JP7518666B2 - プリズム筐体、プリズムユニットおよび光学部品 - Google Patents
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Description
そこで、レンズユニットの物体側において、複数のプリズムを光軸方向に重ねて配置するとともに、プリズムの角度(光軸に対する角度)を調整することによって、画角を任意に調整することが考えられるが、複数のプリズムを光軸方向の所定の位置に配置するとともにプリズムの角度を調整するのは困難である。例えば、各プリズムを保持する筐体を軸方向に並べるにしても、各筐体の位置決めが困難であるとともに、筐体の数が増え、また、筐体を樹脂の射出成形によって形成した場合、筐体には金型の抜き勾配に沿った斜面があるため、この斜面にプリズムを固定しても正確な位置決めや角度調整を行うのは困難である。また、金型の抜き方向を光軸と直交方向とした筐体の場合、抜き方向と直交する面にプリズムを固定すると、プリズムが片持ち梁の状態で支持されるので、当該プリズムの取り付け部が撓んでプリズムが傾いてしまい、プリズムの正確な位置決めや角度調整を行うのは困難である。
筒状の筐体本体と、
前記筐体本体の内面に設けられ、前記複数のプリズムそれぞれの少なくとも軸方向の位置と、軸方向に対する傾きを決める複数の位置傾き決定部とを備えたことを特徴とする。
前記位置傾き決定部は、前記筐体本体の対向する内面に前記筐体本体と一体的に形成されたリブによって構成されていてもよい。
最も像側に位置する前記プリズムの軸方向の位置と、軸方向に対する傾きを決める前記位置傾き決定部は、前記筐体本体の軸方向と直交する直交面に形成された第1リブによって構成され、
最も像側に位置する前記プリズム以外の前記プリズムの軸方向の位置と、軸方向に対する傾きを決める前記位置傾き決定部は、前記筐体本体の軸方向と直交する方向において対向する内面にそれぞれ形成された第2リブによって構成されていてもよい。
像側に位置する前記プリズムの軸方向の位置と、軸方向に対する傾きを決める前記第1リブは、少なくとも3つあり、かつ前記直交面からの高さが同高さであり、
物体側に位置する前記プリズムの軸方向の位置と、軸方向に対する傾きを決める前記第2リブは、軸方向に延在し、かつ軸方向と直交する方向において対向して、物体側の先端部で前記プリズムの長さ方向の一端側において前記プリズムの幅方向端部を支持する第1支持部と、前記プリズムの長さ方向の他端側において前記プリズムの幅方向端部を支持する第2支持部とを有していてもよい。
また、第2リブは、第1支持部と第2支持部とを有し、第1支持部は、物体側の先端部でプリズムの長さ方向の一端側においてプリズムの幅方向端部を支持し、第2支持部は、物体側の先端部でプリズムの長さ方向の他端側において前記プリズムの幅方向端部を支持するので、物体側のプリズムを所望の角度で安定的に設置できる。
前記プリズム筐体に、軸方向に重ねた状態に保持された複数のプリズムを備えたことを特徴とする。
この場合、プリズム筐体の内面に設けられる、軸方向に隣り合う位置傾き決定部は、物体側に位置するプリズム位置傾き決定部を構成する第2リブ21,21間の距離の方が、像側に位置するプリズム位置傾き決定部を構成する第1リブ22a,22a間の距離より長いことが好ましい。
前記レンズユニットの物体側の端部に、前記プリズムユニットの像側の端部が接続されていることを特徴とする。
なお、以下で説明する本実施形態のプリズム筐体およびプリズムユニットは、車載カメラ等のカメラモジュール用のものであるが、これに限ることはない。例えば防犯カメラ等のカメラモジュール用のものであってもよい。
図3~図6はプリズム筐体13を示すもので、図3は平面図、図4は図3におけるA-A線視断面図、図5は図3におけるB-B線視断面図、図6は図3におけるC-C線視断面図である。
図7は2つのプリズムを示すもので、(a)は物体側に配置されるプリズムの斜視図、(b)は像側に配置されるプリズムの斜視図である。
プリズムユニット10は、図2に示すように、複数(本実施形態では2個)のプリズム11,12と、これらプリズム11,12を軸方向に所定の角度をもたせて重ねた状態で保持する筒状のプリズム筐体13とを備えている。なお、プリズム筐体13は3個以上のプリズムを軸方向に重ねた状態で保持するものであってもよい。
