JP7543985B2 - 磁石組付装置 - Google Patents
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Description
本発明の第一の態様は、被挿入ワーク(W)に形成された挿入孔(hW)に直方体状の磁石(T)を挿入して組み付ける磁石組付装置(X)である。磁石組付装置は、仮治具(1)と、芯出し装置(7)と、を備える。
芯出し装置の動作により、被挿入ワークの位置を仮治具の位置に倣わせた状態で、仮治具から被挿入ワークの挿入孔に磁石が挿入される。
本発明の第一の態様では、芯出し装置を用いて被挿入ワークの位置を仮治具の位置に倣わせることで、仮治具を用いた被挿入ワークへの磁石挿入作業において、被挿入ワークと仮治具との芯出し作業の手間を軽減することができる。
本発明の第二の態様により、第一の態様と同じ効果が得られる。
第1実施形態は、「被挿入ワークW」の「軸方向Z」に平行に形成された「挿入孔hW」に対し、複数の「磁石T」を、正確かつ効率的に挿入して組み付ける「磁石組付装置X」である。
図2に磁石組付装置Xの平面図を示す。磁石組付装置Xは「仮治具1」と、仮治具1を載置する「仮治具テーブル3」と、「仮組付装置5」と、被挿入ワークWを載置する「芯出し装置7」と、「本組付装置9」とを備える。
なお、本発明による磁石組付では、以下の各段階に分けて作業を行う。
(1)仮組付装置5により仮治具1に磁石を組付ける(以下「仮組付」)。
(2)組付けられた磁石の位置を最適化する(以下「位置合わせ」)。
(3)仮治具テーブル3により仮組付後の仮治具1を芯出し装置7の直上に移動させる。
(4)本組付装置9により仮治具1に組付けられた磁石を被挿入ワークWに移動させる(以下「本組付」)。
仮治具1について、図3に平面図を、図4に正面図を示す。仮治具1は被挿入ワークWを模した「本体11」と、本体11から延出して仮治具テーブル3上に係合する複数の「係合アーム13」と、8基の「位置合わせ機構15」と、本体11の直下に接続される「シビアガイド17」と、「シャッタ19」及びシャッタ19を開閉するための「カムフォロア191」とを有し、係合アーム12を介して仮治具テーブル3上に載置される。位置合わせ機構5、シビアガイド17、シャッタ19、カムフォロア191については後述する。
図6に位置合わせ機構15の拡大平面図を示す。位置合わせ機構5は、仮治具1に挿入された磁石対を、ラフガイド孔h11の所定の辺の内壁に当接させて位置決めを行うためのものであり、「可動ガイド151」と、「バネ153」と、「ガイドプッシャ155」と、「調整ボルト157」とを有する。可動ガイド151は仮治具1の径方向に移動可能に設けられ、径方向外側の端部が磁石対に当接可能に且つ周方向に広がっている。
図3を再び参照する。図7には「閉状態」(上の図)から「開状態」(下の図)へ切り替わったときのシャッタ19の動きを平面図に示す。シャッタ19とカムフォロア191はリンク機構で連動し(シャッタ機構)、本組付に際し、カムフォロア191が図3に示した矢印方向に回転すると同時にシャッタ19が開状態に変化する。
仮治具テーブル3は、複数の仮治具1を載置したまま回転軸r3を中心に回転可能な円卓であって、仮治具1を仮組付装置5直下から本組付装置9直下まで移動させる(図2)。本実施形態では4基の仮治具1を載置可能である。仮治具テーブル3の仮治具1の載置位置の直下は穴が空いた構造になっている。仮治具1は、仮治具テーブル3上に直接載置されるわけではなく、複数の係合アームが仮治具テーブル3に係合することで仮治具テーブル3上に載置される(図3)。よって下方からみると仮治具1の底面(シビアガイド17及びシャッタ機構)が見える。
仮組付装置5について、図8に平面図を、図9に側面図を、図10に正面図を、図11に動作を示す斜視図を示す。仮組付装置5は、「磁石プッシャ51」と、「磁石切り出し矢53」と、「組付シャッタ55」と、「挿入矢57」と、「駆動モータ59」とを備える。
駆動モータ59は複数のモータを有し、各モータはそれぞれ磁石プッシャ51、磁石切り出し矢53、組付シャッタ55及び挿入矢57を駆動する。これにより、仮治具1のラフガイド孔h11に磁石Tを挿入して、仮治具1へ仮組付することができる。
図12に芯出し装置7の外観斜視図を示す。芯出し装置7は、被挿入ワークWの軸方向Zに対して直交する平面をXY平面とする三次元座標を定義したとき、被挿入ワークWを、X方向及びY方向に平行に移動可能に支持し、且つ軸方向Zを中心として回転可能に(以下これを「θ方向に移動可能に」という)支持する。これにより、被挿入ワークWをXYθ方向にフローティング(以下「XYθフローティング」)させ、仮治具1と被挿入ワークWの「芯出し」(仮治具1と被挿入ワークWの軸を一致させる位置合わせ)を、容易に行わせるものである。
