JP2021534041A - 腐りやすい品物の貯蔵のためのパッケージ - Google Patents

腐りやすい品物の貯蔵のためのパッケージ Download PDF

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Abstract

本明細書には、腐りやすい品物を貯蔵するためのパッケージ、例えば容器(100)、及び方法が記載される。容器(100)は、パッケージ内相対湿度の低下を引き起こす複数の開口(114)を含む。腐りやすい品物は、貯蔵中に作物からの水分損失を防止するために保護コーティングでコーティングすることができる。腐りやすい品物は、パッケージ内で貯蔵する前、又はパッケージ内に配置した後に、コーティングすることができる。したがって、容器(100)及びコーティングは、腐りやすい品物をより低い相対湿度、例えば出荷及び貯蔵の業界標準よりも低い相対湿度、又は約90%よりも低い相対湿度で貯蔵することを可能にし、これは、真菌、細菌、ウィルス、及び/又は害虫などの生物的ストレス要因の増殖を遅らせるのに役立つことができる。

Description

関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2018年8月10日に出願された米国仮特許出願第62/717,511号に対する優先権及びその利益を主張し、その内容は参照によってその全体が本明細書に援用される。
開示の分野
[0002] 本開示は、収穫作物などの腐りやすい品物を貯蔵するために使用される容器及び他のパッケージ、並びにその製造及び使用方法に関する。
背景
[0003] 生鮮作物などの一般的な農産物は、環境にさらされたときに分解及び腐敗(すなわち、損傷)に対して非常に感受性が高い可能性がある。農産物の分解は、農産物の外表面から大気への蒸発による水分損失、環境から農産物内に拡散する酸素による酸化、表面への機械的ダメージ、及び/又は光誘発性の分解(すなわち、光分解)の結果として、非生物的手段によって起こり得る。細菌、真菌、ウィルス、及び/又は害虫などの生物的ストレス要因も農産物を侵襲及び腐敗させ得る。
[0004] 収穫作物(例えば、果物、野菜、ベリーなど)は、消費の前、例えば出荷の間に、長期間にわたって高密度(すなわち、貯蔵容器の単位容積あたりの作物の全容積が大きい)で貯蔵されることが多い。この間に、適切な貯蔵条件が維持されなければ、作物は、質量損失、カビ発生、及び/又は他の損傷メカニズムに対して高感受性であり得る。したがって、貯蔵及び出荷中の質量/水分の損失又は真菌による侵襲を最小限にして、高品質の作物を維持しながら損傷速度を低下させるための装置及び方法が望ましい。
概要
[0005] 本明細書には、腐りやすい品物を貯蔵するためのパッケージ(例えば、容器)及び方法が記載される。容器は、パッケージ内相対湿度の低下を引き起こす複数の開口を含むことができる。腐りやすい品物は、貯蔵中に作物からの水分損失を防止するために保護コーティングでコーティングすることができる。腐りやすい品物は、パッケージ内で貯蔵する前、又はパッケージ内に配置した後に、コーティングすることができる。したがって、容器及びコーティングは、腐りやすい品物をより低い相対湿度(例えば、出荷及び貯蔵の業界標準よりも低い、又は約90%よりも低い相対湿度)で貯蔵することを可能にし、これは、真菌、細菌、ウィルス、及び/又は害虫などの生物的ストレス要因の増殖を遅らせるのに役立つことができる。
[0006] 保護コーティングは、溶媒中に溶解又は懸濁されたコーティング剤を含むコーティング混合物によって腐りやすい品物を処理することにより形成され得る。コーティング剤は、複数のモノマー、オリゴマー、脂肪酸、エステル、アミド、アミン、チオール、カルボン酸、エーテル、脂肪族ワックス、アルコール、塩、又はこれらの組合せを含むことができる。コーティング剤は、非消毒性コーティング剤であり得る。コーティング剤が添加される溶媒は、水及び/又はアルコールを含むことができる。コーティング剤が添加される溶媒は消毒剤を含むことができるか、又は消毒剤から形成され得る。例えば、溶媒は、エタノール、メタノール、アセトン、イソプロパノール、又は酢酸エチルを含むことができる。作物又は食用産物を消毒することで、作物若しくは食用産物における真菌の増殖速度の低下、又は真菌の増殖前の作物若しくは食用産物の貯蔵期間の増大をもたらすことができる。いくつかの実施形態では、混合物は、クエン酸などの消毒剤を含む。
図面の簡単な説明
[0007]腐りやすい品物の貯蔵のために使用することができる容器の図である。 [0008]腐りやすい品物の貯蔵のために使用することができる別の容器の図である。 [0009]腐りやすい品物(例えば、作物)を貯蔵のために調製し、その後腐りやすい品物を貯蔵するためのプロセスを説明する。 [0010]腐りやすい品物が容器内にある間にその上に保護コーティングが形成される、腐りやすい品物を容器内に貯蔵するためのプロセスを説明する。
[0011] 図面内の同様の番号は同様の要素を指す。
定義
[0012] 本明細書で使用される場合、「相対湿度」(又は「RH」)という用語は、空気中に存在する水蒸気の分圧を、同じ温度における平衡蒸気圧(すなわち、飽和に必要な水蒸気の分圧)に対して百分率で表した比率であると定義される。
[0013] 本明細書で使用される場合、「コーティング」又は「保護コーティング」は、作物片などの腐りやすい品物の表面全体に配置されて実質的に表面を被覆する、モノマー、オリゴマー、ポリマー、脂肪酸、エステル、トリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリド、アミド、アミン、チオール、チオエステル、カルボン酸、エーテル、脂肪族ワックス、アルコール、塩(無機塩又は有機塩、例えば脂肪酸塩)、酸、塩基、タンパク質、酵素、又はこれらの組合せの1つ又は複数の層を意味すると理解される。
[0014] 本明細書で使用される場合、「コーティング剤」は、基材の表面をコーティングして(例えば、コーティング剤が分散された溶媒を除去した後に)作物の表面にコーティング(例えば、保護コーティング)を形成するために使用され得る化学製剤を指す。コーティング剤は、1つ又は複数のコーティング成分を含むことができる。例えば、コーティング成分は、式I、I−A及び/又は式I−Bの化合物、又は式I、I−A及び/又は式I−Bの化合物のモノマー若しくはオリゴマーであり得る。またコーティング成分は、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、アミン、チオール、カルボン酸、エーテル、脂肪族ワックス、アルコール、塩(無機塩又は有機塩、例えば脂肪酸塩)、又はこれらの組合せを含むこともできる。
[0015] 「アルキル」という用語は、直鎖又は分枝鎖飽和炭化水素を指す。C〜Cアルキル基は、1〜6個の炭素原子を含有する。C〜Cアルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル及びtert−ブチル、イソペンチル並びにネオペンチルが挙げられるが、これらに限定されない。
[0016] 「アルケニル」という用語は、炭素−炭素二重結合を含有し、鎖内に約2〜約6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖であり得る脂肪族炭化水素基を意味する。好ましいアルケニル基は、鎖内に2〜約4個の炭素原子を有する。分枝鎖は、メチル、エチル、又はプロピルなどの1つ又は複数の低級アルキル基が線状アルケニル鎖に結合していることを意味する。例示的なアルケニル基としては、エテニル、プロペニル、n−ブテニル、及びi−ブテニルが挙げられる。C〜Cアルケニル基は、2〜6個の炭素原子を含有するアルケニル基である。本明細書で定義される場合、「アルケニル」という用語は、「E」及び「Z」の両方、又は「シス」及び「トランス」の両方の二重結合を含むことができる。
[0017] 「アルキニル」という用語は、炭素−炭素三重結合を含有し、鎖内に約2〜約6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖であり得る脂肪族炭化水素基を意味する。好ましいアルキニル基は、鎖内に2〜約4個の炭素原子を有する。分枝鎖は、メチル、エチル、又はプロピルなどの1つ又は複数の低級アルキル基が線状アルキニル鎖に結合していることを意味する。例示的なアルキニル基としては、エチニル、プロピニル、n−ブチニル、2−ブチニル、3−メチルブチニル、及びn−ペンチニルが挙げられる。C〜Cアルキニル基は、2〜6個の炭素原子を含有するアルキニル基である。
[0018] 「シクロアルキル」という用語は、3〜18個の炭素原子を含有する単環式又は多環式飽和炭素環を意味する。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプタニル、シクロオクタニル、ノルボラニル、ノルボレニル、ビシクロ[2.2.2]オクタニル、又はビシクロ[2.2.2]オクテニルが挙げられるが、これらに限定されない。C〜Cシクロアルキルは、3〜7個の炭素原子を含有するシクロアルキル基である。シクロアルキル基は、縮合(例えば、デカリン)又は架橋(例えば、ノルボルナン)され得る。
[0019] 「アリール」という用語は、フェニル、ビフェニル又はナフチルなどの単環式又は二環式基を含む1〜2個の芳香環を有する環状芳香族炭化水素基を指す。2つの芳香環を含有する場合(二環式など)、アリール基の芳香環は一点で連結されていてもよいし(例えば、ビフェニル)、或いは縮合されていてもよい(例えば、ナフチル)。アリール基は、任意選択的に、任意の結合点において1つ又は複数の置換基、例えば1〜5個の置換基によって置換されていてもよい。
[0020] 「ヘテロアリール」という用語は、N、O、又はSから選択される1つ又は複数の環へテロ原子を含有し、残りの環原子がCである、5〜12個の環原子を有する一価の単環式若しくは二環式芳香環、又は多環式芳香族ラジカルを意味する。また本明細書で定義されるヘテロアリールは二環式ヘテロ芳香族基も意味し、ここで、ヘテロ原子はN、O、又はSから選択される。芳香環は、任意選択的に、本明細書に記載される1つ又は複数の置換基によって独立して置換される。
