JP7494805B2 - 化学増幅レジスト材料及びパターン形成方法 - Google Patents

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本発明は、化学増幅レジスト材料及びパターン形成方法に関する。
LSIの高集積化と高速度化に伴い、パターンルールの微細化が急速に進んでいる。特に、スマートフォンの普及によるロジックメモリー市場の拡大が微細化を牽引している。最先端の微細化技術としては、ArF液浸リソグラフィーのダブルパターニングによる10nmノードのデバイスの量産が行われており、次世代には同じくダブルパターニングによる7nmノードの量産準備が進行中である。次次世代の5nmノードとしては、極端紫外線(EUV)リソグラフィーが候補に挙がっている。
ロジックデバイスにおいて微細化が進行する一方で、フラッシュメモリーにおいては3D-NANDと呼ばれるゲートが積層されたデバイスとなって、積層数が増えることによって容量が増大している。積層数が増えると、これを加工するためのハードマスクが厚くなり、フォトレジスト膜も厚くなっている。ロジックデバイス向けレジストは薄膜化し、3D-NAND向けレジストは厚膜化している。
微細化が進行し、光の回折限界に近づくにつれて、光のコントラストが低下してくる。光のコントラストの低下によって、ポジ型レジスト膜においてはホールパターンやトレンチパターンの解像性や、フォーカスマージンの低下が生じる。レジスト膜の厚膜化は、以前の旧世代デバイス用のレジスト膜の膜厚に戻るわけであるが、より一層の寸法均一性(CDU)が要求されており、以前のフォトレジストでは対応できない。寸法が小さくなることによる光のコントラスト低下によるレジストパターンの解像性低下を防ぐため、あるいはレジスト膜の厚膜化においてCDUを向上させるため、レジスト膜の溶解コントラストを向上させる試みが行われている。
酸発生剤を添加し、光あるいは電子線(EB)の照射によって酸を発生させて、酸による脱保護反応を起こす化学増幅ポジ型レジスト材料及び酸による極性変化反応又は架橋反応を起こす化学増幅ネガ型レジスト材料にとって、酸の未露光部分への拡散を制御してコントラストを向上させる目的でのクエンチャーの添加は、非常に効果的であった。そのため、多くのアミンクエンチャーが提案された(特許文献1、2)。
酸触媒による極性変化を伴うアミンクエンチャーが提案されている。特許文献3には、酸不安定基を有するアミンクエンチャーが提案されている。これは、窒素原子側にカルボニル基が配置された第3級エステルの酸による脱保護反応によってカルボン酸が発生し、アルカリ溶解性が向上するものである。しかしこの場合、窒素原子側の分子量が大きくできないため酸拡散制御能は低いし、コントラストの向上効果はわずかである。特許文献4には、酸によるtert-ブトキシカルボニル基の脱保護反応によってアミノ基が発生するクエンチャーが提案されている。これは、露光によってクエンチャーが発生する機構であり、コントラストを高めるのとは逆効果である。露光又は酸によって、クエンチャーが消失する機構又はクエンチ能が低下する機構によってコントラストは向上する。特許文献5には、酸によってアミン化合物が環を形成してラクタム構造になるクエンチャーが提案されている。強塩基のアミン化合物が弱塩基のラクタム化合物に変化することによって、酸の活性度が変化してコントラストが向上するものである。
ArFレジスト材料用の(メタ)アクリレートポリマーに用いられる酸不安定基は、α位がフッ素原子で置換されたスルホン酸を発生する光酸発生剤を使うことによって脱保護反応が進行するが、α位がフッ素原子で置換されていないスルホン酸又はカルボン酸を発生する酸発生剤では脱保護反応が進行しない。α位がフッ素原子で置換されたスルホン酸を発生するスルホニウム塩又はヨードニウム塩に、α位がフッ素原子で置換されていないスルホン酸を発生するスルホニウム塩又はヨードニウム塩を混合すると、α位がフッ素原子で置換されていないスルホン酸を発生するスルホニウム塩又はヨードニウム塩は、α位がフッ素原子で置換されたスルホン酸とイオン交換を起こす。光によって発生したα位がフッ素原子で置換されたスルホン酸は、イオン交換によってスルホニウム塩又はヨードニウム塩に逆戻りするため、α位がフッ素原子で置換されていないスルホン酸又はカルボン酸のスルホニウム塩又はヨードニウム塩はクエンチャーとして機能する。カルボン酸を発生するスルホニウム塩又はヨードニウム塩をクエンチャーとして用いるレジスト材料が提案されている(特許文献6)。
スルホニウム塩型及びヨードニウム塩型のクエンチャーは、光酸発生剤と同様に光分解性である。つまり、露光部分は、クエンチャーの量が少なくなる。露光部分には酸が発生するので、クエンチャーの量が減ると、相対的に酸の濃度が高くなり、これによってコントラストが向上する。しかしながら、露光部分の酸拡散を抑えることができないため、酸拡散制御が困難になる。
スルホニウム塩型及びヨードニウム塩型のクエンチャーは、波長193nmの光を吸収するため、スルホニウム塩型又はヨードニウム塩型の酸発生剤と併用するとレジスト膜の前記光の透過率が低下する。これによって、特に膜厚が100nm以上のポジ型レジスト膜においては、現像後のパターンの断面形状がテーパー形状となる。膜厚が100nm以上、特に150nm以上のレジスト膜においては、高透明なクエンチャーが必要である。
アミンクエンチャーは、酸拡散を抑えコントラストを向上させる効果があり、波長193nmにおける透明性も高いが、α位がフッ素で置換されていないスルホン酸やカルボン酸のスルホニウム塩やヨードニウム塩に比べてエッジラフネス(LWR)が悪いという問題がある。
アンモニウム塩型のクエンチャーの検討も行われている。テトラメチルアンモニウム塩やベタインカルボン酸塩の添加(特許文献7)、各種カルボン酸のアンモニウム塩が示されている(特許文献8)。しかし、これらのアンモニウム塩型クエンチャーも、LWRが悪いという問題がある。
特開2001-194776号公報 特開2002-226470号公報 特開2002-363148号公報 特開2001-166476号公報 特開2012-137729号公報 国際公開第2008/066011号 特開2002-006499号公報 国際公開第2019/123842号
酸を触媒とする化学増幅レジスト材料において、ラインパターンのLWRやホールパターンのCDUを低減させることが可能で、かつ感度も向上させることができるクエンチャーの開発が望まれている。これには、酸の拡散距離を一段と小さくして、同時にコントラストを向上させる必要があり、相反する特性の両方を向上させる必要がある。
本発明は、前記事情に鑑みなされたもので、ポジ型であってもネガ型であっても、高感度であり、LWRやCDUが小さい化学増幅レジスト材料、及びこれを用いるパターン形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、酸発生剤を含む化学増幅レジスト材料に、クエンチャーとしてトリフルオロメチル基、ヒドロカルビルカルボニル基及びヒドロカルビルオキシカルボニル基から選ばれる基に結合する1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロポキシドアニオン及び窒素原子含有カチオンからなる塩化合物を添加することによって、酸拡散を抑える効果を有し、現像後の膜減りを生じさせることもなく、クエンチャーが膜内に均一に分散することによって、LWR及びCDUが小さいレジスト膜が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記化学増幅レジスト材料及びパターン形成方法を提供する。
1.クエンチャー及び酸発生剤を含む化学増幅レジスト材料であって、
前記クエンチャーが、トリフルオロメチル基、ヒドロカルビルカルボニル基及びヒドロカルビルオキシカルボニル基から選ばれる基に結合する1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロポキシドアニオン及び窒素原子含有カチオンからなる塩化合物を含むものである化学増幅レジスト材料。
2.前記塩化合物が、下記式(1)又は(2)で表されるものである1の化学増幅レジスト材料。
Figure 0007494805000001
(式中、mは、1~4の整数である。nは、0~4の整数である。
1は、トリフルオロメチル基、炭素数2~21のヒドロカルビルカルボニル基又は炭素数2~21のヒドロカルビルオキシカルボニル基であり、該ヒドロカルビルカルボニル基又はヒドロカルビルオキシカルボニル基のヒドロカルビル部は、エーテル結合、エステル結合、チオール基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、スルトン基、スルホン酸エステル結合、アミド結合及びハロゲン原子から選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。
2~R13は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~24のヒドロカルビル基であり、該ヒドロカルビル基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、エーテル結合、エステル結合、チオエーテル結合、チオエステル結合、チオノエステル結合、ジチオエステル結合、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、スルホン基又はフェロセニル基を含んでいてもよい。R2~R5のうち少なくとも2つ又はR6~R13のうち少なくとも2つが、互いに結合してこれらが結合する窒素原子とともに、又はこれらが結合する窒素原子とその間の原子とともに環を形成してもよく、R2とR3とが合わさって=C(R2A)(R3A)を形成してもよい。R2A及びR3Aは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~16のヒドロカルビル基であり、該ヒドロカルビル基は、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を含んでいてもよい。また、R2AとR4とが、互いに結合してこれらが結合する炭素原子及び窒素原子と共に環を形成してもよく、該環の中に、二重結合、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を含んでいてもよい。
14は、nが0のときは炭素数1~12の(m+1)価の飽和炭化水素基であり、nが1~4の整数のときは炭素数2~12の飽和ヒドロカルビレン基であり、エーテル結合、エステル結合、カルボキシ基、チオエステル結合、チオノエステル結合又はジチオエステル結合を含んでいてもよい。
15は、炭素数2~12の飽和ヒドロカルビレン基であり、エーテル結合、エステル結合、カルボキシ基、チオエステル結合、チオノエステル結合又はジチオエステル結合を含んでいてもよい。)
3.前記酸発生剤が、スルホン酸、イミド酸又はメチド酸を発生するものである1又は2の化学増幅レジスト材料。
4.更に、ベースポリマーを含む1~3のいずれかの化学増幅レジスト材料。
