JP7495394B2 - 保護コーティング用の化合物および配合物 - Google Patents

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Description

関連出願の説明
本出願は、2018年9月5日に出願された米国仮出願第62/727,501号、2018年9月7日に出願された米国仮出願第62/728,702号、および2019年5月30日に出願された米国特許出願第16/427,219号の利益を主張し、これらはすべて、すべての目的のために本明細書に組み込まれる。
本明細書に記載されているのは、保護コーティングを形成するための化合物および配合物、ならびにそれらを作製および使用する方法である。
一般的な農産物は、環境にさらされると分解および腐食(すなわち、腐敗)の影響を受けやすくなる。そのような農産物には、例えば、卵、果物、野菜、農産品、種子、ナッツ、花、および/または全植物(それらの加工および半加工形態を含む)を含むことができる。食用の非農産物(例えば、ビタミン、キャンディーなど)も、周囲環境にさらされると分解しやすくなる。農産物および他の食用生産物の分解は、生産物の外面から大気への蒸発による湿り損失、環境から生産物へ拡散する酸素による酸化、表面への機械的損傷、および/または光誘起による分解(すなわち、光分解)の結果としての非生物的手段により発生することがある。細菌、真菌、ウイルス、および/または害虫などの生物的ストレス要因もまた、生産物に侵入し、腐食させ得る。
ほとんどの植物の空中表面を形成する細胞(高等植物など)は、外部被覆またはキューティクルを含み、これは、植物種および植物器官(例えば、果実、種子、樹皮、花、葉、茎など)に応じて、水分損失、酸化、機械的損傷、光分解、および/または生物的ストレス要因に対する様々な程度の保護を提供する。細胞脂質に由来するバイオポリエステルであるクチンは、キューティクルの主要な構造成分を形成し、環境的ストレス要因(非生物的および生物的の両方)から植物を保護する働きをする。クチンの厚み、密度、ならびに組成(すなわち、クチンを形成する異なる種類のモノマーおよびそれらの相対的な比率)は、植物種によって、同じまたは異なる植物種内の植物器官によって、および植物の熟成度の段階によって異なり得る。植物のクチン含有部分は、追加の化合物を含有し得る(例えば、クチクラ外ワックス、フェノール類、抗酸化剤、着色化合物、タンパク質、多糖類など)。植物種、植物器官、および/または異なる段階の熟成度での所与の植物の間での、クチン組成ならびにクチン層の厚さおよび密度におけるこの変動は、環境的ストレス要因による攻撃(すなわち、水分損失、酸化、機械的損傷、および光)および/または生物的ストレス要因(例えば、真菌、細菌、ウイルス、昆虫など)に対する、植物種または植物器官の間の様々な程度の抵抗につながり得る。
分解を防止し、品質を維持し、農産物の寿命を延ばすための従来のアプローチには、特別な包装および/または冷蔵が含まれる。冷蔵は、資本集約的な設備を必要とし、一定のエネルギー消費を要求し、注意深く制御されていない場合には生産物に損傷または品質の低下を引き起こす可能性があり、積極的に管理する必要があり、その利点は、温度制御されたサプライチェーンが中断すると失われる。保管中に質量損失(例えば、水分損失)が発生すると、湿度が上昇し、保管中の悪影響(例えば、凝縮、微生物増殖など)を回避するために相対湿度レベルを注意深く維持する必要がある(例えば、コンデンサーを使用して)。さらに、農産物の呼吸は、周囲の大気に熱を放出する発熱プロセスである。輸送用コンテナでの輸送および保管中、農産物の呼吸によって生成される熱、ならびに外部環境条件および機械的プロセス(例えば、モーター)から生成される熱は、保管に適切な温度を維持するために保管コンテナの積極的な冷却を必要とし、これは、輸送会社にとって主要な原価作用因である。分解の速度を減少させ、保管および輸送における熱の生成を減少させ、農産物の保管寿命を延ばすことにより、サプライチェーン全体の主要な利害関係者に対する直接的な価値が存在する。
分解を防止し、熱および湿度の生成を減少させ、品質を維持し、農産物の寿命を延ばすための、新しい、より費用効果の高いアプローチが必要である。そのようなアプローチは、冷蔵、特別な包装などをほとんど、または全く必要としない可能性がある。
保護コーティングを形成するための組成物および配合物、ならびにそれらを作製および使用する方法が本明細書に記載されている。組成物は、第1の化合物群を含むことができ、第1の群の各化合物は、脂肪酸、脂肪酸エステル、および脂肪酸塩から選択され、第1の群の各化合物は、少なくとも14個の炭素の炭素鎖長を有する。組成物はまた、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸塩、およびそれらの組み合わせから選択される第2の化合物群を含むことができ、第2の群の各化合物は、7~13個の炭素の炭素鎖長を有する。第1の群の化合物のうちの少なくともいくつか(例えば、脂肪酸塩)は、乳化剤として機能することができ、組成物を溶媒に溶解、懸濁、または分散させることができる。第2の群の化合物のうちの少なくともいくつかは、組成物を含む溶液、懸濁液、またはコロイドが物品に塗布されるときに、コーティングされる物品の表面湿潤を改善するために、湿潤剤として機能することができる。14未満の炭素鎖長(例えば、7~13個の炭素)を有する脂肪酸塩はまた、(または代替的に)乳化剤として機能することができ、組成物を溶媒に溶解、懸濁、または分散させることができる。
したがって、第1の態様では、組成物は、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸塩、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、約50質量%~約99.9質量%の1つ以上の第1の化合物を含むことができ、1つ以上の第1の化合物の各々が、少なくとも14の炭素鎖長を有する。組成物は、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸塩、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、約0.1質量%~約35質量%の1つ以上の第2の化合物をさらに含むことができ、1つ以上の第2の化合物の各々が、7~13の範囲の炭素鎖長を有する。
第2の態様では、組成物は、脂肪酸、脂肪酸エステル、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、約50質量%~約99.8質量%の1つ以上の第1の化合物を含むことができ、第1の群の各化合物が、少なくとも14の炭素鎖長を有する。組成物は、約0.1質量%~約35質量%の1つ以上の湿潤剤をさらに含むことができる。組成物は、約0.1質量%~約25質量%の1つ以上の脂肪酸塩をさらに含むことができ、各脂肪酸塩が、少なくとも14の炭素鎖長を有する。
第3の態様では、組成物は、約50質量%~約99.8質量%の第1の化合物群を含むことができ、第1の群の各化合物が、少なくとも14の炭素鎖長を有する式Iの化合物であり、式Iは、全体を通して定義されている通りである。組成物は、約0.1質量%~約35質量%の第2の化合物群をさらに含むことができ、第2の群の各化合物が、7~13の範囲の炭素鎖を有する式Iの化合物である。組成物は、約0.1質量%~約25質量%の第3の化合物群をさらに含むことができ、第3の群の各化合物が、式IIの化合物を含む塩である。第1および第2の化合物群について、Rは、-H、-グリセリル、-C-Cアルキル、-C-Cアルケニル、-C-Cアルキニル、-C-Cシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールから選択することができ、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールが、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、-CN、-NH、-SH、-SR15、-OR14、-NR1415、-C-Cアルキル、-C-Cアルケニル、または-C-Cアルキニルから選択される1つ以上の基で任意に置換されている。第3の化合物群について、Xは、カチオン性部分であり得る。
第4の態様では、組成物は、少なくとも14の炭素鎖長を有する、約50質量%~約99質量%の1つ以上の脂肪酸エステルと、少なくとも14の炭素鎖長を有する、約1質量%~約50質量%の1つ以上の脂肪酸塩と、を含むことができる。
第5の態様では、組成物は、(i)50質量%~99質量%の第1の化合物群であって、第1の群の各化合物が、式Iの化合物である、第1の化合物群と、(ii)1質量%~50質量%の第2の化合物群であって、第2の群の各化合物が、式IIまたは式IIIの塩である、第2の化合物群と、を含むことができ、式I、II、およびIIIは、全体を通して定義されている通りである。
第6の態様では、混合物(例えば、溶液、懸濁液、またはコロイド)は、溶媒中の組成物を含むことができ、組成物が、(i)50質量%~99質量%の第1の化合物群であって、第1の群の各化合物が、式Iの化合物である、第1の化合物群と、(ii)1質量%~50質量%の第2の化合物群であって、第2の群の各化合物が、式IIまたは式IIIの塩である、第2の化合物群と、を含み、式I、II、およびIIIは、全体を通して定義されている通りである。
本明細書に記載される組成物または混合物のいずれも、以下の特色のうちの1つ以上を、単独でまたは組み合わせて含むことができる。第2の化合物または湿潤剤は、8、10、11、または12の炭素鎖長を有することができる。組成物の化合物のいずれも、式Iの化合物であり得る。カチオン性部分は、有機イオンまたは無機イオンであり得る。カチオン性部分は、ナトリウムを含むことができる。1つ以上の第2の化合物の各々は、湿潤剤であり得る。1つ以上の第1の化合物は、モノアシルグリセリドおよび/または脂肪酸塩を含むことができる。脂肪酸エステルには、モナシルグリセリドが含まれ得る。脂肪酸エステル(例えば、モノアシルグリセリド)と脂肪酸塩との質量比は、約2~100または約2~99の範囲であり得る。したがって、第1の化合物群と第2の化合物群との質量比は、2~99または2~100の範囲であり得る。組成物は、10質量%未満のジグリセリドを含むことができる。組成物は、10質量%未満のトリグリセリドを含むことができる。第1および/または第2の群の各化合物は、少なくとも14の炭素鎖長を有することができる。式Iでは、Rは、-グリセリルであり得る。第2の化合物群は、SA-Na、PA-Na、MA-Na、SA-K、PA-K、またはMA-Kを含むことができる。組成物は、70質量%~99質量%の第1の化合物群と、1質量%~30質量%の第2の化合物群と、を含むことができる。溶媒は、水であり得るか、または少なくとも50体積%または少なくとも70体積%の水であり得る。混合物中の組成物の濃度は、0.5~200mg/mLの範囲であり得る。第1の化合物群は、
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からなる群から選択される1つ以上の化合物を含むことができる。
別の態様では、混合物(例えば、溶液、懸濁液、またはコロイド)は、溶媒中の本明細書に記載される組成物のいずれかを含むことができる(例えば、溶媒に溶解される、懸濁される、または分散される)。本明細書に記載される混合物のいずれも、以下の特色のうちの1つ以上を含むことができる。溶媒は、カルナウバワックスに対して少なくとも約70度の接触角を有することを特徴とすることができる。溶媒は、水であり得るか、または少なくとも70体積%の水であり得る。溶媒は、エタノールを含むことができる。溶媒は、水およびエタノールを含むことができる。混合物は、例えば、クエン酸であり得る抗菌剤を含むことができる。混合物中の組成物の濃度は、0.5~200mg/mLの範囲であり得る。混合物中の湿潤剤の濃度は、少なくとも約0.1mg/mLであり得る。
別の態様では、混合物を形成する方法は、カルナウバワックスの表面上に配置されたときに少なくとも約70°(例えば、少なくとも約75°、少なくとも約80°、少なくとも約85°、または少なくとも約90°)の接触角を呈することを特徴とする溶媒を提供することを含むことができる。この方法は、組成物を溶媒に添加して、混合物を形成することをさらに含むことができる。組成物は、1つ以上の脂肪酸またはそれらの塩もしくはエステルを含むことができ、かつ/または式I、式II、および/もしくは式IIIの化合物を含むことができる。得られた混合物は、カルナウバワックス上に配置されたときに約85°未満(例えば、約80°未満、約75°未満、約70°未満、または約65°未満)の接触角を呈することを特徴とする。得られた混合物のカルナウバワックス上での接触角は、(組成物を添加する前の)溶媒のカルナウバワックス上での接触角よりも小さくてもよい。任意に、組成物の脂肪酸またはそれらの塩もしくはエステルの少なくとも1つは、13以下の炭素鎖長を有することができる。任意に、組成物の脂肪酸またはそれらの塩もしくはエステルの少なくとも1つは、14以上の炭素鎖長を有することができる。任意に、溶媒は、水であり得るか、または少なくとも70体積%の水であり得る。
別の態様では、基材(例えば、農産物)上に保護コーティングを形成する方法は、混合物(例えば、溶液、懸濁液、またはコロイド)を基材の表面に塗布することを含むことができ、混合物は、溶媒中の組成物を含む。この方法は、基材の表面から溶媒を除去することにより、基材の表面上に組成物から保護コーティングを形成させることをさらに含むことができる。組成物は、式I、式II、および/または式IIIの化合物を含むことができ、式I、II、およびIIIは、全体を通して記載されている通りである。例えば、組成物は、(i)50質量%~99質量%の第1の化合物群であって、第1の群の各化合物が、式Iの化合物である、第1の化合物群と、(ii)1質量%~50質量%の第2の化合物群であって、第2の群の各化合物が、式IIまたは式IIIの塩である、第2の化合物群と、を含むことができる。
パルミチン酸の1-グリセリルおよび2-グリセリルエステルでコーティングされたフィンガーライムの1日あたりの質量損失率のプロットを示す。 パルミチン酸、ステアリン酸、およびミリスチン酸の1-グリセリルエステルと2-グリセリルエステルとの組み合わせでコーティングされたアボカドの質量損失係数のプロットを示す。 脂肪酸(MA、PA、およびSA)と脂肪酸のグリセリルエステル(MA-1G、PA-1G、およびSA-1G)との組み合わせでコーティングされたアボカドの質量損失係数のプロットを示す。 パルミチン酸、ステアリン酸、およびミリスチン酸の1-グリセリルエステルの組み合わせでコーティングされたアボカドの質量損失係数のプロットを示す。 水に懸濁されたウンデカン酸の1-グリセリルエステルの混合物で処理されたアボカドの高解像度写真である。 5日間にわたる、処理されたブルーベリーおよび未処理のブルーベリーの両方のパーセント質量損失のプロットである。 水に懸濁された様々な濃度のSA-1GおよびSA-Na(質量比4:1)で処理されたレモンの質量損失係数のプロットを示す。 水に懸濁された様々なコーティング剤を含む混合物で処理されたレモンの質量損失係数のプロットを示す。 水に懸濁された中鎖と長鎖脂肪酸エステル/塩との組み合わせを含む混合物で処理されたアボカドの高解像度写真である。 ワックスを塗っていないレモンの表面上での様々な混合物の接触角のグラフを示す。 ワックスを塗っていないレモン、カンデリラワックス、およびカルナウバワックスの表面上の様々な溶媒および混合物の接触角のグラフを示す。 水に懸濁された中鎖と長鎖脂肪酸エステル/塩との様々な組み合わせを含む混合物で処理されたアボカドの質量損失係数のプロットを示す。 水に懸濁された中鎖と長鎖脂肪酸エステル/塩との様々な組み合わせを含む混合物で処理されたサクランボの質量損失係数のプロットを示す。 水に懸濁された中鎖と長鎖脂肪酸エステル/塩との様々な組み合わせを含む混合物で処理されたフィンガーライムの1日平均質量損失率のプロットを示す。 パラフィンワックスの表面上での様々な溶媒および混合物の接触角のグラフを示す。 固体表面上での液滴(droplet)の接触角を示す。 水に懸濁された脂肪酸エステルと脂肪酸塩との様々な組み合わせを含む混合物で処理されたアボカドの1日平均質量損失率のプロットを示す。 水に懸濁された脂肪酸エステルと乳化剤との様々な組み合わせを含む混合物で処理されたアボカドの1日平均質量損失率のプロットを示す。 様々な濃度で水に懸濁された脂肪酸エステルと乳化剤との様々な組み合わせを含む混合物で処理したアボカドの質量損失係数のプロットを示す。 様々な濃度で水に懸濁された脂肪酸エステルと乳化剤との様々な組み合わせを含む混合物で処理したアボカドの呼吸係数のプロットを示す。 表面上での、脂肪酸エステルと脂肪酸塩との組み合わせを含む混合物の液滴の代表的な画像を示す。 表面上での、脂肪酸エステルとラウリル硫酸ナトリウムとの組み合わせを含む混合物の液滴の代表的な画像を示す。 輸送用コンテナ内の熱の生成または伝導源を示す。 10℃の保管場所から取り出した後の異なる方向性での、未処理のアボカド、および脂肪酸エステルと脂肪酸塩との混合物でコーティングされたアボカドの箱のスタックの平均温度を示す。
定義
本明細書で使用される場合、「植物物質」という用語は、例えば、果実(果実の皮および果汁嚢を含む植物学的意味で)、野菜、葉、茎、樹皮、種子、花、皮、または根を含む植物の任意の部分を指す。植物物質には、収穫前の植物またはその一部、ならびに収穫後の植物またはその一部が含まれ、例えば、収穫された果物および野菜、収穫された根および液果、および摘み取られた花が含まれる。
本明細書で使用される場合、「コーティング剤」は、保護コーティングを形成することができる化合物または化合物の群を含む組成物を指す。
本明細書で使用される場合、固体表面上の液体の「接触角」という用語は、気液界面が液固界面と接触する場所で測定された液体の液滴の外面の角度を指す。例えば、図17に示されるように、角度θは、固体1702の表面上での液滴1701の接触角を画定する。接触角は、液体による固体表面の湿潤性を定量化する。
本明細書で使用される場合、「湿潤剤」または「界面活性剤」という用語は、各々、溶媒、懸濁液、コロイド、または溶液に添加されると、溶媒/懸濁液/コロイド/溶液と、溶媒/懸濁液/コロイド/溶液が配置されている固体表面との間の表面エネルギーの差を減少させる化合物を指す。
本明細書で使用される場合、脂肪酸の「炭素鎖長」またはその塩もしくはエステルは、カルボニル炭素を含む鎖中の炭素原子の数を指す。
本明細書で使用される場合、「長鎖脂肪酸」、「長鎖脂肪酸エステル」、または「長鎖脂肪酸塩」は、それぞれ、炭素鎖長が13を超える(すなわち、少なくとも14である)脂肪酸またはそのエステルもしくは塩を指す。
本明細書で使用される場合、「中鎖脂肪酸」、「中鎖脂肪酸エステル」、または「中鎖脂肪酸塩」は、それぞれ、炭素鎖長が7~13の範囲(7および13を含む)である脂肪酸またはそのエステルもしくは塩を指す。
本明細書で使用される場合、「カチオン性対イオン」は、負に帯電したイオンに関連する任意の有機または無機の正に帯電したイオンである。カチオン性対イオンの例には、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、およびマグネシウムが含まれる。
本明細書で使用される場合、「カチオン性部分」は、任意の有機または無機の正に帯電したイオンである。
以下の略語が全体で使用される。ヘキサデカン酸(すなわち、パルミチン酸)は、「PA」と略される。オクタデカン酸(すなわち、ステアリン酸)は、「SA」と略される。テトラデカン酸(すなわち、ミリスチン酸)は、「MA」と略される。(9Z)-オクタデセン酸(すなわち、オレイン酸)は、「OA」と略される。ドデカン酸(例えば、ラウリン酸)は、「LA」と略される。ウンデカン酸(例えば、ウンデシル酸)は、「UA」と略される。デカン酸(例えば、カプリン酸)は、「CA」と略される。1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルパルミテート(すなわち、2-グリセリルパルミテート)は、「PA-2G」と略される。1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルオクタデカノエート(すなわち、2-グリセリルステアレート)は、「SA-2G」と略される。1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルテトラデカン酸(すなわち、2-グリセリルミリステート)は、「MA-2G」と略される。1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イル(9Z)-オクタデセノエート(すなわち、2-グリセリルオレエート)は、「OA-2G」と略される。2,3-ジヒドロキシプロパン-1-イルパルミテート(すなわち、1-グリセリルパルミテート)は、「PA-1G」と略される。2,3-ジヒドロキシプロパン-1-イルオクタデカノエート(すなわち、1-グリセリルステアレート)は、「SA-1G」と略される。2,3-ジヒドロキシプロパン-1-イルテトラデカノエート(すなわち、1-グリセリルミリステート)は、「MA-1G」と略される。2,3-ジヒドロキシプロパン-1-イル(9Z)-オクタデセノエート(すなわち、1-グリセリルオレエート)は、「OA-1G」と略される。2,3-ジヒドロキシプロパン-1-イルドデカノエート(すなわち、1-グリセリルラウレート)は、「LA-1G」と略される。2,3-ジヒドロキシプロパン-1-イルウンデカノエート(すなわち、1-グリセリルウンデカノエート)は、「UA-1G」と略される。2,3-ジヒドロキシプロパン-1-イルデカノエート(すなわち、1-グリセリルカプレート)は、「CA-1G」と略される。ステアリン酸のナトリウム塩は、「SA-Na」と略される。ミリスチン酸のナトリウム塩は、「MA-Na」と略される。パルミチン酸のナトリウム塩は、「PA-Na」と略される。ステアリン酸のカリウム塩は、「SA-K」と略される。ミリスチン酸のカリウム塩は、「MA-K」と略される。パルミチン酸のカリウム塩は、「PA-K」と略される。ステアリン酸のカルシウム塩は、「(SA)-Ca」と略される。ミリスチン酸のカルシウム塩は、「(MA)-Ca」と略される。パルミチン酸のカルシウム塩は、「(PA)-Ca」と略される。ステアリン酸のマグネシウム塩は、「(SA)-Mg」と略される。ミリスチン酸のマグネシウム塩は、「(MA)-Mg」と略される。パルミチン酸のマグネシウム塩は、「(PA)-Mg」と略される。