[0021] 本明細書で使用される場合、「ハロ」又は「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードを意味する。
[0022] 本明細書で使用される場合、「カチオン性対イオン」は、負に帯電したイオンと関連された、任意の有機又は無機の正に帯電したイオンである。カチオン性対イオンの例としては、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、及びマグネシウムが挙げられる。本明細書で使用される場合、「カチオン性部分」は、任意の有機又は無機の正に帯電したイオンである。
[0023] 全体を通して以下の略語が使用される。ヘキサデカン酸(すなわち、パルミチン酸)は「PA」と略される。オクタデカン酸(すなわち、ステアリン酸)は「SA」と略される。テトラデカン酸(すなわち、ミリスチン酸)は「MA」と略される。(9Z)−オクタデセン酸(すなわち、オレイン酸)は「OA」と略される。ドデカン酸(例えば、ラウリン酸)は「LA」と略される。ウンデカン酸(例えば、ウンデシル酸)は「UA」と略される。デカン酸(例えば、カプリン酸)は「CA」と略される。1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イルパルミタート(すなわち、2−グリセリルパルミタート)は「PA−2G」と略される。1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イルオクタデカノアート(すなわち、2−グリセリルステアラート)は「SA−2G」と略される。1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イルテトラデカン酸(すなわち、2−グリセリルミリスタート)は「MA−2G」と略される。1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル(9Z)−オクタデセノアート(すなわち、2−グリセリルオレアート)は「OA−2G」と略される。2,3−ジヒドロキシプロパン−1−イルパルミタート(すなわち、1−グリセリルパルミタート)は「PA−1G」と略される。2,3−ジヒドロキシプロパン−1−イルオクタデカノアート(すなわち、1−グリセリルステアラート)は「SA−1G」と略される。2,3−ジヒドロキシプロパン−1−イルテトラデカノアート(すなわち、1−グリセリルミリスタート)は「MA−1G」と略される。2,3−ジヒドロキシプロパン−1−イル(9Z)−オクタデセノアート(すなわち、1−グリセリルオレアート)は「OA−1G」と略される。2,3−ジヒドロキシプロパン−1−イルドデカノアート(すなわち、1−グリセリルラウラート)は「LA−1G」と略される。2,3−ジヒドロキシプロパン−1−イルウンデカノアート(すなわち、1−グリセリルウンデカノアート)は「UA−1G」と略される。2,3−ジヒドロキシプロパン−1−イルデカノアート(すなわち、1−グリセリルカプラート)は「CA−1G」と略される。ステアリン酸のナトリウム塩は「SA−Na」と略される。ミリスチン酸のナトリウム塩は「MA−Na」と略される。パルミチン酸のナトリウム塩は「PA−Na」と略される。ステアリン酸のカリウム塩は「SA−K」と略される。ミリスチン酸のカリウム塩は「MA−K」と略される。パルミチン酸のカリウム塩は「PA−K」と略される。ステアリン酸のカルシウム塩は「(SA)−Ca」と略される。ミリスチン酸のカルシウム塩は「(MA)−Ca」と略される。パルミチン酸のカルシウム塩は「(PA)−Ca」と略される。ステアリン酸のマグネシウム塩は「(SA)−Mg」と略される。ミリスチン酸のマグネシウム塩は「(MA)−Mg」と略される。パルミチン酸のマグネシウム塩は「(PA)−Mg」と略される。
詳細な説明
[0024] 品物の分解を最小限にし、品物の視覚的、触感的、及び栄養的な魅力を維持するために、一般的に、ガス置換包装(Modified Atmosphere Packaging)(MAP)が、収穫作物などの腐りやすい品物、例えば消費者による購入の前に商品棚にある品物の貯蔵に使用される。腐りやすい品物が時間と共に質量及び水を損失する速度を最小限にし、それにより、貯蔵及び/又は出荷後に販売される際に品物が許容可能な品質を有することを可能にするために、適切な材料選択及びパッケージ設計によって、高い内部相対湿度を維持するようにMAP容器及びパッケージを最適化することができる。またMAP容器及びパッケージは、品物の熟成速度を低下させ、それにより、損傷の発生をさらに遅らせるために、腐りやすい品物が貯蔵中に十分に冷却されるのを可能にするように設計することもできる。
[0025] 以下の表1は、作物(例えば、新鮮な果物及び野菜)の長期貯蔵のための推奨相対湿度(RH)を含む、推奨される業界標準条件を編集したものである。表1に示されるように、実質的に全ての種類の一般作物のための貯蔵中の推奨相対湿度は少なくとも85%であり、通常は少なくとも95%である。ほとんどの種類の作物のための推奨貯蔵条件は、貯蔵中の作物からの質量損失を防止することと、収穫後の病原体の増殖リスクを最小限にすることとの間の妥協を表す。具体的には、ほとんどの作物品目は、貯蔵中の質量損失を最小限にするために、ほぼ飽和した環境(例えば、少なくとも95%のパッケージ内相対湿度)から利益を得るであろう。しかしながら、特に、作物の表面上又は作物が貯蔵される任意のパッケージ内で結露が発生する場合、或いは高パッキング密度又は作物の取扱いに起因して作物がその表面にダメージを受ける場合、このような高いRHレベルは、真菌及び他の収穫後の病原体(例えば、カビ、細菌)の増殖を促進する環境を作り出し得る。さらに、貯蔵容器全体にわたってこのように高いレベルで相対湿度を正確に制御するのは困難であることがあり、したがって、局所的なRHの変動は、結露発生のリスクをさらに悪化させ得る。
Figure 2021534041
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[0027] 図1は、上記の表1に従う相対湿度レベルにおいて収穫作物などの腐りやすい品物を貯蔵するための容器100の図である。容器100は、材料構造110及びフタ130から構成されるエンクロージャ102を含む。いくつかの実施において、材料構造110は剛性又は半剛性構造である。材料構造110は、貯蔵するように容器が構成された腐りやすい品物(図示せず)のいずれかが通過し得るのを可能にするために十分に大きい第1の開口112を含み、したがって、第1の開口を通して腐りやすい品物を容器に挿入することができる。腐りやすい品物が容器内にある場合、容器は、フタ130を第1の開口112の上に付加する(例えば、密封する又は締め付ける)ことによって閉鎖される。図1は、フタ130が容器の残りの部分から取外し可能であると示しているが、いくつかの実施形態では、フタは容器の残りの部分に取り付けられており、開放位置から閉鎖位置へ揺動又は屈曲することができる。いくつかの実施形態では、フタ130は、第1の開口112の上を密封する(例えば、接着剤又は熱により)ことができるプラスチック又はホイルなどの可撓性材料から形成される。いくつかの実施形態では、フタは再密封可能である。いくつかの実施形態では、フタは、材料構造110と同じ材料から形成される。いくつかの実施形態では、フタは省略され、腐りやすい品物が容器内に置かれたら、取り囲まれた腐りやすい品物をエンクロージャが包囲するような方法で材料構造を折り畳む、変形させる、又は成形することができるように、材料構造110は可撓性材料から形成される。いくつかの実施形態では、材料構造130を形成する材料は、プラスチック、ポリカーボネート(PC)、又はポリエチレン(PET)を含む。いくつかの実施形態では、材料構造の材料は、水、酸素、及び/又は二酸化炭素に対して不透過性である。容器100の底又はフットプリントは、円形、楕円形、正方形、及び矩形を含むがこれらに限定されない、様々な形状で製造することができる。
[0028] 本明細書で使用される場合、「剛性又は半剛性」構造は、その構造が腐りやすい品物で充填されている間にその形状が実質的に変更又は変形されず、構造の側面に他の外力が加えられないように十分に剛性である構造である。そのため、メッシュサックは腐りやすい品物で充填されるにつれてその形状が変化するので剛性又は半剛性構造ではないが、硬質プラスチックで作られた容器は、容器が腐りやすい品物で充填されたときに容器の形状が実質的に変化しないようにプラスチックが十分に厚ければ剛性又は半剛性であり得る。
[0029] エンクロージャ102は複数の第2の開口114も含み、第2の開口114のそれぞれは、容器内に貯蔵される腐りやすい品物のいずれかが通過し得るのを防止するために十分に小さい。したがって、フタ130が第1の開口112を被覆している容器100内に腐りやすい品物が貯蔵されている間、腐りやすい品物は容器100から落ちることができない。図1は完全に材料構造110の側面に形成された第2の開口114を示すが、第2の開口は、材料構造の底又はフタ130に形成することもできる。
[0030] 既に記載したように、収穫作物などの腐りやすい品物を容器100内で貯蔵している間、その熟成速度を低下させ、それにより、損傷の発生をさらに遅延するために、品物を冷却することは有益であり得る。品物の冷却は、複数の第2の開口114を通して、対流冷却によって達成することができる。すなわち、貯蔵される腐りやすい品物を冷却するために、第2の開口114を通して冷たい空気又はガスを吹き込むか、又は他の方法で取り込むことができる。容器100を低温貯蔵庫(例えば、冷蔵装置)内に置くことによって品物が冷却される場合、冷却中の容器内の相対湿度は、通常、少なくとも90%の相対湿度であり得る低温貯蔵庫環境(例えば、冷蔵装置内の環境)内の相対湿度に近づく。
