JP7534603B2 - 高炭素鋼線材 - Google Patents

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Description

本発明は、高炭素鋼線材に関する。詳しくは、例えば自動車のラジアルタイヤ、各種産業用ベルトおよびホースの補強材として用いられるスチールコード、更には、ソーイングワイヤなどの用途に好適な高炭素鋼線材に関する。
自動車のラジアルタイヤ、各種のベルトおよびホースの補強材として用いられるスチールコード用の極細鋼線、あるいは、ソーイングワイヤ用の極細鋼線は、一般に、以下の方法により得られる。熱間圧延後に調整冷却した線径(直径)が4~6mmの鋼線材を、1次伸線加工して線径を3~4mmにし、次いで、中間パテンティング処理を行い、更に2次伸線加工して1~2mmの線径にする。この後、最終パテンティング処理を行い、次いで、ブラスメッキを施し、更に最終湿式伸線加工を施して0.15~0.40mmの線径にする。このようにして得られた極細鋼線を、更に撚り加工で複数本撚り合わせて撚鋼線とすることでスチールコードが製造される。また、0.15mm未満の線径に伸線加工することで、ソーイングワイヤが製造される。
近年、製造コストの低減を目的として、上記の中間パテンティングを省略し、調整冷却した熱間圧延後の鋼線材から、最終パテンティング処理に供する線径である1~2mmまでダイレクトに伸線することが多く行われている。このため、調整冷却した熱間圧延後の鋼線材に対して、鋼線材からのダイレクト伸線特性、いわゆる生引き性が要求されるようになり、鋼線材の高延性および高加工性に対する要求が極めて大きくなっている。
更に、近年、種々の目的からスチールコードなどを軽量化する傾向が高まっている。このため、前記の各種製品に対して高強度が要求されるようになり、C含有量が0.9質量%未満の炭素鋼線材などでは、所望の高強度が得られなくなっており、0.9質量%以上のC含有量の鋼線材を用いることが多くなっている。しかし、C含有量を高めると、初析セメンタイトの生成により伸線加工性が低下するので、断線頻度が高くなる。このため、C含有量を高くすることで鋼線材に高い強度を確保させ、しかも伸線加工性にも優れた鋼線材に対する要求が極めて大きくなっている。
上記した近年の産業界からの要求に対して、種々の高炭素鋼線材の製造技術が提案されている。例えば特許文献1には、特定の化学組成を有する鋼材からなり、初析セメンタイトの含有平均面積率を規定した「高強度高靱性極細鋼線用線材、高強度高靱性極細鋼線、および該極細鋼線を用いた撚り製品、並びに該極細鋼線の製造方法」が開示されている。しかし、特許文献1で提案された線材は、高価な元素であるNi及びCoの1種以上を必須の成分として含有するため、製造コストが嵩む場合がある。
特許文献2では、0.6%以上のAlを添加することで、C含有量が1%を超える高炭素鋼において、初析セメンタイトの生成を抑制する技術が提案されている。しかしながら、Alは強脱酸元素であり、伸線における断線の原因となる硬質介在物量が増加するため、スチールコードのような極細鋼線用の鋼線材に適用することが難しい場合がある。
特許文献3では、高炭素線材をオーステナイト温度域に加熱後、823~1023Kの温度範囲に冷却し、この温度域で加工度:15~80%の塑性加工を行った後、823~923Kの温度域で恒温変態させることで、初析セメンタイトの析出を抑制する技術が提案されている。しかしながら、このような温度域で所定の加工を施すためには大掛かりな設備投資が必要であり、製造コストの増加を引き起こす場合がある。
一方、熱間圧延後の鋼線材のパテンティング処理時に冷却速度が小さく、初析セメンタイトの生成し易い鋼線材中心部のC偏析度を低下させる技術も提案されている。例えば特許文献4には、溶鋼の連続鋳造において鋳片内部溶鋼が凝固を完了するクレーターエンド近傍にて鍛圧加工を施し、鋳片軸芯部におけるC含有量を平均の0.8~1.05倍とし、ついでこの鋳片を熱間圧延することで、高炭素鋼線材の加工性を向上させる技術が開示されている。しかしながら、この方法はコストが掛かる上、高炭素鋼線材においてC偏析度が低減されている領域が明確ではない。
特許文献5では、未凝固圧下方法により、鋳片中心部のC偏析度を低減する技術が開示されている。しかしながら、偏析中心部におけるC偏析度は最小でも0.97程度であり、0.9%を超えるCを含有する鋼線材、特に1.0%を超えるCを含有する鋼線材の初析セメンタイトを抑制するには不十分である。
特許第2609387号公報 特開2003-193129号公報 特開平8-283867号公報 特許第2927823号公報 特許第3119203号公報
本発明は、上記現状に鑑みなされたものであり、伸線加工性に優れた高炭素鋼線材を提供することを目的とする。
本発明の要旨は、以下の通りである。
