JP7497163B2 - 異常検出装置および異常検出方法 - Google Patents

異常検出装置および異常検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、異常検出装置および異常検出方法に関する。
従来、例えば、車両の駆動源となるモータへ電力を供給する電池の電流値および電圧値から電池の抵抗値を算出することで、電池の劣化状態を検出する異常検出装置が知られている。この種の異常検出装置では、電池の各セルに設けられた温度センサによって計測されたセル温度に基づいて決定した閾値を用いて、電池の劣化状態を検出する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2015-126594号公報
しかしながら、従来技術は、検出精度を担保するためには、なるべく多くの温度センサを設ける必要があるが、温度センサの数が増える程、閾値を決定するための工数増や、センサ増によりコストが嵩む。このように、従来は、検出精度を担保しつつコストを抑える点で改善の余地があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、異常の検出精度を担保しつつコストを抑えることができる異常検出装置および異常検出方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る異常検出装置は、演算部と、検出部とを備える。前記演算部は、電池に含まれる複数のセルそれぞれの状態に関する情報である電池情報に基づいて、異常の度合いに関する異常情報を前記セル毎に演算する。前記検出部は、前記演算部によって演算された前記異常情報の発生確率を示す確率分布を前記セル毎に生成し、前記セル毎の前記確率分布の比較結果に基づいて前記電池の異常を検出する。
本発明によれば、異常の検出精度を担保しつつコストを抑えることができる。
図1Aは、実施形態に係る異常検出方法の概要を説明するための説明図である。 図1Bは、実施形態に係る異常検出方法の概要を説明するための説明図である。 図1Cは、実施形態に係る異常検出方法の概要を説明するための説明図である。 図2は、実施形態に係る異常検出装置の構成を示すブロック図である。 図3は、推定部の処理内容を示す図である。 図4は、算出部の処理内容を示す図である。 図5は、閾値決定部の処理内容を示す図である。 図6は、閾値決定部の処理内容を示す図である。 図7は、実施形態に係る異常検出装置が実行する処理の処理手順を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本願の開示する異常検出装置および異常検出方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態により本発明が限定されるものではない。
まず、図1A~図1Cを用いて、実施形態に係る異常検出方法の概要について説明する。図1A~図1Cは、実施形態に係る異常検出方法の概要を説明するための説明図である。図1Aでは、実施形態に係る異常検出システムSを示している。実施形態に係る異常検出システムSは、例えば、車両に搭載される。
図1Aに示すように、実施形態に係る異常検出システムSは、異常検出装置1と、電池101とを備える。電池101は、例えば、リチウムイオンバッテリであり、車両の駆動源であるモータへ電力を供給する。図1Aに示すように、電池101は、複数のセルCを有し、各セルCは電気的に接続される。
また、電池101は、図示しない各種センサを有しており、かかるセンサにより各セルCの状態を検出し、電池情報として異常検出装置1へ出力する。ここで、電池情報とは、電池101(各セルC)の状態に関する複数の変数を含む情報である。
具体的には、変数は、例えば、各セルCの電流値や、電圧値、セル温度、SOC(State Of Charge)、電流積算容量、連続放電電気量(電流×時間)等である。
異常検出装置1は、実施形態に係る異常検出方法を実行することで、電池101の異常を検出する。図1Aに示すように、実施形態に係る異常検出装置1は、電池情報に基づいて異常情報を演算する演算処理と、異常情報に基づいて電池101の異常を検出する検出処理を実行する。