5.前記ベースポリマーが、下記式(a1)で表される繰り返し単位又は下記式(a2)で表される繰り返し単位を含むものである4の化学増幅レジスト材料。
Figure 0007494805000002
(式中、RAは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基である。R21及びR22は、それぞれ独立に、酸不安定基である。X1は、単結合、フェニレン基若しくはナフチレン基、又はエステル結合及びラクトン環から選ばれる少なくとも1種を含む炭素数1~12の連結基である。X2は、単結合又はエステル結合である。)
6.化学増幅ポジ型レジスト材料である5の化学増幅レジスト材料。
7.前記ベースポリマーが、酸不安定基を含まないものである4の化学増幅レジスト材料。
8.化学増幅ネガ型レジスト材料である7の化学増幅レジスト材料。
9.前記ベースポリマーが、下記式(f1)~(f3)のいずれかで表される繰り返し単位を含むものである4~8のいずれかの化学増幅レジスト材料。
Figure 0007494805000003
(式中、RAは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基である。
1は、単結合、炭素数1~6の脂肪族ヒドロカルビレン基、フェニレン基、ナフチレン基若しくはこれらを組み合わせて得られる炭素数7~18の基、又は-O-Z11-、-C(=O)-O-Z11-若しくは-C(=O)-NH-Z11-である。Z11は、炭素数1~6の脂肪族ヒドロカルビレン基、フェニレン基、ナフチレン基又はこれらを組み合わせて得られる炭素数7~18の基であり、カルボニル基、エステル結合、エーテル結合又はヒドロキシ基を含んでいてもよい。
2は、単結合、-Z21-C(=O)-O-、-Z21-O-又は-Z21-O-C(=O)-である。Z21は、炭素数1~12の飽和ヒドロカルビレン基であり、カルボニル基、エステル結合又はエーテル結合を含んでいてもよい。
3は、単結合、メチレン基、エチレン基、フェニレン基、フッ素化フェニレン基、-O-Z31-、-C(=O)-O-Z31-又は-C(=O)-NH-Z31-である。Z31は、炭素数1~6の脂肪族ヒドロカルビレン基、フェニレン基、フッ素化フェニレン基、又はトリフルオロメチル基で置換されたフェニレン基であり、カルボニル基、エステル結合、エーテル結合又はヒドロキシ基を含んでいてもよい。
31~R38は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~20のヒドロカルビル基である。また、R33及びR34又はR36及びR37が、互いに結合してこれらが結合する硫黄原子と共に環を形成してもよい。
HFは、水素原子又はトリフルオロメチル基である。
-は、非求核性対向イオンである。)
10.更に、有機溶剤を含む1~9のいずれかの化学増幅レジスト材料。
11.更に、界面活性剤を含む1~10のいずれかの化学増幅レジスト材料。
12.1~11のいずれかの化学増幅レジスト材料を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜を高エネルギー線で露光する工程と、現像液を用いて前記露光したレジスト膜を現像する工程とを含むパターン形成方法。
13.前記高エネルギー線が、波長365nmのi線、波長193nmのArFエキシマレーザー光又は波長248nmのKrFエキシマレーザー光である12のパターン形成方法。
14.前記高エネルギー線が、EB又は波長3~15nmのEUVである12のパターン形成方法。
前記塩化合物は、トリフルオロメチル基、ヒドロカルビルカルボニル基及びヒドロカルビルオキシカルボニル基から選ばれる基に結合する1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロポキシドアニオンを含んでいるため、フッ素原子の電気反発によって塩化合物同士が凝集することがなく、ナノメーターレベルの微小範囲内で酸拡散を均一に制御することができる。これによって、現像後のパターンは、LWR及びCDUが小さいという特徴を有する。前記塩化合物を含むクエンチャーは、ポジ型レジスト材料においてもネガ型レジスト材料においても効果が高い。
[化学増幅レジスト材料]
本発明の化学増幅レジスト材料は、トリフルオロメチル基、ヒドロカルビルカルボニル基及びヒドロカルビルオキシカルボニル基から選ばれる基に結合する1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロポキシドアニオン及び窒素原子含有カチオンからなる塩化合物を含むクエンチャー、及び酸発生剤を含むものである。前記塩化合物は、酸発生剤から発生した酸とイオン交換を起こして塩化合物を形成し、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール基を有する化合物(以下、HFA化合物ともいう。)を放出するクエンチャーである。フッ素原子の電気的な反発によってクエンチャーがレジスト膜内に均一に分散し、これによって酸の拡散距離がナノメーターレベルの微小範囲内で均一化し、現像後にLWR及びCDUの小さなパターンを形成することができる。
前記塩化合物による酸拡散抑制効果、コントラスト向上効果並びにLWR及びCDUの低減効果は、アルカリ水溶液現像によるポジティブパターン形成やネガティブパターン形成においても、有機溶剤現像におけるネガティブパターン形成のどちらにおいても有効である。
[クエンチャー]
本発明の化学増幅レジスト材料に含まれるクエンチャーは、トリフルオロメチル基、ヒドロカルビルカルボニル基及びヒドロカルビルオキシカルボニル基から選ばれる基に結合する1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロポキシドアニオン及び窒素原子含有カチオンからなる塩化合物を含む。前記塩化合物としては、特に、下記式(1)又は(2)で表されるものが好ましい。
Figure 0007494805000004
式(1)及び(2)中、mは、1~4の整数である。nは、0~4の整数である。
式(1)及び(2)中、R1は、トリフルオロメチル基、炭素数2~21のヒドロカルビルカルボニル基又は炭素数2~21のヒドロカルビルオキシカルボニル基であり、該ヒドロカルビルカルボニル基又はヒドロカルビルオキシカルボニル基のヒドロカルビル部は、エーテル結合、エステル結合、チオール基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、スルトン基、スルホン酸エステル結合、アミド結合及びハロゲン原子から選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。
前記ヒドロカルビルカルボニル基又はヒドロカルビルオキシカルボニル基のヒドロカルビル部は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、3-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等の炭素数1~20のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、シクロプロピルメチル基、シクロプロピルエチル基、シクロブチルメチル基、シクロブチルエチル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、メチルシクロプロピル基、メチルシクロブチル基、メチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、エチルシクロプロピル基、エチルシクロブチル基、エチルシクロペンチル基、エチルシクロヘキシル基等の炭素数3~20の環式飽和ヒドロカルビル基;ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基等の炭素数2~20のアルケニル基;エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、ノニニル基、デシニル基、ウンデシニル基、ドデシニル基、トリデシニル基、テトラデシニル基、ペンタデシニル基、ヘキサデシニル基、ヘプタデシニル基、オクタデシニル基、ノナデシニル基、イコシニル基等の炭素数2~20のアルキニル基;シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、メチルシクロペンテニル基、メチルシクロヘキセニル基、エチルシクロペンテニル基、エチルシクロヘキセニル基、ノルボルネニル基等の炭素数3~20の環式不飽和脂肪族ヒドロカルビル基;フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、n-プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n-ブチルフェニル基、イソブチルフェニル基、sec-ブチルフェニル基、tert-ブチルフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、n-プロピルナフチル基、イソプロピルナフチル基、n-ブチルナフチル基、イソブチルナフチル基、sec-ブチルナフチル基、tert-ブチルナフチル基等の炭素数6~20のアリール基;ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、1-ナフチルメチル基、2-ナフチルメチル基、9-フルオレニルメチル基、1-ナフチルエチル基、2-ナフチルエチル基、9-フルオレニルエチル基等の炭素数7~20のアラルキル基;これらを組み合わせて得られる基等が挙げられる。
式(1)及び(2)中、R2~R13は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~24のヒドロカルビル基であり、該ヒドロカルビル基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、エーテル結合、エステル結合、チオエーテル結合、チオエステル結合、チオノエステル結合、ジチオエステル結合、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、スルホン基又はフェロセニル基を含んでいてもよい。前記ヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等の炭素数1~20のアルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロプロピルメチル基、4-メチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等の炭素数3~20の環式飽和ヒドロカルビル基;ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等の炭素数2~20のアルケニル基;エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、2-シクロヘキシルエチニル基、2-フェニルエチニル基等の炭素数2~20のアルキニル基;シクロヘキセニル基、ノルボルネニル基等の炭素数3~20の環式不飽和脂肪族ヒドロカルビル基;フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、n-プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n-ブチルフェニル基、イソブチルフェニル基、sec-ブチルフェニル基、tert-ブチルフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、n-プロピルナフチル基、イソプロピルナフチル基、n-ブチルナフチル基、イソブチルナフチル基、sec-ブチルナフチル基、tert-ブチルナフチル基等の炭素数6~20のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等の炭素数7~20のアラルキル基等が挙げられる。