[1] 本発明の一態様に係る高炭素鋼線材は、質量%で、
C:0.80~1.20%、
Si:0.10%以上、0.30%未満、
Mn:0.10~1.00%、
N:40ppm以下、
O:40ppm以下、
P:0.020%以下、および
S:0.020%以下を含有し、
残部はFe及び不純物からなり、
金属組織が、面積分率で、パーライトを97.0%以上含有し、残部がベイナイト、擬似パーライトおよび初析フェライトからなり、
C断面で、中心~前記中心から鋼線材半径の17%以内の領域(鋼線材中心から半径の17%までの領域)における炭素濃度の質量%での平均値をC17とし、表面~前記表面から前記鋼線材半径の10%以下の領域(鋼線材表面から半径の10%までの深さの領域)における炭素濃度の質量%での平均値をCS10とし、前記C断面全体の炭素濃度の質量%での平均値をCとしたとき、C17/Cが0.99以下、CS10/Cが0.98以下であり、
線径が4.0~6.0mm、引張強度が1000~1400MPaである。
[2] 上記[1]に記載の高炭素鋼線材は、質量%で、
Al:0%超、0.010%以下、
Ti:0%超、0.010%以下、
Cr:0%超、0.50%以下、
Ni:0%超、0.50%以下、
Co:0%超、0.50%以下、
V:0%超、0.50%以下、
Cu:0%超、0.20%以下、
Nb:0%超、0.10%以下、
Mo:0%超、0.20%以下、
W:0%超、0.20%以下および
B:0ppm超、30ppm以下
よりなる群から選択される少なくとも1種以上を含有してもよい。
[3] 上記[1]または[2]に記載の高炭素鋼線材は、前記C断面で、kを1~200の自然数とし、前記中心から(k-1)×30μm~前記中心からk×30μmの領域における炭素濃度の質量%での平均値をCavekとしたとき、Cavek/Cが1.10以下であってもよい。
本発明に係る上記態様によれば、伸線加工性に優れた高炭素鋼線材を提供することができる。上記態様に係る高炭素鋼線材は、ダイレクト伸線特性、いわゆる生引き性に優れるため、スチールコードおよびソーイングワイヤ等の用途に好適である。
C断面における炭素濃度の測定方法を説明する図である。 実施例における鋼線材のTSと、20度アプローチ角のダイスによる伸線加工において断線する限界の真ひずみとの関係を示す図である。
本発明者らは、高炭素鋼線材(以下、単に鋼線材と記載する場合がある)の化学組成および機械的特性が伸線加工性に及ぼす影響について調査および研究を重ねた。その結果、本発明者らは、下記の知見を得て、本発明を完成するに至った。
(a)0.80質量%以上、特に0.90質量%以上の炭素を含有する高炭素鋼線材を圧延後、衝風により冷却するステルモア処理を行うに際し、鋼線材中心部には炭素が偏析し易く、この炭素の偏析部において初析セメンタイトが生成し易くなる。初析セメンタイトは伸線加工の際にき裂発生の起点となり、断線を誘発する。ほとんどのき裂は鋼線材の中心から鋼線材半径の17%までの領域に発生するため、この領域における炭素の偏析を抑制し、初析セメンタイトの生成を抑制することが、断線発生の抑制、すなわち伸線加工性の向上に有効である。
(b)鋼線材の中心から鋼線材半径の17%までの領域の炭素量を、鋼線材の平均炭素量の99%以下に抑制することで、初析セメンタイトに起因する断線を大幅に抑制できる。上記領域の炭素量を鋼線材の平均炭素量の99%以下に抑制するためには、鋳型内において凝固界面に20cm/s以上の流速を付与するとともに、凝固が完了する前に鋳片の圧下を行うことが必要である。
(c)鋼線材表層における炭素量を下げることで、伸線加工後のワイヤの表層硬さが低下し、撚り加工の際の縦割れ(デラミネーション)の発生が抑制される。撚り加工の際の縦割れの発生を抑制するためには、鋼線材表面から半径の10%までの深さの領域の炭素量を、鋼線材の平均炭素量の98%以下とすることが必要である。この領域における炭素量を低減させる方法としては、加熱炉における鋼線材の脱炭、または凝固界面における流速付与が挙げられる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は本実施形態に開示の構成のみに制限されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
以下に記載する数値限定範囲には、下限値および上限値がその範囲に含まれる。「未満」または「超」と示す数値には、その値が数値範囲に含まれない。化学組成についての%は質量%を示し、ppmは質量ppmを示す。
[化学組成]
本実施形態に係る高炭素鋼線材は、化学組成が、質量%で、C:0.80~1.20%、Si:0.10%以上、0.30%未満、Mn:0.10~1.00%、N:40ppm以下、O:40ppm以下、P:0.020%以下およびS:0.020%以下を含有する。
C:0.80~1.20%