以下、図1Bを用いて、演算処理の概要について説明し、図1Cを用いて、検出処理の概要について説明する。
まず、図1Bを用いて、演算処理の概要について説明する。図1Bに示すように、演算処理では、機械学習によって生成された生成モデルを用いて異常情報の演算が行われる。
生成モデルは、深層学習のモデルであり、例えば、GAN(Generative Adversarial Networks)や、VAE(Variational Auto-Encoder)等を用いることができる。
演算処理では、電池情報に含まれる複数の変数を生成モデルの入力層とし、この生成モデルの入力層と出力層との比較結果に基づいて、異常の度合いを示すスコア(異常情報)を推定する。
また、演算処理では、推定した異常情報の推定精度を算出する。具体的には、生成モデルでは、異常情報の推定過程において潜在変数が生じ、この潜在変数を用いて推定精度を算出する。
なお、潜在変数とは、入力層および出力層の間で生じる変数であり、電池情報に含まれる複数の変数からなるm次元の入力層をn次元まで圧縮した変数である(m>n)。
実施形態に係る異常検出方法では、この潜在変数の発生確率を示す確率分布を生成し、かかる確率分布に基づいて異常情報の推定精度に関する精度情報を異常情報毎に算出する。
精度情報は、生成した確率分布と、予め準備しておいた基準となる確率分布(基準分布)との比較結果に基づいて算出するが、精度情報の詳細については、図4で後述する。
そして、実施形態に係る異常検出方法では、算出した精度情報に基づいて選定した異常情報のみを演算結果として検出処理へ出力する。具体的には、実施形態に係る異常検出方法では、算出した精度情報が所定の条件を満たす異常情報に基づいて、電池101の異常を検出する。
つまり、実施形態に異常検出方法では、推定精度が比較的高い異常情報のみを検出処理の対象とする。これにより、検出処理における異常検出の精度を向上させることができる。すなわち、実施形態に係る異常検出方法によれば、電池101の異常を高精度に検出することができる。
次に、図1Cを用いて、検出処理の概要について説明する。検出処理では、演算処理から出力されるセルC毎の異常情報の発生確率を示す確率分布をセルC毎に生成し、セルC毎の確率分布の比較結果に基づいて電池101の異常を検出する。なお、図1Cでは、一例として、2つのセルC(セル1およびセル2)の確率分布を示している。
このように、1つの電池101の中に含まれる2つのセル1およびセル2では、演算結果として発生する異常情報の値や確率が異なる。これは、セルC毎の特性の違いや、経年劣化の違い、セル温度の違い等により生じる。
従来は、各セルにセル温度を検出する温度センサを設け、セル温度に基づいて各セルの閾値を決定していたため、閾値を決定するための工数が増加することで設計コストが嵩む。また、すべてのセルに温度センサを設けるとなる部品コストも嵩む。
仮に、温度センサの数を減らした場合、セル温度を検出できないセルの閾値は精度が低下するため、検出精度も低下するおそれがある。このように、従来は、検出精度およびコストの両立が難しかった。
そこで、実施形態に係る異常検出方法では、複数のセルC間における異常情報の確率分布の比較結果に基づいて、セルC毎に異常情報の閾値を決定(補正)する。そして、実施形態に係る異常検出方法では、決定した閾値に基づいて、セルC毎に異常の有無を検出する。
つまり、実施形態に係る異常検出方法では、セルC間での確率分布の比較結果に基づいて、セルC間での相対的な閾値を決定するため、決定された閾値は、セルC間の状態の違いによる影響が排除されている。このため、例えば、温度センサを設けたセルCの確率分布を比較対象とすることで、温度センサを設けていないセルCの閾値は、セル温度の違いによる影響が排除される。
従って、実施形態に係る異常検出方法によれば、温度センサの数を減らしたとしても、温度センサを設けたセルCに比べて温度センサを設けていないセルCで決定された閾値の精度が低下することはない。
すなわち、実施形態に係る異常検出方法によれば、例えば、温度センサの数を減らすことで、異常の検出精度を担保しつつ、コストを抑えることができる。
