JP7531100B2 - 部品圧着装置及び部品圧着方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基板に部品を熱圧着する部品圧着装置及び部品圧着方法に関する。
従来、液晶パネル又は有機EL(Electro Luminescence)パネル等のディスプレイパネル等の基板の端部に接着部材として貼着された異方性導電部材であるACF(Anisotropic Conductive Film)を介して、駆動回路等の電子部品(以下、単に「部品」と呼称する)を基板に熱圧着する部品圧着装置がある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示されている部品圧着装置の一例である実装装置は、基板の一例である液晶パネルを冷却する冷却装置を備える。
冷却装置によって液晶パネルを冷却することにより、液晶パネルの熱による劣化を抑制することができる。
また、特許文献1には、冷却方法の一例として、冷却ガスを基板に吹き付ける方法が開示されている。
特開2001-230577号公報
しかしながら、冷却ガスの吹き付け量が足りない、又は、冷却ガスの吹き付け位置が所定の位置からずれている等、冷却ガスが適切に基板に吹き付けられていない場合、基板における冷却すべき位置が冷却されない、つまり、基板が適切に冷却されない問題がある。
本発明は、基板を適切に冷却しながら熱圧着できる部品圧着装置等を提供する。
本発明の一態様に係る部品圧着装置は、基板が載置されるステージと、前記ステージに載置された前記基板を支持するバックアップ部と、前記バックアップ部により支持された前記基板に部品を熱圧着する熱圧着ヘッドと、前記基板が前記バックアップ部で支持されている状態において、冷却ガスを前記基板に吹き付けることで前記基板を冷却する冷却部と、前記基板の温度を測定する温度測定部と、前記冷却部を制御する制御部と、を備え、前記冷却部は、供給された前記冷却ガスを前記基板に吹き付けるためのガス吹き出し口と、前記ガス吹き出し口に供給する前記冷却ガスの流量を調整する流量調整部と、を備え、前記制御部は、前記温度測定部で測定された前記基板の温度に基づき、前記ガス吹き出し口に供給する前記冷却ガスの流量を前記流量調整部に調整させる。
また、本発明の一態様に係る部品圧着方法は、基板をステージに載置する載置工程と、前記ステージに載置された前記基板をバックアップ部で支持する支持工程と、前記バックアップ部により支持された前記基板に熱圧着ヘッドで部品を熱圧着する熱圧着工程と、前記基板が前記バックアップ部で支持されている状態において、冷却部が備えるガス吹き出し口から冷却ガスを前記基板に吹き付けることで前記基板を冷却する冷却工程と、前記基板の温度を測定する温度測定工程と、を備え、前記冷却工程では、前記温度測定工程で測定した前記基板の温度に基づき、前記ガス吹き出し口に供給する前記冷却ガスの流量を調整する。
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROM等の記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
本発明によれば、基板を適切に冷却しながら熱圧着できる部品圧着装置等を提供することができる。
図1は、実施の形態に係る部品実装ラインを示す平面図である。 図2は、実施の形態に係る部品実装ラインを示す概略構成図である。 図3は、実施の形態に係る部品圧着装置の機能構成を示すブロック図である。 図4は、実施の形態に係る本圧着部を示す斜視図である。 図5は、実施の形態に係る本圧着部を示す側面図である。 図6は、実施の形態に係る冷却部を示す概略図である。 図7は、実施の形態に係るノズルを示す概略図である。 図8は、基板が熱圧着される位置と熱電対の位置とを説明するための図である。 図9は、実施の形態に係る部品圧着装置が備える制御部の処理と冷却ガスの流れとを説明するためのブロック図である。 図10は、実施の形態に係る部品圧着装置が実行する動作の処理手順を説明するためのフローチャートである。
以下では、本発明の実施の形態に係る部品圧着装置等について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ及びステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
また、本明細書及び図面において、X軸、Y軸、及び、Z軸は、三次元直交座標系の三軸を表している。X軸及びY軸は、互いに直交し、且つ、いずれもZ軸に直交する軸である。また、以下の実施の形態では、基板搬送方向のX軸正方向とし、Z軸正方向を上方とし、Z軸負方向を下方として記載する場合がある。
(実施の形態)
[全体概要]
まず、実施の形態に係る部品圧着装置を含む部品実装ラインの全体概要について説明する。
図1は、実施の形態に係る部品実装ライン1の平面図である。図2は、実施の形態に係る部品実装ライン1の概略構成図である。
部品実装ライン1は、液晶パネル等を生産するための部品実装システムであり、基板3に駆動回路等の電子部品(以下、部品5と呼称する)を熱圧着する。具体的には、部品実装ライン1は、電極部4が形成された基板3に異方性導電部材であるACF6を貼着し、ACF6を介して基板3と部品5とを熱圧着させる装置である。
部品実装ライン1は、基板搬入部10と、貼着部20と、仮圧着部30と、本圧着部40と、基板搬出部50と、搬送部60と、コンピュータ2と、を備える。なお、図1においては、コンピュータ2を、機能的なブロックとして図示している。コンピュータ2は、貼着部20、仮圧着部30、本圧着部40等の各装置と、無線通信可能に、又は、制御線等により有線通信可能に接続されており、各装置を制御する。
基板搬入部10、貼着部20、仮圧着部30、本圧着部40、及び、基板搬出部50は、この順で連結されている。部品実装ライン1は、基板3が搬送される上流側の基板搬入部10より搬入された液晶パネル基板等の長方形の基板3の周縁に設けられた複数の電極部4のそれぞれに部品5を実装する部品実装作業を実行し、部品5を実装した基板3を基板搬出部50から搬出する。複数の電極部4のそれぞれは、例えば、複数の電極により構成されている。
基板搬入部10は、基台1aに設けられたステージ11を備える。ステージ11には、電極部4が形成された基板3が載置される。
貼着部20は、基板3の電極部4に接着部材であるACF6を貼着する貼着作業を行う装置である。貼着部20は、ステージ移動部21と、貼着機構22と、を備える。
