以下、衣類処理装置に係る一実施形態について図面を参照ながら説明する。図1に例示する洗濯機1は、回転槽の回転中心軸が鉛直方向に延びる、いわゆる縦軸型の洗濯機である。洗濯機1は、衣類に所定の処理、この場合、衣類を洗う洗い処理、衣類をすすぐすすぎ処理、衣類を脱水する脱水処理などを施すことが可能な衣類処理装置の一例であり、装置本体の外郭を構成する外箱2の内部に水槽3を備えている。水槽3は、衣類が収容される衣類処理槽の一例であり、上部が開放した有底円筒状をなしている。水槽3の内部には、上部が開放した有底円筒状の図示しない回転槽が回転可能に備えられている。また、この回転槽の底部には、当該回転槽内の衣類や水槽3内の水を撹拌するための図示しないパルセータが回転可能に備えられている。また、水槽3の上部には、当該水槽3の振動を抑制するための図示しないバランスリングが設けられている。なお、水槽3の上面開口部には、内蓋を設けてもよいし、設けなくてもよい。
外箱2は、上部が開放したほぼ矩形箱状の外箱本体部2Aの上部にトップカバー2Bが取り付けられた構成となっている。トップカバー2Bのほぼ中央部には、衣類を出し入れするための衣類出入口4が設けられている。この衣類出入口4は、外箱2の上部において回動可能に設けられた蓋5によって開閉されるようになっている。また、洗濯機1は、外箱2の後部に位置して機械室6を備えている。この場合、機械室6は、トップカバー2B内のスペースのうち衣類出入口4の後方に位置して設けられている。機械室6の内部には、自動投入装置100、注水ケース200、給水弁ユニット300などといった各種の駆動系の構成要素が収容されている。自動投入装置100は、自動投入部の一例であり、例えば衣類を洗浄する周知の洗濯運転に際して、給水弁ユニット300から供給される水とともに、所定量の衣類処理剤を水槽3内に自動で投入するための装置である。
次に、機械室6内の構成例について詳細に説明する。図2に例示するように、機械室6は、衣類出入口4の後方において外箱2の左右方向に延びる横長の空間を形成している。この機械室6の内部には、自動投入装置100、注水ケース200、給水弁ユニット300が外箱2の横方向に沿って並んで配置されている。また、機械室6内において、給水弁ユニット300は、注水ケース200の側方、この場合、洗濯機1の正面側から見て右方に配置されている。また、機械室6内において、給水弁ユニット300は、自動投入装置100の後端および注水ケース200の後端よりも前側に位置して配置されている。この場合、給水弁ユニット300は、その全体が自動投入装置100の後端および注水ケース200の後端よりも前側に位置している。なお、給水弁ユニット300は、少なくとも一部が自動投入装置100の後端および注水ケース200の後端よりも前側に位置する配置態様としてもよい。
また、機械室6内において、注水ケース200は、外箱2の横方向において自動投入装置100と給水弁ユニット300との間に位置して配置されている。換言すれば、注水ケース200は、自動投入装置100および給水弁ユニット300により外箱2の横方向から挟まれた配置態様となっている。なお、機械室6の内部には、さらに水位センサ400が収容されている。この場合、水位センサ400は、給水弁ユニット300の側方、この場合、洗濯機1の正面側から見て右方のスペース内に収容されている。水位センサ400は、水槽3の下部に設けられた図示しないエアトラップにエアチューブを介して接続されており、水槽3内の水位の変化に応じて変動するエアトラップ内の空気の圧力を検知することに基づき、水槽3内の水位を検知可能となっている。
次に、自動投入装置100の構成例について詳細に説明する。図3にも例示するように、自動投入装置100は、トップカバー2B内の後部の左方側、より具体的には、機械室6内の左方側に位置して配置されている。
自動投入装置100は、前面が開放したほぼ矩形箱状のケース収容部101を備えている。このケース収容部101は、機械室6の底面を構成する例えば金属製の底板6aに例えばねじ止めなどによって強固に固定されている。これにより、ケース収容部101は、洗濯機1の本体部分に対し移動不能に設けられている。ケース収容部101の前面開放部は、衣類出入口4の後壁部に固定されており、且つ、当該衣類出入口4の後壁部において、前方に向かって開放されている。詳しくは後述するように、このケース収容部101内には、上面が開放したほぼ矩形箱状のケース102が洗濯機1の前後方向に沿って引き出し可能に収容される。また、このケース102内には、複数のタンク、この場合、洗剤タンク103および柔軟剤タンク104が着脱可能に収容される。
洗剤タンク103には、衣類処理剤の一例として、水槽3内の衣類を洗浄するための洗剤が貯留される。洗剤タンク103は、その内部に運転複数回分の洗剤を貯留可能な寸法形状をなす、ほぼ矩形容器状の処理剤タンクである。洗剤タンク103内への洗剤の補給は、当該タンク103上部に設けられた補給口142を開くことで行うことができる。一方、柔軟剤タンク104には、衣類処理剤の一例として、水槽3内の衣類に柔軟処理を施すための柔軟剤が貯留される。柔軟剤タンク104は、その内部に運転複数回分の柔軟剤を貯留可能な寸法形状をなす、ほぼ矩形容器状の処理剤タンクである。柔軟剤タンク104内への柔軟剤の補給は、当該タンク104上部に設けられた補給口152を開くことで行うことができる。
また、自動投入装置100は、ケース収容部101の後方に洗剤用計量ポンプ105および柔軟剤用計量ポンプ106を備えている。洗剤用計量ポンプ105は、例えばモータやソレノイドなどのアクチュエータによってピストンを駆動することにより液体を吸引して送出する構成のポンプである。洗剤用計量ポンプ105は、ケース収容部101内に収容されている洗剤タンク103内から所定量、この場合、運転1回分の量の洗剤を吸引し、その吸引した洗剤を導出口105aから自動投入用経路107内へ送出する。導出口105aは、洗剤用計量ポンプ105の下部から下方に指向して設けられている。
柔軟剤用計量ポンプ106は、例えばモータやソレノイドなどによってピストンを駆動することにより液体を吸引して送出する構成のポンプである。柔軟剤用計量ポンプ106は、ケース収容部101内に収容されている柔軟剤タンク104内から所定量、この場合、運転1回分の量の柔軟剤を吸引し、その吸引した柔軟剤を導出口106aから自動投入用経路107内へ送出する。導出口106aは、柔軟剤用計量ポンプ106の下部から下方に指向して設けられている。
洗剤用計量ポンプ105及び柔軟剤用計量ポンプ106は、何れも、洗濯機1の動作全般を制御する図示しない制御装置によって制御される駆動手段の一例である。
自動投入用経路107は、給水弁ユニット300から混合部108を経由して注水ケース200に接続する自動投入用の給水経路を構成している。混合部108は、自動投入装置100の後方において、洗剤用計量ポンプ105および柔軟剤用計量ポンプ106の下方に位置して設けられている。混合部108は、内部に空間を有しており、この空間を、洗剤タンク103あるいは柔軟剤タンク104から供給された衣類処理剤と給水弁ユニット300から供給された水とを混合するための混合室として備えている。また、混合部108の上部には、内部の混合室に連通する複数、この場合、2つの接続口108a,108bを備えている。接続口108a,108bは、混合部108の上部から上方に指向して設けられている。
このうち、一方の接続口108aは、洗剤用計量ポンプ105の導出口105aに接続され、他方の接続口108bは、柔軟剤用計量ポンプ106の導出口106aに接続されている。よって、洗剤用計量ポンプ105の導出口105aから導出される洗剤は、接続口108aから混合室内に導入され、柔軟剤用計量ポンプ106の導出口106aから導出される柔軟剤は、接続口108bから混合室内に導入される。
また、混合部108は、上方に設けられた上流側接続部および下方に設けられた下流側接続部を備えている。上流側接続部は、上流側接続経路109を介して給水弁ユニット300に接続されている。また、下流側接続部は、下流側接続経路110を介して注水ケース200に接続されている。給水弁ユニット300から供給される水は、上流側接続経路109から上流側接続部を介して混合部108の混合室内に流入し、その後、下流側接続部から下流側接続経路110を介して注水ケース200内に流出する。
このように給水弁ユニット300から供給される水が混合部108を経由して注水ケース200まで流れる過程において、混合部108の混合室内では、給水弁ユニット300から供給された水と洗剤用計量ポンプ105や柔軟剤用計量ポンプ106から供給された衣類処理剤とが混合される。これにより、注水ケース200には、衣類処理剤が混合された水が供給されるようになる。そして、注水ケース200に供給された衣類処理剤を含有する水は、当該注水ケース200から水槽3内に供給される。
以上の通り、自動投入装置100は、例えば衣類を洗浄する周知の洗濯運転に際して、給水弁ユニット300から供給される水とともに、例えば運転1回分の所定量の衣類処理剤を水槽3内に自動的に投入可能に構成されている。
