JP7497232B2 - プリント回路板、プリント配線板、及び電子機器 - Google Patents

プリント回路板、プリント配線板、及び電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、プリント回路板における配線の技術に関する。
プリント回路板は、信号の伝送に用いられる信号配線を含んでいる。信号配線を設計する際の制約事項の1つに、電気部品が実装されるパッドの形状がある。パッドは、信号配線に含まれる主配線よりも配線幅が広いのが一般的である。このため、主配線の特性インピーダンスに対しパッドの特性インピーダンスが低下し、主配線とパッドとの境界で特性インピーダンスの不整合が発生する。特性インピーダンスの不整合は、信号波形の品質に影響を及ぼす。特許文献1には、パッドにおける特性インピーダンスの不整合を抑制する技術として、パッドに対向するグラウンドプレーンにくり抜き部が形成されている技術が提案されている。
特開2014-116541号公報
しかしながら、信号配線における信号の伝送速度は、高速化の傾向にある。信号の伝送速度の高速化に伴い、信号に要求される品質は、従来よりも高いものとなってきており、プリント回路板には更なる改良が求められていた。
本発明は、信号の品質を向上させることを目的とする。
本発明のプリント回路板は、信号端子を含む電気部品と、前記電気部品が実装されたプリント配線板と、を備え、前記プリント配線板は、前記信号端子に接続された信号配線を有し、前記信号配線は、この順に連続して配置された第1配線部、第2配線部、第3配線部、及び第4配線部を含み、前記第4配線部には、前記信号端子が接合され、前記第2配線部の第2特性インピーダンスは、前記第1配線部の第1特性インピーダンスよりも低く、前記第3配線部の第3特性インピーダンスは、前記第1特性インピーダンスよりも高く、前記第4配線部と前記信号端子とで形成された一体構造の第4特性インピーダンスは、前記第1特性インピーダンスよりも低いことを特徴とする。
また、本発明のプリント回路板は、信号端子を含む電気部品と、前記電気部品が実装されたプリント配線板と、を備え、前記プリント配線板は、前記信号端子に接続された信号配線を有し、前記信号配線は、この順に連続して配置された第1配線部、第2配線部、第3配線部、及び第4配線部を含み、前記第4配線部には、前記信号端子が接合され、前記第2配線部の配線幅は、前記第1配線部の配線幅よりも広く、前記第3配線部の配線幅は、前記第1配線部の配線幅よりも狭く、前記第4配線部の配線幅は、前記第1配線部の配線幅よりも広いことを特徴とする。
また、本発明のプリント配線板は、電気部品が実装されるプリント配線板であって、前記電気部品の信号端子に接続される信号配線を有し、前記信号配線は、連続して配置された第1配線部、第2配線部、第3配線部、及び第4配線部を含み、前記第4配線部には、前記信号端子が接合可能であり、前記第2配線部の特性インピーダンスは、前記第1配線部の特性インピーダンスよりも低く、前記第3配線部の特性インピーダンスは、前記第1配線部の特性インピーダンスよりも高く、前記第4配線部の特性インピーダンスは、前記第1配線部の特性インピーダンスよりも低いことを特徴とする。
また、本発明のプリント配線板は、電気部品が実装されるプリント配線板であって、前記電気部品の信号端子に接続される信号配線を有し、前記信号配線は、連続して配置された第1配線部、第2配線部、第3配線部、及び第4配線部を含み、前記第4配線部には、前記信号端子が接合可能であり、前記第2配線部の配線幅は、前記第1配線部の配線幅よりも広く、前記第3配線部の配線幅は、前記第1配線部の配線幅よりも狭く、前記第4配線部の配線幅は、前記第1配線部の配線幅よりも広いことを特徴とする。
本発明によれば、信号の品質が向上する。
第1実施形態に係る電子機器の説明図である。 第1実施形態に係る処理モジュールの斜視図である。 (a)は、第1実施形態に係る処理モジュールの一部分の平面図である。(b)は、第1実施形態に係る処理モジュールの一部分の断面図である。 (a)は、第2実施形態に係る処理モジュールの一部分の平面図である。(b)は、第2実施形態に係る処理モジュールの一部分の断面図である。 第3実施形態に係る処理モジュールの斜視図である。 (a)は、第3実施形態に係る処理モジュールの一部分の平面図である。(b)は、第3実施形態に係る処理モジュールの一部分の断面図である。 (a)は、第4実施形態に係る処理モジュールの一部分の平面図である。(b)は、第4実施形態に係る処理モジュールの一部分の断面図である。 (a)は、実施例のシミュレーション結果を示すグラフである。(b)は、実施例における信号の説明図である。 (a)は、実施例のシミュレーション結果を示すグラフである。(b)は、実施例における信号の説明図である。 (a)は、比較例1の処理モジュールの一部分の平面図である。(b)は、比較例2の処理モジュールの一部分の平面図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る電子機器の一例としての撮像装置であるデジタルカメラ600の説明図である。撮像装置であるデジタルカメラ600は、レンズ交換式のデジタルカメラであり、カメラ本体601を備える。カメラ本体601には、レンズを含むレンズユニット(レンズ鏡筒)602が着脱可能となっている。カメラ本体601は、筐体611と、筐体611の内部に配置された、処理モジュール300及びセンサモジュール900と、を備えている。処理モジュール300は、プリント回路板の一例であり、半導体モジュールの一例でもある。処理モジュール300とセンサモジュール900とは不図示のケーブルで電気的に接続されている。
センサモジュール900は、撮像素子であるイメージセンサ700と、プリント配線板800と、を有する。イメージセンサ700は、プリント配線板800に実装されている。イメージセンサ700は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ又はCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサである。イメージセンサ700は、レンズユニット602を介して入射した光を電気信号に変換する機能を有する。
処理モジュール300は、半導体装置100と、電気部品の一例であるコネクタ400と、プリント配線板200と、を有する。半導体装置100及びコネクタ400は、プリント配線板200に実装されている。プリント配線板200は、リジッド基板である。半導体装置100は、例えばデジタルシグナルプロセッサであり、イメージセンサ700から電気信号を取得し、取得した電気信号を補正する処理を行い、画像データを生成する機能を有する。
コネクタ400は、例えばUSB(Universal Serial Bus)コネクタ又はHDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)コネクタなど、外部機器とのインタフェースとなるコネクタである。コネクタ400は、不図示のUSBケーブルのコネクタ又はHDMI(登録商標)ケーブルのコネクタが挿脱される挿入口401を有し、挿入口401がカメラ本体601の筐体611から外部に露出するように、筐体611の内部に配置されている。
図2は、第1実施形態に係る処理モジュール300の斜視図である。半導体装置100は、半導体パッケージであり、第1実施形態では、BGA(Ball Grid Array)の半導体パッケージである。
プリント配線板200は、半導体装置100とコネクタ400とを電気的に接続する信号配線250を有する。信号配線250は、半導体装置100からコネクタ400へデジタル信号を伝送するための配線である。なお、図2に示すプリント配線板200において、信号配線250以外の配線、例えば電源配線、グラウンド配線、信号配線250以外の信号配線の図示は省略している。
なお、図2では、信号が伝送される信号配線250を1つだけ図示しているが、信号配線250が複数あってもよい。この場合、複数の信号配線250でバス配線が構成されていてもよい。
信号配線250は、配線方向、即ち信号配線250の長手方向であるX方向に延在するよう形成されている。信号配線250の厚み方向をZ方向、信号配線250の幅方向をY方向とする。Z方向は、プリント配線板200の厚み方向でもあり、プリント配線板200を平面視する方向でもある。
信号配線250は、X方向の第1端部である端部251と、端部251とは反対側のX方向の第2端部である端部252と、を有する。半導体装置100は、デジタル信号を出力する端子101を有する。端子101は、信号配線250の端部251に接続されている。信号配線250において伝送されるデジタル信号の伝送速度は、1Gbps(Giga Bits Per Second)以上である。デジタル信号は、第1実施形態ではシングルエンド信号である。信号配線250の材質は、銅や金などの導電性を有する金属材料を含んでいる。
図3(a)は、第1実施形態に係る処理モジュール300の一部分の平面図である。図3(b)は、第1実施形態に係る処理モジュール300の一部分の断面図である。プリント配線板200は、絶縁体層231,232,233を挟んで積層して配置された4層の導体層221,222,223,224を含むプリント配線板である。導体層221,224が表層、即ち外層であり、導体層222,223が内層である。導体層221は、半導体装置100及びコネクタ400が実装される側の表層である。なお、導体層221,224上に不図示のソルダーレジストが設けられていてもよい。
信号配線250は、導体層221に配置されている。信号配線250のZ方向の厚みは、XY方向に亘って一定である。絶縁体層231を挟んで導体層221に隣接する導体層222には、平面状のグラウンドパターン262が配置されている。導体層223には、平面状のグラウンドパターン263が配置されている。導体層224には、信号配線250以外の信号配線264が配置されている。
コネクタ400は、表面実装形の電気部品であり、信号端子である端子414を有する。端子414は、ピン形状である。端子414は、信号配線250の端部252に接続されている。端子414は、信号の入力を受ける端子である。信号配線250における信号の伝送方向をX1方向とする。
信号配線250は、X方向に連続して配置された配線部211,212,213,214を含む。配線部211は第1配線部、配線部212は第2配線部、配線部213は第3配線部、配線部214は第4配線部である。本実施形態では、X1方向に向かって、配線部211、配線部212、配線部213、及び配線部214の順にこれら配線部211~214が連続して配列されている。コネクタ400は、端子414と連続する配線部415を有する。配線部415は、第5配線部であり、コネクタ400の内部配線である。
配線部211は、主配線であり、配線部211~214の中でX方向に最も長い。配線部214は、コネクタ400の端子414がはんだで接合可能なパッドである。配線部214に端子414が接合されることで、配線部214及び端子414により一体構造314が形成される。パッドである配線部214は、Z方向に見て、矩形形状である。
ここで、配線部211の特性インピーダンスをZ1、配線部212の特性インピーダンスをZ2、配線部213の特性インピーダンスをZ3とする。また、配線部214と端子414とで形成された一体構造314の特性インピーダンスをZ4とする。また、配線部415の特性インピーダンスをZ5とする。また、配線部214のみの特性インピーダンスをZ14とする。特性インピーダンスZ1が第1特性インピーダンス、特性インピーダンスZ2が第2特性インピーダンス、特性インピーダンスZ3が第3特性インピーダンスである。また、特性インピーダンスZ4が第4特性インピーダンス、特性インピーダンスZ5が第5特性インピーダンスである。
また、配線部211のY方向の配線幅をW1、配線部212のY方向の配線幅をW2、配線部213のY方向の配線幅をW3、配線部214のY方向の配線幅をW4とする。また、配線部211のX方向の長さをL1、配線部212のX方向の長さをL2、配線部213のX方向の長さをL3、配線部214のX方向の長さをL4とする。
ここで、比較のため、比較例1の処理モジュールについて説明する。図10(a)は、比較例1の処理モジュール300Xの一部分の平面図である。処理モジュール300Xは、第1実施形態と同様のコネクタ400と、第1実施形態のプリント配線板200とは異なる比較例1のプリント配線板200Xとを有する。
