JP7496997B2 - 神経変性疾患治療用の改善された細胞透過性を有する変形パーキン組換えタンパク質及びその用途 - Google Patents

神経変性疾患治療用の改善された細胞透過性を有する変形パーキン組換えタンパク質及びその用途 Download PDF

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[関連出願に関する相互参照]
本発明は、2020年9月4日付で出願された米国仮特許出願番号63/074,697の利益と優先権を主張し、その全体が本明細書に参考として含まれる。
本発明は、iCP-mParkinに関する。iCP-mParkinは、神経細胞の損傷と関連した病気を治療するのに適した生物学的特性を有する。これにより、本発明で提供するiCP-mParkinは、パーキンソン病、アルツハイマー病及びハンチントン病を含む神経変性疾患を、治療、予防又は改善するための組成物又は方法に利用できる。さらに、上記iCP-mParkinは、既存のiCP-Parkinより高い安定性を有するため、タンパク質医薬品としての使用に適した特性を有する。また、本発明で提供する製造方法によって収得されたiCP-mParkinは、高い純度を有し、上記製造方法は、大量生産に適した特性を有する。
神経変性疾患及びその未充足の医療ニーズ
神経変性疾患(Neurodegenerative disease:NDD)は、身体の構造や機能が漸進的に劣化する疾患であり、特に脳と脊髄に発病し、神経伝達物質の不均衡によって学習、記憶などの障害を引き起こす。神経変性疾患は、主な症状及び侵される脳領域を考慮して分類することができ、アルツハイマー病(Alzheimer’s disease:AD)、パーキンソン病(Parkinson’s disease:PD)、ハンチントン病(Huntington’s disease:HD)が含まれる。神経発生に適用でき、かつ神経細胞のアポトーシス(apoptosis)を抑制できる適切な治療法がこれまでに存在しない現状である。
パーキンソン病
パーキンソン病は、脳の黒質(substantia nigra pars compacta)と線条体(striatum)との間の黒質線条体システム(ドーパミンシステム)のドーパミン作動性神経細胞が選択的に消失して発生する退行性疾病である。全世界の患者数は、約1000万人であり、その数は増加しつつある。パーキンソン病は、黒質(substantia nigra:SN)の不完全なドーパミンの生成及び作用で運動神経の皮質の刺激が減少して発生する。パーキンソン病は、 振戦(tremor)、動作緩徐(bradykinesia)、固縮(rigidity)などの運動性障害及び鬱病(depression)、不眠症(insomnia)、認知障害などの非運動性障害のような臨床的症状を伴うPD関連因子によって引き起こされる家族性PDに分類される。これは、PDの病因が広範な神経系で神経細胞の死滅を誘発する多系統疾患であることを暗示する。
遺伝的欠陥による家族性パーキンソン病の場合、α-シヌクレイン(PARK1/4)、LRRK2(PARK8)、PINK1(PARK6)、Parkin(PARK2)、DJ-1(PARK7)などがよく知られている。また、家族性パーキンソン病の遺伝的要因は、散発性パーキンソン病、及び、発病の重要な段階に位置するパーキンのようなパーキンソン病の原因遺伝子において非常に重要な役割をすると考えられる。パーキン突然変異によるE3ユビキチンリガーゼ機能の喪失は、ドーパミン放出を抑制し、特定の基質の蓄積を招来したりドーパミン作動性ニューロンの退化を誘発したりして細胞死滅を招く。また、パーキンは、ミトコンドリアで保護機能を有し、ストレスによるミトコンドリアの膨潤及びアポトーシスを減少させる細胞保護効果を示すものであると報告されている。病理学的タンパク質凝集体の異常な蓄積は、該当機転によって脳ニューロンの死を誘発し、パーキンソン病:ミトコンドリア機能障害及びユビキチン-プロテアソームシステム(UPS)機能障害を引き起こす。
近年、パーキンソン病の病理学的分析によれば、α-シヌクレインは、嗅球(olfactory bulb)と腸筋神経叢(enteric plexus)から誘導され、延髄(medullaoblongata)及び脳橋(pons)に移動及び伝播され、パーキンソン病に発展する。α-シヌクレインは、中脳、次に大脳辺皮質(limbic cortex)を含む大脳領域に伝播され、認知症に関連した多様な退行性症状が現れる。症状が悪化すると、症状に関連した薬物だけではパーキンソン病の進行を緩和することができない。
現在、パーキンソン病の治療法は、一時的な症状改善にとどまり、患者の安全性と有効性を満たすことができず、深刻な副作用を誘発する根本的な状態を改善することができない現状である。未充足ニーズは、その規模が約10億8000万ドルと推定され、病気を根本的な治療ができる新しい機転-特異的な疾病調節薬の開発が必要となっている。現在、抗体治療剤のようなバイオ医薬品は、血液脳関門(Blood-Brain Barrier:BBB)を通過し難く、また、病理学的物質が生成される脳神経細胞内に伝達され難い。パーキンソン病の診断技術の発展によって、パーキンソン病の治療可能性が大きくなっている。これにより、関連治療剤市場は拡大しつつある。新規な薬物送達技術を基盤とした治療剤の開発は、競争力を有することから、根本的な治療を提供できる機転-特異的な疾病調節治療薬の開発が必要となっている。
アルツハイマー病
アルツハイマー病は、認知症において最も一般的なタイプであって、中年と老年期(65歳以上)に発生し、認知症全体の約60~70を占める。アルツハイマー病の原因を探すための努力が長期間なされてきたが、まだ明らかではない部分が多い。アルツハイマー病患者の主な症状は、記憶と認知機能の低下である。初期には最近の記憶を忘れ、また過去の記憶も忘れ、さらにはコミュニケーション障害が現れる。病気の進行中には、不安、焦燥、憂鬱、妄想などの精神症状と行動障害が伴われるが、認知的、神経学的症状の進行は非常にゆっくりと進む。
神経細胞中で異常に縺れ合った神経原線維もつれ(neurofibrillary tangles)もアルツハイマー病の特徴である。タウ(tau)タンパク質のリン酸化が、生化学的反応を介して神経細胞破壊を促進する。但し、神経原線維もつれは、アルツハイマー型認知症患者の脳でのみ発見されるわけではなく、正常人からも発見されるが、アルツハイマー型認知症患者の脳中には多量存在する。オリゴマーAβや神経原線維もつれのような神経毒性物質による細胞内損傷したミトコンドリアの蓄積とUPSの過活性化が脳神経細胞死を誘発すると報告されている。UPS機能障害が発生すると、Aβの異常とp-Tauタンパク質がニューロンの細胞質への凝集によるニューロンの細胞死によってアルツハイマー病が誘発される。しかし、分子メカニズムの詳細はまだ明らかではない。
2010年基準で、世界の認知症に関連した市場規模は、6,040億ドル(世界GDPの約1%)と推計され、先進国だけでなく、発展途上国でも患者数が増加しており、認知症に関連した治療薬の確保が急務である。特に、米国のベビーブーム世代は、2011年1月1日に65歳になり、2022年12月31日まで毎日1万人が65歳になって高齢人口に進入する。米国で認知症に関連した医療及び介護にかかる費用は、年間約2,260億ドルと推定され、この傾向が続けば、2050年には、認知症にかかる医療費は、1兆1,000億ドルに達すると予想されている。
認知症の原因のうちの60%以上を占めるアルツハイマー病では、記憶、言語能力、実行機能、運動能力などの認知機能が次第に低下する。アミロイド-β(Aβ)及びTauタンパク質の病理学的マーカーは、蓄積されても生体内で分解されない。アルツハイマー病認知症の主な原因は、皮質/海馬ニューロンが死ぬという退行性にある。まだ明らかではない他の病理、遺伝的異常、年齢、原因など、多様な危険因子が存在する。アルツハイマー病の病理学的特徴として、代表的に老人斑(senile plaque;SP)があり、これは、代謝異常によって、アミロイド前駆体タンパク質(Amyloid Precursor Protein:APP)から生成されたAβが、水に対する溶解度が低いため、脳に凝集及び蓄積されて形成される。形成された老人斑は、細胞毒性を持つため、脳部位にある神経細胞の破壊を促進し、神経伝達物質に影響を及ぼし、臨床的に認知症状態を招く。
Tauタンパク質は、また、リン酸化過程で生化学反応によって異常に縺れ合った形態である神経原線維もつれを形成し、同時に神経毒性(細胞毒性)を持つため、脳中で神経細胞の破壊を促進する。しかし、神経原線維もつれは、正常状態でも発見されるが、特にアルツハイマー病患者の脳中に多量存在する。オリゴマーAβや神経原線維もつれのような神経毒性物質による細胞内損傷したミトコンドリアの蓄積とUPSの過活性化が脳神経細胞死を誘発すると報告されている。UPS機能障害が発生すると、Aβの異常とp-Tauタンパク質がニューロンの細胞質への凝集によるニューロンの細胞死によってアルツハイマー病が誘発される。しかし、分子メカニズムの詳細はまだ明らかではない。従って、市場のニーズに応じて新しい認知症治療メカニズムの開発が求められている。
改善された細胞透過性を有する変形パーキンの開発(iCP-Parkin)
パーキンは、神経細胞死に対する抗アポトーシス効果が立証されており、基礎研究で証明されたタンパク質である。パーキンソン病の動物モデルにおいて、パーキンを供給(補充)した場合、神経細胞が再活性化してパーキンソン病の症状が治療されるという報告がある。パーキンが非活性化されているドーパミン作動性神経細胞を活性化することで、パーキンソン病の根本的な治療薬として作用できるという証拠を立証する。パーキンの機能喪失がパーキンソン病の病理学的因子であることが明らかになり、パーキンによるマイトファジーが重要な機転として作用することが示された(J.Cell Biol.2008)。パーキンは、損傷したミトコンドリアを除去し、及び/又はマイトファジーを誘導するE3ユビキチンリガーゼである(Nat Commun、2012)。
C.elegansを用いたパーキンソン病モデルから、パーキン又はPINK1遺伝子を除去した場合、ミトコンドリア機能障害及び運動機能喪失が生じ、パーキン発現PINK1機能阻害のショウジョウバエにおいてPINK1突然変異による欠陥の表現型は、パーキンの補充によって回復すると報告されている(Nature、2006)。また、パーキンソン病患者の脳においてパーキン発現に問題があると報告されている(Nat Med、2005)。なお、パーキンソン病の主要病因は、脳中に存在するα-シヌクレインが、機能異常によって蓄積が起こり、追加的なミトコンドリア複合体I分解、酸化ストレス及びユビキチンプロテアソーム阻害と共にドーパミン作動性神経細胞の漸進的アポトーシスを招くことになる。パーキン突然変異は、E3ユビキチンリガーゼ活性の喪失によって発生するタンパク質の異常蓄積を誘発し、ドーパミン放出阻害とドーパミン作動性神経細胞の劣化を誘発させ、結局、神経細胞死滅を生じる。即ち、パーキンの機能異常は、α-シヌクレインの蓄積を引き起こす。
TSDTプラットフォームを用いて、最適なパーキンソン病の治療標的候補を導出するため、次のような構造的にスクリーニングする過程を経て、iCP-Parkinが開発された。
(1)aMTD321配列を無作為に抽出し、可溶化ドメイン[Myxococcus xanthusのプロテインSに由来するSDA(184A/a)又はRattus norvegicusのシトクロムbに由来するSDB(99A/a)]に融合し、His-aMTD321-Parkin-SDA(HM321PSA)及びHis-aMTD321-Parkin-SDB(HM321PSB)を誘導した。
(2)aMTD321とSDBとの組み合わせの融合を基本骨格構造と決定した。
