JP7498709B2 - カテーテル - Google Patents

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Description

本発明は、安全性に優れたカテーテルに関する。
人体の病変部を検査・処置するために血管等に挿入することが可能なカテーテルが用いられている。このようなカテーテルとして、例えば特許文献1には、先端側シャフトと基端側シャフトとの二つのセクションからなる樹脂製シャフトを備え、先端側シャフトの一部に、第一ルーメンと第二ルーメンとを有するデュアルルーメン構造をとっている医療用カテーテルが開示されている。
更に特許文献2には、第1ワイヤーを通過させる第1ルーメンと、先端に屈曲部を有する第2ワイヤーを通過させる第2ルーメンとを有するシャフトを備えるカテーテルが開示されている。
また特許文献3には、第一ルーメンと第二ルーメンを有し、少なくとも該第二ルーメンが、内層、補強層、外層から構成されているカテーテルが開示されている。
国際公開第2006/126642号 国際公開第2018/008272号 特開2009-82566号公報
これまでにカテーテルに挿入されるワイヤとして、慢性完全閉塞病変等の患者における血管内の狭窄部の入り口等を探索したり、血管の選択やカテーテル遠位端の方向制御を行うために、先端部を予め折り曲げてアングル付けした先端屈曲ワイヤが使用される場合があった。このような先端屈曲ワイヤは先端荷重が高いため、例えば特許文献1に開示されている医療用カテーテルのルーメンに挿入すると先端屈曲ワイヤがルーメンを突き破ってしまい血管を損傷するおそれがあった。一方、特許文献2にはルーメンの周囲に補強層を設けることにより、先端屈曲ワイヤがルーメンを突き破って貫通することを抑制する技術が開示されている。しかし、シャフトの先端部にまで補強層を設けると柔軟性が低下して血管の内壁等にシャフトの先端が引っかかり易くなるおそれがあった。
一方、特許文献3にはルーメンを内層、補強層、外層から構成するカテーテルが開示されており、ルーメンの先端側の第一X線不透過性マーカーよりも更に先端側に位置する補強層を除去する工程が開示されている。当該カテーテルによれば、補強層を除去した延在部は樹脂からなるため、先端部の柔軟性が高く血管の内壁等に引っかかり難くすることができる。
上記の通り、これまでにワイヤ挿入時の安全性を向上するために様々な試みがなされているが、近年では更なる安全性の向上が求められている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、先端屈曲ワイヤを挿入する際の安全性に優れたカテーテルを提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明に係るカテーテルは、以下の構成からなる。
[1]長手方向に延び、遠位端と近位端とを有しておりワイヤが挿入される第1筒状部材と、遠位端と近位端とを有し、上記第1筒状部材と径方向に隣接する第2筒状部材とを備え、
上記第1筒状部材の遠位端は、上記第2筒状部材の遠位端よりも近位側に位置し、
上記第1筒状部材の近位端は、上記第2筒状部材の近位端よりも近位側に位置し、
上記第1筒状部材は、ポリテトラフルオロエチレン、及びテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体よりなる群から選択される少なくとも1種を含む内層と補強部材とを有する補強部を有し、
上記第1筒状部材は、上記補強部の遠位端よりも遠位側には上記ポリテトラフルオロエチレンと上記テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体と上記補強部材とを含まない樹脂製の延在部を有するカテーテル。
上記構成のうち特に、補強部の内層をポリテトラフルオロエチレンやテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等の高分子を含むものとする一方で、延在部をこれらの高分子を含まない樹脂製のものとすることにより、先端屈曲ワイヤを挿入する際の安全性を向上できる。
更に本発明に係るカテーテルには、好ましくは以下の[2]~[16]の構成も含まれる。
[2]上記第1筒状部材の上記補強部の遠位端から上記延在部の遠位端までの軸方向の長さは、上記補強部の遠位端における内径の4倍以上、35倍以下の長さである[1]に記載のカテーテル。
[3]上記第1筒状部材の上記補強部の近位端は、上記第2筒状部材の近位端よりも近位側に位置する[1]または[2]に記載のカテーテル。
[4]上記第1筒状部材の上記補強部の近位端は、上記第1筒状部材の近位端よりも遠位側に位置する[1]~[3]のいずれかに記載のカテーテル。
[5]更に長手方向を有する第1外側筒状部材を備え、上記第1外側筒状部材の内腔に上記第1筒状部材と上記第2筒状部材が配置されている[1]~[4]のいずれかに記載のカテーテル。
[6]上記第1筒状部材と上記第2筒状部材の外側面は、軸方向に延びる樹脂製の円柱状体により封止されている[1]~[4]のいずれかに記載のカテーテル。
[7]上記第1筒状部材の上記延在部は、遠位側に開口部を有し、上記開口部は、テーパ面と外側面とを備えるテーパ部を有する[1]~[6]のいずれかに記載のカテーテル。
[8]上記第1筒状部材は、上記開口部よりも遠位側に、上記第2筒状部材とは反対側に向かって隆起している隆起部を有する[7]に記載のカテーテル。
[9]上記第2筒状部材は、上記補強部の遠位端よりも遠位側の位置に、X線不透過性マーカーが配置されている[1]~[8]のいずれかに記載のカテーテル。
[10]上記第2筒状部材は、上記補強部の遠位端よりも遠位側の位置に、X線不透過性マーカーが配置されており、上記X線不透過性マーカーは、上記延在部の遠位側の開口部の遠位端よりも遠位側に位置する[7]または[8]に記載のカテーテル。
[11]更に上記第2筒状部材の近位端よりも近位側に、長手方向を有する第2外側筒状部材を備え、
上記第2外側筒状部材の内腔に上記第1筒状部材が配置されている[1]~[10]のいずれかに記載のカテーテル。
[12]上記第1筒状部材の外側面は、軸方向に沿って金属補強線を備える[1]~[11]のいずれかに記載のカテーテル。