本明細書で使用される「置換された」または「置換基」は、原子または原子の群が別の原子または原子の群で置き換えられることを意味する。例示的な置換基には、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ホルミル、アシル、エーテル、エステル、ケト、アリール、ヘテロアリールなどが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「質量損失率」は、生産物が質量を失う速度を指す(例えば、水および他の揮発性化合物を放出することによって)。質量損失率は、典型的には、1単位時間あたりの元の質量のパーセンテージ(例えば、1日あたりのパーセント)として表される。
本明細書で使用される場合、「質量損失係数」という用語は、所与の時間における、コーティングされていない農産品の平均質量損失率(対照群について測定される)の、対応するコーティングされた農産品の平均質量損失率に対する比として定義される。したがって、より大きい質量損失係数は、コーティングされた農産品についての平均質量損失率の大幅な減少に対応する。
本明細書で使用される場合、「呼吸速度」は、生産物がCOを放出する速度を指し、より具体的には、生産物の1単位質量あたりの1単位時間あたりに放出されるCOの体積(標準温度および圧力で)である。呼吸速度は、典型的には、ml CO/kg・時間で表される。生産物の呼吸速度は、COセンサーを備えた既知の体積の密閉コンテナに生産物を入れ、コンテナ内のCO濃度を時間の関数として記録し、次いで、測定された濃度値を取得するのに必要とされるCOの速度を計算することによって測定することができる。
本明細書で使用される場合、「呼吸係数」という用語は、コーティングされていない農産品の累積呼吸(対照群について測定される)の、対応するコーティングされた農産品の累積呼吸に対する比として定義される。したがって、より大きい呼吸係数は、コーティングされた農産品についての累積呼吸の大幅な減少に対応する。
本明細書に記載されているのは、植物物質、農産物、または食品などの基材上に保護コーティングを形成するために使用することができる溶媒中の組成物(例えば、コーティング剤)を含有する溶液、懸濁液、またはコロイドである。保護コーティングは、例えば、基材からの水分損失、基材の酸化を防止することができ、かつ/または細菌、真菌、ウイルスなどの脅威から基材を保護する(shield)ことができる。コーティングはまた、物理的損傷(例えば、傷)および光損傷から基材を保護する(protect)ことができる。したがって、コーティング剤、溶液/懸濁液/コロイド、およびそれらで形成されたコーティングを使用して、農産物または他の食品を損なうことなく長期間保管するのを補助することができる。場合によっては、コーティングおよびそれらが形成されるコーティング剤は、冷蔵がない状態で食品が新鮮に保たれることを可能にすることができる。本明細書に記載されるコーティング剤およびコーティングはまた、食用であり得る(すなわち、コーティング剤およびコーティングは、人間の消費に対して無毒であり得る)。いくつかの特定の実施では、溶液/懸濁液/コロイドは、塗布中に溶液/懸濁液/コロイドが基材の表面全体によりよく広がるようにする湿潤剤または界面活性剤を含み、それにより、表面被覆率ならびに結果として得られるコーティングの全体的な性能を改善する。いくつかの特定の実施では、溶液/懸濁液/コロイドは、溶媒中のコーティング剤の溶解度を改善する、および/またはコーティング剤を溶媒中に懸濁または分散させることを可能にする乳化剤を含む。湿潤剤および/または乳化剤は、各々、コーティング剤の成分であり得るか、または溶液/懸濁液/コロイドに別々に添加され得る。
植物物質(例えば、農産物)および他の分解性物品は、生産物の外面に保護コーティングを形成することによって、生物的または非生物的ストレス要因による分解から保護することができる。コーティングは、コーティングの構成要素(本明細書では総称して「コーティング剤」)を溶媒(例えば、水および/またはエタノール)に添加して、混合物(例えば、溶液、懸濁液、またはコロイド)を形成し、混合物を、例えば、生産物を混合物に浸漬することによって、または混合物を生産物の表面上に噴霧することによってコーティングされる生産物の外面に塗布し、次いで、例えば、溶媒を蒸発させることにより、生産物の表面から溶媒を除去することによって形成することができ、それにより、生産物の表面上にコーティング剤からコーティングを形成する。コーティング剤は、得られるコーティングが水および/または酸素の移動に対するバリアを提供することにより、コーティングされた生産物からの水分損失および/または酸化を防止するように配合することができる。コーティング剤は、追加的または代替的に、得られるコーティングがCO、エチレン、および/または他のガス移動に対するバリアを提供するように配合することができる。
長鎖脂肪酸(例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、および/または13を超える炭素鎖長を有する他の脂肪酸)および/またはそのエステルもしくは塩を含むコーティング剤は、人間の消費に対して安全であり得、かつコーティング剤として使用して、様々な農産品の質量損失および酸化を減少させるのに効果的なコーティングを形成することができる。例えば、パルミチン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸の1-グリセリルエステル(すなわち、2,3-ジヒドロキシプロパン-1-イルパルミテート、本明細書では「PA-1G」)、パルミチン酸の2-グリセリルエステル(すなわち、1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イルパルミテート、本明細書では「PA-2G」)、ミリスチン酸の1-グリセリルエステル(すなわち、2,3-ジヒドロキシプロパン-1-イルテトラデカノエート、本明細書では「MA-1G」)、ステアリン酸の1-グリセリルエステル(すなわち、2,3-ジヒドロキシプロパン-1-イルオクタデセノエート、本明細書では「SA-1G」)、および/または他の長鎖脂肪酸またはその塩もしくはエステルの様々な組み合わせを含むコーティング剤から形成されたコーティングは、多くの種類の農産品、例えば、フィンガーライム、アボカド、ブルーベリー、およびレモンの質量損失率を減少させるのに効果的であることが示されている。様々なコーティングの具体例、および様々な種類の農産品の質量損失率を減少させるそれらの影響を以下の実施例1~4に提供する。
中鎖脂肪酸(例えば、7~13の範囲の炭素鎖長を有する)および/またはその塩もしくはエステルもまた、上記の方法を使用して農産品または他の植物物質または農産物上にコーティングを形成するために、コーティング剤として使用することができる。しかしながら、これらの化合物は、典型的には、農産品または植物物質に損傷を与えることが見出されており、典型的には、質量損失率の減少は、最小限であるか、全くない。例えば、5mg/mLという低い濃度で水に懸濁されたウンデカン酸の1-グリセリルエステル(すなわち、2,3-ジヒドロキシプロパン-1-イルウンデカノエート、本明細書では「UA-1G」)(UA-1Gは、11の炭素鎖長を有する)の溶液でアボカドを処理すると、UA-1Gによる皮の損傷の結果として、アボカドの皮が実質的に完全に緑色から高密度の黒色の変色領域を有するように変化することが示されている。上記の懸濁液で処理された後のアボカド500のうちの1つの高解像度写真である図5に見られるように、以前は緑色であったアボカドの皮は、処理後に多数の黒色の変色領域502を呈した。
一般に、農産品などのコーティングされた基材からの水分損失または酸化を防止するように配合されたコーティングの場合、同じコーティング剤から形成された薄いコーティングと比較して、より厚いコーティングは、水および酸素に対する透過性が低く、そのため、より薄いコーティングと比較して、より低い質量損失率をもたらすであろうと予想される。より厚いコーティングは、溶液/懸濁液/コロイド中のコーティング剤の濃度を増加させ、(同様のサイズの)農産品の各々に同様の体積の溶液/懸濁液/コロイドを塗布することによって形成することができる。収穫された農産品に対するコーティングの厚さを増加させることの影響は、未処理のブルーベリー(602)、エタノールに溶解した10mg/mLのコーティング剤化合物を含む第1の溶液で処理されたブルーベリー(604)、およびエタノールに溶解した20mg/mLのコーティング剤化合物を含む第2の溶液で処理されたブルーベリー(606)における5日間にわたるパーセント質量損失のプロットを示す図6で実証される。第1および第2の溶液の両方におけるコーティング剤は、約75質量%のPA-2Gおよび約25質量%のPA-1Gであった。示されるように、ブルーベリーの質量損失率は、コーティングの厚さが増すにつれて有意に低下した。
溶媒に溶解もしくは懸濁もしくは分散させた長鎖脂肪酸および/またはその塩もしくはエステルを含むある特定の溶液/懸濁液/コロイドの場合、上記の方法によってある特定の種類の農産品上に形成された保護コーティングは、農産品の質量損失率を減少させることが見出されたが、上記のブルーベリーのように、コーティングの厚さが増すにつれて、より低い質量損失率をもたらさなかった。代わりに、これらの場合の質量損失率は、コーティングされていない農産品よりも低いことが見出されたが、コーティングが薄くても厚くてもほぼ同じであった。例えば、図7は、水に懸濁または分散された様々な濃度のコーティング剤(例えば、4:1の質量比で組み合わされたSA-1GとSA-Na)で処理されたレモンの質量損失係数のプロットを示す。バー702は、未処理のレモンの群に対応する。バー704は、溶媒中のコーティング剤の濃度が10mg/mLであるレモンの群に対応する。バー706は、溶媒中のコーティング剤の濃度が20mg/mLであるレモンの群に対応する。バー708は、溶媒中のコーティング剤の濃度が30mg/mLであるレモンの群に対応する。バー710は、溶媒中のコーティング剤の濃度が40mg/mLであるレモンの群に対応する。バー712は、溶媒中のコーティング剤の濃度が50mg/mLであるレモンの群に対応する。図7に示されるように、コーティングされたすべてのレモンの質量損失係数は、1を超えるが(コーティングが質量損失率の減少を引き起こしていたことを示す)、質量損失率は、10mg/mL~50mg/mLの範囲で試験されたすべてのコーティング剤濃度でほぼ同じであり、そのため、濃度によって変化しなかった。
驚くべきことに、質量損失率がコーティングの厚さによって変化しなかった多くの場合(図7のレモンのように)、農産品に塗布する前に、低濃度の中鎖脂肪酸および/またはその塩もしくはエステルを混合物(すなわち、溶液、懸濁液、またはコロイド)に添加すると(例えば、長鎖脂肪酸および/またはその塩もしくはエステルの濃度よりも低い濃度でそれらをコーティング剤に含めることによって、あるいはそれらを混合物に別々に添加することによって)、質量損失率は、コーティングの厚さとともに増加したことが見出された。さらに、これらの場合の多くでは、中鎖脂肪酸および/またはその塩もしくはエステルを低濃度で含むコーティングについて得られた質量損失率は、中鎖脂肪酸および/またはその塩もしくはエステルを欠くコーティング剤から形成されたコーティングと比較して実質的に低かったが、それ以外は同一であり、これらの場合の農産品への表面損傷は存在しないか、または最小限であった。これらの結果は、図5に示されるように、中鎖脂肪酸および/またはその塩もしくはエステルが、同様の濃度で個別に塗布される場合、農産品または他の植物物質に損傷を与えることが一般に見出されたという事実を考慮すると、特に驚くべきものであった。
長鎖脂肪酸またはその塩/エステルを含むコーティング溶液/懸濁液/コロイドに低濃度の中鎖脂肪酸またはその塩もしくはエステルを添加することの有益な影響を図8に示す。図8は、未処理のレモン(802)、コーティング剤が長鎖脂肪酸エステルおよび脂肪酸塩のみを含んだ懸濁液で処理されたレモン(804および806)、およびコーティング剤が、高濃度の長鎖脂肪酸エステルおよび脂肪酸塩と組み合わせて、低濃度の中鎖脂肪酸またはその塩もしくはエステルを含んだ懸濁液で処理されたレモン(808および810)の質量損失係数を示すグラフである。具体的には、バー804は、水に懸濁された10mg/mLの長鎖脂肪酸エステル/塩で処理されたレモンに対応する。バー806は、水中の30mg/mLの長鎖脂肪酸エステル/塩溶媒で処理されたレモンに対応する。バー808は、水中の10mg/mLの長鎖脂肪酸エステル/塩と5mg/mLの中鎖脂肪酸エステル溶媒で処理されたレモンに対応する。バー810は、水中の30mg/mLの長鎖脂肪酸エステル/塩と5mg/mLの中鎖脂肪酸エステル溶媒で処理されたレモンに対応する。
長鎖脂肪酸塩およびエステル(804および806)のみを含んだコーティング剤でレモンを処理すると、レモンの平均質量損失率は、減少したが、混合物中のコーティング剤化合物の濃度が10mg/mL(804)から30mg/mL(806)に増加した場合、質量損失係数は、実質的に増加しなかった。しかしながら、低濃度の中鎖脂肪酸エステル(5mg/mLのUA-1G)が混合物の各々に添加されると、質量損失係数は、大幅に増加した。具体的には、5mg/mLの中鎖エステルを10mg/mLの長鎖脂肪酸エステル/塩を伴う混合物に添加すると、得られたコーティングに起因するレモンの質量損失係数が約1.5(バー804)から約1.9(バー808)に増加し、25%を超える質量損失係数の増加に対応する。5mg/mLの中鎖エステルを30mg/mLの長鎖脂肪酸エステル/塩を伴う混合物に添加すると、得られたコーティングに起因するレモンの質量損失係数が約1.7(バー806)から約2.6(バー810)に増加し、50%を超える質量損失係数の増加に対応する。バー810に対応するレモンの質量損失係数は、実際には、中鎖脂肪酸またはその塩/エステルが添加されていない溶液中の長鎖脂肪酸エステル/塩の濃度のいずれかでコーティングされたレモンの群の質量損失係数よりも実質的に大きかった。
図9は、図8のバー810のレモンを処理するために使用されたのと同じ混合物(水に懸濁された5mg/mLのUA-1G+30mg/mLの長鎖脂肪酸エステル/塩)で処理されたアボカド900の高解像度写真である。処理前は、アボカドの皮は、事実上完全に緑色であった(図示せず)。図9に見られるように、処理後、アボカドの皮は、ほとんどまだ緑色であり、黒い変色領域902の密度はごくわずかであり、処理がアボカドに対してほとんど皮損傷を引き起こさなかったことを示している。対照的に、図5に示されるアボカドは、水中の同じ濃度のUA-1G(5mg/mL)を含むが、長鎖脂肪酸エステル/塩を欠いた溶液で処理され、広範な皮損傷を示した。
理論に縛られることを望まないが、中鎖脂肪酸またはその塩/エステルを欠いた混合物(すなわち、溶液、懸濁液、またはコロイド)の多くは、農産品の表面の表面エネルギーと比較した混合物の表面エネルギーの違いにより、それらが塗布される農産品の表面全体を十分に濡らしていなかったと考えられる。その結果、これらの混合物から形成されたコーティングは、農産品の表面を完全に覆っていなかった。そのため、質量損失は、コーティングの開口部からの水分損失が支配的であり、コーティングの厚さを増加させても比較的影響を受けなかった。したがって、この影響が生じると考えられる場合(例えば、図7のような水ベースの溶液からコーティングされたレモンにおいて)、質量損失率は、コーティングの厚さを増加させることによって比較的影響を受けなかった。
さらに、混合物に添加された中鎖脂肪酸は、界面活性剤/湿潤剤として作用し、農産品の表面上での混合物の接触角を減少させると考えられる。湿潤剤の添加は、農産品の表面上の混合物の被覆を改善し、それにより、表面全体にわたって実質的に連続したコーティングを形成することを可能にすると考えられた。その結果、コーティングされた農産品の質量損失率は、コーティングの厚さが増加につれて低下することが見出され、全体的な質量損失率は、湿潤剤を欠く同様の混合物でコーティングされた農産品と比較して大幅に減少することが見出された。さらに、長鎖脂肪酸および/またはその塩もしくはエステルは、湿潤剤が混合物に溶解、分散、または懸濁され、長鎖脂肪酸および/またはその塩もしくはエステルを含まずに単独で塗布された場合に観察された、農産品への表面損傷を抑制するように見えた。これらの影響の追加の証拠を以下に提供する。
広範な実験を通じて、少なくともいくつかの種類の農産品の表面上での、いくつかの溶媒およびコーティング溶液/懸濁液の液滴の接触角が非常に大きく、農産品の表面と比較して、液滴の表面エネルギーに大きな違いがあることを示していることが見出された。この影響は、多くの植物または他の農産物の表面がしばしば、クチクラ外ワックスの存在により疎水性である傾向があるため、コーティング溶液/懸濁液が少なくとも70体積%の水である場合に特に明白であった。この現象は、以下を特徴とする。溶媒またはコーティング溶液/懸濁液/コロイド(すなわち、コーティング剤が溶解、懸濁、または分散された溶媒)の液滴は、農産品の表面上に直接的、またはカルナウバ、カンデリラ、もしくはパラフィンワックス上に直接的のいずれかで堆積させ(カルナウバ、カンデリラ、およびパラフィンワックスはすべて、レモンまたは他の多くの種類の農産品の表面の疎水性と同様の固有の疎水性を持つ傾向があり、例えば、図12を参照されたい)、接触角は、画像分析ソフトウェアで決定した。様々な研究の結果を以下に要約する。
水ベースまたは高含水量のコーティング混合物中の湿潤剤(例えば、中鎖脂肪酸および/またはそれらの塩もしくはエステル)の濃度を増加させると、一般に、農産品またはワックス表面上での溶液/懸濁液/コロイドの接触角が低下した。例えば、図10に示されるように、水(バー1002)は、ワックスを塗っていないレモンの表面上で約88°の接触角を呈し、30mg/mLの濃度で水に懸濁された長鎖脂肪酸エステル/塩のみを含有するコーティング混合物(質量比95:5で組み合わされたSA-1GとMA-Na)(バー1004)は、約84°の接触角を呈した。しかしながら、低濃度の中鎖脂肪酸エステル(例えば、CA-1G)を添加すると、接触角は、0.1mg/mLのCA-1G(バー1006)の約70°から6mg/mLのCA-1G(バー1016)の約47°まで徐々に低下した。
さらに、多くの混合物について、より短い鎖長を有する中鎖脂肪酸および/またはその塩もしくはエステルの添加は、同様の濃度の、より長い鎖長を有する中鎖脂肪酸および/またはその塩もしくはエステルの添加よりも、農産品上での液滴の接触角の大幅な減少を引き起こしたことが見出された。例えば、図11は、異なる中鎖脂肪酸エステル(C10、C11、およびC12)を水ベースのコーティング混合物に添加した研究の結果を示し、ワックスを塗っていないレモン上での様々な混合物の液滴の接触角が測定された。バー1102は、水の液滴に対応する。バー1104は、95:5の質量比で組み合わされ、30mg/mLの濃度で水に懸濁されたSA-1GとMA-Naに対応する。バー1106、1108、および1110は、バー1104と同じ混合物に対応するが、4mg/mLのLA-1G(バー1106について)、4mg/mLのUA-1G(バー1108について)、または4mg/mLのCA-1G(バー1110について)の添加を伴う。
図11に見られるように、レモン上の水滴(1102)、ならびにレモン上での長鎖脂肪酸エステル/塩のみを含む混合物の液滴(drop)(1104)は、低濃度の中鎖脂肪酸エステル(1106、1108、および1110)を添加した混合物よりも大きな接触角を呈した。さらに、中鎖脂肪酸エステルの所与の濃度について、接触角は、炭素鎖長の低下とともに低下した。具体的には、中鎖脂肪酸エステルを欠いた混合物(1102および1104)は、約84°~88°の接触角を呈した。4mg/mLのLA-1G(12の炭素鎖長)を添加すると、接触角が約67°に低下し、4mg/mLのUA-1G(11の炭素鎖長)を添加すると、接触角が約56°に低下し、4mg/mLのCA-1G(10の炭素鎖長)を添加すると、接触角が約50°に低下した。
