JP7495250B2 - 復調装置および復調方法 - Google Patents

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Description

本発明は、復調装置および復調方法に関する。
アナログ高周波(RF)信号である直交変調信号からディジタル直交復調信号を生成する復調装置において、直交度や利得の誤差を補正する技術が開示されている(特許文献1、2)。特許文献1では、ディジタル直交復調信号の共分散および電力差を計算し、共分散および電力差が小さくなるようにディジタル直交復調信号の振幅やローカル信号の位相の補正を行っている。また、特許文献2では、アナログ-ディジタル変換器(ADC)のサンプリングレートと中間周波数とを、所定の関係式に基づいて設定し、かつローパスフィルタ(LPF)でアンダーサンプリングに起因する高周波成分を除去している。これによって、直交度や利得の誤差を無くすとともに、ディジタル直交復調部とLPFとの処理速度を低く抑えることができるとされている。
特許第4492264号公報 特許第4214635号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、元々の直交変調信号が共分散を有する場合には、その共分散も誤差として補正してしまうおそれがあるなど、直交変調信号の種類によっては適正な補正をできないおそれがある。また、特許文献2に記載の技術では、ディジタル直交復調後にLPFにて帯域をカットするため、有効な帯域幅がADCのサンプリングレートの1/2に制限される。しかしながら、広帯域化のために高サンプリングレートのADCを使用することは消費電力や価格の増大の原因となる。また、広帯域化のために広帯域のLPFを使用することは装置規模や消費電力の増大の原因となる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡易な構成によって、様々な種類の直交変調信号に対して誤差の補正が可能な復調装置および復調方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様は、入力されたアナログ高周波信号である直交変調信号を直交復調して、それぞれ中間周波数を有する第1中間復調信号および第2中間復調信号を生成する第1直交復調部と、前記第1中間復調信号および前記第2中間復調信号のそれぞれにAD変換処理を施して第1ディジタル中間復調信号および前記第2ディジタル中間復調信号を生成するAD変換部と、前記第1ディジタル中間復調信号および前記第2ディジタル中間復調信号のそれぞれから、第1イメージ成分および第2イメージ成分を抽出する信号抽出部と、前記第1イメージ成分と前記第2イメージ成分とが互いを打ち消す様に補正係数を算出する補正係数算出部と、前記第1ディジタル中間復調信号および前記第2ディジタル中間復調信号に前記補正係数を作用させて、第1中間補正信号および第2中間補正信号を生成する補正部と、前記第1中間補正信号および前記第2中間補正信号をディジタル直交復調して生成した互いに直交する成分を用いて、第1ディジタル復調信号および第2ディジタル復調信号を生成する第2直交復調部と、を備える復調装置である。
前記復調装置は、前記第1ディジタル中間復調信号と前記第2ディジタル中間復調信号との間の時間遅延を算出する遅延算出部と、前記時間遅延を補正する遅延誤差補正部と、をさらに備えるものでもよい。
前記復調装置は、前記第1ディジタル中間復調信号と前記第2ディジタル中間復調信号との周波数特性を計算する周波数特性計算部と、前記第1ディジタル中間復調信号と前記第2ディジタル中間復調信号との間の周波数特性に関する誤差を補正する周波数特性補正部をさらに備えるものでもよい。
前記補正係数算出部は、前記第1イメージ成分と、前記補正係数と前記第2イメージ成分との積と、の和の平均値が最小となる様に前記補正係数を算出し、前記補正部は、前記第1ディジタル中間復調信号と、前記第2ディジタル中間復調信号と前記補正係数の実部との積と、の和を前記第1中間補正信号として生成し、前記第2ディジタル中間復調信号と前記補正係数の虚部との積を前記第2中間補正信号として生成するものでもよい。
前記第2直交復調部は、前記第1中間補正信号をディジタル直交復調する第1ディジタル直交復調部と、前記第2中間補正信号をディジタル直交復調する第2ディジタル直交復調部と、を備えており、前記第1ディジタル直交復調部および前記第2ディジタル直交復調部のそれぞれからの互いに直交する成分同士を加算または減算して前記第1ディジタル復調信号および前記第2ディジタル復調信号を生成するものでもよい。
本発明の一態様は、入力されたアナログ高周波信号である直交変調信号を直交復調して、それぞれ中間周波数を有する第1中間復調信号および第2中間復調信号を生成する第1直交復調ステップと、前記第1中間復調信号および前記第2中間復調信号のそれぞれにAD変換処理を施して第1ディジタル中間復調信号および前記第2ディジタル中間復調信号を生成するAD変換ステップと、前記第1ディジタル中間復調信号および前記第2ディジタル中間復調信号のそれぞれから、第1イメージ成分および第2イメージ成分を抽出する信号抽出ステップと、前記第1イメージ成分と前記第2イメージ成分とが互いを打ち消す様に補正係数を算出する補正係数算出ステップと、前記第1ディジタル中間復調信号および前記第2ディジタル中間復調信号に前記補正係数を作用させて、第1中間補正信号および第2中間補正信号を生成する補正ステップと、前記第1中間補正信号および前記第2中間補正信号をディジタル直交復調して、第1ディジタル復調信号および第2ディジタル復調信号を生成する第2直交復調ステップと、を含む復調方法である。
