JP2023102159A - バッテリ制御方法及びバッテリ制御装置 - Google Patents

バッテリ制御方法及びバッテリ制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】バッテリのSOCをより高い精度で推定する。【解決手段】バッテリに流れる電流であるバッテリ電流を電流センサにより検出し、バッテリ電流の積算値に基づいて、バッテリの充電状態を示すSOCの推定値であるSOC推定値を算出する、バッテリ制御方法において、電流センサの検出値に対して電流センサの最大誤差の絶対値を乗じた値を累積加算することで累積値を算出し、累積値をバッテリの電流容量で除することで得られる値を、SOC推定値に含まれる最大の誤差である最大SOC誤差とすることを特徴とする、バッテリ制御方法。【選択図】図8

Description

本発明は、バッテリ制御方法及びバッテリ制御装置に関する。
使用中に充放電を繰り返すバッテリの充電状態(SOC:State of Charge)を推定する方法として、いわゆる電流積算法が知られている。電流積算法は、バッテリの充放電時に流れるバッテリ電流を逐次検出して積算することによってバッテリに出入りする電力量を算出し、この算出結果とバッテリの初期容量とに基づいて現在のSOCを推定するものである。
ただし、電流センサ等により検出した電流値には誤差が含まれるので、電流積算法で推定したSOCは、時間が経過するほど誤差が累積した不正確な値になる。この電流積算法で推定したSOCを補正する方法として、バッテリの開放電圧(OCV:Open circuit Voltage)とSOCとの相関関係に基づいてSOCを推定するいわゆるOCV法を併用し、電流積算法で推定したSOCをOCV法により推定したSOCを用いて補正するものが知られている。
しかしながら、例えばリン酸鉄系リチウムイオン電池のように、SOCが変化してもOCVが変化しない領域(電圧フラット領域)が存在するOCV-SOC特性を有するバッテリに対しては、上記のOCV法でもSOCの推定誤差を補正することは困難である。
上記問題を解決する方法として、特許文献1には、OCV-SOC特性図を複数の領域に区分し、電流積算法による推定値とOCV法による推定値が異なる領域に属する場合には、OCV法による推定値が属する領域のうちの所定値をSOC推定値として採用するものが開示されている。ここでの所定値は、OCV法による推定値が属する領域を区分する境界値のうちの、電流積算法による推定値が属する領域に近い側の境界値と、OCV法による推定値が属する領域の中間値との間の値である。また、上記文献には、電流積算法による推定値とOCV法による推定値とが同じ領域に属する場合には、電流積算法による推定値をSOC推定値として採用することも開示されている。
特開2016-166864号公報
上記文献の推定方法では、電流積算法による推定値とOCV法による推定値が共に電圧フラット領域に属する場合(上記文献における態様5)には、電流積算法による推定値がSOCの推定値として採用される。そして、一般的な電流積算法では、バッテリ電流の積算値を所定の誤差が含まれているものとして扱う。ここでの所定の誤差は、考え得る最大の誤差であって、電流値の積算時間にかかわらず一定の値とすることが一般的である。つまり、上記文献の推定方法では、必要以上に大きな誤差を考慮することになるおそれがある。
また、一般的に、バッテリの充電時には安全性確保のために充電時のバッテリ電流に制限をかけることがある。具体的には、SOCが大きいほどバッテリ電流の上限値を小さく制限する。この制限を上記文献の推定方法によるSOC推定値に基づいて行う場合には、電流積算法による推定値が含んでいる誤差を考慮して上限値を設定する必要があるが、上記文献にはこの誤差の推定に関しての記載がない。したがって、一般的な誤差の推定と同様に、電流積算法による推定値が含み得る最大の誤差を予め設定しておき、この最大の誤差に基づいて制限後の上限値を設定するものと解釈できる。
しかしながら、上記のように最大の誤差を考慮すると、充電時のバッテリ電流が必要以上に低く制限されるおそれがある。