ステージ移動部21は、基板3を移動させる機構である。ステージ移動部21は、例えば、X軸方向に可動なX軸テーブルと、Y軸方向に可動なY軸テーブルと、Z軸方向に可動なZ軸テーブルと、ステージ23と、を備える。ステージ移動部21は、X軸テーブル、Y軸テーブル、及び、Z軸テーブルによって、ステージ23に載置された基板3を移動させる。
貼着機構22は、基台1bの上方に、X軸方向に並んだ複数の貼着ヘッドを備えている。本実施の形態においては、貼着機構22は、2つの貼着ヘッドを備える。各貼着ヘッドは、それぞれACF6を供給する供給部と、ACF6を基板3に貼着するための貼着ツールと、を備える。複数の貼着ヘッドは、供給部から供給されたACF6を、基板3上の複数の電極部4に対応する位置に貼着する。
仮圧着部30は、基板3における、貼着部20でACF6が貼着された位置に部品5を搭載して仮圧着する仮圧着工程を実行する装置である。
仮圧着部30は、ステージ移動部31と、部品搭載機構32と、部品供給部33と、を備える。
ステージ移動部31は、基板3を移動させる機構である。ステージ移動部31は、例えば、X軸方向に可動なX軸テーブルと、Y軸方向に可動なY軸テーブルと、Z軸方向に可動なZ軸テーブルと、ステージ37と、を備える。
ステージ移動部31は、貼着部20のステージ移動部21と同様の構造であり、X軸テーブル、Y軸テーブル、及び、Z軸テーブルによって、基板3を保持して水平面内で移動させ、上下方向で昇降させるとともにZ軸回りに回転させる機能を備える。
部品搭載機構32は、基台1b上に設けられ、搭載ヘッドと、搭載ヘッド移動機構と、搭載支持台と、を備える。搭載ヘッドは、搭載ヘッド移動機構によって水平面内で自在に移動し、Z軸方向に昇降して部品供給部33が供給する部品5を上方からピックアップする。部品搭載機構32は、ピックアップした部品5をACF6上に搭載して基板3ごと搭載支持台に押し付けることで、基板3に部品5を仮圧着する。
部品供給部33は、部品搭載機構32に部品5を供給する機構である。
本圧着部40は、仮圧着部30によって基板3に仮圧着された部品5を基板3に本圧着(つまり、熱圧着)する本圧着工程(つまり、熱圧着工程)を実行する装置である。
こうすることで、基板3に形成された電極部4と部品5とはACF6を介して電気的に接続される。本実施の形態では、本圧着部40は、冷却部120によって基板3を冷却しながら、基板3に部品5を熱圧着する。本圧着部40の具体的な構成については、後述する。
基板搬出部50は、基台1cに載置されたステージ51を備え、本圧着部40から搬送された基板3をステージ51上に保持する。基板搬出部50において保持された基板3は、下流側の他の装置に搬出されるか、作業者によってステージ51から取り出される。
搬送部60は、基板3を搬送する装置である。具体的には、搬送部60は、基板搬入部10に搬入された基板3を、貼着部20、仮圧着部30、本圧着部40、及び、基板搬出部50へこの順に所定の作業部間で搬送する。搬送部60は、貼着部20、仮圧着部30、及び、本圧着部40の前方領域(Y軸負方向側)に配置されている。
搬送部60は、基台1a、基台1b、及び、基台1cにわたってX軸方向に延びた移動ベース61上に、上流側から順に、基板搬送機構62A、基板搬送機構62B、基板搬送機構62C、及び、基板搬送機構62Dを備える。
基板搬送機構62A~62Dは、それぞれ基部63及び1以上のアームユニット64を備える。本実施の形態では、基板搬送機構62A~62Dがそれぞれ2基のアームユニット64を備える場合を例示している。
基部63は、移動ベース61上に設けられ、X軸方向に自在に移動する。基部63上には、2基のアームユニット64がX軸方向に並んで設けられている。アームユニット64には、水平方向に延びた1以上のアーム状の吸着ノズルがX軸方向に並んで設けられ、当該アームには、吸着面を下方に向けた吸着パッドが設けられている。アームユニット64は、吸着ノズルに設けられた吸着パッドを介して基板3を上方から吸着して、吸着した基板3を搬送する。
例えば、基板搬送機構62Aは、基板搬入部10のステージ11に載置された基板3を受け取り、貼着部20のステージ23に受け渡す。また、例えば、基板搬送機構62Bは、貼着部20のステージ23から基板3を受け取り、仮圧着部30のステージ37に受け渡す。また、例えば、基板搬送機構62Cは、仮圧着部30のステージ37から基板3を受け取り、本圧着部40のステージ49に受け渡す。また、例えば、基板搬送機構62Dは、本圧着部40のステージ49から基板3を受け取り、基板搬出部50のステージ51に受け渡す。
コンピュータ2は、部品圧着装置100及び部品実装ライン1が有する各装置の動作を制御するための制御装置である。コンピュータ2は、制御部2a(図3参照)と、記憶部2b(図3参照)とを備える。
制御部2aは、貼着部20のステージ移動部21、仮圧着部30のステージ移動部31、本圧着部40のステージ移動部41、及び、搬送部60を制御して、基板3を各作業部間で次の作業部へ搬送する基板搬送作業を実行する。基板搬送作業における上流側から下流側への基板3の搬送は、各作業部間で同期して行われる。
また、制御部2aは、貼着部20、仮圧着部30、及び、本圧着部40を制御することで、基板3にACF6を介して部品5を熱圧着させる。
制御部2aは、例えば、記憶部2bに記憶され、部品実装ライン1が有する各装置を制御するための制御プログラムと、当該制御プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)とにより実現される。
記憶部2bは、部品実装ライン1によって製造される液晶パネル基板等の基板3のサイズ、基板3に実装する部品5の種類、実装位置、実装方向、及び、基板3を各作業部間で搬送するタイミング等の部品実装作業に必要な各種データ、制御部2aが実行する制御プログラム等を記憶する。記憶部2bは、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等により実現される。
[構成]
続いて、部品圧着装置100の具体的な構成について説明する。
図3は、実施の形態に係る部品圧着装置100の機能構成を示すブロック図である。図4は、実施の形態に係る本圧着部40を示す斜視図である。図5は、実施の形態に係る本圧着部40を示す側面図である。図6は、実施の形態に係る冷却部120を示す概略図である。図7は、実施の形態に係るノズル214を示す概略図である。図8は、基板3が熱圧着される位置と熱電対310の位置とを説明するための図である。
なお、各図において、冷却ガスがガス吹き出し口121から吹き出される向きを破線矢印で示している。
部品圧着装置100は、液晶パネル等を生産する部品実装ライン1において、仮圧着部30で基板3の電極部4に仮圧着されたACF6を介して基板3に部品5を熱圧着する装置である。
