JP7494839B2 - 信号処理装置、信号処理方法、プログラム及び映像表示装置 - Google Patents

信号処理装置、信号処理方法、プログラム及び映像表示装置 Download PDF

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Description

本開示は、信号処理装置、信号処理方法、プログラム及び映像表示装置に関する。
特許文献1には、パネル部を振動させることで音を発生させるようにした映像表示装置が記載されている。
国際公開2018/123310号
このような分野では、音声信号により形成される所定の音像位置のずれを防止しつつ、音声信号の音圧を極力、低下させないことが望まれる。
本開示は、音声信号により形成される所定の音像位置のずれを防止しつつ、音声信号の音圧を極力、低下させないようにした信号処理装置、信号処理方法、プログラム及び映像表示装置を提供することを目的の一つとする。
本開示は、例えば、
第1音声信号が入力される第1パネル変位制御部と、
第2音声信号が入力される第2パネル変位制御部と、
第1パネル変位制御部及び第2パネル変位制御部を制御する制御部とを有し、
第1パネル変位制御部は、第1音声信号のレベルを調整する第1ゲイン調整部を有し、
第2パネル変位制御部は、第2音声信号のレベルを調整する第2ゲイン調整部を有し、
制御部は、
第1音声信号及び第2音声信号の間の相関の有無を判別する相関判別部と、
相関判別部による判別結果に基づいて、第1ゲイン調整部及び第2ゲイン調整部のそれぞれにおけるレベル調整量を制御するゲイン制御部とを有する
信号処理装置である。
本開示は、例えば、
第1音声信号が入力される第1パネル変位制御部が有する第1ゲイン調整部が、第1音声信号のレベルを調整し、
第2音声信号が入力される第2パネル変位制御部が有する第2ゲイン調整部が、第2音声信号のレベルを調整し、
制御部が有する相関判別部が、第1音声信号及び第2音声信号の間の相関の有無を判別し、
制御部が有するゲイン制御部が、相関判別部による判別結果に基づいて、第1ゲイン調整部及び第2ゲイン調整部のそれぞれにおけるレベル調整量を制御する
信号処理方法である。
本開示は、例えば、
第1音声信号が入力される第1パネル変位制御部が有する第1ゲイン調整部が、第1音声信号のレベルを調整し、
第2音声信号が入力される第2パネル変位制御部が有する第2ゲイン調整部が、第2音声信号のレベルを調整し、
制御部が有する相関判別部が、第1音声信号及び第2音声信号の間の相関の有無を判別し、
制御部が有するゲイン制御部が、相関判別部による判別結果に基づいて、第1ゲイン調整部及び第2ゲイン調整部のそれぞれにおけるレベル調整量を制御する
信号処理方法をコンピュータに実行させるプログラムである。
本開示は、例えば、
第1映像表示用パネルと、
第1映像表示用パネルを加振する第1加振器と、
第1映像表示用パネルと隣接した位置に配置される第2映像表示用パネルと、
第2映像表示用パネルを加振する第2加振器と、
第1音声信号が入力される第1パネル変位制御部と、
第2音声信号が入力される第2パネル変位制御部と、
第1パネル変位制御部及び第2パネル変位制御部を制御する制御部とを有し、
第1パネル変位制御部は、第1音声信号のレベルを調整する第1ゲイン調整部を有し、
第2パネル変位制御部は、第2音声信号のレベルを調整する第2ゲイン調整部を有し、
制御部は、
第1音声信号及び第2音声信号の間の相関の有無を判別する相関判別部と、
相関判別部による判別結果に基づいて、第1ゲイン調整部及び第2ゲイン調整部のそれぞれにおけるレベル調整量を制御するゲイン制御部とを有する
映像表示装置である。
図1は、実施の形態にかかる映像表示装置の斜視図である。 図2は、実施の形態にかかる映像表示装置の背面図である。 図3A~図3Cは、実施の形態において考慮すべき問題を説明する際に参照される図である。 図4は、実施の形態において考慮すべき問題を説明する際に参照される図である。 図5は、実施の形態にかかる映像表示装置の内部構成を含むブロック図である。 図6は、実施の形態にかかる映像表示装置の内部構成を含むブロック図である。 図7は、センターに音像が定位することを模式的に示した図である。 図8は、各チャンネルの音声が出力される箇所に音像が定位することを模式的に示した図である。 図9は、実施の形態にかかるアタックタイム、ホールドタイム及びリリースタイムを説明するための図である。 図10は、実施の形態にかかる映像表示装置で行われる処理の流れを示すフローチャートである。 図11は、実施の形態にかかる映像表示装置で行われる処理の流れを示すフローチャートである。 図12は、変形例を説明するための図である。 図13は、変形例を説明するための図である。 図14は、変形例を説明するための図である。 図15は、変形例を説明するための図である。
本開示の実施の形態等に関する説明は、以下の順序で行われる。
<実施の形態>
<変形例>
以下に説明する実施の形態等は本開示の好適な具体例であり、本開示の内容がこれらの実施の形態等に限定されるものではない。
<実施の形態>
[映像表示装置の構成例]
(映像表示装置の外観例)
図1及び図2は、本実施の形態にかかる映像表示装置(映像表示装置1)の構成例を説明するための図である。図1は、映像表示装置1を背面(映像が表示される面とは反対の面)側から視た斜視図であり、図2は、映像表示装置1を背面側から視た平面図である。映像表示装置1は、パネル部2と、支持部3と、収納部4とを有している。
パネル部2は、映像を表示するためのパネル部2である。本実施の形態にかかるパネル部2は、図2に示すように、互いに隣接する位置に配置された2枚のパネル部(第1映像表示用パネル2A、第2映像表示用パネル2B)が接合され、一体化された構成を有している。第1映像表示用パネル2Aには、第1映像信号が表示される。また、第2映像表示用パネル2Bには、第2映像信号が表示される。なお、第1映像表示用パネル2A及び第2映像表示用パネル2Bは、両者を区別する必要がない場合には、パネル部2と適宜、総称される。パネル部2としては、OLED(Organic Light Emitting Diode)、LCD(Liquid Crystal Display)等を適用することができる。
支持部3は、パネル部2の背面に取り付けられており、パネル部2を支持するものである。なお、支持部3は、ヒンジ等の回動部を介してパネル部2の裏面に取り付けられていても良い。そして、回動部を回動させて支持部3を移動させることにより、パネル部2の傾斜角度が調節できるようにしても良い。なお、本実施の形態では、支持部3は、サブウーハーのスピーカとして機能する。
収納部4は、例えば棒状の形状を有し、パネル部2の裏面に設置されている。収納部4には、パネル部2を振動させる加振部5及び当該加振部5に音声信号を供給する制御回路等が収納される。収納部4に収納される加振部5は、例えば、2個の加振器(第1加振器5A、第2加振器5B)によって構成されている。第1加振器5A及び第2加振器5Bは、例えば、圧電アクチュエーターである。
図2に示すように、第1加振器5Aが第1映像表示用パネル2Aの背面の中央付近に設置されており、第2加振器5Bが第2映像表示用パネル2Bの背面の中央付近に設置されている。
第1加振器5Aは、第1音声信号が入力されることで表示面と略直交する方向に振動する。第1加振器5Aの振動が第1映像表示用パネル2Aに伝達されることで第1映像表示用パネル2Aが振動し、振動に基づく音が発生する。第1音声信号は、例えば、L(Left)チャンネルの信号である。
第2加振器5Bは、第2音声信号が入力されることで表示面と略直交する方向に振動する。第2加振器5Bの振動が第2映像表示用パネル2Bに伝達されることで第2映像表示用パネル2Bが振動し、振動に基づく音が発生する。第2音声信号は、例えば、R(Right)チャンネルの信号である。なお、第1加振器5A及び第2加振器5Bは、両者を区別する必要がない場合は、加振部5と適宜、総称される。