次に、図2を用いて、実施形態に係る異常検出装置1の構成について説明する。図2は、実施形態に係る異常検出装置1の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、実施形態に係る異常検出装置1は、電池101と、各種センサ102とに接続される。
各種センサ102は、電池101の状態を計測するセンサ群である。各種センサ102は、例えば、各セルCの電流を計測する電流センサや、各セルCの電圧を計測する電圧センサ、各セルCのセル温度を計測する温度センサ等を含む。なお、各種センサ102は、複数のセルCすべてに設けられる必要はなく、少なくとも一つのセルCに設けられればよい。
つづいて、実施形態に係る異常検出装置1は、制御部2と、記憶部3とを備える。制御部2は、演算部21と、検出部22とを備える。記憶部3は、基準分布情報31と、閾値情報32とを記憶する。
ここで、異常検出装置1は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
コンピュータのCPUは、たとえば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部2の演算部21および検出部22として機能する。
また、制御部2の演算部21および検出部22の少なくともいずれか一つまたは全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成することもできる。
また、記憶部3は、たとえば、RAMやフラッシュメモリに対応する。RAMやフラッシュメモリは、基準分布情報31や、閾値情報32、各種プログラムの情報等を記憶することができる。なお、異常検出装置1は、有線や無線のネットワークで接続された他のコンピュータや可搬型記録媒体を介して上記したプログラムや各種情報を取得することとしてもよい。
ここで、記憶部3に記憶された基準分布情報31は、潜在変数の発生確率を示す基準となる確率分布(基準分布)の情報であり、後述する算出部213によって用いられる。基準分布情報31は、事前に生成される情報であり、例えば、電池101の設置時(交換時)や、外部電源から電池101への充電時等に得られる電池情報に基づいて生成される。
また、閾値情報32は、後述する閾値決定部221によって異常情報の閾値を決定するために用いられる情報である。閾値情報32は、例えば、予め実験等により得られた結果に基づいて生成される。
次に、制御部2の各機能(演算部21および検出部22)について説明する。
演算部21は、各種センサ102によって計測された検出値に基づいて取得した電池情報に基づいて異常情報を演算する。図2に示すように、演算部21は、取得部211と、推定部212と、算出部213とを備える。
取得部211は、各種センサ102によって計測された検出値に基づいた電池情報を取得する。電池情報は、電池101の状態に関する情報であり、具体的には、セルC毎の状態に関する情報である。
電池情報には、電池101(各セルC)の状態に関する複数の変数を含む情報である。具体的には、変数は、例えば、各セルCの電流値や、電圧値、セル温度、SOC(State Of Charge)、電流積算容量、連続放電電気量(電流×時間)等である。
取得部211は、電池情報のうち、SOC、電流積算容量および連続放電電気量については、各セルCの電流値や、電圧値から自己で算出することで取得してもよく、外部装置等で算出された結果として取得してもよい。
推定部212は、取得部211によって取得された電池情報に基づいて、異常情報を推定する。ここで、図3を用いて、推定部212の処理について説明する。
図3は、推定部212の処理内容を示す図である。図3では、電池情報に含まれる3つの変数を生成モデルに入力することで異常情報を推定する場合について説明する。また、図3では、生成モデルとしてVAEを用いた場合を例に挙げる。
VAEとして生成モデルでは、例えば、図3に示すように、5つの層で構成される。第1層L1は、変数が入力される入力層である。第2層L2は、エンコーダの層であり、入力層の次元を所定数の次元まで圧縮する層である。第3層L3は、潜在変数の層であり、エンコーダの層で所定数の次元に圧縮された変数の層である。