なお、本実施の形態では、部品圧着装置100が、部品実装ライン1が備えるコンピュータ2を備えるとして説明する。例えば、部品圧着装置100の各構成要素を制御するコンピュータ2は、部品実装ライン1が備える部品圧着装置100以外の貼着部20、仮圧着部30等の各装置を制御するコンピュータと同一でもよいし、異なってもよい。
図3に示すように、部品圧着装置100は、本圧着部40と、冷却部120と、温度測定部300と、コンピュータ2と、を備える。
また、図3~図5に示すように、本圧着部40は、ステージ49と、ステージ移動部41と、熱圧着ヘッド48と、バックアップ部44と、を備える。
ステージ49は、図4及び図5に示すように、部品5が熱圧着される電極部4を端部3eに備える基板3が載置される台である。具体的には、ステージ49は、ACF6が貼着された電極部4が端部3eに形成された基板3が載置される台である。
本実施の形態では、基板3は、上部基板3aと、下部基板3bと、偏光板3cと、偏光板3dと、を備える。
上部基板3aと下部基板3bとは、液晶等を挟み、配線等が形成された基板である。上部基板3a及び下部基板3bは、例えば、それぞれガラス基板である。本実施の形態では、下部基板3bの端部3eに、電極部4が形成されている。
偏光板3cと偏光板3dとは、上部基板3a及び下部基板3bを挟む偏光板である。基板3は、偏光板3c、3dが設けられた状態で、部品5が熱圧着される。
ステージ49には、仮圧着部30で部品5が仮圧着された基板3が搬送部60(具体的には、基板搬送機構62C)により載置される。
ステージ移動部41は、貼着部20のステージ移動部21と同様の構造であり、基板3が載置されたステージ49を水平面内で移動させ、上下方向で昇降させるとともにZ軸回りに回転させる装置である。例えば、ステージ移動部41は、基板3がステージ49に載置される位置と熱圧着ヘッド48で部品5が基板3に熱圧着される位置との間でステージ49を移動する。
ステージ移動部41は、例えば、X軸方向に可動なX軸テーブルと、Y軸方向に可動なY軸テーブルと、Z軸方向に可動なZ軸テーブルと、を備える。ステージ移動部41には、基台1b上に下方から順に、X軸方向に可動なX軸テーブルと、Y軸方向に可動なY軸テーブルと、Z軸方向に可動なZ軸テーブルと、ステージ49とが重ねて設けられている。
熱圧着ヘッド48は、バックアップ部44により支持された基板3の端部3eの電極部4に、部品5を熱圧着するためのヘッドである。本実施の形態では、部品圧着装置100は、複数の熱圧着ヘッド48を備える。
複数の熱圧着ヘッド48は、バックアップ部44の上方に一列に並んで配置されている。複数の熱圧着ヘッド48は、作業者が熱圧着ヘッド48を所望の位置に調整させることで、熱圧着ヘッド48の間隔を基板3に仮圧着された部品5の間隔に合わせて変更することができるように、ヘッド移動機構43(より具体的には、ガイド部43b)に取り付けられている。
また、熱圧着ヘッド48は、ヒータ等の加熱部を内蔵しており、部品5の圧着前に加熱部によって所定温度まで加熱される。熱圧着ヘッド48は、加圧機構47の駆動によって下降し、基板3の縁部(端部3e)に搭載された部品5を加熱しながら保護シート220を介して基板3に押圧することで、基板3に部品5を熱圧着する。このとき、ACF6は、熱圧着ヘッド48から生じる熱により硬化が促進される。
図4に示すように、熱圧着ヘッド48は、ロッド47aを介して加圧機構47と接続されている。
加圧機構47は、上下に突没自在にロッド47aを支持する機構である。ロッド47aの下端部には、熱圧着ヘッド48が設けられている。加圧機構47は、取り付け部材46によってヘッド移動機構43に取り付けられている。具体的には、加圧機構47は、取り付け部材46を介してベース部43aに対してX軸方向に位置が調整自在にガイド部43bに取り付けられている。加圧機構47は、熱圧着ヘッド48を上下させるためのモータ等を備える。
ヘッド移動機構43は、熱圧着ヘッド48を移動させる機構である。ヘッド移動機構43は、ベース部43aと、ガイド部43bと、を備える。
ベース部43aは、X軸方向に調整自在に複数の熱圧着ヘッド48が取り付けられるガイド部43bが設けられた基台である。ベース部43aには、X軸方向に延びた一対のガイド部43bが設けられている。
ガイド部43bは、垂直姿勢で配設された矩形平板状の複数の取り付け部材46がX軸方向に調整自在に装着されたガイドである。
バックアップ部44は、ステージ49に隣接して配置され、ステージ49に載置された基板3の端部3eを下方から支持する支持台である。
冷却部120は、基板3がバックアップ部44で支持されている状態において、冷却ガスを基板3に吹き付けることで冷却ガスによって基板3を冷却する機構である。具体的には、冷却部120は、ガス管210から供給された冷却ガスをガス吹き出し口121から吹き出して基板3に冷却ガスを吹き付けることで、基板3を冷却する。
冷却部120は、ガス吹き出し口121と、流量調整部124と、流量センサ125と、を備える。
ガス吹き出し口121は、供給された冷却ガスを基板3に吹き付けるための機構である。本実施の形態では、ガス吹き出し口121は、ノズル214に設けられた開口部である。
また、本実施の形態では、冷却部120は、複数のガス吹き出し口121を備える。複数のガス吹き出し口121のそれぞれから、冷却ガスが吹き出される。複数のガス吹き出し口121のそれぞれは、基板3における互いに異なる位置(部位)に冷却ガスを吹き付けるように配置されている。言い換えると、基板3は、複数のガス吹き出し口121のそれぞれから吹き出される冷却ガスによって、互いに異なる複数の箇所が冷却される。
流量調整部124は、ガス吹き出し口121に供給する冷却ガスの流量を調整(調節)するための装置である。つまり、流量調整部124は、ガス吹き出し口121から基板3に吹き付けさせる冷却ガスの流量を調整する。流量調整部124は、例えば、流量が調整可能な電磁バルブである。なお、流量調整部124がガス吹き出し口121に供給する冷却ガスの流量を調整する方法は、特に限定されない。流量調整部124は、例えば、冷却ガスの通過量を調整可能な(例えば、口径が可変な)開口部でもよいし、冷却ガスの通過の可否を切り替える(つまり、オンオフを切り替える)電磁弁でもよい。この場合、流量調整部124は、単位時間当たりにガス吹き出し口121に供給する冷却ガスの流量を調整すればよい。