プリント配線板200Xは、第1実施形態の信号配線250とは異なる構成の信号配線250Xを有する。なお、それ以外の構成は第1実施形態のプリント配線板200と同様である。信号配線250Xは、配線部211Xと、配線部211Xに連続する配線部214Xと、を有する。配線部214Xは、コネクタ400の端子414がはんだで接合可能なパッドである。配線部214Xに端子414が接合されることで、配線部214X及び端子414により一体構造314Xが形成される。
配線部214Xの配線幅W4Xは、配線部211Xの配線幅W1Xよりも広い。よって、配線部214Xの特性インピーダンスZ14Xは、配線部211Xの特性インピーダンスZ1Xよりも低い。このため、配線部211Xと配線部214Xとの間に特性インピーダンスの不整合が生じる。
更に配線部214Xにコネクタ400の端子414が接合されているとき、配線部214Xと端子414との一体構造314Xの特性インピーダンスZ4Xは、電気部品が実装されていない場合の配線部214Xのみの特性インピーダンスZ14Xよりも低い。配線部214Xと端子414との一体構造314XのZ方向の厚みが、端子414のZ方向の厚みよりも厚いため、グラウンドパターン262(図3(b))と電磁結合によるキャパシタンス成分が増加するためである。よって、特性インピーダンスZ1Xと特性インピーダンスZ4Xとの差(Z1X-Z4X)は、特性インピーダンスZ1Xと特性インピーダンスZ14Xとの差(Z1X-Z14X)よりも大きい。
第1実施形態においても、図3(a)に示す配線部214の配線幅W4は、配線部211の配線幅W1よりも広い。よって、配線部214の特性インピーダンスZ14は、配線部211の特性インピーダンスZ1よりも低い。更に、配線部214にコネクタ400の端子414が接合されているとき、配線部214と端子414との一体構造314の特性インピーダンスZ4は、電気部品が実装されていない場合の配線部214の特性インピーダンスZ14よりも低い。よって、特性インピーダンスZ1と特性インピーダンスZ4との差(Z1-Z4)は、特性インピーダンスZ1と特性インピーダンスZ14との差(Z1-Z14)よりも大きい。
第1実施形態では、配線部211と配線部214との間には、配線部212及び配線部213が配置されている。配線部212及び配線部213は、特性インピーダンスZ1と特性インピーダンスZ4との差(Z1-Z4)によるデジタル信号の電圧の乱れを制御するためのものである。2つの配線部212,213で制御配線部210が構成されている。
第1実施形態では、配線部211~214のZ方向の厚みは同一である。配線部212の配線幅W2は、配線部211の配線幅W1よりも広い。したがって、配線部212の特性インピーダンスZ2は、配線部211の特性インピーダンスZ1よりも低い。配線部213の配線幅W3は、配線部211の配線幅W1よりも狭い。したがって、配線部213の特性インピーダンスZ3は、配線部211の特性インピーダンスZ1よりも高い。制御配線部210が配線部211と配線部214との間に配置されることにより、一体構造314と配線部213における特性インピーダンスの不整合によって生じる信号の反射を比較例の一体構造314Xと配線部211Xとの形態より低減することができる。また、制御配線部210の配線部213より配線部212の特性インピーダンスが低いため、配線部213と一体構造314における特性インピーダンスの不整合によって生じる信号の反射をさらに低減できる。これによりデジタル信号の電圧波形の乱れ、即ち最大ピーク値と最小ピーク値の差が抑制されるので、伝送されるデジタル信号の品質が向上する。
特性インピーダンスZ2は、特性インピーダンスZ4以下であってもよいが、伝送されるデジタル信号の電圧を安定させる点で、特性インピーダンスZ4よりも高いのが好ましい。また、特性インピーダンスZ3は、特性インピーダンスZ5以上であってもよいが、伝送されるデジタル信号の電圧波形を安定させる点で、特性インピーダンスZ5よりも低いのが好ましい。
[第2実施形態]
第2実施形態において電子機器の一例であるデジタルカメラの構成ついて説明する。なお第2実施形態では、デジタルカメラに含まれる処理モジュールの構成が第1実施形態と異なる。そのため、処理モジュールについて説明する。図4(a)は、第2実施形態に係る処理モジュール300Aの一部分の平面図である。図4(b)は、第2実施形態に係る処理モジュール300Aの一部分の断面図である。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付して説明を省略する。
プリント回路板の一例である処理モジュール300Aは、プリント配線板200Aと、プリント配線板200Aに実装されたコネクタ400を備える。なお、図示は省略するが、処理モジュール300Aは、第1実施形態と同様、図2の半導体装置100を備える。半導体装置100は、プリント配線板200Aに実装されている。
プリント配線板200Aは、第1実施形態と同様、絶縁体層231,232,233を挟んで積層して配置された4層の導体層221,222,223,224を含むプリント配線板である。
第2実施形態では、導体層221には、第1実施形態と同様、信号配線250が配置されている。導体層222には、第1実施形態のグラウンドパターン262(図3(b))とは異なる平面状のグラウンドパターン262Aが配置されている。
グラウンドパターン262Aは、プリント配線板200Aを平面視して、即ちZ方向に見て、信号配線250の配線部214のうち少なくとも一部と重なる開口部H1を有する。第2実施形態では、Z方向に見て、開口部H1は、配線部214の全部と重なる。
グラウンドパターン262Aに開口部H1が形成されているため、第2実施形態における一体構造314の特性インピーダンスZ4は、第1実施形態における一体構造314の特性インピーダンスZ4よりも高くなる。つまり、第2実施形態によれば、第1実施形態よりも特性インピーダンスZ1と特性インピーダンスZ4との差を小さくすることができる。これにより、デジタル信号の品質を更に向上させることができる。
[第3実施形態]
第3実施形態において電子機器の一例であるデジタルカメラの構成ついて説明する。なお第3実施形態では、デジタルカメラに含まれる処理モジュールの構成が第1実施形態と異なる。そのため、処理モジュールについて説明する。図5は、第3実施形態に係る処理モジュール300Bの斜視図である。なお、第3実施形態において、第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付して説明を省略する。
処理モジュール300Bは、半導体装置100Bと、電気部品の一例であるコネクタ400Bと、プリント配線板200Bと、を有する。半導体装置100B及びコネクタ400Bは、プリント配線板200Bに実装されている。プリント配線板200Bは、リジッド基板である。半導体装置100Bは、例えばデジタルシグナルプロセッサである。コネクタ400Bは、不図示のUSBケーブルのコネクタ又はHDMI(登録商標)ケーブルのコネクタが挿脱される挿入口401Bを有する。
プリント配線板200Bは、第1実施形態の信号配線250と同様の構成の信号配線を一対有する。即ち、プリント配線板200Bは、半導体装置100Bとコネクタ400Bとを電気的に接続する一対の信号配線250,250を有する。各信号配線250,250は、第1実施形態の信号配線250と同様の構成であるが、伝送されるデジタル信号が第1実施形態と異なる。即ち、第1実施形態では、信号配線250において伝送されるデジタル信号がシングルエンド信号であったが、第2実施形態では、一対の信号配線250,250において伝送されるデジタル信号が差動信号である。一対の信号配線250,250は、隣り合って配置されている。
なお、図5に示すプリント配線板200Bにおいて、信号配線250,250以外の配線、例えば電源配線、グラウンド配線、信号配線250,250以外の信号配線の図示は省略している。一対の信号配線250,250が複数あってもよく、これら配線でバス配線が構成されていてもよい。
信号配線250,250は、X方向の第1端部である端部251,251と、端部251,251とは反対側のX方向の第2端部である端部252,252と、を有する。半導体装置100Bは、差動信号を出力する端子101,101を有する。端子101,101は、信号配線250,250の端部251,251に接続されている。信号配線250,250において伝送されるデジタル信号の伝送速度は、1Gbps以上である。信号配線250,250の材質は、銅や金などの導電性を有する金属材料を含んでいる。
図6(a)は、第3実施形態に係る処理モジュール300Bの一部分の平面図である。図6(b)は、第3実施形態に係る処理モジュール300Bの一部分の断面図である。プリント配線板200Bは、第1実施形態と同様、絶縁体層231,232,233を挟んで積層して配置された4層の導体層221,222,223,224を含むプリント配線板である。
第3実施形態では、導体層221には、一対の信号配線250,250が配置されている。絶縁体層231を挟んで導体層221に隣接する導体層222には、平面状のグラウンドパターン262が配置されている。導体層223には、平面状のグラウンドパターン263が配置されている。導体層224には、信号配線250,250以外の信号配線264が配置されている。
コネクタ400Bは、表面実装形の電気部品であり、信号端子である一対の端子414,414を有する。各端子414,414は、ピン形状である。各端子414,414は、各信号配線250,250の端部252,252に接続されている。一対の端子414,414は、差動信号の入力を受ける端子である。一対の信号配線250,250における差動信号の伝送方向をX1方向とする。
信号配線250は、X方向に連続して配置された配線部211,212,213,214を含む。信号配線250は、X方向に連続して配置された配線部211,212,213,214を含む。配線部211と配線部211とはY方向に間隔をあけて隣り合っている。配線部212と配線部212とはY方向に間隔をあけて隣り合っている。配線部213と配線部213とはY方向に間隔をあけて隣り合っている。配線部214と配線部214とはY方向に間隔をあけて隣り合っている。コネクタ400Bは、端子414と連続する配線部415と、端子414と連続する配線部415と、を有する。
信号配線250について説明する。配線部211は、主配線であり、配線部211~214の中でX方向に最も長い。配線部214は、コネクタ400の端子414がはんだで接合可能なパッドである。配線部214に端子414が接合されることで、配線部214及び端子414により一体構造314が形成される。パッドである配線部214は、Z方向に見て、矩形形状である。なお、信号配線250も、信号配線250と同様の構成であるため、説明を省略する。
ここで、一対の配線部211,211の差動インピーダンスをZ1とする。一対の配線部212,212の差動インピーダンスをZ2とする。一対の配線部213,213の差動インピーダンスをZ3とする。一対の一体構造314,314の差動インピーダンスをZ4とする。一対の配線部415,415の差動インピーダンスをZ5とする。また、端子が接合されていない一対の配線部214,214のみの差動インピーダンスをZ14とする。差動インピーダンスZ1が第1特性インピーダンス、差動インピーダンスZ2が第2特性インピーダンス、差動インピーダンスZ3が第3特性インピーダンスに対応する。また、差動インピーダンスZ4が第4特性インピーダンス、差動インピーダンスZ5が第5特性インピーダンスに対応する。
また、各配線部211,211のY方向の配線幅をW1、各配線部212,212のY方向の配線幅をW2、各配線部213,213のY方向の配線幅をW3、各配線部214,214のY方向の配線幅をW4とする。また、各配線部211,211のX方向の長さをL1、各配線部212,212のX方向の長さをL2、各配線部213,213のX方向の長さをL3、各配線部214,214のX方向の長さをL4とする。
配線幅W4は、配線幅W1よりも広い。よって、差動インピーダンスZ14は、差動インピーダンスZ1よりも低い。更に、配線部214,214にコネクタ400Bの端子414,414が接合されているとき、一体構造314,314の差動インピーダンスZ4は、配線部214,214のみの差動インピーダンスZ14よりも低い。よって、差動インピーダンスZ1と差動インピーダンスZ4との差(Z1-Z4)は、差動インピーダンスZ1と差動インピーダンスZ14との差(Z1-Z14)よりも大きい。