本発明は、簡易な構成によって、様々な種類の直交変調信号に対して誤差の補正が可能な復調装置および復調方法を提供できるという効果を奏する。
図1は、実施形態1に係る復調装置の構成を示すブロック図である。 図2は、補正に関連する部分の構成を示すブロック図である。 図3は、比較形態1における処理信号の一例を示す図である。 図4は、比較形態2および実施形態1における処理信号の一例を示す図である。 図5は、実施形態2に係る復調装置の構成を示すブロック図である。 図6は、遅延量の算出に関連する部分の構成を示すブロック図である。 図7は、周波数領域で処理する場合の補正に関連する部分の構成の一例を示すブロック図である。 図8は、周波数領域で遅延補正をする場合を説明する図である。 図9は、実施形態3に係る復調装置の構成を示すブロック図である。 図10は、補正に関連する部分の構成を示すブロック図である。 図11は、周波数領域で処理する場合の補正に関連する部分の構成を示すブロック図である。
以下に、図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について説明する。なお、以下に説明する実施形態によって本発明が限定されるものではない。さらに、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略している。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る復調装置の構成を示すブロック図である。この復調装置100は、第1直交復調部10と、AD変換部20と、分岐部30と、処理部40と、補正部としての利得・直交度誤差補正部50と、第2直交復調部60と、を備える。
<第1直交復調部の構成>
第1直交復調部10は、入力部11と、分岐部12と、ローカル信号発生器13と、移相器14と、乗算器15、16と、LPF17、18と、を備え、第1直交復調ステップを実行する。第1直交復調部10は公知のアナログ回路にて構成可能である。
入力部11は、RF信号である直交変調信号の入力を受け付ける。以下では、直交変調信号はIQ信号(RF-IQ信号)であるとする。分岐部12は、入力部11に入力されたIQ信号を乗算器15、16のそれぞれに出力する。
ローカル信号発生器13はたとえばPLL回路を用いて構成されており、ローカル信号を乗算器15に出力する。乗算器15およびLPF17は、ローカル信号によってIQ信号を中間周波数(IF)帯にダウンコンバートした後に高周波成分をカットして、中間周波数を有する第1中間復調信号としての中間I信号を生成する。
また、移相器14はローカル信号の位相を90°移相して乗算器16に出力する。乗算器16およびLPF18は、ローカル信号によってIQ信号をIF帯にダウンコンバートした後に高周波成分をカットして、中間周波数を有する第2中間復調信号としての中間Q信号を生成する。
<AD変換部の構成>
AD変換部20は、ADC21、22を備え、AD変換ステップを実行する。ADC21は中間I信号にAD変換処理を施して、離散的なディジタルデータである第1ディジタル中間復調信号としてのディジタル中間I信号を生成する。ADC22は中間Q信号にAD変換処理を施して、離散的なディジタルデータである第2ディジタル中間復調信号としてのディジタル中間Q信号を生成する。以下、ディジタル中間I信号をy、ディジタル中間Q信号をyで表す場合がある。
<分岐部の構成>
分岐部30は、分岐部31、32を備える。分岐部31は、ディジタル中間I信号を分岐して処理部40に出力する。分岐部32は、ディジタル中間Q信号を分岐して処理部40に出力する。
<処理部の構成>
処理部40は、信号抽出部41と、補正係数算出部として補正係数算出ステップを行う利得・直交度誤差算出部42とを備える。処理部40は、CPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、DSP(Digital Signal Processor)などのプロセッサと、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)などの半導体メモリとを用いて構成できる。
信号抽出部41は、ディジタル中間I信号およびディジタル中間Q信号のそれぞれから、第1イメージ成分としてのIイメージ成分、第2イメージ成分としてのQイメージ成分を抽出する信号抽出ステップを実行する。以下、Iイメージ成分をyI_img、Qイメージ成分をyQ_imgで表す場合がある。これらのイメージ成分は、AD変換部20におけるAD変換処理に起因して発生するものであり、折り返し成分とも呼ばれる。信号抽出部41は、AD変換処理のサンプリングレートで規格化した規格化周波数において、中間周波数が0.75付近であれば、0以上0.5以下を通過させ、0.5より大きく1以下を除去するフィルタを用いて実現できる。このようなフィルタとしてたとえばヒルベルトフィルタを利用できる。
利得・直交度誤差算出部42は、Iイメージ成分とQイメージ成分とが互いを打ち消す様に補正係数を算出する。
以下、補正係数の算出について、時間領域で演算処理を行う場合を例として説明する。補正係数をGとすると、利得・直交度誤差算出部42は、下記の式(1)で示される絶対値の2乗の平均値が最小となる補正係数を算出する。最小二乗法を用いるとGは式(2)のように算出される。ここで、y Q_imgはyQ_imgの複素共役を示し、Σは信号抽出部41にて抽出したデータ数の範囲で総和を実行する。
