JP7527469B2 - ロータ、電動機、送風機、空気調和装置およびロータの製造方法 - Google Patents

ロータ、電動機、送風機、空気調和装置およびロータの製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、ロータ、電動機、送風機、空気調和装置およびロータの製造方法に関する。
コンシクエントポール型のロータでは、ロータコアに取り付けられた永久磁石が第1の磁極を構成し、ロータコアの一部が第2の磁極を構成する(例えば、特許文献1参照)。
国際公開WO2018/037449号(図9参照)
ロータから出た磁束は、ロータを囲むステータのコイルに鎖交し、これにより誘起電圧が発生する。電動機の振動を低減するためには、第1の磁極および第2の磁極のいずれにおいても、磁束密度分布が極中心に対して対称であることが望ましい。
しかしながら、ロータには、ステータコイルの電流によって発生するステータ磁界が作用する。第2の磁極には永久磁石が存在しないため、第2の磁極を通過する磁束の進行方向がステータ磁界の影響で変化しやすい。その結果、第2の磁極における磁束密度分布が周方向の一方の側に偏り、これにより振動が増加する可能性がある。
本開示は、上記の課題を解決するためになされたものであり、コンシクエントポール型のロータの表面における磁束密度分布の偏りを抑制し、これにより振動を抑制することを目的とする。
本開示のロータは、軸線を中心とする周方向に延在し、磁石挿入孔を有するロータコアと、ロータコアの磁石挿入孔に取り付けられ、それぞれ第1の磁極を構成する少なくとも2つの永久磁石と有する。ロータコアにおいて周方向に隣り合う第1の磁極の間に位置する部分が、第2の磁極を構成する。ロータコアは、第2の磁極の周方向の中心に形成された分割面で、少なくとも2つのロータコア片に分割されている。ロータコアは、第2の磁極に、軸線を中心とする径方向に延在する2以上のスリットからなるスリット部を有し、また、ロータコアの径方向における中心位置を通り且つ軸線を中心とする仮想円よりも内側にカシメ部を有するカシメ部は、スリット部の径方向の内側に形成されている。
本開示によれば、ロータコアの第2の磁極の中心に分割面が形成されているため、ステータ磁界の影響を受けても、第2の磁極を通過する磁束の進行方向の変化が生じにくい。そのため、ロータの表面における磁束密度分布の偏りを抑制し、これにより振動を抑制することができる。
実施の形態1の電動機を示す部分断面図である。 実施の形態1のステータコアを示す平面図である。 実施の形態1のロータを示す横断面図である。 実施の形態1のロータの1磁極に相当する部分を示す横断面図である。 実施の形態1のロータコア片および永久磁石を示す図である。 実施の形態1のロータを示す縦断面図である。 実施の形態1のロータの製造工程を示すフローチャートである。 実施の形態1のロータの積層要素が打ち抜かれる母材基板を示す平面図である。 実施の形態1の成形金型を示す縦断面図である。 実施の形態1のロータコア片とシャフトとを成形金型内に配置した状態を示す模式図である。 比較例1のロータを示す断面図(A)および比較例2のロータを示す断面図(B)である。 比較例2のロータにおける磁束の流れを示す模式図(A),(B)である。 実施の形態1のロータにおける磁束の流れを示す模式図(A),(B)である。 実施の形態2のロータを示す横断面図(A)およびロータの一部を示す横断面図(B)である。 実施の形態2のロータにおける磁束の流れを示す模式図(A),(B)である。 実施の形態3のロータを示す横断面図(A)およびロータの一部を示す横断面図(B)である。 実施の形態3のロータにおける磁束の流れを示す模式図(A),(B)である。 実施の形態4のロータを示す横断面図(A)およびロータの一部を示す横断面図(B)である。 実施の形態4のロータにおける磁束の流れを示す模式図(A),(B)である。 ロータの一構成例を示す横断面図(A)およびロータの一部を示す横断面図(B)である。 各実施の形態の電動機が適用可能な空気調和装置の構成例を示す図(A)および室外機を示す断面図(B)である。
実施の形態1.