第1実施形態と同様、配線部211と配線部214との間には、配線部212及び配線部213からなる制御配線部210が配置されている。配線部211と配線部214との間には、配線部212及び配線部213からなる制御配線部210が配置されている。一対の制御配線部210,210は、差動インピーダンスZ1と差動インピーダンスZ4との差(Z1-Z4)による差動信号の電圧の乱れを制御するためのものである。
第3実施形態では、配線部211~214,211~214のZ方向の厚みは同一である。配線幅W2は配線幅W1よりも広い。したがって、差動インピーダンスZ2は、差動インピーダンスZ1よりも低い。配線幅W3は、配線幅W1よりも狭い。したがって、差動インピーダンスZ3は、差動インピーダンスZ1よりも高い。この構成により、まず一体構造314、314よりも差動インピーダンスが高い配線部213、213によって一体構造314、314の差動インピーダンスの低下を緩和する。さらに、配線部213、213よりも差動インピーダンスが低い配線部212、212によって配線部213、213による差動インピーダンスの上昇を緩和する。これにより、一体構造314,314における信号の反射が低減され、これにより差動信号の電圧の乱れ、即ち最大ピーク値と最小ピーク値の差が低減されるので、伝送される差動信号の品質が向上する。
差動インピーダンスZ2は、差動インピーダンスZ4以下であってもよいが、伝送される差動信号の電圧を安定させる点で、差動インピーダンスZ4よりも高いのが好ましい。また、差動インピーダンスZ3は、差動インピーダンスZ5以上であってもよいが、伝送される差動信号の電圧を安定させる点で、差動インピーダンスZ5よりも低いのが好ましい。
[第4実施形態]
第4実施形態において電子機器の一例であるデジタルカメラの構成ついて説明する。なお第4実施形態では、デジタルカメラに含まれる処理モジュールの構成が第3実施形態と異なる。そのため、処理モジュールについて説明する。図7(a)は、第4実施形態に係る処理モジュール300Cの一部分の平面図である。図7(b)は、第4実施形態に係る処理モジュール300Cの一部分の断面図である。なお、第4実施形態において、第3実施形態と同様の構成については、同一符号を付して説明を省略する。
プリント回路板の一例である処理モジュール300Cは、プリント配線板200Cと、プリント配線板200Cに実装されたコネクタ400Bを備える。なお、図示は省略するが、処理モジュール300Cは、第3実施形態と同様、図5の半導体装置100Bを備える。半導体装置100Bは、プリント配線板200Cに実装されている。
プリント配線板200Cは、第3実施形態と同様、絶縁体層231,232,233を挟んで積層して配置された4層の導体層221,222,223,224を含むプリント配線板である。
第4実施形態では、導体層221には、第3実施形態と同様、信号配線250,250が配置されている。導体層222には、第3実施形態のグラウンドパターン262(図6(b))とは異なる平面状のグラウンドパターン262Cが配置されている。
グラウンドパターン262Cは、平面視して、即ちZ方向に見て、各配線部214,214の少なくとも一部と重なる開口部H2を有する。第4実施形態では、Z方向に見て、開口部H2は、一対の配線部214,214の全部と重なる。
グラウンドパターン262Cに開口部H2が形成されているため、第4実施形態における一対の一体構造314,314の差動インピーダンスZ4は、第3実施形態における一対の一体構造314,314の差動インピーダンスZ4よりも高くなる。つまり、第4実施形態によれば、第3実施形態よりも差動インピーダンスZ1と差動インピーダンスZ4との差を小さくすることができる。これにより、差動信号の品質を更に向上させることができる。
(実施例)
以下、実施例1、実施例2、及び比較例1において、シングルエンド信号の配線について説明し、実施例3、実施例4、及び比較例2において、差動信号の配線について説明する。
[実施例1]
第1実施形態に対応する具体的な数値例を示す実施例1について図3(a)及び図3(b)を参照しながら説明する。特性インピーダンスの大小関係をZ4<Z2<Z1<Z3<Z5とするために、以下のパラメータとなるようプリント回路板をシミュレーション装置で設計し、特性インピーダンスを計算した。なお、特性インピーダンスの計算には、メンター社のHyperLynxを使用した。
導体層221の厚みを37μmとした。導体層222の厚みを35μmとした。導体層223の厚みを35μmとした。導体層224の厚みを37μmとした。絶縁体層231の厚みを100μmとした。絶縁体層232の厚みを1200μmとした。絶縁体層233の厚みを100μmとした。絶縁体層231,232,233の比誘電率を4.3、誘電正接を0.02とした。また、導体層221と導体層224の各表面には、不図示のソルダーレジストが塗布されているものとした。不図示のソルダーレジストのZ方向の厚みを20μmとした。不図示のソルダーレジストの比誘電率を3.0、誘電正接を0.02とした。
配線部211のY方向の配線幅W1を150μmとし、X方向の長さL1を28.6mmとした。配線部212のY方向の配線幅W2を280μmとし、X方向の長さL2を0.4mmとした。配線部213のY方向の配線幅W3を85μmとし、X方向の長さL3を1.0mmとした。配線部214のY方向の配線幅W4を250μmとし、X方向の長さL4を2.0mmとした。
配線部214に接合された端子414のY方向の幅を250μmとし、X方向の長さを2.0mmとした。また端子414のZ方向の厚みを200μmとした。配線部415のX方向の長さを2.0mmとした。なお、配線部415の信号出力側を50Ωで終端した(不図示)。
上記条件で計算した結果、各特性インピーダンスZ1~Z4は以下のようになった。特性インピーダンスZ1は50.8Ωであった。特性インピーダンスZ2は36.4Ωであった。特性インピーダンスZ3は64.2Ωであった。特性インピーダンスZ4は36.1Ωであった。特性インピーダンスZ5は65Ωであった。配線部214と端子414との一体構造314は、配線部212よりも幅が狭いが、特性インピーダンスZ4は、特性インピーダンスZ2よりも低かった。なお、特性インピーダンスZ14は40.3Ωであった。
実施例1の構造についてTDR(Time Domain Reflectometry)解析のシミュレーションを実施した。図8(a)は、実施例のシミュレーション結果を示すグラフである。図8(a)において、縦軸は特性インピーダンスで単位はΩであり、横軸は時間で単位はsecである。TDR解析を行うと、信号源からの位置、即ち距離について、信号配線の特性インピーダンスの大きさを特定することができる。そして、TDR解析を行うことにより、デジタル信号の電圧波形の品質も評価することができる。
図8(a)中、波形1001は、実施例1のTDR解析結果である。TDR解析には、シノプシス社のHSPICEを使用した。また、信号配線に入力されるデジタル信号としてパルス信号を用いた。
図8(b)は、実施例において、主配線の一端に、信号源によって入力されるパルス信号の説明図である。主配線とは、実施例1では配線部211である。主配線の一端とは、図2に示す端部251に対応する。信号源は、図2に示す半導体装置100に対応する。配線部211に入力されるパルス信号の電圧振幅をVinとし、パルス信号の立ち上がり時間をtrとする。立ち上がり時間trは、電圧振幅Vinの0-100%の時間である。電圧振幅Vinを400mV、立ち上がり時間trを35psとした。信号源の内部インピーダンスを50Ωとした。
実施例1の解析結果について、TDR解析結果と特性インピーダンスの計算結果とを照らし合わせながら説明する。実施例1では、配線部211の一端からパルス信号が入力される。TDR解析の結果、配線部211の特性インピーダンスZ1は52Ωであった。
計算による配線部212の特性インピーダンスZ2は、配線部211の特性インピーダンスZ1よりも低い36.4Ωであった。配線部213の特性インピーダンスZ3は、特性インピーダンスZ1よりも高い64.2Ωであった。一体構造314の特性インピーダンスZ4は、特性インピーダンスZ1よりも低い36.1Ωであった。
配線部211のX方向の長さL1を28.6mmとした。配線部211の周囲に形成されたソルダーレジストの比誘電率を3とし、配線部211の周囲に形成された絶縁体の比誘電率を4.3とした。これらの比誘電率を用いて電磁波の伝播速度を計算した。電磁波の計算には、メンター社のHyperLynxを用いた。電磁波の伝播速度は、光速(≒3.0×10m/s)の約0.551倍、即ち1.654×10m/sとなった。よって、信号が配線部211を伝播する時間は172.9psとなった。
配線部212のX方向の長さL2を0.4mmとした。配線部212の周囲に形成されたソルダーレジストの比誘電率を3とし、配線部212の周囲に形成された絶縁体の比誘電率を4.3とした。これらの比誘電率を用いて電磁波の伝播速度を計算した。電磁波の伝播速度の計算には、メンター社のHyperLynxを用いた。電磁波の伝播速度は、光速(≒3.0×10m/s)の約0.539倍、即ち1.617×10m/sとなった。よって、信号が配線部212を伝播する時間は2.5psとなった。
パルス信号の立ち上がり時間trである35psをかけて特性インピーダンスが36.4Ωまで低下するところを、配線部212では、2.5ps×2=5.0psの時間で信号波が1往復する。信号源の内部インピーダンスである50Ωから配線部212の特性インピーダンスZ2である36.4Ωまでの特性インピーダンスの遷移は実効的に、(36.4Ω-50Ω)×(5.0ps/35ps)≒-1.9Ωとなった。
また、配線部213のX方向の長さL3を1.0mmとした。配線部213の周囲に形成されたソルダーレジストの比誘電率を3とし、配線部213の周囲に形成された絶縁体の比誘電率を4.3とした。これらの比誘電率を用いて電磁波の伝播速度を計算した。電磁波の伝播速度の計算には、メンター社のHyperLynxを用いた。電磁波の伝播速度は、光速(≒3.0×10m/s)の約0.560倍の1.681×10m/sとなった。よって、信号が配線部213を伝播する時間は5.9psとなった。
パルス信号の立ち上がり時間trである35psをかけて特性インピーダンスが64.2Ωまで増加するところを、配線部213では、5.9ps×2=11.8psの時間で信号波が1往復する。信号源の内部インピーダンスである50Ωから配線部213の特性インピーダンスZ3である64.2Ωまでの特性インピーダンスの遷移は実効的に、(64.2Ω-50Ω)×(11.8ps/35ps)≒4.8Ωとなった。
また、一体構造314のX方向の長さは、2.0mmとした。信号が一体構造314を伝播する時間は11.3psとなった。パルス信号の立ち上がり時間trである35psをかけて特性インピーダンスが36.1Ωまで低下するところを、一体構造314では、11.3ps×2=22.6psの時間で信号波が1往復する。信号源の内部インピーダンスである50Ωから一体構造314の特性インピーダンスZ4である36.1Ωまでの特性インピーダンスの遷移は実効的に、(36.1Ω-50Ω)×(22.6ps/35ps)≒-9.0Ωとなった。
実施例1では、配線部211、配線部212、配線部213、一体構造314の順に連続して接続され、特性インピーダンスが各部211,212,213,314毎に変化している。このため、TDR解析した際の各部の特性インピーダンスの値は、一つ手前の配線部の特性インピーダンスから遷移した値となる。よって、TDR解析による配線部211の特性インピーダンスZ1に対して、計算による3つの特性インピーダンスの遷移を加味すると、机上計算では52-1.9+4.8-9.0=45.9Ωまで低下した。TDR解析では46.9Ωとなった。
図8(a)に示す波形1001では、信号波が配線部211を伝播する時間の2倍は、345.8psであり、0から345.8psまでの期間が配線部211に相当する。続いて、信号波が配線部212を伝播する時間の2倍は、5psであり、345.8psから5ps後の350.8ps(=345.8+5)までの期間が配線部212に相当する。さらに、信号波が配線部213を伝播する時間の2倍は、10.8psであり、350.8psから10.8ps後の361.6ps(=350.8+10.8)までの期間が配線部213に相当する。最後に、信号波が一体構造314を伝播する時間の2倍は、22.6psであり、361.6psから22.6ps後の384.2ps(=361.6+22.6)までの期間が一体構造314に相当する。384.2psの特性インピーダンスが46.9Ωであった。