本実施形態では、式(2)で求めた補正係数Gの実部A、虚部Bを用いて補正を実行する。たとえば、式(3)、(4)のようにして、y(ディジタル中間I信号)と、y(ディジタル中間Q信号)と補正係数Gの実部Aとの積と、の和を第1中間補正信号y として生成し、yと補正係数Gの虚部Bとの積を第2中間補正信号y として生成する。
Figure 0007495250000001
図2は、処理部40における補正に関連する部分の構成を示すブロック図である。信号抽出部41は、信号抽出部41a、41bを備える。利得・直交度誤差算出部42は、分岐部42a、42iと、演算器42b、42c、42d、42e、42f、42g、42h、42j、42kとを備える。
信号抽出部41aは、分岐部31から入力されたy(ディジタル中間I信号)からyI_img(Iイメージ成分)を抽出して演算器42fに出力する。信号抽出部41bは、分岐部32から入力されたy(ディジタル中間Q信号)からyQ_img(Qイメージ成分)を抽出して分岐部42aに出力する。
分岐部42aは、yQ_imgを演算器42b、42eにそれぞれ出力する。演算器42bは、yQ_imgの絶対値の二乗|yQ_imgを演算して演算器42cに出力する。演算器42eは、yQ_imgの複素共役y Q_imgを演算して演算器42fに出力する。演算器42fは、yI_imgとy Q_imgとの積y Q_imgI_imgを演算して演算器42gに出力する。演算器42gは、y Q_imgI_imgの総和Σy Q_imgI_imgを演算して演算器42hに出力する。
一方、演算器42cは、|yQ_imgの総和Σ|yQ_imgを演算して演算器42dに出力する。演算器42dは、Σ|yQ_imgの逆数1/Σ|yQ_imgを演算して演算器42hに出力する。演算器42hは、Σy Q_imgI_imgと1/Σ|yQ_imgとの積Σy Q_imgI_img/Σ|yQ_imgすなわち補正係数Gを演算して分岐部42iに出力する。
分岐部42iは、補正係数Gを演算器42j、42kにそれぞれ出力する。演算器42j、42kは、それぞれ、補正係数の実部A、虚部Bを演算して利得・直交度誤差補正部50に出力する。
なお、演算器42c、42gは、移動平均処理を行うフィルタに置き換えることができる。
<補正部の構成>
利得・直交度誤差補正部50は、演算器51、52、53を備え、補正ステップを実行する。演算器51は、y(ディジタル中間Q信号)と補正係数Gの実部Aとの積A×yを演算し、演算器52に出力する。演算器52は、y(ディジタル中間I信号)とA×yとの和y+A×yを演算してy (第1中間補正信号)を生成して第2直交復調部60に出力する。演算器53は、yと補正係数Gの虚部Bとの積B×yを演算してy (第2中間補正信号)を生成して第2直交復調部60に出力する。このように、利得・直交度誤差補正部50は演算器51、52、53によってyおよびyに補正係数Gを作用させてy およびy を生成する。
なお、利得・直交度誤差補正部50は、処理部40と同様に、プロセッサと半導体メモリとを用いて構成できる。
<第2直交復調部の構成>
第2直交復調部60は、それぞれが第1および第2ディジタル直交復調部であるディジタル直交復調部61、62と、演算器63、64とを備え、第2直交復調ステップを実行する。ディジタル直交復調部61は、y (第1中間補正信号)をディジタル直交復調して、互いに直交するI成分およびQ成分を生成する。ディジタル直交復調部62は、y (第2中間補正信号)をディジタル直交復調して、互いに直交するI成分およびQ成分を生成する。
演算器63は、ディジタル直交復調部61からのI成分からディジタル直交復調部62からのQ成分を減算して、第1ディジタル復調信号としてのI信号を生成する。演算器64は、ディジタル直交復調部61からのQ成分とディジタル直交復調部62からのI成分とを加算して、第2ディジタル復調信号としてのQ信号を生成する。このように、第2直交復調部60は、y およびy をディジタル直交復調して生成した互いに直交するI成分、Q成分を用いて、第1ディジタル復調信号および第2ディジタル復調信号を生成する。
なお、第2直交復調部60は、処理部40と同様に、プロセッサと半導体メモリとを用いて構成できる。
以上のように構成された復調装置100は、信号抽出部41がディジタル中間復調信号からイメージ成分を抽出し、利得・直交度誤差算出部42が、イメージ成分が互いを打ち消す様に補正係数を算出し、利得・直交度誤差補正部50がディジタル中間復調信号に補正係数を作用させて中間補正信号を生成し、第2直交復調部60が第2中間補正信号をディジタル直交復調して生成した互いに直交する成分を用いてディジタル復調信号を生成する。これにより、復調装置100は、簡易な構成によって、様々な種類の直交変調信号に対して誤差の補正が可能である。
比較形態1として、特許文献2に記載の技術を適用した復調装置における処理信号の一例を図3に示す。図3(a)は、RF-IQ信号をIF信号にダウンコンバートした後に低周波成分をカットした状態の波形を示している。横軸はADCのサンプリングレートで規格化した規格化周波数である。縦軸はパワースペクトル密度であり、dBc単位で示している。ここでは、IF信号の周波数はサンプリングレートの3/4であり、規格化周波数が0.75の位置に信号波形が現れている。
図3(b)は、IF信号をADCによりAD変換した後の波形を示している。この波形では規格化周波数が0.25の位置、すなわちナイキスト周波数に対して信号波形を折り返した位置に折り返し成分が現れている。なお、ノイズも折り返されるのでノイズフロアも上昇している。
図3(c)は、AD変換した後にディジタル直交復調した後の波形を示している。なお、信号の存在するIF帯をベースバンド帯に変換しているために規格化周波数が0の位置に信号が現れている。
