効果的に改善することができる。なお、本明細書において、「phr」は、ゴム成分(エラストマー)100重量部あたりの重量部を意味する。
この被覆層23を構成する白色フィラーは、20phr~55phrの炭酸カルシウムを含むことが好ましい。これにより、被覆層23の比誘電率を比較的低くすることができ、トランスポンダ20の通信性を効果的に改善することができる。但し、白色フィラーに炭酸カルシウムが過度に含まれると脆性的になり、被覆層23としての強度が低下するため好ましくない。また、被覆層23は、炭酸カルシウムの他に、20phr以下のシリカ(白色フィラー)や5phr以下のカーボンブラックを任意に含むことができる。少量のシリカやカーボンブラックを併用した場合、被覆層23の強度を確保しつつ、その比誘電率を低下させることができる。
また、被覆層23の比誘電率は7以下であることが好ましく、2~5であることがより好ましい。このように被覆層23の比誘電率を適度に設定することで、トランスポンダ20が電波を放射する際の電波透過性を確保し、トランスポンダ20の通信性を効果的に改善することができる。
上記空気入りタイヤにおいて、トランスポンダ20を被覆する被覆層23の比誘電率は被覆層23に隣接する周辺ゴム部材(例えば、カーカス層4のコートゴム、ビードフィラー6、キャップトレッドゴム層11、サイドウォールゴム層12、リムクッションゴム層13)の比誘電率よりも低く、被覆層23の総厚さGacとトランスポンダ20の最大厚さGarとは、1.1≦Gac/Gar≦3.0の関係を満たすことが好ましい。被覆層23の総厚さGacは、トランスポンダ20を含む位置での被覆層23の総厚さであり、例えば、図8に示すように、タイヤ子午線断面においてトランスポンダ20の中心Cを通って最も近いカーカス層4のカーカスコードと直交する直線上での総厚さである。
上述したようにトランスポンダ20の最大厚さGarに対する被覆層23の総厚さGacの比を適度に設定することで、トランスポンダ20の通信距離を十分に確保することができる。ここで、上記比が過度に小さい(被覆層23の総厚さGacが過度に薄い)と、トランスポンダ20が隣接するゴム部材と接触し、共振周波数がずれて、トランスポンダ20の通信性が悪化し、逆に上記比が過度に大きい(被覆層23の総厚さGacが過度に厚い)と、タイヤの耐久性が悪化する傾向がある。
上記空気入りタイヤにおいて、図8に示すように、トランスポンダ20の厚さ方向の中心Cは被覆層23の厚さ方向の一方側の表面から該被覆層23の総厚さGacの25%~75%の範囲内に配置されていると良い。これにより、トランスポンダ20が被覆層23によって確実に被覆されるので、トランスポンダ20の周辺環境が安定し、共振周波数のずれを生じることがなく、トランスポンダ20の通信距離を十分に確保することができる。
図9に示すように、タイヤ周上には、タイヤ構成部材の端部同士が重ねられてなる複数のスプライス部がある。図9には各スプライス部のタイヤ周方向の位置Qが示されている。トランスポンダ20の中心は、タイヤ構成部材のスプライス部からタイヤ周方向に10mm以上離間して配置されていることが好ましい。即ち、トランスポンダ20は、図9に示す領域S2に配置されていると良い。具体的には、トランスポンダ20を構成する基板21が位置Qからタイヤ周方向に10mm以上離間していると良い。更には、アンテナ22を含むトランスポンダ20の全体が位置Qからタイヤ周方向に10mm以上離間していることがより好ましく、被覆ゴムにより被覆された状態のトランスポンダ20の全体が位置Qからタイヤ周方向に10mm以上離間していることが最も好ましい。また、スプライス部がトランスポンダ20から離間して配置されるタイヤ構成部材は、トランスポンダ20と隣接する部材であると良い。このようなタイヤ構成部材として、例えば、カーカス層4、ビードフィラー6、ベルト層7、キャップトレッドゴム層11、サイドウォールゴム層12、リムクッションゴム層13、補強層(例えばチェーファー等)を挙げることができる。タイヤ構成部材のスプライス部から離間させた位置にトランスポンダ20を配置することで、タイヤの耐久性を効果的に改善することができる。
なお、図9の実施形態では、各タイヤ構成部材のスプライス部のタイヤ周方向の位置Qが等間隔に配置された例を示したが、これに限定されるものではない。タイヤ周方向の位置Qは任意の位置に設定することができ、いずれの場合であってもトランスポンダ20は各タイヤ構成部材のスプライス部からタイヤ周方向に10mm以上離間するように配置される。また、図9の実施形態において、スプライス部は、タイヤ構成部材のタイヤ周方向の両端部が互いに重なり合うように構成することができ、その際、タイヤ幅方向に対して傾斜するように切断したタイヤ周方向の両端部を互いに重ね合わせても良い。或いは、スプライス部は、タイヤ構成部材のタイヤ周方向の両端部を互いに突き合わせるように構成しても良い。
図10は本発明の実施形態からなる空気入りタイヤの変形例を示すものである。図10において、図1~9と同一物には同一符号を付してその部分の詳細な説明は省略する。