特性インピーダンスZ3は、特性インピーダンスZ1よりも高い。特性インピーダンスZ3は、特性インピーダンスZ2、特性インピーダンスZ4、及び特性インピーダンスZ5の中で最大の特性インピーダンスZ5よりも低いのが好ましい。TDR解析による配線部213の特性インピーダンスの変動範囲を、回路中、最大の特性インピーダンスZ5よりも抑制するためである。
また、配線部213のX方向の長さL3は、以下の式(1)を満たすのが好ましい。
Figure 0007497232000001
trは、デジタル信号の立ち上がり時間、voは、デジタル信号の伝播速度、Z1は、配線部211の特性インピーダンス、Z5は、配線部415の特性インピーダンスである。
主配線である配線部211の特性インピーダンスは、約50Ωに制御されている。配線部211と配線部415の特性インピーダンス差(Z5-Z1)に対する、配線部213で許容する特性インピーダンス変動量(Z1×0.10)の比に、パルス信号の立ち上がり時間の1/2と伝播速度を掛ける。これにより、デジタル信号の電圧波形の品質を保つために配線部213に必要な配線長が決定される。なお、一体構造314におけるデジタル信号の電圧波形の乱れを抑制するための構造、即ち配線部213によって、新たな乱れを発生させないために、配線部213の特性インピーダンスを決定する。
電磁波が配線を往復する時間の方がパルス信号の立ち上がり時間よりも十分に長い配線の場合、パルス信号の立ち上がり時間後に、配線の特性インピーダンスがTDR解析で測定できる。一方、電磁波が配線を往復する時間の方がパルス信号の立ち上がり時間よりも短い配線、即ちパルス信号の時間分解能よりも短い配線においては、特性インピーダンスは十分長い場合の値まで遷移しない。Z3=Z5とした場合、Z5-Z1の量だけ遷移する時間がパルス信号の立ち上がり時間に等しいが、Z3をZ1の0.10倍に制限すると、式(1)になる。
また、デジタル信号の電圧波形の品質を保つために、配線部213で許容する特性インピーダンス変動量を、主配線の特性インピーダンスの±5%~±15%程度を狙って基板を製造することが多い。即ち、特性インピーダンスの変動の許容値も考慮して、配線部213のX方向の長さL3は、以下の式(2)を満たすのが好ましい。
Figure 0007497232000002
特性インピーダンスZ2は、特性インピーダンスZ1よりも低い。特性インピーダンスZ2は、特性インピーダンスZ3,Z4,Z5の中で最小の特性インピーダンスZ4よりも高いのが好ましい。TDR解析による配線部211の特性インピーダンスに対する配線部212の特性インピーダンスの変動の範囲を、一体構造314の特性インピーダンスよりも小さくするためである。
また、配線部212のX方向の長さL2は、以下の式(3)を満たすのが好ましい。
Figure 0007497232000003
主配線である配線部211の特性インピーダンスは、約50Ωに制御されている。配線部211と一体構造314の特性インピーダンス差(Z1-Z4)に対する、配線部212で許容する特性インピーダンス変動量(Z1×0.10)の比に、パルス信号の立ち上がり時間の1/2と伝播速度を掛ける。さらにこの演算結果を0.5倍することで、配線部212に必要な配線長を決定する。なお、一体構造314におけるデジタル信号の電圧波形の乱れを抑制するための構造、即ち配線部212によって、新たな乱れを発生させないために、配線部212の特性インピーダンスを決定している。
配線部213の手前に配線部212が配置されているので、配線部213による特性インピーダンスの上昇を抑制することができる。しかし、配線部213の手前で配線部212によって特性インピーダンスが下がりすぎると、配線部213によって小さくした配線部211の特性インピーダンスZ1と一体構造314の特性インピーダンスZ4との特性インピーダンス差が再び大きくなる。このため、実施例1では、配線部212の配線長を補正した。上述の式(3)の例では、補正係数を0.5とした。
また、デジタル信号の電圧波形の品質を保つために、配線部212で許容する特性インピーダンス変動量を、主配線の特性インピーダンスの±5%、±10%、±15%程度を狙って基板を製造する。即ち、特性インピーダンスの変動の許容値も考慮して、配線部212のX方向の長さL2は、以下の式(4)を満たすのが好ましい。
Figure 0007497232000004
配線部214のX方向の長さL4は、以下の式(5)を満たすのが好ましい。
Figure 0007497232000005
電磁波が配線を往復する時間の方がパルス信号の立ち上がり時間よりも十分に長い配線の場合、パルス信号の立ち上がり時間後に、配線が無限長の場合と同等の配線の特性インピーダンスがTDR解析で測定できる。一方、電磁波が配線を往復する時間の方がパルス信号の立ち上がり時間よりも短い配線、即ちパルス信号の時間分解能よりも短い配線においては、特性インピーダンスは十分長い場合の値まで遷移しない。長さL4を電磁波が往復する時間がパルス信号の立ち上がり時間よりも長くなると、配線部212、配線部213を配置することによる一体構造314でのデジタル信号の電圧波形の乱れを抑制する効果がなくなる。そのため、長さL4を規定している。
[実施例2]
第2実施形態に対応する具体的な数値例を示す実施例2について図4(a)及び図4(b)を参照しながら説明する。まず、特性インピーダンスを計算した。なお、特性インピーダンスの計算には、実施例1と同様、メンター社のHyperLynxを使用した。以下、特性インピーダンスの計算に用いた各構成要件の数値について説明する。なお、実施例2におけるプリント配線板200Aの各層の構成は、実施例1と同じとした。以下、実施例1と異なる点についてのみ説明する。
配線部211のY方向の配線幅W1を150μmとし、X方向の長さL1を28.2mmとした。配線部212のY方向の配線幅W2を210μmとし、X方向の長さL2を0.8mmとした。配線部213のY方向の配線幅W3を85μmとし、X方向の長さL3を1.0mmとした。配線部214のY方向の配線幅W4を250μmとし、X方向の長さL4を2.0mmとした。開口部H1のY方向の幅を配線幅W4と同じ250μmとし、開口部H1のX方向の長さを長さL4と同じ2.0mmとした。即ち、配線部214と開口部H1は同じ面積である。
配線部214に接合された端子414のY方向の幅を250μmとし、X方向の長さを2.0mmとした。また端子414のZ方向の厚みを200μmとした。配線部415のX方向の長さを2.0mmとした。なお、配線部415の信号出力側を50Ωで終端した(不図示)。
上記条件で計算した結果、各特性インピーダンスZ1~Z4は以下のようになった。特性インピーダンスZ1は50.8Ωであった。特性インピーダンスZ2は42.9Ωであった。特性インピーダンスZ3は64.2Ωであった。特性インピーダンスZ4は42.6Ωであった。特性インピーダンスZ5は65Ωであった。即ち、特性インピーダンスの大小関係は、Z4<Z2<Z1<Z3<Z5であった。配線部214と端子414との一体構造314は、配線部212よりも幅が広く、特性インピーダンスZ4は、特性インピーダンスZ2よりも低かった。なお、特性インピーダンスZ14は48.8Ωであった。
なお、実施例2において、配線部213の特性インピーダンスZ3が64.2Ωとなるように、配線幅W3を85μmとした例について説明したが、これに限定するものではない。配線部213と対向するグラウンドパターン262Aに、スリットを設けてもよい。例えば、配線幅W3を100μmとし、グラウンドパターン262Aにおいて配線部213と対向する位置にスリットを設けると、特性インピーダンスZ3は62.8Ωとなる。
実施例2の構造についてTDR解析のシミュレーションを実施した。図8(a)中、波形1002は、実施例2のTDR解析結果である。TDR解析には、実施例1と同様、シノプシス社のHSPICEを使用した。また、信号配線に入力されるデジタル信号として、実施例1と同様のパルス信号を用いた。
実施例2の解析結果について、TDR解析結果と特性インピーダンスの計算結果とを照らし合わせながら説明する。実施例2では、配線部211の一端からパルス信号が入力される。TDR解析の結果、実施例2では、配線部211の特性インピーダンスZ1は52Ωであった。
計算による配線部212の特性インピーダンスZ2は、配線部211の特性インピーダンスZ1よりも低い42.9Ωであった。配線部213の特性インピーダンスZ3は、配線部211の特性インピーダンスZ1よりも高い64.2Ωであった。一体構造314の特性インピーダンスZ4は、特性インピーダンスZ1よりも低い42.6Ωであった。配線部214は、Z方向に見て、グラウンドパターン262Aの開口部H1と重なっている。そのため、実施例1の配線部214よりも特性インピーダンスZ4が高い。
配線部211のX方向の長さL1を28.2mmとした。配線部211の周囲に形成されたソルダーレジストの比誘電率を3とし、配線部211の周囲に形成された絶縁体の比誘電率を4.3とした。これらの比誘電率を用いて電磁波の伝播速度を計算した。電磁波の伝播速度の計算には、メンター社のHyperLynxを用いた。電磁波の伝播速度は、光速(≒3.0×10m/s)の約0.551倍、即ち1.654×10m/sとなった。よって、信号が配線部211を伝播する時間は170.4psとなった。
配線部212のX方向の長さL2を0.8mmとした。配線部212の周囲に形成されたソルダーレジストの比誘電率を3とし、配線部212の周囲に形成された絶縁体の比誘電率を4.3とした。これらの比誘電率を用いて電磁波の伝播速度を計算した。電磁波の伝播速度の計算には、メンター社のHyperLynxを用いた。電磁波の伝播速度は、光速(≒3.0×10m/s)の約0.545倍、即ち1.635×10m/sとなった。よって、信号が配線部212を伝播する時間は4.9psとなった。パルス信号の立ち上がり時間trである35psをかけて特性インピーダンスが42.9Ωまで低下するところを、配線部212では、4.9ps×2=9.8psの時間で信号波が1往復する。信号源の内部インピーダンスである50Ωから配線部212の特性インピーダンスZ2である42.9Ωまでの特性インピーダンスの遷移は実効的に、(42.9-50Ω)×(9.8ps/35ps)≒-2.0Ωとなった。
また、配線部213のX方向の長さL3を1.0mmとした。配線部213の周囲に形成されたソルダーレジストの比誘電率を3とし、配線部213の周囲に形成された絶縁体の比誘電率を4.3とした。これらの比誘電率を用いて電磁波の伝播速度を計算した。電磁波の伝播速度の計算には、メンター社のHyperLynxを用いた。電磁波の伝播速度は、光速(≒3.0×10m/s)の約0.560倍、即ち1.681×10m/sとなった。よって、信号が配線部213を伝播する時間は6.0psとなった。パルス信号の立ち上がり時間trである35psをかけて特性インピーダンスが64.2Ωまで増加するところを、配線部213では、6.0ps×2=12psの時間で信号波が1往復する。信号源の内部インピーダンスである50Ωから配線部213の特性インピーダンスZ3である64.2Ωまでの特性インピーダンスの遷移は実効的に、(64.2Ω-50Ω)×(12ps/35ps)≒4.9Ωとなった。
また、一体構造314のX方向の長さを2.0mmとした。一体構造314の周囲の空気の比誘電率を1とし、一体構造314の周囲に形成された絶縁体の比誘電率を4.3とした。これらの比誘電率を用いて電磁波の伝播速度を計算した。電磁波の伝播速度の計算には、メンター社のHyperLynxを用いた。電磁波の伝播速度は、光速(≒3.0×10m/s)の約0.612倍、即ち1.835×10m/sとなった。よって、信号が一体構造314を伝播する時間は10.9psとなった。パルス信号の立ち上がり時間trである35psをかけて特性インピーダンスが42.6Ωまで低下するところを、一体構造314では、10.9ps×2=21.8psの時間で信号波が1往復する。信号源の内部インピーダンスである50Ωから一体構造314の特性インピーダンスである36.1Ωまでの特性インピーダンスの遷移は実効的に、(42.6Ω-50Ω)×(21.8ps/35ps)≒-4.6Ωとなった。
実施例2では、配線部211、配線部212、配線部213、一体構造314の順に連続して接続され、特性インピーダンスが各部211,212,213,314毎に変化している。このため、TDR解析した際の各部の特性インピーダンスの値は、一つ手前の配線部の特性インピーダンスから遷移した値となる。よって、TDR解析による配線部211の特性インピーダンスZ1に対して、計算による3つの特性インピーダンスの遷移を加味すると、机上計算では、52-2.0+4.9-4.6=50.3Ωまで低下した。TDR解析では51.2Ωとなった。
