<実施形態1>
実施形態1を図1から図23によって説明する。本実施形態では、液晶表示装置(表示装置)10を例示する。なお、各図面の一部にはX軸、Y軸及びZ軸を示しており、各軸方向が各図面で示した方向となるように描かれている。また、上下方向については、図2及び図3を基準とし、且つ同図上側を表側とするとともに同図下側を裏側とする。
液晶表示装置10は、図1に示すように、画像を表示する液晶パネル(表示パネル)11と、液晶パネル11の裏側に配されて液晶パネル11に向けて表示に用いられる光を照射するバックライト装置(照明装置)12と、を備える。本実施形態では、車載用の液晶表示装置10を例示する。車載用の液晶表示装置10は、例えば画像として地図などを表示するカーナビゲーションシステム、画像として地図などに加えてエアコンなどの機器の運転状況などを表示するマルチファンクションディスプレイ、画像として計器類や警告などを表示するインスツルメンツパネル、画像として地図などに加えてテレビ画像やオーディオ情報などを表示するインフォテインメントシステムなどに搭載される。
液晶パネル11は、主面がX軸方向及びY軸方向に並行する板状であり、主面の法線方向(厚さ方向)がZ軸方向と一致している。液晶パネル11は、その主面における中央側部分が、画像を表示可能な表示領域となっており、表示領域を取り囲む額縁状の外周端側部分が非表示領域となっている。液晶パネル11は、一対の基板と、一対の基板間に封入された液晶層と、を有する。液晶パネル11を構成する一対の基板のうち、表側に配されるものがCF基板(対向基板)であり、裏側に配されるものがアレイ基板(TFT基板)である。CF基板には、R(赤色),G(緑色),B(青色)等を呈するカラーフィルタや隣り合うカラーフィルタの間を仕切る遮光部(ブラックマトリクス)等が設けられている。アレイ基板(TFT基板)には、互いに直交するゲート配線及びソース配線と、ゲート配線及びソース配線に接続されるスイッチング素子(例えばTFT)と、スイッチング素子に接続されていて画素を構成する画素電極と、が少なくとも設けられている。なお、液晶パネル11を構成するアレイ基板及びCF基板の各内面には、それぞれ配向膜が設けられている。また、液晶パネル11を構成するアレイ基板及びCF基板の各外面には、それぞれ偏光板が取り付けられている。
続いて、バックライト装置12について説明する。バックライト装置12は、図1に示すように、第1LED(第1光源)13と、第1LED13からの光を導光する第1導光板14と、第1導光板14の裏側(反出光側)に配される反射シート15と、第1導光板14の表側(出光側)に配される第1プリズムシート16と、第1プリズムシート16の表側に配される第2プリズムシート17と、を少なくとも備える。
第1LED13は、図1に示すように、略ブロック状をなしており、Y軸方向及びZ軸方向に沿う一対の面のうちの一方の面が、光を発する第1発光面13Aとされる。第1LED13は、Y軸方向に沿って間隔を空けて複数が並んで配されている。第1LED13は、LED基板に実装されている。第1LED13は、LED基板に実装された基板部上にLEDチップを封止材により封止した構成とされる。第1LED13に備わるLEDチップは、例えば青色光を単色発光する。第1LED13に備わる封止材には、蛍光体が分散配合されている。封止材に含有される蛍光体には、黄色蛍光体、緑色蛍光体、赤色蛍光体などが含まれる。このようなLEDチップ及び封止材を備える第1LED13は、全体として白色光を発する。
第1導光板14は、屈折率が空気よりも十分に高く且つほぼ透明な合成樹脂材料(例えばPMMAなどのアクリル樹脂など)からなる。第1導光板14は、図1に示すように、板状をなしており、その主面が液晶パネル11の主面に並行している。なお、第1導光板14は、その主面がX軸方向及びY軸方向と並行し、主面の法線方向(厚さ方向)がZ軸方向と一致している。第1導光板14は、第1LED13に対してX軸方向(第1方向)に沿って並ぶとともに、液晶パネル11及び各プリズムシート16,17に対してZ軸方向に沿って並んで配されている。第1導光板14は、第1LED13に対してX軸方向の一方側(図1の右側)に配されている。第1導光板14は、その外周端面のうちの一端面が、第1LED13の第1発光面13Aと対向する第1入光端面(第1端面)14Aとされる。第1入光端面14Aは、第1LED13の第1発光面13Aに並行する面であり、第1発光面13Aから発せられた光が入射される。従って、第1導光板14には、X軸方向の片側にのみ第1LED13が配されており、第1導光板14は、第1LED13と共に片側入光型のバックライトユニットを構成している、と言える。第1導光板14における一対の主面のうち、第1プリズムシート16と対向する表側の主面が、内部を導光した光を出射する第1導光板出光主面(第1主面)14Bとされる。第1導光板14における一対の主面のうち、反射シート15と対向する裏側の主面が、第1導光板出光主面14Bとは反対側に位置する第1反対主面(第2主面)14Cとされる。そして、第1導光板14は、第1LED13から第1導光板14へ向けて発せられた光を第1入光端面14Aから導入するとともに、その光を内部で伝播させた後に、Z軸方向に沿って表側(出光側)へ向くよう立ち上げて出射させる機能を有する。第1導光板14の詳しい構造については、後に改めて説明する。なお、第1入光端面14Aの法線方向がX軸方向(第1LED13と第1導光板14の並び方向)と一致している。
反射シート15は、図1に示すように、その主面が液晶パネル11や第1導光板14の各主面に並行するとともに、第1導光板14の第1反対主面14Cを覆う形で配される。反射シート15は、光反射性に優れており、第1導光板14の第1反対主面14Cから漏れた光を表側、つまり第1導光板出光主面14Bに向けて効率的に立ち上げることができる。反射シート15は、第1導光板14よりも一回り大きな外形を有しており、第1反対主面14Cに対してほぼ全域にわたって重畳配置されている。
第1プリズムシート16及び第2プリズムシート17は、図1に示すように、シート状をなしており、それぞれの主面が液晶パネル11及び第1導光板14の各主面に並行している。なお、第1プリズムシート16及び第2プリズムシート17は、その主面がX軸方向及びY軸方向と並行し、主面の法線方向(厚さ方向)がZ軸方向と一致している。第1プリズムシート16及び第2プリズムシート17は、第1導光板14の表側に積層されており、第1導光板14の第1導光板出光主面14Bから出射された光に所定の光学作用を付与して出射させるなどの機能を有する。
第1プリズムシート16は、図1に示すように、シート状の第1基材16Aと、第1基材16Aにおける表側(出光側)の主面(出光主面)に設けられる第1プリズム16Bと、を有する。第1基材16Aは、ほぼ透明な合成樹脂製とされ、具体的には例えばPET(polyethylene terephthalate)などの結晶性透明樹脂材料により構成される。第1基材16Aは、製造に際しては、原材料となる結晶性透明樹脂材料を2軸延伸プロセスで延伸することでシート状に形成されており、製造コストの低減を図る上で好適である。第1プリズム16Bは、光硬化性樹脂材料の一種であるほぼ透明な紫外線硬化性樹脂材料により構成される。第1プリズムシート16の製造に際しては、例えば未硬化の紫外線硬化性樹脂材料を成形用の型内に充填するとともに、その型の開口端に第1基材16Aを宛うことで未硬化の紫外線硬化性樹脂材料を表側の主面に接する形で配し、その状態で第1基材16Aを介して紫外線硬化性樹脂材料に対して紫外線を照射すると、紫外線硬化性樹脂材料が硬化されて第1プリズム16Bが第1基材16Aに対して一体的に設けられる。第1プリズム16Bを構成する紫外線硬化性樹脂材料は、例えばPMMAなどのアクリル樹脂とされる。第1プリズム16Bを構成する紫外線硬化性樹脂材料の屈折率は、1.49~1.52の範囲とされるのが好ましく、1.49とされるのが最も好ましい。
第1プリズム16Bは、図2に示すように、第1基材16Aの主面からZ軸方向に沿って表側(第1導光板14側とは反対側)に向けて突出する形で設けられている。この第1プリズム16Bは、X軸方向に沿って切断した断面形状が略三角形(略山形)をなすとともにY軸方向(第2方向)に沿って直線的に延在しており、第1基材16Aの主面においてX軸方向(第1方向)に沿って複数が間隔をほぼ空けずに連続的に並んで配されている。第1プリズム16Bは、一対の斜面16B1,16B2を有している。第1プリズム16Bにおける一対の斜面16B1,16B2のうち、X軸方向について第1LED13側のものを第1プリズム斜面(第3斜面)16B1とし、その反対側のものを第2プリズム斜面(第4斜面)16B2とする。第1プリズム斜面16B1は、第1プリズムシート16におけるX軸方向の第1LED13側(図2の左側)からその反対側(図2の右側)に向かって立ち上がる傾斜を有する。第1プリズム斜面16B1には、第1プリズム16Bに入射した光のうち、主にX軸方向に第1LED13に近づく向きに進行する光が当たって屈折させられる。第2プリズム斜面16B2は、第1プリズムシート16におけるX軸方向の第1LED13側とは反対側(図2の右側)から第1LED13側(図2の左側)に向かって立ち上がる傾斜を有する。第2プリズム斜面16B2には、第1プリズム16Bに入射した光のうち、主にX軸方向について第1LED13から遠ざかる向きに進行する光が当たって屈折させられる。第1プリズム16Bにおける一対の斜面16B1,16B2により屈折された光の多くは、X軸方向について選択的に立ち上げられて集光される。
そして、第1プリズム16Bは、図2に示すように、第1プリズム斜面16B1がX軸方向に対してなす傾斜角度(第3底角)θ4と、第2プリズム斜面16B2がX軸方向に対してなす傾斜角度(第4底角)θ5と、を比較したとき、前者が後者よりも大きくされている。つまり、第1プリズム16Bは、断面形状が非対称形状で不等辺三角形とされる。具体的には、X軸方向に対する第1プリズム斜面16B1の傾斜角度θ4は、50°~60°の範囲とされるのが好ましく、中でも55°とされるのが最も好ましい。これに対し、X軸方向に対する第2プリズム斜面16B2の傾斜角度θ5は、35°~50°の範囲とされるのが好ましく、中でも45°とされるのが最も好ましい。また、第1プリズム16Bにおいて一対の斜面16B1,16B2がなす角度(第2頂角)θ6は、70°~95°の範囲とされるのが好ましく、中でも80°とされるのが最も好ましい。なお、Y軸方向に沿って並ぶ複数の第1プリズム16Bは、高さ寸法、幅寸法、X軸方向に対する各斜面16B1,16B2の傾斜角度などが全てほぼ同一とされており、隣り合う第1プリズム16B間の配列間隔もほぼ一定で等間隔に配列されている。
第2プリズムシート17は、図1に示すように、シート状の第2基材17Aと、第2基材17Aにおける表側(出光側)の主面(出光主面)に設けられる第2プリズム17Bと、を有する。第2基材17Aは、ほぼ透明な合成樹脂製とされ、具体的には例えば第1基材16Aと同じPETなどの結晶性透明樹脂材料により構成される。第2プリズム17Bは、光硬化性樹脂材料の一種であるほぼ透明な紫外線硬化性樹脂材料により構成される。第2プリズムシート17の製造方法は、上記した第1プリズムシート16の製造方法と同様である。第2プリズム17Bを構成する紫外線硬化性樹脂材料は、例えばPMMAなどのアクリル樹脂とされ、その屈折率が第1プリズム16Bの材料の屈折率よりも高くされ、例えば1.61程度とされる。
第2プリズム17Bは、図2に示すように、第2基材17Aの主面からZ軸方向に沿って表側(第1プリズムシート16側とは反対側)に向けて突出する形で設けられている。この第2プリズム17Bは、X軸方向に沿って切断した断面形状が略三角形(略山形)をなすとともにY軸方向に沿って直線的に延在しており、第2基材17Aの主面においてX軸方向に沿って複数が間隔をほぼ空けずに連続的に並んで配されている。第2プリズム17Bは、一対の斜面17B1,17B2を有している。第2プリズム17Bにおける一対の斜面17B1,17B2のうち、X軸方向について第1LED13側のものを第3プリズム斜面(第5斜面)17B1とし、その反対側のものを第4プリズム斜面(第6斜面)17B2とする。第3プリズム斜面17B1は、第2プリズムシート17におけるX軸方向の第1LED13側(図2の左側)からその反対側(図2の右側)に向かって立ち上がる傾斜を有する。第3プリズム斜面17B1には、第2プリズム17Bに入射した光のうち、主にX軸方向について第1LED13に近づく向きに進行する光が当たって屈折させられる。第4プリズム斜面17B2は、第2プリズムシート17におけるX軸方向の第1LED13側とは反対側(図2の右側)から第1LED13側(図2の左側)に向かって立ち上がる傾斜を有する。第4プリズム斜面17B2には、第2プリズム17Bに入射した光のうち、主にX軸方向について第1LED13から遠ざかる向きに進行する光が当たって屈折させられる。第2プリズム17Bにおける一対の斜面17B1,17B2により屈折された光の多くは、X軸方向について選択的に立ち上げられて集光される。
そして、第2プリズム17Bは、図2に示すように、第3プリズム斜面17B1がX軸方向に対してなす傾斜角度(第5底角)θ7と、第4プリズム斜面17B2がX軸方向に対してなす傾斜角度(第6底角)θ8と、が同じとされる。つまり、第2プリズム17Bは、断面形状が対称形状で二等辺三角形とされる。その上で、X軸方向に対する第3プリズム斜面17B1及び第4プリズム斜面17B2の各傾斜角度θ7,θ8は、X軸方向に対する第1プリズム斜面16B1の傾斜角度θ4よりも小さくされている。具体的には、X軸方向に対する第3プリズム斜面17B1及び第4プリズム斜面17B2の各傾斜角度θ7,θ8は、40°~50°の範囲とされるのが好ましく、中でも45°とされるのが最も好ましい。これに対し、第2プリズム17Bにおいて一対の斜面17B1,17B2がなす角度(第3頂角)θ9は、80°~100°の範囲とされるのが好ましく、中でも90°、つまり直角とされるのが最も好ましい。なお、Y軸方向に沿って並ぶ複数の第2プリズム17Bは、高さ寸法、幅寸法、X軸方向に対する各面17B1,17B2の傾斜角度などが全てほぼ同一とされており、隣り合う第2プリズム17B間の配列間隔もほぼ一定で等間隔に配列されている。また、第2プリズム17Bにおける高さ寸法及び配列間隔は、第1プリズム16Bにおける高さ寸法及び配列間隔とはそれぞれ異なるのが、モアレと呼ばれる干渉縞の発生を抑制する上では好ましい。
上記のような構成の第1プリズムシート16及び第2プリズムシート17によれば、次のような作用及び効果が得られる。すなわち、第1導光板14の第1導光板出光主面14Bから出射されて第1プリズムシート16に入射した光は、その多くが、第1プリズム16Bの第2プリズム斜面16B2に当たって屈折され、立ち上げられつつ出射するか、第1プリズム斜面16B1へ向かう。ここで、第1プリズム16Bは、X軸方向に対してなす傾斜角度θ4が、第2プリズム17Bの同傾斜角度θ5よりも大きいから、仮に同じ角度または角度の大小を逆の関係にした場合に比べると、第1プリズムシート16に入射した光が第1プリズム斜面16B1に当たり難くなる。第1プリズムシート16の入射光が第1プリズム16Bの第1プリズム斜面16B1に当たると、第1プリズム16Bを出射する際に立ち上げられることなくサイドローブ光(迷光)となって出射し易い傾向にある。従って、第1プリズムシート16の入射光が第1プリズム16Bの第1プリズム斜面16B1に直接当たり難くなれば、サイドローブ光の発生が抑制され、結果として光の利用効率が向上する。
第1プリズムシート16を出射して第2プリズムシート17に入射した光は、その多くが、第2プリズム17Bの第4プリズム斜面17B2に当たって屈折され、立ち上げられつつ出射するか、第3プリズム斜面17B1へ向かう。ここで、第2プリズム17Bは、X軸方向に対してなす同傾斜角度θ5が、第1プリズム16Bの同傾斜角度θ4よりも小さいから、仮に同じ角度または角度の大小を逆の関係にした場合に比べると、第4プリズム斜面17B2により屈折されて第3プリズム斜面17B1へ向かう光が、第3プリズム斜面17B1により第1プリズムシート16側に戻され易くなる。結果として、第2プリズムシート17から第1プリズムシート16側に戻される光(以下、再帰光という)の量が多くなる。この再帰光は、バックライト装置12内にて反射などされることで再び第2プリズムシート17に至り、第2プリズム17Bにおける一対の斜面17B1,17B2のいずれかによって立ち上げられつつ出射されるので、光の利用効率が向上する。再帰光は、第2プリズムシート17から出射するまでの光路が複雑化しているので、第2プリズム17Bにより付与される立ち上がり角度も多様化しており、それにより視野角特性が向上する。以上により、視野角特性及び輝度の向上が図られる。
次に、第1導光板14の詳しい構造について説明する。第1導光板14には、図2及び図3に示すように、第1導光板レンズ21、第2導光板レンズ22及び第3導光板レンズ23が設けられている。第1導光板レンズ21は、図3に示すように、第1導光板14の第1導光板出光主面14Bに設けられている。第1導光板レンズ21は、X軸方向に沿って延在し、Y軸方向に沿って複数が並んで配されている。本実施形態では、第1導光板レンズ21は、いわゆるレンチキュラーレンズである。第1導光板レンズ21は、第1導光板出光主面14Bから表側に突出する凸型をなす。詳しくは、第1導光板レンズ21は、Y軸方向に沿って切断した断面形状が半円形で且つX軸方向に沿って直線的に延在する蒲鉾形とされており、その表面が第1円弧状面21Aとされる。第1円弧状面21Aの基端部での接線がY軸方向に対してなす角度を「接触角」としたとき、第1導光板レンズ21の接触角は、例えば62°程度とされる。Y軸方向に沿って並ぶ複数の第1導光板レンズ21は、接触角、幅寸法(配列間隔)及び高さ寸法が全てほぼ同一とされる。このような構成の第1導光板レンズ21を第1導光板14に一体に設けるには、例えば第1導光板14を射出成形によって製造し、その成形金型のうち第1導光板出光主面14Bを成形するための成形面に予め第1導光板レンズ21を転写するための転写形状を形成しておけばよい。