<電動機1の構成>
図1は、実施の形態1における電動機1を示す縦断面図である。電動機1は、例えば空気調和装置の送風機に用いられ、インバータで駆動される。また、電動機1は、ロータ2に永久磁石25が埋め込まれたIPM(磁石埋込型)モータである。
電動機1は、シャフト11と、シャフト11に取り付けられたロータ2と、ロータ2を囲むモールドステータ5とを有する。モールドステータ5は、ロータ2を囲む環状のステータ5Aと、ステータ5Aを覆うモールド樹脂部56とを有する。シャフト11は、ロータ2の回転軸である。
以下の説明では、シャフト11の中心軸である軸線Axの方向を、「軸方向」と称する。また、シャフト11の軸線Axを中心とする周方向(図2等に矢印Rで示す)を、「周方向」と称する。シャフト11の軸線Axを中心とする半径方向を、「径方向」と称する。軸方向に垂直な面における断面図を横断面図と称し、軸方向に平行な面における断面図を縦断面図と称する。
シャフト11は、モールドステータ5から図1における左側に突出しており、その突出部に形成された取付け部11aには、例えば送風機の羽根車505(図21(A))が取り付けられる。そのため、シャフト11の突出側(図1における左側)を「負荷側」と称し、反対側(図1における右側)を「反負荷側」と称する。
<モールドステータ5の構成>
モールドステータ5は、上記の通り、ステータ5Aとモールド樹脂部56とを有する。ステータ5Aは、ロータ2を径方向外側から囲んでいる。ステータ5Aは、ステータコア50と、ステータコア50に設けられた絶縁部54と、絶縁部54を介してステータコア50に巻き付けられたコイル55とを有する。
モールド樹脂部56は、不飽和ポリエステル樹脂(BMC)、エポキシ樹脂等の熱硬化性のモールド樹脂で形成される。モールド樹脂部56は、軸方向の一方の側(ここでは反負荷側)に軸受支持部57を有し、他方の側(ここでは負荷側)に開口部58を有する。ロータ2は、開口部58からモールドステータ5の内部の中空部分に挿入される。
モールド樹脂部56の開口部58には、金属製のブラケット15が取り付けられている。このブラケット15には、シャフト11を支持する一方の軸受12が保持される。シャフト11には、ブラケット15の外側を覆うようにキャップ14が取り付けられている。モールド樹脂部56の軸受支持部57には、シャフト11を支持するもう一方の軸受13が保持される。
図2は、ステータコア50を示す平面図である。ステータコア50は、複数の積層要素を軸方向に積層し、カシメ、溶接または接着等によって一体化したものである。積層要素は、例えば電磁鋼板であり、板厚は0.2mm~0.5mmである。
ステータコア50は、軸線Axを中心とする周方向に環状に延在するヨーク51と、ヨーク51から径方向内側に延在する複数のティース52とを有する。ティース52の先端部は、ロータ2(図1)の外周に対向する。ティース52の数は、ここでは12であるが、これに限定されるものではない。
ステータコア50は、ここでは、ティース52毎に複数の分割コア50Aに分割されている。分割コア50Aの数は、ここでは12である。分割コア50Aは、ヨーク51に形成された分割面51aで分割されている。分割面51aの終端とヨーク51の外周との間には、薄肉部51bが形成される。薄肉部51bの塑性変形により、ステータコア50を帯状に展開することができる。なお、ステータコア50は、分割コア50Aを組み合わせたものには限定されず、環状に一体に形成されていてもよい。
図1に戻り、絶縁部54は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の絶縁性の樹脂で形成されている。絶縁部54は、予め成形した樹脂成形体をステータコア50に取り付けてもよく、ステータコア50と一体に成形してもよい。また、厚さ0.35~0.4mmの絶縁フィルムを用いてもよい。
コイル55は、絶縁部54を介してティース52(図2)の周囲に巻き付けられている。コイル55は、銅線またはアルミニウム線で形成された導体を有する。
ステータ5Aに対して軸方向の一方の側(ここでは反負荷側)には、基板6が配置されている。基板6は、電動機1を駆動するためのパワートランジスタ等の駆動回路60および磁気センサ等が実装されたプリント基板であり、リード線61が配線されている。基板6のリード線61は、モールド樹脂部56の外周部分に取り付けられたリード線口出し部品62から、電動機1の外部に引き出される。
ブラケット15は、モールド樹脂部56の開口部58の外周縁に設けられた環状部分に圧入される。ブラケット15は、導電性を有する金属、例えば亜鉛メッキ鋼板で形成されるが、これに限定されるものではない。キャップ14は、ブラケット15を外側から覆い、軸受12への水等の侵入を防止する。
なお、電動機1はモールド樹脂部56を有するものには限定されない。例えば、電動機1のステータ5Aを、鉄を主成分とする円筒状のシェルの内側に、焼嵌め等によって固定してもよい。
<ロータ2の構成>
図3は、ロータ2を示す横断面図である。図4は、ロータ2の1磁極に相当する部分を拡大して示す横断面図である。図5は、ロータコア20を分割して示す図である。図6は、ロータ2を示す縦断面図である。
図3に示すように、ロータ2は、回転軸であるシャフト11と、シャフト11に対して径方向外側に距離を開けて設けられたロータコア20と、ロータコア20に埋め込まれた複数の永久磁石25と、シャフト11とロータコア20との間に設けられた樹脂部30とを有する。永久磁石25の数は、ここでは5個である。
ロータコア20は、軸線Axを中心とする環状の部材である。ロータコア20は、外周20aと内周20bとを有し、内周20bはシャフト11に距離を開けて対向している。ロータコア20は、複数の積層要素を軸方向に積層し、カシメ、溶接または接着等によって固定したものである。積層要素は、例えば電磁鋼板であり、板厚は0.2mm~0.5mmである。
ロータコア20は、周方向に複数の磁石挿入孔21を有する。磁石挿入孔21は、周方向に等間隔で、且つ軸線Axから等距離に配置されている。磁石挿入孔21の数は、ここでは5個である。磁石挿入孔21は、ロータコア20の外周20aに沿って形成され、ロータコア20を軸方向に貫通している。