図8(a)に示す波形1002では、信号波が配線部211を伝播する時間の2倍は、340.8psであり、0から340.8psまでの期間が配線部211に相当する。続いて、信号波が配線部212を伝播する時間の2倍は、9.8psであり、340.8psから9.8ps後の350.6ps(=340.8+9.8)までの期間が配線部212に相当する。さらに、信号波が配線部213を伝播する時間の2倍は、12psであり、350.6psから12ps後の362.6ps(=350.6+12)までの期間が配線部213に相当する。最後に、信号波が一体構造314を伝播する時間の2倍は、21.8psであり、362.6psから21.8ps後の384.4ps(=362.6+21.8)までの期間が一体構造314に相当する。384.4psの特性インピーダンスが51.2Ωであった。
[比較例1]
比較例1の具体的な数値例について説明する。まず、特性インピーダンスを計算した。なお、特性インピーダンスの計算には、メンター社のHyperLynxを使用した。以下、特性インピーダンスの計算に用いた各構成要件の数値について説明する。なお、比較例1におけるプリント配線板200Xの各層の構成は、実施例1と同じとした。以下、実施例1と異なる点についてのみ説明する。
配線部211XのY方向の配線幅W1Xを150μmとし、X方向の長さL1Xを30mmとした。パッドである配線部214XのY方向の配線幅W4Xを250μmとし、X方向の長さL4Xを2.0mmとした。これ以外は、実施例1と同様とした。配線部211Xの特性インピーダンスZ1Xは50.8Ωであった。配線部214Xの特性インピーダンスZ4Xは36.1Ωであった。
比較例1の構造についてTDR解析のシミュレーションを実施した。図8(a)中、波形1003は、比較例1のTDR解析結果である。TDR解析には、実施例1,2と同様、シノプシス社のHSPICEを使用した。また、信号配線に入力されるデジタル信号として、実施例1,2と同様のパルス信号を用いた。
比較例1の解析結果について説明する。比較例1では、配線部211Xの一端からパルス信号が入力される。TDR解析の結果、比較例1では、配線部211Xの特性インピーダンスZ1Xは52Ωであった。一体構造314Xの特性インピーダンスZ4Xは、配線部211Xの特性インピーダンスZ1Xよりも低い。そのため、パルス信号が一体構造314Xまで到達すると、TDR解析結果、図8(a)の波形1003に示すように、約45Ωまで特性インピーダンスが低下した。
配線部211XのX方向の長さL1Xを30mmとした。配線部211Xの周囲に形成されたソルダーレジストの比誘電率を3とし、配線部211Xの周囲に形成された絶縁体の比誘電率を4.3とした。これらの比誘電率を用いて電磁波の伝播速度を計算した。電磁波の伝播速度の計算には、メンター社のHyperLynxを用いた。電磁波の伝播速度は、光速(≒3.0×10m/s)の約0.551倍、即ち1.654×10m/sとなった。よって、信号が配線部211Xを伝播する時間は181.3psとなった。
また一体構造314XのX方向の長さを2.0mmとした。一体構造314Xの周囲の空気の比誘電率を1とし、一体構造314Xの周囲に形成された絶縁体の比誘電率を4.3とした。これらの比誘電率を用いて電磁波の伝播速度を計算した。電磁波の伝播速度の計算には、メンター社のHyperLynxを用いた。電磁波の伝播速度は、光速(≒3.0×10m/s)の約0.591倍、即ち1.772×10m/sとなった。このため、信号が一体構造314Xを伝播する時間は11.3psとなった。
よって、一体構造314Xの長さに対応する信号の伝播時間である11.3psは、入力されるパルス信号の立ち上がり時間trである35psの分解能よりも短い。このため、TDR解析による特性インピーダンスが実際の特性インピーダンスZ4Xである36.1Ωに低下する前に、信号がコネクタ400の配線部415に到達する。
具体的な机上計算とTDR解析結果を示す。パルス信号の立ち上がり時間trである35psをかけて特性インピーダンスが36.1Ωまで低下するところを、一体構造314Xでは、11.3ps×2=22.6psの時間で信号波が1往復する。この時間内において信号源の内部インピーダンスである50Ωから一体構造314Xの特性インピーダンスである36.1Ωまでの特性インピーダンスの遷移は実効的に、(36.1Ω-50Ω)×(22.6ps/35ps)≒-9.0Ωとなった。机上計算では特性インピーダンスは、52-9.0=43.0Ωまで低下した。TDR解析では特性インピーダンスは45.4Ωまで低下した。
図8(a)の波形1003では、信号波が配線部211Xを伝播する時間の2倍は、362.6psであり、0から362.6psまでの期間が配線部211Xに相当する。また、信号波が一体構造314Xを伝播する時間の2倍は、22.6psであり、362.6psから22.6ps後の385.2ps(=362.6+22.6)までの期間が一体構造314Xに相当する。385.2psの特性インピーダンスが45.4Ωであった。
[実施例1、実施例2、比較例1の比較]
上記のTDR解析の結果、実施例1では、比較例1よりも配線部211の特性インピーダンスに対する一体構造314の特性インピーダンスの変動が低減される。TDR解析で一体構造314の特性インピーダンスの変動が低減されるのは、配線部211と一体構造の間に配線部212と213を配置することにより、配線部211と一体構造314の間のインピーダンス不整合を補正しているからである。半導体装置100から信号配線250へ出力されるデジタル信号においても、TDR解析で用いられたパルス信号と同様、立ち上がり時間trで信号が電圧0から電圧Vinまで立ち上がる。したがって、信号配線250を伝送されるデジタル信号においても、TDR解析で用いられたパルス信号と同様に、一体構造314においてデジタル信号の反射が低減される。よって、信号配線250を通じてコネクタ400へ伝送されるデジタル信号の品質が向上する。
また、上記のTDR解析の結果、実施例2では、比較例1よりも配線部211の特性インピーダンスに対する一体構造314の特性インピーダンスの変動が低減される。TDR解析で一体構造314の特性インピーダンスの変動が低減されるのは、配線部211と一体構造314の間に配線部212と213を配置することにより、配線部211と一体構造314の間のインピーダンス不整合を補正しているからである。半導体装置100から信号配線250へ出力されるデジタル信号においても、TDR解析で用いられたパルス信号と同様、立ち上がり時間trで信号が電圧0から電圧Vinまで立ち上がる。したがって、信号配線250を伝送されるデジタル信号においても、TDR解析で用いられたパルス信号と同様に、一体構造314においてデジタル信号の反射が低減される。よって、信号配線250を通じてコネクタ400へ伝送されるデジタル信号の品質が向上する。
以上、計測される特性インピーダンスのシミュレーションについて説明したが、実際のプリント配線板において、信号配線250の特性インピーダンスを測定するためには、TDRオシロスコープを使用する。TDRオシロスコープに接続されたプローブを介して、配線部211の一端へ、電圧振幅Vin、立ち上がり時間trの35psのステップパルスを入力する。特性インピーダンスの不整合点があると、不整合点で信号が反射し、信号を入力したプローブへ信号が戻ってくる。そのため、プローブで観測される信号には、反射電圧が加算される。この観測電圧から信号配線250の特性インピーダンスを算出できる。
観測点の電圧をVrとし、TDRオシロスコープの出力インピーダンスを50[Ω]としたとき、信号配線250の特性インピーダンスZ0は以下の式(6)のように計算できる。
Figure 0007497232000006
また、TDRオシロスコープで観測される特性インピーダンスの変化点と変化点との時間間隔の0.5倍が、信号配線250での信号の伝播速度voとなる。
送信回路(不図示)から出力されるパルス信号の立ち上がり時間を測定するためには、オシロスコープを使用する。まず送信回路(不図示)に接続された配線部211の一端の電圧の波形を、プローブを用いて測定する。このとき、特性インピーダンスの整合条件で得られる電圧振幅Vinの20[%]~80[%]の範囲の電圧変化に要する時間を測定する。例えば整合時の電圧振幅Vinが400[mV]の場合、240[mV]の電圧変化に要する時間を測定する。このときの時間をtr´としたとき、立ち上がり時間trとの関係は、以下になる。
tr=tr´/0.6
なお、TDR解析をする以外に特性インピーダンスを調べる方法として、基板を切断して配線の断面寸法、即ち厚み及び幅を測定し、材料の誘電率を測定し、導体の導電率を測定し、電磁界シミュレータで計算する方法もある。
[実施例3]
第3実施形態に対応する具体的な数値例を示す実施例3について図6(a)及び図6(b)を参照しながら説明する。まず、差動インピーダンスを計算した。なお、差動インピーダンスの計算には、メンター社のHyperLynxを使用した。以下、差動インピーダンスの計算に用いた各構成要件の数値について説明する。
導体層221の厚みを37μmとした。導体層222の厚みを35μmとした。導体層223の厚みを35μmとした。導体層224の厚みを37μmとした。絶縁体層231の厚みを100μmとした。絶縁体層232の厚みを1200μmとした。絶縁体層233の厚みを100μmとした。絶縁体層231,232,233の比誘電率を4.3、誘電正接を0.02とした。また、導体層221と導体層224の各表面には、不図示のソルダーレジストが塗布されているものとした。不図示のソルダーレジストのZ方向の厚みを20μmとした。不図示のソルダーレジストの比誘電率を3.0、誘電正接を0.02とした。
各配線部211,211のY方向の配線幅W1を100μmとし、X方向の長さL1を28.34mmとした。配線部211,211の間隙を135μmとした。各配線部212,212のY方向の配線幅W2を300μmとし、X方向の長さL2を0.37mmとした。配線部212,212の間隙を150μmとした。各配線部213,213のY方向の配線幅W3を90μmとし、X方向の長さL3を1.29mmとした。配線部213,213の間隙を410μmとした。各配線部214,214のY方向の配線幅W4を250μmとし、X方向の長さL4を2.0mmとした。配線部214,214の間隙を250μmとした。各端子414,414のY方向の幅を250μmとし、X方向の長さを2.0mmとした。各端子414,414のZ方向の厚みを200μmとした。各配線部415,415のX方向の長さを2.0mmとした。なお、一対の415,415の信号出力側を100Ωで終端した(不図示)。
上記条件で計算した結果、各差動インピーダンスZ1~Z4は以下のようになった。差動インピーダンスZ1は100.1Ωであった。差動インピーダンスZ2は61.7Ωであった。差動インピーダンスZ3は121.3Ωであった。差動インピーダンスZ4は60.6Ωであった。差動インピーダンスZ5は123.4Ωであった。即ち、差動インピーダンスの大小関係は、Z4<Z2<Z1<Z3<Z5であった。一体構造314,314は、配線部212,212よりも幅が狭いが、差動インピーダンスZ4は、差動インピーダンスZ2よりも低かった。なお、差動インピーダンスZ14は75.5Ωであった。
実施例3の構造についてTDR解析のシミュレーションを実施した。図9(a)は、実施例のシミュレーション結果を示すグラフである。図9(a)において、縦軸は差動インピーダンスで単位はΩであり、横軸は時間で単位はsecである。TDR解析を行うと、信号源からの位置、即ち距離について、信号配線の差動インピーダンスの大きさを特定することができる。そして、TDR解析を行うことにより、デジタル信号の電圧波形の品質も評価することができる。
図9(a)中、波形2001は、実施例3のTDR解析結果である。TDR解析には、シノプシス社のHSPICEを使用した。また、信号配線に入力されるデジタル信号としてパルス信号を用いた。
図9(b)は、実施例において、主配線の一端に、信号源によって入力されるパルス信号の説明図である。主配線とは、実施例3では配線部211,211である。主配線の一端とは、図5に示す端部251,251に対応する。信号源は、図5に示す半導体装置100Bに対応する。主配線の一端に入力される差動パルス信号の電圧振幅をVinとし、差動パルス信号の立ち上がり時間をtrとする。立ち上がり時間trは、電圧振幅Vinの0-100%の時間である。電圧振幅Vinを400mV、立ち上がり時間trを35psとした。信号源の内部インピーダンスを100Ωとした。
