JP7496289B2 - 行動変容誘導装置及び行動変容誘導方法 - Google Patents

行動変容誘導装置及び行動変容誘導方法 Download PDF

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Description

本開示は、行動変容誘導装置及び行動変容誘導方法に関する。
ウイルスとの共生、少子化及び超高齢化などの社会問題を解決する方法として、人々に対して行動変容を促すことで、新しい生活形態を実現する方法が注目されている。
特許文献1~3には、行動変容を促すことが可能な技術が開示されている。
特許文献1に記載の行動変容促進装置では、他人によるユーザのリスクの低減効果を評価し、その評価に応じてユーザのリスクを低減させることで、ユーザの行動変容を促進している。
特許文献2に記載の介入情報提供装置では、計画された行動が阻害され、計画を取り止めようとするユーザに対して支援を行うことで、計画通りの行動へと行動変容を促すことが可能となる。
特許文献3に記載のリソース調停システムでは、ユーザが使用可能な交通リソースの提供条件とユーザの利用条件との調停を行い、その調停結果をユーザに通知することで、ユーザの利用条件に合ったユーザの行動変容を促している。
特許6687795号公報 特開2016-189059号公報 特開2019-91389号公報
社会問題を解決するためには、大規模な集団の行動変容を実現することが重要となる。しかしながら、特許文献1~2に記載の技術には、個々のユーザに対して行動変容を促すものであるため、大規模な集団の行動変容を実現するのが難しいという問題がある。特許文献3に記載の技術では、個々のユーザの行動条件のパラメタを同様に取り扱っており、ユーザの環境や状況を把握した上での行動条件とはなっていないという問題がある。
人は他人の行動又は普段の自分の行動とは異なる行動を選ぶ際に不安を覚える。例えば、同じ企業に勤める他の人が行動変容を行わずに、自分だけが行動変容を行うと、不利益を被る恐れがあるため、人は不安を覚える。このような不安が原因となり、行動変容を促されても、行動が変えられないことがある。このため、特許文献1~3に記載の技術により多くのユーザに対して個別に行動変容を促しても、実際に行動を変えるユーザは限定的であり、大規模な集団の行動変容を実現するのが難しい。
本開示の目的は、集団の行動変容を実現することが可能な行動変容誘導装置及び行動変容誘導方法を提供することである。
本開示の一態様に従う行動変容誘導装置は、交通機関の運行に関する運行関連情報を管理する仮想交通機関オブジェクトと、複数の個人の行動に関する行動情報をそれぞれ管理する複数の仮想個人オブジェクトと、前記個人が所属する団体の業務に関する業務情報を管理する仮想団体オブジェクトと、前記仮想交通機関オブジェクトに基づいて、前記個人に行動変容を促す契機である行動変容アラートを検出するアラート検出部と、前記行動変容アラートが検出された場合、前記仮想交通機関オブジェクト、前記仮想個人オブジェクト及び前記仮想団体オブジェクトを用いて、前記交通機関、前記複数の個人及び前記団体の間の前記行動変容に関する仮想的な調停を行う仮想調停部と、前記仮想的な調停の調停結果に基づいて、前記行動変容を要請する変容要請を前記複数の個人のそれぞれに通知する仮想調停部と、を有する。
本発明によれば、集団の行動変容を実現することが可能なになる。
本開示の一実施形態に係る行動変容誘導システムを示す図である。 本開示の一実施形態に係る行動変容誘導システムの構成を示すブロック図である。 本開示の一実施形態に係る行動変容誘導システムの各装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 行動変容調停サーバの機能的な構成を示すブロック図である。 行動変容調停サーバの動作について説明するための図である。 リスク情報の一例を示す図である。 鉄道運行サーバ、企業業務サーバ及び情報端末の機能的な構成を示すブロック図である。 行動変容誘導システムの通信処理の一例を説明するための図である。 行動変容調停サーバの仮想調停に係る処理を説明するための図である。 各オブジェクトの情報の一例を示す図である。 仮想調停の一例を説明するための図である。 調停ポリシーの一例を示す図である。 調停ポリシーに基づいて属性情報を決定する属性値決定処理を説明するための図である。 調停メッセージの表示例を示す図である。 公開情報の一例を示す図である。
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本開示の一実施形態に係る行動変容誘導システムを示す図である。図1に示すように行動変容誘導システムでは、行動変容調停サーバ1は、現実世界の交通機関である鉄道の運行に関する運行関連情報(運行状況及び混雑率など)を監視する(ステップS1)。行動変容調停サーバ1は、人身事故又は交通集中などによって生じる混雑率の上昇に伴う、ウイルスに罹患するリスクである感染リスクの上昇を検知又は予測する(ステップS2)と、鉄道の利用者である乗客を選定し(ステップS2-1-1)、その乗客に対して感染リスクの低減が可能な行動変容を要請し、乗客の行動変容を誘導する(ステップS2-1-2)。
その際、行動変容調停サーバ1は、仮想空間に図4を用いて後述するオブジェクトとして構築されている仮想乗客と仮想企業と仮想鉄道との間で、行動変容に関する仮想的な調停を行う(ステップS3)。
さらに、行動変容調停サーバ1は、仮想調停の調停結果に応じた調停メッセージを、現実世界の乗客と企業と鉄道とに対して通知して、行動変容を要請する(ステップS4)。行動変容は、例えば、個人に対する鉄道の利用内容(利用の有無、及び利用時間など)の変更などである
そして、行動変容調停サーバ1は、現実世界での行動変容の結果を、仮想空間にフィードバックする(Step5)。
なお、本明細書における「リスク」及び「不安」は、以下の意味で用いている。
「リスク」とは、行動変容対象者(個人、企業及び鉄道)が受ける不利益の可能性であり、行動変容誘導システムによる行動変容の要請に承諾することで変化する。例えば、個人においては、ウイルス性の感染症に罹患して、病欠を強いられて収入が断たれる可能性、及び、死亡する可能性などである。また、企業においては、従業員に感染者が発生することによって、営業活動が中断させられ、経済的な損失を受ける可能性などである。
「不安」とは、行動変容対象者が行動変容誘導システムによる行動変容の要請に承諾することで、他者とは異なる行動をとり、自分だけが不利益(解雇及び赤字業績など)を受けるかもしれないと感じる心配又は恐怖の感情である。
なお、本実施形態では、リスクとして、ウイルス性などの感染症に罹患する感染リスクを例にとって説明するが、リスク及び不安は感染症に対してのみ生じるものではない。例えば、地震及び巨大台風などの災害では、対象者は避難しても自宅で待機してもリスクがあり、そのいずれを選ぶにしても、他人と異なる行動をする決断には不安が伴う。これらのリスク及び不安は、行動変容の要請の承諾を妨げる要因となっている。