前述のように、カルナウバ、カンデリラ、およびパラフィンワックスはすべて、レモン(ならびに他の農産品)の表面の疎水性と同様の固有の疎水性を有することが見出された。したがって、カルナウバ、カンデリラ、またはパラフィンワックスの表面上で特徴付けられる混合物の湿潤特性(例えば、接触角)は、典型的には、農産品上での混合物の湿潤特性の予測に役立つ。例えば、図12は、レモン(バー1201~1203)、カンデリラワックス(バー1211~1213)、およびカルナウバワックス(バー1221~1223)の表面上での水ならびに他の2つの混合物の接触角を示す。第1のバーの群(1201、1211、および1221)は、各々、水に対応し、すべての3つの表面上での接触角は、約92°~105°の範囲であった。第2のバーの群(1202、1212、および1222)は、溶媒が水である懸濁液、コーティング剤が94:6の質量比で組み合わされた30mg/mLのSA-1GとSA-Na(長鎖脂肪酸塩/エステル)を含んだ懸濁液、ならびに0.25mg/mLのクエン酸および0.325mg/mLの重曹の懸濁液に対応する。示されるように、すべての3つの表面上での接触角は、約80°~88°の範囲であり、純水よりもわずかに小さかったが、それでも一般的にかなり大きかった。第3のバーの群(1203、1213、および1223)は、第2のバーの群の懸濁液と同じ懸濁液に対応するが、3mg/mLのCA-1G(中鎖脂肪酸エステル)も含んだ。示されるように、すべての3つの表面上での接触角は、互いに非常に類似したままであり、中鎖脂肪酸エステルを欠いた溶液と比較して大幅に減少し、各々が約31°~44°の範囲であった。
アボカド上にコーティングを形成するために使用されるコーティング混合物に低濃度のLA-1GおよびCA-1Gを添加することの影響を図13のグラフに示す。見られるように、94:6の質量比で組み合わされ、30mg/mLの濃度で水に懸濁されたSA-1GとMA-Na(長鎖脂肪酸エステル/塩)を含んだ混合物(バー1302)からコーティングされたアボカドは、約1.78の質量損失係数を呈した。バー1303~1305は、それぞれ1mg/mL、2.5mg/mL、および4mg/mLの濃度でCA-1Gを混合物に添加することの影響を示し、バー1313~1315は、それぞれ1mg/mL、2.5mg/mL、および4mg/mLの濃度でLA-1Gを混合物に添加することの影響を示す。
コーティング混合物へのCA-1G(10の炭素鎖長)の添加は、質量損失係数を、1mg/mLのCA-1G濃度(バー1303)で約2.35に、2.5mg/mLのCA-1G濃度(バー1304)で約2.24に、4mg/mLのCA-1G濃度(バー1305)で約2.18に増加させた。したがって、質量損失係数は、中鎖脂肪酸エステルを欠く混合物(バー1302)と比較して、1~4mg/mLの範囲のCA-1Gのすべての濃度で実質的に大きかったが、質量損失係数は、CA-1Gの濃度が増加するにつれて、わずかに低下したように見えた。理論に縛られることを望まないが、少なくとも1mg/mLのすべての濃度でのCA-1Gの添加は、アボカドの表面上での溶液の湿潤を改善するのに効果的であると考えられるが、CA-1Gの濃度を増加させると、アボカドにいくらかの中程度の損傷を与え始め、それにより、有益な表面の湿潤効果を軽減し、質量損失係数をわずかに低下させた。
引き続き図13を参照すると、コーティング混合物へのLA-1G(12の炭素鎖長)の添加は、質量損失係数を、1mg/mLのLA-1G濃度(バー1313)で約1.61に低下させたが、質量損失係数を2.5mg/mL(バー1314)および4mg/mL(バー1315)の両方のLA-1G濃度で約2.15に増加させた。理論に縛られることを望まないが、1mg/mLのLA-1Gの濃度では、溶液の表面湿潤は、LA-1Gによって引き起こされるアボカドへの表面損傷を克服するのに十分に改善されなかったと考えられ、したがって、質量損失係数は、中鎖脂肪酸エステルを欠いたコーティング混合物による処理と比較して低下した。しかしながら、LA-1Gの濃度が高い場合、表面の湿潤が十分に改善され、その結果、質量損失係数は、中鎖脂肪酸エステルを欠いたコーティング溶液による処理と比較して大幅に増加した。この結果は、図11の結果と一致しており、短鎖脂肪酸エステル(例えば、CA-1G)が、同じ濃度の水ベースのコーティング混合物に添加した場合、長鎖脂肪酸エステル(例えば、LA-1G)と比較して、接触角の大幅な減少を引き起こすことを見出した。
サクランボ上にコーティングを形成するために使用されるコーティング混合物に低濃度のCA-1Gを添加することの影響を図14に示す。見られるように、94:6の質量比で組み合わされ、40mg/mLの濃度で水に懸濁されたSA-1GとMA-Na(長鎖脂肪酸エステル/塩)を含んだ混合物(バー1402)からコーティングされたサクランボは、約1.60の質量損失係数を呈した。バー1403~1405は、それぞれ0.5mg/mL、1mg/mL、および3mg/mLの濃度でCA-1Gを混合物に添加することの影響を示す。コーティング混合物へのCA-1G(10の炭素鎖長)の添加は、質量損失係数を、0.5mg/mLのCA-1G濃度(バー1403)で約1.75に、1mg/mLのCA-1G濃度(バー1404)で約1.96に、4mg/mLのCA-1G濃度(バー1405)で約2.00に増加させた。示されるように、混合物への低濃度のCA-1Gの添加は、コーティングされたサクランボの質量損失係数を増加させた。この増加は、コーティング混合物へのCA-1Gの添加から生じた改善された表面湿潤に起因すると考えられた。
フィンガーライム上にコーティングを形成するために使用されるコーティング混合物に低濃度のUA-1Gを添加することの影響を図15に示す。見られるように、94:6の質量比で組み合わされ、30mg/mLの濃度で水に懸濁されたSA-1GとSA-Na(長鎖脂肪酸エステル/塩)を含んだ混合物(バー1502)からコーティングされたフィンガーライムは、約1.61の質量損失係数を呈した。バー1503~1505は、それぞれ1mg/mL、3mg/mL、および5mg/mLの濃度でUA-1Gを混合物に添加することの影響を示す。混合物へのUA-1G(11の炭素鎖長)の添加は、質量損失係数を、1mg/mLのUA-1G濃度(バー1503)で約2.33に、3mg/mLのUA-1G濃度(バー1504)で約2.06に、5mg/mLのUA-1G濃度(バー1505)で約1.93に増加させた。UA-1Gの添加により、1~5mg/mLの範囲のすべての濃度でフィンガーライムの質量損失係数が増加したが、ピーク質量損失係数は、1mg/mLで生じ、質量損失係数は、UA-1Gの濃度が増加するにつれて低下した。理論に縛られることを望まないが、UA-1Gの濃度を増加させるとフィンガーライムの表面が損傷し始め、UA-1G濃度の増加によって引き起こされる表面湿潤のいかなる改善も、この影響を軽減するのに十分ではなかったため、UA-1G濃度の増加に伴って質量損失係数が徐々に低下したと考えられる。
全体を通して説明されるように、湿潤剤は、溶液/懸濁液/コロイドが塗布される基材の表面湿潤を改善するために、コーティング溶液/懸濁液/コロイドに含まれ得、それにより、その上に形成されるコーティングの改善された表面被覆をもたらす。湿潤剤は、コーティング溶液/懸濁液/コロイドを形成するために、溶媒に溶解または懸濁されるコーティング剤の中に、またはその一部として含まれ得る。すなわち、コーティング剤の化合物のサブ群は、コーティング剤が添加される溶媒の表面エネルギーの変化を引き起こし、それにより、湿潤剤として作用することができる。あるいは、湿潤剤は、コーティング剤とは別の化合物(または化合物群)であり得、コーティング剤の前、後、または同時のいずれかで溶媒に添加され得る。
あるいは、湿潤剤は、コーティング剤とは別の化合物(または化合物群)であり得、コーティング剤を塗布する前に表面に塗布され得る。例えば、湿潤剤を最初に別の溶媒に添加して、湿潤剤の溶液/懸濁液/コロイドを形成することができる。次に、湿潤剤の溶液/懸濁液/コロイドを表面に塗布し、その後、コーティング溶液/懸濁液/コロイドを表面に塗布して、コーティングを形成することができる。この方法で表面を下塗りすることにより、コーティング溶液/懸濁液/コロイドの表面との表面湿潤を改善することができる。
上記の表面の下塗り効果の例が図16に示され、これは、パラフィンワックスの表面上での様々な溶媒または混合物の接触角のグラフである。示されるように、パラフィンワックス表面に直接塗布された水(バー1601)は、74°の平均接触角を呈した。95:5の質量比で組み合わされたSA-1GとSA-Naのコーティング剤の混合物を45mg/mLの濃度で水に分散させ、パラフィンワックス表面に直接塗布した場合(バー1602)、平均接触角度は、さらに大きかった(83°)。しかしながら、湿潤剤(例えば、中鎖脂肪酸またはその塩/エステル)がコーティング剤の混合物に添加された場合、コーティング剤の混合物の接触角は、実質的に減少した。さらに、水またはコーティング剤の混合物のいずれかを塗布する前に、湿潤剤(例えば、中鎖脂肪酸またはその塩/エステル)をパラフィンワックス表面に塗布した場合、接触角は、同様に、実質的に減少した。例えば、バー1602に対応する混合物に3mg/mLのCA-1Gを添加した場合、得られた接触角(バー1603)は、43°であった。水中の3mg/mLの濃度のCA-1Gの湿潤剤の混合物を塗布し、次に表面を乾燥させてから水(バー1604)または上記のSA-1G/SA-Naコーティング剤の混合物(バー1605)を塗布することによってパラフィンワックス表面を下塗りした場合、得られた接触角は、それぞれ24°および30°であった。
溶液/懸濁液/コロイドを形成するためにコーティング剤および湿潤剤(コーティング剤とは別の場合)が添加される溶媒は、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、アルコール、任意の他の好適な溶媒、またはそれらの組み合わせであり得る。得られた溶液、懸濁液、またはコロイドは、農産物上にコーティングを形成するのに好適であり得る。例えば、溶液、懸濁液、またはコロイドを農産物の表面に塗布することができ、その後、溶媒を除去し(例えば、蒸発または対流乾燥によって)、コーティング剤から形成された保護コーティングを農産物の表面上に残すことができる。
上記のいくつかの溶媒(特に水とエタノール)は、農産品または他の農産物などの食用生産物に塗布される溶液/懸濁液/コロイドにおいて安全かつ効果的に使用することができるが、多くの場合、水、またはそうでなければ、少なくとも約40体積%(多くの場合はそれ以上)の水である溶媒のいずれかを使用することが有利であり得る。これは、水は、典型的には、他の好適な溶媒よりも安価であり、高い揮発性および/または低い引火点を有する溶媒(例えば、アセトン、またはイソプロパノールもしくはエタノールなどのアルコール)よりも安全に使用することができるからである。したがって、本明細書に記載される溶液/懸濁液/コロイドのいずれについても、溶媒または溶液/懸濁液/コロイドは、少なくとも約40(質量もしくは体積)%、少なくとも約45(質量もしくは体積)%、少なくとも約50(質量もしくは体積)%、少なくとも約55(質量もしくは体積)%、少なくとも約60(質量もしくは体積)%、少なくとも約65(質量もしくは体積)%、少なくとも約70(質量もしくは体積)%、少なくとも約75(質量もしくは体積)%、少なくとも約80(質量もしくは体積)%、少なくとも約85(質量もしくは体積)%、少なくとも約90(質量もしくは体積)%、少なくとも約95(質量もしくは体積)%、または少なくとも約99(質量もしくは体積)%の水であり得る。いくつかの実施では、溶媒は、水とエタノールとの組み合わせを含み、任意に、少なくとも約40体積%、少なくとも約45体積%、少なくとも約50体積%、少なくとも約55体積%、少なくとも約60体積%、少なくとも約65体積%、少なくとも約70体積%、少なくとも約75体積%、少なくとも約80体積%、少なくとも約85体積%、少なくとも約90体積%、少なくとも約95体積%、または少なくとも約99体積%の水であり得る。いくつかの実施では、溶媒または溶液/懸濁液/コロイドは、約40(質量もしくは体積)%~100(質量もしくは体積)%の水、約40(質量もしくは体積)%~99(質量もしくは体積)%の水、約40(質量もしくは体積)%~95(質量もしくは体積)%の水、約40(質量もしくは体積)%~90(質量もしくは体積)%の水、約40(質量もしくは体積)%~85(質量もしくは体積)%の水、約40(質量もしくは体積)%~80(質量もしくは体積)%の水、約50(質量もしくは体積)%~100(質量もしくは体積)%の水、約50(質量もしくは体積)%~99(質量もしくは体積)%の水、約50(質量もしくは体積)%~95(質量もしくは体積)%の水、約50(質量もしくは体積)%~90(質量もしくは体積)%の水、約50(質量もしくは体積)%~85(質量もしくは体積)%の水、約50(質量もしくは体積)%~80(質量もしくは体積)%の水、約60(質量もしくは体積)%~100(質量もしくは体積)%の水、約60(質量もしくは体積)%~99(質量もしくは体積)%の水、約60(質量もしくは体積)%~95(質量もしくは体積)%の水、約60(質量もしくは体積)%~90(質量もしくは体積)%の水、約60(質量もしくは体積)%~85(質量もしくは体積)%の水、約60(質量もしくは体積)%~80(質量もしくは体積)%の水、約70(質量もしくは体積)%~100(質量もしくは体積)%の水、約70(質量もしくは体積)%~99(質量もしくは体積)%の水、約70(質量もしくは体積)%~95(質量もしくは体積)%の水、約70(質量もしくは体積)%~90(質量もしくは体積)%の水、約70(質量もしくは体積)%~85(質量もしくは体積)%の水、約80(質量もしくは体積)%~100(質量もしくは体積)%の水、約80(質量もしくは体積)%~99(質量もしくは体積)%の水、約80(質量もしくは体積)%~97(質量もしくは体積)%の水、約80(質量もしくは体積)%~95(質量もしくは体積)%の水、約80(質量もしくは体積)%~93(質量もしくは体積)%の水、約80(質量もしくは体積)%~90(質量もしくは体積)%の水、約85(質量もしくは体積)%~100(質量もしくは体積)%の水、約85(質量もしくは体積)%~99(質量もしくは体積)%の水、約85(質量もしくは体積)%~97(質量もしくは体積)%の水、約85(質量もしくは体積)%~95(質量もしくは体積)%の水、約90(質量もしくは体積)%~100(質量もしくは体積)%の水、約90(質量もしくは体積)%~99(質量もしくは体積)%の水、約90(質量もしくは体積)%~98(質量もしくは体積)%の水、または約90(質量もしくは体積)%~97(質量もしくは体積)%の水であり得る。
上記を考慮して、いくつかの適用では、溶媒は、低湿潤溶媒(すなわち、それが塗布される表面に対して大きな接触角を呈する溶媒)であり得る。例えば、いかなる湿潤剤または他の界面活性剤も添加されていない場合、溶媒と、(a)カルナウバワックス、(b)カンデリラワックス、(c)パラフィンワックス、または(d)ワックスを塗っていないレモンの表面のいずれかとの接触角は、少なくとも約70°、例えば、少なくとも約75°、80°、85°、または90°であり得る。本明細書に記載される湿潤剤のいずれかを、単独で、または他の化合物もしくはコーティング剤と組み合わせてのいずれかで溶媒に添加すると、得られる溶液/懸濁液/コロイドと、(a)カルナウバワックス、(b)カンデリラワックス、(c)パラフィンワックス、または(d)ワックスを塗っていないレモンの表面のいずれかとの接触角が約85°未満、例えば、約80°、75°、70°、65°、60°、55°、50°、45°、40°、35°、30°、25°、20°、15°、10°、5°、または0°未満となり得る。
コーティング溶液/懸濁液/コロイドを形成するために溶媒に添加または溶解、懸濁、もしくは分散されるコーティング剤は、溶液/懸濁液/コロイドが塗布される基材上に保護コーティングを形成することが可能な任意の化合物または化合物の組み合わせであり得る。コーティング剤は、得られるコーティングが、生物的および/または非生物的ストレス要因から基材を保護するように、配合され得る。例えば、コーティングは、酸素および/または水の移動を防止または抑制し、それにより、基材が酸化および/または蒸散/浸透/蒸発によって水を失うことを防止することができる。基材が腐りやすいおよび/または食用である場合、例えば、基材が植物、農産物、または1つの農産品である場合、コーティング剤は、好ましくは、消費に対して安全な無毒の化合物で構成される。例えば、コーティング剤は、脂肪酸および/またはその塩もしくはエステルから形成され得るか、または含み得る。脂肪酸エステルは、例えば、エチルエステル、メチルエステル、またはグリセリルエステル(例えば、1-グリセリルまたは2-グリセリルエステル)であり得る。
高い割合の長鎖脂肪酸および/またはその塩もしくはエステルから形成されたか、またはそれらを含有する(例えば、少なくとも14の炭素鎖長を有する)コーティング剤は、様々な基材上に、基材からの水分損失および/または基材の酸化を防止することができる保護コーティングを形成するのに効果的であることが見出された。1つ以上の中鎖脂肪酸および/またはそれらの塩もしくはエステル(または他の湿潤剤)の添加により、コーティングの性能をさらに改善することができる。したがって、本明細書のコーティング剤は、式Iの1つ以上の化合物を含むことができ、式Iは、以下であり、
Figure 0007495394000018
式中、
Rが、-H、-グリセリル、-C-Cアルキル、-C-Cアルケニル、-C-Cアルキニル、-C-Cシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールから選択され、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールが、任意にハロゲン(例えば、Cl、Br、またはI)、ヒドロキシル、ニトロ、-CN、-NH、-SH、-SR15、-OR14、-NR1415、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、またはC-Cアルキニルから選択される1つ以上の基で任意に置換されており、
、R、R、R、R、R10、R11、R12、およびR13g、各々独立して、発生するたびに、-H、-(C=O)R14、-(C=O)H、-(C=O)OH、-(C=O)OR14、-(C=O)-O-(C=O)R14、-O(C=O)R14、-OR14、-NR1415、-SR14、ハロゲン、-C-Cアルキル、-C-Cアルケニル、-C-Cアルキニル、-C-Cシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールが、1つ以上の-OR14、-NR1415、-SR14、またはハロゲンで任意に置換されており、
、R、R、およびRが、各々独立して、発生するたびに、-H、-OR14、-NR1415、-SR14、ハロゲン、-C-Cアルキル、-C-Cアルケニル、-C-Cアルキニル、-C-Cシクロアルキル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、各アルキル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、もしくはヘテロアリールが、1つ以上の-OR14、-NR1415、-SR14、またはハロゲンで任意に置換されているか、あるいは
およびRが、それらが結合している炭素原子と組み合わせて、C-Cシクロアルキル、C-Cシクロアルケニル、もしくは3~6員環の複素環を形成することができ、かつ/または
およびRが、それらが結合している炭素原子と組み合わせて、C-Cシクロアルキル、C-Cシクロアルケニル、もしくは3~6員環の複素環を形成することができ、
14およびR15が、各々独立して、発生するたびに、-H、アリール、ヘテロアリール、-C-Cアルキル、-C-Cアルケニル、または-C-Cアルキニルであり、
記号
Figure 0007495394000019
が、単結合またはシスもしくはトランス二重結合を表し、
nが、0、1、2、3、4、5、6、7または8であり、
mが、0、1、2、または3であり、
qが、0、1、2、3、4、または5であり、
rが、0、1、2、3、4、5、6、7または8である。
いくつかの実施形態では、Rは、-H、-CH、または-CHCHから選択される。いくつかの実施形態では、Rは、-H、-グリセリル、-C-Cアルキル、-C-Cアルケニル、-C-Cアルキニル、-C-Cシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールから選択され、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールは、1つ以上のC-Cアルキルまたはヒドロキシルで任意に置換されている。