[0031] 容器100内に貯蔵される品物の冷却効率は、腐りやすい品物が貯蔵される領域を通る対流的な空気の流れを改善するために、エンクロージャ102の総面積(すなわち、貯蔵される品物を取り囲む表面の総面積)に対する第2の開口114の全ての集合的な面積の比率を最大化することによって最大化される。しかしながら、容器及び貯蔵される腐りやすい品物が低温貯蔵庫から取り出されて周囲環境に置かれた後、エンクロージャの総面積に対する開口114の面積の比率が大きいと、水蒸気(貯蔵される腐りやすい品物から逃れる蒸気を含む)が容器の内部からより容易に逃げることができるので、腐りやすい品物を含有する領域内の相対湿度は低下することになる。これにより、次に、貯蔵される品物はより高速で質量を損失し、より急速に分解するようになる。したがって、図1の容器100において、エンクロージャ102の総面積に対する第2の開口114の全ての集合的な面積の比率は小さくされ、例えば、0.2未満、0.18未満、0.16未満、0.14未満、0.12未満、0.1未満、0.08未満、0.05未満、0.03未満、0.02未満、0.01未満、0.008未満、0.005未満、0.003未満、0.002未満、0.001未満、0.0008未満、又は0.0005未満にされ得る。
[0032] 図2は、収穫作物などの腐りやすい品物の貯蔵に適した別の容器200の図である。容器200は、開口214の集合的な面積が容器100の開口114の集合的な面積よりも大きい(例えば、エンクロージャの単位面積あたりの開口の総数が多い、及び/又は個々の開口がより大きい面積を有する)ことを除いて、図1の容器100と同じである。したがって、図2のエンクロージャ202の総面積に対する第2の開口214の全ての集合的な面積の比率は、図1の容器100の対応する比率よりも大きい。例えば、容器200の場合、エンクロージャ202の総面積に対する第2の開口214の全ての集合的な面積の比率は、0.002超、0.004超、0.006超、0.008超、0.01超、0.012超、0.014超、0.016超、0.018超、0.02超、0.025超、0.03超、0.035超、0.04超、0.045超、0.05超、0.06超、0.07超、0.08超、0.09超、0.1超、0.11超、0.12超、0.13超、0.14超、0.15超、0.16超、0.17超、0.18超、0.19超、0.2超、0.21超、0.22超、0.23超、0.24超、又は0.25超であり得る。さらに、エンクロージャ202の総面積に対する第2の開口214の全ての集合的な面積の比率は、0.95未満、0.94未満、0.93未満、0.92未満、0.91未満、0.9未満、0.88未満、0.86未満、0.84未満、0.82未満、0.8未満、0.78未満、0.76未満、0.74未満、0.72未満、0.7未満、0.68未満、0.66未満、0.64未満、0.62未満、0.6未満、0.55未満、又は0.5未満であり得る。いくつかの実施形態では、開口214は、実質的に矩形、円形、又は楕円形である。すなわち、その形状はそれぞれ、矩形、円形、又は楕円形の形状と同一又は同様である。
[0033] 水/質量損失による分解に対して感受性が高い、作物などの従来の腐りやすい品物を貯蔵するために容器200が使用されると、貯蔵中のパッケージ内相対湿度は表1で推奨されるよりも低い可能性があり、したがって、腐りやすい品物はより高速で質量を損失し、そのためより急速に分解するであろう。例えば、パッケージの総面積に対する開口の集合的な面積の特定の比率に応じて、貯蔵中のパッケージ内相対湿度は、95%未満、90%未満、85%未満、80%未満、75%未満、70%未満、65%未満、60%未満、55%未満、50%未満、45%未満、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%、又は5%未満であり得るか、或いは約40%〜約90%、約45%〜約90%、約50%〜約90%、約55%〜約90%、約60%〜約90%、約65%〜約90%、約70%〜約90%、約75%〜約90%、約80%〜約90%、約40%〜約85%、約45%〜約85%、約50%〜約85%、約55%〜約85%、約60%〜約85%、約65%〜約85%、約70%〜約85%、約75%〜約85%、約80%〜約85%、約40%〜約80%、約45%〜約80%、約50%〜約80%、約55%〜約80%、約60%〜約80%、約65%〜約80%、約70%〜約80%、約40%〜約75%、約45%〜約75%、約50%〜約75%、約55%〜約75%、約60%〜約75%、又は約65%〜約75%の範囲の相対湿度であり得る。
[0034] このように低いパッケージ内相対湿度は多数の従来の腐りやすい品物に悪影響を与え得るが、水の損失に対するバリアの役割を果たし、そのために腐りやすい品物の質量及び/又は水の損失速度を低下させる保護コーティングによって、腐りやすい品物が貯蔵前にコーティングされれば、コーティングされた腐りやすい品物は貯蔵中もその質量を維持することができ、より高い相対湿度で保持される従来の(コーティングされていない)腐りやすい品物と同程度に長く持続し得る。実際、より高い湿度条件はカビ、真菌、及び細菌などの病原体の増殖を促進することができ、これは、特に高パッケージ密度では腐りやすい品物の損傷も引き起こすので、多くの場合、容器200内に貯蔵される(より低い相対湿度で)コーティングされた腐りやすい品物の平均貯蔵寿命は、同じ温度で容器100内に貯蔵される同様の腐りやすい品物(コーティングされている又はコーティングされていない)よりも長い。
[0035] いくつかの実施形態では、容器100又は200内に貯蔵される作物又は他の腐りやすい品物は、水/質量損失による分解に対してあまり感受性が高くない可能性がある。しかしながら、品物の熟成速度を低下させ、損傷前のその寿命を長くするために、腐りやすい品物の呼吸速度(すなわち、品物の単位質量あたりのCOが生成される速度)を最小限にすることが望ましいことがある。これらの場合、腐りやすい品物がコーティングされていなければ、容器内の開口の面積がより小さい(容器100などの場合)と、より多くのCOが貯蔵中に容器内に捕捉されたままなので、呼吸速度がより低くなる。しかしながら、前述の理由と同じ理由で、開口の面積がより小さい場合には、容器内の相対湿度もより高く、これはカビ発生の速度を増大させ得る。
[0036] 腐りやすい品物が、品物の呼吸速度を低下させる保護コーティング(例えば、COに対する透過性が低いコーティング)によってコーティングされると、品物の寿命は、より大きい面積の開口を有する(容器200などの場合)容器内で貯蔵することによって最大化され得る。これは、容器内のCOの周囲濃度がより低いにもかかわらず、品物から周囲環境へのCOの移動を低減することによって保護コーティングが品物の呼吸速度を低く保持するので、品物の呼吸速度が低いままであるからである。さらに、より大きい面積の穴は容器内の相対湿度を低下させ、これは、カビ発生の速度を低下させることができる。腐りやすい品物が水/質量損失による分解に対してあまり感受性が高くない場合、保護コーティングが水/質量損失に対するバリアとしての働きをしないとしても、低相対湿度は水/質量損失による損傷の速度に実質的に影響を与えない。
[0037] 上記のことを考慮して、(a)品物の質量損失の速度を低下させるコーティングを品物上に形成し、大きい開口面積を有する容器200などの容器内で品物を貯蔵する;(b)品物の呼吸速度を低下させるコーティングを品物上に形成し、大きい開口面積を有する容器200などの容器内で品物を貯蔵する;又は(c)品物の呼吸速度及び質量損失速度の両方を低下させるコーティングを品物上に形成し、大きい開口面積を有する容器200などの容器内で品物を貯蔵することによって、腐りやすい品物の損傷速度は低下され得る。さらに、容器200内に貯蔵されたコーティングされた腐りやすい品物が、品物を含む容器200を低温貯蔵庫内に配置することによって冷却されると、低温貯蔵庫環境における相対湿度は、従来のレベルよりも低い、例えば、90%未満、85%未満、80%未満、75%未満、70%未満、65%未満、60%未満、55%未満、50%未満、45%未満、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、又は5%未満であるように設定され得る。容器200内に貯蔵される腐りやすい品物へ適用するのに適した保護コーティング、及びコーティングの適用方法は、以下により詳細に記載される。
[0038] 図3は、腐りやすい品物(例えば、作物)を貯蔵のために調製し、その後、質量/水の損失速度及び/又は呼吸速度が最小限にされ、同時にカビ、真菌、又は細菌などの生物的ストレス要因による損傷速度が低減されるように腐りやすい品物を貯蔵するためのプロセス300を説明する。最初に、コーティング剤の固体混合物(例えば、モノマー及び/又はオリゴマー、及び/又はポリマー単位の組成物)が溶媒(例えば、エタノール、メタノール、アセトン、イソプロパノール、酢酸エチル、水、又はこれらの組合せ)中に溶解又は懸濁されて、溶液又は懸濁液が形成される(ステップ302)。いくつかの実施形態では、溶液/懸濁液中にクエン酸などの消毒剤が含まれる。溶媒中のコーティング剤の濃度は、例えば、約0.1〜200mg/mLの範囲であり得る。次に、例えば作物/品物をスプレーコーティングするか、又は作物/品物を溶液/懸濁液中に浸漬することによって、コーティング剤を含む溶液/懸濁液が、コーティングすべき作物又は他の腐りやすい品物の表面全体に適用される(ステップ304)。スプレーコーティングの場合、溶液/懸濁液は、例えば、細かいミストスプレーを発生させるスプレーボトル内に入れることができる。次に、スプレーボトルヘッドは適切な距離、例えば作物/品物から約3〜12インチに保持され、そして作物/品物がスプレーされ得る。ディップコーティングの場合、作物/品物は例えばバッグ内に入れることができ、コーティング剤を含有する溶液/懸濁液がバッグ内に注がれ、そしてバッグが密封され、その内容物は、作物/品物の表面が完全に濡れるまで軽くタンブル又は攪拌される。溶液/懸濁液が作物/品物に適用された後、作物/品物は、溶媒が少なくとも部分的に蒸発するまで乾燥させられ、それにより、コーティング剤の成分(例えば、モノマー及び/又はオリゴマー及び/又はポリマー単位)で構成される保護コーティングが作物/品物の表面全体に形成できるようになる(ステップ306)。最後に、コーティングされた作物/品物は、作物/品物がコーティングされていなければ十分に低い水/質量損失速度及び/又は呼吸速度を可能にするために本来必要とされ得るよりも低減された相対湿度及び/又は周囲CO濃度において、図2の容器内に貯蔵される(ステップ308)。任意選択的に、貯蔵中、腐りやすい品物は冷却され得る。いくつかの実施形態では、冷却は、図2の容器200の開口214を通して対流により達成される。