[13]上記第1筒状部材は、外層を備える[1]~[12]のいずれかに記載のカテーテル。
[14]上記外層は、低密度ポリエチレン、ポリウレタン、ポリアミドエラストマー、及びポリアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む[13]に記載のカテーテル。
[15]上記第1筒状部材の近位端部には、ハンドル部が接続されている[1]~[14]のいずれかに記載のカテーテル。
[16]上記延在部を構成する樹脂は、低密度ポリエチレン、ポリウレタン、ポリアミドエラストマー、及びポリアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種である[1]~[15]のいずれかに記載のカテーテル。
本発明によれば、上記構成により、先端屈曲ワイヤを挿入する際の安全性に優れたカテーテルを提供することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係るカテーテルの側面図である。 図2は、図1の領域R1の軸方向の断面図である。 図3は、図2の領域R3の拡大図である。 図4は、図3の他の実施の形態を示す断面図である。 図5は、図2のV-V断面図である。 図6は、図5の他の実施の形態を示す断面図である。 図7は、図1の領域R2の軸方向の断面の一部拡大図である。
以下では、下記実施の形態に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施の形態によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、各図面において、便宜上、部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、明細書や他の図面を参照するものとする。また、図面における種々部材の寸法は、本発明の特徴の理解に資することを優先しているため、実際の寸法とは異なる場合がある。
本発明のカテーテルは、長手方向に延び、遠位端と近位端とを有しておりワイヤが挿入される第1筒状部材と、遠位端と近位端とを有し、上記第1筒状部材と径方向に隣接する第2筒状部材とを備え、上記第1筒状部材の遠位端は、上記第2筒状部材の遠位端よりも近位側に位置し、上記第1筒状部材の近位端は、上記第2筒状部材の近位端よりも近位側に位置し、上記第1筒状部材は、ポリテトラフルオロエチレン、及びテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体よりなる群から選択される少なくとも1種を含む内層と補強部材とを有する補強部を有し、上記第1筒状部材は、上記補強部の遠位端よりも遠位側には上記ポリテトラフルオロエチレンと上記テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体と上記補強部材とを含まない樹脂製の延在部を有する。
本発明者は、特許文献3に開示されているような遠位側に補強部材を有さない樹脂製の延在部を有するカテーテルにおいて、先端屈曲ワイヤの挿入時の安全性を向上するために鋭意検討した。その結果、補強部の内層をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、及びテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)よりなる群から選択される少なくとも1種を含むものとする一方で、延在部をPTFE、PFAを含有しないものとすることにより、先端屈曲ワイヤを挿入する際の安全性を向上できることが分かった。
詳細には、上記PTFE、PFAを含有することにより摩擦抵抗が低くなる傾向があるため、PTFE、PFAを含有しない延在部の内腔は、PTFE、PFAを含有する補強部の内腔よりも摩擦抵抗が高くなり易い。その結果、先端屈曲ワイヤをカテーテルの近位側から遠位側に向かって挿入していく際に、延在部に先端屈曲ワイヤが到達した時点で一時的に挿入速度が減弱され易くなるため、先端屈曲ワイヤを勢いよく押し込み過ぎることに起因する血管等の損傷を回避し易くできることが分かった。
また、延在部が補強部材とPTFE、PFAとを含有しないことにより柔軟性が向上し易くなるため、延在部の内腔が先端屈曲ワイヤの形状に追従し易くなり、先端屈曲ワイヤによる延在部の突き破りを防止し易くできることが分かった。
以下では図1~3、5、7を参照して、本発明の実施の形態に係るカテーテルについて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るカテーテルの側面図である。図2は、図1の領域R1の軸方向の断面図である。図3は、図2の領域R3の拡大図である。図5は、図2のV-V断面図である。図7は、図1の領域R2の軸方向の断面の一部拡大図である。
本発明の実施の形態に係るカテーテル1は、図1~3に示す通り、長手方向Xに延び、遠位端10Aと近位端10Bとを有しておりワイヤが挿入される第1筒状部材10と、遠位端20Aと近位端20Bとを有し、第1筒状部材10と径方向に隣接する第2筒状部材20とを備えるカテーテル1である。
図1に示す通り、第1筒状部材10の遠位端10Aは、第2筒状部材20の遠位端20Aよりも近位側に位置し、第1筒状部材10の近位端10Bは、第2筒状部材20の近位端20Bよりも近位側に位置している。当該構成によりカテーテル1は、体内の血管等の通路の狭窄や閉塞部位を拡張する治療に好ましく用いることができ、冠状動脈血管の分岐部病変等に対する冠血管インターベンション(PCI)の施行により好ましく用いることができる。
詳細には、冠状動脈血管の分岐部に狭窄部がある場合、第2筒状部材20内にガイドワイヤを挿入して、血管本幹内の分岐起始部よりも遠位側までカテーテル1を誘導することができる。一方、第1筒状部材10を通じて図1に示すような先端屈曲ワイヤ50を分岐部の狭窄部まで挿入し、狭窄部の入り口を探索したり、狭窄部を貫通させることができる。
一方、血管本幹内に狭窄部がある場合、第2筒状部材20内にガイドワイヤを挿入して、分岐部内までカテーテル1を誘導する一方で、第1筒状部材10を通じて先端屈曲ワイヤ50を血管本幹内の狭窄部まで挿入し、狭窄部の入り口を探索したり、狭窄部を貫通させたりすることもできる。
