JP7516921B2 - センサ付き床材 - Google Patents

センサ付き床材 Download PDF

Info

Publication number
JP7516921B2
JP7516921B2 JP2020113229A JP2020113229A JP7516921B2 JP 7516921 B2 JP7516921 B2 JP 7516921B2 JP 2020113229 A JP2020113229 A JP 2020113229A JP 2020113229 A JP2020113229 A JP 2020113229A JP 7516921 B2 JP7516921 B2 JP 7516921B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sensor
layer
piezoelectric
base layer
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020113229A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022011842A (ja
Inventor
忠 武田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2020113229A priority Critical patent/JP7516921B2/ja
Publication of JP2022011842A publication Critical patent/JP2022011842A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7516921B2 publication Critical patent/JP7516921B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Floor Finish (AREA)

Description

本発明は、センサ付き床材に関する。
センサを用いて、人の在不在や人の動き等を検出することにより、安全性等の向上を図る技術として、例えば、特許文献1に開示されているように、歩行感を有するとともに、人等を検出可能なセンサを一体化させた床材がある。
特開2018-204325号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている床材では、設置条件等により、歩行時に加わる圧力によって構成部品が干渉することで、床鳴りが発生するおそれがあるという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、歩行時に発生する床鳴りを抑制することが可能な、センサ付き床材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、受けた荷重に応じて動作及び発電する圧電センサと、圧電センサに積層した基材層と、を備えるセンサ付き床材である。圧電センサは、圧力により変形することで電気を生じる素子である圧電素子と、圧電素子に応力を加える支持体である振動板と、を含む発電プレートと、基材層と共に圧電素子を挟み、且つ圧電素子へ向けて突出する突出部を有する押圧部材を備える。そして、押圧部材は、樹脂材料を用いて形成されている。
また、上記課題を解決するために、本発明の一態様は、受けた荷重に応じて動作及び発電する圧電センサと、圧電センサに積層した基材層と、を備えるセンサ付き床材である。圧電センサは、発電基盤と、圧電素子と、押圧部材と、を備える。発電基盤は、基材層の下方に配置され、且つ圧電センサと基材層とを積層した積層方向に貫通する開口部が形成されている。圧電素子は、圧力により変形することで電気を生じる素子である。押圧部材は、発電基盤と共に圧電素子を挟み、且つ圧電素子へ向けて突出する突出部を有し、樹脂材料を用いて形成されている。そして、発電基盤に形成されている開口部は、積層方向から見て突出部と重なっている。
本発明の一態様によれば、歩行時に発生する床鳴りを抑制することが可能な、センサ付き床材を提供することが可能となる。
本発明の第1実施形態におけるセンサ付き床材の構成を示す断面図である。 筐体と、筐体の内部に収容されている圧電センサを示す図である。 発電プレートの構成を示す図である。 発電プレート及び押圧部材の構成を示す図である。 押圧部材の構成を示す平面図である。 センサ付き床材の施工方法を示す平面図である。 本発明の第4実施形態におけるセンサ付き床材の構成を示す断面図である。
以下、図面を参照して、本技術の実施形態を説明する。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付し、重複する説明を省略する。各図面は模式的なものであり、現実のものとは異なる場合が含まれる。以下に示す実施形態は、本技術の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本技術の技術的思想は、下記の実施形態に例示した装置や方法に特定するものでない。本技術の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることが可能である。また、以下の説明における「左右」や「上下」の方向は、単に説明の便宜上の定義であって、本発明の技術的思想を限定するものではない。よって、例えば、紙面を90度回転すれば「左右」と「上下」とは交換して読まれ、紙面を180度回転すれば「左」が「右」になり、「右」が「左」になることは勿論である。
(第1実施形態)
以下、図1を参照して、センサ付き床材10の構成について説明する。
センサ付き床材10は、図1に示すように、床下地FBの上面(図1では、上側の面)に敷いて用いる床材である。なお、センサ付き床材10と床下地FBとの間には、第一接着層1が形成されている。
床下地FBとしては、例えば、木材、合板、パーティクルボード、木質繊維板、木毛セメント板、OSB等の木質材料を用いることが可能である。また、床下地FBとしては、例えば、ALC、セメント系ボード類、モルタル施工面、コンクリート打設面等の無機系下地や、鋼板、デッキプレート等の金属系下地、あるいは、これらを組み合わせたものを用いることが可能である。
なお、上述したいずれの構成を用いた場合であっても、床下地FBは、段差や凹凸の少ない(無い)平坦な面であることが好ましい。
第一接着層1の構成は、センサ付き床材10と床下地FBとを接着することが可能であれば、特に限定されるものではない。したがって、第一接着層1を形成する材料としては、例えば、2液ウレタン水性接着剤、1液酢酸ビニル樹脂エマルジョン系接着剤、湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルト接着剤等を用いることが可能である。第一接着層1の厚さは、例えば、乾燥後の膜厚が、10[μm]以上100[μm]以下の範囲内程度となるように調節する。
また、センサ付き床材10は、基材層2と、下地層3と、圧電センサ4と、化粧層5を備える。
(基材層)
基材層2は、圧電センサに積層した層であり、例えば、JISK7220に準拠して測定した圧縮弾性率が、0.7[MPa]以上2.6[MPa]以下の範囲内である。
基材層2の厚さは、3[mm]以上9[mm]以下の範囲内である。
また、基材層2は、溶融押出成形により形成した木質樹脂層を含んで形成されている。
木質樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、木粉を10質量部以上30質量部以下の範囲内で配合し、且つタルクを5質量部以上15質量部以下の範囲内で配合して形成されている。
(下地層)
下地層3は、圧電センサ4と基材層2との間に積層した層であり、例えば、JISK7220に準拠して測定した圧縮弾性率が、0.01[MPa]以上0.06[MPa]以下の範囲内である。