各磁石挿入孔21には、永久磁石25が挿入されている。永久磁石25は平板状であり、軸方向に直交する面において矩形状の断面を有する。永久磁石25は、希土類磁石であり、より具体的には、ネオジム(Nd)、鉄(Fe)およびホウ素(B)を含むネオジム磁石、あるいはサマリウム(Sm)およびコバルト(Co)を含むサマリウム磁石である。また、希土類磁石の代わりに、フェライト磁石を用いてもよい。
磁石挿入孔21は、その周方向の両端に、空隙であるフラックスバリア22を有する。フラックスバリア22とロータコア20の外周20aとの間には、薄肉部が形成される。薄肉部の厚さは、隣り合う永久磁石25の間の磁束の短絡を抑制するため、例えば積層要素の板厚と同じに設定されている。
永久磁石25は、互いに同一の磁極をロータコア20の外周側に向けて配置されている。ロータコア20において、周方向に隣り合う永久磁石25の間の領域には、永久磁石25とは反対の磁極が形成される。
そのため、ロータ2には、永久磁石25で構成される第1の磁極P1と、ロータコア20の一領域で構成される第2の磁極P2とが、周方向に交互に配列される。このような構成を、コンシクエントポール型と称する。ここでは、第1の磁極P1をS極とし、第2の磁極P2をN極とするが、逆であってもよい。周方向において磁極P1,P2の間には、極間部Mが形成される。
ロータ2は、5つの第1の磁極P1と、5つの第2の磁極P2とを有する。すなわち、ロータ2は、10個の磁極を有する。ロータ2の10個の磁極P1,P2は、極ピッチを36度として、周方向に等角度間隔に配置される。以下では、単に「磁極」という場合、第1の磁極P1と第2の磁極P2の両方を含むものとする。
第1の磁極P1の周方向中心は、極中心である。第1の磁極P1の極中心を通る径方向の直線を、磁極中心線N1とする。同様に、第2の磁極P2の周方向中心は、極中心である。第2の磁極P2の極中心を通る径方向の直線を、磁極中心線N2とする。
ロータコア20の外周20aは、軸方向に直交する断面において、いわゆる花丸形状を有する。言い換えると、ロータコア20の外周20aは、ロータコア20の半径が磁極P1,P2の各極中心で最大となり、極間部Mで最小となるように形成されている。
ロータコア20の外周20aが上記のような花丸形状を有し、また極間部Mにフラックスバリア22が位置しているため、極間部Mを通って周方向に流れる漏れ磁束が抑制される。なお、ロータコア20の外周20aは、花丸形状に限らず、円形状を有してもよい。一方、ロータコア20の内周20bは、軸方向に直交する面において、円形状を有する。
コンシクエントポール型のロータ2では、同じ極数の非コンシクエントポール型のロータと比較して、永久磁石25の数を半分にすることができる。後述するように高価な永久磁石25の数が少ないため、ロータ2の製造コストが低減される。
ここではロータ2の極数を10としたが、極数は4以上であればよい。すなわち、第1の磁極P1の数(永久磁石25の数)は2つ以上であればよい。
ロータコア20は、各第2の磁極P2の極中心すなわち周方向中心に、分割面23を有する。分割面23は、ここでは、ロータコア20の内周20bから外周20aまで、径方向に延在している。ロータコア20は、分割面23で2以上のロータコア片24に分割されている。
分割面23は、第2の磁極P2の極中心、すなわち磁極中心線N2上に位置する。言い換えると、分割面23は、2つの第1の磁極P1の極中心の中間位置に位置する。さらに言い換えると、分割面23は、2つの第1の磁極P1の磁極中心線N1の2等分線上に位置する。
図4に示すように、各ロータコア片24は、その周囲に、外周20aと、内周20bと、周方向の両側の分割面23とを有する。各ロータコア片24には、永久磁石25が1つずつ形成されている。ロータコア片24の周方向中心は、第1の磁極P1の極中心と一致する。
図5に示すように、ロータコア片24の数は、第1の磁極P1の数と同じ、言い換えるとロータ2の極数の半分であり、ここでは5個である。周方向に隣り合うロータコア片24の分割面23同士は、互いに当接する。5個のロータコア片24を環状に組み合わせることで、環状のロータコア20が形成される。
5個のロータコア片24は、次に説明する樹脂部30によってシャフト11と一体に保持されている。なお、ロータコア片24に、互いに係合する係合部26(図14(A))を設けてもよいが、これについては実施の形態2で説明する。
図2に示すように、ロータコア20に対して径方向内側に、シャフト11が設けられている。シャフト11とロータコア20との間には、樹脂部30が設けられている。樹脂部30は、シャフト11とロータコア20とを連結するものであり、非磁性である。樹脂部30は、例えば、BMC、PBT、PPS、またはPETで形成される。
樹脂部30は、ここでは、シャフト11の外周面とロータコア20の内周20bとの間の空間に充填されている。非磁性の樹脂部30を設けることにより、ロータコア20からシャフト11への磁束漏れが抑制される。なお、樹脂部30には、空洞部あるいはリブを形成してもよい。
図6に示すように、樹脂部30は、ロータコア20の軸方向の一端面を覆う端面部33と、ロータコア20の軸方向の他端面を覆う端面部34とを有する。なお、端面部33は、ロータコア20の一端面を完全に覆う必要はなく、少なくとも一部を覆っていればよい。端面部34も同様である。
樹脂部30の一部は、ロータコア20の磁石挿入孔21の内部にも入り込んでいることが望ましい。樹脂部30の一部が磁石挿入孔21内に入り込むことにより、磁石挿入孔21内での永久磁石25の位置ずれが抑制される。
樹脂部30の端面部34には、センサマグネット35が保持されている。センサマグネット35は、軸線Axを中心とするリング状の永久磁石である。センサマグネット35は、ロータ2の極数と同数の磁極を有する。センサマグネット35の磁界は、基板6(図1)に搭載された磁気センサに検出され、これに基づいてロータ2の回転位置が検出される。ロータ2には、センサマグネット35を設けない場合もある。
樹脂部30は、また、シャフト11に沿って延在する軸部31,32を有する。軸部31は、ロータコア20と軸受12(図1)との間隔を規定し、軸部32は、ロータコア20と軸受13との間隔を規定する。