以下、行動変容誘導システムについてより詳細に説明する。
図2は、本実施形態に係る行動変容誘導システムの構成を示すブロック図である。図2に示す行動変容誘導システム10は、行動変容調停サーバ1、鉄道運行サーバ2、企業業務サーバ3及び情報端末4を有し、それらがネットワーク5を介して接続されている。ネットワーク5の態様は、特に限定されず、例えば、有線ネットワークでもよいし、無線ネットワークでもよい。
行動変容調停サーバ1は、行動変容対象者に対して行動変容の要請を行う行動変容調停装置である。行動変容対象者は、本実施形態では、個人、個人が所属する団体である企業、及び、個人が利用する交通機関である鉄道としているが、この例に限らない。例えば、団体は、役場、非営利団体及び各省庁などでもよい。また、交通機関は、例えば、バス運営団体などでもよい。個人、企業及び鉄道は、それぞれ複数あってもよい。なお、以下では、個人を、状況に応じて、所有者、乗客及び従業員などと称することもある。
鉄道運行サーバ2は、鉄道が管理しているサーバである。企業業務サーバ3は、企業が管理しているサーバである。情報端末4は、個人が利用する端末であり、例えば、モバイル端末である。鉄道運行サーバ2、企業業務サーバ3及び情報端末4は、それぞれ複数あってもよい。
図3は、行動変容誘導システム10の各装置1~4のハードウェア構成を示すブロック図である。
各サーバ1~3は、CPU(Central Processing Unit)1―01、メモリ1―02、通信NIC(Network Interface Card)1―03、HDD(Hard Disk Drive)1―04、入出力コントローラ1―05及びモニタコントローラ1―06を有し、各部がバス1―07を介して相互に接続されている。また、入出力コントローラ1―05は、キーボード1―11及びマウス1―12に接続されている。モニタコントローラ1―06は、ディスプレイ1―13に接続されている。情報端末4は、上記のサーバ1~3の構成において、キーボード1―11、マウス1―12及びディスプレイ1―13の代わりに、不図示のタッチパネルが設けられている。さらに、情報端末4は、上記のサーバの構成に加えて、位置情報を取得する位置取得部としてGPSモジュール1―08が設けられている。
CPU1―01は、各装置1~4全体の制御を行うハードウェア(プロセッサ)であり、プログラムをメモリ1―02から読み取り、その読み取ったプログラムを実行することで種々の処理を実行する。メモリ1―02は、CPU1-01の動作を規定するプログラム及びCPU1―01の処理にて使用される制御データなどを一時的に保持する。通信NIC1―03は、ネットワーク5を介して他の装置と通信可能に接続する通信装置である。HDD1―04は、CPU1-01の動作を規定するプログラムを保持する。HDD1―04の代わりに、SSD(Solid State Drive)などが設けられてもよい。
行動変容調停サーバ1のHDD1―04は、例えば、仮想世界における仮想乗客、仮想企業及び仮想鉄道に関するデータと、仮想空間における仮想調停処理を行うための仮想行動変容調停プログラムと、現実世界における現実乗客、現実企業及び現実鉄道車両に関するデータと、現実空間おける現実行動変容調停を促すためのプログラムなどを格納する。
鉄道運行サーバ2のHDD1―04は、例えば、鉄道の運行に関する運行関連情報、及び、鉄道運行サーバ2の動作を規定する鉄道運行管理プログラムなどを格納する。運行関連情報は、例えば、鉄道の運行ダイヤ(運行スケジュール)、鉄道の各車両の現在の位置及び混雑率、各車両の未来の位置及び混雑率を予測するためのデータなどを含む。
企業業務サーバ3のHDD1―04は、企業の業務に関する業務情報である企業業務管理情報、及び、企業業務サーバ3の動作を規定する企業業務管理プログラムなどを格納する。企業業務管理情報は、企業に所属する各従業員の人間関係(上長、部下、所属部署)、及び、各従業員の業務スケジュール(会議及び打ち合わせの時間など)などを含む。
情報端末4のHDD1―04は、情報端末4の所有者に関する所有者管理情報、及び、情報端末4の動作を規定する行動変容誘導アプリケーションプログラムなどを格納する。所有者管理情報は、例えば、所有者の行動に関する行動情報などを含む。行動情報は、所有者の現在の位置情報、所有者の状態(睡眠中か起床しているか、移動しているかしていないか、移動している場合の移動方法(歩行又は乗車など))、所有者の出発駅、及び、所有者の目的駅(到着駅)などである。
図4は、行動変容調停サーバ1の機能的な構成を示すブロック図である。図4に示す行動変容調停サーバ1は、通信処理部11、現実行動変容処理部12及び仮想調停処理部13を有する。
通信処理部11は、鉄道運行サーバ2、企業業務サーバ3及び情報端末4と通信を行う。通信処理部11は、受信部11―1及び送信部11―2を有する。受信部11―1は、鉄道運行サーバ2、企業業務サーバ3及び情報端末4から種々の情報を受信する。送信部11―2は、鉄道運行サーバ2、企業業務サーバ3及び情報端末4に種々の情報を送信する。
現実行動変容処理部12は、仮想調停処理部13による行動変容対象者間の行動変容に関する仮想的な調停である仮想調停の結果に基づいて、行動変容を要請する要請情報として調停メッセージを、鉄道運行サーバ2、企業業務サーバ3及び情報端末4に送信して、行動変容対象者間の行動変容に関する実際の調停である現実調停を実施する。なお、仮想調停の結果が仮想調停の不調を示す場合、現実行動変容処理部12は、現実調停を実施しなくてもよい。
現実行動変容処理部12は、鉄道運行行動変容情報12―1、企業業務行動変容情報12―2、乗客行動変容情報12―3、現実行動変容処理部12―4、現実調停メッセージ作成部12―5及び行動変容情報公開部12-6を有する。
鉄道運行行動変容情報12―1は、現実の鉄道の運行に関する運行関連情報である。企業業務行動変容情報12―2は、企業の業務に関する企業業務管理情報である。乗客行動変容情報12-3は、乗客の行動に関する所有者管理情報である。これらの行動変容情報12―1~12-3は、例えば、行動変容調停サーバ1のHDD1-04などに格納される。
現実行動変容処理部12―4は、鉄道運行サーバ2、企業業務サーバ3及び情報端末4から、受信部11-1を介して、調停メッセージに対する応答メッセージを取得し、その応答メッセージに基づいて、行動変容情報12―1~12-3を更新する更新部である。応答メッセージは、調停メッセージによる行動変容の要請に対する諾否を示す諾否情報である。応答メッセージは、要請を拒否する場合、行動変容誘導システム10に対する行動変容に対する提案である逆提案を含んでもよい。