また、下地層3は、接着層、粘着層、バッカー層、クッション層のうち少なくとも1つを含む。なお、下地層3の構成は、例えば、接着層、粘着層、バッカー層、クッション層のうち2層以上を積層させた構成としてもよい。
接着層としては、例えば、アクリル系、酢酸ビニル系、ウレタン系、エポキシ系等を含む接着剤を用いることが可能である。
粘着層としては、例えば、溶剤型、エマルジョン型、ホットメルト型、電離放射線硬化型等の樹脂を用いることが可能である。具体的には、例えば、ポリイソプレンゴム等のゴム系樹脂、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂等のアクリル系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系樹脂等を用いることが可能である。また、例えば、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩素化オレフィン系樹脂を用いることが可能である。
また、粘着層としては、例えば、ポリビニルブチラール系樹脂等の任意の接着剤に適当な粘着付与剤(例えば、ロジン、ダンマル、重合ロジン、部分水添ロジン、エステルロジン)を用いることが可能である。
なお、粘着層には、例えば、ポリテルペン系樹脂、テルペン変性体、石油系樹脂、シクロペンタジエン系樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂を添加してもよい。また、粘着層には、例えば、キシレン系樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂、クマロン-インデン系樹脂等を添加してもよい。さらに、粘着層には、必要に応じて、例えば、軟化剤、充填剤、老化防止剤等を添加してもよい。
バッカー層としては、熱可塑性樹脂を含む樹脂シートを用いることが可能である。
バッカー層を形成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系、ポリアクリル系、ポリメチレン系等の樹脂を用いることが可能である。また、バッカー層を形成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリメチルペンテン系、ポリエチレンテレフタレート系、ポリブチレンテレフタレート系等の樹脂を用いることが可能である。さらに、バッカー層を形成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリカーボネート系、ポリアリレート系、ポリイミド系、ポリスチレン系、ポリアミド系、塩化ビニル系等の樹脂を用いることが可能である。また、バッカー層を形成する熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリエチレンナフタレート-イソフタレート共重合体、ABS系等の樹脂を用いることが可能である。
上述した樹脂は、単独又は2種以上を混合して用いることが可能である。
バッカー層の厚さは、要求により選定されるものであるが、通常、100[μm]以上600[μm]以下の範囲内程度であり、250[μm]以上400[μm]以下の範囲内程度がより好ましい。また、バッカー層は、単層で形成してもよく、また、複層で形成してもよい。
クッション層としては、例えば、熱可塑性樹脂を含む発泡体を用いることが可能である。発泡体としては、公知である任意の樹脂発泡手法により形成したものを用いることが可能であり、熱可塑性樹脂を発泡させて形成する。
樹脂発泡手法としては、例えば、以下に示す手法(1)~(4)等を用いることが可能である。
手法(1).熱可塑性樹脂のペレット又はビーズにガスを含浸させ、さらに、押出し機で加熱・溶融し、ダイを出たところで発泡成形する方法。
手法(2).熱可塑性樹脂のペレット又はビーズを、押出し機にて加熱・溶融し、その中へガスを注入して混練し、ダイを出たところで発泡成形する方法。
手法(3).発泡剤を含んだ熱可塑性樹脂のペレット又はビーズを押出し機で加熱・溶融し、ダイから吐出したときは未発泡のシート成型をした後、後加工で加熱又は電子線の照射により発泡及び架橋させる方法。
手法(4).熱可塑性樹脂のペレットと成型温度で分解してガスを発生する化学発泡剤を混合し、押出し機で加熱・溶融した後、ダイ出口で発泡成形する方法。
クッション層を形成する熱可塑性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンαオレフィン共重合体を用いることが可能である。また、クッション層を形成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン-プロピレン共重合体、プロピレン-ブテン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物を用いることが可能である。さらに、クッション層を形成する熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレン-エチルアクリレート共重合体やこれらの酸変性物、アイオノマー樹脂、あるいは、これらの混合物等のポリオレフィン系樹脂を用いることが可能である。また、クッション層を形成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネートを用いることが可能である。さらに、クッション層を形成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレート-イソフタレート共重合体等のポリエステル系樹脂を用いることが可能である。また、クッション層を形成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ABS樹脂を用いることが可能である。
クッション層を形成する熱可塑性樹脂としては、上述した材料の中でも、特に、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、ポリエチレン系樹脂がより好ましい。さらには、架橋されたポリエチレン系樹脂がより一層好ましい。なお、架橋方法としては、例えば、電子線照射を用いることが可能である。
クッション層に用いる発泡剤としては、例えば、アゾジカーボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、N-N’-ジニトロソペンタメチレンテトラミン、オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドを用いることが可能である。また、クッション層に用いる発泡剤としては、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の熱分解型、又は、アクリロニトリル等の樹脂球殻中にヘキサン、イソブタン等の熱膨張性気体を封入したマイクロカプセル型を用いることが可能である。発泡剤の添加量は、例えば、樹脂分100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下の範囲内である。
(圧電センサ)
圧電センサ4は、床下地FBと下地層3の間に配置されており、受けた荷重に応じて動作及び発電するセンサである。なお、図1では、圧電センサ4を、センサ付き床材10を構成する一つの層として図示し、詳細な構成は省略している。
また、圧電センサ4は、図2に示すように、筐体20の内部に収容されている。
筐体20は、ベース部21とカバー部22とを組み合わせて形成されている。
ベース部21は、絶縁材料(例えば、硬質ゴム等の樹脂材料)を用いて、一つの面を開放した箱形状に形成されている。