図3(d)は、ディジタル直交復調した後にLPFで折り返し成分を除去した後の波形を示している。この場合は有効な帯域幅が1/2以下となっている。なお、より広帯域のLPFを使用すると帯域幅の制限が緩和されるが、より広帯域のLPFは装置規模や消費電力がより増大する。たとえば、LPFをFIRフィルタによって実現する場合、タップ数の分だけ加算器と乗算器とが必要である。たとえば、遷移周波数幅を0.05、減衰量を60dBとしてLPFを設計するとタップ数は67となる。フィルタ係数の対称性などを考慮しても17個の乗算器と34個の加算器が必要である。
つづいて、比較形態2として、実施形態1に係る復調装置100の構成において利得・直交度誤差補正部50により補正する前の、すなわちAD変換部20によりAD変換した後の波形を図4(a)に示す。また、実施形態1に係る復調装置100の構成における、利得・直交度誤差補正部50により補正した後の波形を図4(b)に示す。また、第2直交復調部60で直交復調した後の波形を図4(c)に示す。図4(a)では規格化周波数が0.25の位置に折り返し成分が現れているが、図4(b)では折り返し成分が現れないことがわかる。また、図4(c)では図3(d)と異なり帯域幅の制限は発生していない。
しかも、利得・直交度誤差補正部50は演算器51、52、53、すなわち2つの乗算器と1つの加算器とで実現されるので、回路規模、計算負荷、および消費電力などを比較的小さくできる。
また、復調装置100では、たとえば元々の直交変調信号が共分散を有する場合においても当該共分散に依存せず適切な補正を行うことができるため、様々な種類の直交変調信号に対して適用可能である。
さらには、復調装置100では、第2直交復調部60において2つのディジタル直交復調部61、62を用いているため、1つのディジタル直交復調部を用いる場合と比較して、信号成分は加算されて振幅が2倍となり電力は4倍となる。一方、ノイズ成分は互いに相関がないため加算しても電力が2倍となるだけである。そのため、復調装置100では、SN比も3dB程度、高くすることができる。
<変形例1>
なお、上記実施形態1では、処理部40における補正係数の算出について、時間領域で演算処理を行う場合を例として説明したが、周波数領域で演算処理を行ってもよい。
たとえば、処理部40において、信号抽出部41はy、yのデータを所定回数(例えば、2048回)サンプリングし蓄積した後、蓄積したデータに高速フーリエ変換などのフーリエ変換処理を施してY、Yを算出する。つづいて、Y、Yの規格化周波数における、例えば0以上0.5以下の範囲のデータを用いて、YI_img、YQ_imgを算出する。
ここで、y、yにフーリエ変換処理を施して得られるデータを式(5)のようにY、Yと表すと、最小二乗法により得られる補正係数Gは、フーリエ変換の性質により式(6)のように式(2)と同様の式となる。したがって、利得・直交度誤差算出部42は、式(1)、(2)におけるyI_img、yQ_imgをそれぞれYI_img、YQ_imgに置き換えた式を用いて補正係数Gを算出できる。
Figure 0007495250000002
なお、時間領域で演算処理を行う場合はストリーミング処理が可能である。また、周波数領域で演算処理を行う場合は、イメージ成分の抽出に高速フーリエ変換が利用できること、補正係数Gを算出する際の総和の範囲が半分になることから、演算量を比較的減らすことができる。
また、周波数領域で演算処理を行って得られたYI_img、YQ_imgのデータにおいて、規格化周波数における0.5より大きく1以下の範囲のデータをゼロに置き換えた上で逆フーリエ変換処理を施してyI_img、yQ_imgを算出し、これらを用いて補正係数の算出を行ってもよい。
(実施形態2)
図5は、実施形態2に係る復調装置の構成を示すブロック図である。この復調装置100Aは、実施形態1に係る復調装置100に、遅延誤差補正部70を追加し、さらに処理部40を処理部40Aに置き換えた構成を有する。処理部40Aは処理部40に遅延算出部43を追加した構成を有する。遅延算出部43および遅延誤差補正部70は、y、yの間の時間的な遅延を算出し、補正する。このような時間遅延は、たとえばy、yの通る経路の電気長の違いなどに起因して生じるものであり、たとえば第1直交復調部10またはAD変換部20において発生する。
遅延誤差補正部70は、分岐部30と利得・直交度誤差補正部50とを接続する信号経路の途中に設けられている。遅延誤差補正部70は、可変遅延部71と、固定遅延部72とを備える。可変遅延部71は、可変FIR(Finite Impulse Response)フィルタ71a(図6参照)を備えており、ADC21から入力されたy(ディジタル中間I信号)を所望の遅延量だけ時間的に遅延させる。この遅延量は可変FIRフィルタに与えるフィルタ係数を変更することによって変更可能である。固定遅延部72は、ADC22から入力されたy(ディジタル中間Q信号)を所定の遅延量だけ遅延させる。この遅延量は、たとえば可変遅延部71における可変な遅延量の中央値に等しくなるように設計されている。
遅延誤差補正部70は、処理部40と同様に、プロセッサと半導体メモリとを用いて構成できる。
処理部40Aにおいて、遅延算出部43は、信号抽出部41と利得・直交度誤差算出部42とを接続する経路の途中に設けられている。遅延算出部43は、yに対するyの遅延量を算出する。
図6は、処理部40Aにおける補正に関連する部分の構成を示すブロック図である。遅延算出部43は、分岐部43a、43b、43fと、相互相関係数算出部43cと、最大絶対値探査部43dと、フィルタ係数算出部43eと、固定遅延部43gと、可変FIRフィルタ43hとを備える。
