JP7514890B2 - 車両通信システム - Google Patents

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本発明は、車両に搭載された複数の電子制御装置の間で通信を行う車両通信システムに関する。
従来、車両に搭載された複数の電子制御装置(以下、ECU)は、通信バスにより接続されて、例えばCAN等の規格に準拠した通信を行うことにより、車両動作の制御に必要な制御データの通信が行われる。また、これらのECUには、上記通信バスに加えて、各ECUの動作が正常か否かの診断を行うための診断データを伝送するための通信線も接続される。一般に、車外から車両に接続される診断装置からの通信要求に対するECUの応答時間には規格が設けられている。上記のように診断データを伝送するための通信線を上記制御データの伝送を行う通信バスと別に設けることで、診断装置からの応答要求に対してECUが送信する応答信号が診断装置において遅滞なく受信されるようにすることができる。
一方で、近年の、ADASや自律運転などの車両機能の複雑化、多様化に伴い、ECU間における情報通信量は増加しており、制御動作の信頼性の向上のため複数の通信バスによりECU間を接続して、ECU間のデータ通信の冗長化を図ることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2021-175410号公報
しかしながら、ECU間を接続する通信線(通信バスを含む。以下同じ。)が増加すれば、これに伴って、各ECUに装備すべき通信装置の数や規模は増加し、車両全体としてのコストおよび消費電力も増加していくこととなり、不都合である。
上記背景より、本発明の目的は、診断データを伝送する専用通信線を設けることなく、診断データ等の非制御データの良好な通信を確保しつつ、車両動作の制御に必要な制御データ通信の通信量の拡大及び又は冗長化を図ることである。
上記目的は、車両における通信線の数を低減して車両内通信におけるエネルギー効率を向上するものであり、効率的で持続可能な車社会の実現を通じてSDGsの達成に貢献し得る(SDGs 7.3、12.2等)。
本発明の一の態様は、車両に搭載された複数の車両制御ECUの間でのデータの通信を中継する中継装置と、前記中継装置と前記車両制御ECUのそれぞれとの間を接続する2本の通信バスと、を備え、前記中継装置と前記車両制御ECUとは、前記2本の通信バスの一方である第1通信バスを用いて、前記車両の制御動作に係る制御データの通信を行い、前記2本の通信バスの他方である第2通信バスを用いて、前記制御データの通信及び又は前記車両の制御動作に係るデータ以外の非制御データの通信を行前記中継装置は、前記非制御データへの優先度の割り当てを管理する優先度管理部を備え、前記優先度管理部は、前記優先度を生成する、車両通信システムである。
本発明の他の態様は、車両に搭載された複数の車両制御ECUの間でのデータの通信を中継する中継装置と、前記中継装置と前記車両制御ECUのそれぞれとの間を接続する2本の通信バスと、を備え、前記中継装置と前記車両制御ECUとは、前記2本の通信バスの一方である第1通信バスを用いて、前記車両の制御動作に係る制御データの通信を行い、前記2本の通信バスの他方である第2通信バスを用いて、前記制御データの通信及び又は前記車両の制御動作に係るデータ以外の非制御データの通信を行い、前記中継装置と前記車両制御ECUとの間において行われる前記第2通信バスを介した通信の通信帯域は、前記第1通信バスを介した通信の通信帯域より狭い、車両通信システムである。
本発明の他の態様によると、前記中継装置と前記車両制御ECUとの間で通信されるデータには、優先度が割り当てられており、前記中継装置と前記車両制御ECUとは、より高い前記優先度が割り当てられたデータを他のデータに優先して通信し、前記制御データには、前記非制御データよりも高い優先度が割り当てられている。
本発明の他の態様によると、前記中継装置は、前記非制御データへの優先度の割り当てを管理する優先度管理部を備え、前記優先度管理部は、前記車両が停車しているときは、前記車両が停車していないときに比べて、より高い優先度を前記非制御データに割り当てる。
本発明の他の態様によると、前記中継装置は、前記非制御データへの優先度の割り当てを管理する優先度管理部を備え、前記非制御データには、前記車両の外部から前記中継装置に接続される車両診断装置と前記車両制御ECUとの間で通信される診断データが含まれ、前記優先度管理部は、前記中継装置に前記車両診断装置が接続されたときは、前記車両診断装置が接続されていないときに比べて、より高い優先度を前記非制御データに割り当てる。
本発明の他の態様によると、前記中継装置と前記車両制御ECUとの間において行われる前記第2通信バスを介した通信の通信帯域は、前記第1通信バスを介した通信の通信帯域より狭い。
本発明の他の態様によると、前記中継装置および前記車両制御ECUは、それぞれ、前記第2通信バスを介した通信を管理する第1通信管理部および第2通信管理部を備え、前記第1通信管理部および第2通信管理部は、前記第2通信バスを介して送信すべき前記制御データがないときは、前記第2通信バスを介して前記非制御データの通信を行う。
本発明の他の態様によると、前記中継装置および前記車両制御ECUは、それぞれ、前記第2通信バスを介した通信を管理する第1通信管理部および第2通信管理部を備え、前記第1通信管理部および第2通信管理部は、前記第2通信バスを介して送信すべき前記制御データがあるときは、前記第2通信バスを介した前記非制御データの通信を行わない。
本発明によれば、診断データを伝送する専用通信線を設けることなく、診断データ等の非制御データの良好な通信を確保しつつ、車両動作の制御に必要な制御データ通信の通信量の拡大及び又は冗長化を図ることができる。
本発明の一実施形態に係る車両通信システムである車載の制御システムの構成図である。 車両制御ECUの一例である第2ゾーンECUの構成を示す図である。 中継装置であるセントラルECUの構成を示す図である。 第2ゾーンECUにおける通信処理の手順を示すフロー図である。 セントラルECUにおける通信処理の手順を示すフロー図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る車両通信システムである、車両に搭載された制御システム1の構成を示す図である。
制御システム1は、車両の全般的な制御および情報処理を行うセントラルECU2を備えている。以下、制御システム1が搭載された車両を自車両というものとする。セントラルECU2は、第1通信ライン3および第2通信ライン4a、4b、4cに接続され、これらの通信ライン間における通信データの授受を管理するゲートウェイの機能も実現する。また、セントラルECU2は、移動通信システムの通信規格に準拠する無線装置(不図示)と接続されて、OTA(Over The Air)管理を実行する。OTA管理は、車両が備える車載装置の更新プログラムを車外のサーバからダウンロードし、当該更新プログラムを車載装置に適用する制御を含む。
第1通信ライン3には、DLC(Data Link Connector)19が設けられている。DLC19には、例えば、自車両の外部から車両診断装置40が接続される。
第2通信ライン4a、4b、及び4cには、それぞれ、第1ゾーンECU20a、第2ゾーンECU20b、及び第3ゾーンECU20cが接続されている。第1ゾーンECU20aには、ECU30a、30b、30cが接続されており、第2ゾーンECU20bには、ECU30d、30e、30fが接続されている。また、第3ゾーンECU20cには、ECU30g、30h、30iが接続されている。
以下、第1ゾーンECU20a、第2ゾーンECU20b、及び第3ゾーンECU20cを総称してゾーンECU20ともいい、ECU30a、30b、30c、30d、30e、30f、30g、30h、30iを総称してECU30ともいうものとする。
ECU30には、例えば、MPU(Map Positioning Unit)、MVC-ECU(MVC;Multi View Camera)、PKS-ECU(PKS;Parking Support)、及び又はADAS-ECU(ADAS;Advanced Driver-Assistace System)、及びその他の、自車両が備える種々のデバイスやセンサの動作を制御するECUが含まれ得る。そのようなデバイスやセンサには、自車両を走行させる走行用モータ、アクセルやブレーキなどの操縦操作器、VSA装置(VSA;Vehicle Stability Asist)、バッテリ、ヘッドランプ等の灯体、ドアウィンドウを駆動するウィンドウモータ、ドアロック機構を駆動するアクチュエータ、ドアロックセンサ、ドア開閉センサ、温度センサ、車外カメラ、車室内カメラなどが含まれ得る。