本明細書でさらに記載されるように、コーティング剤は、ナトリウム塩(例えば、SA-Na、PA-Na、またはMA-Na)、カリウム塩(例えば、SA-K、PA-K、MA-K)、カルシウム塩(例えば、(SA)-Ca、(PA)-Ca、または(MA)-Ca)、またはマグネシウム塩(例えば、(SA)-Mg、(PA)2-Mg、または(MA)-Mg)などの脂肪酸塩を追加的または代替的に含み得る。したがって、本明細書のコーティング剤は、式IIまたは式IIIの1つ以上の化合物を含むことができ、式IIおよび式IIIは、以下であり、
Figure 0007495394000020
式中、各式について、
Xが、カチオン性部分であり、
p+が、電荷状態pを有するカチオン性対イオンであり、pが、1、2、または3であり、
、R、R、R、R、R10、R11、R12、およびR13が、各々独立して、発生するたびに、-H、
-(C=O)R14、-(C=O)H、-(C=O)OH、-(C=O)OR14、-(C=O)-O-(C=O)R14、-O(C=O)R14、-OR14、-NR1415、-SR14、ハロゲン、-C-Cアルキル、-C-Cアルケニル、-C-Cアルキニル、-C-Cシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールが、1つ以上の-OR14、-NR1415、-SR14、またはハロゲンで任意に置換されており、
、R、R、およびRが、各々独立して、発生するたびに、-H、-OR14、-NR1415、-SR14、ハロゲン、-C-Cアルキル、-C-Cアルケニル、-C-Cアルキニル、-C-Cシクロアルキル、アリール、もしくはヘテロアリールであり、各アルキル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、もしくはヘテロアリールが、1つ以上の-OR14、-NR1415、-SR14、またはハロゲンで任意に置換されているか、あるいは
およびRが、それらが結合している炭素原子と組み合わせて、C-Cシクロアルキル、C-Cシクロアルケニル、もしくは3~6員環の複素環を形成することができ、かつ/または
およびRが、それらが結合している炭素原子と組み合わせて、C-Cシクロアルキル、C-Cシクロアルケニル、もしくは3~6員環の複素環を形成することができ、
14およびR15が、各々独立して、発生するたびに、-H、アリール、ヘテロアリール、-C-Cアルキル、-C-Cアルケニル、または-C-Cアルキニルであり、
記号
Figure 0007495394000021
が、単結合またはシスもしくはトランス二重結合を表し、
nが、0、1、2、3、4、5、6、7または8であり、
mが、0、1、2、または3であり、
qが、0、1、2、3、4、または5であり、
rが、0、1、2、3、4、5、6、7または8である。
本明細書に記載されるコーティング剤のいずれも、以下の中鎖脂肪酸化合物(例えば、式Iの化合物)のうちの1つ以上を含むことができる。
Figure 0007495394000022
本明細書に記載されるコーティング剤のいずれも、以下の長鎖脂肪酸化合物(例えば、式Iの化合物)のうちの1つ以上を含むことができる。
Figure 0007495394000023
Figure 0007495394000024
Figure 0007495394000025
Figure 0007495394000026
本明細書のコーティング剤は、以下の中鎖脂肪酸メチルエステル化合物(例えば、式Iの化合物)のうちの1つ以上を含むことができる。
Figure 0007495394000027
Figure 0007495394000028
本明細書のコーティング剤は、以下の長鎖脂肪酸メチルエステル化合物(例えば、式Iの化合物)のうちの1つ以上を含むことができる。
Figure 0007495394000029
Figure 0007495394000030
Figure 0007495394000031
本明細書のコーティング剤は、以下の中鎖脂肪酸エチルエステル化合物(例えば、式Iの化合物)のうちの1つ以上を含むことができる。
Figure 0007495394000032
本明細書のコーティング剤は、以下の長鎖脂肪酸エチルエステル化合物(例えば、式Iの化合物)のうちの1つ以上を含むことができる。
Figure 0007495394000033
Figure 0007495394000034
Figure 0007495394000035
本明細書のコーティング剤は、以下の中鎖脂肪酸2-グリセリルエステル化合物(例えば、式Iの化合物)のうちの1つ以上を含むことができる。
Figure 0007495394000036
本明細書のコーティング剤は、以下の長鎖脂肪酸2-グリセリルエステル化合物(例えば、式Iの化合物)のうちの1つ以上を含むことができる。
Figure 0007495394000037
Figure 0007495394000038
Figure 0007495394000039
Figure 0007495394000040
本明細書のコーティング剤は、以下の中鎖脂肪酸1-グリセリルエステル化合物(例えば、式Iの化合物)のうちの1つ以上を含むことができる。
Figure 0007495394000041
Figure 0007495394000042
本明細書のコーティング剤は、以下の長鎖脂肪酸1-グリセリルエステル化合物(例えば、式Iの化合物)のうちの1つ以上を含むことができる。
Figure 0007495394000043
Figure 0007495394000044
Figure 0007495394000045
Figure 0007495394000046
Figure 0007495394000047
本明細書のコーティング剤は、以下の脂肪酸塩(例えば、式IIまたは式IIIの化合物)のうちの1つ以上を含むことができ、式中、Xが、カチオン性対イオンであり、nが、カチオン性対イオンの電荷状態(すなわち、プロトン等価電荷の数)を表す。
Figure 0007495394000048
Figure 0007495394000049
Figure 0007495394000050
いくつかの実施形態では、nは、1、2、または3である。いくつかの実施形態では、Xは、ナトリウム、カリウム、カルシウム、またはマグネシウムである。
前述のように、各々少なくとも14の炭素鎖長を有する、式Iの化合物の様々な組み合わせから主に形成されるコーティング剤(例えば、質量またはモル組成で少なくとも50%の式Iの化合物であるコーティング剤)は、湿り損失および酸化を減少させるのに効果的である保護コーティングを農産品および他の農産物上に形成することが示されている。また前述のように、コーティングは、溶媒にコーティング剤を溶解、懸濁、または分散させて、混合物を形成し、混合物を農産物の表面に塗布し(例えば、生産物を噴霧コーティングすることによって、生産物を混合物に浸漬することによって、または混合物を生産物の表面上にブラッシングすることによって)、次に溶媒を除去する(例えば、溶媒を蒸発させることによって)ことによって、農産物の外面上に形成することができる。溶媒は、任意の極性、非極性、プロトン性、または非プロトン性溶媒を含むことができ、それらの任意の組み合わせを含む。使用することができる溶媒の例には、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、任意の他の好適な溶媒、またはそれらの組み合わせが含まれる。コーティングが植物または他の食用生産物に塗布される場合、消費に対して安全な溶媒、例えば、水、エタノール、またはそれらの組み合わせを使用することが好ましい場合がある。使用される溶媒に応じて、溶媒中のコーティング剤の溶解限度は、特定の適用に望まれるよりも低い場合がある。例えば、式Iの化合物がコーティング剤として使用され、溶媒が水(または主に水)である場合、コーティング剤の溶解限度は、比較的低くなり得る。これらの場合でも、所望の濃度のコーティング剤を溶媒に添加し、懸濁液またはコロイドを形成することが可能であり得る。
コーティング剤の溶媒への溶解度を改善するために、またはコーティング剤を溶媒中に懸濁もしくは分散させるために、コーティング剤は、さらに乳化剤を含むことができる。植物または他の食用生産物上にコーティングを形成する場合、乳化剤が消費に対して安全であることが好ましい場合がある。さらに、乳化剤がコーティングに組み込まれていないか、または乳化剤がコーティングに組み込まれている場合、それがコーティングの性能を低下させないことも好ましい。
広範な実験を通じて、コーティング剤に添加された有機塩(例えば、式IIまたは式IIIの化合物)は、コーティング剤の溶解度を増加させるか、またはコーティング剤を、かなりの水分含有量を有する溶媒(例えば、少なくとも50体積%の水である溶媒)中に懸濁もしくは分散させることができると示されたが、ただし、塩の濃度が低すぎない(式Iの化合物の濃度と比較して)ということが条件である。さらに、添加された塩は、塩の濃度(式Iの化合物の濃度と比較して)が高すぎないという条件で、その後に形成されるコーティングの性能を実質的に低下させない。
例えば、式IIおよび/またはIIIの第2の化合物群と混合した式Iの第1の化合物群を含むコーティング剤は、水に添加して、約70℃に水を加熱し、コーティング剤を添加し、次に得られた混合物をほぼ室温(またはより低い温度)に冷却することによって懸濁液を形成することができる。次に、冷却された混合物を農産品などの基材に塗布して、全体を通して記載されているように、保護コーティングを形成することができる。しかしながら、式Iの化合物がコーティング剤の質量の少なくとも50%を構成し、式IIおよび/またはIIIの化合物がコーティング剤の約3%未満を構成する場合、コーティングは、昇温の水に懸濁することはできないか、またはコーティング剤は、より高い温度の水に懸濁され得るが、温度が低下するにつれてクラッシュし、したがって、混合物からコーティングを形成することができなくなることが見出された。
さらに、式IIおよび/またはIIIの化合物の濃度が高すぎる場合、得られるコーティングの性能は、低下し得る。例えば、図18および以下の実施例13に示されるように、式Iの化合物(PA-1GおよびSA-1G)と式IIまたはIIIの化合物(SA-Na)との94:6混合物からアボカド上に形成されたコーティングは、1.88の質量損失係数をもたらした。しかしながら、同じ化合物の70:30混合物を使用して研究を繰り返した場合、コーティングされたアボカドの質量損失係数は、1.59に減少した。図18にさらに示されるように、コーティング剤中の式IIまたはIIIの化合物がMA-Naである場合、コーティング剤中の高濃度の塩による質量損失係数の同様の低下が観察された。
上記を考慮して、組成物(例えば、コーティング剤)は、式Iの1つ以上の化合物(例えば、脂肪酸またはそのエステル)を含む第1の化合物群と、式IIまたは式IIIの1つ以上の塩(例えば、脂肪酸塩)を含む第2の化合物群と、を含み得る。式Iの化合物(複数可)および/または式IIもしくはIIIの塩(複数可)は、任意に、少なくとも14の炭素鎖長を有することができる。第1の化合物群(例えば、脂肪酸、またはモノアシルグリセリドを含むエステルなどの式Iの化合物)と第2の化合物群(式IIまたはIIIの塩、例えば、脂肪酸塩)との質量比は、例えば、約2~200の範囲、例えば、約2~100、2~99、2~90、2~80、2~70、2~60、2~50、2~40、2~30、2~25、2~20、2~15、2~10、2.5~200、2.5~100、2.5~90、2.5~80、2.5~70、2.5~60、2.5~50、2.5~40、2.5~30、2.5~25、2.5~20、2.5~15、2.5~10、3~200、3~100、3~90、3~80、3~70、3~60、3~50、3~40、3~30、3~25、3~20、3~15、3~10、4~200、4~100、4~90、4~80、4~70、4~60、4~50、4~40、4~30、4~25、4~20、4~15、4~10、5~200、5~100、5~90、5~80、5~70、5~60、5~50、5~40、5~30、5~25、5~20、5~15、5~10、10~100、10~99、10~90、10~80、10~70、10~60、10~50、10~40、10~30、10~25、10~20、10~15、15~100、15~99、15~90、15~80、15~70、15~60、15~50、15~40、15~30、15~25、または15~20であり得る。
上記のように、コーティング剤は、コロイド、懸濁液、または溶液を形成するために、溶媒に添加、または溶解、懸濁、もしくは分散させることができる。コーティング剤の様々な成分(例えば、式Iの化合物および塩)は、溶媒に添加される前に組み合わされ、次に、一緒に溶媒に添加され得る。あるいは、コーティング剤の成分を互いとは別にしておき、次いで、連続的に(または別々の時間に)溶媒に添加され得る。
溶媒/溶液/懸濁液/コロイド中の第1の化合物群(式Iの化合物)の濃度は、例えば、約1mg/mL~約200mg/mLの範囲、例えば、約1~150mg/mL、1~100mg/mL、1~90mg/mL、1~80mg/mL、1~75mg/mL、1~70mg/mL、1~65mg/mL、1~60mg/mL、1~55mg/mL、1~50mg/mL、1~45mg/mL、1~40mg/mL、2~200mg/mL、2~150mg/mL、2~100mg/mL、2~90mg/mL、2~80mg/mL、2~75mg/mL、2~70mg/mL、2~65mg/mL、2~60mg/mL、2~55mg/mL、2~50mg/mL、2~45mg/mL、2~40mg/mL、5~200mg/mL、5~150mg/mL、5~100mg/mL、5~90mg/mL、5~80mg/mL、5~75mg/mL、5~70mg/mL、5~65mg/mL、5~60mg/mL、5~55mg/mL、5~50mg/mL、5~45mg/mL、5~40mg/mL、10~200mg/mL、10~150mg/mL、10~100mg/mL、10~90mg/mL、10~80mg/mL、10~75mg/mL、10~70mg/mL、10~65mg/mL、10~60mg/mL、10~55mg/mL、10~50mg/mL、10~45mg/mL、または10~40mg/mLであり得る。
溶媒/溶液/懸濁液/コロイド中の第2の化合物群(式IIまたは式IIIの塩、例えば、脂肪酸塩)の濃度は、例えば、約0.01mg/mL~約80mg/mLの範囲、例えば約0.01~75mg/mL、0.01~70mg/mL、0.01~65mg/mL、0.01~60mg/mL、0.01~55mg/mL、0.01~50mg/mL、0.01~45mg/mL、0.01~40mg/mL、0.01~35mg/mL、0.01~30mg/mL、0.01~25mg/mL、0.01~20mg/mL、0.01~15mg/mL、0.01~10mg/mL、0.1~80mg/mL、0.1~75mg/mL、0.1~70mg/mL、0.1~65mg/mL、0.1~60mg/mL、0.1~55mg/mL、0.1~50mg/mL、0.1~45mg/mL、0.1~40mg/mL、0.1~35mg/mL、0.1~30mg/mL、0.1~25mg/mL、0.1~20mg/mL、0.1~15mg/mL、0.1~10mg/mL、1~80mg/mL、1~75mg/mL、1~70mg/mL、1~65mg/mL、1~60mg/mL、1~55mg/mL、1~50mg/mL、1~45mg/mL、1~40mg/mL、1~35mg/mL、1~30mg/mL、1~25mg/mL、1~20mg/mL、1~15mg/mL、1~10mg/mL、2~80mg/mL、2~75mg/mL、2~70mg/mL、2~65mg/mL、2~60mg/mL、2~55mg/mL、2~50mg/mL、2~45mg/mL、2~40mg/mL、2~35mg/mL、2~30mg/mL、2~25mg/mL、2~20mg/mL、2~15mg/mL、または2~10mg/mLであり得る。
溶媒/溶液/懸濁液/コロイド中の組成物(例えば、コーティング剤)の濃度は、例えば、約1mg/mL~約200mg/mLの範囲、例えば、約1~150mg/mL、1~100mg/mL、1~90mg/mL、1~80mg/mL、1~75mg/mL、1~70mg/mL、1~65mg/mL、1~60mg/mL、1~55mg/mL、1~50mg/mL、1~45mg/mL、1~40mg/mL、2~200mg/mL、2~150mg/mL、2~100mg/mL、2~90mg/mL、2~80mg/mL、2~75mg/mL、2~70mg/mL、2~65mg/mL、2~60mg/mL、2~55mg/mL、2~50mg/mL、2~45mg/mL、2~40mg/mL、5~200mg/mL、5~150mg/mL、5~100mg/mL、5~90mg/mL、5~80mg/mL、5~75mg/mL、5~70mg/mL、5~65mg/mL、5~60mg/mL、5~55mg/mL、5~50mg/mL、5~45mg/mL、5~40mg/mL、10~200mg/mL、10~150mg/mL、10~100mg/mL、10~90mg/mL、10~80mg/mL、10~75mg/mL、10~70mg/mL、10~65mg/mL、10~60mg/mL、10~55mg/mL、10~50mg/mL、10~45mg/mL、または10~40mg/mLであり得る。
上記にも記載され、以下の実施例で実証されるように、コーティング溶液/懸濁液/コロイドは、溶液/懸濁液/コロイドと、コーティングされる基材の表面との間の接触角を減少させるのに役立つ湿潤剤をさらに含むことができる。湿潤剤は、コーティング剤の成分として含まれ得るため、コーティング剤の他の成分と同時に溶媒に添加され得る。あるいは、湿潤剤は、コーティング剤とは別であり得、コーティング剤の前、後、または同時に溶媒に添加され得る。あるいは、湿潤剤は、コーティング剤とは別であり得、表面を下塗りするために、コーティング剤の前に表面に塗布され得る。
湿潤剤は、脂肪酸またはその塩もしくはエステルであり得る。湿潤剤は、式I、II、またはIIIの化合物または化合物群であり得、式I、II、およびIIIは、上述されている。特に、湿潤剤の化合物は、各々、13以下の炭素鎖長を有することができる。例えば、炭素鎖長は、7、8、9、10、11、12、13、7~13の範囲、または8~12の範囲であり得る。湿潤剤はまた、または代替的に、リン脂質、リゾリン脂質、グリコグリセロ脂質、グリコリピド、脂肪酸のアスコルビルエステル、乳酸のエステル、酒石酸のエステル、リンゴ酸のエステル、フマル酸のエステル、コハク酸のエステル、クエン酸のエステル、パントテン酸のエステル、または脂肪アルコール誘導体(例えば、硫酸アルキル)のうちの1つ以上であり得る。いくつかの実施形態では、本明細書の混合物に含まれる湿潤剤は、食用であり、かつ/または消費に対して安全である。
溶媒に湿潤剤を添加する前(ならびに湿潤剤およびコーティング剤が別である場合、コーティング剤を添加する前または後のいずれか)、溶媒/溶液/懸濁液/コロイドとカルナウバ、カンデリラ、またはパラフィンワックスとの間の接触角は、少なくとも約70°、例えば、少なくとも約75°、少なくとも約80°、少なくとも約85°、または少なくとも約90°であり得る。溶媒に湿潤剤を添加した後(ならびに湿潤剤およびコーティング剤が別である場合、コーティング剤を添加する前または後のいずれか)、得られた溶液/懸濁液/コロイドとカルナウバ、カンデリラ、またはパラフィンワックスとの接触角は、85°未満、例えば、約80°未満、約75°未満、約70°未満、約65°未満、約60°未満、約55°未満、約50°未満、約45°未満、約40°未満、約35°未満、約30°未満、約25°未満、約20°未満、約15°未満、約10°未満、約5°未満、または約0°であり得る。
多くの場合、湿潤剤は、コーティングされている基材を損傷し得るため、湿潤剤の化合物の濃度は、コーティング剤の他の成分の濃度よりも低くなり得る。しかしながら、溶媒に添加される湿潤剤の濃度が低すぎる場合、得られる溶液/懸濁液/コロイドの表面エネルギーは、溶媒の表面エネルギーと実質的に異ならない可能性があり、その場合、基材の改善された表面湿潤が達成されない可能性がある。
いくつかの実施形態では、湿潤剤として使用される化合物はまた、(または代替的に)乳化剤として使用され得る。例えば、いくつかの実施形態では、中鎖脂肪酸(例えば、7、8、9、10、11、12、または13の炭素鎖長を有する)またはその塩もしくはエステルが、組成物中の乳化剤として使用され(および任意に、湿潤剤としても機能し)、それにより、組成物を溶媒に溶解または懸濁させることができる。いくつかの実施形態では、リン脂質、リゾリン脂質、グリコグリセロ脂質、グリコリピド、脂肪酸のアスコルビルエステル、乳酸のエステル、酒石酸のエステル、リンゴ酸のエステル、フマル酸のエステル、エステルコハク酸、クエン酸のエステル、パントテン酸のエステル、または脂肪アルコール誘導体(例えば、アルキルサルフェート)が組成物に含まれ、乳化剤として機能する(および任意に、湿潤剤としても機能する)。いくつかの実施形態では、乳化剤は、カチオン性である。いくつかの実施形態では、乳化剤は、アニオン性である。いくつかの実施形態では、乳化剤は、双性イオン性である。いくつかの実施形態では、乳化剤は、荷電されていない。