ここでは、ロータコア20とシャフト11との間に樹脂部30を設けているが、樹脂部30を設けずに、シャフト11をロータコア20の内周20bに固定してもよい。固定方法は、圧入、焼嵌め、コーキング等である。この場合、ロータコア20からシャフト11への磁束漏れを抑制するため、シャフト11は、オーステナイト系ステンレス鋼、アルミニウム等の非磁性材料で形成することが望ましい。
<ロータ2の製造方法>
次に、ロータ2の製造方法について説明する。図7は、ロータ2の製造方法の各工程を示すフローチャートである。まず、ロータコア片24を形成する(ステップS101)。
図8は、ロータコア片24を構成する積層要素が打ち抜かれる母材基板200を示す平面図である。母材基板200は、板厚が0.2~0.5mmの電磁鋼板である。母材基板200の打ち抜きには、プレス装置を用いる。
母材基板200から、ロータコア片24を構成する積層要素(符号201で示す)を打ち抜く。母材基板200から環状の積層要素を打ち抜く場合、積層要素の内側の部分が無駄になるが、実施の形態1では、母材基板200から円弧状の積層要素201を打ち抜くため、母材基板200の無駄が少なく、製造コストが低減される。
このようにして打ち抜いた複数の積層要素201を軸方向に積層し、カシメ、溶接または接着等で一体化することにより、ロータコア片24を形成する。
次に、各ロータコア片24の磁石挿入孔21に、永久磁石25を挿入する(ステップS102)。永久磁石25は、例えば隙間嵌めにより、磁石挿入孔21内に固定される。
次に、成形金型9を用いて、各ロータコア片24とシャフト11とを樹脂でモールド成形する(ステップS103)。ここでは、PBT、PPS等の熱可塑性樹脂を用いることとするが、BMC等の熱硬化性樹脂を用いても良い。
図9は、成形金型9を示す縦断面図である。成形金型9は、固定金型7と可動金型8とを有する。可動金型8は固定金型7の上方に位置し、固定金型7に対して移動可能である。固定金型7および可動金型8は、互いに対向する金型合わせ面75,85を有する。
固定金型7は、内側に空洞部分を有するキャビティ部71と、キャビティ部71の軸方向端部に形成された平坦面72と、シャフト11の一端部が挿入されるシャフト穴73と、キャビティ部71とシャフト穴73との間に形成された筒状部74と有する。また、キャビティ部71には、ロータコア片24の端面の外周部に当接する当接面70が形成されている。
可動金型8は、内側に空洞部分を有するキャビティ部81と、キャビティ部81の軸方向端部に形成された平坦面82と、シャフト11の一端部が挿入されるシャフト穴83と、キャビティ部81とシャフト穴83との間に形成された筒状部84とを有する。
ステップS103では、固定金型7のキャビティ部71の内側に、シャフト11と、5つのロータコア片24とを設置する。シャフト11は、固定金型7のシャフト穴73に挿入される。5つのロータコア片24は、固定金型7のキャビティ部71に沿って環状に配置される。
図10は、固定金型7の内部に5つのロータコア片24を環状に並べた状態を示す。図10に示すように、5つのロータコア片24は、分割面23同士が互いに当接するように環状に並べられる。各ロータコア片24の外周は固定金型7のキャビティ部71の内周面71aに当接し、各ロータコア片24の下面は当接面70(図9)に当接する。
これにより、固定金型7の内部において、5つのロータコア片24が周方向、径方向および軸方向に位置決めされる。固定金型7には、各ロータコア片24を位置決めするための突起あるいはピン等を設けてもよい。
なお、図9に示すように、センサマグネット35は、ロータコア片24を設置する前に、固定金型7の平坦面72上に設置しておく。但し、センサマグネット35を、図示しない台座等を用いて、ロータコア片24の上方に設置してもよい。
その後、可動金型8を図9に矢印で示すように下降させて、金型合わせ面75,85を当接させる。可動金型8のキャビティ部81はロータコア片24の外周に当接し、平坦面82はロータコア片24の上面に対向する。
この状態で、成形金型9を加熱し、図示しないランナから溶融した樹脂を注入する。樹脂は、ロータコア20とシャフト11との間に充填され、磁石挿入孔21の内部にも入り込む。樹脂は、また、平坦面72,82とロータコア片24との隙間にも充填され、さらに、筒状部74,84とシャフト11との間の隙間にも充填される。
その後、成形金型9を冷却する。これにより、成形金型9内の樹脂が硬化して、図1に示した樹脂部30が形成される。また、5つのロータコア片24が一体化して、ロータコア20となる。すなわち、シャフト11およびロータコア20が樹脂部30によって一体化され、ロータ2が形成される。
その後、可動金型8を上昇させ、固定金型7からロータ2を取り出す。これにより、図1に示したロータ2の製造が完了する。
一方、ステータコア50は、積層要素を積層し、カシメ等で固定することにより形成する。ステータコア50に絶縁部54を取り付け、コイル55を巻き付けることにより、ステータ5Aが得られる。さらに、リード線61を組み付けた基板6を、ステータ5Aに取り付ける。
そして、基板6を固定したステータ5Aを別の成形金型に設置し、BMC等のモールド樹脂を注入して加熱することにより、モールド樹脂部56を形成する。これにより、モールドステータ5が完成する。
その後、上記のロータ2のシャフト11に軸受12,13を取り付け、モールドステータ5の開口部58から内部に挿入する。次に、ブラケット15をモールドステータ5の開口部58に取り付け、さらにシャフト11にキャップ14を取り付ける。これにより、電動機1が完成する。
<作用>
次に、実施の形態1の作用について説明する。まず、実施の形態1と対比する比較例1,2について説明する。
図11(A)は、比較例1のロータ2Eを示す横断面図である。比較例1のロータ2Eは非コンシクエントポール型であり、全ての磁極が永久磁石25で構成されている。
ロータ2Eのロータコア20は、極数と同数の磁石挿入孔21を有し、各磁石挿入孔21には永久磁石25が配置されている。隣り合う永久磁石25は、外周側に互いに逆極性の磁極面を有する。そのため、ある永久磁石25を第1の磁極P1とすると、これに隣接する永久磁石25は第2の磁極P2となる。
非コンシクエントポール型のロータ2Eは、シャフト11への磁束漏れが生じにくいというメリットがある。そのため、ロータコア20とシャフト11との間に樹脂部30を設ける必要がなく、シャフト11はロータコア20の内周20bに固定されている。