(3)Optimal aMTD Screening Process:aMTDシーケンスの置換によって、組換えタンパク質の溶解度、収率、細胞透過度、生物学的活性を比較分析し、最適なaMTD(aMTD524)を決定した。10種類のaMTDがパーキンと可溶化ドメインB(SDB)とを結合した基本構造にスクリーニングされた。10種のaMTDのうち、aMTD524が最も優れた溶解度と収率を示した。
また、10個のaMTD融合パーキン組換えタンパク質の細胞透過度を確認した結果、すべてのタンパク質が細胞透過性を有し、aMTD524が4番目に優れている。さらに、神経毒素である6-OHDAによって誘発された細胞毒性環境でaMTD524が最も優れた細胞保護効果があることが確認された。
(4)他のCPP(TAT、PolyR、DPV03)との比較によって、aMTDが融合したパーキンの優秀性を立証した。
(5)His-Tagを除去し、同等性を立証した。
(6)aMTD524-Parkin-SDB(M524PSB)を、iCP-Parkinのリードと決定した。
また他の神経毒素であるMPP+によって誘発された細胞毒性環境でaMTD524が3番目に細胞保護効果があり、6-OHDAによって誘導された細胞毒性環境でアポトーシス細胞を染色できるアネキシンVアッセイでaMTD524が最高の細胞保護効果を有することが示された。これに基づいて、最適化されたリード構造によって、aMTD524/SDB融合ヒトパーキン組換えタンパク質を選別した。この構造は、メカニズム特異的パーキンソン病の標的治療剤であり、改善された細胞透過性のパーキン(iCP-Parkin)と初めて確認された。即ち、iCP-Parkinは、細胞保護効果を有するパーキンタンパク質の機能的ドメインにaMTD524(AVALIVVPALAP(配列番号123))を結合して製造した細胞透過度の高い組換えタンパク質である。
PCT/KR2016/008174
上述のように、先行技術であるiCP-Parkinは、神経保護活性及び抗パーキンソン病効果を示す、大きな潜在力を持っている。しかし、新しい治療剤開発のための医薬品としてiCP-Parkinを生産するためには、生産収率を高め、大量生産が可能である効果的な工程を開発する必要がある。このため、本発明は、先行技術の進歩したシステムであって、1)iCP-Parkinの構造を変形(即ち、iCP-mParkin)させることでタンパク質の安定性を向上させる、2)先行技術の治療活性及び作用方式を維持しながら大規模製造が可能であるタンパク質の適切な精製工程を開発することを含む。
本開示は、iCP(improved Cell-Permeable)―mParkin組換えタンパク質を提供する。
一実施形態において、上記組換えタンパク質は、
i)変形パーキンタンパク質(modified Parkin protein);及び、
ii)aMTD(advanced macromolecule transduction domain);を含み、
上記変形パーキンタンパク質は、配列番号1のアミノ酸配列を有し、
上記aMTDは、配列番号2~241からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する。
一実施形態において、上記組換えタンパク質は、1つ又はその以上の可溶化ドメイン(solubilization domain;SD)等をさらに含む。
一実施形態において、上記組換えタンパク質は、下記構造式のうちのいずれか1つで示され、
A-B、B-A、A-B-C、A-C-B、B-A-C、B-C-A、C-A-B、C-B-A、及びA-C-B-C
上記Aは、aMTDであり、
Bは、変形パーキンタンパク質であり、また、
Cは、可溶化ドメインである。
一実施形態において、上記組換えタンパク質は、配列番号243のアミノ酸を有する。
一実施形態において、上記可溶化ドメイン等は、配列番号242のアミノ酸配列を有する。
一実施形態において、上記組換えタンパク質は、神経変性疾患の治療に使用される。
一実施形態において、上記神経変性疾患は、パーキンソン病、アルツハイマー病、及びハンチントン病を含む。
一実施形態において、上記iCP-mParkin組換えタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列が提供される。
一実施形態において、上記ポリヌクレオチド配列を含む組換え発現ベクターが提供される。
一実施形態において、上記組換え発現ベクターに形質転換された形質転換体が提供される。
一実施形態において、活性成分として、上記iCP-mParkin組換えタンパク質を含む組成物が提供される。
一実施形態において、活性成分として、上記iCP-mParkin組換えタンパク質、及び、薬学的に許容可能な担体を含む神経変性疾患の治療用薬学的組成物が提供される。
これと関連して、上記神経変性疾患は、パーキンソン病、アルツハイマー病、及びハンチントン病を含む。
一実施形態において、神経変性疾患の治療用薬剤としての上記iCP-mParkin組換えタンパク質の使用が提供される。
これと関連して、上記神経変性疾患は、パーキンソン病、アルツハイマー病、及びハンチントン病を含む。
一実施形態において、上記iCP-mParkin組換えタンパク質を含む薬剤が提供される。
一実施形態において、神経変性疾患の治療用薬剤の製造のための上記iCP-mParkin組換えタンパク質の使用が提供される。
これと関連して、上記神経変性疾患は、パーキンソン病、アルツハイマー病、及びハンチントン病を含む。
一実施形態において、神経変性疾患患者の治療方法が提供される。
これと関連して、上記方法は、iCP-mParkin組換えタンパク質の治療的に有効量を患者に投与するステップを含む。
一実施形態において、上記iCP-mParkin組換えタンパク質の製造方法が提供される。
これと関連して、上記方法は、
上記iCP-mParkin組換えタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列を含む組換え発現ベクターを製造するステップ;
上記組換え発現ベクターを使用して形質転換体を製造するステップ;
上記形質転換体を培養するステップ;及び、
上記培養によって発現した組換えタンパク質を収得するステップ;を含む。
一実施形態において、上記組換えタンパク質を収得するステップは、
封入体(Inclusion Body;IB)を洗浄するステップ;
第一次のイオン交換クロマトグラフィーを行うステップ;及び、
第二次のイオン交換クロマトグラフィーを行うステップ;を含む。
一実施形態において、上記洗浄するステップは、pH8の洗浄緩衝液を用いた1段階洗浄を含む。
一実施形態において、上記第一次のイオン交換クロマトグラフィーは、陽イオン交換クロマトグラフィーであり、また、
上記第二次のイオン交換クロマトグラフィーは、陰イオン交換クロマトグラフィーである。
一実施形態において、上記第二次のイオン交換クロマトグラフィーは、
8.0mS/Cmの導電率の条件で洗浄するステップ;及び、
9.0mS/Cmの導電率の条件で溶出するステップ;を含む。
一実施形態において、上記培養するステップは、流加式発酵を含む。
iCP―mParkinは、工程開発及び構造変形によって、従来のiCP-Parkinの様々な限界及び問題点(例えば、低い安定性、単量体収率のばらつき、及び高コストSECの使用)を解決することができるため、既にピアレビューとジャーナル出版物で立証されているiCP-Parkinの強力な治療潜在力を持つ先端的薬物材料として開発することが可能である。iCP-ParkinのUblドメインが削除された変形構造であるiCP-mParkinは、優れた純度、均質性、安定性、及び生物学的活性に基づいて、iCP-Parkinの最終構造と選択された。
図1は、パーキンタンパク質の構造及び疎水性領域を示す。 図2は、iCP-Parkin変異体の構造スクリーニング結果を示す。 図3は、HPLC分析を用いたiCP-Parkin変異体のタンパク質分析結果を示す。 図4は、システインからセリンに変化したiCP-Parkin変異体の構造を示す。 図5は、iCP-Parkin(従来技術)及びiCP-mParkinの構造図を示す。 図6は、より高い均質性と純度を有する組換えタンパク質を精製するための改良プロセス(IP)の開発を例示する。 図7は、IB洗浄によって生成されたタンパク質の不純物が減少されることを示すダイヤグラムである。 図8は、組換えタンパク質の不純物を除去するために変形した溶出方法を示す。 図9は、より高い部分の単量体iCP-mParkinを得るために最適化された溶出方法を使用した1段階IB洗浄及び2段階カラム精製工程の開発を示す。 図10は、2段階のカラム精製工程で不純物を効果的に除去することを説明する図である。 図11は、単量体iCP-mParkinの大規模生産のためのステップ-溶出の統合を示す。 図12は、iCP-mParkinの前臨床及び臨床開発のためのタンパク質製造の最終工程(FP)を示す。 図13は、同一の条件で精製されたiCP-ParkinとiCP-mParkinとのクロマトグラムの比較を示す。 図14は、iCP-mParkinの改善された安定性を示す。 図15は、37℃で48時間及び25℃で4日間におけるiCP-mParkinの安定性を示す。 図16は、濃度によるiCP-mParkinの安定性を示す。 図17は、iCP-mParkinの特性要約を示し、iCP-mParkinは、臨床開発水準で適用可能な構造的安定性を有している。 図18は、流加式発酵の結果を示す。 図19は、細胞質量の収量によるiCP-mParkinのIB収率を比較した図である。 図20は、流加式発酵から生産されたiCP-mParkin細胞質量を用いた精製結果を示す。 図21は、iCP―mParkin発現のための細胞株開発を示す。 図22は、CMOにおける細胞株開発の最終結果セットを示す。 図23は、CMOにおいて最終工程(FP)方法で生産されたiCP-mParkinを示す。 図24は、CMO及びセリバリー(Cellivery)社で生産されたiCP-mParkinの純度を示す。 図25は、CMOで生産されたiCP-mParkinの凍結/解凍及び熱安定性を示す。 図26は、CMO及びセリバリー(Cellivery)社で生産されたiCP-mParkinの優れた生物学的活性に対する立証を示す。 図27は、iCP-mParkinが細胞透過性であることを示す。iCP-Parkin及びiCP-mParkin組換えタンパク質の可視化された細胞透過度を示す。C2C12細胞は、37℃で2時間、aMTDに融合したFITC標識されたタンパク質(10μM)で処理した。(A)タンパク質の細胞透過度は、共焦点レーザー顕微鏡で可視化した。フローサイトメトリーによるiCP-Parkin及びiCP-mParkin組換えタンパク質の細胞透過度の測定を行った。両パーキン組換えタンパク質の細胞透過度は、それぞれC2C12(B)とA549(C)で視覚的に比較した。白色バーは、未処理の細胞(ビヒクル)を示し、黒色バーは、同じモル濃度のFITC(FITCのみ)で処理された細胞を示し、青色バーは、FITC標識されたiCP-Parkinで処理された細胞を示し、赤色バーは、FITC標識されたiCP-mParkinで処理された細胞を示す。細胞透過度は、フローサイトメトリー分析によって測定した。 図28は、iCP-mParkinが損傷した細胞において細胞透過性であることを示す。iCP-Parkin及びiCP-mParkin組換えタンパク質の細胞透過度の測定結果を示す。両パーキン組換えタンパク質の細胞透過度は、6-OHDA処理後、C2C12で互いに視覚的に比較した。2時間のインキュベーション後、細胞を溶解させ、ウェスタンブロットで分析した。 図29は、パーキン組換えタンパク質のオートユビキチン化アッセイの結果を示す。ATPの有無によるiCP-Parkin及びiCP-mParkinのin vitroオートユビキチン化活性の結果を示す。オートユビキチン化は、抗ユビキチン(FK2)を使用して、ウェスタンブロット分析で評価した。 図30は、iCP-Parkin及びiCP-mParkinによる細胞生存率の分析結果を示す。SH-SY5Y細胞を、30μMの6-OHDA及び10μMのiCP-Parkin又はiCP-mParkinで処理した。