分岐部43aは、信号抽出部41aが抽出したyI_img(Iイメージ成分)を可変FIRフィルタ43hと相互相関係数算出部43cとに出力する。分岐部43bは、信号抽出部41bが抽出したyQ_img(Qイメージ成分)を固定遅延部43gと相互相関係数算出部43cとに出力する。
相互相関係数算出部43cは、yI_imgとyQ_imgとの相互相関係数R_IQ(m)を算出して、最大絶対値探査部43dに出力する。R_IQ(m)は式(7)のように表すことができる。nは時間領域でのデータ点を示しており、R_IQ(m)は当該データ点が互いにm異なる場合のyI_imgとyQ_imgとの相互相関係数を示している。
Figure 0007495250000003
最大絶対値探査部43dは、入力された相互相関係数R_IQ(m)の絶対値が最大となるmを探索し、探索されたmを、yに対するyの遅延量Δtとして、Δtをフィルタ係数算出部43eに出力する。なお、Δtは正値および負値のいずれにも設定可能である。
フィルタ係数算出部43eは、可変FIRフィルタ43h、71aのそれぞれに、可変な遅延量の中央値からΔtだけ大きい遅延量に設定するためのフィルタ係数を算出し、分岐部43fに出力する。遅延量は、たとえばsinc関数におけるサンプリング位置をシフトさせることによって設定される。分岐部43fは、フィルタ係数を可変FIRフィルタ43hと可変FIRフィルタ71aとに出力する。なお、フィルタ係数算出部43eは、記憶部に記憶された関係式やテーブルデータに基づいてフィルタ係数を算出できる。
可変FIRフィルタ43hは、信号抽出部41aから入力されたyI_imgを所望の遅延量だけ時間的に遅延させて利得・直交度誤差算出部42に出力する。この遅延量はフィルタ係数算出部43eから入力されたフィルタ係数によって定まる。可変FIRフィルタ43hは可変FIRフィルタ71aと同じ特性、たとえば同じタップ数のものであることが好ましい。固定遅延部43gは、信号抽出部41bから入力されたyQ_imgを所定の遅延量だけ遅延させて利得・直交度誤差算出部42に出力する。この遅延量は、たとえばΔt=0の時にフィルタ係数算出部43eが算出するフィルタ係数を可変FIRフィルタ43hで用いたときの遅延量、すなわち可変な遅延量の中央値に等しくなるように設定されている。固定遅延部43gは固定遅延部72と同じ特性のものであることが好ましい。
また、可変遅延部71は、ADC21から入力されたyを所望の遅延量だけ時間的に遅延させて利得・直交度誤差補正部50に出力する。この遅延量はフィルタ係数算出部43eから可変FIRフィルタ71aに入力されたフィルタ係数によって定まる。固定遅延部72は、ADC22から入力されたyを所定の遅延量だけ遅延させて利得・直交度誤差補正部50に出力する。
以上のように構成された復調装置100Aは、復調装置100と同様に、簡易な構成によって様々な種類の直交変調信号に対して誤差の補正が可能である。さらには、復調装置100Aでは、y、yの間に生じる遅延を補正できるともに、遅延が補正された補正係数G(実部A、および虚部B)に基づいて、より好適な誤差の補正を実現できる。また、復調装置100Aでは、信号抽出部41にて抽出した信号にて、遅延量の算出と誤差の算出との両方を行うので、信号抽出の処理が一度でよいため、信号抽出のための計算量を比較的少なくすることができる。
<変形例2>
なお、上記実施形態2では、処理部40Aにおける遅延量の算出について、時間領域で演算処理を行う場合を例として説明したが、周波数領域で演算処理を行ってもよい。
周波数領域で演算処理を行う場合、遅延量は、式(8)、(9)に示すように、周波数fの関数であるYQ_img(f)に対するYI_img(f)の比の位相phase(f)の傾きとして近似的に求めることができる。式(9)にて求められるΔtに対して-Δtが遅延に対する補正量となる。
Figure 0007495250000004
図7は、周波数領域で演算処理を行う処理部における遅延量の算出に関連する部分の構成の一例を示すブロック図である。この処理部は、処理部40Aに置き換えて復調装置100Aに適用することが可能であり、信号抽出部41Aと、利得・直交度誤差算出部42Aと、遅延算出部43Aとを備える。遅延算出部43Aは、分岐部43Aa、43Ab、43Agと、演算器43Ac、43Ad、43Aeと、傾き計算部43Afと、フィルタ係数算出部43Ahと、位相特性補正部43Aiと、を備える。
信号抽出部41Aは、信号抽出部41Aa、41Abを備える。信号抽出部41Aaは、yのデータを所定回数サンプリングし蓄積した後、蓄積したデータにフーリエ変換処理を施してYを算出し、Yの規格化周波数における0以上0.5以下の範囲のデータを用いてYI_imgを算出して、分岐部43Aaに出力する。分岐部43Aaは、YI_imgを演算器43Ad、位相特性補正部43Aiにそれぞれ出力する。信号抽出部41Abは、yのデータを所定回数サンプリングし蓄積した後、蓄積したデータにフーリエ変換処理を施してYを算出し、Yの規格化周波数における0以上0.5以下の範囲のデータを用いてYQ_imgを算出して、分岐部43Abに出力する。分岐部43Abは、YQ_imgを演算器43Ac、利得・直交度誤差算出部42Aにそれぞれ出力する。
演算器43Acは、YQ_imgの逆数1/YQ_imgを演算して演算器43Adに出力する。演算器43Adは、YI_imgと1/YQ_imgとの積YI_img/YQ_imgを演算して演算器43Aeに出力する。
演算器43Aeは、式(8)にしたがってphase(f)を演算して傾き計算部43Afに出力する。傾き計算部43Afは、式(9)にしたがって遅延量Δtを計算して分岐部43Agに出力する。分岐部43Agは、遅延量Δtを位相特性補正部43Aiとフィルタ係数算出部43Ahに出力する。