カバー部22は、ベース部21と同様、絶縁材料を用いて形成されている。また、カバー部22は、ベース部21に組み合わせることで、ベース部21の開放した面の側からベース部21を覆う形状に形成されている。
また、圧電センサ4は、複数の発電プレート30と、複数の押圧部材50と、発信ユニット40を備える。
複数の発電プレート30は、加えられた荷重を電気に変換するものであり、図3に示すように、圧電素子31と振動板32を含む。なお、図2には、一例として、圧電センサ4が、4列×4列のグリッド状に配置した16個の発電プレート30を備える構成を図示している。
圧電素子31は、圧力により変形することで電気を生じる素子であり、薄い板状に形成されている。
また、圧電素子31は、チタン酸バリウム、ジルコニア等の圧電セラミックス、リチウムタンタレート(LiTaO)等の圧電単結晶にて形成されている。
また、圧電素子31には、プラス端子及びマイナス端子が設けられている。プラス端子とマイナス端子は、圧電素子31にて発生した電流を外部に出力するための出力端子である。
圧電素子31のプラス端子は、圧電素子31の下面に取り付けられており、回路基板(図示せず)のプラス端子に接続されている。回路基板のプラス端子は、圧電素子31のプラス端子から出力された電流を入力するための入力端子である。
圧電素子31のマイナス端子は、圧電素子31の上面に取り付けられており、回路基板のマイナス端子に接続されている。回路基板のマイナス端子は、圧電素子31のマイナス端子から出力された電流を入力するための入力端子である。
ここで、回路基板は、例えば、公知の回路基板を用いて構成されており、例えば、ベース部21の上面に配置されている。また、回路基板には、プラス端子と、マイナス端子と、整流部と、出力端子が実装されている。
整流部は、マイナス端子及びプラス端子を介して取得した電流(具体的には、交流電流)を直流電流に変換する、あるいは、直流電源の陰極又は陽極をどちらに接続しても構わないように調整するための整流手段である。また、整流部は、例えば、複数のダイオードを有する公知のブリッジ回路を用いて構成されており、回路基板における発電プレート30と対応する位置にそれぞれ設けられたマイナス端子及びプラス端子と、配線を介して電気的に接続されている。
出力端子は、整流部から出力された電流を外部の機器に出力するための端子であり、整流部と配線を介して電気的に接続されている。
振動板32は、圧電素子31に応力を加える支持体であると共に、圧電素子31の割れ強度を補強する補強材を兼ねる。
また、振動板32は、ステンレス薄板等、可撓性と耐久性を有する鋼材等を用いて、円板状に形成されている。また、振動板32の一方の側面は、圧電素子31と接触している。さらに、振動板32は、接着剤等を用いて圧電素子31に接合されている。
複数の押圧部材50は、ベース部21の内部における基材層2と共に圧電素子31を挟む位置において、複数の発電プレート30に対し、一対一の関係で配置されている。したがって、複数の押圧部材50は、圧電センサ4は、4列×4列のグリッド状に配置した16個の押圧部材50を備える。
押圧部材50は、樹脂材料を用いて形成されており、図4に示すように、平板部51と、突出部52を有する。
第1実施形態では、押圧部材50を形成する樹脂材料として、シリコン樹脂を用いた場合を説明する。
押圧部材50を形成するシリコン樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂を用いる。
押圧部材50の硬度は、60[°]以上80[°]以下の範囲内である。
なお、押圧部材50の硬度は、JIS K 6253に準じて測定した値である。
第1実施形態では、押圧部材50の硬度が、80[°]である場合について説明する。
平板部51は、円板状に形成されている。
突出部52は、平板部51のうち、圧電素子31と対向する面に形成されている。
突出部52の形状は、圧電素子31へ向けて突出する円柱である。
平板部51の中心と、突出部52の中心は、基材層2、下地層3、圧電センサ4、化粧層5を積層した積層方向から見て、重なっている。
突出部52の圧電素子31と対向する面(天面)には、図5に示すように、シボ加工TPが施されている。
シボ加工TPの深さは、100[μm]以上150[μm]以下の範囲内である。
第1実施形態では、シボ加工TPの深さが、100[μm]である場合について説明する。
突出部52の直径R(天面の直径)は、2.0[mm]以上10.0[mm]以下の範囲内である。
第1実施形態では、突出部52の直径Rが、5.5[mm]である場合について説明する。
突出部52の高さHは、0.5[mm]以上5.0[mm]以下の範囲内である。
第1実施形態では、突出部52の高さHが、2.0[mm]である場合について説明する。
発信ユニット40は、発電プレート30で発電した電力に応じて、圧電センサ4に固有のID情報を、無線で発信する。
また、圧電センサ4と下地層3との間には、第二接着層6が形成されている。
第二接着層6の構成は、圧電センサ4と下地層3とを接着することが可能であれば、特に限定されるものではない。したがって、第二接着層6を形成する材料としては、第一接着層1と同様、例えば、2液ウレタン水性接着剤、1液酢酸ビニル樹脂エマルジョン系接着剤、湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルト接着剤等を用いることが可能である。第二接着層6の厚さは、第一接着層1と同様、例えば、乾燥後の膜厚が、10[μm]以上100[μm]以下の範囲内程度となるように調節する。
(積層体)
圧電センサ4と基材層2とを積層させた積層体(第一積層体)と、圧電センサ4を収容した筐体20と基材層2とを積層させた積層体(第二積層体)について説明する。
第一積層体は、第一積層体に対して基材層2の圧電センサ4と対向する面と反対側の面2a(図1では、上側の面)から荷重を加えた際に、反対側の面2aが荷重を受けて沈下する深さが0.1[mm]以上2.0[mm]以下の範囲内となるように形成されている。なお、反対側の面2aが荷重を受けて沈下する深さとは、反対側の面2aが荷重を受けて沈み込む沈み込み量と換言してもよい。
第二積層体は、第二積層体に対して基材層2の筐体20と対向する面と反対側の面2a(図1では、上側の面)から荷重を加えた際に、反対側の面2aが荷重を受けて沈下する深さが0.1[mm]以上2.0[mm]以下の範囲内となるように形成されている。
第一積層体及び第二積層体に対して反対側の面2aから加わる荷重は、例えば、生物(人員等)がセンサ付き床材10の上を歩行した際に加わる荷重である。
(化粧層)
化粧層5は、基材層2の圧電センサ4と対向する面と反対側の面2aに積層したシート状の層(化粧シート)である。
また、化粧層5と基材層2との間には、第三接着層7が形成されている。
第三接着層7の構成は、化粧層5と基材層2とを接着することが可能であれば、特に限定されるものではなく。第一接着層1と同様、例えば、2液ウレタン水性接着剤、1液酢酸ビニル樹脂エマルジョン系接着剤、湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルト接着剤等を用いることが可能である。
なお、例えば、化粧層5が含む基材シートがポリオレフィン系の材料を用いて形成されており、基材層2がポリオレフィン系の材料を用いて形成されている場合には、第三接着層7の材料として、湿気硬化型ウレタン系ホットメルト接着剤を好適に用いる。
第三接着層7の厚さは、第一接着層1と同様、例えば、乾燥後の膜厚が、10[μm]以上100[μm]以下の範囲内程度となるように調節する。
(センサ付き床材の施工方法)
以下、図1から図5を参照しつつ、図6を用いて、第1実施形態のセンサ付き床材10を施工するための施工方法(センサ付き床材10の施工方法)を説明する。
センサ付き床材10の施工方法では、第一接着層1を形成した床下地FBの上に、複数のセンサ付き床材10a~10pを、例えば、図6に示すように、グリッド状(図6では、4列×4列のグリッド状)に配置する。
