JP2010079162A - 複数方向撮像装置及びそれを備えた車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数方向の被写体を単一の撮像素子にて撮像すると共に、画角の確保、薄型化、高性能化しやすい複数方向撮像装置を提供する。
【解決手段】撮像光学系1101と撮像光学系1102を有し、各撮像光学系は、プリズムと、プリズムに入射する光束を制限する開口部を持つ明るさ絞りを備え、各プリズムは入射面、正パワーの反射面、射出面を有し、明るさ絞りはプリズムの入射面の直前に配置され、第1のプリズムの側面と第2のプリズムの側面を向かい合わせ、かつ、各々の側面の間に遮光物を配置するか若しくは側面を拡散面とし、撮像面に対して垂直な方向をS軸方向、S軸方向に直交し2つの撮像光学系が並ぶ方向をV軸方向、S軸方向とV軸方向の双方に直交する方向をH軸方向とするとき、各明るさ絞りの開口部は、V軸方向のサイズがそれと直交する方向のサイズよりも小さい。
【選択図】図15

Description

本発明は、複数方向撮像装置及びそれを備えた車両に関し、特に、単一の撮像素子上に撮像方向の異なる複数の被写体を撮像可能な複数方向撮像装置と、それを備えた車両に関するものである。
従来、複数の方向を同時に観察可能な車載カメラとして、結像レンズの前方に1個又は2個のプリズムを取り付けて左右両方向の映像を同一撮像面に並べて撮像するものが知られている(特許文献1、2、3、4)。
特開2000− 89301号公報 特開2004−341509号公報 特開平10−229512号公報 特開平10−287176号公報
しかしながら、従来の複数方向撮像装置に用いられる光学系は、撮像面直前の明るさ絞り(若しくはそれに相当するレンズ)よりもさらに被写体側に反射面を持つプリズムが配置される構成である。
撮像素子へ入射する光線の入射角が大きくなると、色シェーディングが発生する。そのため、従来の構成では、明るさ絞り(若しくはそれに相当するレンズ)を撮像面から遠ざけ、さらに、その撮像面から離れた位置にプリズムが配置されることになり、撮像装置が厚くなりやすい。
また、これらの従来技術は、共通の明るさ絞りを持つ共通の結像光学系と、それよりもさらに被写体側にパワーレスの反射面を用いて撮像方向を複数化するものであり、薄型化と撮影画角の確保の両立化に不利である。
本発明は従来技術のこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数方向の被写体を単一の撮像素子にて撮像すると共に、画角の確保、薄型化、高性能化しやすい複数方向撮像装置を提供することである。
さらには、それを備えた車両を提供することである。
上記目的を達成する本発明の複数方向撮像装置は、撮像面を持つ撮像素子と、
前記撮像面上に異なる方向の複数の被写体の像を形成する結像光学系を有する複数方向撮像装置において、
前記結像光学系は、前記撮像素子の撮像面の前方に並列配置された第1の撮像光学系及び第2の撮像光学系を有し、
前記第1の撮像光学系は、前記撮像素子の前記撮像面の前方に配置された第1のプリズムと、前記第1のプリズムに入射する光束を制限する開口部を持つ第1の明るさ絞りを備え、
前記第1のプリズムは、光線が入射する入射面、前記光線が反射する正パワーの反射面、前記光線が射出する射出面を有し、
前記第1の明るさ絞りは、前記第1のプリズムの前記入射面の直前に配置され、
前記第2の撮像光学系は、前記第1のプリズムと並列しかつ前記撮像素子の前記撮像面の前方に配置された第2のプリズムと、前記第2のプリズムに入射する光束を制限する第2の明るさ絞りを備え、
前記第2のプリズムは、光線が入射する入射面、前記光線が反射する正パワーの反射面、前記光線が射出する射出面を有し、
前記第2の明るさ絞りは、前記第2のプリズムの前記入射面の直前に配置され、
前記第1のプリズムの側面と前記第2のプリズムの側面を向かい合わせ、かつ、前記各々の側面の間に遮光物を配置するか若しくは前記側面を拡散面とし、
前記撮像面に対して垂直な方向をS軸方向、前記S軸方向に直交し前記第1及び前記第2の撮像光学系が並ぶ方向をV軸方向、前記S軸方向とV軸方向の双方に直交する方向をH軸方向とするとき、
前記第1の明るさ絞りの前記開口部と前記第2の明るさ絞りの前記開口部の各々は、前記V軸方向のサイズがそれと直交する方向のサイズよりも小さいことを特徴とするものである。
上記複数方向撮像装置の作用効果を説明する。
このような構成により、単体の撮像素子にて複数の異なる方向の被写体の画像を撮像できる。それにより、撮像素子の数を少なくでき、コスト上有利となる。
複数の撮像光学系を撮像面前方にて並列配置することで、それぞれの被写体の像も撮像面上で並列し、撮像面における有効撮像領域の確保に有利となる。
また、上述のように各々の撮像光学系中の各プリズムと各明るさ絞りを構成することで各々のプリズムに結像機能を持たせられ、撮像素子へ入射する光線の入射角を小さくでき、H方向の画角の確保や各撮像光学系のS軸方向の小型化(しいては、装置の薄型化)に有利となる。
一方、第1、第2の撮像光学系が並列配置されることで、一方の光学系に入射した不要光束が各々のプリズムの側面を通過して他方の光学系に入射しやすくなるが、上述の位置に遮光物を配置するか、プリズム側面を拡散面にすることで、不要光の影響を低減できる。
また、第1、第2の撮像光学系はV軸方向にてプリズムサイズが制限されやすい。そのため、プリズムの側面で反射する不要光がフレア等の原因となりやすい。
そこで、プリズムの側面に至る不要光の光量を制限し、かつ、撮像光学系の明るさを確保するために、明るさ絞りの開口部を上述の形状としている。
このように、プリズムの並ぶV軸方向の開口部サイズを小さくすることで、プリズムの側面に到る光束を制限しやすくなる。かつ、V軸に直交する方向の開口部サイズを確保することで、明るさの確保に有利となる。
なお、明るさ絞りはプリズムの面上に黒塗りした塗料、プリズムから離間した絞り部材(プリズムの保持枠と一体化したものでも可)等で構成できる。
遮光物は、少なくとも一方のプリズムの側面上に黒塗りした塗料、各プリズムに挟まれた遮光板等で構成できる。拡散処理としては、プリズムの側面を砂ズリ面や微細構造パターンの凹凸面とすることで構成できる。
さらには、前記第1の明るさ絞りと前記第2の明るさ絞りが以下の条件(1)、(2)を満足することが好ましい。
0.1<S1V/IMV<0.5 ・・・(1)
0.1<S2V/IMV<0.5 ・・・(2)
ただし、S1Vは、V軸方向における前記第1の明るさ絞りの開口部のサイズ、
S2Vは、V軸方向における前記第2の明るさ絞りの開口部のサイズ、
IMVは、前記第1の撮影光学系による像の重心と前記第2の撮影光学系による像の重心とのV軸方向における距離、
である。
条件(1)、(2)は、V軸方向における各像重心同士の距離に対する開口部の好ましいサイズを特定するものである。
条件(1)、(2)の下限のそれぞれ0.1を下回らないようにして、開口部のV軸方向のサイズを確保することで、明るさを確保しやすくなり、回折の影響も抑えやすくなる。また、上限のそれぞれ0.5を上回らないようにすることで、各プリズムの側面へ向かう光線を低減しやすくなり、フレア低減による画質の向上に有利となる。
さらには、前記第1の明るさ絞りと前記第2の明るさ絞りが以下の条件(3)、(4)を満足することが好ましい。
0.3<S1V/S1H<0.8 ・・・(3)
0.3<S2V/S2H<0.8 ・・・(4)
ただし、S1Vは、V軸方向における前記第1の明るさ絞りの開口部のサイズ、
S1Hは、V軸方向に直交する方向における前記第1の明るさ絞りの開口部のサイズ、
S2Vは、V軸方向における前記第2の明るさ絞りの開口部のサイズ、
S2Hは、V軸方向に直交する方向における前記第2の明るさ絞りの開口部のサイズ、
である。
条件(3)、(4)は、明るさ絞りの好ましい形状を特定するものである。条件(3)、(4)の下限のそれぞれ0.3を下回らないようにすることで、各撮像光学系における、V軸方向に直交する方向での収差の影響を抑えられる。また、焦点深度の確保に有利となる。
また、上限のそれぞれ0.8を上回らないようにすることで、撮影光学系の明るさの確保に有利となる。
さらに、以下のいずれか一つ、さらには複数の構成を同時に満足する構成とすることができる。
前記V軸方向に対して交差する方向の複数の被写体の像を前記撮像面上にてV軸方向に並べて形成するようにする。
このように構成することで、V軸方向を地面に対して垂直方向とした場合、それに交差する方向は左右水平方向となり、その方向に広い画角の像が得られる。
例えば、この複数方向撮像装置を車載カメラに用いる場合、路面に対して水平の方向に
、広い画角を持つ左右それぞれの方向からの像を得ることが可能となる。
また、前記第1、第2の撮像光学系中の前記正パワーの反射面のそれぞれの形状は非回転対称の非球面形状であるようにする。
このように構成することで、回転対称の反射面に比べ、偏心反射による収差の低減に有利となる。例えば、回転対称の曲面反射面を軸上主光線に対して偏心させると台形上の歪みが発生するが、非回転対称の形状とすれば台形上の歪みを補正でき、広視野ながら歪みの少ない画像が得られる。
また、前記第1、第2の撮像光学系のそれぞれは、複数の反射面を有するようにする。
このようにそれぞれの撮像光学系は、反射面を複数とすることで、光路を複数回反射するものとし、撮像光学系の小型化に有利となる。
また、前記第1、第2の撮像光学系のそれぞれは、複数の曲面反射面を有するようにする。
このようにそれぞれの撮像光学系の反射面を曲面反射面とすることで、偏心による収差の補正を行いやすくなり、撮像光学系の小型化に有利となる。
