図1には、本開示の一実施形態に係るパチンコ遊技機10が示されている。パチンコ遊技機10における遊技盤11の前面には、ガイドレール12で囲まれたほぼ円形の遊技領域YRが形成され、その遊技領域YR内に特別図柄表示装置35(以下、単に「表示装置35」という)を始めとして各種役物が備えられている。
表示装置35の下方には、始動入賞口14、大入賞口15及びアウト口16が、上から順に間隔を開けて並べて設けられている。遊技領域YRのうち、表示装置35の左側方には風車17が備えられ、風車17の下方には一般入賞口20が設けられている。また、始動入賞口14の左側方には始動ゲート18が備えられ、大入賞口15の右側方には一般入賞口21が備えられている。さらに、これら入賞口以外に、遊技領域YRには図示しない複数の障害釘が設けられている。
遊技盤11の前面側は、遊技領域YRに対応したガラス窓101を有する前面枠100によって覆われている。前面枠100のうちガラス窓101の縁部には、前面に膨出した枠飾りランプ33が備えられている。また、前面枠100のうちガラス窓101より下方には、前面に膨出した上皿27A及び下皿27Bが上下2段にして設けられている。上皿27Aを構成する膨出部の左右両側には、スピーカ30,30が内蔵されている。前面枠100の右下角部には操作ノブ28が設けられ、その操作ノブ28を回動操作することで、上皿27Aに収容された遊技球が、遊技盤11の遊技領域YRに向けて弾き出されて遊技が開始される。
図2に示すように、パチンコ遊技機10の後面には、図3に示す各種基板が設けられている。具体的には、パチンコ遊技機10の後面中央には、メイン制御基板110が設けられ、このメイン制御基板110に重なるようにして、サブ制御基板120、音声ランプ制御基板130、表示制御基板140及びランプ中継基板150が設けられている。メイン制御基板110の下方には、電源基板160と払出制御基板170とが設けられ、電源基板160の下方に発射制御基板180と遊技球発射装置181とが設けられている。また、メイン制御基板110の上方には、受電基板190及び遊技球タンク200が設けられ、メイン制御基板110の側方には、賞球払出装置171及び貸球払出装置172が設けられている。なお、これら各種基板110~190はそれぞれ基板ケースに収容されており、基板ケース毎にパチンコ遊技機10の後面の所定位置に組み付けられている。
図3に示すように、メイン制御基板110は、CPUとRAM及びROMを合わせてパッケージしてなるワンチップマイコン111を主要部として備えている。ワンチップマイコン111は、入出力回路115,115を介して、入賞球を検出するための各種センサ及びスイッチ等から検出信号を受信し制御プログラムに基づいて処理を行う。そして、その処理結果に応じて、サブ制御基板120及び払出制御基板170に制御データを出力する。
サブ制御基板120は、メイン制御基板110と同様に、CPU、RAM、ROMをパッケージしてなるワンチップマイコン121を備えている。ワンチップマイコン121は、CPUがROMから制御プログラムを取り出してランする。また、ワンチップマイコン121は、メイン制御基板110から出力された制御データに応じて音声ランプ制御基板130及び表示制御基板140へと制御データを出力する。
音声ランプ制御基板130は、メイン制御基板110から受信した制御データに基づいて、音声データ及び発光パターンデータを作成或いは読み出し、それらデータに基づいて、スピーカ30,30から音声を発生させかつ、パチンコ遊技機10に備えた枠飾りランプ33、その他ランプ、LEDを点灯・消灯する。
表示制御基板140は、メイン制御基板110と同様に、CPU、RAM、ROMをパッケージしてなるワンチップマイコンを備えている。ワンチップマイコン141は、サブ制御基板120から受信した制御データに基づき、CPUが、ROMから所定のデータを取り出し、RAMの作業領域にて遊技画像(特別図柄、演出図柄、背景画像、キャラクタ画像、文字画像等)を作成し、その画像データを表示装置35に出力する。
払出制御基板170は、各入賞口14,15,20,21への遊技球の入賞に基づいたメイン制御基板110からの信号や、プリペイドカードユニット210(図1参照)からの信号に基づいて、賞球払出装置171及び貸球払出装置172を駆動して遊技球を上皿27Aに払い出す。
これら各制御基板及び各装置は、電源基板160から受電して作動する。詳細には、パチンコ遊技機10の電力ケーブル191(図2を参照)が、パチンコホールに備えられたAC24V設備電源(図示せず)に接続されている。AC24V設備電源からの電力は、受電基板190を介して電源基板160に給電され、電源基板160から、各制御基板及び各装置に配電される。
次に、図1を参照しつつ遊技盤11の前面に備えた役物について詳説する。一般入賞口20,21は、所謂、ポケット構造をなし、遊技球が丁度1つ入球可能な大きさで上方に開口している。一般入賞口20,21へ入賞すると、その遊技球は遊技盤11の裏側に取り込まれ、代わりに所定数の賞球が賞球払出装置171によって上皿27Aに払い出される。
始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなし、通過した遊技球は、その始動ゲート18に内蔵したゲートスイッチ(図示せず)によって検出される。この検出信号に基づいて、表示装置35とは別に備えた普通図柄表示装置19において普通図柄が変動表示される。
普通図柄表示装置19は、始動ゲート18の左側方に設けられている。普通図柄表示装置19は、例えば、7セグメントLEDであって、ゲートスイッチが遊技球を検出(始動ゲート18を遊技球が通過)すると、「0」~「9」までの数字を所定期間に亘って変動表示した後、所定の数字を確定表示する。そして、確定表示された数字が、例えば、奇数の場合に、始動入賞口14が開放状態になって遊技球が入賞し易い状態になる。また、普通図柄表示部19が変動表示している間に始動ゲート18を通過した遊技球は、所定数(例えば、4つ)まで累積カウントされ、図示しないLEDの点灯数として表示される。普通図柄表示部19で表示する普通図柄は、数字に限定するものではなく、アルファベットや記号等でもよい。