(実施の形態において考慮すべき問題)
ところで、本実施の形態にかかる映像表示装置1のように、パネル部2を振動させて音を発生するシステムでは、画揺れの発生に留意する必要がある。画揺れとは、パネル部2に、視聴空間にある物体や視聴者の姿が映り込み、パネル部2の振動によって映り込んだ物体等が振動する現象である。パネル部2に映り込んだ物体等は、パネル部2に表示される映像とは無関係であることから、画揺れが発生すると映像の視聴者は違和感を覚える。そこで、画揺れの発生を極力、抑制することが望まれる。
図3Aは、パネル部2の変位特性の一例を示す図である。パネル部2の変位特性とは、加振部5に対して一定の入力電圧の音声信号を入力してパネル部2を振動させた場合に測定される変位(mm)の周波数特性である。図3Aに示されているように、周波数が低いほど変位量が大きくなる。また、画揺れが発生するか否かを示す閾値が設定されており、パネル部2の変位量が当該閾値を超えると、画揺れが視覚的に認識される程度に目立ってしまう。
画揺れを効果的に抑制する一つの解決策として、図3Bに模式的に示すような特性を有するハイパスフィルタを使用する方法が考えられる。ハイパスフィルタを使用して低域成分をカットすることにより、図3Cに示すように、映像表示パネルの変位量が閾値を上回ることを防止することができ、画揺れを効果的に抑制することができる。しかしながら、この方法では、常に固定のハイパスフィルタで低域をカットするので、閾値を超えないような低域成分の信号もカットされてしまう虞がある。
ところで、画揺れは、パネル部2に入力される映像の特性、パネル部2が存在する空間の明るさ、パネル部2の反射率等の仕様、視聴位置等に応じて、同じパネル部2の変位量であっても画揺れの目立ちやすさも異なる。そこで、上述した要因に応じて、画揺れが発生するか否かを示す閾値を動的に変更することが好ましい。
そこで、本実施の形態では、画揺れが発生するか否かを示す閾値が適切に設定されるようにする。また、図4に示すように、パネル部2の変位量が閾値を超えた場合に、音声信号のレベルが下げられるようにする。上述したように、音声信号の周波数が低域であるほどパネル部2の変位量が大きくなることから、主に音声信号の低域成分のレベルが減衰される。これにより、パネル部2の振動を抑制することができるので、画揺れが発生してしまうことを抑制することができる。
また、本実施の形態のように、隣接する第1映像表示用パネル2A及び第2映像表示用パネル2Bに、異なる2チャンネルの信号を入力する場合には、音声信号により形成される音像位置がずれてしまう虞がある点に留意する必要がある。例えば、2チャンネルの音声信号のそれぞれに2個のパネル間に音像定位する信号、即ち、センターに定位する信号が含まれる場合、一方の音声信号のレベルのみを減衰すると、音像位置がセンターからずれてしまう。かかる問題を回避するために、常に両チャンネルの減衰量を同じようにすると、両チャンネルの音声信号が独立した音声信号(例えば、それぞれのチャンネルの音声信号が別の楽器の音声信号である場合)に、必要がないにも関わらず一方の音声信号の低域成分のレベルが減衰されてしまうという問題がある。そこで、本実施の形態では、画揺れを効果的に抑制しつつ、音像定位をキープし、更に、音圧を確保できる制御が行われる。
(映像表示装置の内部構成例)
図5は、映像表示装置1の内部構成を含む構成を示すブロック図である。映像表示装置1には、ソース信号として、映像信号及び音声信号が入力される。映像信号及び音声信号は、放送、インターネット等のネットワーク、ハードディスク、光ディスクやUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の適宜なメモリ等から、映像表示装置1に入力される。なお、図5では、映像信号の処理を行う構成の図示が省略されている。映像表示装置1に入力された映像信号は、公知の映像処理回路による処理が行われた後、パネル部2に供給され表示される。
映像表示装置1は、上述したパネル部2及び加振部5の他に、第1ボリューム調整部10Aと、第1パネル変位制御部20Aと、第1アンプ30Aと、第2ボリューム調整部10Bと、第2パネル変位制御部20Bと、第2アンプ30Bと、制御部40とを有している。
第1ボリューム調整部10Aの出力側に第1パネル変位制御部20Aが接続されている。第1パネル変位制御部20Aの出力側に第1アンプ30Aが接続されている。第1アンプ30Aの出力側に上述した第1加振器5Aが接続されている。
第1ボリューム調整部10Aは、入力される音声信号のレベルが、設定されているボリュームに対応したレベルとなるようにボリュームを調整する。第1ボリューム調整部10Aによりボリュームの調整がなされた音声信号が、第1パネル変位制御部20Aに出力される。
第1パネル変位制御部20Aは、概略的には、第1ボリューム調整部10Aから供給される音声信号の低域成分のレベルを、コントロールゲインに基づいて調整する。低域成分のレベルが調整された音声信号が、第1パネル変位制御部20Aから第1アンプ30Aに対して出力される。なお、低域とは所定の閾値より低い帯域を意味し、一例として20~200Hz程度である。
第1アンプ30Aは、第1パネル変位制御部20Aから供給される音声信号を所定の増幅率でもって増幅する。第1アンプ30Aにより増幅処理がなされた音声信号が、第1加振器5Aに供給される。第1アンプ30Aから供給される音声信号に基づいて第1加振器5Aが振動し、第1加振器5Aが振動することにより第1映像表示用パネル2Aが振動する。第1映像表示用パネル2Aが振動することにより発生する音が、映像表示装置1の視聴者に聴取される。
第2ボリューム調整部10Bの出力側に第2パネル変位制御部20Bが接続されている。第2パネル変位制御部20Bの出力側に第2アンプ30Bが接続されている。第2アンプ30Bの出力側に上述した第2加振器5Bが接続されている。
第2ボリューム調整部10Bは、入力される音声信号のレベルが、第1ボリューム調整部10Aに設定されているボリュームと同じボリュームに対応したレベルとなるようにボリュームを調整する。第2ボリューム調整部10Bによりボリュームの調整がなされた音声信号が、第2パネル変位制御部20Bに出力される。
第2パネル変位制御部20Bは、概略的には、第2ボリューム調整部10Bから供給される音声信号の低域成分のレベルを、コントロールゲインに基づいて調整する。低域成分のレベルが調整された入力音声信号が、第2パネル変位制御部20Bから第2アンプ30Bに対して出力される。
第2アンプ30Bは、第2パネル変位制御部20Bから供給される音声信号を所定の増幅率でもって増幅する。第2アンプ30Bの増幅率は、例えば、第1アンプ30Aと同じ増幅率である。第2アンプ30Bにより増幅処理がなされた音声信号が、第2加振器5Bに供給される。第2アンプ30Bから供給される音声信号に基づいて第2加振器5Bが振動し、第2加振器5Bが振動することにより第2映像表示用パネル2Bが振動する。第2映像表示用パネル2Bが振動することにより発生する音が、映像表示装置1の視聴者に聴取される。
(第1パネル変位制御部)
図6は、第1パネル変位制御部20A及び第2パネル変位制御部20Bの構成例を詳細に示した図である。図6に示すように、第1パネル変位制御部20Aは、例えば、第1閾値設定部の一例としての第1画揺れ検出部201Aと、第1変位検出部の一例としての第1パネル変位検出部202Aと、第1コントロールゲイン算出部203Aと、第1遅延器204A(ディレイ)と、ゲイン調整部の一例としての第1ダイナミックEQ(Equalizer)205Aとを有している。第1映像表示用パネル2Aに表示される第1映像信号は、第1画揺れ検出部201Aに供給される。第1ボリューム調整部10Aから供給されるLチャンネルの第1音声信号は、第1パネル変位検出部202A及び第1遅延器204Aのそれぞれに供給される。