現実調停メッセージ作成部12―5は、仮想調停処理部13からの仮想調停の結果に基づいて、調停メッセージを生成し、その調停メッセージを、送信部11―2を介して、鉄道運行サーバ2、企業業務サーバ3及び情報端末4に通知する通知部である。
行動変容情報公開部12-6は、調停メッセージによる行動変容の要請に対する諾否結果である調停結果に応じた公開情報(図15)を公開する公開部である。公開情報の公開は、図示していないWebサーバのような他の装置を介して行われてもよい。
仮想調停処理部13は、行動変容対象者に対する仮想調停を行う。仮想調停は、本実施形態では、現実世界の行動変容対象者に対応するオブジェクトを用いて行われる。オブジェクトは、例えば、オブジェクト指向プログラミングにおけるインスタンスであり、行動変容調停サーバ1のメモリ空間に生成される。オブジェクトは、現実世界の行動変容対象者に関する行動変容情報と、その行動変容情報に基づく所定の推論を行うプログラムである推論エンジンとを含む。推論エンジンの種類は、特に限定されないが、例えば、オブジェクトの情報の値をパラメタとして用いるルールベース推論エンジン、情報の値の中間値を取り扱えるファジィ推論エンジン、又は、ベイズ推論エンジン(ベイジアンネットワークなど)である。
仮想調停処理部13は、行動変容アラート検出部13―1、交通運行予測シミュレータ13―2、行動変容係数補正部13―3、仮想鉄道車両オブジェクト13―4、仮想企業オブジェクト13―5、仮想乗客オブジェクト13―6及び仮想行動変容調停部13―7を有する。
仮想鉄道車両オブジェクト13―4は、現実世界の鉄道に対応するオブジェクトであり、鉄道運行行動変容情報12―1に基づいて生成される。仮想企業オブジェクト13―5は、現実世界の企業に対応するオブジェクトであり、企業業務行動変容情報12―2に基づいて生成される。仮想乗客オブジェクト13―6は、現実世界の個人に対応するオブジェクトであり、乗客行動変容情報12-3に基づいて生成される。なお、本システムの行動変容対象者以外の列車利用者が模擬的に仮想乗客オブジェクトとして作成されてもよい。模擬的な仮想乗客オブジェクトの乗客行動変容情報12―3は、鉄道運行サーバ2から提供されてもよい。
仮想鉄道車両オブジェクト13―4、仮想企業オブジェクト13―5及び仮想乗客オブジェクト13―6は、仮想調停を行うための調停ポリシーを有する。
行動変容アラート検出部13―1及び交通運行予測シミュレータ13―2は、仮想鉄道車両オブジェクト13―4に基づいて、行動変容対象者に行動変容を促す契機である行動変容アラートを検出するアラート検出部である。
具体的には、交通運行予測シミュレータ13―2は、仮想鉄道車両オブジェクト13―4に基づいて、鉄道の車両及び乗客の状況を運行状況として予測する交通運行予測シミュレーションを実行する。運行状況は、例えば、車両の位置、遅延状況及び混雑率などである。
行動変容アラート検出部13―1は、交通運行予測シミュレータ13―2の処理結果に基づいて、行動変容アラートを検出する。
行動変容係数補正部13―3は、仮想行動変容調停部13―7による仮想調停の結果に応じて、仮想鉄道車両オブジェクト13―4、仮想企業オブジェクト13―5及び仮想乗客オブジェクト13―6の調停ポリシーを調整する。
仮想行動変容調停部13―7は、仮想鉄道車両オブジェクト13―4、仮想企業オブジェクト13―5及び仮想乗客オブジェクト13―6のそれぞれの調停ポリシーを満たすように、鉄道、企業及び乗客の間の行動変容に関する仮想的な調停である仮想調停を行う。
次に、図4に示した行動変容誘導システム10の動作について詳細に説明する。
先ず、受信部11-1は、鉄道運行サーバ2から鉄道管理情報を受信すると、その鉄道管理情報を現実行動変容処理部12の鉄道運行行動変容情報12―1に加える。また、受信部11-1は、企業業務サーバ3から企業業務管理情報を受信すると、その企業業務管理情報を現実行動変容処理部12の企業業務行動変容情報12―2に加える。また、受信部11-1は、情報端末4から所有者管理情報を受信すると、その所有者管理情報を現実行動変容処理部12の乗客行動変容情報12―3に加える。
仮想調停処理部13は、鉄道運行行動変容情報12―1、企業業務行動変容情報12―2及び乗客行動変容情報12―3に基づいて、仮想鉄道車両オブジェクト13―4、仮想企業オブジェクト13―5及び仮想乗客オブジェクト13―6を更新する。このとき、対応するオブジェクトのない行動変容対象者が存在する場合、仮想調停処理部13は、その行動変容対象者に対応するオブジェクトを新たに生成する。また、所定期間(例えば、90日間)、更新されないオブジェクトが存在する場合、仮想調停処理部13は、そのオブジェクトを削除してもよい。
交通運行予測シミュレータ13―2は、仮想鉄道車両オブジェクト13―4、仮想企業オブジェクト13―5及び仮想乗客オブジェクト13―6を用いて、現在時刻から所定期間(例えば、3時間)後までの鉄道の運行状況を予測する交通運行予測シミュレーションを所定時間間隔(例えば、5分間隔)で繰り返し実行する。このとき、仮想企業オブジェクト13―5及び仮想乗客オブジェクト13―6は、例えば、業務スケジュールなどから混雑率を算出するために使用される。また、交通運行予測シミュレータ13―2は、最新の仮想鉄道車両オブジェクト13―4、仮想企業オブジェクト13―5及び仮想乗客オブジェクト13―6を用いて交通運行予測シミュレーションを実行する。このため、例えば、行動変容の要請に応じて乗客などが行動を変更した場合、その変更をした仮想乗客オブジェクト13-6を用いて交通運行予測シミュレーションが実行されることとなる。
行動変容アラート検出部13―1は、交通運行予測シミュレータ13―2の処理結果に基づいて、行動変容アラートを検出する。行動変容アラートには、緊急性を要するリスクの大きいアラートであるハードアラートと、日常的に潜在的に発生し得る比較的リスクの低いアラートであるソフトアラートとの2つの種類があってもよい。ハードアラートは、例えば、人身事故などの予測不能な事故によって、混雑率が急激に増加することによる、リスクが急激に増加した際のアラートである。ソフトアラートは、例えば、交通集中やラッシュ時など、ある程度予測可能な状態あるが、乗客の行動変容が行われない為に定常的に発生し得るリスクの増加によるアラートである。ハードアラートだけでなく、ソフトアラートに対応することによって、大規模な人間の行動をより短期間で変容させることが可能となる。なお、ハードアラートとソフトアラートの区別はなくてもよい。
行動変容アラートが検出された場合、交通運行予測シミュレータ13―2は、シミュレーション結果に基づいて、仮想乗客オブジェクト13-6に対応する乗客に生じるリスクに関するリスク情報を生成する。リスク情報は、例えば、仮想鉄道車両オブジェクト13―4及び仮想乗客オブジェクト13-6に格納される。