永久磁石25には、高磁力が得られる希土類磁石が用いられるが、希土類磁石はDy(ディスプロシウム)等を含有するため、材料コストがかかる。また、永久磁石25はブロック状の磁石材料の切削により形成されるため、加工コストもかかる。非コンシクエントポール型のロータ2Eは、極数と同数の永久磁石25を有するため、製造コストが高いというデメリットがある。
図11(B)は、比較例2のロータ2Fを示す横断面図である。比較例1のロータ2Fはコンシクエントポール型であり、実施の形態1と同様、第1の磁極P1は永久磁石25で構成され、第2の磁極P2はロータコア20の一部で構成されている。また、ロータコア20とシャフト11との間には、樹脂部30が設けられている。
比較例2のロータ2Fは、比較例1のロータ2Eと比較して、永久磁石25の数が半分であるため、製造コストを大幅に低減することができる。但し、比較例2のロータ2Fのロータコア20は、第2の磁極P2に分割面23を有さない。すなわち、比較例2のロータ2Fのロータコア20はロータコア片に分割されていない。
図12(A),(B)は、比較例2のロータ2Fにおける永久磁石25から出た磁束の流れを示す模式図である。ここでは、第1の磁極P1をS極とし、第2の磁極P2をN極とする。永久磁石25の内周側の磁極面から出た磁束は、第2の磁極P2に向かって流れる。
図12(A)に示すように、第2の磁極P2では、その両側の永久磁石25からの磁束が、磁極中心線N2を中心として対称に流れることが望ましい。
しかしながら、ロータ2Fに対向するステータ5Aにはコイル55が巻かれており、コイル55を流れる電流によって、図12(B)に矢印Wで示すステータ磁界が発生する。ロータ2Fの第2の磁極P2を流れる磁束は、ステータ磁界によって進行方向が変化する。すなわち、ロータ2Fの第2の磁極P2における磁束密度分布が周方向の一方の側に偏り、磁極中心線N2に対して非対称となる。
ロータ2Fから出た磁束は、ステータ5Aのコイル55に鎖交し、これにより誘起電圧が発生する。第2の磁極P2における磁束密度分布が非対称になると、誘起電圧の高調波成分が増加して振動が発生する可能性がある。また、コイル55に鎖交する磁束量が減少して誘起電圧が低下し、モータ出力が低下する可能性がある。
図13(A),(B)は、実施の形態1のロータ2における永久磁石25から出た磁束の流れを示す模式図である。図13(A)に示すように、永久磁石25の内周側の磁極面から出た磁束は、第2の磁極P2に向かう。
実施の形態1のロータ2では、ロータコア20が第2の磁極P2に形成された分割面23で2以上のロータコア片24に分割されている。分割面23は磁気抵抗が大きいため、磁束は分割面23を跨いで流れにくく、磁束の周方向の流れが抑制される。そのため、第2の磁極P2では、磁束が径方向に流れるように整流される。
これにより、図13(B)に示すようにステータ磁界が発生しても、第2の磁極P2を流れる磁束の進行方向の変化が抑制される。特に、分割面23が第2の磁極P2の磁極中心線N2上に形成されているため、第2の磁極P2における磁束密度分布が磁極中心線N2に対して対称な磁束密度分布に近付く。
その結果、ロータ2の表面の磁束密度分布の偏り抑制し、これにより振動を抑制することができる。また、ロータ2からステータ5Aに流入する磁束量の減少を抑制し、これによりモータ出力の低下を抑制することができる。
加えて、実施の形態1では、ロータコア20が2以上のロータコア片24で形成されるため、図8を参照して説明したように、母材基板200から、ロータコア片24となる積層要素201を効率よく打ち抜くことができる。
すなわち、比較例2のロータ2Fでは、ロータコア20が環状に一体に形成されているため、母材基板200から環状の積層要素を打ち抜く必要がある。母材基板200から環状の積層要素を打ち抜くと、その内側の部分は無駄になるため、母材基板200を有効に利用することができない。
これに対し、実施の形態1では、母材基板200から円弧状の積層要素201を打ち抜けばよいため、母材基板200の無駄が少なく、歩留まりが向上する。すなわち、母材基板200を有効に利用することができ、製造コストを低減することができる。
なお、ここでは、ロータコア20の磁石挿入孔21が磁極中心線N1に直交する方向に直線状に形成されていたが、磁石挿入孔21はV字状に形成されていてもよい。また、各磁石挿入孔21に2つ以上の永久磁石25を配置してもよい。各磁石挿入孔21に2つ以上の永久磁石25が配置されている場合には、当該2つ以上の永久磁石25が1つの第1の磁極P1を構成し、各磁石挿入孔21の周方向中心が極中心となる。
また、電動機1は、上記の通り、ロータコア20の磁石挿入孔21に永久磁石25を配置したIPMモータであるが、ロータコア20の表面に永久磁石25を配置したSPM(表面磁石型)モータであってもよい。
<実施の形態の効果>
以上説明したように、実施の形態1のロータ2は、永久磁石25で構成された第1の磁極P1と、ロータコア20において周方向に隣り合う第1の磁極P1の間に形成された第2の磁極P2とを有する。また、ロータコア20は、第2の磁極P2の周方向中心に形成された分割面23で、2以上のロータコア片24に分割されている。これにより、第2の磁極P2を通過する磁束の進行方向の変化が生じにくくなり、その結果、ロータ2の表面における磁束密度分布の偏りを抑制し、振動を抑制することができる。
また、ロータコア片24を構成する積層要素201を母材基板200から打ち抜くことにより、母材基板200の無駄が少なくなり、歩留まりが向上する。そのため、ロータ2の製造コストを低減することができる。
また、分割面23が、ロータコア20の内周20bと外周20aとの間で径方向に延在しているため、第2の磁極P2において磁束を径方向に流れるように効果的に整流することができる。これにより、第2の磁極P2における磁束密度分布を、磁極中心線N2に対して対称な磁束密度分布に近づけ、振動抑制効果を高めることができる。
また、実施の形態1では、ロータコア20とシャフト11とが樹脂部30によって保持されているため、ロータコア20のロータコア片24の位置精度を向上することができる。また、ロータコア20からシャフト11への磁束漏れを抑制し、電動機効率の低下を抑制することができる。
実施の形態2.