(A)24時間のインキュベーション後、細胞をATP-Gloアッセイに適用した。両組換えタンパク質による細胞生存率は、ほぼ同一であることが注目される。(B)処理から細胞形態の変化を光学顕微鏡でモニタリングした。 図31は、iCP-mParkinがミトコンドリア損傷状態でマイトファジーを促進することを示す。(A)SH-SY5Y細胞をCCCP及びiCP-Parkin/iCP-mParkinと共に4時間培養した。オートファジーインヒビターとしてクロロキンを処理したCCCP又はCCCP+iCP-mParkin処理SH-SY5Y細胞の溶解物からオートファジーマーカーであるLC3B-IIをウェスタンブロット分析によって検出した。(B)マイトファジーを検出するための共焦点顕微鏡の画像を示す。 図32は、iCP-mParkinがミトコンドリア損傷状態でミトコンドリア生合成を促進し、ROS生成を抑制することを示す。 図33は、iCP-mParkin及びiCP-ParkinのコンペアラブルMoA1に対する立証結果を示す。 図34は、iCP-mParkinがヒ素ナトリウムで誘導された細胞死滅及びα-シヌクレイン凝集の形態を抑制することを示す。ヒ素ナトリウムは、TagGFP2-α-シヌクレインSH-SY5Y細胞に毒性があり、凝集されたα-シヌクレインの蓄積を誘導する(A、B)。ELISA分析は、8時間で、可溶性フラクションにおいて、iCP-mParkinによるオリゴマー化及び繊維化α-シヌクレインのような病理学的α-シヌクレイン形態の相当な減少が示される。 図35は、iCP-mParkin及びiCP-ParkinのコンペアラブルMoA2に対する立証を示す。 図36は、iCP-mParkinがiCP-Parkinと比較して生体内毒性が示されないことを示す。iCP-Parkin及びiCP-mParkin(60mg/kg)を2週間、週3回、静脈注射した。マウスの体重、毛の状態及び行動を分析した。 図37は、iCP-mParkinがiCP-Parkinと比較してin vivo毒性を示さないことを示す。iCP-Parkin及びiCP-mParkin(60mg/kg)を2週間、週3回、静脈注射した。処理されたマウスから、脾臓重量に対する体重の比率を分析した。 図38は、iCP-mParkinがiCP-Parkinと同様に6-OHDA誘導性パーキンソン病動物モデルにおいて行動及び分子欠陥を改善することを示す。6-OHDA誘導性パーキンソン病(PD)マウスモデルにおいて、iCP-Parkinの効能を示す。6-OHDA(4μg/head)を線条体の右側に注入した。ロータロッドテスト(rota-rod test)。相対行動の活動は100%で希釈剤対照群の値を基準とした。 図39は、iCP-mParkinが6-OHDA誘導性パーキンソン病動物モデルにおいて行動及び分子欠陥を改善することを示す。Aは、実験プロトコルの概略図を示す。6-OHDA(4μg/head)を線条体の右側に注入した。iCP-mParkinを右脳のSTに6-OHDAを注入した後、2週間から4週間、週3回、静脈注入した。Bは、ロータロッドテストを示す。相対行動の活動は100%で希釈剤対照群の値を基準とした。 図40は、iCP-mParkinが6-OHDA誘導性パーキンソン病動物モデルにおいて行動及び分子欠陥を改善することを示す。チロシンヒドロキシラーゼ(TH)発現のウェスタンブロット分析及びImageJを用いて定量化された相対TH発現のグラフを示す。L及びRは、それぞれ脳の左側及び右側を示す。 図41は、投与2週間後のアルツハイマー病マウスモデルにおけるiCP-mParkinによる認知機能の改善を示す。Aは、2週間、アルツハイマー病モデルにおいてiCP-mParkinの用量依存的な実験の設計を示す。Bは、iCP-mParkinの投与がアルツハイマー病モデルにおいて用量依存的方式で認知機能を有意に改善することを示す。 図42は、投与4週間後のアルツハイマー病マウスモデルにおけるiCP-mParkinによる認知機能の改善を示す。Aは、4週間、アルツハイマー病モデルにおいてiCP-mParkinの用量依存的な実験の設計を示す。Bは、iCP-mParkinの投与がアルツハイマー病モデルにおいて低用量依存方式で認知機能を有意に改善することを示す。 図43は、アルツハイマー病モデルの脳からiCP-mParkinが病理学的タンパク質を除去することを示す。(A)代表的な免疫組織染色画像は、iCP-mParkinによるアミロイドβ(Aβ)のプラーク除去及び神経保護効果を示す。(B)代表的なドットブロット画像は、可溶性フラクションにおいて、iCP-mParkinによる病理学的Aβのプラーク形態の相当な減少を示す。(C)ドットブロット画像の定量化は、iCP-mParkinによるAβプラークの顕著な減少を示す。 図44は、iCP-mParkinが、Aβ処理されたHT22細胞において、3及び5時間で、反応性酸化ストレス(ROS)蓄積を遮断することを示す。 図45は、iCP-mParkinがLC-MS/MS分析によってアルツハイマー病モデルにおいて高い脳伝達力を持っていることを示す。(A)ADモデルの脳におけるiCP-mParkinの定量的量は、Non-CP-mParkinよりも豊富であった。(B)ADモデルにおいて、iCP-mParkinの最大脳伝達は、2.9%であった。時点:0.5及び1時間。**p<0.01、データは、それぞれスチューデントのt検定を使用した平均±S.E.Mである。
本明細書で使用された全ての技術及び科学用語は、特に定義されない限り、本発明が属する技術分野での専門家が通常理解できるものと同じ意味を持つ。本明細書で言及された全ての刊行物、特許、及びその他の参考文献は、全体が参考として含まれる。
本明細書全体にわたって、特に言及のない限り、「含む」又は「含有」とは、ある構成要素(又は構成成分)を特に制限なく含むことを指し、他の構成要素(又は構成成分)の付加を除くものと解釈されてはならない。
本明細書で使用された用語「アミノ酸」は、広義には、自然に発生するLα-アミノ酸又はその残基(residue)だけでなく、さらにD-アミノ酸及び化学的に変性した(chemically modified)アミノ酸を含む。例えば、上記アミノ酸の模倣体及び類似物を含み、本発明において、上記模倣体及び類似物は、機能的に等価なものを含むことができる。
本明細書で使用された用語「予防」とは、本開示によるiCP-mParkin組換えタンパク質の投与によって神経変性疾患が抑制、又は発病が遅延される全ての行為を意味し、「治療」とは、上記iCP-mParkin組換えタンパク質の投与によって神経変性疾患の症状が好転し、又は有利に変更される全ての行為を意味する。
本明細書で使用された用語「投与」とは、任意の適切な方法で対象体に所定の本開示の薬学的組成物を提供することを意味する。
本明細書で使用された用語「対象体」とは、神経変性疾患を発病した、又は発病する可能性があるヒトを含む全ての動物を意味する。上記動物は、ヒトだけでなく、それと類似した症状の治療を必要とする牛、馬、羊、豚、山羊、駱駝、レイヨウ(antelope)、犬、又は猫を含むことができるが、これに限定されない。
I.iCP(improved Cell-Permeable)-mParkin組換えタンパク質
1.変形パーキン(modified parkin)
本開示の一実施形態において、変形パーキンを含むiCP-mParkin組換えタンパク質を提供する。上記変形パーキンは、先行技術のiCP-Parkinと比較してタンパク質の安定性が増加する効果を奏することができる。
上記変形パーキンは、パーキンタンパク質から一部のドメインが除去された形態であり得る。一実施例において、パーキンタンパク質のUbl、RING0、RING1、IBR、及びRING2からなる群から選択された1つ以上のドメインが除去された形態であり得る。具体的な実施例において、上記変形パーキンは、Ublドメインが除去された形態であり得る。より具体的な実施例において、上記変形パーキンは、
QEMNATGGDDPRNAAGGCEREPQSLTRVDLSSSVLPGDSVGLAVILHTDSRKDSPPAGSPAGRSIYNSFYVYCKGPCQRVQPGKLRVQCSTCRQATLTLTQGPSCWDDVLIPNRMSGECQSPHCPGTSAEFFFKCGAHPTSDKETSVALHLIATNSRNITCITCTDVRSPVLVFQCNSRHVICLDCFHLYCVTRLNDRQFVHDPQLGYSLPCVAGCPNSLIKELHHFRILGEEQYNRYQQYGAEECVLQMGGVLCPRPGCGAGLLPEPDQRKVTCEGGNGLGCGFAFCRECKEAYHEGECSAVFEASGTTTQAYRVDERAAEQARWEAASKETIKKTTKPCPRCHVPVEKNGGCMHMKCPQPQCRLEWCWNCGCEWNRVCMGDHWFDV(SEQ ID No :1)
のアミノ酸配列を有することができる。但し、上記変形パーキンは、上記配列番号1のアミノ酸配列を有するものに限定されず、上記配列と同一又は類似した効果を示す全ての変性体を含むことができる。
2.生物学的活性分子を細胞の原形質膜内に伝達することを容易にするドメイン
本開示の一実施形態において、生物学的活性分子を細胞の原形質膜内に伝達することを容易にするドメインを含むiCP-mParkin組換えタンパク質を提供する。上記生物学的活性分子を細胞の原形質膜内に伝達することを容易にするドメインは、一実施例において、aMTDドメインを含むが、これに制限されず、細胞透過性を有する陽イオン、キメリック、疎水性CPP(細胞透過性ペプチド)を含むことができる。
ここで、上記生物学的活性分子は、タンパク質、ペプチド、核酸、化合物などを含む。本開示において、aMTDドメインとは、上記SOCS3タンパク質のSH2ドメインを原形質膜内に伝達することを容易にするペプチドを意味することができる。なお、上記aMTDドメインに関しては、韓国登録特許10-1971021に記載の全文が参考として組み込まれる。
一実施形態において、上記aMTDドメインは、配列番号2~241からなる群から選択されるアミノ酸配列を有することができる。具体的な一実施例において、上記aMTDドメインは、配列番号123のアミノ酸配列を有することができる。
1.可溶化ドメイン
本開示の一例から得られるiCP-mParkin組換えタンパク質は、変形パーキン及びaMTDドメインの他に、さらに1つ以上の可溶化ドメインを含むことができる。一実施形態において、上記iCP-mParkin組換えタンパク質は、変形パーキン、aMTDドメイン、及び可溶化ドメインを含むことができる。
本開示の一例において、可溶化ドメインを含むiCP-mParkin組換えタンパク質は、生体内で可溶性が増加した効果を有することができる。上記可溶化ドメインは、一実施形態において、生物学的活性分子の溶解度を増加させる役割をするペプチドを含む。上記可溶化ドメインは、具体的な実施例において、
MAEQSDKDVKYYTLEEIQKHKDSKSTWLILHHKVYDLTKFLEEHPGGEEVLGEQAGGDATENFEDVGHSTDARELSKTYIIGELHPDDRSKIAKPSETL(SEQ ID No : 242)
のアミノ酸配列を有することができる。但し、これに制限されず、生物学的活性分子の可溶性を高めるものとして公知の物質のいずれも含むことができる。
II.iCP(improved Cell-Permeable)-mParkin組換えタンパク質の具体的な例示
本開示の一実施形態から得られるiCP-mParkin組換えタンパク質は、A-B、B-A、A-B-C、A-C-B、B-A-C、B-C-A、C-A-B、C-B-A、及びA-C-B―Cからなる群から選択される構造式で表現され得る。このとき、上記Aは、aMTDドメインであり、Bは、変形パーキンであり、Cは、可溶化ドメインである。