始動入賞口14は、所謂、ポケット構造をなして上方に向かって開口しており、その開口の両側部には可動翼片14C,14Cが備えられている。これら両可動翼片14C,14Cは、常には起立状態になっている。起立状態において、両可動翼片14C,14Cに挟まれた始動入賞口14の開口幅は、遊技球ちょうど1つ分の大きさになっている。つまり、入賞可能ではあるが比較的入賞し難い状態となっている。
これに対し、普通図柄表示部19が奇数の数字で停止表示して開放条件が成立すると、始動入賞口14が開放状態となる。即ち、遊技盤11の裏に設けたソレノイド(図示せず)により、始動入賞口14に備えた可動翼片14C,14Cが所定期間(例えば、0.4秒)に亘って左右に倒される。可動翼片14C,14Cが左右に倒れると、始動入賞口14の開口幅が広がり、遊技球が倒れた可動翼片14C,14Cに案内されて始動入賞口14に入賞可能となる。つまり、始動入賞口14に比較的入賞し易い状態になる。
始動入賞口14に遊技球が入賞すると、始動入賞口14内に設けた始動口センサ14W(図3参照)がその遊技球を検出し、その検出信号に基づいて、所定数の賞球が賞球払出装置171によって上皿27Aに払い出される。また、始動入賞口14に遊技球が入賞すると、「大当たり遊技」を行うか否かを決定する当否判定の権利が発生し、その当否判定結果が表示装置35によって遊技者に報知される。
具体的には、表示装置35の表示画面36には、通常、3つの左、中、右の特別図柄(図示せず)が横並びに表示されている。これら各特別図柄は、例えば、「0」~「11」の数字を表記した複数種類のもので構成されており、通常は、各特別図柄ごと、所定の種類のものが停止表示されている。そして、始動入賞口14に遊技球が入賞したときに、これら3つの特別図柄が、変動表示(上下方向にスクロール表示)され、所定時間後に、例えば、左、中、右の順で各特別図柄が停止表示される。このとき、例えば、全ての特別図柄が同じ図柄、即ち、ぞろ目になった場合に、遊技が「通常遊技」から「大当たり遊技」に移行する。また、最後に停止される特別図柄だけを残して、残りの二つの特別図柄が同一の図柄で停止した場合に、遊技が「リーチ状態」になる。なお、表示画面36にて特別図柄が変動表示している最中又は「大当たり遊技」の最中に始動入賞口14に入賞した遊技球の数は、所定の上限数まで保留記憶され、特別図柄が外れの図柄組み合わせで停止表示又は「大当たり遊技」が終了すると、その保留記憶に基づいて再び、特別図柄の変動表示が開始される。
大入賞口15は、横長に形成されて、常には、可動扉15Tにて閉塞されている。パチンコ遊技機10が「大当たり遊技」になると、遊技盤11の裏に設けたソレノイド15S(図3参照)により、可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒される。これにより、大入賞口15が開放され、可動扉15Tを案内にして、大入賞口15に遊技球が入賞可能となる。ここで、可動扉15Tが開放してから閉じるまでの間を「ラウンド」と称すると、1つのラウンドは、可動扉15Tの開放時間が30秒に達したか、又は、大入賞口15に遊技球が10個入賞したか、の何れかの終了条件が先に満たされた場合に終了する。また、「大当たり遊技」は、最大で、例えば15ラウンドまで継続される。
大入賞口15の内部には、図示しないが継続入賞口と計数入賞口とが設けられている。可動扉15Tが開いたときには、継続入賞口は開放しており、継続入賞口に入賞すると継続入賞口が閉鎖される一方、計数入賞口は開放されたままとなる。継続入賞口内に設けた特定領域センサ15W1(図3参照)が遊技球の入賞を検出すると、前述した終了条件を満たしてラウンドが終了した後で、連続して次のラウンドが実行される。また、計数入賞口内に設けたカウントセンサ15W2(図3参照)が遊技球の入賞を検出すると、継続入賞口への入賞球と合わせて、大入賞口15への入賞球がカウントされ、これらが前記したように計10個に達したか否かがチェックされる。なお、大入賞口15に遊技球が入賞すると、他の入賞口14,20,21への入賞時より多い所定数の遊技球が、賞球払出装置171によって上皿27Aに払い出される。
表示装置35は、例えば液晶モジュール(詳細には、TFT-LCDモジュール)であって、表示画面36が遊技盤11に固定された表示枠体23で取り囲まれている。表示画面36は、表示枠体23の奥側に配置されており、遊技者は、表示枠体23を通して表示画面36に表示された演出画像(例えば、左、中、右の特別図柄)を視認可能となっている。
表示枠体23は、遊技盤11の前面に固定された前側表示枠40(図4,図5参照)と、遊技盤11の後面に固定された後側表示枠50(図6参照)とから構成されている。
前側表示枠40は、遊技盤11に貫通形成された図示しない遊技盤開口部の内側に嵌合している。また、前側表示枠40の外縁部からは鍔板が側方に張り出しており、その鍔板が遊技盤11の前面に敷設されている。そして、鍔板を貫通した複数の螺子又はピンにより前側表示枠40が遊技盤11の前面に固定されている。前側表示枠40の上辺部分と左右の両側辺部分は、遊技盤11から前方に突出しており、遊技球が前側表示枠40を飛び越えて表示枠体23で囲まれた内側領域に進入しないようになっている。
前側表示枠40の左側辺部分の内部には、遊技球が通過可能なワープ通路41が形成されている。ワープ通路41は前側表示枠40の左側面に開口を有しており、前側表示枠40の側方を流下する遊技球が入球可能となっている。また、前側表示枠40の下辺部分には、遊技球が左右に転動可能なステージ42が備えられており、ワープ通路41の下端開口がステージ42の左端に開放している。これにより、遊技領域YRを流下する遊技球をステージ42に誘導可能となっている。なお、ステージ42の左右方向の中央位置と始動入賞口14とが鉛直線上に配置されており(図1参照)、ステージ42の中央位置及びその近傍から流下した遊技球は、始動入賞口14に入賞し易くなっている。
後側表示枠50は、樹脂成形品であって全体として横長の枠形構造をなしている。後側表示枠50は、奥壁51の外縁部から前方に向かって囲壁52が起立し、奥壁51の中央部に横長の矩形開口53を備えている。後側表示枠50には機構盤55が一体形成されている。機構盤55は囲壁52の下辺から垂下しており、各入賞口14,15,20,21から遊技盤11の後側に流入した遊技球を回収するための回収路を備えている。