また、第3層L3における潜在変数は、次元圧縮された電池情報の特徴を示す変数である。第4層L4は、デコーダの層であり、所定数の次元の潜在変数を入力層と同じ次元の変数に復元する層である。第5層L5は、出力層であり、変数Aa、変数Bbおよび変数Ccそれぞれが入力層の変数A、変数Bおよび変数Cに対応している。なお、図3では、潜在変数は、1次元であるが、2次元以上であってもよい。
推定部212は、入力層の変数A、変数Bおよび変数Cと、出力層の変数Aa、変数Bbおよび変数Ccとの比較結果に応じたスコアを異常情報として推定する。かかるスコアは、例えば、変数Aおよび変数Aaの差分、変数Bおよび変数Bbの差分、変数Cおよび変数Ccの差分に基づいて算出されるスコアである。
図2に戻って算出部213について説明する。算出部213は、推定部212による異常情報の推定過程で生じる潜在変数の発生確率を示す確率分布を生成し、かかる確率分布に基づいて異常情報の推定精度に関する精度情報を算出する。
ここで、図4を用いて、算出部213の処理について説明する。図4は、算出部213の処理内容を示す図である。図4では、電池情報を入力とする生成モデルにおける潜在変数の発生確率を示す確率分布(実線)と、基準分布情報31における基準分布(破線)とを示している。
算出部213は、精度情報として、基準分布と、確率分布との差異を示す差異情報を算出する。図4に示す例では、差異情報として、KL(Kullback-Leibler)情報量を算出する。なお、差異情報は、KL情報量に限定されず、例えば、ピアソン距離や、相対ピアソン距離、L距離等であってもよい。
また、算出部213は、差異情報に限らず、例えば、基準分布に対して確率分布が正側の位置にあるか負側の位置あるかを示すスコア等を精度情報として算出してもよい。つまり、算出部213は、基準分布と、確率分布との比較結果に基づいて算出された精度情報であればよい。
このように、基準分布との比較結果(差異)に基づいて精度情報を算出することで、高精度な精度情報を算出することができる。
そして、算出部213は、算出した精度情報が所定の条件を満たす異常情報を検出部22へ出力する。例えば、算出部213は、精度情報であるKL情報量が所定の範囲内に収まる異常情報を検出部22へ出力する。
つまり、後述する検出部22は、KL情報量が所定の範囲内に収まる異常情報に基づいて異常を検出する。これにより、検出部22は、推定精度が高い異常情報により異常検出を行うことができるため、異常検出の精度を高めることができる。
図2に戻って検出部22について説明する。検出部22は、演算部21によって演算された異常情報の発生確率を示す確率分布をセルC毎に生成し、セルC毎の確率分布の比較結果に基づいて電池101の異常を検出する。図2に示すように、検出部22は、閾値決定部221と、判定部222と、カウンタ部223とを備える。
閾値決定部221は、後段の判定部222で用いる閾値を決定する。ここで、図5および図6を用いて閾値決定部221の処理について説明する。
図5および図6は、閾値決定部221の処理内容を示す図である。
図5に示すように、閾値決定部221は、まず、異常情報の発生確率を示す確率分布をセルC毎に生成する。図5では、3つのセル1~3の確率分布を示している。
つづいて、閾値決定部221は、複数のセルCのうち、基準となるセルCの確率分布を基準分布として決定する。図5では、セル2の確率分布を基準分布(破線)として決定したとする。
つづいて、閾値決定部221は、セル2の基準分布と、他のセル1,3の確率分布との比較結果に基づいて閾値を決定する。例えば、閾値決定部221は、基準分布と、他のセル1,3の確率分布との差異を示すKL情報量を算出し、算出したKL情報量に基づいて、基準となる基準閾値を補正する。
基準閾値は、例えば、セル2に設定された閾値である。具体的には、KL情報量が大きい程、基準閾値を補正する補正値を大きくする。
閾値決定部221は、KL情報量に限らず、例えば、ピアソン距離や、相対ピアソン距離、L距離等により閾値を決定してもよい。
あるいは、閾値決定部221は、基準分布に対して確率分布が正側に位置する場合には基準閾値から固定値を加算する補正を行い、負側に位置する場合には基準閾値から固定値を減算する補正を行うようにしてもよい。