また、前記第1、第2の撮像光学系の前記複数の曲面反射面のそれぞれの形状は、非回転対称の非球面形状であることが望ましい。
このように構成することで、設計自由度の確保ができ、偏心による収差を相殺する補正が一層行いやすくなり、小型化に有利となる。
まが、前記少なくとも2つの撮像光学系の前記プリズムの各々は、被写体側から像面への軸上主光線に沿って順に、前記入射面である第1面、内部反射作用と透過作用を有する第2面、前記正パワーの反射面である第3面の3つの光学面を有し、屈折率が1.3よりも大きい媒質で構成され、軸上主光線は、前記第1面を透過して媒質内部に入り、前記第2面で反射し、次いで前記第3面で反射され、次いで前記第2面を透過して媒質外に射出する反射光路をとるものとすることができる。
このように構成し、射出面である第2面を反射と透過の双方の機能を持たせることで、プリズム内の光路を確保しつつプリズムサイズを小さくすることができるので、各々の撮像光学系の小型化に有利となる。
なお、軸上主光線は、各撮像光学系による像面の重心と各開口絞り開口部の重心の双方を通る光線と定義する。
また、前記第1、第2の撮像光学系の軸上主光線を含む面がV軸方向に対して垂直となるように、前記第1、第2の撮像光学系中の各反射面は、軸上主光線に対して傾いて配置されているものとすることができる。
このように構成することで、例えば、第1、第2の撮像光学系で路面に水平な左右方向を撮像する場合、上下方向に並ぶ各撮像光学系の軸上主光線を含む面を水平方向とするべく、各反射面の軸上主光線の入射位置での法線が水平方向の面内となるように各反射面を配置する。こうすることで、左右方向に広い画角の像が得られる。
また、前記第1、第2の撮像光学系はそれぞれが同一形状の光学系であり、一方の撮像光学系に対して他方の撮像光学系は、撮像素子の撮像面に垂直な軸を対称軸として反転した配置となっているものとすることができる。
このように構成することで、複数の撮像光学系の部品を同じ製造工程で作製できるので、製造コストの低減に有利となる。
また、前記第1、第2の撮像光学系に加えて、第3の撮像光学系を有し、
前記第3の撮像光学系は、前記第1のプリズム及び前記第2のプリズムと共に並列し、かつ、前記撮像素子の前記撮像面の前方に配置された第3のプリズムと、前記第3のプリズムに入射する光束を制限する第3の明るさ絞りを備え、
前記第3のプリズムは、光線が入射する入射面、前記光線が反射する正パワーの反射面、前記光線が射出する射出面を有し、
前記第3の明るさ絞りは、前記第3のプリズムの前記入射面の直前に配置され、
前記第2のプリズムの側面と前記第3のプリズムの側面を向かい合わせ、かつ、前記各々の側面の間に遮光物を配置するか若しくは前記側面を拡散面とし、
前記第3の明るさ絞りの前記開口部は前記V軸方向のサイズがそれと直交する方向のサイズよりも小さいように構成することができる。
このように構成することで、3つの撮像光学系で撮像する方向を分担することができ、撮像範囲の死角が少ない複数方向撮像装置となる。
また、前記第1のプリズムと前記第2のプリズムは前記撮像面に垂直な軸に対して軸回転対称に配置されると共に、前記第3のプリズムは前記第1のプリズムと同じ向きに配置され、
前記第3の撮像光学系は、前記第3の明るさ絞りの被写体側に配置された反射部材を有するように構成することができる。
このように構成すると、例えば第1、第2の撮像光学系で左右方向を撮像する場合、第3の撮像光学系では、正面や上方、下方を撮像することができる。
そして、3つのプリズムが互い違いに整然と並ぶことで、有効撮像領域の面積の確保に有利となる。
また、前記第3の撮像光学系の前記反射部材は、透過作用と内部反射作用を有する第4面、反射作用を有する第5面、透過作用を有する第6面を有し、前記軸上主光線は前記第4面を透過して媒質内部に入り、前記第5面で反射し、次いで前記第4面で反射し、次いで前記第6面を透過して媒質外に射出する反射光路をとるように構成することができる。
このように被写体側に配置する反射部材の第4面に反射と透過の双方の機能を持たせることで、広い画角の光路を確保しつつ撮像光学系の薄型化に有利となる。
また、前記第3の撮像光学系における前記プリズムは、被写体側から像面への軸上主光線に沿って順に、前記入射面である第1面、内部反射作用と透過作用を有する第2面、前記正パワーの反射面である第3面の3つの光学面を有し、屈折率が1.3よりも大きい媒質で構成され、前記軸上主光線は前記第1面を透過してプリズム内部に入り、前記第2面で反射し、次いで前記第3面で反射され、次いで前記第2面を透過してプリズム外に射出する反射光路をとるものとすることができる。
このように、第3の撮像光学系におけるプリズムの反射面である第2面に反射と透過の
双方の機能を持たせることで、プリズム内の光路を確保しつつプリズムサイズを小さくできるので、撮像光学系の小型化に有利となる。
また、車体と、前記車体の前側部分に取り付けられた何れかの複数方向撮像装置とを備えるようにすることで車両を構成することができる。
このように構成することで、例えば、車両が駐車位置から道路に進入する際に周辺の状況を確認しやすくなる。また、ドライブレコーダー用の撮像装置としてもよい。
また、車体と、前記車体の後側部分に取り付けられた何れかの複数方向撮像装置とを備えるようにすることで車両を構成することができる。
このように構成することで、例えば、車両を後退により駐車位置に移動させる際に周辺の状況を確認しやすくなる。また、ドライブレコーダー用の撮像装置としてもよい。
また、車体と、前記車体の左右両側部分に取り付けられた何れかの複数方向撮像装置とを備えるようにすることで車両を構成することができる。
このように構成することで、例えば、車両の左右の死角の確認がしやすくなる。また、ドライブレコーダー用の撮像装置としてもよい。
以上のように、本発明により、複数方向の被写体を単一の撮像素子にて撮像すると共に、撮影画角の確保、薄型化、高性能化しやすい複数方向撮像装置を提供することができる。さらには、それを備えた車両を提供することができる。
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の形態を具体的に説明する。
なお、ここで具体的に開示したもの以外にも本発明が適用可能である。
図1、図2は、本発明に従う複数方向撮像装置の実施の形態を示した外観斜視図であり、図3A、図3Bは、図1、図2に示した複数方向撮像装置の分解状態を示した図、図4〜図6は、図1におけるA−A断面(第1の撮像光学系)、B−B断面(第2の撮像光学系)、C−C断面(第3の撮像光学系)を示した図である。
図における符号1は、複数個のプリズム(第1、第2、第3のプリズム)を組み入れるフレームである(図3参照)。
このフレーム1には、長手方向の中央部分に天面壁1aから底面壁1bに向けて矩形状に開口する貫通孔hが形成されており、天面壁1a、底面壁1bの両側に位置する傾斜側壁1c、1dには該貫通孔hに連通するように切り欠かれた区画凹所e1 〜e3 が設けられている。
そして、この区画凹所e1 〜e3 の底部の対向位置には2つで1組になる座部t1 〜t6 (t1 、t2 で1組、t3 、t4 で1組、t5 、t6 で1組になる)が形成されている(図7、図8参照)。
また、符号2はフレーム1を載置するホルダ、3はホルダ2に固着(ボルトによる連結等)させて各プリズムをフレーム1と共に内側に収納するカバー体である。
カバー体3には、第1、第2、第3のプリズムの第1面(入射面)において開口する窓孔3a〜3cが設けられており、フレーム1とはねじや接着によって着脱自在に固定される。
カバー体3の窓孔3a〜3cには異物の侵入を防止するためカバーガラス等が適宜設けられ、窓孔の開放角度は各プリズムの性能(撮像する視野の範囲)や絞りのサイズに応じて設定される。
また、H方向が水平方向、V方向が垂直方向となるように複数方向撮像装置を配置としたときに、第1のプリズム4は右側視野を真横(カバー体3に形成された凹部3cの外表面)から前方に向けて角度θ1 :60°の範囲で撮像を可能としたプリズムである(図3、図4参照)。
第1のプリズム4は、図9にその形状を具体的に示すように、光の透過作用を有する第1面(入射面)4a、光の内部反射と透過作用を有する第2面(出射面であり貫通孔hの底面壁1bの出側に位置する。)4b、及び、光の反射作用を有する正パワーの第3面4cの3つの光学面を有し、第1面4a、第2面4b、第3面4cのそれぞれがレンズ機能を兼ね備えている。
この第2面4bの両側の端部には、フレーム1の座部t1 〜t6 に適合して簡単かつ正確に位置決め配置することができる段差k1 、k2 が形成されている。
ここで、第1の光学素子(第1のプリズム)4は、屈折率が1.3よりも大きな媒質で形成され、固定絞り(明るさ絞り)の開口部を通して入射された対象視野からの光は、第1面4aを透過して媒質内部に入り、第2面4bで全反射されたのち第3面4cにて反射され、さらに、再度第2面4bを透過して出射される。
第2のプリズム5は、第1のプリズム4と同様のプリズム(外観形状は第1のプリズム4と同じ。)である(図3、図5参照)。
この第2のプリズム5は、入射面である第1面5aを第1のプリズム4とは正反対に指向させて貫通孔hに並列に配置されるものであり、左側の視野を真横から前方に向かって角度θ2 :60°の範囲で撮影することが可能になっている。ここに正反対に配置するとは、具体的に図3Aあるいは図7に示したように、第1のプリズム4に対し撮像素子へ向かう軸上主光線の周りで180°回転させて相互に平行となる配置をいう。
また、第3のプリズム6は、第1のプリズム4、第2のプリズム5と同様の構成になるものである(図3、図6参照)。