上述したように、各センサ付き床材10は、受けた荷重に応じて動作及び発電する圧電センサ4を備えているため、配線等を用いて互いに接続する必要は無い。
また、複数のセンサ付き床材10a~10pがそれぞれ備える圧電センサ4は、固有のID情報が互いに異なる(例えば、IDa~IDp)。
このため、例えば、人員等が、複数のセンサ付き床材10によって形成される床面FPの上を移動すると、発信ユニット40が、圧電センサ4に固有のID情報を無線で発信する。これにより、例えば、受信したID情報をコンピュータ等で処理することで、複数のセンサ付き床材10の上を移動する人員等の位置情報等を取得することが可能となる。
なお、上述した第1実施形態は、本発明の一例であり、本発明は、上述した第1実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態のセンサ付き床材10であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(1)センサ付き床材10が、受けた荷重に応じて動作及び発電する圧電センサ4と、圧電センサ4に積層した基材層2と、を備える。これに加え、圧電センサ4が、圧力により変形することで電気を生じる素子である圧電素子31と、圧電素子31に応力を加える支持体である振動板32とを含む発電プレート30と、基材層2と共に圧電素子31を挟み、且つ圧電素子31へ向けて突出する突出部52を有する押圧部材50を備える。そして、押圧部材50が、樹脂材料を用いて形成されている。
このため、基材層2を積層する圧電センサ4が、受けた荷重に応じて動作及び発電するため、圧電センサ4に対して外部から給電する必要が無い。さらに、歩行時に加わる圧力によって発生する構成部品の干渉を抑制することが可能となる。
その結果、メンテナンスを行う際の作業効率を向上させることが可能な、センサ付き床材10を提供することが可能となる。これに加え、歩行時に発生する床鳴りを抑制することが可能なセンサ付き床材10を提供することが可能となる。
(2)突出部52の圧電素子31と対向する面に、シボ加工TPが施されている。
その結果、シボ加工TPが施されていない構成と比較して、突出部52と圧電素子31との接触面積を減少させることが可能となり、歩行時に発生する床鳴りを低減させることが可能となる。
(3)シボ加工TPの深さが、100[μm]以上150[μm]以下の範囲内である。
その結果、突出部52と圧電素子31との間に形成される空間を増加させることで、突出部52と圧電素子31との接触面積を減少させることが可能となり、歩行時に発生する床鳴りを低減させることが可能となる。
(4)押圧部材50がシリコン樹脂を用いて形成されており、押圧部材50の硬度が60[°]以上80[°]以下の範囲内である。
その結果、押圧部材50の強度を、必要な値に保持することが可能となる。
(5)突出部52の形状が円柱であり、突出部52の直径Rが2.0mm以上10.0mm以下の範囲内である。
その結果、押圧部材50の形状を、必要な形状に保持することが可能となる。
(6)突出部52の高さHが0.5[mm]以上5.0[mm]以下の範囲内である。
その結果、押圧部材50の形状を、必要な形状に保持することが可能となる。
(7)圧電センサ4が、発電プレート30で発電した電力に応じて圧電センサ4に固有のID情報を無線で発信する発信ユニット40を備える。
その結果、発電プレート30で発電した電力を用いて圧電センサ4に固有のID情報を無線で発信する発信ユニット40を備えるため、センサ付き床材10の上を移動する移動体の詳細な位置情報を取得可能なセンサ付き床材10を提供することが可能となる。
(8)圧電センサ4と基材層2とを積層させた積層体に対して、反対側の面2aから荷重を加えた際に、反対側の面2aが荷重を受けて沈下する深さが、0.1[mm]以上2.0[mm]以下の範囲内となるように形成されている。
その結果、圧電センサ4と基材層2とを積層させた積層体に加えた荷重による沈み込み量を規定することで、圧電センサ4及び基材層2が変形により生じる損傷を抑制することが可能となる。これに加え、センサ付き床材10の上を移動する人等の移動体を、圧電センサ4により検出することが可能となる。
(9)基材層2の厚さが、3[mm]以上9[mm]以下の範囲内である。これに加え、基材層2が、溶融押出成形により形成した木質樹脂層を含む。さらに、基材層2が含む木質樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、木粉を10質量部以上30質量部以下の範囲内で配合し、且つタルクを5質量部以上15質量部以下の範囲内で配合して形成されている。
その結果、基材層2を、規定範囲の厚さ、且つ、溶融押出成形により形成した木質樹脂基材を含む構成とすることにより、センサ付き床材10に対して、硬質な歩行感を付与することが可能となる。
(10)圧電センサ4が、一つの面を開放した箱形状のベース部21と、開放した面の側からベース部21を覆うカバー部22と、を組み合わせて形成した筐体20の内部に収容されている。これに加え、圧電センサ4を収容した筐体20と、基材層2と、を積層させた積層体に対して、反対側の面2aから荷重を加えた際に、反対側の面2aが荷重を受けて沈下する深さが0.1[mm]以上2.0[mm]以下の範囲内となるように形成されている。
その結果、圧電センサ4の構造と、圧電センサ4に荷重を加えた際の沈み込み量を規定することにより、圧電センサ4が変形により生じる損傷を抑制することが可能となる。これに加え、圧電センサ4を用いて、センサ付き床材10の上を移動する移動体が圧電センサ4に加える荷重の検出及び発電の確実性を向上させることが可能となる。
(11)圧電センサ4と基材層2との間に積層した下地層3を備える。これに加え、下地層3が、接着層、粘着層、バッカー層、クッション層のうち少なくとも1つを含む。
その結果、下地層3の構成を規定することで、センサ付き床材10としての適度な接着性やクッション性等を、センサ付き床材10に付与することが可能となる。
(第2実施形態)
第2実施形態の構成は、基材層2の構成を除き、上述した第1実施形態と同様の構成である。したがって、以下の説明では、上述した第1実施形態と同様の構成について、説明を省略する場合がある。
基材層2の厚さは、1.5[mm]以上6[mm]以下の範囲内である。
また、基材層2は、木質層又は木粉樹脂複合材を含んで形成されている。
木質層は、基材層2のうち化粧層5と対向する位置に配置されている。
木質層の材料としては、木材や合板等床面に用いることが可能であれば、特に限定するものではなく、南洋材合板、針葉樹合板、パーティクルボード、中密度繊維板、日本農林規格に規定される普通合板等を用いることが可能である。
木粉樹脂複合材は、基材層2のうち化粧層5と対向する位置に配置されている。
木粉樹脂複合材は、少なくとも熱可塑性樹脂及び木粉を含有する。
木粉樹脂複合材が含有する熱可塑性樹脂としては、環境配慮的な側面から、オレフィン系樹脂を用いることが好ましく、オレフィン系樹脂の中でも、性能やコストの面で、ポリプロピレンやポリエチレンを好適に用いることが可能である。この場合、ポリプロピレン及びポリエチレンは一方を単独で用いても良く、また、両者を併用しても良い。なお、木粉樹脂複合材が含有する熱可塑性樹脂は、上述した構成に限定されるものではない。
木粉としては、例えば、製材工場から排出されるおがくずや、廃木材、合板、MDF、パーティクルボード等のサンダー粉等を用いることが可能である。また、分散性、成形性をより向上させるためには、木粉として、平均粒径が10メッシュ以上150メッシュ以下の範囲内のものを用い、5質量%以上30質量%以下の範囲内で、熱可塑性樹脂に添加配合することが好ましい。なお、木粉の平均粒径及び配合量は、限定されるものではない。