上記を考慮して、本明細書に記載される組成物(例えば、コーティング剤)のいずれも、式I、II、および/またはIIIの第1の化合物群(例えば、脂肪酸および/またはその塩もしくはエステル)ならびに式I、II、および/またはIIIの第2の化合物群(例えば、脂肪酸および/またはその塩もしくはエステル)を含むことができ、第1の化合物群の各化合物は、少なくとも14の炭素鎖長を有し、第2の化合物群の各化合物は、13以下、例えば7~13の範囲の炭素鎖長を有する。第1および第2の化合物群は、各々、例えば、エチルエステル、メチルエステル、グリセリルエステル(例えば、1-モノアシルグリセリドまたは2-モノアシルグリセリドなどのモノアシルグリセリド)、脂肪酸のナトリウム塩、脂肪酸のカリウム塩、脂肪酸のカルシウム塩、脂肪酸のマグネシウム塩、またはそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物のいずれも、式Iの第1の化合物群(例えば、脂肪酸および/またはエステル)および第2の化合物群を含むことができ、第2の化合物群は、乳化剤として機能する(例えば、脂肪酸塩、リン脂質、リゾリン脂質、グリコグリセロ脂質、グリコリピド、脂肪酸のアスコルビルエステル、乳酸のエステル、酒石酸のエステル、リンゴ酸のエステル、フマル酸のエステル、コハク酸のエステル、クエン酸のエステル、パントテン酸のエステル、または脂肪アルコール誘導体(例えば、アルキルサルフェート)である)。
第1の化合物群における脂肪酸および/またはエステルと、第2の化合物群における乳化剤との質量比は、以前に与えられた範囲のいずれか(例えば、溶媒中のコーティング剤の溶解度が、所望のコーティング剤の濃度を溶媒に溶解、懸濁、または分散させるのに十分である範囲)であり得る。第1の化合物群(少なくとも14の炭素鎖長)と第2の化合物群(13以下の炭素鎖長、または乳化剤)との質量比は、約2~200の範囲、例えば、約2~100、2~90、2~80、2~70、2~60、2~50、2~40、2~30、2~25、2~20、2~15、2~10、2.5~200、2.5~100、2.5~90、2.5~80、2.5~70、2.5~60、2.5~50、2.5~40、2.5~30、2.5~25、2.5~20、2.5~15、2.5~10、3~200、3~100、3~90、3~80、3~70、3~60、3~50、3~40、3~30、3~25、3~20、3~15、3~10、4~200、4~100、4~90、4~80、4~70、4~60、4~50、4~40、4~30、4~25、4~20、4~15、4~10、5~200、5~100、5~90、5~80、5~70、5~60、5~50、5~40、5~30、5~25、5~20、5~15、または5~10であり得る。
図19に示すように、脂肪酸エステル(例えば、モノアシルグリセリド)および様々な乳化剤を含む混合物を農産物(例えば、生鮮食品)のコーティングとして使用して、質量損失率を減少させることができる。例えば、図19および以下の実施例14に示されるように、式Iの化合物(PA-1GおよびSA-1G)と式IIまたはIIIの化合物(SA-Na)との94:6混合物からアボカド上に形成されたコーティングは、1日あたり0.84%の質量損失率をもたらした(バー1902)。式Iの化合物(PA-1GおよびSA-1G)と脂肪アルコール誘導体(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)との94:6混合物からアボカド上に形成されたコーティングは、1日あたり0.69%の質量損失率をもたらした(バー1903)。式Iの化合物(PA-1GおよびSA-1G)とリン脂質(例えば、レシチン)との70:30混合物からアボカド上に形成されたコーティングは、1日あたり1.08%の質量損失率をもたらした(バー1904)。例示された混合物のすべては、1日あたり1.44%の質量損失率を有した未処理の対照(バー1901)と比較して、アボカドの質量損失率を減少させた。
図20および21に示されるように、脂肪酸エステル(例えば、モノアシルグリセリド)および乳化剤の濃度は、アボカドの質量損失および呼吸係数に影響を与える可能性がある。例えば、図20に示されるように、式Iの化合物(PA-1GおよびSA-1G)と式IIまたはIIIの化合物(SA-Na)との94:6混合物の濃度を、20g/L(バー2001)から30g/L(バー2003)に増加させると、質量損失係数が1.57から1.64に増加した。濃度を30g/L(バー2003)から40g/L(バー2005)に増加させると、質量損失係数が1.64から1.81に増加した。それに応じて、図21に見られるように、呼吸係数もまた、20g/Lでの1.21(バー2101)から、30g/Lでの1.22(バー2103)、40g/Lでの1.31(バー2105)に増加した。式Iの化合物(PA-1GおよびSA-1G)と脂肪アルコール誘導体(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)との94:6混合物でも濃度依存性が観察された。図20に見られるように、質量損失係数は、20g/Lでの1.63(バー2002)から、30g/Lでの1.76(バー2004)、40g/Lでの1.88(バー2006)に増加した。それに応じて、図21に見られるように、呼吸係数もまた、20g/Lでの1.20(バー2102)から、30g/Lでの1.34(バー2104)、40g/Lでの1.41(バー2106)に増加した。
図22に見られるように、45g/Lでの、式Iの化合物(PA-1GおよびSA-1G)と式IIまたはIIIの化合物(SA-Na)との94:6混合物の接触角は、95±5°であった。図23に見られるように、45g/Lでの、式Iの化合物(PA-1GおよびSA-1G)と脂肪アルコール誘導体(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)との94:6混合物の接触角は、84±4°であった。理論に縛られることを望まないが、脂肪アルコール誘導体(例えば、アルキルサルフェート)を乳化剤として利用する場合の質量損失係数の増加は、式IIまたはIIIの化合物(SA-Na)と比較して、改善された湿潤に起因する可能性がある。
上記のように、コーティング剤は、溶媒に添加、または溶解、懸濁、もしくは分散させて、懸濁液、コロイド、または溶液を形成することができる。コーティング剤の様々な成分(例えば、式Iの化合物、式IIおよび/もしくはIIIの塩、ならびに/または湿潤剤)は、溶媒に添加される前に組み合わされ、次いで、一緒に溶媒に添加され得る。あるいは、コーティング剤の成分の少なくともいくつかは、他の成分とは別にしておくことができ、連続的に(または別々の時間に)溶媒に添加され得る。
溶媒/溶液/懸濁液/コロイド中の第1の化合物群(少なくとも14の炭素鎖長を有する、式I、IIおよび/またはIIIの化合物)の濃度は、例えば、約1mg/mL~約200mg/mLの範囲、例えば、約1~150mg/mL、1~100mg/mL、1~90mg/mL、1~80mg/mL、1~75mg/mL、1~70mg/mL、1~65mg/mL、1~60mg/mL、1~55mg/mL、1~50mg/mL、1~45mg/mL、1~40mg/mL、2~200mg/mL、2~150mg/mL、2~100mg/mL、2~90mg/mL、2~80mg/mL、2~75mg/mL、2~70mg/mL、2~65mg/mL、2~60mg/mL、2~55mg/mL、2~50mg/mL、2~45mg/mL、2~40mg/mL、5~200mg/mL、5~150mg/mL、5~100mg/mL、5~90mg/mL、5~80mg/mL、5~75mg/mL、5~70mg/mL、5~65mg/mL、5~60mg/mL、5~55mg/mL、5~50mg/mL、5~45mg/mL、5~40mg/mL、10~200mg/mL、10~150mg/mL、10~100mg/mL、10~90mg/mL、10~80mg/mL、10~75mg/mL、10~70mg/mL、10~65mg/mL、10~60mg/mL、10~55mg/mL、10~50mg/mL、10~45mg/mL、または10~40mg/mLであり得る。
溶媒/溶液/懸濁液/コロイド中の湿潤剤または式I、II、および/もしくはIIIの第2の化合物群(例えば、13以下の炭素鎖長を有する、式Iの化合物ならびに/または式IIおよび/もしくはIIIの塩)の濃度は、例えば、約0.01mg/mL~約20mg/mL、例えば、約0.01mg/mL~15mg/mL、0.01mg/mL~12mg/mL、0.01mg/mL~10mg/mL、0.01mg/mL~9mg/mL、0.01mg/mL~8mg/mL、0.01mg/mL~7mg/mL、0.01mg/mL~6mg/mL、0.01mg/mL~5mg/mL、0.1mg/mL~20mg/mL、0.1mg/mL~15mg/mL、0.1mg/mL~12mg/mL、0.1mg/mL~10mg/mL、0.1mg/mL~9mg/mL、0.1mg/mL~8mg/mL、0.1mg/mL~7mg/mL、0.1mg/mL~6mg/mL、0.1mg/mL~5mg/mL、0.5mg/mL~20mg/mL、0.5mg/mL~15mg/mL、0.5mg/mL~12mg/mL、0.5mg/mL~10mg/mL、0.5mg/mL~9mg/mL、0.5mg/mL~8mg/mL、0.5mg/mL~7mg/mL、0.5mg/mL~6mg/mL、または0.5mg/mL~5mg/mLであり得る。
溶媒(例えば、コーティング剤)に添加される組成物は、約50質量%~約99.9質量%(例えば、約60質量%~99.9質量%、65質量%~99.9質量%、70質量%~99.9質量%、75質量%~99.9質量%、80質量%~99.9質量%、85質量%~99.9質量%、90質量%~99.9質量%、50質量%~99質量%、60質量%~99質量%、65質量%~99質量%、70質量%~99質量%、75質量%~99質量%、80質量%~99質量%、85質量%~99質量%、90質量%~99質量%、50質量%~98質量%、60質量%~98質量%、65質量%~98質量%、70質量%~98質量%、75質量%~98質量%、80質量%~98質量%、85質量%~98質量%、90質量%~98質量%、50質量%~96質量%、60質量%~96質量%、65質量%~96質量%、70質量%~96質量%、75質量%~96質量%、80質量%-96質量%、85質量%~96質量%、90質量%~96質量%、50質量%~94質量%、60質量%~94質量%、65質量%~94質量%、70質量%~94質量%、75質量%~94質量%、80質量%~94、85質量%~94質量%、または90質量%~94質量%)の脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸塩、またはそれらの組み合わせの第1の化合物群(例えば、式Iの化合物ならびに/または式IIもしくは式IIIの塩)で構成され得、任意に、第1の群の各化合物は、任意に少なくとも14の炭素鎖長を有する。いくつかの実施形態では、第1の群の化合物は、脂肪酸エステル、例えば、モノアシルグリセリドである。
溶媒(例えば、コーティング剤)に添加される組成物は、約0.1質量%~約50質量%(例えば、約0.1質量%~45質量%、0.1質量%~40質量%、0.1質量%~35質量%、0.1質量%~30質量%、0.1質量%~25質量%、0.1質量%~20質量%、0.1質量%~15質量%、0.1質量%~10質量%、0.1質量%~8質量%、0.1質量%~6質量%、0.1質量%~5質量%、0.1質量%~4質量%、0.4質量%~50質量%、0.4質量%~45質量%、0.4質量%~40質量%、0.4質量%~35質量%、0.4質量%~30質量%、0.4質量%~25質量%、0.4質量%~20質量%、0.4質量%~15質量%、0.4質量%~10質量%、0.4質量%~8質量%、0.4質量%~6質量%、0.4質量%~5質量%、0.4質量%~4質量%、0.7質量%~50質量%、0.7質量%~45質量%、0.7質量%~40質量%、0.7質量%~35質量%、0.7質量%~30質量%、0.7質量%~25質量%、0.7質量%~20質量%、0.7質量%~15質量%、0.7質量%~10質量%、0.7質量%~8質量%、0.7質量%~6質量%、0.7質量%~5質量%、0.7質量%~4質量%、1質量%~50質量%、1質量%~45質量%、1質量%~40質量%、1質量%~35質量%、1質量%~30質量%、1質量%~25質量%、1質量%~20質量%、1質量%~15質量%、1質量%~10質量%、1質量%~8質量%、1質量%~6質量%、1質量%~5質量%、または1質量%~4質量%)の脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸塩、またはそれらの組み合わせの第2の化合物群(例えば、式Iの化合物ならびに/または式IIおよび/もしくはIIIの化合物)で構成され得、第2の群の各化合物は、任意に13以下の炭素鎖長(例えば、7~13の範囲の炭素鎖長)を有する。第2の群の化合物は、前述のように、湿潤剤として機能することができる。
溶媒(例えば、コーティング剤)に添加される組成物は、式IIもしくはIIIの化合物の塩、または脂肪酸塩からなる、約0.1質量%~約50質量%(例えば、約0.1質量%~45質量%、0.1質量%~40質量%、0.1質量%~35質量%、0.1質量%~30質量%、0.1質量%~25質量%、0.1質量%~20質量%、0.1質量%~15質量%、0.1質量%~10質量%、0.1質量%~8質量%、0.1質量%~6質量%、0.1質量%~5質量%、0.1質量%~4質量%、0.4質量%~50質量%、0.4質量%~45質量%、0.4質量%~40質量%、0.4質量%~35質量%、0.4質量%~30質量%、0.4質量%~25質量%、0.4質量%~20質量%、0.4質量%~15質量%、0.4質量%~10質量%、0.4質量%~8質量%、0.4質量%~6質量%、0.4質量%~5質量%、0.4質量%~4質量%、0.7質量%~50質量%、0.7質量%~45質量%、0.7質量%~40質量%、0.7質量%~35質量%、0.7質量%~30質量%、0.7質量%~25質量%、0.7質量%~20質量%、0.7質量%~15質量%、0.7質量%~10質量%、0.7質量%~8質量%、0.7質量%~6質量%、0.7質量%~5質量%、0.7質量%~4質量%、1質量%~50質量%、1質量%~45質量%、1質量%~40質量%、1質量%~35質量%、1質量%~30質量%、1質量%~25質量%、1質量%~20質量%、1質量%~15質量%、1質量%~10質量%、1質量%~8質量%、1質量%~6質量%、1質量%~5質量%、または1質量%~4質量%)の第3の化合物群で構成され得る。第3の群の各化合物は、任意に、13を超える炭素鎖長を有することができる。第3の群の化合物は、乳化剤として機能することができ、例えば、前述のように、コーティング剤の溶解度を増加させることができる。
本明細書に記載されるコーティング溶液/懸濁液/コロイドのいずれも、抗菌剤、例えば、エタノールまたはクエン酸をさらに含むことができる。いくつかの実施では、抗菌剤は、溶媒の一部または成分である。本明細書に記載されるコーティング溶液のいずれも、重炭酸ナトリウムなどの他の成分または添加剤をさらに含むことができる。
いくつかの実施では、農産物上に本明細書に記載されるコーティング剤から形成されたコーティングは、農産物の表面エネルギーを変化させるように構成され得る。本明細書に記載されるコーティングの様々な特性は、コーティングの架橋密度、その厚さ、またはその化学組成を調節することによって調整され得る。これは、例えば、収穫後の果物または農産品の成熟を制御するために使用され得る。例えば、主に二官能性または多官能性モノマー単位を含むコーティング剤から形成されたコーティングは、例えば、単官能性モノマー単位を含むものよりも高い架橋密度を有することができる。したがって、二官能性または多官能性モノマー単位から形成されたコーティングは、場合によっては、単官能性モノマー単位から形成されたコーティングと比較して、より遅い熟成速度をもたらす可能性がある。
いくつかの実施では、コーティング溶液/懸濁液/コロイドが塗布される表面の湿潤を改善するために、上記のような1つ以上の湿潤剤が使用されるが、湿潤剤は、コーティング溶液/懸濁液/コロイドに含まれない。代わりに、湿潤剤を第2の溶媒(コーティング剤が添加される溶媒と同じまたは異なることができる)に添加して、第2の混合物を形成し、第2の混合物は、コーティング液/懸濁液/コロイドを表面に塗布する前に、コーティングされる表面に塗布される。この場合、第2の混合物は、コーティングされる表面を下塗りすることができ、その結果、表面とのコーティング溶液/懸濁液/コロイドの接触角が、そうしなかった場合よりも小さくなり、それにより、表面湿潤が改善される。
本明細書に記載されるコーティング剤のいずれも、追加の材料をさらに含むことができ、それは、コーティングとともに表面に移動されるか、または別々に堆積され、その後コーティングによって封入されるか(例えば、コーティングは、追加の材料の周りに少なくとも部分的に形成される)、または別々に堆積され、その後コーティングによって支持される(例えば、追加の材料は、コーティングの外面に固定される)。そのような追加の材料の例には、細胞、生物学的シグナル伝達分子、ビタミン、ミネラル、色素、芳香、酵素、触媒、抗真菌剤、抗菌剤、および/または徐放性薬物が含まれ得る。追加の材料は、コーティングされた生産物および/またはコーティングの表面と非反応性であり得るか、あるいは、表面および/またはコーティングと反応性であり得る。
いくつかの実施では、コーティングは、例えば、コーティングの粘度、蒸気圧、表面張力、または溶解度を修正するように構成された添加剤を含むことができる。添加剤は、例えば、コーティングの化学的安定性を増加させるように構成され得る。例えば、添加剤は、コーティングの酸化を阻害するように構成される酸化防止剤であり得る。いくつかの実施では、添加剤は、コーティングの溶融温度またはガラス転移温度を低下または上昇させることができる。いくつかの実施では、添加剤は、コーティングを介した水蒸気、酸素、CO、またはエチレンの拡散性を減少させるか、または例えば、農産物(または本明細書に記載される他の生産物のいずれも)を保護するために、コーティングがより多くの紫外線(UV)光を吸収できるように構成される。いくつかの実施では、添加剤は、意図的な香気、例えば、香料(例えば、花、果物、植物、鮮度、芳香などの匂い)を提供するように構成され得る。いくつかの実施では、添加剤は、色を提供するように構成され得、例えば、染料または米国食品医薬品局(FDA)に承認された着色添加剤を含むことができる。
本明細書に記載されるコーティング剤またはそれから形成されるコーティングのいずれも、無味であり得るか、または例えば、500ppmを超える高い香味料の閾値を有することができ、無臭であり得るか、または高い香気の閾値を有することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるコーティングのいずれかに含まれる材料は、実質的に透明であり得る。例えば、コーティング剤、溶媒、および/またはコーティングに含まれる任意の他の添加剤は、それらが実質的に同じまたは同様の屈折率を有するように選択され得る。それらの屈折率を一致させることにより、それらは、光学的に一致して、光散乱を減少させ、光透過を改善することができる。例えば、同様の屈折率を有し、かつクリアで透明な特性を有する材料を利用することにより、実質的に透明な特色を有するコーティングが形成され得る。
本明細書に記載される組成物(例えば、コーティング剤)は、高純度のものであり得る。例えば、組成物は、実質的にジグリセリド、トリグリセリド、アセチル化モノグリセリド、タンパク質、多糖類、フェノール、リグナン、芳香族酸、テルペノイド、フラボノイド、カロテノイド、アルカロイド、アルコール、アルカン、および/またはアルデヒドを含まない場合がある(例えば、10質量%未満、9質量%未満、8質量%未満、7質量%未満、6質量%未満、または5質量%未満、4質量%未満、3質量%未満、2質量%未満、もしくは1質量%未満)。いくつかの実施形態では、組成物は、10質量%未満(例えば、9質量%未満、8質量%未満、7質量%未満、6質量%未満、5質量%未満、4質量%未満、3質量%未満、2質量%未満、または1質量%未満)のジグリセリドを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、10質量%未満(例えば、9質量%未満、8質量%未満、7質量%未満、6質量%未満、5質量%未満、4質量%未満、3質量%未満、2質量%未満、または1質量%未満)のトリグリセリドを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、10質量%未満(例えば、9質量%未満、8質量%未満、7質量%未満、6質量%未満、5質量%未満、4質量%未満、3質量%未満、2質量%未満、または1質量%未満)のアセチル化モノグリセリドを含む。