リスク情報は、乗客が行動を変容した場合におけるリスク情報と、乗客が行動を変容しなかった場合におけるリスク情報とを含む。より具体的には、リクス情報は、乗客が行動を変容せずに通常時と同じ乗車時刻で鉄道車両に乗車した場合のリスク情報である「0分後リスク」と、乗客が行動を変容して通常時よりもX分遅い乗車時刻で鉄道車両に乗車した場合のリスク情報である「X分後リスク」とを含む。Xは、本実施形態では、15分単位で3時間後(180分後)までの値を取る。リスク情報は、リスクの大きさを表すリスク値だけでなく、リスクが発生する時間及び場所をさらに示してもよい。また、本実施形態では、リスクは、ウイルス性感染症などの感染症に罹患する感染リスクであり、鉄道車両の混雑率が高いほど、そのリスク値が高くなる。これらのリスク情報は、データベースのレコードとして扱われてもよい。
仮想乗客オブジェクト13―6は、自己の推論エンジンを用いて、交通運行予測シミュレータ13―2にて設定された複数のリスク情報((「0分後リスク」、「15分後リスク」、・・・、「180分後リスク」)から、乗客が受け入れやすいと考えられる1つ以上のリスク情報(例えば、リスク値が低い方から所定個のリスク情報)を選択する。
仮想行動変容調停部13-7は、仮想乗客オブジェクト13―6が選択したリスク情報に基づいて、仮想鉄道車両オブジェクト13-4、仮想企業オブジェクト13-5及び仮想乗客オブジェクト13―6の間の仮想調停を行う。仮想調停の具体例は後述する。
仮想調停が終了した場合、仮想行動変容調停部13―7は、その仮想調停の結果である仮想調停結果を現実調停メッセージ作成部12―5に渡す。現実調停メッセージ作成部12―5は、その仮想調停結果に基づいて、現実の乗客及び企業に対する調停メッセージを作成し、その調停メッセージを、送信部11―2を介して企業業務サーバ3及び情報端末4に送信する。調停メッセージは、例えば、企業業務サーバ3及び情報端末4におけるWebブラウザの画面などで表示可能な形式の要請情報であり、行動変容を要請する変容要請の一例である。調停メッセージは、変容要請の許諾に応じたリスクの変化を示すリスク変化情報を含んでもよい。
現実の乗客及び現実の企業(具体的には、その担当者)は、情報端末4及び企業業務サーバ3にて表示された調停メッセージを確認し、その調停メッセージによる行動変容の要請の諾否を示す諾否情報を返信メッセージとして情報端末4及び企業業務サーバ3に入力する。企業業務サーバ3及び情報端末4は、入力された返信メッセージを行動変容調停サーバ1に送信する。行動変容調停サーバ1の受信部11―1は、返信メッセージを受信し、その返信メッセージを現実行動変容処理部12に渡す。なお、返信メッセージは、行動変容の要請に拒否する場合、行動変容の変容内容に関する逆提案を示してもよい。逆提案は、企業業務サーバ3及び情報端末4から提案する行動変容である。
現実行動変容処理部12は、その返信メッセージと、鉄道運行行動変容情報12―1、企業業務行動変容情報12―2及び乗客行動変容情報12―3とに基づいて、現実乗客と現実企業と現実鉄道の間の現実調停を行う。現実調停メッセージ作成部12―5は、その現実調停結果に基づいて、現実乗客と現実企業向けの調停メッセージを再度作成する。この調停メッセージは、送信部11―2を介して企業業務サーバ3及び情報端末4に送信され、現実の乗客と現実の企業の間の現実調停を繰り返すことができる。
現実調停が失敗した場合、行動変容係数補正部13―3は、各オブジェクト13-4~13-6の調停ポリシーを調整する。
図5は、図4の行動変容調停サーバ1の動作について説明するための図である。
現実世界の時間軸4―1上において、行動変容調停サーバ1の交通運行予測シミュレータ13-2は、仮想鉄道車両オブジェクト13―4、仮想企業オブジェクト13―5及び仮想乗客オブジェクト13-6を用いて、交通運行予測シミュレーションを行う。行動変容アラート検出部13-1は、交通運行予測シミュレータ13-2の処理結果を監視し、時間軸4―1上の時刻4-2において行動変容アラートを検出すると、行動変容調停サーバ1は、仮想運行フェーズ4―3に移行する。
仮想運行フェーズ4―3では、交通運行予測シミュレータ13―2は、仮想鉄道車両オブジェクト13―4及び仮想乗客オブジェクト13-6に基づいて、現時点から3時間後まで15分単位で仮想乗客のリスク情報(「0分後リスク」~「180分後リスク」)を計算する。
図6は、リスク情報の一例を示す図である。具体的には、図6(a)は、乗客が行動を変容せずに時刻08:00で乗車した場合のリスク情報である「0分後リスク」の一例を示し、図6(b)は、乗客が乗車時刻を1時間遅らせて時刻09:00で乗車した場合のリスク情報である「60分後リスク」の一例を示す。
図6(a)に示す「0分後リスク」は、位置13―1―1において、時刻08:20に感染リスクが90%となり、位置13―1―2において、時刻08:30に感染リスクが80%となることを示す。また、図6(b)に示す「60分後リスク」は、位置13―1―3において、時刻09:25に感染リスクが60%となり、位置13―1―2において、時刻09:35に感染リスクが55%となることを示す。したがって、乗客は行動変容をすることにより感染リスクを低減させることができる。
図5の説明に戻る。仮想乗客オブジェクト13―6は、交通運行予測シミュレータ13-2にて計算されたリスク情報から1以上のリスク情報を選択する。仮想乗客オブジェクト13―6は、選択したリスク情報を仮想乗客オブジェクト13―6が所属する仮想企業オブジェクト13-5に仮想行動変容調停部13-7を介して通知する。仮想行動変容調停部13-7は、仮想乗客オブジェクト13-6と仮想企業オブジェクト13-5との仮想調停を行う。
仮想調停が完了すると、行動変容調停サーバ1は、現実調停を行うための現実運行フェーズ4―4に移行する。現実運行フェーズ4―4では、現実調停メッセージ作成部12―5は、仮想調停結果に応じた調停メッセージを作成して送信部11―2を介して企業業務サーバ3及び情報端末4に送信することで、現実の乗客及び企業に対してリスク値の低減のための行動変容を要請する。
その後、現実行動変容処理部12は、企業業務サーバ3及び情報端末4から調停メッセージに対する返信メッセージを受信し、その返信メッセージに基づいて現実調停を行う。そして、現実調停が完了すると、乗客は調停に従って行動変容を実施する。
図7は、鉄道運行サーバ2、企業業務サーバ3及び情報端末4に共通する機能的な構成を示すブロック図である。
鉄道運行サーバ2、企業業務サーバ3及び情報端末4は、行動変容情報提供部20―1、メッセージ送信部20―2、メッセージ受信部20―3、自動行動変容調停部21及び手動行動変容調停部22を有する。自動行動変容調停部21は、調停メッセージ作成部21―1、調停メッセージ解析部21―2及び行動変容調停部21―3を有する。手動行動変容調停部22は、調停メッセージ入力部22―1及び調停メッセージ表示部22―2を有する。