なお、上述した第2実施形態は、本発明の一例であり、本発明は、上述した第2実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態のセンサ付き床材10であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(1)基材層2の圧電センサ4と対向する面と反対側の面2aに積層した化粧層5を備える。これに加え、基材層2の厚さが、1.5[mm]以上6.0[mm]以下の範囲内である。さらに、基材層2が、木質層又は木粉樹脂複合材を含み、木質層又は前記木粉樹脂複合材は、基材層2のうち化粧層5と対向する位置に配置されている。
その結果、基材層2を、規定した範囲の厚さ、且つ木質層又は溶融押出成形により形成した木質樹脂基材を含む構成とすることにより、センサ付き床材10に対して、硬質な歩行感を付与することが可能となる。
(第3実施形態)
第3実施形態の構成は、基材層2の構成を除き、上述した第1実施形態と同様の構成である。したがって、以下の説明では、上述した第1実施形態と同様の構成について、説明を省略する場合がある。
基材層2の厚さは、1.5[mm]以上3.5[mm]以下の範囲内である。なお、1.5[mm]以上3.5[mm]以下の範囲内に規定した基材層2の厚さは、化粧層5や表面保護層等を含んだ厚さとしてもよい。なお、化粧層5としては、上述したポリオレフィン系基材シートを含むものの他に、絵柄模様層やエンボスパターン付与層のような意匠付与層を用いても良い。
また、基材層2は、単層又は複層の塩化ビニル樹脂シート層を含んで形成されている。
塩化ビニル樹脂シート層は、可塑剤を含有する塩化ビニル系樹脂を用いて形成したシートの層である。
塩化ビニル系樹脂シートとしては、例えば、アキレス社製の「アートオプティマ」、ABC商会製の「アルトロセーフティーフロア」、ロンシール社製の「複層ビニル床シート」等を用いることが可能である。また、塩化ビニル系樹脂としては、例えば、サンゲツ社製の「ノンスキッド」、タキロンシーアイ社製の「タキストロン」等を用いることが可能である。
なお、上述した第3実施形態は、本発明の一例であり、本発明は、上述した第3実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(第3実施形態の効果)
第3実施形態のセンサ付き床材10であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(1)基材層2の圧電センサ4と対向する面と反対側の面2aに積層した化粧層5を備える。これに加え、基材層2の厚さが、1.5[mm]以上3.5[mm]以下の範囲内である。さらに、基材層2が、単層又は複層の塩化ビニル樹脂シート層を含む。
このため、塩化ビニル系樹脂に対して可塑剤の含有量を調整することで、基材層2の硬さを調整することが可能となる。これに加え、基材層2の耐久性を向上させることが可能となる。
その結果、1.5[mm]以上3.5[mm]以下の範囲内である、比較的薄い厚さの基材層2を備えるセンサ付き床材10に対し、好適な沈み込み量を実現することが可能となる。
(第4実施形態)
以下、図1から図6を参照しつつ、図7を用いて、センサ付き床材10の構成について説明する。なお、以下の説明では、上述した第1実施形態と同様の構成について、説明を省略する場合がある。
センサ付き床材10は、図1に示すように、床下地FBの上面(図7では、上側の面)に敷いて用いる床材である。なお、センサ付き床材10と床下地FBとの間には、第一接着層1が形成されている。
第一接着層1の構成は、上述した第1実施形態と同様である。
床下地FBとしては、例えば、木材、合板、パーティクルボード、木質繊維板、木毛セメント板、OSB等の木質材料を用いることが可能である。また、床下地FBとしては、例えば、ALC、セメント系ボード類、モルタル施工面、コンクリート打設面等の無機系下地や、鋼板、デッキプレート等の金属系下地、あるいは、これらを組み合わせたものを用いることが可能である。
なお、上述したいずれの構成を用いた場合であっても、床下地FBは、段差や凹凸の少ない(無い)平坦な面であることが好ましい。
また、センサ付き床材10は、床板部8と、圧電センサ4と、圧電素子31と、第二接着層6を備える。
(床板部)
床板部8は、第1実施形態で説明した、下地層3、基材層2、第三接着層7、化粧層5を、床下地FBに近い側から順番に積層した構成である。
(圧電センサ)
圧電センサ4は、床下地FBと床板部8の間に配置されており、受けた荷重に応じて動作及び発電するセンサである。なお、図7では、圧電センサ4を、センサ付き床材10を構成する一つの層として図示し、詳細な構成は省略している。
また、圧電センサ4は、発電基盤60と、複数の圧電素子31と、複数の押圧部材50と、発信ユニット(図示略)を備える。
発電基盤60は、床板部8が有する基材層2の下方に配置されている板状の部材である。
また、発電基盤60には、複数の開口部61が形成されている。開口部61の数は、圧電素子31の数と等しい。
開口部61は、発電基盤60を、圧電センサ4と基材層2とを積層した積層方向に貫通している。
複数の圧電素子31は、圧力により変形することで電気を生じる素子であり、薄い板状に形成されている。なお、複数の圧電素子31は、例えば、4列×4列のグリッド状に配置されている。したがって、複数の開口部61は、例えば、4列×4列のグリッド状に配置されている。
また、圧電素子31は、チタン酸バリウム、ジルコニア等の圧電セラミックス、リチウムタンタレート(LiTaO)等の圧電単結晶にて形成されている。
複数の押圧部材50は、発電基盤60と共に圧電素子31を挟む位置に配置されている。したがって、複数の押圧部材50は、圧電センサ4は、4列×4列のグリッド状に配置した16個の押圧部材50を備える。
押圧部材50は、樹脂材料を用いて形成されており、図7に示すように、平板部51と、突出部52を有する。
第4実施形態では、押圧部材50を形成する樹脂材料として、シリコン樹脂を用いた場合を説明する。
押圧部材50を形成するシリコン樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂を用いる。
押圧部材50の硬度は、60[°]以上80[°]以下の範囲内である。
なお、押圧部材50の硬度は、JIS K 6253に準じて測定した値である。
第4実施形態では、押圧部材50の硬度が、80[°]である場合について説明する。
平板部51は、円板状に形成されている。
突出部52は、平板部51のうち、圧電素子31と対向する面に形成されている。
突出部52の形状は、圧電素子31へ向けて突出する円柱である。
平板部51の中心と、突出部52の中心は、基材層2、下地層3、圧電センサ4、化粧層5を積層した積層方向から見て、重なっている。
さらに、突出部52は、積層方向から見て開口部61の内側に配置されている。したがって、開口部61は、積層方向から見て突出部52と重なっている。
突出部52の圧電素子31と対向する面(天面)には、図5に示すように、シボ加工TPが施されている。
シボ加工TPの深さは、100[μm]以上150[μm]以下の範囲内である。
第4実施形態では、シボ加工TPの深さが、100[μm]である場合について説明する。
突出部52の直径R(天面の直径)は、2.0[mm]以上10.0[mm]以下の範囲内である。
第4実施形態では、突出部52の直径Rが、5.5[mm]である場合について説明する。
突出部52の高さHは、0.5[mm]以上5.0[mm]以下の範囲内である。
第4実施形態では、突出部52の高さHが、2[mm]である場合について説明する。
発信ユニット40は、圧電素子31で生じた電気に応じて、圧電センサ4に固有のID情報を、無線で発信する。
第二接着層6は、床板部8と圧電センサ4との間に形成されている。