[0039] プロセス300のプロセスステップ302、304、306、308、及び310(図3)、並びにその関連の加工剤及び得られるコーティングは、これからさらに詳細に記載される。溶媒に添加されるコーティング剤(ステップ302)は、複数のモノマー、オリゴマー、ポリマー、脂肪酸、エステル、トリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリド、アミド、アミン、チオール、チオエステル、カルボン酸、エーテル、脂肪族ワックス、アルコール、塩(無機塩又は有機塩、例えば脂肪酸塩)、酸、塩基、タンパク質、酵素、又はこれらの組合せを含むことができる。したがって、得られる保護コーティングは、個々に又はコーティング中で組み合わせられる比率のいずれかにおいて腐りやすい品物上に天然には存在しない成分から形成され得る。
[0040] モノマー、オリゴマー、ポリマー、脂肪酸、エステル、トリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリド、アミド、アミン、チオール、チオエステル、カルボン酸、エーテル、脂肪族ワックス、アルコール、塩(無機塩又は有機塩、例えば脂肪酸塩)、酸、塩基、タンパク質、酵素、又はこれらの組合せの特定の組成物は、結果として腐りやすい品物の上に形成される(ステップ306の間に)コーティングが産物のクチクラ層を模倣又は強化するように配合され得る。バイオポリエステルクチンは、大部分の陸上植物の空中の表面を構成するクチクラの主要構造成分を形成する。クチクラ層は、重合モノヒドロキシ及び/又はポリヒドロキシ脂肪酸及びエステルと、埋め込まれたクチクラワックスとの混合物から形成される。クチクラ層のヒドロキシ脂肪酸及びエステルは、高い架橋密度で強固に結合したネットワークを形成する。この架橋ネットワークは、埋め込まれたクチクラワックスと組み合わせて、水分損失及び酸化に対するバリアの役割を果たすと共に、他の環境ストレス要因に対する保護を提供する。
[0041] モノマー、オリゴマー、ポリマー、脂肪酸、エステル、トリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリド、アミド、アミン、チオール、チオエステル、カルボン酸、エーテル、脂肪族ワックス、アルコール、塩(無機塩又は有機塩、例えば脂肪酸塩)、酸、塩基、タンパク質、酵素、又はこれらの組合せは、植物物質から、特に植物物質から得られるクチンから抽出又は誘導され得る。植物物質は、通常、クチンを含有する、及び/又は高密度のクチンを有するいくつかの部分(例えば、果実の皮、葉、シュートなど)と、クチンを含有しない、又は低密度のクチンを有する他の部分(例えば、果肉、種子など)とを含む。クチン含有部分は、モノマー及び/又はオリゴマー及び/又はポリマー単位から形成可能であり、これらは次に、農産物の表面全体にコーティングを形成するために、本明細書に記載される製剤において利用される。クチン含有部分は、非ヒドロキシル化脂肪酸及びエステル、タンパク質、多糖類、フェノール、リグナン、芳香族酸、テルペノイド、フラボノイド、カロテノイド、アルカロイド、アルコール、アルカン、及びアルデヒドなどの他の構成要素も含むことができ、これらは、製剤中に含まれていてもよいし、又は除外されてもよい。
[0042] モノマー、オリゴマー、ポリマー、又はこれらの組合せは、まず、コーティング剤のために望ましい分子(又はコーティング剤において使用するために容易に修飾され得る分子)を含む植物の部分を、所望の分子を含まない部分から分離する(又は少なくとも部分的に分離する)ことによって得ることができる。例えば、コーティング剤組成物の原料としてクチンを利用する場合、植物物質のクチン含有部分は、非クチン含有部分から分離され(又は少なくとも部分的に分離され)、クチン含有部分からクチンが得られる(例えば、クチン含有部分が果実の皮である場合、クチンは皮から分離される)。得られた植物の部分(例えば、クチン)は次に、複数の脂肪酸又はエステル化クチンモノマー、オリゴマー、ポリマー(例えば、低分子量ポリマー)、又はこれらの組合せを含む混合物を得るために脱重合される(又は少なくとも部分的に脱重合される)。クチン由来のモノマー、オリゴマー、ポリマー、又はこれらの組合せは、溶媒中に直接溶解又は懸濁させて、コーティングの形成において使用される溶液/懸濁液を形成することができる。或いは代替的に、まず活性化又は化学修飾(例えば、官能基化)することもできる。化学修飾又は活性化は、例えば、モノマー、オリゴマー、ポリマー、又はこれらの組合せをエステル化(例えば、グリセラート化)して、1−モノアシルグリセリド及び/又は2−モノアシルグリセリドの混合物を形成することを含むことができ、1−モノアシルグリセリド及び/又は2−モノアシルグリセリドの混合物を溶媒中に溶解/懸濁させて溶液/懸濁液を形成し、それにより、保護コーティングの調製のために図3のステップ302で形成される製剤が得られる。
[0043] いくつかの実施において、コーティング剤は、脂肪酸、エステル、トリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリド(すなわち、モノアシルグリセリド)、アミド、アミン、チオール、チオエステル、カルボン酸、エーテル、脂肪族ワックス、アルコール、塩(無機塩又は有機塩、例えば脂肪酸塩)、酸、塩基、タンパク質、酵素、又はこれらの組合せを含む。いくつかの実施において、コーティング剤は、2016年9月15日に出願された「分子コーティングのための前駆体化合物(Precursor Compounds for Molecular Coatings)」という表題の米国特許出願第15/330,403号(米国特許出願公開第2017/0073532号として公開)(その開示は参照によってその全体が本明細書中に援用される)に記載されるものと実質的に類似又は同一であり得る。いくつかの実施において、コーティング剤は、式I:
Figure 2021534041
(式中、
Rは、−H、−グリセリル、−C〜Cアルキル、−C〜Cアルケニル、−C〜Cアルキニル、−C〜Cシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリールは、ハロゲン(例えば、Cl、BR、又はI)、ヒドロキシル、ニトロ、−CN、−NH、−SH、−SR15、−OR14、−NR1415、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、又はC〜Cアルキニルから選択される1つ又は複数の基によって任意選択的に置換されており;
、R、R、R、R、R10、R11、R12及びR13は、各出現においてそれぞれ独立して、−H、−(C=O)R14、−(C=O)H、−(C=O)OH、−(C=O)OR14、−(C=O)−O−(C=O)R14、−O(C=O)R14、−OR14、−NR1415、−SR14、ハロゲン、−C〜Cアルキル、−C〜Cアルケニル、−C〜Cアルキニル、−C〜Cシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールは、1つ又は複数の−OR14、−NR1415、−SR14、又はハロゲンによって任意選択的に置換されており;
、R、R及びRは、各出現においてそれぞれ独立して、−H、−OR14、−NR1415、−SR14、ハロゲン、−C〜Cアルキル、−C〜Cアルケニル、−C〜Cアルキニル、−C〜Cシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールは、−OR14、−NR1415、−SR14、又はハロゲンによって任意選択的に置換されているか;或いは
及びRは、これらが結合する炭素原子と合わせて、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、又は3員〜6員複素環を形成することができ;及び/又は
及びRは、これらが結合する炭素原子と合わせて、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、又は3員〜6員複素環を形成することができ;
14及びR15は、各出現においてそれぞれ独立して、−H、−C〜Cアルキル、−C〜Cアルケニル、又は−C〜Cアルキニルであり;
記号
Figure 2021534041
は、単結合又はシス若しくはトランス二重結合を表し;
nは、0、1、2、3、4、5、6、7、又は8であり;
mは、0、1、2、又は3であり;
qは、0、1、2、3、4、又は5であり;並びに
rは、0、1、2、3、4、5、6、7、又は8である)
の1つ又は複数の化合物を含むことができる。
[0044] いくつかの実施形態では、Rは−H、−CH、又は−CHCHである。
[0045] いくつかの実施において、コーティング剤は、モノアシルグリセリド(例えば、1−モノアシルグリセリド又は2−モノアシルグリセリド)エステル及び/又はモノマー及び/又はオリゴマー及び/又はそれらから形成される低分子量ポリマーを含む。1−モノアシルグリセリドと2−モノアシルグリセリドとの違いは、グリセロールエステルの結合点である。したがって、いくつかの実施形態では、コーティング剤は、式I−A:
Figure 2021534041
(式中、
各Rは独立して、−H又は−C〜Cアルキルであり;
各Rは独立して、−H、−C〜Cアルキル、又は−OHから選択され;
、R、R、R、R、R10、R11、R12及びR13は、各出現においてそれぞれ独立して、−H、−OR14、−NR1415、−SR14、ハロゲン、−C〜Cアルキル、−C〜Cアルケニル、−C〜Cアルキニル、−C〜Cシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールは、1つ又は複数の−OR14、−NR1415、−SR14、又はハロゲンによって任意選択的に置換されており;