Cは、鋼線材の強度を高めるのに有効な元素である。C含有量が0.80%未満の場合には、所望の強度を安定して最終製品に付与させることが困難であると同時に、オーステナイト粒界において初析フェライトの析出が促進され、所望のパーライトの面積分率を得ることが困難となる。そのため、C含有量は0.80%以上とする。C含有量は、好ましくは0.90%以上である。一方、C含有量が多すぎると、オーステナイト粒界にネット状の初析セメンタイトが生成して伸線加工時に断線が発生し易くなるだけでなく、最終伸線加工後の極細鋼線の靱性および延性を著しく劣化させる。したがって、Cの含有量を1.20%以下とする。C含有量は、好ましくは1.10%以下である。
Si:0.10%以上、0.30%未満
Siは鋼線材の強度を高めるのに有効な元素である。更にSiは、脱酸剤として有用な元素であり、鋼線材にAlを含有させない場合に必要な元素である。Si含有量が0.10%未満では十分な脱酸作用が得られない。そのため、Si含有量は0.10%以上とする。Si含有量は、好ましくは0.20%以上である。一方、Si含有量が多すぎると、過共析鋼においても初析フェライトの析出を促進するとともに、伸線加工時の限界加工度が低下する。更に、メカニカルデスケーリング(以下、MDと略記する。)によって伸線加工が困難になる。したがって、Si含有量は0.30%未満とする。即ち、Si含有量を0.30%未満とすることにより、ラメラーフェライトを軟質化させ、伸線加工時の限界加工度を真ひずみで4以上として、鋼線としたときの引張強度を4000MPa以上とすることができる。また、パテンティングを、より低温短時間の処理とすることができる。
Mn:0.10~1.00%
MnもSiと同様、脱酸剤として有用な元素である。またMnは、焼き入れ性を向上させ、鋼線材の強度を高める作用を有する。更にMnは、鋼中のSをMnSとして固定して、鋼線材の熱間脆性を防止する作用を有する。Mn含有量が0.10%未満では上記効果が得難いため、Mn含有量は0.10%以上とする。Mn含有量は、好ましくは0.30%以上である。一方、Mnは偏析しやすい元素であり、Mn含有量が1.00%を超えると、特に鋼線材の中心部にMnが偏析し、その偏析部にはマルテンサイトやベイナイトが生成するので、鋼線材の伸線加工性が低下する。したがって、Mn含有量は1.00%以下とする。Mn含有量は好ましくは0.80%以下である。
N:40ppm以下
Nは、鋼材がTiを含有していると硬質な窒化物を形成しやすく、伸線加工中の断線の起点となりやすい。さらに、固溶Nが伸線加工中の時効を促進する場合がある。そのため、N含有量は40ppm以下とする。N含有量は、好ましくは30ppm以下である。
O:40ppm以下
Oは、酸化物を形成しやすい元素であり、Alと共に線材に存在すると、硬質なAlを主成分とする酸化物系介在物を形成して伸線加工性を低下させる元素でもある。特に、O含有量が40ppmを超えると、Al含有量を上述の範囲内に制限しても酸化物系介在物が粗大化して、伸線加工中に断線が多発し、伸線加工性の低下が著しくなる。そこで、O含有量を40ppm以下に制限する。好ましくは30ppm以下である。
P:0.020%以下およびS:0.020%以下
不純物であるPとSは、従来の極細鋼線と同様に延性を確保する観点から、各々0.020%以下とすることが望ましい。P含有量およびS含有量を過剰に低減すると精錬コストの増大を引き起こすため、P含有量およびS含有量は0.002%以上、0.005%以上としてもよい。
本実施形態に係る高炭素鋼線材の化学組成の残部は、Fe及び不純物からなる。本実施形態において、不純物とは、高炭素鋼線材を工業的に製造する際に、原料としての鉱石、スクラップ、または製造環境等から混入されるものであって、本実施形態に係る高炭素鋼線材の特性に悪影響を与えない範囲で許容されるものを意味する。本実施形態に係る高炭素鋼線材は上記元素を基本成分とするが、更にAl、Ti、Cr、Ni、Co、V、Cu、Nb、Mo、WおよびBよりなる群のうちを1種または2種以上を積極的に含有してもよい。積極的に含有させる場合、これらの元素の下限値は0%超としてもよい。なお、これらの元素を含有しない場合、下限値は0%である。
Al:0~0.010%
Alは、Alを主成分とする酸化物系介在物を形成して、線材の伸線加工性を低下させる元素である。特にAl含有量が0.010%を超えると、酸化物系介在物が粗大化して伸線加工中に断線が多発し、伸線加工性の低下が著しくなる。そこで、Al含有量は0.010%以下に制限する。Al含有量は、好ましくは0.002%以下である。
Ti:0~0.010%
Tiは、本実施形態に係る高炭素鋼線材に含まれても含まれなくてもよい。そのため、Ti含有量の下限は0%である。脱酸の効果を確実に得るため、Ti含有量は0.001%以上としてもよい。一方、Ti含有量が多すぎると、硬質非変形の酸化物が生成して線材の延性の劣化および伸線加工性の劣化を引き起こすため、Ti含有量は0.010%以下とする。