第1画揺れ検出部201Aは、画揺れが発生しない変位量を算出し、算出した変位量を第1閾値として設定する。第1画揺れ検出部201Aは、例えば、自身に入力される第1映像信号の特性に基づいて、変位量を算出する。第1映像信号の特性は、具体的には、第1映像信号の輝度に関する特性である。更に具体的には、第1映像信号の輝度に関する特性は、第1映像信号を構成するフレームにおける画素毎の輝度を平均化した輝度平均値である。第1画揺れ検出部201Aは、算出した第1閾値を第1コントロールゲイン算出部203Aに供給する。
第1映像信号の輝度が小さい、即ち、第1映像信号が全体的に暗い画像である場合には、第1映像表示用パネル2Aに映り込みが発生し、映り込みが振動する画揺れが発生する虞が高い。そこで、第1映像信号の輝度が小さい場合には、第1画揺れ検出部201Aは第1閾値を小さくする。第1閾値が小さくされることにより音声信号の低域成分のレベルが減衰され、第1映像表示用パネル2Aの振動が抑制されることになる。これにより、画揺れが発生することを効果的に抑制することができる。
一方で、第1映像信号の輝度が大きい、即ち、第1映像信号が全体的に明るい画像である場合には、第1映像表示用パネル2Aへの映り込みは発生しない若しくは目立たないので画揺れが発生する虞が低い。そこで、第1映像信号の輝度が大きい場合には、第1画揺れ検出部201Aは第1閾値を大きくする。第1閾値が大きく設定されることにより、第1音声信号の低域成分のレベルが減衰されずに維持される、若しくは、減衰量が小さくなる。従って、音圧を確保することが可能となる。
輝度平均値に対応する第1閾値は、例えば、以下のようにして事前に設定される。一定数の被験者が視聴する中、所定の輝度平均値の映像信号を入力し、第1映像表示用パネル2Aの変位量を変化させながら振動させる。画揺れを視覚的に認識した被験者が所定数以上となった変位量が、輝度平均値に対応する第1閾値として設定される。輝度平均値と閾値とが対応付けられたテーブル若しくは演算式等が第1映像表示用パネル2Aの特性として適宜なメモリに記憶される。第1画揺れ検出部201Aは、第1映像信号の輝度平均値を求め、求めた輝度平均値と予め測定されている第1映像表示用パネル2Aの特性とに基づいて、画揺れが発生しない第1閾値を算出する。なお、画揺れが発生しない変位量とは、画揺れを視覚的に認識した被験者が0であるときの変位量でも良いし、画揺れを視覚的に認識した被験者が一定数以下となったときの変位量でも良い。
第1パネル変位検出部202Aは、第1ボリューム調整部10Aから供給される第1音声信号に基づいて、第1加振器5Aにより加振されることで音を発生する第1映像表示用パネル2Aの変位量を検出する。第1パネル変位検出部202Aは、事前に測定された第1映像表示用パネル2Aの変位特性を近似したフィルタ(例えば、2次のIIR(Infinite Impulse Response)のLPF(Low Pass Filter))により構成されている。第1パネル変位検出部202Aは、第1音声信号に対するフィルタ処理を行うことにより、入力音声信号に対する第1映像表示用パネル2Aの変位量を検出する。
第1コントロールゲイン算出部203Aは、第1画揺れ検出部201Aから供給される第1閾値と、第1パネル変位検出部202Aにより検出される変位量とを比較し、比較結果に基づいて第1コントロールゲインを算出する。第1コントロールゲインとは、音声信号の低域成分のレベルを下げる度合いを示すパラメータである。低域は、予め設定されている帯域である。上述したように、低域ほど第1映像表示用パネル2Aの変位量が大きくなるので、第1コントロールゲインによって第1音声信号の低域成分のレベルが減衰されることで、第1映像表示用パネル2Aの変位量を小さくすることができる。
第1コントロールゲイン算出部203Aは、第1パネル変位検出部202Aにより検出される変位量が第1閾値を超えた分に応じた第1コントロールゲインを算出する。具体的には、第1コントロールゲイン算出部203Aは、第1パネル変位検出部202Aにより検出される変位量が閾値を超えた分が大きいほど、第1音声信号の低域成分の減衰量が大きくなる第1コントロールゲイン(-3dB、-6dB等)を算出する。第1パネル変位検出部202Aにより検出される変位量が第1閾値を超えない場合には、第1コントロールゲイン算出部203Aは、第1コントロールゲインとして0dB(デシベル)を出力する。第1コントロールゲインが0dB、即ち、1倍であることは、低域成分のレベルが下げられずにそのまま出力されることを意味する。
第1遅延器204Aは、第1コントロールゲイン算出部203Aが第1コントロールゲインを算出する処理を行うための期間、第1音声信号を遅延させるものである。第1遅延器204Aにより遅延された第1音声信号が第1ダイナミックEQ205Aに供給される。
第1ダイナミックEQ205Aは、第1音声信号の低域成分のレベルを調整する。例えば、第1ダイナミックEQ205Aは、第1コントロールゲインに基づいて、第1音声信号の低域成分のレベルを調整する。これにより、第1映像表示用パネル2Aの変位量が抑制されるので、画揺れが発生することを抑制することができる。また、第1ダイナミックEQ205Aは、第1コントロールゲインより減衰量が大きいコントロールゲインに基づいて、第1音声信号の低域成分のレベルを調整する場合もあり得る。この場合でも、レベル調整に用いられるコントロールゲインの減衰量は第1コントロールゲインの減衰量よりも大きいことから、第1映像表示用パネル2Aの変位量を抑制することができ、画揺れが発生することを抑制することができる。そして、第1ダイナミックEQ205Aによる処理がなされた第1音声信号が第1アンプ30Aに出力される。第1ダイナミックEQ205Aとしては、シェルビングフィルタやパラメトリックイコライザを適用することができる。
(第2パネル変位制御部)
第2パネル変位制御部20Bは、例えば、第2閾値設定部の一例としての第2画揺れ検出部201Bと、第2変位検出部の一例としての第2パネル変位検出部202Bと、第2コントロールゲイン算出部203Bと、第2遅延器204B(ディレイ)と、ゲイン調整部の一例としての第2ダイナミックEQ205Bとを有している。第2映像信号は、第2画揺れ検出部201Bに供給される。第2ボリューム調整部10Bから供給されるRチャンネルの第2音声信号は、第2パネル変位検出部202B及び第2遅延器204Bのそれぞれに供給される。
第2画揺れ検出部201Bは、画揺れが発生しない変位量を算出し、算出した変位量を第2閾値として設定する。第2画揺れ検出部201Bは、例えば、自身に入力される第2映像信号の特性に基づいて、変位量を算出する。第2映像信号の特性は、具体的には、第2映像信号の輝度に関する特性である。更に具体的には、第2映像信号の輝度に関する特性は、第2映像信号を構成するフレームにおける画素毎の輝度を平均化した輝度平均値である。第2画揺れ検出部201Bは、算出した第2閾値を第2コントロールゲイン算出部203Bに供給する。
第2映像信号の輝度が小さい、即ち、第2映像信号が全体的に暗い画像である場合には、第2映像表示用パネル2Bに映り込みが発生し、映り込みが振動する画揺れが発生する虞が高い。そこで、第2映像信号の輝度が小さい場合には、第2画揺れ検出部201Bは第2閾値を小さくする。第2閾値が小さくされることにより音声信号の低域成分のレベルが減衰され、第2映像表示用パネル2Bの振動が抑制されることになる。これにより、画揺れが発生することを効果的に抑制することができる。
一方で、第2映像信号の輝度が大きい、即ち、第2映像信号が全体的に明るい画像である場合には、第2映像表示用パネル2Bへの映り込みは発生しない若しくは目立たないので画揺れが発生する虞が低い。そこで、第2映像信号の輝度が大きい場合には、第2画揺れ検出部201Bは第2閾値を大きくする。第2閾値が大きく設定されることにより、入力音声信号の低域成分のレベルが減衰されずに維持される、若しくは、減衰量が小さくなる。従って、音圧を確保することが可能となる。輝度平均値に対応する第2閾値は、上述した第1閾値と同様の方法により事前に測定することができる。