行動変容情報提供部20-1は、行動変容情報を、メッセージ送信部20-2を介して行動変容調停サーバ1に提供する。具体的には、鉄道運行サーバ2の行動変容情報提供部20―1は、運行関連情報を鉄道運行行動変容情報として定期的に提供し、企業業務サーバ3の行動変容情報提供部20―1は、企業業務管理情報として企業業務行動変容情報を定期的に提供し、情報端末4の行動変容情報提供部20―1は、所有者管理情報として乗客行動変容情報を定期的に提供する。
メッセージ受信部20-3は、行動変容調停サーバ1から種々の情報を受信する。例えば、企業業務サーバ3及び情報端末4のメッセージ受信部20-3は、行動変容調停サーバ1の現実調停のフェーズにおいて、調停メッセージを受信する。メッセージ受信部20-3は、その調停メッセージを自動行動変容調停部21及び手動行動変容調停部22のいずれかに出力する。調停メッセージの出力先は、例えば、企業業務サーバ3の及び情報端末4の使用者などにて予め設定される。
手動行動変容調停部22は、調停メッセージの手動による返信を行う。具体的には、調停メッセージ表示部22-2が調停メッセージを表示し、調停メッセージ入力部22-1は、表示された調停メッセージに対応する返信メッセージを、企業業務サーバ3及び情報端末4の使用者から受け付ける。調停メッセージ入力部22-1は、その受け付けた返信メッセージを、メッセージ送信部20-2を介して行動変容調停サーバ1に返信する。
一方、自動行動変容調停部21は、調停メッセージを自動的に返信する。具体的に、調停メッセージ解析部21-2は、調停メッセージを解析して、調停メッセージにて要請されている行動変容を特定する。行動変容調停部21―3は、行動変容の調停を承諾する条件である調停条件を保持し、調停メッセージ解析部21-2にて特定された行動変容が調停条件を満たすか否かを判定する。調停メッセージ作成部21―1は、調停メッセージ解析部21-2の判定結果に基づいて、調停メッセージに対応する返信メッセージを作成して、メッセージ送信部20-2を介して行動変容調停サーバ1に送信する。
図8は、行動変容誘導システム10の通信処理の一例を説明するための図である。
鉄道運行サーバ2は、行動変容の対象日の所定の時刻(例えば、0時)に、対象日の鉄道車両の運行ダイヤを鉄道運行行動変容情報として行動変容調停サーバ1に送信する(ステップ27―1)。行動変容調停サーバ1は、運行ダイヤを受信し、その運行ダイヤに応じて、対象日に運行する全ての鉄道車両に対応する仮想鉄道車両オブジェクト13―4を作成する(ステップ27―3)。また、鉄道運行サーバ2は、運行中の全ての鉄道車両の位置情報及び混雑率を鉄道運行行動変容情報として定期的に行動変容調停サーバ1に送信する(ステップ27―2)。行動変容調停サーバ1は、鉄道車両の位置情報及び混雑率に基づいて、仮想鉄道車両オブジェクト13―4を更新する(ステップ27―4)。なお、混雑率は、鉄道車両に設けられた荷重センサのような種々のセンサのセンシング、ビックデータの解析又は鉄道員の目視などによって取得することが可能である。
また、企業業務サーバ3は、企業業務行動変容情報を行動変容調停サーバ1に転送する(ステップ37―1)。行動変容調停サーバ1は、企業業務行動変容情報を受信し、その企業業務行動変容情報に基づいて、仮想企業オブジェクト13―5の作成、更新及び削除を行う(ステップ37―3)。また、企業業務サーバ3は、従業員のスケジュールの変更などにより企業業務行動変容情報が更新された場合、その更新された企業業務行動変容情報を行動変容調停サーバ1に転送する(ステップ37―2)。行動変容調停サーバ1は、企業業務行動変容情報を受信し、その企業業務行動変容情報に基づいて、仮想企業オブジェクト13―55の作成、更新及び削除を行う(ステップ37―4)。
情報端末4は、通勤における所有者が出発駅に到着すると、出発駅に到着した旨の通知情報を乗客行動変容情報として行動変容調停サーバ1に送信する(ステップ47-1)。また、情報端末4は、所有者の位置情報及び状態を定期的に乗客行動変容情報として行動変容調停サーバ1に送信する(ステップ47-2)。そして、所有者が目的駅に到着すると、情報端末4は、目的駅に到着した旨の通知情報を乗客行動変容情報として行動変容調停サーバ1に送信する(ステップ47-3)。行動変容調停サーバ1は、これらの乗客行動変容情報を受信する度に、その乗客行動変容情報に基づいて、仮想乗客オブジェクト13―6を更新する(ステップ47―4)。
図9は、行動変容調停サーバ1の仮想調停に係る処理を説明するための図である。
先ず、行動変容アラート検出部13―1が交通運行予測シミュレータ13―2を監視し、行動変容アラートを検出した場合(時刻4-2)、交通運行予測シミュレータ13―2は、最新の仮想鉄道車両オブジェクト13―4、仮想企業オブジェクト13―5及び仮想乗客オブジェクト13―6の情報を取得する(ステップ8―1)。そして、交通運行予測シミュレータ13―2は、仮想鉄道車両オブジェクト13―4を用いて、全ての仮想乗客オブジェクト13-6のそれぞれに対して、リスク情報を算出するためのシミュレーションを実施する(ステップ8―2)。
交通運行予測シミュレータ13―2は、行動変容アラートにリスク情報を加えて仮想行動変容調停部13-7に通知する。仮想行動変容調停部13-7は、そのリスク情報に基づいて、調停案を策定し、その調停案を仮想鉄道車両オブジェクト13-4、仮想企業オブジェクト13―5及び仮想乗客オブジェクト13―6に提示する(ステップ8-3)。
仮想鉄道車両オブジェクト13-4、仮想企業オブジェクト13―5及び仮想乗客オブジェクト13―6は、提示された調停案に対する判断を行う(ステップ8-4~8-6)。調停案に対する判断には、調停案の承諾、拒否及び逆提案などがある。
仮想行動変容調停部13-7は、仮想鉄道車両オブジェクト13-4、仮想企業オブジェクト13―5及び仮想乗客オブジェクト13―6の判断結果に応じて、必要があれば、再度調停案を策定し、仮想乗客オブジェクト13―6に提示する(ステップS8-3)
図10は、仮想鉄道車両オブジェクト13-4、仮想企業オブジェクト13-5及び仮想乗客オブジェクト13-6の情報の一例を示す図である。
仮想乗客オブジェクト13-6は、例えば、情報として、図10で示した(1)~(12)を有する。「(1)日常の通勤ルート」は、出発駅、目的駅及び利用路線を格納する。「(2)日常の出発時間、到着時間」は、出発駅に到着する時刻の平均値及び標準偏差と、目的駅に到着する時刻の平均値及び標準偏差とを格納する。情報(1)及び(2)は、現実行動変容処理部12の乗客行動変容情報12-3に基づいて定期的に(例えば、毎日)更新される。「(3)職種」は、乗客の職種(営業、事務、販売、外食、IT、エンジニア、建築、運輸、医療又は公務員など)を格納する。「(4)業務形態」は、フレックスタイム制及び在宅業務の可否のような行動変容の受け入れやすさに関する受容情報を格納する。「(5)業務スケジュール」は、乗客のスケジュールを格納する。「(6)家族構成」は、乗客の家族構成を格納し、「(7)年齢」は、乗客の年齢を格納し、「(8)性別」は、乗客の性別を格納し、「(9)興味」は、乗客の趣味などを格納し、「(10)居住区」は、乗客の自宅及び勤め先の企業の住所が格納される。