このように、セル2の状態を基準にして、他のセル1,3の状態に応じて基準閾値を補正することで、セル2と、セル1,3との状態の違いを排除した閾値を決定できるため、後段の判定部222による異常判定の精度を高めることができる。
なお、基準分布となるセル2は、例えば、温度センサが設けられたセルCであることが好ましい。これにより、セル温度が設けられたセルCの確率分布が基準となるため、異常情報への影響が比較的大きいセル温度を排除した閾値を決定できるため、後段の判定部222によるセルC毎のセル温度に起因する判定バラつきを抑えることができる。
さらに、閾値決定部221は、セルC毎の経年変化の特性や、経年劣化の影響を排除する処理を行ってもよい。かかる点について、図6を用いて説明する。
図6では、縦軸が「閾値修正値」であり、横軸が「ΔKL情報量」である2次元グラフの閾値情報32を示している。「閾値修正値」は、基準閾値、あるいは、上記した補正後に閾値からの修正値を示している。
「ΔKL情報」は、KL情報量における初期値と、最新値との差分である。なお、KL情報量の初期値とは、例えば、前回トリップ時の最後に算出されたKL情報量や、最新の始動時に算出されたKL情報量である。
閾値決定部221は、セルC毎に、KL情報量の初期値および最新値の差分に応じた閾値修正値で閾値を修正することで、セルC毎の経年変化の特性や、経年劣化の影響を排除できる。
換言すれば、以降の閾値決定部221の閾値決定処理では、セルC毎の受熱バラつきのみを考慮すればよい(すなわち、温度センサがあるセルCを基準分布とすればよい)ため、決定される閾値の精度を高めることができる。
判定部222は、閾値決定部221によって決定されたセルC毎の閾値を用いて、電池101の異常の有無を判定する。具体的には、判定部222は、異常の度合いを示すスコアが閾値以上である場合、かかるスコアに対応するセルCが異常であると判定し、スコアが閾値未満である場合、かかるスコアに対応するセルCが正常であると判定する。
そして、判定部222は、セルC毎の判定結果をカウンタ部223へ出力する。
カウンタ部223は、判定部222の判定結果に基づいて、セルC毎のカウンタ値を更新し、1つ以上(あるいは、所定数以上)のセルCのカウンタ値が所定値以上となった場合には、電池101が異常であることを検出する。
具体的には、カウンタ部223は、判定部222によって異常であると判定されたセルCについては、カウンタ値をカウントアップする。また、カウンタ部223は、判定部222によって正常であると判定されたセルCについては、カウンタ値を維持(もしくはクリア)する。
次に、図7を用いて、実施形態に係る異常検出装置1が実行する処理の処理手順について説明する。図7は、実施形態に係る異常検出装置1が実行する処理の処理手順を示すフローチャートである。
図7に示すように、まず、演算部21は、電池101が有する複数のセルCそれぞれの電池情報を取得する(ステップS101)。
つづいて、演算部21は、取得した電池情報に基づいて、セルC毎に異常情報を推定する(ステップS102)。
つづいて、演算部21は、異常情報の推定過程で生じる潜在変数の発生確率を示す確率分布を生成し、確率分布に基づいて異常情報の精度に関する精度情報を算出する(ステップS103)。
つづいて、演算部21は、異常情報の精度情報が所定の条件を満たすか否かを判定し(ステップS104)、異常情報の精度情報が所定の条件を満たさない場合(ステップS104:No)、異常判定を行わずに処理を終了する。
一方、演算部21は、異常情報の精度情報が所定の条件を満たす場合(ステップS104:Yes)、異常情報を検出部22へ出力し、検出部22は、異常情報の発生確率を示す確率分布を生成する(ステップS105)。
つづいて、検出部22は、生成した確率分布に基づいて、異常情報の閾値を決定する(ステップS106)。
つづいて、検出部22は、異常情報が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS107)。
検出部22は、異常情報が閾値以上であった場合(ステップS107:Yes)、カウンタ値をカウントアップする(ステップS108)。