第2パネル変位検出部202Bは、第2ボリューム調整部10Bから供給される第2音声信号に基づいて、第2加振器5Bにより加振されることで音を発生する第2映像表示用パネル2Bの変位量を検出する。第2パネル変位検出部202Bは、事前に測定された第2映像表示用パネル2Bの変位特性を近似したフィルタ(例えば、2次のIIRのLPF)により構成されている。第2パネル変位検出部202Bは、第2音声信号に対するフィルタ処理を行うことにより、第2音声信号に対する第2映像表示用パネル2Bの変位量を検出する。
第2コントロールゲイン算出部203Bは、第2画揺れ検出部201Bから供給される第2閾値と、第2パネル変位検出部202Bにより検出される変位量とを比較し、比較結果に基づいて第2コントロールゲインを算出する。第2コントロールゲインとは、第2音声信号の低域成分のレベルを下げる度合いを示すパラメータである。低域は、予め設定されている帯域である。上述したように、第2音声信号が低域ほど第2映像表示用パネル2Bの変位量が大きくなるので、第2コントロールゲインによって第2音声信号の低域成分のレベルが減衰されることで、第2映像表示用パネル2Bの変位量を小さくすることができる。
第2コントロールゲイン算出部203Bは、第2パネル変位検出部202Bにより検出される変位量が第2閾値を超えた分に応じた第2コントロールゲインを算出する。具体的には、第2コントロールゲイン算出部203Bは、第2パネル変位検出部202Bにより検出される変位量が第2閾値を超えた分が大きいほど、第2音声信号の低域成分の減衰量が大きくなる第2コントロールゲイン(-3dB、-6dB等)を算出する。第2パネル変位検出部202Bにより検出される変位量が第2閾値を超えない場合には、第2コントロールゲイン算出部203Bは、第2コントロールゲインとして0dB(デシベル)を出力する。第2コントロールゲインが0dB、即ち、1倍であることは、低域成分のレベルが下げられずにそのまま出力されることを意味する。
第2遅延器204Bは、第2コントロールゲイン算出部203Bが第2コントロールゲインを算出する処理を行うための期間、第2音声信号を遅延させるものである。第2遅延器204Bにより遅延された第2音声信号が第2ダイナミックEQ205Bに供給される。
第2ダイナミックEQ205Bは、第2音声信号の低域成分のレベルを調整する。例えば、第2ダイナミックEQ205Bは、第1コントロールゲインに基づいて、第2音声信号の低域成分のレベルを調整する。これにより、第2映像表示用パネル2Bの変位量が抑制されるので、画揺れが発生することを抑制することができる。また、第2ダイナミックEQ205Bは、第2コントロールゲインより減衰量が大きいコントロールゲインに基づいて、第2音声信号の低域成分のレベルを調整する場合もあり得る。この場合でも、レベル調整に用いられるコントロールゲインの減衰量は第2コントロールゲインの減衰量よりも大きいことから、第2映像表示用パネル2Bの変位量を抑制することができ、画揺れが発生することを抑制することができる。そして、第2ダイナミックEQ205Bによる処理がなされた第2音声信号が第2アンプ30Bに出力される。第2ダイナミックEQ205Bとしては、シェルビングフィルタやパラメトリックイコライザを適用することができる。
(制御部)
制御部40は、相関判別部401と、コントロールゲイン制御部402とを有している。相関判別部401は、Lチャンネルの音声信号とRチャンネルの音声信号との相関を判断する。相関判別部401は、判断結果をコントロールゲイン制御部402に供給する。
相関の算出方法の例としては、公知の方法を適用することができる。例えば、相関判別部401は、各チャンネルの信号にFFT(Fast Fourier Transform)を行うことにより、各チャンネルの信号を時間軸から周波数軸に変換する。そして、相関判別部401は、各々のパワースペクトルとクロススペクトルを算出し、パワースペクトルとクロススペクトルの平均値からコヒーレンスを算出する方法がある。コヒーレンスは0から1の間であり、値が閾値(例えば0.8)以上の場合、相関判別部401は、両チャンネルの音声信号に相関があると判別する。反対に、演算により算出される値が閾値未満の場合には、相関判別部401は、両チャンネルの音声信号に相関がないと判別する。コヒーレンスの算出を行う周波数は、低域に限定して行われる。これは、上述したように、パネル部2が低域において大きく変位し、当該変位に伴って画揺れが発生する変位特性を有しているためである。例えば、FFTの後、低域に限定して両チャンネルの音声信号間の相関が判断される。
コヒーレンスを判断する演算は、具体的には下記のように行われる。Lチャンネルの音声信号の信号列x(t)、Rチャンネルの音声信号の信号列y(t)とし、各々をFFTした結果の周波数ポイントごとのスペクトルをX(f)、Y(f)とした場合、周波数ポイントごとのパワースペクトルX* (f)X(f)、Y*(f)Y(f)及びクロススペクトルX*( f)Y(f)を求め、パワースペクトルの平均値P1(f)、P2(f)、クロススペクトルの平均値C(f)をそれぞれ求めた後に、コヒーレンスを求める。ここで、X*(f), Y*(f)はそれぞれX(f)、Y(f)の複素共役である。コヒーレンスrは、クロススペクトルの平均値C(f)とその複素共役であるC*(f)を掛け合わせたものをパワースペクトルの平均値P1(f)、P2(f)を掛け合わせたもので除算することで求まる。具体的には、コヒーレンスrは、下記の数式(1)により算出される。
r^2 =(C(f)C*(f)) /(P1(f)P2(f))・・・(1)
この方式の場合、FFTを行うこと、平均値を取得することを考慮すると、コヒーレンス算出処理時間分、ソース信号(第1、第2音声信号)を遅延するかソース信号を事前に先読みする必要となる場合がある。
また、低域成分のコヒーレンスを算出する方法としては、時間軸で、LPFを通して低域成分のみとし、その各々の信号同士(片方遅延させる)を畳み込むことで相互コヒーレンス関数を算出し、その結果で判定する方法もある。
相関判別部401により両チャンネルの音声信号間(第1、第2音声信号間)に相関が有ると判別される場合は、例えば、両チャンネルの音声信号にセンターに定位する信号が含まれる場合である。反対に、相関判別部401により両チャンネルの音声信号間に相関が無いと判別される場合は、例えば、それぞれのチャンネルの音声信号が独立した音声信号(例えば、別の楽器の音声信号)である場合である。
コントロールゲイン制御部402は、相関判別部401による判別結果に基づいて、第1ダイナミックEQ205A及び第2ダイナミックEQ205Bのそれぞれにおけるレベル調整量を制御する。
Lチャンネルの音声信号及びRチャンネルの音声信号の間に相関が有ると相関判別部401により判別された場合には、コントロールゲイン制御部402は、第1コントロールゲインと第2コントロールゲインのうち、調整量が多いコントロールゲインを第1ダイナミックEQ205A及び第2ダイナミックEQ205Bのそれぞれに設定する。第1ダイナミックEQ205Aは、設定されたコントロールゲインでLチャンネルの音声信号のレベルを調整する。第2ダイナミックEQ205Bは、設定されたコントロールゲインでRチャンネルの音声信号のレベルを調整する。
Lチャンネルの音声信号及びRチャンネルの音声信号の間に相関が無いと相関判別部401により判別された場合には、コントロールゲイン制御部402は、第1ダイナミックEQ205Aが第1コントロールゲインでLチャンネルの音声信号のレベルを調整するように制御する。また、Lチャンネルの音声信号及びRチャンネルの音声信号の間に相関が無いと相関判別部401により判別された場合には、コントロールゲイン制御部402は、第2ダイナミックEQ205Bが第2コントロールゲインでRチャンネルの音声信号のレベルを調整するように制御する。