第2導光板レンズ22は、図3に示すように、第1導光板14の第1反対主面14Cに設けられている。第2導光板レンズ22は、X軸方向に沿って延在し、Y軸方向に沿って複数が並んで配されている。本実施形態では、第2導光板レンズ22は、第1反対主面14Cから裏側に突出する凸型のプリズムである。詳しくは、第2導光板レンズ22は、Y軸方向に沿って切断した断面形状が略三角形(略山形)をなすとともにX軸方向に沿って直線的に延在している。第2導光板レンズ22は、その幅寸法(Y軸方向の寸法)がX軸方向の全長にわたって一定とされる。第2導光板レンズ22は、断面形状がほぼ二等辺三角形であり、一対の第1導光板斜面22Aを有する。第2導光板レンズ22の頂角は、鈍角(90°を超える角度)、具体的には100°~150°の範囲とされるのが好ましく、140°とされるのが最も好ましい。Y軸方向に沿って並ぶ複数の第2導光板レンズ22は、頂角、幅寸法(配列間隔)及び高さ寸法が全てほぼ同一とされる。本実施形態では、第2導光板レンズ22の配列間隔は、第1導光板レンズ21の配列間隔よりも大きい。このような構成の第2導光板レンズ22を第1導光板14に一体に設けるには、例えば第1導光板14を射出成形によって製造し、その成形金型のうち第1導光板出光主面14Bを成形するための成形面に予め第2導光板レンズ22を転写するための転写形状を形成しておけばよい。
このような構成の第1導光板14によれば、第1導光板14内を伝播する光は、図3に示すように、Z軸方向の第1導光板出光主面14B側では、各第1導光板レンズ21の第1円弧状面21Aに当たることで繰り返し反射され、概ねX軸方向に沿ってジグザグ状に進行する。一方、第1導光板14内を伝播する光は、Z軸方向の第1反対主面14C側では、各第2導光板レンズ22の一対ずつの第1導光板斜面22Aに当たることで繰り返し反射され、概ねX軸方向に沿ってジグザグ状に進行する。これにより、第1導光板14内を伝播する光は、Y軸方向についての広がりが制限されるので、Y軸方向について第1LED13付近とその周囲との間に明暗のムラが生じ難くなる。
第3導光板レンズ23は、図2に示すように、第1導光板14の第1反対主面14Cに設けられている。第3導光板レンズ23は、X軸方向に沿って間隔を空けて複数が並んで配されている。第3導光板レンズ23は、第1反対主面14CからZ軸方向に沿って裏側に向けて突出する。第3導光板レンズ23は、X軸方向の第1LED13側とは反対側(図2の右側)に配される第2導光板斜面23Aと、X軸方向の第1LED13側(図2の左側)に配される第3導光板斜面23Bと、第2導光板斜面23Aと第3導光板斜面23Bとの間に位置する第4導光板斜面23Cと、を有する。第2導光板斜面23Aは、第1導光板14におけるX軸方向の第1LED13側(図2の左側)からその反対側(図2の右側)に向かって立ち上がる傾斜を有する。第3導光板斜面23Bは、第1導光板14におけるX軸方向の第1LED13側とは反対側(図2の右側)から第1LED13側(図2の左側)に向かって立ち上がる傾斜を有する。第4導光板斜面23Cは、第1導光板14におけるX軸方向の第1LED13側(図2の左側)からその反対側(図2の右側)に向かって立ち上がる傾斜を有する。
第2導光板斜面23A及び第3導光板斜面23Bは、図2に示すように、第1導光板14内を伝播する光を反射し、Z軸方向に近い角度となるよう表側に向けて立ち上げることで第1導光板出光主面14Bからの出射を促すことができる。詳しくは、第2導光板斜面23Aは、X軸方向について第1LED13から遠ざかるよう進行する光を反射して立ち上げるのに主に機能する。一方、第3導光板斜面23Bは、X軸方向について第1LED13に近づくよう進行する光を反射して立ち上げるのに主に機能する。第2導光板斜面23Aは、X軸方向について第1LED13から遠ざかるほど第1導光板出光主面14B(第3導光板レンズ23が非設置とされる部分)からの距離が小さくなる勾配を有する。第2導光板斜面23Aは、X軸方向に対する傾斜角度が例えば8°程度とされる。第3導光板斜面23Bは、X軸方向について第1LED13から遠ざかるほど第1導光板出光主面14Bからの距離が大きくなる勾配、つまり第2導光板斜面23Aとは逆の勾配を有する。第3導光板斜面23Bは、X軸方向に対する傾斜角度が例えば80°程度で垂直に近い急勾配とされ、第2導光板斜面23Aの傾斜角度よりも大きい。
また、X軸方向に沿って並ぶ複数の第3導光板レンズ23は、図2,図4及び図5に示すように、X軸方向について第1LED13から遠ざかるほど高さ寸法(Z軸方向の寸法)及び長さ寸法(X軸方向の寸法)がそれぞれ増すよう設計されている。より詳しくは、X軸方向について第1LED13に近い第3導光板レンズ23と、X軸方向について第1LED13から遠い第3導光板レンズ23と、を比較したとき、後者が前者よりも第2導光板斜面23A及び第3導光板斜面23Bの各面積が大きくなっている。これにより、X軸方向について第1LED13に近い側では、第3導光板レンズ23の第2導光板斜面23A及び第3導光板斜面23Bに光が当たり難くて出光が抑制されるものの、X軸方向について第1LED13から遠い側では、第3導光板レンズ23の第2導光板斜面23A及び第3導光板斜面23Bに光が当たり易くて出光が促進される。結果として第1導光板出光主面14Bからの出射光量は、X軸方向について第1LED13側とその反対側とで均一化される。
第4導光板斜面23Cは、図2に示すように、X軸方向の第1LED13側とは反対側(図2の右側)の端部が、第2導光板斜面23Aに連なり、X軸方向の第1LED13側(図2の左側)の端部が、第3導光板斜面23Bに連なる。第4導光板斜面23Cは、X軸方向について第1LED13から遠ざかるほど第1導光板出光主面14B(第3導光板レンズ23が非設置とされる部分)からの距離が大きくなる勾配を有する。つまり、第4導光板斜面23Cは、第3導光板斜面23Bと同様の勾配とされる。第4導光板斜面23Cは、X軸方向に対する傾斜角度が例えば1.4°程度とされ、第2導光板斜面23A及び第3導光板斜面23Bの各傾斜角度のいずれよりも小さい。このような構成の第4導光板斜面23Cは、第1LED13から遠ざかるよう第1導光板14内を進行する光を反射することで、その光を第1導光板出光主面14B側へ向かわせるものの、第1導光板出光主面14Bに対する光の入射角が臨界角を超えない。従って、その光は第1導光板出光主面14Bにより全反射され、第1LED13からより遠ざかるよう導かれる。これにより、第1導光板出光主面14Bからの出射光がX軸方向について第1LED13側に偏り難くなる。以上のように、第1導光板14は、X軸方向に対する傾斜角度が、第4導光板斜面23C、第2導光板斜面23A、第3導光板斜面23Bの順で大きくなるよう構成されている。また、X軸方向に沿って並ぶ複数の第4導光板斜面23Cは、X軸方向について第1LED13から遠ざかるほど長さ寸法が小さくなるよう設計されている。これは、第3導光板レンズ23の長さ寸法がX軸方向について第1LED13から遠ざかるほど大きくなり、第3導光板レンズ23の占有範囲が大きくなるためである。
上記のような構成の第3導光板レンズ23は、図3から図5に示すように、Y軸方向について隣り合う2つの第2導光板レンズ22の間に挟み込まれる配置とされる。従って、第3導光板レンズ23は、Y軸方向について第2導光板レンズ22と交互に繰り返し並ぶよう配されている。第3導光板レンズ23は、第1反対主面14Cからの突出寸法(高さ寸法)の最大値が、第2導光板レンズ22の同突出寸法よりも小さくされている。従って、X軸方向について第1LED13から最も遠い側に位置する第3導光板レンズ23であっても、第2導光板レンズ22よりも裏側に突き出すことはない。
ところで、車載用の液晶表示装置10は、例えば乗用車の助手席の前に位置して設置される場合がある。その場合、例えば乗用車が走行している間は、助手席からは液晶表示装置10の表示画像を視認可能としつつも、運転席からは液晶表示装置10の表示画像を視認不能とするよう、視野角を制限することが求められる場合がある。さらには、例えば乗用車が停止している間は、助手席及び運転席の双方から液晶表示装置10の表示画像を視認可能とするよう、視野角を制限しないことが求められる場合がある。なお、車載用の液晶表示装置10は、X軸方向が水平方向と概ね一致し、Y軸方向が垂直方向に並行する姿勢で設置される。このような要請に応えるべく、本実施形態に係るバックライト装置12は、図1に示すように、上記した各構成に加え、第2プリズムシート17の表側に配される第1ルーバー(第1シート)18と、第2LED(第2光源)24と、第1ルーバー18の表側に配される第2導光板25と、を少なくとも備える。また、本実施形態に係るバックライト装置12は、乗用車のフロントガラスへの映り込みを防ぐため、第2導光板25の表側に配される第2ルーバー30を備える。第2ルーバー30に関しては、後に改めて説明する。
図1及び図2を用いて第1ルーバー18の構成を説明する。第1ルーバー18は、図1に示すように、主面が液晶パネル11及び第1導光板14などの各主面に並行し、シート状をなしている。なお、第1ルーバー18は、その主面がX軸方向及びY軸方向と並行し、主面の法線方向(厚さ方向)がZ軸方向と一致している。第1ルーバー18は、光のX軸方向の出射角度範囲を制限する機能を有する。第1ルーバー18は、裏側の第1入光主面(第3主面)18Aと、表側の第1出光主面(第4主面)18Bと、を有する。第1入光主面18Aは、第2プリズムシート17の表側(出光側)の主面と対向する。第1出光主面18Bは、後述する第2導光板25の第2導光板反対主面25Cと対向する。
第1ルーバー18は、図2に示すように、光を遮る第1遮光部18Cと、光を透過する第1透光部18Dと、を有する。第1遮光部18Cは、例えば黒色を呈していて光を遮る遮光性樹脂材料(遮光性材料)からなる。第1遮光部18Cは、Y軸方向及びZ軸方向に沿って延在する層状をなしており、X軸方向に間隔を空けて複数が並んで配されている。第1透光部18Dは、ほぼ透明で光を透過する透光性樹脂材料(透光性材料)からなる。第1透光部18Dは、Y軸方向及びZ軸方向に沿って延在する層状をなしており、X軸方向に間隔を空けて複数が並んで配されている。複数ずつの第1遮光部18C及び第1透光部18Dは、X軸方向に交互に繰り返し並んで配されている。従って、X軸方向に間隔を空けて隣り合う2つの第1遮光部18Cの間には、第1透光部18Dが介在し、X軸方向に間隔を空けて隣り合う2つの第1透光部18Dの間には、第1遮光部18Cが介在する。第1ルーバー18の第1入光主面18Aに入射した光は、X軸方向に隣り合う2つの第1遮光部18Cの間に配された第1透光部18Dを透過し、第1出光主面18Bから出射する。第1出光主面18Bからの出射光のX軸方向の出射角度は、X軸方向に隣り合う2つの第1遮光部18Cによって制限される。なお、第1出光主面18Bからの出射光は、Y軸方向については第1ルーバー18によって出射角度が制限されることがない。第1出光主面18Bからの出射光のX軸方向の出射角度範囲は、第1透光部18Dを挟む2つの第1遮光部18CのZ軸方向の各端部を斜向かいに結んだ2つの直線により画定される。第1透光部18Dの透過光におけるX軸方向の出射角度範囲は、第1透光部18Dの幅W1と高さH1との比率に応じて変化する。また、第1ルーバー18は、複数ずつの第1遮光部18C及び第1透光部18Dを、表側と裏側とから挟み込んで担持する一対のシート担体を有する。シート担体は、ほぼ透明で光を透過する透光性樹脂材料からなる。シート担体は、第1ルーバー18の全域にわたって延在していて複数ずつの第1遮光部18C及び第1透光部18Dを一括して保持する。
具体的には、第1ルーバー18は、図2に示すように、第1透光部18Dの幅W1を高さH1にて除した比率が、「tan10°」と等しい。このようにすれば、第1透光部18Dを透過する光が、Z軸方向に対してなす角度の最大の絶対値が10°となる。仮に、第1透光部18Dの幅を高さにて除した比率が、「tan10°」よりも大きい場合に比べると、バックライト装置12の出射光の出射角度範囲が十分に狭められる。これにより、助手席からは液晶表示装置10の表示画像を視認可能としつつも、運転席からは液晶表示装置10の表示画像を視認不能とするよう、視野角を制限する上で好適となる。また、仮に、第1透光部18Dの幅を高さにて除した比率が、「tan10°」よりも小さい場合に比べると、第1遮光部18Cにより遮光される光量が減少し、光の利用効率が向上する。
図1から図3,図6及び図7を適宜に用いて第2LED24及び第2導光板25の構成を説明する。図6は、バックライト装置12の構成部品のうち、第2導光板25を拡大した断面図である。図7は、第2導光板25の裏側の主面を示す底面図である。第2LED24は、図1に示すように、略ブロック状をなしており、Y軸方向及びZ軸方向に沿う一対の面のうちの一方の面が、光を発する第2発光面24Aとされる。第2LED24は、Y軸方向に沿って間隔を空けて複数が並んで配されている。第2LED24は、LED基板に実装されている。第2LED24は、LED基板に実装された基板部上にLEDチップを封止材により封止した構成とされる。第2LED24に備わるLEDチップは、例えば青色光を単色発光する。第2LED24に備わる封止材には、蛍光体が分散配合されている。封止材に含有される蛍光体には、黄色蛍光体、緑色蛍光体、赤色蛍光体などが含まれる。このようなLEDチップ及び封止材を備える第2LED24は、全体として白色光を発する。
第2導光板25は、屈折率が空気よりも十分に高く且つほぼ透明な合成樹脂材料(例えばPMMAなどのアクリル樹脂など)からなる。第2導光板25は、図1に示すように、板状をなしており、その主面が液晶パネル11等の主面に並行している。なお、第2導光板25は、その主面がX軸方向及びY軸方向と並行し、主面の法線方向(厚さ方向)がZ軸方向と一致している。第2導光板25は、第2LED24に対してX軸方向(第1方向)に沿って並ぶとともに、液晶パネル11及び第1ルーバー18等に対してZ軸方向に沿って並んで配されている。第2導光板25は、第2LED24に対してX軸方向の他方側(図1の左側)に配されている。つまり、第2導光板25と第2LED24とのX軸方向の位置関係は、第1導光板14と第1LED13とのX軸方向の位置関係とは逆となっている。このように、第1LED13と第2LED24とがX軸方向に分散して配されているので、第1LED13及び第2LED24をそれぞれ点灯させても、熱がこもり難くなる。
第2導光板25は、その外周端面のうちの一端面が、図1に示すように、第2LED24の第2発光面24Aと対向する第2入光端面(第2端面)25Aとされる。第2入光端面25Aは、第2LED24の第2発光面24Aに並行する面であり、第2発光面24Aから発せられた光が入射される。従って、第2導光板25には、X軸方向の片側にのみ第2LED24が配されており、第2導光板25は、第2LED24と共に片側入光型のバックライトユニットを構成している、と言える。第2導光板25における一対の主面のうち、後述する第2ルーバー30と対向する表側の主面が、内部を導光した光を出射する第2導光板出光主面(第5主面)25Bとされる。第2導光板25における一対の主面のうち、第3ルーバー20と対向する裏側の主面が、第2導光板出光主面25Bとは反対側に位置する第2反対主面(第6主面)25Cとされる。第2導光板25は、第2反対主面25Cが、Z軸方向に第1ルーバー18の第1出光主面18Bを向いて配されている。そして、第2導光板25は、第2LED24から第2導光板25へ向けて発せられた光を第2入光端面25Aから導入するとともに、その光を内部で伝播させた後に、第2導光板出光主面25BからZ軸方向に沿って表側(出光側)の液晶パネル11へ向くよう立ち上げて出射させることができる。それに加え、第2導光板25は、第1ルーバー18からの出射光を第2反対主面25Cから導入するとともに、その光を第2導光板出光主面25Bから表側の第2ルーバー30(液晶パネル11)へ向けて出射させることができる。なお、第2入光端面25Aの法線方向がX軸方向(第2LED24と第2導光板25の並び方向)と一致している。
第2導光板25には、図2及び図3に示すように、第4導光板レンズ(第2レンズ)26、第5導光板レンズ(第3レンズ)27及び第6導光板レンズ(第1レンズ)28が設けられている。第4導光板レンズ26は、図3に示すように、第2導光板25の第2導光板出光主面25Bに設けられている。第4導光板レンズ26は、X軸方向に沿って延在し、Y軸方向に沿って複数が並んで配されている。本実施形態では、第4導光板レンズ26は、いわゆるレンチキュラーレンズである。第4導光板レンズ26は、第2導光板出光主面25Bから表側に突出する凸型をなす。詳しくは、第4導光板レンズ26は、Y軸方向に沿って切断した断面形状が半円形で且つX軸方向に沿って直線的に延在する蒲鉾形とされており、その表面が第2円弧状面26Aとされる。第2円弧状面26Aの基端部での接線がY軸方向に対してなす角度を「接触角」としたとき、第4導光板レンズ26の接触角θcは、例えば30°程度とされる。Y軸方向に沿って並ぶ複数の第4導光板レンズ26は、接触角θc、幅寸法(配列間隔)及び高さ寸法が全てほぼ同一とされる。このような構成の第4導光板レンズ26を第2導光板25に一体に設けるには、例えば第2導光板25を射出成形によって製造し、その成形金型のうち第2導光板出光主面25Bを成形するための成形面に予め第4導光板レンズ26を転写するための転写形状を形成しておけばよい。