そこで本発明では、SOCをより高い精度で推定し得るバッテリ制御方法及びバッテリ制御装置を提供することを目的とする。
本発明のある態様によれば、バッテリに流れる電流であるバッテリ電流を電流センサにより検出し、バッテリ電流の積算値に基づいて、バッテリの充電状態を示すSOCの推定値であるSOC推定値を算出するバッテリ制御方法が提供される。このバッテリ制御方法では、電流センサの検出値に対して電流センサの最大誤差の絶対値を乗じた値を累積加算することで累積値を算出し、累積値をバッテリの電流容量で除することで得られる値を、SOC推定値に含まれる最大の誤差である最大SOC誤差とする。
本発明の別の態様によれば、バッテリに流れる電流であるバッテリ電流を検出する電流センサと、バッテリ電流の積算値に基づいて、バッテリの充電状態を示すSOCの推定値であるSOC推定値を算出する制御部と、を有するバッテリ制御装置が提供される。このバッテリ制御装置において、制御部は、電流センサの検出値に対して電流センサの最大誤差の絶対値を乗じた値を累積加算することで累積値を算出し、累積値をバッテリの電流容量で除することで得られる値を、SOC推定値に含まれる最大の誤差である最大SOC誤差とする。
上記態様によれば、SOCをより高い精度で推定することができる。
図1は、バッテリコントローラの概略構成を示すブロック図である。 図2は、バッテリの開放電圧とSOCとの関係を示す図である。 図3は、バッテリ入力電流の制限値とSOCとの関係の一例を示す図である。 図4は、SOCと充電時間との関係の一例を示す図である。 図5は、SOCと残航続可能距離との関係を示す図である。 図6は、SOCと出力可能電力との関係を示す図である。 図7は、電流積算法によるSOC推定の制御ルーチンを示すフローチャートである。 図8は、累積誤差を算出する制御ルーチンを示すフローチャートである。 図9は、各種推定のための制御ルーチンを示すフローチャートである。 図10は、SOCと充電時間との関係を示す図である。 図11は、SOCと残航続可能距離との関係を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るバッテリコントローラ1の概略構成を示すブロック図である。バッテリコントローラ1は、バッテリ2の両端電圧の検出、バッテリ2に流れる電流(バッテリ電流)の検出、バッテリ2のSOCの推定、及びバッテリ2に関する各種制御等を行う制御部である。
バッテリ2は、複数の単位電池(図示せず)で構成され、例えば、走行用の駆動源として電動モータ(図示せず)を備える電動車に搭載され、電動モータの電源として用いられる二次電池である。なお、本実施形態では、バッテリ2としてリン酸鉄系リチウムイオン電池を用いる場合について説明する。また、本実施形態では、バッテリ2は4個の単位電池で構成されるものとするが、これに限られるわけではない。
バッテリコントローラ1は、各単位電池の両端電圧を検出する電池監視IC3-1~3-4と、電池監視IC3-1~3-4に対して電圧検出指令を出したり、電池監視IC3-1~3-4による検出電圧を受け取ったりするメインCPU6とを備える。また、バッテリコントローラ1は、バッテリ電流を検出する電流センサ10の検出信号を受け取る電流検出回路9と、ウォッチドッグタイマ(WDT)7と、EEPROM8とを備える。なお、図示はしないが、バッテリコントローラ1は上記以外に、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を有する。
電池監視IC3-1~3-4は、それぞれ電圧検出回路VT1~VT4及びA/Dコンバータを備え、通信ラインを介して通信可能に互いに直列接続されている。また、両端の電池監視IC3-1、3-4は、通信ライン及び通信IC5を介してメインCPU6に通信可能に接続されている。この通信ラインには絶縁回路4が設けられており、電池監視IC3-1、3-4とメインCPU6との通信は電気的に絶縁した状態で行われる。絶縁回路4としては、例えば、フォトカプラや磁気カプラ等といった公知のものを使用できる。
また、メインCPU6には、電流検出回路9も通信ラインを介して通信可能に接続されている。