、R、R、及びRは、各出現においてそれぞれ独立して、−H、−OR14、−NR1415、−SR14、ハロゲン、−C〜Cアルキル、−C〜Cアルケニル、−C〜Cアルキニル、−C〜Cシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールは、1つ又は複数の−OR14、−NR1415、−SR14、又はハロゲンによって任意選択的に置換されているか;或いは
及びRは、これらが結合する炭素原子と合わせて、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、又は3員〜6員複素環を形成することができ;及び/又は
及びRは、これらが結合する炭素原子と合わせて、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、又は3員〜6員複素環を形成することができ;
14及びR15は、各出現においてそれぞれ独立して、−H、−C〜Cアルキル、−C〜Cアルケニル、又は−C〜Cアルキニルであり;
記号
Figure 2021534041
は、単結合又はシス若しくはトランス二重結合を表し;
nは、0、1、2、3、4、5、6、7又は8であり;
mは、0、1、2又は3であり;
qは、0、1、2、3、4又は5であり;並びに
rは、0、1、2、3、4、5、6、7又は8である)
の化合物(例えば、2−モノアシルグリセリド)を含む。
[0046] いくつかの実施において、コーティング剤は、式I−B:
Figure 2021534041
(式中、
各Rは独立して、−H又は−C〜Cアルキルであり;
各Rは独立して、−H、−C〜Cアルキル、又は−OHから選択され;
、R、R、R、R、R10、R11、R12及びR13は、各出現においてそれぞれ独立して、−H、−OR14、−NR1415、−SR14、ハロゲン、−C〜Cアルキル、−C〜Cアルケニル、−C〜Cアルキニル、−C〜Cシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールは、1つ又は複数の−OR14、−NR1415、−SR14、又はハロゲンによって任意選択的に置換されており;
、R、R、及びRは、各出現においてそれぞれ独立して、−H、−OR14、−NR1415、−SR14、ハロゲン、−C〜Cアルキル、−C〜Cアルケニル、−C〜Cアルキニル、−C〜Cシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールは、1つ又は複数の−OR14、−NR1415、−SR14、又はハロゲンによって任意選択的に置換されているか;或いは
及びRは、これらが結合する炭素原子と合わせて、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、又は3員〜6員複素環を形成することができ;及び/又は
及びRは、これらが結合する炭素原子と合わせて、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、又は3員〜6員複素環を形成することができ;
14及びR15は、各出現においてそれぞれ独立して、−H、−C〜Cアルキル、−C〜Cアルケニル、又は−C〜Cアルキニルであり;
記号
Figure 2021534041
は、単結合又はシス若しくはトランス二重結合を表し;
nは、0、1、2、3、4、5、6、7又は8であり;
mは、0、1、2又は3であり;
qは、0、1、2、3、4又は5であり;並びに
rは、0、1、2、3、4、5、6、7又は8である)
の化合物(例えば、1−モノアシルグリセリド)を含む。
[0047] 本明細書に記載されるコーティング剤のいずれかは、付加的又は代替的に、ナトリウム塩(例えば、SA−Na、PA−Na、又はMA−Na)、カリウム塩(例えば、SA−K、PA−K、MA−K)、カルシウム塩(例えば、(SA)−Ca、(PA)−Ca、又は(MA)−Ca)又はマグネシウム塩(例えば、(SA)−Mg、(PA)−Mg、又は(MA)−Mg)などの脂肪酸塩を含むことができる。したがって、本明細書中のコーティング剤は、式II又は式IIIの1つ又は複数の化合物を含むことができ、ここで、式II及び式IIIは、
Figure 2021534041
であり、各式について:
Xは、カチオン性部分であり;
p+は、電荷状態pを有するカチオン性対イオンであり、pは1、2、又は3であり;
、R、R、R、R、R10、R11、R12及びR13は、各出現においてそれぞれ独立して、−H、−(C=O)R14、−(C=O)H、−(C=O)OH、−(C=O)OR14、−(C=O)−O−(C=O)R14、−O(C=O)R14、−OR14、−NR1415、−SR14、ハロゲン、−C〜Cアルキル、−C〜Cアルケニル、−C〜Cアルキニル、−C〜Cシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールは、1つ又は複数の−OR14、−NR1415、−SR14、又はハロゲンによって任意選択的に置換されており;
、R、R、及びRは、各出現においてそれぞれ独立して、−H、−OR14、−NR1415、−SR14、ハロゲン、−C〜Cアルキル、−C〜Cアルケニル、−C〜Cアルキニル、−C〜Cシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールは、1つ又は複数の−OR14、−NR1415、−SR14、又はハロゲンによって任意選択的に置換されているか;或いは
及びRは、これらが結合する炭素原子と合わせて、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、又は3員〜6員複素環を形成することができ;及び/又は
及びRは、これらが結合する炭素原子と合わせて、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、又は3員〜6員複素環を形成することができ;
14及びR15は、各出現においてそれぞれ独立して、−H、アリール、ヘテロアリール、−C〜Cアルキル、−C〜Cアルケニル、又は−C〜Cアルキニルであり;
記号
Figure 2021534041
は、単結合又はシス若しくはトランス二重結合を表し;
nは、0、1、2、3、4、5、6、7又は8であり;
mは、0、1、2又は3であり;
qは、0、1、2、3、4又は5であり;並びに
rは、0、1、2、3、4、5、6、7又は8である。
[0048] いくつかの実施形態では、コーティング剤は、以下の脂肪酸化合物:
Figure 2021534041
Figure 2021534041
Figure 2021534041
のうちの1つ又は複数を含む。
[0049] いくつかの実施形態では、コーティング剤は、以下のメチルエステル化合物:
Figure 2021534041
Figure 2021534041
Figure 2021534041
Figure 2021534041
のうちの1つ又は複数を含む。
[0050] いくつかの実施形態では、コーティング剤は、以下のエチルエステル化合物:
Figure 2021534041
Figure 2021534041
Figure 2021534041
のうちの1つ又は複数を含む。
[0051] いくつかの実施形態では、コーティング剤は、以下の2−グリセリルエステル化合物:
Figure 2021534041
Figure 2021534041
Figure 2021534041
Figure 2021534041
のうちの1つ又は複数を含む。
[0052] いくつかの実施形態では、コーティング剤は、以下の1−グリセリルエステル化合物:
Figure 2021534041
Figure 2021534041
Figure 2021534041
Figure 2021534041
のうちの1つ又は複数を含む。
[0053] 本明細書中のコーティング剤は、以下の脂肪酸塩(例えば、式II又は式IIIの化合物)のうちの1つ又は複数を含むことができ、ここで、Xはカチオン性対イオンであり、nはカチオン性対イオンの電荷状態(すなわち、プロトン等価電荷(proton-equivalent charge)の数)を表す:
Figure 2021534041
Figure 2021534041
Figure 2021534041
Figure 2021534041
Figure 2021534041
[0054] いくつかの実施形態では、nは1、2、又は3である。いくつかの実施形態では、Xはナトリウム、カリウム、カルシウム、又はマグネシウムである。
[0055] いくつかの実施形態では、コーティング剤は、少なくとも2つの異なる化合物の組合せから形成される。例えば、コーティング剤は、式I−Aの化合物及び添加剤を含むことができる。添加剤は、例えば、式I−Bの飽和若しくは不飽和化合物、飽和若しくは不飽和脂肪酸、エチルエステル、又は式I−Aの(第1の)化合物とは異なる(例えば、異なる長さの炭素鎖を有する)式I−Aの第2の化合物を含むことができる。式I−Aの化合物は、コーティング剤の質量の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、又は少なくとも約90%を構成することができる。式I−Aの化合物及び添加剤の合わせた質量は、コーティング剤の全質量の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、又は少なくとも約90%であり得る。コーティング剤中の添加剤の式I−Aの化合物に対するモル比は、0.1〜5の範囲、例えば、約0.1〜約4、約0.1〜約3、約0.1〜約2、約0.1〜約1、約0.1〜約0.9、約0.1〜約0.8、約0.1〜約0.7、約0.1〜約0.6、約0.1〜約0.5、約0.15〜約5、約0.15〜約4、約0.15〜約3、約0.15〜約2、約0.15〜約1、約0.15〜約0.9、約0.15〜約0.8、約0.15〜約0.7、約0.15〜約0.6、約0.15〜約0.5、約0.2〜約5、約0.2〜約4、約0.2〜約3、約0.2〜約2、約0.2〜約1、約0.2〜約0.9、約0.2〜約0.8、約0.2〜約0.7、約0.2〜約0.6、約0.2〜約0.5、約0.3〜約5、約0.3〜約4、約0.3〜約3、約0.3〜約2、約0.3〜約1、約0.3〜約0.9、約0.3〜約0.8、約0.3〜約0.7、約0.3〜約0.6、約0.3〜約0.5、約1〜約5、約1〜約4、約1〜約3、又は約1〜約2の範囲であり得る。コーティング剤は、例えば、以下の表2に記載される式I−Aの化合物及び添加剤の組合せの1つから形成され得る。