「(11)過去の交渉の実績」は、行動変容の要請を受けた要請回数と、要請を承諾した承諾回数とを格納する。これらの回数は、一部の乗客にだけ行動変容の要請が行われないようにするために使用されてもよい。「(12)衛生意識」は、調停による交渉の回答、電話会議の頻度、位置情報に基づく外食と思われる滞在、歓楽街などの立ち寄りの頻度などに基づいて、予測されるリスクに対する意識である衛生意識の度合いが格納される。衛生意識の度合いが高いほど、行動変容の要請を承諾する可能性が高いと考えられる。
仮想企業オブジェクト13-5は、例えば、情報として、図10で示した(1)~(5)を有する。「(1)職種」は、企業の職種を格納する。「(2)業務形態」は、フレックスタイム制及び在宅業務を従業員に対して許諾しているか否かのような行動変容の受け入れやすさに関する受容情報を格納する。「(3)居住区」は、企業の住所を格納する。「(4)過去の交渉の実績」は、従業員の要請回数及び承諾回数のそれぞれの総和を格納する。これらの回数は、一部の企業にだけ行動変容の要請が行われないようにするために使用されてもよい。「(5)仮想従業員オブジェクト」は、仮想企業オブジェクトに所属する仮想乗客オブジェクト13-6(仮想企業オブジェクトに対応する現実企業に所属する現実乗客に対応する仮想乗客オブジェクト)に対応し、その仮想乗客オブジェクト13-6と同じ情報を有する
仮想鉄道車両オブジェクト13-4は、例えば、情報として、図10で示した(1)~(4)を有する。「(1)本日のダイヤ」は、行動変容の対象日の鉄道車両の運行ダイヤを格納する。「(2)現在/未来の位置」は、現在の各鉄道車両の位置情報、及び、交通運行予測シミュレータ13-2によって予測された未来の各鉄道車両の位置情報の予測値を格納する。「(3)現在/未来の混雑率」は、現在の各鉄道車両の混雑率、及び、「(2)現在/未来の位置」と仮想乗客オブジェクト13―6とから算出される混雑率の予測値を格納する。「(4)現在/未来のリスク値」は、「(3)現在/未来の混雑率」から算出されるウイルス感染のリスク値を格納する。
リスク値は、所定の条件を満たす状況を100%とした時の割合であるリスク率で示されてもよい。例えば、混雑率が200%の鉄道車両に15分間搭乗していた状況におけるリスク値を最大値の100%とした場合、リスク値は、以下の式(1)から算出される。
リスク値[%]=max(100,Σ(毎分の混雑率×乗車時間(分))/15(分)/2.0(=混雑率200%)………(1)
なお、式(1)において、毎分の混雑率は、交通運行予測シミュレータ13-2が仮想鉄道車両オブジェクト13-4を用いて予測することができる。また、乗車時間は、仮想乗客オブジェクト13-6に基づいて算出することができる。
図11は、仮想調停の一例を説明するための図である。
図11の例では、仮想鉄道車両オブジェクト13-4、仮想企業オブジェクト13-5及び仮想乗客オブジェクト13-6は、それぞれ調停ポリシー13-4-1、13-5-1、13-6-1を有する。
調停ポリシー13-4-1は、「(1)リスク値が100%となる乗客を可能な限り乗車させない。(2)可能であればリスク値が50%以下になるように乗車させる」、調停ポリシー13-5-1は「(1)会議の出席者が多いので、可能であれば会議にはリモート出席して欲しい。(2)CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)のためにも、可能であれば在宅勤務として欲しい」、調停ポリシー13-6-1は、「(1)13時からの会議の議長であり、その準備のために定時出社する予定。(2)ただし、リスク値は低い方がよい」という趣旨のポリシーである。
仮想鉄道車両オブジェクト13-4、仮想企業オブジェクト13-5及び仮想乗客オブジェクト13-6は、それぞれの調停ポリシー13-4-1、13-5-1及び13-6-1に基づいて、行動変容の提案内容(変容内容)である属性と、その提案内容の強さ(重要度)を示す属性値とを含む提案情報を生成する。本実施形態では、属性値は、0~100の値を取り、数値が大きいほど、行動変容を強く提案することを示す。具体的には、属性値が100の場合、調停に応じる余地がなく、提案内容にて調停が確定することを示す。なお、2つ以上のオブジェクトが属性値100の属性を有し、それらが競合する場合、仮想調停は不調(失敗)となる。仮想調停の条件が競合する場合、各オブジェクトは、属性値を変更して、再度調停を行ってもよい。
仮想行動変容調停部13-7は、仮想鉄道車両オブジェクト13-4、仮想企業オブジェクト13-5及び仮想乗客オブジェクト13-6に対してリスク情報を含む行動変容アラートを送信する。仮想鉄道車両オブジェクト13-4、仮想企業オブジェクト13-5及び仮想乗客オブジェクト13-6は、行動変容アラートを検知すると、自身の調停ポリシー13-4-1、13-5-1及び13-6-1応じた属性情報13-4-2、13-5-2及び13-6-2を仮想行動変容調停部13-7に送信する。ここでは、属性情報13-4-2は、リスク率50%以下とするために「10時以降の乗車」を示す。属性情報13-5-2は、「在宅勤務」を示す。属性情報13-6-2は、スケジュール通りに「定時出社(9時に乗車)」を示す。
この場合、仮想企業オブジェクト13-5の属性情報13-5-2「在宅勤務」と仮想乗客オブジェクト13-6の属性情報13-6-2「定時出社」とが競合するため、仮想行動変容調停部13-7は、仮想乗客オブジェクト13-6に対して「在宅勤務」を提案する。ここでは、「在宅勤務」の属性値よりも「定時出社」の属性値が大きいとする。この場合、仮想乗客オブジェクト13-6が「在宅勤務」の提案を却下(ステップ13-5-3)し、仮想行動変容調停部13-7は、それを受けて、「在宅勤務」を拒否した旨、つまり出社する旨を仮想企業オブジェクト13-5に通知する。
次に、仮想行動変容調停部13-7は、仮想鉄道車両オブジェクト13-4の属性値13-5-2「10時以降の乗車」と仮想乗客オブジェクト13-6の属性値13-6-2「定時出社」とが競合するため、仮想行動変容調停部13-7は、仮想乗客オブジェクト13-6に対して「10時以降の乗車」を提案する。ここでは、「10時以降の乗車」の属性値よりも「定時出社」の属性値が大きいとする。この場合、仮想乗客オブジェクト13-6は、「10時以降の乗車」を拒否して、「定時出社」つまり「9時の乗車」を逆提案する。仮想行動変容調停部13-7は、仮想鉄道車両オブジェクト13-4に対して、逆提案された「9時の乗車」を再提案する。ここでは、仮想鉄道車両オブジェクト13-4は、その「9時の乗車」を受理する。(ステップ13-4-3)。仮想行動変容調停部13-7は、「9時の乗車」で調停を確定し、その旨を仮想鉄道車両オブジェクト13-4、仮想企業オブジェクト13-5及び仮想乗客オブジェクト13-6に通知して、仮想調停を終了する。