次に、実施の形態2について説明する。図14(A)は、実施の形態2のロータ2Aを示す横断面図である。図14(B)は、実施の形態2のロータ2Aの1磁極に対応する領域を拡大して示す横断面図である。
図14(A)に示すように、実施の形態2のロータ2Aは、各ロータコア片24の分割面23に係合部26を有する。係合部26は、軸線Axを中心としロータコア20の径方向の中心位置を通る仮想円C1の径方向内側に位置する。
図14(B)に示すように、各ロータコア片24の一方の分割面23には凸部26aが形成され、他方の分割面23には凹部26bが形成されている。例えば、図中左側の分割面23には凸部26aが形成され、図中右側の分割面23には凹部26bが形成されている。凸部26aおよび凹部26bは、互いに対応する形状を有する。凸部26aおよび凹部26bを、係合部26と総称する。
図14(A)に示すように、ロータコア片24を組み合わせてロータコア20を形成すると、あるロータコア片24の凸部26aが、隣接するロータコア片24の凹部26bに係合する。これにより、ロータコア片24を互いに強固に固定することができる。
また、実施の形態1で説明したように、ロータコア20の各ロータコア片24およびシャフト11は樹脂部30で一体に保持されるため、ロータコア片24をさらに強固に固定することができる。
各ロータコア片24は、互いに同じ位置に凸部26aを有し、また、互いに同じ位置に凹部26bを有する。そのため、各ロータコア片24の形状を同じにすることができ、積層要素を同一のプレス装置で加工することができる。すなわち、製造設備を簡略化し、製造コストを低減することができる。
図15(A),(B)は、実施の形態2のロータ2Aにおける永久磁石25から出た磁束の流れを示す模式図である。図15(A)に示すように、第1の磁極P1の永久磁石25から出た磁束は、第2の磁極P2に向かって流れる。実施の形態2のロータ2Aにおいても、ロータコア20の第2の磁極P2の極中心には、分割面23が形成されている。
そのため、図15(B)に示すようにステータ磁界が発生しても、第2の磁極P2における磁束の進行方向の変化は生じにくい。これにより、第2の磁極P2における磁束密度分布を、磁極中心線N2に対して対称な磁束密度分布に近付けることができる。
また、係合部26は、上記の通り、軸線Axを中心としロータコア20の径方向の中心位置を通る仮想円C1の内側に位置する。永久磁石25から第2の磁極P2に向かって流れる磁束のうち、仮想円C1の内側の領域を流れる磁束は僅かである。すなわち、ロータコア20において、仮想円C1の内側は仮想円C1の外側よりも磁束密度が低い。
そのため、ロータコア20の仮想円C1の内側に係合部26を形成することにより、磁束が係合部26を通過することによる磁気抵抗の増加を抑制することができる。これにより、誘起電圧の低下および鉄損の増加を抑制することができる。
以上説明したように、実施の形態2では、ロータコア20のロータコア片24が分割面23に係合部26を有するため、ロータコア片24を互いに強固に固定することができる。
また、係合部26が上記の仮想円C1の内側に位置するため、係合部26を磁束が通過することによる磁気抵抗の増加を抑制することができ、これにより誘起電圧の低下および鉄損の増加を抑制することができる。
実施の形態3.
次に、実施の形態3について説明する。図16(A)は、実施の形態3のロータ2Bを示す横断面図である。図16(B)は、実施の形態3のロータ2Bの1磁極に対応する領域を拡大して示す横断面図である。
図16(A)に示すように、実施の形態3のロータ2Bは、各ロータコア片24の分割面23にカシメ部27を有する。カシメ部27は、ロータコア片24を形成する積層要素を互いに固定するものである。カシメ部27は、分割面23の周方向両側に形成されている。また、カシメ部27は、軸線Axを中心としロータコア20の径方向中心を通る仮想円C1の内側に位置する。
図16(B)に示すように、各ロータコア片24のカシメ部27は、各分割面23に沿って2か所に配置されている。外周側のカシメ部27をカシメ部27aとし、内周側のカシメ部27をカシメ部27bとする。カシメ部27a,27bは、いずれも仮想円C1の内側に形成されている。
なお、ロータコア片24の1つの分割面23に沿って形成されるカシメ部27の数は2つに限らず、1つでもよく、3つ以上でもよい。
カシメ部27は、分割面23のできるだけ近い位置に形成されていることが望ましい。ロータコア片24を組み合わせてロータコア20を形成する際に、分割面23に周方向の外力が作用するが、カシメ部27を分割面23のできるだけ近い位置に形成することで、積層要素が外力によって捲れることを抑制できる。
図17(A),(B)は、実施の形態3のロータ2Bにおける永久磁石25から出た磁束の流れを示す模式図である。図17(A)に示すように、第1の磁極P1の永久磁石25から出た磁束は、第2の磁極P2に向かって流れる。実施の形態3のロータ2Bにおいても、ロータコア20の第2の磁極P2の極中心には、分割面23が形成されている。
そのため、図17(B)に示すようにステータ磁界が発生しても、第2の磁極P2における磁束の進行方向の変化は生じにくい。これにより、第2の磁極P2における磁束密度分布を、磁極中心線N2に対して対称な磁束密度分布に近付けることができる。
また、カシメ部27は、上記の通り、軸線Axを中心としロータコア20の径方向の中心位置を通る仮想円C1の内側に位置する。実施の形態2で説明したように、ロータコア20の仮想円C1の内側は磁束密度が低いため、カシメ部27を磁束が通過することによる磁気抵抗の増加を抑制することができる。これにより、誘起電圧の低下および鉄損の増加を抑制することができる。
以上説明したように、実施の形態3では、ロータコア20のロータコア片24がカシメ部27を有するため、ロータコア片24を構成する積層要素(電磁鋼板)を強固に固定することができる。
また、カシメ部27が上記の仮想円C1の内側に位置するため、磁束がカシメ部27を通過することによる磁気抵抗の増加を抑制することができ、これにより誘起電圧の低下および鉄損の増加を抑制することができる。
実施の形態4.