Figure 2021534041
[0057] いくつかの実施形態では、コーティング剤は、以下の表3に記載される化合物の組合せの1つから形成される。
Figure 2021534041
[0059] 上記の表3において見られるように、コーティング剤は第1の成分及び第2の成分を含むことができ、ここで、第1の成分は式I−Bの化合物であり、第2の成分は、脂肪酸、脂肪酸塩、又は式I−B(第1の)化合物とは異なる式I−Bの第2の化合物である。式I−Bの化合物は、コーティング剤の質量の少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、又は少なくとも約90%を構成することができる。第1の成分及び第2の成分の合わせた質量は、コーティング剤の全質量の少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%又は少なくとも約95%であり得る。
[0060] ここでプロセス300のステップ304及び306(図3)を参照して、コーティング剤を溶媒に添加して溶液又は懸濁液を形成した後、作物片又は他の農産物片の表面全体に保護コーティングを形成するために、溶液/懸濁液が表面全体に適用され、コーティング剤の成分から保護コーティングが形成される。既に記載されたように、溶液/懸濁液は、例えば、作物又は農産物を溶液/懸濁液中に浸漬することによって、或いは溶液/懸濁液を表面全体にスプレーすることによって、表面に適用することができる。次に、例えば、溶媒を蒸発させる又は少なくとも部分的に蒸発させることにより、作物又は農産物の表面から溶媒が除去される。いくつかの実施形態では、作物の表面から溶媒を少なくとも部分的に除去する行為は、作物の表面から溶媒の少なくとも90%を除去することを含み得る。溶媒が除去される(例えば、蒸発される)につれて、コーティング剤は作物又は農産物の表面で再凝固して、表面全体に保護コーティングを形成する。場合により、コーティング剤のモノマー、オリゴマー、ポリマー(例えば、低分子量ポリマー)、又はこれらの組合せは、表面から溶媒が除去される間に、コーティングが形成されるにつれて架橋する。得られた保護コーティングは次に、農産物からの水の損失に対するバリアとして、農産物の酸化に対するバリアとしての働きをすることができ、及び/又は農産物の呼吸速度を低下させることができ、それにより、生物的及び/又は非生物的ストレス要因から作物又は農産物を保護することができる。
[0061] 厚さ、モノマー/オリゴマー/ポリマーの架橋密度、及び透過性などのコーティングの特性は、コーティング剤の特定の組成、溶媒の特定の組成、溶媒中のコーティング剤の濃度、及びコーティング付着プロセスの条件(例えば、溶媒が除去される前に作物又は農産物の表面に溶液が適用される時間、付着プロセスの間の温度、スプレーヘッドとサンプルとの間のスタンドオフ距離、及びスプレー角度)を調整することによって、特定の農産物に適するように変更することができる。例えば、短すぎる適用時間は薄すぎる保護コーティングの形成をもたらし、長すぎる適用時間は、溶媒による作物又は農産物ダメージをもたらし得る。したがって、溶液/懸濁液は、約1〜約3,600秒間、例えば、1〜3000秒間、1〜2000秒間、1〜1000秒間、1〜800秒間、1〜600秒間、1〜500秒間、1〜400秒間、1〜300秒間、1〜250秒間、1〜200秒間、1〜150秒間、1〜125秒間、1〜100秒間、1〜80秒間、1〜60秒間、1〜50秒間、1〜40秒間、1〜30秒間、1〜20秒間、1〜10秒間、約5〜約3000秒間、約5〜約2000秒間、約5〜約1000秒間、約5〜約800秒間、約5〜約600秒間、約5〜約500秒間、約5〜約400秒間、約5〜約300秒間、約5〜約250秒間、約5〜約200秒間、約5〜約150秒間、約5〜約125秒間、約5〜約100秒間、約5〜約80秒間、約5〜約60秒間、約5〜約50秒間、約5〜約40秒間、約5〜約30秒間、約5〜約20秒間、約5〜約10秒間、約10〜約3000秒間、約10〜約2000秒間、約10〜約1000秒間、約10〜約800秒間、約10〜約600秒間、約10〜約500秒間、約10〜約400秒間、約10〜約300秒間、約10〜約250秒間、約10〜約200秒間、約10〜約150秒間、約10〜約125秒間、約10〜約100秒間、約10〜約80秒間、約10〜約60秒間、約10〜約50秒間、約10〜約40秒間、約10〜約30秒間、約10〜約20秒間、約20〜約100秒間、約100〜約3,000秒間、又は約500〜約2,000秒間にわたって作物又は農産物の表面に適用され得る。
[0062] さらに、溶媒中のコーティング剤の濃度は、例えば、0.1〜200mg/mL又は約0.1〜約200mg/mLの範囲、例えば、約0.1〜約100mg/mL、約0.1〜約75mg/mL、約0.1〜約50mg/mL、約0.1〜約30mg/mL、約0.1〜約20mg/mL、約0.5〜約200mg/mL、約0.5〜約100mg/mL、約0.5〜約75mg/mL、約0.5〜約50mg/mL、約0.5〜約30mg/mL、約0.5〜約20mg/mL、1〜200mg/mL、1〜100mg/mL、1〜75mg/mL、1〜50mg/mL、1〜30mg/mL、約1〜約20mg/mL、約5〜約200mg/mL、約5〜約100mg/mL、約5〜約75mg/mL、約5〜約50mg/mL、約5〜約30mg/mL、又は約5〜約20mg/mLの範囲であり得る。
[0063] 本明細書に記載されるコーティング剤から形成される保護コーティングは、食用コーティングであり得る。保護コーティングはヒトの目には実質的に検出不能であり、無臭及び/又は無味であり得る。保護コーティングは、約0.1ミクロン〜約300ミクロンの範囲、例えば、約0.5ミクロン〜約100ミクロン、約1ミクロン〜約50ミクロン、約0.1ミクロン〜約1ミクロン、約0.1ミクロン〜約2ミクロン、約0.1ミクロン〜約5ミクロン、又は約0.1ミクロン〜約10ミクロンの範囲の平均厚さを有することができる。保護コーティングは、5ミクロン未満、4ミクロン未満、3ミクロン未満、2ミクロン未満、1ミクロン未満、0.5ミクロン未満、又は0.3ミクロン未満の厚さを有することができる。いくつかの実施において、保護コーティングは完全に有機である(化学的な意味ではなく、農業的な意味で有機である)。いくつかの実施形態では、腐りやすい品物は、表1に記載される種類の作物の1つである。いくつかの実施形態では、作物は、皮の薄い果実又は野菜である。例えば、作物は、ベリー又はブドウであり得る。いくつかの実施形態では、作物は、カットした果実の表面(例えば、カットしたリンゴの表面)を含むことができる。
[0064] 本明細書に記載されるコーティング剤から形成される保護コーティングは、いくつかの目的を果たすことができる。例えば、保護コーティングは、冷蔵しなくても作物又は他の農産物の貯蔵期間を延ばすことができる。さらに、作物及び他の農産物は、より高い相対湿度と比較してより低い相対湿度(例えば、90%よりも低い相対湿度)で維持された場合に、より低い相対湿度では水分蒸発の駆動力が増大されるので、より高速で質量を損失する(水の損失に起因して)傾向がある。したがって、保護コーティングは、より低い相対湿度においても作物又は農産物の質量損失速度を低下させるように配合され得る。例えば、保護コーティングは作物又は他の農産物の質量損失速度を(コーティングされていない類似の産物と比較して)少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも100%、少なくとも125%、少なくとも150%、又は少なくとも200%低下させることができる。代替的又は付加的に、保護コーティングは、作物又は農産物の呼吸速度(すなわち、品物の単位質量あたりのCOが生成される速度)を低下させるように配合され得る。例えば、保護コーティングは作物又は他の農産物の呼吸速度を(コーティングされていない類似の産物と比較して)少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも100%、少なくとも125%、少なくとも150%、又は少なくとも200%低下させることができる。
[0065] ここでプロセス300のステップ308(図3)を参照して、作物又は他の腐りやすい品物の上にコーティングを形成した後、コーティングされた作物/品物は、多くの場合長期間にわたって、図2の容器200内で貯蔵される。腐りやすい品物は、容器200の内部容積の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、又は少なくとも70%を占有することができる。本明細書で使用される場合、1つ又は複数の品物が占有する容器の内部容積のパーセントは、容器内の品物全ての累積容積を容器の全内部容積で割ったもの(百分率で表される)を指す。したがって、容器の内部容積に適合することができる最大量の品物を貯蔵する容器の場合、品物は通常、品物のそれぞれの間の空間のために実質的に容器の内部容積の100%未満を占有し得る。
[0066] 任意選択的に、貯蔵の間、腐りやすい品物は、例えば、容器200の複数の開口214を通して対流による冷却もされる(ステップ310)。いくつかの実施形態では、腐りやすい品物が冷却されている間、又は腐りやすい品物が冷却された後に、容器内の相対湿度は、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、又は40%よりも低い。いくつかの実施形態では、容器は、腐りやすい品物が少なくとも12時間連続して容器200内で貯蔵されている期間中、容器内の相対湿度が、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、又は40%よりも低いままであるように構成される。