第5導光板レンズ27は、図3に示すように、第2導光板25の第2反対主面25Cに設けられている。第5導光板レンズ27は、X軸方向に沿って延在し、Y軸方向に沿って複数が並んで配されている。本実施形態では、第5導光板レンズ27は、第2反対主面25Cから裏側に突出する凸型のプリズムである。詳しくは、第5導光板レンズ27は、Y軸方向に沿って切断した断面形状が略三角形(略山形)をなすとともにX軸方向に沿って直線的に延在している。第5導光板レンズ27は、その幅寸法(Y軸方向の寸法)がX軸方向の全長にわたって一定とされる。第5導光板レンズ27は、断面形状がほぼ二等辺三角形であり、一対の第5導光板斜面27Aを有する。第5導光板レンズ27の頂角θ1は、鈍角(90°を超える角度)、具体的には100°~150°の範囲とされるのが好ましく、140°とされるのが最も好ましい。Y軸方向に沿って並ぶ複数の第5導光板レンズ27は、頂角θ1、幅寸法(配列間隔)及び高さ寸法が全てほぼ同一とされる。本実施形態では、第5導光板レンズ27の配列間隔は、第4導光板レンズ26の配列間隔よりも大きい。このような構成の第5導光板レンズ27を第2導光板25に一体に設けるには、例えば第2導光板25を射出成形によって製造し、その成形金型のうち第2反対主面25Cを成形するための成形面に予め第5導光板レンズ27を転写するための転写形状を形成しておけばよい。
第6導光板レンズ28は、図2に示すように、第2導光板25の第2反対主面25Cに設けられている。第6導光板レンズ28は、X軸方向に沿って間隔を空けて複数が並んで配されている。第6導光板レンズ28は、第2反対主面25CからZ軸方向に沿って裏側に向けて突出する。第6導光板レンズ28は、X軸方向の第2LED24側とは反対側(図2の左側)に配される第6導光板斜面(第1斜面)28Aと、X軸方向の第2LED24側(図2の右側)に配される第7導光板斜面(第2斜面)28Bと、第6導光板斜面28Aと第7導光板斜面28Bとの間に位置する第1平面28Dと、を有する。第6導光板斜面28Aは、第2導光板25におけるX軸方向の第2LED24側(図2の右側)からその反対側(図2の左側)に向かって立ち上がる傾斜を有する。第7導光板斜面28Bは、第2導光板25におけるX軸方向の第2LED24側とは反対側(図2の左側)から第2LED24側(図2の右側)に向かって立ち上がる傾斜を有する。第1平面28Dは、X軸方向及びY軸方向に並行な面とされる。また、X軸方向に隣り合う2つの第6導光板レンズ28の間には、第2平面29が設けられている。従って、第6導光板レンズ28及び第2平面29は、X軸方向に沿って交互に繰り返し並ぶ配列とされる。
第6導光板斜面28Aは、図2に示すように、第2導光板25内を伝播する光を反射し、表側に向けて立ち上げることで第2導光板出光主面25Bからの出射を促すことができる。詳しくは、第6導光板斜面28Aは、第2導光板25内においてX軸方向について第2LED24から遠ざかるよう進行する光を反射して立ち上げるのに主に機能する。具体的には、第6導光板斜面28Aは、図6に示すように、X軸方向に対する傾斜角度(角度)θ2が例えば40°以下とされ、好ましくは27°程度とされる。X軸方向に対する第6導光板斜面28Aの傾斜角θ2度が40°以下とされれば、光を正面方向に対してX軸方向に第2LED24側とは反対側に傾いた方向に光を立ち上げることができる。従って、第2導光板出光主面25Bからの出射光には、Z軸方向(第2導光板出光主面25Bの法線方向)に対してX軸方向の第2LED24側とは反対側へ向かう光が、X軸方向の第2LED24側へ向かう光よりも多く含まれる。従って、第2LED24を点灯させれば、出射光に係るピーク輝度がX軸方向の第2LED24側とは反対側に偏在した輝度角度分布の出射光を供給することが可能となる。乗用車の助手席の前に設置される車載用の液晶表示装置10においては、第2LED24をX軸方向に運転席側とは反対側に配置するのが好ましい。
このような構成によれば、例えば乗用車が走行している間は、図1に示すように、第1LED13を点灯し、第2LED24を消灯させる。すると、第2導光板25の第2導光板出光主面25Bから出射する光は、第1ルーバー18の第1遮光部18Dによって角度範囲が制限されているから、制限された角度範囲外に出射し難くなっている。従って、第1LED13を点灯し、第2LED24を消灯させれば、バックライト装置12からは制限された角度範囲に選択的に光が出射されるので、助手席からは液晶表示装置10の表示画像を視認できるものの、運転席から液晶表示装置10の表示画像を視認不能とすることができる。これに対し、例えば乗用車が停止している間は、第1LED13及び第2LED24を共に点灯させる。すると、第2導光板25の第2導光板出光主面25Bから出射する光には、第1ルーバー18によって角度範囲が制限された第1LED13の光と、ピーク輝度がX軸方向の第2LED24側とは反対側に偏在した輝度角度分布となる第2LED24の光と、が含まれる。従って、第1LED13及び第2LED24を共に点灯させれば、バックライト装置12からは、制限された角度範囲の光に加えて、ピーク輝度がX軸方向の第2LED24側とは反対側に偏在した輝度角度分布の光が出射されるので、運転席及び助手席のいずれからも液晶表示装置10の表示画像を視認させることができる。このように、乗用車の走行状況に応じて、第2LED24の駆動を制御することで、運転席からの表示画像の視認の可否を調整することが可能とされる。
一方、第7導光板斜面28Bは、図2に示すように、X軸方向に第2LED24に近づくよう進行する光を反射して立ち上げたり、X軸方向に第2LED24から遠ざかるよう第2導光板25内を進行する光を反射してさらに第2LED24から遠ざかるよう導いたりすることができる。具体的には、第7導光板斜面28Bは、図6に示すように、X軸方向に対する傾斜角度(角度)θ3が例えば3°から10°の範囲とされ、好ましくは3°程度とされる。第7導光板斜面28Bの傾斜角度θ3は、第6導光板斜面28Aの傾斜角度θ2よりも小さい。このような構成の第7導光板斜面28Bによれば、X軸方向に第2LED24に近づくよう第2導光板25内を進行する光は、第7導光板斜面28Bに当たって屈折されると、正面方向に対してX軸方向の第2LED24側とは反対側へ向けて進行する。これにより、正面方向に対して傾いた方向への出射光の輝度をより向上させることができる。また、X軸方向に第2LED24から遠ざかるよう第2導光板25内を進行する光は、第7導光板斜面28Bに当たって屈折されると、さらに第2LED24から遠ざかるよう導かれる。これにより、第2導光板出光主面25Bからの出射光がX軸方向について第2LED24側に偏り難くなる。
第1平面28D及び第2平面29は、図2に示すように、X軸方向及びY軸方向に並行しており、その法線方向がZ軸方向と一致している。第1導光板14の第1導光板出光主面14Bから出射して第2導光板25の第2反対主面25Cに入射する光は、第1平面28D及び第2平面29のいずれかに当たっても殆ど屈折されることなく進行する。従って、仮に第6導光板斜面28Aと第7導光板斜面28Bとが第1平面28Dを介することなく直接連なる構成とした場合や仮にX軸方向に隣り合う2つの第6導光板レンズ28が第2平面29を介することなく直接連なる構成とした場合に比べると、正面方向に対してX軸方向の第2LED24側とは反対側へ傾いた向きに進行するサイドローブ光の発生を抑制することができる。
X軸方向に沿って並ぶ複数の第6導光板レンズ28は、図6及び図7に示すように、X軸方向に第2LED24から遠ざかるほど高さ寸法(Z軸方向の寸法)H2が増すものの、X軸方向の配列ピッチ(配列間隔)P1は一定となるよう設計されている。第6導光板斜面28Aの幅寸法(X軸方向の寸法)W2は、X軸方向に第2LED24から遠ざかるほど僅かながらも大きくなる。第7導光板斜面28Bの幅寸法(X軸方向の寸法)W3は、X軸方向に第2LED24から遠ざかるほど大きくなり、その増加率は第6導光板斜面28Aの増加率よりも高い。第1平面28Dの幅寸法(X軸方向の寸法)W4は、X軸方向の位置に拘わらず一定とされる。第2平面29の幅寸法(X軸方向の寸法)W5は、X軸方向に第2LED24から遠ざかるほど小さくなる。第6導光板レンズ28のX軸方向の配列ピッチP1は、第6導光板斜面28Aの幅寸法W2と、第7導光板斜面28Bの幅寸法W3と、第1平面28Dの幅寸法W4と、第2平面29の幅寸法W5と、の和となっている。
第2導光板25の長さ寸法(X軸方向の寸法)を例えば300mmとした場合、第6導光板レンズ28のX軸方向の配列ピッチP1は、例えば0.114mm程度で一定とされ、第1平面28Dの幅寸法W4は例えば0.017mm程度で一定とされる。第2導光板25の長さ寸法(X軸方向の寸法)を例えば300mmとした場合、第6導光板斜面28Aの幅寸法W2と、第7導光板斜面28Bの幅寸法W3と、第2平面29の幅寸法W5と、の具体的な数値は、第2導光板25における第6導光板レンズ28のX軸方向の位置に応じて図8に示されるように変化する。図8は、横軸を第2導光板25におけるX軸方向の位置(単位は「mm」)とし、縦軸を第6導光板斜面28A、第7導光板斜面28B及び第2平面29の幅寸法W2,W3,W5(単位は「mm」)としたグラフである。図8の横軸の基準位置(0mm)が、第2導光板25の第2入光端面25Aの位置であり、300mmの位置が、第2導光板25の第2入光端面25Aとは反対側の端面の位置である。図8に示される実線が第6導光板斜面28Aの幅寸法W2のグラフであり、破線が第7導光板斜面28Bの幅寸法W3のグラフであり、一点鎖線が第2平面29の幅寸法W5のグラフである。第2導光板25の長さ寸法を例えば300mmとした場合、第6導光板レンズ28の高さ寸法H2の具体的な数値は、第2導光板25における第6導光板レンズ28のX軸方向の位置に応じて図9に示されるように変化する。図9は、横軸を第2導光板25におけるX軸方向の位置(単位は「mm」)とし、縦軸を第6導光板レンズ28の高さ寸法H2(単位は「mm」)としたグラフである。図9によれば、第6導光板レンズ28の高さ寸法H2は、最小値で0.002mm(2μm)程度が確保されている。これにより、第2導光板25を樹脂成形して製造する際の容易性が十分に確保することができる。第6導光板レンズ28の高さ寸法H2の最小値を0.002mm程度確保するには、第7導光板斜面28BがX軸方向に対してなす傾斜角度θ3を3°以上とするのが好ましい。なお、X軸方向に対する第6導光板斜面28Aの傾斜角度θ2と、X軸方向に対する第7導光板斜面28Bの傾斜角度θ3と、は、第2導光板25におけるX軸方向の位置に拘わらずそれぞれ一定とされる。
上記のような構成の第6導光板レンズ28は、図3及び図7に示すように、Y軸方向について隣り合う2つの第5導光板レンズ27の間に挟み込まれる配置とされる。従って、第6導光板レンズ28は、Y軸方向について第5導光板レンズ27と交互に繰り返し並ぶよう配されている。第6導光板レンズ28は、高さ寸法(第2反対主面25Cからの突出寸法)H2の最大値が、第5導光板レンズ27の高さ寸法よりも小さくされている。従って、X軸方向について第2LED24から最も遠い側に位置する第6導光板レンズ28であっても、第5導光板レンズ27よりも裏側に突き出すことはない。
次に、図1及び図3を用いて第2ルーバー30の構成を説明する。第2ルーバー30は、図1に示すように、主面が液晶パネル11及び第2導光板25などの各主面に並行し、シート状をなしている。なお、第2ルーバー30は、その主面がX軸方向及びY軸方向と並行し、主面の法線方向(厚さ方向)がZ軸方向と一致している。第2ルーバー30は、光のY軸方向の出射角度範囲を制限する機能を有する。第2ルーバー30は、裏側の第2入光主面30Aと、表側の第2出光主面30Bと、を有する。第2入光主面30Aは、第2導光板25の第2導光板出光主面25Bと対向する。第2出光主面30Bは、液晶パネル11の裏側の主面と対向する。つまり、第2ルーバー30は、第2導光板25の表側に位置し、液晶パネル11の裏側に位置して配されている。
第2ルーバー30は、図3に示すように、光を遮る第2遮光部30Cと、光を透過する第2透光部30Dと、を有する。第2遮光部30Cは、例えば黒色を呈していて光を遮る遮光性樹脂材料(遮光性材料)からなる。第2遮光部30Cは、X軸方向及びZ軸方向に沿って延在する層状をなしており、Y軸方向に間隔を空けて複数が並んで配されている。第2透光部30Dは、ほぼ透明で光を透過する透光性樹脂材料(透光性材料)からなる。第2透光部30Dは、X軸方向及びZ軸方向に沿って延在する層状をなしており、Y軸方向に間隔を空けて複数が並んで配されている。複数ずつの第2遮光部30C及び第2透光部30Dは、Y軸方向に交互に繰り返し並んで配されている。従って、Y軸方向に間隔を空けて隣り合う2つの第2遮光部30Cの間には、第2透光部30Dが介在し、Y軸方向に間隔を空けて隣り合う2つの第2透光部30Dの間には、第2遮光部30Cが介在する。第2ルーバー30の第4入光主面20Aに入射した光は、Y軸方向に隣り合う2つの第2遮光部30Cの間に配された第2透光部30Dを透過し、第2出光主面30Bから出射する。第2出光主面30Bからの出射光のY軸方向の出射角度は、Y軸方向に隣り合う2つの第2遮光部30Cによって制限される。なお、第2出光主面30Bからの出射光は、X軸方向については第2ルーバー30によって出射角度が制限されることがない。第2出光主面30Bからの出射光のY軸方向の出射角度範囲は、第2透光部30Dを挟む2つの第2遮光部30CのZ軸方向の各端部を斜向かいに結んだ2つの直線により画定される。第2透光部30Dの透過光におけるY軸方向の出射角度範囲は、第2透光部30Dの幅と高さとの比率に応じて変化する。第2ルーバー30は、第2透光部30Dの幅を高さにて除した比率が、第1ルーバー18において第1透光部の幅W1を高さH1にて除した比率よりも大きい。具体的には、第2ルーバー30は、第2透光部30Dの幅Wを高さにて除した比率が、例えば「tan55°」以上とされる。また、第2ルーバー30は、複数ずつの第2遮光部30C及び第2透光部30Dを、表側と裏側とから挟み込んで担持する一対のシート担体を有する。シート担体は、ほぼ透明で光を透過する透光性樹脂材料からなる。シート担体は、第2ルーバー30の全域にわたって延在していて複数ずつの第2遮光部30C及び第2透光部30Dを一括して保持する。
液晶表示装置10が乗用車に搭載された場合、このような第2ルーバー30を用いれば、液晶パネル11から出射する光の出射角度範囲を垂直方向に制限することができる。これにより、フロントガラスへの表示画像の映り込みを生じ難くすることが可能となる。
ここで、第2導光板25の第6導光板レンズ28の第6導光板斜面28AがX軸方向に対してなす傾斜角度θ2を変化させたとき、配光分布がどのように変化するか、に関する知見を得るため、実証実験1を行った。この実証実験1では、第6導光板レンズ28の構成を除いては、本段落以前に説明したものと同じ構成のバックライト装置12を用いる。実証実験1では、第6導光板レンズ28の第6導光板斜面28AがX軸方向に対してなす傾斜角度θ2を、27°~40°の範囲で変化させた。詳しくは、実証実験1では、傾斜角度θ2を、27°,30°,32°,34°,36°,38°,40°とした。このように傾斜角度θ2を変化させたバックライト装置12において第2LED24を点灯させ、第1LED13を消灯した状態での出射光に係る輝度を測定し、X軸方向についての配光分布(輝度角度分布)に係るグラフを作成した。
実証実験1における配光分布に係る実験結果は、図10に示される通りである。図10に示される配光分布に係るグラフは、横軸が正面方向(Z軸方向)に対するX軸方向の角度(単位は「°」)であり、縦軸が輝度(単位は「cd/m2」)である。図10の横軸の角度に付された正負の記号のうち「-(マイナス)」は、バックライト装置12を正面から視て、基準である0°(正面方向)に対してX軸方向の左側を意味し、「+(プラス)」は、バックライト装置12を正面から視て、基準である0°(正面方向)に対してX軸方向の右側を意味する。
実証実験1の実験結果について説明する。図10によれば、傾斜角度θ2が27°~40°の範囲では、ピーク輝度となる角度が「-」となっている。つまり。第2LED24を点灯させたとき、第2導光板25から出射される光は、X軸方向の左側、つまり第2LED24側とは反対側に偏在した配光分布となる。そして、傾斜角度θ2が大きくなるほど、ピーク輝度となる角度が0°に近づき、逆に傾斜角度θ2が小さくなるほど、ピーク輝度となる角度が0°から遠ざかって「-」の絶対値が大きくなる傾向にある。また、傾斜角度θ2が小さくなるに連れて、角度の変化率が大きくなる傾向にある。具体的には、傾斜角度θ2が40°では、ピーク輝度が-5°付近であり、傾斜角度θ2が30°では、ピーク輝度が-30°付近であり、傾斜角度θ2が27°では、ピーク輝度が-45°付近となっている。
実証実験1の実験結果によれば、液晶表示装置10と、液晶表示装置10を視認する人と、の相対的な位置関係に応じて、傾斜角度θ2を27°~40°の範囲の中から適宜に決定することが可能となる。例えば、助手席に対して運転席が左側に位置する乗用車において、助手席の前に液晶表示装置10を設置する場合、運転席から液晶表示装置10を視認した場合の視認範囲は、-20°~-50°の範囲程度となる。この場合は、傾斜角度θ2を27°程度とすれば、ピーク輝度が-45°付近を運転席に向けて効率的に照射することができる。
次に、第6導光板斜面28AがX軸方向に対してなす傾斜角度θ2を27°とした第2導光板25を備えるバックライト装置12において、第1LED13のみを点灯させた場合と、第2LED24のみを点灯させた場合と、第1LED13及び第2LED24を共に点灯させた場合と、で配光分布がどのように変化するか、に関する知見を得るため、実証実験2を行った。この実証実験2では、第6導光板斜面28Aの傾斜角度θ2を27°とした第2導光板25を備えるバックライト装置12を用い、第1LED13を点灯させて第2LED24を消灯した場合と、第2LED24を点灯させて第1LED13を消灯した場合と、第1LED13及び第2LED24を共に点灯させた場合と、でそれぞれの出射光に係る輝度を測定し、X軸方向についての配光分布(輝度角度分布)に係るグラフを作成した。