囲壁52の前端縁の角部には、固定片52Aが設けられており、後側表示枠50は、囲壁52の前端縁を遊技盤11の後面に突き当てた状態で、固定片52Aを貫通した螺子によって遊技盤11の後面に固定されている。後側表示枠50を遊技盤11の後面に固定すると、矩形開口53と遊技盤11の遊技盤開口部とが前後方向で重なる。表示装置35は後側表示枠50の後側に配置されており、矩形開口53の内側に表示装置35の表示画面36が嵌め込まれている。
後側表示枠50のうち、囲壁52で囲まれた上辺部分と下辺部分とには、装飾ランプ54,54が取り付けられている。これら装飾ランプ54,54は、透明なランプカバーの内側にLEDを内蔵した構造となっており、LEDの光がランプカバーを透過して表示枠体23の内側や、パチンコ遊技機10の前方(遊技者側)に照射されるようになっている。
後側表示枠50のうち、矩形開口53を挟んだ左右の両側部には、奥行きを有したスペースが形成されており、ここに図示しない可動役物が収容可能となっている。
さて、後側表示枠50には、図7に示す電動役物ユニット60が取り付けられている。電動役物ユニット60は、可動電飾役物61と、可動電飾役物61を駆動するための1対の駆動装置80,80とから構成されている。可動電飾役物61は、センター電飾体70と、センター電飾体70を挟んで左右対称に配置された1対のサイド電飾体62,62とを備えている。
サイド電飾体62,62は全体として横長構造でかつ左右対称な形状となっている。1対のサイド電飾体62,62のうち、互いに離れた側の端部を「基端部」とし、互いに近い側の端部「先端部」とすると、1対のサイド電飾体62,62は、基端部を中心として遊技盤11と平行な平面(鉛直面)内で回動可能となっている(図4及び図5参照)。より詳細には、サイド電飾体62,62の基端部には、駆動装置80,80が連結されており、駆動装置80,80から受けた動力で各サイド電飾体62,62が互いに逆向きに回動するようになっている。
図4及び図5に示すように、センター電飾体70は、両サイド電飾体62,62の回動に従動して遊技盤11と平行な平面(鉛直面)内で移動可能となっている。センター電飾体70は、各サイド電飾体62,62の先端部にそれぞれ連結されており、各サイド電飾体62,62に対して相対回転可能となっている。
可動電飾役物61の動作について簡単に説明すると、可動電飾役物61は、常には、図4に示すように、1対のサイド電飾体62,62とセンター電飾体70とがほぼ横並びになった状態で表示画面36の上方に退避している。この退避位置では、表示画面36に表示される演出画像のほぼ全部が視認可能となっている。
これに対し、遊技が通常とは異なる所定の遊技状態(例えば、リーチ状態、大当たり状態など)になると、可動電飾役物61は、退避位置から図5に示す降下位置に移動して、略「く」の字形に変形する。即ち、1対のサイド電飾体62,62が駆動装置80,80から動力を受けて互いに逆向きに回動し、サイド電飾体62,62が基端部から先端部に向かって斜め下方に延びた下向姿勢になる。このとき、センター電飾体70は各サイド電飾体62,62に対して相対回転すると共に、各サイド電飾体62,62の回動に従動して、前側表示枠40(矩形開口53)の上辺寄り位置から、前側表示枠40(矩形開口53)のほぼ中央位置まで下降する。そして、可動電飾役物61が表示画面36の一部に覆い重なる。
以下、電動役物ユニット60の各部について詳説する。サイド電飾体62は、前後方向に扁平かつ透明な基板ケース65の内部にLED基板66(以下、「サイドLED基板66」という。)を収容しかつ、基板ケース65の前面を図示しない透明な装飾カバーで覆った構成となっている。基板ケース65及び装飾カバーは、遊技に関連した所定のデザイン形状になっており、サイドLED基板66は基板ケース65の前面形状に対応した形状になっている。サイドLED基板66の前面には複数のLEDが分散配置されており、LEDの光が基板ケース65の前面壁及び装飾カバーを透過してパチンコ遊技機10の前方(遊技者側)に照射されるようになっている。
図8に示すように、1対のサイド電飾体62,62の互いに離れた側の基端部には第1回動支軸63,63が設けられている。第1回動支軸63は、基板ケース65の後面壁から突出して前後方向に延びている。第1回動支軸63は、後側表示枠50に支持されており、サイド電飾体62は、この第1回動支軸63を中心として、遊技盤11と平行な平面内で回動可能となっている。
図10に示すように、1対のサイド電飾体62,62の互いに近い側の先端部には第2回動支軸64,64が設けられている。第2回動支軸64は、基板ケース65の前面壁から突出して前後方向に延びている。センター電飾体70は、この第2回動支軸64によりサイド電飾体62の先端部に相対回転可能に軸支されている。
図9に示すように、サイド電飾体62の基端部にはリンクアーム67が一体形成されている。リンクアーム67は、基板ケース65のうち、第1回動支軸63の近傍の側壁から駆動装置80に向かって延びている。リンクアーム67には、前後方向に貫通した長孔67Hが形成されている。なお、基板ケース65は、扁平方向で2分割可能となっており、後面壁には複数の放熱口(図示せず)が形成されている。
センター電飾体70は、前面開放の筒形ケース71と、筒形ケース71の前方で回転可能な回転ランプカバー72とを備えている。筒形ケース71は、前後方向に扁平でかつ前面が開放した円筒形状をなし、その外周面から側方に装飾片が張り出している。筒形ケース71の前面開口はLED基板73(以下、センターLED基板73」という。図10参照)によって閉塞され、そのLED基板73の前面、即ち、回転ランプカバー72との対向面には、複数のLEDが分散配置されている。このLEDの光が回転ランプカバー72を透過してパチンコ遊技機10の前方(遊技者側)に照射されるようになっている。
回転ランプカバー72は、前面が凸面でかつ裏面が凹面となったドーム構造をなしている。回転ランプカバー72の裏面(センターLED基板73との対向面)の中心からは、センターLED基板73に向かって回転軸(図示せず)が突出している。回転軸はセンターLED基板73を貫通し、センターLED基板73の後面に突出した先端部には、平歯車72G(図11参照)が固定されている。平歯車72Gは、筒形ケース71の後面壁とセンターLED基板73との間で回転可能となっている。