図2、3に示す第1筒状部材10は、ポリテトラフルオロエチレン、及びテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体よりなる群から選択される少なくとも1種を含む内層11と、補強部材12とを有する補強部14を有している。
内層11は、ポリテトラフルオロエチレン、及びテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体よりなる群から選択される少なくとも1種を含むことにより、耐薬品性、非粘着性、低摩擦性を向上することができる。内層11は、内層11を100質量%としたとき、ポリテトラフルオロエチレン、及びテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体よりなる群から選択される少なくとも1種を60質量%以上の含量で含有することが好ましく、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、更により好ましくは95質量%以上、最も好ましくは100質量%である。
内層11は、少なくともポリテトラフルオロエチレン、及びテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体よりなる群から選択される少なくとも1種を含んでいればよく、その他の樹脂を更に含んでいてもよい。その他の樹脂として、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレンとテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体以外のフッ素系樹脂(以下では、他のフッ素系樹脂と呼ぶ場合がある)、塩化ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂、及び天然ゴムよりなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。このうちポリオレフィン系樹脂、及び他のフッ素系樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、他のフッ素系樹脂がより好ましい。他のフッ素系樹脂として、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ポリクロロトリフルオロエチレン、エチレン-クロロトリフロオロエチレンコポリマー等が挙げられる。これらは1種のみ用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
補強部材12は、線材が編組された編組体、または線材が螺旋状に巻回されたコイル体であることが好ましい。これにより、先端屈曲ワイヤ50等による第1筒状部材10の突き破りを防止し易くすることができる。これらのうち編組体が剛性を向上し易いため、補強部材12は編組体であることがより好ましい。
補強部材12を構成する線材として、金属線、繊維等が挙げられる。金属線を構成する素材として、例えばステンレス鋼、チタン、ニッケルチタン合金、コバルトクロム合金、タングステン合金等が好ましい。このうちステンレス鋼がより好ましい。金属線は、単線であってもよいし、撚線であってもよい。繊維として、例えばポリアリレート繊維、アラミド繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、PBO繊維、炭素繊維等が挙げられる。繊維は、モノフィラメントであってもよいし、マルチフィラメントであってもよい。
補強部材12には、筒状部材10の位置をX線透視下等で確認し易くするため、X線不透過性物質が含まれていてもよい。X線不透過性物質としては、例えば、鉛、バリウム、ヨウ素、タングステン、金、白金、イリジウム、白金イリジウム合金、ステンレス、チタン、コバルトクロム合金、パラジウム、及びタンタルよりなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。
補強部14は、内層11と補強部材12とを備える。補強部14は、更に外層13を備えることが好ましい。補強部14は、内層11と外層13の間に補強部材12を備えることがより好ましい。
外層13は、低密度ポリエチレン、ポリウレタン、ポリアミドエラストマー、及びポリアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、ポリウレタン及びポリアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことがより好ましい。低密度ポリエチレンとしては、密度が0.91g/cm以上、0.93g/cm以下のものが好ましい。
更に図2、3に示す通り、第1筒状部材10は、補強部14の遠位端14Aよりも遠位側にポリテトラフルオロエチレンとテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体と補強部材12とを含まない樹脂製の延在部15を有する。
延在部15は、ポリテトラフルオロエチレンとテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体とを含有しないことにより、延在部15の内腔は補強部14の内層11の内腔よりも摩擦抵抗が高くなり易くなる。そのため、先端屈曲ワイヤ50をカテーテル1の近位側から遠位側に向かって挿入していく際に、延在部15に先端屈曲ワイヤ50が到達した時点で一時的に挿入速度が減弱され易くなる結果、先端屈曲ワイヤ50を勢いよく押し込み過ぎることに起因する先端屈曲ワイヤによる血管等の損傷を回避し易くすることができる。更に当該構成により、延在部15は柔軟性が向上し易くなるため、延在部15の内腔が先端屈曲ワイヤ50の形状に追従し易くなる結果、先端屈曲ワイヤ50による延在部15の突き破りを防止し易くできる。更に、上述したような摩擦抵抗の変化により、先端屈曲ワイヤ50の先端が延在部15に到達したことを施術者が感知した時点で押し込み力を加減することによっても、先端屈曲ワイヤによる延在部の突き破りを防止し易くできる。