実施例3の解析結果について、TDR解析結果と特性インピーダンスの計算結果とを照らし合わせながら説明する。実施例3では、一対の配線部211,211の一端から差動パルス信号が入力される。TDR解析の結果、配線部211,211の差動インピーダンスZ1は104Ωであった。
計算による一対の配線部212,212の差動インピーダンスZ2は、一対の配線部211,211の差動インピーダンスZ1よりも低い61.7Ωであった。一対の配線部213,213の差動インピーダンスZ3は、差動インピーダンスZ1よりも高い121.3Ωであった。一対の一体構造314,314の差動インピーダンスZ4は、差動インピーダンスZ1よりも低い60.6Ωであった。
各配線部211、211のX方向の長さL1を28.34mmとした。配線部211,211の間隙を135μmとした。配線部211、211の周囲に形成されたソルダーレジストの比誘電率を3とし、配線部211、211の周囲に形成された絶縁体の比誘電率を4.3とした。これらの比誘電率を用いて電磁波の伝播速度を計算した。電磁波の伝播速度の計算には、メンター社のHyperLynxを用いた。電磁波の伝播速度は、光速(≒3.0×10m/s)の約0.587倍、即ち1.759×10m/sとなった。よって、信号が配線部211、211を伝播する時間は161.1psとなった。
各配線部212,212のX方向の長さL2を0.37mmとした。配線部212,212の間隙を150μmとした。配線部212,212の周囲に形成されたソルダーレジストの比誘電率を3とし、配線部212,212の周囲に形成された絶縁体の比誘電率を4.3とした。これらの比誘電率を用いて電磁波の伝播速度を計算した。電磁波の伝播速度の計算には、メンター社のHyperLynxを用いた。電磁波の伝播速度は、光速(≒3.0×10m/s)の約0.563倍、即ち1.688×10m/sとなった。よって、信号が一対の配線部212,212を伝播する時間は2.2psとなった。
パルス信号の立ち上がり時間trである35psをかけて差動インピーダンスが61.7Ωまで低下するところを、一対の配線部212,212では、2.2ps×2=4.4psの時間で信号波が1往復する。信号源の内部インピーダンスである100Ωから一対の配線部212,212の差動インピーダンスZ2である61.7Ωまでの差動インピーダンスの遷移は、(61.7-100Ω)×(4.4ps/35ps)≒-4.8Ωとなった。
また、各配線部213,213のX方向の長さL3を1.29mmとした。配線部213,213の間隙を410μmとした。配線部213,213の周囲に形成されたソルダーレジストの比誘電率を3とし、配線部213,213の周囲に形成された絶縁体の比誘電率を4.3とした。これらの比誘電率を用いて電磁波の伝播速度を計算した。電磁波の伝播速度の計算には、メンター社のHyperLynxを用いた。電磁波の伝播速度は、光速(≒3.0×10m/s)の約0.572倍の1.713×10m/sとなった。よって、信号が一対の配線部213,213を伝播する時間は7.5psとなった。
パルス信号の立ち上がり時間trである35psをかけて差動インピーダンスが121.3Ωまで増加するところを、一対の配線部213,213では、7.5ps×2=15.0psの時間で信号波が1往復する。信号源の内部インピーダンスである100Ωから一対の配線部213,213の差動インピーダンスZ3である121.3Ωまでの差動インピーダンスの遷移は、(121.3Ω-100Ω)×(15.0ps/35ps)≒9.1Ωとなった。
また、各一体構造314,314のX方向の長さを2.0mmとした。一体構造314,314の周囲の空気の比誘電率を1とし、一体構造314,314の周囲に形成された絶縁体の比誘電率を4.3とした。これらの比誘電率を用いて電磁波の伝播速度を計算した。電磁波の伝播速度の計算には、メンター社のHyperLynxを用いた。電磁波の伝播速度は、光速(≒3.0×10m/s)の約0.644倍、即ち1.931×10m/sとなった。よって、信号が一対の一体構造314,314を伝播する時間は10.4psとなった。
パルス信号の立ち上がり時間trである35psをかけて差動インピーダンスが60.6Ωまで低下するところを、一対の一体構造314,314では、10.4ps×2=20.8psの時間で信号波が1往復する。信号源の内部インピーダンスである100Ωから一対の一体構造314,314の差動インピーダンスZ4である60.6Ωまでの差動インピーダンスの遷移は、(60.6Ω-50Ω)×(20.8ps/35ps)≒-23.4Ωとなった。
実施例3では、一対の配線部211,211、一対の配線部212,212、一対の配線部213,213、一対の一体構造314,314の順に連続して接続され、差動インピーダンスが各部毎に変化している。このため、TDR解析した際の各部の差動インピーダンスの値は、一つ手前の一対の配線部の差動インピーダンスから遷移した値となる。よって、TDR解析による一対の配線部211,211の差動インピーダンスZ1に対して、計算による3つの差動インピーダンスの遷移を加味すると、机上計算では104-4.8+9.1-23.4=84.9Ωまで低下した。TDR解析では87.9Ωとなった。
図9(a)に示す波形2001では、信号波が配線部211、211を伝播する時間の2倍は、322.2psであり、0から322.2psまでの期間が配線部211、211に相当する。続いて、信号波が配線部212、212を伝播する時間の2倍は、4.4psであり、322.2psから4.4ps後の326.6ps(=322.2+4.4)までの期間が配線部212、212に相当する。さらに、信号波が配線部213、213を伝播する時間の2倍は、15.0psであり、326.6psから15.0ps後の341.6ps(=326.6+15.0)までの期間が配線部213、213に相当する。最後に、信号波が一体構造314、314を伝播する時間の2倍は、20.8psであり、341.6psから20.8ps後の362.4ps(=341.6+20.8)までの期間が一体構造314、314に相当する。362.4psの特性インピーダンスが87.9Ωであった。
差動インピーダンスZ3は、差動インピーダンスZ1よりも高い。差動インピーダンスZ3は、差動インピーダンスZ2、差動インピーダンスZ4、及び差動インピーダンスZ5の中で最大の差動インピーダンスZ5よりも低いのが好ましい。TDR解析による一対の配線部213,213の差動インピーダンスの変動範囲を、回路中、最大の差動インピーダンスZ5よりも抑制するためである。
また、各配線部213,213のX方向の長さL3は、以下の式(7)を満たすのが好ましい。
Figure 0007497232000007
trは、デジタル信号の立ち上がり時間、voは、デジタル信号の伝播速度、Z1は、一対の配線部211,211の差動インピーダンス、Z5は、一対の配線部415,415の差動インピーダンスである。
主配線である配線部211、211の差動インピーダンスは、約100Ωに制御されている。配線部211、211と配線部415、415の特性インピーダンス差(Z5-Z1)に対する、配線部213、213で許容する特性インピーダンス変動量(Z1×0.10)の比に、パルス信号の立ち上がり時間の1/2と伝播速度を掛ける。これにより、デジタル信号の電圧波形の品質を保つために必要な配線長が決定される。なお、一体構造314、314におけるデジタル信号の電圧波形の乱れを抑制するための構造、即ち配線部213、213によって、新たな乱れを発生させないために、配線部213、213の特性インピーダンスを決定している。
電磁波が配線を往復する時間の方がパルス信号の立ち上がり時間よりも十分に長い配線の場合、パルス信号の立ち上がり時間後に、配線の特性インピーダンスがTDR解析で測定できる。一方、電磁波が配線を往復する時間の方がパルス信号の立ち上がり時間よりも短い配線、即ちパルス信号の時間分解能よりも短い配線においては、特性インピーダンスは十分長い場合の値まで遷移しない。Z3=Z5とした場合、Z5-Z1の量だけ遷移する時間がパルス信号の立ち上がり時間に等しいが、Z3をZ1の0.10倍に制限すると、式(7)になる。
また、デジタル信号の電圧波形の品質を保つために、配線部213、213で許容する特性インピーダンス変動量を、主配線の特性インピーダンスの±5%~±15%程度を狙って基板を製造することが多い。即ち、特性インピーダンスの変動の許容値も考慮して、配線部213、213のX方向の長さL3は、以下の式(8)を満たすのが好ましい。
Figure 0007497232000008
差動インピーダンスZ2は、差動インピーダンスZ1よりも低い。差動インピーダンスZ2は、差動インピーダンスZ3,Z4,Z5の中で最小の差動インピーダンスZ4よりも高いのが好ましい。TDR解析による一対の配線部211,211の差動インピーダンスに対する一対の配線部212,212の差動インピーダンスの変動の範囲を、一対の一体構造314,314の差動インピーダンスよりも小さくするためである。
また、各配線部212,212のX方向の長さL2は、以下の式(9)を満たすのが好ましい。
Figure 0007497232000009
主配線である配線部211、211の差動インピーダンスは、約100Ωに制御されている。配線部211、211と一体構造314、314の特性インピーダンス差(Z1-Z4)に対する、配線部212、212で許容する特性インピーダンス変動量(Z1×0.10)の比に、パルス信号の立ち上がり時間の1/2と伝播速度を掛ける。さらにこの演算結果を0.5倍することで、配線部212、212に必要な配線長を決定する。なお、一体構造314、314におけるデジタル信号の電圧波形の乱れを抑制するための構造、即ち配線部212、212によって、新たな乱れを発生させないために、配線部212、212の特性インピーダンスを決定している。
配線部213、213の手前に配線部212、212が配置されているので、配線部213、213による特性インピーダンスの上昇を抑制することができる。しかし、配線部213、213の手前で配線部212、212によって特性インピーダンスが下がりすぎると、配線部213、213によって小さくした特性インピーダンス差(Z1-Z4)が再び大きくなる。このため、実施例3では、配線部212、212の配線長を補正した。上述の式(9)の例では、補正係数を0.5とした。
また、デジタル信号の電圧波形の品質を保つために、配線部212、212で許容する特性インピーダンス変動量を、主配線の特性インピーダンスの±5%、±10%、±15%程度を狙って基板を製造する。即ち、特性インピーダンスの変動の許容値も考慮して、配線部212、212のX方向の長さL2は、以下の式(10)を満たすのが好ましい。
Figure 0007497232000010
各配線部214,214のX方向の長さL4は、以下の式(11)を満たすのが好ましい。
Figure 0007497232000011
電磁波が配線を往復する時間の方がパルス信号の立ち上がり時間よりも十分に長い配線の場合、パルス信号の立ち上がり時間後に、配線が無限長の場合と同等の配線の特性インピーダンスがTDR解析で測定できる。一方、電磁波が配線を往復する時間の方がパルス信号の立ち上がり時間よりも短い配線、即ちパルス信号の時間分解能よりも短い配線においては、特性インピーダンスは十分長い場合の値まで遷移しない。長さL4を電磁波が往復する時間がパルス信号の立ち上がり時間よりも長くなると、配線部212、212、及び配線部213、213を配置することによる一体構造314、314でのデジタル信号の電圧波形の乱れを抑制する効果がなくなる。そのため、長さL4を規定している。
[実施例4]
第4実施形態に対応する具体的な数値例を示す実施例4について図7(a)及び図7(b)を参照しながら説明する。まず、特性インピーダンスである差動インピーダンスを計算した。なお、差動インピーダンスの計算には、実施例3と同様、メンター社のHyperLynxを使用した。以下、差動インピーダンスの計算に用いた各構成要件の数値について説明する。なお、実施例4におけるプリント配線板200Cの各層の構成は、実施例3と同じとした。以下、実施例3と異なる点についてのみ説明する。
