JP7514754B2 - 異物除去装置 - Google Patents

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本発明は、ワークに対して加工を施す際に発生した異物を前記ワークから除去するための異物除去装置に関し、特に、レーザ加工時に発生したドロスを除去する際に好適な異物除去装置に関する。
ガスタービンエンジンの燃焼器内は、加圧された空気と燃料が燃焼されることに伴って高温となる。この際に燃焼器を保護するべく、例えば、該燃焼器を構成するドーム部に小径の冷却用貫通孔が多数個形成される。ここで、冷却用貫通孔は、ドーム部の厚み方向に対して傾斜するように延在する。傾斜によって貫通孔の全長が大きくなるので、冷却効率が大きくなるという利点があるからである。
このように部材の厚み方向に対して傾斜する貫通孔をドリルによって形成することは容易ではない上、長時間を要する。そこで、この種の貫通孔を、レーザ光を用いるレーザ加工によって形成することが一般的である。しかしながら、レーザ加工では、レーザ光の照射時にワークが溶融してスパッタが発生し、ドロスとしてワークに付着する。ドロスが付着したままの部材を用いて燃焼器を構成すると、ドロスの熱容量によって冷却効率が低下するので、ドロスを除去する必要がある。
ドロスを除去する装置としては、特許文献1、2に記載されたものが知られている。特許文献1記載の装置はニードルを備え、該ニードルがタガネ外に突出する前進動作と、タガネ内に退避する後退動作とを繰り返す。これにより、ワークサポートの表面に付着したドロスを除去することを試みている。一方、特許文献2記載の技術では、垂直に保持されたワークに対して回転ブラシを接触させるようにしている。
特開2014-124685号公報 特開2017-42857号公報
ドロスを除去する対象物が燃焼器を構成する部材である場合には、上記したように該部材に冷却用貫通孔が形成される。特許文献1に記載される前進又は後退するニードルや、特許文献2に記載される回転ブラシを部材に接触させた場合、ワークの表面から脱離したドロスが冷却用貫通孔に侵入する懸念がある。このような事態が生じると、冷却用貫通孔が閉塞された状態となる。この場合、燃焼器の冷却効率が低下してしまう。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、ドロス等の異物をワークから除去することが容易であり、しかも、ワークに貫通孔が形成されている場合には、該貫通孔が異物で閉塞される懸念を払拭し得る異物除去装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明の一実施形態によれば、ワークの表面に付着した異物を除去するための異物除去工具と、圧縮気体供給源とを備える異物除去装置において、
前記異物除去工具は、作業者に握持される被握持部と、
前記被握持部から延在し、前記異物に接触するブレードと、
前記圧縮気体供給源から供給された圧縮気体を前記ブレードに接触する気流として送り出す気流送出部と、
を備える異物除去装置が提供される。
本発明によれば、異物に接触したブレードが該異物に傷(クラック)を生じさせ、さらに、ブレードに接触するように供給された圧縮気体が傷を起点として異物を崩壊させる。このため、ワークから異物を容易に除去することができる。
しかも、異物が圧縮気体(気流)によってブローされる。このブローにより、ワークに貫通孔が形成されているとしても、該貫通孔に異物が侵入することが防止される。すなわち、貫通孔が異物で閉塞される懸念が払拭される。
レーザ加工を施すワークであるリング体の概略全体斜視図である。 リング体に冷却用貫通孔(貫通孔)を形成して得たドーム部の概略全体斜視図である。 レーザ加工工程を行うべくリング体に対してレーザ光を照射している状態を示す側面模式図である。 異物除去装置を構成する基台の全体概略斜視図である。 基台にドーム部を載置したときの全体概略斜視図である。 図5中のVI-VI線矢視断面図である。 図5中のVII-VII線矢視断面図である。 異物除去装置を構成する第1異物除去工具の全体概略斜視図である。 図3からレーザ加工工程が一層進行した状態を示す側面模式図である。 異物であるドロスを第1異物除去工具によってドーム部から除去している状態を示す側面模式図である。 異物除去装置を構成する第2異物除去工具の全体概略斜視図である。 第2異物除去工具を構成するブレードの振動方向を示す側面模式図である。 ドロスを第2異物除去工具によってドーム部から除去している状態を示す側面模式図である。 遮断部材が設けられた基台にドーム部を載置したときの全体概略斜視図である。