延在部15は、ポリテトラフルオロエチレンとテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体とを含有しない。
延在部15を構成する樹脂として、具体的には、低密度ポリエチレン、ポリウレタン、ポリアミドエラストマー、及びポリアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、ポリウレタン及びポリアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種がより好ましい。また延在部15は、これらの樹脂からなることが好ましい。低密度ポリエチレンとしては、密度が0.91g/cm以上、0.93g/cm以下のものが好ましい。延在部15に含まれる樹脂と、補強部14の外層13に含まれる樹脂は、異なっていてもよいが、同じである方が両者を加熱溶融等により接合し易いため好ましい。また延在部15は、少なくとも補強部14の外層13と第2筒状部材20に接合されていることが好ましい。
延在部15は補強部材12を含まないことにより、柔軟性が向上し易くなる。またこれにより、後述するようなテーパ部15Tを形成し易くなっている。詳細には、補強部材12をテーパ状にする場合には、補強部材12を切断した後、血管を損傷しないように切断部に対してレーザー加工等を行う必要があるが、補強部材12を含まないことにより、このような端部処理を省略することができる。
図3に示す通り、第1筒状部材10の補強部14の遠位端14Aから延在部15の遠位端15Aまでの軸方向の長さLは、補強部14の遠位端14Aにおける補強部14の内径の4倍以上、35倍以下の長さであることが好ましい。詳細には、遠位端14Aから遠位端15Aまでの第1筒状部材10の軸方向の長さLが、遠位端14Aにおける補強部14の内径の4倍以上であることにより、延在部15の上記効果が発揮され易くなる。そのため、より好ましくは4.1倍以上、更に好ましくは4.2倍以上、更により好ましくは4.3倍以上である。一方、長さLが、遠位端14Aにおける補強部14の内径の35倍以下であることにより、先端屈曲ワイヤ50による延在部15の破損を回避し易くすることができる。そのため、より好ましくは30倍以下、更に好ましくは25倍以下である。なお補強部14の遠位端14Aにおける補強部14の内径は、好ましくは0.3mm以上、0.5mm以下である。
第1筒状部材10の軸方向において、延在部15の遠位端15Aは、第2筒状部材20の遠位端20Aよりも近位側に位置することが好ましい。これにより延在部15の遠位端部が血管の内壁等に引っかかり難くなる。
図1に示すように、第1筒状部材10の補強部14の近位端14Bは、第2筒状部材20の近位端20Bよりも近位側に位置することが好ましい。このように第1筒状部材10の近位側に補強部14が存在することより、先端屈曲ワイヤ50による第1筒状部材10の近位側の突き破りを防止し易くできる。更に、第1筒状部材10の補強部14の近位端14Bは、後述するハンドル部70の内腔内に位置することがより好ましい。
図1、7に示すように、第1筒状部材10の補強部14の近位端14Bは、第1筒状部材10の近位端10Bよりも遠位側に位置することが好ましい。即ち、第1筒状部材10の近位端部10bに補強部材12を備えていない非補強部17を有していることにより、製造工程において、例えば後述するハンドル部70の内腔と、第1筒状部材10の内腔とを連通し易い形状に非補強部17を加工することができる。
図1~3、5に示すように、カテーテル1は、更に長手方向Xを有する第1外側筒状部材100を備え、第1外側筒状部材100の内腔に第1筒状部材10と第2筒状部材20が配置されていることが好ましい。これにより第1筒状部材10と第2筒状部材20の乖離を防止し易くすることができる。
図6は、図5の他の実施の形態を示す断面図である。図6に示すように、第1筒状部材10と第2筒状部材20の外側面は、第1筒状部材10の軸方向に延びる樹脂製の円柱状体300により封止されていてもよい。これにより先端屈曲ワイヤ50の貫通を防止し易くできる。
第1外側筒状部材100は、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリアミドエラストマー、及びポリアミドからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。このうちポリウレタン、及びポリアミドよりなる群から選択される少なくとも1種がより好ましい。
円柱状体300は、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリアミドエラストマー、及びポリアミドからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。このうちポリウレタン、及びポリアミドよりなる群から選択される少なくとも1種がより好ましい。
図3に示すように、第1筒状部材10の延在部15は、遠位側に開口部15Oを有し、開口部15Oは、テーパ面と外側面とを備えるテーパ部15Tを有することが好ましい。遠位側に向かって先細りになるテーパ部15Tにより、第1筒状部材10の遠位端部が血管の内壁等に引っかかり難くなる。但し、延在部15が柔軟性に優れる樹脂により構成され、血管の損傷のおそれが極めて低い場合には、テーパ部15Tを形成しなくてもよい。
テーパ部15Tのテーパ面は、第1筒状部材10の軸方向に対して、5°以上、85°以下の角度で傾斜していることが好ましい。傾斜角が85°以下であることにより、第1筒状部材10の遠位端部が血管の内壁等に引っかかり難くなる。そのため、傾斜角は、より好ましくは60°以下、更に好ましくは40°以下、更により好ましくは30°以下である。一方、テーパ部15Tのテーパ面が5°以上の角度で傾斜していることにより、開口15Oの大きさを低減することができる。そのため傾斜角は、より好ましくは8°以上、更に好ましくは10°以上である。