第二接着層6の構成は、上述した第1実施形態と同様である。
なお、上述した第4実施形態は、本発明の一例であり、本発明は、上述した第4実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(第4実施形態の効果)
第4実施形態のセンサ付き床材10であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(1)センサ付き床材10が、受けた荷重に応じて動作及び発電する圧電センサ4と、圧電センサ4に積層した基材層2と、を備える。これに加え、圧電センサ4が、発電基盤60と、圧電素子31と、押圧部材50と、を備える。発電基盤60は、基材層2の下方に配置され、且つ圧電センサ4と基材層2とを積層した積層方向に貫通する開口部61が形成されている。圧電素子31は、圧力により変形することで電気を生じる素子である。押圧部材50は、発電基盤60と共に圧電素子31を挟み、且つ圧電素子31へ向けて突出する突出部52を有し、樹脂材料を用いて形成されている。そして、発電基盤60に形成されている開口部61は、積層方向から見て突出部52と重なっている。
このため、基材層2を積層する圧電センサ4が、受けた荷重に応じて動作及び発電するため、圧電センサ4に対して外部から給電する必要が無い。
さらに、歩行時に加わる圧力によって発電基盤60と共に圧電素子31が沈み込み、突出部52により加わる圧力によって圧電素子31が変形することで電気を生じる際に、突出部52によって下方から押された圧電素子31の変形が、開口部61によって許容される。これにより、歩行時に加わる圧力によって発生する構成部品の干渉を抑制することが可能となる。
その結果、メンテナンスを行う際の作業効率を向上させることが可能な、センサ付き床材10を提供することが可能となる。これに加え、歩行時に発生する床鳴りを抑制することが可能なセンサ付き床材10を提供することが可能となる。
第1から第4実施形態を参照しつつ、以下、実施例1から実施例4のセンサ付き床材と、比較例1のセンサ付き床材について説明する。
(実施例1)
<基材層>
ポリオレフィン系樹脂としてポリプロピレン(プライムポリマー社製:E105)を用いた。さらに、ポリプロピレン70質量部に対して、木粉を20質量部で配合し、且つタルクを10質量部で配合した材料を、200[℃]に設定した二軸押出機を用いて溶融加熱しつつ混合した。
また、厚さが5[mm]で幅が150[mm]の金型を二軸押出機の先端に取り付けておき、二軸押出機で溶融加熱しつつ混合した材料を1.6倍の発泡倍率で押出し、冷却水を循環させた金型に引き込んで冷却して固化させた。その後、冷却固化させた材料を、900[mm]の長さに切断して堆積させ、次に、80[℃]に設定したオーブンで6時間加熱した後、外気により冷却し、木質樹脂層を含む基材層を形成した。
<化粧層>
厚さが70[μm]のポリプロピレン樹脂着色シート(リケンテクノス社製:「RIVEST TPO」)に対し、絵柄模様層として2液ウレタン樹脂系バインダーのグラビアインキを用いて木目柄を印刷した。さらに、絵柄模様層の上に、透明熱可塑性樹脂層として、透明ポリプロピレン樹脂を押出しラミネートした。また、透明熱可塑性樹脂層の表面に、2液ウレタン樹脂系リコート層を1.3[g/m](dry)の塗布量で塗布した。さらに、2液ウレタン樹脂系リコート層の上に、表面保護層として紫外線硬化型塗料を10[g/m]の塗布量で塗布して硬化させ、化粧層を形成した。
<第三接着層>
化粧層の裏面に、湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルト接着剤(DIC社製 タイフォース)を、乾燥後の厚さが50[μm]となるように塗布して第三接着層を形成し、第三接着層を基材層の表面に貼り合わせた。
<下地層>
低密度ポリエチレン樹脂(密度:0.92[g/cm]、メルトインデックス:3.6[g/10分])100質量部と、発泡剤としてのアゾジカルボンアミド10質量部をヘンシェルミキサーに投入し、300[rpm]で3分間回転させた。さらに、1000[rpm]で3分間回転させた。次に、160[℃]でTダイから押し出し、230[℃]の縦型熱風発泡機に連続的に導入し、厚さが6.5[mm]であり、発泡倍率が5.0倍のポリエチレンフォームを作成し、クッション層を含む下地層を形成した。
<第二接着層>
クッション層の表面に、湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルト接着剤(DIC社製 タイフォース)を、乾燥後の厚さが50[μm]となるように塗布して第二接着層を形成し、第二接着層を基材層の裏面と貼り合わせた。
<圧電センサ>
圧電センサとしては、圧電素子及び振動板を含む発電プレートを筐体内に収容したものを使用した。
これに加え、圧電センサとしては、突出部の天面にシボ加工が施されている押圧部材を有するものを使用した。
<第一接着層>
第一接着層としては、両面テープを用いた。
(実施例2)
圧電センサとして、突出部の天面にシボ加工が施されていない押圧部材を有するものを使用した点を除き、実施例1と同様の構成とした。
(実施例3)
圧電センサとして、発電基盤と、複数の圧電素子と、複数の押圧部材を備えるものを使用した点を除き、実施例1と同様の構成とした。すなわち、実施例3の構成は、上述した第4実施形態と同様の構成とした。
(実施例4)
圧電センサとして、突出部の天面にシボ加工が施されていない押圧部材を有するものを使用した点を除き、実施例3と同様の構成とした。
(比較例1)
圧電センサとして、押圧部材を有していないものを使用した点を除き、実施例1と同様の構成とした。
(性能評価、評価結果)
実施例1から実施例4のセンサ付き床材と、比較例1のセンサ付き床材に対し、それぞれ、沈み込み量、発電量、無線通信、状態、床鳴りを評価した。評価方法としては、以下に記載した方法を用いた。
<沈み込み量>
体重60kgの人間がセンサ付き床材を踏んだ際の沈み込み量を測定した。
<発電量>
体重60kgの人間がセンサ付き床材の上で1秒間に2歩ずつ足踏みをする際に発電した発電量の平均値を計測した。
<無線通信>
圧電センサに固有のID情報を無線で発信する発信ユニットにより、無線通信が行われたか否かを確認した。
<状態>
体重60kgの人間がセンサ付き床材の上で1秒間に2歩ずつの足踏みを1分間に亘って継続した後の、センサ付き床材の状態を確認した。
<床鳴り>
体重60kgの人間がセンサ付き床材の上で1秒間に2歩ずつ足踏みをする際に発生した床鳴りを計測した。そして、床鳴りが日中においても明確に聞こえる大きさである場合を「×」と評価し、床鳴りが日中では聞こえにくい程度の大きさである場合を「〇」と評価し、床鳴りが夜間であっても聞こえにくい程度の大きさである場合を「◎」と評価した。
Figure 0007516921000001
上述した方法を用いて、各種の性能を評価した結果、表1に示すように、実施例1から実施例4のセンサ付き床材は、床鳴りの発生が抑制されていることが確認された。一方、比較例1のセンサ付き床材は、音量の大きい床鳴りが発生していることが確認された。
さらに、実施例1のセンサ付き床材は、実施例2のセンサ付き床材と比較して、床鳴りの音量が小さいことが確認された。同様に、実施例3のセンサ付き床材は、実施例4のセンサ付き床材と比較して、床鳴りの音量が小さいことが確認された。
1…第一接着層、2…基材層、2a…基材層2の筐体20と対向する面と反対側の面、3…下地層、4…圧電センサ、5…化粧層、6…第二接着層、7…第三接着層、8…床板部、10…センサ付き床材、20…筐体、21…ベース部、22…カバー部、30…発電プレート、31…圧電素子、32…振動板、40…発信ユニット、50…押圧部材、51…平板部、52…突出部、60…発電基盤、61…開口部、FB…床下地、FP…床面、TP…シボ加工、R…突出部52の直径、H…突出部52の高さ