図12は、調停ポリシーを概念的に図示した図であり、図13は、調停ポリシーに基づいて属性情報を決定する属性情報決定処理を説明するための図である。図12(a)は、仮想鉄道車両オブジェクト13-4の調停ポリシー13-4-2を図示し、図12(b)は、仮想企業オブジェクト13-5の調停ポリシー13-5-2を図示し、図12(c)は、仮想乗客オブジェクト13―6の調停ポリシー13-6-2を図示している。
仮想鉄道車両オブジェクト13-4の調停ポリシー13-4-1は、図12(a)に示すように、行動変容アラートの種類(ソフトアラート及びハードアラート)と、行動変容アラートの原因となる原因事象の発生場所とに応じたリスクの変動を予測する。発生場所は、所定の地点からの距離で示されている。
仮想鉄道車両オブジェクト13-4は、図13に示すように、行動変容アラートを検知すると(ステップ13-4-1-1)、その行動変容アラートの種類と原因事象の発生場所とを特定する(ステップ13-4-1-2)。仮想鉄道車両オブジェクト13-4は、特定した種類及び発生場所と調停ポリシー13-4-1とを照合して、リスク変動を予測し、そのリスク変動と調停ポリシー13-4-1とに基づいて、リスクが基準値(ここでは、50%)以下となる乗車時刻を提案内容として特定する(ステップ13-4-1-3)。そして、仮想鉄道車両オブジェクト13-4は、それらの乗車時刻から提案時刻を変容内容として選定し、その提案時刻と重要度を属性情報として仮想行動変容調停部13-7に送信する(ステップ13-4-1-4)。
また、仮想企業オブジェクト13-5は、図12(b)に示すように、従業員ごとに、従業員が使用予定の会議室の混雑度(リスク)の変動を示す調停ポリシー13-5-1を有する
仮想企業オブジェクト13-5は、行動変容アラートを検知すると(ステップ13-5-1-1)、その行動変容アラートに関係する従業員を選出する(ステップ13-5-1-2)。仮想企業オブジェクト13-5は、その従業員のスケジュールを確認する(ステップ13-5-1-3)。仮想企業オブジェクト13-5は、スケジュールと調停ポリシー13-5-1とを照合して、従業員が参加する会議で使用する会議室の混雑度を判定し(ステップ13-5-1-4)、その混雑度と調停ポリシー13-5-1とに基づいて、属性情報を決定して仮想行動変容調停部13-7に送信する(ステップ13-5-1-5)。変容内容は、例えば、出社、在宅勤務(リモート会議での出席)などである。
仮想乗客オブジェクト13-6は、図12(c)に示すように、13時からの会議に出席するために乗車時刻をどこまで遅らせることができるかと、出席の重要度とを示す調停ポリシー13-6-1を有する。この例では、乗客は、通勤に1.5時間要しているため、例えば、13時の会議に非リモートで出席するためには、遅くとも11時30分には乗車する必要があることを示す。ただし、重要度が「60」であるため、必ずしも非リモートで出席する必要がなく、会議をリモートで参加又は会議に参加しない余地があることを示す。
仮想乗客オブジェクト13-6は、行動変容アラートを検知すると(ステップ13-6-1-1)、通常の通勤時間を確認する(ステップ13-6-1-2)。そして仮想乗客オブジェクト13-6は、調停ポリシー13-6-1に基づいて、通常の通勤時間を変容内容として決定し、重要度として「60」を設定する。仮想乗客オブジェクト13-6は、その変容内容と重要度を属性情報として仮想行動変容調停部13-7に送信する(ステップ13-6-1-3)。
図14は、現実調停メッセージ作成部12-5が作成した調停メッセージの表示例を示す図である。図14では、情報端末4にメッセージを含むメッセージ画面が表示されている。
先ず、メッセージ画面として、図14(a)に示すように、行動変容を要請する要請画面4-Aが表示される。要請画面4-Aには、調停メッセージ4-A-0と、ボタン4-A-1~4を含む。
調停メッセージ4-A-0は、調停が必要な理由及び調停内容などを含む。ボタン4-A-1は、仮想調停の経緯を表示させるためのボタンであり、押下されると、仮想調停の経緯(図11参照)を示す経緯画面4-Bが表示される。ボタン4-A-2は、調停前のリスク(調停を拒否した場合のリスク)を表示させるためのボタンであり、押下されると、調停前のリスクを示す調停前リスク画面4-Cが表示される。ボタン4-A-3は、調停後のリスク(調停を承諾した場合のリスク)を表示させるためのボタンであり、押下されると、調停後のリスクを示す調停後リスク画面4-Dが表示される。
ボタン4-A-4は、調停要請を承諾するための受理ボタンであり、ボタン4-A-5は、調停要請を拒否するための拒否ボタンである。ボタン4-A-4が押下された場合、必要に応じて、受理された旨の情報が乗客の関係者(例えば、上司など)宛に転送されてもよい。関係者及びその宛先は、例えば、企業業務サーバに登録され、仮想企業オブジェクト13-5などに含まれている。
なお、各画面4-A~4-Dは、乗客の関係者の端末にも表示され、乗客がボタン4-A-4を押下する前に、関係者が本調停を無効にすることができてもよい。
図15は、行動変容情報公開部12-6により表示される公開情報の一例を示す図である。
図15に示す公開情報15では、行動変容の変容要請に承諾した従業員である承諾従業員の人数に基づく評価値として、その承諾従業員の人数、利用比率及び総計時間が企業ごとにランク付けされて表示されている。利用比率は、全ての承諾従業員に対する企業の承諾従業員の割合である。総計時間は、企業の承諾従業員が行動変容した時間(定時出社時の乗客時刻から変容要請に従った乗車時刻までの時間)の総和である。これらの評価値は、行動変容情報公開部12-6にて算出される。これにより、乗客及び企業は、行動変容に対して社会的責任を果たしていることを社会に示すことが可能となる。
以上説明したように本実施形態では、行動変容アラート検出部13-1は、仮想鉄道車両オブジェクト13-4に基づいて、乗客に行動変容を促す契機である行動変容アラートを検出する。行動変容アラートが検出された場合、仮想行動変容調停部13-7は、仮想鉄道車両オブジェクト13-4、仮想企業オブジェクト13-5及び仮想乗客オブジェクト13-6を用いて、鉄道、企業及び個人の間の行動変容に関する仮想的な調停を行う。現実調停メッセージ作成部12-5は、仮想的な調停の調停結果に基づいて、行動変容を要請する変容要請を各乗客に通知する。
これにより、複数の乗客に対して、自身が所属する企業との間で調停された行動変容が要請されるため、その要請に従って行動変容を行っても、自分だけが不利益を被る恐れからくる不安を低減することが可能になる。したがって、多くの乗客に変容要請を許諾し易くすることが可能となるため、集団の行動変容を実現することが可能になる。