以下、本発明に係る開孔部材の製造方法につき、異物除去装置との関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、この実施の形態では、レーザ加工時に発生するドロスを異物として除去するドロス除去装置を例示する。
はじめに、図1に示すリング体10(ワーク)につき説明する。このリング体10は、直径方向内方から外方に向かって内フランジ12、内垂直壁14、内傾斜壁16、蓋部壁18、外傾斜壁20、外垂直壁22、外フランジ24をこの順序で有する。この中の内フランジ12は、内垂直壁14の内周縁部から直径方向内方に向かって突出し、環状に周回する。一方、外フランジ24は、外垂直壁22の外周縁部から直径方向外方に向かって突出し、環状に周回する。
内垂直壁14は、内フランジ12の直径方向外縁から略垂直に立ち上がり、内傾斜壁16は、その立ち上がり先端から直径方向外方に指向して折曲されるようにして形成されている。これと同様に、外フランジ24の直径方向内縁には略垂直に立ち上がった外垂直壁22が連なり、さらに、外垂直壁22の立ち上がり先端に、直径方向内方に指向して折曲された外傾斜壁20が連なる。そして、内傾斜壁16と外傾斜壁20には、内フランジ12、外フランジ24に対して略平行な蓋部壁18が跨がる。
内フランジ12、内垂直壁14、内傾斜壁16、蓋部壁18、外傾斜壁20、外垂直壁22、外フランジ24が上記したように連なることから、リング体10は、直径方向断面が略ハット形状をなす(図6参照)。そして、蓋部壁18には、複数個の燃料供給孔26(開口)が互いに略等間隔で離間し、且つ厚み方向に沿って貫通するように形成されている。
本実施の形態において、リング体10は、好ましくはニッケル(Ni)基合金からなる。ニッケル基合金は耐熱性に優れる上、延展性に富むので成形加工が比較的容易であるからである。耐熱性を一層向上させるという観点からは、コバルト(Co)を成分として含有するニッケル基合金が一層好ましい。
リング体10には、後述するレーザ加工が施されることにより、図2に示す微細な冷却用貫通孔(以下、「冷却孔」と表記することもある)28が複数個形成される。その結果、図示しないガスタービンエンジンを構成する燃焼器のドーム部30が開孔部材として得られる。ドーム部30は、前記燃焼器を構成する図示しないライナの開口端に接合され、該ライナの蓋部となる。
図3は、リング体10に対してレーザ加工を実施している状態を示す側面模式図である。レーザ加工装置は、図示しない支持台と、レーザ光40を出力する照射部42とを有する。支持台上には、リング体10が保持される。なお、リング体10を支持台に位置決め固定するようにしてもよい。
照射部42は、リング体10の表面(例えば、蓋部壁18の外面)に対する交差角度θが0°超~90°未満となる位置に配設される。すなわち、照射部42は、リング体10の表面に対して傾斜している。従って、照射部42から照射されたレーザ光40も、リング体10の表面に対して傾斜するようにして該表面に入射する。後述するように、レーザ光40によってリング体10の一部が溶融する結果、貫通孔としての冷却孔28が形成される。なお、交差角度θ、冷却孔28の全長L(図9参照)、リング体10の厚みTの各典型例は、10°~40°程度、8~15mm程度、3~4mm程度である。
レーザ加工を行う際、リング体10の肉の一部が溶融することにより、スパッタ44aが発生する。このスパッタ44aがリング体10に付着して冷却固化すると、ドロス46(図9参照)と指称される異物となる。次に、このドロス46を除去する異物除去装置としてのドロス除去装置につき説明する。なお、ドロス46が除去される対象物、すなわち、ワークは、レーザ加工によって冷却孔28が形成されたドーム部30である。