Cr:0~0.50%
Crはパーライトのラメラ間隔を微細化し、鋼線材の強度および伸線加工性等を向上させるのに有効な元素である。この作用を確実に発揮させるには、Cr含有量を0.10%以上とすることが好ましい。一方、Cr含有量が多過ぎると、オーステナイトから過冷組織への変態終了時間が長くなり、変態後の鋼線材中にマルテンサイトおよびベイナイトなどの過冷組織が生じる場合がある他、メカニカルデスケーリング性も悪くなる場合がある。そのため、Cr含有量を0.50%以下とすることが好ましい。
Ni:0~0.50%
Niは鋼線材の強度上昇にはあまり寄与しないが、鋼線材の靭性を高める元素である。この作用を確実に発揮させるには、Ni含有量を0.10%以上とすることが好ましい。一方、Niを過剰に含有させると、オーステナイトから過冷組織への変態終了時間が長くなり、熱間圧延線材中にマルテンサイトおよびベイナイトなどの過冷組織が生じる場合があるので、Ni含有量は0.50%以下とすることが好ましい。
Co:0~0.50%
Coは、鋼線材圧延材における初析セメンタイトの析出を抑制するのに有効な元素である。この作用を確実に発揮させるには、Co含有量を0.10%以上とすることが好ましい。一方、Coを過剰に含有させても上記効果は飽和して経済的に好ましくないので、Co含有量は0.50%以下とすることが好ましい。
V:0~0.50%
Vはフェライト中に微細な炭窒化物を形成することにより、加熱時のオーステナイト粒の粗大化を防止するとともに、圧延後の強度上昇にも寄与する。これらの作用を確実に発揮させるには、V含有量を0.05%以上とすることが好ましい。しかし、Vを過剰に含有させると、炭窒化物の形成量が多くなり過ぎると共に、炭窒化物の粒子径も大きくなり、伸線限界が低下する場合がある。そのため、V含有量は0.50%以下とすることが好ましい。
Cu:0~0.20%
Cuは、極細鋼線の耐食性を高める効果がある。この作用を確実に発揮させるには、Cu含有量を0.10%以上とすることが好ましい。しかし、Cuを過剰に含有させると、CuがSと反応して粒界中にCuSとして偏析するため、鋼線材の製造過程で鋼塊や鋼線材などに疵を発生させる場合がある。この様な悪影響を防止するために、Cu含有量は0.20%以下とすることが好ましい。
Nb:0~0.10%
Nbは、極細鋼線の耐食性を高める作用がある。この作用を確実に発揮させるには、Nb含有量を0.05%以上とすることが好ましい。一方、Nbを過剰に含有させると、オーステナイトから過冷組織への変態終了時間が長くなり、熱間圧延線材中にマルテンサイトおよびベイナイトなどの過冷組織が生じる場合があるので、Nb含有量は0.10%以下とすることが好ましい。
Mo:0~0.20%
Moはパーライトの成長界面に偏析し、いわゆるソリュートドラッグ効果によりパーライトの成長を抑制する効果がある。適量のMoを含有させることにより、600℃以上の高温域におけるパーライトの成長のみを抑制することが可能であり、ラメラ間隔が大きいコースパーライトの生成を抑制することができる。また、Moはフェライト生成を抑制する効果および焼き入れ性向上の効果を有し、非パーライト組織の低減にも有効な元素である。これらの効果を確実に発揮させるには、Mo含有量を0.05%以上とすることが好ましい。一方、Moを過剰に含有させると、全温度域におけるパーライト成長が抑制され、パテンティングに長時間を要し、生産性の低下を引き起こすと共に、粗大なMoC炭化物が析出し、鋼線材の伸線加工性が低下する場合がある。したがって、Mo含有量は0.20%以下とすることが好ましい。
W:0~0.20%
Wはパーライトの成長界面に偏析し、いわゆるソリュートドラッグ効果によりパーライトの成長を抑制する効果がある。適量のWを含有させることにより、600℃以上の高温域におけるパーライトの成長のみを抑制することが可能であり、ラメラ間隔が大きいコースパーライトの生成を抑制することができる。また、Wはフェライト生成を抑制する効果および焼き入れ性向上の効果を有し、非パーライト組織の低減にも有効な元素である。これらの効果を確実に発揮させるには、W含有量を0.05%以上とすることが好ましい。一方、Wを過剰に含有させると、全温度域におけるパーライト成長が抑制され、パテンティングに長時間を要し、生産性の低下を招くと共に、粗大なWC炭化物が析出し、伸線加工性が低下する場合がある。したがって、W含有量は0.20%以下とすることが好ましい。
B:0~30ppm