筒形ケース71の後面壁には、センター電飾用モータ74(具体的には、ステッピングモータ)が取り付けられている。センター電飾用モータ74は、出力軸74Jが上下方向を向くようにブラケット75を介して取り付けられており、センター電飾用モータ74の出力軸74Jと平歯車72Gとの間がウォームギヤ機構74Gを介して連結されている。これにより、回転ランプカバー72をセンター電飾用モータ74によって回転駆動することが可能となっている。なお、センター電飾用モータ74を筒形ケース71の後面壁に固定してセンターLED基板73から離したことで熱の伝達を防ぐことができる。
センターLED基板73の後面には、回転ランプカバー72の回転回数を計数するためにセンサ76(例えば、透過形フォトインタラプタ)が実装されている。詳細には、回転ランプカバー72の回転軸に固定された平歯車72Gには、センターLED基板73の後面に向かって起立した円環壁(図示せず)が一体形成されており、その円環壁の1箇所に切り欠きが形成されているいる。センサ76は、この切り欠きを光学的に検出しており、切り欠きの検出回数が回転ランプカバー72の回転回数として計数される。なお、予め設定された回転回数に達すると、センター電飾用モータ74が自動停止するようになっている。
図10に示すように、筒形ケース71のうち、センター電飾用モータ74を挟んだ左右の両側部には、前後方向に貫通した円形孔を有する第1軸支持筒77と、前後方向に貫通した横長孔78H(図11参照)を有する第2軸支持筒78とが一体形成されている。
第1軸支持筒77の円形孔には、一方のサイド電飾体62(詳細には、図10における右側のサイド電飾体62)から起立した第2回動支軸64が回転可能かつスライド不能に受容されている。
一方、第2軸支持筒78の横長孔78Hには、他方のサイド電飾体62(詳細には、図10における左側のサイド電飾体62)から起立した第2回動支軸64が回転可能かつスライド可能に収容されている。これにより、センター電飾体70が各サイド電飾体62,62に対して相対回転可能に軸支されると共に、1対のサイド電飾体62,62が第1回動支軸63,63を中心として互いに逆向きに回動した場合(退避位置と降下位置との間で移動した場合)に、両サイド電飾体62,62に備えた第2回動支軸64,64同士の接近と離間とが可能となっている。
電動役物ユニット60における各駆動装置80,80は、図6に示すように、後側表示枠50の上端両角位置に固定されている。駆動装置80は、サイド電飾用モータ83を駆動源として備えている。サイド電飾用モータ83は、出力軸が前後方向を向くように配置されており、出力軸に第1の平歯車81(図8参照)が連結されている。第1の平歯車81の回転軸81Jは、サイド電飾用モータ83の出力軸からオフセットしており、第1の平歯車81とサイド電飾用モータ83の出力軸との間は、図示しないアイドルギヤにて連結されている。第1の平歯車81と第1回動支軸63との中間位置には第2の平歯車82が軸支されており、第1の平歯車81と第2の平歯車81,82とが噛合している。
図7に示すように、第2の平歯車82の前面で回転軸82Jから側方にオフセットした位置からは、回転軸82Jと平行にクランクピン82Pが突出している。クランクピン82Pは、サイド電飾用モータ83が作動して第2の平歯車82が回転すると円運動を行う。
クランクピン82Pは、サイド電飾体62から駆動装置80に向かって延びた前記リンクアーム67の長孔67Hにスライド可能に収容されている。クランクピン82Pが円運動を行うと、クランクピン82Pと、サイド電飾体62の第1回動支軸63との相対位置が変化し、クランクピン82Pがリンクアーム67の長孔67H内でクランクピン82Pと直交する方向にスライド(往復移動)する。そして、クランクピン82Pが長孔67H内でスライドするのに従動して、サイド電飾体62が第1回動支軸63を中心にして回動する。
つまり、2つの駆動装置80.80に備えたサイド電飾用モータ83,83(具体的には、ステッピングモータ)が、各駆動装置80,80の第2の平歯車82,82を互いに逆方向に回転駆動すると、1対のサイド電飾体62,62が第1回動支軸63,63を中心として互いに逆向きに回動(揺動)し、図4と図5との間の変化に示すように、可動電飾役物61が退避位置と降下位置との間で上下動する。
駆動装置80は、第1及び第2の平歯車81,82を回転可能に収容したギヤハウジング84を備えている。ギヤハウジング84は後側表示枠50に対して図示しないスナップフィット及び螺子にて固定されており、両駆動装置80,80のギヤハウジング84,84を後側表示枠50に対して着脱することで、電動役物ユニット60全体を後側表示枠50に対して着脱することが可能となっている。サイド電飾用モータ83はギヤハウジング84の外面(詳細には、後側表示枠50に対する取付面とは反対側の前面)に螺旋止めされている。また、ギヤハウジング84の下端側の一角部には、前後方向に貫通した支持筒(図示せず)が一体形成され、この支持筒に、サイド電飾体62の後面壁から突出した第1回動支軸63が回転可能に軸支されている。つまり、サイド電飾体62,62は、ギヤハウジング84,84を介して、後側表示枠50に軸支されている。
各駆動装置80には、サイド電飾体62の位置を検出するための位置センサ(例えば、透過形フォトインタラプタ)が備えられている。詳細には、図9に示すように、第2の平歯車82の後面から回転軸82Jと平行に円環壁82Wが起立しており、その円環壁82Wの1箇所に切り欠き82W1が形成されている。位置センサは、サイド電飾体62が退避位置に位置するときに切り欠き82W1を光学的に検出する。そして、サイド電飾体62が降下位置から退避位置(図4の状態)に戻る場合に、位置センサが切り欠き82W1を検出すると、サイド電飾用モータ83が自動停止する。これにより、可動電飾役物61を確実に退避位置に戻すことができる。
さて、上述した電動役物ユニット60への電力供給は、パチンコ遊技機10に備えた各種基板を中継して行われる。具体的には、電源基板160から、メイン制御基板110、サブ制御基板120、音声ランプ制御基板130及びランプ中継基板150を経由して、電動役物ユニット60に備えた各モータ74,83,83及び各LED基板66,66,73に電力が供給される(図3参照)。また、音声ランプ制御基板130からの指令も、ランプ中継基板150を介して、電動役物ユニット60に入力する。