図4は、ドロス除去装置を構成する基台50の全体概略斜視図であり、図5は、基台50にドーム部30を載置したときの全体概略斜視図である。基台50は、その内径が、ドーム部30(リング体10)の中心から内フランジ12の内縁までの距離(内径)に略一致し、且つその外径が、前記中心から外フランジ24の外縁までの距離(外径)に略一致する円環形状体からなる。基台50の上底面は、ドーム部30が載置される保持部52である。なお、図5~図7では、ドロス46の図示を省略している。
図5中のVI-VI線矢視断面図である図6に示すように、基台50には、内周壁から外周壁に向かう水平流路54と、該水平流路54に対して略直交する鉛直流路56とが形成されている。互いに連通する水平流路54と鉛直流路56により、流通路が形成される。水平流路54の入口開口である給気口58は基台50の内周壁に位置し、鉛直流路56の出口開口である排気口60は保持部52に位置する。
給気口58には、供給管62を介して圧縮気体供給源64が接続される。具体的には、前記給気口58に管継手66を介して供給管62の一端が接続されるとともに、該供給管62の他端が圧縮気体供給源64に接続される。従って、圧縮気体供給源64から供給された圧縮気体は、供給管62及び管継手66を介して給気口58から水平流路54に導入され、その後、鉛直流路56を流通する。なお、圧縮気体供給源64の典型例としては、大気を圧縮して圧縮エアとするエアコンプレッサが挙げられる。
保持部52には環状シール部材68が設けられるとともに、該環状シール部材68に、排気口60に重なるシール側出口70が形成されている。従って、鉛直流路56を流通した圧縮気体は、排気口60を経てシール側出口70から排出される。ここで、環状シール部材68は、内フランジ12、外フランジ24の各々と、保持部52との間をシールするためのものである。
図4に示すように、保持部52には、第1区画部72、第2区画部74が所定間隔で互いに離間するようにして設けられる。第1区画部72は、画成壁76と、該画成壁76から延出する薄肉の舌片部78とを有する。舌片部78がボルトを介して保持部52に連結されることにより、第1区画部72が保持部52上に位置決め固定される。一方の画成壁76は、ドーム部30の内面形状に即した形状をなし、その側周壁にはベルト状シール部材80が装着される。第2区画部74も第1区画部72と同様に構成されており、従って、同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第1区画部72及び第2区画部74の画成壁76同士は、互いに対向する。また、ベルト状シール部材80がドーム部30の内垂直壁14、内傾斜壁16、蓋部壁18、外傾斜壁20、外垂直壁22の内面に当接する。このため、第1区画部72と第2区画部74の画成壁76同士の間と、ドーム部30の、画成壁76同士の間に対応する部位と、保持部52(ないし保持部52上の環状シール部材68)とにより、図5中のVII-VII線矢視断面図である図7に示すように、中空の内室82が形成される。排気口60とシール側出口70は、内室82に位置する。
保持部52には、前記舌片部78を連結するためのボルトが螺合されるボルト穴の他、内室82に位置する2個の第1ピン孔や、第1区画部72、第2区画部74を挟むように位置する2個の第2ピン孔が形成される。勿論、環状シール部材68には、ボルト穴、第1ピン孔、第2ピン孔に重なる位置に挿通孔84がそれぞれ形成される。なお、ボルト穴、第1ピン孔及び第2ピン孔はいずれも図示していない。
第1ピン孔には、栓部材90の下端が離脱可能に嵌合される。栓部材90の上端は、複数個の燃料供給孔26の中の、内室82に位置する2個を閉塞する。一方、第2ピン孔には、ドーム部30を位置決め固定するためのストッパ92の下端が離脱可能に挿入される。ストッパ92は、複数個の燃料供給孔26の中の、内室82の外方に位置し且つ該内室82に最も近接する2個を通る。
ドロス除去装置は、さらに、図8に示す第1異物除去工具(以下、単に「第1工具」とも表記する)100を備える。この第1工具100は、ガン形状をなすハウジング102を有する。該ハウジング102は、作業者に握持される被握持部であるハンドル104と、ハンドル104に対して略直交するように折曲されて連なるバレル106とを含んで構成される。前記ハンドル104の下部には、前記圧縮気体供給源64を出発した圧縮気体が流通する可撓性チューブ108が接続される。可撓性チューブ108を介して供給された圧縮気体は、ハンドル104からバレル106に向かって流通する。