フィルタ係数算出部43Ahは、フィルタ係数算出部43eと同様に、可変FIRフィルタ71aに、信号をΔtだけ遅延させるためのフィルタ係数を算出して出力する。
位相特性補正部43Aiは、遅延量Δtを用いてYI_imgの位相を補正する。具体的には、遅延量がΔtの場合、phaseは周波数に対して図8(a)のように-2πΔtの傾きを有している。そこで、この傾きをゼロにするために、位相特性補正部43Aiは、YI_imgに、図8(b)に示すexp(j2πfΔt)で表される関数を乗算する。この関数は補正量-Δtを有する関数である。その結果、図8(c)に示すように、YI_img×exp(j2πfΔt)とYQ_imgの比の位相は周波数に対して傾きが極小となる特性となる。図8(c)はyI_imgがyQ_imgに対して遅延がない状態を表している。
利得・直交度誤差算出部42Aは、遅延が補正された好適なYI_img、YQ_imgが入力され、式(1)、(2)におけるyI_img、yQ_imgをそれぞれYI_img、YQ_imgに置き換えた式を用いて補正係数G(実部A、および虚部B)を算出する。
以上のように、遅延量を位相の傾きを用いて近似的に算出すれば、相互相関係数を算出して遅延量を算出するよりも、遅延量の算出のための計算量を減らし易い。
なお、上記実施形態2では、I成分側に可変遅延部71や可変FIRフィルタ43hや位相特性補正部43Aiを設け、Q成分側に固定遅延部72、43gを設けているが、Q成分側に可変遅延部71や可変FIRフィルタ43hや位相特性補正部43Aiを設け、I成分側に固定遅延部72、43gを設けてもよい。この場合、最大絶対値探査部43dや傾き計算部43Afで得られるΔtの符号を反転して用いることができる。尚、演算器43AdがYQ_img/YI_imgを演算するようにしてもよい。
(実施形態3)
図9は、実施形態3に係る復調装置の構成を示すブロック図である。この復調装置100Bは、実施形態2に係る復調装置100Aにおける遅延誤差補正部70を周波数特性補正部70Bに置き換え、処理部40Aを処理部40Bに置き換えた構成を有する。処理部40Bは処理部40Aに周波数特性計算部44を追加した構成を有する。
周波数特性補正部70Bは、遅延誤差補正部70の固定遅延部72を周波数特性補正部73に置き換えた構成を有する。可変遅延部71は、実施形態2に係る復調装置100Aの場合と同様に、可変FIRフィルタ71aを備えており、ADC21から入力されたyを所望の遅延量だけ時間的に遅延させる。この遅延量は可変FIRフィルタに与えるフィルタ係数を変更することによって変更可能である。周波数特性補正部73は、可変FIRフィルタを備えており、ADC22から入力されたyの周波数特性を補正して利得・直交度誤差補正部50に出力する。周波数特性の補正とは、y、yの間の周波数特性の相違を補正するものであるが、その補正方法については後に詳述する。なお、このような周波数特性の相違は、たとえば第1直交復調部10またはAD変換部20において発生する。このような周波数特性の相違が第1直交復調部10において発生する場合は、たとえば乗算器15、16およびLPF17、18の間の周波数特性の相違などに起因する。
図10は、処理部40Bにおける補正に関連する部分の構成を示すブロック図である。信号抽出部41、利得・直交度誤差算出部42、遅延算出部43については実施形態1、2と同様なので説明を省略する。
周波数特性計算部44は、分岐部44a、44b、44c、44dと、利得・直交度誤差補正部44eと、周波数特性計算部44fとを備える。
分岐部44aは、利得・直交度誤差算出部42が出力した補正係数Aを利得・直交度誤差補正部50と利得・直交度誤差補正部44eとにそれぞれ出力する。分岐部44bは、利得・直交度誤差算出部42が出力した補正係数Bを利得・直交度誤差補正部50と利得・直交度誤差補正部44eとにそれぞれ出力する。
分岐部44cは、可変FIRフィルタ43hが出力した、遅延されたyI_imgを利得・直交度誤差算出部42と利得・直交度誤差補正部44eとにそれぞれ出力する。分岐部44dは、固定遅延部43gが出力した、遅延されたyQ_imgを利得・直交度誤差算出部42と利得・直交度誤差補正部44eとに出力する。
利得・直交度誤差補正部44eは、利得・直交度誤差補正部50と同様の構成を有しており、遅延されて入力されたyI_img、yQ_imgに補正係数G(実部A、および虚部B)を作用させてy _imgおよびy _imgを生成する。なお、上記の式(3)、(4)と同様に、y _img=I_img+A×yQ_imgであり、y _img=B×yQ_imgである。利得・直交度誤差補正部44eは、生成したy _imgおよびy _imgを周波数特性計算部44fに出力する。
周波数特性計算部44fは、y _imgおよびy _imgをもとに、y、yの間の周波数特性の相違に起因する誤差(周波数特性に関する誤差)を補正するための周波数特性の計算を行う。周波数特性計算部44fは、たとえば、具体的には、y _imgに実フィルタ係数gの実数フィルタを適用して得られたy _img*gと、y _imgとの相違について、電力(以下、誤差電力と記載する場合がある)を計算する。誤差電力は、y _imgの実部と虚部とをそれぞれy _img_R、y _img_I、y _imgの実部と虚部とをそれぞれy _img_R、y _img_I、とすると、式(10)のように示される。
Figure 0007495250000005