図11に示すように、電動役物ユニット60のうち、両サイド電飾体62,62に備えたサイドLED基板66,66は、両端部にコネクタを備えたケーブル90,90によってランプ中継基板150と直接接続されており、ランプ中継基板150から直接受電することが可能となっている。また、図示しないが、両駆動装置80,80に備えたサイド電飾用モータ83,83についても、両端部にコネクタを備えたケーブルでランプ中継基板150と直接接続されており、ランプ中継基板150から直接受電することが可能となっている。
これに対し、センター電飾体70に備えたセンターLED基板73及びセンター電飾用モータ74は、ランプ中継基板150に直接接続されておらず、両サイド電飾体62,62に備えたサイドLED基板66,66を介して受電するようになっている。即ち、両サイドLED基板66,66とセンターLED基板73との間は、両端部にコネクタを備えたケーブル91,91にて接続されており、センターLED基板73とセンター電飾用モータ74との間が両端部にコネクタを備えたケーブル92にて接続されている。
つまり、電力は、音声ランプ制御基板130から、ランプ中継基板150、両サイドLED基板66,66、センターLED基板73、センター電飾用モータ74の順に給電されるようになっている。各ケーブル90,91,92には電力線に加えて、各基板間で信号を送受信するための信号線が含まれている。
なお、センターLED基板73のLEDを点灯させるための電力を1対のサイドLED基板66,66の一方からのみ受電し、センター電飾用モータ74を駆動させるための電力を、他方のサイドLED基板66からのみ受電するようにしてもよい。
図11に示すように、可動電飾役物61に備えた各LED基板66,66,73の後面の所定位置には、各ケーブル90,91,92とコネクタ接続するための基板コネクタが設けられている。
サイド電飾体62に備えたサイドLED基板66の後面のうち、第1回動支軸63の近傍位置には、ランプ中継基板150との間をケーブル90にて接続するための第1基板コネクタ66A1が設けられている。第1基板コネクタ66A1は扁平な角筒構造をなし、その内側にケーブル90の一端部に備えたケーブルコネクタを挿入可能となっている。また、第1基板コネクタ66A1は、コネクタ挿入口がサイドLED基板66の後面と直交するように設けられている。具体的には、コネクタ挿入口が駆動装置80側に開放している。そして、第1基板コネクタ66A1に接続されたケーブル90は、基板ケース65の内側を通って基板ケース65の側壁に形成された開口から側方に引き出されている。
サイドLED基板66の後面のうち、第2回動支軸64の近傍位置には、センターLED基板73との間をケーブル91にて接続するための第2基板コネクタ66A2が設けられている。第2基板コネクタ66A2も、第1基板コネクタ66A1と同様に扁平な角筒構造をなし、その内側にケーブル91の一端部に備えたケーブルコネクタを挿入可能となっている。また、第2基板コネクタ66A2のコネクタ挿入口は、第1基板コネクタ66A1とは逆方向、即ち、センター電飾体70側に開放している。
基板ケース65の後面壁のうち、各基板コネクタ66A1,66A2に対向する部分にはコネクタ用開口部65H,65Hが形成され、各基板コネクタ66A1,66A2が各コネクタ用開口部65H,65Hの内側に配置されている。これにより、基板ケース65と各基板コネクタ66A1,66A2との干渉を回避しつつ、基板ケース65の薄化が図られている。
センターLED基板73の後面には、サイドLED基板66,66との間をケーブル91,91にて接続するための第1基板コネクタ73A1と、センターLED基板73の後面側に配置されたセンター電飾用モータ74との間をケーブル92にて接続するための第2基板コネクタ73A2とが備えられている。これら各基板コネクタ73A1,73A2は、筒形ケース71の内側に収容された平歯車72Gの回転領域の外側位置に設けられている。また、各基板コネクタ73A1,73A2は後面に開放した角筒構造をなしており、筒形ケース71の後面壁のうち、各基板コネクタ73A1,73A2に対向した位置には、コネクタ用開口部71Hが形成されている。そして、各ケーブル91,91,92は、コネクタ用開口部71Hを介して第1及び第2の基板コネクタ73A1,73A2に接続されている。
ここで、両サイドLED基板66,66の第2基板コネクタ66A2,66A2に接続されたケーブル91,91は、センターLED基板73に備えた共通の第1基板コネクタ73A1に接続されている。換言すれば、ケーブル91,91は、その一端部同士で1つのケーブルコネクタを共有している。
ところで、各ケーブル91,91のケーブル長は、接続した2つの基板コネクタ73A1,66A2間の距離に対して余裕を持たせてあり、撓みを有した状態で両基板コネクタ73A1,66A2に接続されている。具体的には、両ケーブル91,91は、サイドLED基板66,66の第2基板コネクタ66A2,66A2か略側方に向かって延びると共に、センターLED基板73の第1基板コネクタ73A1から略後方に向かって延び、ケーブル91の中間部分が中弛み状態で湾曲している。また、両ケーブル91,91は可動電飾役物61の後面側に隠れた状態で取り廻されており、可動電飾役物61を前面側から見たときに、ケーブル91,91が遊技者から見えないようになっている。
センター電飾用モータ74とセンターLED基板73の第2基板コネクタ73A2との間を接続したケーブル92のケーブル長も、それらの最短接続距離に対して余裕を持たせてあり、撓みを有した状態で接続されている。即ち、ケーブル92の中間部分が中弛み状態になっている。ケーブル92は、センター電飾体70の後面側に隠れた状態で取り廻されており、可動電飾役物61を前面側から見たときに、ケーブル92が遊技者から見えないようになっている。
ところで、図11~図13に示すように、上述のケーブル90は、複数のケーブル90Aが一まとめにされてなるケーブル群となっていて、複数のケーブル90Aは、結束手段により結束されている。本実施形態では、この結束手段は、帯状部材からなり、具体的にはテープ201となっている。なお、以下では、複数のケーブル90Aから構成されるケーブル90を、適宜、「ケーブル群90」ということとする。