本明細書に記載されるコーティングのいずれも、任意の好適な手段を使用して、農産物または他の基材の外面上に配置され得る。例えば、基材は、コーティング配合物(例えば、水溶液または水-有機混合溶液または有機溶液)の槽内で浸漬コーティングされ得る。堆積されたコーティングは、農産物の表面上に薄い層を形成することができ、これは、生物的ストレス要因、水分損失、および/または酸化から農産物を保護することができる。いくつかの実施では、堆積されたコーティングは、10ミクロン未満、9ミクロン未満、8ミクロン未満、7ミクロン未満、6ミクロン未満、5ミクロン未満、4ミクロン未満、3ミクロン未満、2ミクロン未満、もしくは約1500nm未満の厚さを有することができ、かつ/またはコーティングは、肉眼に対して透明であり得る。例えば、堆積されたコーティングは、約10nm、約20nm、約30nm、約40nm、約50nm、約100nm、約150nm、約200nm、約250nm、約300nm、約350nm、約400nm、約450nm、約500nm、約550nm、約600nm、約650nm、約700nm、約750nm、約800nm、約850nm、約900nm、約950nm、1,000nm、約1,100nm、約1,200nm、約1,300nm、約1,400nm、約1,500nm、約1,600nm、約1,700nm、約1,800nm、約1,900nm、約2,000nm、約2,100nm、約2,200nm、約2,300nm、約2,400nm、約2,500nm、約2,600nm、約2,700nm、約2,800nm、約2,900nm、または約3,000nmの厚さを有することができ、これらの間のすべての範囲が含まれる。
いくつかの実施では、堆積されたコーティングは、基材上に実質的に、かつ均一に堆積され得、欠陥および/または小さい穴がない場合がある。いくつかの実施では、浸漬コーティングプロセスは、コーティングを形成するために農産物上で自己組織化または共有結合を受けることができるコーティング前駆体の槽内での農産物の連続コーティングを含み得る。いくつかの実施では、コーティングは、農産物をコーティング溶液/懸濁液/コロイドの流れ(例えば、コーティング溶液/懸濁液/コロイドの滝)の下を通過させることによって農産物上に堆積することができる。例えば、農産物は、コーティング溶液/懸濁液/コロイドの流れを通過するコンベヤー上に配置することができる。いくつかの実施では、コーティングは、農産物の表面上に、霧状にして吹き付ける、蒸気または乾燥蒸気で堆積することができる。いくつかの実施では、コーティング溶液/懸濁液/コロイドは、例えば、それを表面上にブラッシングすることによって、コーティングされる生産物の表面に機械的に塗布され得る。いくつかの実施形態では、コーティングは、UV架橋によって、または反応性ガス、例えば、酸素への曝露によって農産物の表面上に固定されるように構成され得る。
いくつかの実施では、コーティング溶液/懸濁液/コロイドは、農産物上に噴霧コーティングされ得る。市販の噴霧器を使用して、コーティング溶液/懸濁液/コロイドを農産物上に噴霧することができる。いくつかの実施では、コーティング配合物は、農産物上に噴霧コーティングする前に噴霧器内で帯電させることができ、その結果、堆積されたコーティングは、農産物の外面に静電的に結合および/または共有結合する。
前述のように、本明細書に記載されるコーティング剤から形成されるコーティングは、植物のコーティングされた部分からの水分損失もしくは他の湿り損失を防止し、熟成を遅らせ、かつ/または例えば、植物のコーティングされた部分の酸化を減少させるために、植物のコーティングされた部分への酸素拡散を防止するように構成され得る。コーティングはまた、植物もしくは農産物への、または植物もしくは農産物からの二酸化炭素および/またはエチレンの拡散に対するバリアとして機能することができる。コーティングはまた、例えば、植物のコーティングされた部分に侵入して腐食させ得る細菌、真菌、ウイルス、および/または害虫などの生物的ストレス要因から植物のコーティングされた部分を保護することができる。細菌、真菌、および害虫はすべて、農産物の表面上にある特定の分子を認識することで食料源を特定するため、農産物をコーティング剤でコーティングすると、植物の一部の表面上に分子的に対照的な分子を堆積することができ、これは、農産物を認識不可能にし得る。さらに、コーティングはまた、農産物の表面の物理的および/または化学的環境を変更することができ、細菌、真菌、または害虫が成長するのに好ましくないものにする。コーティングはまた、植物の一部の表面を摩耗、傷、または他の方法での機械的損傷から保護する、および/または植物の一部を光分解から保護するように配合され得る。植物の一部には、例えば、葉、茎、新芽、花、果実、根などが含まれ得る。
本明細書に記載されるコーティングのいずれかを使用して、農産物(例えば、生鮮食品)の質量損失率を減少させることによって、輸送および保管中の質量損失(例えば、水分損失)を介して農産物(例えば、生鮮食品)によって生成される湿度を減少させることができる。例えば、実施例16に見られるように、水中の50g/Lでの、式Iの化合物(SA-1GおよびPA-1G)と式IIまたは式IIIの化合物(SA-Na)との94:6混合物でコーティングされたレモンの群からの質量損失は、未処理の対照群の1日あたり1.61%と比較して、1日あたり0.37%であった。これは、未処理群(すなわち、72%の湿度)と比較して、コーティングされた群についての48時間後の冷蔵倉庫(cold storage)におけるより低い湿度(すなわち、61%の湿度)に対応した。
いくつかの実施形態では、農産物は、測定された未処理の生産物と比較して、質量損失率を少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%以上減少させる組成物でコーティングされる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるコーティングのいずれかを使用して農産物を処理すると、少なくとも1.1、少なくとも1.2、少なくとも1.3、少なくとも1.4、少なくとも1.5、少なくとも1.6、少なくとも1.7、少なくとも1.8、少なくとも1.9、少なくとも2.0、少なくとも2.2、少なくとも2.4、少なくとも2.6、少なくとも2.8、少なくとも3.0の質量損失係数を与えることができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるコーティングのいずれかを使用して農産物を処理すると、未処理の生産物と比較して、保管中に生成される湿度を少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%以上減少させることができる。いくつかの実施形態では、農産物の質量損失率の減少は、保管または輸送中に相対湿度を所定のレベル(例えば、相対湿度90%以下、相対湿度85%以下、相対湿度80%以下、相対湿度75%以下、相対湿度70%以下、相対湿度65%以下、相対湿度60%以下、相対湿度55%以下、相対湿度50%以下、または相対湿度45%以下)に維持するために必要なエネルギーを減少させることができる。いくつかの実施形態では、保管または輸送中に相対湿度を所定のレベル(例えば、上記の所定のレベルのいずれか)に維持するために必要なエネルギーは、未処理の生産物と比較して、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%以上減少し得る。
本明細書に記載されるコーティングのいずれかを使用して、農産物(例えば、生鮮食品)の呼吸速度を減少させることによって、輸送および保管中の呼吸を介して農産物(例えば、生鮮食品)によって生成される熱を減少させることができる。実施例17に示されるように、水中の50g/Lでの、式Iの化合物(SA-1GおよびPA-1G)と式IIまたは式III(SA-Na)の化合物との94:6混合物でコーティングされたアボカドの群の温度(16℃)を72時間維持するためのエネルギー使用量は、未処理の対照群の1.19kWhと比較して、0.85kWhであった。いくつかの実施形態では、生産物は、未処理の生産物と比較して(上記のように測定される)、呼吸速度を少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%以上減少させる組成物でコーティングされる。いくつかの実施形態では、農産物によって生成される熱の減少は、保管または輸送中に温度(例えば、所定の温度)を維持するために必要なエネルギーを減少させることができる。いくつかの実施形態では、生成される熱は、未処理の生産物と比較して、コーティングされた生産物について少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%以上減少させることができる。いくつかの実施形態では、コーティングされた生産物を所定の温度(例えば、25℃以下、23℃以下、20℃以下、18℃以下、15℃以下、13℃以下、10℃以下、8℃以下、5℃以下、または3℃以下)に維持するために必要なエネルギーは、未処理の生産物と比較して、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%以上減少し得る。
様々な種類の農産物(例えば、生鮮食品)の呼吸速度の概算を以下に示す。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法および組成物は、図24に概略的に例示される、冷蔵コンテナまたは「リーファー」2400に保管および/または輸送される農産物(例えば、生鮮食品)を処理するために使用される。図24に示されるように、農産品の呼吸からの熱は、冷蔵コンテナ内の全体的な熱に寄与する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法および組成物は、冷蔵コンテナまたは「リーファー」内の農産物(例えば、生鮮食品)の呼吸によって生成される熱を減少させるために、処理された農産物(例えば、生鮮食品)の呼吸速度を減少させることができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法および組成物は、冷蔵コンテナまたは「リーファー」内の農産物(例えば、生鮮食品)の質量損失(例えば、水分損失)によって生成される湿度を減少させるために、処理された農産物(例えば、生鮮食品)の質量損失率を減少させることができる。
本明細書に記載される方法および組成物はまた、不均一な熟成を防止するために、農産物(例えば、生鮮食品)をスタックまたはパレットに集中させることから生じる温度または湿度勾配を最小限にする、または減少させるために使用することができる。処理された農産物(例えば、生鮮食品)は、保管中に真っ直ぐに積み重ねることができ、または農産物(例えば、生鮮食品)の周りの循環を増加させるために別の方法で積み重ねることができる(例えば、クロススタック)。農産品のサプライチェーン内で、農産物の箱は、出荷時に好ましいストレートスタックから、空気循環を高め、不均一な熟成を防止するために保管中に使用することができるクロススタックに方向を変えることができる。図25および実施例18に示されるように、式Iの化合物(PA-1GおよびSA-1G)と式IIまたはIIIの化合物(SA-Na)との94:6混合物で農産物をコーティングすると、10℃の保管場所から取り出した後、温度がアボカドの箱のスタック内で上昇する速度を減少させることができる。図25に示すように、10℃の冷蔵倉庫から取り出した後の農産物の温度上昇速度は、取り出し後の最初の3日間、処理された農産物において遅くなった。未処理のストレートスタックおよびクロススタックの農産物は、処理されたストレートスタックの農産物と比較して、最初の3日間にわたり、周囲の保管条件下でより多くの熱を生成し、未処理のストレートスタックの農産物が最も熱を生成した。したがって、パレット全体の温度勾配も減少するはずであり、より均一で予測可能な熟成を可能にする。いくつかの実施形態では、農産物のスタック内で生成される(例えば、呼吸から)熱を減少させるコーティング組成物で農産物をコーティングすると、ストレートスタックから代替のスタック(例えば、クロススタック)にスタックの方向を変える必要性を最小限にすることによって、農産物のサプライチェーン全体での必要労働量を減少させることができる。
いくつかの実施形態では、呼吸速度を減少させるコーティングで農産物を処理すると、温度がスタック内で上昇する速度(例えば、冷蔵倉庫から取り出す時)を、未処理のスタックと比較して、1日あたり少なくとも0.5℃、1日あたり少なくとも1.0℃、1日あたり少なくとも1.5℃、1日あたり少なくとも2.0℃、1日あたり少なくとも2.5℃、1日あたり少なくとも3.0℃、1日あたり少なくとも3.5℃、1日あたり少なくとも4.0℃、1日あたり少なくとも4.5℃、または1日あたり少なくとも5℃減少させることができる。いくつかの実施形態では、呼吸速度を減少させるコーティングで農産物を処理すると、大気とスタックの平均温度との間の平衡温度差を少なくとも0.5℃、少なくとも1.0℃、少なくとも1.5℃、少なくとも2.0℃、少なくとも2.5℃、少なくとも3.0℃、少なくとも3.5℃、少なくとも4.0℃、少なくとも4.5℃、または少なくとも5℃減少させることができる。
本明細書に記載されるコーティングのいずれも、あらゆる農産物を保護するために使用することができる。いくつかの実施形態では、コーティングは、食用農産物、例えば、果物、野菜、食用種子およびナッツ、ハーブ、スパイス、農産品、肉、卵、乳製品、シーフード、穀物、またはあらゆる他の消耗品上にコーティングすることができる。そのような実施形態では、コーティングは、毒性がなく、ヒトおよび/または動物による消費に対して安全である成分を含むことができる。例えば、コーティングは、米国食品医薬品局(FDA)承認の直接または間接食品添加剤、FDA承認の食品接触物質であり、食品添加物または食品接触物質として使用されるためのFDA規制要件を満たしている、および/またはFDAの一般的に安全と認められている(GRAS:Generally Recognized as Safe)材料である成分を含むことができる。このような材料の例は、「http://www.accessdata.fda.gov/scripts/cdrh/cfdocs/cfcfr/cfrsearch.cfm」にあるFDA連邦規則集タイトル21内に見られ、その内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、コーティングの成分は、栄養補助食品または栄養補助食品の成分を含むことができる。コーティングの成分はまた、FDA承認の食品添加物または着色料を含むことができる。いくつかの実施形態では、コーティングは、本明細書に記載されるように、天然に由来する成分を含むことができる。いくつかの実施形態では、コーティングは、無味であり得るか、もしくは500ppm未満の高い香味料の閾値を有しすることができる、無臭であるか、もしくは高い香気の閾値を有する、および/または実質的に透明である。いくつかの実施形態では、コーティングは、例えば、水で食用農産物を洗い流すように構成され得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるコーティングは、非食用農産物上に形成され得る。そのような非食用農産物には、例えば、非食用の花、種子、新芽、茎、葉、植物全体などが含まれ得る。そのような実施形態では、コーティングは、非毒性である成分を含むことができるが、非毒性の閾値レベルは、食用農産物に規定されたものよりも高い可能性がある。そのような実施形態では、コーティングは、FDA承認の食品接触物質、FDA承認の食品添加物、またはFDA承認の薬物成分、例えば、全内容が参照により本明細書に組み込まれる、「http://www.accessdata.fda.gov/scripts/cder/drugsatfda/index.cfm」で見られ得る、承認された薬物のFDAのデータベースに含まれる任意の成分を含むことができる。いくつかの実施形態では、コーティングは、薬物で使用されるためのFDA要件を満たすか、または全内容が参照により本明細書に組み込まれる、FDAのNational Drug Discovery Code Directory、「http://www.accessdata.fda.gov/scripts/cder/ndc/default.cfm」内にリストされている材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、材料は、全内容が参照により本明細書に組み込まれる、FDAのデータベース「http://www.accessdata.fda.gov/scripts/cder/ndc/default.cfm」内にリストされているような承認された薬剤の不活性な薬物成分を含むことができる。
本明細書に記載されるコーティングの実施形態は、例えば、以下を含む、いくつかの利点を提供する:(1)コーティングは、生物的ストレス要因、すなわち、細菌、ウイルス、真菌、または害虫から農産物を保護することができる、(2)コーティングは、水の蒸発、ならびに/または酸素、二酸化炭素、および/もしくはエチレンの拡散を防止することができる、(3)コーティングは、冷蔵なしで、農産物、例えば、収穫後の農産品の保管寿命を延ばすことを補助することができる、(4)コーティングは、農産物の表面に機械的安定性を導入することができ、腐敗を加速する種類の傷を防止するように設計された高価な包装の必要性を排除する、(5)コーティングを得るために農業廃棄物を使用することは、バクテリア、真菌、および害虫の繁殖環境を排除することを補助することができる、(6)コーティングは、植物を保護するために農薬の代わりに使用され、それにより、農薬の人の健康および環境に及ぼす悪影響を最小限にすることができる、(7)コーティングは、自然由来であるため、人間の消費に対して安全であり得る。場合によっては、本明細書に記載されるコーティングの成分は、農業廃棄物から得ることができるため、そのようなコーティングは、比較的低コストで作製され得る。したがって、コーティングは、例えば、農薬から作物を保護するために必要なコストを削減し、生物的および/または環境的ストレス要因による腐食に起因する農産物の収穫後の損失を減少させることによって、小規模の農業経営者に特にふさわしい可能性がある。
市場での細分化により、コーティング剤またはコーティング溶液/懸濁液/コロイドの調製/形成、およびコーティング溶液/懸濁液/コロイドからの基材上へのコーティングの形成は、多くの場合、異なる団体またはエンティティによって実行される。例えば、本明細書に記載されるコーティング剤などの組成物の製造業者(すなわち、第1の団体)は、本明細書に記載される1つ以上の方法によって組成物を形成することができる。次に、製造業者は、得られた組成物を第2の団体、例えば、農産品の農業経営者、荷送人、流通業者、または小売業者に販売またはその他の方法で提供することができ、第2の団体は、組成物を1つ以上の農産物に塗布して、農産物上に保護コーティングを形成することができる。あるいは、製造業者は、得られた組成物を仲介者、例えば、卸売業者に販売またはその他の方法で提供することができ、次に卸売業者は、農産品の農業経営者、荷送人、流通業者、または小売業者などの第2の団体に組成物を販売またはその他の方法で提供し、第2の団体は、組成物を1つ以上の農産物に塗布して、農産物上に保護コーティングを形成することができる。
複数の団体が関与する場合、第1の団体は、任意に、組成物(すなわち、コーティング剤)に関する指示または推奨を書面または口頭のいずれかで提供してもよく、それは、以下のうちの1つ以上を示す:(i)組成物は、農産物の寿命を延長するため、農産物の腐敗を減少するため、または農産物の美的外観を変更もしくは改善するために、農産物をコーティングまたは保護する目的で、農産物に塗布されることを意図すること、(ii)組成物を農産物の表面に塗布するのに好適である条件および/もしくは方法、ならびに/または(iii)組成物の農産物への塗布から生じる得る潜在的利益(例えば、保管寿命の延長、質量損失率の減少、カビの発生および/または腐敗率の減少など)。指示または推奨は、植物抽出物組成物とともに第1の団体によって直接提供される場合がある(例えば、組成物が販売または配布される包装の上で)一方で、代替的に、指示または推奨は、例えば、第1の団体によって所有もしくは制御されているウェブサイト上で、または第1の団体によって、もしくは第1の団体に代わって提供される広告もしくはマーケティング資料において別々に提供されてもよい。
上記を考慮して、場合によっては、本明細書に記載される1つ以上の方法に従って組成物(すなわち、コーティング剤)またはコーティング溶液/懸濁液/コロイドを製造する団体(すなわち、第1の団体)は、組成物から農産物上にコーティングを直接形成しないかもしれないが、代わりに、第2の団体に、組成物から農産物上にコーティングを形成するように指図することができる(例えば、指示または要求することができる)。すなわち、第1の団体が本明細書に記載される方法および組成物によって農産物をコーティングしない場合でも、第1の団体は、上記の指示または推奨を提供することによって、コーティング剤または溶液を農産物に塗布させて、農産物上に保護コーティングを形成することができる。したがって、本明細書で使用される場合、コーティング剤または溶液/懸濁液/コロイドを生産物に(例えば、植物または農産物)に塗布する行為はまた、コーティング剤または溶液を生産物に塗布するように別の団体に指図または指示し、それにより、コーティング剤または溶液を生産物に塗布することも含む。