本開示の一例から得られるiCP-mParkin組換えタンパク質は、具体的な一実施例において、次のようなアミノ酸配列を有することができる。但し、これに制限されず、上記I.iCP(improved Cell-Permeable)-mParkin組換えタンパク質に記載の内容を組み合わせて製造できるアミノ酸配列を有するiCP-mParkin組換えタンパク質のいずれも含むことができる(表2に具体的なiCP-mParkin組換えタンパク質を例示)。
また、本開示の一例では、iCP-mParkin組換えタンパク質を、アミノ酸配列の形態だけでなく、これをエンコードするポリヌクレオチドの形態、上記ポリヌクレオチドを含む組換え発現ベクター、又は上記組換え発現ベクターに形質転換された形質転換体の形態で提供することができる。
III.iCP(improved Cell-Permeable)-mParkin組換えタンパク質の使用
1.薬学的組成物
本開示の一実施形態は、iCP-mParkin組換えタンパク質を含む組成物を提供する。本開示の他の一例は、iCP-mParkin組換えタンパク質を有効成分として含む組成物を提供する。一実施形態において、上記組成物は、疾患又は予防用薬学的組成物であり得る。
本開示の一実施形態から得られる薬学組成物は、担体をさらに含むことができ、本開示の上記薬学組成物に含まれる薬学的に許容される担体としては、製剤時に通常使用されるものであって、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアゴム、リン酸カルシウム、アルギネート、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微細結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ、メチルセルロース、メチルヒドロキシベンゾエート、プロピルヒドロキシベンゾエート、滑石、ステアリン酸、マグネシウム、及びミネラルオイルなどが挙げられるが、これらに限定されない。本開示の上記薬学組成物は、上記成分の他に、潤滑剤、湿潤剤、甘味剤、香味剤、乳化剤、懸濁剤、保存剤などをさらに含むことができる。好適な薬学的に許容される担体及び製剤は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(19th ed., 1995)に詳細に記載されている。
本開示の一例に係る上記薬学組成物を製剤化する場合、当該分野で通常使用される、充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤などの希釈剤又は賦形剤を一つ以上混合して製造することができる。
一実施形態において、経口投与のための固形製剤として、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、トローチ剤などが挙げられ、このような固形製剤は、一つ以上の本開示で示される化合物に、少なくとも一つ以上の賦形剤、例えば、デンプン、炭酸カルシウム、スクロース(sucrose)又はラクトース(lactose)又はゼラチンなどを混ぜて調製される。また、単純な賦形剤の他に、マグネシウムスチレートタルクのような潤滑剤も使用される。他の一実施例において、経口投与のための液状製剤として、懸濁剤、内用液剤、乳剤又はシロップ剤などが挙げられるが、よく使用される単純な希釈剤である、水、リキッドパラフィンの他に、種々の賦形剤、例えば、湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などを含むことができる。非経口投与のための製剤として、滅菌された水溶液、非水性溶剤、懸濁溶剤、乳剤、凍結乾燥剤、坐剤などを含むことができる。非水性溶剤、懸濁溶剤としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブオイルのような植物性油、エチルオレートのような注射可能なエステルなどを使用することができる。坐剤の基剤としては、ウィテップゾール(witepsol)、マクロゴール、ツイーン(tween)61、カカオ脂、ラウリン脂、グリセロール、ゼラチンなどを使用することができる。
上記iCP-mParkin組換えタンパク質は、細胞透過性を有し、神経毒素から神経細胞を保護する役割を果たすことができる。より具体的には、上記iCP-mParkin組換えタンパク質は、損傷したミトコンドリアの条件でマイトファジーを促進する役割を果たすことができる。また、病理学的α-シヌクレインの蓄積を抑制する役割を果たす。即ち、上記iCP-mParkin組換えタンパク質は、上記のような機転によって神経細胞を保護する役割を行うことができる。
これにより、上記iCP-mParkin組換えタンパク質は、神経細胞の損傷に関連した病気の予防、治療、改善のための薬学的組成物に含まれるか、薬物としての使用、又は薬物の製造に使用され得る。神経細胞の損傷と関連した疾病には、一実施形態において、神経変性疾患が含まれる。このとき、神経変性疾患は、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic lateral sclerosis;ALS)、及び運動ニューロン疾患を含むが、これに制限されず、神経細胞の損傷に関連した疾患として知られた公知の疾患のいずれも含まれる。
2.治療方法
本開示の一実施形態において、iCP-mParkin組換えタンパク質は、病気の治療に使用され得る。より具体的に、本開示の一実施形態において、iCP-mParkin組換えタンパク質を含む薬学的組成物を、これを必要とする個体に投与することを含む疾患の治療方法が提供される。このとき、上記個体は、ヒトを含む哺乳動物を意味することができる。
本開示の一実施形態から得られる組成物は、目的とする方法によって、経口投与或いは非経口投与(例えば、静脈内、皮下、腹腔内、又は局所に適用)することができ、投与量は、患者の病状及び体重、疾病の程度、薬物の形態、投与の経路及び時間によって異なるが、当業者によって適宜選択され得る。
上記組成物は、治療学的に有効な量で投与される。上記「治療学的に有効な量」とは、医学的治療に適用できる合理的な恵沢/危険の比率で疾患を治療するのに十分な量を意味し、有効容量の水準は、疾患の種類、重症度、薬物の活性、薬物に対する敏感度、投与時間、投与経路及び排出比率、治療期間、同時に使用される薬物などのような要素、並びにその他の医学分野によく知られている要素によって決定され得る。本発明の一例に係る組成物は、単独治療剤として投与、又は他の治療剤と併用して投与でき、従来の治療剤と順次又は同時に投与でき、単独で又は多重投与できる。上述の要素を全て考慮して副作用なしに最小の量で最大の効果が得られる量を投与することが重要であり、これは、当業者によって容易に決定され得る。
具体的には、本開示の一例に係る化合物の有効量は、患者の年齢、性別、体重によって異なり、一般的には、体重1kg当たり0.1~100mg、好ましくは、0.5~10mgを、毎日又は隔日投与するか、1日1~3回に分けて投与することができる。しかし、投与経路、肥満度、性別、体重、年齢などによって増減することができるので、上記投与量によって本開示の範囲が限定されることはない。
このとき、上記疾患の治療方法において、疾患は、2.薬学的組成物に記載された疾患に関する内容をすべて含む。即ち、本発明の一例において、iCP-mParkin組換えタンパク質を含む薬学的組成物を、これを必要とする個体に投与することを含む、神経変性疾患の治療方法が提供される。また、本発明のiCP-mParkin組換えタンパク質を含む薬学的組成物を、これを必要とする個体に投与することを含む、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)及び運動ニューロン疾患を含む神経細胞の損傷に関連した疾病の治療方法が提供される。
IV.iCP(improved Cell-Permeable)-mParkin組換えタンパク質の製造方法
本開示の一実施形態は、iCP-mParkin組換えタンパク質の製造方法を提供する。上記方法は、後述するステップを含むことができる。
1.iCP-mParkin組換えタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列を含む組換え発現ベクターを製造するステップ
上記製造方法は、iCP-mParkin組換えタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列を含む組換え発現ベクターを製造するステップを含むことができる。このとき、iCP-mParkin組換えタンパク質に関しては、I.iCP(improved Cell-Permeable)-mParkin組換えタンパク質に記載の内容が全て含まれる。
本発明の「組換え発現ベクター」とは、組換えペプチド又はタンパク質を発現させるためのベクターを意味することができる。また、本開示のベクターは、原核細胞又は真核細胞を宿主細胞にして製造することができる。本開示の組換え発現ベクターとしては、例えば、バクテリオファージベクター、コスミドベクター、YAC(酵母人工染色体)ベクター、プラスミドベクターなどが挙げられる。本開示に使用されるベクターは、当業界で公知の種々の方法によって製造することができる。
2.組換え発現ベクターを用いて形質転換体を製造するステップ
上記製造方法は、組換え発現ベクターを用いて形質転換体を製造するステップを含むことができる。このとき、上記組換え発現ベクターに形質転換させる宿主細胞は、組換えタンパク質を生産する宿主細胞として公知のものであれば、特に制限されずに使用できる。宿主細胞としては、バクテリア、酵母、カビなどが挙げられるが、これに制限されない。一実施形態において、E.coli菌株が使用され得る。具体的な実施例において、E.coli BL21スター(DE3)、NEB express菌株が使用され得る。より具体的な実施例において、E.coli NEB express菌株が使用され得る。E.coli NEB express菌株の場合、より高いIB(封入体)収率が得られる。但し、これに制限されず、アグロバクテリウムA4のようなアグロバクテリウム属菌株、バチルス・サブティリス (Bacillus subtilis)のようなバチルス属(bacillus sp.)、シュードモナス属(Pseudomonas sp.)、ラクトバチルス属(lactobacillus sp.)菌株を宿主細胞として使用することができ、本開示は、上述した例示に制限されない。
3.形質転換体を培養するステップ
上記製造方法は、形質転換体を培養するステップを含むことができる。このとき、上記培養は、一実施形態において、回分式発酵(batch fermentation)又は流加式発酵(fed-batch fermentation)を含むことができる。具体的な一実施例において、上記培養は、流加式発酵を含むことができ、この場合、回分式発酵と比較して、組換えタンパク質の収率が増加する効果が得られる。
4.上記培養によって発現された組換えタンパク質を収得するステップ
上記製造方法は、上記培養によって発現された組換えタンパク質を収得するステップを含むことができる。このとき、上記組換えタンパク質を収得するステップは、後述のステップを含むことができる。
1)封入体を洗浄するステップ
上記収得するステップは、封入体を洗浄するステップを含むことができる。この時、上記洗浄するステップは、1回以上の洗浄を含むことができる。一実施形態において、2回以上の洗浄を含むことができる。但し、タンパク質の消失を考慮して、1回の洗浄に、洗浄するステップを簡素化することができる。具体的な一実施例において、上記洗浄するステップは、5M urea及び50mM Trisを含む洗浄バッファー(pH8)を用いたワンステップ洗浄を含むことができる。但し、これに制限されない。
2)イオン交換クロマトグラフィーを行うステップ