この第3のプリズム6は、第2のプリズム5とは入射面である第1面6aの向きを正反対に指向させて貫通孔hに並列に配置されるものである(図3、図7参照)。
そして、その第1面6aの入射側には三角柱状あるいは台形状等にて形成された前段プリズム7が配置されている(図1〜図3参照)。
この前段プリズム7は、その外観を図10に示すように、ゴーストの発生や色むらの防止を図るために、入射面7a、出射面7bにARコート処理(SiO+SiO2 の皮膜)が施され、また、反射面7cにAlコート処理(SiO2 +Al+SiO2 の皮膜)が適宜施され、その側面には光の反射、入射を防止するため黒色塗料が塗布(あるいは、砂目
状に粗されている。)されている。
この前段プリズム7は、撮影しようとする視野の光をより多く取り入れるため、第3のプリズム6の厚さWよりも厚い厚W1 を有し(図9、図10参照)、第3のプリズム6の第1面6aよりも入射面7aが高いところに存在する上方配置になっている。
前段プリズム7の入射面7aより入射された光は、反射面7cを経て入射面7aで全反射乃至鏡面反射し、その出射面7bより出射される。その後、第3のプリズム6を経て撮像素子の撮像面において結像される。
ここで、第3のプリズム6は真正面を基準に右側、左側へそれぞれ30°、合計で角度θ3 :60°の範囲における視野(前方視野)の撮影を可能としている。
各プリズム4〜6は、フレーム1の座部t1 〜t6 において嵌合あるいは接着により固定されるが、下記において説明するような弾性舌片を用いて固定することも可能(嵌合や接着剤による固定と弾性舌片8による固定を併用してもよい。)であり、何れにおいてもフレーム1への組み込みに際しては、各プリズム4〜6の段差k1 、k2 がフレーム1の座部t1 〜t6 に適合することになるので簡単な動作のもとで正確な位置決めが行える。
各プリズム4〜6をフレーム1の区画凹所e1 〜e3 に組み入れるに際して、各プリズム4〜6の相互間に隙間が形成されるような場合には、その隙間に対応した厚さを有するスペーサを適宜配置するのが好ましく、これによりがたつきのない安定した配置が可能となる。
また、プリズム4〜6の各側壁に凹部とこの凹部に嵌り込む凸部を適宜設け、各プリズム4〜6を相互に連接した状態で貫通孔hの座部t1 〜t6 に配置することも可能であり、この場合、迅速で正確な組み込みが行える。
第1のプリズム4、第2のプリズム5、第3のプリズム6の光学面4a〜4c、5a〜5c、6a〜6c(第1面、第2面及び第3面)の中、光学面4b、5b、6bにはゴーストの発生や色むらの防止を図るために図9において示すようコート分岐線Lを境に領域C2 において反射防止コート処理(SiO+SiO2 の皮膜)が施され、領域C1 において反射コート処理(SiO2 +Al+SiO2 の皮膜)が適宜施されており(光学面4c、5c、6cは反射コート処理)、光学面を除いた側面には、その部位からの不要な光の入射あるいは反射を低減するため艶消し処理(遮光塗料(黒色塗料)の塗布、砂目状に粗らす等)が施されている。また、プリズム間に遮光部材を配置してもよい。
さらに、図における8(8a〜8c)はフレーム1の天面壁1aにねじ止めあるいは接着により設けられ、第1〜3のプリズム4〜6の上端に弾性接触してフレーム1に強固に固定保持する弾性舌片である(図3〜図6参照)。
この弾性舌片8は片持ち支持になる板ばね等を例として示してあり、その先端にはシリコンゴムの如き緩衝部材9(9a〜9c)が設けられている。
符号10は、前段プリズム7の入射面7aに配置されたL型形状をなす固定絞り、11は固定視野絞り10を前段プリズム7と共にホルダ2に固定保持する係止部材、12〜14はフレーム1の傾斜側壁1c、1dに沿って配置された固定絞り(開口部を持つ明るさ絞り)である。
この固定絞り12〜14は、第1〜3のプリズム4〜6において明るさを確保しつつフ
レアを低減するため、V軸方向に短く、そのV軸と垂直な方向に長い非円形の開口部が形成されている。
ホルダ2の上には、上記のように第1〜3のプリズム4〜6が組み込まれたフレーム1と、係止部材11により固定された前段プリズム7が載置されることになり、前方60°、左側、右側のそれぞれ60°の視野を確保すべくカバー体3にはフレーム1の傾斜側壁1c、1dに対応した側壁3d、3eと、この側壁3d、3eにつながる凹部3f、3gが区画形成されており、このためカバー体3はT字型の膨出部が形成された外観形状を呈している(図1、図2参照)。
さらに、符号15はホルダ3に設置された撮像素子(撮像素子15はCCD素子が適用され、上端開放型のケースに入れられている。)、16は撮像素子15と第1〜3のプリズム4〜6のそれぞれの第2面(射出面)4b、5b、6bとの相互間に配置されたフィルター(フレーム1で固定してもよいし、ホルダ3に固定してもよく、赤外線フィルター、光学ローパスフィルターが適用される。)である(図3〜図6参照)。
撮像素子15の下側には、基板(フレキシブルプリント基板等)17を介して放熱板18が設けられ、撮像素子15の上には保護板19(ガラス等)が設けられている。
基板17、放熱板18、保護板19は、撮像素子15と共にホルダ2の貫通開口2aにおいてフレーム1の貫通孔hに対応するよう配置されている(パッケージ化されている)。
撮像素子15は、シリコンシート等の絶縁部材を配置することにより、基板17、放熱板18とは適宜絶縁処理がなされている。
フィルター16と撮像素子15との間(実際には、撮像素子15の最上面に位置する保護板19との間)において埃等の侵入が懸念される場合には、図11に示すように、その間に撮像素子15を囲撓する形状を有するパッキンP(出射面から出射される光以外の光の入射を避けるためカーボン入りのシリコンゴムやウレタンゴムが適用される。)を設けて両者を密着させる。
上記の構成になる撮影光学ユニットにおいては、第1のプリズム4を通して射出された光は右側60°の視野として撮像素子15において結像され、第2のプリズム5を通して射出された光は左側60°の視野として撮像素子15において並列に結像され、さらに、前段プリズム7及び第3のプリズム6を通して出射された光は前方60°の視野として撮像素子15において並列に結像されることとなる(単一の撮像素子15において3つの視野の像が並列に結像される)。
このような構成になる複数方向撮像装置においては、右側から左側(あるいは左側から右側)にわたる180°の範囲における撮像が可能となる。
本発明の実施の形態では、右側60°、左側60°、前方60°の範囲における視野を結像させる複数方向撮像装置を例として説明したが、撮影可能な視野の範囲は使用するプリズムそのものの性能や組み合わせよって適宜変更することができるものであり、各プリズムの視野が60°の範囲に限定されるものではない。
また、第1のプリズム4と第2のプリズム5の2つのみで複数方向撮像装置を構成してもよいし、左側又は右側の何れか一方と、前方あるいは後方の何れか一方の視野を結像させるように各プリズムを組み込んで複数方向撮像装置を構成することも可能である。
また、上記の実施の形態に示した構成になる複数方向撮像装置を2組背面合わせとした構成を採用(この場合、360°の視野を撮像するこが可能)することはもちろん、さらに上下に組み込んだ構成を採用することもできる。
本発明に従う複数方向撮像装置Uは、特に図12に示すように車両に搭載して外部の視野を撮影するのに好適である。
撮像装置の設置場所は、車両の前方、後方、左右側方に配置して、車両の全周囲を撮像、監視できるようにすることが好ましい。
車両の外側への設置ばかりでなく、車両の内部に設置して車両の内外を監視する監視カメラとしても有用であり、また、カプセル型内視鏡等にも適用し得る。
以下、本発明の複数方向撮像装置の第1、第2、第3の撮像光学系(プリズム)における数値実施例1〜3について説明する。なお、各数値実施例の構成パラメータは後に示す。
まず、以下の数値実施例の説明で用いる座標系及び偏心面、自由曲面について説明する。
各実施例において、図13に示すように、軸上主光線101を、物体(被写体)中心を出て、明るさ絞り開口部102の中心を通り、像面103中心に到る光線で定義する(明るさ絞り開口部102、像面103に上下左右対称性がない場合は、像面103の重心と明るさ絞り開口部102の重心の双方を通る光線と定義する。)。
そして、明るさ絞り開口部102の中心を原点として、軸上主光線101の進む方向をZ軸正方向とし、このZ軸と像面中心を含む平面をY−Z平面とし、原点を通りY−Z平面に直交し、紙面の手前から裏面側に向かう方向をX軸正方向とし、X軸、Z軸と右手直交座標系を構成する軸をY軸とする。
数値実施例1〜3では、このY−Z平面内で各面の偏心を行っており、また、各回転非対称自由曲面の唯一の対称面をY−Z面としている。
偏心面については、撮像光学系の原点の中心からその面の面頂位置の偏心量(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向をそれぞれX,Y,Z)と、その面の中心軸(自由曲面については、後記(a)式のZ軸、非球面については、後記(b)式のZ軸)のX軸、Y軸、Z軸それぞれを中心とする傾き角(それぞれα,β,γ(°))とが与えられている。その場合、αとβの正はそれぞれの軸の正方向に対して反時計回りを、γの正はZ軸の正方向に対して時計回りを意味する。なお、面の中心軸のα,β,γの回転のさせ方は、面の中心軸とそのXYZ直交座標系を、まずX軸の回りで反時計回りにα回転させ、次に、その回転した面の中心軸を新たな座標系のY軸の回りで反時計回りにβ回転させると共に1度回転した座標系もY軸の回りで反時計回りにβ回転させ、次いで、その2度回転した面の中心軸を新たな座標系の新たな座標系のZ軸の回りで時計回りにγ回転させるものである。