[映像表示装置の動作例]
(動作の概略)
映像表示装置1は、概略的には、以下に説明する動作を行う。第1画揺れ検出部201Aが第1映像信号の特性に基づいて、第1閾値を算出し設定する。第1パネル変位検出部202Aが第1音声信号に対してフィルタ処理を行うことにより、当該第1音声信号に対応する第1映像表示用パネル2Aの変位量を算出する。そして、第1コントロールゲイン算出部203Aが、画揺れ検出部201により設定された第1閾値と、第1パネル変位検出部202Aで算出された第1映像表示用パネル2Aの変位量とを比較する。比較の結果、第1映像表示用パネル2Aの変位量が第1閾値より大きい場合には、第1コントロールゲイン算出部203Aは、第1映像表示用パネル2Aの変位量が第1閾値を下回るようにするために、第1映像表示用パネル2Aの変位量が第1閾値を超えた分に対応する第1コントロールゲインを算出する。なお、第1映像表示用パネル2Aの変位量が第1閾値以下である場合には、入力音声信号の低域成分のレベルが減衰されずに出力される。例えば、第1コントロールゲイン算出部203Aは、コントロールゲインとして、0dBを設定する。以上は、第1パネル変位制御部20Aで行われる処理であるが、第2パネル変位制御部20Bでも同様の処理が行われる。
制御部40の相関判別部401により、Lチャンネルの音声信号とRチャンネルの音声信号との間の相関の有無が判別される。相関の有無は、サンプル単位又はフレーム単位で行われる。相関判別部401による判別結果が、コントロールゲイン制御部402に供給される。判別結果が両チャンネルの音声信号間に相関が有る場合には、コントロールゲイン制御部402は、第1コントロールゲイン算出部203Aから第1コントロールゲインを取得し、第2コントロールゲイン算出部203Bから第2コントロールゲインを取得する。そして、コントロールゲイン制御部402は、第1コントロールゲインと第2コントロールゲインとを比較し、減衰量が大きいコントロールゲインを判断する。そして、コントロールゲイン制御部402は、減衰量が大きいコントロールゲインを第1コントロールゲイン算出部203A及び第2コントロールゲイン算出部203Bにそれぞれ供給し設定する。
第1コントロールゲイン算出部203Aは、コントロールゲイン制御部402により設定されたコントロールゲインを第1ダイナミックEQ205Aに供給する。第1ダイナミックEQ205Aは、供給されたコントロールゲインに基づいて、Lチャンネルの音声信号の低域成分のレベルを調整する。第2コントロールゲイン算出部203Bは、コントロールゲイン制御部402により設定されたコントロールゲインを第2ダイナミックEQ205Bに供給する。第2ダイナミックEQ205Bは、供給されたコントロールゲインに基づいて、Rチャンネルの音声信号の低域成分のレベルを調整する。
判別結果が両チャンネルの音声信号間に相関が無い場合には、コントロールゲイン制御部402は、第1コントロールゲイン算出部203Aに対して、第1コントロールゲインを使用するように指示する。コントロールゲイン制御部402の制御に応じて第1コントロールゲイン算出部203Aは、自身が算出した第1コントロールゲインを第1ダイナミックEQ205Aに供給する。第1ダイナミックEQ205Aは、第1コントロールゲインに基づいて、Lチャンネルの音声信号の低域成分のレベルを調整する。また、コントロールゲイン制御部402は、第2コントロールゲイン算出部203Bに対して、第2コントロールゲインを使用するように指示する。コントロールゲイン制御部402の制御に応じて第2コントロールゲイン算出部203Bは、自身が算出した第2コントロールゲインを第2ダイナミックEQ205Bに供給する。第2ダイナミックEQ205Bは、第2コントロールゲインに基づいて、Rチャンネルの音声信号の低域成分のレベルを調整する。
このように、Lチャンネルの音声信号とRチャンネルの音声信号との間に相関が有る場合には、同じコントロールゲインによって両チャンネルの音声信号における低域成分のレベルが減衰される(ゲイン調整量が同期される)。従って、Lチャンネルの音声信号及びRチャンネルの音声信号にセンターに音像定位する音が含まれているような場合であっても、図7に模式的に示されるように、音像SIがパネル部2の中央付近からずれてしまうことを防止することができる。なお、図7は、パネル部2を映像の表示面側から視た正面図である。
更に、第1コントロールゲイン及び第2コントロールゲインのうち、減衰量が大きいコントロールゲインを用いたレベル調整が行われる。従って、画揺れの発生を効果的に抑制することができる。
また、Lチャンネルの音声信号とRチャンネルの音声信号との間に相関が無い場合には、第1コントロールゲイン及び第2コントロールゲインのそれぞれによって、対応するチャンネルの音声信号における低域成分のレベルが減衰される(ゲイン調整量が非同期とされる)。従って、画揺れの発生を効果的に抑制できると共に、不必要に音圧が制限されることを防止することができる。また、ゲイン調整量が非同期とされるので、図8に模式的に示されるように、各チャンネルの音声信号に対応する音像(音像SI1,SI2)を形成することができる。
なお、第1コントロールゲインに対しては、アタックタイム、ホールドタイム及びリリースタイムを設定することができる。第1コントロールゲインとして例えば-3dBが算出されたとする。図9に示すように、アタックタイムとは、0dBから-3dBまで第1コントロールゲインを徐々に変化させるための期間(図中t1からt2までの期間)である。また、ホールドタイムは、第1コントロールゲインが-3dBである状態を保持する期間(図中t2からt3までの期間)である。リリースタイムは、第1コントロールゲインが-3dBである必要がなくなってから、第1コントロールゲインを0dBまで戻すのにかける時間(図中t3からt4までの期間)である。
このように、本実施の形態では、アタックタイム及びリリースタイムに基づいて、第1コントロールゲインが変化されながらダイナミックEQ205による処理が行われる。なお、リリースタイム間で第1コントロールゲインが変化中に再度、第1コントロールゲインとして-3dBが算出された場合には、そのタイミングから第1コントロールゲインが-3dBとなるように第1コントロールゲインを徐々に変化させる処理が行われる。
第1音声信号の低域成分のレベルが急激に減衰すると、視聴者が聴感上、違和感を覚える虞がある。アタックタイム、ホールドタイム及びリリースタイムを適切に設定することで、第1音声信号の低域成分のレベルが急激に減衰してしまうことを防止することができる。また、人の聴覚は、音圧の低下に対して鈍感であるものの音圧の上昇に対しては敏感である。かかる聴覚特性を考慮して、本実施の形態では、アタックタイムを短く設定することで第1音声信号の低域成分のレベルを素早く減衰させて画揺れの発生を防止する。また、リリースタイムをアタックタイムより長く設定することで第1音声信号の低域成分のレベルを徐々に大きくする。これにより、画揺れの発生を抑制しつつ、第1音声信号の低域成分のレベル変化により視聴者が違和感を覚えることを防止する。なお、なお、第2コントロールゲインに対しても同様に、アタックタイム、ホールドタイム及びリリースタイムを設定することができる。
(動作の詳細)
図10及び図11は、第1パネル変位制御部20A、第2パネル変位制御部20B及び制御部40により行われる処理の流れを詳細に示したフローチャートである。なお、図10及び図11における参照符号「AA」及び「BB」はそれぞれ処理の連続性を示すものであり、特定の処理を意味するものではない。