プリズム筐体13の一端側(上端側)を物体側、他端側(下端側)を像側とすると、プリズム筐体13は、四角筒状に形成された筐体本体14と、この筐体本体14の像側(下端側)の端部(下端部)に設けられた円筒状の接続部15とから構成されている。
また、プリズム筐体13の接続部15にレンズユニット70の物体側の端部(上端部)を嵌め込んで接続した状態において、レンズユニット70の光軸と、プリズム筐体13の軸とは一致している。
また、プリズム筐体13の下端面には、プリズム筐体13をカメラモジュールのカメラケース等の他の部材に接続する際に、当該他の部材に嵌合させて固定するための複数の固定部16が突出形成されている。
また、プリズム筐体13(筐体本体14)の軸は、レンズユニット70の光軸と一致している。
すなわちまず、図2~図6に示すように、筐体本体14の内部には、2つのプリズム11,12が配置されている。筐体本体14の上端側を物体側、下端側を像側とすると、プリズム11が物体側に配置され、プリズム12が像側に配置されている。
筐体本体14の内面には、2つのプリズム11,12それぞれの少なくとも軸方向の位置と、軸方向に対する傾きを決める位置傾き決定部20,22がそれぞれ設けられている。
位置傾き決定部22は、像側(下端側)に位置するプリズム12の位置傾きを決定するものであり、プリズム筐体13(筐体本体14)の軸方向と直交する直交面13aに形成された第1リブ22aを4つ備えている。図3に示すように、第1リブ22aは、平面視略コ字状に形成され、直交面13aの4つの隅部にそれぞれ設けられている。X方向において対向する第1リブ22a,22a間の距離は、プリズム12の長さL2より短くなっており、Y方向において対向する第1リブ22a,22a間の距離はプリズム12の幅W2より短くなっている。なお、プリズム12の長さL2とは、図7(b)に示すように、長辺面12aの長辺の長さである。
また、4つの第1リブ22aは直交面13aからの高さが全て同高さとなっており、当該4つの第1リブ22aの上面にプリズム12の長辺面12aが設置されている(図2参照)。したがって、図2に示すように、プリズム12は、長辺面12aが4つの第1リブ22aに設置されることで、長辺面12aがプリズム筐体13の軸およびレンズユニット70の光軸に対して直交し、軸方向の位置決めと、軸方向に対する傾きが決定される。
X方向の位置決めを行うリブ22b,22c,22dは筐体本体14のX方向において対向する内面に設けられている。リブ22bは4つあり、筐体本体14のX方向において対向する内面のうちの一方(図3において左方)の内面にY方向に所定間隔で設けられている。また、図5に示すように、リブ22bは直交面13aから軸方向上方に向けて延在しており、互いに平行に配置されている。
また、リブ22cおよびリブ22dは内面からの高さが等しくなっている。また、図6に示すように、リブ22cおよびリブ22dは直交面13aから軸方向上方に向けて延在しており、互いに平行に配置されている。また、リブ22cはリブ22dより高く形成されている。
また、図3において、Y方向の位置決めを行うリブ22eは、筐体本体14のY方向において対向する内面の双方(両面)に対向して設けられている。また、図4に示すように、リブ22eは直交面13aから軸方向上方に向けて延在している。
したがって、プリズム12は、位置傾き決定部22によって、プリズム筐体13(筐体本体14)の軸方向の位置、軸方向に対する傾きおよび水平方向(X方向およびY方向)の位置決めがなされている。そして、このように位置決めされた状態でプリズム12は、プリズム12とリブ22b,22c,22d,22eとの当接部位の少なくとも一部に接着剤を適宜塗布することによって、プリズム筐体13に固定されている。
第2リブ21は、Y方向において対向する内面にそれぞれ形成されたリブ21a、リブ21b、リブ21cおよび前記リブ21dを備えている。