また、各数値実施例の撮像光学系を構成する光学作用面の中、特定の面とそれに続く面が共軸光学系を構成する場合には、面間隔が与えられており、その他、媒質の屈折率、アッベ数が慣用法に従って与えられている。
また、本発明で用いる自由曲面とは、以下の式(a)で定義されるものである。なお、
その定義式のZ軸が自由曲面の軸となる。
Z=(r2 /R)/[1+√{1−(1+k)(r/R)2 }]
66
+Σ Cj m n
j=1
・・・(a)
ここで、(a)式の第1項は球面項、第2項は自由曲面項である。
球面項中、
R:頂点の曲率半径
k:コーニック定数(円錐定数)
r=√(X2 +Y2
である。
自由曲面項は、
66
Σ Cj m n
j=1
=C1
+C2 X+C3
+C4 2 +C5 XY+C6 2
+C7 3 +C8 2 Y+C9 XY2 +C103
+C114 +C123 Y+C132 2 +C14XY3 +C154
+C165 +C174 Y+C183 2 +C192 3 +C20XY4
+C215
+C226 +C235 Y+C244 2 +C253 3 +C262 4
+C27XY5 +C286
+C297 +C306 Y+C315 2 +C324 3 +C333 4
+C342 5 +C35XY6 +C367
・・・・・・
ただし、Cj (jは1以上の整数)は係数である。
上記自由曲面は、一般的には、X−Z面、Y−Z面共に対称面を持つことはないが、本発明ではXの奇数次項を全て0にすることによって、Y−Z面と平行な対称面が1つだけ存在する自由曲面となる。例えば、上記定義式(a)においては、C2 、C5 、C7 、C9 、C12、C14、C16、C18、C20、C23、C25、C27、C29、C31、C33、C35・・・の各項の係数を0にすることによって可能である。
また、Yの奇数次項を全て0にすることによって、X−Z面と平行な対称面が1つだけ存在する自由曲面となる。例えば、上記定義式においては、C3 、C5 、C8 、C10、C12、C14、C17、C19、C21、C23、C25、C27、C30、C32、C34、C36・・・の各項の係数を0にすることによって可能である。
また上記対称面の方向の何れか一方を対称面とし、それに対応する方向の偏心、例えば、Y−Z面と平行な対称面に対して光学系の偏心方向はY軸方向に、X−Z面と平行な対称面に対しては光学系の偏心方向はX軸方向にすることで、偏心により発生する回転非対称な収差を効果的に補正しながら同時に製作性をも向上させることが可能となる。
また、上記定義式(a)は、前述のように1つの例として示したものであり、本実施例
は、対称面を1面のみ有する面対称自由曲面を用いることで偏心により発生する回転非対称な収差を補正し、同時に製作性も向上させるということが特徴であり、他のいかなる定義式に対しても同じ効果が得られることは言うまでもない。
また、本発明で用いる非球面とは、以下の式(b)で定義されるものである。なお、その定義式のZ軸が非球面の軸となる。
Z=(Y2 /R)/[1+{1−(1+k)Y2 /R2 1 /2
+aY4 +bY6 +cY8 +dY10+・・・
・・・(b)
ただし、Zを光の進行方向を正とした光軸(軸上主光線)とし、Yを光軸と垂直な方向にとる。ここで、Rは近軸曲率半径、kは円錐定数、a、b、c、d、…はそれぞれ4次、6次、8次、10次の非球面係数である。この定義式のZ軸が回転対称非球面の軸となる。
なお、データの記載されていない自由曲面、非球面に関する項は0である。屈折率については、d線(波長587.56nm)に対するものを表記してある。長さの単位はmmである。
図13は、上述の実施の形態における複数方向撮像装置の一方の撮像光学系(右側撮像光学系1101または左側撮像光学系1102)の軸上主光線101を含むY−Z断面図であり、この光学系は、明るさ絞り開口部102とそれより像側のプリズム4、5と、撮像面103よりなり、撮像面103の前には保護板19が配置されている。保護板19の直前にローパスフィルター16や赤外カットフィルター等のフィルターを配置してもよい。プリズム4、5は、入射面である透過作用を有する第1面4a、5aと、反射作用と透過作用を兼ねた第2面4b、5bと、反射作用を有する第3面4c、5cとからなり屈折率が1.3よりも大きい媒質で形成されており、明るさ絞り開口部102を通った物体からの光線は、第1面4a、5aを透過して媒質内部に入り、第2面4b、5bで全反射され、次いで第3面4c、5cで反射され、今度は第2面4b、5bを透過してプリズム4、5の外へ出て、カバーガラス19を介して撮像面103に結像する。
そして、プリズム4、5の第1面4a、5a、第2面4b、5b、第3面4c、5cは何れもY−Z面を唯一の対称面とする自由曲面からなり、パワーを持ち偏心により発生する収差を補正する回転非対称な面形状を有するように構成されている。偏心により発生する収差を補正するために、特に反射面にこのような面形状をとることは有効である。
このように、複数方向撮像装置の撮像光学系に、3面の中少なくとも1面が回転非対称面で構成されているプリズム4、5を用いることで、部品点数が少ない簡単な構成で、画角を広くとっても周辺の解像力が高く歪みの少ない撮像光学系を構成することができる。
図14は、複数方向撮像装置の前方を撮像するための第3の撮像光学系1103の軸上主光線101を含むY−Z断面図であり、この光学系は、第1、第2の撮像光学系1101、1102のプリズム4、5と同様のプリズム6と、同様のカバーガラス19とを明るさ絞り開口部102より像側に備え、同様の反射光路をとり、明るさ絞り開口部102よりも被写体側に2つの平面反射面を持つ反射部材としてのプリズム120を備えている。反射部材としてのプリズム120は、透過作用と内部反射作用を有する第4面121、反射作用を有する第5面122、透過作用を有する第6面123を有し、軸上主光線101は第4面121を透過して媒質内部に入り、第5面122で反射し、次いで第4面121で反射し、次いで第6面123を透過して媒質外に射出する反射光路をとる。このプリズム120の反射面及び透過面は何れも平面である。そして、軸上主光線101を含む面は
、後続するプリズム6の軸上主光線101を含む面と一致する。
そして、プリズム6の第1面6a、第2面6b、第3面6cは何れもY−Z面を唯一の対称面とする自由曲面からなり、パワーを持ち偏心により発生する収差を補正する回転非対称な面形状を有するように構成されている。偏心により発生する収差を補正するために、特に反射面にこのような面形状をとることは有効である。
このように、この数値実施例の撮像装置の撮像光学系1101、1102、1103に、3面の中少なくとも1面が回転非対称面で構成されているプリズム4、5、6を用いることで、部品点数が少ない簡単な構成で、画角を広くとっても周辺の解像力が高く歪みの少ない撮像光学系を構成することができる。
図15は、図13のような撮像光学系を2つ、図14のような撮像光学系を1つ用いた本実施例の撮像装置の結像光学系を下方向から見た透視図、図16は、その撮像装置の結像光学系の側面図(ただし、プリズム4〜6については図示を簡略化してある)である。
この撮像装置は、図13のような撮像光学系であって同じもの2つ1101、1102にて用いており、一方の撮像光学系1102を他方の光学系1101に対して撮像面103へ向かう軸上主光線1012 (撮像面103に垂直)の周りで180°回転させて、それぞれのプリズム4、5のY−Z面が平行で、かつ、両光学系1101、1102の撮像面103へ向かう軸上主光線1011 、1012 を含む平面がY−Z面に垂直になるように、両光学系1101、1102を並列させて配置し、それぞれの光学系1101、1102によって撮像面3に結像される画像が1つの撮像素子15の撮像面103上に並列して結像されるように構成したものである。
そして、図14のような撮像光学系1103のY−Z面が両光学系1101、1102のY−Z面に対して平行であり、光学系1101、1102、1103の撮像面103へ向かうそれぞれの軸上主光線1011 、1012 、1013 を含む面が同一面となるように各光学系1103、1102、1101が上から下の方向へ並列して配置され、それぞれの光学系1103、1102、1101によって撮像面103に結像される画像が1つの撮像素子15の撮像面103上に並列して結像されるように構成したものである。
なお、第3の撮像光学系1103と第1の撮像光学系1101のプリズム4、6は、同じ向きに配置されている。撮像面は、撮像光学系1101、1102、1103共に60°以上の水平画角を持ち、それぞれの撮像視野が隣接するように撮像するようになっている。
撮像装置をこのように構成することで、第1の撮像光学系1101で右側の画像を、第2の撮像光学系1102で左側の画像を、さらに、第3の撮像光学系1103で前方の画像を同一撮像素子15で同時に撮像観察可能な例えば車載カメラとして使用することができる。
撮像素子15の撮像面の分割は、例えば縦横比が略3:4の横長の撮像面であれば、左右前方それぞれ縦横1:4の画面を上下に並べて撮像することにより、水平画角を広くとることが可能である。また、上下方向もある程度画角が必要な場合には、撮像素子30を縦横4:3の縦長に配置して、左右それぞれ縦横1.33:3の画面を上下に並べて撮像することが可能である。
また、本実施例においては、このように3つ撮像光学系1101、1102、1103を相互に180°回転させて並列配置する構成にすることにより、相互の視野角の干渉が
低減できる。