Bは、固溶状態でオーステナイト中に存在する場合、粒界に濃化してフェライト、擬似パーライトおよびベイナイト等の非パーライト析出の生成を抑制する。この効果を確実に発揮させるには、固溶Bの含有量を3ppm以上とすることが必要であり、これを満足するために、B含有量は4ppm以上とすることが好ましい。一方、Bを含有させすぎると、オーステナイト中において粗大なFe(CB)炭化物の析出を促進し、鋼線材の伸線加工性に悪影響を及ぼす場合がある。そのため、B含有量は30ppm以下とすることが好ましい。
本実施形態では、CはJIS G 1211-3:2018に、SはJIS G 1215-4:2018に、NはJIS G1228に準拠して測定し、他の元素は、JIS G 1253:2013に準拠して測定する。
本実施形態に係る高炭素鋼線材は、不純物として、例えば、Pb,Ca,Mg,Sb,Bi,As,Ta,Sn,In,Zr,Te,Se,Zn等の元素を含有しても伸線加工性に影響を与えず、特段の問題は生じない。
[金属組織]
本実施形態に係る高炭素鋼線材は、金属組織が、面積分率で、パーライトを97.0%以上含有し、残部組織がベイナイト、擬似パーライトおよび初析フェライトからなる。パーライトの面積分率が97.0%未満では、所望の伸線加工性が得られない。パーライトの面積分率は、98.0%以上、99.0%以上が好ましい。残部組織の面積分率は3.0%以下であり、2.0%以下または1.0%以下とすることが好ましい。なお、擬似パーライトとは、フェライト中にセメンタイトが点列状に存在する組織であり、パーライト(フェライトとセメンタイトとからなる層状組織)とはSEM観察で判別できる。
[金属組織の測定方法]
本実施形態において、金属組織の面積分率の測定は以下の方法により行う。
まず、鋼線材の所定の位置から長さ10mmの試料を切り出し、C断面(鋼線材の長手方向に垂直な断面)を観察できるように樹脂埋め込みをした後、アルミナ研磨し、飽和ピクラールにて腐食する。次に、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、中心から鋼線材半径の25%以内の領域における金属組織について、倍率3000倍で100μm×100μmの領域を少なくとも10視野観察し、パーライト、ベイナイト、擬似パーライトおよび初析フェライトの面積分率を求め、それらの平均を算出することで、各金属組織の面積分率を得る。
[C断面のC濃度]
17/C:0.99以下
本実施形態に係る高炭素鋼線材は、C断面(鋼線材の長手方向に垂直な断面)で、中心~中心から鋼線材半径の17%以内の領域における炭素濃度の質量%での平均値をC17とし、C断面全体の炭素濃度の質量%での平均値をCとしたとき、C17/Cが0.99以下である。
C含有量が0.8%以上の鋼線材の製造工程では、熱間圧延後のステルモア処理の際に、鋼線材の中心部に炭素が偏析する。炭素の偏析部には、伸線加工時に断線の起点となる初析セメンタイトが生成しやすくなる。そこで、本実施形態に係る高炭素鋼線材は、C断面で、中心~中心から鋼線材半径の17%以内の領域におけるC17/Cを0.99以下とすることで、鋼線材中心部における初析セメンタイトの生成を抑制し、伸線加工性を向上させる。C断面の上記領域におけるC17/Cが0.99超では、所望の伸線加工性が得られない。C断面の上記領域におけるC17/Cは、0.98以下、0.97以下とすることが好ましい。
S10/C:0.98以下
本実施形態に係る高炭素鋼線材は、C断面で、表面~表面から鋼線材半径の10%以下の領域における炭素濃度の質量%での平均値をCS10としたとき、CS10/Cが0.98以下である。CS10/Cを0.98以下とすることで、伸線加工後のワイヤの表層硬さを低下でき、撚り加工の際の縦割れ(デラミネーション)の発生を抑制することができる。
avek/C:1.10以下
本実施形態に係る高炭素鋼線材では、C断面で、kを1~Nの自然数とし、中心から(k-1)×30μm~中心からk×30μmの領域における炭素濃度の質量%での平均値をCavekとしたとき、Cavek/Cを1.10以下としてもよい。Cavek/Cを1.10以下とすることで、鋼線材の伸線加工性をより向上することができる。Cavek/Cが1.10以下であるとは、後述するCave1、Cave2…CaveNのうちの最大値をCで除した値が1.10以下であると換言できる。なお、Nは自然数であり、その上限は鋼線材の半径によって異なる。k=1のとき(Cave1)は、鋼線材の中心~中心から30μmの領域における炭素濃度の質量%である。
[C断面の炭素濃度の測定方法]
以下に、本実施形態におけるC断面の炭素濃度(質量%)の測定方法について図1を参照しつつ説明する。図1には、本実施形態に係る高炭素鋼線材100のC断面が示されている。
巻取り後のリング状の鋼線材1リング分を8等分し、これら8本の鋼線材から長さ10mmの試料を切り出す。これら試料のC断面を観察できるように樹脂埋め込みした後、アルミナ研磨し、EPMA(Electron Probe Micro Analyzer)を用いてC断面の炭素濃度を分析する。