第1支持部31を構成するリブ21a,21bは、図4に示すように、プリズム筐体13の軸方向に延在し、かつ軸方向と直交する方向(図3においてY方向)おいて対向している。つまり、第1支持部31はY方向において対向して設けられたリブ21a,21aおよびY方向において対向して設けられたリブ21b,21bによって構成されている。
また、図4に示すように、リブ21a,21bは直交面13aから軸方向上方に延在しており、リブ21aがリブ21bより直交面13aからの高さが高くなっている。また、リブ21aの上端部には段差部21sが設けられ、当該段差部21sはリブ21bの上端より若干上方に位置している。
また、図3に示すように、Y方向において対向するリブ21a,21a間の距離およびY方向において対向するリブ21b,21b間の距離は、プリズム11の幅W1より短くなっているが、プリズム12の幅W2より長くなっている。したがって、プリズム12を筐体本体14の上端側から挿入する際に、プリズム12がリブ21a,21a,21b,21bに干渉して、挿入不能となることがない。
プリズム11は、図2に示すように、長辺面11aと短辺面11cとの稜線部がリブ21aの段差部21sに設置されるとともに、当該稜線部の近傍の長辺面11aがリブ21bの先端に設置されている。
また、リブ21c,21dは直交面13aから軸方向上方に延在しており、リブ21dがリブ21cより直交面13aからの高さが高くなっている。また、リブ21dの上端部には段差部21tが設けられ、当該段差部21tはリブ21bの上端より下方に位置している。
また、図3に示すように、Y方向において対向するリブ21c,21c間の距離およびY方向において対向するリブ21d,21d間の距離は、プリズム11の幅W1より短くなっているが、プリズム12の幅W2より長くなっている。したがって、プリズム12を筐体本体14の上端側から挿入する際に、プリズム12がリブ21c,21c,21d,21dに干渉して、挿入不能となることがない。
プリズム11は、図2に示すように、長辺面11aと短辺面11cとの稜線部がリブ21aの段差部21sに設置されるとともに、当該稜線部の近傍の長辺面11aがリブ21bの先端に設置され、さらに、長辺面11aと斜面11bと稜線部がリブ21dの段差部21tに設置されるとともに、当該稜線部の近傍の長辺面11aがリブ21cの先端に設置されている。
X方向の位置決めを行うリブは、リブ21aの段差部21sより高い部位およびリブ21dの段差部21tより高い部分であり、Y方向の位置決めを行うリブは、プリズム筐体13のY方向の対向する内面に対向して設けられたリブ21e,21eである。リブ21eは、図4に示すように、直交面13aから軸方向上方に向けて延在しており、直交面13aからの高さはリブ21bより高く、リブ21aより低くなっている。
すなわち、プリズム12はその長辺面12aが第1リブ22aに設置されているので、長辺面12aと斜面12bとのなす角度を適宜設定することによって、プリズム11による光の屈折方向を調整できる。
また、プリズム11はリブ21aの段差部21sおよびリブ21dの段差部21tによって支持されているので、段差部21sおよび段差部21tの高さを調整することによって、プリズム11の長辺面11aの傾き(プリズム筐体13の軸に対する傾き)を調整でき、さらに、プリズム11の長辺面11aと斜面11bとのなす角度を適宜設定することによって、プリズム11による光の屈折方向を調整できる。このようにして、両プリズム11,12を調整することによって、プリズム11,12を正確に軸方向に位置決めできるとともに、所望の画角に調整できる。例えば、レンズユニット70の水平方向の画角を、プリズム11,12によって当該画角より狭い水平方向の画角に調整できる。
レンズユニット70は、光軸に沿って並べられた複数のレンズと、絞り部材と、これら複数のレンズおよび絞り部材が収納される鏡筒とを備えている。
そして、レンズユニット70の鏡筒の上端部(物体側の端部)をプリズムユニット10の円筒状の接続部15に嵌め込むことによって、プリズムユニット10とレンズユニット70とが接続され、これによって光学部品100が構成される。光学部品100では、レンズユニット70の光軸と、プリズムユニット10のプリズム筐体13の軸とが一致している。