ゾーンECU20には、それぞれ、自車両の車体空間の同じ区画内に配された複数のECU30、または同じ区画内に配されたデバイスやセンサの動作を制御する複数のECU30が接続されている。
なお、セントラルECU2には、ゾーンECU20に加えて、他の制御装置や機器が接続され得る。そのような制御装置や機器には、ICB(Infotainment Control Box)、スピーカ、マイクロホンと、メータパネル、ステアリングスイッチ、GNSSセンサ、タッチパネルなどが含まれ得る。
ここで、制御システム1およびセントラルECU2は、それぞれ、本開示における車両通信システムおよび中継装置に対応する。また、第1ゾーンECU20a、第2ゾーンECU20b、第3ゾーンECU20cは、本開示における、車両に搭載された複数の車両制御ECUに対応する。
本実施形態では、中継装置であるセントラルECU2と、車両制御ECUである第1ゾーンECU20a、第2ゾーンECU20b、第3ゾーンECU20cと、の間を接続する第2通信ライン4a、4b、及び4cは、それぞれ、2本の通信バスで構成されている。具体的には、第2通信ライン4aは、第1通信バス41aと第2通信バス42aとで構成されている。同様に、第2通信ライン4bは、第1通信バス41bと第2通信バス42bとで構成され、第2通信ライン4cは、第1通信バス41cと第2通信バス42cとで構成されている。
以下、第2通信ライン4a、4b、及び4cを総称して第2通信ライン4ともいうものとする。また、第1通信バス41a、41b、41cを総称して第1通信バス41ともいい、第2通信バス42a、42b、42cを総称して第2通信バス42ともいうものとする。本実施形態では、第1通信バス41および第2通信バス42は、CAN通信規格に準拠した通信を行うためのCANバスである。
以下、車両制御ECUの一つとして第2ゾーンECU20bを例にとり、車両通信システムである制御システム1の構成及び通信動作について説明する。ただし、以下に示す第2ゾーンECU20bとセントラルECU2との間の通信動作は、他の車両制御ECUとセントラルECU2との間においても同様に行われ得る。
[1.制御システムの通信動作]
本実施形態における制御システム1では、第2ゾーンECU20b(車両制御ECU)とセントラルECU2(中継装置)との通信は次のように行われる。
セントラルECU2と第2ゾーンECU20bとの間で通信される通信データには、自車両の制御動作に係るデータを伝送する制御データと、自車両の制御動作に係るデータ以外のデータを伝送する非制御データとが含まれる。
セントラルECU2と第2ゾーンECU20bとは、第2通信ライン4bの第1通信バス41bを用いて制御データの通信を行い、第2通信バス42bを用いて制御データの通信及び非制御データの通信を行う。これにより、制御システム1では、診断データを伝送する専用通信線を設けることなく、診断データ等の非制御データの良好な通信を確保しつつ、車両動作の制御に必要な制御データの通信の冗長化及び又は許容通信量の拡大を図ることができる。本実施形態では、非制御データは、自車両の外部からセントラルECU2に接続される車両診断装置40と、第2ゾーンECU20b等の車両制御ECUと、の間で通信される診断データ、並びに、OTAに係る情報及び車両制御ECUの更新プログラムを含む。
通信データには、優先度が割り当てられており、セントラルECU2と第2ゾーンECU20bとは、より高い優先度が割り当てられた通信データを他の通信データに優先して通信する。本実施形態では、上記通信データは、CAN通信規格に従って構成されるデータパケットで構成され、上記優先度は、各通信データに含められるIDにより示される。IDには、また、その通信データが非制御データか制御データかを示す識別コードと、その通信データに含まれるデータの内容種別を示す種別コードが含まれ得る。
本実施形態では、特に、制御データには、非制御データよりも高い優先度が割り当てられている。これにより、非制御データの発生に伴う制御データの通信速度の低下が防止され、複数の車両制御ECUが協働して行う車両制御動作の良好な応答性が確保され得る。
中継装置であるセントラルECU2は、非制御データへの優先度の割り当てを管理する。本実施形態では、セントラルECU2は、自車両が停車しているときは、自車両が停車していないときに比べて、より高い優先度を非制御データに割り当てる。これにより、自車両が停車中であって車両制御の迅速性を要しない期間においては、非制御データの通信速度を上げることができるので、例えば車両制御ECUの更新プログラムを迅速に行うことができる。
また、セントラルECU2は、自車両の外部から車両診断装置40が接続されたときは、車両診断装置40が接続されていないときに比べて、より高い優先度を非制御データに割り当てる。自車両の外部から車両診断装置40が接続されるのは、自車両が停車中であるときに限られるので、これにより、走行中における車両制御の迅速性に影響を与えることなく、診断データの通信を含む診断の迅速性を確保することができる。例えば、この構成によれば、車両診断装置40から車両制御ECUへデータ応答の指示が出されてから、車両診断装置40が車両制御ECUからの応答を受信するまでの応答時間を、所定の公的規格が規定する範囲内とすることが容易となる。
ここで、セントラルECU2と第2ゾーンECU20bとの間において行われる第2通信バス42bを介した通信の通信帯域は、第1通信バス41bを介した通信の通信帯域より狭いものとすることができる。これにより、制御データに比べて遅い通信速度が許容される非制御データの通信を行う第2通信バス42bの通信帯域を下げるので、通信データのトラフィックに影響を与えることなく、第2通信バス42bを用いる通信装置のコストを低減することができる。
セントラルECU2と第2ゾーンECU20bとは、第2通信バス42bを介して送信すべき制御データがないときは、第2通信バス42bを介して非制御データの通信を行う。これにより、第2通信バス42bにおける、非制御データの発生に伴う制御データの通信速度の低下が防止され、複数の車両制御ECUが協働して行う車両制御動作の良好な応答性が確保され得る。
セントラルECU2および第2ゾーンECU20bは、第2通信バス42bを介して送信すべき制御データがあるときは、第2通信バス42bを介した非制御データの通信を行わない。これにより、第2通信バス42bにおいて、非制御データの通信中に制御データの通信を行う必要が生じたときは、非制御データの通信を中止して、制御データの通信速度を高く維持することができる。
なお、セントラルECU2及び第2ゾーンECU20bは、第2通信バス42bを介して制御データ、非制御データが周期的に送信されている構成としても良い。その場合は、通信されるべき通信データが制御データであった場合には制御データの優先度を上げて通信を実施することで、制御データの通信速度を高く維持でき、良好な応答性を得ることができる。一方、非制御データの通信を行いたいときには、非制御データの優先度を上げれば良い。
[2.車両制御ECUの構成]
以下、第2ゾーンECU20bを例にとり、車両制御ECUの構成について説明する。それぞれの車両制御ECUは、車両制御動作の内容が互いに異なり得るが、以下に示す第2ゾーンECU20bにおける通信機能に係る構成は、他の車両制御ECUも同様に有する。ここで、上記「通信機能に係る構成」には、図2に示す第2ゾーンECU20bの構成における制御部57および制御プログラム54以外の構成要素が含まれる。
図2は、第2ゾーンECU20bの構成の一例を示す図である。
第2ゾーンECU20bは、プロセッサ50と、メモリ51と、第1通信装置52と、第2通信装置53と、を有する。