メインCPU6は、電池監視IC3-1~3-4及び電流検出回路9から受け取った検出値と、例えば温度センサ(図示せず)で検出したバッテリ温度等に基づいて、種々の推定、診断及び調整(以下、「推定等」という)を行う。以下に、メインCPU6が行う推定等の例を挙げる。
(a)過電圧、過放電及び過昇温といった異常の有無を診断するバッテリ異常診断。
(b)バッテリ温度や経年変化に応じたバッテリ容量調整。
(c)出力可能電力、現在のSOC、及び劣化度合いといったバッテリ状態の推定。
(d)バッテリ入力電流の制限、残航続可能距離推定及び充電時間推定。
(e)その他の機能故障診断。
次に、バッテリ2のSOCの推定方法及び問題点について説明する。
充放電を繰り返しながら使用されるバッテリ2のSOC推定方法として、電流積算法が知られている。具体的には、電流センサ10で検出した電流値を時間積算することで求めた充放電電力量をバッテリ2の電流容量で除することでSOC変動量を推定し(下式(1))、これと使用開始時のバッテリ2の電流容量とに基づいて現在のSOCを推定する。
SOC変動量={Σ(バッテリ電流[A]×時間[h])}/バッテリの電流容量[Ah]・・・(1)
電流積算法で推定したSOCには、電流センサ10の検出誤差に起因する誤差が含まれている。この誤差を修正する方法として、バッテリ2の開放電圧OCVを測定し、予め記憶しておいたOCV-SOC特性に照らして測定されたOCVに対応するSOCを求め(OCV法)、このSOCを用いて電流積算法で求められたSOCを修正する方法が知られている。
ところで、近年注目されているリン酸鉄系リチウムイオン電池のように、SOCが変化するにもかかわらずOCVがほとんど変化しない領域(電圧フラット領域)を有するOCV-SOC特性(図2参照のこと)の電池が知られている。なお、SOCの変化に応じてOCVも変化する領域を、電圧変動領域と称する。
電圧フラット領域を有する電池の場合には、電圧フラット領域で充放電が繰り返されると、上記のOCV法により求めたSOCによる誤差の修正が困難になり、SOCの推定精度が悪化してしまう。このため、SOC推定値は実際のSOCから大きく乖離したものとなり、SOCに基づいて推定する残航続可能距離や充電時間の推定精度も実際の値から大きく乖離するおそれがある。
また、SOCに応じて調整するバッテリ入力電流の制限値が実際のSOCに応じた制限値から乖離するおそれがある。ここでいうバッテリ入力電流の制限は、過剰なバッテリ電流が入力されることによるリチウム析出の発生を防止するためのものであり、SOCに応じてバッテリ入力電流の上限を制限するものである。なお、リチウムが析出する電流値は予め求めておく。
図3はバッテリ入力電流の制限値とSOCとの関係の一例を示す図である。横軸がSOC、縦軸がCレートである。図3中の実線は実際のSOC(実SOCともいう)に対応する制限値を示し、破線は電流積算法によるSOC推定値の最大誤差を25%とした場合の制限値を示している。
図3に示す通り、制限値は、SOCが大きくなるほど小さくなる。そして、誤差を考慮する場合には、実SOCがSOC推定値よりも最大誤差の分だけ大きかったとしてもリチウム析出が生じるバッテリ入力電流を超えないようにする必要がある。そこで、一般的には、電流積算法による推定結果よりも、考え得る最大の誤差の分だけ大きいSOCをSOC推定値として、バッテリ入力電流を制限している。例えば、電流積算法によるSOC推定値がSOC1(点A)であった場合には、誤差25%の分だけ大きいSOC2(点B)をSOC推定値とし、バッテリ入力電流は点Bと同じ値に制限される。その結果、図3の破線で示すように、制限値は実SOCに対応する制限値に比べて小さくなる。これによりリチウム析出の発生は防止できるが、バッテリ入力電流がより小さい値に制限されることで、以下に説明する通り、充電に要する時間(充電時間)が延びてしまう。
図4は、SOCと充電時間との関係の一例を示す図である。横軸が充電時間、縦軸がSOCである。図4中の実線は実SOCに対応する制限値でバッテリ入力電流を制限した場合を示し、破線は誤差を考慮した制限値でバッテリ入力電流を制限した場合を示している。