このような誤差電力は、y、yの間の周波数特性に関する誤差の指標となり得る。そこで、本実施形態では、周波数特性計算部44fは、たとえば最小二乗法を用いて、誤差電力が最小となる実フィルタ係数gを計算する。周波数特性計算部44fは、計算にて得られた実フィルタ係数gを周波数特性補正部73に出力する。
周波数特性補正部73は、ADC22から入力されたyに対して、周波数特性計算部44fから入力された実フィルタ係数gを適用された可変FIRフィルタを作用させて、y*gを周波数特性が補正されたyとして利得・直交度誤差補正部50に出力する。なお、周波数特性補正部73は、入力されたyを所定の遅延量だけ遅延させる機能も有しており、復調装置100Aにおける固定遅延部72と同様に機能する。
以上のように構成された復調装置100Bは、復調装置100Aと同様に、簡易な構成によって様々な種類の直交変調信号に対して、遅延も含めた好適な誤差の補正を、比較的少ない計算量で実施することが可能である。さらには、復調装置100Bでは、y、yの間に生じる周波数特性に関する誤差を補正できるともに、補正された補正係数G(実部A、および虚部B)に基づいて、より好適な誤差の補正を実現できる。また、復調装置100Bでは、信号抽出部41にて抽出した信号にて、遅延量の算出と誤差の算出と周波数特性に関する誤差の計算とを行うので、信号抽出の処理が一度でよいため、信号抽出のための計算量を比較的少なくすることができる。
<変形例3>
なお、上記実施形態3では、処理部40Bにおける周波数特性の計算について、時間領域で演算処理を行う場合を例として説明したが、周波数領域で演算処理を行ってもよい。
図11は、周波数領域で演算処理を行う処理部における周波数特性に関する誤差の計算に関連する部分の構成の一例を示すブロック図である。この処理部は、処理部40Bに置き換えて復調装置100Bに適用することが可能であり、信号抽出部41Aと、利得・直交度誤差算出部42Aと、遅延算出部43Aと、周波数特性計算部44Aとを備える。周波数特性計算部44は、分岐部44Aa、44Ab、44Ac、44Adと、利得・直交度誤差補正部44Aeと、周波数特性計算部44Afとを備える。
分岐部44Aaは、利得・直交度誤差算出部42Aが出力した補正係数Aを利得・直交度誤差補正部50と利得・直交度誤差補正部44Aeとにそれぞれ出力する。分岐部44Abは、利得・直交度誤差算出部42Aが出力した補正係数Bを利得・直交度誤差補正部50と利得・直交度誤差補正部44Aeとにそれぞれ出力する。
分岐部44Acは、位相特性補正部43Aiにより遅延が補正されたYI_imgを利得・直交度誤差算出部42Aと利得・直交度誤差補正部44Aeとにそれぞれ出力する。分岐部44Adは、YQ_imgを利得・直交度誤差算出部42Aと利得・直交度誤差補正部44Aeとに出力する。
利得・直交度誤差補正部44Aeは、入力されたYI_img、YQ_imgに補正係数G(実部A、および虚部B)を作用させてY _imgおよびY _imgを生成する。なお、Y _img=I_img+A×YQ_imgであり、Y _img=B×YQ_imgである。利得・直交度誤差補正部44Aeは、生成したY _imgおよびY _imgを周波数特性計算部44Afに出力する。
周波数特性計算部44Afは、Y _imgおよびY _imgをもとに、Y、Yの間の周波数特性に関する誤差を補正するための周波数特性の計算を行う。周波数特性計算部44Afは、たとえば、Y _imgに対するY _imgの比(たとえば電力比)を、Y _img、Y _imgが存在するイメージ周波数範囲(たとえば規格化周波数において0以上0.5以下)で計算する。このようにして得られた比の周波数特性は、図8(a)で示した位相のように傾いた形状を有し得る。このような傾きは、y、yの間の周波数特性に関する誤差の指標となり得る。

そこで、周波数特性計算部44Afは、イメージ周波数範囲における比の周波数特性のデータを信号波形が存在する信号周波数範囲(たとえば規格化周波数において0.5より大きく1以下)に、周波数的に反転した状態で転写することで、新たなデータを生成する。次に、イメージ周波数範囲における比のデータの周波数特性と、転写して生成したデータの周波数特性とを結合する。これによりY _img、Y _imgを用いてY、Yの間の周波数特性に関する誤差を補正するための周波数特性が得られる。次に、周波数特性計算部44Afは、結合して得られた周波数特性データを近似するフィルタ係数gを生成する。例えば、結合して得られた周波数特性データを逆フーリエ変換してフィルタ係数gを得ることができる。逆フーリエ変換で得られるフィルタ係数はタップ数が多いので、適切に窓関数をかけて応答を打ち切っても良い。ここで、結合して得られた周波数特性データは、規格化周波数において0.5に対して対称な特性であるため、フィルタ係数gは実係数で得られる。
上記実施の形態3では、Y _img、Y _imgを用いてY、Yの間の周波数特性に関する誤差を補正するための周波数特性を得ているため、Y、Yを用いて誤差を補正するための周波数特性を得る場合と比べて、信号の抽出が1度で済むという利点がある。また、第2直交復調部60の内部のディジタル直交復調部61、62の出力信号を比較しても誤差を補正するための周波数特性を得ることができるが、ディジタル直交復調後の誤差を補正するための周波数特性は一般に周波数軸に対して非対称な特性となるため、近似するためのフィルタ係数が複素数となる。本実施形態ではフィルタ係数が実数のものを使用するため、複素数のフィルタを使用する場合と比較して、計算量を、たとえば1/4程度に減らすことができる。