次に、実施の形態4について説明する。図18(A)は、実施の形態4のロータ2Cを示す横断面図である。図18(B)は、実施の形態4のロータ2Cの1磁極に対応する領域を拡大して示す横断面図である。
図18(A)に示すように、実施の形態4のロータ2Cは、第2の磁極P2にスリット部28を有する。スリット部28は、第2の磁極P2の極中心に集中しやすい磁束を周方向に分散させるものである。スリット部28は、ここでは4つのスリットであり、分割面23の周方向両側に形成されている。但し、スリット部28を構成するスリットの数は、2以上であればよい。
図18(B)に示すように、スリット部28は、ロータコア片24の分割面23の周方向両側に形成されたスリット28aと、このスリット28aの周方向両側に形成されたスリット28bとを有する。スリット28a,28bはいずれも、径方向に長い長孔である。ここでは、スリット28bの長さがスリット28bの長さよりも長いが、これに限定されるものではない。
スリット28a,28bはいずれも、径方向外側の端部がロータコア20の外周に対向するように形成されている。スリット28a,28bは、実施の形態2,3で説明した仮想円C1(図14(A))よりも外側に位置する。
スリット部28には、樹脂部30の一部(符号36で示す)が入り込んでいることが望ましい。具体的には、樹脂部30のうち、ロータコア20の端面を覆う端面部33,34(図6)の一部がスリット部28内に入り込んでいることが望ましい。
このように構成すれば、ロータコア20とシャフト11とを樹脂部30によってより強固に固定することができる。すなわち、ロータ2の回転時にロータコア片24に作用する遠心力に抗して、ロータコア片24の分離を抑制することができる。
図19(A),(B)は、実施の形態4のロータ2Cにおける永久磁石25から出た磁束の流れを示す模式図である。図19(A)に示すように、第1の磁極P1の永久磁石25から出た磁束は、第2の磁極P2に向かって流れる。実施の形態4のロータ2Cにおいても、ロータコア20の第2の磁極P2の極中心には、分割面23が形成されている。
そのため、図19(B)に示すようにステータ磁界が発生しても、第2の磁極P2における磁束の進行方向の変化は生じにくい。これにより、第2の磁極P2における磁束密度分布を、磁極中心線N2に対して対称な磁束密度分布に近付けることができる。
スリット部28は、第2の磁極P2の極中心に集中しやすい磁束を、周方向に分散させる作用を有する。そのため、分割面23の効果と合わせて、第2の磁極P2における磁束密度分布を、より磁極中心線N2に対して対称な磁束密度分布に近づけることができる。
以上説明したように、実施の形態4では、ロータコア20が分割面23の周方向両側にスリット部28を有するため、第2の磁極P2における磁束密度分布を磁極中心線N2に対して対称な磁束密度分布に近付け、これにより振動を抑制することができる。
また、スリット部28に樹脂部30の一部が入り込むことにより、樹脂部30によってロータコア20とシャフト11とをより強固に固定することができる。
上述した各実施の形態は、適宜、組み合わせることができる。図20(A)に示すロータ2Dでは、ロータコア20の第2の磁極P2に、実施の形態2で説明した係合部26、実施の形態3で説明したカシメ部27、および実施の形態4で説明したスリット部28が設けられている。
図20(B)は、ロータ2Dの1磁極に対応する領域を拡大して示す横断面図である。係合部26およびカシメ部27は仮想円C1の内側に形成され、スリット部28は仮想円C1の外側に形成されている。この構成によれば、各ロータコア片24をより強固に固定すると共に、第2の磁極P2における磁束密度分布の対称性を高め、振動をさらに抑制することができる。
<空気調和装置>
次に、上述した各実施の形態の電動機が適用可能な空気調和装置について説明する。図21(A)は、実施の形態1の電動機1を適用した空気調和装置500の構成を示す図である。空気調和装置500は、室外機501と、室内機502と、これらを接続する冷媒配管503とを備える。
室外機501は、例えばプロペラファンである室外送風機510を備え、室内機502は、例えばクロスフローファンである室内送風機520を備える。室外送風機510は、羽根車505と、これを駆動する電動機1とを有する。室内送風機520は、羽根車521と、これを駆動する電動機1とを有する。電動機1はいずれも、実施の形態1で説明した構成を有する。なお、図21(A)には、冷媒を圧縮する圧縮機504も示されている。
図21(B)は、室外機501の断面図である。電動機1は、室外機501のハウジング508内に配置されたフレーム509によって支持されている。電動機1のシャフト11には、ハブ506を介して羽根車505が取り付けられている。
室外送風機510では、電動機1のロータ2の回転により、羽根車505が回転し、室外に送風する。空気調和装置500の冷房運転時には、圧縮機504で圧縮された冷媒が凝縮器(図示せず)で凝縮する際に放出された熱を、室外送風機510の送風によって室外に放出する。
室内送風機520(図21(A))では、電動機1のロータ2の回転により、羽根車521が回転し、室内に送風する。空気調和装置500の冷房運転時には、冷媒が蒸発器(図示せず)で蒸発する際に熱が奪われた空気を、室内送風機520の送風によって室内に送風する。
上述した実施の形態1の電動機1は、振動を抑制することができるため、室外送風機510および室内送風機520の静音性を向上することができ、空気調和装置500の全体の静音性を向上することができる。