流量センサ125は、ガス吹き出し口121に供給される冷却ガスの流量を測定するためのセンサである。流量センサ125は、冷却ガスの流量を制御部2aが取得できればよく、例えば、冷却ガスによって回転する羽根車を備えるいわゆる羽根車式の流量計でもよい。或いは、流量センサ125は、冷却ガスの空圧を検出する圧力センサでもよい。この場合、例えば、制御部2aは、圧力センサが検出した冷却ガスの空圧(値)を、予め定められた所定の計算式に基づいて変換することで、冷却ガスの流量を算出して取得してもよい。所定の計算式は、予め任意に定められてよい。
また、冷却部120は、基板3に対して熱圧着ヘッド48と反対側から冷却ガスを基板3に吹き付けることで基板3を冷却する。
例えば、冷却部120は、ボルト等により取り外し可能にバックアップ部44が配置される台等に取り付けられている。冷却部120は、例えば、基板3がバックアップ部44で支持されている状態において、基板3に対して熱圧着ヘッド48と反対側から基板3を冷却する。
なお、冷却ガスの種類は、特に限定されない。本実施の形態では、冷却ガスは、25℃程度の常温の空気である。
図6に示すように、冷却部120は、ガス供給源211と、ガス管210と、電磁バルブ212と、スピードコントローラ213と、ノズル214と、を備える。
ガス供給源211は、冷却ガスを供給するためのガスタンクである。
ガス管210は、ガス供給源211及び電磁バルブ212と接続され、ガス供給源211から供給される冷却ガスを電磁バルブ212に供給する管である。
電磁バルブ212は、スピードコントローラ213とガス管210を介して接続され、ガス供給源211から供給される冷却ガスをノズル214から吹き出させるか否かを切り替えるための電磁弁である。
スピードコントローラ213は、ノズル214とガス管210を介して接続され、ガス供給源211から電磁バルブ212を介して供給される冷却ガスをノズル214から吹き出させる冷却ガスの流量を調整する。
スピードコントローラ213は、流量調整部124と流量センサ125と、を備える。制御部2aは、スピードコントローラ213と通信可能に接続されており、流量センサ125から冷却ガスの流量を取得し、且つ、流量調整部124に冷却ガスの流量を調整させる。なお、制御部2aとスピードコントローラ213とは、有線通信可能に接続されていてもよく、無線通信可能に接続されていてもよい。
ノズル214は、冷却ガスを吹き出すためのガス吹き出し口121を備えるノズルである。本実施の形態では、ノズル214は、バックアップ部44が配置されている台に保持されている。
図7に示すように、ノズル214には、冷却ガスを吹き出すガス吹き出し口121と、ガス吹き出し口121と連通しており冷却ガスが通過する流路240と、が設けられている。
本実施の形態では、部品圧着装置100は、8個のノズル214を備える。なお、部品圧着装置100が備えるノズル214の数は、特に限定されない。また、本実施の形態では、1つのノズル214に対して1つのスピードコントローラ213が接続されている。これにより、制御部2aは、複数のノズル214それぞれから吹き出させる冷却ガスの流量を個別に制御できるようになっている。なお、複数のノズル214に対して、1つのスピードコントローラ213が接続されていてもよい。
また、ノズル214は、冷却ガスをノズル214から吹き出させるか否かを切り替えるためのコック230を備える。
コック230は、作業者が操作することで、流路240の開閉を切り替えるための栓である。例えば、コック230には、一方向に延在する貫通孔が設けられている。コック230は、当該貫通孔の向きが流路240に沿う方向で位置しているときには、開状態となり冷却ガスを移動させ、当該貫通孔の向きが流路240に直交する方向で位置しているときには、開状態となり冷却ガスを移動させない。
なお、本実施の形態では、コック230は、作業者が手動で回動させる手動コックである。コック230は、制御部2aにより電気的に動作可能な自動コックでもよい。
また、本実施の形態では、冷却部120は、複数のノズル214を備える。つまり、冷却部120は、複数のガス吹き出し口121を備える。
温度測定部300は、基板3の温度を測定するための温度検出器である。温度測定部300は、例えば、熱電対310を含む。本実施の形態では、温度測定部300は、複数の熱電対310を備える。
図8は、基板3が熱圧着ヘッド48に熱圧着される位置と熱電対310の位置とを説明するための図である。
複数の熱電対310は、例えば、それぞれステージ49に配置されている。具体的には、複数の熱電対310は、図8に示すように、複数の熱圧着ヘッド48と一対一で対応するようにステージ49に配置されている。これにより、制御部2aは、複数の熱圧着ヘッド48によって熱圧着されて温度が上昇されやすい基板3の位置の温度(より具体的には、温度分布)を取得できる。また、制御部2aは、例えば、部品圧着装置100が複数のガス吹き出し口121を備える場合、取得した温度分布に基づいて、流量調整部124に複数のガス吹き出し口121のそれぞれについて供給させる冷却ガスの流量を調整させてもよい。これによれば、基板3における部位に対する温度のばらつき(面内ばらつき)は、抑制され得る。
また、例えば、熱電対310は、ステージ49に載置された基板3と接触するように、一部がステージ49の表面(上面)から少なくとも一部が露出している。これによれば、熱電対310は、基板3と直接接触するようになるため、精度よく基板3の温度を測定できる。
また、温度測定部300は、例えば、サーモカメラ320を含む。
サーモカメラ320は、基板3を撮像して熱画像を生成することで、基板3の温度(より具体的には、温度分布)を測定するための熱画像カメラである。
なお、温度測定部300は熱電対310及びサーモカメラ320のうち少なくとも一方を備えていればよい。
温度測定部300は、制御部2aと通信可能に接続されている。なお、制御部2aとスピードコントローラ213とは、有線通信可能に接続されていてもよい、無線通信可能に接続されていてもよい。
コンピュータ2が備える制御部2aは、例えば、搬送部60により基板3をステージ49に載置させ、ステージ49に載置された基板3に、熱圧着ヘッド48を制御することで部品5を熱圧着させる処理部である。
また、制御部2aは、冷却部120を制御することで、ガス吹き出し口121からの冷却ガスを基板3に吹き付けさせる。例えば、制御部2aは、基板3に対して熱圧着ヘッド48と反対側から、ガス吹き出し口121からの冷却ガスを基板3に向けて吹き出させることで、冷却部120に基板3を冷却させる。本実施の形態では、冷却部120は、熱圧着ヘッド48の下方に配置されている。また、冷却部120(より具体的には、ガス吹き出し口121)は、冷却ガスを上方に向けて吹き出すように配置されている。制御部2aは、ステージ移動部41を制御することで、ステージ49に配置された基板3を熱圧着ヘッド48と冷却部120との間に配置させる。これにより、制御部2aは、ステージ移動部41を制御することで、基板3に対して熱圧着ヘッド48と反対側から、ガス吹き出し口121からの冷却ガスを基板3に向けて吹き出させることで、冷却部120に基板3を冷却させることができる位置に基板3を位置させる。