上記収得するステップは、イオン交換クロマトグラフィーを行うステップを含むことができる。このとき、一実施形態において、上記イオン交換クロマトグラフィーは、2回遂行され得る。より具体的な一実施例において、2回のイオン交換クロマトグラフィーにおいて、第一次のイオン交換クロマトグラフィーは、陽イオン交換クロマトグラフィーであり、第二次のイオン交換クロマトグラフィーは、陰イオン交換クロマトグラフィーであり得る。上記収得するステップにおいて、2回のイオン交換クロマトグラフィーが行われる場合は、iCP-mParkin組換えタンパク質の製造方法は、サイズ排除クロマトグラフィー(Size Exclusion Chromatography;SEC)を行わないこともできる。
上記第二次のイオン交換クロマトグラフィーを行うステップは、一実施形態において、ステップ溶出(step-elution)を含むことができる。上記ステップ溶出は、8.0mS/Cmの導電率の条件で洗浄するステップ、及び、9.0mS/Cmの導電率の条件で溶出するステップを含む。上記ステップ溶出によって、単量体iCP-mParkinが高い割合で収得される。
3)追加的なステップ
上記収得するステップは、上記封入体を洗浄するステップ及び上記イオン交換クロマトグラフィーを行うステップの他に、追加的なステップをさらに含むことができる。一実施例において、変性(denaturation)ステップ、リフォールディング(refolding)ステップ、及び溶解(dissolving)ステップを含むことができる。具体的な一実施例において、上記収得するステップは、封入体を洗浄するステップ、変性ステップ、第一次のイオン交換クロマトグラフィーを行うステップ、第二次のイオン交換クロマトグラフィーを行うステップ、リフォールディングステップ、及び溶解ステップをこの順で含むことができる。但し、これに制限されず、組換えタンパク質の効率的な収得のために、各ステップを変形して行うことができる。
iCP-mParkin組換えタンパクの効率的な収得のための好適な製造方法が図12に示されている。
以下、実施例を挙げて本開示について詳述する。なお、実施例は、本発明をより具体的に説明するためのものであり、本発明の範囲がこれらの実施例によって限定されないことは、本発明の属する技術分野で通常の知識を者であれば、容易に理解できるだろう。
1.改善された細胞透過性を有する変形パーキン(iCP-mParkin)の開発及び技術的意味
(1)均質性及び安定性の向上のためのiCP-mParkinの構造的変形及びスクリーニングの開発
パーキンタンパク質は、N末端ユビキチン様(N-terminal ubiquitin-like:Ubl)、RING(really interesting new gene)0、1、2、IBR(in between ring)、及びリプレッサー要素(repressor element:REP)ドメインを含む種々のドメインから構成される。RINGドメインは、パーキン構造の形成に重要な亜鉛結合部位を含む。RING1ドメインは、E2-Ub結合部位であり、RING2ドメインは、E3ユビキチンリガーゼ(E3 ubiquitin ligase)で主要な活性部位であり、パーキンドメインの酵素活性に対する臨界点を含む(図1)。なお、疎水性高密度領域は、疎水性相互作用によってパーキンタンパク質の凝集及び不安定性を誘発することがある(図1)。このような構造活性相関(Structure-Activity-Relationship:SAR)及び疎水性密度などの理論的根拠に基づいて、より安定したパーキンの構造を生成するため、変形されたiCP-Parkinタンパク質の種々の構造を発現するクローンを開発し、当該タンパク質の誘導及び精製を調査した(図2)。
ほとんどのiCP-Parkin変異体は、リフォールディングステップで凝集され、分析不可となり(図2)、一部の変異体(No.13-15)は、HPLC分析で精製した後、分析を行ったが、異質なものであった(図3)。
既存のパーキン配列に存在するシステイン残基(Cysteine residues)は、分子内及び分子間の二硫化結合の形成を防止するため、セリン(serine)に変更して構造的安定性を増加させた(図4)。
合計25個の変形構造が設計及びスクリーニングされ、1個の構造のみが、優れた安定性を示した。残りの24個は、深刻な凝集を示し、カラム精製作業の前に精製過程を中断しなければならなかった。既存のパーキンからUblドメインが削除された構造[aMTD524-Parkin(ΔUBL)-SDB]は、凝集を示さなかった(図5)。このような変形された構造を、改善された細胞透過性を有する変形パーキン(iCP-mParkin)と命名し、次の実験に供した。要するに、変異体欠失のUBlドメインのみが進歩したiCP-Parkinに非常に安定的に精製できたが、これは、PD細胞及び動物モデルを使用した既存の研究において治療可能性が既に立証されている。
iCP-mParkinの配列は次の通りである。
MAVALIVVPALAPQEMNATGGDDPRNAAGGCEREPQSLTRVDLSSSVLPGDSVGLAVILHTDSRKDSPPAGSPAGRSIYNSFYVYCKGPCQRVQPGKLRVQCSTCRQATLTLTQGPSCWDDVLIPNRMSGECQSPHCPGTSAEFFFKCGAHPTSDKETSVALHLIATNSRNITCITCTDVRSPVLVFQCNSRHVICLDCFHLYCVTRLNDRQFVHDPQLGYSLPCVAGCPNSLIKELHHFRILGEEQYNRYQQYGAEECVLQMGGVLCPRPGCGAGLLPEPDQRKVTCEGGNGLGCGFAFCRECKEAYHEGECSAVFEASGTTTQAYRVDERAAEQARWEAASKETIKKTTKPCPRCHVPVEKNGGCMHMKCPQPQCRLEWCWNCGCEWNRVCMGDHWFDVMAEQSDKDVKYYTLEEIQKHKDSKSTWLILHHKVYDLTKFLEEHPGGEEVLGEQAGGDATENFEDVGHSTDARELSKTYIIGELHPDDRSKIAKPSETL(SEQ ID No:243)
(2)大量生産のための精製ステップの最適化
この問題を解決するため、E.coliシステムにおいて、変性及びリフォールディング中、物理化学的条件を変化させることで再最適化した後、改良プロセス(IP)を開発した。これによって、高純度の単量体組換えタンパク質の製造が可能となった(図6)。
工程条件のスクリーニングは、封入体(IB)洗浄、カラムスクリーニング、及び溶離法スクリーニングを含む広範囲にわたる手順に重点を置いた。pH条件及び緩衝剤は、変性及びリフォールディング過程のために変更された。HIC精製後にリフォールディングが行われるという以前の工程とは異なり、HICは、AIEXに代替され、リフォールディング工程後に行われた。リフォールディングのタンパク質濃度は、0.1mg/mlに補正された。AIEXに続いてSEC精製が追加された。変性前に追加して行われたIB洗浄は、組換えタンパク質の純度を増加させることができた(図7)。IB洗浄過程は、1)より低いpHバッファーで1次洗浄、2)より低い尿素濃度及びより高いpHバッファーで2次洗浄、の2段階で構成される。この過程を経て不純物を減らすことができた(図8)。
大規模生産の以前には、改良プロセス(IP)において追加的な工程開発が要求された。改良プロセス(IP)において、AIEXとSECとの2段階のカラム精製は、CIEXとAIEXに代替され、大容量のより多くの作業量を考慮して、溶出工程を単純化するためにグラジエント溶出(gradient elution)をステップ溶出(step-elution)に代替した。2段階のIB洗浄は、pH8の洗浄緩衝液を使用した1段階の洗浄工程に単純化され、不純物を効果的に除去しながら標的タンパク質の消失を減らした(図9及び10)。単量体iCP-mParkinは、次のように種々の溶出方法で精製された(CIEXで低pHから高pHまで直接溶出、及びAIEXで高pHから低pHへのグラジエント溶出(図9及び10)。
また、溶出方法の追加的な変形として、グラジエント溶出方式が、ステップ溶出に代替された。具体的には、2次LCの溶出ステップの前に、8.0mS/Cmの導電率の条件を用いて洗浄ステップを追加し、不純物の洗浄を行った。9.0mS/Cmの導電率の条件を標的溶出に適用し、単量体iCP-mParkinの収率をさらに高めた(図11)。
従って、このような大規模生産に適した変形工程を最終工程(Final Process;FP)として開発した。上述した最適化に基づいて開発されたFPを用いて、SCEカラム精製をすることなく90%(~92%)以上の均質性/純度を有するiCP―mParkinを製造することができた(図12)。
これに対し、iCP―mParkinは、はるかに高い単量体部分を示した(図13)。
37℃でiCP―mParkinの改善された構造的安定性を確認するため、円形動的(Circular Dynamic:CD)分析を行った。iCP-Parkin(~600秒)に比べて、iCP―mParkinは、熱的安定性を示し、1,000秒間の測定中に、構造が維持されていることが確認された(図14A)。これは、37℃でのiCP―mParkinの安定性より67%増加した数値である。1,000秒以降での安定性は測定されていないため、より高い安定性が得られると考えられ、今後アップデートされる予定である。iCP―mParkinのTmは、iCP-Parkinより6℃高く測定された(図14B)。iCP―mParkinの優れた安定性をさらに立証するために拡張された実験を行った。
iCP-mParkinは、iCP-Parkinに比べて、37℃でより安定していることが示された(図15)。iCP―mParkinは、37℃24時間後、単量体部分の損失の5%未満を示す反面、iCP-Parkinは、15%以上の損失を示した。これは、臨床的効果が示されるまで体内で安定的に維持されなければならないという治療剤の必要性を考慮して、iCP―mParkinが臨床治療剤としてより適していることを示唆する。
FPを用いて精製する際において、iCP―mParkinは、HPLC分析で92%の均質性/純度を示した。また、両構造は、25℃の室温での保管時に、安定性の面で大きな差が見られた。4日間保管後、iCP―mParkinは、たった2%の単量体純度損失を示した(図15)。従って、iCP―mParkinが37℃及び25℃で単量体を維持する能力を測定するため、HPLC分析を行った。37℃で8時間凝集が生じていないことを確認し、その結果、体温で8時間安定していると判断され、また常温(25℃)では、iCP―mParkinが4日間安定しているため、タンパク質治療剤として使用可能であるものと判断される。
より高いタンパク質濃度(10ug/ul)で安定性の評価を行った時、多量体部分がより多く増加したiCP-Parkinと比較して、iCP―mParkinは、20ug/ulでも安定的に維持された(図16)。これは、収率の急な低下時(iCP-Parkinの濃縮時(10ug/ul以上)に比べて優れた安定性を示している。
結論的に、工程開発及び構造変形によって、iCP-mParkinは、以前に発明されたiCP-Parkinが持っていた種々の限界及び問題(例えば、低い安定性、単量体収率のばらつき、及び高コストSCEの使用)を解決することができる。これは、ピアレビューとジャーナル出版物で既に立証されたiCP-Parkinの強力な治療潜在力を活用した先端的薬物材料の開発につながる。FPで生産した場合における優れた純度、均質性、安定性及び生物学的活性に基づいて、Ublドメインが削除されたiCP-Parkinの変形された構造であるiCP-mParkinが、以下のようにiCP-Parkinの最終構造と選択された(図17):
-構造の最適化:UBLの欠失(熱安定性31℃→37℃)
-工程の最適化(その1):変性/リフォールディングの条件を修正して向上した均質性(単量体収率、81%→92%)、
-工程の最適化(その2):IB洗浄/溶出の条件を再最適化して除去された不純物、
-工程の最適化(その3):サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)カラムに交替、
-工程の最適化(その4):大量生産のための流加式発酵によって全般的に20倍増加したタンパク質収率。
(3)細胞量増加のための流加式発酵(fed-batch fermentation)