電動機1は、実施の形態1で説明した構成を有しているが、実施の形態2~4で説明した構成を有してもよい。また、各実施の形態で説明した電動機1は、ここでは室外送風機510および室内送風機520の両方に用いられているが、いずれか一方のみに用いられていてもよい。
各実施の形態で説明した電動機1は、空気調和装置以外の電気機器、例えば、家庭用電気機器、換気扇、工作機械等に搭載してもよい。
以上、望ましい実施の形態について具体的に説明したが、これらの実施の形態には各種の改良または変形を行なうことができる。
1 電動機、 2,2A,2B,2C,2D ロータ、 5A ステータ、 6 基板、 7 固定金型、 8 可動金型、 9 成形金型、 11 シャフト、 20 ロータコア、 20a 外周、 20b 内周、 21 磁石挿入孔、 22 フラックスバリア、 23 分割面、 24 ロータコア片、 25 永久磁石、 26 係合部、 26a 凸部、 26b 凹部、 27,27a,27b カシメ部、 28 スリット部、 28a,28b スリット、 30 樹脂部、 33,34 端面部、 5 モールドステータ、 50 ステータコア、 51 ヨーク、 52 ティース、 54 絶縁部、 55 コイル、 56 モールド樹脂部、 71,81 キャビティ部、 200 母材基板、 201 積層要素、 501 室外機、 502 室内機、 503 冷媒配管、 505 羽根車、 510 室外送風機、 520 室内送風機、 521 羽根車。

Claims (14)

  1. 軸線を中心とする周方向に延在し、磁石挿入孔を有するロータコアと、
    前記ロータコアの前記磁石挿入孔に取り付けられ、それぞれ第1の磁極を構成する少なくとも2つの永久磁石
    有し、
    前記ロータコアにおいて前記周方向に隣り合う前記第1の磁極の間に位置する部分が、第2の磁極を構成し、
    前記ロータコアは、前記第2の磁極の前記周方向の中心に形成された分割面で、少なくとも2つのロータコア片に分割され、
    前記ロータコアは、前記第2の磁極に、前記軸線を中心とする径方向に延在する2以上のスリットからなるスリット部を有し、また、前記ロータコアの前記径方向における中心位置を通り且つ前記軸線を中心とする仮想円よりも内側にカシメ部を有し、
    前記カシメ部は、前記スリット部の前記径方向の内側に形成されている
    ロータ。
  2. 前記分割面は、前記ロータコアの内周から外周まで、前記径方向に延在している
    請求項1に記載のロータ。
  3. 前記少なくとも2つのロータコア片はいずれも、前記分割面に係合部を有する
    請求項1または2に記載のロータ。
  4. 前記係合部は、前記方向における前記ロータコアの中心位置を通り且つ前記軸線を中心とする仮想円よりも内側に形成されている
    請求項3に記載のロータ。
  5. 前記係合部は、凸部または凹部である
    請求項3または4に記載のロータ。
  6. 前記カシメ部は、前記係合部の前記径方向の両側に形成されている
    請求項から5までのいずれか1項に記載のロータ。
  7. 前記カシメ部は、前記分割面の前記周方向の両側に形成されている
    請求項1から6までの何れか1項に記載のロータ。
  8. 前記2以上のスリットは、前記分割面を中心として前記周方向に対称に形成されている
    請求項1から7までのいずれか1項に記載のロータ。
  9. 前記軸線から前記ロータコアの外周までの距離は、前記第1の磁極および前記第2の磁極において最大であり、前記第1の磁極と前記第2の磁極との間の極間部で最小である
    請求項1から8までの何れか1項に記載のロータ。
  10. 前記ロータコアの内周側に配置されたシャフトと、
    前記ロータコアおよび前記シャフトを連結し、前記ロータコアの前記軸線の方向の端面を覆う樹脂部と
    をさらに有し、
    前記樹脂部は、前記磁石挿入孔の内部および前記2以上のスリットの内部に入り込んでいる
    請求項1から9までの何れか1項に記載のロータ。
  11. 請求項1から10までの何れか1項に記載のロータと、
    前記ロータを前記径方向の外側から囲むステータと
    を備えた電動機。
  12. 請求項11に記載の電動機と、
    前記電動機によって回転する羽根車と
    を備えた送風機。
  13. 室外機と、室内機とを備え、
    前記室外機と前記室内機の少なくとも一方は、
    請求項12に記載の送風機を有する
    空気調和装置。
  14. 成形金型内に、それぞれ永久磁石が取り付けられた少なくとも2つのロータコア片と、シャフトとを設置する工程であって、前記少なくとも2つのロータコア片が前記シャフトの軸線を中心とする周方向に並ぶように設置する工程と、
    前記少なくとも2つのロータコア片と前記シャフトとを樹脂により一体に成形する工程と
    を有し、
    前記少なくとも2つのロータコア片はロータコアを構成し、
    前記永久磁石が第1の磁極を構成し、前記ロータコアにおいて前記周方向に隣り合う前記第1の磁極の間に位置する部分が第2の磁極を構成し、
    前記ロータコアは、前記第2の磁極に、前記軸線を中心とする径方向に延在する2以上のスリットからなるスリット部を有し、また、前記ロータコアの前記径方向における中心位置を通り且つ前記軸線を中心とする仮想円よりも内側にカシメ部を有し、
    前記カシメ部は、前記スリット部の前記径方向の内側に形成されている
    ロータの製造方法。
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