また、例えば、制御部2aは、ステージ移動部41を制御することで、ステージ49に配置された基板3を熱圧着ヘッド48と冷却部120との間に配置させる。これにより、制御部2aは、ステージ移動部41を制御することで、熱圧着ヘッド48が端部3eの電極部4に部品5を熱圧着している状態において、基板3における電極部4と背向する位置を吹き付け範囲として、冷却部120に基板3を冷却させる位置に、基板3を移動させる。
また、制御部2aは、ステージ移動部41を制御することで、ステージ移動部41にステージ49を移動させることにより基板3の端部3eをバックアップ部44に支持させる。
また、制御部2aは、温度測定部300で測定された基板3の温度に基づき、ガス吹き出し口121に供給する冷却ガスの流量を流量調整部124に調整させる。
上記したように、本実施の形態では、温度測定部300は、複数の熱電対310及びサーモカメラ320の少なくとも一方によって、基板3の温度分布を測定する。また、複数のノズル214は、それぞれ異なるスピードコントローラ213と接続されている。つまり、複数のガス吹き出し口121から吹き出される冷却ガスの流量は、流量調整部124によってそれぞれ個別に調整される。制御部2aは、例えば、温度測定部300で測定された基板3の温度分布に基づき、複数のガス吹き出し口121のそれぞれに供給する冷却ガスの流量を流量調整部124に個別に調整させる。
[処理手順]
続いて、部品圧着装置100の具体的な動作について説明する。
図9は、実施の形態に係る部品圧着装置100が備える制御部2aの処理と冷却ガスの流れとを説明するためのブロック図である。なお、図9においては、冷却ガスの流れを破線の矢印で示し、基板3の温度を示す情報、冷却ガスの流量を示す情報等の、各種情報(データ)の流れを実線の矢印で示す。また、図9に一点鎖線矢印で示すように、温度測定部300は、基板3の温度を測定する。図10は、実施の形態に係る部品圧着装置100が実行する動作の処理手順を説明するためのフローチャートである。
まず、制御部2aは、搬送部60及びステージ移動部41等を制御することで、部品5が熱圧着される電極部4を端部3eに備える基板3をステージ49に載置させる(ステップS101)。次に、制御部2aは、ステージ49に基板3を載置させた後で、ステージ移動部41を制御することで、基板3の端部3eが熱圧着ヘッド48とバックアップ部44との間に位置するように、ステージ49を移動させる。
次に、制御部2aは、ステージ移動部41を制御することで、バックアップ部44に、ステージ49に載置された基板3の端部3eを下方から支持させる(ステップS102)。
次に、部品圧着装置100は、基板3に部品5を熱圧着する前に、冷却部120が備えるガス吹き出し口121から引き出させる冷却ガスの量(つまり、冷却ガスの流量)を調整する工程である流量調整工程1を実行する。
温度測定部300は、基板3の温度を測定する(ステップS103)。例えば、制御部2aは、温度測定部300から、温度測定部300が測定した基板3の温度を示す情報を取得する。
次に、制御部2aは、冷却ガスを吹き出すためのガス吹き出し口121を備える冷却部120からの冷却ガスを基板3に吹き付けることで基板3の冷却を開始させる(ステップS104)。このように、制御部2aは、基板3がバックアップ部44で支持されている状態において、基板3に部品5を熱圧着する前に、冷却部120に基板3の冷却を開始させる。
次に、制御部2aは、基板3の温度に基づいて、ガス吹き出し口121に供給する冷却ガスの流量の補正量を算出する(ステップS105)。例えば、制御部2aは、基板3の温度が所定の温度(第1温度)より高い場合には、ガス吹き出し口121に供給する冷却ガスの流量が多くなるように、補正量を決定する。一方、制御部2aは、基板3の温度が所定の温度より低い場合には、ガス吹き出し口121に供給する冷却ガスの流量が少なくなるように、補正量を決定する。制御部2aは、例えば、補正量を算出するために、ガス吹き出し口121に現在供給されている冷却ガスの流量を、流量センサ125から取得する。制御部2aは、現在の基板3の温度と、ガス吹き出し口121に供給されている冷却ガスの流量とに基づいて補正量を算出する。
なお、補正量の算出方法は、任意に定められてよい。例えば、記憶部2bは、基板3の温度に対する、ガス吹き出し口121に供給されている冷却ガスの流量を定めるテーブル情報が記憶されていてもよい。制御部2aは、現在の基板3の温度とテーブル情報とに基づいて、流量調整部124に調整させるガス吹き出し口121に供給させる冷却ガスの流量を算出し、算出した冷却ガスの流量と、ガス吹き出し口121に現在供給されている冷却ガスの流量との差分から、補正量を算出してもよい。
また、所定の温度(第1温度)は、任意に定められてよい。例えば、所定の温度を示す情報が、予め記憶部2bに記憶されていてもよい。例えば、所定の温度が100℃である場合、制御部2aは、温度測定部300から取得した温度が100℃より高い温度であるとき、現在の流量よりも大きい流量の冷却ガスを流量調整部124にガス吹き出し口121へ供給させるように、補正値を算出する。或いは、例えば、所定の温度が100℃である場合、制御部2aは、温度測定部300から取得した温度が100℃より低い温度であるとき、現在の流量よりも小さい流量の冷却ガスを流量調整部124にガス吹き出し口121へ供給させるように、補正値を算出する。こうすることで、制御部2aは、基板3の温度が所定の温度に近づくように、冷却ガスを流量調整部124にガス吹き出し口121へ供給させる。
次に、制御部2aは、算出した補正量が予め定められた基準流量(第1基準流量)を超えるか否かを判定する(ステップS106)。基準流量は、予め任意に定められてよい。基準流量を示す情報は、例えば、予め記憶部2bに記憶されている。
