JP7526051B2 - 換気制御システム - Google Patents
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Description
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、換気対象空間における滞在者の状態に基づいて換気対象空間を換気する換気装置の換気量を制御する換気制御システムにおいて、省エネルギー性の向上を図りながら、換気対象空間における空気質環境の悪化を抑制することができる技術を提供する点にある。
前記換気対象空間における滞在者間の密接度を示す滞在者間密接度を判定する密接度判定手段を、前記滞在者状態判定手段として備え、
前記換気量制御手段が、前記密接度判定手段で判定された前記滞在者間密接度の増加に伴って前記換気装置の換気量を増加させ、
前記密接度判定手段が、前記滞在者間密接度が高い状態である高密接度状態であるか当該高密接度状態ではない低密接度状態であるかを判定し、
前記換気量制御手段が、前記密接度判定手段で前記低密接度状態であると判定されている間は前記換気装置の換気量を所定の低密接度換気量に設定する低密接度換気制御を実行し、前記密接度判定手段で前記高密接度状態であると判定されている間は前記換気装置の換気量を前記低密接度換気量よりも多い所定の高密接度換気量に設定する高密接度換気制御を実行し、
前記密接度判定手段とは別に、前記換気対象空間における滞在者の密集度を示す滞在者密集度を判定する密集度判定手段を、前記滞在者状態判定手段として備え、
前記換気量制御手段が、前記低密接度換気制御を実行して前記換気装置の換気量を前記低密接度換気量に設定するにあたり、当該低密接度換気量を前記密集度判定手段で判定された前記滞在者密集度に応じて決定する点にある。
従って、本発明により、換気対象空間における滞在者の状態に基づいて換気対象空間を換気する換気装置の換気量を制御する換気制御システムにおいて、省エネルギー性の向上を図りながら、換気対象空間における空気質環境の悪化を抑制することができる技術を提供することができる。
更に、本構成によれば、換気対象空間において高密接度状態であると判定されている間は、上記高密接度換気制御が実行されて換気装置の換気量が高密接度換気量に設定される。このことで、高密接度状態であることに起因する換気対象空間での局所的な空気質環境の悪化を適切に抑制することができる。また、換気対象空間において高密接度状態ではない低密接度状態であると判定されている間は、上記低密接度換気制御が実行されて換気装置の換気量が高密接度換気量よりも少ない低密接度換気量に設定される。このことで、局所的な空気質環境の悪化を回避し得る範囲内で換気装置の換気量の無用な増加を抑制して適切に省エネルギー性を向上させることができる。
更に、本構成によれば、換気対象空間において低密接度状態であると判定されている間には、低密接度換気制御が実行されることで、換気装置の換気量が、換気対象空間における滞在者の人数等の密集度を示す滞在者密集度に応じて決定した低密接度換気量に設定される。このことで、換気対象空間における滞在者密集度の増加に伴って換気装置の換気量を増加させて、換気対象空間全体の空気質環境を良好なものに維持することができる。
また、高密接度状態において例えば滞在者の意思等によらず偶然に滞在者間密接度が一時的に低下した場合であっても、換気装置の換気量は増加側に維持されることになるので、換気対象空間における局所的な空気質環境の悪化を確実に回避することができる。
前記密接度判定手段が、前記測定手段で測定された滞在者間距離に基づいて前記滞在者間密接度を判定し、
前記換気対象空間における滞在者の人数を示す滞在者人数を測定可能な滞在者人数測定手段を備え、
前記密集度判定手段が、前記滞在者人数測定手段で測定された滞在者の人数に基づいて前記滞在者密集度を判定する点にある。
図1に示す空調システム(以下、「本空調システム」とよぶ。)は、換気装置7と、空調装置13と、それらの運転を制御する制御装置30とを備えて構成されている。
換気装置7は、外気OAを換気対象空間1に取り込みながら換気対象空間1の空気を排気EAとして屋外へ排出するものとして構成されている。
一方、空調装置13は、換気装置7により取り込まれた外気OAと室内から取り込んだ還気RAとに対して冷却又は加熱等の温調を行って当該温調後の給気SAを換気対象空間1に供給するものとして構成されている。
一方、換気対象空間1の床面2には、複数の床面吹出口2aが分散配置されており、その下方には床下空間3が形成されている。
給気ファン14により給気ダクト18に送出された給気SAは、床下空間3に設けられた給気口19から当該床下空間3に供給された後に床面2に分散配置された複数の床面吹出口2aを通じて換気対象空間1に吹き出されることになる。