Claims (14)

  1. 受けた荷重に応じて動作及び発電する圧電センサと、
    前記圧電センサに積層した基材層と、を備え、
    前記圧電センサは、圧力により変形することで電気を生じる素子である圧電素子と、前記圧電素子に応力を加える支持体である振動板と、を含む発電プレートと、前記基材層と共に前記圧電素子を挟み、且つ前記圧電素子へ向けて突出する突出部を有する押圧部材と、を備え、
    前記押圧部材は、樹脂材料を用いて形成されており、
    前記突出部の前記圧電素子と対向する面には、シボ加工が施されていることを特徴とするセンサ付き床材。
  2. 受けた荷重に応じて動作及び発電する圧電センサと、
    前記圧電センサに積層した基材層と、を備え、
    前記圧電センサは、前記基材層の下方に配置され、且つ前記圧電センサと前記基材層とを積層した積層方向に貫通する開口部が形成されている発電基盤と、圧力により変形することで電気を生じる素子である圧電素子と、前記発電基盤と共に前記圧電素子を挟み、且つ前記圧電素子へ向けて突出する突出部を有する押圧部材と、を備え、
    前記開口部は、前記積層方向から見て前記突出部と重なっており、
    前記押圧部材は、樹脂材料を用いて形成されていることを特徴とするセンサ付き床材。
  3. 前記突出部の前記圧電素子と対向する面には、シボ加工が施されていることを特徴とする請求項2に記載したセンサ付き床材。
  4. 前記シボ加工の深さは、100μm以上150μm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載したセンサ付き床材。
  5. 前記押圧部材は、シリコン樹脂を用いて形成されており、
    前記押圧部材の硬度は、60°以上80°以下の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載したセンサ付き床材。
  6. 前記突出部の形状は、円柱であり、
    前記突出部の直径は、2.0mm以上10.0mm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載したセンサ付き床材。
  7. 前記突出部の高さは、0.5mm以上5.0mm以下であることを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載したセンサ付き床材。
  8. 前記圧電素子で生じた電気に応じて前記圧電センサに固有のID情報を無線で発信する発信ユニットと、を備えることを特徴とする請求項1から請求項7のうちいずれか1項に記載したセンサ付き床材。
  9. 前記圧電センサと、前記基材層と、を積層させた積層体に対して前記基材層の前記圧電センサと対向する面と反対側の面から荷重を加えた際に、前記反対側の面が前記荷重を受けて沈下する深さが0.1mm以上2.0mm以下の範囲内となるように形成されていることを特徴とする請求項1から請求項8のうちいずれか1項に記載したセンサ付き床材。
  10. 前記基材層の厚さは、3mm以上9mm以下の範囲内であり、
    前記基材層は、溶融押出成形により形成した木質樹脂層を含み、
    前記木質樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、木粉を10質量部以上30質量部以下の範囲内で配合し、且つタルクを5質量部以上15質量部以下の範囲内で配合して形成されていることを特徴とする請求項1から請求項9のうちいずれか1項に記載したセンサ付き床材。
  11. 前記基材層の前記圧電センサと対向する面と反対側の面に積層した化粧層を備え、
    前記基材層の厚さは、1.5mm以上6.0mm以下の範囲内であり、
    前記基材層は、木質層又は木粉樹脂複合材を含み、
    前記木質層又は前記木粉樹脂複合材は、前記基材層のうち前記化粧層と対向する位置に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項9のうちいずれか1項に記載したセンサ付き床材。
  12. 前記基材層の前記圧電センサと対向する面と反対側の面に積層した化粧層を備え、
    前記基材層の厚さは、1.5mm以上3.5mm以下の範囲内であり、
    前記基材層は、単層又は複層の塩化ビニル樹脂シート層を含むことを特徴とする請求項1から請求項9のうちいずれか1項に記載したセンサ付き床材。
  13. 前記圧電センサは、一つの面を開放した箱形状のベース部と、前記開放した面の側から前記ベース部を覆うカバー部と、を組み合わせて形成した筐体の内部に収容され、
    前記圧電センサを収容した前記筐体と、前記基材層と、を積層させた積層体に対して前記基材層の前記筐体と対向する面と反対側の面から荷重を加えた際に、前記反対側の面が前記荷重を受けて沈下する深さが0.1mm以上2.0mm以下の範囲内となるように形成されていることを特徴とする請求項1から請求項12のうちいずれか1項に記載したセンサ付き床材。
  14. 前記圧電センサと前記基材層との間に積層した下地層を備え、
    前記下地層は、接着層、粘着層、バッカー層、クッション層のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1から請求項13のうちいずれか1項に記載したセンサ付き床材。
JP2020113229A 2020-06-30 2020-06-30 センサ付き床材 Active JP7516921B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020113229A JP7516921B2 (ja) 2020-06-30 2020-06-30 センサ付き床材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020113229A JP7516921B2 (ja) 2020-06-30 2020-06-30 センサ付き床材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022011842A JP2022011842A (ja) 2022-01-17
JP7516921B2 true JP7516921B2 (ja) 2024-07-17