図4は、図3の他の実施の形態を示す断面図である。図4に示すように、第1筒状部材10は、開口部15Oよりも遠位側に、第2筒状部材20とは反対側に向かって隆起している隆起部16を有することが好ましい。これにより第1筒状部材10に挿入するワイヤの先端を第2筒状部材20に挿入するワイヤの先端とは異なる向きに誘導することができるため、分岐部病変等に対する処置を行い易くすることができる。またこれにより、それぞれのワイヤを絡み難くすることができる。なお図3、4中における一点鎖線は、ワイヤの進行経路を示している。
図2、3等に示すように、第2筒状部材20は、内層11と外層13とを有することが好ましい。更に内層11と外層13の間に補強部材12を備えていないことがより好ましい。これにより第2筒状部材20の柔軟性を向上し易くすることができる。なお第2筒状部材20は、カテーテル1を病変部近傍にまで誘導するためのガイドワイヤが好適に挿入されるが、このようなガイドワイヤは、先端屈曲ワイヤ50より柔軟性が高く第2筒状部材20を突き破る可能性は極めて低いため、第2筒状部材20は補強部材12を備えていなくともよい。
第2筒状部材20における外層13の素材は、上述した第1筒状部材10の補強部14の外層13の記載を参照することができる。
第2筒状部材20における内層11は、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、塩化ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂、及び天然ゴムよりなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。このうちポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、及び天然ゴムよりなる群から選択される少なくとも1種がより好ましく、ポリオレフィン系樹脂、及びフッ素系樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種が更に好ましい。なおポリオレフィン系樹脂には、ポリエチレンも含まれ、ポリエチレンとして、JIS K6922-1の規定に基づいて測定される密度が942kg/m以上である高密度ポリエチレンが挙げられる。
図2、3に示す通り、第2筒状部材20は、補強部14の遠位端14Aよりも遠位側の位置に、第1のX線不透過性マーカー31と第2のX線不透過性マーカー32のようなX線不透過性マーカーが配置されていることが好ましい。これにより第2筒状部材の遠位端20Aや、第1筒状部材10の遠位側の開口部15O等の体内における位置を把握し易くすることができる。但し、第2筒状部材20は、必ずしも第1のX線不透過性マーカー31と第2のX線不透過性マーカー32の両方を備えている必要は無く、第1のX線不透過性マーカー31だけ備えていてもよいし、第2のX線不透過性マーカー32だけ備えていてもよい。また、第2筒状部材20は、第1のX線不透過性マーカー31と第2のX線不透過性マーカー32以外にも、他のX線不透過性マーカーを備えていてもよい。
図3に示すように、第1のX線不透過性マーカー31は、延在部15の遠位側の開口部15Oの遠位端15OAよりも遠位側に位置することが好ましい。これにより、体内における第2筒状部材20の遠位端20Aの位置を把握し易くすることができる。また第2のX線不透過性マーカー32は、開口部15Oの近位端15OBも近位側に位置することが好ましい。これにより、体内における開口部15Oの位置を把握し易くすることができる。
図4は、図3の他の実施の形態を示す断面図である。図4に示すように隆起部16を有する場合、第1のX線不透過性マーカー31は、延在部15の遠位側の開口部15Oの遠位端15OAよりも遠位側に位置し、第2のX線不透過性マーカー32は、隆起部16よりも近位側に位置することが好ましい。これにより体内における開口部15Oの位置を正確に把握し易くすることができる。
また第2筒状部材20は、補強部14の遠位端14Aよりも近位側に、X線不透過性マーカーが配置されていないことが好ましい。これにより外径を低減しつつ、柔軟性を向上し易くすることができる。
第1筒状部材10は、延在部15にX線不透過性マーカーが配置されていないことが好ましい。
X線不透過性マーカーの形状は、特に限定されないが、帯状、らせん状等が挙げられる。X線不透過性マーカーを構成する素材として、上記X線不透過性物質が挙げられる。
図1、2に示すように、カテーテル1は、第2筒状部材20の近位端20Bよりも近位側に、長手方向Xを有する第2外側筒状部材200を備え、第2外側筒状部材200の内腔に第1筒状部材10が配置されていることが好ましい。このような第2外側筒状部材200を備えること、いわゆる二重管構造(コアキシャル構造)とすることにより、第1筒状部材10を保護しつつ、押し込み力伝達性を向上することができる。
第2外側筒状部材200の素材としては、第1外側筒状部材100の素材の記載を参照することができる。第2外側筒状部材200は第1外側筒状部材100と同じ素材を含むことが好ましい。また、第2外側筒状部材200の遠位端と、第1外側筒状部材100の近位端は、一体化されていることが好ましい。
第1筒状部材10の外側面は、第1筒状部材10の軸方向に沿って金属補強線19を備えることが好ましい。これにより押し込み力伝達性を向上することができる。金属補強線19は1本であってもよいし、2本以上であってもよい。金属補強線19は、少なくとも第1筒状部材10の補強部14の近位端14Bよりも遠位側から第2筒状部材20の近位端20Bの位置まで存在することが好ましい。また、金属補強線19の形状は、近位側から遠位側に向かって寸胴形状であってもよいし、遠位側に向かって先細りのテーパ形状であってもよい。金属補強線19の素材としては、ステンレス、ニッケルチタン、コバルトクロム等が挙げられる。
第1筒状部材10は、外層13を備えることが好ましい。具体的には、少なくとも補強部14に外層13を備えることが好ましい。詳細は、補強部14の外層13の記載を参照すればよい。
図1に示すように、第1筒状部材10の近位端部10bには、ハンドル部70が接続されていることが好ましい。図7は、図1の領域R2の第1筒状部材10の軸方向の断面の一部拡大図であり、図1と図7を参照しながらハンドル部70について説明する。