また、R2~R5のうち少なくとも2つ又はR6~R13のうち少なくとも2つが、互いに結合してこれらが結合する窒素原子とともに、又はこれらが結合する窒素原子とその間の原子とともに環を形成してもよく、R2とR3とが合わさって=C(R2A)(R3A)を形成してもよい。R2A及びR3Aは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~16のヒドロカルビル基であり、該ヒドロカルビル基は、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を含んでいてもよい。前記ヒドロカルビル基としては、前述したものと同様のものが挙げられる。また、R2AとR4とが、互いに結合してこれらが結合する炭素原子及び窒素原子と共に環を形成してもよく、該環の中に、二重結合、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を含んでいてもよい。
式(2)中、R14は、nが0のときは炭素数1~12の(m+1)価の飽和炭化水素基であり、nが1~4の整数のときは炭素数2~12の飽和ヒドロカルビレン基であり、エーテル結合、エステル結合、カルボキシ基、チオエステル結合、チオノエステル結合又はジチオエステル結合を含んでいてもよい。R15は、炭素数2~12の飽和ヒドロカルビレン基であり、エーテル結合、エステル結合、カルボキシ基、チオエステル結合、チオノエステル結合又はジチオエステル結合を含んでいてもよい。
前記炭素数2~12の飽和ヒドロカルビレン基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、その具体例としては、エタン-1,1-ジイル基、エタン-1,2-ジイル基、プロパン-1,1-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-2,2-ジイル基、ブタン-1,1-ジイル基、ブタン-1,2-ジイル基、ブタン-1,3-ジイル基、ブタン-2,3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、1,1-ジメチルエタン-1,2-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、2-メチルブタン-1,2-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、ヘプタン-1,7-ジイル基、オクタン-1,8-ジイル基、ノナン-1,9-ジイル基、デカン-1,10-ジイル基、ウンデカン-1,11-ジイル基、ドデカン-1,12-ジイル基等のアルカンジイル基;シクロプロパン-1,1-ジイル基、シクロプロパン-1,2-ジイル基、シクロブタン-1,1-ジイル基、シクロブタン-1,2-ジイル基、シクロブタン-1,3-ジイル基、シクロペンタン-1,1-ジイル基、シクロペンタン-1,2-ジイル基、シクロペンタン-1,3-ジイル基、シクロヘキサン-1,1-ジイル基、シクロヘキサン-1,2-ジイル基、シクロヘキサン-1,3-ジイル基、シクロヘキサン-1,4-ジイル基等のシクロアルカンジイル基;ノルボルナン-2,3-ジイル基、ノルボルナン-2,6-ジイル基等の2価多環式飽和炭化水素基;シクロペンチルメタンジイル基、シクロヘキシルメタンジイル基、2-シクロペンテニルメタンジイル基、3-シクロペンテニルメタンジイル基、2-シクロヘキセニルメタンジイル基、3-シクロヘキセニルメタンジイル基等の環式脂肪族炭化水素基で置換されたアルカンジイル基等が挙げられる。前記(m+1)価の飽和炭化水素基としては、前記炭素数1~12の飽和ヒドロカルビレン基から更に水素原子を(m-1)個取り除いて得られる基が挙げられる。
式(1)又は(2)で表される塩化合物のアニオンとしては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 0007494805000005
Figure 0007494805000006
Figure 0007494805000007
Figure 0007494805000008
Figure 0007494805000009
Figure 0007494805000010
Figure 0007494805000011
Figure 0007494805000012
Figure 0007494805000013
Figure 0007494805000014
式(1)で表される塩化合物のカチオンとしては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 0007494805000015
Figure 0007494805000016
Figure 0007494805000017
Figure 0007494805000018
Figure 0007494805000019
Figure 0007494805000020
Figure 0007494805000021
Figure 0007494805000022
Figure 0007494805000023
Figure 0007494805000024
Figure 0007494805000025
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Figure 0007494805000027
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Figure 0007494805000029
Figure 0007494805000030
Figure 0007494805000031
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Figure 0007494805000033
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Figure 0007494805000040
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Figure 0007494805000043
Figure 0007494805000044
Figure 0007494805000045
Figure 0007494805000046
式(2)で表される塩化合物のカチオンとしては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 0007494805000047
Figure 0007494805000048
Figure 0007494805000049
Figure 0007494805000050
前記塩化合物は、分子内に1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール基を有しているため、フッ素原子による電気反発のため塩化合物同士が凝集することがなく、塩化合物がレジスト膜内に均一に分散する。これによって、露光によって酸発生剤から発生した酸の拡散距離がナノメーターレベルの微小範囲内で均一であるため、LWR又はCDUを向上させることが可能になる。芳香族基を有していないため、波長193nmの光の吸収が少なく、膜厚100nm以上の厚膜のレジスト膜を用いたArFエキシマレーザー光露光によるパターン形成においても有効である。
前記塩化合物の合成方法としては、例えば、アンモニウムヒドロキシド、アミン化合物等の窒素原子含有化合物とHFA化合物との中和反応による方法が挙げられる。前記窒素原子含有化合物とHFA化合物との中和反応は、モル比が1:1となる量で行うことが最も好ましいが、どちらか一方が過剰であってもよい。
中和反応は、レジスト溶液中で行ってもよい。具体的には、後述する各成分を含む溶液に、前記窒素原子含有化合物とHFA化合物とを添加し、中和させてもよい。このとき、HFA化合物の添加量は、アンモニウムヒドロキシド又はアミン化合物に対し、モル比で、0.5~1.5となる量が好ましく、0.7~1.3となる量がより好ましい。
本発明の化学増幅レジスト材料中、前記塩化合物の含有量は、後述するベースポリマー100質量部に対し、感度及び酸拡散抑制効果の点から、0.001~50質量部が好ましく、0.01~20質量部がより好ましい。前記塩化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記クエンチャーは、前記塩化合物以外のクエンチャー(以下、その他のクエンチャーという。)を配合してもよい。その他のクエンチャーとしては、従来型の塩基性化合物が挙げられる。従来型の塩基性化合物としては、第1級、第2級又は第3級の脂肪族アミン類、混成アミン類、芳香族アミン類、複素環アミン類、カルボキシ基を有する含窒素化合物、スルホニル基を有する含窒素化合物、ヒドロキシ基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物、アミド類、イミド類、カーバメート類等が挙げられる。特に、特開2008-111103号公報の段落[0146]~[0164]に記載の第1級、第2級、第3級のアミン化合物、特にはヒドロキシ基、エーテル結合、エステル結合、ラクトン環、シアノ基、スルホン酸エステル結合を有するアミン化合物あるいは特許第3790649号公報に記載のカーバメート基を有する化合物等が好ましい。このような塩基性化合物を添加することによって、例えば、レジスト膜中での酸の拡散速度を更に抑制したり、形状を補正したりすることができる。
その他のクエンチャーとしては、更に、特開2008-239918号公報に記載のポリマー型クエンチャーが挙げられる。これは、レジスト膜表面に配向することによってレジストパターンの矩形性を高める。ポリマー型クエンチャーは、液浸露光用の保護膜を適用したときのパターンの膜減りやパターントップのラウンディングを防止する効果もある。
また、その他のクエンチャーとして、アンモニウム塩、スルホニウム塩又はヨードニウム塩を添加してもよい。このとき、クエンチャーとして添加するアンモニウム塩、スルホニウム塩又はヨードニウム塩としては、カルボン酸、スルホン酸、スルホンイミド又はサッカリンの塩が適当である。このときのカルボン酸は、α位がフッ素化されていてもいなくてもよい。
その他のクエンチャーの含有量は、後述するベースポリマー100質量部に対し、0~5質量部が好ましく、0~4質量部がより好ましい。前記その他のクエンチャーは、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