制御部2aは、算出した補正量が予め定められた基準流量を超えると判定した場合(ステップS106でYes)、熱圧着ヘッド48等の部品圧着装置100が備える各設備を緊急停止させる(ステップS117)。制御部2aが、補正量が基準流量を超えると判定する場合、例えば、現在ステージ49に載置されている基板3の前に熱圧着が実行された際の熱が残っている場合等が考えられる。あるいは、電磁バルブ212やスピードコントローラ213の故障、ガス管210やノズル214の詰まり等の冷却部120の不具合により冷却部120による冷却不足が発生していることが考えられる。そのため、制御部2aは、補正量が基準流量を超えると判定した場合、部品圧着装置100が備える設備の動作を緊急停止することで、基板3が熱により劣化することを抑制できる。なお、制御部2aは、部品圧着装置100が備える全ての設備を停止させなくてもよい。例えば、制御部2aは、ステップS111において、熱圧着ヘッド48を基板3から離すように動作させた後に停止させ、さらに、冷却部120は動作させ続けてもよい。
一方、制御部2aは、算出した補正量が予め定められた基準流量を超えないと判定した場合(ステップS106でNo)、算出した補正量だけガス吹き出し口121に供給する冷却ガスの流量が変化するように、ガス吹き出し口121に供給する冷却ガスの流量を流量調整部124に調整させる(ステップS107)。
図9に示すように、流量調整部124は、ガス供給源211から供給された冷却ガスの流量を調整してガス吹き出し口121に供給する。冷却ガスは、流量調整部124に調整された流量でガス吹き出し口121から吹き出されることで、基板3に吹き付けられる。流量センサ125は、例えば、流量調整部124を通過してガス吹き出し口121に供給する冷却ガスの流量を測定する。
また、流量調整部124は、制御部2aから補正量を取得し、取得した補正量に基づいて、ガス吹き出し口121に供給する冷却ガスの供給量を調整する。
なお、流量調整部124がガス吹き出し口121に最初に(例えば、部品圧着装置100が立ち上げられてから初めて)供給する冷却ガスの流量は、予め任意に定められてよい。
再び図10を参照し、ステップS107の次に、制御部2aは、冷却部120に冷却ガスの吹き付けを開始させてから所定時間(第1所定時間)経過したか否かを判定する(ステップS108)。なお、制御部2aは、時間を計測するためのRTC(Real Time Clock)等の計時部を備えてもよい。
制御部2aは、冷却部120に冷却ガスの吹き付けを開始熱させてから所定時間経過していないと判定した場合(ステップS108でNo)、処理をステップS103に戻す。
部品圧着装置100は、流量調整工程1(ステップS103~ステップS107)を繰り返し実行することで、基板3の温度と冷却ガスの流量とを安定させる。
制御部2aは、冷却部120に冷却ガスの吹き付けを開始させてから第1所定時間経過したと判定した場合、熱圧着ヘッド48及び加圧機構47等を制御することで、熱圧着ヘッド48を下降させてバックアップ部44により支持された端部3eの電極部4に、熱圧着ヘッド48で部品5の熱圧着を開始させる(ステップS109)。
次に、部品圧着装置100は、基板3に部品5を熱圧着する前に、冷却部120が備えるガス吹き出し口121から引き出させるガスの量(つまり、ガスの流量)を調整する工程である流量調整工程2を実行する。流量調整工程1と流量調整工程2とは、処理内容は実質的に同様である。
温度測定部300は、基板3の温度を測定する(ステップS110)。例えば、制御部2aは、温度測定部300から、温度測定部300が測定した基板3の温度を示す情報を取得する。
次に、制御部2aは、冷却ガスを吹き出すためのガス吹き出し口121を備える冷却部120からの冷却ガスを基板3に吹き付けさせる(ステップS111)。このように、制御部2aは、基板3がバックアップ部44で支持されている状態において、基板3に部品5を熱圧着している際に、冷却部120に基板3を冷却させる。なお、制御部2aは、ステップS104で冷却部120に冷却を開始させてから後述する熱圧着の終了まで、冷却部120に冷却をさせ続けてもよいし、ステップS104及びステップS111を実行する度に、予め定められた時間、流量等だけ、冷却部120に冷却させ、その後で冷却を停止させてもよい。
次に、制御部2aは、基板3の温度に基づいて、ガス吹き出し口121に供給する冷却ガスの流量の補正量を算出する(ステップS112)。例えば、制御部2aは、ステップS112と同様に、基板3の温度が所定の温度(第2温度)より高い場合には、ガス吹き出し口121に供給する冷却ガスの流量が多くなるように、補正量を決定する。一方、制御部2aは、基板3の温度が所定の温度より低い場合には、ガス吹き出し口121に供給する冷却ガスの流量が少なくなるように、補正量を決定する。
なお、補正量の算出方法は、任意に定められてよい。例えば、記憶部2bは、基板3の温度に対する、ガス吹き出し口121に供給されている冷却ガスの流量を定めるテーブル情報が記憶されていてもよい。制御部2aは、現在の基板3の温度とテーブル情報とに基づいて、流量調整部124に調整させるガス吹き出し口121に供給させる冷却ガスの流量を算出し、算出した冷却ガスの流量と、ガス吹き出し口121に現在供給されている冷却ガスの流量との差分から、補正量を算出してもよい。また、ステップS112での補正量の算出方法と、ステップS105での補正量の算出方法は、同じでもよいし、異なってもよい。例えば、制御部2aは、ステップS112とステップS105とで、異なるテーブル情報を用いてもよい。
また、所定の温度(第2温度)は、任意に定められてよい。また、第1温度と第2温度とは、同じでもよいし、異なっていてもよい。
次に、制御部2aは、算出した補正量が予め定められた基準流量(第2基準流量)を超えるか否かを判定する(ステップS113)。基準流量(第2基準流量)は、予め任意に定められてよい。また、第1基準流量と第2基準流量とは、同じでもよいし、異なっていてもよい。
制御部2aは、算出した補正量が予め定められた基準流量を超えると判定した場合(ステップS113でYes)、熱圧着ヘッド48等の部品圧着装置100が備える各設備を緊急停止させる(ステップS117)。制御部2aが、補正量が基準流量を超えると判定する場合、例えば、熱圧着ヘッド48の不具合等により基板3の温度が異常に上昇していることが考えられる。あるいは、電磁バルブ212やスピードコントローラ213の故障、ガス管210やノズル214の詰まり等の冷却部120の不具合により冷却部120による冷却不足が発生していることが考えられる。そのため、制御部2aは、補正量が基準流量を超えると判定した場合、部品圧着装置100が備える設備の動作を緊急停止することで、基板3が熱により劣化することを抑制できる。なお、制御部2aは、部品圧着装置100が備える全ての設備を停止させなくてもよい。例えば、制御部2aは、ステップS111において、熱圧着ヘッド48を基板3から離すように動作させた後に停止させ、さらに、冷却部120は動作させ続けてもよい。