ハンドル部70は、図7に示すように、第1内腔71と、第1内腔71よりも近位側に第2内腔72とを有し、第1内腔71の近位端71Bの内径は、第2内腔72の遠位端72Aの内径よりも大きいことが好ましい。これにより、第1筒状部材10の近位端部10bを第1内腔71内に配置し易くすることができる。
更に図7に示すように、第1内腔71には、第1内腔71の近位端71Bに非補強部17の近位端17Bが位置するように非補強部17が固定されていることが好ましい。即ち、第1内腔71内には第1筒状部材10の非補強部17が配置されて、第2内腔72は非補強部17と補強部14の内腔と連通するようになっていることが好ましい。
非補強部17は、第1筒状部材10の近位端部10bにおける補強部材12を有さない部分である。非補強部17は近位側に向かって内径が拡径するテーパ部17Tを有することが好ましい。このようにテーパ部17Tを備えていれば、テーパ部17Tの遠位端と補強部14の近位端14Bとの内腔間に段差があったとしても、テーパ部17Tにより先端屈曲ワイヤ50の先端が当該段差から離れる方向に誘導されるため引っかかり難くなる。
非補強部17のテーパ部17Tの内壁は、第1筒状部材10の軸方向に対して3°以上、85°以下の角度で傾斜していることが好ましい。傾斜角が3°以上であることにより、例えば図1に示すような先端屈曲ワイヤ50の屈曲部がある程度、伸長された状態になるため、第1筒状部材10の内腔へ先端屈曲ワイヤ50を挿入し易くすることができる。一方、傾斜角が85°以下であることにより、テーパ部17Tの内壁と接触することに伴うワイヤの移動抵抗を低減し易くすることができる。そのため傾斜角は、より好ましくは70°以下、更に好ましくは60°以下、更により好ましくは50°以下、特に好ましくは20°以下である。
更にカテーテル1は、第2内腔72から、第1筒状部材10の内腔への先端屈曲ワイヤ50の挿入をし易くするために、下記式(1)~(3)を満たすように構成されていることが好ましい。
a<b ・・・(1)
[式中、aは、第1筒状部材10の補強部14の近位端14Bから遠位側に1mm離れた位置14Cにおける内径(mm)である。bは、第1筒状部材10の非補強部17の近位端17Bにおける内径(mm)である。]
非補強部17の近位端17Bにおける内径b(mm)が、補強部14の近位端14Bから遠位側に1mm離れた位置14Cにおける内径a(mm)よりも大きいことにより、非補強部17が近位側に向かって拡径した状態になる。その結果、近位側から先端屈曲ワイヤ50を第1筒状部材10の内腔へ挿入し易くすることができる。そのため内径bは、より好ましくは内径aの1.1倍以上、更に好ましくは1.2倍以上、更により好ましくは1.3倍以上である。一方、上限は特に限定されないが、例えば内径bは、内径aの10倍以下、5倍以下、2倍以下であってもよい。なお内径a(mm)は、好ましくは0.1mm以上、0.8mm以下であり、より好ましくは0.3mm以上、0.55mm以下である。
a<c ・・・(2)
[式中、aは、第1筒状部材10の補強部14の近位端14Bから遠位側に1mm離れた位置14Cにおける内径(mm)である。cは、ハンドル部70の第2内腔72の遠位端72Aにおける内径(mm)である。]
ハンドル部70の第2内腔72の遠位端72Aにおける内径c(mm)が、第1筒状部材10の補強部14の近位端14Bから遠位側に1mm離れた位置14Cにおける内径a(mm)よりも大きいことにより、第2内腔72の遠位端72A近傍の内壁との接触による先端屈曲ワイヤ50の移動抵抗を低減することができる。また先端屈曲ワイヤ50を挿入する場合には、内径cが小さいと、第2内腔72の遠位端72Aを通過する時点で屈曲部が伸びきってしまうおそれがあるが、内径cが内径aより大きいことにより、このような伸びきりの問題を回避し易くすることができる。そのため内径cは、より好ましくは内径aの1.1倍以上、更に好ましくは1.2倍以上、更により好ましくは1.3倍以上である。一方、上限は特に限定されないが、例えば内径cは、内径aの5倍以下、4倍以下、3倍以下であってもよい。
b≧c ・・・(3)
[式中、bは、第1筒状部材10の非補強部17の近位端17Bにおける内径(mm)である。cは、ハンドル部70の第2内腔72の遠位端72Aにおける内径(mm)である。]
非補強部17の近位端17Bにおける内径b(mm)が、ハンドル部70の第2内腔72の遠位端72Aにおける内径c(mm)以上であることにより、先端屈曲ワイヤ50を近位側から遠位側に向かって挿入する際に、非補強部17の近位端17Bに引っかかり難くすることができる。そのため内径bは、より好ましくは内径cの1.1倍以上、更に好ましくは1.2倍以上、更により好ましくは1.3倍以上である。一方、内径bが、内径cの2.0倍以下であることにより、先端屈曲ワイヤ50を近位側に向かって引き戻す際に、第2内腔72の遠位端72Aに引っかかり難くすることができる。そのため内径bは、好ましくは内径cの2.0倍以下、より好ましくは1.7倍以下、更に好ましくは1.5倍以下である。
ハンドル部70の第2内腔72は、図1、7に示すように遠位側に向かって縮径するテーパ部72Tを有することが好ましい。遠位側に向かって縮径するテーパ部に対して、先端屈曲ワイヤ50を遠位側に向かって挿入していくと、先端屈曲ワイヤ50の屈曲部がある程度、伸長された状態になるため、第1筒状部材10の内腔へ先端屈曲ワイヤ50を挿入し易くすることができる。
ハンドル部70の第2内腔72のテーパ部72Tの内壁は、第1筒状部材10の軸方向に対して5°以上、85°以下の角度で傾斜していることが好ましい。傾斜角が5°以上であることにより、先端屈曲ワイヤ50の屈曲部をある程度、伸長された状態にし易くすることができる。一方、傾斜角が85°以下であることにより、第2内腔72のテーパ部72Tの内壁と接触することに伴うワイヤの移動抵抗を低減し易くすることができる。そのため傾斜角は、より好ましくは70°以下、更に好ましくは60°以下、更により好ましくは50°以下である。
ハンドル部70の第1内腔71は、図7に示すように遠位側の径が大きくなるような段差部を有していてもよい。これにより、第2外側筒状部材200を第1内腔71内に配置し易くすることができる。但し第1内腔71は、長手方向Xにおいて径の大きさがほぼ一定の寸胴形状であってもよい。