上記の通り誤差を考慮した場合にはバッテリ入力電流がより小さい値に制限されるので、図示する通り、充電開始時のSOCが同じでも、誤差を考慮した場合の方が満充電までに要する充電時間が長くなる。そして、この場合のバッテリ入力電流は、考え得る最大の誤差に基づいて制限されているので、必要以上に制限されている可能性がある。すなわち、充電時間を短縮する余地がある。なお、充電時間の推定値はユーザに対して表示される。
また、メインCPU6は、SOC推定値を用いて残航続可能距離を算出し、算出された残航続可能距離をユーザに表示するが、誤差を考慮することで、表示された残航続可能距離と実際に走行可能な距離には乖離が生じる。特に、上記のようにSOC推定値を実SOCよりも大きくすると、表示される残航続可能距離が実際に走行可能な距離よりも長くなるので(図5参照のこと)、ユーザに不満感を与えることとなる。なお、図5はSOCと残航続可能距離との関係を示す図であり、横軸がSOC、縦軸が残航続可能距離である。
また、メインCPU6は、SOC推定値を用いて出力可能電力を算出し、算出された出力可能電力に応じてバッテリ出力電流を制御するが、上記のようにSOC推定値を実SOCよりも大きくすると、算出された出力可能電力を実際には出力できないという問題が生じる。例えば、図6に示す通り、実SOCがSOC3でSOC推定値がSOC4の場合、実際の出力可能電力はPV1であるのに対し、メインCPU6が算出する出力可能電力PV1より大きいPV2になってしまう。なお、図6はSOCと出力可能電力との関係を示す図であり、横軸がSOC、縦軸が出力可能電力(Pack Voltage)である。
上記の通り、電流積算法の算出結果に対して、考え得る最大の誤差を加算したものをSOC推定値とする一般的な方法では種々の問題が生じる。
そこで本実施形態では、以下に説明する方法でSOC推定値の算出、及びパラメータとして少なくともSOCを有する複数のSOC関連要素(残航続可能距離、充電時間、バッテリ入力電流の制限値、最大出力可能電力)の推定を行う。
電流積算法の誤差は、電流センサ10の検出誤差によるものなので、積算時間が長くなるほど誤差が積み上がる。つまり、上述した一般的な方法のように、電流積算法の算出値に対して考え得る最大の誤差を加算すると、過剰な誤差を考慮することとなる。例えば、一般的な方法では20~50%程度の誤差を考慮するが、電流センサ10の検出誤差が0.5%程度で積算時間が数分であれば、そこまでの誤差を考慮する必要はない。
本実施形態では、電流積算法によるSOC推定値の算出とは別に、現状の推定結果がどの程度の誤差を含んでいるのか、換言すると誤差がどれだけ累積しているのか、を下式(2)により算出する。
累積誤差={Σ(バッテリ電流[A]×時間[h]×電流センサ最大誤差の絶対値)}/バッテリの電流容量[Ah]・・・(2)
電流センサ最大誤差は、使用する電流センサの仕様等に基づいて予め求めておく。
そして、電流積算法により算出したSOCの値と、式(2)で算出された累積誤差と、に基づいてSOC推定値を決定する。その際、以下に説明する通り、推定等する項目に応じて、電流積算法により算出したSOCの値に対して累積誤差を加算するか減算するかを使い分ける。例えば、残航続可能距離及び充電時間を推定する場合には、累積誤差を減算する。これは、より小さなSOC推定値を用いることで、より短い残航続可能距離、より長い充電時間をユーザに表示するためである。表示された残航続可能距離よりも長く走行できた場合や、表示された充電時間より短い時間で充電が終了した場合には、ユーザは不満を抱かないと考えられる。バッテリ2の最大出力可能電力を算出する場合も同様に累積誤差を減算する。これは、実際には出力できない電力に基づいて制御するという事態を回避するためである。
一方、バッテリ入力電流の制限値を設定する場合には、累積誤差を加算する。これは、より大きなSOC推定値を用いることで、リチウム析出を確実に防止するためである。