また、パチンコ遊技機10には、複数のケーブル90Aを後側表示枠50に固定する固定手段が備えられている。本実施形態では、この固定手段は、結束バンド202である。そして、ケーブル群90のうちテープ201による結束部分(即ち、テープ201が巻き付けられた部分)が、結束バンド202に巻かれて、後側表示枠50に固定されている。例えば、結束バンド202は、第1回動支軸63の近傍に配置されている。なお、ケーブル群90には、サイド電飾体62の回動範囲において、ケーブル群90が過度に引っ張られることがないように弛みが持たされている。
結束バンド202は、テープ201よりも幅狭となっている。これにより、テープ201が結束バンド202からはみ出ることとなり、テープ201が巻き付けられているか否かを容易に確認することができる。
なお、図13に示すように、結束バンド202を、後側表示枠50の背面に突設された背面突部210の貫通孔211に挿通した状態でケーブル群90に巻き付けることにより、ケーブル群90が後側表示枠50に固定されている。
本実施形態では、後側表示枠50に対して、ケーブル群90のうちテープ201が巻き付けられた部分が結束バンド202によって固定される。従って、テープ201によって結束バンド202とケーブル群90の摩耗が抑制される。
図14及び図15には、ケーブル群90を結束する結束手段の別の例が示されている。この例では、結束手段は、結束バンド201Vからなる。そして、固定手段としての結束バンド202は、ケーブル群90における結束バンド201Vの結束部分の近傍を、後側表示枠50(詳細には、背面突部210)に固定し、結束バンド201Vと結束バンド202は、ケーブル群90の延在方向に並べられている。本例のように、結束手段が結束バンド201Vで構成される場合、ケーブル群90を不可逆的に結束することとなるので、ケーブル群90の結束が外れ難くなる。結束手段としての結束バンド201Vは、固定手段としての結束バンド202に対して、ケーブル群90におけるサイドLED基板66に近い側に配置されていてもよいし、遠い側に配置されていてもよい。
また、本例では、結束バンド201Vと結束バンド202とが、区別可能な態様となっている。具体的には、本実施形態では、色が異なっている。このように、固定手段としての結束バンド202と結束手段としての結束バンド201Vが区別可能な態様となっているので、ケーブル群90を結束している結束バンド201Vとケーブル群90を後側表示枠50に固定している結束バンド202を容易に区別することが可能となる。ここで、これら2つの結束バンド201V,202を区別可能な態様とする他の例としては、2つの結束バンド201V,202のサイズを異ならせること、一方の結束バンドのみに印をつけること、両方の結束バンド201V,202に異なる印をつけること等が挙げられる。
また、本実施形態では、結束手段としてのテープ201又は結束バンド201Vは、複数のケーブル90Aにおいて第1基板コネクタ66A1側の端部(サイドLED基板66側の端部)から所定の長さの位置に配置され、その長さの位置の目印にもなっている。そして、その目印が付けられた部分又はその近傍が結束バンド202により後側表示枠50に固定されている。従って、複数のケーブル90Aにおいて、後側表示枠50に固定された部分から、サイドLED基板60側の端部までの長さのバラつきが少なくなるので、ケーブル群90の摩擦や断線を抑制することが可能となる。
なお、例えば、結束手段としてのテープ201又は結束バンド201Vでケーブル群90を結束しておいてから、そのケーブル群90を結束バンド202で後側表示枠50に固定するようにすれば、ケーブル群90を容易に固定することができる。しかも、複数のケーブル90Aのうち第1基板コネクタ66A1側の端部から所定の長さの位置を結束手段で予め結束しておくことで、ケーブル群90を固定する際に、複数のケーブル90Aにおいて後側表示枠50に固定される部分からサイドLED基板60側に配される端部までの長さのバラつきが生じることを抑制可能となる。
本実施形態のパチンコ遊技機10の構成は以上であって、以下動作を説明する。遊技を開始するために操作ノブ28を回動操作すると、遊技球発射装置181が作動して、遊技球が遊技領域YRに向かって打ち出される。遊技球は、遊技領域YRに配置された役物や障害釘に衝突して流下方向をランダムに変化させながら流下する。
遊技球が始動ゲート18を通過すると、普通図柄表示装置19にて普通図柄の変動表示が開始される。普通図柄が奇数で停止すると、始動入賞口14に備えた可動翼片14C,14Cが左右に倒れる。左右に倒れた可動翼片14C,14Cの上に遊技球が載ると、その遊技球は可動翼片14C,14Cに案内されて始動入賞口14に入賞する。
始動入賞口14に入賞すると、表示装置35の表示画面36にて特別図柄の変動表示が開始される。特別図柄の変動表示は所定時間に亘って行われ、その後、左、中、右の順に停止表示される。この停止表示の過程で、最後に停止される右特別図柄だけを残して、残りの二つの特別図柄が同一の図柄で停止すると「リーチ状態」になり、表示画面36には特別図柄に加えてリーチ演出画像が表示される。
そして、左、中、右の全ての特別図柄が同じ図柄で停止表示すると、「大当たり遊技」が開始される。即ち、大入賞口15を閉鎖していた可動扉15Tが所定期間に亘って前方に倒れ、遊技領域YRを流下する遊技球が可動扉15Tを案内にして大入賞口15に入賞可能となる。また、「大当たり遊技」中は、表示画面36において大当たり遊技用の演出画像が表示される。
ところで、上述した「大当たり遊技」や「リーチ状態」以外の遊技状態では、可動電飾役物61が退避位置に保持されている。即ち、図4に示すように、1対のサイド電飾体62,62とセンター電飾体70とがほぼ横並びになった状態で表示画面36の上方位置で停止している。また、サイド電飾体62及びセンター電飾体70に備えたLEDは消灯状態になっており、センター電飾体70に備えた回転ランプカバー72も停止状態になっている。そして、この退避位置では、可動電飾役物61と後側表示枠50の上辺部分に備えた装飾ランプ54とが前後に重なった状態で配置され、表示画面36に表示される演出画像のほぼ全部が遊技者から視認可能となっている。
これに対し、例えば、「リーチ状態」になると、サイド電飾体62,62及びセンター電飾体70のLEDが点灯または点滅する。また、例えば、「リーチ状態」の後で全ての特別図柄が同一図柄で停止することが決定している場合には、リーチ状態の途中で回転ランプカバー72が回転し、「大当たり遊技」に移行することを遊技者に予告する。