再度、図13を参照する。最初、仮治具1は芯出し装置7上で、被挿入ワークWは仮治具テーブル3の上で、それぞれ位置決めされている。その状態から、連結シャフト74をセンター受け73ごと持ち上げると、ガイドシャフト76は径が漸減するテーパー状であるため、貫通孔よりも径が小さい箇所でガイドシャフト76が貫通孔の内部に位置することになる。これにより、この持ち上げられたフローティングテーブル75はXYθ方向に自由に移動可能となる。
図15に本組付装置9の正面図を示す。本組付装置9は、「仮治具抑え91」と、「一括挿入矢93」と、「駆動モータ95」と、「シャッタ開閉モータ97」とを備える。仮治具抑え91は、仮治具1を仮治具テーブル3上に固定する。一括挿入矢93は駆動モータ95に上下駆動され、下降したときに仮治具1に仮組付された磁石Tを被挿入ワークWの挿入孔hWに押し込んで本組付を行う。シャッタ開閉モータ97は、仮治具1のカムフォロア191を把持して回転させる。
最初に、仮治具テーブル3によって運ばれてきた、仮組付後の仮治具抑え91により、仮治具1を固定し、芯出しを行って、仮治具1と被挿入ワークWの位置合わせを行う。次に、駆動モータ95が一括挿入矢93を下降させ、これ同時にシャッタ開閉モータ95が仮治具1のカムフォロア191を回転させてシャッタ19を開状態にする。これにより、仮治具1に仮組付された磁石Tが一括して被挿入ワークWの挿入孔hWに押し込まれる。このとき磁石Tは仮治具1のシビアガイド孔h17を通過し、自ずと位置が修正されながら挿入孔hW内部に収まる。
一般に、磁石挿入を行うには磁石の欠損による減磁を避けるため、過度の衝撃が加わらないようにする必要がある。またロータ回転時の渦損や発熱を抑制するため、磁石を挿入方向に分割して数を増やす場合、大量の磁石を効率的に被挿入ワークWに組付けていくことが必要になる。
第2実施形態は第1実施形態による磁石組付装置を用いて磁石組付を行う方法である。図16に、磁石組付方法(第2実施形態)のフロー図を示す。この磁石組付方法300では、被挿入ワークWに形成された挿入孔hWに直方体状の磁石Tを挿入して組み付ける。
第1実施形態と同様の構成により、第1実施形態と同様の効果を得る。
以上の実施形態は、埋込磁石型モータのロータコアを想定した仕様となっているが、被挿入ワークは埋込磁石型モータのロータコアに限らず、直方体状の磁石が挿入されるどのような形状のワークであってもよい。
h11 ラフガイド孔
7 芯出し装置
T 磁石
W 被挿入ワーク
hW 挿入孔
X 磁石組付装置
Claims (4)
- 被挿入ワーク(W)の軸に平行に形成された挿入孔(hW)に直方体状の磁石(T)を挿入して組み付ける磁石組付装置(X)であって、
前記被挿入ワークの前記挿入孔の直上の位置において、前記被挿入ワークの前記挿入孔における磁石との嵌合隙間よりも大きな嵌合隙間を有するラフガイド孔(h11)が形成され、前記被挿入ワークの前記挿入孔に挿入される前段階で磁石が一旦挿入される仮治具(1)と、
前記被挿入ワークの軸方向をZ方向とし、前記Z方向に直交する平面をXY平面とする三次元座標を定義し、前記被挿入ワークの軸を中心とする回転方向をθ方向とすると、X方向、Y方向およびθ方向に移動可能に前記被挿入ワークを支持する芯出し装置(7)と、
を備え、
前記芯出し装置は、前記被挿入ワークを前記仮治具に押し当てることで、前記仮治具の位置に倣う状態となるようにX方向、Y方向およびθ方向にフローティング可能な状態で前記被挿入ワークを支持し、
前記芯出し装置の動作により、前記被挿入ワークの位置を前記仮治具の位置に倣わせた状態で、前記仮治具から前記被挿入ワークの前記挿入孔に磁石が挿入される磁石組付装置。 - 前記芯出し装置は、
磁石挿入後の前記芯出し装置の中心軸の位置を基準センター位置に戻すようにガイドするセンターガイド(72)をさらに備える請求項1に記載の磁石組付装置。 - 前記被挿入ワークは、埋込磁石型モータのロータコアである請求項1または2に記載の磁石組付装置。
- 被挿入ワーク(W)の軸に平行に形成された挿入孔(hW)に直方体状の磁石(T)を挿入して組み付ける磁石組付方法(300)であって、
前記被挿入ワークの前記挿入孔の直上の位置において、前記被挿入ワークの前記挿入孔における磁石との嵌合隙間よりも大きな嵌合隙間を有するラフガイド孔(h11)が形成された仮治具(1)に、前記被挿入ワークの前記挿入孔に挿入される前段階で磁石が一旦挿入される仮組付ステップ(301)と、
前記被挿入ワークの軸方向をZ方向とし、前記Z方向に直交する平面をXY平面とする三次元座標を定義し、前記被挿入ワークの軸を中心とする回転方向をθ方向とすると、X方向、Y方向およびθ方向に移動可能に前記被挿入ワークを支持する支持ステップ(302)と、
前記被挿入ワークを前記仮治具に押し当てることで、前記仮治具の位置に倣う状態となるようにX方向、Y方向およびθ方向にフローティングさせる芯出しステップ(303)と、
前記仮治具の前記ラフガイド孔から前記被挿入ワークの前記挿入孔に磁石が挿入される本組付ステップ(304)と、
を含む磁石組付方法。
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