第2外側筒状部材200の近位端200Bは、図7に示すように補強部14の近位端14Bよりも遠位側に位置することが好ましい。これにより、補強部14の外側面も接着剤73等により固定することができ、固定力が向上し易くなる。
なお第1筒状部材10の近位端部10bや第2外側筒状部材200の近位端部200bを第1内腔71内に固定するに当たっては、接着剤73等を用いればよい。
接着剤73は、シアノアクリレート系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、及びウレタン系接着剤よりなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、アクリル系接着剤、及びウレタン系接着剤よりなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。このうちウレタン系接着剤は、耐久性に優れ、樹脂との密着性にも優れるため、ウレタン系接着剤であることが更により好ましい。また射出成形によって補強部14の周囲にハンドル部70を形成する場合、補強部14に圧力がかかって破損し易くなってしまうが、ハンドル部70を予め成形しておき、得られたハンドル部70内に接着剤を用いて補強部14を固定することにより、上記のような圧力による破損を回避し易くすることができる。
第1筒状部材10の外層13は、接着剤73等により固定される部分において、微粒子を含有することが好ましい。これにより外層13の表面に微小な凹凸ができ易くなって、接着剤73等により固定され易くなる。微粒子として顔料が挙げられ、顔料として無機微粒子、有機微粒子、合成無機顔料が挙げられる。微粒子の長径は、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上、更に好ましくは0.8μm以上であって、好ましくは50μm以下、より好ましくは10μm以下、更に好ましくは5μm以下である。
第1筒状部材10の外層13は、第1内腔71内に位置する部分において、バリウム塩を含有することが好ましい。これにより外層13にタック性が高いウレタン樹脂等を含有させても、製造工程において筒状部材10の近位端部10bを第1内腔71内に挿入するときに引っかかり難くすることができる。バリウム塩として、硫酸バリウム、炭酸バリウム、水酸化バリウム、塩化バリウム、硝酸バリウム、及び酢酸バリウムよりなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、硫酸バリウムがより好ましい。
第2外側筒状部材200は、接着剤73等により固定される部分において、微粒子を含有することが好ましい。微粒子は、上記外層13の記載を参照することができる。
第2外側筒状部材200は、第1内腔71内に位置する部分において、バリウム塩を含有することが好ましい。バリウム塩は、上記外層13の記載を参照することができる。
図7に示す通り、ハンドル部70には、ハンドル部70の外表面から第1内腔71に連通する流体注入用の貫通孔74が設けられていてもよい。これにより貫通孔74を介して、加熱した流体や殺菌性の流体を第2外側筒状部材200の内腔内に注入して滅菌を行うことができる。またハンドル部70には、ハンドル部70の外表面から第1内腔71へ連通する接着剤注入用の貫通孔75が設けられていてもよい。これにより外部から接着剤73を注入して非補強部17等を固定することができる。
第2外側筒状部材200の外側面は、図7に示す通り、接着剤73により第1内腔71の内腔に固定されていてもよい。この場合、第2外側筒状部材200の近位端部は接着剤73により封止されていないことが好ましい。これにより、上述したように加熱した流体や殺菌性の流体を第2外側筒状部材200の内腔内に注入して滅菌を行うことができる。
また第2外側筒状部材200は、必ずしも図7のように第1内腔71内に接着剤73を介して固定されている必要は無い。例えば、ハンドル部70の遠位端部の外表面に接着剤73を付着させて、第1内腔71外で第2外側筒状部材200が固定されていてもよい。この場合、第2外側筒状部材200は、第1内腔71内において接着剤73を介して固定されていないことが好ましい。これにより製造時の作業効率が向上し易くなる。
ハンドル部70の外形は、施術者が指で把持できるような形状になっていることが好ましい。ハンドル部70は、射出成形等により得られる樹脂成形品であることが好ましい。樹脂として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂のうちポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル等の透明性樹脂が好ましい。これによりハンドル部70内部が見え易くなって、ワイヤを挿入し易くすることができる。
カテーテル1は、図7に示す通り、補強部14の近位端部14bの外側面を被覆し、且つ近位側に延在して非補強部17のテーパ部17Tを形成する樹脂製のスリーブ18を備えることが好ましい。補強部14の近位端14Bは、補強部材12が外側に向かって変形し易い部分であるが、樹脂製のスリーブ18により補強部14の近位端部14bを被覆することにより、上記変形を防止し易くすることができる。なおスリーブ18の遠位端部の内側面は、加熱溶融等によって補強部14の近位端部14bの外側面と接合されていることが好ましい。
補強部14の近位端14Bからスリーブ18の遠位端18Aまでの軸方向の長さ(以下では、単に被覆長と呼ぶ場合がある)は、第1筒状部材10の補強部14の近位端14Bから遠位側に1mm離れた位置14Cにおける内径aの2倍以上、35倍以下であることが好ましい。被覆長が内径aの2倍以上であることにより、補強部14の近位端部14bの変形を防止し易くすることができる。そのため、被覆長は内径aの3倍以上であることがより好ましく、内径aの4倍以上であることが更に好ましい。一方、被覆長が内径aの35倍以下であることにより、スリーブ18の遠位端18A近傍を第1内腔71内に例えば接着剤73等を用いて固定する場合に、遠位端18Aのアンカー効果が発揮されて軸方向に働く力に対する耐久性が向上し易くなる。そのため、被覆長は内径aの28倍以下であることがより好ましく、内径aの20倍以下であることが更に好ましく、内径aの15倍以下であることが更により好ましく、内径aの10倍以下であることが特に好ましい。