そして、特別図柄が同一図柄で停止表示して「大当たり遊技」が開始されると、サイド電飾体62及びセンター電飾体70のLEDが点灯又は点滅しかつ回転ランプカバー72が回転した状態で、両サイド電飾体62,62が互いに逆回転する。すると、可動電飾役物61が、図4に示す退避位置から図5に示す降下位置に移動して、表示画面36の前面の一部に可動電飾役物61が覆い重なり、大当たり遊技用の演出画像と可動電飾役物61とによる複合的な演出が行われる。
ところで、図11と図12との対比からも分かるように、可動電飾役物61が退避位置と降下位置との間で移動すると、サイドLED基板66とセンターLED基板73とに備えた基板コネクタ73A1,66A2の相対位置関係が変化するが、これら基板コネクタ73A1,66A2間を接続するケーブル91,91は、可動電飾役物61の位置(退避位置、降下位置及びそれらの中間位置)に関わらず、常に撓んだ状態(中弛み状態)を保持し続ける。即ち、「第1遊技部材」としてのサイド電飾体62,62と「第2遊技部材」としてのセンター電飾体70との双方が所定の移動領域(退避位置と降下位置との間)を何れの位置に移動したとしても、「第1配線部材」としてのケーブル91,91は、撓み量が多少変化するだけであり、常に撓んだ状態(中弛み状態)を保持し続ける。
また、センターLED基板73の第2基板コネクタ73A2とセンター電飾用モータ74との相対位置は可動電飾役物61の位置に関わらず不変なので、それらの間を接続したケーブル92は、ほぼ一定の撓み状態(中弛み状態)を保持する。即ち、「第1遊技部材」としてのサイド電飾体62,62と「第2遊技部材」としてのセンター電飾体70との双方が所定の移動領域(退避位置と降下位置との間)を何れの位置に移動したとしても、「第2配線部材」としてのケーブル92は、ほぼ一定の撓み量を保持可能となっている。ここで「ほぼ一定」とは、「全く不変」という意味と、「全体から見れば僅かな変化」という意味を含む。例えば、可動電飾役物61が変位する際にケーブル92とケーブル91,91とが干渉した場合には、ケーブル92の撓みが変化し得るが、その変化はケーブル92の全体の撓みから見れば僅かであり、ほぼ一定の撓みを保持していると言える。
このように本実施形態によれば、サイドLED基板66,66とセンターLED基板73との間を接続したケーブル91,91は、可動電飾役物61の位置に関わらず、常に撓んだ状態(中弛み状態)を保持し続ける。同様に、センターLED基板73とセンター電飾用モータ74との間を接続したケーブル92も、可動電飾役物61の位置に関わらず、常にほぼ一定の撓み状態(中弛み状態)を保持する。つまり、可動電飾役物61が移動しても、ケーブル91,91,92が過度に引っ張られないようにすることができる。これにより、ケーブル91,91,92の損傷や各LED基板66,66,73、センター電飾用モータ74との接続解除、接触不良の発生を防止することができ、電力を安定供給することができる。
また、各ケーブル91,91,92は、可動電飾役物61の位置(退避位置、降下位置及びそれらの中間位置)に関わらず、常に可動電飾役物61の後面側に隠れて遊技者から見えないようになっている。これにより、遊技者からの見た目が向上する。
また、ケーブル90,91,92と各LED基板66,66,73との間をコネクタ接続としたので、接続及び接続解除の作業を容易に行うことができる。
また、サイドLED基板66のうち、ランプ中継基板150とケーブル接続するための第1基板コネクタ66A1と、センターLED基板73とケーブル接続するための第2基板コネクタ66A2とが、サイドLED基板66の長手方向で互いに離れた基端部と先端部とに設けられたので、互いに干渉を避けながら接続及び接続解除を行うことができると共に、接続ミスが起きる可能性を低減することができる。
本実施形態では、後側表示枠50に対して移動可能なサイド電飾体62に、サイドLED基板66が搭載され、そのサイドLED基板66には、複数のケーブル90Aが接続されている。そして、複数のケーブル90Aは、結束手段(テープ201、結束バンド201V)により結束され、その結束部分又は該結束部分の近傍が、固定手段としての結束バンド202により後側表示枠50に固定される。これにより、ケーブル群90において後側表示枠50に固定された部分からサイドLED基板66側の端部までの長さのバラつきが少なくなるので、ケーブルの摩耗や断線が抑制される。
また、本実施形態では、固定手段としての結束バンド202と結束手段としての結束バンド201Vは、ケーブル群90の延在方向に並べられている。この構成では、結束手段としての結束バンド201Vを固定手段としての結束バンド202に対してサイドLED基板66に近い側に配置する場合と遠い側に配置する場合とで、複数のケーブル90A群において後側表示枠50に固定された部分からサイドLED基板66までの長さを異ならせて、該長さの微調整が可能となる。
<付記1>
以下、上述した各実施の形態から抽出される特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下では、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
以下の特徴A群は、遊技機に関し、「特許文献A(特開2003-190401号公報(段落[0024],[0039]、第1図、第9図)には、ベース部材に対して移動可能な移動部材を備えた遊技機が示されている。」という背景技術について、「特許文献Aの遊技機において、移動部材に外部からの電力を受けて作動する基板(例えば、電飾基板等)を搭載する場合、該基板とベース部材に固定された制御基板の間を複数のケーブル群で接続し、複数のケーブル群をベース部材に固定する。この場合、ケーブルの摩耗や断線が考えられ、その防止が求められている。」という課題をもってなされたものである。
[特徴A1]
ベース部材(後側表示枠50)と、
前記ベース部材に対して移動可能な移動部材(センター電飾体70、サイド電飾体62)と、
前記移動部材に搭載された基板(センターLDE基板73、サイドLED基板66)と、
前記基板に接続された複数のケーブル群(ケーブル群90)と、を有する遊技機(遊技機10)において、
前記複数のケーブル群を結束する結束手段(201)と、