ハンドル104とバレル106の境界近傍には、トリガ110がハウジング102に対して回動可能に設けられる。また、バレル106の先端にはノズルボックス112が取り付けられる。作業者が指でトリガ110をハンドル104側に向かって回動させることにより、ハウジング102内に収納された図示しないバルブが開く。その結果、ノズルボックス112に形成された複数個の吐出孔114から、分配された圧縮気体が気流として送り出される。一方、作業者がトリガ110から指を離すと、トリガ110が元の位置に戻ることに伴って前記バルブが閉じる。これにより、吐出孔114からの圧縮気体の吐出、換言すれば、気流の送り出しが停止される。
ノズルボックス112の下部には、板形状のコーミングブレード116(ブレード)が設けられる。コーミングブレード116はノズルボックス112に比して若干長尺であり、このため、その先端がノズルボックス112から突出する。この突出した先端は、バレル106から離間するにつれてノズルボックス112側に向かうように若干屈曲している。
コーミングブレード116の、ノズルボックス112から突出した先端には、ドーム部30の表面からドロス46を離脱させるための刃部118が形成される。この場合、刃部118は、凹と凸が交互に連なる櫛歯形状をなす。前記吐出孔114は刃部118の起端部近傍に形成されており、従って、吐出孔114から吐出された気流は、刃部118に向かって進行する。このように、ノズルボックス112は、コーミングブレード116の刃部118に向かって気流を送り出す気流送出部としての役割を果たす。
本実施の形態において、ドロス除去装置は基本的には以上のように構成されるものであり、次に、その作用効果につき、開孔部材であるドーム部30の製造方法との関係で説明する。
はじめに、ドーム部30を得るべく、燃料供給孔26が予め形成されたリング体10に対してレーザ加工を施し、冷却孔28を形成する。そのために、先ず、リング体10を前記支持台上に保持する。この際、リング体10を支持台に対して位置決め固定するようにしてもよい。そして、図3に示すように、リング体10の表面(例えば、蓋部壁18の外面)に対する交差角度θが0°超~90°未満、典型的には10°~40°程度となるように設定された照射部42からレーザ光40を出力し、レーザ加工工程を開始する。
リング体10の、レーザ光40が入射する部位は、レーザ光40によって加熱されることで溶融する。この溶融に伴い、図スパッタ44aが発生して飛散する。スパッタ44aは、短時間で固相となり、この状態で、リング体10の表面に付着して初期ドロス層132を形成する。
リング体10の一部の溶融がレーザ光40の入射方向に沿って進行することにより、リング体10の厚み方向に対して傾斜する1個の冷却孔28が形成される。以降、照射部42の位置を変更しながら上記のレーザ加工工程が繰り返され、複数個の冷却孔28が形成される。その結果、ドーム部30が得られる。
上記の溶融が進行することに伴って、図9に示すように、スパッタ44bが飛散する。スパッタ44bは、初期ドロス層132上に堆積し、後発ドロス層134を形成する。すなわち、ドーム部30を、目標個数の冷却孔28が形成されたものとして得た時点で、その表面には、初期ドロス層132と後発ドロス層134の堆積物であるドロス46が付着している。
次に、堆積物としてのドロス46を除去する異物除去工程を行う。この異物除去工程では、上記したドロス除去装置を用いる。具体的には、ドロス除去装置を構成する基台50の保持部52に、異物である堆積物(ドロス46)が表面に付着したドーム部30を載置する。この際、環状シール部材68の上面に内フランジ12、外フランジ24の下面が当接する一方、内垂直壁14、内傾斜壁16、蓋部壁18、外傾斜壁20、外垂直壁22は環状シール部材68の上面から離間する。従って、環状シール部材68は、内フランジ12、外フランジ24と保持部52との間をシールする。
また、第1区画部72、第2区画部74の各画成壁76に装着されたベルト状シール部材80が、内垂直壁14、内傾斜壁16、蓋部壁18、外傾斜壁20、外垂直壁22に当接する。この当接により、ドーム部30の、画成壁76同士の間に対応する部位と、保持部52(ないし保持部52上の環状シール部材68)とにより、図6及び図7に示す内室82が形成される。