実証実験2における配光分布に係る実験結果は、図11から図13に示される通りである。図11から図13に示される配光分布に係るグラフは、横軸が正面方向(Z軸方向)に対するX軸方向の角度(単位は「°」)であり、縦軸が輝度(単位は「cd/m2」)である。図11から図13の横軸の角度に付された正負の記号は、図10のグラフの横軸に付された符号と同じ意味である。図11は、第1LED13を点灯させて第2LED24を消灯した場合の配光分布を示す。図12は、第2LED24を点灯させて第1LED13を消灯した場合の配光分布を示す。図13は、第1LED13及び第2LED24を共に点灯させた場合の配光分布を示す。なお、図11から図13には、第6導光板斜面28Aの傾斜角度θ2が27°となる第2導光板25において第2LED24を点灯させたときのピーク輝度となる角度(-45°)を破線にて示している。
実証実験2の実験結果について説明する。図11の配光分布によれば、ピーク輝度がほぼ0°であり、出射角度範囲が±10°程度であった。この結果は、第1LED13を点灯させるのに伴って第1導光板14から出射した光が、第1ルーバー18によって出射角度範囲が±10°程度に制限されることが反映されている、と言える。図11では、-45°付近には殆ど光が出射していないことが分かる。図12の配光分布は、実証実験1において傾斜角度θ2を27°とした場合の配光分布と一致する。すなわち、図12の配光分布は、ピーク輝度が-45°付近となるよう、X軸方向の左側、つまり第2LED24側とは反対側に偏在しており、出射角度範囲が-80°~0°程度とされる。図13の配向分布は、図11の配光分布と、図12の配光分布と、を合成したような内容となっている。すなわち、図13の配光分布には、ピーク輝度がほぼ0°と、-45°付近と、に存在している。
図11から図13に示されるグラフの説明を補足するため、図14を示す。図14は、乗用車の助手席の前に設置された液晶表示装置10における正面方向に対するX軸方向の角度を説明するための図である。図14には、第1ルーバー18により遮光される遮光範囲(+10°~+90°、-10°~-90°)と、助手席に対して左側に位置する運転席から液晶表示装置10を視認した場合の視認範囲(-20°~-50°)と、傾斜角度θ2を27°とした場合のピーク輝度(-45°)と、が示されている。図11及び図14によれば、第1LED13を点灯させて第2LED24を消灯すると、ピーク輝度がほぼ0°であり、出射角度範囲が±10°程度であることから、運転席からは液晶表示装置10の表示画像をほぼ視認不能としつつ、0°に位置する助手席からは液晶表示装置10の表示画像を良好に視認させることができる、と言える。図12及び図14によれば、第2LED24を点灯させて第1LED13を消灯すると、ピーク輝度が-45°付近であり、出射角度範囲が-80°~0°程度であることから、0°に位置する助手席からは液晶表示装置10の表示画像をほぼ視認不能としつつ、運転席からは液晶表示装置10の表示画像を良好に視認させることができる、と言える。図13及び図14によれば、第1LED13及び第2LED24を共に点灯させると、ピーク輝度がほぼ0°と、-45°付近と、に存在することから、運転席及び助手席の双方から液晶表示装置10の表示画像を良好に視認させることができる、と言える。
続いて、本実施形態に係るバックライト装置12及び液晶表示装置10の優位性を検証するため、以下の比較実験1を行った。この比較実験1では、第2導光板25に備わる第4導光板レンズ26の接触角θcを49°とし、第5導光板レンズ27の頂角θ1を110°とし、第6導光板レンズ28の第6導光板斜面28Aの傾斜角度θ2を27°とし、第7導光板斜面28Bの傾斜角度θ3を40°とした構成のバックライト装置12を実施例1とした。実施例1に備わる第2導光板25では、第4導光板レンズ26の接触角θc、第5導光板レンズ27の頂角θ1及び第7導光板斜面28Bの傾斜角度θ3の各数値を、本段落以前に記載したバックライト装置12に備わる第2導光板25とは意図的に異ならせており、あえてサイドローブ光が多く出る設定としている。その理由は、以下に説明する比較例1~3との差異を分かり易くするためである。比較実験1では、実施例1の第2導光板25から第6導光板レンズ28を取り除いた構成のバックライト装置を比較例1とした。比較実験1では、実施例1の第2導光板25から第4導光板レンズ26を取り除いた構成のバックライト装置を比較例2とした。比較実験1では、実施例1の第2導光板25から第4導光板レンズ26及び第5導光板レンズ27を取り除いた構成のバックライト装置を比較例3とした。比較実験1では、実施例1の第2導光板25から第4導光板レンズ26、第5導光板レンズ27及び第6導光板レンズ28を取り除いた構成のバックライト装置を参考例とした。参考例の第2導光板は、両主面が共に平面とされる平板である。比較実験1では、参考例、比較例1~3及び実施例1に係る各バックライト装置において第1LED13を点灯させ、第2LED24を消灯した状態での出射光に係る輝度を測定し、ピーク輝度を算出するとともに、X軸方向についての配光分布(輝度角度分布)に係るグラフを作成した。ピーク輝度は、参考例のピーク輝度を基準(100%)とした相対値である。その上で、参考例、比較例1~3及び実施例1に係るX軸方向についての配向分布のうちの-25°、-35°、-45°の各角度での光の比率をそれぞれ算出した。算出に際しては、-25°、-35°、-45°の各角度でのピーク輝度を、全体のピーク輝度(相対輝度「1」)にて除している。
比較実験1の実験結果は、図15及び図16に示される通りである。図15は、比較実験1の実験結果を示す表である。図15には、上から順に、第2導光板の構成(各導光板レンズ26~28の有無)と、X軸方向についての配向分布のうちの-25°、-35°、-45°の各角度での光の比率(単位は「%」)と、ピーク輝度の百分率(単位は「%」)と、が示されている。図16は、参考例、比較例1~3及び実施例1に係る配光分布を示すグラフである。図16に示される配光分布に係るグラフは、横軸が正面方向(Z軸方向)に対するX軸方向の角度(単位は「°」)であり、縦軸が相対輝度(単位は「%」)である。図16の横軸の角度に付された正負の記号は、図10のグラフの横軸に付された符号と同じ意味である。
比較実験1の実験結果について説明する。図15及び図16によれば、参考例は、X軸方向についての配向分布のうちの-25°、-35°、-45°の各角度での光の比率が最も低い上、ピーク輝度が最も高い。その理由は、参考例の第2導光板は、両主面が共に平面とされる平板であることから、第1導光板14側から出射される光を屈折させることが殆どないため、と推考される。比較例3は、X軸方向についての配向分布のうちの-25°、-35°、-45°の各角度での光の比率が最も高く、比較例2は、-25°、-35°、-45°の各角度での光の比率が2番目に高い。比較例2,3は、共に第6導光板レンズ28を有するものの、第4導光板レンズ26を有していない。第1LED13から発せられた光は、第2導光板25の第2反対主面25Cに入射する際、第6導光板レンズ28の第6導光板斜面28A及び第7導光板斜面28Bによって屈折されると、正面方向に対して大きく傾いたサイドローブ光となり易い傾向にあり、この傾向が比較例2,3の実験結果に反映された、と推考される。比較例2,3の違いは、第5導光板レンズ27の有無である。第5導光板レンズ27を有する比較例2は、第2反対主面25Cに第5導光板レンズ27が設けられる分、第2反対主面25Cでの第6導光板レンズ28の占有比率が、比較例3よりも低くなっている。このため、比較例2は、第6導光板レンズ28の第6導光板斜面28A及び第7導光板斜面28Bに起因するサイドローブ光の発生が抑制されている、と推考される。その反面、比較例2は、ピーク輝度が39%と最も低くなっている。これは、第4導光板レンズ26による集光機能が損なわれることで、光を十分に正面方向に立ち上げることができなくなったため、と推考される。
図15及び図16によれば、比較例1は、X軸方向についての配向分布のうちの-25°、-35°、-45°の各角度での光の比率が参考例に次いで低い。その理由は、比較例1は、第6導光板レンズ28を有しておらず、第6導光板レンズ28の第6導光板斜面28A及び第7導光板斜面28Bに起因するサイドローブ光が発生しないため、と推考される。図15及び図16によれば、実施例1は、20°、-35°、-45°の各角度での光の比率が比較例1に次いで低い。つまり、実施例1は、比較例1よりはサイドローブ光が多いものの、比較例2,3よりはサイドローブ光が少ない。実施例1は、比較例2と同様に、第5導光板レンズ27を有することで、第2反対主面25Cでの第6導光板レンズ28の占有比率が低下し、比較例3よりもサイドローブ光が少なくなっている、と推考される。実施例1は、第4導光板レンズ26を有しているので、光を十分に正面方向に立ち上げることができるとともに、光の一部を全反射して第1導光板14側に戻すことで、再帰光を生み出し、再帰光には正面方向に近い角度の光が含まれるので、比較例2よりもピーク輝度が向上するとともにサイドローブ光が少なくなっている、と推考される。なお、比較例1は、この比較実験1では参考例に次ぐ優れた実験結果が得られるものの、第6導光板レンズ28を有していないため、第2LED24から発せられた光を出射させることが殆どできない。
次に、第2導光板25の第6導光板レンズ28の第7導光板斜面28BがX軸方向に対してなす傾斜角度θ3を変化させたとき、配光分布がどのように変化するか、に関する知見を得るため、実証実験3を行った。この実証実験3では、第6導光板レンズ28の構成を除いては、本段落以前に説明したものと同じ構成のバックライト装置12を用いる。実証実験3では、第6導光板レンズ28の第7導光板斜面28BがX軸方向に対してなす傾斜角度θ3を、1°~60°の範囲で変化させた。詳しくは、実証実験3では、傾斜角度θ3を、1°,3°,5°,10°,20°,30°,40°,50°,60°とした。なお、第6導光板斜面28AがX軸方向に対してなす傾斜角度θ2は、27°で一定とされる。このように傾斜角度θ3を変化させたバックライト装置12において第1LED13を点灯させ、第2LED24を消灯した状態での出射光に係る輝度を測定し、X軸方向についての配光分布(輝度角度分布)に係るグラフを作成した。その上で、上記した全ての傾斜角度θ3での、X軸方向についての配向分布のうちの-25°、-35°、-45°の各角度の光の比率をそれぞれ算出した。算出に際しては、-25°、-35°、-45°の各角度でのピーク輝度を、全体のピーク輝度(相対輝度「1」)にて除している。
実証実験3の実験結果は、図17から図19に示される通りである。図17は、傾斜角度θ3を1°,3°,5°,10°,20°,30°,40°,50°,60°とした場合における配光分布を示すグラフである。図17に示される配光分布に係るグラフは、横軸が正面方向(Z軸方向)に対するX軸方向の角度(単位は「°」)であり、縦軸が相対輝度(無単位)である。図18は、図17のうち、横軸の0°~-60°の範囲と、縦軸の0~0.2の範囲と、を拡大したグラフである。図19は、傾斜角度θ3と、X軸方向についての配向分布のうちの-25°、-35°、-45°の各角度での光の比率と、の関係を示すグラフである。図19では、横軸が傾斜角度θ3(単位は「°」)であり、縦軸がX軸方向についての配向分布のうちの-25°、-35°、-45°の各角度での光の比率(単位は「%」)である。サイドローブ光が視認され難くなるには、-25°での光の比率が5%以下とされるのが好ましく、-35°での光の比率が3%以下とされるのが好ましく、-45°での光の比率が2.5%以下とされるのが好ましい。このように、サイドローブ光が視認され難くなる基準値は、X軸方向についての配向分布での角度が大きくなるほど低くなる傾向にある。
実証実験3の実験結果について説明する。図17から図19によれば、傾斜角度θ3が20°,30°,40°では、X軸方向についての配向分布のうちの-25°での光の比率が5%を超えている。傾斜角度θ3が30°,40°,50°,60°では、X軸方向についての配向分布のうちの-35°での光の比率が3%を超えている。傾斜角度θ3が50°,60°では、X軸方向についての配向分布のうちの-45°での光の比率が2.5%を超えている。そして、X軸方向についての配向分布のうちの-25°、-35°、-45°の各角度での光の比率の基準値をいずれも満たすのは、傾斜角度θ3が1°,3°,5°,10°であることが分かる。従って、傾斜角度θ3は、1°~10°の範囲であれば、サイドローブ光を十分に視認され難くすることができる、と言える。傾斜角度θ3が1°~10°の範囲では、小さい数値であるほど、X軸方向についての配向分布のうちの-25°、-35°、-45°の各角度での光の比率がいずれも低くなる傾向とされる。従って、傾斜角度θ3は、1°または3°とされるのが、サイドローブ光を視認され難くする上では最も好ましい。傾斜角度θ3が1°の第6導光板レンズ28を形成するのは製造上難しいことから、製造上の容易性を考慮すると、傾斜角度θ3は、3°とされるのが最も好ましいと言える。
次に、第2導光板25の第5導光板レンズ27の頂角θ1を変化させたとき、配光分布がどのように変化するか、に関する知見を得るため、実証実験4を行った。この実証実験4では、第5導光板レンズ27の構成を除いては、実証実験1以前に説明したものと同じ構成のバックライト装置12を用いる。実証実験1では、第5導光板レンズ27の一対の第5導光板斜面27Aがなす頂角θ1を、90°~150°の範囲で変化させた。詳しくは、実証実験4では、頂角θ1を、90°,100°,110°,120°,130°,140°,150°とした。このように頂角θ1を変化させたバックライト装置12において第1LED13を点灯させた状態での出射光に係る輝度を測定した。測定された出射光に係る輝度のデータに基づいて、全ての頂角θ1での、X軸方向についての配向分布のうちの-25°、-35°、-45°の各角度の光の比率をそれぞれ算出した。算出に際しては、-25°、-35°、-45°の各角度でのピーク輝度を、全体のピーク輝度(相対輝度「1」)にて除している。
実証実験4における配光分布に係る実験結果は、図20及び図21に示される通りである。図20は、頂角θ1と、X軸方向についての配向分布のうちの-25°、-35°、-45°の各角度での光の比率と、の関係を示すグラフである。図20では、横軸が頂角θ1(単位は「°」)であり、縦軸がX軸方向についての配向分布のうちの-25°、-35°、-45°の各角度での光の比率(単位は「%」)である。図21は、頂角θ1と、X軸方向についての配向分布のうちの0°での輝度(正面輝度)と、の関係を示すグラフである。図21では、横軸が頂角θ1(単位は「°」)であり、縦軸が輝度(単位は「cd/m2」)である。
実証実験4の実験結果について説明する。実証実験3の図19との比較において、実証実験4の図20では、頂角θ1を変化させても、X軸方向についての配向分布のうちの-25°、-35°、-45°の各角度での光の比率がそれほど変化しないことが分かる。つまり、第5導光板レンズ27の頂角θ1がいずれの数値であっても、第1導光板14側からの出射光に与える影響は、それほど変わらない、と言える。一方、図21によれば、頂角θ1が大きくなるほど、正面輝度が向上し、頂角θ1が小さくなるほど、正面輝度が低下することが分かる。これは、頂角θ1が小さい方が、第1導光板14側からの出射光が第5導光板斜面27Aによって大きく屈折されて、正面方向に対して大きく傾くよう角度付けされるため、と推考される。
次に、第2導光板25の第4導光板レンズ26の接触角θcを変化させたとき、配光分布がどのように変化するか、に関する知見を得るため、実証実験5を行った。この実証実験5では、第4導光板レンズ26の構成を除いては、実証実験1以前に説明したものと同じ構成のバックライト装置12を用いる。実証実験1では、第4導光板レンズ26の接触角θcを、15°~58°の範囲で変化させた。詳しくは、実証実験4では、接触角θcを、15°,20°,30°,40°,48°,58°とした。このように接触角θcを変化させたバックライト装置12において第1LED13を点灯させた状態での出射光に係る輝度を測定した。測定された出射光に係る輝度のデータに基づいて、全ての接触角θcでの、X軸方向についての配向分布のうちの-25°、-35°、-45°の各角度の光の比率をそれぞれ算出した。算出に際しては、-25°、-35°、-45°の各角度でのピーク輝度を、全体のピーク輝度(相対輝度「1」)にて除している。
実証実験5における配光分布に係る実験結果は、図22及び図23に示される通りである。図22は、接触角θcと、X軸方向についての配向分布のうちの-25°、-35°、-45°の各角度での光の比率と、の関係を示すグラフである。図22では、横軸が接触角θc(単位は「°」)であり、縦軸がX軸方向についての配向分布のうちの-25°、-35°、-45°の各角度での光の比率(単位は「%」)である。図23は、接触角θcと、X軸方向についての配向分布のうちの0°での輝度(正面輝度)と、の関係を示すグラフである。図23では、横軸が接触角θc(単位は「°」)であり、縦軸が輝度(単位は「cd/m2」)である。
実証実験5の実験結果について説明する。図22によれば、接触角θcが大きくなるほど、X軸方向についての配向分布のうちの-25°、-35°、-45°の各角度での光の比率が低下する傾向にあることが分かる。これは、接触角θcが大きい方が、第1導光板14側からの出射光の多くを全反射して第1導光板14側に戻すことで多くの再帰光を生み出し、結果として正面方向(0°)に近い角度の光を多く出射させることができるため、と推考される。なお、図22を、実証実験3の図19と比較すると、実証実験5における-25°、-35°、-45°の各角度での光の比率の変化率は、相対的に低いと言える。図23によれば、接触角θcが大きくなるほど、正面輝度が向上し、接触角θcが小さくなるほど、正面輝度が低下することが分かる。これは、図22にて説明した理由と同じであり、接触角θcが大きい方が、再帰光を多く生み出すことができるため、と推考される。