次に、上述した電流積算法によるSOCの推定、累積誤差の算出、及び各種推定の具体的な内容について説明する。図7は電流積算法によるSOC推定の制御ルーチンを示すフローチャート、図8は累積誤差を算出する制御ルーチンを示すフローチャート、図9は各種推定のための制御ルーチンを示すフローチャートである。図7~図9の制御ルーチンは、バッテリシステム稼働中に、ROM(図示せず)に記憶されたプログラムに従って、メインCPU6によって常時実行される。
まず、図7の制御ルーチンから説明する。ステップS700において、メインCPU6は電流センサ10で検出した電流値を読み込む。
ステップS701において、メインCPU6は、バッテリ2の温度、劣化度合いに応じてバッテリ2の電流容量を変更する。例えば、バッテリ2の温度と電流容量との相関を示すマップと、バッテリ2の使用期間と電流容量との相関を示すマップを予め作成、記憶しておき、これらを参照する。
ステップS702において、メインCPU6は電流積算法によりSOCを推定する。これは、一般的に知られた電流積算法によるSOCの推定と同じである。すなわち、式(1)によりSOC変動量を算出し、この算出値とステップS701で設定したバッテリ容量とを用いて現在のSOCを推定する。
ステップS703において、メインCPU6は、ステップS702で算出したSOCの値が電圧変動領域に属するか否かを判定し、電圧変動領域に属する場合にはステップS704の処理を実行し、そうでない場合にはステップS706の処理を実行する。電圧変動領域に属するか否かは、例えば図2に示すようなSOCの取り得る範囲を電圧変動領域と電圧フラット領域に分けたマップを予め作成、記憶しておき、これを参照することで判断する。
ステップS704において、メインCPU6はOCV法によりSOCを算出し、この算出値とステップS702の推定値とを比較することで、SOC補正量を算出する。そして、ステップS705において、メインCPU6はステップS704で算出したSOC補正量を用いてステップS702の推定値を補正する。なお、ステップS704及びS705の処理に換えて、OCV法により算出されたSOCに置き換える処理にしてもよい。
ステップS706において、メインCPU6はSOC推定値を設定する。具体的には、ステップS703の判定結果がyesの場合はステップS705で補正した値を、同判定結果がnoの場合はステップS702で推定した値を、SOC推定値とすることになる。
次に、図8の制御ルーチンについて説明する。
ステップS800において、メインCPU6は電流センサ10で検出した電流値を読み込む。
ステップS801において、メインCPU6は、累積誤差を算出する。具体的には、上述した式(2)により算出する。つまり、本実施形態における累積誤差は、電流センサの誤差をバッテリ電流の積算時間に応じて累積加算したものである。
ステップS802において、メインCPU6は、図7のフローチャートにおいて電流積算法の算出値の補正が行われたか否かを判定し、行われた場合はステップS803の処理を実行し、行われていない場合はステップS804の処理を実行する。
ステップS803において、メインCPU6は、図7のステップS704で算出した補正量に基づいて累積誤差の補正を行う。これは、累積誤差を含む電流積算法の算出値が補正されたことに伴い、累積誤差も補正する必要があるからである。なお、図7においてOCV法により算出されたSOCに置き換える処理にした場合には、累積誤差をリセットする。
ステップS804において、メインCPU6は、累積誤差(最大SOC誤差)を設定する。具体的には、ステップS802の判定結果がyesの場合はステップS803で補正した値を、同判定の結果がnoの場合はステップS801で算出した値を、累積誤差として設定する。
次に、図9の制御ルーチンについて説明する。
ステップS900、S901において、メインCPU6は累積誤差とSOC推定値を読み込む。累積誤差は、その時点において図8のステップS804で設定されている値であり、SOC推定値はその時点において図7のS706で設定されている値である。