第1通信装置52および第2通信装置53は、それぞれ、第2通信ライン4bを構成するCAN通信バスである第1通信バス41bおよび第2通信バス42bを介してセントラルECU2と通信するための、CANトランシーバを備える。第1通信装置52および第2通信装置53は、それぞれ、後述する第1通信管理部60から送信用の通信データを受け取る。第1通信装置52および第2通信装置53は、それぞれ、従来技術に従い、第1通信管理部60から受け取った通信データを、送信データの一時保存場所である送信バッファ(不図示)に保存し、それぞれの通信データのIDが示す優先度の高い順に、それらの通信データを第1通信バス41bおよび第2通信バス42bへ送出する。
また、第1通信装置52および第2通信装置53は、それぞれ、第1通信バス41bおよび第2通信バス42bから通信データを受信し、受信した通信データを第1通信管理部60へ送る。
第1通信装置52は制御データの通信に用いられ、第2通信装置53は制御データと非制御データの通信に用いられる。また、第2通信装置53には、第1通信装置52よりも通信帯域の狭い通信装置が用いられ得る。
メモリ51は、例えば、揮発性及び又は不揮発性の半導体メモリで構成される。メモリ51は、プロセッサ50において実行すべき制御プログラム54を記憶する。メモリ51は、また、第1送信コードリスト55と第1受信コードリスト56とを記憶する。
第1送信コードリスト55は、プロセッサ50が生成する送信用データの内容種別を示す種別コードと、その送信用データに与えるべき優先度と、その送信用データを含む通信データが制御データおよび非制御データのいずれに対応するかを示す識別コードと、を対応付けたリストである。また、第1受信コードリスト56は、第2ゾーンECU20bとして受信すべき通信データの種別コードと、その通信データの送り先(すなわち、後述する制御部57、更新部58、診断部59のいずれか)を示す情報と、を対応付けたリストである。
プロセッサ50は、第2ゾーンECU20bが備えるコンピュータであり、例えば、一つ又は複数のCPU(Central Processing Unit)により構成される。プロセッサ50は、プログラムが書き込まれたROM(Read Only Memory)、データの一時記憶のためのRAM(Random Access Memory)等を有する構成であってもよい。
プロセッサ50は、機能要素又は機能ユニットとして、制御部57と、更新部58と、診断部59と、第1通信管理部60と、を備える。プロセッサ50が備えるこれらの機能要素は、例えば、コンピュータであるプロセッサ50がメモリ51に記憶された制御プログラム54を実行することにより実現される。なお、制御プログラム54は、光学ディスク、磁気ディスク、フラッシュメモリ等のコンピュータ読み取り可能な任意の記憶媒体に記憶させておくことができる。制御プログラム54およびその更新プログラムは、自車両と通信可能に接続された車外のサーバ装置(不図示)から、OTA機能を有するセントラルECU2を介して受信されて、メモリ51にダウンロードされる。
制御部57は、例えば、自車両の走行動作を制御する。例えば、制御部57は、第2ゾーンECU20bに接続された操縦操作器に対する運転者操作に基づいて、自車両が備えるバッテリから走行用モータへの通電動作を制御したり、走行安定性確保のためのブレーキング等の動作を制御する。
制御部57は、また、例えば自律運転制御を行う第1ゾーンECU20aと連携して動作し、自動走行およびパーキング支援動作等のための車両制御を行う。これらの連係動作のため、制御部57は、第1通信装置52及び又は第2通信装置53を介して第1ゾーンECU20a等の他の車両制御ECUとの間で制御データの授受を行う。
具体的には、制御部57は、送信すべき制御に係るデータを含む送信用データを生成する。そして、制御部57は、生成した送信用データを、その送信用データの内容種別を示す種別コードと共に、第1通信管理部60へ送る。後述するように、第1通信管理部60は、上記送信用データから制御に係るデータを含む通信データを生成し、生成した通信データを、他の車両制御ECUへ送信する。
また、制御部57は、他の車両制御ECUから送信された制御に係るデータを含む通信データを、第1通信装置52及び又は第2通信装置53と第1通信管理部60とを介して受信する。ここで、上記制御に係るデータを含む通信データは、制御データの一例である。
更新部58は、セントラルECU2からECU情報要求を含む通信データを受信したときに、そのECU情報要求に含まれる対象情報が示すダウンロード対象が第2ゾーンECU20bであるか否かを判断する。そして、ダウンロード対象が第2ゾーンECU20bであるときは、第2ゾーンECU20bの型番及びハードウェアバージョンと、現在使用している制御プログラム54のソフトウェアバージョンと、を含むECU情報を含んだ送信用データを生成する。更新部58は、生成した送信用データを、その送信用データの内容種別を示す種別コード(すなわち、ECU情報であることを示す種別コード)と共に、第1通信管理部60へ送る。第1通信管理部60は、上記送信用データからECU情報を含む通信データを生成し、生成した通信データを、セントラルECU2へ送信する。
また、更新部58は、第1通信管理部60を介してセントラルECU2から、更新された新しい制御プログラム54のプログラムコードを含む通信データを受信する。更新部58は、受信したプログラムコードをメモリ51に記憶する。ここで、上記ECU情報要求を含む通信データ、ECU情報を含む通信データ、およびプログラムコードを含む通信データは、非制御データである。
診断部59は、自車両の外部からDLC19を介して自車両に接続された車両診断装置40から、診断データ要求を含む通信データを、セントラルECU2を介して受信する。これに応じて、診断部59は、受信した診断データ要求により要求された診断データを含む送信用データを生成する。そして、診断部59は、生成した送信用データを、その送信用データの内容種別を示す種別コードと共に、第1通信管理部60へ送る。第1通信管理部60は、上記送信用データから診断データを含む通信データを生成し、生成した通信データを、セントラルECU2を介して車両診断装置へ送信する。ここで、診断データ要求を含む通信データ、および診断データを含む通信データは、非制御データである。
第1通信管理部60は、第2ゾーンECU20bにおける、第1通信バス41bおよび第2通信バス42bを介した通信を管理する。具体的には、第1通信管理部60は、第1通信装置52または第2通信装置53が、それぞれ第1通信バス41bまたは第2通信バス42bから通信データを受信したときに、その通信データのIDから、内容種別を示す種別コードを抽出する。第1通信管理部60は、メモリ51に記憶されている第1受信コードリスト56を参照し、上記抽出した種別コードが第1受信コードリスト56に含まれていないときは、受信された通信データを破棄する。
一方、上記抽出した種別コードが第1受信コードリスト56に含まれているときは、第1受信コードリスト56が示すその種別コードに対応した送り先に従い、上記受信した通信データを制御部57、更新部58、または診断部59へ送信する。
第1通信管理部60は、また、制御部57、更新部58、または診断部59から送信用データを受信したときは、第1送信コードリスト55を参照し、その送信用データに付された種別コードと、その種別コードに対応付けられた優先度および識別コードと、を含むIDを生成する。そして、第1通信管理部60は、上記受信した送信用データと上記生成したIDとを含めた通信データを生成する。
また、第1通信管理部60は、生成した通信データのIDの識別コードから、その通信データが制御データか非制御データかを判断する。そして、生成した通信データが制御データであるときは、第1通信管理部60は、その通信データを、第1通信装置52又は第2通信装置53を介して、それぞれ第1通信バス41bまたは第2通信バス42bへ送信する。
具体的には、第1通信管理部60は、第1通信装置52の送信動作の余裕度を判断し、上記生成した通信データが制御データであって、第1通信装置52における送信動作に余裕があるときは、上記生成した通信データを第1通信装置52へ送る。一方、上記生成した通信データが制御データであって、第1通信装置52における送信動作に余裕がないときは、第1通信管理部60は、上記生成した通信データを第2通信装置53へ送る。
上述したように、第1通信装置52および第2通信装置53は、それぞれ、通信データのIDが示す優先度の高い順に、それらの通信データを第1通信バス41bおよび第2通信バス42bへ送出する。