次に、注水ケース200の構成例について詳細に説明する。注水ケース200は、主として、水槽3内に水を注ぎ入れるための構成要素である。図4および図5に例示するように、注水ケース200は、前面が開放したほぼ矩形箱状のケース収容部201を備えている。このケース収容部201は、機械室6の底面を構成する例えば金属製の底板6aに例えばねじ止めなどによって強固に固定されている。ケース収容部201の前面開放部は、衣類出入口4の後壁部に固定されており、且つ、当該衣類出入口4の後壁部において、前方に向かって開放されている。このケース収容部201内には、上面が開放したほぼ矩形箱状のケース202が洗濯機1の前後方向に沿って引き出し可能に収容される。また、このケース202内には、複数の手動用衣類処理剤投入部、この場合、手動用洗剤投入部203および手動用柔軟剤投入部204が一体的に設けられている。
手動用洗剤投入部203は、使用者が手動により洗剤を投入するための手動投入部の一例である。また、手動用柔軟剤投入部204は、使用者が手動により柔軟剤を投入するための手動投入部の一例である。
注水ケース200の上面205は、後方から前方に向かって下降するように傾斜する傾斜面となっている。また、注水ケース200の上面205には、給水弁ユニット300から供給される水を流す複数の流路、例えば、手動用洗剤投入部203に水を供給するための洗剤用流路、手動用柔軟剤投入部204に水を供給するための柔軟剤用流路、風呂水を流すための風呂水用流路などが形成されている。即ち、給水弁ユニット300は、注水ケース200にも接続されており、当該注水ケース200にも水を供給可能に構成されている。
そして、給水弁ユニット300から供給される水は、注水ケース200の上面205の流路を流れて注水ケース200内の手動用洗剤投入部203あるいは手動用柔軟剤投入部204に供給される。そして、手動用洗剤投入部203あるいは手動用柔軟剤投入部204に供給された水は、手動用洗剤投入部203内の洗剤あるいは手動用柔軟剤投入部204内の柔軟剤を溶解する。そして、注水ケース200内において洗剤あるいは柔軟剤を溶解した水は、当該注水ケース200から水槽3内に供給される。このように、洗濯機1は、使用者が手動で投入した衣類処理剤も水とともに水槽3内に供給可能に構成されている。
次に、給水弁ユニット300の構成例について詳細に説明する。給水弁ユニット300は、主として、自動投入装置100および注水ケース200に水を供給するための構成要素である。図6にも例示するように、給水弁ユニット300は、複数、この場合、3つの給水弁301,302,303を一体的に備えた構成となっている。これら給水弁301,302,303には、例えば水道などの図示しない水源から水が供給されるようになっている。
このうち、給水弁301は、注水ケース200の手動用洗剤投入部203内に水を供給するための給水弁であり、その給水口301aは、注水ケース200の上面205に設けられている洗剤用流路に接続されている。また、給水弁302は、注水ケース200の手動用柔軟剤投入部204内に水を供給するための給水弁であり、その給水口302aは、注水ケース200の上面205に設けられている柔軟剤用流路に接続されている。また、給水弁303は、混合部108に水を供給するための給水弁であり、その給水口303aは、混合部用給水経路304および上述した上流側接続経路109を介して混合部108の上流側接続部に接続されている。給水弁303の給水口303aは、混合部用給水口の一例である。
混合部用給水経路304は、給水弁303の給水口303aを混合部108に接続するための構成要素である。この場合、図5に例示するように、混合部用給水経路304は、注水ケース200の上面205と手動用洗剤投入部203および手動用柔軟剤投入部204との間に通されている。また、混合部用給水経路304は、注水ケース200を、外箱2の横方向に沿って貫通している。また、混合部用給水経路304は、注水ケース200の内部において、屈曲したり湾曲したりすることなく直線状に延びている。
また、図2などに例示するように、給水弁ユニット300の近傍には、周知の風呂水ポンプ305が設けられている。風呂水ポンプ305は、洗濯機1の外部に設けられている例えばバスタブなどに貯留されている風呂水を吸引して、注水ケース200の風呂水用流路に供給する。そして、注水ケース200に供給された風呂水は、手動用洗剤投入部203に供給されて、手動用洗剤投入部203内の洗剤を溶解する。そして、洗剤を溶解した風呂水は、当該注水ケース200から水槽3内に供給される。このように、洗濯機1は、使用者が手動で投入した衣類処理剤を風呂水とともに水槽3内に供給することも可能である。
そして、機械室6内においては、給水弁ユニット300と風呂水ポンプ305は、外箱2の前後方向に沿って並んで配置されている。また、風呂水ポンプ305は、給水弁ユニット300の前側に位置して配置されている。この場合、風呂水ポンプ305は、その全体が給水弁ユニット300よりも前側に位置している。なお、風呂水ポンプ305は、少なくとも一部が給水弁ユニット300よりも前側に位置する配置態様としてもよい。
次に、自動投入装置100の構成例、特にケース収容部101、ケース102、洗剤タンク103、柔軟剤タンク104の構成例について、さらに詳細に説明する。図7から図12に例示するように、自動投入装置100は、ほぼ矩形箱状のケース収容部101の内部にほぼ矩形箱状のケース102を引き出し可能に収容した構成となっている。
また、図13から図15に例示するように、ケース102は、上面が開放したほぼ矩形箱状のケース本体部120を備えている。ケース本体部120の内部には、複数、この場合、上述した洗剤タンク103および柔軟剤タンク104を収容可能に構成されている。また、ケース本体部120の内部には、洗剤タンク103および柔軟剤タンク104が横方向に並んで収容可能となっている。
ケース本体部120の前部には前壁部121が設けられている。前壁部121の上端は、ケース本体部120の上端よりも高くなっている。また、前壁部121の横方向の両端部には、視認窓122,123が設けられている。視認窓122,123は、何れも、前壁部121を前後方向に貫通している。また、視認窓122,123は、この場合、上下方向に長い矩形状をなしている。このうち、視認窓122は、ケース本体部120内に収容された洗剤タンク103内の洗剤の残量を視認可能とする洗剤残量確認用の視認窓である。一方、視認窓123は、ケース本体部120内に収容された柔軟剤タンク104内の柔軟剤の残量を視認可能とする柔軟剤残量確認用の視認窓である。
また、ケース本体部120の横方向の両側面には、ケース102の引き出し方向に沿って直線状に延びるレール部124が設けられている。この場合、レール部124は、ケース本体部120の上端に沿うようにして直線状に設けられている。
また、図16にも例示するように、ケース102は、掛け部102Aを備えている。この場合、掛け部102Aは、前壁部121の下部に設けられている。また、掛け部102Aは、前壁部121の下部のうち横方向の中央部に位置して設けられている。また、掛け部102Aは、横方向に長い矩形の凹状に設けられている。
また、ケース102の底面、この場合、ケース本体部120の底面には、前部側に位置して複数、この場合、2つの突起部126が設けられている。突起部126は、掛け部102Aの横方向の両側に位置して設けられている。突起部126の前面は、前壁部121に沿う平面状に形成されている。また、突起部126の前面よりも後側は、前方から後方に向かって徐々に上昇するように傾斜する傾斜部となっている。なお、この場合、傾斜部は、前後方向に延びる複数のリブにより構成されている。このように構成される突起部126は、詳しくは後述するようにして、閉塞促進部の一例として機能する。
図17に例示するように、ケース102のレール部124には、ストッパ125が設けられている。この場合、ストッパ125は、レール部124の長手方向の中央部よりも後側に位置して設けられている。より具体的には、ストッパ125は、レール部124の下部側に設けられている。また、ストッパ125は、ケース102内にタンク103,104が収容された状態において補給口142,152の後端よりも後側に設けられている。また、ストッパ125は、ケース102内にタンク103,104が収容された状態において、閉塞状態にある蓋149,159の後端よりも後側に設けられている。また、ストッパ125は、ケース収容部101に対するケース102の引き出し方向、換言すれば、レール部124の長手方向に直交する平板状の壁部として構成されている。なお、ケース102のレール部124は、その下部側においてストッパ125よりも後側の部分に、ストッパ、あるいは、ストッパに相当する構成要素を備えていない。
一方、ケース収容部101の側面壁の内面には、ケース102が引き出される方向に沿って直線状に延びる溝部129が設けられている。溝部129の前端部には、上方に向かって凸状に形成された凸部130が設けられている。凸部130は、係止部の一例である。ケース102がケース収容部101内から引き出されると、その引き出し量が所定量となる位置において、ケース102側のストッパ125がケース収容部101側の凸部130に後側から係止する。これにより、ケース収容部101からのケース102の引き出し量は、ストッパ125が凸部130に係止する所定量において規制される。