前記複数のケーブル群のうち前記結束手段により結束された結束部分又は該結束部分の近傍を前記ベース部材に固定する固定手段(202)と、を有する、遊技機。
本特徴に示す構成では、複数のケーブル群においてベース部材に固定された部分から基板側の端部までの長さのバラつきが少なくなるので、ケーブルの摩耗や断線が抑制される。
[特徴A2]
前記結束手段は、前記複数のケーブル群に巻き付けられて、それら複数のケーブル群を結束する帯状部材(201)で構成され、
前記固定手段は、前記帯状部材より幅狭な結束バンド(202)で構成されて、前記複数のケーブル群のうち前記帯状部材が巻き付けられた部分を前記ベース部材に固定する、特徴A1に記載の遊技機。
本特徴に示す構成では、帯状部材によって結束バンドと複数のケーブル群の摩耗が抑制される。また、帯状部材の幅より結束バンドのバンド幅が狭いので、帯状部材が結束バンドからはみ出ることとなり、帯状部材が巻き付けられているか否かを容易に確認可能となる。なお、帯状部材の例としては、テープ、マジックテープ(登録商標)、リボン等が挙げられる。
[特徴A3]
前記結束手段は、前記複数のケーブル群を不可逆的に結束する、特徴A1に記載の遊技機。
本特徴に示す構成では、複数のケーブル群の結束が外れ難くなる。
[特徴A4]
前記結束手段及び前記固定手段は、結束バンド(201V,202)であって、
前記固定手段としての結束バンド(202)と前記結束手段としての結束バンド(201V)は、前記複数のケーブル群の延在方向に並べられている、特徴A3に記載の遊技機。
本特徴に示す構成では、結束手段としての結束バンドを固定手段としての結束バンドに対して基板に近い側に配置する場合と遠い側に配置する場合とで、複数のケーブル群においてベース部材に固定された部分から基板までの長さを異ならせて、該長さの微調整が可能となる。
[特徴A5]
前記固定手段としての結束バンドと前記結束手段としての結束バンドを区別可能な態様とした、特徴A4に記載の遊技機。
本特徴に示す構成では、複数のケーブル群を結束している結束バンドと複数のケーブル群をベース部材に固定している結束バンドを容易に区別することが可能となる。ここで、2つの結束バンドを区別可能な態様とする例としては、2つの結束バンドの色やサイズを異ならせること、一方の結束バンドに印を付けること、両方の結束バンドに異なる印を付けること等が挙げられる。
[特徴A6]
前記移動部材(センター電飾体70)は、前記ベース部材に対して回動可能な回動アーム(サイド電飾体62)に支持され、
前記複数のケーブル群は、前記回動アームに沿って配置され、
前記固定手段は、前記回動アームの回動中心の近傍に配置されている、特徴A1乃至A5のうち何れか1に記載の遊技機。
本特徴に示す構成では、複数のケーブル群の撓みを少なくしつつ、回動アームの回動に伴うケーブルの摩耗を抑制することが可能となる。
[特徴A7]
ベース部材(後側表示枠50)と、
前記ベース部材に対して移動可能な移動部材(センター電飾体70)と、
前記移動部材に搭載された基板(センターLED基板73)と、
前記基板に接続された複数のケーブル群(ケーブル群90)と、を有する遊技機(遊技機10)において、
前記複数のケーブル群には、前記基板側の端部から所定の長さの位置に、目印(201)が付けられていて、
前記複数のケーブル群のうち前記目印が付けられた部分又はその近傍を前記ベース部材に固定する固定手段(202)を有する、遊技機。
本特徴に示す構成では、複数のケーブル群においてベース部材に固定された部分から基板側の端部までの長さのバラつきが少なくなるので、ケーブルの摩耗や断線が抑制される。
なお、特徴A7に示す構成に、特徴A1~A6に示す構成が組み合わされてもよい。
[特徴A群に含まれる他の実施形態]
特徴A群には、上記実施形態の他に、例えば、以下に示される実施形態も含まれる。
(a1)上記実施形態において、ケーブル群90を結束する結束手段を構成する帯状部材として、テープ201の代わりに、マジックテープ(登録商標)、リボン等が用いられていてもよい。また、結束手段は、紐、針金等で構成されていてもよい。
(a2)上記実施形態において、複数のケーブル90Aが、センター電飾体70に設けられた基板(例えば、センターLED基板73)に直接接続されていてもよい。このような構成として、ケーブル群90が、サイド電飾体62に沿って配置されていると共に、ケーブル群90のうち結束手段(例えば、テープ201や結束バンド201V)により結束される部分が、サイド電飾体62の回動中心の近傍に配置されている構成が挙げられる。この構成によれば、ケーブル群90の撓みを少なくしつつ、回動アームの回動に伴うケーブル群90の摩耗を抑制することが可能となる。
(a3)上記実施形態では、結束バンド202が、テープ201よりも幅狭であったが、同じ幅であってもよいし、幅広であってもよい。
(a4)上記実施形態において、テープ201と結束バンド202の色を異ならせてもよい。この場合、テープ201のうち結束バンド202からはみ出た部分を目立たせることが可能となる。
(a5)上記実施形態では、結束バンド201Vと結束バンド202の態様が、区別可能な態様となっていたが、区別困難な態様であってもよい。
(a6)上記実施形態において、複数のケーブルが第1の結束手段(例えば、テープや結束バンド)により結束されてなるケーブル群が複数設けられ、それら複数のケーブル群がさらに第2の結束手段(例えば、テープや結束バンド)により結束されることにより、一まとめになったケーブル群90が構成されていてもよい。
(a7)上記実施形態では、ケーブル群90において、基板側の端部から所定の長さの位置の目印として、テープ201又は結束バンド201Vが付けられていたが、ケーブル群90に印が記されていてもよい。
(a8)上記実施形態では、ケーブル群90が接続されたサイドLED基板66が設けられたサイド電飾体62が、回動したが、直動してもよい。
(a9)上記実施形態では、ケーブル群90のうち、テープ201が巻き付けられた部分が固定されていたが、テープ201が巻き付けられた部分の近傍が固定されていてもよい。
(a10)上記実施形態では、ケーブル群90が接続された基板が、LED基板(サイドLED基板66)であったが、LED基板に限定されるものではなく、制御基板、中継基板、その他の機能を有する基板であってもよい。また、ケーブル群90が、LED基板の代わりに、モータ等の電気的部品に接続されていてもよい。