処理が開始されると、ステップST1では、音声データが、第1パネル変位制御部20A及び第2パネル変位制御部20Bのそれぞれに入力される。具体的には、ボリューム調整がなされたLチャンネルの音声信号が第1パネル変位制御部20Aに入力され、ボリューム調整がなされたRチャンネルの音声信号が第2パネル変位制御部20Bに入力される。そして、処理がステップST2に進む。
ステップST2では、第1パネル変位検出部202AがLチャンネルの音声信号にフィルタ処理を行うことにより、当該Lチャンネルの音声信号が入力されたことによる第1映像表示用パネル2Aの変位量を予測する。そして、処理がステップST3に進む。
ステップST3では、第1コントロールゲイン算出部203Aが、Lチャンネルの音声信号の抑制量であるコントロールゲインKL1を算出する。コントロールゲインKL1は、例えば、予測変位量L1/閾値(第1画揺れ検出部201Aにより検出された閾値)により算出される。そして、処理がステップST4に進む。
ステップST4では、KL1>KL2であるか否かが第1コントロールゲイン算出部203Aにより判断される。KL2は、例えば、現在、設定されているコントロールゲインである。KL1>KL2が成り立つ場合は、処理がステップST5に進む。
ステップST5では、コントロールゲインKL2が算出される。ここでは、抑制量が大きいコントロールゲインKL1に時定数(上述したアタックタイム、ホールドタイム及びリリースタイム)に付加したものをコントロールゲインKL2として算出する。そして、処理がステップST12に進む。
KL1>KL2が成り立たない場合は、処理がステップST6に進む。ステップST6では、時定数分コントロールゲインKL2が更新される。そして、処理がステップST12に進む。
Rチャンネルの音声信号に対しても同様の処理が、第2パネル変位制御部20Bにより行われる。ステップST1に続くステップST7では、第2パネル変位検出部202BがRチャンネルの音声信号にフィルタ処理を行うことにより、当該Rチャンネルの音声信号が入力されたことによる第2映像表示用パネル2Bの変位量を予測する。そして、処理がステップST8に進む。
ステップST8では、第2コントロールゲイン算出部203Bが、Rチャンネルの音声信号の抑制量であるコントロールゲインKR1を算出する。コントロールゲインKR1は、例えば、予測変位量R1/閾値(第2画揺れ検出部201Bにより検出された閾値)により算出される。そして、処理がステップST9に進む。
ステップST9では、KR1>KR2であるか否かが第2コントロールゲイン算出部203Bにより判断される。KR2は、例えば、現在、設定されているコントロールゲインである。KR1>KR2が成り立つ場合は、処理がステップST10に進む。
ステップST10では、コントロールゲインKR2が算出される。ここでは、抑制量が大きいコントロールゲインKR1に時定数(上述したアタックタイム、ホールドタイム及びリリースタイム)に付加したものをコントロールゲインKR2として算出する。そして、処理がステップST12に進む。
KR1>KR2が成り立たない場合は、処理がステップST11に進む。ステップST6では、時定数分コントロールゲインKR2が更新される。そして、処理がステップST12に進む。
ステップST12では、コントロールゲインKL2、KR2の何れかが音声信号を抑制する値(例えば、>1)であるか否かが判断される。この判断は、第1コントロールゲイン算出部203A及び第2コントロールゲイン算出部203Bがそれぞれ算出したコントロールゲインKL2、KR2を受け取ったコントロールゲイン制御部402により判断される。コントロールゲインKL2、KR2が音声信号を抑制する値である場合には、処理がステップST13に進む。
ステップST13では、相関判別部401が、Lチャンネルの音声信号とRチャンネルの音声信号との間のコヒーレンスを計算する。そして、処理がステップST14に進む。
ステップST14では、相関判別部401が、計算したコヒーレンスと閾値とを比較することにより、Lチャンネルの音声信号とRチャンネルの音声信号とが相関が高いか否かを判別する。相関判別部401が、両チャンネルの音声信号の相関が高いと判断した場合は、処理がステップST15に進む。
ステップST15では、コントロールゲイン制御部402が、コントロールゲインKL2、KR2を抑制量の大きい値に合わせる(同期させる)。具体的には、KL2>KR2が成り立つ場合には、コントロールゲインKL3及びコントロールゲインKR3が、KL2の値と同じ値に設定される。また、KL2<KR2が成り立つ場合には、コントロールゲインKL3及び第2コントロールゲインKR3がKR2の値と同じ値に設定される。
コントロールゲイン制御部402は、設定したコントロールゲインKL3を第1コントロールゲイン算出部203Aに供給する。そして、第1コントロールゲイン算出部203AがコントロールゲインKL3を第1ダイナミックEQ205Aに供給する。また、コントロールゲイン制御部402は、設定したコントロールゲインKR3を第2コントロールゲイン算出部203Bに供給する。そして、第2コントロールゲイン算出部203BがコントロールゲインKR3を第2ダイナミックEQ205Bに供給する。そして、処理がステップST16及びステップST17に進む。
ステップST16では、第1ダイナミックEQ205AがコントロールゲインKL3を使用して、Lチャンネルの音声信号のゲインを調整する。また、ステップST17では、第2ダイナミックEQ205BがコントロールゲインKR3を使用して、Rチャンネルの音声信号のゲインを調整する。そして、処理がステップST1に戻り、次のサンプルの音声データが入力されると同様の処理が行われる。
相関判別部401が、両チャンネルの相関が低いと判断した場合(ステップST14の判断におけるNo)は、コントロールゲイン制御部402は、第1コントロールゲイン算出部203Aに対して第1コントロールゲイン算出部203Aが算出したコントロールゲインKL2、即ち第1コントロールゲインをコントロールゲインKL3として用いるように指示する。コントロールゲイン制御部402の制御に応じて、第1コントロールゲイン算出部203Aは、KL3=KL2であるコントロールゲインKL3を第1ダイナミックEQ205Aに供給する。また、コントロールゲイン制御部402は、第2コントロールゲイン算出部203Bに対して第2コントロールゲイン算出部203Bが算出したコントロールゲインKR2、即ち第2コントロールゲインをコントロールゲインKR3として用いるように指示する。コントロールゲイン制御部402の制御に応じて、第2コントロールゲイン算出部203Bは、KR3=KR2であるコントロールゲインKR3を第2ダイナミックEQ205Bに供給する。そして、処理がステップST16及びステップST17に進む。ステップST16及びステップST17の処理の内容は上述した通りである。
ステップST12では、KL2、KR2の何れも音声信号を抑制する値でない場合(ステップST12の判断におけるNo)には、コントロールゲインKL3及びコントロールゲインKR3として1(0dB)が設定される。第1コントロールゲイン算出部203Aは、コントロールゲインKL3として0dBを第1ダイナミックEQ205Aに供給する。また、第2コントロールゲイン算出部203Bは、コントロールゲインKR3として0dBを第2ダイナミックEQ205Bに供給する。そして、処理がステップST16及びステップST17に進む。ステップST16及びステップST17の処理の内容は上述した通りである。
以上、説明した本実施の形態によれば、音像位置をキープしつつ、音圧が抑制されてしまうことを極力、防止することができる。更に、画揺れの発生を効果的に抑制することができる。
<変形例>
以上、本開示の実施の形態について具体的に説明したが、本開示の内容は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