なお、ストッパ125が凸部130に係止した係止状態、換言すれば、ケース収容部101からのケース102の引き出し量が所定量となった状態において、タンク103,104は、ケース102内から取り出し不能である。即ち、ストッパ125が凸部130に係止した係止状態において、タンク103,104の一部、この場合、後部は、ケース収容部101の内部に収容されている。また、ストッパ125が凸部130に係止した係止状態において、タンク103,104のうちケース収容部101内に収容されている部分の前部の上端から後部の下端までの距離D1は、ケース102の底面からケース収容部101の上面までの距離D2よりも大きくなっている。よって、ストッパ125が凸部130に係止した係止状態において、タンク103,104をケース102内から取り出そうとすると、当該タンク103,104の上面がケース収容部101の上面に当接して干渉し、これにより、当該タンク103,104をケース102内から取り外せないようになっている。
また、ケース102のレール部124には、当接部131が設けられている。この場合、当接部131は、レール部124の長手方向の中央部よりも後側に位置して設けられている。より具体的には、当接部131は、レール部124の上部側に設けられている。また、当接部131は、レール部124の最後端に位置して設けられている。また、当接部131は、上方に向かって凸状に形成されている。当接部131は、レール部124が溝部129内にスライド移動可能に収容された状態において、その先端部が当該溝部129の上面に当接する。
特に、当接部131は、ケース収容部101からのケース102の引き出し量が所定量となった状態においても、溝部129の上面に当接する。これにより、ケース102が当該ケース102自体の重さ、および、当該ケース102内に収容されているタンク103,104の重さによって前部が下降するように傾斜することを抑制することができる。ひいては、ケース102が当該ケース102の自重によってケース収容部101内から脱落してしまうことを抑制することができる。
ここで、ケース102側のストッパ125とケース収容部101側の当接部131との間の距離D3は、ケース収容部101の上面と溝部129の上面との間の距離D4よりも長くなっている。この構成によれば、ケース収容部101からの引き出し量が所定量となった状態にあるケース102が前方に下降するように傾斜しようとしたときに、当接部131が溝部129の上面に当接することによって、その下降に対し十分に対抗することが可能となる。よって、ケース102の脱落を一層確実に抑制することができる。なお、洗濯機1は、当接部131を備えない構成としてもよい。この構成によれば、ケース収容部101からの引き出し量が所定量となったときに、ケース102が前方に下降するように傾斜しようとするので、ケース収容部101内からケース102を取り外しやすくできる。
次に、洗剤タンク103および柔軟剤タンク104の構成例について、さらに詳細に説明する。図18および図19に例示するように、洗剤タンク103は、タンク本体部140およびカバー部141を組み合わせた構成となっている、タンク本体部140は、洗剤タンク103の本体部分を構成するものであり、図15に例示するように、上面が開放したほぼ矩形の容器状をなしている。タンク本体部140の内部には、洗剤を貯留可能な空間が設けられている。カバー部141は、タンク本体部140の上部に着脱可能に取り付けられて、当該タンク本体部140の上面開口部を閉塞する。図22に例示するように、カバー部141には、洗剤タンク103の内部、より具体的には、タンク本体部140の内部に洗剤を補給するための補給口142を備えている。この場合、補給口142は、カバー部141の前部側においてほぼ矩形状に開口している。
洗剤タンク103は、把持部143を有している。把持部143は、洗剤タンク103の外郭を形成する面、この場合、タンク本体部140の側面において内方に半円状に窪む凹状に設けられている。また、把持部143は、洗剤タンク103の外郭を形成する面、この場合、タンク本体部140の側面の一端と他端との間において直線状に延びている。より具体的には、把持部143は、タンク本体部140の側面の上端と下端との間において、屈曲したり湾曲したりすることなく直線状に延びている。換言すれば、把持部143は、上端がタンク本体部140の側面の上端まで到達しており、下端がタンク本体部140の側面の下端まで到達している。また、把持部143は、カバー部141に設けられている補給口142の側方に位置して設けられている。なお、把持部143は、カバー部141に設けられている補給口142の側方から外れた位置、例えば、補給口142の側方よりも前側あるいは後側に設けてもよい。
把持部143は、タンク本体部140の外郭を構成する面のうち横方向において互いに対向する面の一方に設けられている。この場合、把持部143は、洗剤タンク103がケース102内に収容された状態において内側、つまり、柔軟剤タンク104側となる面に設けられている。なお、洗剤タンク103は、タンク本体部140の外郭を構成する面のうち横方向において互いに対向する面の他方、この場合、洗剤タンク103がケース102内に収容された状態において外側、つまり、柔軟剤タンク104とは反対側となる面に把持部143を設けてもよい。また、洗剤タンク103は、タンク本体部140の外郭を構成する面のうち横方向において互いに対向する面の双方にそれぞれ把持部143を設けてもよい。
なお、図15に例示するように、把持部143は、タンク本体部140の側面を、その板厚を変えることなく内方に押し込むようにして設けられている。よって、タンク本体部140内においては、把持部143の前方および後方を含む周辺領域にも洗剤を貯留することが可能となっている。
また、洗剤タンク103は、さらに掛け部144を備えている。この場合、掛け部144は、洗剤タンク103の一部を構成するタンク本体部140に設けられており、より具体的には、このタンク本体部140に設けられている把持部143内に設けられている。掛け部144は、洗剤タンク103をケース102から取り外す際に使用者の手指を掛けることが可能な構成要素である。掛け部144は、把持部143が延びる方向に対して直交する平板状に設けられている。また、掛け部144は、把持部143の途中部分、この場合、上下方向の中央部よりも上側に設けられている。
図20および図21に例示するように、柔軟剤タンク104は、タンク本体部150およびカバー部151を組み合わせた構成となっている、タンク本体部150は、柔軟剤タンク104の本体部分を構成するものであり、図15に例示するように、上面が開放したほぼ矩形の容器状をなしている。タンク本体部150の内部には、柔軟剤を貯留可能な空間が設けられている。カバー部151は、タンク本体部150の上部に着脱可能に取り付けられて、当該タンク本体部150の上面開口部を閉塞する。図22に例示するように、カバー部151には、柔軟剤タンク104の内部、より具体的には、タンク本体部150の内部に柔軟剤を補給するための補給口152を備えている。この場合、補給口152は、カバー部151の前部側においてほぼ矩形状に開口している。
柔軟剤タンク104は、把持部153を有している。把持部153は、柔軟剤タンク104の外郭を形成する面、この場合、タンク本体部150の側面において内方に半円状に窪む凹状に設けられている。また、把持部153は、柔軟剤タンク104の外郭を形成する面、この場合、タンク本体部150の側面の一端と他端との間において直線状に延びている。より具体的には、把持部153は、タンク本体部150の側面の上端と下端との間において、屈曲したり湾曲したりすることなく直線状に延びている。換言すれば、把持部153は、上端がタンク本体部150の側面の上端まで到達しており、下端がタンク本体部150の側面の下端まで到達している。また、把持部153は、カバー部151に設けられている補給口152の側方に位置して設けられている。なお、把持部153は、カバー部151に設けられている補給口152の側方から外れた位置、例えば、補給口152の側方よりも前側あるいは後側に設けてもよい。
把持部153は、タンク本体部150の外郭を構成する面のうち横方向において互いに対向する面の一方に設けられている。この場合、把持部153は、柔軟剤タンク104がケース102内に収容された状態において内側、つまり、洗剤タンク103側となる面に設けられている。なお、柔軟剤タンク104は、タンク本体部150の外郭を構成する面のうち横方向において互いに対向する面の他方、この場合、柔軟剤タンク104がケース102内に収容された状態において外側、つまり、洗剤タンク103とは反対側となる面に把持部153を設けてもよい。また、柔軟剤タンク104は、タンク本体部150の外郭を構成する面のうち横方向において互いに対向する面の双方にそれぞれ把持部153を設けてもよい。
なお、図15に例示するように、把持部153は、タンク本体部150の側面を、その板厚を変えることなく内方に押し込むようにして設けられている。よって、タンク本体部150内においては、把持部153の前方および後方を含む周辺領域にも柔軟剤を貯留することが可能となっている。
また、柔軟剤タンク104は、さらに掛け部154を備えている。この場合、掛け部154は、柔軟剤タンク104の一部を構成するタンク本体部150に設けられており、より具体的には、このタンク本体部150に設けられている把持部153内に設けられている。掛け部154は、柔軟剤タンク104をケース102から取り外す際に使用者の手指を掛けることが可能な構成要素である。掛け部154は、把持部153が延びる方向に対して直交する平板状に設けられている。また、掛け部154は、把持部153の途中部分、この場合、上下方向の中央部よりも上側に設けられている。