ステップS902において、メインCPU6は、SOC推定値が補正可能領域外であるか否かを判定し、補正可能領域外の場合はステップS903の処理を実行し、そうでない場合はステップS908の処理を実行する。補正可能領域とは、電圧変動領域のことである。つまり、図2でいうと、電圧フラット領域に属する場合にはステップS903に進み、SOC推定値が高SOC側または低SOC側の電圧変動領域に属する場合はステップS908に進むことになる。
ステップS903において、メインCPU6はこれから算出する項目がバッテリ入力電流を制限する閾値であるか否かを判定し、当該閾値である場合はステップS910の処理を実行し、当該閾値でない場合はステップS904の処理を実行する。当該閾値は、具体的には図3に実線で示した値である。
ステップS904において、メインCPU6は、第2推定SOCを算出する。具体的には、SOC推定値から累積誤差を減算したものが第2推定SOCである。
ステップS905において、メインCPU6は、第2推定SOCが第2補正可能SOCより小さいか否かを判定し、小さい場合はステップS906の処理を実行し、そうでない場合はステップS906の処理をスキップしてステップS907の処理を実行する。第2補正可能SOCとは、低SOC側の電圧変動領域と電圧フラット領域との境界値(図2のS1)である。
ステップS906において、メインCPU6は第2推定SOCを第2補正可能SOCに固定する。つまり、電流積算法による推定結果ではSOCが電圧フラット領域(ステップS902でyes)に属するのに、累積誤差を減算したら電圧変動領域に属することになる場合は、第2補正可能SOCを第2推定SOCとして用いる。
ステップS907において、メインCPU6は、第2推定SOCを用いて残航続可能距離、最大出力可能電力及び充電時間を算出する。これにより、残航続可能距離は低く見積もられることになり、実際に走行可能な距離との乖離があったとしても、実際に走行可能な距離の方が長くなるので、ユーザに不満感を与えることはない。同様に、最大出力可能電力も低く見積もられ、充電時間は長く見積もられるので、実際の最大出力可能電力及び充電時間との乖離があってもユーザに不満感を与えることはない。
一方、算出項目がバッテリ入力電流を制限する閾値である場合(ステップS903でyesの場合)に実行するステップS910では、メインCPU6は第1推定SOCを算出する。具体的には、SOC推定値に累積誤差を加算したものが第1推定SOCである。
ステップS911において、メインCPU6は、第1推定SOCが第1補正可能SOCより大きいか否かを判定し、大きい場合はステップS912の処理を実行し、そうでない場合はステップS912の処理をスキップしてステップS913の処理を実行する。第1補正可能SOCとは、高SOC側の電圧変動領域と電圧フラット領域との境界値(図2のS2)である。
ステップS912において、メインCPU6は、第1推定SOCを第1補正可能SOCに固定する。つまり、電流積算法による推定結果ではSOCが電圧フラット領域(ステップS902でyes)に属するのに、累積誤差を加算したら電圧変動領域に属することになる場合は、第1補正可能SOCを第1推定SOCとして用いる。
ステップS913において、メインCPU6は、第1推定SOCを用いてバッテリ入力電流を制限する閾値を算出する。第1推定SOCは、SOCが大きくなる方向に累積誤差を考慮した値なので、制限後のバッテリ入力電流によってリチウム析出が生じることを防止できる。
上記のように本実施形態では、推定等する項目に応じて第1推定SOCと第2推定SOCを使い分けることで、リチウム析出を防止し、かつユーザが不満感を抱くことを防止できる。また、第1、第2推定SOCに含まれる累積誤差は、バッテリ電流が流れた時間に積み上がった分のみを累積したものである。したがって、一般的に行われているような、電流積算法による推定値に、バッテリ電流が流れた時間によらず一律に所定割合の誤差を見込んだSOC推定値を用いる方法に比べて、SOC推定値に含まれる誤差を小さくできる。その結果、残航続可能距離等の推定値と実値との乖離を抑制できる。特に、バッテリ電流が流れた時間が短いほど両者の差は顕著になる。