ここで、第1通信装置52の送信動作の余裕度は、例えば、第1通信装置52が備える送信バッファにおける、直近の所定時間内における通信データの平均滞留時間(すなわち、通信データが送信バッファに保存されてから第1通信バス41bへ送信されまでの平均時間)から判断することができる。第1通信管理部60は、例えば、第1通信装置52における上記平均滞留時間を所定の閾値と比較し、平均滞留時間が閾値以上であるときは、対応する第1通信装置52の送信動作には余裕がないものと判断する。
一方、上記生成した通信データが非制御データであるときは、第1通信管理部60は、その通信データを、第2通信装置53を介して第2通信バス42bへ送信する。この場合において、第1通信管理部60は、第2通信バス42bを介して送信すべき制御データがないときに、第2通信バス42bを介して非制御データの通信を行うものとすることができる。具体的には、第1通信管理部60は、第2通信バス42bに接続された第2通信装置53の送信バッファ内に制御データである通信データが保存されていないときに、非制御データである通信データを第2通信装置53へ送る。
第1通信管理部60は、また、第2通信バス42bを介して送信すべき制御データがあるときは、第2通信バス42bを介した非制御データの通信を行わない。具体的には、第1通信管理部60は、第2通信バス42bに接続された第2通信装置53の送信バッファ内に制御データである通信データが保存されているとき、または、直近の所定時間内に第2通信装置53により第2通信バス42bから制御データを受信しているときは、非制御データである通信データを第2通信装置53へ送らない。また、第1通信管理部60は、第2通信装置53の送信バッファ内に非制御データである通信データが保存されている場合において、制御データである通信データを第2通信装置53へ送るときは、第2通信装置53に指示して、送信バッファ内にある非制御データである通信データを破棄(すなわち、消去)させてもよい。第1通信管理部60は、非制御データを一時保存しておくものとし、上記破棄させた非制御データの送信を、その後において再試行するものとすることができる。
上記において、平均滞留時間は、第1通信装置52が計測して、その計測結果を第1通信管理部60へ送信するものとすることができる。また、第2通信装置53は、第1通信管理部60からの要求により、送信バッファ内に保存されている通信データのIDリストを第1通信管理部60へ送信するものとすることができる。これにより、第1通信管理部60は、上記IDリストに基づき、第2通信装置53の送信バッファ内に非制御データである通信データ及び又は制御データである通信データが保存されているか否かを判断することができる。
第1通信管理部60は、また、セントラルECU2から優先度変更要求を含む通信データを受信したことに応じて、第1送信コードリスト55にリストされた非制御データの優先度を、所定のレベルだけ上げる。また、第1通信管理部60は、セントラルECU2から初期化要求を含む通信データを受信したことに応じて、第1送信コードリスト55にリストされた非制御データの優先度を所定の初期値に設定する。
[3.中継装置の構成]
次に、中継装置であるセントラルECU2の構成について説明する。
セントラルECU2は、自車両に搭載された複数の車両制御ECUの間でのデータの通信を中継する。
図3は、セントラルECU2の構成の一例を示す図である。セントラルECU2は、プロセッサ70と、メモリ71と、第3通信装置72と、第4通信装置73と、第5通信装置74と、を有する。第3通信装置72は、3つの第1通信バス41a、41b、41cのそれぞれを介して通信を行う3つの送受信機721、722、723を備える。また、第4通信装置73は、3つの第2通信バス42a、42b、42cのそれぞれを介して通信を行う3つの送受信機731、732、733を備える。これらの送受信機721、722、723および731、732、733は、例えば、CAN通信を行うCANトランシーバである。
第3通信装置72の送受信機721、722、723および第4通信装置73の送受信機731、732、733は、それぞれ、従来技術に従い、後述する第2通信管理部83から受け取る送信用の通信データを、それぞれの送受信機の送信データの一時保存場所である送信バッファ(不図示)に保存する。そして、これらの送受信機は、それぞれの通信データのIDが示す優先度の高い順に、それらの通信データを第1通信バス41および第2通信バス42へ送出する。
第3通信装置72は制御データの通信に用いられ、第4通信装置73は制御データと非制御データの通信に用いられる。また、第4通信装置73には、第3通信装置72よりも通信帯域の狭い通信装置が用いられ得る。
メモリ71は、例えば、揮発性及び又は不揮発性の半導体メモリである。メモリ71は、プロセッサ70において実行すべき中継制御プログラム75を記憶する。メモリ71は、また、IDリスト76を記憶する。IDリスト76は、第1通信バス41および第2通信バス42を介して通信される通信データのIDのリストである。
メモリ71は、また、第2送信コードリスト77と第2受信コードリスト78とを記憶する。第2送信コードリスト77は、後述するプロセッサ70のOTA管理部81、診断通信部82、および優先度管理部84が生成する送信用データの内容種別を示す種別コードと、その送信用データに与えるべき優先度と、その送信用データを含む通信データが制御データおよび非制御データのいずれに対応するかを示す識別コードと、を対応付けたリストである。また、第2受信コードリスト78は、セントラルECU2として受信すべき通信データの種別コードと、その通信データの送り先(すなわち、後述するOTA管理部81または診断通信部82)を示す情報と、を対応付けたリストである。
プロセッサ70は、セントラルECU2が備えるコンピュータであり、例えば、一つ又は複数のCPUにより構成される。プロセッサ70は、プログラムが書き込まれたROM、データの一時記憶のためのRAM等を有する構成であってもよい。
プロセッサ70は、機能要素又は機能ユニットとして、中継部80と、OTA管理部81と、診断通信部82と、第2通信管理部83と、優先度管理部84と、を備える。プロセッサ70が備えるこれらの機能要素は、例えば、コンピュータであるプロセッサ70がメモリ71に記憶された中継制御プログラム75を実行することにより実現される。なお、中継制御プログラム75は、光学ディスク、磁気ディスク、フラッシュメモリ等のコンピュータ読み取り可能な任意の記憶媒体に記憶させておくことができる。また、中継制御プログラム75およびその更新プログラムは、自車両と通信可能に接続されたサーバ装置から、メモリ71にダウンロードされ得る。
中継部80は、複数の車両制御ECUの間でのデータの通信を中継する。具体的には、中継部80は、第3通信装置72又は第4通信装置73を介して第2通信ライン4a、4b、及び4cのいずれかから受信される通信データを、その通信データが第2通信ライン4a、4b、及び4cのいずれの第2通信ラインから受信されたものかを示す受信ライン情報と共に、第2通信管理部83から受信する。中継部80は、受信した通信データに含まれるIDを、IDリスト76が示す有効な通信データのIDと照合する。そして、受信された通信データのIDが有効な通信データのIDのいずれとも一致しないときは、中継部80は、上記受信された通信データを破棄する。
一方、上記受信された通信データのIDが有効な通信データのIDの一つと一致するときは、中継部80は、上記受信された通信データを、その受信ライン情報と共に、第2通信管理部83へ送る。第2通信管理部83は、第2通信ライン4a、4b、4cのうち、受信ライン情報が示す第2通信ラインを除く第2通信ラインへ、上記受信された通信データを送出する。
OTA管理部81は、TCU12を介して、自車両と通信可能に接続されたサーバ装置(不図示)から車両制御ECUの制御プログラム(例えば、第2ゾーンECU20bの制御プログラム54)の更新プログラムを、対応する車両制御ECUへダウンロードする。
具体的には、OTA管理部81は、TCU12を介して上記サーバ装置から更新プログラムのダウンロード指示と更新プログラムとを受信して、メモリ71に記憶する。ダウンロード指示には、その更新プログラムの適用条件を示す適用情報と、ダウンロードの対象となる車両制御ECUを指定する対象情報と、が含まれる。