また、洗剤タンク103は、カバー部141のうち把持部143の上方に対応する位置に、内方に半円状に窪む凹部145を有している。この場合、掛け部144は、この凹部145の直下に位置して設けられている。また、柔軟剤タンク104は、カバー部151のうち把持部153の上方に対応する位置に、内方に半円状に窪む凹部155を有している。この場合、掛け部154は、この凹部155の直下に位置して設けられている。
本実施形態では、洗剤タンク103は、他のタンク、この場合、柔軟剤タンク104に対向する面に把持部143および凹部145を有している。また、洗剤タンク103は、把持部143および凹部145を、他のタンクである柔軟剤タンク104の把持部153および凹部155に対向する位置に有している。また、柔軟剤タンク104は、他のタンク、この場合、洗剤タンク103に対向する面に把持部153および凹部155を有している。また、柔軟剤タンク104は、把持部153および凹部155を、他のタンクである洗剤タンク103の把持部143および凹部145に対向する位置に有している。
この構成によれば、ケース102のケース本体部120内に洗剤タンク103および柔軟剤タンク104が収容された状態において、半円状に窪む把持部143および凹部145と、同じく半円状に窪む把持部153および凹部155とが対向する状態となり、これら把持部143,凹部145および把持部153,凹部155によって囲まれるほぼ円形状の空間が形成されるようになる。これにより、使用者は、ケース102のケース本体部120内から洗剤タンク103や柔軟剤タンク104を取り外す際には、この空間に手指を挿入して掛け部144や掛け部154に手指を掛けることができ、洗剤タンク103や柔軟剤タンク104を容易に取り外すことができる。
また、図18から図21に例示するように、洗剤タンク103および柔軟剤タンク104は、内方に窪む凹部146,156を備えている。この場合、凹部146,156は、タンク103,104の一部を構成するタンク本体部140,150の前部の下部に位置して設けられている。また、凹部146,156は、矩形状に窪む凹部となっている。また、凹部146は、タンク本体部140の内側、この場合、柔軟剤タンク104側に位置して設けられている。また、凹部156は、タンク本体部150の内側、この場合、洗剤タンク103側に位置して設けられている。ケース本体部120内にタンク103,104が取り付けられた状態において、これら凹部146,156は、横方向において対向し、これにより、ケース102の掛け部102Aを収容可能なスペースを形成する。
また、タンク103,104は、凹部146,156内にタンク側突出部147,157を備えている。タンク側突出部147,157は、位置決め部の一例であり、この場合、凹部146,156の上面から下方に向かって直線状に突出している。また、図23に例示するように、タンク側突出部147の先端部には、弾性的に変形可能な挟み片部が設けられている。また、図24に例示するように、タンク側突出部157の先端部には、弾性的に変形可能な挟み片部が設けられている。また、タンク側突出部147,157の突出量は、凹部146,156の窪み量よりも小さくなっており、つまり、タンク側突出部147,157は、タンク103,104の底面よりも下方には突出していない。即ち、タンク103,104は、下方に突出するタンク側突出部147,157を備えながらも、そのタンク側突出部147,157の全体を凹部146,156の内部に収めているので、当該タンク103,104の底面を平坦面に維持した構成となっている。
一方、図23に例示するように、ケース本体部120の内部には、掛け部102Aの後方に位置して、複数、この場合、2つのケース側突出部132が左右に分かれて設けられている。ケース側突出部132は、位置決め部の一例であり、この場合、ケース本体部120の底面から上方に向かって直線状に突出している。また、ケース側突出部132の先端部には、タンク側突出部147,157の挟み片部によって挟み込むことが可能なように円形状に膨らむ膨出部が設けられている。
ケース本体部120内にタンク103,104が取り付けられる際には、凹部146,156が形成するスペース内にケース102の掛け部102Aが嵌まり込むようにして収容される。これにより、タンク103,104の前部の下部が掛け部102Aによって位置決めされた状態となる。さらに、ケース102側のケース側突出部132がタンク103,104側のタンク側突出部147,157によって挟み込まれる。これにより、タンク103,104の前部の下部の位置決めが一層確実なものとなる。
また、上述した視認窓122,123は、ケース本体部120内にタンク103,104が収容された状態において、上述した凹部146,156を避けた位置、この場合、横方向において凹部146,156よりも外側に位置して設けられている。タンク103,104のうち凹部146,156が設けられている部分においては、衣類処理剤は、当該凹部146,156よりも上側に貯留されることになり、タンク103,104内の衣類処理剤の残量を正確に反映して示すことができない。そのため、凹部146,156を避けた位置に対応するように視認窓122,123を設けたことにより、タンク103,104内の衣類処理剤の残量を視認窓122,123に正確に反映して示すことができる。
また、図14などに例示するように、ケース本体部120内にタンク103,104が収容された状態において、ケース本体部120の外周部を構成する外周壁部の上端は、当該ケース本体部120内に収容されたタンク103,104の上面よりも低くなる。また、ケース本体部120の後部に設けられる後壁部120aの上端は、タンク103,104の後部に設けられているポンプ接続部148,158の下端よりも低くなる。ポンプ接続部148,158は、タンク103,104の後面から後方に向かって円筒状に突出している。上述した通り、ケース収容部101は、洗濯機1の本体部に対し移動不能に構成されている。そして、洗剤タンク103のポンプ接続部148は、当該洗剤タンク103を収容したケース102がケース収容部101内に押し込まれることに伴い、洗剤用計量ポンプ105の図示しない衣類処理剤吸引口に接続される。また、柔軟剤タンク104のポンプ接続部158は、当該柔軟剤タンク104を収容したケース102がケース収容部101内に押し込まれることに伴い、柔軟剤用計量ポンプ106の図示しない衣類処理剤吸引口に接続される。
この場合、ケース本体部120の後壁部120aは、その上端がタンク103,104のポンプ接続部148,158の下端から離間する高さとなるように構成されている。なお、ケース本体部120の後壁部120aは、その上端がタンク103,104のポンプ接続部148,158の下端に接触する高さとなるように構成してもよい。
また、洗剤タンク103および柔軟剤タンク104は、さらに、補給口142,152を開閉する蓋149,159を備えている。図25に例示するように、蓋149,159は、蓋本体部149a,159aおよび挿入部149b,159bを一体的に備えている。蓋本体部149a,159aは、補給口142,152よりも大きいほぼ矩形板状をなしている。蓋本体部149a,159aの側端部、この場合、カバー部141,151の凹部145,145が設けられている側の端部は、蓋149,159が補給口142,152を閉塞した閉塞状態において、凹部145,145のうち最も窪む部分よりも外側に位置するようになっている。
また、蓋本体部149a,159aの基端部には、横方向に延びる回動軸149c,159cが設けられている。一方、図22に例示するように、補給口142,152の後部には、軸受け部160,170が設けられている。蓋本体部149a,159aの回動軸149c,159cは、この軸受け部160,170に回動可能に支持されている。なお、この軸受け部160,170には、カバー部141,151を貫通し、空気が通過可能な通気孔160a,170aが設けられている。
挿入部149b,159bは、補給口142,152よりも大きく、且つ、蓋本体部149a,159aよりも小さいほぼ矩形板状をなしている。この挿入部149b,159bは、蓋149,159が補給口142,152を閉塞した閉塞状態において、補給口142,152内に挿入される部分となっている。なお、蓋149,159が補給口142,152を閉塞した閉塞状態において、挿入部149b,159b自体は、補給口142,152の内面に直接的に接触しないようになっている。そして、この挿入部149b,159bの周囲には、例えばゴム材などで構成されるパッキン161,171が取り付けられている。パッキン161,171は、挿入部149b,159bの周囲を囲むようにしてほぼ矩形枠状に形成されたパッキン本体部161a,171aと、このパッキン本体部161a,171aから外方に延出されたパッキン片部161b,171bとを一体的に備えている。
パッキン161,171は、蓋149,159が補給口142,152を閉塞した閉塞状態において、当該蓋149,159と補給口142,152との間の隙間をシールする。より具体的には、パッキン161,171は、蓋149,159が補給口142,152を閉塞した閉塞状態において、挿入部149b,159bの側面と補給口142,152の内面との間に形成される隙間を水密状態かつ気密状態に維持するようにシールする。