EPMAによる炭素濃度分析は、C断面の中心Oから表面までの任意の線分上、例えば図1の線分1上で、スポットサイズ1μm、3μmピッチで線分析を行う。次に、その線分と45°の角をなす線(図1の線分2又は線分8)において同様の線分析を行う。このような線分析をC断面上の8本の線分(図1の線分1~線分8)で行う。これにより、C断面の中心Oから表面までの8本の線分上における、3μm毎の炭素濃度を得る。
次に、C断面の中心Oから、1線分上で線分析した10点毎を1組と定義し、各線分上の1組毎の炭素濃度の平均(合計80点毎の平均)を算出することで、中心からk組目(中心から(k-1)×30μm~中心からk×30μmの領域、図1の領域10)の炭素濃度の平均であるCavekを得る。例えば、中心から1組目のCave1は、線分1~8上の、1点目から10点目(中心~30μmの領域)までの炭素濃度の平均であり、中心から2組目のCave2は、線分1~8上の、11点目から20点目(30~60μmの領域)までの炭素濃度の平均である。ここで、例えば鋼線材の半径が2mm(2000μm)の場合、中心から67組目では、各線分上の分析点は7点(中心から1980μm位置~中心から1998μm位置)のみになる。この場合、Cave67は、線分1~8上の、中心から67組目の計56点における炭素濃度の平均を算出することで得る。
なお、kは1~Nの自然数であり、鋼線材の半径が2mm(2000μm)の場合のkの上限(N)は67である。
以上の方法で得られたCave1、Cave2…CaveN(Nは線径によって異なる)の平均値を算出することで、C断面全体の炭素濃度の平均値Cを得る。
次に、C17およびCS10の求め方について説明する。
C断面の中心~中心から鋼線材半径の17%以内の領域における炭素濃度の平均値C17の算出には、式(r=30×n)を用いる。式中のnに1から順に自然数を代入していき、r(μm)が鋼線材半径の17%を超えない最大n17を求める。上述の方法に得られたCave1、Cave2…CaveNから、Cave1、Cave2…Caven17の平均値を算出することで、C17を得る。
S10は、式(r=30×n)中のnに1から順に自然数を代入していき、r(μm)が鋼線材半径の90%以上になる最小n90を求める。上述の方法により得られたCave1、Cave2…CaveNから、Caven90、Caven91…CaveNの平均値を算出することで、CS10を得る。
線径:4.0~6.0mm
鋼線材の線径を4.0mm未満にしようとすると、熱間圧延時のハンドリングが困難となる。また、鋼線材の線径が6.0mmであると、伸線加工して極細鋼線を製造する際の加工率が大きくなり、極細鋼線の製造が困難となる。そのため、本実施形態に係る鋼線材の線径は4.0~6.0mmとする。
引張強度:1000~1400MPa
引張強度が1000MPa未満であると、強度が低すぎて、極細鋼線に適用することが困難となる。引張強度が1400MPa超であると、伸線加工して極細鋼線に加工することが困難となる。そのため、本実施形態に係る鋼線材の引張強度は1000~1400MPaとする。本実施形態では、引張強度はJIS Z 2241:2015に従って測定する。
[製造方法]
本実施形態に係る高炭素鋼線材の製造方法は、上述の化学組成を有する鋼を連続鋳造するにあたり、鋳型内において凝固界面に20cm/s以上の流速を付与するとともに、凝固が完了する前に鋳片の圧下を行うことが必要である。なお、凝固界面とは、鋳型メニスカス位置~深さ300mmの範囲である。
鋳型内において凝固界面に20cm/s以上の流速を付与する理由は、柱状晶を溶断させる、あるいは等軸晶の生成を促進することで、粒状晶を生成させるためである。粒状晶は炭素の固液分配効果により、周囲の溶鋼に比べて炭素濃度が低く、溶鋼に比べて密度が大きいので凝固中に沈降する。沈降した粒状晶は鋳片の中心部近傍に存在するため、結果としてC17(中心から鋼線材半径の17%以内の領域における炭素濃度の質量%での平均値)を抑制できる。これにより、C17/Cを0.99以下とすることができ、鋼線材の伸線加工性を向上することができる。また、CS10(表面~表面から鋼線材半径の10%以下の領域における炭素濃度の質量%での平均値)を低減することができ、CS10/Cを0.98以下とすることもできる。
鋳型内における流速の付与は電磁撹拌によるものでもよく、浸漬ノズル形状の工夫により鋳造時のノズル吐出流を利用してもよく、ガス吹き込み等の外力を利用してもよい。鋳型内における凝固界面での流速は20cm/s以上であればよいが、好ましくは30cm/s以上、さらに好ましくは50cm/s以上であるとよい。鋳型内における凝固界面での流速が20cm/s未満だと柱状晶の溶断効果がなくなり、十分な量の粒状晶を生成させることができず、結果として上記領域における炭素量を低減できない。また、粒状晶の生成促進のためには、鋳造時の溶鋼過熱度(溶鋼温度と液相線温度との差)を30℃以下に制御するとより効果的である。