OTA管理部81は、上記ダウンロード指示を受信したことに応じて、上記対象情報を含んだECU情報要求を含む送信用データを生成する。OTA管理部81は、生成した送信用データを、その送信用データの内容種別を示す種別コードと共に、第2通信管理部83へ送信する。第2通信管理部83は、上記送信用データからECU情報要求を含む通信データを生成し、生成した通信データを、第2通信ライン4a、4b、4cへ送信する。
OTA管理部81は、車両制御ECUからECU情報を含む通信データを受信する。OTA管理部81は、受信した通信データに含まれたECU情報が示す車両制御ECUの型番、ハードウェアバージョン、およびソフトウェアバージョンと、上記サーバ装置から受信したダウンロード指示の適用情報と、に基づき、その車両制御ECUに更新プログラムをダウンロードすべきか否かを判断する。
そして、OTA管理部81は、上記ECU情報が上記適用情報に適合し、その車両制御ECUに更新プログラムをダウンロードすべきと判断したときは、上記サーバ装置から受信してメモリ71に記憶した更新プログラムを含む送信用データを生成する。OTA管理部81は、生成した送信用データを、その送信用データの内容種別を示す種別コードと共に、第2通信管理部83へ送信する。
第2通信管理部83は、上記送信用データから更新プログラムを含む通信データを生成し、生成した通信データを、第2通信ライン4を介して対応する車両制御ECUへ送信する。なお、更新プログラムは、従来技術に従い、複数の通信データに分割して送信するものとすることができる。
診断通信部82は、DLC19に接続された車両診断装置40から診断データ要求を受信したことに応じて、受信した診断データ要求を含む送信用データを生成する。診断通信部82は、生成した送信用データを、その送信用データの内容種別を示す種別コードと共に、第2通信管理部83へ送信する。第2通信管理部83は、上記送信用データから診断データ要求を含む通信データを生成し、生成した通信データを、第2通信ライン4a、4b、4cへ送信する。
診断通信部82は、車両制御ECUから診断データを含む通信データを受信し、受信した通信データに含まれる診断データを、第5通信装置74により第1通信ライン3を介して車両診断装置40へ送信する。
第2通信管理部83は、セントラルECU2における、第1通信バス41および第2通信バス42を介した通信を管理する。具体的には、第2通信管理部83は、第3通信装置72又は第4通信装置73を介して第2通信ライン4a、4b、4cのいずれかから受信される通信データを、その通信データがいずれの第2通信ラインから受信されたものかを示す受信ライン情報と共に、中継部80へ送る。
第2通信管理部83は、また、第3通信装置72又は第4通信装置73を介して第2通信ライン4a、4b、及び4cのいずれかから通信データを受信したときに、その通信データのIDから、内容種別を示す種別コードを抽出する。第2通信管理部83は、メモリ71に記憶されている第2受信コードリスト78を参照し、上記抽出した種別コードが第2受信コードリスト78に含まれているときは、第2受信コードリスト78が示すその種別コードに対応した送り先に従い、上記受信した通信データをOTA管理部81または診断通信部82へ送る。
第2通信管理部83は、また、OTA管理部81または診断通信部82から送信用データを受信したときは、第2送信コードリスト77を参照し、その送信用データに付された種別コードと、その種別コードに対応付けられた優先度および識別コードと、を含むIDを生成する。そして、第2通信管理部83は、上記受信した送信用データと上記生成したIDとを含む通信データを生成する。
また、第2通信管理部83は、上記生成した通信データのIDに含めた識別コードから、上記生成した通信データが制御データか非制御データかを判断する。そして、生成した通信データが制御データであるときは、第2通信管理部83は、その通信データを、第3通信装置72又は第4通信装置73を介して、それぞれ第1通信バス41または第2通信バス42へ送信する。また、上記生成した通信データが非制御データであるときは、第2通信管理部83は、その通信データを、第4通信装置73を介して第2通信バス42へ送信する。
また、第2通信管理部83は、中継部80から、受信された通信データと受信ライン情報とを受けとったときに、受け取った通信データが含むIDから当該通信データが制御データか非制御データかを判断する。そして、上記受け取った通信データが制御データであるときは、第2通信管理部83は、その通信データを、第3通信装置72又は第4通信装置73を介して、上記受信ライン情報が示す第2通信ライン4以外の第2通信ライン4の第1通信バス41または第2通信バス42へ送信する。また、上記受け取った通信データが非制御データであるときは、第2通信管理部83は、その通信データを、第4通信装置73を介して、上記受信ライン情報が示す第2通信ライン4以外の第2通信ライン4の第2通信バス42へ送信する。
具体的には、第2通信管理部83は、第2通信ライン4a、4b、4cにそれぞれ接続された第3通信装置72の3つの送受信機721、722、723のそれぞれについての、送信動作の余裕度を判断する。そして、第2通信管理部83は、送信しようとする通信データ(すなわち、上記生成した通信データまたは中継部80から受け取った通信データ)が制御データであって、送受信機721、722、及び723のすべてにおいて送信動作に余裕があるときは、上記送信しようとする通信データを第3通信装置72の3つの送受信機721、722、723へ送る。
一方、送信しようとする通信データが制御データであって、送受信機721、722、723のいずれかにおいて送信動作に余裕がないときは、送信動作に余裕のないその送受信機に代えて、その送受信機に接続されている第2通信ライン4a、4b、又は4cと同じ第2通信ラインに接続された第4通信装置73の送受信機731、732、又は733へ、上記送信しようとする通信データを送る。すなわち、第2通信管理部83は、例えば、第2通信ライン4aの第1通信バス41aに接続された送受信機721の送信動作に余裕がないときは、同じ第2通信ライン4aの第2通信バス42aに接続された送受信機731へ、送信しようとする通信データを送る。
なお、上記において、送信しようとする通信データが、中継部80から受け取った中継対象である通信データであるときは、第2通信管理部83は、その通信データの受信ライン情報が示す第2通信ライン4a、4b、又は4cに接続された、送受信機721、722、又は723および送受信機731、732、又は733を、上記余裕度の判断対象および送信しようとする通信データの送り先から除外する。
すなわち、第2通信管理部83は、例えば、受信ライン情報が第2通信ライン4bを示しているときは、第2通信ライン4bの第1通信バス41bに接続されている送受信機722については、送信動作の余裕度判断の対象から除外すると共に、第2通信ライン4bの第1通信バス41bおよび第2通信バス42bにそれぞれ接続されている送受信機722および732を、中継対象である通信データの送り先から除外する。
ここで、送受信機721、722、723および送受信機731、732、733の送信動作の余裕度は、それぞれの送受信機が備える送信バッファにおける、直近の所定時間内における通信データの平均滞留時間から判断することができる。第2通信管理部83は、例えば、それぞれの送受信機における上記平均滞留時間を所定の閾値と比較し、平均滞留時間が閾値以上でるときは、対応する送受信機の送信動作には余裕がないものと判断する。
また、一方、送信しようとする通信データが非制御データであるときは、第2通信管理部83は、その通信データを、第4通信装置73の送受信機731、732、および733を介して、第2通信ライン4a、4b、4cのそれぞれの第2通信バス42へ送信する。この場合において、第2通信管理部83は、第2通信ライン4a、4b、4cのそれぞれについて、第2通信バス42を介して送信すべき制御データがないときに、第2通信バス42を介して非制御データの通信を行うものとすることができる。具体的には、第2通信管理部83は、第2通信ライン4a、4b、および4cのそれぞれについて、第2通信バス42に接続された送受信機731、732、および733の送信バッファ内に制御データである通信データが保存されていないときに、非制御データである通信データを送受信機731、732、および733へ送る。