新たに開発されたiCP-mParkinは、構造が安定的でかつ治療が機能的であったが、タンパク質収率が十分でなかった。タンパク質の最終収率を高めるため、回分式発酵の代わりに、流加式発酵を用いた。回分式発酵とは異なり、流加式発酵は、栄養素を継続的に供給して細胞質量とタンパク質の収率を最大化することで、後続の精製作業に使用される細胞の収量が約10倍も増加した(図18)。
流加式発酵は、セリバリー(Cellivery)社での既存の発酵工程に比べて約20倍収率を増加させた。この収率と工程は、cGMP認証のCMOに技術移転するに足りるものとみなされた(図19)。また、E.coli培養方法として流加式発酵を最適化することで、薬物開発のためのGMP級のCMOにおいて高収率でiCP-mParkinを生産した。この方法で細胞質量が20倍増加した。新しい流加式発酵及び既存のバッチ発酵のiCP-mParkin品は、同一である(図20)。
(4)大規模生産のためのCMOでのiCP-mParkinの生産
セリバリー社で開発されたFPは、グローバルcGMP級のCDMOに技術移転された。CMOにおいてiCP-mParkinを生産するため、E.coli細胞株の開発が完了した(図21及び22)。10種の宿主菌株と5種のプラスミドを組み合わせて製造したE.coli細胞株(16種類)をクローニング及び形質転換してスクリーニングした。ハイスループットスクリーニングによって、培養条件だけでなく、ベクター、誘導物質(例えば、IPTG、ラムノース)、添加剤(例えば、プロリン/グルコース)による発現量及び純度を比較して、最適の条件及び細胞株を選定した。その結果、NEB expressが最も高いiCP-Parkin生産性(純度及び発現収率)を示した(図21)。
NEB発現染色システムにおいて、IB収率の高密度の可能性については、7.4g/Lと予想され、これは、全体規模の流加式発酵によるBL21スター(DE3)染色より遥かに高い(図22)。
この細胞株を用いてiCP-mParkinを15L規模に生産した。タンパク質の品質の場所による変化を確認するためのCMOの細胞塊(NEB express)及びFP工程を用いたiCP-mParkinの企業内での生産では、CMOにおいて生産されたものと類似した純度と均質性を示した(図23及び24)。
精製後、タンパク質特性(例えば、純度、均質性及び安定性)及び活性については、SDS-PAGE、HPLCで調査した。安定性については、セリバリー社内及びCMOにおいて生産されたiCP-mParkinの反復凍結/解凍及び熱的安定性を調査した(図25)。その結果、iCP-mParkinは、物理的ストレスに対する構造的完全性及び安定性を維持し、これは、FPが、CMOで生産したiCP-mParkinが臨床薬剤開発のための大規模製造が可能であることを示している。また、CMOで生産されたiCP-mParkinは、セリバリー社で生産されたiCP-mParkinと類似した優れた生物学的活性を示す(図26)。
2.発明の効果
2-1.パーキンソン病(PD)モデルにおけるiCP-mParkinの効能
(1)パーキン組換えタンパク質の細胞透過性
従来、iCP-Parkinは、細胞透過性を有することが立証されている。iCP-mParkinは、構造的変形及び改善された精製の過程を経て生成されているため、新しいパーキン組換えタンパク質の細胞透過性を、既存のパーキン組換えタンパク質と比較して調査した。パーキン組換えタンパク質の細胞透過性は、タンパク質処理2時間後、C2C12細胞で評価された。FITC標識されたaMTD含有パーキン組換えタンパク質、iCP-Parkin及びiCP-mParkinは、類似した細胞透過性を示したが、このため、タンパク質細胞内局在化を観察するため、蛍光共焦点レーザー走査型顕微鏡を使用した(図27A)。次に、細胞透過性を定量化するため、FITCと1時間のインキュベーションを行った後、C2C12細胞及びA549細胞でフローサイトメトリー分析を行った。iCP-mParkinの細胞透過性は、iCP-Parkinよりやや優れている(図27B及び27C)。このような結果は、iCP-mParkinが短時間で首尾よく細胞に浸透することができ、iCP-Parkinに比べて向上した細胞透過性を有することを示している。
損傷した状態で細胞透過性を調査するためにパーキンソン病を模倣した6-OHDAを細胞に処理した後、iCP-ParkinとiCP-mParkinとを共に2時間インキュベーションした。ICP-Parkin及びICP-mParkinの細胞透過性をウェスタンブロットで分析した。iCP-Parkin及びiCP-mParkinのいずれでも、正常及び損傷した状態で細胞に浸透することができた(図28)。この結果は、iCP-mParkinがiCP-Parkinと同様な細胞透過性を有することを示している。
パーキン組換えタンパク質の伝達。 細胞透過性の視覚化のために、パーキン組換えタンパク質をメーカ(Sigma-Aldrich社、St.Louis、MO、USA)の指針に従ってFITC(フルオレセインイソチオシアネート)に接合した。C2C12細胞を24ウェルチャンバースライドのカバースリップで24時間培養し、10μMのビヒクル(培養培地、DMEM)、FITC単独、FITC接合組換えタンパク質を、2時間、37℃で処理した後、冷たいPBSで3回洗浄した。処理された細胞を、室温で10分間、4%パラホルムアルデヒド(PFA、Junsei、Tokyo、Japan)に固定し、PBSで3回洗浄し、核染色のため、DAPI(4’,6-ジアミジノ-2-フェニルインドール)と共にマウンティングメディウム(封入剤、Vector laboratories社、Burligname、CA、USA)に封入した。蛍光信号の細胞内位置は、共焦点レーザー走査型顕微鏡で確認した。
細胞透過性を定量的に評価するため、C2C12細胞を、37℃で1時間、10μMのFITC標識された組換えタンパク質で処理し、冷たいPBSで3回洗浄し、37℃で10分間、プロテイナーゼK(5μg/ml)で処理して、細胞表面結合タンパク質を除去した。このような組換えタンパク質の細胞透過性は、FlowJo分析ソフトを用いてフローサイトメトリー(FACS Calibur;BD、Franklin Lakes、NJ、USA)によって分析された。
細胞透過性のウェスタンブロット分析のため、C2C12細胞を、6-OHDA(30μM)、iCP-Parkin(10μM)及びiCP-mParkin(10μM)で2時間処理した。インキュベーション後、細胞を溶解させ、ウェスタンブロットで分析した。
(2)パーキン組換えタンパク質の生物学的活性
iCP-mParkinは、ATP GloアッセイでE3ユビキチンリガーゼと同等の自己ユビキチン化活性及び細胞保護活性を示した(図29及び30)。また、iCP-mParkinは、同等な二重作用モードを示した(図31~35):1)マイトファジー及びミトコンドリア生合成によるミトコンドリアの回復、2)病理学的α-シヌクレイン蓄積減少。
酵素活性を調べるため、iCP-Parkin及びiCP-mParkinにおいて自己ユビキチン化が評価された。iCP-mParkinのE3ユビキチンリガーゼとしての生化学的活性を分析するため、試験管で自己ユビキチン化分析を行った。iCP-Parkinは、ユビキチン(FK2)に対する抗体として立証されたように、試験管内で自動ユビキチン化された(図29)。iCP-Parkinの結果と一致するように、iCP-mParkinは、ATPの存在有無に無関係に自動ユビキチン化できた。このような結果は、iCP-mParkinがUBLドメインを含んでいなくても、iCP-mParkinは、活性型E3リガーゼである反面、CI-iCP-Parkinは、E3リガーゼのユビキチン活性なしに触媒的に非活性であることを意味する。
以前に我々は、iCP-Parkinが用量依存的に神経毒素[1-メチル-4-フェニルピリジニウム(MPP+)と6-ヒドロキシドーパミン(6-OHDA)]から神経細胞を保護できると発表した。iCP-mParkinの細胞保護効果は、SH-SY5Y細胞で6-OHDAを使用して確認された(図30)。その結果は、iCP-mParkinが細胞毒性から有意に保護されたことを意味する。
E3ユビキチンリガーゼとしてのiCP-Parkinの自動ユビキチン化活性。iCP-Parkin及びiCP-mParkinにおいて自動ユビキチン化を評価し、酵素活性を確認した。E3ユビキチンリガーゼとしてのiCP-Parkin及びiCP-mParkinの生化学的活性を分析するため、メーカの指示に従って自動ユビキチン化分析(Boston Biochem)を用いて試験管内パーキンE3リガーゼ活性を測定した。要するに、精製されたパーキンタンパク質1μgを、0.1μM E1、1μM E2、50μM ユビキチン、及び10μM Mg-ATPと、37℃で1時間反応させた後、抗ユビキチン抗体(1:1,000、エンゾライフサイエンス社)を用いてウェスタンブロット分析を行った。
iCP-mParkinの細胞保護効果。iCP-Parkinの細胞保護効果は、神経毒素である6-ヒドロキシドーパミン(6-OHDA)を用いて確認した。ヒト脳腫瘍(SH-SY5Y)細胞(韓国細胞株銀行)を培養及び塗抹し、70%コンフルエンスでSH-SY5Y細胞を、37℃で24時間、30μMの6-OHDA及び10μMのパーキン組換えタンパク質で前処理した。その後、セルタイターGloアッセイ(CellTiter-Glo 2.0 Assay、プロメガ社)で細胞保護分析が評価された。セルタイターGloアッセイは、ATPの存在量を定量化して培養中の生存細胞の数を決定する均質な方法であり、代謝的活性型細胞の存在を示す。細胞生存力は、セルタイターGlo細胞生存力分析によって評価され、発光プレートリーダー(luminescence plate reader、Synergy H1、Biotek Instruments社)を用いて定量化された。
(3)作用方式(MoA1&2):iCP-mParkinは、損傷ミトコンドリア(1)及び病的α-シヌクレイン(2)の蓄積からニューロンを保護する。
パーキンは、損傷したミトコンドリアを除去するオートファジー過程の一つであるマイトファジーに関与する。CCCPのような化学物質の処理で誘導されたミトコンドリアの損傷は、PINK1の蓄積、及びその後ミトコンドリアに対するパーキン活性化による一連のマイトファジー過程を引き起こす。従って、我々は、iCP-mParkin処理が、損傷したミトコンドリアの条件で、マイトファジーを加速化できると仮定した。この研究において、マイトファジー流動の促進は、ミトコンドリアがリソソームへの増加した局在化や毒素処理条件で増加したマイトファジーと相関関係があった。マイトファジー流動は、オートファゴソーム膜に位置するオートファジーマーカーであるLC3B-IIの水準を測定して分析した。
CCCP処理は、LC3B-II/LC3B-I比の水準を漸進的に増加させた。しかし、iCP-mParkinは、時間が経つにつれてCCCP処理された細胞においてLC3B-II/LC3B-I比をさらに向上させ、これは、iCP-mParkin処理後、マイトファジーの増加と一致した(図32)。
従って、このようなデータは、iCP-mParkinが、損傷したミトコンドリアを代替するため、マイトファジー及びミトコンドリア生合成(図31~32)を促進することを示している。
孤発性パーキンソン病は、α-シヌクレインタンパク質の病理学的(オリゴマー化、線維化、及びリン酸化)形態だけでなく、Synphilin-1(α-シヌクレイン相互作用タンパク質)及びPael-R(レビー小体の累積タンパク質の一種)を有するレビー小体と知られている構造と関連している。Synphilin-1及びPael-Rは、パーキン基質として知られている。その反面、相反する報告にもかかわらず、α-シヌクレインは、タンパク質がグリコシル化される場合を除いては、パーキン基質とは見なされない。緑色蛍光タンパク質(TagGFP2-α-シヌクレイン)にタグされたα-シヌクレインを発現するように操作されたSH-SY5Y細胞を用いて、iCP-mParkinが亜ヒ酸ナトリウム(NaAsO2)によって誘発されたα-シヌクレイン沈着の水準に影響を及ぼすか否かを調査した。我々は、亜ヒ酸ナトリウムがオリゴマー化/線維化α-シヌクレインの水準を増加させ、iCP-mParkinがオリゴマー化/線維化α-シヌクレインの凝集水準を減少させたことを確認した(図34A~34B)。