ここで、補給口142,152の内面は、上部が上下方向に延びる平面となっており、下部が補給口142,152の内方側に向かって徐々に下降するように傾斜する傾斜面となっている。そして、蓋149,159が補給口142,152を閉塞した閉塞状態において、パッキン161,171のパッキン片部161b,171bは、補給口142,152の内面のうちの上部、つまり、上下方向に延びる平面状の部分に接触するようになっている。
なお、洗濯機1は、図26に例示するように、補給口142,152の内面のうち少なくとも一部の面、この場合、後面142a,152aについて、その全体を傾斜面とする構成としてもよい。この構成によれば、蓋149,159が補給口142,152を閉塞する閉塞位置から補給口142,152を開放する開放位置に回動することに伴い、パッキン161,171のパッキン片部161b,171bが補給口142,152の傾斜面に接触する接触面積が徐々に減少するようになる。即ち、蓋149,159を開放位置側に回動させることに応じて、パッキン161,171の補給口142,152に対するシール強度が徐々に減少するようになるので、大きな力を要することなく蓋149,159を開きやすくすることができる。
また、詳しい図示は省略するが、蓋149,159が補給口142,152を閉塞した閉塞状態において、蓋149,159の回動軸149c,159cとは反対側、この場合、前側においてパッキン161,171が補給口142,152の内面に接触する接触面積が、蓋149,159の回動軸149c,159c側、この場合、後側においてパッキン161,171が補給口142,152の内面に接触する接触面積よりも小さくなるように構成してもよい。この構成によれば、蓋149,159の先端部側つまり回動自由端側におけるパッキン161,171の補給口142,152に対する接触面積を小さくすることができ、そのシール強度を弱めることができる。従って、蓋149,159の先端部に大きな力を加えなくとも蓋149,159を開きやすくすることができる。なお、このような構成は、例えば、蓋149,159において挿入部149b,159bを後側にずらして設けたり、パッキン161,171のパッキン片部161b,171bについて挿入部149b,159bの前側に位置する部分の突出量を挿入部149b,159bの後側に位置する部分の突出量よりも小さくしたりすることによって実現することができる。
また、図8などに例示するように、ケース102がケース収容部101内から所定量まで引き出された状態において、使用者は、当該ケース102内に収容されている複数のタンク、この場合、洗剤タンク103および柔軟剤タンク104を操作可能である。具体的には、図9に例示するように、ケース102がケース収容部101内から所定量まで引き出された状態においては、ケース102の一部、この場合、後部がケース収容部101内に収納された状態となっている。そして、この状態において、ケース102内に収容されている洗剤タンク103および柔軟剤タンク104は、蓋149,159を開閉可能な状態となる。よって、使用者は、蓋149,159を開いてタンク103,104内に衣類処理剤を補給する操作が可能である。
また、図7に例示するように、ケース102は、ケース収容部101内の最奥部まで収容された状態では、例えば当該ケース102の自重や運転時の振動などによって意図せず引き出されてしまわないようロックされるようになっている。また、図10および図11に例示するように、ケース102は、ケース収容部101内から完全に取り外すことも可能となっている。次に、このようなことを可能にする構成例について説明する。なお、タンク103,104は、ケース102をケース収容部101内から完全に取り外すことによって、当該ケース102内から取り外すことが可能になる。
図10および図11に例示するように、ケース収容部101の底面の前部には、下方に窪む凹部172が設けられている。ケース102は、ケース収容部101内の最奥部まで収容された状態では、突起部126の前面が凹部172の前面に係止することによって、ケース収容部101内において引き出し不能にロックされるようになっている。しかし、この状態からケース102を若干上方に押し上げて、突起部126を凹部172内から外すことによって、ケース102をケース収容部101内から引き出すことが可能となる。そして、上述した通り、ケース収容部102内からのケース102の引き出し量が所定量に到達すると、ケース102側のストッパ125がケース収容部101側の凸部130に係止する。これにより、ケース102の引き出し量が所定量に規制される。そして、この状態から、ケース102を上方に持ち上げてストッパ125を凸部130から外すと、ケース102をケース収容部101内から完全に取り外すことが可能となる。
そして、再びケース102をケース収容部101内に取り付ける際には、ケース102を若干上方に持ち上げながら、ケース102側のストッパ125がケース収容部101側の凸部130の後側に嵌まるようにケース102をケース収容部101内に挿入する。このとき、突起部126の後部側は、傾斜部となっていることから、この傾斜部がケース収容部101の下面の前端に当接する。そのため、ケース102がケース収容部101内に押し込まれることに伴い、突起部126の傾斜部がケース収容部101の下面の前端に摺動しながら進むようになるため、ケース102の上方への押し上げを支援することができる。そして、さらにケース102をケース収容部101内に押し入れると、突起部126が凹部172内に嵌まり込み、ケース102がケース収容部101の最奥部まで収容された状態でロックされる。
以上のようにしてケース102をケース収容部101内に押し入れることによって、当該ケース102をケース収容部101内に引き出し可能に取り付けることができる。そして、このように、ケース102をケース収容部101内に取り付ける際において、当該ケース102内にタンク103,104が収容されている場合には、タンク103,104が収容されたケース102がケース収容部101内に収容されるときに、当該ケース102が上方に押し上げられる。そして、これに伴い、タンク103,104上部の蓋149,159がケース収容部101の上面に当接して補給口142,152を閉塞する閉塞方向に押し込まれる。即ち、蓋149,159による補給口142,152の閉塞が促進される。このような蓋149,159の閉塞促進作用は、ケース102が上方に押し上げられることに基づき、また、ケース102の底面に突起部126が設けられていることに基づき実現される。このように構成される突起部126は、上述したようにケース102の上方への押し上げを補助する機能を有しており、従って、蓋149,159による補給口142,152の閉塞を促進する閉塞促進部の一例として機能する。
また、図25に例示するように、タンク103,104の内部には、後部側に位置して、ポンプ接続部148,158から連続してタンク本体部140,150の内方に突出する中空状の突出部164,174が設けられている。この場合、突出部164,174は、円筒状に構成されている。この突出部164,174は、タンク本体部140,150に別部品として備えられる構成要素ではなく、タンク本体部140,150と同一の部品として設けられた構成要素である。即ち、突出部164,174は、例えば樹脂成型などによって、タンク本体部140,150と一体的に、かつ、途切れることなく連続的に設けられている。
突出部164,174の内部には、逆止弁165,175が収容される。また、突出部164,174の内部には、例えばばねなどで構成される付勢部材166,176が収容される。付勢部材166,176は、逆止弁165,175を、突出部164,174内に形成される流路を閉塞する方向、この場合、ポンプ接続部148,158側に付勢する。これにより、逆止弁165,175は、ポンプ接続部148,158からポンプ105,106側に吸引された衣類処理剤が逆流してタンク103内,104内に戻ることを抑制する。また、逆止弁165,175は、ポンプ105,106がピストンを往復動させることに伴い発生する押圧力を受けた場合には、付勢部材166,176の付勢力に抗して、突出部164,174内に形成される流路を開放する方向、この場合、ポンプ接続部148,158とは反対側に移動する。これにより、ポンプ105,106は、タンク103,104内の衣類処理剤を吸引することが可能となる。即ち、タンク103,104によれば、ポンプ105,106がピストンを往復動させることに伴い逆止弁165,175も突出部164,174内を往復移動して流路が開閉されるようになる。これに伴い、タンク103,104内の衣類処理剤がポンプ105,106の駆動に連動して吸い出されるようになっている。
また、突出部164,174の先端部、つまり、タンク本体部140,150内において開口する開口端には、当該突出部164,174内に逆止弁165,175および付勢部材166,176が収容された状態でキャップ部167,177が取り付けられる。これにより、突出部164,174内に収容された逆止弁165,175および付勢部材166,176が当該突出部164,174内から外れてしまうことが回避される。