第2通信管理部83は、また、第2通信ライン4a、4b、4cのそれぞれについて、第2通信バス42を介して送信すべき制御データがあると判断されるときは、第2通信バス42を介した非制御データの通信を行わない。具体的には、第2通信管理部83は、第2通信ライン4a、4b、4cのそれぞれについて、第2通信バス42に接続された送受信機731、732、又は733の送信バッファ内に制御データである通信データが保存されているか否かを判断し、これらの送受信機のいずれかの送信バッファ内に制御データが保存されているときは、その送受信機には、非制御データである通信データを送らない。
また、第2通信管理部83は、直近の所定時間内に送受信機731、732、又は733により第2通信バス42から制御データが受信されたか否かを判断し、これらの送受信機のいずれかにより直近の所定時間内に制御データが受信されているときは、その送受信機には、非制御データである通信データを送らない。
また、第2通信管理部83は、第2通信バス42に接続された送受信機731、732、733のいずれかの送信バッファ内に非制御データである通信データが保存されている場合において、その送受信機に制御データである通信データを送るときは、その送受信機に指示して、その送受信機の送信バッファ内にある非制御データである通信データを破棄させもよい。第2通信管理部83は、非制御データを一時保存しておくものとし、上記破棄させた非制御データの送信を、その後において再試行するものとすることができる。
上記において、送受信機721、722、723のそれぞれにおける平均滞留時間は、第3通信装置72が計測して、その計測結果を第2通信管理部83へ送信するものとすることができる。また、第4通信装置73は、第2通信管理部83からの要求により、送受信機731、732、733のそれぞれの送信バッファ内に保存されている通信データのIDリストを第2通信管理部83へ送信するものとすることができる。これにより、第2通信管理部83は、上記IDリストに基づき、送受信機731、732、733の送信バッファ内に非制御データである通信データ及び又は制御データである通信データが保存されているか否かを判断することができる。
優先度管理部84は、非制御データへの優先度の割り当てを管理する。本実施形態では、優先度管理部84は、自車両が停車しているときは、自車両が停車していないときに比べて、より高い優先度を非制御データに割り当てる。具体的には、優先度管理部84は、自車両が停車したときに、優先度変更指示を含む送信用データを生成する。そして、優先度管理部84は、生成した送信用データを、その送信用データの内容種別を示す種別コードと共に、第2通信管理部83へ送信する。第2通信管理部83は、上記送信用データから優先度変更指示を含む通信データを生成し、生成した通信データを、すべての第2通信ライン4へ送信する。優先度変更指示を含む通信データは、非制御データである。優先度変更指示を含む通信データを受信した車両制御ECU、例えば第2ゾーンECU20bは、上述したように、第1通信管理部60により、第1送信コードリスト55にリストされた非制御データの優先度を、所定のレベルだけ上げる。
優先度管理部84は、また、自車両が停車したときに、メモリ71に保存されている第2送信コードリスト77にリストされた非制御データの優先度を所定のレベルだけ上げる。優先度管理部84は、さらに、自車両が停車したときに、上記優先度変更指示により車両制御ECUにおいて変更された非制御データの優先度と符合するように、メモリ71に保存されているIDリスト76を変更する。
また、優先度管理部84は、自車両が走行を開始したときに、非制御データの優先度を初期値に設定する。具体的には、優先度管理部84は、自車両が走行を開始したときに、初期化指示を含む送信用データを生成する。そして、優先度管理部84は、生成した送信用データを、その送信用データの内容種別を示す種別コードと共に、第2通信管理部83へ送信する。第2通信管理部83は、上記送信用データから初期化指示を含む通信データを生成し、生成した通信データを、第2通信ライン4へ送信する。初期化指示を含む通信データは、非制御データである。初期化指示を含む通信データを受信した車両制御ECU、例えば第2ゾーンECU20bは、第1通信管理部60により、第1送信コードリスト55にリストされた非制御データの優先度を、所定の初期値に設定する。
優先度管理部84は、また、自車両が走行を開始したときに、メモリ71に保存されている第2送信コードリスト77にリストされた非制御データの優先度を所定の初期値に設定する。優先度管理部84は、さらに、自車両が走行を開始したときに、上記初期化指示により車両制御ECUにおいて初期値に設定された非制御データの優先度と符合するように、メモリ71に保存されているIDリスト76を変更する。
上記において、優先度管理部84は、自車両が停車しているか否か、および自車両が走行を開始したか否かを、自車両が備える車速センサ(不図示)が検出する車速に基づいて判断するものとすることができる。
また、優先度管理部84は、DLC19を介してセントラルECU2に車両診断装置40が接続されたときは、車両診断装置40が接続されていないときに比べて、より高い優先度を非制御データに割り当てる。また、優先度管理部84は、DLC19から車両診断装置40が外されたときは、非制御データの優先度を初期値に設定する。ここで、優先度の変更および初期値の設定は、上記と同様に行われ得る。また、これらの優先度の変更または初期値の設定に併せ、優先度管理部84は、メモリ71に保存されている第2送信コードリスト77にリストされた非制御データの優先度を変更し又は初期値に設定すると共に、車両制御ECUにおいて変更または初期値に設定された非制御データの優先度と符合するように、メモリ71に保存されているIDリスト76を変更する。
ここで、優先度管理部84は、診断通信部82が車両診断装置40から診断データ要求を受信したときに、DLC19に車両診断装置40が接続されたことを検知することができる。また、優先度管理部84は、例えば、診断通信部82が車両診断装置40から診断終了通知を受信したときに、車両診断装置40がDLC19から外されたものと判断することができる。
[4.車両通信システムにおける処理手順]
次に、車両通信システムである制御システム1における、車両制御ECUおよび中継装置の通信処理の手順について説明する。
図4は、車両制御ECUである第2ゾーンECU20bにおける、第1通信管理部60が実行する通信処理の手順を示すフロー図である。本処理は、第1通信管理部60により繰り返し実行される。
処理を開始すると、第1通信管理部60は、セントラルECU2から送信された優先度変更指示を受信したか否かを判断する(S100)。そして、優先度変更指示を受信したときは(S100、YES)、第1通信管理部60は、メモリ51が記憶する第1送信コードリスト55が示す非制御データの優先度を、より高い優先度を割り当てたのち(S102)、本処理を終了する。
一方、ステップS100において優先度変更指示を受信しないときは(S100、NO)、第1通信管理部60は、セントラルECU2から送信された初期化指示を受信したか否かを判断する(S104)。そして、初期化指示を受信したときは(S104、YES)、第1通信管理部60は、メモリ51が記憶する第1送信コードリスト55が示す非制御データの優先度を、予め定められた初期値に設定したのち(S106)、本処理を終了する。
一方、ステップS104において初期化指示を受信しないときは(S104、NO)、第1通信管理部60は、制御部57、更新部58、または診断部59から送信用データを受け取ったか否かを判断する(S108)。そして、送信用データを受け取っていないときは(S108、NO)、第1通信管理部60は、ステップS100に戻って処理を繰り返す。一方、送信用データを受け取ったときは(S108、YES)、第1通信管理部60は、受け取った送信用データを含む通信データを生成する(S110)。
次に、第1通信管理部60は、生成した通信データが制御データか否かを判断する(S112)。そして、生成した通信データが制御データであるときは(S112、YES)、第1通信管理部60は、第1通信装置52の送信動作に余裕があるか否かを判断する(S114)。そして、第1通信装置52の送信動作に余裕があるときは(S114、YES)、第1通信管理部60は、第1通信装置52により第1通信バス41bを介して、上記通信データである制御データを送信して(S116)、本処理を終了する。