ミトコンドリアが損傷した状態でiCP-Parkinを介したマイトファジー。パーキンは、損傷したミトコンドリアを除去するオートファジー過程の一つであるマイトファジーに関与する。CCCPのような化学物質の処理により誘発されたミトコンドリア損傷は、PINK1の蓄積と、その後ミトコンドリアに対するパーキン活性化による一連のマイトファジー過程を引き起こす。マイトファジー流動の促進を調査するため、オートファゴソーム膜に位置するオートファジーマーカーであるLC3B-IIの水準を、CCCP(10μM)、クロロキン(40μM)、及びiCP-mParkin(40μM)処理で分析した。インキュベーション後、細胞溶解物をウェスタンブロットで分析し、LC3B-II/LC3B-I比の水準を測定した。
TagGFP2-α-シヌクレイン発現SH-SY5Y神経細胞においてα-シヌクレイン凝集体の分解評価を行うための試験管内研究。新しい緑色蛍光SH-SY5Y細胞株は、TagGFP2-α-シヌクレインで安定した形質感染によって発現された。TagGFP2-α-シヌクレイン細胞株は、安定的に形質感染され、セルベースアッセイ応用分野で使用可能である。この安定的に形質感染された細胞株は、一定水準のα-シヌクレイン発現が示される。この細胞株は、パーキンソン病研究のための「試験管内」モデルとして使用するためのものである。亜ヒ酸塩は、強力なユビキタス環境毒性金属である。ヒ素は、ミトコンドリア膜電位の消失を誘発し、活性酸素種(ROS)の生成と脂質過酸化を誘発する。TagGFP2-α-シヌクレイン発現SH-SY5Y細胞を、iCP-mParkin(20μM)と亜ヒ酸ナトリウム(2μM)で処理した。インキュベーション後、細胞溶解物は、抗α-シヌクレイン凝集体抗体及びヒトα-シヌクレインGly111-Tyr125抗体でELISA分析した。
(4)iCP-Parkin及びiCP-mParkinの生体内毒性
新たに開発されたiCP-Parkinの生体内毒性の有無を調べるため、一般の毒性点数を測定した。この両グループのマウスに、60mg/kgのiCP-Parkin及びiCP-mParkinの処理を施した。各グループは、2週間、週3回、静脈注射をした。注射後、マウスの体重、毛の状態、及び行動を分析した。iCP-Parkinを注射したマウスグループは、iCP-mParkinのグループと比較して毒性点数を示した(図36)。
新たに開発されたiCP-mParkinが生体内毒性があるかを調べるため、脾臓毒性分析を行った。この両グループのマウスに、60mg/kgのiCP-Parkin及びiCP-mParkinの処理を施した。各グループは、2週間、週3回、静脈注射をした。注射後、マウスの脾臓の重さと体重との割合を分析した。iCP-Parkinが注射されたマウスグループは、iCP-mParkinのグループと比較して、高い脾臓毒性点数が示された(図37)。このような結果は、iCP-mParkinが生体内毒性がないことを示唆する。
(5)iCP-Parkin及びiCP-mParkinの生体内効能
iCP-Parkin及びiCP-mParkinの神経保護活性は、6-ヒドロキシドーパミン(6-OHDA)誘導マウスモデルでテストした。iCP-Parkin及びiCP-mParkin投与による治療効能を確認するため、6-OHDAによって誘導されたPDマウスモデルにおいて、4週間、注射プロトコルを行った(図38)。iCP-ParkinとiCP-mParkinを、4週間、週3回、静脈注射した。ロータロッドテストは、iCP-Parkin及びiCP-mParkinで処理されたマウスにおいて類似した運動機能障害の回復が示された。
iCP-Parkin及びiCP-mParkinの生体内毒性。iCP-Parkin及びiCP-mParkinを、2週間、週3回、静脈注射した。一般の毒性点数(体重、毛の状態、及びマウス行動を含む。)、及び脾臓の重さと体重との割合を分析した。
iCP-mParkin投与による治療効能を確認するため、6-OHDAによって誘発されたPDマウスモデルにおいて、4週間、注射プロトコルを行った。iCP-mParkinを、4週間、週3回、静脈注射した。ロータロッドテストは、iCP-mParkin処理が運動機能障害を改善することを示している(図39及び40)。また、iCP-mParkin処理は、PDマウスモデルにおいてTH発現水準(90%)を回復させた。
6-OHDA誘導PDマウスモデル。iCP-Parkinは、PDに関連した運動症状を予防及び/又は回復する能力について、種々の動物モデルでテストされた。各モデルにおいて運動症状の発症は、iCP-mParkin処理の開始前に、アポモルヒネの回転テストによって確認された。動物にアポモルヒネ(0.1%アスコルビン酸に新たに溶解し、使用する前に暗所で氷上に保管)0.1mg/kgを皮下注射し、病変のあるマウスの側面偏向回転が20分以上、60ターン程度の比率より速い有症状であると判断した。パーキンタンパク質は、静脈内(iv)投入された。本明細書に説明された時間と容量、また運動機能の変化を後述のようにモニタリングした。C57BL/6マウス(13週齢雄性)は、Alfaxan:Rompun(Bayer社)の3:7混合物で麻酔した。脳定位固定装置にセットさせた後、0.02%アスコルビン酸(Sigma-Aldrich社)0.8μLに溶解した4μgの6-OHDA(Sigma-Aldrich社)を次の座標で線条体に0.2μL/minの速度で注入した(前頭泉門に相対的):前方-後方(AP)=+0.6mm、内側-側面(ML)=-2.2mm、及び背部-腹部(DV)=-3.2mm(硬膜から)、平らな頭蓋骨の位置に。対照群マウスには、0.02%アスコルビン酸溶液のみを注射した。
ロータロッドテスト。安定した性能を達成するため、マウスは、300秒又は720秒間、15rpmでロータロッド装置で事前訓練された。テストは、300秒にわたって4~40rpmで漸進的に加速した速度で行われ、各マウスがロッドに留まる時間を記録した。動物一匹当たり3回テストされた。
動物研究でチロシン水酸化酵素に対するウェスタンブロット分析。脳サンプルにおいてチロシンヒドロキシラーゼを分析するため、分離された脳をプロテアーゼ阻害剤(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)が含まれた予備溶解緩衝液(イントロンバイオテクノロジー社)で均質化した。定量化された細胞溶解物を、10%SDS-PAGEで分離し、ニトロセルロース膜(バイオラッド社)に移した。膜をTH(1:2,000;Millipore、AB152)及びβ-アクチン(1:100,000;Sigma-Aldrich、A3854)に対する1次抗体と共にインキュベーションした後、2次抗体をインキュベーションした。スーパーシグナルウェストデュラ(Supersignal West Dura、サーモフィッシャーサイエンティフィック社)を使用して視覚化した後、免疫ブロットをソフトウェア(ImageJ)で定量化した。
2-2.追加的な示唆点(アルツハイマー病、AD):ADモデルにおけるiCP-mParkinの効能
(1)βアミロイド線維(fibril amyloid-beta、fAβ)誘導ADモデルにおいて2週間iCP-mParkin投与した後の認知機能の改善効果
定位手術により4μgのβアミロイド線維(fAβ)を脳に注入してADマウスモデルを誘導した。手術2週間後、認知機能(自発的交替)検査であるY迷路テストによってアルツハイマー病マウスモデルが誘導されたかを確認した。動物を無作為に分類した後、iCP-mParkinを、用量依存的に計2週間、週3回、静脈内(IV)投与した。3週目と4週目に、Y迷路テストを通じてiCP-mParkin投与により認知機能が向上したか否かを確認した(図41A)。その結果、iCP-mParkin投与4週目の時に、iCP-mParkin100mg/kgで認知機能が122%向上している(図41B)。
動物。研究は、大韓バイオリンク社(陰城郡、大韓民国)から購入した、週齢が一致したC57BL/6雄性マウス(7~8週齢)を用いて行った。温度(設定点23±2℃)、相対湿度(設定点50%)及び明るさ条件(8:00~20:00時に、照明をオン/オフ)が厳しく管理された動物飼育室で5匹のグループにして保存された。研究全般にわたって、水道水と標準的な飼料が任意提供された。
βアミロイド線維(fAβ)誘導ADマウスモデル。C57BL/6雄性マウスを、 Alfaxan:Rompun(7:3)の混合物で麻酔した後、脳定位固定装置にセットした後、座標で定位手術によりfAβ(rPeptide、A1170)4μgを脳に注入した(前頭泉門に相対的):前方-後方(AP):-2mm、内側-側面(ML):0mm、及び背部-腹部(DV):-3mm(硬膜から)、平らな頭蓋骨位置に。照群マウスには0.01%アスコルビン酸溶液のみを注射した。
行動テスト(Y迷路)。ADマウスモデルは、認知機能(自発的交替)テストであるY迷路テストにより検証した。Y迷路装置(アームの長さ:35cm、壁面の高さ:9cm)は、白色ポリ塩化ビニール(PVC)製の同じ長さを有するアーム3本が途中で結合されて「Y」字型を形成する。この生態学的テストは、新しい領域を探索しようとする齧歯類の生まれつきの好奇心を基盤にしており、否定的又は肯定的な強化刺激がなく、マウスに与えるストレスがほとんどない。Y迷路にマウスを配置した直後、ビデオ録画システムを活性化する。再生を押してから8分間、各マウスの自発的動作を記録する。セッションが完了すると、マウスをホームケージに用心深く入れ、ケージを棚に回収する。各セッションの間に、無香料漂白剤殺菌70%EtOHのウェットティッシュで迷路をよく掃除する。自発交替の測定は、マウスが3つの連続したアームの各入口から迷路の他のアームに入る時に行われる。交替率は、実際の交替回数に対する最大の交替回数の割合で計算された。
(2)fAβ誘発ADモデルにおいて4週間iCP-mParkin投与した後の認知機能の改善効果
ADマウスモデルは、定位手術により4μgのβアミロイド線維(fAβ)を脳に注入して誘導した。手術2週間後、Y迷路テストによってADマウスモデルが誘導されたかを確認した。動物を無作為に分類した後、iCP-Parkinを、用量依存的に計4週間、週3回、静脈注射した。3週、4週、5週、6週目に、Y迷路テストによって、iCP-mParkin投与によって認知機能が向上しているかを確認した(図42A)。iCP-Parkin投与後のADモデルにおける認知機能は、時間及び用量依存的に改善された。また、iCP-mParkinを6週間投与した場合、認知機能は、50mg/kgのiCP-mParkinで105%改善された(図42B)。
動物。研究は、大韓バイオリンク社(陰城郡、大韓民国)から購入した、週齢が一致したC57BL/6雄性マウス(7~8週齢)を用いて行った。温度(設定点23±2℃)、相対湿度(設定点50%)及び明るさ条件(8:00~20:00時に、照明をオン/オフ)が厳しく管理された動物飼育室で5匹のグループにして保存された。研究全般にわたって、水道水と標準的な飼料が任意提供された。
βアミロイド線維(fAβ)誘導ADマウスモデル。C57BL/6雄性マウスを、Alpaxan:Rompun(7:3)の混合物で麻酔した後、脳定位固定装置にセットした後、座標で定位手術によりfAβ(rPeptide、A1170)4μgを脳に注入した(前頭泉門に相対的):前方-後方(AP):-2mm、内側-側面(ML):0mm、及び背部-腹部(DV):-3mm(硬膜から)、平らな頭蓋骨位置に。照群マウスには0.01%アスコルビン酸溶液のみを注射した。