図10に示すように、ビードフィラー6のタイヤ幅方向外側には、ビード部3の補強を目的として、ビードフィラー6に隣接するように金属補強層14が配置されている。図10において、金属補強層14の上端14eはビードフィラー6の上端6eよりも高く配置されている。特に、金属補強層14の上端14eは、ビードフィラー6の上端6eからタイヤ径方向外側に5mm以上離間して配置されていることが好ましく、ビードフィラー6の上端6eからタイヤ径方向外側に10mm以上離間して配置されていることがより好ましい。また、金属補強層14は、ゴム中に複数本のスチールコードが埋設されて構成される。
上記空気入りタイヤにおいて、トランスポンダ20は、ビードコア5の上端5eからタイヤ径方向外側に15mmの位置P1と金属補強層14の上端14eとの間に配置されている。このようにトランスポンダ20を配置することで、トランスポンダ20がタイヤの応力振幅が小さい領域に配置されるので、トランスポンダ20及び複合シート30の破損を抑制することができる。また、タイヤの耐久性を十分に確保することができる。ここで、トランスポンダ20が位置P1よりタイヤ径方向内側に配置されると、リムフランジ部付近での応力集中により、トランスポンダ20と隣接ゴム部材とのセパレーションが発生し易くなるため、好ましくない。
上述した説明では、乗用車用タイヤとして有機繊維コードからなるカーカス層4を有する空気入りタイヤの例を示したが、特に限定されるものではない。本発明は、トラックバス用タイヤにも適用することができ、その場合にはスチールコードからなるカーカス層4を使用すると良い。また、カーカス層4の層数は、特に限定されるものではなく、2層以上であっても良い。更に、金属補強層14の配置も、特に限定されるものではなく、ビードフィラー6のタイヤ幅方向外側にビードフィラー6に隣接するように配置した例を示したが、ビードフィラー6のタイヤ幅方向外側でかつビードフィラー6に隣接せずに配置しても良く、或いはビードフィラー6のタイヤ幅方向内側にビードフィラー6に隣接するように配置しても良い。上述したいずれの場合であっても、トランスポンダ20は金属部材からタイヤ構成部材(スチールコードからなるカーカス層4や金属補強層14)よりもタイヤ幅方向外側に配置される。そして、トランスポンダ20は、カーカス層4のタイヤ幅方向外側に配置されることが好ましい。
また、トランスポンダ20がサイドウォール部2に埋設された例を示したが、トレッド部1(例えばベルト層7の上方域)に埋設することもできる。
タイヤサイズ235/60R18で、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、トランスポンダが埋設された空気入りタイヤにおいて、トランスポンダの位置(タイヤ径方向及びタイヤ周方向)、複合シート(有無、ty/tx、厚さ、投影面積の比、誘電体の比誘電率及び誘電体の構成材料)、金属補強層(有無)、被覆層(構成材料、比誘電率及びGac/Gar)について表1及び表2のように設定した従来例及び実施例1~22のタイヤを製作した。
なお、表1及び表2において、トランスポンダの位置(タイヤ径方向)は、図11に示すA~Cのそれぞれの位置に対応する。トランスポンダの位置(タイヤ周方向)は、トランスポンダの中心からタイヤ構成部材のスプライス部までのタイヤ周方向に測定された距離[mm]を示す。また、表1及び表2において、投影面積の比は、トランスポンダのタイヤ幅方向の投影面積に対する複合シートのタイヤ幅方向の投影面積の比を意味する。
従来例及び実施例1~22において、トランスポンダはカーカス層とサイドウォールゴム層又はリムクッションゴム層との間に配置され、金属補強層はビードフィラーのタイヤ幅方向外側にビードフィラーに隣接して配置されている。また、実施例1~22において、複合シートはトランスポンダのタイヤ幅方向内側に配置され、複合シートの導体は周波数選択板を構成している。
これら試験タイヤについて、下記試験方法により、トランスポンダ評価(通信性)、複合シート評価(耐久性)及びタイヤ評価(耐久性)を実施し、その結果を表1及び表2に併せて示した。
通信性(トランスポンダ):
各試験タイヤについて、リーダライタを用いてトランスポンダとの通信作業を実施した。具体的には、リーダライタにおいて出力250mW、搬送波周波数860MHz~960MHzとして通信可能な最長距離を測定した。評価結果は、通信距離1000mm以上の場合を「◎(優)」で示し、通信距離が500mm以上1000mm未満の場合を「○(良)」で示し、通信距離が500mm未満の場合を「△(可)」の3段階で示した。
耐久性(複合シート及びタイヤ):
各試験タイヤを標準リムのホイールに組み付け、空気圧120kPa、最大負荷荷重に対して102%、走行速度81kmの条件でドラム試験機にて走行試験を実施し、タイヤに故障が発生した際の走行距離を測定した。評価結果は、走行距離が6480kmに達した場合を「◎(優)」で示し、走行距離が4050km以上6480km未満の場合を「○(良)」で示し、走行距離が4050km未満の場合を「△(可)」の3段階で示した。更に、上記走行終了後、各試験タイヤに埋設された複合シートの通信距離を測定し、複合シートの耐久性を評価した。評価結果は、新品時と同等であった場合を「◎(優)」で示し、新品時より通信距離が短くなったが正常に機能する場合を「○(良)」で示し、破損して機能しなくなった場合を「×(不可)」の3段階で示した。