一方、ステップS114において第1通信装置52の送信動作に余裕がないときは(S114、NO)、第1通信管理部60は、第2通信装置53により第2通信バス42bを介して、上記通信データである制御データを送信して(S118)、本処理を終了する。
また、一方、ステップS112において、ステップS110により生成した通信データが制御データでないとき、すなわち、非制御データであるときは(S112、NO)、第1通信管理部60は、第2通信バスを介して送信すべき制御データがあるか否かを判断する(S120)。そして、第2通信バス42bを介して送信すべき制御データがあるときは(S120、YES)、第1通信管理部60は、上記生成した通信データである非制御データを破棄して(S122)、本処理を終了する。
一方、ステップS120において第2通信バス42bを介して送信すべき制御データがないときは(S120、NO)、第1通信管理部60は、第2通信装置53により第2通信バス42bを介して、上記生成した通信データである非制御データを送信して(S124)、本処理を終了する。
図5は、中継装置であるセントラルECU2における、第2通信管理部83が実行する通信処理の手順を示すフロー図である。本処理は、第2通信管理部83により繰り返し実行される。
処理を開始すると、第2通信管理部83は、まず、中継部80から中継すべき通信データを受信したか否かを判断する(S200)。そして、中継すべき通信データを受信していないときは(S200、NO)、第2通信管理部83は、OTA管理部81、診断通信部82、または優先度管理部84から送信用データを受信したか否かを判断する(S202)。
そして、送信用データを受け取っていないときは(S202、NO)、第2通信管理部83は、ステップS200に戻って処理を繰り返し、中継すべき通信データを受信するか、送信用データを受け取るまで待機する。
一方、ステップS202において送信用データを受け取ったときは(S202、YES)、第2通信管理部83は、上記受け取った送信用データを含む通信データを生成し(S204)、第2通信管理部83は、ステップS206に処理を移す。
また、一方、ステップS200において、中継すべき通信データを受信したときは(S200、YES)、第2通信管理部83は、ステップS206に処理を移す。
ステップS206において、第2通信管理部83は、中継すべき通信データまたは上記生成した通信データ(以下、送信対象の通信データという)が制御データか否かを判断する。そして、送信対象の通信データが制御データであるときは(S206、YES)、第2通信管理部83は、ステップS208に処理を移す。
以下、ステップS208からステップS210までの処理は、第3通信装置72の送受信機721、722、723のそれぞれを処理対象として個別に実行される。以下、処理対象である送受信機721、722、又は723を「第3通信装置72の対象送受信機」という。
ステップS208において、第2通信管理部83は、第3通信装置72の対象送受信機の送信動作に余裕があるか否かを判断する。そして、第3通信装置72の対象送受信機の送信動作に余裕があるときは(S208、YES)、第2通信管理部83は、当該第3通信装置72の対象送受信機により、第1通信バス41を介して上記送信対象の通信データである制御データを送信して(S210)、本処理を終了する。
一方、ステップS208において、第3通信装置72の対象送受信機の送信動作に余裕がないときは(S208、NO)、第2通信管理部83は、当該第3通信装置72の対象送受信機に対応する第4通信装置73の送受信機により、第2通信バス42を介して上記送信対象の通信データである制御データを送信して(S212)、本処理を終了する。ここで、「第3通信装置72の対象送受信機に対応する第4通信装置73の送受信機」とは、第3通信装置72の対象送受信機に接続されている第1通信バス41に対応する第2通信バス42に接続された第4通信装置73の送受信機をいう。すなわち、第3通信装置72の送受信機721、722、および723に対応する第4通信装置73の送受信機とは、それぞれ、送受信機731、732、および733をいう。
一方、ステップS206において送信対象の通信データが制御データでないとき、すなわち、非制御データであるときは(S206、NO)、第2通信管理部83は、ステップS214に処理を移す。
以下、ステップS214からステップS218までの処理は、第4通信装置73の送受信機731、732、733のそれぞれを処理対象として個別に実行される。以下、処理対象である送受信機731、732、又は733を「第4通信装置73の対象送受信機」という。
ステップS214において、第2通信管理部83は、第4通信装置73の対象送受信機に接続されている第2通信バス42を介して送信すべき制御データがあるか否かを判断する。そして、第4通信装置73の対象送受信機に接続されている第2通信バス42を介して送信すべき制御データがあるときは(S214、YES)、第2通信管理部83は、上記送信対象の通信データである非制御データを破棄して(S216)、本処理を終了する。
一方、ステップS214において、第4通信装置73の対象送受信機に接続されている第2通信バス42を介して送信すべき制御データがないときは(S214、NO)、第4通信装置73の対象送受信機により、当該対象送受信機に接続されている第2通信バス42を介して、上記送信対象の通信データである非制御データを送信して(S218)、本処理を終了する。
なお、図4のS108、S110、又は図5のS202、S204では、送信用データを受け取った後、通信データを生成する構成としたが、これに限られない。最初から通信データとして、送信用データや種別コード、識別コード、ID等を含めて送信する構成とすれば生成するステップを省くことができる。
また、図4のS122、又は図5のS216では、非制御データを破棄する構成として記載を行ったが、これに限られない。非制御データを保留しておいて、後から送信できるようになったタイミングで非制御データを送信する構成としても良い。
[5.他の実施形態]
なお、本発明は上記の実施形態の構成に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
例えば、中継装置であるセントラルECU2と、車両制御ECUである第2ゾーンECU20b等との間の通信は、上述の実施形態ではCAN通信規格に準拠するものとしたが、通信データに優先度を定義することができる限りにおいて、任意の通信規格または通信方式に従うものとすることができる。例えば、中継装置と車両制御ECUとは、イーサネット(登録商標)やUSBにより通信するものとしてもよい。
また、第1通信管理部60は、上述の実施形態では、第1通信バス41bに接続されている第1通信装置52の送信動作に余裕がない場合に、第2通信装置53により第2通信バス42bを介して制御データを送信するものとした。これに限らず、第1通信管理部60は、第1通信バス41bおよび第2通信バス42bにより、制御データの通信の冗長化を行うものとしてもよい。例えば、第1通信管理部60は、特定の制御データについては、第1通信装置52および第2通信装置53の双方を用いて、第1通信バス41と第2通信バス42とにより、同じ特定の制御データを同時に送信することとしてもよい。
[6.上記実施形態によりサポートされる構成]
上述した実施形態は、以下の構成をサポートする。
(構成1)車両に搭載された複数の車両制御ECUの間でのデータの通信を中継する中継装置と、前記中継装置と前記車両制御ECUのそれぞれとの間を接続する2本の通信バスと、を備え、前記中継装置と前記車両制御ECUとは、前記2本の通信バスの一方である第1通信バスを用いて、前記車両の制御動作に係る制御データの通信を行い、前記2本の通信バスの他方である第2通信バスを用いて、前記制御データの通信及び又は前記車両の制御動作に係るデータ以外の非制御データの通信を行う、車両通信システム。
構成1の車両通信システムによれば、診断データを伝送する専用通信線を設けることなく、診断データ等の非制御データの良好な通信を確保しつつ、車両動作の制御に必要な制御データの通信の通信量の拡大及び又は冗長化を図ることができる。