上述した実施の形態では、2個のパネルによりパネル部2が構成されていたが、図12に示すように、9個の映像表示用パネル(映像表示用パネルPA、PB、PC・・・PI)により構成されていても良い。9個の映像表示用パネルのそれぞれに、加振器(丸印により模式的に示されている)が接合されている。そして、隣接するパネル部に対して実施の形態と同様の処理が行われても良い。例えば映像表示用パネルPB、PCに対して実施の形態と同様の処理が行われても良い。映像表示用パネルPB、PCを加振する音声信号間に相関があれば、抑制量が同期されることにより、図13に模式的に示すように、映像表示用パネルPB、PCの間に音像を定位させることができる。映像表示用パネルPB、PCを加振する音声信号間に相関がない場合は、抑制量が同期されないので、図14に模式的に示すように、映像表示用パネルPB、PCのそれぞれに音像を定位させることができる。また、図15に示すように、パネル部2が3個の映像表示用パネル(映像表示用パネルPJ、PK、PL)により構成されていても良い。
第1ボリューム調整部10Aは、第1パネル変位制御部20Aの後段に設けられても良い。その場合、第1ボリューム調整部10Aに設定されているボリューム情報が第1パネル変位検出部202Aに供給される構成でも良い。第1パネル変位検出部202Aが、当該ボリューム情報に対応するフィルタ処理を行うようにしても良い。第2ボリューム調整部10Bについでも同様である。
実施の形態で説明した処理の流れにおいて、一部の処理の順序が入れ替わっても良いし、一部の処理が並列的に行われても良い。
第1音声信号、第2音声信号は、Lチャンネルの音声信号、Rチャンネルの音声信号に限らず、オブジェクトオーディオで使用されるオブジェクトに対応する音声信号でも良い。
本開示は、装置、方法、プログラム、システム等により実現することもできる。例えば、上述した実施の形態で説明した機能を行うプログラムをダウンロード可能とし、実施の形態で説明した機能を有しない装置が当該プログラムをダウンロードしてインストールすることにより、当該装置において実施の形態で説明した制御を行うことが可能となる。本開示は、このようなプログラムを配布するサーバにより実現することも可能である。また、各実施の形態、変形例で説明した事項は、適宜組み合わせることが可能である。また、本明細書で例示された効果により本開示の内容が限定して解釈されるものではない。
本開示は、以下の構成も採ることができる。
(1)
第1音声信号が入力される第1パネル変位制御部と、
第2音声信号が入力される第2パネル変位制御部と、
前記第1パネル変位制御部及び前記第2パネル変位制御部を制御する制御部とを有し、
前記第1パネル変位制御部は、前記第1音声信号のレベルを調整する第1ゲイン調整部を有し、
前記第2パネル変位制御部は、前記第2音声信号のレベルを調整する第2ゲイン調整部を有し、
前記制御部は、
前記第1音声信号及び前記第2音声信号の間の相関の有無を判別する相関判別部と、
前記相関判別部による判別結果に基づいて、前記第1ゲイン調整部及び前記第2ゲイン調整部のそれぞれにおけるレベル調整量を制御するゲイン制御部とを有する
信号処理装置。
(2)
前記第1パネル変位制御部は、
前記第1音声信号に基づいて、加振されることで音を発生する第1映像表示用パネルの変位量を検出する第1変位検出部と、
画揺れが発生しない変位量を算出し、算出した変位量を第1閾値として設定する第1閾値設定部とを有し、
前記第1ゲイン調整部は、前記第1変位検出部により検出される変位量と前記第1閾値との比較結果に基づいて、前記第1音声信号のレベルを調整し、
前記第2パネル変位制御部は、
前記第2音声信号に基づいて、加振されることで音を発生する第2映像表示用パネルの変位量を検出する第2変位検出部と、
画揺れが発生しない変位量を算出し、算出した変位量を第2閾値として設定する第2閾値設定部とを有し、
前記第2ゲイン調整部は、前記第2変位検出部により検出される変位量と前記第2閾値との比較結果に基づいて、前記第2音声信号のレベルを調整する
(1)に記載の信号処理装置。
(3)
前記第1パネル変位制御部は、
前記第1変位検出部により検出される変位量と前記第1閾値との比較結果に基づいて第1コントロールゲインを算出する第1コントロールゲイン算出部を有し、
前記第2パネル変位制御部は、
前記第2変位検出部により検出される変位量と前記第2閾値との比較結果に基づいて第2コントロールゲインを算出する第2コントロールゲイン算出部を有する
(2)に記載の信号処理装置。
(4)
前記ゲイン制御部は、
前記第1音声信号及び前記第2音声信号の間に相関が有ると判別された場合には、前記第1コントロールゲイン及び前記第2コントロールゲインのうち、調整量が多いコントロールゲインを前記第1ゲイン調整部及び前記第2ゲイン調整部のそれぞれに設定し、
前記第1ゲイン調整部が、設定されたコントロールゲインを使用して前記第1音声信号のレベルを調整するように制御し、
前記第2ゲイン調整部が、設定されたコントロールゲインを使用して前記第2音声信号のレベルを調整するように制御する
(3)に記載の信号処理装置。
(5)
前記ゲイン制御部は、
前記第1音声信号及び前記第2音声信号の間に相関が無いと判別された場合には、
前記第1ゲイン調整部が、前記第1コントロールゲインを使用して前記第1音声信号のレベルを調整するように制御し、
前記第2ゲイン調整部が、前記第2コントロールゲインを使用して前記第2音声信号のレベルを調整するように制御する
(3)又は(4)に記載の信号処理装置。
(6)
前記第1変位検出部は、事前に測定された前記第1映像表示用パネルの変位特性を近似したフィルタにより構成されており、
前記第2変位検出部は、事前に測定された前記第2映像表示用パネルの変位特性を近似したフィルタにより構成されている
(2)に記載の信号処理装置。
(7)
前記相関判別部は、前記第1音声信号の低域成分及び前記第2音声信号の低域成分の相関を判別する
(1)から(6)までの何れかに記載の信号処理装置。
(8)
前記第1映像表示用パネル及び前記第2映像表示用パネルは、互いに隣接する位置に配置されたパネルである
(2)から(7)までの何れかに記載の信号処理装置。
(9)
前記第1音声信号はL(Left)チャンネルの信号であり、前記第2音声信号はR(Right)チャンネルの信号である
(1)から(8)までの何れかに記載の信号処理装置。
(10)
第1音声信号が入力される第1パネル変位制御部が有する第1ゲイン調整部が、前記第1音声信号のレベルを調整し、
第2音声信号が入力される第2パネル変位制御部が有する第2ゲイン調整部が、前記第2音声信号のレベルを調整し、
制御部が有する相関判別部が、前記第1音声信号及び前記第2音声信号の間の相関の有無を判別し、
制御部が有するゲイン制御部が、前記相関判別部による判別結果に基づいて、前記第1ゲイン調整部及び前記第2ゲイン調整部のそれぞれにおけるレベル調整量を制御する
信号処理方法。
(11)
第1音声信号が入力される第1パネル変位制御部が有する第1ゲイン調整部が、前記第1音声信号のレベルを調整し、
第2音声信号が入力される第2パネル変位制御部が有する第2ゲイン調整部が、前記第2音声信号のレベルを調整し、
制御部が有する相関判別部が、前記第1音声信号及び前記第2音声信号の間の相関の有無を判別し、
制御部が有するゲイン制御部が、前記相関判別部による判別結果に基づいて、前記第1ゲイン調整部及び前記第2ゲイン調整部のそれぞれにおけるレベル調整量を制御する
信号処理方法をコンピュータに実行させるプログラム。
(12)
第1映像表示用パネルと、
前記第1映像表示用パネルを加振する第1加振器と、
前記第1映像表示用パネルと隣接した位置に配置される第2映像表示用パネルと、
前記第2映像表示用パネルを加振する第2加振器と、
第1音声信号が入力される第1パネル変位制御部と、
第2音声信号が入力される第2パネル変位制御部と、