キャップ部167,177は、タンク本体部140,150内において下方に直線状に延出する中空状のストロー部168,178を一体的に備えている。この場合、ストロー部168,178は、円筒状に形成されており、その下端は、タンク本体部140,150の底面から若干離間した高さまで延びている。
また、図27および図28に例示するように、突出部164,174の上部には、上方に突出する凸部164a,174aが設けられている。この場合、凸部164a,174aは、円柱状に形成されている。一方、キャップ部167,177の上部には、当該キャップ部167,177の先端側に向かって滑らかな円弧状に窪む窪み部167a,177aが設けられている。突出部164,174にキャップ部167,177が取り付けられる際には、窪み部167a,177aに凸部164a,174aが嵌まり込む。これにより、キャップ部167,177は、ストロー部168,178がタンク本体部140,150内において下方に延出する状態で、突出部164,174に対して位置決めされる。即ち、凸部164a,174aおよび窪み部167a,177aは、相互に協働することによって、ストロー部168,178が下方に延出するようにキャップ部167,177を位置決めする位置決め部の一例として機能する。
また、突出部164,174は、左右の両側部に爪部164b,174bを備えている。爪部164b,174bは、突出部164,174の側面から外方に突出している。また、キャップ部167,177は、左右の両側部に爪孔部167b,177bを備えている。突出部164,174にキャップ部167,177が取り付けられる際には、爪孔部167b,177bに爪部164b,174bが係止する。これにより、キャップ部167,177を突出部164,174に係止させて固定することができる。即ち、爪部164b,174bおよび爪孔部167b,177bは、相互に協働することによって、キャップ部167,177を突出部164,174に係止させる係止部の一例として機能する。そして、係止部の一例として機能する爪部164b,174bおよび爪孔部167b,177bは、上述した位置決め部の一例として機能する凸部164a,174aおよび窪み部167a,177aを避けた位置に備えられている。
以上に例示した本実施形態に係る洗濯機1によれば、タンク103,104の外郭を形成する面に凹状の把持部143,153を備えている。この構成によれば、使用者は、この把持部143,153に手指を掛けることによって、タンク103,104を把持しやすく、従って、タンク103,104の取り扱い、例えば、ケース102に対する着脱操作を行いやすくできる。また、使用者は、例えば片手で洗剤タンク103あるいは柔軟剤タンク104を把持することができ、使い勝手の一層の向上を図ることができる。
また、洗濯機1によれば、タンク103,104は、当該タンク103,104の外郭を形成する面のうち互いに対向する面の一方に把持部143,153を有している。この構成によれば、タンク103,104の外観が複雑化することを回避することができる。また、タンク103,104は、当該タンク103,104の外郭を形成する面のうち互いに対向する面の双方に把持部143,153を有していてもよく、この構成によれば、タンク103,104を一層把持しやすくすることができる。
また、洗濯機1によれば、複数のタンク103,104を着脱可能に備えている。そして、一方のタンク103,104は、他方のタンク104,103に対向する面に把持部143,153を備えている。さらに、一方のタンク103,104は、把持部143,153を、他方のタンク104,103の把持部153,133に対向する位置に有している。この構成によれば、ケース102内にタンク103,104が収容された状態において、把持部143および把持部153によって囲まれるほぼ円形状の空間を形成できる。これにより、使用者は、ケース102のケース本体部120内から洗剤タンク103や柔軟剤タンク104を取り外す際には、この空間に手指を挿入することにより、洗剤タンク103や柔軟剤タンク104を容易に取り外すことができる。また、それぞれのタンク103,104に設ける把持部143,153を最小限に抑えることができ、把持部143,153を形成することに伴うタンク103,104内のスペースの減少、換言すれば、衣類処理剤の貯留可能量の減少を最小限に抑えることができる。
また、洗濯機1によれば、把持部143,153は、タンク103,104の外郭を形成する面の一端と他端との間、この場合、上端と下端との間において延びている。この構成によれば、把持部143,153を極力大きく設けることができ、タンク103,104を一層把持しやすくすることができる。
また、洗濯機1によれば、タンク103,104は、内部に衣類処理剤を補給するための補給口142,152を備えており、把持部143,153は、これら補給口142,152の側方に位置して設けられている。この構成によれば、使用者は、把持部143,153を把持した手指によって、さらに、補給口142,152を閉塞する蓋149,159を押さえることができ、把持しているタンク103,104の蓋149,159が開いて内部の衣類処理剤が飛び出してしまうことを抑制することができる。
なお、タンク103,104は、補給口142,152の側方から外れた位置に把持部143,153を設けた構成としてもよい。この構成によれば、把持部143,153の形成に伴い補給口142,152の開口面積を小さくする必要が無い。従って、補給口142,152の開口面積を大きく確保することができ、衣類処理剤を補給しやすくすることができる。
また、洗濯機1によれば、把持部143,153は、使用者の手指が掛けられる掛け部144,145を有している。この構成によれば、使用者は、これら掛け部144,145に手指を掛けることによって、ケース102内からタンク103,104を容易に取り出すことができる。
また、洗濯機1によれば、掛け部144,145は、タンク103,104の本体部を構成するタンク本体部140,150に設けられている。この構成によれば、使用者は、タンク103,104の本体部分に手指を掛けて取り外しを行うことができ、タンク103,104の取り外しを安定的に行うことができる。
また、洗濯機1によれば、機械室6内において、自動投入装置100、注水ケース200、給水弁ユニット300は、外箱2の横方向に沿って並んで配置されている。また、洗濯機1によれば、機械室6内において、給水弁ユニット300は、自動投入装置100の後端および注水ケース200の後端よりも前側に配置されている。また、洗濯機1によれば、機械室6内において、注水ケース200は、外箱2の横方向において自動投入装置100と給水弁ユニット300との間に配置されている。
このように、自動投入装置100、注水ケース200、給水弁ユニット300を、いわゆる横並びの配置態様によって機械室6内に収容することにより、限られた外箱2内のスペースを有効に活用して、複数の構成要素、この場合、少なくとも自動投入装置100、注水ケース200、給水弁ユニット300を無理なくコンパクトに収容することができる。ひいては、洗濯機1全体としての大型化を抑制することができる。
また、洗濯機1によれば、自動投入装置100の後方に注水ケース200や給水弁ユニット300が配置されない配置態様であるから、少なくとも自動投入装置100の奥行寸法を大きく確保できる。よって、自動投入装置100に備えられるタンク103,104の大型化を図ることができ、タンク103,104の容量、つまり、衣類処理剤の貯留可能量を大きくすることができる。
また、洗濯機1によれば、上述した配置態様を適用したことにより、例えば自動投入装置100、注水ケース200、給水弁ユニット300といった比較的大型な構成要素を、外箱2の後部に形成される機械室6の内部に無理なくコンパクトに収容することができる。
また、洗濯機1は、自動投入装置100の後方に、タンク103,104から供給された衣類処理剤と給水弁ユニット300から供給された水とを混合する混合部108を備えている。この構成によれば、衣類処理剤を水に混合した上で水槽3内に供給することができ、衣類処理剤が均一に溶解した水によって衣類の洗浄性能を向上することができる。また、比較的小型の構成要素である混合部108を自動投入装置100の後方に配置することによって、限られた機械室6内のスペースを有効に活用することができる。
また、洗濯機1によれば、給水弁ユニット300は、混合部108に水を供給するための専用の給水口303aを備えている。この構成によれば、混合部108に十分な量の水を確実に供給することができ、衣類処理剤が十分に溶解された水を水槽3内に供給することができる。
また、洗濯機1によれば、混合部専用の給水口303aを混合部108に接続する混合部用給水経路304を備えている。そして、この混合部用給水経路304は、注水ケース200の上面205と手動用洗剤投入部203および手動用柔軟剤投入部204との間に通されている。また、混合部用給水経路304は、注水ケース200を、外箱2の横方向に沿って貫通している。また、混合部用給水経路304は、注水ケース200の内部において、屈曲したり湾曲したりすることなく直線状に延びている。
即ち、混合部用給水経路304は、その流路抵抗が極力小さくなるように構成されている。従って、給水弁ユニット300から混合部108に効率良く水を供給することができ、衣類処理剤と水との混合を一層促進することができる。