[0067] 容器200内で貯蔵される腐りやすい品物は、容器200内に配置する前にコーティングされ得るが、いくつかの実施形態では、コーティングは、腐りやすい品物が容器200内に配置された後に形成される。例えば、図4は、品物が容器200内にある間に品物上にコーティングが形成される、腐りやすい品物を容器200内で貯蔵するためのプロセス400を説明する。最初に、コーティングされていない腐りやすい品物は、図2の容器200内に受入れ又は配置される(ステップ402)。次に、例えば、溶液/懸濁液のスプレー又はミストを品物にスプレーし、コーティング剤から形成されるコーティングを腐りやすい品物の上に形成させることにより、コーティング溶液/懸濁液(例えば、溶媒中のコーティング剤)を品物の上に配置することによって腐りやすい品物のそれぞれの上に保護コーティングが形成される(ステップ404)。いくつかの実施形態では、コーティング溶液/懸濁液は、容器200の開口214の1つ若しくは複数を通して又は開口212を通して(例えば、ミスト又はスプレーとして)注入される。次に、多くの場合長期間にわたって、品物は容器200内で貯蔵される(ステップ406)。任意選択的に、腐りやすい品物は貯蔵中、例えば、容器200の複数の開口214を通して対流による冷却もされる(ステップ408)。いくつかの実施形態では、腐りやすい品物が冷却されている期間全体にわたって、容器内の相対湿度は、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、又は40%よりも低いままである。いくつかの実施形態では、容器は、腐りやすい品物が少なくとも12時間連続して容器200内で貯蔵されている期間中、容器内の相対湿度が、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、又は40%よりも低いままであるように構成される。
[0068] 容器及び貯蔵方法の種々の実施が上記された。しかしながら、それらが単なる例として提示されており、限定でないことは理解されるべきである。上記の方法及びステップが特定の順序で起こる特定の事象を示す場合、本開示の利益を得る当業者は、特定のステップの順序付けが変更可能であり、このような変更が本開示の変形に従うものであることを認識するであろう。実施は具体的に図示及び記載されたが、形態及び詳細において種々の変化が成され得ることは理解されるであろう。したがって、他の実施は以下の特許請求の範囲内に含まれる。

Claims (48)

  1. 第1の面積を有するエンクロージャを含む、腐りやすい品物を貯蔵するように構成された容器であって、
    前記エンクロージャが剛性又は半剛性構造を含むと共に、その中に複数の開口を有し、前記複数の開口が集合的に第2の面積を有し、
    前記エンクロージャ及び前記複数の開口が、前記腐りやすい品物が貯蔵される領域を完全に包囲し、
    前記開口のそれぞれが、前記腐りやすい品物のいずれもが通過できないよう十分に小さくされており、ここで、前記容器は当該腐りやすい品物を貯蔵するように構成され、
    前記第2の面積の前記第1の面積に対する比率が0.002よりも大きい、
    容器。
  2. 前記エンクロージャがフタを含む、請求項1に記載の容器。
  3. 前記フタが取外し可能及び/又は再密封可能である、請求項2に記載の容器。
  4. 剛性又は半剛性構造及びフタを含むエンクロージャを含む、腐りやすい品物を貯蔵するように構成された容器であって、
    前記剛性又は半剛性構造がその中に第1の開口を含み、前記エンクロージャが複数の第2の開口を含み、前記剛性又は半剛性構造及び前記第1の開口が集合的に第1の面積を有し、前記複数の第2の開口が集合的に第2の面積を有し、
    前記第1の開口が、前記腐りやすい品物のいずれもが通過できるよう十分に大きくされており、ここで、前記容器は当該腐りやすい品物を貯蔵するように構成され、
    前記容器が閉鎖状態にあるときに前記フタが前記第1の開口を被覆し、
    前記エンクロージャ及び前記複数の第2の開口が、前記腐りやすい品物が貯蔵される領域を完全に包囲し、
    前記第2の開口のそれぞれが、前記腐りやすい品物のいずれもが通過できないよう十分に小さくされており、ここで、前記容器は当該腐りやすい品物を貯蔵するように構成され、
    前記第2の面積の前記第1の面積に対する比率が0.002よりも大きい、
    容器。
  5. 前記腐りやすい品物が、収穫作物を含み、ここで、前記容器は当該腐りやすい品物を貯蔵するように構成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の容器。
  6. 前記開口が実質的に矩形、円形、又は楕円形である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の容器。
  7. 複数の腐りやすい品物がその中に貯蔵された容器であって、
    前記容器が第1の面積を有するエンクロージャを含み、前記エンクロージャが、複数の開口をその中に有する材料構造を含み、前記複数の開口が集合的に第2の面積を有し、
    前記腐りやすい品物のそれぞれが、前記腐りやすい品物の質量損失速度又は呼吸速度を低下させる保護コーティングによって被覆され、
    前記エンクロージャが、前記腐りやすい品物が貯蔵される第1の領域を完全に包囲し、
    前記開口のそれぞれが、前記腐りやすい品物のいずれもが通過できないよう十分に小さくされており、
    前記第2の面積の前記第1の面積に対する比率が0.002よりも大きく0.9よりも小さい、
    容器。
  8. 前記腐りやすい品物が、1つ又は複数の種類の収穫作物を含む、請求項7に記載の容器。
  9. 前記収穫作物がカット又はスライスされている、請求項8に記載の容器。
  10. 前記保護コーティングが、前記腐りやすい品物のいずれの上にも天然には存在しない、請求項7〜9のいずれか一項に記載の容器。
  11. 前記保護コーティングがヒトの目には実質的に検出不能である、請求項7〜9のいずれか一項に記載の容器。
  12. 前記保護コーティングが実質的に無臭又は無味である、請求項7〜9のいずれか一項に記載の容器。
  13. 前記保護コーティングが、脂肪酸、エステル、及び塩の少なくとも1つを含むコーティング剤から形成される、請求項7〜9のいずれか一項に記載の容器。
  14. 前記コーティング剤がモノアシルグリセリドを含む、請求項13に記載の容器。
  15. 前記保護コーティングが、式I:
    Figure 2021534041
    (式中、
    Rは、−H、−グリセリル、−C〜Cアルキル、−C〜Cアルケニル、−C〜Cアルキニル、−C〜Cシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、−CN、−NH、−SH、−SR15、−OR14、−NR1415、C〜Cアルキル、−C〜Cアルケニル、又は−C〜Cアルキニルから選択される1つ又は複数の基によって任意選択的に置換されており;
    、R、R、R、R、R10、R11、R12及びR13は、各出現においてそれぞれ独立して、−H、−(C=O)R14、−(C=O)H、−(C=O)OH、−(C=O)OR14、−(C=O)−O−(C=O)R14、−O(C=O)R14、−OR14、−NR1415、−SR14、ハロゲン、−C〜Cアルキル、−C〜Cアルケニル、−C〜Cアルキニル、−C〜Cシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールは、1つ又は複数の−OR14、−NR1415、−SR14、又はハロゲンによって任意選択的に置換されており;
    、R、R及びRは、各出現においてそれぞれ独立して、−H、−OR14、−NR1415、−SR14、ハロゲン、−C〜Cアルキル、−C〜Cアルケニル、−C〜Cアルキニル、−C〜Cシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールは、−OR14、−NR1415、−SR14、又はハロゲンによって任意選択的に置換されているか;或いは
    及びRは、これらが結合する炭素原子と合わせて、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、又は3員〜6員複素環を形成することができ;及び/又は
    及びRは、これらが結合する炭素原子と合わせて、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、又は3員〜6員複素環を形成することができ;
    14及びR15は、各出現においてそれぞれ独立して、−H、−C〜Cアルキル、−C〜Cアルケニル、又は−C〜Cアルキニルであり;
    記号
    Figure 2021534041
    は、単結合又はシス若しくはトランス二重結合を表し;
    nは、0、1、2、3、4、5、6、7、又は8であり;
    mは、0、1、2、又は3であり;
    qは、0、1、2、3、4、又は5であり;並びに
    rは、0、1、2、3、4、5、6、7、又は8である)
    の少なくとも1つの化合物を含むコーティング剤から形成される、請求項7〜9のいずれか一項に記載の容器。
  16. 前記保護コーティングが約5ミクロン未満の厚さを有する、請求項7〜9のいずれか一項に記載の容器。
  17. 前記腐りやすい品物が作物を含み、前記保護コーティングが、前記作物のクチクラ層の上に形成される、請求項7〜9のいずれか一項に記載の容器。
  18. 前記腐りやすい品物が、前記第1の領域の容積の少なくとも25%を占有する、請求項7〜9のいずれか一項に記載の容器。
  19. 前記容器が、前記腐りやすい品物が少なくとも12時間連続して前記第1の領域内にある期間中、前記第1の領域内の相対湿度が80%よりも低くなるように構成される、請求項1〜18のいずれか一項に記載の容器。