以上説明したように本実施形態のバックライト装置(照明装置)12は、第1LED(第1光源)13と、外周端面の少なくとも一部が、第1LED13と対向して光が入射される第1入光端面(第1端面)14Aとされ、一方の主面が光を出射させる第1導光板出光主面(第1主面)14Bとされ、他方の主面が第1反対主面(第2主面)14Cとされる第1導光板14と、一方の主面が、第1導光板出光主面14Bを向いて配されて光が入射される第1入光主面(第3主面)18Aとされ、他方の主面が光を出射させる第1出光主面(第4主面)18Bとされる第1ルーバー(第1シート)18と、第2LED(第2光源)24と、外周端面の少なくとも一部が、第2LED24と対向して光が入射される第2入光端面(第2端面)25Aとされ、一方の主面が光を出射させる第2導光板出光主面(第5主面)25Bとされ、他方の主面が第1出光主面18Bを向いて配される第2反対主面(第6主面)25Cとされる第2導光板25と、を備え、第1ルーバー18は、第1LED13から第1導光板14へ向かう向きを含む第1方向に間隔を空けて配されて光を遮る2つの第1遮光部18Cと、2つの第1遮光部18Cの間に配されて光を透過する第1透光部18Dと、を少なくとも有し、第2導光板25の第2反対主面25Cには、第1方向の第2LED24とは反対側から第2LED24側に向かって立ち上がる傾斜の第6導光板斜面(第1斜面)28Aを有する第6導光板レンズ(第1レンズ)28が設けられる。
このようにすれば、第1LED13から発せられて第1導光板14の第1入光端面14Aに入射した光は、第1導光板14内を伝播するとともに第1導光板出光主面14Bから出射されて第1ルーバー18の第1入光主面18Aに入射される。第1ルーバー18の第1入光主面18Aに入射した光は、2つの第1遮光部18Cの間に配された第1透光部18Dを透過し、第1出光主面18Bから出射する。第1出光主面18Bからの出射光の出射角度は、2つの第1遮光部18Cによって制限される。第1出光主面18Bからの出射光は、第2導光板25の第2反対主面25Cに入射されると、第2導光板出光主面25Bから出射される。第2導光板出光主面25Bから出射する光は、第1ルーバー18の第1遮光部18Cによって角度範囲が制限されているから、制限された角度範囲外に出射し難くなっている。これにより、第1LED13を点灯させ、第2LED24を消灯すれば、制限された角度範囲に選択的に光を出射させることができる。
第2LED24から発せられて第2導光板25の第2入光端面25Aに入射した光は、第2導光板25内を伝播する過程で、第2反対主面25Cに設けられた第6導光板レンズ28の第6導光板斜面28Aに当たる。第2導光板25における第1方向の第2LED24とは反対側から第2LED24側に向かって立ち上がる傾斜を有する第6導光板斜面28Aに当たった光は、反射されて第2導光板出光主面25Bから出射される。第2導光板出光主面25Bからの出射光には、第2導光板出光主面25Bの法線方向、つまり正面方向に対して第1方向の第2LED24側とは反対側へ向かう光が、第1方向の第2LED24側へ向かう光よりも多く含まれる。従って、第2LED24を点灯させれば、出射光に係るピーク輝度が、第1方向の第2LED24側とは反対側に偏在した輝度角度分布の出射光を供給することが可能となる。これにより、正面方向に対して傾いた方向への出射光の輝度を十分に確保することができる。
また、第6導光板斜面28Aは、第1方向に対してなす角度θ2が、27°~40°の範囲とされる。仮に、第6導光板斜面28Aが第1方向に対してなす角度が40°よりも大きい場合は、第6導光板斜面28Aにより屈折された光が、正面方向に近い角度で出射したり、第1方向の第2LED24側へ向かう角度で出射したりし易くなるおそれがある。仮に、第6導光板斜面28Aが第1方向に対してなす角度が27°よりも小さいと、第6導光板斜面28Aにより屈折された光が、正面方向に対して過度に傾いた角度で出射するおそれがある。その点、上記したように、第6導光板斜面28Aが第1方向に対してなす角度θ2が、27°~40°の範囲とされることで、正面方向に対して第1方向の第2LED24側とは反対側へ適度に傾いた角度で多くの光を出射させることができる。これにより、正面方向に対して傾いた方向への出射光の輝度をより向上させることができる。
また、第6導光板レンズ28は、第1方向の第2LED24からその反対側に向かって立ち上がる傾斜の第7導光板斜面(第2斜面)28Bを有する。第1方向に第2LED24に近づくよう第2導光板25内を進行する光は、第7導光板斜面28Bに当たって屈折されると、正面方向に対して第1方向の第2LED24側とは反対側へ向けて進行する。これにより、正面方向に対して傾いた方向への出射光の輝度をより向上させることができる。また、第1方向に第2LED24から遠ざかるよう第2導光板25内を進行する光は、第7導光板斜面28Bに当たって屈折されると、さらに第2LED24から遠ざかるよう導かれる。これにより、第2導光板出光主面25Bからの出射光が第1方向について第2LED24側に偏り難くなる。
また、第7導光板斜面28Bは、第1方向に対してなす角度θ3が、3°~10°の範囲とされる。まず、第1導光板14の第1導光板出光主面14Bから出射して第2導光板25の第2反対主面25Cに入射する光が、第7導光板斜面28Bに当たって屈折されると、正面方向に対して第1方向の第2LED24側とは反対側へ傾いた向きに進行するサイドローブ光となって出射するおそれがある。仮に、第7導光板斜面28Bが第1方向に対してなす角度が10°よりも大きい場合は、上記のようなサイドローブ光が過多となってしまう。仮に、第7導光板斜面28Bが第1方向に対してなす角度が3°よりも小さい場合は、そのような角度の第7導光板斜面28Bを有する第6導光板レンズ28を形成するのが困難になる。その点、上記したように第7導光板斜面28Bが第1方向に対してなす角度θ3が、3°~10°の範囲とされることで、上記のようなサイドローブ光が十分に低減されるとともに、第6導光板レンズ28の形成容易性を担保することができる。
また、第6導光板レンズ28は、第1方向に第6導光板斜面28Aと第7導光板斜面28Bとの間に位置し、第1方向に沿う第1平面28Dを有する。第1導光板14の第1導光板出光主面14Bから出射して第2導光板25の第2反対主面25Cに入射する光は、第1平面28Dに当たっても殆ど屈折されることなく進行する。従って、仮に第6導光板斜面28Aと第7導光板斜面28Bとが第1平面28Dを介することなく直接連なる構成とした場合に比べると、正面方向に対して第1方向の第2LED24側とは反対側へ傾いた向きに進行するサイドローブ光の発生を抑制することができる。
また、第6導光板レンズ28は、第1方向に複数並んで配され、第2導光板25の第2反対主面25Cには、第1方向に隣り合う2つの第6導光板レンズ28の間に位置し、第1方向に沿う第2平面29が設けられている。第1導光板14の第1導光板出光主面14Bから出射して第2導光板25の第2反対主面25Cに入射する光は、第2平面29に当たっても殆ど屈折されることなく進行する。従って、仮に第1方向に隣り合う2つの第6導光板レンズ28が第2平面29を介することなく直接連なる構成とした場合に比べると、正面方向に対して第1方向の第2LED24側とは反対側へ傾いた向きに進行するサイドローブ光の発生を抑制することができる。
また、第2導光板25の第2導光板出光主面25Bには、第1方向と第1導光板14の主面の法線方向との双方と直交する第2方向に沿って複数が並んで配されていて第1方向に沿って延在する第4導光板レンズ(第2レンズ)26が設けられている。第2導光板25内を伝播して第2導光板出光主面25Bに達した光は、第4導光板レンズ26に対する入射角が臨界角を超えていれば、第4導光板レンズ26によって第2方向に集光作用が付与されつつ出射される。第4導光板レンズ26に対する入射角が臨界角を超えない光は、第4導光板レンズ26によって全反射されて第2反対主面25C側に戻され、第2反対主面25Cでも全反射されると、再び第2導光板出光主面25Bに至る。このように、第2導光板25内の光が、第4導光板レンズ26と第2反対主面25Cとの間で繰り返し全反射され、第1方向に沿って進行してから第2導光板出光主面25Bから出射されることで、出射光が第1方向について第2LED24側に偏り難くなる。
また、第2導光板25の第2反対主面25Cには、第1方向と第1導光板14の主面の法線方向との双方と直交する第2方向に沿って間隔を空けて複数が並んで配されていて第1方向に沿って延在する第5導光板レンズ(第3レンズ)27が設けられており、第6導光板レンズ28は、第2方向に第5導光板レンズ27と交互に並ぶよう複数が配されている。第2導光板25内を伝播して第2反対主面25Cに達した光は、殆どが第5導光板レンズ27に対する入射角が臨界角を超えていないので、第5導光板レンズ27によって全反射されて第2導光板出光主面25B側に向かう。そして、第2導光板出光主面25Bでも全反射されると、再び第2反対主面25Cに至る。このように、第2導光板25内の光が、第5導光板レンズ27と第2導光板出光主面25Bとの間で繰り返し全反射され、第1方向に沿って進行してから第2導光板出光主面25Bから出射されることで、出射光が第1方向について第2LED24側に偏り難くなる。また、第2反対主面25Cでは、第6導光板レンズ28と第5導光板レンズ27とが第2方向に交互に並んで配されているので、仮に第5導光板レンズ27が非設置の場合に比べると、第2反対主面25Cでの第6導光板レンズ28の占有比率が低下する。第6導光板レンズ28は、第1導光板14の第1出光主面18Bからの出射光の一部を屈折させ、サイドローブ光を生じさせる原因となり得ることから、第2反対主面25Cでの第6導光板レンズ28の占有比率が低下することで、サイドローブ光の低減を図ることができる。
また、一方の主面が第1導光板出光主面14Bと対向して配される第1プリズムシート16であって、第1方向に沿って複数が並んで配されていて第1方向と第1導光板14の主面の法線方向との双方と直交する第2方向に沿って延在する第1プリズム16Bを有する第1プリズムシート16と、第1プリズムシート16に対して第1導光板14とは反対側に位置して配される第2プリズムシート17であって、第1方向に沿って複数が並んで配されていて第2方向に沿って延在する第2プリズム17Bを有する第2プリズムシート17と、を備え、第1プリズム16Bは、第1プリズムシート16における第1方向の第1LED13側からその反対側に向かって立ち上がる傾斜の第1プリズム斜面(第3斜面)16B1と、第1プリズムシート16における第1方向の第1LED13とは反対側から第1LED13側に向かって立ち上がる傾斜の第2プリズム斜面(第4斜面)16B2と、を有し、第2プリズム17Bは、第2プリズムシート17における第1方向の第1LED13側からその反対側に向かって立ち上がる傾斜の第3プリズム斜面(第5斜面)17B1と、第2プリズムシート17における第1方向の第1LED13とは反対側から第1LED13側に向かって立ち上がる傾斜の第4プリズム斜面(第6斜面)17B2と、を有し、第2プリズム17Bにおいて第3プリズム斜面17B1が第1方向に対してなす角度θ7が、第1プリズム16Bにおいて第1プリズム斜面16B1が第1方向に対してなす角度θ4よりも小さい。
第1LED13から発せられて第1導光板14の第1入光端面14Aに入射した光は、第1導光板14内を伝播するとともに第1導光板出光主面14Bから出射されて第1プリズムシート16に入射される。第1プリズムシート16に入射した光は、その多くが、第1プリズム16Bの第2プリズム斜面16B2に当たって屈折され、立ち上げられつつ出射するか、第1プリズム斜面16B1へ向かう。ここで、第1プリズム16Bは、第1プリズム斜面16B1が第1方向に対してなす角度θ4が、第2プリズム17Bの第3プリズム斜面17B1が第1方向に対してなす角度θ7よりも大きくなっているから、仮に同じ角度または角度の大小を逆の関係にした場合に比べると、第1プリズムシート16に入射した光が第1プリズム16Bにおける第1プリズム斜面16B1に当たり難くなる。第1プリズムシート16の入射光が第1プリズム16Bの第1プリズム斜面16B1に当たると、第1プリズム16Bを出射する際にサイドローブ光となって出射し易い傾向にある。従って、第1プリズムシート16の入射光が第1プリズム16Bの第1プリズム斜面16B1に直接当たり難くなれば、サイドローブ光の発生が抑制され、結果として光の利用効率が向上する。
第1プリズムシート16を出射して第2プリズムシート17に入射した光は、その多くが、第2プリズム17Bの第4プリズム斜面17B2に当たって屈折され、立ち上げられつつ出射するか、第3プリズム斜面17B1へ向かう。ここで、第2プリズム17Bは、第3プリズム斜面17B1が第1方向に対してなす角度θ7が、第1プリズム16Bの第1プリズム斜面16B1が第1方向に対してなす角度θ4よりも小さくなっているから、仮に同じ角度または角度の大小を逆の関係にした場合に比べると、第6斜辺により屈折されて第3プリズム斜面17B1へ向かう光が、第3プリズム斜面17B1により第1プリズムシート16側に戻され易くなる。結果として、第2プリズムシート17から第1プリズムシート16側に戻される光(以下、再帰光という)の量が多くなる。この再帰光は、当該バックライト装置12内にて反射などされることで再び第2プリズムシート17に至り、第2プリズム17Bの第3プリズム斜面17B1または第4プリズム斜面17B2によって立ち上げられつつ出射されるので、光の利用効率が向上する。また、再帰光は、第2プリズムシート17から出射するまでの光路が複雑化しているので、第2プリズム17Bにより付与される立ち上がり角度も多様化しており、それにより視野角特性が向上する。
第2プリズムシート17を出射した光は、第1ルーバー18の第1入光主面18Aに入射される。第1入光主面18Aに入射された光は、サイドローブ光が少ない上に再帰光によって利用効率が高くなっているので、第1透光部18Dの透過光量が十分に確保されるとともに第1遮光部18Cにより遮光される光量が少なくなる。これにより、当該バックライト装置12の出射光に係る輝度向上等を図る上で好適となる。
また、第1LED13は、第1導光板14に対して第1方向の一方側に配され、第2LED24は、第2導光板25に対して第1方向の他方側に配される。このように、第1LED13と第2LED24とが第1方向に分散して配されているので、第1LED13及び第2LED24をそれぞれ点灯させても、熱がこもり難くなる。
また、本実施形態に係る液晶表示装置(表示装置)10は、上記記載のバックライト装置12と、バックライト装置12からの光を利用して表示を行う液晶パネル(表示パネル)11と、を備える。このような構成の液晶表示装置10によれば、バックライト装置12において、制限された角度範囲外への光の出射が抑制され、正面方向に対して傾いた方向への出射光の輝度が向上しているから、表示品位に優れた表示を実現することができる。
<実施形態2>
実施形態2を図24または図25によって説明する。この実施形態2では、バックライト装置112の構成を変更した場合を示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態に係るバックライト装置112は、図24に示すように、第1ルーバー118の表側に配されるリニアフレネルレンズシート(第2シート)19と、リニアフレネルレンズシート19の表側に位置して第2導光板125の裏側に位置して配される第3ルーバー(第3シート)20と、を少なくとも備える。リニアフレネルレンズシート19及び第3ルーバー20は、それぞれの主面が第1ルーバー118及び第2導光板125などの各主面に並行し、いずれもシート状をなしている。なお、リニアフレネルレンズシート19及び第3ルーバー20は、その主面がX軸方向及びY軸方向と並行し、主面の法線方向(厚さ方向)がZ軸方向と一致している。リニアフレネルレンズシート19は、光をX軸方向に選択的に集光する機能を有する。第3ルーバー20は、第1ルーバー118と同様に、光のX軸方向の出射角度範囲を制限する機能を有する。
リニアフレネルレンズシート19は、図24に示すように、裏側の第3入光主面(第7主面)19Aと、表側の第3出光主面(第8主面)19Bと、を有する。第3入光主面19Aは、第1ルーバー118の第1出光主面118Bと対向する。第3出光主面19Bは、後述する第3ルーバー20の第4入光主面20Aと対向する。リニアフレネルレンズシート19は、平坦な基材19Dと、基材19Dにおける表側の主面(第3出光主面19B)に設けられるリニアフレネルレンズ(第4レンズ)19Cと、を有する。リニアフレネルレンズシート19は、ほぼ透明な合成樹脂製とされる。具体的には、リニアフレネルレンズシート19の全体を、例えばPMMAなどのアクリル樹脂材料製とすることができる。また、リニアフレネルレンズシート19の基材19DをPET製とし、リニアフレネルレンズ19Cを紫外線硬化性樹脂材料製とすることも可能である。その場合は、第1プリズムシート116などの製造方法と同様に、未硬化の紫外線硬化性樹脂材料を成形用の型内に充填するとともに、その型の開口端に基材19Dを宛うことで未硬化の紫外線硬化性樹脂材料を表側の主面に接する形で配し、その状態で基材19Dを介して紫外線硬化性樹脂材料に対して紫外線を照射し、リニアフレネルレンズ19Cを基材19Dに対して一体的に設けることができる。
リニアフレネルレンズ19Cは、図24に示すように、基材19DからZ軸方向に沿って表側に向けて突出する。リニアフレネルレンズ19Cは、X軸方向に沿って切断した断面形状が三角形であり、Y軸方向に沿って直線的に延在している。リニアフレネルレンズ19Cは、その幅寸法(X軸方向の寸法)がY軸方向の全長にわたって一定とされる。リニアフレネルレンズ19Cは、基材19DにおいてX軸方向に沿って複数が並んで配されている。複数のリニアフレネルレンズ19Cは、基材19DにおけるX軸方向の位置に応じて高さなどが変化する。具体的には、複数のリニアフレネルレンズ19Cのうち、基材19DにおけるX軸方向の端側に位置するもの(後述する端側リニアフレネルレンズ19CE)は、中央側に位置するもの(後述する中央側リニアフレネルレンズ19CC)よりも基材19Dからの突出高さが大きい。複数のリニアフレネルレンズ19Cは、基材19DにおけるX軸方向の中央位置から両端位置に近づくほど、基材19Dからの突出高さが次第に大きくなる。複数のリニアフレネルレンズ19Cは、基材19DにおけるX軸方向の中央位置を中心として対称形状とされている。このように、複数のリニアフレネルレンズ19Cは、いわゆる「リニアフレネルレンズ」である。