Family

ID=80148412

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020113229A Active JP7516921B2 (ja) 2020-06-30 2020-06-30 センサ付き床材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7516921B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007097278A (ja) 2005-09-28 2007-04-12 Kohei Hayamizu 移動式発電装置である電力情報提供端末装置および電力供給情報提供サービスシステム
JP2011153469A (ja) 2010-01-27 2011-08-11 Toli Corp 床材及びその製造方法
JP2016125290A (ja) 2015-01-06 2016-07-11 タキロン株式会社 発電床材
JP2018204325A (ja) 2017-06-06 2018-12-27 凸版印刷株式会社 床材
JP2019213030A (ja) 2018-06-04 2019-12-12 凸版印刷株式会社 看視システム

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007097278A (ja) 2005-09-28 2007-04-12 Kohei Hayamizu 移動式発電装置である電力情報提供端末装置および電力供給情報提供サービスシステム
JP2011153469A (ja) 2010-01-27 2011-08-11 Toli Corp 床材及びその製造方法
JP2016125290A (ja) 2015-01-06 2016-07-11 タキロン株式会社 発電床材
JP2018204325A (ja) 2017-06-06 2018-12-27 凸版印刷株式会社 床材
JP2019213030A (ja) 2018-06-04 2019-12-12 凸版印刷株式会社 看視システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2022011842A (ja) 2022-01-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4448691B2 (ja) 遮音層付きパネル及びその製造方法
US20130042956A1 (en) Process for the manufacturing of a thermosetting laminate
US20080050562A1 (en) Panel with footfall and ambient sound deadening, covering composed of panels, sound-reducing coating, process for its production and apparatus for this purpose
EP2035222A1 (en) A decorative, low noise laminate equipped with a patterned balance layer formed by compression
KR20160030124A (ko) 다중레이어 패널
KR101979065B1 (ko) 실내 내장재용 보드 및 이를 제조하는 방법과 이 보드를 이용한 실내 내장재
JP7516921B2 (ja) センサ付き床材
JP2021014711A (ja) センサ付き床材
JP4920960B2 (ja) 木質床構造および木質床の施工方法
JP2000039165A (ja) 暖房機能付防音床仕上げ材
KR20200005252A (ko) 친환경 매트 및 친환경 매트 제조방법
JP3986680B2 (ja) 防湿シート及びこれを用いたフラッシュパネル
JP2000054610A (ja) プラスチック発泡体を組込んだ防音床構造体
JP2891565B2 (ja) 遮音性木質系床材
JP2002071152A (ja) 床暖房パネル
JPH084261A (ja) 木質系防音床材およびその製造方法
JPH10299234A (ja) 床 材
JP2602459B2 (ja) 遮音性木質系床材
JP3023671B2 (ja) 床 材
JP4100852B2 (ja) 床暖房パネル
JPH05302376A (ja) 積層パネル
JP2001288880A (ja) 直貼り用床材
JP2006116884A (ja) 化粧ボード及び化粧ボードの製造方法
JP2530583Y2 (ja) 防音床材
JPH0782870A (ja) 置敷き用防音床板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230524

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240123

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240312

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240604

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240617

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7516921

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150