さらに、保持部52に予め立設された栓部材90の上端が、燃料供給孔26の中の内室82に位置する2個を閉塞する。これにより、内室82が閉空間となる。また、内室82の外方に位置し且つ該内室82に最も近接する2個の燃料供給孔26に、ストッパ92が通される。該ストッパ92の下端は、上記したように、保持部52に形成された第2ピン孔に嵌合される。これにより、ドーム部30がストッパ92を介して位置決め固定される。
この状態で、圧縮気体供給源64から圧縮気体を供給する。圧縮気体は、供給管62及び管継手66を経て給気口58から水平流路54に導入され、さらに、鉛直流路56を通過して、排気口60及びシール側出口70から内室82に導出される。燃料供給孔26が栓部材90で閉塞されているので、圧縮気体は冷却孔28を流通する。ドロス46が比較的多孔質であるので、圧縮気体は、ドロス46内の気孔を通過して大気に放散される。内室82の容量は、ドーム部30の全周と保持部52によって形成される内部空間に比して十分に小さい。このため、内室82の内圧が十分に大きくなるので、冷却孔28及びドロス46内を流通する圧縮気体を比較的高圧とすることができる。
次に、作業者は、第1工具100のハンドル104を握持し、ノズルボックス112及びコーミングブレード116の刃部118を、外周壁側のドロス46に向ける。ドロス46をドーム部30から可及的に除去するべく、刃部118を、初期ドロス層132に接触させることが好ましい。
そして、作業者は、トリガ110を指でハンドル104側に引き寄せ、これにより、ハウジング102内のバルブを開状態とする。これに伴い、圧縮気体供給源64から供給された圧縮気体がハンドル104からバレル106、さらにはノズルボックス112に流通する。図10に示すように、圧縮気体は、ノズルボックス112に形成された複数個の吐出孔114から刃部118に向かって吐出される。すなわち、刃部118に向かう気流が生じる。この状態で、作業者は、第1工具100を外周側から内周側(又はその逆)に向かって移動させる。
この際、刃部118を押し当てたドロス46(例えば、初期ドロス層132)と、ドーム部30の表面との間にクラックが形成される。そして、クラックが形成されたドロス46に対し、ノズルボックス112の吐出孔114から供給された気流が当たる。これにより、ドロス46がクラックを起点として崩壊し、ドーム部30の表面から剥離(離脱)する。
以上から諒解されるように、この場合、ドロス46を除去する際、第1工具100に過剰な力を付与したり、強制的な掻き取りを行ったりする必要はない。従って、ヤスリ等を用いてドロス46を掻き取る従来技術のようにドーム部30の表面が刃部118によって削られたり、このことに起因して冷却孔28の開口が閉塞されたりすることが回避される。このため、冷却孔28の個数が減少して冷却効率が低下することも回避される。
ここで、内室82に圧縮気体が供給されるとともに、該圧縮気体がドーム部30の外部に向かって冷却孔28内を流通している。すなわち、冷却孔28からは圧縮気体が排出されている。しかも、この圧縮気体は上記したように比較的高圧である。従って、除去されたドロス46が冷却孔28内に侵入して該冷却孔28が閉塞されることが回避される。また、圧縮気体によってドーム部30や刃部118が冷却される。この場合、冷却がなされないときに比してドロス46の除去が容易となるという利点がある。なお、ノズルボックス112の吐出孔114から送出された気流もまた、ドーム部30や刃部118の冷却に寄与する。
ドーム部30の他の部位に付着したドロス46を除去する場合、ストッパ92を弛緩してドーム部30を回転させ、ドロス46が未除去である部位が第1区画部72、第2区画部74に臨むようにする。以降は上記と同様にしてドロス46を除去すればよい。これを繰り返すことにより、ドロス46が全周にわたって除去され、且つ冷却孔28がドロス46で閉塞されることが回避されたドーム部30が得られる。このドーム部30をライナに接合することにより、冷却効率に優れた燃焼器を得ることができる。上記したように、冷却孔28がドロス46で閉塞されることが回避されているので、ドーム部30を介して熱を効率よく放散することができるからである。