また、洗濯機1によれば、給水弁ユニット300と風呂水ポンプ305が外箱2の前後方向に沿って並んで配置されている。また、風呂水ポンプ305は、給水弁ユニット300の前側に配置されている。このような配置態様によれば、限られた外箱2内のスペースを有効に活用して、さらに風呂水ポンプ305も無理なく収容することができる。
また、洗濯機1によれば、自動投入装置100は、使用者の手指が掛けられる掛け部102Aを有するケース102を備え、このケース102は、自動投入装置100のケース収容部101内から引き出し可能に構成されており、タンク103,104は、このケース102内に収容可能である。この構成によれば、複数のタンク103,104に対する操作、例えば、タンク103,104内への衣類処理剤の補給操作やタンク103,104内の着脱操作を一度に行うことができる。つまり、使用者は、1つのケース102を引き出すことによって、複数のタンク103,104に対し各種の操作を行うことができる。
また、洗濯機1によれば、ケース102の外周部を構成する外周壁部の上端は、当該ケース102内に収容されたタンク103,104の上面よりも低い。この構成によれば、使用者は、タンク103,104の上部側を持ちやすく、従って、ケース102に対するタンク103,104の着脱を一層容易に行うことができる。なお、このとき、使用者は、タンク103,104の把持部143,153を持って着脱を行ってもよいし、把持部143,153以外の部分を持って着脱を行ってもよい。
また、洗濯機1によれば、ケース102の一部、この場合、後部が自動投入装置100のケース収容部101内に収納された状態において、当該ケース102内に収容されているタンク103,104は、補給口142,152の蓋149,159を開閉可能な状態となる。従って、使用者は、ケース102を自動投入装置100のケース収容部101内から完全に取り外さなくても、タンク103,104内に衣類処理剤を補給することができる。
また、洗濯機1によれば、タンク103,104は、当該タンク103,104をケース102内において位置決めするタンク側突出部147,157を備えている。この構成によれば、ケース102内におけるタンク103,104の位置ずれを抑制することができ、タンク103,104を収容したケース102をケース収容部101に対し円滑に出し入れすることができる。
また、洗濯機1によれば、自動投入装置100は、タンク103,104内から衣類処理剤を吸引するポンプ105,106を備え、タンク103,104は、ポンプ105,106に接続されるポンプ接続部148,158を備えている。そして、ケース102の後部に設けられる後壁部120aの上端は、ポンプ接続部148,158の下端よりも低くなっている。この構成によれば、ポンプ接続部148,158を、ケース102の後壁部120aに接触あるいは干渉させることなく、ポンプ105,106に接続することができる。よって、ポンプ接続部148,158とポンプ105,106との接続を、位置ずれなどを起こすことなく精度良く行うことができる。
また、洗濯機1によれば、ケース102は、当該ケース102内に収容されているタンク103,104内の衣類処理剤の残量を視認可能な視認窓122,123を備えている。この構成によれば、使用者は、ケース102からタンク103,104を取り外さなくとも、視認窓122,123を介して、タンク103,104内の衣類処理剤の残量を容易に確認することができる。また、この場合、視認窓122,123は、ケース102の前壁部121に設けられている。従って、使用者は、ケース102をケース収容部101内から引き出さなくても、視認窓122,123を介して、タンク103,104内の衣類処理剤の残量を容易に確認することができる。
また、洗濯機1によれば、タンク103,104は、その下部に内方に向かって窪む凹部146,156を有し、この凹部146,156内にタンク側突出部147,157を備えている。この構成によれば、位置決め用のタンク側突出部147,157を設けつつもタンク103,104の底面を平坦状に維持することができる。従って、タンク103,104を床面などに安定的に載置することができ、当該タンク103,104内への衣類処理剤の補給を行いやすくできる。
また、洗濯機1によれば、視認窓122,123は、ケース102内にタンク103,104が収容された収容状態において凹部146,156が位置する部分を避けた位置に設けられている。この構成によれば、タンク103,104のうち衣類処理剤の残量が正確に示されない凹部146,156およびその上部を避けた位置において、視認窓122,123を介して衣類処理剤の正確な残量を確認することができる。なお、タンク103,104は、少なくともタンク本体部140,150を透明な材料あるいは半透明な材料で構成するとよい。これにより、使用者は、タンク103,104内の衣類処理剤の残量を一層視認しやすくできる。
また、洗濯機1によれば、タンク103,104は、当該タンク103,104の内方に突出する中空状の突出部164,174と、突出部164,174内に収容される逆止弁165,175と、突出部164,174内に逆止弁165,175が収容された状態で、当該突出部164,174の開口端に取り付けられるキャップ部167,177と、を備えている。そして、突出部164,174は、タンク103,104と同一の部品として設けられている。この構成によれば、タンク103,104に当該タンク103,104の内方に突出する中空状の突出部164,174を設けながらも、タンク103,104内から衣類処理剤が漏れ出すことを抑制することができる。
また、洗濯機1によれば、キャップ部167,177は、タンク103,104内において下方に延出する中空状のストロー部168,178を備えている。この構成によれば、ストロー部168,178を有するキャップ部167,177を単一の部品として取り扱うことができ、キャップ部とストロー部とを別部品として備える場合に比べ、部品点数の低減を図ることができる。また、組み立て性の向上を図ることができる。
また、洗濯機1によれば、突出部164,174は、円筒状に構成されている。そして、洗濯機1は、ストロー部168,178がタンク103,104内において下方に延出するように、円筒状の突出部164,174に対しキャップ部167,177を位置決めする位置決め部を備えている。そして、この位置決め部を構成する凸部164a,174aおよび窪み部167a,177aは、突出部164,174およびキャップ部167,177の上部に設けられている。この構成によれば、突出部164,174にキャップ部167,177を取り付ける際に、位置決め部を上方から視認しやすく、従って、突出部164,174に対するキャップ部167,177の位置決めを容易に行うことができる。
また、洗濯機1によれば、キャップ部167,177を突出部164,174に係止させる係止部を構成する爪部164b,174bおよび爪孔部167b,177bを、位置決め部を構成する凸部164a,174aおよび窪み部167a,177aを避けた位置に備えている。この構成によれば、突出部164,174に対するキャップ部167,177の位置決めを精度良く行いつつ、キャップ部167,177を突出部164,174に強固に固定することができ、取り付け後においても突出部164,174に対するキャップ部167,177の位置ずれを抑制することができる。
また、洗濯機1によれば、自動投入装置100は、ケース収容部101からのケース102の引き出し量を所定量に規制するストッパ125を備えている。また、ストッパ125は、ケース102内にタンク103,104が収容された収容状態において補給口142,152の後端よりも後側に設けられている。また、ストッパ125は、ケース102内にタンク103,104が収容された収容状態において補給口142,152の蓋149,159の後端よりも後側に設けられている。この構成によれば、使用者は、自動投入装置100からケース102を完全に取り外さなくとも、補給口142,152からタンク103,104内に衣類処理剤を補給することができる。
また、洗濯機1によれば、その本体部分に移動不能に固定されたケース収容部101内にケース102が押し込まれることに伴い、タンク103,104がポンプ105,106に接続される。即ち、洗濯機1によれば、ポンプ105,106を備える自動投入装置100のケース収容部101が洗濯機1の本体部分に移動不能に強固に固定されているので、このケース収容部101に対しケース102を押し込むことによって、タンク103,104をポンプ105,106に確実に接続することができる。
また、洗濯機1によれば、ケース収容部101は、自動投入装置100のケース収容部101からのケース102の引き出し量が所定量となったときにストッパ125が係止する凸部130を備えている。この構成によれば、使用者がケース102を引き出した際に、その引き出し量を確実に所定量に規制することができ、ケース102が意図せずケース収容部101から完全に抜き出されてしまうことを抑制することができる。
また、洗濯機1によれば、ストッパ125が凸部130に係止した係止状態において、タンク103,104は、ケース102内から取り出し不能である。この構成によれば、タンク103,104が意図せずケース102内から外れてしまうこと、あるいは、ケース102内から脱落してしまうことを抑制することができる。