なお、上記実施形態では、補正係数Gを、式(1)で示される絶対値の平均値が最小となる値としているが、所定の許容される誤差を実現するものであれば、必ずしも最小でなくてもよい。たとえば、信号成分とイメージ成分とのS/N比が許容される値以上となる範囲で補正係数Gを決定してもよい。遅延量や周波数特性に関する誤差についても同様に、所定の許容される誤差を実現する程度に補正されてもよい。
また、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
10 :第1直交復調部
11 :入力部
12 :分岐部
13 :ローカル信号発生器
14 :移相器
15、16 :乗算器
17、18 :LPF
20 :AD変換部
21、22 :ADC
30、31、32、42a、42i、43a、43b、43f、43Aa、43Ab、43Ag、44a、44b、44c、44d :分岐部
40、40A、40B :処理部
41、41a、41b、41A、41Aa、41Ab :信号抽出部
42、42A :利得・直交度誤差算出部
42b、42c、42d、42e、42f、42g、42h、42j、42k、43Ac、43Ad、43Ae、51、52、53、63、64 :演算器
43、43A :遅延算出部
43Af :傾き計算部
43e、43Ah :フィルタ係数算出部
43Ai :位相特性補正部
43c :相互相関係数算出部
43d :最大絶対値探査部
43g、72 :固定遅延部
43h、71a :可変FIRフィルタ
44、44f、44A、44Af :周波数特性計算部
44e、44Ae、50 :利得・直交度誤差補正部
60 :第2直交復調部
61、62 :ディジタル直交復調部
70 :遅延誤差補正部
70B、73 :周波数特性補正部
71 :可変遅延部
100、100A、100B :復調装置

Claims (6)

  1. 入力されたアナログ高周波信号である直交変調信号を直交復調して、それぞれ中間周波数を有する第1中間復調信号および第2中間復調信号を生成する第1直交復調部と、
    前記第1中間復調信号および前記第2中間復調信号のそれぞれにAD変換処理を施して第1ディジタル中間復調信号および第2ディジタル中間復調信号を生成するAD変換部と、
    前記第1ディジタル中間復調信号および前記第2ディジタル中間復調信号のそれぞれから、第1イメージ成分および第2イメージ成分を抽出する信号抽出部と、
    前記第1イメージ成分と前記第2イメージ成分とが互いを打ち消す様に補正係数を算出する補正係数算出部と、
    前記第1ディジタル中間復調信号および前記第2ディジタル中間復調信号に前記補正係数を作用させて、第1中間補正信号および第2中間補正信号を生成する補正部と、
    前記第1中間補正信号および前記第2中間補正信号をディジタル直交復調して生成した互いに直交する成分を用いて、第1ディジタル復調信号および第2ディジタル復調信号を生成する第2直交復調部と、
    を備える
    復調装置。
  2. 前記第1ディジタル中間復調信号と前記第2ディジタル中間復調信号との間の時間遅延を算出する遅延算出部と、
    前記時間遅延を補正する遅延誤差補正部と、
    をさらに備える
    請求項1に記載の復調装置。
  3. 前記第1ディジタル中間復調信号と前記第2ディジタル中間復調信号との周波数特性を計算する周波数特性計算部と、
    前記第1ディジタル中間復調信号と前記第2ディジタル中間復調信号との間の周波数特性に関する誤差を補正する周波数特性補正部をさらに備える
    請求項1または2に記載の復調装置。
  4. 前記補正係数算出部は、前記第1イメージ成分と、前記補正係数と前記第2イメージ成分との積と、の和の絶対値の2乗の平均値が最小となる様に前記補正係数を算出し、
    前記補正部は、
    前記第1ディジタル中間復調信号と、前記第2ディジタル中間復調信号と前記補正係数の実部との積と、の和を前記第1中間補正信号として生成し、前記第2ディジタル中間復調信号と前記補正係数の虚部との積を前記第2中間補正信号として生成する
    請求項1~3のいずれか一つに記載の復調装置。
  5. 前記第2直交復調部は、前記第1中間補正信号をディジタル直交復調する第1ディジタル直交復調部と、前記第2中間補正信号をディジタル直交復調する第2ディジタル直交復調部と、を備えており、
    前記第1ディジタル直交復調部および前記第2ディジタル直交復調部のそれぞれからの互いに直交する成分同士を加算または減算して前記第1ディジタル復調信号および前記第2ディジタル復調信号を生成する
    請求項4に記載の復調装置。
  6. 入力されたアナログ高周波信号である直交変調信号を直交復調して、それぞれ中間周波数を有する第1中間復調信号および第2中間復調信号を生成する第1直交復調ステップと、
    前記第1中間復調信号および前記第2中間復調信号のそれぞれにAD変換処理を施して第1ディジタル中間復調信号および第2ディジタル中間復調信号を生成するAD変換ステップと、
    前記第1ディジタル中間復調信号および前記第2ディジタル中間復調信号のそれぞれから、第1イメージ成分および第2イメージ成分を抽出する信号抽出ステップと、
    前記第1イメージ成分と前記第2イメージ成分とが互いを打ち消す様に補正係数を算出する補正係数算出ステップと、
    前記第1ディジタル中間復調信号および前記第2ディジタル中間復調信号に前記補正係数を作用させて、第1中間補正信号および第2中間補正信号を生成する補正ステップと、
    前記第1中間補正信号および前記第2中間補正信号をディジタル直交復調して、第1ディジタル復調信号および第2ディジタル復調信号を生成する第2直交復調ステップと、
    を含む
    復調方法。
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