一方、制御部2aは、算出した補正量が予め定められた基準流量を超えないと判定した場合(ステップS113でNo)、ステップS107と同様に、算出した補正量だけガス吹き出し口121に供給する冷却ガスの流量が変化するように、ガス吹き出し口121に供給する冷却ガスの流量を流量調整部124に調整させる(ステップS114)。
次に、制御部2aは、熱圧着ヘッド48で部品5を熱圧着させてから所定時間経過したか否かを判定する(ステップS115)。制御部2aは、熱圧着ヘッド48で部品5を熱圧着させてから所定時間経過したと判定した場合(ステップS115でYes)、熱圧着処理を終了する(ステップS116)。例えば、制御部2aは、熱圧着ヘッド48及び加圧機構47等を制御することで、熱圧着ヘッド48を上昇させて部品5の熱圧着を終了させ、冷却部120を制御することで、冷却部120に冷却ガスを基板3に吹き付けることを停止させることで基板3の冷却を終了させ、ステージ移動部41を制御することで、基板3をバックアップ部44から離間させ、搬送部60及びステージ移動部41等を制御することで、ステージ49から基板3を退避させる。
一方、制御部2aは、熱圧着ヘッド48で部品5を熱圧着させてから所定時間経過していないと判定した場合(ステップS115でNo)、処理をステップS110に戻す。
部品圧着装置100は、流量調整工程2(ステップS110~ステップS114)を繰り返し実行することで、基板3の温度と冷却ガスの流量とを安定させる。
以上のように、部品圧着装置100は、流量調整工程1(第1流量調整工程)と流量調整工程2(第2流量調整工程)とを実行することで、基板3を適切な温度にし続ける。
なお、制御部2aは、ステップS105及びステップS112では、補正量を算出したが、流量調整部124がガス吹き出し口121に供給する冷却ガスの流量を算出してもよい。つまり、制御部2aは、流量調整部124に変更させる流量ではなく、流量調整部124がガス吹き出し口121に供給する冷却ガスの流量を算出してもよい。この場合、基準流量は、流量調整部124がガス吹き出し口121に供給する冷却ガスの流量に基づいて適宜決定されればよい。
また、上記した通り、流量調整工程1と流量調整工程2とでは、所定の温度、基準流量等の各種閾値は、同じでもよいし、異なっていてもよい。
また、ステップS103~ステップS108は、実行されなくてもよい。
[効果等]
以上説明したように、実施の形態に係る部品圧着装置100は、基板3が載置されるステージ49と、ステージ49に載置された基板3を支持するバックアップ部44と、バックアップ部44により支持された基板3に部品5を熱圧着する熱圧着ヘッド48と、基板3がバックアップ部44で支持されている状態において、冷却ガスを基板3に吹き付けることで基板3を冷却する冷却部120と、基板3の温度を測定する温度測定部300と、冷却部120を制御する制御部2aと、を備える。冷却部120は、供給された冷却ガスを基板3に吹き付けるためのガス吹き出し口121と、ガス吹き出し口121に供給する冷却ガスの流量を調整する流量調整部124と、を備える。制御部2aは、温度測定部300で測定された基板3の温度に基づき、ガス吹き出し口121に供給する冷却ガスの流量を流量調整部124に調整させる。
これによれば、制御部2aは、基板3の温度に基づいて、冷却ガスの流量が適切になるように流量調整部124に調整させることができる。そのため、部品圧着装置100は、基板3を適切に冷却しながら熱圧着できる。
また、例えば、制御部2aは、基板3に対して熱圧着ヘッド48と反対側から、ガス吹き出し口121から冷却ガスを基板3に吹き付けさせることで、冷却部120に基板3を冷却させる。
例えば、熱圧着ヘッド48は、部品5を基板3に熱圧着するために150℃~300℃程度まで加熱される。一方、基板3の温度は、基板3の熱劣化を抑制するために100℃以下程度まで下げられるとよい。そこで、制御部2aは、基板3に対して熱圧着ヘッド48と反対側(本実施の形態では、下方側)から、ガス吹き出し口121から冷却ガスを基板3に吹き付けさせる。これにより、冷却ガスは、基板3によって熱圧着ヘッド48に吹き付けられにくくすることができる。そのため、熱圧着ヘッド48は、冷却ガスによって温度が変化されることが抑制される。これにより、熱圧着ヘッド48の温度が変化されることにより、部品5が基板3に熱圧着されない等の不具合の発生が、抑制される。また、熱圧着ヘッド48が冷却部120側に位置しないために、冷却部120のガス吹き出し口121をより基板3に近づけることができる。そのため、制御部2aは、さらに効果的に基板3を冷却部120で冷却できる。
また、例えば、温度測定部300は、熱電対310を含む。
これによれば、温度測定部300は、熱電対310によって基板3の温度を簡便に測定できる。
また、例えば、熱電対310は、ステージ49に配置される。
これによれば、部品圧着装置100は、熱電対310を移動させる機構等を設けることなく、基板3の温度を測定できる。
また、例えば、温度測定部300は、サーモカメラ320を含む。
これによれば、部品圧着装置100は、例えば、複数の熱電対310をステージ49に設ける場合と比較して、簡便な構成で基板3の温度分布を細かく測定できる。
また、例えば、冷却部120は、ガス吹き出し口121を複数備える。また、例えば、温度測定部300は、基板3の温度分布を測定する。この場合、例えば、制御部2aは、温度測定部300で測定された基板3の温度分布に基づき、複数のガス吹き出し口121のそれぞれに供給する冷却ガスの流量を流量調整部124に調整させる。
これによれば、制御部2aは、温度測定部300から取得した基板3の温度(温度分布)に基づいて、流量調整部124に複数のガス吹き出し口121のそれぞれについて供給させる冷却ガスの流量を個別に調整させることができる。これによれば、基板3における部位に対する温度のばらつき(面内ばらつき)は、抑制され得る。
また、実施の形態に係る部品圧着方法は、基板3をステージ49に載置する載置工程(ステップS101)と、ステージ49に載置された基板3をバックアップ部44で支持する支持工程(ステップS102)と、バックアップ部44により支持された基板3に熱圧着ヘッド48で部品5を熱圧着する熱圧着工程(ステップS109~ステップS116)と、基板3がバックアップ部44で支持されている状態において、冷却部120が備えるガス吹き出し口121から冷却ガスを基板3に吹き付けることで基板3を冷却する冷却工程(上記した流量調整工程1のステップS104~ステップS107、及び、上記した流量調整工程2のステップS111~ステップS114)と、基板3の温度を測定する温度測定工程(ステップS103及びステップS110)と、を備える。冷却工程では、温度測定工程で測定した基板3の温度に基づき、ガス吹き出し口121に供給する冷却ガスの流量を調整(ステップS107及びステップS114)する。