また、洗濯機1によれば、ケース収容部101は、ケース102が引き出される方向に延びる溝部129を備え、ケース102は、溝部129の上面に当接する当接部131を備えている。この構成によれば、ケース102がケース収容部101内から引き出された状態において、溝部129の上面に当接部131が当接することによって、ケース102が自重によってケース収容部101内から脱落してしまうことを抑制することができる。
また、洗濯機1によれば、ケース102側のストッパ125とケース収容部101側の当接部131との間の距離D3は、ケース収容部101の上面と溝部129の上面との間の距離D4よりも長くなっている。この構成によれば、ケース102が自重によって傾斜することを一層抑制することができ、当該ケース102がケース収容部101内から脱落してしまうことを一層確実に抑制することができる。
また、洗濯機1によれば、蓋149,159が補給口142,152を閉塞した閉塞状態において、蓋149,159と補給口142,152との間をシールするパッキン161,171を備えている。この構成によれば、タンク103,104内の衣類処理剤が蓋149,159と補給口142,152との間からこぼれたり、蓋149,159と補給口142,152との間の隙間を通した通気によってタンク103,104内の衣類処理剤が乾燥して硬化したりすること抑制することができる。
また、洗濯機1によれば、タンク103,104の一部を構成するカバー部141,151は、空気が通過可能な通気孔160a,170aを備えている。この構成によれば、蓋149,159と補給口142,152との間の隙間がパッキン161,171によってシールされたとしても、タンク103,104の内外における通気を確保することができ、つまり、タンク103,104内を大気圧に開放することができる。よって、タンク103,104内からポンプ105,106への衣類処理剤の吸引を円滑に行うことができる。なお、通気孔160a,170aは、僅かな開口面積であるので、このような通気孔160a,170aから衣類処理剤が飛び出したり、この通気孔160a,170aを介した通気によってタンク103,104内の衣類処理剤が乾燥して硬化したりすることは殆どあるいは全く起こり得ない。
また、洗濯機1によれば、通気孔160a,170aは、蓋149,159の回動軸149c,159cを回動可能に支持する軸受け部160,170に設けられている。この構成によれば、通気孔160a,170aを外部から目立ちにくくすることができ、通気孔160a,170aを設けることに伴うタンク103,104の外観の悪化を抑制することができる。また、仮に蓋149,159の裏面に衣類処理剤が付着している場合には、蓋149,159を開いたときに、その衣類処理剤を通気孔160a,170aからタンク103,104内に戻すことができる。また、カバー部141,151を洗う場合には、通気孔160a,170aに水を通過させることができるので、軸受け部160,170に付着した衣類処理剤を洗い流しやすい。よって、軸受け部160,170において衣類処理剤が固着して取れなくなることを回避することができる。
また、洗濯機1は、補給口142,152の内面のうち少なくとも一部の面を傾斜面とすることにより、蓋149,159が補給口142,152を閉塞する閉塞位置から補給口142,152を開放する開放位置に回動することに伴い、パッキン161,171のパッキン片部161b,171bが補給口142,152の傾斜面に接触する接触面積が徐々に減少する構成とするとよい。これにより、使用者は、大きな力を要することなく蓋149,159を開くことができ、使い勝手の向上を図ることができる。
また、洗濯機1は、蓋149,159が補給口142,152を閉塞した閉塞状態において、蓋149,159の回動軸149c,159cとは反対側においてパッキン161,171が補給口142,152の内面に接触する接触面積が、蓋149,159の回動軸149c,159c側においてパッキン161,171が補給口142,152の内面に接触する接触面積よりも小さくなるように構成してもよい。この構成によっても、使用者は、大きな力を要することなく蓋149,159を開くことができ、使い勝手の向上を図ることができる。
また、洗濯機1によれば、ケース102の底面に、蓋149,159による補給口142,152の閉塞を促進する閉塞促進部として機能する突起部126を備えている。この構成によれば、タンク103,104が収容されたケース102を再びケース収容部101内に収容するときに、突起部126が、ケース102を上方に押し上げる。これにより、蓋149,159がケース収容部101の上面によって下方に押し込まれ、蓋149,159による補給口142,152の閉塞を促進することができる。よって、例えば、蓋149,159による補給口142,152の閉塞が不十分のままケース102がケース収容部101内に収容されてしまうことを回避することができ、ケース収容部101内においてタンク103,104内から衣類処理剤が飛び出てしまうような事態の発生を抑制することができる。また、ケース収容部101内からケース102を引き出したときに、タンク103,104内から衣類処理剤が飛び出てしまうような事態の発生も抑制することができる。特に、本実施形態では、蓋149,159にパッキン161,171が備えられているので、例えば当該パッキン161,171の弾性によって蓋149,159による補給口142,152の閉塞が不十分になることが懸念される。そのため、蓋149,159による補給口142,152の閉塞を促進する構成を適用することで、このような懸念を払拭することができる。
なお、本実施形態は、上述した一実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更や拡張を行うことができる。
例えば、図29に例示するように、ストッパ125は、ケース102内にタンク103,104が収容された状態において、当該タンク103,104の重心位置Pよりも前方に位置するように設けてもよい。この構成によれば、ケース収容部101からのケース102の引き出し量について、ストッパ125によって規制される所定量を短くすることができ、自重によるケース102の脱落を一層確実に抑制することができる。なお、タンク103,104の重心位置Pは、当該タンク103,104に衣類処理剤が貯留されていない状態における重心位置であってもよいし、当該タンク103,104に衣類処理剤が貯留されている状態における重心位置であってもよい。また、タンク103,104に衣類処理剤が貯留されている状態は、当該タンク103,104内に、最大量の衣類処理剤が貯留されている場合であってもよいし、最大量よりも少ない衣類処理剤が貯留されている状態であってもよい。
また、図30に例示するように、把持部143,153は、タンク103,104の外郭を形成する面の一端または他端まで到達していない構成であってもよい。なお、図30に例示する構成例は、把持部143,153は、タンク103,104の外郭を形成する面の上端には到達しているが、下端には到達していない構成例である。また、把持部143,153の長さは、タンク103,104の高さ寸法の例えば1/2の長さにするなど、その長さを適宜変更して実施することができる。
また、図31に例示するように、把持部143,153は、タンク103,104の高さ方向ではなく、タンク103,104の奥行方向、換言すれば、ケース102の引き出し方向に沿うように設けてもよい。なお、この場合も、把持部143,153は、タンク103,104の前端および他端に到達していてもよいし、途中まで延びる構成であってもよい。
また、図32に例示するように、把持部143,153は、タンク103,104の上下方向において互いに対向する面の双方に設けてもよい。また、図示は省略するが、把持部143,153は、タンク103,104の上下方向において互いに対向する面の一方のみに設けてもよい。なお、この場合も、把持部143,153は、タンク103,104の前端および他端に到達していてもよいし、途中まで延びる構成であってもよい。
また、本実施形態に適用可能なタンクは、洗剤を貯留する洗剤タンク103、柔軟剤を貯留する柔軟剤タンク104に限られるものではなく、例えば、消臭剤を貯留する消臭剤タンク、脱臭剤を貯留する脱臭剤タンク、除菌剤を貯留する除菌剤タンク、漂白剤を貯留する漂白剤タンクなど、衣類に何らかの処理を施す処理剤を貯留するタンクであれば種々の種類のタンクを適宜採用することができる。また、タンクの数は、2つに限られるものではなく、1つであってもよいし、3つ以上の複数であってもよい。また、複数のタンクを備える場合には、複数のタンクは同じ種類の処理剤を貯留するタンクであってもよいし、異なる種類の処理剤を貯留するタンクであってもよい。
また、本実施形態は、回転槽の回転中心軸が水平方向あるいは傾斜方向に延びる、いわゆる横軸型の洗濯機にも適用することができる。また、本実施形態は、乾燥機能を有する洗濯機にも適用することができる。また、本実施形態は、乾燥機能を有しない洗濯機にも適用することができる。また、本実施形態は、例えば、衣類の消臭、脱臭、除菌、漂白など、衣類に対して何らかの処理を施す装置であれば、種々の衣類処理装置に適用することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。