行動テスト(Y迷路)。ADマウスモデルは、認知機能(自発的交替)テストであるY迷路テストにより検証した。Y迷路装置(アームの長さ:35cm、壁面の高さ:9cm)は、白色ポリ塩化ビニール(PVC)製の同じ長さを有するアーム3本が途中で結合されて「Y」字型を形成する。この生態学的テストは、新しい領域を探索しようとする齧歯類の生まれつきの好奇心を基盤にしており、否定的又は肯定的な強化刺激がなく、マウスに与えるストレスがほとんどない。Y迷路にマウスを配置した直後、ビデオ録画システムを活性化する。再生を押して8分間、各マウスの自発的動作を記録する。セッションが完了すると、マウスをホームケージに用心深く入れ、ケージを棚に回収する。各セッションの間に、無香料漂白剤殺菌70%EtOHのウェットティッシュで迷路をよく掃除する。自発交替の測定は、マウスが3つの連続したアームの各入口から迷路の他のアームに入る時に行われる。交替率は、実際の交替回数に対する最大の交替回数の割合で計算された。
(3)ADモデルの脳から病的Aβプラークの除去
全てのマウス行動実験が完了した後、脳を除去した。クレシルバイオレット染色によって、fAβ誘発されたADマウスの脳の海馬からニューロンが減少し、iCP-mParkinが神経保護効果があることが示された。なお、免疫組織化学染色によって、AβプラークがiCP-mParkinによって海馬から除去されたことが示された(図43A)。ドットブロット分析によって、AβプラークがiCP-mParkinによってAD脳から97%減少したことが示された(図43B及び43C)。
免疫組織化学。Alfaxan:Rompunの混合物でマウスを深く麻酔し、食塩水と4%パラホルムアルデヒド(PFA;BioSESANG社)で15~20分間、灌流した。脳は、4℃から2時間、4%PFAで速やかに固定し、4℃で30%スクロース(DAEJUNG社)で48時間インキュベーションし、最適切断温度(OCT)化合物(ライカバイオシステムズ社)で包埋した後、凍結切片(20μmの厚さ)を切断した。切片をPBS存在下で0.3% H(DAEJUNG社)を用いて30分間インキュベーションし、内因性ペルオキシダーゼ活性を遮断した。PBSで洗浄した後、切片を遮断溶液(PBS中、5%正常ヤギ血清;Vector Laboratories社、S-1000)で60分間インキュベーションした。切片をマウス単クローン6E10抗体(1:250;BioLegend社、SIG-39320)の存在下、4℃で、18時間インキュベーションした後、ビオチン化されたヤギ抗マウス免疫グロブリンG(IgG;1:200;Vector Laboratories社、BA-9200)で、室温で1時間インキュベーションした。次いで、ABCキット(Vector Laboratories社、PK-6100)を用いて、室温で60分間、切片をアビジン-ビオチン化パーオキシダーゼ複合体で処理した。その後、切片を、発色源として3,30-ジアミノベンジジン(3,30-diaminobenzidine、DABパーオキシダーゼ基質キット、Vector Laboratories社)を用いて処理した。永久取り付けスライドを観察し、デジタルイメージングシステム(DSRi2、ニコン社)を備えた顕微鏡を用いて写真を撮影した。スライドガラス上に脳組織の切片を貼り付けた。脳切片をPBSで2時間洗浄し、貯蔵緩衝液を除去し、完全に乾燥させた。スライドガラスは、その後、5分間、DWで水和された。0.1%クレシルバイオレットアセテート(Abcam、ab246817)で5分間染色する前、切片をDWで3回ずつ変えて濯ぎ、1分間、70→80→90→100%エタノールに入れた。切片を乾燥させた後、キシレンに漬けて透明化した後、カバースリップをしてデジタルイメージングシステム(DSRi2、ニコン社)を使用して観察した。
ドットブロット分析。ドットブロット分析は、ウェスタンブロット分析及び実験技法に類似している。不溶性細胞の分画を上述した通りに準備した。ドットブロット分析のため、重力濾過によりバイオドット精密濾過装置(バイオラッド社)を使用して細胞溶解物(タンパク質10μg)をニトロセルロース膜に結合させた。この手動濾過は、定量的抗原結合のために必要である。
(4)iCP-mParkinは、HT22細胞においてAβによる反応性酸化ストレス(ROS)水準を低下させる
反応性酸化ストレス(ROS)水準は、Aβ(2.5μM)処理されたHT22細胞において、iCP-mParkin(10μM)処理により、3時間及び6時間に104%及び151減少している(図44)。
反応性酸化ストレス(ROS)の測定。HT22細胞(マウス海馬由来の神経細胞)、を96ウェルプレート(1×10細胞/ウェル)に加えた。24時間後、ROS緩衝液で洗浄した。25μMのDCFDA(Cellular ROS Assay Kit、Abcom、ab113851)をROS緩衝液に処理し、各ウェルに、100μlずつ、45分間反応させた。その後、ROS緩衝液で洗浄した後、Aβ2.5μMとiCP-mParkin10μMとをROS緩衝液に希釈してウェルに処理した。3、6時間インキュベーションした後、励起及び放出波長をそれぞれ488及び535に設定したマイクロプレートシステムを用いてROSの水準を示すDCFDA蛍光強度を検出した。
(5)ADモデルの脳においてパーキンの濃度及びiCP-mParkinの伝達
TSDTプラットフォームを使用する場合、脳に存在するパーキンの濃度が、TSDTプラットフォームがない場合に比べて452%高い(図45A)。ADモデルにおいて、正常に比べて最大2.9%より高いiCP-mParkinの脳幹伝達が行われた(図45B)。
LC-MS/MSによるiCP-mParkinの測定。iCP-mParkinのSDB領域において、シグネチャーペプチドは、脳組織のLC-MS/MS分析によって検出された[Envigo(Huntingdon、UK)との契約下にある]。要するに、脳溶解物は、スマートダイジェスト(SMART Digest、サーモフィッシャーサイエンティフィック社)及びプロテインワークス(Protein Works、Waters社)の2つの異なる消化キットを用いて分解され、ペプチドは、アセトニトリル勾配のあるACEウルトラコアスーパーC18カラム(ACE UltraCore Super C18 column、Advanced Chromatography Technologies社)で分離され、サイエックスAPI6500+質量分析計(Sciex API 6500+マススペクトロメータ、SCIEX社)で分析した。

Claims (20)

  1. i)変形パーキンタンパク質(modified Parkin protein);及び、
    ii)aMTD(advanced macromolecule transduction domain);を含み、
    上記変形パーキンタンパク質は、配列番号1のアミノ酸配列からなり
    上記aMTDは、配列番号2~241からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するものである、iCP(improved Cell-Permeable)-mParkin組換えタンパク質。
  2. 上記組換えタンパク質は、1つ以上の可溶化ドメイン(solubilization domain;SD)をさらに含むものである、請求項1に記載のiCP-mParkin組換えタンパク質。
  3. 上記組換えタンパク質は、下記構造式のうちのいずれか1つで示され、
    A-B、B-A、A-B-C、A-C-B、B-A-C、B-C-A、C-A-B、C-B-A、及びA-C-B-C
    は、aMTDであり、
    Bは、変形パーキンタンパク質であり、及び
    Cは、可溶化ドメインである、請求項2に記載のiCP-mParkin組換えタンパク質。
  4. 上記組換えタンパク質は、配列番号243のアミノ酸配列を有するものである、請求項2に記載のiCP-mParkin組換えタンパク質。
  5. 上記可溶化ドメインは、配列番号242のアミノ酸配列を有するものである、請求項2に記載のiCP-mParkin組換えタンパク質。
  6. 上記組換えタンパク質は、神経変性疾患の治療に使用され、
    上記神経変性疾患は、パーキンソン病、アルツハイマー病、又はハンチントン病である、請求項1に記載のiCP-mParkin組換えタンパク質。
  7. 請求項1に記載のiCP-mParkin組換えタンパク質をコードするポリヌクレオチド。
  8. 請求項7に記載のポリヌクレオチドを含む組換え発現ベクター。
  9. 請求項8に記載の組換え発現ベクター形質転換された形質転換体。
  10. 活性成分として、請求項1に記載のiCP-mParkin組換えタンパク質を含む組成物。
  11. 活性成分として、請求項1に記載のiCP-mParkin組換えタンパク質、及び、薬学的に許容可能な担体を含む神経変性疾患の治療用薬学的組成物であって、
    上記神経変性疾患は、パーキンソン病、アルツハイマー病、又はハンチントン病である、神経変性疾患の治療用薬学的組成物。
  12. 神経変性疾患の治療用薬剤であって、
    請求項1に記載のiCP-mParkin組換えタンパク質を含み
    上記神経変性疾患は、パーキンソン病、アルツハイマー病、及びハンチントン病を含むものである、神経変性疾患の治療用薬剤
  13. 請求項1に記載のiCP-mParkin組換えタンパク質を含む薬剤。
  14. 神経変性疾患の治療用薬剤の製造のための請求項1に記載のiCP-mParkin組換えタンパク質の使用であって、
    上記神経変性疾患は、パーキンソン病、アルツハイマー病、及びハンチントン病を含むものである、使用
  15. 請求項1に記載のiCP-mParkin組換えタンパク質の製造方法であって、上記方法は、
    請求項8に記載の組換え発現ベクターを製造するステップ;
    上記組換え発現ベクターを使用して形質転換体を製造するステップ;
    上記形質転換体を培養するステップ;及び、
    上記培養によって発現した上記組換えタンパク質を収得するステップ;
    を含む、方法。
  16. 入体(inclusion body)を洗浄するステップ;
    第一次のイオン交換クロマトグラフィーを行うステップ;及び、
    第二次のイオン交換クロマトグラフィーを行うステップ;
    によって上記組換えタンパク質を収得するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
  17. 上記洗浄するステップは、pH8の洗浄緩衝液を用いた1段階洗浄を含む、請求項16に記載の方法。
  18. 上記第一次のイオン交換クロマトグラフィーは、陽イオン交換クロマトグラフィーであり、及び
    上記第二次のイオン交換クロマトグラフィーは、陰イオン交換クロマトグラフィーである、請求項16に記載の方法。
  19. 上記第二次のイオン交換クロマトグラフィーは、
    8.0mS/Cmの導電率の条件で洗浄するステップ;及び、
    9.0mS/Cmの導電率の条件で溶出するステップ;
    を含む、請求項18に記載の方法。
  20. 上記培養するステップは、流加式発酵を含む、請求項15に記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2012050402A2 (ko) 2010-10-14 2012-04-19 주식회사 프로셀제약 세포투과성 parkin 재조합 단백질 및 이를 함유하는 퇴행성 뇌질환 치료용 약학적 조성물
JP2018524994A (ja) 2015-07-27 2018-09-06 セリベリー セラピューティクス,インコーポレーテッド 細胞透過性が改善された(iCP)パーキン組換えタンパク質及びその使用

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Title
Science Advances,2020年04月,Vol.6,pp.1-15

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