図17は、以下の数値実施例1の第1、第2、第3の撮像光学系に用いる明るさ絞り12、13、14を、その開口形状、数値と共に示すものである。開口部APの短径方向がプリズムの厚さ方向(V軸方向)となり、それと直交する方向が長径方向となっている。明るさ絞り12、13、14は各プリズム4、5、6の入射面直前の図13、図14におけるX−Y平面に沿って配置される。なお、明るさ絞り12〜14の開口部APに隣接する穴20は、明るさ絞り12〜14をフレーム1の傾斜側壁1c、1dに沿って固定するための穴である。
次に、具体的に数値実施例1の撮像光学系1101、1102、1103を構成する第1〜第3のプリズム4〜6を説明する。図18(a)は数値実施例1の第1〜第3のプリズム4〜6の入射光軸101を含むY−Z断面光路図であり、図18(b)はそのX−Z平面へ投影した投影光路図である。なお、図18(b)においては、プリズム4〜6の第1面4a〜6aのみを示し、第2面4b〜6b、第3面4c〜6cの図示は省いてある。この数値実施例1の数値データは後記する。
前記したように、プリズム4〜6は、入射面である透過作用を有する第1面4a〜6aと、反射作用と透過作用を兼ねた第2面4b〜6bと、反射作用を有する第3面4c〜6cとからなり、明るさ絞り開口部102を通った物体からの光線は、第1面4a〜6aを透過して媒質内部に入り、第2面4b〜6bで全反射され、次いで第3面4c〜6cで反射され、今度は第2面4b〜6bを透過してプリズム4〜6の外へ出て、カバーガラス19を介して撮像面103に結像する。
そして、プリズム4〜6の第1面4a〜6a、第2面4b〜6b、第3面4c〜6cは何れもY−Z面を唯一の対称面とする自由曲面からなり、パワーを持ち偏心により発生する収差を補正する回転非対称な面形状を有するように構成されている。そして、第3面4c〜6cの反射面は正パワーを有している。
なお、第3のプリズム6の明るさ絞り開口部102の入射側よりも被写体側には、図14に示すような2つの平面反射面を持つ反射部材としてのプリズム120が配置される。
このようなプリズム4、5、6を用いた撮像光学系1101、1102、1103の撮像光学系の仕様は、
画角 27°×60°
明るさ絞り開口部サイズ Y−Z面内 φ1.7mm
X−Z面内 φ0.85mm
焦点距離 Y−Z面内 5.37mm
X−Z面内 5.50mm
Fナンバー Y−Z面内 3.16
X−Z面内 6.47
である。
プリズム4〜6の材料としてガラスでも、ゼオネックス(商標)等のプラスチックを用いてもよい。プラスチックを用いると、曲面形状の製造が容易となり、軽量化、小型化、低コスト化にも有利となる。取り付け部の成形も行いやすくなる。
次に、具体的に数値実施例2の撮像光学系1101、1102、1103を構成する第1〜第3のプリズム4〜6を説明する。図19(a)、(b)にこの数値実施例2の図18(a)、(b)と同様の図を示す。
この数値実施例2の構成は数値実施例1と同様の構成であり、数値データのみが異なる。数値データは後記する。
この数値実施例の撮像光学系1101、1102、1103の撮像光学系の仕様は、
画角 29°×60°
明るさ絞り開口部サイズ Y−Z面内 φ1.0mm
X−Z面内 φ0.7mm
焦点距離 Y−Z面内 2.52mm
X−Z面内 3.80mm
Fナンバー Y−Z面内 2.52
X−Z面内 7.60
である。
上記の数値実施例1、2は、3つの撮像光学系1101、1102、1103を並列配置し、それぞれの水平方向(Y方向)の画角を60°とし、3つの光学系により水平方向(Y方向)にて180°の画角を得る例である。
一方、次に示す数値実施例3は、2つの同じ撮像光学系1101、1102を第1の撮像光学系1101に対し第2の撮像光学系1102を撮像素子へ向かう軸上主光線の周りで180°回転させて反対向きとし、2つの撮像光学系1101、1102をX方向に並列配置し、右方向と左方向の撮影を行うと共に、それぞれの光学系の水平画角を90°とし、双方の光学系により水平方向にて180°の画角を確保するものである。
撮像光学系1101、1102は、この例の場合、図20(a)、(b)にこの数値実施例3の図18(a)、(b)と同様の図を示すように、明るさ絞り開口部102の像側にプリズム4、5を配置すると共に、明るさ絞り開口部102の被写体側に主光線101に対して回転対称形状の屈折光学系として、物体側の面が球面で像側の面が非球面からなる物体側に凸の負メニスカスレンズと、物体側の面が非球面で像側の面が球面からなる両凸正レンズとからなる画角拡大光学系40a、40bを配置し、プリズム4、5としては、入射面である透過作用を有する第1面4a、5aと、反射作用と透過作用を兼ねた第2面4b、5bと、反射作用を有する第3面4c、5cとからなり、画角拡大光学系40a、40bを経て明るさ絞り開口部102を通った物体からの光線は、第1面4a、5aを透過して媒質内部に入り、第2面4b、5bで全反射され、次いで第3面4c、5cで反射され、今度は第2面4b、5bを透過してプリズム4、5の外へ出て、カバーガラス19を介して撮像面103に結像するものを用いている。
プリズム4、5の第1面4a、5a、第2面4b、5b、第3面4c、5cは何れもY−Z面を唯一の対称面とする自由曲面からなり、パワーを持ち偏心により発生する収差を補正する回転非対称な面形状を有するように構成されており、第3面4c、5cは正パワーを有す反射面となっている。
このような構成により、それぞれの撮像光学系1101、1102の撮影画角の確保に有利としている。
図21は、図20のような2つの撮像光学系1101、1102をX方向に並列配置して撮像装置の結像光学系を構成した場合の図15と同様の図であり、第2の撮像光学系1102を第1の撮像光学系1101に対して撮像面103へ向かう軸上主光線1012 (撮像面103に垂直)の周りで180°回転させて、それぞれのプリズム4、5のY−Z面が平行で、かつ、両光学系1101、1102の撮像面103へ向かう軸上主光線10
1 、1012 を含む平面がY−Z面に垂直になるように、両光学系1101、1102を並列させて配置し、それぞれの光学系1101、1102によって撮像面3に結像される画像が1つの撮像素子15の撮像面103上に並列して結像されるように構成する。
この数値実施例の撮像光学系1101、1102の撮像光学系の仕様は、
画角 68°×90°
明るさ絞り開口部サイズ Y−Z面内 φ0.8mm
X−Z面内 φ0.3mm
焦点距離 Y−Z面内 1.53mm
X−Z面内 1.35mm
Fナンバー Y−Z面内 1.92
X−Z面内 3.38
である。
以下に上記数値実施例1〜3の構成パラメータを示す。これら表中の“FFS”は自由曲面、“RS”は反射面、“ASS”は非球面を示す。
これらの数値実施例には、右側及び左側方向を撮像する光学系1101、1102のデータを示す。また、正面方向を撮像する光学系1103(実施例1、2)の数値データは、明るさ絞り102以降の数値データとなる。明るさ絞りよりも物体側の構成は、それぞれ平面の入射面兼反射面、反射面、射出面となるが、記載は省略する。
なお、下記データ中、“E-000n(n は整数)”は“×10-n”を意味する。

実施例1
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ ∞
1 ∞(絞り面)
2 FFS[1] 偏心(1) 1.5254 56.2
3 FFS[2] (RS) 偏心(2) 1.5254 56.2
4 FFS[3] (RS) 偏心(3) 1.5254 56.2
5 FFS[2] 偏心(2)
6 ∞ 偏心(4) 1.5163 64.1
7 ∞ 偏心(5)
像 面 ∞ 偏心(6)
FFS[1]
4 3.4422e-002 C6 -1.9008e-002 C8 -6.3603e-003
10 2.4653e-003 C11 -9.3727e-004 C13 -4.9400e-003
15 -5.5412e-004
FFS[2]
4 1.5611e-002 C6 -4.4388e-003 C8 1.5286e-003
10 -2.1263e-005 C11 -1.4806e-004 C13 -5.1022e-004
15 2.7484e-006 C17 1.5949e-004 C19 3.0014e-005
21 -3.8945e-007 C22 -7.0212e-005
FFS[3]
4 3.6425e-002 C6 2.5989e-002 C8 1.2276e-003
10 -4.9218e-004 C11 6.0537e-005 C13 -1.7559e-005
15 3.2028e-005 C17 3.4399e-005 C19 -1.3229e-005
21 -4.5242e-006 C22 -5.8965e-006
偏心(1)
X 0.00 Y 0.78 Z 0.41
α 7.35 β 0.00 γ 0.00
偏心(2)
X 0.00 Y 0.06 Z 2.91
α -49.55 β 0.00 γ 0.00
偏心(3)
X 0.00 Y 4.80 Z 3.15
α -76.17 β 0.00 γ 0.00
偏心(4)
X 0.00 Y 0.00 Z 7.00
α 120.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(5)
X 0.00 Y -0.61 Z 7.35
α 120.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(6)
X 0.00 Y -0.69 Z 7.40
α 120.00 β 0.00 γ 0.00 。

実施例2
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ ∞