本実施形態に係る高炭素鋼線材の製造方法では、凝固が完了する前に鋳片の圧下を行う。凝固が完了する前に鋳片の圧下を行う理由は、最終凝固部で炭素が濃化した溶鋼を排出し、局所的に炭素濃度が高くなることを防ぐためである。凝固が完了する前に鋳片の圧下を行うとは、中心固相率fsが0.1~1.0の範囲で圧下を行うという意味である。特に中心固相率fsが0.3~0.7の範囲で、凝固収縮に見合うだけの圧下を行うことが好ましい。
中心固相率fsは、溶鋼の液相線温度TLと、固相線温度Tsと、鋳片の厚さ方向の中心温度Tとから、fs=(TL-T)/(TL-Ts)で求める。
中心温度Tは、鋳造速度、鋳片の表面冷却、鋳造鋼種の物性等を考慮した非定常伝熱解析計算によって求めることができる。
以上の方法で得られた鋳片を、必要に応じて分塊圧延し、その後熱間圧延する。熱間圧延により、線径4.0~6.0mmまで圧延し、800~950℃で巻き取った後、ステルモア処理によりパテンティングして、本実施形態に係る高炭素鋼線材を得る。本実施形態に係る高炭素鋼線材の製造方法では、加熱炉における鋼線材の脱炭を更に行うことで、鋼線材の表層(鋼線材表面から半径の10%までの深さの領域)における炭素量をより低減してもよい。
次に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
表1に示す化学成分の鋼を連続鋳造するに当たり、溶鋼過熱度を10~25℃に制御し、鋳型内電磁撹拌装置を用いて鋳型メニスカス位置~深さ300mmの範囲の凝固界面に60cm/sの流速を付与し、中心固相率fsが0.1~1.0の範囲でロールによる圧下を行った。こうして得られた鋳片を120~160mm角ビレットに分塊圧延した。なお、表1の「-」は、当該元素の分析限界以下であることを意味する。また、表2のNo.A-3、No.A-4、No.B-3、No.B-4、No.C-3、No.C-4、No.D-3、No.D-4、No.E-3、No.E-4、No.F-3、No.F-4、No.H-3およびNo.I-2は、凝固界面に流速を付与しなかった。
ビレットの幅と厚み方向の中心部の1mm×1mmの領域の炭素量をEPMAにてスポットサイズ1μm、ステップ3μmで分析した平均値をそのビレットのレードル値(溶鋼成分の分析値)で除した値を算出することで、ビレット中心部の炭素の偏析度を得た。得られたビレット中心部の炭素の偏析度を表2に示す。
このビレットを加熱後、熱間圧延により表2に示す線径の鋼線材とし、表2に示す温度で巻き取り後、ステルモア処理によって、パテンティング処理を施した。なお、鋼線材の線径は、レーザー線径測定装置により測定した。
鋼線材の金属組織の測定は、上述の方法により行った。得られたパーライトの面積分率を表2に示す。なお、パーライト以外の残部組織は、ベイナイト、擬似パーライトおよび初析フェライトの1種以上であった。
また、上述の方法により、鋼線材のC断面における炭素濃度(C17、C、CaveおよびCS10)を測定した。測定して得られた炭素濃度から、C17/C、Cave/CおよびCS10/Cを算出した。得られたC17/C、Cave/CおよびCS10/Cを表2に示す。
鋼線材の引張強度は、JIS Z 2241:2015に従って測定した。引張強度が1000MPa~1400MPaの場合を本発明で規定する条件を満たすとして合格と判定した。
鋼線材の伸線加工性は、スケールを酸洗にて除去した後、ボンデ処理によりリン酸亜鉛皮膜を付与した長さ10mの鋼線材を用意し、アプローチ角20度のダイスで1パス当たりの減面率16~20%の単頭式伸線加工を行い、断線の発生する限界真ひずみ(2×ln(d/d)、d:断線時の線径、d:伸線加工前の線径、lnは自然対数)で評価した。
Figure 0007534603000001
Figure 0007534603000002
表1において、鋼A~F、H、IおよびLは本発明で規定する化学組成を満足する鋼であり、鋼G、J、K、MおよびNは本発明で規定する化学組成を満足しない鋼である。
表2において、No.A-1、No.A-2、No.B-1、No.B-2、No.C-1、No.C-2、No.D-1、No.D-2、No.E-1、No.E-2、No.F-1、No.F-2、No.H-1、No.H-2、No.I-1およびNo.L-1は、化学組成、金属組織およびC断面の炭素濃度が本発明で規定する条件を満たす本発明例であり、優れた伸線加工性が得られた例である。一方、表2のNo.A-3、No.A-4、No.B-3、No.B-4、No.C-3、No.C-4、No.D-3、No.D-4、No.E-3、No.E-4、No.F-3、No.F-4、No.G-1、No.H-3、No.I-2、No.J-1、No.K-1、No.M-1およびNo.N-1は、化学組成、金属組織およびC断面の炭素濃度のいずれか1つ以上が本発明で規定する条件を外れる比較例であり、伸線加工性が劣った例である。表2の発明例および比較例について、引張強度と20度アプローチ角のダイスによる伸線加工において断線する限界の真ひずみとの関係を図2に示す。図2によれば、発明例は、その発明例と同程度の引張強度(TS)を有する比較例に比べて優れた伸線加工性を有することが分かる。