また、光学部品100を備えたカメラモジュールは、外装部品であるカメラケースと、光学部品100のレンズユニット70を保持するマウントと、パッケージセンサ(撮像素子)を備えている。
また、筐体本体14は樹脂の射出形成によって形成され、位置傾き決定部20,22は、筐体本体14の対向する内面に筐体本体14と一体的に形成されたリブ21a~21eおよびリブ22a~22dによって構成されているので、射出成形の際に、筐体本体14の対向する内面にリブ21a~22eおよびリブ22a~22dを一体的に形成することができる。よって位置傾き決定部20,22を容易に形成できる。
また、物体側に位置するプリズム11の軸方向の位置と、軸方向に対する傾きを決める第2リブ21は、軸方向に延在し、かつ軸方向と直交する方向において対向して、物体側の先端部でプリズム11の長さ方向の一端側においてプリズム11の幅方向端部を支持する第1支持部31と、プリズム11の長さ方向の他端側においてプリズム11の幅方向端部を支持する第2支持部32とを有しているので、物体側のプリズム11を所望の角度で安定的に設置できる。
3つ以上のプリズムは、最も物体側に位置するプリズムから最も像側に位置するプリズムにかけて段階的に幅が狭くなっていることが好ましい。
そして、3つ以上のプリズム用の3つ以上の位置傾き決定部では、筐体本体14の対向する内面に対向して設けるリブ間の距離は、物体側の位置傾き決定部ほど大きくなるように設定するのが好ましい。
11,12 プリズム
13 プリズム筐体
14 筐体本体
15 接続部
20,22 位置傾き決定部
21 第2リブ
22a 第1リブ
31 第1支持部
32 第2支持部
70 レンズユニット
100 光学部品
Claims (5)
- 複数のプリズムを軸方向に重ねた状態で保持する筒状のプリズム筐体であって、
筒状の筐体本体と、
前記筐体本体の内面に設けられ、前記複数のプリズムそれぞれの少なくとも軸方向の位置と、軸方向に対する傾きを決める複数の位置傾き決定部とを備え、
前記筐体本体は樹脂の射出形成によって形成され、
軸方向の一端側を物体側、他端側を像側とすると、
最も像側に位置する前記プリズムの軸方向の位置と、軸方向に対する傾きを決める前記位置傾き決定部は、前記筐体本体の軸方向と直交する直交面に形成された第1リブによって構成され、
最も像側に位置する前記プリズム以外の他のプリズムの軸方向の位置と、軸方向に対する傾きを決める前記位置傾き決定部は、前記筐体本体の軸方向と直交する方向において対向する内面にそれぞれ形成された第2リブによって構成され、
前記第2リブは、前記筐体本体の前記プリズムの幅方向において対向する内面にそれぞれ形成されたリブによって構成され、
前記プリズムの幅方向において対向する前記リブ間の距離は、前記他のプリズムの幅より短く、かつ前記プリズムの幅より長くなっていることを特徴とするプリズム筐体。 - 前記プリズムを2個保持し、
像側に位置する前記プリズムの軸方向の位置と、軸方向に対する傾きを決める前記第1リブは、少なくとも3つあり、かつ前記直交面からの高さが同高さであり、
物体側に位置する前記プリズムの軸方向の位置と、軸方向に対する傾きを決める前記第2リブは、軸方向に延在し、かつ軸方向と直交する方向において対向して、物体側の先端部で前記プリズムの長さ方向の一端側において前記プリズムの幅方向端部を支持する第1支持部と、前記プリズムの長さ方向の他端側において前記プリズムの幅方向端部を支持する第2支持部とを有していることを特徴とする請求項1に記載のプリズム筐体。 - 請求項1または2に記載のプリズム筐体と、
前記プリズム筐体に、軸方向に重ねた状態に保持された複数のプリズムとを備えたことを特徴とするプリズムユニット。 - 軸方向の一端側を物体側、他端側を像側とすると、
前記複数のプリズムは、最も物体側に位置するプリズムから最も像側に位置するプリズムにかけて段階的に幅が狭くなっていることを特徴とする請求項3に記載のプリズムユニット。 - 請求項3または4に記載のプリズムユニットと、レンズユニットとを備え、
前記レンズユニットの物体側の端部に、前記プリズムユニットの像側の端部が接続されていることを特徴とする光学部品。
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