前記第1パネル変位制御部及び前記第2パネル変位制御部を制御する制御部とを有し、
前記第1パネル変位制御部は、前記第1音声信号のレベルを調整する第1ゲイン調整部を有し、
前記第2パネル変位制御部は、前記第2音声信号のレベルを調整する第2ゲイン調整部を有し、
前記制御部は、
前記第1音声信号及び前記第2音声信号の間の相関の有無を判別する相関判別部と、
前記相関判別部による判別結果に基づいて、前記第1ゲイン調整部及び前記第2ゲイン調整部のそれぞれにおけるレベル調整量を制御するゲイン制御部とを有する
映像表示装置。
1・・映像表示装置、2・・・パネル部、2A・・・第1映像表示用パネル、2B・・・第2映像表示用パネル、5・・・加振部、5A・・・第1加振器、5B・・・第2加振器
20A・・・第1パネル変位制御部、20B・・・第2パネル変位制御部、40・・・制御部、201A・・・第1画揺れ検出部、202A・・・第1パネル変位検出部、203A・・・第1コントロールゲイン算出部、205A・・・第1ダイナミックEQ、201B・・・第2画揺れ検出部、202B・・・第2パネル変位検出部、203B・・・第2コントロールゲイン算出部、205B・・・第2ダイナミックEQ、401・・・相関判別部、402・・・コントロールゲイン制御部

Claims (12)

  1. 第1音声信号が入力される第1パネル変位制御部と、
    第2音声信号が入力される第2パネル変位制御部と、
    前記第1パネル変位制御部及び前記第2パネル変位制御部を制御する制御部とを有し、
    前記第1パネル変位制御部は、前記第1音声信号のレベルを調整する第1ゲイン調整部を有し、
    前記第2パネル変位制御部は、前記第2音声信号のレベルを調整する第2ゲイン調整部を有し、
    前記制御部は、
    前記第1音声信号及び前記第2音声信号の間の相関の有無を判別する相関判別部と、
    前記相関判別部による判別結果に基づいて、前記第1ゲイン調整部及び前記第2ゲイン調整部のそれぞれにおけるレベル調整量を制御するゲイン制御部とを有する
    信号処理装置。
  2. 前記第1パネル変位制御部は、
    前記第1音声信号に基づいて、加振されることで音を発生する第1映像表示用パネルの変位量を検出する第1変位検出部と、
    画揺れが発生しない変位量を算出し、算出した変位量を第1閾値として設定する第1閾値設定部とを有し、
    前記第1ゲイン調整部は、前記第1変位検出部により検出される変位量と前記第1閾値との比較結果に基づいて、前記第1音声信号のレベルを調整し、
    前記第2パネル変位制御部は、
    前記第2音声信号に基づいて、加振されることで音を発生する第2映像表示用パネルの変位量を検出する第2変位検出部と、
    画揺れが発生しない変位量を算出し、算出した変位量を第2閾値として設定する第2閾値設定部とを有し、
    前記第2ゲイン調整部は、前記第2変位検出部により検出される変位量と前記第2閾値との比較結果に基づいて、前記第2音声信号のレベルを調整する
    請求項1に記載の信号処理装置。
  3. 前記第1パネル変位制御部は、
    前記第1変位検出部により検出される変位量と前記第1閾値との比較結果に基づいて第1コントロールゲインを算出する第1コントロールゲイン算出部を有し、
    前記第2パネル変位制御部は、
    前記第2変位検出部により検出される変位量と前記第2閾値との比較結果に基づいて第2コントロールゲインを算出する第2コントロールゲイン算出部を有する
    請求項2に記載の信号処理装置。
  4. 前記ゲイン制御部は、
    前記第1音声信号及び前記第2音声信号の間に相関が有ると判別された場合には、前記第1コントロールゲイン及び前記第2コントロールゲインのうち、調整量が多いコントロールゲインを前記第1ゲイン調整部及び前記第2ゲイン調整部のそれぞれに設定し、
    前記第1ゲイン調整部が、設定されたコントロールゲインを使用して前記第1音声信号のレベルを調整するように制御し、
    前記第2ゲイン調整部が、設定されたコントロールゲインを使用して前記第2音声信号のレベルを調整するように制御する
    請求項3に記載の信号処理装置。
  5. 前記ゲイン制御部は、
    前記第1音声信号及び前記第2音声信号の間に相関が無いと判別された場合には、
    前記第1ゲイン調整部が、前記第1コントロールゲインを使用して前記第1音声信号のレベルを調整するように制御し、
    前記第2ゲイン調整部が、前記第2コントロールゲインを使用して前記第2音声信号のレベルを調整するように制御する
    請求項3に記載の信号処理装置。
  6. 前記第1変位検出部は、事前に測定された前記第1映像表示用パネルの変位特性を近似したフィルタにより構成されており、
    前記第2変位検出部は、事前に測定された前記第2映像表示用パネルの変位特性を近似したフィルタにより構成されている
    請求項2に記載の信号処理装置。
  7. 前記相関判別部は、前記第1音声信号の低域成分及び前記第2音声信号の低域成分の相関を判別する
    請求項1に記載の信号処理装置。
  8. 前記第1映像表示用パネル及び前記第2映像表示用パネルは、互いに隣接する位置に配置されたパネルである
    請求項2に記載の信号処理装置。
  9. 前記第1音声信号はL(Left)チャンネルの信号であり、前記第2音声信号はR(Right)チャンネルの信号である
    請求項1に記載の信号処理装置。
  10. 第1音声信号が入力される第1パネル変位制御部が有する第1ゲイン調整部が、前記第1音声信号のレベルを調整し、
    第2音声信号が入力される第2パネル変位制御部が有する第2ゲイン調整部が、前記第2音声信号のレベルを調整し、
    制御部が有する相関判別部が、前記第1音声信号及び前記第2音声信号の間の相関の有無を判別し、
    制御部が有するゲイン制御部が、前記相関判別部による判別結果に基づいて、前記第1ゲイン調整部及び前記第2ゲイン調整部のそれぞれにおけるレベル調整量を制御する
    信号処理方法。
  11. 第1音声信号が入力される第1パネル変位制御部が有する第1ゲイン調整部が、前記第1音声信号のレベルを調整し、
    第2音声信号が入力される第2パネル変位制御部が有する第2ゲイン調整部が、前記第2音声信号のレベルを調整し、
    制御部が有する相関判別部が、前記第1音声信号及び前記第2音声信号の間の相関の有無を判別し、
    制御部が有するゲイン制御部が、前記相関判別部による判別結果に基づいて、前記第1ゲイン調整部及び前記第2ゲイン調整部のそれぞれにおけるレベル調整量を制御する
    信号処理方法をコンピュータに実行させるプログラム。
  12. 第1映像表示用パネルと、
    前記第1映像表示用パネルを加振する第1加振器と、
    前記第1映像表示用パネルと隣接した位置に配置される第2映像表示用パネルと、
    前記第2映像表示用パネルを加振する第2加振器と、
    第1音声信号が入力される第1パネル変位制御部と、
    第2音声信号が入力される第2パネル変位制御部と、
    前記第1パネル変位制御部及び前記第2パネル変位制御部を制御する制御部とを有し、
    前記第1パネル変位制御部は、前記第1音声信号のレベルを調整する第1ゲイン調整部を有し、
    前記第2パネル変位制御部は、前記第2音声信号のレベルを調整する第2ゲイン調整部を有し、
    前記制御部は、
    前記第1音声信号及び前記第2音声信号の間の相関の有無を判別する相関判別部と、
    前記相関判別部による判別結果に基づいて、前記第1ゲイン調整部及び前記第2ゲイン調整部のそれぞれにおけるレベル調整量を制御するゲイン制御部とを有する
    映像表示装置。
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