1 ∞(絞り面)
2 FFS[1] 偏心(1) 1.6300 23.0
3 FFS[2] (RS) 偏心(2) 1.6300 23.0
4 FFS[3] (RS) 偏心(3) 1.6300 23.0
5 FFS[2] 偏心(2)
6 ∞ 偏心(4) 1.5163 64.1
7 ∞ 偏心(5)
像 面 ∞ 偏心(6)
FFS[1]
4 4.0693e-002 C6 -2.0383e-001 C8 -1.4075e-002
10 5.7592e-002 C11 2.9189e-003 C13 1.1616e-002
15 -9.3652e-003
FFS[2]
4 1.3865e-002 C6 -2.4360e-002 C8 -2.5253e-004
10 2.1703e-003 C11 1.4956e-003 C13 9.1767e-004
15 2.4464e-005 C17 1.7175e-005 C19 -1.0150e-004
21 8.5862e-006 C22 2.5020e-004
FFS[3]
4 4.7185e-002 C6 3.1642e-002 C8 9.5085e-004
10 -1.5879e-003 C11 4.0197e-004 C13 5.2218e-004
15 6.7777e-004 C17 1.1999e-004 C19 4.9535e-005
21 1.0173e-004 C22 2.5352e-005
偏心(1)
X 0.00 Y -0.00 Z 0.48
α 4.98 β 0.00 γ 0.00
偏心(2)
X 0.00 Y 0.00 Z 2.17
α -47.68 β 0.00 γ 0.00
偏心(3)
X 0.00 Y 3.83 Z 2.79
α -75.50 β 0.00 γ 0.00
偏心(4)
X 0.00 Y 0.61 Z 4.83
α 120.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(5)
X 0.00 Y 0.18 Z 5.08
α 120.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(6)
X 0.00 Y -0.14 Z 5.26
α 120.00 β 0.00 γ 0.00 。

実施例3
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ ∞
1 36.68 0.43 1.7176 47.1
2 ASS[1] 0.85
3 ASS[2] 0.85 1.8467 23.8
4 -13.87 1.38
5 ∞(絞り面)
6 FFS[1] 偏心(1) 1.6326 23.3
7 FFS[2] (RS) 偏心(2) 1.6326 23.3
8 FFS[3] (RS) 偏心(3) 1.6326 23.3
9 FFS[2] 偏心(2)
10 ∞ 偏心(4) 1.5163 64.1
11 ∞ 偏心(5)
像 面 ∞ 偏心(6)
ASS[1]
R 1.29
k -7.0351e-001
b 1.4793e-002
ASS[2]
R 3.28
k 2.1321
b 2.2695e-004
FFS[1]
4 1.6526e-001 C6 9.8620e-002 C8 -3.6815e-002
11 -5.9632e-003
FFS[2]
4 5.7828e-002 C6 -8.4842e-003 C8 -1.0371e-002
10 -2.6828e-003 C11 -1.8183e-004 C13 -6.8227e-004
15 7.8165e-005
FFS[3]
4 9.8421e-002 C6 3.8906e-002 C8 2.6968e-003
10 -3.6502e-003 C11 -1.3160e-003 C13 -5.5785e-003
15 -3.4064e-003
偏心(1)
X 0.00 Y 0.00 Z 0.13
α 5.29 β 0.00 γ 0.00
偏心(2)
X 0.00 Y 0.00 Z 1.25
α -46.89 β 0.00 γ 0.00
偏心(3)
X 0.00 Y 1.57 Z 1.45
α -70.35 β 0.00 γ 0.00
偏心(4)
X 0.00 Y 0.37 Z 2.65
α 135.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(5)
X 0.00 Y 0.07 Z 2.95
α 135.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(6)
X 0.00 Y -0.20 Z 3.22
α 135.00 β 0.00 γ 0.00 。
次に、上記実施例1における条件式の要素値と条件式対応値を以下に示す(長さを表す数値の単位はmmである。)。
S1V=S2V=0.85
S1H=S2H=1.7
IMV=2.589
X方向の各プリズムの厚み=2.589
S1V/IMV=0.328
S2V/IMV=0.328
S1V/S1H=0.5
S2V/S2H=0.5 。
上記実施例2における条件式の要素値と条件式対応値を以下に示す(長さを表す数値の単位はmmである。)。
S1V=S2V=0.7
S1H=S2H=1.0
IMV=1.946
X方向の各プリズムの厚み=1.946
S1V/IMV=0.360
S2V/IMV=0.360
S1V/S1H=0.7
S2V/S2H=0.7 。
上記実施例3における条件式の要素値と条件式対応値を以下に示す(長さを表す数値の単位はmmである。)。
S1V=S2V=0.3
S1H=S2H=0.8
IMV=1.678
X方向の各プリズムの厚み=1.678
S1V/IMV=0.179
S2V/IMV=0.179
S1V/S1H=0.375
S2V/S2H=0.375 。
撮像素子15の撮像面サイズは、上述の各数値実施例における画角を確保できるものを用いる。
また、撮像素子15の撮像面103のサイズに対応させて各実施例の光学系を任意に拡大または縮小して用いてもよい。例えば1/3インチ、1/4インチ、1/1.8インチのCCDやCMOSの撮像面の長辺若しくは短辺方向に3分割若しくは2分割し、撮像面103のサイズに対応させて光学系を適宜拡大、縮小したサイズのものを用いることができる。
以上のような左右と前方又は前方下方の3方向を同時に撮像可能な本発明の撮像装置Uは、図12に示すように、例えば自動車の先端に取り付けて自動車のフロントモニターとして使用することができる。
若しくは、自動車の後端や左右に取り付けて自動車のリアモニター、サイドモニターとして使用することも可能である。
また、ドライブレコーダーの撮像用にも用いることができる。
また、実施例1、2では、3方向を撮像するようにしたが、さらに撮像面の受光エリアを小分けにして4方向、5方向、10方向等、任意に撮像できるようにしてもよい。
次に、本発明の複数方向撮像装置及びそれを備えた車両について、いくつかの点の説明をする。
(位置決め部)
プリズムには、組み立て時の位置決めに用いる指標や、プリズムを保持する枠への当接面、プリズムの有効面外に設けた取り付け用の突起部を設けてもよい。
(フレア対策)
また、プリズムの透過面に反射防止コート、反射面に反射防止コートを設けるとよい。反射と透過を行う面はこのコート部分的に用いることで光量の確保に有利となる。具体的には、この面にて有効光束を透過させる部分は反射防止コートをし、透過光束の有効光束の領域外の全反射し難い所の反射部分は反射コートとするとよい。
また、プリズムの面の中、有効光束を介する部分以外を砂ズリ面とし、その砂ズリした箇所を黒塗りすることで、不要な光線の影響を低減しやすくなる。
プリズムの側面を黒塗りする他に、それぞれのプリズムの間に遮光板を挟むようにしてもよい。
(パワーレスプリズムの変形)
実施例1、2の正面撮影用のパワーレスのプリズムに負のパワーを持たせ、もっと広角の撮影を行うようにしてもよい。その場合、得られる画像のそれぞれがオーバーラップする領域が大きくなるので、画像の合成や被写体の認識を行いやすくなる。
実施例1、2における3方向を撮像する装置は、
1.視野を三つの方向に分けられるので広い視野の撮像が可能となる。
2.魚眼レンズで広視野撮影する場合と比べても、撮像面上での像の歪みを抑えやすくなり、被写体の方向による情報量のムラを少なくでき、画像処理上も有利となる。
3.装置全体を薄型化できる。
4.本撮像装置の外観が通常のカメラ(例えば監視カメラ)とは違った外観となり、監視対象者へのストレスを軽減できる。
5.製造上も光学部材と受光部材との組み付けが容易となり、安価にしやすい。
といったメリットを持つ。
また、本発明の装置の用途として、
1.車載用途
2.監視・セキュリティー用途
3.その他多種の用途
に用いることができる。
(車載用途)
車載用途の場合の例として、
1.死角の視認、2.障害物や人物等の認識、3.車線や標識の認識、4.車室内ドライバー等のモニター
等に利用できる。
(死角の視認)
死角の視認に用いる場合、車両の前方、後方、左右の両側、前方のバンパー下等の撮像を行うことが考えられる。例えば、フロントガラスの左右のシャーシ部やサイドミラーによる死角を補うようにモニターすることが可能となる。
本発明の実施例の撮像装置を車体の前方、後方、サイドミラーの外側等に設けることができる。
車両の周辺の死角を補うように車両の前後、左右に装置を設けてもよい。
また、一つの装置に複数の光学系を装着し、270°の撮像画角を確保すれば、車両の左前コーナーと右後コーナーの2箇所に配置するだけで車両の全周囲の死角をなくすことが可能となる。