つづいて、検出部22は、カウンタ値が所定値以上であるか否かを判定し(ステップS109)、カウンタ値が所定値以上である場合(ステップS109:Yes)、電池101の異常を検出し(ステップS110)、処理を終了する。
一方、検出部22は、カウンタ値が所定値未満である場合(ステップS109:No)、処理を終了する。
また、ステップS107において、検出部22は、異常情報が閾値未満である場合(ステップS107:No)、カウンタ値をカウント維持し(ステップS111)、処理を終了する。
上述してきたように、実施形態に係る異常検出装置1は、推定部212と、算出部213と、検出部22とを備える。推定部212は、電池101の状態に関する複数の変数を含む電池情報に基づいて、電池101の異常の度合いを示す異常情報を推定する。算出部213は、推定部212による異常情報の推定過程で生じる潜在変数の発生確率を示す確率分布を生成し、確率分布に基づいて異常情報の推定精度に関する精度情報を算出する。検出部22は、算出部213によって算出された精度情報が所定の条件を満たす異常情報に基づいて、電池101の異常を検出する。これにより、電池101の異常を高精度に検出することができる。
また、上述してきたように、実施形態に係る異常検出装置1は、演算部21と、検出部22とを備える。演算部21は、電池101に含まれる複数のセルCそれぞれの状態に関する情報である電池情報に基づいて、異常の度合いに関する異常情報をセルC毎に演算する。検出部22は、演算部21によって演算された異常情報の発生確率を示す確率分布をセルC毎に生成し、セルC毎の確率分布の比較結果に基づいて電池101の異常を検出する。これにより、異常の検出精度を担保しつつコストを抑えることができる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 異常検出装置
2 制御部
3 記憶部
21 演算部
22 検出部
31 基準分布情報
32 閾値情報
101 電池
211 取得部
212 推定部
213 算出部
221 閾値決定部
222 判定部
223 カウンタ部
S 異常検出システム

Claims (5)

  1. 電池に含まれる複数のセルそれぞれの状態に関する情報である電池情報に基づいて、生成モデルを用いて異常の度合いを示す異常情報を前記セル毎に演算前記異常情報が閾値以上である場合に前記電池の異常と判断するコンピュータを備え、
    前記コンピュータは、
    記異常情報の発生確率を示す確率分布を前記セル毎に生成し、前記複数のセルにおける、基準とした基準セルの前記確率分布と、他のセルの前記確率分布との比較結果に基づいて、前記セル毎に前記閾値を補正すること
    を特徴とする異常検出装置。
  2. 前記電池には、セル温度を検出する温度センサが設けられた前記セルと、前記温度センサが設けられていない前記セルとが含まれ
    記複数のセルのうち、前記温度センサが設けられた前記セルを前記基準セルとすること
    を特徴とする請求項に記載の異常検出装置。
  3. 前記セルの前記異常情報が閾値以上である場合に、カウンタ値をカウントアップし、カウント値が閾値以上になった場合、前記電池の異常を検出すること
    を特徴とする請求項1または2に記載の異常検出装置。
  4. 前記確率分布が基準分布に対して正側に位置する場合は前記閾値を加算する補正をし、負側に位置する場合は前記閾値を減算する補正を行うこと
    を特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の異常検出装置。
  5. コンピュータによって実行される、電池に含まれる複数のセルそれぞれの状態に関する情報である電池情報に基づいて、生成モデルを用いて異常の度合いを示す異常情報を前記セル毎に演算前記異常情報が閾値以上である場合に前記電池の異常と判断する異常検出方法であって、
    記異常情報の発生確率を示す確率分布を前記セル毎に生成し、前記複数のセルにおける、基準とした基準セルの前記確率分布と、他のセルの前記確率分布との比較結果に基づいて、前記セル毎に前記閾値を補正すること
    を特徴とする異常検出方法。
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