以下の実施例では、様々なコーティング剤および溶液/懸濁液/コロイドが様々な基材に及ぼす影響、ならびに様々なコーティング剤および溶液/懸濁液/コロイドのいくつかの特徴を説明する。これらの実施例は、説明のみを目的としており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。以下の実施例の各々では、すべての試薬および溶媒は、購入され、特に指定がない限り、さらに精製することなく使用された。
実施例1:フィンガーライムの質量損失率に対する長鎖脂肪酸エステルで形成されたコーティングの影響
図1は、数日間にわたって測定された、PA-2GおよびPA-1Gの様々な混合物でコーティングされたフィンガーライムについての1日平均質量損失率を示すグラフである。グラフの各バーは、24本のフィンガーライムの群についての1日平均質量損失率を表す。バー102に対応するフィンガーライムは、未処理であった。バー104に対応するフィンガーライムは、実質的に純粋なPA-1Gであるコーティング剤でコーティングした。バー106に対応するフィンガーライムは、約75質量%のPA-1Gおよび25質量%のPA-2Gであるコーティング剤でコーティングした。バー108に対応するフィンガーライムは、約50質量%のPA-1Gおよび50質量%のPA-2Gであるコーティング剤でコーティングした。バー110に対応するフィンガーライムは、約25質量%のPA-1Gおよび75質量%のPA-2Gであるコーティング剤でコーティングした。バー112に対応するフィンガーライムは、実質的に純粋なPA-2Gであるコーティング剤でコーティングした。コーティング剤を各々10mg/mLの濃度でエタノールに溶解して、溶液を形成し、溶液を対応するフィンガーライムの表面に塗布して、コーティングを形成した。
コーティングを形成するために、フィンガーライムをバッグに入れ、組成物を含有する溶液をバッグに注いだ。次に、バッグを密封し、各フィンガーライムの表面全体が濡れるまで軽く撹拌した。次に、フィンガーライムをバッグから取り出し、乾燥ラックで乾燥させた。フィンガーライムは、それらを乾燥させている間、およびそれらが試験されている期間中、約23℃~27℃の範囲の温度および約40%~55%の範囲の湿度での周囲室内条件下で維持した。
図1に示すように、未処理のフィンガーライム(102)は、1日あたり5.3%の平均質量損失率を呈した。実質的に純粋なPA-1G配合物(104)および実質的に純粋なPA-2G配合物(112)でコーティングされたフィンガーライムの質量損失率は、それぞれ4.3%および3.7%の1日平均質量損失率を呈した。バー106(PA-1GとPA-2Gとの75:25の質量比)および108(PA-1GとPA-2Gとの50:50の質量比)に対応するフィンガーライムの群は、両方とも3.4%の1日平均質量損失率を呈した。バー110(PA-1GとPA-2Gとの25:75の質量比)に対応するフィンガーライムは、2.5%の1日平均質量損失率を呈した。
実施例2:アボカドの質量損失率に対する長鎖脂肪酸および/またはそのエステルで形成されたコーティングの影響
長鎖脂肪酸エステルの組み合わせを使用する9つの溶液を調製して、アボカド上にコーティングを形成するために溶媒に溶解したコーティング剤で構成される溶液で処理したアボカドの質量損失率に対する様々なコーティング剤の組成の影響を調べた。各溶液は、5mg/mLの濃度でエタノールに溶解した、後述されるコーティング剤で構成された。
第1の溶液は、1:3のモル比で組み合わされたMA-1GとPA-2Gを含有した。第2の溶液は、1:1のモル比で組み合わされたMA-1GとPA-2Gを含有した。第3の溶液は、3:1のモル比で組み合わされたMA-1GとPA-2Gを含有した。第4の溶液は、3:1のモル比で組み合わされたPA-1GとPA-2Gを含有した。第5の溶液は、1:1のモル比で組み合わされたPA-1GとPA-2Gを含有した。第6の溶液は、1:3のモル比で組み合わされたPA-1GとPA-2Gを含有した。第7の溶液は、1:3のモル比で組み合わされたSA-1GとPA-2Gを含有した。第8の溶液は、1:1のモル比で組み合わされたSA-1GとPA-2Gを含有した。第9の溶液は、3:1のモル比で組み合わされたSA-1GとPA-2Gを含有した。
アボカドは同時に収穫し、30個のアボカドからなる9つの群に分け、群の各々は、質的に同一であった(すなわち、すべての群がほぼ同じ平均サイズおよび品質のアボカドを有した)。コーティングを形成するために、アボカドを各々個別に溶液のうちの1つに浸漬し、30個のアボカドの各群を同じ溶液で処理した。次に、アボカドを乾燥ラック上に置き、約23℃~27℃の範囲の温度および約40%~55%の範囲の相対湿度での周囲室内条件下で乾燥させた。アボカドはすべて、それらが試験されている期間中、これらの同じ温度および湿度の条件で保持した。
図2は、上記の様々な溶液でコーティングされたアボカドについての質量損失係数を示すグラフである。バー202、204、および206は、それぞれ、約1:3、1:1、および3:1(第1、第2、および第3の溶液)のモル比で組み合わされたMA-1GとPA-2Gに対応する。バー212、214、および216は、それぞれ、約1:3、1:1、および3:1(第4、第5、および第6の溶液)のモル比で組み合わされたPA-1GとPA-2Gに対応する。バー222、224、および226は、それぞれ、約1:3、1:1、および3:1(第7、第8、および第9の溶液)のモル比で組み合わされたSA-1GとPA-2Gに対応する。
図2に示されるように、第1の溶液(202)での処理は、1.48の質量損失係数をもたらし、第2の溶液(204)での処理は、1.42の質量損失係数をもたらし、第3の溶液(206)での処理は、1.35の質量損失係数をもたらし、第4の溶液(212)での処理は、1.53の質量損失係数をもたらし、第5の溶液(214)での処理は、1.45の質量損失係数をもたらし、第6の溶液(216)での処理は、1.58の質量損失係数をもたらし、第7の溶液(222)での処理は、1.54の質量損失係数をもたらし、第8の溶液(224)での処理は、1.47の質量損失係数をもたらし、第9の溶液(226)での処理は、1.52の質量損失係数をもたらした。
図3は、長鎖脂肪酸エステルおよび長鎖脂肪酸を含む混合物で各々コーティングされたアボカドについての質量損失係数を示すグラフである。すべての混合物は、脂肪酸エステルと脂肪酸との化合物のモル比で1:1の混合物であった。バー301~303は、MA-1GとMA(301)、MA-1GとPA(302)、およびMA-1GとSA(303)で構成されるコーティング剤に対応する。バー311~313は、PA-1GとMA(311)、PA-1GとPA(312)、およびPA-1GとSA(313)で構成されるコーティング剤に対応する。バー321~323は、SA-1GとMA(321)、SA-1GとPA(322)、およびSA-1GとSA(323)で構成されるコーティング剤に対応する。グラフの各バーは、30個のアボカドの群を表す。すべてのコーティングは、5mg/mLの濃度でエタノールに溶解させた関連混合物を含む溶液にアボカドを浸漬し、アボカドを乾燥ラック上に置き、アボカドを、約23℃~27℃の範囲の温度および約40%~55%の範囲の湿度での周囲室内条件下で乾燥させることによって形成した。アボカドは、それらが試験されている期間中、これらの同じ温度および湿度の条件で保持した。
示されるように、脂肪酸エステルの炭素鎖長が増加するにつれて、質量損失係数は、増加する傾向があった。例えば、エステルの炭素鎖長が13を超えるすべての混合物は、1.2を超える質量損失係数をもたらし、エステルの炭素鎖長が15を超えるすべての混合物は、1.35を超える質量損失係数をもたらし、エステルの炭素鎖長が17を超えるすべての混合物は、1.6を超える質量損失係数をもたらした。
図4は、1:1のモル比で混合された2つの異なる長鎖脂肪酸エステル化合物を含むコーティング剤で各々コーティングされたアボカドについての質量損失係数を示すグラフである。バー402は、SA-1GおよびPA-1Gの混合物に対応し、バー404は、SA-1GおよびMA-1Gの混合物に対応し、バー406は、PA-1GおよびMA-1Gの混合物に対応する。グラフの各バーは、30個のアボカドの群を表す。すべてのコーティングは、アボカドを、5mg/mLの濃度でエタノールに溶解させた関連混合物で構成される溶液に浸漬し、アボカドを乾燥ラック上に置き、アボカドを、約23℃~27℃の範囲の温度および約40%~55%の範囲の湿度での周囲室内条件下で乾燥させることによって形成した。アボカドは、それらが試験されている期間中、これらの同じ温度および湿度の条件で保持した。示されるように、PA-1G/MA-1G混合物(406)は、1.47の質量損失係数をもたらし、SA-1G/PA-1G混合物(402)は、1.54の質量損失係数をもたらし、SA-1G/MA-1G混合物(1604)は、1.60の質量損失係数をもたらした。
実施例3:コーティングされたブルーベリーの質量損失率に対するコーティング剤の濃度の影響
75:25の質量比で混合されたPA-2GとPA-1Gで形成されたコーティング剤を実質的に純粋なエタノールに溶解することによって、2つの溶液を調製した。第1の溶液については、コーティング剤を10mg/mLの濃度でエタノールに溶解し、第2の溶液については、コーティング剤を20mg/mLの濃度でエタノールに溶解した。
ブルーベリーは同時に収穫し、各々60個のブルーベリーからなる3つの群に分け、群の各々は、質的に同一であった(すなわち、すべての群がほぼ同じ平均サイズおよび品質のブルーベリーを有した)。第1の群は未処理のブルーベリーの対照群であり、第2の群は、10mg/mLの溶液で処理し、第3の群は、20mg/mLの溶液で処理した。
ブルーベリーを処理するために、各ブルーベリーをピンセットでつまみ、溶液に約1秒間個別に浸漬した後、ブルーベリーを乾燥ラック上に置き、乾燥させた。ブルーベリーは、それらを乾燥させている間、およびそれらが試験されている期間中、23℃~27℃の範囲の温度および40%~55%の範囲の湿度での周囲室内条件下で維持した。質量損失は、ブルーベリーを毎日注意深く計量することによって測定し、報告された質量損失の割合は、初期質量に対する質量減少の比率と等しかった。
図6は、未処理の(対照)ブルーベリー(602)、10mg/mLの第1の溶液を使用して処理されたブルーベリー(604)、および20mg/mLの第2の溶液を使用して処理されたブルーベリー(606)における5日間にわたるパーセント質量損失のプロットを示す。示されるように、未処理のブルーベリーについてのパーセント質量損失は、5日後に19.2%であったが、10mg/mLの溶液で処理されたブルーベリーのパーセント質量損失は、5日後に15%であり、20mg/mLの溶液で処理されたブルーベリーのパーセント質量損失は、5日後に10%であった。
実施例4:レモンの質量損失率に対する長鎖脂肪酸のエステルおよび塩で形成されたコーティングの影響
図7は、4:1の質量比で混合されたSA-1GとSA-Naを含むコーティング剤でそれぞれコーティングされたレモンについての質量損失係数を示すグラフである。バー702は、未処理のレモン(対照群)に対応し、バー704は、10mg/mLの濃度で水に懸濁されたコーティング剤で構成される懸濁液で処理されたレモンに対応し、バー706は、20mg/mLの濃度で水に懸濁されたコーティング剤で構成される懸濁液で処理されたレモンに対応し、バー708は、30mg/mLの濃度で水に懸濁されたコーティング剤で構成される懸濁液で処理されたレモンに対応し、バー710は、40mg/mLの濃度で水に懸濁されたコーティング剤で構成される懸濁液で処理されたレモンに対応し、バー712は、50mg/mLの濃度で水に懸濁されたコーティング剤で構成される懸濁液で処理されたレモンに対応する。
グラフの各バーは、90個のレモンの群を表す。すべてのコーティングは、レモンをそれらの関連懸濁液に浸漬し、レモンを乾燥ラック上に置き、レモンを、約23℃~27℃の範囲の温度および約40%~55%の範囲の湿度での周囲室内条件下で乾燥させることによって形成した。レモンは、それらが試験されている期間中、これらの同じ温度および湿度の条件で保持した。図7に見られるように、10mg/mLの溶液(704)で処理されたレモンの質量損失係数は、1.83であり、20mg/mLの溶液(706)で処理されたレモンの質量損失係数は、1.75であり、30mg/mLの溶液(708)で処理されたレモンの質量損失係数は、1.90であり、40mg/mLの溶液(710)で処理されたレモンの質量損失係数は、1.78であり、50mg/mLの溶液(712)で処理されたレモンの質量損失係数は、1.83であった。
実施例5:レモンの質量損失率に対する長鎖脂肪酸のエステル/塩および中鎖エステルのエステルで形成されたコーティングの影響
図8は、水に懸濁された様々なコーティング剤で処理されたレモンの質量損失係数を示すグラフである。バー802は、未処理のレモンに対応する。バー804は、95:5の質量比で混合されたSA-1GとMA-Naで形成され、10mg/mLの濃度で水に添加されたコーティング剤に対応する。バー806は、95:5の質量比で混合されたSA-1GとMA-Naで形成され、30mg/mLの濃度で水に添加されたコーティング剤に対応する。バー808は、10mg/mLのSA-1GとMA-Na(95:5の質量比で混合)および水に懸濁された5mg/mLのUA-1Gで形成したコーティング剤に対応する。バー810は、30mg/mLのSA-1GとMA-Na(95:5の質量比で混合)および水に懸濁された5mg/mLのUA-1Gで形成したコーティング剤に対応する。
グラフの各バーは、60個のレモンの群を表す。すべてのコーティングは、レモンをそれらの関連溶液に浸漬し、レモンを乾燥ラック上に置き、レモンを、約23℃~27℃の範囲の温度および約40%~55%の範囲の湿度での周囲室内条件下で乾燥させることによって形成した。レモンは、それらが試験されている期間中、これらの同じ温度および湿度の条件で保持した。図8に見られるように、バー804に対応するレモンの質量損失係数は、1.50であり、バー806に対応するレモンの質量損失係数は、1.68であり、バー808に対応するレモンの質量損失係数は、1.87であり、バー810に対応するレモンの質量損失係数は、2.59であった。
実施例6:レモンの表面上での溶媒および混合物の接触角
図10は、ワックスを塗っていないレモンの表面上での様々な溶媒または混合物の接触角のグラフを示す。接触角は、レモンの表面上に5マイクロリットルの溶媒/混合物を含有する液滴を置き、デジタル画像分析によって接触角を決定することによって決定した。グラフの各バーは、15~20滴の測定値を表す。バー1002については、溶媒は、純水(対照試料)であった。バー1004については、混合物は、95:5の質量比で組み合わされ、30mg/mLの濃度で水に懸濁されたSA-1GとMA-Naを含んだ。バー1006、1008、1010、1012、1014、および1016に対応する混合物は、バー1004の混合物と同じであったが、少量のCA-1Gも含んだ。バー1006は、0.1mg/mLのCA-1Gを含み、バー1008は、0.5mg/mLのCA-1Gを含み、バー1010は、1mg/mLのCA-1Gを含み、バー1012は、2mg/mLのCA-1Gを含み、バー1014は、4mg/mLのCA-1Gを含み、バー1016は、6mg/mLのCA-1Gを含んだ。
図10に見られるように、バー1002(純水)に対応する液滴は、レモン上で88°の平均接触角を呈した。バー1004(水中のSA-1G/MA-Na)に対応する液滴は、レモン上で84°の平均接触角を呈した。バー1006(0.1mg/mLのCA-1Gの添加)に対応する液滴は、レモン上で70°の平均接触角を呈した。バー1008(0.5mg/mLのCA-1Gの添加)に対応する液滴は、レモン上で68°の平均接触角を呈した。バー1010(1mg/mLのCA-1Gの添加)に対応する液滴は、レモン上で65°の平均接触角を呈した。バー1012(2mg/mLのCA-1Gの添加)に対応する液滴は、レモン上で58°の平均接触角を呈した。バー1014(4mg/mLのCA-1Gの添加)に対応する液滴は、レモン上で56°の平均接触角を呈した。バー1016(6mg/mLのCA-1Gの添加)に対応する液滴は、レモン上で47°の平均接触角を呈した。
実施例7:レモンの表面上での混合物の接触角に対する界面活性剤の炭素鎖長への依存性
図11は、ワックスを塗っていないレモンの表面上での様々な混合物の接触角のグラフを示す。接触角は、レモンの表面上に5マイクロリットルの混合物を含有する液滴を置き、デジタル画像分析によって接触角を決定することによって決定した。グラフの各バーは、15~20滴の測定値を表す。バー1102については、溶媒は、純水(対照試料)であった。バー1104については、混合物は、95:5の質量比で組み合わされ、30mg/mLの濃度で水に懸濁されたSA-1GとMA-Naを含んだ。バー1106、1108、および1110に対応する懸濁液は、バー1104の懸濁液と同じであったが、4mg/mLの中鎖脂肪酸エステルも含んだ。バー1106については、中鎖脂肪酸エステルは、LA-1G(12の炭素鎖長)であり、バー1108については、中鎖脂肪酸エステルは、UA-1G(11の炭素鎖長)であり、バー1110については、中鎖脂肪酸エステルは、CA-1G(10の炭素鎖長)であった。
図11に見られるように、バー1102(純水)に対応する液滴は、レモン上で88°の平均接触角を呈した。バー1104(水中のSA-1G/MA-Na)に対応する液滴は、レモン上で84°の平均接触角を呈した。バー1106(4mg/mLのLA-1Gの添加)に対応する液滴は、レモン上で67°の平均接触角を呈した。バー1108(4mg/mLのUA-1Gの添加)に対応する液滴は、レモン上で56°の平均接触角を呈した。バー1110(1mg/mLのCA-1Gの添加)に対応する液滴は、レモン上で50°の平均接触角を呈した。
実施例8:レモン、カンデリラワックス、およびカルナウバワックスの表面上での溶媒および混合物の接触角
図12は、ワックスを塗っていないレモン(1201~1203)、カンデリラワックス(1211~1213)、カルナウバワックス(1221~1223)の表面上での様々な溶媒および混合物の接触角のグラフを示す。接触角は、試験されている表面上に5マイクロリットルの溶液を含有する液滴を置き、デジタル画像分析によって接触角を決定することによって決定した。グラフの各バーは、15~20滴の測定値を表す。バー1201、1211、および1221については、溶媒は、純水(対照試料)であった。バーの第2の群(1202、1212、および1222)は、94:6の質量比で組み合わされた30mg/mLのSA-1GとSA-Na、ならびに水に懸濁された0.25mg/mLのクエン酸および0.325mg/mLの重曹に対応する。バーの第3の群(1203、1213、および1223)は、バーの第2の群の混合物と同じ混合物に対応するが、3mg/mLのCA-1Gも含んだ。
図12に見られるように、バー1201に対応する液滴は、レモン上で92°の平均接触角を呈した。バー1202に対応する液滴は、カンデリラワックス上で105°の平均接触角を呈した。バー1203に対応する液滴は、カルナウバワックス上で96°の平均接触角を呈した。バー1211に対応する液滴は、レモン上で80°の平均接触角を呈した。バー1212に対応する液滴は、カンデリラワックス上で87°の平均接触角を呈した。バー1213に対応する液滴は、カルナウバワックス上で88°の平均接触角を呈した。バー1221に対応する液滴は、レモン上で44°の平均接触角を呈した。バー1222に対応する液滴は、カンデリラワックス上で31°の平均接触角を呈した。バー1223に対応する液滴は、カルナウバワックス上で32°の平均接触角を呈した。
実施例9:アボカド上に保護コーティングを形成するために使用されるコーティング混合物に中鎖脂肪酸エステルを添加することの影響
図13は、様々な濃度のCA-1GまたはLA-1Gと混合されたSA-1GおよびMA-Naを含むコーティング剤でコーティングされたアボカドの群についての質量損失係数を示す。コーティングは、指定された濃度の水中の各コーティング剤を添加して、混合物を形成し、混合物をアボカドの表面に塗布し、溶媒を蒸発させることによって形成した。バー1301は、未処理のアボカド(対照群)に対応する。バー1302は、94:6の質量比で組み合わされ、30mg/mLの濃度で水に添加されたSA-1GとMA-Naを含むコーティング剤に対応する。バー1303および1313については、混合物は、1mg/mLのCA-1G(バー1303)またはLA-1G(バー1313)も添加したことを除いて、バー1302の混合物と同じであった。バー1304および1314については、混合物は、2.5mg/mLのCA-1G(バー1304)またはLA-1G(バー1314)も添加したことを除いて、バー1302の混合物と同じであった。バー1305および1315については、混合物は、4mg/mLのCA-1G(バー1305)またはLA-1G(バー1315)も添加したことを除いて、バー1302の混合物と同じであった。グラフの各バーは、30個のアボカドの群を表す。すべてのコーティングは、アボカドをそれらの関連混合物に浸漬し、アボカドを乾燥ラック上に置き、アボカドを、約23℃~27℃の範囲の温度および約40%~55%の範囲の湿度での周囲室内条件下で乾燥させることによって形成した。アボカドは、それらが試験されている期間中、これらの同じ温度および湿度の条件で保持した。