また、SOC推定値が補正可能領域に属する場合(ステップS902でnoの場合)に実行するステップS908では、メインCPU6は第3推定SOCを設定する。具体的には、ステップS901で読み込んだSOC推定値を第3推定SOCとする。これは、SOC推定値が補正可能領域、つまり電圧変動領域に属する場合には、SOC推定値は図7のステップS705においてOCVに基づいて補正されているので、誤差を考慮する必要がないからである。
ステップS909において、メインCPU6は、第3推定SOCを用いて、バッテリ入力電流を制限する閾値、充電時間、残航続可能距離及び最大出力可能電力を算出する。
上記の通り、誤差を考慮する必要がない場合には累積誤差を用いずに各項目を推定等するので、バッテリ入力電流を必要以上に制限することがなく、残航続可能距離を過剰に短く推定することもなく、充電時間を過剰に長く推定することもなく、最大出力可能電力を過剰に低く推定することもない。
図10は、図4と同様にSOCと充電時間との関係を示す図である。図10中の実線は実SOCに基づいてバッテリ入力電流を制限した場合を、破線は上述した一般的な方法で誤差を考慮してバッテリ入力電流を制限した場合を、一点鎖線は本実施形態の方法でバッテリ入力電流を制限した場合を、二点鎖線は電流積算法によるSOC推定値に基づいてバッテリ入力電流を制限した場合を示している。
一般的な方法で誤差を考慮する場合には、電流積算法によるSOC推定値に対し、考え得る最大の誤差を考慮してバッテリ入力電流を制限するので、実SOCに対応する制限値で制限する場合に比べてバッテリ入力電流は大幅に小さくなる。これに対し本実施形態の方法では、バッテリ電流の積算時間に累積した誤差のみを考慮するので、一般的な方法に比べて制限後のバッテリ入力電流は大きくなる。このため、図10に示す通り満充電になるまでに要する時間は一般的な方法に比べて本実施形態の方法の方が短くなる。換言すると、本実施形態の方法の方が一般的な方法よりも同一時間で充電可能な電力が大きくなる。
図11は、図5と同様にSOCと残航続可能距離との関係を示す図である。図11中の実線は実SOCに基づいて推定した残航続可能距離を、破線は上述した一般的な方法で誤差を考慮して推定した残航続可能距離を、一点鎖線は本実施形態の方法で推定した残航続可能距離を示している。なお、破線はSOCが高くなるように誤差を考慮した場合について示している。
一般的な方法で誤差を考慮した場合、推定したSOCが実SOCに対して大きくなる場合も小さくなる場合もあるが、仮に大きくなる場合には、図11に示す通り実SOCに基づく残航続可能距離よりも長い残航続距離を見積もることになり、上述したとおりユーザに不満感を抱かせることになる。これに対し本実施形態では、残航続可能距離の推定にはSOC推定値から累積誤差を減算した第2推定SOCを用いるので、図11に示す通り、実SOCに基づく残航続可能距離よりも短い残航続距離を見積もることになり、ユーザは不満感を抱き難い。また、本実施形態では累積した誤差のみを考慮するので、一般的な方法で誤差を考慮して推定した場合に比べて、実SOCに基づく推定値との乖離が小さくなる。
以上の通り本実施形態では、バッテリ2に流れる電流であるバッテリ電流を電流センサ10により検出し、バッテリ電流の積算値に基づいてバッテリ2の充電状態を示すSOCの推定値であるSOC推定値を算出するバッテリ制御方法が提供される。この制御方法では、電流センサ10の検出値に対して電流センサ10の最大誤差の絶対値を乗じた値を累積加算することで累積値を算出し、累積値をバッテリ2の電流容量で除することで得られる値を、SOC推定値に含まれる最大の誤差である最大SOC誤差とする。つまり、本実施形態における最大SOC誤差は、バッテリ電流の積算時間に応じて累積加算されたものである。したがって、積算時間によらずに考え得る最大の誤差を設定する一般的な方法に比べて精度の高い誤差を設定することができ、ひいてはSOCの推定精度を高めることができる。
本実施形態では、SOC推定値と最大SOC誤差とに基づいて、パラメータとして少なくともSOCを有する複数のSOC関連要素を推定する際に、SOC関連要素に応じて、SOC推定値と最大SOC誤差との和をパラメータとするか、SOC推定値と最大SOC誤差との差をパラメータとするかを使い分ける。SOC関連要素のなかには、安全性確保のために高めにSOCを推定すべきものや、ユーザに不満感を抱かせないために低めにSOCを推定すべきものがあるが、本実施形態によればこれらを両立することができる。