上記の第1工具100に代替し、図11に示す第2工具140を異物除去工具として採用するようにしてもよい。この第2工具140につき説明する。
第2工具140では、バー形状をなすケーシング142の一端がハンドル144となる。この場合、作業者は、ハンドル144とトリガ146を包み込むように握持し、指でトリガ146をハンドル144側に引き寄せる。これに伴ってケーシング142内のバルブが開状態となる。一方、作業者が指を弛緩すると、トリガ146がハンドル144から離間する方向に回動するとともに、前記バルブが閉状態となる。
また、ケーシング142の他端には、ブレードとしてのジグソーブレード148の一端が進退可能に取り付けられる。すなわち、ジグソーブレード148は、ケーシング142内に設けられた図示しない進退機構により、図12に示すように、ケーシング142の延在方向に沿って所定の周波数f1で進退動作を繰り返すこと、換言すれば、前後振動することが可能である。なお、ジグソーブレード148は、鋸歯形状をなす刃部150を有する。
第2工具140は、ジグソーブレード148に対して略平行に延在するとともに、一端が圧縮気体供給源64に接続された噴出管152を有する。噴出管152の先端は、ジグソーブレード148の先端に接近するように屈曲されている。従って、噴出管152から圧縮気体(気流)が吐出されると、該圧縮気体がジグソーブレード148に接触する。この接触により、ジグソーブレード148の先端が、該ジグソーブレード148の延在方向に対して直交する方向に繰り返し撓む。すなわち、ジグソーブレード148の先端は、ジグソーブレード148の延在方向に対して直交する方向に沿って所定の周波数で進退動作を繰り返すこと、換言すれば、上下振動することも可能である。上下振動の周波数f2は、例えば、前後振動の周波数f1の1/2程度である。
以下、第2工具140を用いての異物除去工程につき説明する。なお、特に説明はしていないが、ドーム部30を基台50の保持部52に載置することや、これにより得られる効果は上記と同様である。
第2工具140を用いる場合、作業者は、ハンドル144とトリガ146を包み込むように握持する。そして、図13に示すように、ジグソーブレード148の刃部150を、ドーム部30の外周側から内周側(又はその逆)にわたって直線状にドロス46(例えば、初期ドロス層132)に当てる。ジグソーブレード148の刃部150の延在方向は、例えば、リング体10の直径方向とすればよい。
この状態で、作業者は、指でトリガ146をハンドル144側に引き寄せ、これにより、ケーシング142内のバルブを開状態とする。これに伴って圧縮気体供給源64から供給された圧縮気体がケーシング142内を流通することで、ジグソーブレード148の前後振動が誘起される。また、圧縮気体は、噴出管152からジグソーブレード148の先端に向かって吐出される。すなわち、ジグソーブレード148の刃部150に向かう気流が生じる。この気流によってジグソーブレード148が押圧され、ジグソーブレード148の上下振動が誘起される。
以上の前後振動及び上下振動により、上記と同様に、刃部150を押し当てたドロス46(例えば、初期ドロス層132と、ドーム部30の表面との間)にクラックが形成される。また、クラックが形成されたドロス46が、噴出管152から供給された気流が当たることで容易に崩壊し、ドーム部30の表面から剥離(離脱)するに至る。このように、第2工具140を用いる場合も、ドーム部30からドロス46を容易に除去することができる。
なお、第1工具100、第2工具140のいずれを用いる場合にも、レーザ光40を2段階で照射するようにしてもよい。この場合、1回目の照射条件と2回目の照射条件を相違させることが好ましい。
本発明は、上記した実施の形態に特に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、図14に示すように、遮断部材160を設けるようにしてもよい。この場合、基台50の内周壁の、水平流路54から略180°離間する位置に自在継手162が設けられる。この自在継手162には、角度を自由に調節可能なアングルアーム164の一端が支持される。また、該アングルアーム164の他端には、平板形状をなすスクリーン状の遮断部材160がクランプ166を介して取り外し可能に保持される。