[酸発生剤]
本発明の化学増幅レジスト材料は、酸発生剤を含む。前記酸発生剤は、前記塩化合物や後述する各成分とは異なる添加型の酸発生剤であってもよく、後述するベースポリマーとしても機能するもの、換言すればベースポリマーを兼ねるポリマーバウンド型酸発生剤であってもよい。
添加型酸発生剤としては、活性光線又は放射線に感応して酸を発生する化合物(光酸発生剤)が好ましい。光酸発生剤としては、高エネルギー線照射により酸を発生する化合物であればいかなるものでも構わないが、スルホン酸、イミド酸又はメチド酸を発生するものが好ましい。好適な光酸発生剤としてはスルホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニルジアゾメタン、N-スルホニルオキシイミド、オキシム-O-スルホネート型酸発生剤等がある。光酸発生剤の具体例としては、特開2008-111103号公報の段落[0122]~[0142]に記載されているものが挙げられる。
また、光酸発生剤として、下記式(3)で表されるものも好適に使用できる。
Figure 0007494805000051
式(3)中、R101~R103は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~20のヒドロカルビル基である。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
101~R103で表される炭素数1~20のヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等の炭素数1~20のアルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロプロピルメチル基、4-メチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等の炭素数3~20の環式飽和ヒドロカルビル基;ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等の炭素数2~20のアルケニル基;エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等の炭素数2~20のアルキニル基;シクロヘキセニル基、ノルボルネニル基等の炭素数3~20の環式不飽和脂肪族ヒドロカルビル基;フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、n-プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n-ブチルフェニル基、イソブチルフェニル基、sec-ブチルフェニル基、tert-ブチルフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、n-プロピルナフチル基、イソプロピルナフチル基、n-ブチルナフチル基、イソブチルナフチル基、sec-ブチルナフチル基、tert-ブチルナフチル基等の炭素数6~20のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等の炭素数7~20のアラルキル基;これらを組み合わせて得られる基等が挙げられる。
また、これらの基の水素原子の一部又は全部が、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、ハロゲン原子等のヘテロ原子含有基で置換されていてもよく、これらの基の炭素原子の一部が、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子含有基で置換されていてもよく、その結果、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、メルカプト基、カルボニル基、エーテル結合、エステル結合、スルホン酸エステル結合、カーボネート基、ラクトン環、スルトン環、カルボン酸無水物、ハロアルキル基等を含んでいてもよい。
また、R101及びR102が、互いに結合してこれらが結合する硫黄原子と共に環を形成してもよい。このとき、前記環としては、以下に示す構造のものが好ましい。
Figure 0007494805000052
(式中、破線は、R103との結合手である。)
式(3)で表されるスルホニウム塩のカチオンとしては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 0007494805000053
Figure 0007494805000054
Figure 0007494805000055
Figure 0007494805000056
Figure 0007494805000057
Figure 0007494805000058
Figure 0007494805000059
Figure 0007494805000060
Figure 0007494805000061
Figure 0007494805000062
Figure 0007494805000063
Figure 0007494805000064
Figure 0007494805000065
Figure 0007494805000066
Figure 0007494805000067
式(3)中、Xa-は、下記式(3A)~(3D)から選ばれるアニオンである。
Figure 0007494805000068
式(3A)中、Rfaは、フッ素原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~40のヒドロカルビル基である。前記ヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、後述する式(3A')のR111で表されるヒドロカルビル基として例示するものと同様のものが挙げられる。
式(3A)で表されるアニオンとしては、下記式(3A')で表されるものが好ましい。
Figure 0007494805000069
式(3A')中、RHFは、水素原子又はトリフルオロメチル基であり、好ましくはトリフルオロメチル基である。R111は、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~38のヒドロカルビル基である。前記ヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子等が好ましく、酸素原子がより好ましい。前記ヒドロカルビル基としては、微細パターン形成において高い解像度を得る点から、特に炭素数6~30であるものが好ましい。
111で表されるヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、ウンデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基、ヘプタデシル基、イコサニル基等の炭素数1~38のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1-アダマンチル基、2-アダマンチル基、1-アダマンチルメチル基、ノルボルニル基、ノルボルニルメチル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、テトラシクロドデカニルメチル基、ジシクロヘキシルメチル基等の炭素数3~38の環式飽和ヒドロカルビル基;アリル基、3-シクロヘキセニル基等の炭素数2~38の不飽和脂肪族ヒドロカルビル基;フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基等の炭素数6~38のアリール基;ベンジル基、ジフェニルメチル基等の炭素数7~38のアラルキル基;これらを組み合わせて得られる基等が挙げられる。
また、これらの基の水素原子の一部又は全部が、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、ハロゲン原子等のヘテロ原子含有基で置換されていてもよく、これらの基の炭素原子の一部が、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子含有基で置換されていてもよく、その結果、ヒドロキシ基、シアノ基、カルボニル基、エーテル結合、エステル結合、スルホン酸エステル結合、カーボネート基、ラクトン環、スルトン環、カルボン酸無水物、ハロアルキル基等を含んでいてもよい。ヘテロ原子を含むヒドロカルビル基としては、テトラヒドロフリル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メチルチオメチル基、アセトアミドメチル基、トリフルオロエチル基、(2-メトキシエトキシ)メチル基、アセトキシメチル基、2-カルボキシ-1-シクロヘキシル基、2-オキソプロピル基、4-オキソ-1-アダマンチル基、3-オキソシクロヘキシル基等が挙げられる。
式(3A')で表されるアニオンを含むスルホニウム塩の合成に関しては、特開2007-145797号公報、特開2008-106045号公報、特開2009-7327号公報、特開2009-258695号公報等に詳しい。また、特開2010-215608号公報、特開2012-41320号公報、特開2012-106986号公報、特開2012-153644号公報等に記載のスルホニウム塩も好適に用いられる。
式(3A)で表されるアニオンとしては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。なお、下記式中、Acはアセチル基である。
Figure 0007494805000070
Figure 0007494805000071
Figure 0007494805000072
Figure 0007494805000073
式(3B)中、Rfb1及びRfb2は、それぞれ独立に、フッ素原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~40のヒドロカルビル基である。前記ヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、式(3A')中のR111で表されるヒドロカルビル基として例示したものと同様のものが挙げられる。Rfb1及びRfb2として好ましくは、フッ素原子又は炭素数1~4の直鎖状フッ素化アルキル基である。また、Rfb1とRfb2とは、互いに結合してこれらが結合する基(-CF2-SO2-N--SO2-CF2-)と共に環を形成してもよく、このとき、Rfb1とRfb2とが互いに結合して得られる基は、フッ素化エチレン基又はフッ素化プロピレン基であることが好ましい。
式(3C)中、Rfc1、Rfc2及びRfc3は、それぞれ独立に、フッ素原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~40のヒドロカルビル基である。前記ヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、式(3A')中のR111で表されるヒドロカルビル基として例示したものと同様のものが挙げられる。Rfc1、Rfc2及びRfc3として好ましくは、フッ素原子又は炭素数1~4の直鎖状フッ素化アルキル基である。また、Rfc1とRfc2とは、互いに結合してこれらが結合する基(-CF2-SO2-C--SO2-CF2-)と共に環を形成してもよく、このとき、Rfc1とRfc2とが互いに結合して得られる基は、フッ素化エチレン基又はフッ素化プロピレン基であることが好ましい。