これによれば、基板3の温度に基づいて、冷却ガスの流量が適切になるように流量調整部124に調整させることができる。そのため、実施の形態に係る部品圧着方法によれば、基板3を適切に冷却しながら熱圧着できる。
(その他の実施の形態)
以上、本実施の形態に係る部品圧着装置等について、上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態では、コンピュータ2の構成要素の全部又は一部は、専用のハードウェアで構成されてもよく、或いは、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)又はプロセッサ等のプログラム実行部が、HDD(Hard Disk Drive)又は半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
また、コンピュータ2の構成要素は、1つ又は複数の電子回路で構成されてもよい。1つ又は複数の電子回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
1つ又は複数の電子回路には、例えば、半導体装置、IC(Integrated Circuit)又はLSI(Large Scale Integration)等が含まれてもよい。IC又はLSIは、1つのチップに集積されてもよく、複数のチップに集積されてもよい。ここでは、IC又はLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又は、ULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれるかもしれない。また、LSIの製造後にプログラムされるFPGA(Field Programmable Gate Array)も同じ目的で使うことができる。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
本発明は、液晶パネルを生産する部品実装ライン等が有する、基板に部品を熱圧着する部品圧着装置に利用可能である。
1 部品実装ライン
1a、1b、1c 基台
2 コンピュータ
2a 制御部
2b 記憶部
3 基板
3a 上部基板
3b 下部基板
3c、3d 偏光板
3e 端部
4 電極部
5 部品
6 異方性導電部材(ACF)
10 基板搬入部
11、23、37、49、51 ステージ
20 貼着部
21、31、41 ステージ移動部
22 貼着機構
30 仮圧着部
32 部品搭載機構
33 部品供給部
40 本圧着部
43 ヘッド移動機構
43a ベース部
43b ガイド部
44 バックアップ部
46 取り付け部材
47 加圧機構
47a ロッド
48 熱圧着ヘッド
50 基板搬出部
60 搬送部
61 移動ベース
62A、62B、62C、62D 基板搬送機構
63 基部
64 アームユニット
100 部品圧着装置
120 冷却部
121 ガス吹き出し口
124 流量調整部
125 流量センサ
210 ガス管
211 ガス供給源
212 電磁バルブ
213 スピードコントローラ
214 ノズル
220 保護シート
230 コック
240 流路
300 温度測定部
310 熱電対
320 サーモカメラ

Claims (7)

  1. 基板が載置されるステージと、
    前記ステージに載置された前記基板を支持するバックアップ部と、
    前記バックアップ部により支持された前記基板に部品を熱圧着する熱圧着ヘッドと、
    前記基板が前記バックアップ部で支持されている状態において、冷却ガスを前記基板に吹き付けることで前記基板を冷却する冷却部と、
    前記基板の温度を測定する温度測定部と、
    前記冷却部を制御する制御部と、を備える部品圧着装置であって
    前記冷却部は、供給された前記冷却ガスを前記基板に吹き付けるためのガス吹き出し口と、前記ガス吹き出し口に供給する前記冷却ガスの流量を調整する流量調整部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記冷却部に前記ガス吹き出し口から前記冷却ガスを前記基板に吹き付けさせながら前記温度測定部で測定された前記基板の温度に基づき、前記基板の温度が所定の温度に近づくように、前記ガス吹き出し口に供給する前記冷却ガスの流量の補正量算出し、前記流量調整部に前記冷却ガスの流量を調整させ
    前記補正量が基準流量を超える場合に、前記部品圧着装置を停止させる、
    部品圧着装置。
  2. 前記制御部は、前記基板に対して前記熱圧着ヘッドと反対側から、前記ガス吹き出し口から前記冷却ガスを前記基板に吹き付けさせることで、前記冷却部に前記基板を冷却させる、
    請求項1に記載の部品圧着装置。
  3. 前記温度測定部は、熱電対を含む、
    請求項1又は2に記載の部品圧着装置。
  4. 前記熱電対は、前記ステージに配置される、
    請求項3に記載の部品圧着装置。
  5. 前記温度測定部は、サーモカメラを含む、
    請求項1又は2に記載の部品圧着装置。
  6. 前記冷却部は、前記ガス吹き出し口を複数備え、
    前記温度測定部は、前記基板の温度分布を測定し、
    前記制御部は、前記温度測定部で測定された前記基板の温度分布に基づき、複数の前記ガス吹き出し口のそれぞれに供給する前記冷却ガスの流量を前記流量調整部に調整させる、
    請求項1~5のいずれか1項に記載の部品圧着装置。
  7. 部品圧着装置が実行する部品圧着方法であって、
    基板をステージに載置する載置工程と、
    前記ステージに載置された前記基板をバックアップ部で支持する支持工程と、
    前記バックアップ部により支持された前記基板に熱圧着ヘッドで部品を熱圧着する熱圧着工程と、
    前記基板が前記バックアップ部で支持されている状態において、冷却部が備えるガス吹き出し口から冷却ガスを前記基板に吹き付けることで前記基板を冷却する冷却工程と、
    前記基板の温度を測定する温度測定工程と、を備え、
    前記冷却工程では、前記ガス吹き出し口から前記冷却ガスを前記基板に吹き付けさせながら前記温度測定工程で測定した前記基板の温度に基づき、前記基板の温度が所定の温度に近づくように、前記ガス吹き出し口に供給する前記冷却ガスの流量の補正量を算出し、前記冷却ガスの流量を調整し、
    前記補正量が基準流量を超える場合に、前記部品圧着装置を停止させる、
    部品圧着方法。
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