Figure 0007545046000001
Figure 0007545046000002
これら表1及び表2から判るように、実施例1~22は、トランスポンダの通信性、複合シートの耐久性及びタイヤの耐久性がバランス良く改善されていた。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
20 トランスポンダ
30 複合シート
31 誘電体
32 導体
CL タイヤ中心線

Claims (13)

  1. タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、トランスポンダが埋設された空気入りタイヤにおいて、
    前記トランスポンダのタイヤ幅方向内側に、基板をなす誘電体と該誘電体上に周期的に配設された導体とを有していて人工磁気導体として機能する複合シートが配置され
    前記トランスポンダが金属部材からなるタイヤ構成部材よりもタイヤ幅方向外側に配置され、前記複合シートが前記トランスポンダと前記金属部材からなるタイヤ構成部材との間に配置されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記複合シートの長手方向が前記トランスポンダの長手方向軸に平行になるように配置され、前記トランスポンダの長手方向軸に沿って測定される前記導体により形成されるパターンの1ピッチの長さtyと、前記トランスポンダの長手方向軸に直交する方向に沿って測定される前記導体により形成されるパターンの1ピッチの長さtxとが2.5≦ty/tx≦35.0の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記複合シートの厚さが15μm~1500μmの範囲にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記トランスポンダのタイヤ幅方向の投影面積に対する前記複合シートのタイヤ幅方向の投影面積の比が1.0~170.0の範囲にあることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記トランスポンダが前記サイドウォール部に配置されていることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記複合シートが周波数選択板及び/又はキャパシタンスグリッドを構成することを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の空気入りタイヤ
  7. 前記複合シートが前記トランスポンダの放射電波の位相に対して金属部材からなるタイヤ構成部材により反射された前記放射電波の反射位相を-160°~+160°の範囲に調整するように構成されていることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記複合シートを構成する誘電体の比誘電率が1.5~10.0の範囲にあることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記複合シートを構成する誘電体がゴム又はエラストマーからなることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記トランスポンダを被覆する被覆層の比誘電率が該被覆層に隣接する周辺ゴム部材の比誘電率よりも低く、前記被覆層の総厚さGacと前記トランスポンダの最大厚さGarとが1.1≦Gac/Gar≦3.0の関係を満たすことを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  11. 前記トランスポンダがエラストマー又はゴムからなる被覆層により被覆され、該被覆層の比誘電率が7以下であることを特徴とする請求項1~10のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  12. 前記トランスポンダの中心がタイヤ構成部材のスプライス部からタイヤ周方向に10mm以上離間して配置されていることを特徴とする請求項1~11のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  13. 前記ビード部を構成するビードフィラーの側方に金属補強層が配置され、前記トランスポンダが前記ビード部を構成するビードコアの上端からタイヤ径方向外側に15mmの位置と前記金属補強層の上端との間に配置されていることを特徴とする請求項1~12のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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