(構成2)前記中継装置と前記車両制御ECUとの間で通信されるデータには、優先度が割り当てられており、前記中継装置と前記車両制御ECUとは、より高い前記優先度が割り当てられたデータを他のデータに優先して通信し、前記制御データには、前記非制御データよりも高い優先度が割り当てられている、構成1に記載の車両通信システム。
構成2の車両通信システムによれば、非制御データの発生に伴う制御データの通信速度の低下が防止され、複数の車両制御ECUが協働して行う車両制御動作の良好な応答性が確保され得る。
(構成3)前記中継装置は、前記非制御データへの優先度の割り当てを管理する優先度管理部を備え、前記優先度管理部は、前記車両が停車しているときは、前記車両が停車していないときに比べて、より高い優先度を前記非制御データに割り当てる、構成2に記載の車両通信システム。
構成3の車両通信システムによれば、自車両が停車中であって車両制御の迅速性を要しない期間においては、非制御データの通信速度を上げることができるので、例えば車両制御ECUの更新プログラムを迅速に行うことができる。
(構成4)前記中継装置は、前記非制御データへの優先度の割り当てを管理する優先度管理部を備え、前記非制御データには、前記車両の外部から前記中継装置に接続される車両診断装置と前記車両制御ECUとの間で通信される診断データが含まれ、前記優先度管理部は、前記中継装置に前記車両診断装置が接続されたときは、前記車両診断装置が接続されていないときに比べて、より高い優先度を前記非制御データに割り当てる、構成2または3に記載の車両通信システム。
自車両の外部から車両診断装置が接続されるのは、自車両が停車中であるときに限られるので、構成4の車両通信システムによれば、走行中における車両制御の迅速性に影響を与えることなく、診断データの通信を含む診断の迅速性を確保することができる。
(構成5)前記中継装置と前記車両制御ECUとの間において行われる前記第2通信バスを介した通信の通信帯域は、前記第1通信バスを介した通信の通信帯域より狭い、構成1ないし4のいずれかに記載の車両通信システム。
構成5の車両通信システムによれば、制御データに比べて遅い通信速度が許容される非制御データの通信を行う第2通信バスの通信帯域を下げるので、通信データのトラフィックに影響を与えることなく、第2通信バスを用いる通信装置のコストを低減することができる。
(構成6)前記中継装置および前記車両制御ECUは、それぞれ、前記第2通信バスを介した通信を管理する第1通信管理部および第2通信管理部を備え、前記第1通信管理部および第2通信管理部は、前記第2通信バスを介して送信すべき前記制御データがないときは、前記第2通信バスを介して前記非制御データの通信を行う、構成1ないし5のいずれかに記載の車両通信システム。
構成6の車両通信システムによれば、第2通信バスにおける、非制御データの発生に伴う制御データの通信速度の低下が防止され、複数の車両制御ECUが協働して行う車両制御動作の良好な応答性が確保され得る。
(構成7)前記中継装置および前記車両制御ECUは、それぞれ、前記第2通信バスを介した通信を管理する第1通信管理部および第2通信管理部を備え、前記第1通信管理部および第2通信管理部は、前記第2通信バスを介して送信すべき前記制御データがあるときは、前記第2通信バスを介した前記非制御データの通信を行わない、構成1ないし6のいずれかに記載の車両通信システム。
構成7の車両通信システムによれば、第2通信バスにおいて、非制御データの通信中に制御データの通信を行う必要が生じたときは、非制御データの通信を中止して、制御データの通信速度を高く維持することができる。
1…制御システム、2…セントラルECU、3…第1通信ライン、4、4a、4b、4c…第2通信ライン、19…DLC、20…ゾーンECU、20a…第1ゾーンECU、20b…第2ゾーンECU、20c…第3ゾーンECU、30、30a、30b、30c、30d、30e、30f、30g、30h、30i…ECU、40…車両診断装置、41、41a、41b、41c…第1通信バス、42、42a、42b、42c…第2通信バス、50、70…プロセッサ、51、71…メモリ、52…第1通信装置、53…第2通信装置、54…制御プログラム、55…第1送信コードリスト、56…第1受信コードリスト、57…制御部、58…更新部、59…診断部、60…第1通信管理部、72…第3通信装置、73…第4通信装置、74…第5通信装置、75…中継制御プログラム、76…IDリスト、77…第2送信コードリスト、78…第2受信コードリスト、80…中継部、81…OTA管理部、82…診断通信部、83…第2通信管理部、84…優先度管理部、721、722、723、731、732、733…送受信機。

Claims (8)

  1. 車両に搭載された複数の車両制御ECUの間でのデータの通信を中継する中継装置と、
    前記中継装置と前記車両制御ECUのそれぞれとの間を接続する2本の通信バスと、
    を備え、
    前記中継装置と前記車両制御ECUとは、
    前記2本の通信バスの一方である第1通信バスを用いて、前記車両の制御動作に係る制御データの通信を行い、
    前記2本の通信バスの他方である第2通信バスを用いて、前記制御データの通信及び又は前記車両の制御動作に係るデータ以外の非制御データの通信を行
    前記中継装置は、前記非制御データへの優先度の割り当てを管理する優先度管理部を備え、
    前記優先度管理部は、前記優先度を生成する、
    車両通信システム。
  2. 車両に搭載された複数の車両制御ECUの間でのデータの通信を中継する中継装置と、
    前記中継装置と前記車両制御ECUのそれぞれとの間を接続する2本の通信バスと、
    を備え、
    前記中継装置と前記車両制御ECUとは、
    前記2本の通信バスの一方である第1通信バスを用いて、前記車両の制御動作に係る制御データの通信を行い、
    前記2本の通信バスの他方である第2通信バスを用いて、前記制御データの通信及び又は前記車両の制御動作に係るデータ以外の非制御データの通信を行い、
    前記中継装置と前記車両制御ECUとの間において行われる前記第2通信バスを介した通信の通信帯域は、前記第1通信バスを介した通信の通信帯域より狭い、
    車両通信システム。
  3. 前記中継装置と前記車両制御ECUとの間で通信されるデータには、優先度が割り当てられており、
    前記中継装置と前記車両制御ECUとは、より高い前記優先度が割り当てられたデータを他のデータに優先して通信し、
    前記制御データには、前記非制御データよりも高い優先度が割り当てられている、
    請求項1に記載の車両通信システム。
  4. 記優先度管理部は、前記車両が停車しているときは、前記車両が停車していないときに比べて、より高い優先度を前記非制御データに割り当てる、
    請求項に記載の車両通信システム。
  5. 前記中継装置は、前記非制御データへの優先度の割り当てを管理する優先度管理部を備え、
    前記非制御データには、前記車両の外部から前記中継装置に接続される車両診断装置と前記車両制御ECUとの間で通信される診断データが含まれ、
    前記優先度管理部は、前記中継装置に前記車両診断装置が接続されたときは、前記車両診断装置が接続されていないときに比べて、より高い優先度を前記非制御データに割り当てる、
    請求項に記載の車両通信システム。
  6. 前記中継装置と前記車両制御ECUとの間において行われる前記第2通信バスを介した通信の通信帯域は、前記第1通信バスを介した通信の通信帯域より狭い、
    請求項1に記載の車両通信システム。
  7. 前記中継装置および前記車両制御ECUは、それぞれ、前記第2通信バスを介した通信を管理する第1通信管理部および第2通信管理部を備え、
    前記第1通信管理部および第2通信管理部は、前記第2通信バスを介して送信すべき前記制御データがないときは、前記第2通信バスを介して前記非制御データの通信を行う、
    請求項1に記載の車両通信システム。
  8. 前記中継装置および前記車両制御ECUは、それぞれ、前記第2通信バスを介した通信を管理する第1通信管理部および第2通信管理部を備え、
    前記第1通信管理部および第2通信管理部は、前記第2通信バスを介して送信すべき前記制御データがあるときは、前記第2通信バスを介した前記非制御データの通信を行わない、
    請求項1ないしのいずれか一項に記載の車両通信システム。
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