また、撮影した像の表示は車内のモニターに表示してもよいし、頭部装着型映像表示装置を用いてドライバーが死角部分の画像を認識するようにしてもよい。
また、車両の内装に死角部分の像をプロジェクターで投影するようにしてもよい。
車体の後方の確認に用いる場合、車両のなるべく高い位置に装置を設け斜め下方を広く撮影するようにすると、駐車時の後方の視認を行いやすくなる。
また、車輪も含めて撮像し、車輪の状態をモニターし、車両の制御を行うようにしてもよい。
車両の左右後方に装置を配置してリアクオーターを監視して後方への運転時の安全性を向上させることもできる。
また、装置にステレオマイク等の指向性のあるマイクを組み込み、音声による情報も運転手に伝えるようにしてもよい。
装置にスピーカーを組み込み車外若しくはドライバーに警告を発するようにしてもよい。
この種の監視は、一般車両以外に、例えば死角が生じやすい工事車両に用いてもよい。
本装置は薄型化できるので、車両本体内に埋め込んで装着し、スモークガラスやハーフミラーコートした透明カバーで覆う等、外観上の不自然さを解消できる。
また、撮像装置で赤外線を撮像し、夜間や雨天時の視認性を向上させることも可能である。
また、観察する視野の一つを路面に対して斜め上方の撮像するようにして、例えば進行方向の信号機の認識の使用することも可能である。このような機能を持たせる場合、本実施例の撮像装置をドアミラーに仕込み、垂直方向に長い撮像視野を確保する向きに配置するようにしてもよい。
車両の下回りを監視する位置に本装置を配置してもよい。
車両等に本装置を取り付けた場合に、車両の振動を抑えるようにゴム等の弾性のある部材を取り付けて、装置に与える衝撃を抑えることが好ましい。
車両の振動による画像のブレをキャンセルするように画像処理を施したり、超音波モーター等でブレをキャンセルするように装置の向きを微動させてもよい。
本実施例は、撮影画角を広角にでき、被写界深度が大きくできるので、プリズムと撮像素子を一体的に組むことが可能となる。
もちろん、プリズムと撮像素子の距離を変化させてフォーカシングを行うようにしてもよい。撮影方向それぞれについて個別にフォーカシングが行えるように、各プリズムが独立して動くようにしてもよいし、フォーカシング時に移動するレンズや液晶レンズ等を各光学系に設けてもよい。
何れかのプリズムが、移動により撮影方向を変えられるようにしてもよい。
(障害物や人物等の認識)
障害物や人物の認識に用いる場合として、例えば、追突車両のナンバーの記録等のドライブレコーダー用途の撮像装置として、また、車間センサーとして用いることができる。また、車両の進行方向の凍結路面の認識や水溜りの認識により、車両の速度制御を自動で行うようにしてよい。
凍結路面や水溜りは、光線の入射角の輝度変化により認識することが考えられる。偏光フィルターを用いると、水溜りの認識がしやすくなる。
また、180°前後の撮影画角を持つ本実施例の装置の複数を間隔を挟んで車両の前方
に配置し、撮影する被写体の方向の全部又は一部をオーバーラップさせ、視差を持つ画像を得るようにし、測距機能を向上させてもよい。また、凍結路面や水溜りの検知もしやすくなる。
また、複数台の車両に装置を取り付け、前後、左右の車両等で相互に情報を伝達し、進行先の渋滞、事故情報等のやり取りを行うようにしてもよい。
車室内のモニターに用いる場合として、ドライバーのまぶた等を監視し、居眠り運転の監視を行い、警告を発するようにしてもよい。
例えば、車室内のルームミラーよりもドライバー側にドライバーの顔と進行方向をモニターするように撮像装置を配置することも可能である。
ルームミラーに装置を組み、車内若しくは車外を監視するようにしてもよい。
車内を監視する場合、ルームミラーの反射面をハーフミラーとし、ハーフミラー越しにドライバー等の車内を監視するようにしてもよい。
また、車外を監視する場合、半透明カバーをして車両の外側から見て目立たないようにしてもよい。
また、ルームミラーと装置を一体とし、ドライバーがルームミラーを調整すると自然にドライバーの方向を監視するようにしてもよい。
一方、外側を監視する場合は、ルームミラーの調整によらず、撮像方向が変わらないようにしてもよい。
また、タクシーやバス、電車、航空機等の天井等に取り付け、客室、ドア付近、コクピット等の監視、画像の記録等により防犯カメラとして用いることができる。
(監視・セキュリティー用途)
監視・セキュリティー用途としては、車両等の乗り物に限らず、交差点に設置して道路の監視を行ったり、駅のホームに設置してホームの監視を行うことも可能である。
また、店舗内の監視、貨幣の自動預け払い機、自動販売機、遊技場の遊技機の監視、防犯用にも用いることが可能である。所望する方向の監視が可能となる。
また、ホテルの部屋や玄関のドア若しくはその付近に本装置を設置し、ドアの外の様子を室内に表示すれば、広い視野の監視カメラ、防犯用ドアホンとなる。
室内に設置して室内の監視に用いてもよい。
また、略180°の視野を持たせた場合、例えば長い廊下やトンネル内の監視、工場内の製造ラインの監視のために用いることも可能である。対象物が近づく状態と遠ざかる状態とを撮像できる。
また、外見上撮像装置が目立たないように隠し視野を設けたり、何かしらの隙間に設けてもよい。
(その他の用途)
その他の用途を例示する。
一方向に広い視野の像が得られるので、例えば、オートバイ等の運転者のヘルメットに装置を装着し、離れた位置からの映像の観察や、ドライプレコーダーとして使用できる。
また、カメラ付き携帯電話等の携帯モジュール、トイカメラ、カプセル内視鏡、硬性内視鏡、在庫管理用のPOSシステム、テレビ会議用のカメラシステム、パーソナルコンピューター、ロボットの目に組み込んで多方向の被写体の撮像を行うようにしてもよい。
他にも、多方向の撮像により行うゲーム機の用途や、ボーリング場やゴルフ練習場でのプレイヤーのモニター用途、水面に浮かべて水中方向の魚影の状態を監視するモニター用途等多彩に利用できる。
(スミア対策)
また、車載用途のように屋外の撮影に用いる場合、太陽光が撮像素子の撮像面に映りこみ、撮像する像にスミアが発生することが考えられる。このスミアを抑えるために撮像素子の一部に光量を低減するフィルター(NDフィルター)を配置してもよい。
このフィルターは液晶シャッターやフォトクロミック素子等を用いて透過率を可変にするようにしてもよい。
また、各画面の上方側程透過率が小さいフィルターとしてもよい。
また、撮像方向が下方ものには、NDフィルターを設けない等、各画面毎にフィルターを換えてもよい。また、フィルターは撮像素子に限らす、各撮像光学系の入射窓に用いてもよい。それぞれの入射窓は目的に応じて異なるフィルター(例えば、可視光透過フィルター、赤外線透過フィルター等の制限域が異なるフィルター、透過率の異なるNDフィルター等)としてもよい。
また、絞りを、入射する光の強さに対応して絞りの開口サイズが変化する可変絞りとしてもよい。撮像素子で受光した像の中、所定のダイナミックレンジをオーバーしたとき、その領域に対応する光学系の絞りを絞り込むようにするとよい。
(水滴防止)
また、装置を保護するためのカバーを配することが好ましい。湿度による曇りや衝突物による傷防止に有利となる。
カバーは撮像視野の光束がケラレないように形状にするとよい。
例えば、半球よりも球体に近いカバーや、撮像方向それぞれにケラレが生じないように断面が台形状となるカバーとしてもよい。
このカバーは撥水コートを施す、若しくは、表面を微細加工し、水滴が付き難くすることが好ましい。
若しくは、水滴を膜状にするコートを施して光学的な影響を抑えることが好ましい。
カバーに水滴が付いた場合、このカバーを超音波モーター等で振動させ水滴を振るい落とすようにしてもよい。
また、装置全体を密封し、乾燥した空気、窒素を充填する、若しくは、シリカゲル等の乾燥剤を入れる等、装置内の水滴の発生を抑えることが好ましい。
電熱線等のヒーターを施して結露を防止するようにしてもよい。
撮像素子から発生する熱を結露防止に利用してもよい。
本発明に従う撮影光学ユニットの実施の形態を示した図(外観斜視図)である。 図1に示した撮影光学ユニットの外観斜視図である。 図1、図2に示した撮影光学ユニットの分解斜視図である。 図1、図2に示した撮影光学ユニットの分解斜視図であり、図3AのIでつながる図である。 図1のA−A断面図である。 図1のB−B断面図である。 図1のC−C断面図である。 フレームの外観斜視図である。 フレームの外観斜視図である。 プリズム光学素子の外観形状を示した図である。 前段プリズムの外観形状を示した図である。 フィルターと撮像素子の組合せ状態を示した図である。 本発明に従う撮影光学ユニットを自動車のフロントグリルに装着して両サイドモニターとして使用した例を示した図である。 本発明の1つの実施の形態における複数方向撮像装置の一方の撮像光学系の軸上主光線を含むY−Z断面図である。 本発明の1つの実施の形態における複数方向撮像装置の前方を撮像するための第3の撮像光学系の軸上主光線を含むY−Z断面図である。 図13のような撮像光学系を2つ、図14のような撮像光学系を1つ用いた1実施例の撮像装置の結像光学系を下方向から見た透視図である。 図15のその撮像装置の結像光学系の側面図である。 数値実施例1の第1、第2、第3の撮像光学系に用いる明るさ絞りを開口形状、数値と共に示す図である。 数値実施例1の第1〜第3のプリズムの入射光軸を含むY−Z断面光路図(a)とそのX−Z平面へ投影した投影光路図(b)である。 数値実施例2の図18と同様の図である。 数値実施例3の図18と同様の図である。 図20のような2つの撮像光学系をX方向に並列配置して撮像装置の結像光学系を構成した場合の図15と同様の図である。
符号の説明
1…フレーム
1a…天面壁