画像型人感センサ26は、換気対象空間1における滞在者P間の距離を示す滞在者間距離D(「ソーシャルディスタンス」や「フィジカルディスタンス」といわれる場合がある。)を測定可能な測定手段として機能し、更には、換気対象空間1における滞在者Pの人数を示す滞在者人数を測定可能な滞在者人数測定手段として機能する。この画像型人感センサ26で測定された滞在者間距離Dや滞在者人数は、制御装置30に入力される。
制御装置30は、詳細については後述するが、上記画像型人感センサ26の検知結果を用いて換気対象空間1における滞在者Pの状態を判定する滞在者状態判定手段である密接度判定手段31及び密集度判定手段32として機能し、更には、換気量制御手段33及び通知手段34として機能する。
密接度判定手段31は、画像型人感センサ26で測定された滞在者間距離Dに基づいて換気対象空間1における滞在者P間の密接度を示す滞在者間密接度を判定する密接度判定処理を実行する。以下、密接度判定手段31により実行される密接度判定処理の詳細について、図2に基づいて説明を加える。
そして、最小滞在者間距離Dminが高密接度判定用設定距離Da以下に維持された状態での継続時間Tが高密接度判定用設定時間Taに達したとき(ステップ#12のYes)には、高密接度状態であると判定(ステップ#13)される。
そして、最小滞在者間距離Dminが低密接度判定用設定距離Db超に維持された状態での継続時間Tが低密接度判定用設定時間Tbに達したとき(ステップ#17のYes)には、低密接度状態であると判定(ステップ#18)される。
よって、一旦高密接度状態であると判定(ステップ#13)された場合には、滞在者間密接度が一時的に低い状態となった場合でも、高密接度状態であるとの判定が、低密接度判定用設定時間Tbが経過するまでの間継続されることになる。また、一旦低密接度状態であると判定(ステップ#18)された場合には、滞在者間密接度が一時的に高い状態となった場合でも、高密接度状態であるとの判定が、高密接度判定用設定時間Taが経過するまでの間継続されることになる。
また、上記高密接度判定用設定時間Taと上記低密接度判定用設定時間Tbとについても、同じ値であってもよいが、異なる値とすることができる。例えば、高密接度判定用設定時間Taを低密接度判定用設定時間Tbよりも小さい値とすることで、高密接度状態の判定を低密接度状態の判定よりも迅速に行うように構成することができる。
密集度判定手段32は、画像型人感センサ26で測定された滞在者Pの人数に基づいて換気対象空間1における滞在者Pの密集度を示す滞在者密集度を判定する密集度判定処理を実行する。
この密集度判定処理では、図示は省略するが、滞在者人数そのものやその滞在者人数を換気対象空間1の床面積や容積で除した値が滞在者密集度として認識され、その滞在者密集度が所定の密集度よりも高い状態である高密集度状態であるか否かが判定される。
換気量制御手段33は、換気対象空間1における滞在者Pの状態を判定する滞在者状態判定手段として設けられた密接度判定手段31や密集度判定手段32の判定結果に基づいて換気対象空間1を換気する換気装置7の換気量を制御する換気制御を実行する。同時に、通知手段34は、密接度判定手段31で判定された滞在者間密接度に関する滞在者間密接度情報を換気対象空間1における滞在者Pに対して通知する通知制御を実行する。以下、これら換気制御及び通知制御を含む制御フローの詳細について、図3に基づいて説明を加える。
一方、上記低密接度換気制御(ステップ#25)では、換気装置7の目標換気量Vが、上記高密接度換気量Vmaxよりも少ない所定の低密接度換気量Vaに設定される。
この構成により、密集度判定手段32で判定された換気対象空間1の滞在者Pの人数に相当する滞在者密集度が変化しない場合であっても、密接度判定手段31で判定された換気対象空間1における滞在者間密接度の増加に伴って、換気装置7の目標換気量Vが低密接度換気量Vaから高密接度換気量Vmaxへ増加される。よって、換気対象空間1において、密接度判定手段31で高密接度状態と判定されて滞在者P間での局所的な空気質環境の悪化により例えば当該滞在者P間での感染症の拡大リスクの増加が懸念される場合には、換気装置7の目標換気量Vの増加により多くの量の換気が行われて、その局所的な空気質環境の悪化が抑制される。一方、換気対象空間1において、密接度判定手段31で低密接度状態と判定されて滞在者P間での局所的な空気質環境の悪化が懸念されない場合には、換気装置7の目標換気量Vが高密接度換気量Vmaxから低密接度換気量Vaに低下されて換気動力が削減され、省エネルギー性が向上される。