各配線部211,211のY方向の配線幅W1を100μmとし、X方向の長さL1を28.13mmとした。配線部211,211の間隙を135μmとした。各配線部212,212のY方向の配線幅W2を230μmとし、X方向の長さL2を0.58mmとした。配線部212,212の間隙を230μmとした。各配線部213,213のY方向の配線幅W3を90μmとし、X方向の長さL3を1.29mmとした。配線部213,213の間隙を410μmとした。各配線部214,214のY方向の配線幅W4を250μmとし、X方向の長さL4を2.0mmとした。配線部214,214の間隙を250μmとした。各端子414,414のY方向の幅を250μmとし、X方向の長さを2.0mmとした。開口部H2のY方向の幅は、W4×2に配線部214,214の間隙250μmを加えた750μmとし、X方向の長さL4を2.0mmとした。各端子414,414のZ方向の厚みを200μmとした。各配線部415,415のX方向の長さを2.0mmとした。なお、一対の415,415の信号出力側を100Ωで終端した(不図示)。
上記条件で計算した結果、各差動インピーダンスZ1~Z4は以下のようになった。差動インピーダンスZ1は100.1Ωであった。差動インピーダンスZ2は75.4Ωであった。差動インピーダンスZ3は121.3Ωであった。差動インピーダンスZ4は74.8Ωであった。差動インピーダンスZ5は123.4Ωであった。即ち、差動インピーダンスの大小関係は、Z4<Z2<Z1<Z3<Z5であった。一体構造314,314は、配線部212,212よりも幅が広く、差動インピーダンスZ4は、差動インピーダンスZ2よりも低かった。なお、差動インピーダンスZ14は98.6Ωであった。
実施例4の構造についてTDR解析のシミュレーションを実施した。図9(a)中、波形2002は、実施例4のTDR解析結果である。TDR解析には、実施例3と同様、シノプシス社のHSPICEを使用した。また、信号配線に入力されるデジタル信号として、実施例3と同様のパルス信号を用いた。
実施例4の解析結果について、TDR解析結果と特性インピーダンスの計算結果とを照らし合わせながら説明する。実施例4では、一対の配線部211,211の一端から差動パルス信号が入力される。TDR解析の結果、配線部211,211の差動インピーダンスZ1は104Ωであった。
計算による一対の配線部212,212の差動インピーダンスZ2は、一対の配線部211,211の差動インピーダンスZ1よりも低い75.4Ωであった。一対の配線部213,213の差動インピーダンスZ3は、一対の配線部211,211の差動インピーダンスZ1よりも高い121.3Ωであった。一対の一体構造314,314の差動インピーダンスZ4は、差動インピーダンスZ1よりも低い74.8Ωであった。一対の配線部214,214は、Z方向に見て、グラウンドパターン262Cの開口部H2と重なっている。そのため、実施例3の一対の配線部214,214よりも差動インピーダンスZ4が高い。
各配線部211、211のX方向の長さL1を28.13mmとした。配線部211,211の間隙を135μmとした。配線部211、211の周囲に形成されたソルダーレジストの比誘電率を3とし、配線部211、211の周囲に形成された絶縁体の比誘電率を4.3とした。これらの比誘電率を用いて電磁波の伝播速度を計算した。電磁波の伝播速度の計算には、メンター社のHyperLynxを用いた。電磁波の伝播速度は、光速(≒3.0×10m/s)の約0.587倍、即ち1.759×10m/sとなった。よって、信号が配線部211、211を伝播する時間は159.9psとなった。
各配線部212,212のX方向の長さを0.58mmとした。配線部212,212の間隙を250μmとした。配線部212,212の周囲に形成されたソルダーレジストの比誘電率を3とし、配線部212,212の周囲に形成された絶縁体の比誘電率を4.3とした。これらの比誘電率を用いて電磁波の伝播速度を計算した。電磁波の伝播速度の計算には、メンター社のHyperLynxを用いた。電磁波の伝播速度は、光速(≒3.0×10m/s)の約0.563倍、即ち1.689×10m/sとなった。よって、信号が一対の配線部212,212を伝播する時間は3.4psとなった。
差動パルス信号の立ち上がり時間trである35psをかけて差動インピーダンスが75.4Ωまで低下するところを、一対の配線部212,212では、3.4ps×2=6.8psの時間で信号波が1往復する。信号源の内部インピーダンスである100Ωから一対の配線部212,212の差動インピーダンスZ2である75.4Ωまでの差動インピーダンスの遷移は、(75.4-100Ω)×(6.8ps/35ps)≒-4.8Ωとなった。
また、各配線部213,213のX方向の長さL3を1.29mmとした。配線部213,213の間隙を410μmとした。配線部213,213の周囲に形成されたソルダーレジストの比誘電率を3とし、配線部213,213の周囲に形成された絶縁体の比誘電率を4.3とした。これらの比誘電率を用いて電磁波の伝播速度を計算した。電磁波の伝播速度の計算には、メンター社のHyperLynxを用いた。電磁波の伝播速度は、光速(≒3.0×10m/s)の約0.572倍、即ち1.713×10m/sとなった。よって、信号が一対の配線部213,213を伝播する時間は7.5psとなった。
差動パルス信号の立ち上がり時間trである35psをかけて差動インピーダンスが121.3Ωまで増加するところを、一対の配線部213,213では、7.5ps×2=15.0psの時間で信号波が1往復する。信号源の内部インピーダンスである100Ωから一対の配線部213,213の差動インピーダンスZ3である121.3Ωまでの差動インピーダンスの遷移は、(121.3Ω-100Ω)×(15.0ps/35ps)≒9.1Ωとなった。
また、各一体構造314,314のX方向の長さを2.0mmとした。一体構造314,314の周囲の空気の比誘電率を1とし、一体構造314,314の周囲に形成された絶縁体の比誘電率を4.3とした。これらの比誘電率を用いて電磁波の伝播速度を計算した。電磁波の伝播速度の計算には、メンター社のHyperLynxを用いた。電磁波の伝播速度は、光速(≒3.0×10m/s)の約0.681倍、即ち2.043×10m/sとなった。よって、信号が一対の一体構造314,314を伝播する時間は9.8psとなった。
差動パルス信号の立ち上がり時間trである35psをかけて差動インピーダンスが74.8Ωまで低下するところを、一対の一体構造314,314では、9.8ps×2=19.6psの時間で信号波が1往復する。信号源の内部インピーダンスである100Ωから一対の一体構造314,314の差動インピーダンスである74.8Ωまでの差動インピーダンスの遷移は実効的に、(74.8Ω-100Ω)×(19.6ps/35ps)≒-14.1Ωとなった。
実施例4では、一対の配線部211,211、一対の配線部212,212、一対の配線部213,213、一対の一体構造314,314の順に連続して接続され、差動インピーダンスが各部毎に変化している。このため、TDR解析した際の各部の差動インピーダンスの値は、一つ手前の配線部の差動インピーダンスから遷移した値となる。よって、TDR解析による一対の配線部211,211の差動インピーダンスZ1に対して、計算による3つの差動インピーダンスの遷移を加味すると、机上計算では、104-4.8+9.1-14.1=94.2Ωまで低下した。TDR解析では97.8Ωとなった。
図9(a)に示す波形2002では、信号波が配線部211、211を伝播する時間の2倍は、319.8psであり、0から319.8psまでの期間が配線部211、211に相当する。続いて、信号波が配線部212、212を伝播する時間の2倍は、6.8psであり、319.8psから6.8ps後の326.6ps(=319.8+6.8)までの期間が配線部212、212に相当する。さらに、信号波が配線部213、213を伝播する時間の2倍は、15.0psであり、326.6psから15.0ps後の341.6ps(=326.6+15.0)までの期間が配線部213、213に相当する。最後に、信号波が一体構造314、314を伝播する時間の2倍は、19.6psであり、341.6psから19.6ps後の361.2ps(=341.6+19.6)までの期間が一体構造314、314に相当する。361.2psの特性インピーダンスが97.8Ωであった。
[比較例2]
比較例2の処理モジュールについて説明する。図10(b)は、比較例2の処理モジュール300Yの一部分の平面図である。処理モジュール300Yは、第3実施形態と同様のコネクタ400Bと、第3実施形態のプリント配線板200Bとは異なる比較例2のプリント配線板200Yとを有する。
プリント配線板200Yは、第3実施形態の信号配線250,250とは異なる構成の信号配線250Y,250Yを有する。なお、それ以外の構成は第3実施形態のプリント配線板200Bと同様である。信号配線250Y,250Yは、配線部211Y,211Yと、配線部211Y,211Yに連続する配線部214Y,214Yと、を有する。配線部214Y,214Yは、コネクタ400Bの端子414,414がはんだで接合可能なパッドである。配線部214Y,214Yに端子414,414が接合されることで、一体構造314Y,314Yが形成される。
比較例2の具体的な数値例について説明する。まず、特性インピーダンスである差動インピーダンスを計算した。なお、差動インピーダンスの計算には、メンター社のHyperLynxを使用した。以下、差動インピーダンスの計算に用いた各構成要件の数値について説明する。なお、比較例2におけるプリント配線板200Yの各層の構成は、実施例3と同じとした。以下、実施例3と異なる点についてのみ説明する。
各配線部211Y,211YのY方向の配線幅W1Yを100μmとし、X方向の長さL1Yを30mmとした。配線部211Y,211Yの間隙を150μmとした。各配線部214Y,214YのY方向の配線幅W4Yを250μmとし、X方向の長さL4Yを2.0mmとした。配線部214Y,214Yの間隙を250μmとした。これ以外は、実施例3と同様とした。一対の配線部211Y,211Yの差動インピーダンスZ1Yは100.1Ωであった。一対の配線部214Y,214Yの差動インピーダンスZ4Yは60.6Ωであった。
比較例2の構造についてTDR解析のシミュレーションを実施した。図9(a)中、波形2003は、比較例2のTDR解析結果である。TDR解析には、実施例3,4と同様、シノプシス社のHSPICEを使用した。また、信号配線に入力されるデジタル信号として、実施例3,4と同様のパルス信号を用いた。
比較例2の解析結果について説明する。比較例2では、一対の配線部211Y,211Yの一端から差動パルス信号が入力される。TDR解析の結果、配線部211Y,211Yの差動インピーダンスZ1は104Ωであった。一対の一体構造314Y,314Yの差動インピーダンスZ4Yは、差動インピーダンスZ1Yよりも低い。そのため、差動パルス信号が一対の一体構造314Y,314Yまで到達すると、TDR解析結果、図9(a)の波形2003に示すように、約86Ωまで差動インピーダンスが低下した。
配線部211Y、211YのX方向の長さL1Yを30mmとした。配線部211Y、211Yの周囲に形成されたソルダーレジストの比誘電率を3とし、配線部211Y、211Yの周囲に形成された絶縁体の比誘電率を4.3とした。これらの比誘電率を用いて電磁波の伝播速度を計算した。電磁波の伝播速度の計算には、メンター社のHyperLynxを用いた。電磁波の伝播速度は、光速(≒3.0×10m/s)の約0.587倍、即ち1.759×10m/sとなった。よって、信号が配線部211Y、211Yを伝播する時間は170.6psとなった。
また一体構造314Y、314YのX方向の長さを2.0mmとした。一体構造314Y、314Yの周囲の空気の比誘電率を1とし、一体構造314Y、314Yの周囲に形成された絶縁体の比誘電率を4.3とした。これらの比誘電率を用いて電磁波の伝播速度を計算した。電磁波の伝播速度の計算には、メンター社のHyperLynxを用いた。電磁波の伝播速度は、光速(≒3.0×10m/s)の約0.644倍、即ち1.931×10m/sとなった。このため、信号が一体構造314Y、314Yを伝播する時間は10.4psとなった。
よって、一体構造314Y,314Yの長さL4Yに対応する信号の伝播時間である10.4psは、入力される差動パルス信号の立ち上がり時間trである35psの分解能よりも短い。このため、TDR解析による差動インピーダンスが実際の差動インピーダンスZ4Yである60.6Ωに低下する前に、信号がコネクタ400Bの一対の配線部415,415に到達する。