リニアフレネルレンズ19Cは、図24に示すように、一対の斜面19C1,19C2を有している。リニアフレネルレンズ19Cにおける一対の斜面19C1,19C2のうち、リニアフレネルレンズシート19におけるX軸方向の端側のものを第1斜面(第7斜面)19C1とし、中央側のものを第2斜面19C2とする。第1斜面19C1は、リニアフレネルレンズシート19におけるX軸方向の端側から中央側に向かって立ち上がる傾斜を有する。第2斜面19C2は、リニアフレネルレンズシート19におけるX軸方向の中央側から端側に向かって立ち上がる傾斜を有する。リニアフレネルレンズシート19におけるX軸方向の中央位置よりも第1LED113側(図24の左側)に位置するリニアフレネルレンズ19Cは、頂部に対して図24の左側に第1斜面19C1が位置し、図24の右側に第2斜面19C2が位置する。リニアフレネルレンズシート19におけるX軸方向の中央位置よりも第1LED113とは反対側(図24の右側)に位置するリニアフレネルレンズ19Cは、頂部に対して図24の右側に第1斜面19C1が位置し、図24の左側に第2斜面19C2が位置する。なお、図25には、リニアフレネルレンズシート19におけるX軸方向の中央位置よりも第1LED113寄りに位置するリニアフレネルレンズ19Cが図示されている。
リニアフレネルレンズ19Cに入射した光は、図24に示すように、第1斜面19C1に当たって屈折されると、リニアフレネルレンズシート19のX軸方向の中央側を指向して進行する。つまり、第1斜面19C1は、光に対してX軸方向に選択的に集光させる、異方性屈折作用を付与することができる。リニアフレネルレンズ19Cは、第1斜面19C1に加えて、第2斜面19C2を有しているから、仮に第2斜面19C2がX軸方向に対して垂直な垂直面だった場合に比べると、リニアフレネルレンズシート19を製造する際に複数のリニアフレネルレンズ19Cを加工するのが容易になる。その反面、リニアフレネルレンズ19Cに入射した光は、第2斜面19C2に当たって屈折されると、リニアフレネルレンズシート19のX軸方向の端側を指向して進行し、サイドローブ光(迷光)となって出射し易い傾向にある。これに対し、リニアフレネルレンズ19Cは、X軸方向に対する第1斜面19C1の傾斜角度(角度、第1底角)θ10が、X軸方向に対する第2斜面19C2の傾斜角度(角度、第2底角)θ11よりも小さい。従って、リニアフレネルレンズ19Cに入射した光は、多くが第1斜面19C1に当たって集光作用が付与され、第2斜面19C2に当たるのは僅かとなっている。このように、リニアフレネルレンズ19Cは、断面形状が非対称形状で不等辺三角形とされる。
第3ルーバー20は、図24に示すように、裏側の第4入光主面(第9主面)20Aと、表側の第4出光主面(第10主面)20Bと、を有する。第4入光主面20Aは、リニアフレネルレンズシート19の第3出光主面19Bと対向する。第3ルーバー20は、光を遮る第3遮光部(第2遮光部)20Cと、光を透過する第3透光部(第2透光部)20Dと、を有する。第3遮光部20Cは、例えば黒色を呈していて光を遮る遮光性樹脂材料(遮光性材料)からなる。第3遮光部20Cは、Y軸方向及びZ軸方向に沿って延在する層状をなしており、X軸方向に間隔を空けて複数が並んで配されている。第3透光部20Dは、ほぼ透明で光を透過する透光性樹脂材料(透光性材料)からなる。第3透光部20Dは、Y軸方向及びZ軸方向に沿って延在する層状をなしており、X軸方向に間隔を空けて複数が並んで配されている。複数ずつの第3遮光部20C及び第3透光部20Dは、X軸方向に交互に繰り返し並んで配されている。従って、X軸方向に間隔を空けて隣り合う2つの第3遮光部20Cの間には、第3透光部20Dが介在し、X軸方向に間隔を空けて隣り合う2つの第3透光部20Dの間には、第3遮光部20Cが介在する。第3ルーバー20の第4入光主面20Aに入射した光は、X軸方向に隣り合う2つの第3遮光部20Cの間に配された第3透光部20Dを透過し、第4出光主面20Bから出射する。第4出光主面20Bからの出射光のX軸方向の出射角度は、X軸方向に隣り合う2つの第3遮光部20Cによって制限される。なお、第4出光主面20Bからの出射光は、Y軸方向については第3ルーバー20によって出射角度が制限されることがない。第4出光主面20Bからの出射光のX軸方向の出射角度範囲は、第3透光部20Dを挟む2つの第3遮光部20CのZ軸方向の各端部を斜向かいに結んだ2つの直線により画定される。第3透光部20Dの透過光におけるX軸方向の出射角度範囲は、第3透光部20Dの幅W6と高さH3との比率に応じて変化する。また、第3ルーバー20は、複数ずつの第3遮光部20C及び第3透光部20Dを、表側と裏側とから挟み込んで担持する一対のシート担体を有する。シート担体は、ほぼ透明で光を透過する透光性樹脂材料からなる。シート担体は、第3ルーバー20の全域にわたって延在していて複数ずつの第3遮光部20C及び第3透光部20Dを一括して保持する。
第3ルーバー20は、図25に示すように、第3透光部20Dの幅W6を高さH3にて除した比率が、第1透光部118Dの幅W1を高さH1にて除した比率(図3を参照)よりも大きい。この構成によれば、第3透光部20Dを透過する光が、Z軸方向(第4出光主面20Bの法線方向)に対してなす角度の最大の絶対値は、第1透光部118Dを透過する光が、Z軸方向(第1出光主面118Bの法線方向)に対してなす角度の最大の絶対値よりも大きい。これにより、リニアフレネルレンズシート19により異方性屈折作用が付与された光が、第3ルーバー20によって出射角度を過度に制限される事態が避けられる。このことから、第4出光主面20Bからの出射光は、リニアフレネルレンズシート19によって付与された異方性屈折作用が十分に反映されたものとなっている。従って、第4出光主面20BのうちのX軸方向の中央側部分と両端側部分とで、出射光の輝度が均一化される。このように、バックライト装置112の出射光に係る輝度分布が均一化される。本実施形態に係るバックライト装置112の出射光は、第3ルーバー20によって出射角度範囲が制限された上で、輝度分布が均一化されている。従って、本実施形態に係る液晶表示装置110が、乗用車の助手席の前に位置して設置された場合には、運転席からは液晶表示装置110の表示画像を視認不能とした上で、助手席からは液晶表示装置110の画面のX軸方向の位置によらず均一な輝度の表示画像を視認することができる。また、第4出光主面20Bからの出射光の出射角度は、2つの第3遮光部20Cによって制限されている。従って、リニアフレネルレンズ19Cの第2斜面19C2に起因するサイドローブ光が生じても、第3ルーバー20の第3遮光部20Cによって遮光されることで、第4出光主面20Bから出射し難くなっている。これにより、バックライト装置112の出射光に生じ得るサイドローブ光を十分に低減できる。
第3ルーバー20は、図25に示すように、第3透光部20Dの幅W6を高さH3にて除した比率が、「tan45°」と等しい。このようにすれば、第3透光部20Dを透過する光が、Z軸方向に対してなす角度の最大の絶対値が45°となる。仮に、第3透光部20Dの幅を高さにて除した比率が、「tan45°」よりも大きい場合に比べると、サイドローブ光の低減を図ることができる。また、仮に、第3透光部20Dの幅を高さにて除した比率が、「tan45°」よりも小さい場合に比べると、リニアフレネルレンズシート19により異方性屈折作用が付与された光が、第3ルーバー20によって出射角度を過度に制限され難くなる。これにより、第3ルーバー20の出射光に係る輝度分布の均一化が図られる。
リニアフレネルレンズシート19の詳しい構成について説明する。X軸方向に沿って並ぶ複数のリニアフレネルレンズ19Cは、図25に示すように、X軸方向に対する第1斜面19C1の傾斜角度θ10がX軸方向の位置に応じて変化するよう構成される。詳しくは、複数のリニアフレネルレンズ19Cには、中央側リニアフレネルレンズ19CCと、リニアフレネルレンズシート19において中央側リニアフレネルレンズ19CCよりもX軸方向の端側に位置する端側リニアフレネルレンズ19CEと、が含まれている。複数のリニアフレネルレンズ19Cのうち、X軸方向の両端以外の位置に配されるいずれかのリニアフレネルレンズ19Cを「中央側リニアフレネルレンズ19CC」としたとき、その「中央側リニアフレネルレンズ19CC」よりもX軸方向の端側に位置するリニアフレネルレンズ19Cが「端側リニアフレネルレンズ19CE」となる。そして、端側リニアフレネルレンズ19CEの第1斜面19C1がX軸方向に対してなす角度θ10Eは、中央側リニアフレネルレンズ19CCの第1斜面19C1がX軸方向に対してなす角度θ10Cよりも大きい。このような構成によれば、端側リニアフレネルレンズ19CEの第1斜面19C1により光に付与される異方性屈折作用は、中央側リニアフレネルレンズ19CCの第1斜面19C1により光に付与される異方性屈折作用よりも強くなる。つまり、リニアフレネルレンズシート19の第3出光主面19Bのうち、X軸方向の端側部分からの出射光は、X軸方向の中央側部分からの出射光よりも、X軸方向の中央側へ向かう指向性がより強められている。第3出光主面19Bからの出射光が入射される第3ルーバー20では、出射光の出射角度を過度に制限することが避けられているので、第3ルーバー20の第4出光主面20BのうちのX軸方向の中央側部分と両端側部分とで、出射光の輝度がより均一化される。
X軸方向に沿って並ぶ複数のリニアフレネルレンズ19Cは、図25に示すように、頂角(第1頂角)θ12が同一とされる。つまり、中央側リニアフレネルレンズ19CCの頂角θ12Cは、端側リニアフレネルレンズ19CEの頂角θ12Eと等しい。このような構成によれば、リニアフレネルレンズシート19を樹脂成形によって製造する際に、成形に用いられる金型の加工が容易になる。そして、複数のリニアフレネルレンズ19Cは、X軸方向に対する第2斜面19C2の傾斜角度θ11がX軸方向の位置に応じて変化するよう構成される。端側リニアフレネルレンズ19CEの第2斜面19C2がX軸方向に対してなす角度θ11Eは、中央側リニアフレネルレンズ19CCの第2斜面19C2がX軸方向に対してなす角度θ11Cよりも小さい。この構成によれば、端側リニアフレネルレンズ19CEの第2斜面19C2に起因して生じるサイドローブ光が、中央側リニアフレネルレンズ19CCの第2斜面19C2に起因して生じるサイドローブ光よりも多くなる傾向となる。これに対し、第3ルーバー20に備わる2つの第3遮光部20Cによって第4出光主面20Bからの出射光の出射角度が制限されるので、端側リニアフレネルレンズ19CEの第2斜面19C2に起因するサイドローブ光を十分に低減できる。
複数のリニアフレネルレンズ19Cは、図25に示すように、頂角θ12が110°で一定とされる。複数のリニアフレネルレンズ19Cは、X軸方向に対する第1斜面19C1の傾斜角度θ10が、0°~24°の範囲とされ、X軸方向に対する第2斜面19C2の傾斜角度θ11が、46°~70°の範囲とされる。具体的には、複数のリニアフレネルレンズ19Cのうち、リニアフレネルレンズシート19におけるX軸方向の中央に位置するリニアフレネルレンズ19C(中央側リニアフレネルレンズ19CC)は、X軸方向に対する第1斜面19C1の傾斜角度θ10(θ10C)がほぼ0°であり、X軸方向に対する第2斜面19C2の傾斜角度θ11(θ11C)がほぼ70°であり、頂角θ12(θ12C)が110°である。これに対し、複数のリニアフレネルレンズ19Cのうち、リニアフレネルレンズシート19におけるX軸方向の両端に位置するリニアフレネルレンズ19C(端側リニアフレネルレンズ19CE)は、X軸方向に対する第1斜面19C1の傾斜角度θ10(θ10CE)がほぼ24°であり、X軸方向に対する第2斜面19C2の傾斜角度θ11(θ11E)がほぼ46°であり、頂角θ12(θ12E)が110°である。
リニアフレネルレンズ19Cの傾斜角度θ10及び傾斜角度θ11は、リニアフレネルレンズシート19におけるX軸方向の位置に応じて下記のように変化する。すなわち、複数のリニアフレネルレンズ19Cは、X軸方向に対する第1斜面19C1の傾斜角度θ10が、X軸方向の中央位置から両端位置に近づくに従って連続的に漸次減少するよう変化している。複数のリニアフレネルレンズ19Cは、X軸方向に対する第2斜面19C2の傾斜角度θ11が、X軸方向の中央位置から両端位置に近づくに従って連続的に漸次増加するよう変化している。
仮に、第1斜面19C1がX軸方向に対してなす角度θ10が24°よりも大きく、第2斜面19C2がX軸方向に対してなす角度θ11が46°よりも小さい場合には、第3ルーバー20の第3遮光部20Cでは遮光するのが難しいサイドローブ光が過多となるおそれがある。また、仮に、第1斜面19C1がX軸方向に対してなす角度θ10が0°よりも小さく、第2斜面19C2がX軸方向に対してなす角度θ11が70°よりも大きい場合にも、第3ルーバー20の第3遮光部20Cでは遮光するのが難しいサイドローブ光が過多となるおそれがある。その点、上記したように、複数のリニアフレネルレンズ19Cにおいて、第1斜面19C1がX軸方向に対してなす角度θ10が、0°~24°の範囲とされ、第2斜面19C2がX軸方向に対してなす角度θ11が、46°~70°の範囲とされると、第3ルーバー20の第3遮光部20Cでは遮光するのが難しいサイドローブ光を十分に抑制することができる。
以上説明したように本実施形態によれば、一方の主面が、第1出光主面118Bと対向して光が入射される第3入光主面(第7主面)19Aとされ、他方の主面が光を出射させる第3出光主面(第8主面)19Bとされるリニアフレネルレンズシート(第2シート)19と、一方の主面が、第3出光主面19Bと対向して光が入射される第4入光主面(第9主面)20Aとされ、他方の主面が第2反対主面125Cと対向して光を出射させる第4出光主面(第10主面)20Bとされる第3ルーバー(第3シート)20と、を備え、リニアフレネルレンズシート19は、第3入光主面19Aまたは第3出光主面19Bに配されるリニアフレネルレンズ(第4レンズ)19Cを有し、第3ルーバー20は、第1方向に間隔を空けて配されて光を遮る2つの第3遮光部(第2遮光部)20Cと、2つの第3遮光部20Cの間に配されて光を透過する第3透光部(第2透光部)20Dと、を少なくとも有し、リニアフレネルレンズ19Cは、リニアフレネルレンズシート19における第1方向の端側から中央側に向かって立ち上がる傾斜の第1斜面(第7斜面)19C1を有し、第3ルーバー20は、第3透光部20Dの幅W6を高さH3にて除した比率が、第1透光部118Dの幅W1を高さH1にて除した比率よりも大きい。
第1ルーバー118の第1出光主面118Bから出射した光は、リニアフレネルレンズシート19の第3入光主面19Aに入射すると、リニアフレネルレンズ19Cの第1斜面19C1によって屈折されて第3出光主面19Bから出射される。第1斜面19C1は、リニアフレネルレンズシート19における第1方向の端側から中央側に向かって立ち上がる傾斜を有しているから、第3出光主面19Bからの出射光には、第1方向の中央側を指向する異方性屈折作用が付与される。第3出光主面19Bから出射した光は、第3ルーバー20の第4入光主面20Aに入射すると、2つの第3遮光部20Cの間に配された第3透光部20Dを透過し、第4出光主面20Bから出射する。第4出光主面20Bからの出射光の出射角度は、2つの第3遮光部20Cによって制限される。第4出光主面20Bから出射した光は、第2導光板125の第2反対主面125Cに入射される。
ここで、第1ルーバー118は、第1透光部118Dの幅W1を高さH1にて除した比率が、第3透光部20Dの幅W6を高さH3にて除した比率よりも小さい。この構成によれば、第1透光部118Dを透過する光が、第1出光主面118Bの法線方向に対してなす角度の最大の絶対値は、第3透光部20Dを透過する光が、第4出光主面20Bの法線方向に対してなす角度の最大の絶対値よりも小さい。これにより、第1出光主面118Bから出射し、リニアフレネルレンズシート19の第3入光主面19Aに入射される光には、第1出光主面118Bの法線方向に近い光が多く含まれる。従って、リニアフレネルレンズシート19に備わるリニアフレネルレンズ19Cの第1斜面19C1により屈折される光には、第1方向の中央側へ向かう指向性が効率的に付与される。
一方、第3ルーバー20は、第3透光部20Dの幅W6を高さH3にて除した比率が、第1透光部118Dの幅W1を高さH1にて除した比率よりも大きい。この構成によれば、第3透光部20Dを透過する光が、第4出光主面20Bの法線方向に対してなす角度の最大の絶対値は、第1透光部118Dを透過する光が、第1出光主面118Bの法線方向に対してなす角度の最大の絶対値よりも大きい。これにより、リニアフレネルレンズシート19により異方性屈折作用が付与された光が、第3ルーバー20によって出射角度を過度に制限される事態が避けられる。このことから、第4出光主面20Bからの出射光は、リニアフレネルレンズシート19によって付与された異方性屈折作用が十分に反映されたものとなっているので、第4出光主面20Bのうちの第1方向の中央側部分と両端側部分とで、出射光の輝度が均一化される。また、第4出光主面20Bからの出射光の出射角度は、2つの第3遮光部20Cによって制限されているので、当該バックライト装置112の出射光に生じ得るサイドローブ光を低減できる。
<実施形態3>