図13に見られるように、バー1302(中鎖脂肪酸エステルなし)に対応するアボカドについての平均質量損失係数は、1.78であった。低濃度のCA-1G(バー1303~1305)を含む混合物については、コーティングされたアボカドの平均質量損失係数は、バー1303(1mg/mLのCA-1G濃度)で2.35であり、バー1304(2.5mg/mLのCA-1G濃度)で2.24であり、バー1305(4mg/mLのCA-1G濃度)で2.18であった。低濃度のLA-1G(バー1313~1315)を含む混合物については、コーティングされたアボカドの平均質量損失係数は、バー1313(1mg/mLのLA-1G濃度)で1.61であり、バー1314(2.5mg/mLのLA-1G濃度)で2.15であり、バー1315(4mg/mLのLA-1G濃度)で2.15であった。
実施例10:サクランボ上に保護コーティングを形成するために使用されるコーティング混合物にCA-1Gを添加することの影響
図14は、様々な濃度のCA-1Gと混合されたSA-1GおよびMA-Naを含むコーティング剤でコーティングされたサクランボの群(ビング品種)の質量損失係数を示す。コーティングは、指定された濃度で各コーティング剤を水に溶解して、溶液を形成し、溶液をサクランボの表面に塗布し、溶媒を蒸発させることによって形成した。バー1401は、未処理のサクランボ(対照群)に対応する。バー1402は、94:6の質量比で組み合わされ、40mg/mLの濃度で水に懸濁された、SA-1GとMA-Naを含むコーティング剤に対応する。バー1403については、懸濁液は、0.5mg/mLのCA-1Gも添加したことを除いて、バー1402の懸濁液と同じであった。バー1404については、懸濁液は、1mg/mLのCA-1Gも添加したことを除いて、バー1402の懸濁液と同じであった。バー1405については、懸濁液は、3mg/mLのCA-1Gも添加したことを除いて、バー1402の懸濁液と同じであった。グラフの各バーは、90個のサクランボの群を表す。すべてのコーティングは、サクランボをそれらの関連懸濁液に浸漬し、サクランボを乾燥ラック上に置き、サクランボを、約23℃~27℃の範囲の温度および約40%~55%の範囲の湿度での周囲室内条件下で乾燥させることによって形成した。サクランボは、それらが試験されている期間中、これらの同じ温度および湿度の条件で保持した。
図14に見られるように、バー1402(中鎖脂肪酸エステルなし)に対応するサクランボについての平均質量損失係数は、1.60であった。低濃度のCA-1G(バー1403~1405)を含む懸濁液については、コーティングされたチェリーの平均質量損失係数は、バー1403(0.5mg/mLのCA-1G濃度)で1.75であり、バー1404(1mg/mLのCA-1G濃度)で1.96であり、バー1405(3mg/mLのCA-1G濃度)で2.00であった。
実施例11:フィンガーライム上に保護コーティングを形成するために使用されるコーティング混合物にUA-1Gを添加することの影響
図15は、様々な濃度のUA-1Gと混合されたSA-1GおよびSA-Naを含むコーティング剤でコーティングされたフィンガーライムの群についての質量損失係数を示す。コーティングは、指定された濃度で水に各コーティング剤を添加して、懸濁液を形成し、懸濁液をフィンガーライムの表面に塗布し、溶媒を蒸発させることによって形成した。バー1501は、未処理のフィンガーライム(対照群)に対応する。バー1502は、94:6の質量比で組み合わされ、30mg/mLの濃度で水に懸濁されたSA-1GとSA-Naを含むコーティング剤に対応する。バー1503については、懸濁液は、1mg/mLのUA-1Gも添加したことを除いて、バー1502の懸濁液と同じであった。バー1504については、懸濁液は、3mg/mLのUA-1Gも添加したことを除いて、バー1502の懸濁液と同じであった。バー1505については、懸濁液は、5mg/mLのUA-1Gも添加したことを除いて、バー1502の懸濁液と同じであった。グラフの各バーは、48本のフィンガーライムの群を表す。すべてのコーティングは、フィンガーライムをそれらの関連懸濁液に浸漬し、フィンガーライムを乾燥ラック上に置き、フィンガーライムを、約23℃~27℃の範囲の温度および約40%~55%の範囲の湿度での周囲室内条件下で乾燥させることによって形成した。フィンガーライムは、それらが試験されている期間中、これらの同じ温度および湿度の条件で保持した。
図15に見られるように、バー1502(中鎖脂肪酸エステルなし)に対応するフィンガーライムの平均質量損失係数は、1.61であった。低濃度のUA-1G(バー1503~1505)を含む懸濁液については、コーティングされたフィンガーライムの平均質量損失係数は、バー1503(1mg/mLのUA-1G濃度)で2.33であり、バー1504(3mg/mLのUA-1G濃度)で2.06であり、バー1505(5mg/mLのUA-1G濃度)で1.93であった。
実施例12:溶媒および混合物の接触角に対するパラフィンワックスの表面を下塗りすることの影響
図16は、パラフィンワックスの表面上での様々な溶媒および混合物の接触角のグラフを示す。接触角は、パラフィンワックスの表面上に5マイクロリットルの溶媒/混合物を含有する液滴を置き、デジタル画像分析によって接触角を決定することによって決定した。グラフの各バーは、15~20滴の測定値を表す。バー1601については、溶媒は、純水であった。バー1602については、混合物は、95:5の質量比で組み合わされ、45mg/mLの濃度で水に懸濁されたSA-1GとSA-Naを含んだ。バー1603に対応する混合物は、バー1602の混合物と同じであったが、3mg/mLのCA-1Gも含んだ。バー1604については、水中の3mg/mLの濃度のCA-1Gの混合物を最初にパラフィンワックスの表面上に堆積させ、次に表面を下塗りするために乾燥させた。その後、下塗りされた表面上の水の接触角を決定した。バー1605については、水中で3mg/mLの濃度のCA-1Gの混合物を最初にパラフィンワックスの表面上に堆積させ、次に表面を下塗りするために乾燥させた。その後、下塗りされた表面上に45mg/mLの濃度で水に分散された95:5の質量比のSA-1GとSA-Naとの混合物の接触角を決定した。
図16に見られるように、バー1601に対応する液滴(純水)は、パラフィンワックス上で74°の平均接触角を呈した。バー1602に対応する液滴(SA-1GとSA-Naとの混合物)は、パラフィンワックス上で83°の平均接触角を呈した。バー1603に対応する液滴(SA-1GとSa-NaとCA-1Gとの混合物)は、パラフィンワックス上で43°の平均接触角を呈した。バー1604に対応する液滴(下塗りされたパラフィンワックス表面上の純水)は、24°の平均接触角を呈した。バー1605に対応する液滴(下塗りされたパラフィンワックス表面上の水中のSA-1GとSA-Naとの混合物)は、30°の平均接触角を呈した。
実施例13:質量損失係数に対するアボカド上のコーティングのエステル対塩比の影響
図18は、SA-1GとPA-1Gとの約50/50混合物である混合物と異なる比率で組み合わされたSA-NaまたはMA-Naのいずれかを含むコーティング剤でコーティングされたアボカドの群についての質量損失係数を示す。コーティングは、各コーティング剤を30mg/mLの濃度で水に添加して、懸濁液を形成し、懸濁液をアボカドの表面に塗布し、溶媒を蒸発させることによって形成した。バー1801は、未処理のアボカド(対照群)に対応する。バー1802は、94:6の質量比で組み合わされたSA-1G/PA-1G混合物とSA-Naを含むコーティング剤に対応する。バー1803は、70:30の質量比で組み合わされたSA-1G/PA-1G混合物とSA-Naを含むコーティング剤に対応する。バー1804は、94:6の質量比で組み合わされたSA-1G/PA-1G混合物とMA-Naを含むコーティング剤に対応する。バー1805は、70:30の質量比で組み合わされたSA-1G/PA-1G混合物とMA-Naを含むコーティング剤に対応する。グラフの各バーは、180個のアボカドの群を表す。すべてのコーティングは、懸濁液をブラシベッド上のアボカドにブラッシングし、アボカドを乾燥ラック上に置き、アボカドを、約23℃~27℃の範囲の温度および約40%~55%の範囲の湿度での周囲室内条件下で乾燥させることによって形成した。アボカドは、それらが試験されている期間中、これらの同じ温度および湿度の条件で保持した。
図18に見られるように、バー1802に対応するアボカドの平均質量損失係数は、1.88であり、バー1803に対応するアボカドの平均質量損失係数は、1.59であり、バー1804に対応するアボカドの平均質量損失係数は、2.47であり、バー1805に対応するアボカドの平均質量損失係数は、1.91であった。
実施例14:アボカドの質量損失率に対する乳化剤の影響
図19は、SA-1GとPA-1Gとの約50/50混合物である混合物と組み合わされた式IIもしくは式IIIの化合物(SA-Na)、脂肪アルコール誘導体(ラウリル硫酸ナトリウム)、またはリン脂質(レシチン)のいずれかを含むコーティング剤でコーティングされたアボカドの群の質量損失率を示す。コーティングは、SA-Na(SA-1G/PA-1G混合物とSA-Naの94対6の比率で)、ラウリル硫酸ナトリウム(SA-1G/PA-1G混合物とSLSの94対6の比率で)、またはレシチン(SA-1G/PA-1G混合物とレシチンの70対30の比率で)とともに、28.2g/LのSA-1Gを水に添加して、懸濁液を形成し、懸濁液をアボカドの表面に塗布し、溶媒を蒸発させることによって形成した。バー1901は、未処理のアボカド(対照群)に対応する。バー1902は、SA-1G/PA-1G混合物およびSA-Naを含むコーティング剤に対応する。バー1903は、SA-1G/PA-1G混合物およびSLSを含むコーティング剤に対応する。バー1904は、SA-1G/PA-1G混合物および大豆レシチンを含むコーティング剤に対応する。すべてのコーティングは、懸濁液をブラシベッド上のアボカドにブラッシングし、アボカドを乾燥ラック上に置き、アボカドを、約23℃~27℃の範囲の温度および約40%~55%の範囲の湿度での周囲室内条件下で乾燥させることによって形成した。アボカドは、それらが試験されている期間中、これらの同じ温度および湿度の条件で保持した。
図19に見られるように、バー1901に対応するアボカドの平均質量損失率は、1日あたり1.44%であり、バー1902に対応するアボカドの平均質量損失率は、1日あたり0.88%であり、バー1903に対応するアボカドの平均質量損失率は、1日あたり0.69%であり、バー1904に対応するアボカドの平均質量損失率は、1日あたり1.08%であった。
実施例15:呼吸および質量損失に対するアボカド上のコーティングにおける濃度および乳化剤の影響
図20は、SA-1GとPA-1Gとの約50/50混合物である混合物を伴う、SA-Naまたはラウリル硫酸ナトリウム(SLS)のいずれかを含むコーティング剤でコーティングされたアボカドの群の質量損失係数を示す。すべてのコーティングは、SA-1G/PA-1G混合物とSA-NaまたはSLSのいずれかの94対6の比率を使用して形成した。コーティングは、各コーティング剤を20g/L、30g/L、または40g/Lの濃度で水に添加して、懸濁液を形成し、懸濁液をアボカドの表面に塗布し、溶媒を蒸発させることによって形成した。バー2001は、SA-1G/PA-1G混合物およびSA-Naを20g/Lで含むコーティング剤に対応する。バー2002は、SA-1G/PA-1G混合物およびSLSを20g/Lで含むコーティング剤に対応する。バー2003は、SA-1G/PA-1G混合物およびSA-Naを30g/Lで含むコーティング剤に対応する。バー2004は、SA-1G/PA-1G混合物およびSLSを30g/Lで含むコーティング剤に対応する。バー2005は、SA-1G/PA-1G混合物およびSA-Naを40g/Lで含むコーティング剤に対応する。バー2006は、SA-1G/PA-1G混合物およびSLSを40g/Lで含むコーティング剤に対応する。すべてのコーティングは、懸濁液をブラシベッド上のアボカドにブラッシングし、アボカドを乾燥ラック上に置き、アボカドを、約23℃~27℃の範囲の温度および約40%~55%の範囲の湿度での周囲室内条件下で乾燥させることによって形成した。アボカドは、それらが試験されている期間中、これらの同じ温度および湿度の条件で保持した。
図20に見られるように、バー2001に対応するアボカドの質量損失係数は、1.57であり、バー2002に対応するアボカドの質量損失係数は、1.63であり、バー2003に対応するアボカドの質量損失係数は、1.64であり、バー2004に対応するアボカドの質量損失係数は、1.76であり、バー2005に対応するアボカドの質量損失係数は、1.81であり、バー2006に対応するアボカドの質量損失係数は、1.88であった。
図21は、上記と同じ群のアボカドについての呼吸係数を示す。バー2101は、SA-1G/PA-1G混合物およびSA-Naを20g/Lで含むコーティング剤に対応する。バー2102は、SA-1G/PA-1G混合物およびSLSを20g/Lで含むコーティング剤に対応する。バー2103は、SA-1G/PA-1G混合物およびSA-Naを30g/Lで含むコーティング剤に対応する。バー2104は、SA-1G/PA-1G混合物およびSLSを30g/Lで含むコーティング剤に対応する。バー2105は、SA-1G/PA-1G混合物およびSA-Naを40g/Lで含むコーティング剤に対応する。バー2106は、SA-1G/PA-1G混合物およびSLSを40g/Lで含むコーティング剤に対応する。
図21に見られるように、バー2101に対応するアボカドの呼吸係数は、1.21であり、バー2102に対応するアボカドの呼吸係数は、1.20であり、バー2103に対応するアボカドの呼吸係数は、1.22であり、バー2104に対応するアボカドの呼吸係数は、1.34であり、バー2105に対応するアボカドの呼吸係数は、1.32であり、バー2102に対応するアボカドの呼吸係数は、1.41であった。
図22および23は、表面上でのコーティング混合物(すなわち、溶媒中のコーティング剤)の液滴を示す。接触角は、試験されている表面上に5マイクロリットルの溶液を含有する液滴を置き、デジタル画像分析によって接触角を決定することによって決定した。図22は、45g/Lで水中の、94対6の比率の、SA-1GとPA-1Gの50/50混合物と、SA-Naを含むコーティング混合物の液滴の代表的な画像に対応する。図22のようなコーティング混合物から観察された接触角は、95±5°である。図23は、45g/Lで水中の、94対6の比率の、SA-1GとPA-1Gの50/50混合物と、SLSを含むコーティング混合物の液滴の代表的な画像に対応する。図23のようなコーティング混合物から観察された接触角は、84±4°である。
上の表は、未処理のレモン、および水中の50g/Lの脂肪酸エステル(SA-1GとPA-1Gの約50/50混合物)と脂肪酸塩(SA-Na)の94:6混合物で処理されたレモンについての質量損失率と冷蔵湿度との比較を示す。各処理群は、7箱のレモンを含み、1箱あたり60個のレモンであった。各処理群は、送風機および湿度センサーを備えた大型箱型冷凍庫に入れた。上記の表に見られるように、未処理群は、50g/Lの混合物で処理されたレモンの1日あたり0.37%と比較して、1日あたり1.61%の質量損失率を有した。未処理群のより高い質量損失率は、50g/Lの混合物で処理されたレモンを伴う湿度61%と比較して、72%の湿度を有する未処理のレモンを含有する大型箱型冷凍庫内のより高い湿度に対応した。
上の表は、未処理のアボカドと、水中の50g/Lの脂肪酸エステル(SA-1GとPA-1Gの約50/50混合物)および脂肪酸塩(SA-Na)の94:6混合物で処理されたアボカドとのエネルギー使用量の比較を示す。各処理群は、7箱のアボカドを含み、1箱あたり60個のアボカドであった。各処理群は、送風機およびエネルギー使用量計器を備えた大型箱型冷凍庫に入れた。上の表に見られるように、未処理群を含む冷凍庫は、50g/Lの混合物で処理されたアボカドを含有する冷凍庫の0.85kWhと比較して、72時間後に1.19kWhのエネルギーを消費した。
実施例18:スタッキングおよびコーティングの関数としての温度
図25は、約5日間にわたる3つの試料群の平均温度(℃)を示すグラフである。各試料群は、60個のハスアボカドが入った10箱を含み、それらは、ストレートスタック(すなわち、5箱の高さ、2つのスタックの幅であり、各箱は、下の箱と平行に重ねられる)またはクロススタック(すなわち、5箱の高さ、2つのスタックの幅であり、各箱は、下の箱と直角に重ねられる)のいずれかであった。ストレートスタック群のうちの1つ(2502に対応)は、30mg/mLの濃度で水に分散された、94:6の質量比で混合されたSA-1GとSA-Naで形成されたコーティング剤でコーティングした。他の群は、ストレートスタック(2501に対応)またはクロススタック(2503に対応)のいずれかである未処理のアボカドであった。各群において、データは、10℃の冷蔵倉庫から取り出した後のスタック全体に分配された4つの温度ロガーの平均温度を時間の関数として表す。
図25に示すように、最初の3日間の10℃の冷蔵倉庫から取り出した後の農産品の温度上昇の速度は、未処理の農産品と比較して、処理された農産品において遅かった。未処理のストレートスタックおよびクロススタックの農産品は、処理されたストレートスタックの農産品と比較して、最初の3日間にわたり、周囲の保管条件下でより多くの熱を生成し、未処理のストレートスタックの農産品が最も熱を生成した。したがって、パレット全体の温度勾配も減少するはずであり、より均一で予測可能な熟成を可能にする。
様々な組成物および方法が上で説明されてきたが、それらは、限定ではなく、単なる例として提示されたものであることを理解されたい。上記の方法およびステップがある特定の順序で発生するある特定の事象を示す場合、ステップの順序は、修正することができ、そのような修正は、本発明の変形に合致する。さらに、特定のステップは、可能であれば並行プロセスで同時に行うことができ、ならびに上記のように順次的に行うこともできる。様々な実施が特に示され、説明されてきたが、形式および詳細に様々な変更が加えられてもよいことが理解されよう。したがって、他の実施は、以下の特許請求の範囲内にある。

Claims (12)

  1. 食用コーティング組成物であって、
    (i)70質量%~99質量%の第1の化合物群と
    (ii)1質量%~30質量%の第2の化合物群と、を含み、
    前記第1の化合物群が
    からなる群から選択される1つ以上の化合物を含み、
    前記第2の化合物群が、ステアリン酸のナトリウム塩、パルミチン酸のナトリウム塩、ミリスチン酸のナトリウム塩、ステアリン酸のカリウム塩、パルミチン酸のカリウム塩、もしくはミリスチン酸のカリウム塩、ステアリン酸のマグネシウム塩、パルミチン酸のマグネシウム塩、ミリスチン酸のマグネシウム塩、ステアリン酸のカルシウム塩、パルミチン酸のカルシウム塩、またはミリスチン酸のカルシウム塩を含む、組成物。
  2. 前記第1の化合物群と前記第2の化合物群との質量比が、2~99の範囲である、請求項に記載の組成物。
  3. 前記組成物が、10質量%未満のジグリセリドを含む、請求項に記載の組成物。
  4. 前記組成物が、10質量%未満のトリグリセリドを含む、請求項に記載の組成物。
  5. 前記組成物が、10質量%未満のアセチル化モノグリセリドを含む、請求項に記載の組成物。
  6. 溶媒中の食用コーティング組成物を含む混合物であって、前記組成物が、
    (i)70質量%~99質量%の第1の化合物群と
    (ii)1質量%~30質量%の第2の化合物群と、を含み、
    前記第1の化合物群が
    からなる群から選択される1つ以上の化合物を含み、
    前記第2の化合物群が、ステアリン酸のナトリウム塩、パルミチン酸のナトリウム塩、ミリスチン酸のナトリウム塩、ステアリン酸のカリウム塩、パルミチン酸のカリウム塩、もしくはミリスチン酸のカリウム塩、ステアリン酸のマグネシウム塩、パルミチン酸のマグネシウム塩、ミリスチン酸のマグネシウム塩、ステアリン酸のカルシウム塩、パルミチン酸のカルシウム塩、またはミリスチン酸のカルシウム塩を含む、混合物。
  7. 前記溶媒が、水である、請求項に記載の混合物。
  8. 前記溶媒が、少なくとも50体積%の水である、請求項に記載の混合物。
  9. 前記混合物中の前記組成物の濃度が、0.5~200mg/mLの範囲にある、請求項に記載の混合物。
  10. 前記組成物が、10質量%未満のジグリセリドを含む、請求項に記載の混合物。
  11. 前記組成物が、10質量%未満のトリグリセリドを含む、請求項に記載の混合物。
  12. 前記組成物が、10質量%未満のアセチル化モノグリセリドを含む、請求項に記載の混合物。
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