No.A-3、およびNo.E-3は、C17/Cが0.99超であり、CS10/Cが0.98超であり、かつCavek/Cの最大値が1.10を超えたため、初析セメンタイトが中心部の広い範囲で生成し、同程度の引張強度を有する発明例と比較した場合に、断線発生時の真ひずみが低かった例である。
No.B-3、No.C-3およびNo.F-4はC17/Cが0.99超であり、CS10/Cが0.98超であったため、初析セメンタイトが中心部の広い範囲で生成し、同程度の引張強度を有する発明例と比較した場合に、断線発生時の真ひずみが低かった例である。
No.A-4、No.B-4、No.C-4、No.D-3、No.E-4、No.F-3、No.H-3およびNo.I-2はC17/Cが0.99を超えたため、初析セメンタイトが生成し、同程度の引張強度を有する発明例と比較した場合に、断線発生時の真ひずみが低かった例である。
No.G-1はC含有量が過剰であったため、CS10/Cが0.98超となり、ステルモアでは初析セメンタイトの生成を抑制できず、断線発生時の真ひずみが非常に低かった例である。
No.J-1はSi含有量が過剰であったため、CS10/Cが0.98超となり、また非パーライト組織(初析フェライト)の析出を抑制できず、パーライトの面積分率が不足し、断線発生時の真ひずみが低かった例である。
No.K-1はSi含有量およびMn含有量が過剰であったため、ミクロマルテンサイトの生成を抑制できず、パーライトの面積分率が不足し、断線発生時の真ひずみが低かった例である。
No.M-1はO含有量が過剰であったため、断線発生時の真ひずみが低かった例である。
No.N-1はN含有量が過剰であったため、断線発生時の真ひずみが低かった例である。
本発明に係る上記態様によれば、伸線加工性に優れた高炭素鋼線材を提供することができる。上記態様に係る高炭素鋼線材は、ダイレクト伸線特性、いわゆる生引き性に優れるため、スチールコードおよびソーイングワイヤなどに好適に適用できる。
10 中心から(k-1)×30μm~中心からk×30μmの領域
100 高炭素鋼線材

Claims (3)

  1. 質量%で、
    C:0.80~1.20%、
    Si:0.10%以上、0.30%未満、
    Mn:0.10~1.00%、
    N:40ppm以下、
    O:40ppm以下、
    P:0.020%以下、および
    S:0.020%以下を含有し、
    残部はFe及び不純物からなり、
    金属組織が、面積分率で、パーライトを97.0%以上含有し、残部がベイナイト、擬似パーライトおよび初析フェライトからなり、
    C断面で、中心~前記中心から鋼線材半径の17%以内の領域における炭素濃度の質量%での平均値をC17とし、表面~前記表面から前記鋼線材半径の10%以下の領域における炭素濃度の質量%での平均値をCS10とし、前記C断面全体の炭素濃度の質量%での平均値をCとしたとき、C17/Cが0.99以下、CS10/Cが0.98以下であり、
    線径が4.0~6.0mm、引張強度が1000~1400MPaであることを特徴とする、伸線加工性に優れた高炭素鋼線材。
  2. 質量%で、
    Al:0%超、0.010%以下、
    Ti:0%超、0.010%以下、
    Cr:0%超、0.50%以下、
    Ni:0%超、0.50%以下、
    Co:0%超、0.50%以下、
    V:0%超、0.50%以下、
    Cu:0%超、0.20%以下、
    Nb:0%超、0.10%以下、
    Mo:0%超、0.20%以下、
    W:0%超、0.20%以下および
    B:0ppm超、30ppm以下
    よりなる群から選択される少なくとも1種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の伸線加工性に優れた高炭素鋼線材。
  3. 前記C断面で、kを1~200の自然数とし、前記中心から(k-1)×30μm~前記中心からk×30μmの領域における炭素濃度の質量%での平均値をCavekとしたとき、Cavek/Cが1.10以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の伸線加工性に優れた高炭素鋼線材。
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