実施形態3を図26から図29によって説明する。この実施形態3では、上記した実施形態1から第5導光板レンズ227の構成を変更した場合を示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態に係る第2導光板225の第2反対主面225CにおいてY軸方向に沿って並ぶ複数の第5導光板レンズ227は、図26に示すように、幅寸法(Y軸方向の寸法)が変化するよう構成される。詳しくは、複数の第5導光板レンズ227には、中央側第5導光板レンズ(中央側第3レンズ)227Cと、第2導光板225において中央側第5導光板レンズ227CよりもY軸方向の端側に位置する端側第5導光板レンズ(端側第3レンズ)227Eと、が含まれている。複数の第5導光板レンズ227のうち、Y軸方向の両端以外の位置に配されるいずれかの第5導光板レンズ227を「中央側第5導光板レンズ227C」としたとき、その「中央側第5導光板レンズ227C」よりもY軸方向の端側に位置する第5導光板レンズ227が「端側第5導光板レンズ227E」となる。
そして、端側第5導光板レンズ227Eの幅寸法(Y軸方向の寸法)W7は、中央側第5導光板レンズ227Cの幅寸法W8よりも小さい。このようにすれば、第2反対主面225CのうちのY軸方向の端側部分での端側第5導光板レンズ227Eの占有比率は、Y軸方向の中央側部分での中央側第5導光板レンズ227Cの占有比率よりも低くなる。これにより、第2導光板225におけるY軸方向の中央側から端側に近づくほど、端側第5導光板レンズ227Eと第2導光板出光主面225Bとの間で繰り返し全反射されてX軸方向に沿って直進する光量が減少し、光が第2導光板225におけるY軸方向の端まで至り易くなる。
第5導光板レンズ227の幅寸法の具体的な数値は、第2導光板225における第5導光板レンズ227のY軸方向の位置に応じて図27に示されるように変化する。図27は、横軸を第2導光板25におけるY軸方向の位置(単位は「mm」)とし、縦軸を第5導光板レンズ227の幅寸法(単位は「mm」)としたグラフである。図27の横軸の基準位置(0mm)が、第2導光板225のY軸方向の中央位置であり、±60mmの位置が、第2導光板225のY軸方向の両端位置である。図27に示される実線が、実施形態1に係る第5導光板レンズ27(図3を参照)の幅寸法のグラフであり、破線が、本実施形態に係る第5導光板レンズ227の幅寸法のグラフである。なお、第5導光板レンズ227の頂角θ1は、Y軸方向の位置に拘わらず一定とされる。
図27によれば、複数の第5導光板レンズ227は、第2導光板225のY軸方向の中央側部分(+20mmから-20mmの範囲)では、幅寸法がほぼ一定とされる。これに対し、複数の第5導光板レンズ227は、第2導光板225のY軸方向の両端側部分(+60mmから+20mmの範囲、-60mmから-20mmの範囲)では、幅寸法がY軸方向の両端位置に近づくに従って連続的に漸次減少するよう変化している。具体的には、複数の第5導光板レンズ227のうち、第2導光板225におけるY軸方向の中央側部分に位置する第5導光板レンズ227(中央側第5導光板レンズ227C)は、幅寸法W8が最大とされるのに対し、Y軸方向の両端位置に位置する第5導光板レンズ227(端側第5導光板レンズ227E)は、幅寸法W7が最小とされる。
上記のように複数の第5導光板レンズ227が構成されるのに伴い、第2導光板225の第2反対主面225Cに配される複数の第6導光板レンズ228は、図26に示すように、幅寸法(Y軸方向の寸法)が変化するよう構成される。詳しくは、複数の第6導光板レンズ228には、中央側第6導光板レンズ(中央側第1レンズ)228Cと、第2導光板225において中央側第6導光板レンズ228CよりもY軸方向の端側に位置する端側第6導光板レンズ(端側第1レンズ)228Eと、が含まれている。複数の第6導光板レンズ228のうち、Y軸方向の両端以外の位置に配されるいずれかの第6導光板レンズ228を「中央側第6導光板レンズ228C」としたとき、その「中央側第6導光板レンズ228C」よりもY軸方向の端側に位置する第6導光板レンズ228が「端側第6導光板レンズ228E」となる。
そして、端側第6導光板レンズ228Eの幅寸法(Y軸方向の寸法)W9は、中央側第6導光板レンズ228Cの幅寸法W10よりも大きい。つまり、第2導光板225の第2反対主面225Cのうち、Y軸方向の中央側部分では、第5導光板レンズ227(中央側第5導光板レンズ227C)の占有比率が高くされるのに伴って、第6導光板レンズ228(中央側第6導光板レンズ228C)の占有比率が低くなっている。逆にY軸方向の両端側部分では、第5導光板レンズ227(端側第5導光板レンズ227E)の占有比率が低くされるのに伴って、第6導光板レンズ228(端側第6導光板レンズ228E)の占有比率が高くなっている。これにより、第2導光板225におけるY軸方向の端側では、端側第6導光板レンズ228Eの第6導光板斜面228Aによって反射されて第2導光板出光主面225Bから出射する光量が多くなる。以上により、第2導光板出光主面225BのうちのY軸方向の中央側部分と両端側部分とで、出射光の輝度が均一化される。
具体的には、図27によれば、第2導光板225のY軸方向の中央側部分(+20mmから-20mmの範囲)では、複数の第5導光板レンズ227の幅寸法がほぼ一定であることから、複数の第6導光板レンズ228の幅寸法もほぼ一定とされる。これに対し、第2導光板225のY軸方向の両端側部分(+60mmから+20mmの範囲、-60mmから-20mmの範囲)では、複数の第5導光板レンズ227の幅寸法が、Y軸方向の両端位置に近づくに従って連続的に漸次減少するよう変化していることから、複数の第6導光板レンズ228の幅寸法は、Y軸方向の両端位置に近づくに従って連続的に漸次増加するよう変化する。複数の第6導光板レンズ228のうち、第2導光板225におけるY軸方向の中央側部分に位置する第6導光板レンズ228(中央側第6導光板レンズ228C)は、幅寸法W10が最小とされるのに対し、Y軸方向の両端位置に位置する第6導光板レンズ228(端側第6導光板レンズ228E)は、幅寸法W7が最大とされる。
ここで、本実施形態に係るバックライト装置12及び液晶表示装置10の優位性を検証するため、以下の比較実験2を行った。この比較実験2では、上記した実施形態1にて説明した構成のバックライト装置12を実施例2とし、比較実験2よりも前の段落にて説明した構成のバックライト装置12を実施例3とした。比較実験2では、実施例2及び実施例3に係る各バックライト装置において第1LED13を点灯させ、第2LED24を消灯した状態での出射光に係る輝度を測定し、輝度分布を濃淡により表した図を作成し、Y軸方向についての配光分布(輝度角度分布)に係るグラフを作成した。また、比較実験2では、算出された輝度のうちの最小輝度を最大輝度にて除した比率の百分率(単位は「%」)を算出した。算出される比率の百分率は、数値が大きいほど輝度分布の均一性が高く、数値が小さいほど輝度分布の均一性が低いことを示唆する。
比較実験2の実験結果は、図28及び図29に示される通りである。図28には、上から順に、実施例2及び実施例3における輝度分布に係る図と、実施例2及び実施例3における最小輝度を最大輝度にて除した比率の百分率と、が示されている。図28に示される輝度分布に係る図では、輝度の高低が濃淡により表されている。図28には、輝度分布に係る図に加えて、輝度の濃淡に係る凡例(最小輝度が0階調、最大輝度が255階調)が示されている。また、図28には、凡例に対応する相対輝度の数値(100%及び0%)が示されている。図29は、実施例2及び実施例3に係るY軸方向の中央位置(図28の輝度分布に係る図に示されたA-A線の位置)での配光分布を示すグラフである。図29では、横軸が正面方向(Z軸方向)に対するY軸方向の角度(単位は「°」)であり、縦軸が輝度(単位は「cd/m2」)である。図29の横軸の角度に付された正負の記号のうち「-(マイナス)」は、バックライト装置を正面から視て、基準である0°(正面方向)に対してY軸方向の左側を意味し、「+(プラス)」は、バックライト装置を正面から視て、基準である0°(正面方向)に対してY軸方向の右側を意味する。
比較実験2の実験結果について説明する。図28及び図29によれば、実施例2,3を比べると、Y軸方向の中央側部分では同等の輝度であるものの、Y軸方向の両端側部分では、実施例3の方が実施例2よりも輝度が高く、中央側部分での輝度との差が小さくなっていることが分かる。これに伴い、最小輝度を最大輝度にて除した比率に関しては、実施例3が83%と高いのに対し、実施例2が70%と低くなっている。このような実験結果となった理由は、実施例3では、第2導光板225の第2反対主面225CにおけるY軸方向の両端側部分では、第5導光板レンズ227(端側第5導光板レンズ227E)の占有比率が低くなり、第6導光板レンズ228(端側第6導光板レンズ228E)の占有比率が高くなるためと考えられる。実施例3では、第2導光板225のY軸方向の両端側部分では、第5導光板レンズ227(端側第5導光板レンズ227E)と第2導光板出光主面225Bとの間で繰り返し全反射されてX軸方向に沿って直進する光量が減少し、光が第2導光板225におけるY軸方向の端まで至り易くなるとともに、第6導光板レンズ228(端側第6導光板レンズ228E)の第6導光板斜面228Aによって反射されて第2導光板出光主面225Bから出射する光量が多くなる。以上により、実施例3は、第2導光板出光主面225BのうちのY軸方向の中央側部分と両端側部分とで、出射光の輝度が均一化されている、と推考される。
以上説明したように本実施形態によれば、複数の第5導光板レンズ(第3レンズ)227には、中央側第5導光板レンズ(中央側第3レンズ)227Cと、第2反対主面25Cにおいて中央側第5導光板レンズ227Cよりも第2方向の端側に位置する端側第5導光板レンズ(端側第3レンズ)227Eと、が含まれ、複数の第6導光板レンズ228には、中央側第6導光板レンズ(中央側第1レンズ)228Cと、第2反対主面225Cにおいて中央側第6導光板レンズ228Cよりも第2方向の端側に位置する端側第6導光板レンズ(端側第1レンズ)228Eと、が含まれ、端側第5導光板レンズ227Eの第2方向の寸法は、中央側第5導光板レンズ227Cの第2方向の寸法よりも小さく、端側第6導光板レンズ228Eの第2方向の寸法は、中央側第6導光板レンズ228Cの第2方向の寸法よりも大きい。第2反対主面225Cのうちの第2方向の端側部分での端側第5導光板レンズ227Eの占有比率は、第2方向の中央側部分での中央側第5導光板レンズ227Cの占有比率よりも低い。これにより、第2導光板225における第2方向の中央側から端側に近づくほど、端側第5導光板レンズ227Eと第2導光板出光主面225Bとの間で繰り返し全反射されて第1方向に沿って直進する光量が減少し、光が第2導光板225における第2方向の端まで至り易くなる。一方、第2反対主面225Cのうちの第2方向の端側部分での端側第6導光板レンズ228Eの占有比率は、第2方向の中央側部分での中央側第6導光板レンズ228Cの占有比率よりも高い。これにより、第2導光板225における第2方向の端側では、端側第6導光板レンズ228Eの第6導光板斜面228Aによって反射されて第2導光板出光主面225Bから出射する光量が多くなる。以上により、第2導光板出光主面225Bのうちの第2方向の中央側部分と両端側部分とで、出射光の輝度が均一化される。
<実施形態4>
実施形態4を図30から図33によって説明する。この実施形態4では、上記した実施形態1から第6導光板レンズ328の構成を変更した場合を示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態に係る第2導光板325には、図30に示すように、2種類の第6導光板レンズ328が複数ずつ設けられている。なお、図30に示される第2導光板325に対して同図の右側に第2LED24が配置されている。X軸方向に沿って並ぶ複数の第6導光板レンズ328には、第6導光板斜面328Aとして緩斜面328Aαを有する一方の第6導光板レンズ(一方の第1レンズ)328αと、第6導光板斜面328Aとして急斜面328Aβを有する他方の第6導光板レンズ(他方の第1レンズ)328βと、が含まれる。他方の第6導光板レンズ328βに備わる急斜面328AβがX軸方向に対する角度θ2βは、一方の第6導光板レンズ328αに備わる緩斜面328AαがX軸方向に対する角度θ2αよりもが大きい。具体的には、一方の第6導光板レンズ328αに備わる緩斜面328Aαは、X軸方向に対してなす角度θ2αが、例えば27°程度とされる。他方の第6導光板レンズ328βに備わる急斜面328Aβは、X軸方向に対してなす角度θ2βが、例えば58°程度とされる。一方の第6導光板レンズ328αと、他方の第6導光板レンズ328βと、は、X軸方向に交互に1つずつ繰り返し並ぶよう配列されている。
このような構成によれば、第2LED24から発せられて第2導光板325内を伝播する光が、一方の第6導光板レンズ328αの第6導光板斜面328Aである緩斜面328Aαにより反射(屈折)されると、正面方向に対してX軸方向の第2LED24側とは反対側(図30の左側)へ向けて進行し易い。一方、第2LED24から発せられて第2導光板325内を伝播する光が、他方の第6導光板レンズ328βの第6導光板斜面328Aである急斜面328Aβにより反射(屈折)されると、正面方向に対してX軸方向の第2LED24側(図30の右側)へ向けて進行し易い。従って、第2LED24を点灯させれば、出射光に係るピーク輝度が、X軸方向の第2LED24側とは反対側と、X軸方向の第2LED24側と、にそれぞれ偏在した輝度角度分布の出射光を供給することが可能となる。
次に、本実施形態に係るバックライト装置12において、第1LED13のみを点灯させた場合と、第2LED24のみを点灯させた場合と、第1LED13及び第2LED24を共に点灯させた場合と、で配光分布がどのように変化するか、に関する知見を得るため、実証実験6を行った。この実証実験6では、本段落以前に説明した第2導光板325を備えるバックライト装置12を用い、第1LED13を点灯させて第2LED24を消灯した場合と、第2LED24を点灯させて第1LED13を消灯した場合と、第1LED13及び第2LED24を共に点灯させた場合と、でそれぞれの出射光に係る輝度を測定し、X軸方向についての配光分布(輝度角度分布)に係るグラフを作成した。
実証実験6における配光分布に係る実験結果は、図31から図33に示される通りである。図31から図33に示される配光分布に係るグラフは、横軸が正面方向(Z軸方向)に対するX軸方向の角度(単位は「°」)であり、縦軸が相対輝度(単位は「%」)である。縦軸が相対輝度は、図31のピーク輝度を基準(100%)とした相対値である。図31から図33の横軸の角度に付された正負の記号は、図10のグラフの横軸に付された符号と同じ意味である。図31は、第1LED13を点灯させて第2LED24を消灯した場合の配光分布を示す。図32は、第2LED24を点灯させて第1LED13を消灯した場合の配光分布を示す。図33は、第1LED13及び第2LED24を共に点灯させた場合の配光分布を示す。
実証実験6の実験結果について説明する。図31の配光分布によれば、ピーク輝度がほぼ0°であり、出射角度範囲が±10°程度であった。この結果は、実証実験2の図11と同様である。図32の配光分布では、ピーク輝度が-40°付近と、+20°付近と、に2つ存在している。-40°付近への出射光は、一方の第6導光板レンズ328αに備わる緩斜面328Aαにより反射された光であり、+20°付近への出射光は、他方の第6導光板レンズ328βに備わる急斜面328Aβにより反射された光であると、推考される。このように図32の配光分布によれば、第2LED24を点灯させれば、出射光に係るピーク輝度が、X軸方向の第2LED24側とは反対側と、X軸方向の第2LED24側と、にそれぞれ偏在した配向分布の出射光が出射される、と言える。図33の配向分布は、図31の配光分布と、図32の配光分布と、を合成したような内容となっている。すなわち、図33の配光分布には、ピーク輝度がほぼ0°と、-40°付近と、+20°付近と、に存在しており、ほぼ0°において最も高い輝度とされる。従って、第1LED13及び第2LED24を共に点灯させれば、運転席及び助手席の双方から液晶表示装置10の表示画像をより良好に視認させることができる。
以上説明したように本実施形態によれば、第6導光板レンズ328は、第1方向に複数並んで配され、複数の第6導光板レンズ328には、第6導光板斜面328Aとして緩斜面328Aαを有する一方の第6導光板レンズ(一方の第1レンズ)328αと、第6導光板斜面328Aとして緩斜面328Aαよりも第1方向に対する角度が大きい急斜面328Aβを有する他方の第6導光板レンズ(他方の第1レンズ)328βと、が含まれる。一方の第6導光板レンズ328αの第6導光板斜面328Aである緩斜面328Aαにより屈折された光は、正面方向に対して第1方向の第2LED24側とは反対側へ向けて進行し易い。一方、他方の第6導光板レンズ328βの第6導光板斜面328Aである急斜面328Aβにより屈折された光は、正面方向に対して第1方向の第2LED24側へ向けて進行し易い。従って、第2LED24を点灯させれば、出射光に係るピーク輝度が、第1方向の第2LED24側とは反対側と、第1方向の第2LED24側と、にそれぞれ偏在した輝度角度分布の出射光を供給することが可能となる。
<実施形態5>
実施形態5を図34によって説明する。この実施形態5では、上記した実施形態1から第6導光板レンズ428の構成を変更した場合を示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態に係る第2導光板425は、図34に示すように、第2反対主面425Cに、実施形態1に記載した第7導光板斜面28B及び第2平面29(図2を参照)が設けられない構成となっている。これに伴い、X軸方向に隣り合う2つの第6導光板レンズ428は、第2平面29を介することなく互いに連ねられている。このため、X軸方向に沿って並ぶ複数の第6導光板レンズ428は、X軸方向に第2LED24から遠ざかるに連れて次第に高さが小さくなり、逆にX軸方向に第2LED24に近づくに連れて次第に高さが大きくなる。なお、図34に示される第2導光板425に対して同図の右側に第2LED24が配置されている。