ドーム部30の表面から剥離されたドロス46は、ノズルボックス112又は噴出管152から吐出される気流によって外周側にブローされ、遮断部材160に接触して落下する。このため、ドロス46が遮断部材160の下方に落下して集合するので、清掃作業が容易となる。
また、給気口58や供給管62、アングルアーム164等を、基台50の外周壁側に設けるようにしてもよい。
いずれの場合においても、ワークは、燃焼器のドーム部30や、該ドーム部30となるリング体10に限定されるものではなく、他の部材であってもよい。また、ドロス46以外の異物を除去するようにしてもよい。
10…リング体 26…燃料供給孔
28…冷却用貫通孔 30…ドーム部
40…レーザ光 42…照射部
44a、44b…スパッタ 46…ドロス
50…基台 52…保持部
54…水平流路 56…鉛直流路
58…給気口 60…排気口
64…圧縮気体供給源 68…環状シール部材
70…シール側出口 72、74…区画部
76…画成壁 82…内室
90…栓部材 92…ストッパ
100、140…異物除去工具 104、144…ハンドル
110、146…トリガ 112…ノズルボックス
114…吐出孔 116…コーミングブレード
118、150…刃部 132…初期ドロス層
134…後発ドロス層 148…ジグソーブレード
152…噴出管 160…遮断部材
164…アングルアーム

Claims (9)

  1. 複数の貫通孔が形成されたワークの表面に付着した異物を除去するための異物除去工具と、圧縮気体供給源と、前記ワークを支持する基台とを備える異物除去装置において、
    前記異物除去工具は、作業者に握持される被握持部と、
    前記被握持部から延在し、前記異物に接触するブレードと、
    前記圧縮気体供給源から供給された第1の圧縮気体を前記ブレードに接触する気流として送り出し、前記ワークの前記表面に付着した前記異物に前記気流を当てる気流送出部と、
    を備え、
    前記異物除去工具は、前記複数の貫通孔の形成が完了している前記ワークの前記表面にすでに堆積している前記異物を前記ブレード及び前記気流によって除去するためのものであり、
    前記基台は、前記圧縮気体供給源から供給された第2の圧縮気体を吐出する流通路を有し、
    前記基台が前記ワークを支持した状態で、前記基台は、前記ワークにおける前記表面とは反対側の裏面に対向し、前記ワークの前記裏面と前記基台との間に内室が形成され、
    前記基台は、前記流通路から前記内室に前記第2の圧縮気体を導入し、前記ワークの前記複数の貫通孔を介して前記第2の圧縮気体が前記ワークの前記裏面側から前記表面側へと排出され、
    前記複数の貫通孔を介して排出される前記第2の圧縮気体により、前記異物除去工具によって前記表面から離脱した前記異物が前記複数の貫通孔に入り込むことを防止する、異物除去装置。
  2. 請求項1記載の装置において、前記ブレードが櫛歯形状をなす刃部を有する異物除去装置。
  3. 請求項1記載の装置において、前記ブレードが鋸歯形状をなす刃部を有する異物除去装置。
  4. 請求項2又は3記載の装置において、前記気流送出部が前記気流を前記刃部に対して供給する異物除去装置。
  5. 請求項1記載の装置において、前記内室を形成する2個の区画部材を備え、前記流通路は前記内室で開口する異物除去装置。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の装置において、前記ワークの前記表面から離脱して前記気流によってブローされた前記異物を捕捉する遮断部材を備える異物除去装置。
  7. 請求項6記載の装置において、前記遮断部材が前記基台に位置変更可能及び取り外し可能に設けられた異物除去装置。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載の装置において、前記異物としてレーザ加工によって発生したドロスを除去する異物除去装置。
  9. 請求項8に記載の装置において、前記ドロスは、前記ワークの前記表面に付着した初期ドロス層と前記初期ドロス層上に堆積した後発ドロス層とからなる堆積物である異物除去装置。
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