よって、この換気制御(図3を参照)において、高密接度換気制御(図3のステップ#21)と低密接度換気制御(図3のステップ#25)との切り替えに伴う換気装置7の目標換気量Vの頻繁な変化が抑制され、それに起因する換気対象空間1の快適性の悪化が防止される。
更に、高密接度状態であると判定(図3のステップ#20のYes)された場合において、例えば滞在者Pの意思等によらず偶然に滞在者間密接度が一時的に低下した場合であっても、換気装置7の目標換気量Vは増加側の高密接度換気量Vmaxに維持される。このことで、換気対象空間1における局所的な空気質環境の悪化が確実に回避される。
また、本実施形態において、通知手段34により点灯状態を変更する照明装置28については、通常は換気対象空間1を照らすために設置されたものを利用しているが、密接度及び密集度に関する情報の通知専用に設けられたものであってもよい。更に、密接度及び密集度に関する情報の滞在者Pへの通知方法については、照明装置28の点灯状態の変更によるもの以外に、音声案内やディスプレイ表示等により行うこともできる。また、このような通知制御は適宜省略又は改変しても構わない。
本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
7 換気装置
26 画像型人感センサ(測定手段)
28 照明装置
31 密接度判定手段
32 密集度判定手段
33 換気量制御手段
34 通知手段
D 滞在者間距離
Da 高密接度判定用設定距離
Db 低密接度判定用設定距離
OA 外気
P 滞在者
RA 還気
SA 給気
T 継続時間
Ta 高密接度判定用設定時間
Tb 低密接度判定用設定時間
Va 低密接度換気量
Vmax 高密接度換気量
Claims (6)
- 換気対象空間における滞在者の状態を判定する滞在者状態判定手段と、前記滞在者状態判定手段の判定結果に基づいて前記換気対象空間を換気する換気装置の換気量を制御する換気量制御手段と、を備えた換気制御システムであって、
前記換気対象空間における滞在者間の密接度を示す滞在者間密接度を判定する密接度判定手段を、前記滞在者状態判定手段として備え、
前記換気量制御手段が、前記密接度判定手段で判定された前記滞在者間密接度の増加に伴って前記換気装置の換気量を増加させ、
前記密接度判定手段が、前記滞在者間密接度が高い状態である高密接度状態であるか当該高密接度状態ではない低密接度状態であるかを判定し、
前記換気量制御手段が、前記密接度判定手段で前記低密接度状態であると判定されている間は前記換気装置の換気量を所定の低密接度換気量に設定する低密接度換気制御を実行し、前記密接度判定手段で前記高密接度状態であると判定されている間は前記換気装置の換気量を前記低密接度換気量よりも多い所定の高密接度換気量に設定する高密接度換気制御を実行し、
前記密接度判定手段とは別に、前記換気対象空間における滞在者の密集度を示す滞在者密集度を判定する密集度判定手段を、前記滞在者状態判定手段として備え、
前記換気量制御手段が、前記低密接度換気制御を実行して前記換気装置の換気量を前記低密接度換気量に設定するにあたり、当該低密接度換気量を前記密集度判定手段で判定された前記滞在者密集度に応じて決定する換気制御システム。 - 前記高密接度換気量は、前記換気装置の最大換気能力に対応する換気量とされている請求項1に記載の換気制御システム。
- 前記密接度判定手段が、前記滞在者間密接度が低い状態が所定の設定時間継続した場合に前記低密接度状態であると判定し、前記滞在者間密接度が高い状態が所定の設定時間継続した場合に前記高密接度状態であると判定する請求項1又は2に記載の換気制御システム。
- 前記換気対象空間における滞在者間の距離を示す滞在者間距離を測定可能な測定手段を備え、
前記密接度判定手段が、前記測定手段で測定された滞在者間距離に基づいて前記滞在者間密接度を判定し、
前記換気対象空間における滞在者の人数を示す滞在者人数を測定可能な滞在者人数測定手段を備え、
前記密集度判定手段が、前記滞在者人数測定手段で測定された滞在者の人数に基づいて前記滞在者密集度を判定する請求項1~3の何れか1項に記載の換気制御システム。 - 前記密接度判定手段で判定された滞在者間密接度に関する滞在者間密接度情報と、前記密集度判定手段で判定された滞在者密集度に関する滞在者密集度情報と、を前記換気対象空間における滞在者に対して通知する通知手段を備えた請求項1~4の何れか1項に記載の換気制御システム。
- 前記通知手段が、前記換気対象空間における照明装置の点灯状態の変化により前記滞在者間密接度情報を通知する請求項5に記載の換気制御システム。
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