式(3D)中、Rfdは、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~40のヒドロカルビル基である。前記ヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、式(3A')中のR111で表されるヒドロカルビル基として例示したものと同様のものが挙げられる。
式(3D)で表されるアニオンを含むスルホニウム塩の合成に関しては、特開2010-215608号公報及び特開2014-133723号公報に詳しい。
式(3D)で表されるアニオンとしては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 0007494805000074
Figure 0007494805000075
なお、式(3D)で表されるアニオンを含む光酸発生剤は、スルホ基のα位にフッ素原子を有していないが、β位に2つのトリフルオロメチル基を有していることに起因して、ベースポリマー中の酸不安定基を切断するのに十分な酸性度を有している。そのため、光酸発生剤として使用することができる。
光酸発生剤として、下記式(4)で表されるものも好適に使用できる。
Figure 0007494805000076
式(4)中、R201及びR202は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~30のヒドロカルビル基である。R203は、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~30のヒドロカルビレン基である。また、R201、R202及びR203のうちのいずれか2つが、互いに結合してこれらが結合する硫黄原子と共に環を形成してもよい。このとき、前記環としては、式(3)の説明において、R101とR102とが結合してこれらが結合する硫黄原子と共に形成し得る環として例示したものと同様のものが挙げられる。
201及びR202で表されるヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、tert-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基、n-ノニル基、n-デシル基等の炭素数1~30のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロペンチルブチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、シクロヘキシルブチル基、ノルボルニル基、オキサノルボルニル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基、アダマンチル基等の炭素数3~30の環式飽和ヒドロカルビル基;フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、n-プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n-ブチルフェニル基、イソブチルフェニル基、sec-ブチルフェニル基、tert-ブチルフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、n-プロピルナフチル基、イソプロピルナフチル基、n-ブチルナフチル基、イソブチルナフチル基、sec-ブチルナフチル基、tert-ブチルナフチル基、アントラセニル基等の炭素数6~30のアリール基;これらを組み合わせて得られる基等が挙げられる。また、これらの基の水素原子の一部又は全部が、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、ハロゲン原子等のヘテロ原子含有基で置換されていてもよく、これらの基の炭素原子の一部が、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子含有基で置換されていてもよく、その結果、ヒドロキシ基、シアノ基、カルボニル基、エーテル結合、エステル結合、スルホン酸エステル結合、カーボネート基、ラクトン環、スルトン環、カルボン酸無水物、ハロアルキル基等を含んでいてもよい。
203で表されるヒドロカルビレン基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、メタンジイル基、エタン-1,1-ジイル基、エタン-1,2-ジイル基、プロパン-1,3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、ヘプタン-1,7-ジイル基、オクタン-1,8-ジイル基、ノナン-1,9-ジイル基、デカン-1,10-ジイル基、ウンデカン-1,11-ジイル基、ドデカン-1,12-ジイル基、トリデカン-1,13-ジイル基、テトラデカン-1,14-ジイル基、ペンタデカン-1,15-ジイル基、ヘキサデカン-1,16-ジイル基、ヘプタデカン-1,17-ジイル基等の炭素数1~30のアルカンジイル基;シクロペンタンジイル基、シクロヘキサンジイル基、ノルボルナンジイル基、アダマンタンジイル基等の炭素数3~30の環式飽和ヒドロカルビレン基;フェニレン基、メチルフェニレン基、エチルフェニレン基、n-プロピルフェニレン基、イソプロピルフェニレン基、n-ブチルフェニレン基、イソブチルフェニレン基、sec-ブチルフェニレン基、tert-ブチルフェニレン基、ナフチレン基、メチルナフチレン基、エチルナフチレン基、n-プロピルナフチレン基、イソプロピルナフチレン基、n-ブチルナフチレン基、イソブチルナフチレン基、sec-ブチルナフチレン基、tert-ブチルナフチレン基等の炭素数6~30のアリーレン基;これらを組み合わせて得られる基等が挙げられる。また、これらの基の水素原子の一部又は全部が、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、ハロゲン原子等のヘテロ原子含有基で置換されていてもよく、これらの基の炭素原子の一部が、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子含有基で置換されていてもよく、その結果、ヒドロキシ基、シアノ基、カルボニル基、エーテル結合、エステル結合、スルホン酸エステル結合、カーボネート基、ラクトン環、スルトン環、カルボン酸無水物、ハロアルキル基等を含んでいてもよい。前記ヘテロ原子としては、酸素原子が好ましい。
式(4)中、LAは、単結合、エーテル結合、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~20のヒドロカルビレン基である。前記ヒドロカルビレン基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、R203で表されるヒドロカルビレン基として例示したものと同様のものが挙げられる。
式(4)中、XA、XB、XC及びXDは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又はトリフルオロメチル基である。ただし、XA、XB、XC及びXDのうち少なくとも1つは、フッ素原子又はトリフルオロメチル基である。
式(4)中、kは、0~3の整数である。
式(4)で表される光酸発生剤としては、下記式(4')で表されるものが好ましい。
Figure 0007494805000077
式(4')中、LAは、前記と同じ。RHFは、水素原子又はトリフルオロメチル基であり、好ましくはトリフルオロメチル基である。R301、R302及びR303は、それぞれ独立に、水素原子又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~20のヒドロカルビル基である。前記ヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、式(3A')中のR111で表されるヒドロカルビル基として例示したものと同様のものが挙げられる。x及びyは、それぞれ独立に、0~5の整数であり、zは、0~4の整数である。
式(4)で表される光酸発生剤としては、特開2017-026980号公報の式(2)で表される光酸発生剤として例示されたものと同様のものが挙げられる。
前記光酸発生剤のうち、式(3A')又は(3D)で表されるアニオンを含むものは、酸拡散が小さく、かつ溶剤への溶解性にも優れており、特に好ましい。また、式(4')で表されるものは、酸拡散が極めて小さく、特に好ましい。
前記光酸発生剤として、ヨウ素原子又は臭素原子で置換された芳香環を有するアニオンを含むスルホニウム塩又はヨードニウム塩を用いることもできる。このような塩としては、下記式(5-1)又は(5-2)で表されるものが挙げられる。
Figure 0007494805000078
式(5-1)及び(5-2)中、pは、1≦p≦3を満たす整数である。q及びrは、1≦q≦5、0≦r≦3及び1≦q+r≦5を満たす整数である。qは、1≦q≦3を満たす整数が好ましく、2又は3がより好ましい。rは、0≦r≦2を満たす整数が好ましい。
式(5-1)及び(5-2)中、XBIは、ヨウ素原子又は臭素原子であり、p及び/又はqが2以上のとき、互いに同一であっても異なっていてもよい。
式(5-1)及び(5-2)中、L1は、単結合、エーテル結合若しくはエステル結合、又はエーテル結合若しくはエステル結合を含んでいてもよい炭素数1~6の飽和ヒドロカルビレン基である。前記飽和ヒドロカルビレン基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。
式(5-1)及び(5-2)中、L2は、pが1のときは単結合又は炭素数1~20の2価の連結基であり、pが2又は3のときは炭素数1~20の(p+1)価の連結基であり、該連結基は酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を含んでいてもよい。