具体的な机上計算を示す。差動パルス信号の立ち上がり時間trである35psをかけて差動インピーダンスが60.6Ωまで低下するところを、一対の一体構造314Y,314Yでは、10.4ps×2=20.8psの時間で信号波が1往復する。この時間内で信号源の内部インピーダンス100Ωから一対の一体構造314Y,314Yの差動インピーダンス60.6Ωまでの差動インピーダンスの遷移は実効的に(60.6Ω-100Ω)×(20.8ps/35ps)≒-23.4Ωとなった。机上計算では差動インピーダンスは、104-23.4=80.6Ωまで低下した。TDR解析では差動インピーダンスは85.7Ωまで低下した。
図9(a)に示す波形2003では、信号波が配線部211Y、211Yを伝播する時間の2倍は、341.2psであり、0から341.2psまでの期間が配線部211Y、211Yに相当する。また、信号波が一体構造314Y、314Yを伝播する時間の2倍は、20.8psであり、341.2psから20.8ps後の362.0ps(=341.2+20.8)までの期間が一体構造314Y、314Yに相当する。362.0psの特性インピーダンスが85.7Ωであった。
[実施例3、実施例4、及び比較例2の比較]
上記のTDR解析の結果、実施例3では、比較例2よりも一対の配線部211,211の差動インピーダンスに対する一対の一体構造314,314の差動インピーダンスの変動が低減される。実施例3では、配線部211、211と一体構造314、314との間に配線部212、212と配線部213、213とが配置されている。TDR解析で一体構造314、314の特性インピーダンスの変動が低減されるのは、配線部211、211と一体構造314、314の間のインピーダンス不整合が、配線部212、212、213、213により補正されるからである。半導体装置100Bから一対の信号配線250,250へ出力される差動信号においても、TDR解析で用いられた差動パルス信号と同様、立ち上がり時間trで信号が電圧0から電圧Vinまで立ち上がる。したがって、一対の信号配線250,250を伝送される差動信号においても、TDR解析で用いられた差動パルス信号と同様に、一対の一体構造314,314において差動信号の反射が低減される。よって、一対の信号配線250,250を通じてコネクタ400Bへ伝送されるデジタル信号の品質が向上する。
また、上記のTDR解析の結果、実施例4では、比較例2よりも一対の配線部211,211の差動インピーダンスに対する一対の一体構造314,314の差動インピーダンスの変動が低減される。実施例4では、配線部211、211と一体構造314,314との間に配線部212、212と配線部213、213とが配置されている。TDR解析で一体構造314、314の特性インピーダンスの変動が低減されるのは、配線部211、211と一体構造314、314の間のインピーダンス不整合が、配線部212、212、213、213により補正されるからである。半導体装置100Bから一対の信号配線250,250へ出力される差動信号においても、TDR解析で用いられた差動パルス信号と同様、立ち上がり時間trで信号が電圧0から電圧Vinまで立ち上がる。したがって、一対の信号配線250,250を伝送される差動信号においても、TDR解析で用いられた差動パルス信号と同様に、一対の一体構造314,314において差動信号の反射が低減される。よって、一対の信号配線250,250を通じてコネクタ400Bへ伝送されるデジタル信号の品質が向上する。
以上、計測される差動インピーダンスのシミュレーションについて説明したが、実際のプリント配線板において、一対の信号配線250,250の差動インピーダンスを測定するためには、TDRオシロスコープを使用する。TDRオシロスコープに接続されたプローブを介して、一対の配線部211,211の一端へ、正信号と負信号で位相反転した電圧振幅Vin、立ち上がり時間35psのステップパルスを入力する。差動インピーダンスの不整合点があると、不整合点で信号が反射し、信号を入力したプローブへ信号が戻ってくる。そのため、プローブで観測される信号には、反射電圧が加算される。この観測電圧から一対の信号配線250,250の差動インピーダンスを算出できる。
観測点の電圧をVrとし、TDRオシロスコープの出力インピーダンスを100[Ω]としたとき、一対の信号配線250,250の差動インピーダンスZ0は以下の式(12)のように計算できる。
Figure 0007497232000012
また、TDRオシロスコープで観測される差動インピーダンスの変化点と変化点との時間間隔の0.5倍が、一対の信号配線250,250での信号の伝播速度voとなる。
送信回路(不図示)から出力されるパルス信号の立ち上がり時間を測定するためには、オシロスコープを使用する。まず送信回路(不図示)に接続された一対の配線部211,211の一端の電圧の波形を、プローブを用いて測定する。このとき、差動インピーダンスの整合条件で得られる電圧振幅Vinの20[%]~80[%]の範囲の電圧変化に要する時間を測定する。例えば整合時の電圧振幅Vinが400[mV]の場合、240[mV]の電圧変化に要する時間を測定する。このときの時間をtr´としたとき、立ち上がり時間trとの関係は、以下になる。
tr=tr´/0.6
なお、TDR解析をする以外に特性インピーダンスを調べる方法として、基板を切断して配線の断面寸法、即ち厚み及び幅を測定し、材料の誘電率を測定し、導体の導電率を測定し、電磁界シミュレータで計算する方法もある。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で多くの変形が可能である。また、実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載されたものに限定されない。
上述の実施形態では、電気部品がコネクタ400,400Bである場合について説明したが、これに限定するものではない。電気部品が、例えばBGA(Ball Grid Array)やLGA(Land Grid Array)のIC(Integrated Circuit)など、表面実装形のものであればよい。
また、上述の実施形態では、特性インピーダンスZ2,Z3を、配線部の配線幅W2,W3で調整する場合について説明したが、これに限定するものではない。配線部の厚みで調整してもよく、また、厚みと配線幅で調整してもよい。
200…プリント配線板、211…配線部(第1配線部)、212…配線部(第2配線部)、213…配線部(第3配線部)、214…配線部(第4配線部)、250…信号配線、300…処理モジュール(プリント回路板)、314…一体構造、400…コネクタ(電気部品)、414…端子(信号端子)、600…デジタルカメラ(電子機器)、611…筐体、Z1…特性インピーダンス(第1特性インピーダンス)、Z2…特性インピーダンス(第2特性インピーダンス)、Z3…特性インピーダンス(第3特性インピーダンス)、Z4…特性インピーダンス(第4特性インピーダンス)、Z5…特性インピーダンス(第5特性インピーダンス)

Claims (14)

  1. 信号端子を含む電気部品と、
    前記電気部品が実装されたプリント配線板と、を備え、
    前記プリント配線板は、前記信号端子に接続された信号配線を有し、
    前記信号配線は、この順に連続して配置された第1配線部、第2配線部、第3配線部、及び第4配線部を含み、
    前記第4配線部には、前記信号端子が接合され、
    前記第2配線部の第2特性インピーダンスは、前記第1配線部の第1特性インピーダンスよりも低く、
    前記第3配線部の第3特性インピーダンスは、前記第1特性インピーダンスよりも高く、
    前記第4配線部と前記信号端子とで形成された一体構造の第4特性インピーダンスは、前記第1特性インピーダンスよりも低いことを特徴とするプリント回路板。
  2. 前記電気部品は、前記信号端子と連続する第5配線部を含み、
    前記第5配線部の第5特性インピーダンスは、前記第1特性インピーダンスよりも高いことを特徴とする請求項1に記載のプリント回路板。
  3. 前記第2特性インピーダンスは、前記第4特性インピーダンスよりも高く、
    前記第5特性インピーダンスは、前記第3特性インピーダンスよりも高いことを特徴とする請求項2に記載のプリント回路板。
  4. 前記第1配線部に入力されるパルス信号の立ち上がり時間をtr、前記パルス信号の伝播速度をvo、前記第1特性インピーダンスをZ1、前記第4特性インピーダンスをZ4、前記第5特性インピーダンスをZ5、前記第2配線部の長さをL2、前記第3配線部の長さをL3としたとき、
    Figure 0007497232000013
    かつ、
    Figure 0007497232000014
    の関係を満たすことを特徴とする請求項2又は3に記載のプリント回路板。
  5. 前記第1配線部に入力されるパルス信号の立ち上がり時間をtr、前記パルス信号の伝播速度をvo、前記第4配線部の長さをL4としたとき、
    Figure 0007497232000015
    の関係を満たすことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプリント回路板。
  6. 前記第1配線部、前記第2配線部、前記第3配線部、及び前記第4配線部は、前記プリント配線板において前記電気部品が実装される側の表層に配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のプリント回路板。
  7. 前記プリント配線板は、前記表層に隣接する内層に配置されたグラウンドパターンを有し、
    前記グラウンドパターンは、平面視で、前記第4配線部と重なる位置に形成された開口部を有することを特徴とする請求項6に記載のプリント回路板。
  8. 信号端子を含む電気部品と、
    前記電気部品が実装されたプリント配線板と、を備え、
    前記プリント配線板は、前記信号端子に接続された信号配線を有し、
    前記信号配線は、この順に連続して配置された第1配線部、第2配線部、第3配線部、及び第4配線部を含み、
    前記第4配線部には、前記信号端子が接合され、
    前記第2配線部の配線幅は、前記第1配線部の配線幅よりも広く、
    前記第3配線部の配線幅は、前記第1配線部の配線幅よりも狭く、
    前記第4配線部の配線幅は、前記第1配線部の配線幅よりも広いことを特徴とするプリント回路板。
  9. 前記信号配線を一対有し、前記一対の信号配線において、差動信号が伝送されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のプリント回路板。
  10. 前記電気部品がコネクタであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のプリント回路板。
  11. 前記プリント配線板に実装された半導体装置を更に備え、
    前記半導体装置は、前記信号配線に接続され、前記信号配線に信号を出力する端子を有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のプリント回路板。
  12. 電気部品が実装されるプリント配線板であって、
    前記電気部品の信号端子に接続される信号配線を有し、
    前記信号配線は、
    連続して配置された第1配線部、第2配線部、第3配線部、及び第4配線部を含み、
    前記第4配線部には、前記信号端子が接合可能であり、
    前記第2配線部の特性インピーダンスは、前記第1配線部の特性インピーダンスよりも低く、
    前記第3配線部の特性インピーダンスは、前記第1配線部の特性インピーダンスよりも高く、
    前記第4配線部の特性インピーダンスは、前記第1配線部の特性インピーダンスよりも低いことを特徴とするプリント配線板。
  13. 電気部品が実装されるプリント配線板であって、
    前記電気部品の信号端子に接続される信号配線を有し、
    前記信号配線は、
    連続して配置された第1配線部、第2配線部、第3配線部、及び第4配線部を含み、
    前記第4配線部には、前記信号端子が接合可能であり、
    前記第2配線部の配線幅は、前記第1配線部の配線幅よりも広く、
    前記第3配線部の配線幅は、前記第1配線部の配線幅よりも狭く、
    前記第4配線部の配線幅は、前記第1配線部の配線幅よりも広いことを特徴とするプリント配線板。
  14. 筐体と、
    前記筐体の内部に配置された、請求項1乃至11のいずれか1項に記載のプリント回路板と、を備えたことを特徴とする電子機器。
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