スリーブ18は、熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。スリーブ18に含まれる熱可塑性樹脂としては、外層13に含まれる樹脂と同じ樹脂を含んでいることがより好ましい。
図7に示すようなスリーブ18を形成する方法として、例えば、補強部材を含む筒状体の一端部に、樹脂製のスリーブの一端部を被覆し、次いでテーパ部を有する金属体を加熱して、スリーブの他端部から一端部に向かって、金属体を挿入する方法が挙げられる。
本願は、2019年6月19日に出願された日本国特許出願第2019-114065号に基づく優先権の利益を主張するものである。2019年6月19日に出願された日本国特許出願第2019-114065号の明細書の全内容が、本願に参考のため援用される。
1 カテーテル
10 第1筒状部材
10b 第1筒状部材の近位端部
10A 第1筒状部材の遠位端
10B 第1筒状部材の近位端
11 内層
12 補強部材
13 外層
14 補強部
14A 補強部の遠位端
14B 補強部の近位端
14C 補強部の近位端から遠位側に1mm離れた位置
14b 補強部の近位端部
15 延在部
15A 延在部の遠位端
15O 開口部
15OA 開口部の遠位端
15OB 開口部の近位端
15T テーパ部
16 隆起部
17 非補強部
17B 非補強部の近位端
17T 非補強部のテーパ部
18 スリーブ
18A スリーブの遠位端
19 金属補強線
20 第2筒状部材
20A 第2筒状部材の遠位端
20B 第2筒状部材の近位端
31 第1のX線不透過性マーカー
32 第2のX線不透過性マーカー
50 先端屈曲ワイヤ
70 ハンドル部
71 第1内腔
72 第2内腔
71B 第1内腔の近位端
72A 第2内腔の遠位端
72T 第2内腔のテーパ部
73 接着剤
74 流体注入用の貫通孔
75 接着剤注入用の貫通孔
100 第1外側筒状部材
200 第2外側筒状部材
200B 第2外側筒状部材の近位端
200b 第2外側筒状部材の近位端部
300 樹脂製の円柱状体

Claims (15)

  1. 長手方向に延び、遠位端と近位端とを有し、ワイヤが挿入される第1筒状部材と、
    遠位端と近位端とを有し、前記第1筒状部材と径方向に隣接する第2筒状部材とを備え、
    前記第1筒状部材の遠位端は、前記第2筒状部材の遠位端よりも近位側に位置し、
    前記第1筒状部材の近位端は、前記第2筒状部材の近位端よりも近位側に位置し、
    前記第1筒状部材は、ポリテトラフルオロエチレン、及びテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体よりなる群から選択される少なくとも1種を含む内層と補強部材とを有する補強部を有し、
    前記第1筒状部材は、前記補強部の遠位端よりも遠位側には前記ポリテトラフルオロエチレンと前記テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体と前記補強部材とを含まない樹脂製の延在部を有し、
    前記第1筒状部材の前記補強部の遠位端から前記延在部の遠位端までの軸方向の長さは、前記補強部の遠位端における内径の4倍以上、35倍以下の長さであるカテーテル。
  2. 前記第1筒状部材の前記補強部の近位端は、前記第2筒状部材の近位端よりも近位側に位置する請求項1に記載のカテーテル。
  3. 前記第1筒状部材の前記補強部の近位端は、前記第1筒状部材の近位端よりも遠位側に位置する請求項1または2に記載のカテーテル。
  4. 更に長手方向を有する第1外側筒状部材を備え、前記第1外側筒状部材の内腔に前記第1筒状部材と前記第2筒状部材が配置されている請求項1~3のいずれか一項に記載のカテーテル。
  5. 前記第1筒状部材と前記第2筒状部材の外側面は、軸方向に延びる樹脂製の円柱状体により封止されている請求項1~4のいずれか一項に記載のカテーテル。
  6. 前記第1筒状部材の前記延在部は、遠位側に開口部を有し、前記開口部は、テーパ面と外側面とを備えるテーパ部を有する請求項1~5のいずれか一項に記載のカテーテル。
  7. 前記第1筒状部材は、前記開口部よりも遠位側に、前記第2筒状部材とは反対側に向かって隆起している隆起部を有する請求項6に記載のカテーテル。
  8. 前記第2筒状部材は、前記補強部の遠位端よりも遠位側の位置に、X線不透過性マーカーが配置されている請求項1~7のいずれか一項に記載のカテーテル。
  9. 前記第2筒状部材は、前記補強部の遠位端よりも遠位側の位置に、X線不透過性マーカーが配置されており、前記X線不透過性マーカーは、前記延在部の遠位側の開口部の遠位端よりも遠位側に位置する請求項6または7に記載のカテーテル。
  10. 更に前記第2筒状部材の近位端よりも近位側に、長手方向を有する第2外側筒状部材を備え、
    前記第2外側筒状部材の内腔に前記第1筒状部材が配置されている請求項1~9のいずれか一項に記載のカテーテル。
  11. 前記第1筒状部材の外側面は、軸方向に沿って金属補強線を備える請求項1~10のいずれか一項に記載のカテーテル。
  12. 前記第1筒状部材は、外層を備える請求項1~11のいずれか一項に記載のカテーテル。
  13. 前記外層は、低密度ポリエチレン、ポリウレタン、ポリアミドエラストマー、及びポリアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む請求項12に記載のカテーテル。
  14. 前記第1筒状部材の近位端部には、ハンドル部が接続されている請求項1~13のいずれか一項に記載のカテーテル。
  15. 前記延在部を構成する樹脂は、低密度ポリエチレン、ポリウレタン、ポリアミドエラストマー、及びポリアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1~14のいずれか一項に記載のカテーテル。
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