1b…底面壁
1c…傾斜側壁
1d…傾斜側壁
2…ホルダ
2a…貫通開口
3…カバー体
3a〜3c…窓孔
4…自由曲面プリズム
4a…第1面
4b…第2面
4c…第3面
5…自由曲面プリズム
5a…第1面
5b…第2面
5c…第3面
6…自由曲面プリズム
6a…第1面
6b…第2面
6c…第3面
7…前段プリズム
7a…入射面
7b…出射面
8(8a〜8b)…弾性舌片
9(9a〜9c)…緩衝部材
10…固定絞り
11…係止部材
12〜14…固定絞り(明るさ絞り)
15…撮像素子
16…フィルター
17…基板
18…放熱板
19…保護板(カバーガラス)
20…穴
40a、40b…画角拡大光学系
101…軸上主光線
1011 、1012 、1013 …軸上主光線
102…明るさ絞り開口部
103…像面
120…プリズム(反射部材)
121…第4面
122…第5面
123…第6面
1101、1102、1103…撮像光学系
e…凹所
h…貫通孔
1 〜t6 …座部
1 、k2 …段差
L…コート分岐線
U…複数方向撮像装置
AP…開口部

Claims (18)

  1. 撮像面を持つ撮像素子と、
    前記撮像面上に異なる方向の複数の被写体の像を形成する結像光学系を有する複数方向撮像装置において、
    前記結像光学系は、前記撮像素子の撮像面の前方に並列配置された第1の撮像光学系及び第2の撮像光学系を有し、
    前記第1の撮像光学系は、前記撮像素子の前記撮像面の前方に配置された第1のプリズムと、前記第1のプリズムに入射する光束を制限する開口部を持つ第1の明るさ絞りを備え、
    前記第1のプリズムは、光線が入射する入射面、前記光線が反射する正パワーの反射面、前記光線が射出する射出面を有し、
    前記第1の明るさ絞りは、前記第1のプリズムの前記入射面の直前に配置され、
    前記第2の撮像光学系は、前記第1のプリズムと並列しかつ前記撮像素子の前記撮像面の前方に配置された第2のプリズムと、前記第2のプリズムに入射する光束を制限する第2の明るさ絞りを備え、
    前記第2のプリズムは、光線が入射する入射面、前記光線が反射する正パワーの反射面、前記光線が射出する射出面を有し、
    前記第2の明るさ絞りは、前記第2のプリズムの前記入射面の直前に配置され、
    前記第1のプリズムの側面と前記第2のプリズムの側面を向かい合わせ、かつ、前記各々の側面の間に遮光物を配置するか若しくは前記側面を拡散面とし、
    前記撮像面に対して垂直な方向をS軸方向、前記S軸方向に直交し前記第1及び前記第2の撮像光学系が並ぶ方向をV軸方向、前記S軸方向とV軸方向の双方に直交する方向をH軸方向とするとき、
    前記第1の明るさ絞りの前記開口部と前記第2の明るさ絞りの前記開口部の各々は、前記V軸方向のサイズがそれと直交する方向のサイズよりも小さいことを特徴とする複数方向撮像装置。
  2. 前記第1の明るさ絞りと前記第2の明るさ絞りが以下の条件(1)、(2)を満足することを特徴とする請求項1記載の複数方向撮像装置。
    0.1<S1V/IMV<0.5 ・・・(1)
    0.1<S2V/IMV<0.5 ・・・(2)
    ただし、S1Vは、V軸方向における前記第1の明るさ絞りの開口部のサイズ、
    S2Vは、V軸方向における前記第2の明るさ絞りの開口部のサイズ、
    IMVは、前記第1の撮影光学系による像の重心と前記第2の撮影光学系による像の重心とのV軸方向における距離、
    である。
  3. 前記第1の明るさ絞りと前記第2の明るさ絞りが以下の条件(3)、(4)を満足することを特徴とする請求項2記載の複数方向撮像装置。
    0.3<S1V/S1H<0.8 ・・・(3)
    0.3<S2V/S2H<0.8 ・・・(4)
    ただし、S1Vは、V軸方向における前記第1の明るさ絞りの開口部のサイズ、
    S1Hは、V軸方向に直交する方向における前記第1の明るさ絞りの開口部のサイズ、
    S2Vは、V軸方向における前記第2の明るさ絞りの開口部のサイズ、
    S2Hは、V軸方向に直交する方向における前記第2の明るさ絞りの開口部のサイズ、
    である。
  4. 前記V軸方向に対して交差する方向の複数の被写体の像を前記撮像面上にてV軸方向に並べて形成することを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載の複数方向撮像装置。
  5. 前記第1、第2の撮像光学系中の前記正パワーの反射面のそれぞれの形状は非回転対称の非球面形状であることを特徴とする請求項1から4の何れか1項記載の複数方向撮像装置。
  6. 前記第1、第2の撮像光学系のそれぞれは、複数の反射面を有することを特徴とする請求項1から5の何れか1項記載の複数方向撮像装置。
  7. 前記第1、第2の撮像光学系のそれぞれは、複数の曲面反射面を有することを特徴とする請求項6記載の複数方向撮像装置。
  8. 前記第1、第2の撮像光学系の前記複数の曲面反射面のそれぞれの形状は、非回転対称の非球面形状であることを特徴とする請求項7記載の複数方向撮像装置。
  9. 前記少なくとも2つの撮像光学系の前記プリズムの各々は、被写体側から像面への軸上主光線に沿って順に、前記入射面である第1面、内部反射作用と透過作用を有する第2面、前記正パワーの反射面である第3面の3つの光学面を有し、屈折率が1.3よりも大きい媒質で構成され、軸上主光線は、前記第1面を透過して媒質内部に入り、前記第2面で反射し、次いで前記第3面で反射され、次いで前記第2面を透過して媒質外に射出する反射光路をとることを特徴とする請求項6から8の何れか1項記載の複数方向撮像装置。
  10. 前記第1、第2の撮像光学系の軸上主光線を含む面がV軸方向に対して垂直となるように、前記第1、第2の撮像光学系中の各反射面は、軸上主光線に対して傾いて配置されていることを特徴とする請求項1から9の何れか1項記載の複数方向撮像装置。
  11. 前記第1、第2の撮像光学系はそれぞれが同一形状の光学系であり、一方の撮像光学系に対して他方の撮像光学系は、撮像素子の撮像面に垂直な軸を対称軸として反転した配置となっていることを特徴とする請求項1から10の何れか1項記載の複数方向撮像装置。
  12. 前記第1、第2の撮像光学系に加えて、第3の撮像光学系を有し、
    前記第3の撮像光学系は、前記第1のプリズム及び前記第2のプリズムと共に並列し、かつ、前記撮像素子の前記撮像面の前方に配置された第3のプリズムと、前記第3のプリズムに入射する光束を制限する第3の明るさ絞りを備え、
    前記第3のプリズムは、光線が入射する入射面、前記光線が反射する正パワーの反射面、前記光線が射出する射出面を有し、
    前記第3の明るさ絞りは、前記第3のプリズムの前記入射面の直前に配置され、
    前記第2のプリズムの側面と前記第3のプリズムの側面を向かい合わせ、かつ、前記各々の側面の間に遮光物を配置するか若しくは前記側面を拡散面とし、
    前記第3の明るさ絞りの前記開口部は前記V軸方向のサイズがそれと直交する方向のサイズよりも小さいことを特徴とする請求項1から11の何れか1項記載の複数方向撮像装置。
  13. 前記第1のプリズムと前記第2のプリズムは前記撮像面に垂直な軸に対して軸回転対称に配置されると共に、前記第3のプリズムは前記第1のプリズムと同じ向きに配置され、
    前記第3の撮像光学系は、前記第3の明るさ絞りの被写体側に配置された反射部材を有することを特徴とする請求項12記載の複数方向撮像装置。
  14. 前記第3の撮像光学系の前記反射部材は、透過作用と内部反射作用を有する第4面、反射
    作用を有する第5面、透過作用を有する第6面を有し、前記軸上主光線は前記第4面を透過して媒質内部に入り、前記第5面で反射し、次いで前記第4面で反射し、次いで前記第6面を透過して媒質外に射出する反射光路をとることを特徴とする請求項13記載の複数方向撮像装置。
  15. 前記第3の撮像光学系における前記プリズムは、被写体側から像面への軸上主光線に沿って順に、前記入射面である第1面、内部反射作用と透過作用を有する第2面、前記正パワーの反射面である第3面の3つの光学面を有し、屈折率が1.3よりも大きい媒質で構成され、前記軸上主光線は前記第1面を透過してプリズム内部に入り、前記第2面で反射し、次いで前記第3面で反射され、次いで前記第2面を透過してプリズム外に射出する反射光路をとることを特徴とする請求項12から14の何れか1項記載の複数方向撮像装置。
  16. 車体と、前記車体の前側部分に取り付けられた請求項1から15の何れか1項記載の複数方向撮像装置とを備えたことを特徴とする車両。
  17. 車体と、前記車体の後側部分に取り付けられた請求項1から15の何れか1項記載の複数方向撮像装置とを備えたことを特徴とする車両。
  18. 車体と、前記車体の左右両側部分に取り付けられた請求項1から15の何れか1項記載の複数方向撮像装置とを備えたことを特徴とする車両。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015163913A (ja) * 2014-02-28 2015-09-10 日本電産コパル株式会社 撮像装置、実装部品撮像装置
WO2017150492A1 (ja) * 2016-03-04 2017-09-08 キヤノン株式会社 光学系、それを備える撮像装置及び投影装置
CN107144940A (zh) * 2017-06-27 2017-09-08 深圳市点睛创视技术有限公司 一种光机的三棱镜结构

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