式(5-1)及び(5-2)中、R401は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子若しくはアミノ基、若しくはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヒドロキシ基、アミノ基若しくはエーテル結合を含んでいてもよい、炭素数1~20の飽和ヒドロカルビル基、炭素数1~20の飽和ヒドロカルビルオキシ基、炭素数2~20の飽和ヒドロカルビルカルボニル基、炭素数2~20の飽和ヒドロカルビルオキシカルボニル基、炭素数2~20の飽和ヒドロカルビルカルボニルオキシ基若しくは炭素数1~20の飽和ヒドロカルビルスルホニルオキシ基、又は-N(R401A)(R401B)、-N(R401C)-C(=O)-R401D若しくは-N(R401C)-C(=O)-O-R401Dである。R401A及びR401Bは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~6の飽和ヒドロカルビル基である。R401Cは、水素原子又は炭素数1~6の飽和ヒドロカルビル基であり、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1~6の飽和ヒドロカルビルオキシ基、炭素数2~6の飽和ヒドロカルビルカルボニル基又は炭素数2~6の飽和ヒドロカルビルカルボニルオキシ基を含んでいてもよい。R401Dは、炭素数1~16の脂肪族ヒドロカルビル基、炭素数6~14のアリール基又は炭素数7~15のアラルキル基であり、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1~6の飽和ヒドロカルビルオキシ基、炭素数2~6の飽和ヒドロカルビルカルボニル基又は炭素数2~6の飽和ヒドロカルビルカルボニルオキシ基を含んでいてもよい。前記脂肪族ヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。前記飽和ヒドロカルビル基、飽和ヒドロカルビルオキシ基、飽和ヒドロカルビルオキシカルボニル基、飽和ヒドロカルビルカルボニル基及び飽和ヒドロカルビルカルボニルオキシ基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。p及び/又はrが2以上のとき、各R401は互いに同一であっても異なっていてもよい。
これらのうち、R401としては、ヒドロキシ基、-N(R401C)-C(=O)-R401D、-N(R401C)-C(=O)-O-R401D、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、メトキシ基等が好ましい。
式(5-1)及び(5-2)中、Rf1~Rf4は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又はトリフルオロメチル基であるが、これらのうち少なくとも1つはフッ素原子又はトリフルオロメチル基である。また、Rf1とRf2とが合わさってカルボニル基を形成してもよい。特に、Rf3及びRf4がともにフッ素原子であることが好ましい。
式(5-1)及び(5-2)中、R402~R406は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~20のヒドロカルビル基である。前記ヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、式(3)の説明において、R101~R103で表されるヒドロカルビル基として例示したものと同様のものが挙げられる。また、これらの基の水素原子の一部又は全部が、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、メルカプト基、スルトン基、スルホン基又はスルホニウム塩含有基で置換されていてもよく、これらの基の炭素原子の一部が、エーテル結合、エステル結合、カルボニル基、アミド結合、カーボネート基又はスルホン酸エステル結合で置換されていてもよい。さらに、R402及びR403が、互いに結合してこれらが結合する硫黄原子と共に環を形成してもよい。このとき、前記環としては、式(3)の説明においてR101とR102とが互いに結合してこれらが結合する硫黄原子と共に形成し得る環として例示したものと同様のものが挙げられる。
式(5-1)で表されるスルホニウム塩のカチオンとしては、式(3)で表されるスルホニウム塩のカチオンとして例示したものと同様のものが挙げられる。また、式(5-2)で表されるヨードニウム塩のカチオンとしては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 0007494805000079
Figure 0007494805000080
式(5-1)又は(5-2)で表されるオニウム塩のアニオンとしては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。なお、下記式中、XBIは前記と同じである。
Figure 0007494805000081
Figure 0007494805000082
Figure 0007494805000083
Figure 0007494805000084
Figure 0007494805000085
Figure 0007494805000086
Figure 0007494805000087
Figure 0007494805000088
Figure 0007494805000089
Figure 0007494805000090
Figure 0007494805000091
Figure 0007494805000092
Figure 0007494805000093
Figure 0007494805000094
Figure 0007494805000095
Figure 0007494805000096
Figure 0007494805000097
Figure 0007494805000098
Figure 0007494805000099
Figure 0007494805000100
Figure 0007494805000101
Figure 0007494805000102
Figure 0007494805000103
前記添加型酸発生剤の含有量は、後述するベースポリマー100質量部に対し、0.1~50質量部が好ましく、1~40質量部がより好ましい。
前記酸発生剤が後述するベースポリマーを兼ねる場合、酸発生剤はポリマーであって、活性光線又は放射線に感応して酸を発生する化合物に由来する繰り返し単位を含むことが好ましい。この場合、前記酸発生剤としては、後述するベースポリマーであって、繰り返し単位fを必須単位として含むものが好ましい。
[ベースポリマー]
本発明の化学増幅レジスト材料は、ベースポリマーを含むことが好ましい。前記ベースポリマーは、ポジ型レジスト材料の場合、酸不安定基を含む繰り返し単位を含む。酸不安定基を含む繰り返し単位としては、下記式(a1)で表される繰り返し単位(以下、繰り返し単位a1ともいう。)又は下記式(a2)で表される繰り返し単位(以下、繰り返し単位a2ともいう。)が好ましい。
Figure 0007494805000104
式(a1)及び(a2)中、RAは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基である。R21及びR22は、それぞれ独立に、酸不安定基である。なお、前記ベースポリマーが繰り返し単位a1及び繰り返し単位a2を共に含む場合、R21及びR22は、互いに同一であっても異なっていてもよい。Y1は、単結合、フェニレン基若しくはナフチレン基、又はエステル結合及びラクトン環から選ばれる少なくとも1種を含む炭素数1~12の連結基である。Y2は、単結合又はエステル結合である。
繰り返し単位a1を与えるモノマーとしては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。なお、下記式中、RA及びR21は、前記と同じである。
Figure 0007494805000105
繰り返し単位a2を与えるモノマーとしては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。なお、下記式中、RA及びR22は、前記と同じである。
Figure 0007494805000106
式(a1)及び(a2)中、R21及びR22で表される酸不安定基としては、例えば、特開2013-80033号公報、特開2013-83821号公報に記載のものが挙げられる。
典型的には、前記酸不安定基としては、下記式(AL-1)~(AL-3)で表されるものが挙げられる。
Figure 0007494805000107
(式中、破線は、結合手である。)
式(AL-1)及び(AL-2)中、RL1及びRL2は、それぞれ独立に、炭素数1~40のヒドロカルビル基であり、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、フッ素原子等のヘテロ原子を含んでいてもよい。前記ヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。前記ヒドロカルビル基としては、炭素数1~40の飽和ヒドロカルビル基が好ましく、炭素数1~20の飽和ヒドロカルビル基がより好ましい。
式(AL-1)中、aは、0~10の整数であり、1~5の整数が好ましい。
式(AL-2)中、RL3及びRL4は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~20のヒドロカルビル基であり、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、フッ素原子等のヘテロ原子を含んでいてもよい。前記ヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。前記ヒドロカルビル基としては、炭素数1~20の飽和ヒドロカルビル基が好ましい。また、RL2、RL3及びRL4のいずれか2つが、互いに結合してこれらが結合する炭素原子又は炭素原子と酸素原子と共に炭素数3~20の環を形成してもよい。前記環としては、炭素数4~16の環が好ましく、特に脂環が好ましい。
式(AL-3)中、RL5、RL6及びRL7は、それぞれ独立に、炭素数1~20のヒドロカルビル基であり、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、フッ素原子等のヘテロ原子を含んでいてもよい。前記ヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。前記ヒドロカルビル基としては、炭素数1~20の飽和ヒドロカルビル基が好ましい。また、RL5、RL6及びRL7のいずれか2つが、互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に炭素数3~20の環を形成してもよい。前記環としては、炭素数4~16の環が好ましく、特に脂環が好ましい。
前記ベースポリマーは、密着性基としてフェノール性ヒドロキシ基を含む繰り返し単位bを含んでもよい。繰り返し単位bを与えるモノマーとしては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。なお、下記式中、RAは、前記と同じである。
Figure 0007494805000108
前記ベースポリマーは、他の密着性基として、フェノール性ヒドロキシ基以外のヒドロキシ基、ラクトン環、スルトン環、エーテル結合、エステル結合、スルホン酸エステル結合、カルボニル基、スルホニル基、シアノ基又はカルボキシ基を含む繰り返し単位cを含んでもよい。繰り返し単位cを与えるモノマーとしては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。なお、下記式中、RAは、前記と同じである。
Figure 0007494805000109
Figure 0007494805000110
Figure 0007494805000111