本実施形態では、SOC関連要素がSOCに応じたバッテリ入力電流の制限値である場合には、SOC推定値と最大SOC誤差との和をパラメータとする。バッテリ入力電流の制限は安全性確保のために行うものであり、実際のSOCが推定したSOCよりも大きい場合には制限が不十分となり、安全性を確保できない。その点、本実施形態ではSOC推定値と最大SOC誤差との和をパラメータ(つまりSOCの推定値)とするので、安全性を確保できる。また、パラメータに含まれる最大SOC誤差はバッテリ電流の積算時間に応じた大きさなので、安全マージンが過剰に大きくなることがない。
本実施形態では、SOC関連要素が、残航続可能距離、最大出力可能電力、または充電完了までに要する時間である充電時間である場合には、SOC推定値と最大SOC誤差との差をパラメータとする。これらのSOC関連要素では、推定したSOCが実際のSOCよりも大きい、ユーザに不満感を抱かせることになる。例えば、残航続可能距離は実際に走行可能な距離より大きくなるし、充電時間は実際に充電が完了するまでの時間より短くなる。その点、本実施形態ではSOC推定値と最大SOC誤差との差をパラメータ(つまりSOCの推定値)とするので、ユーザに不満感を抱かせることがない。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内で様々な変更を成し得ることは言うまでもない。
1 バッテリコントローラ、 2 バッテリ、 3-1~3-4 電池監視IC、 4 絶縁回路、 6 メインCPU、 10 電流センサ

Claims (5)

  1. バッテリに流れる電流であるバッテリ電流を電流センサにより検出し、
    前記バッテリ電流の積算値に基づいて、前記バッテリの充電状態を示すSOCの推定値であるSOC推定値を算出する、バッテリ制御方法において、
    前記電流センサの検出値に対して前記電流センサの最大誤差の絶対値を乗じた値を累積加算することで累積値を算出し、
    前記累積値を前記バッテリの電流容量で除することで得られる値を、前記SOC推定値に含まれる最大の誤差である最大SOC誤差とすることを特徴とする、バッテリ制御方法。
  2. 請求項1に記載のバッテリ制御方法において、
    前記SOC推定値と前記最大SOC誤差とに基づいて、パラメータとして少なくとも前記SOCを有する複数のSOC関連要素を推定する際に、
    前記SOC関連要素に応じて、前記SOC推定値と前記最大SOC誤差との和を前記パラメータとするか、前記SOC推定値と前記最大SOC誤差との差を前記パラメータとするかを使い分ける、バッテリ制御方法。
  3. 請求項2に記載のバッテリ制御方法において、
    前記SOC関連要素が、前記SOCに応じたバッテリ入力電流の制限値である場合には、前記SOC推定値と前記最大SOC誤差との和を前記パラメータとする、バッテリ制御方法。
  4. 請求項2に記載のバッテリ制御方法において、
    前記SOC関連要素が、残航続可能距離、最大出力可能電力、または充電完了までに要する時間である充電時間である場合には、前記SOC推定値と前記最大SOC誤差との差を前記パラメータとする、バッテリ制御方法。
  5. バッテリに流れる電流であるバッテリ電流を検出する電流センサと、
    前記バッテリ電流の積算値に基づいて、前記バッテリの充電状態を示すSOCの推定値であるSOC推定値を算出する制御部と、
    を有するバッテリ制御装置において、
    前記制御部は、
    前記電流センサの検出値に対して前記電流センサの最大誤差の絶対値を乗じた値を累積加算することで累積値を算出し、
    前記累積値を前記バッテリの電流容量で除することで得られる値を、前記SOC推定値に含まれる最大の誤差である最大SOC誤差とすることを特徴とする、バッテリ制御装置。
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