また、本実施形態では、変容要請は企業にも通知されるため、企業が乗客の行動変容の把握及び承認などが可能となるため、行動変容による不利益を企業から受ける恐れを低減することが可能となり、乗客に変容要請を承諾し易くすることが可能となる。
また、本実施形態では、通信処理部11は、変容要請に対する諾否を示す諾否情報を受け付ける。現実行動変容処理部12-4は、諾否情報に基づいて、仮想鉄道車両オブジェクト13-4、仮想企業オブジェクト13-5及び仮想乗客オブジェクト13-6の情報を更新する。諾否情報が変容要請の拒否を示す場合、前記更新された仮想団体オブジェクト及び仮想個人オブジェクトを用いて、仮想的な調停を再度行う。これにより、変容要請が拒否されても、承諾しやすい他の変容要請を通知することが可能となるため、乗客に変容要請を承諾し易くすることが可能となる。
また、本実施形態では、仮想鉄道車両オブジェクト13-4、仮想企業オブジェクト13-5及び仮想乗客オブジェクト13-6は、予め設定されている調停ポリシーと乗客に生じるリスクに関するリスク情報とに基づいて、行動変容の変容内容と重要度とを含む提案情報を出力する。仮想行動変容調停部13-7は、各提案情報に基づいて、仮想的な調停を行う。特にリスクは、前記交通機関の混雑率に応じた、感染症に罹患するリスクである、したがって、乗客のリスクが低減するような行動変容の要請が可能となるため、乗客に変容要請を承諾し易くすることが可能となる。
また、本実施形態では、変容要請は、当該変容要請の許諾に応じたリスクの変化を示すリスク変化情報を含む。したがって、乗客は行動変容によるリスクの変化を考慮して変容要請の諾否を決定することが可能となる。
また、本実施形態では、行動変容情報公開部12-6は、変容要請に承諾した個人の人数に基づく評価値を団体別に公開する。したがって、企業別に行動変容に対する貢献度が分かるので、企業が行動変容を従業員に促すことに繋がり、それにより、集団の行動変容を実現することが可能になる。
上述した本開示の実施形態は、本開示の説明のための例示であり、本開示の範囲をそれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本開示の範囲を逸脱することなしに、他の様々な態様で本開示を実施することができる。
1…行動変容調停サーバ、2…鉄道運行サーバ、3…企業業務サーバ、4…情報端末、12―1…鉄道運行行動変容情報、12―2…企業業務行動変容情報、12―3…乗客行動変容情報、12―4…現実行動変容調停部、12―5…現実調停メッセージ作成部、13―1…行動変容アラート検出部、13―2…交通運行予測シミュレータ、13―3…行動変容係数補正部、13―4…仮想鉄道車両オブジェクト、13―5…仮想企業オブジェクト、13―6…仮想乗客オブジェクト、13―7…仮想行動変容調停部

Claims (5)

  1. 交通機関の運行に関する運行関連情報を管理する仮想交通機関オブジェクトと、
    複数の個人の行動に関する行動情報をそれぞれ管理する複数の仮想個人オブジェクトと、
    前記個人が所属する団体の業務に関する業務情報を管理する仮想団体オブジェクトと、
    前記仮想交通機関オブジェクトに基づいて、前記個人に行動変容を促す契機である行動変容アラートを検出するアラート検出部と、
    前記行動変容アラートが検出された場合、前記仮想交通機関オブジェクト、前記仮想個人オブジェクト及び前記仮想団体オブジェクトを用いて、前記交通機関、前記複数の個人及び前記団体の間の前記行動変容に関する仮想的な調停を行う仮想調停部と、
    前記仮想的な調停の調停結果に基づいて、前記行動変容を要請する変容要請を前記複数の個人のそれぞれに通知する通知部と、を有し、
    前記アラート検出部は、前記仮想交通機関オブジェクトに基づいて、前記交通機関の車両及び乗客の状況を運行状況として予測し、その予測結果に基づいて、前記行動変容アラートを検出し、
    前記仮想交通機関オブジェクト、前記仮想個人オブジェクト及び前記仮想団体オブジェクトは、所定の調停ポリシーを有し、
    前記仮想調停部は、前記仮想的な調停として、前記仮想交通機関オブジェクト、前記仮想個人オブジェクト及び前記仮想団体オブジェクトのそれぞれの調停ポリシーを満たすような、前記交通機関、前記複数の個人及び前記団体のそれぞれの前記行動変容を推定し、
    前記通知部は、前記調停結果である前記推定した前記行動変容を要請する、行動変容誘導装置。
  2. 前記通知部は、前記変容要請を前記団体に通知する、請求項1に記載の行動変容誘導装置。
  3. 前記個人及び前記団体から前記変容要請に対する諾否を示す諾否情報を受け付ける通信処理部と、
    前記諾否情報に基づいて、前記仮想団体オブジェクト及び前記仮想個人オブジェクトの情報を更新する更新部と、をさらに有し、
    前記仮想調停部は、前記諾否情報が前記変容要請の拒否を示す場合、前記更新された仮想団体オブジェクト及び仮想個人オブジェクトを用いて、前記仮想的な調停を再度行う、請求項2に記載の行動変容誘導装置。
  4. 前記変容要請に承諾した個人の人数に基づく評価値を前記団体ごとに算出し、当該団体ごとの評価値を公開する公開部をさらに有する、請求項1に記載の行動変容誘導装置。
  5. 交通機関の運行に関する運行関連情報を管理する仮想交通機関オブジェクトと、複数の個人の行動に関する行動情報をそれぞれ管理する複数の仮想個人オブジェクトと、前記個人が所属する団体の業務に関する業務情報を管理する仮想団体オブジェクトと、を有する行動変容誘導装置による行動変容誘導方法であって、
    前記仮想交通機関オブジェクトに基づいて、前記個人に行動変容を促す契機である行動変容アラートを検出し、
    前記行動変容アラートが検出された場合、前記仮想交通機関オブジェクト、前記仮想個人オブジェクト及び前記仮想団体オブジェクトを用いて、前記交通機関、前記複数の個人及び前記団体の間の前記行動変容に関する仮想的な調停を行い、
    前記仮想的な調停の調停結果に基づいて、前記行動変容を要請する変容要請を前記複数の個人のそれぞれに通知
    前記行動変容アラートの検出では、前記仮想交通機関オブジェクトに基づいて、前記交通機関の車両及び乗客の状況を運行状況として予測し、その予測結果に基づいて、前記行動変容アラートを検出し、
    前記仮想交通機関オブジェクト、前記仮想個人オブジェクト及び前記仮想団体オブジェクトは、所定の調停ポリシーを有し、
    前記仮想的な調停では、前記仮想的な調停として、前記仮想交通機関オブジェクト、前記仮想個人オブジェクト及び前記仮想団体オブジェクトのそれぞれの調停ポリシーを満たすような、前記交通機関、前記複数の個人及び前記団体のそれぞれの前記行動変容を推定し、
    前記通知では、前記調停結果である前記推定した前記行動変容を要請する、行動変容誘導方法。
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