Figure 0007494805000112
Figure 0007494805000113
Figure 0007494805000114
Figure 0007494805000115
Figure 0007494805000116
前記ベースポリマーは、インデン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、アセナフチレン、クロモン、クマリン、ノルボルナジエン又はこれらの誘導体に由来する繰り返し単位dを含んでもよい。繰り返し単位dを与えるモノマーとしては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 0007494805000117
前記ベースポリマーは、スチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、ビニルピレン、メチレンインダン、ビニルピリジン又はビニルカルバゾールに由来する繰り返し単位eを含んでもよい。
前記ベースポリマーは、重合性不飽和結合を含むオニウム塩に由来する繰り返し単位fを含んでもよい。好ましい繰り返し単位fとしては、下記式(f1)で表される繰り返し単位(以下、繰り返し単位f1ともいう。)、下記式(f2)で表される繰り返し単位(以下、繰り返し単位f2ともいう。)及び下記式(f3)で表される繰り返し単位(以下、繰り返し単位f3ともいう。)が挙げられる。なお、繰り返し単位f1~f3は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
Figure 0007494805000118
式(f1)~(f3)中、RAは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基である。Z1は、単結合、炭素数1~6の脂肪族ヒドロカルビレン基、フェニレン基、ナフチレン基若しくはこれらを組み合わせて得られる炭素数7~18の基、又は-O-Z11-、-C(=O)-O-Z11-若しくは-C(=O)-NH-Z11-である。Z11は、炭素数1~6の脂肪族ヒドロカルビレン基、フェニレン基、ナフチレン基又はこれらを組み合わせて得られる炭素数7~18の基であり、カルボニル基、エステル結合、エーテル結合又はヒドロキシ基を含んでいてもよい。Z2は、単結合、-Z21-C(=O)-O-、-Z21-O-又は-Z21-O-C(=O)-である。Z21は、炭素数1~12の飽和ヒドロカルビレン基であり、カルボニル基、エステル結合又はエーテル結合を含んでいてもよい。Z3は、単結合、メチレン基、エチレン基、フェニレン基、フッ素化フェニレン基、-O-Z31-、-C(=O)-O-Z31-又は-C(=O)-NH-Z31-である。Z31は、炭素数1~6の脂肪族ヒドロカルビレン基、フェニレン基、フッ素化フェニレン基、又はトリフルオロメチル基で置換されたフェニレン基であり、カルボニル基、エステル結合、エーテル結合又はヒドロキシ基を含んでいてもよい。なお、Z11及びZ31で表される脂肪族ヒドロカルビレン基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。Z21で表される飽和ヒドロカルビレン基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。
式(f1)~(f3)中、R31~R38は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~20のヒドロカルビル基である。前記ヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、式(3)中のR101~R103の説明において例示したものと同様のものが挙げられる。また、これらの基の水素原子の一部又は全部が、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、ハロゲン原子等のヘテロ原子含有基で置換されていてもよく、これらの基の炭素原子の一部が、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子含有基で置換されていてもよく、その結果、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、メルカプト基、カルボニル基、エーテル結合、エステル結合、スルホン酸エステル結合、カーボネート基、ラクトン環、スルトン環、カルボン酸無水物、ハロアルキル基等を含んでいてもよい。
また、R33及びR34又はR36及びR37が、互いに結合してこれらが結合する硫黄原子と共に環を形成してもよい。このとき、前記環としては、式(3)の説明において、R101とR102とが結合してこれらが結合する硫黄原子と共に形成し得る環として例示したものと同様のものが挙げられる。
式(f2)中、RHFは、水素原子又はトリフルオロメチル基である。
式(f1)中、M-は、非求核性対向イオンである。前記非求核性対向イオンとしては、塩化物イオン、臭化物イオン等のハロゲン化物イオン、トリフレートイオン、1,1,1-トリフルオロエタンスルホネートイオン、ノナフルオロブタンスルホネートイオン等のフルオロアルキルスルホネートイオン、トシレートイオン、ベンゼンスルホネートイオン、4-フルオロベンゼンスルホネートイオン、1,2,3,4,5-ペンタフルオロベンゼンスルホネートイオン等のアリールスルホネートイオン、メシレートイオン、ブタンスルホネートイオン等のアルキルスルホネートイオン、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドイオン、ビス(パーフルオロエチルスルホニル)イミドイオン、ビス(パーフルオロブチルスルホニル)イミドイオン等のイミドイオン、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチドイオン、トリス(パーフルオロエチルスルホニル)メチドイオン等のメチドイオンが挙げられる。
前記非求核性対向イオンとしては、更に、下記式(f1-1)で表されるα位がフッ素原子で置換されたスルホン酸イオン、下記式(f1-2)で表されるα位がフッ素原子で置換され、β位がトリフルオロメチル基で置換されたスルホン酸イオン等が挙げられる。
Figure 0007494805000119
式(f1-1)中、R41は、水素原子又は炭素数1~20のヒドロカルビル基であり、該ヒドロカルビル基は、エーテル結合、エステル結合、カルボニル基、ラクトン環又はフッ素原子を含んでいてもよい。前記ヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、式(3A')中のR111で表されるヒドロカルビル基として例示したものと同様のものが挙げられる。
式(f1-2)中、R42は、水素原子、炭素数1~30のヒドロカルビル基又は炭素数2~30のヒドロカルビルカルボニル基であり、該ヒドロカルビル基及びヒドロカルビルカルボニル基は、エーテル結合、エステル結合、カルボニル基又はラクトン環を含んでいてもよい。前記ヒドロカルビル基及びヒドロカルビルカルボニル基のヒドロカルビル部は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、式(3A')中のR111で表されるヒドロカルビル基として例示したものと同様のものが挙げられる。
繰り返し単位f1を与えるモノマーのカチオンとしては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。なお、下記式中、RAは、前記と同じである。
Figure 0007494805000120
繰り返し単位f2又f3を与えるモノマーのカチオンとしては、式(3)で表されるスルホニウム塩のカチオンとして例示したものと同様のものが挙げられる。
繰り返し単位f2を与えるモノマーのアニオンとしては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。なお、下記式中、RAは、前記と同じである。
Figure 0007494805000121
Figure 0007494805000122
繰り返し単位f3を与えるモノマーのアニオンとしては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。なお、下記式中、RAは、前記と同じである。
Figure 0007494805000123
Figure 0007494805000124
Figure 0007494805000125
ポリマー主鎖に酸発生剤を結合させることによって酸拡散を小さくし、酸拡散のぼけによる解像性の低下を防止できる。また、酸発生剤が均一に分散することによってLWRやCDUが改善される。
繰り返し単位fを含む場合、前記ベースポリマーは、前述した酸発生剤としても機能する。この場合、ベースポリマーは酸発生剤と一体化している(すなわち、ポリマーバウンド型酸発生剤である)ので、本発明の化学増幅レジスト材料は、添加型酸発生剤は含んでも含まなくてもよい。
化学増幅ポジ型レジスト材料用のベースポリマーは、酸不安定基を含む繰り返し単位a1又はa2を必須とする。この場合、繰り返し単位a1、a2、b、c、d、e及びfの含有比率は、0≦a1<1.0、0≦a2<1.0、0<a1+a2<1.0、0≦b≦0.9、0≦c≦0.9、0≦d≦0.8、0≦e≦0.8及び0≦f≦0.5が好ましく、0≦a1≦0.9、0≦a2≦0.9、0.1≦a1+a2≦0.9、0≦b≦0.8、0≦c≦0.8、0≦d≦0.7、0≦e≦0.7及び0≦f≦0.4がより好ましく、0≦a1≦0.8、0≦a2≦0.8、0.1≦a1+a2≦0.8、0≦b≦0.75、0≦c≦0.75、0≦d≦0.6、0≦e≦0.6及び0≦f≦0.3が更に好ましい。ベースポリマーがポリマーバウンド型酸発生剤である場合、繰り返し単位fの含有比は、0<f≦0.5が好ましく、0.01≦f≦0.4がより好ましく、0.02≦f≦0.3が更に好ましい。なお、繰り返し単位fが繰り返し単位f1~f3から選ばれる少なくとも1種である場合、f=f1+f2+f3である。また、a1+a2+b+c+d+e+f=1.0である。
一方、化学増幅ネガ型レジスト材料用のベースポリマーは、酸不安定基は必ずしも必要ではない。このようなベースポリマーとしては、繰り返し単位bを含み、必要に応じて更に繰り返し単位c、d、e及び/又はfを含むものが挙げられる。これらの繰り返し単位の含有比率は、0<b≦1.0、0≦c≦0.9、0≦d≦0.8、0≦e≦0.8及び0≦f≦0.5が好ましく、0.2≦b≦1.0、0≦c≦0.8、0≦d≦0.7、0≦e≦0.7及び0≦f≦0.4がより好ましく、0.3≦b≦1.0、0≦c≦0.75、0≦d≦0.6、0≦e≦0.6及び0≦f≦0.3が更に好ましい。ベースポリマーがポリマーバウンド型酸発生剤である場合、繰り返し単位fの含有比は、0<f≦0.5が好ましく、0.01≦f≦0.4がより好ましく、0.02≦f≦0.3が更に好ましい。なお、繰り返し単位fが繰り返し単位f1~f3から選ばれる少なくとも1種である場合、f=f1+f2+f3である。また、b+c+d+e+f=1.0である。
前記ベースポリマーを合成するには、例えば、前述した繰り返し単位を与えるモノマーを、有機溶剤中、ラジカル重合開始剤を加えて加熱し、重合を行えばよい。