具体的に、X軸方向に沿って並ぶ複数の第6導光板レンズ428の中から、X軸方向に続けて並ぶ3つの第6導光板レンズ428を代表して説明する。X軸方向に続けて並ぶ3つの第6導光板レンズ428のうち、X軸方向の中央に位置する第6導光板レンズ428に備わる第6導光板斜面428Aは、X軸方向の第2LED24とは反対側(図34の左側)に隣り合う第6導光板レンズ428に備わる第1平面428Dに連なる。X軸方向の中央に位置する第6導光板レンズ428に備わる第1平面428Dは、X軸方向の第2LED24側(図34の右側)に隣り合う第6導光板レンズ428に備わる第6導光板斜面428Aに連なる。このように、第2導光板425の第2反対主面425Cのうち、第6導光板レンズ428が形成された部分には、実施形態1に記載した第7導光板斜面28B及び第2平面29が存在せず、第6導光板斜面428A及び第1平面428Dのみが存在することになる。しかも、第1平面428Dの占有比率は、第6導光板斜面428Aの占有比率よりも高くなっている。第1LED13を点灯させ、第2LED24を消灯した場合、第1導光板14側から照射される光が第1平面428Dに当たってもそこで屈折されることが殆どない。その第1平面428Dの占有比率が高くされることで、第1LED13を点灯させ、第2LED24を消灯した場合にサイドローブ光が生じ難くなる。
以上説明したように本実施形態によれば、第6導光板レンズ428は、第1方向に第6導光板斜面428Aに隣り合って配されて、第1方向に沿う第1平面428Dを有し、第6導光板レンズ428は、第1方向に複数並んで配され、複数の第6導光板レンズ428に含まれて第1方向に続けて並ぶ3つの第6導光板レンズ428のうち、第1方向の中央に位置する第6導光板レンズ428に備わる第6導光板斜面428Aが、第1方向の第2LED24とは反対側に隣り合う第6導光板レンズ428に備わる第1平面428Dに連なり、第1方向の中央に位置する第6導光板レンズ428に備わる第1平面428Dが、第1方向の第2LED24側に隣り合う第6導光板レンズ428に備わる第6導光板斜面428Aに連なる。第1方向に続けて並ぶ3つの第6導光板レンズ428は、互いに隣り合う第6導光板斜面428Aと第1平面428Dとが直接連なる構成とされる。従って、複数の第6導光板レンズ428は、第1方向の第2LED24からその反対側に向かって立ち上がる傾斜の斜面を有さない。仮に、第6導光板レンズ428が第1方向の第2LED24からその反対側に向かって立ち上がる傾斜の斜面を有すると、第1導光板14の第1導光板出光主面14Bから出射して第2導光板425の第2反対主面425Cに入射する光が、上記した斜面に当たって屈折され、正面方向に対して第1方向の第2LED24側とは反対側へ傾いた向きに進行するサイドローブ光となって出射するおそれがある。その点、複数の第6導光板レンズ428は、第1方向の第2LED24からその反対側に向かって立ち上がる傾斜の斜面を有さないことで、上記のようなサイドローブ光の発生を低減することができる。
<実施形態6>
実施形態6を図35によって説明する。この実施形態6では、上記した実施形態1から第2ルーバー30に代えて異方性拡散シート31を用いた場合を示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態に係る第2導光板525の表側には、図35に示すように、実施形態1に記載した第2ルーバー30(図3を参照)に代えて異方性拡散シート31が配されている。この異方性拡散シート31は、いわゆるレンチキュラーレンズシートである。異方性拡散シート31は、基材31Aと、基材31Aの表側の主面から突出する凸型のシリンドリカルレンズ31Bと、を有する。シリンドリカルレンズ31Bは、Y軸方向に沿って切断した断面形状が半円形で且つX軸方向に沿って直線的に延在する蒲鉾形とされており、その表面が第3円弧状面31B1とされる。シリンドリカルレンズ31Bは、基材31Aの表側の主面においてY軸方向に沿って複数が並んで配されている。Y軸方向に沿って並ぶ複数のシリンドリカルレンズ31Bは、接触角、幅寸法(配列間隔)及び高さ寸法が全てほぼ同一とされる。シリンドリカルレンズ31Bに入射した光は、第3円弧状面31B1に当たって屈折されると、正面方向に近い角度で進行するよう立ち上げられる。シリンドリカルレンズ31Bの第3円弧状面31B1は、Y軸方向については曲率を有しており、X軸方向には曲率を有さないことから、Y軸方向についてのみ選択的に集光作用(異方性集光作用)を発揮することができる。このような異方性拡散シート31を用い、シリンドリカルレンズ31Bの第3円弧状面31B1の接触角の数値を調整すれば、光のY軸方向の出射角度範囲を制限することができる。これにより、フロントガラスへの表示画像の映り込みを抑制することが可能となる。
<実施形態7>
実施形態7を図36によって説明する。この実施形態7では、上記した実施形態1から第5導光板レンズ627の構成を変更した場合を示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態に係る第5導光板レンズ627は、図36に示すように、いわゆるレンチキュラーレンズである。第5導光板レンズ627は、Y軸方向に沿って切断した断面形状が半円形で且つX軸方向に沿って直線的に延在する蒲鉾形とされており、その表面が第4円弧状面627Bとされる。このような構成の第5導光板レンズ627であっても、上記した実施形態1と同様の作用及び効果を得ることができる。それに加えて、実施形態1との比較において、第5導光板レンズ627の第4円弧状面627Bは、裏側に配される第1ルーバー18の第1出光主面618B(図36では二点鎖線にて図示)に対して接触面積が大きくなっている。これにより、第2導光板625と第1ルーバー18との密着ムラが生じ難くなるので、出射光に輝度ムラが生じ難くなっている。
<他の実施形態>
本明細書が開示する技術は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も技術的範囲に含まれる。
(1)第2導光板25,125,225,325,425,625に備わる第6導光板レンズ28,228,328,428に関する各数値は、適宜に変更可能である。例えば、第6導光板斜面28A,228A,328A,428AがX軸方向に対してなす角度θ2は、27°~40°の範囲で変更されるのが好ましいが、同範囲外であってもよい。また、第6導光板斜面28A,228A,328A,428Aの幅寸法W2を、X軸方向の位置によらず一定とすることも可能である。第7導光板斜面28BがX軸方向に対してなす角度θ3は、3°~10°の範囲で変更されるのが好ましいが、同範囲外であってもよい。第7導光板斜面28Bの幅寸法W3を、X軸方向の位置によらず一定とすることも可能である。第6導光板レンズ28,228,328,428の第1平面28D,428D及び第2平面29の幅寸法W4,W5は、実施形態1にて示した数値以外であってもよい。また、第6導光板レンズ28,228,328,428の配列ピッチP1を、X軸方向の位置に応じて変化させることも可能である。
(2)第6導光板レンズ28,228,328,428に備わる第1平面28D,428Dの幅寸法W4を、X軸方向の位置に応じて変化させることも可能である。また、第2平面29の幅寸法W5を、X軸方向の位置によらず一定とすることも可能である。
(3)第2導光板25,125,225,325,425,625に備わる第4導光板レンズ26の接触角θcや第5導光板レンズ27,227,627の頂角θ1等の具体的な数値は、適宜に変更可能である。
(4)第2導光板25,125,225,325,425,625に用いる具体的な材料は、適宜に変更可能である。
(5)第1導光板14に備わる各導光板レンズ21~23の接触角や傾斜角度等の具体的な数値は、適宜に変更可能である。第1導光板14に用いる具体的な材料は、適宜に変更可能である。
(6)第2導光板25,125,225,325,425,625に対する第2LED24のX軸方向の位置関係が、第1導光板14に対する第1LED13,113のX軸方向の位置関係と同じであってもよい。つまり、第1LED13,113と第2LED24とがX軸方向の同じ側に配されてもよい。
(7)第1導光板14に備わる第1導光板レンズ21及び第2導光板レンズ22のうちのいずれか一方または両方を省略することも可能である。
(8)第2導光板25,125,225,325,425,625に備わる第4導光板レンズ26及び第5導光板レンズ27,227,627のうちのいずれか一方または両方を省略することも可能である。
(9)第1導光板14の厚みが第1LED13,113から遠ざかるほど小さくなり、第1反対主面14Cが傾斜状とされる構成であっても構わない。
(10)第2導光板25,125,225,325,425,625の厚みが第2LED24から遠ざかるほど小さくなり、第2反対主面25C,125C,225C,425Cが傾斜状とされる構成であっても構わない。
(11)各プリズムシート16,17に備わる各プリズム16B,17Bの各プリズム斜面16B1,16B2,17B1,17B2の傾斜角度や頂角等の具体的な数値は、適宜に変更可能である。各プリズムシート16,17の各基材16A,17Aに用いる具体的な材料は、適宜に変更可能である。同様に、各プリズム16B,17Bに用いる具体的な材料も、適宜に変更可能である。
(12)各プリズムシート16,17に備わる各プリズム16B,17Bの具体的な断面形状は、適宜に変更可能である。その場合、例えば各プリズム16B,17Bにおけるいずれかのプリズム斜面16B1,16B2,17B1,17B2が複数の傾斜角度を持つよう屈曲形状とされてもよい。
(13)第1ルーバー18,118において、第1透光部18Dの幅を高さにて除した比率(tanθ)の具体的な数値は、tan10°以外にも適宜に変更可能であり、例えばtan12.5°、tan15°、tan17.5°等とすることができる。
(14)実施形態2に記載の構成において、リニアフレネルレンズシート19の第3入光主面19Aが、第1ルーバー118の第1出光主面118Bに接した状態で取り付けられてもよい。その場合、第1ルーバー118に対してリニアフレネルレンズシート19を一体成形することも可能である。
(15)実施形態2に記載の構成において、リニアフレネルレンズシート19を表裏逆の向きとすることも可能である。つまり、リニアフレネルレンズシート19の第3入光主面19Aにリニアフレネルレンズ19Cが設けられてもよい。
(16)上記(15)に記載の構成において、リニアフレネルレンズシート19の第3出光主面19Bが、第3ルーバー20の第4入光主面20Aに接した状態で取り付けられてもよい。その場合、第3ルーバー20に対してリニアフレネルレンズシート19を一体成形することも可能である。
(17)実施形態2に記載の構成において、リニアフレネルレンズシート19に備わる複数のリニアフレネルレンズ19Cには、X軸方向に対する第1斜面19C1の角度θ10(X軸方向に対する第2斜面19C2の角度θ11)が同一となるリニアフレネルレンズ19Cが複数含まれてもよい。つまり、X軸方向に対する第1斜面19C1の角度θ10(X軸方向に対する第2斜面19C2の角度θ11)は、全てのリニアフレネルレンズ19Cにおいて異なっていなくてもよい。
(18)実施形態2に記載の構成において、リニアフレネルレンズシート19に備わるリニアフレネルレンズ19Cにおける各角度(X軸方向に対する第1斜面19C1の角度θ10、X軸方向に対する第2斜面19C2の角度θ11、第1斜面19C1と第2斜面19C2とがなす頂角θ12)の具体的な数値は、適宜に変更可能である。その場合、X軸方向に対する第1斜面19C1の角度θ10は、0°~24°の範囲内とされ、X軸方向に対する第2斜面19C2の角度θ11は、46°~70°の範囲内とされるのが好ましいが、これらの範囲外であってもよい。また、X軸方向に対する第1斜面19C1の角度θ10を0°~24°の範囲内とし、X軸方向に対する第2斜面19C2の角度θ11を46°~70°の範囲内とした上で、第1斜面19C1と第2斜面19C2とがなす頂角θ12の数値を110°以外の数値(例えば80°、90°、100°、120°等)とすることが可能である。また、X軸方向に対する第1斜面19C1の角度θ10を0°~24°の範囲外とし、X軸方向に対する第2斜面19C2の角度θ11を46°~70°の範囲外とした上で、第1斜面19C1と第2斜面19C2とがなす頂角θ12の数値を110°以外の数値(例えば80°、90°、100°、120°等)とすることが可能である。また、リニアフレネルレンズシート19に用いる具体的な材料は、適宜に変更可能である。
(19)実施形態2に記載の構成において、第3ルーバー20において、第3透光部20Dの幅を高さにて除した比率(tanθ)の具体的な数値は、tan45°以外にも適宜に変更可能であり、例えばtan50°等とすることができる。
(20)実施形態2に記載された構成に、実施形態3から実施形態7に記載された構成を組み合わせることも可能である。
(21)実施形態3に記載の構成において、中央側第5導光板レンズ227C(中央側第6導光板レンズ228C)の幅寸法と、端側第5導光板レンズ227E(端側第6導光板レンズ228E)の幅寸法と、がY軸方向の位置に応じて変化する具体的な変化率等は、図27に示したデータ以外にも適宜に変更可能である。
(22)実施形態4に記載の構成において、2種類の第6導光板レンズ328の具体的な配列は、適宜に変更可能である。例えば、一方の第6導光板レンズ328αが複数続けて並んでから、他方の第6導光板レンズ328βが複数続けて並ぶ、といった順で、複数の一方の第6導光板レンズ328αと、複数の他方の第6導光板レンズ328βと、が交互に並んで配列されてもよい。
(23)実施形態4に記載の構成において、一方の第6導光板レンズ328αの緩斜面328AαがX軸方向に対してなす角度θ2αや他方の第6導光板レンズ328βの急斜面328AβがX軸方向に対してなす角度θ2βの具体的な数値は、上記以外にも適宜に変更可能である。
(24)実施形態5に記載の構成に、実施形態4に記載の構成を組み合わせることも可能である。
(25)実施形態6に記載された異方性拡散シート31に備わるシリンドリカルレンズ31Bは、X軸方向に沿って蛇行しつつ延在する構成であってもよい。
(26)第2ルーバー30や異方性拡散シート31を除去することも可能である。
(27)第1LED13,113や第2LED24に代えて、有機EL(Electro Luminescence)等の光源を用いることも可能である。
(28)液晶パネル11を構成するアレイ基板の裏側(外側)の主面には、偏光板に代えて反射型偏光シートが取り付けられてもよい。反射型偏光シートは、特定の偏光軸(透過軸)を有する偏光層、屈折率が互いに異なる層を交互に積層した多層膜、保護層などを有する。偏光層は、偏光軸と、偏光軸に対して直交する吸収軸と、を有しており、それにより偏光軸に平行な直線偏光を選択的に透過することができるとともに円偏光を偏光軸に沿う直線偏光に変換することができる。この偏光層の偏光軸は、CF基板の外側の主面に取り付けられた偏光板の偏光軸に対して直交する関係とされる。多層膜は、多層構造であり、光に含まれるs波に対する反射率がp波に対する反射率よりも概して高くなるという反射特性を有している。反射型偏光シートは、多層膜を備えることで、本来ならば、偏光層によって吸収されるs波を、裏側へ反射させることで再利用することができ、光の利用効率(ひいては輝度)を高めることができる。
(29)第1プリズムシート16,116及び第2プリズムシート17の代わりに、プリズムが入光主面側に設けられたプリズムシートを用いることも可能である。このプリズムシートは、入光主面が第1導光板14の第1導光板出光主面14Bと対向し、出光主面が第1ルーバー18,118の第1入光主面18Aと対向する配置であり、そのうちの入光主面に、X軸方向に沿って複数のプリズムが並んで設けられる構成とされる。このようなプリズムシートを用いた場合でも、第1ルーバー18,118に対してサイドローブ光が少ない光を供給することができ、第1透光部18Dの透過光量を十分に確保することができる。
(30)車載用の液晶表示装置10,110は、乗用車の助手席の前以外の位置に設置されてもよい。例えば、助手席と運転席との間となる位置等に設置されてもよい。液晶表示装置10,110の配置が変更されるのに伴い、必要な視野角の角度範囲も変更されるので、それに応じて第1ルーバー18,118、第3ルーバー20及び第6導光板レンズ28,228,328,428等の各構成(各透光部18D,30Dの幅と高さの比率、第6導光板レンズ28,228,328,428の各斜面28A,28Bの傾斜角度等)を変更すればよい。また、実施形態2に記載の構成においては、上記に加えて、リニアフレネルレンズシート19及び第3ルーバー20の各構成(第3透光部20Dの幅と高さの比率、リニアフレネルレンズ19Cの各斜面19C1,19C2の傾斜角度等)を変更すればよい。
(31)液晶表示装置10,110は、車載用途以外にも、例えばATM(Automatic Teller Machine)、ノートパソコン、タブレット型パソコン等の視野角を制限することが求められるデバイスに用いることも可能である。液晶表示装置10,410の用途が変更されると、必要な視野角の角度範囲も変更されるので、それに応じて第1ルーバー18,118、第3ルーバー20及び第6導光板レンズ28,228,328,428等の各構成(各透光部18D,30Dの幅と高さの比率、第6導光板レンズ28,228,328,428の各斜面28A,28Bの傾斜角度等)を変更すればよい。また、実施形態2に記載の構成においては、上記に加えて、リニアフレネルレンズシート19及び第3ルーバー20の各構成(透光部20Dの幅と高さの比率、リニアフレネルレンズ19Cの各斜面19C1,19C2の傾斜角度等)を変更すればよい。