  20. 前記材料構造が剛性又は半剛性構造である、請求項7〜9のいずれか一項に記載の容器。
  21. 前記剛性又は半剛性構造の材料が水に対して不透過性である、請求項1〜6又は20のいずれか一項に記載の容器。
  22. 腐りやすい品物を容器内に提供することであって、前記容器が第1の面積を有するエンクロージャを含み、前記エンクロージャが剛性又は半剛性構造を含むと共に、その中に複数の開口を有し、前記複数の開口が集合的に第2の面積を有することと、
    前記腐りやすい品物を前記容器内で貯蔵することと
    を含む、複数の腐りやすい品物を貯蔵する方法であって、
    前記腐りやすい品物のそれぞれが、前記腐りやすい品物の質量損失速度又は呼吸速度を低下させる保護コーティングによって被覆され、
    前記エンクロージャ及び前記複数の開口が、前記腐りやすい品物が貯蔵される第1の領域を完全に包囲し、
    前記開口のそれぞれが、前記腐りやすい品物のいずれもが通過できないよう十分に小さくされており、
    前記第2の面積の前記第1の面積に対する比率が0.002よりも大きい、
    方法。
  23. 前記腐りやすい品物が、1つ又は複数の種類の収穫作物を含む、請求項22に記載の方法。
  24. 前記収穫作物がカット又はスライスされている、請求項23に記載の方法。
  25. 前記腐りやすい品物が冷却されている間、前記第1の領域内の相対湿度が80%よりも低い、請求項22に記載の方法。
  26. 腐りやすい品物を容器内に提供することであって、前記容器が第1の面積を有するエンクロージャを含み、前記エンクロージャが、複数の開口をその中に有する材料構造を含み、前記複数の開口が集合的に第2の面積を有することと、
    前記腐りやすい品物を前記容器内で貯蔵することと
    を含む、複数の腐りやすい品物を貯蔵する方法であって、
    前記腐りやすい品物のそれぞれが、前記腐りやすい品物の質量損失速度又は呼吸速度を低下させる保護コーティングによって被覆され、
    前記エンクロージャが、前記腐りやすい品物が貯蔵される第1の領域を完全に包囲し、
    前記開口のそれぞれが、前記腐りやすい品物のいずれもが通過できないよう十分に小さくされており、
    前記第2の面積の前記第1の面積に対する比率が0.002よりも大きく0.9よりも小さい、
    方法。
  27. 前記腐りやすい品物が、1つ又は複数の種類の収穫作物を含む、請求項26に記載の方法。
  28. 前記収穫作物がカット又はスライスされている、請求項27に記載の方法。
  29. 前記腐りやすい品物が冷却されている間、前記第1の領域内の相対湿度が80%よりも低い、請求項26に記載の方法。
  30. 前記保護コーティングが、前記腐りやすい品物のいずれの上にも天然には存在しない、請求項22〜29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記腐りやすい品物が、前記第1の領域の容積の少なくとも25%を占有する、請求項22〜30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 腐りやすい品物を容器内に提供することであって、前記容器が第1の面積を有するエンクロージャを含み、前記エンクロージャが剛性又は半剛性構造を含むと共に、その中に複数の開口を有し、前記複数の開口が集合的に第2の面積を有することと、
    前記腐りやすい品物が前記容器内にある間に、前記腐りやすい品物上に保護コーティングを形成することであって、前記保護コーティングが、前記腐りやすい品物の質量損失速度又は呼吸速度を低下させることと
    を含む、複数の腐りやすい品物を貯蔵する方法であって、
    前記エンクロージャ及び前記複数の開口が、前記腐りやすい品物が貯蔵される第1の領域を完全に包囲し、
    前記開口のそれぞれが、前記腐りやすい品物のいずれもが通過できないよう十分に小さくされており、
    前記第2の面積の前記第1の面積に対する比率が0.002よりも大きい、
    方法。
  33. 前記保護コーティングを形成することが、前記開口の1つ又は複数を通してミスト又はスプレーを注入することを含む、請求項32に記載の方法。
  34. 前記保護コーティングを形成した後、前記複数の開口を通して対流により前記腐りやすい品物を冷却させることをさらに含む、請求項32〜33のいずれか一項に記載の方法。
  35. 前記腐りやすい品物が冷却されている間、前記第1の領域内の相対湿度が80%よりも低い、請求項34に記載の方法。
  36. 前記腐りやすい品物が貯蔵されている間、前記第1の領域内の相対湿度が、貯蔵中の前記作物における真菌の増殖を抑制するように十分に低い、請求項32〜33のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記腐りやすい品物が、前記第1の領域の容積の少なくとも25%を占有する、請求項32〜36のいずれか一項に記載の方法。
  38. 前記保護コーティングがヒトの目には実質的に検出不能である、請求項22〜37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記保護コーティングが実質的に無臭又は無味である、請求項22〜37のいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記保護コーティングが、脂肪酸、エステル、及び塩の少なくとも1つを含むコーティング剤から形成される、請求項22〜37のいずれか一項に記載の方法。
  41. 前記コーティング剤がモノアシルグリセリドを含む、請求項40に記載の方法。
  42. 前記保護コーティングが、式I:
    Figure 2021534041
    (式中、
    Rは、−H、−グリセリル、−C〜Cアルキル、−C〜Cアルケニル、−C〜Cアルキニル、−C〜Cシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、−CN、−NH、−SH、−SR15、−OR14、−NR1415、C〜Cアルキル、−C〜Cアルケニル、又は−C〜Cアルキニルから選択される1つ又は複数の基によって任意選択的に置換されており;
    、R、R、R、R、R10、R11、R12及びR13は、各出現においてそれぞれ独立して、−H、−(C=O)R14、−(C=O)H、−(C=O)OH、−(C=O)OR14、−(C=O)−O−(C=O)R14、−O(C=O)R14、−OR14、−NR1415、−SR14、ハロゲン、−C〜Cアルキル、−C〜Cアルケニル、−C〜Cアルキニル、−C〜Cシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールは、1つ又は複数の−OR14、−NR1415、−SR14、又はハロゲンによって任意選択的に置換されており;
    、R、R及びRは、各出現においてそれぞれ独立して、−H、−OR14、−NR1415、−SR14、ハロゲン、−C〜Cアルキル、−C〜Cアルケニル、−C〜Cアルキニル、−C〜Cシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールは、−OR14、−NR1415、−SR14、又はハロゲンによって任意選択的に置換されているか;或いは
    及びRは、これらが結合する炭素原子と合わせて、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、又は3員〜6員複素環を形成することができ;及び/又は
    及びRは、これらが結合する炭素原子と合わせて、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、又は3員〜6員複素環を形成することができ;
    14及びR15は、各出現においてそれぞれ独立して、−H、−C〜Cアルキル、−C〜Cアルケニル、又は−C〜Cアルキニルであり;
    記号
    Figure 2021534041
    は、単結合又はシス若しくはトランス二重結合を表し;
    nは、0、1、2、3、4、5、6、7、又は8であり;
    mは、0、1、2、又は3であり;
    qは、0、1、2、3、4、又は5であり;並びに
    rは、0、1、2、3、4、5、6、7、又は8である)
    の少なくとも1つの化合物を含むコーティング剤から形成される、請求項22〜37のいずれか一項に記載の方法。
  43. 前記保護コーティングが約5ミクロン未満の厚さを有する、請求項22〜37のいずれか一項に記載の方法。
  44. 前記腐りやすい品物が作物を含み、前記保護コーティングが、前記作物のクチクラ層の上に形成される、請求項22〜37のいずれか一項に記載の方法。
  45. 前記腐りやすい品物を冷却することをさらに含む、請求項22〜44のいずれか一項に記載の方法。
  46. 前記腐りやすい品物を冷却することが、前記複数の開口を通して対流により冷却することを含む、請求項45に記載の方法。
  47. 前記第2の面積の前記第1の面積に対する比率が、0.004、0.006、0.008、0.01、0.012、0.014、0.016、0.018、0.02、0.025、0.03、0.035、0.04、0.045、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.2、0.21、0.22、0.23、0.24、又は0.25よりも大きい、請求項22〜46のいずれか一項に記載の方法。
  48. 前記第2の面積の前記第1の面積に対する比率が、0.004、0.006、0.008、0.01、0.012、0.014、0.016、0.018、0.02、0.025、0.03、0.035、0.04、0.045、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.2、0.21、0.22、0.23、0.24、又は0.25よりも大きい、請求項1〜21のいずれか一項に記載の容器。
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