重合時に使用する有機溶剤としては、トルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、ジオキサン等が挙げられる。重合開始剤としては、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等が挙げられる。重合時の温度は、好ましくは50~80℃である。反応時間は、好ましくは2~100時間、より好ましくは5~20時間である。
ヒドロキシ基を含むモノマーを共重合する場合、重合時にヒドロキシ基をエトキシエトキシ基等の酸によって脱保護しやすいアセタール基で置換しておいて重合後に弱酸と水によって脱保護を行ってもよいし、アセチル基、ホルミル基、ピバロイル基等で置換しておいて重合後にアルカリ加水分解を行ってもよい。
ヒドロキシスチレンやヒドロキシビニルナフタレンを共重合する場合は、ヒドロキシスチレンやヒドロキシビニルナフタレンのかわりにアセトキシスチレンやアセトキシビニルナフタレンを用い、重合後前記アルカリ加水分解によってアセトキシ基を脱保護してヒドロキシスチレンやヒドロキシビニルナフタレンにしてもよい。
アルカリ加水分解時の塩基としては、アンモニア水、トリエチルアミン等が使用できる。また、反応温度は、好ましくは-20~100℃、より好ましくは0~60℃である。反応時間は、好ましくは0.2~100時間、より好ましくは0.5~20時間である。
前記ベースポリマーは、溶剤としてTHFを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が、好ましくは1,000~500,000、より好ましくは2,000~30,000である。Mwが小さすぎるとレジスト材料が耐熱性に劣るものとなり、大きすぎるとアルカリ溶解性が低下し、パターン形成後に裾引き現象が生じやすくなる。
さらに、前記ベースポリマーにおいて分子量分布(Mw/Mn)が広い場合は、低分子量や高分子量のポリマーが存在するため、露光後、パターン上に異物が見られたり、パターンの形状が悪化したりするおそれがある。パターンルールが微細化するに従って、MwやMw/Mnの影響が大きくなりやすいことから、微細なパターン寸法に好適に用いられるレジスト材料を得るには、前記ベースポリマーのMw/Mnは、1.0~2.0、特に1.0~1.5と狭分散であることが好ましい。
前記ベースポリマーは、組成比率、Mw、Mw/Mnが異なる2つ以上のポリマーを含んでもよい。
[その他の成分]
前述した成分を含む化学増幅ポジ型レジスト材料又は化学増幅ネガ型レジスト材料に、有機溶剤、界面活性剤、溶解阻止剤、架橋剤等を目的に応じて適宜組み合わせて配合することによって、露光部では前記ベースポリマーが触媒反応により現像液に対する溶解速度が加速されるので、極めて高感度の化学増幅ポジ型レジスト材料又は化学増幅ネガ型レジスト材料とすることができる。この場合、レジスト膜の溶解コントラスト及び解像性が高く、露光余裕度があり、プロセス適応性に優れ、露光後のパターン形状が良好でありながら、特に酸拡散を抑制できることから粗密寸法差が小さく、これらのことから実用性が高く、超LSI用レジスト材料として非常に有効なものとすることができる。
前記有機溶剤は、前述した各成分及び後述する各成分が溶解可能なものであれば、特に限定されない。前記有機溶剤としては、特開2008-111103号公報の段落[0144]~[0145]に記載の、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチル-2-n-ペンチルケトン、2-ヘプタノン等のケトン類;3-メトキシブタノール、3-メチル-3-メトキシブタノール、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、ジアセトンアルコール等のアルコール類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert-ブチル、プロピオン酸tert-ブチル、プロピレングリコールモノtert-ブチルエーテルアセテート等のエステル類;γ-ブチロラクトン等のラクトン類等が挙げられる。
本発明の化学増幅レジスト材料中、前記有機溶剤の含有量は、ベースポリマー100質量部に対し、100~10,000質量部が好ましく、200~8,000質量部がより好ましい。前記有機溶剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
前記界面活性剤としては、特開2008-111103号公報の段落[0165]~[0166]に記載されたものが挙げられる。界面活性剤を添加することによって、レジスト材料の塗布性を一層向上あるいは制御することができる。本発明の化学増幅レジスト材料が前記界面活性剤を含む場合、その含有量は、ベースポリマー100質量部に対し、0.0001~10質量部が好ましい。前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の化学増幅レジスト材料がポジ型である場合は、溶解阻止剤を配合することによって、露光部と未露光部との溶解速度の差を一層大きくすることができ、解像度を一層向上させることができる。前記溶解阻止剤としては、分子量が好ましくは100~1,000、より好ましくは150~800で、かつ分子内にフェノール性ヒドロキシ基を2つ以上含む化合物の該フェノール性ヒドロキシ基の水素原子を酸不安定基によって全体として0~100モル%の割合で置換した化合物、又は分子内にカルボキシ基を含む化合物の該カルボキシ基の水素原子を酸不安定基によって全体として平均50~100モル%の割合で置換した化合物が挙げられる。具体的には、ビスフェノールA、トリスフェノール、フェノールフタレイン、クレゾールノボラック、ナフタレンカルボン酸、アダマンタンカルボン酸、コール酸のヒドロキシ基、カルボキシ基の水素原子を酸不安定基で置換した化合物等が挙げられ、例えば、特開2008-122932号公報の段落[0155]~[0178]に記載されている。
本発明の化学増幅レジスト材料がポジ型であって前記溶解阻止剤を含む場合、その含有量は、ベースポリマー100質量部に対し、0~50質量部が好ましく、5~40質量部がより好ましい。前記溶解阻止剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
一方、本発明の化学増幅レジスト材料がネガ型である場合は、架橋剤を添加することによって、露光部の溶解速度を低下させることによりネガティブパターンを得ることができる。前記架橋剤としては、メチロール基、アルコキシメチル基及びアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換された、エポキシ化合物、メラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物又はウレア化合物、イソシアネート化合物、アジド化合物、アルケニルオキシ基等の二重結合を含む化合物等が挙げられる。これらは、添加剤として用いてもよいが、ポリマー側鎖にペンダント基として導入してもよい。また、ヒドロキシ基を含む化合物も架橋剤として用いることができる。
前記エポキシ化合物としては、トリス(2,3-エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリメチロールメタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリエチロールエタントリグリシジルエーテル等が挙げられる。
前記メラミン化合物としては、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンの1~6個のメチロール基がメトキシメチル化した化合物又はその混合物、ヘキサメトキシエチルメラミン、ヘキサアシロキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1~6個がアシロキシメチル化した化合物又はその混合物等が挙げられる。
グアナミン化合物としては、テトラメチロールグアナミン、テトラメトキシメチルグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1~4個のメチロール基がメトキシメチル化した化合物又はその混合物、テトラメトキシエチルグアナミン、テトラアシロキシグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1~4個のメチロール基がアシロキシメチル化した化合物又はその混合物等が挙げられる。
グリコールウリル化合物としては、テトラメチロールグリコールウリル、テトラメトキシグリコールウリル、テトラメトキシメチルグリコールウリル、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1~4個がメトキシメチル化した化合物又はその混合物、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1~4個がアシロキシメチル化した化合物又はその混合物等が挙げられる。ウレア化合物としてはテトラメチロールウレア、テトラメトキシメチルウレア、テトラメチロールウレアの1~4個のメチロール基がメトキシメチル化した化合物又はその混合物、テトラメトキシエチルウレア等が挙げられる。
イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。
アジド化合物としては、1,1'-ビフェニル-4,4'-ビスアジド、4,4'-メチリデンビスアジド、4,4'-オキシビスアジド等が挙げられる。
アルケニルオキシ基を含む化合物としては、エチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、1,2-プロパンジオールジビニルエーテル、1,4-ブタンジオールジビニルエーテル、テトラメチレングリコールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、1,4-シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ソルビトールテトラビニルエーテル、ソルビトールペンタビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等が挙げられる。
本発明の化学増幅レジスト材料がネガ型であって架橋剤を含む場合、その含有量は、ベースポリマー100質量部に対し、0.1~50質量部が好ましく、1~40質量部がより好ましい。前記架橋剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の化学増幅レジスト材料には、レジスト膜表面の撥水性を向上させるため、撥水性向上剤を配合してもよい。前記撥水性向上剤は、トップコートを用いない液浸リソグラフィーに用いることができる。前記撥水性向上剤としては、フッ化アルキル基を含むポリマー、特定構造の1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール残基を含むポリマー等が好ましく、特開2007-297590号公報、特開2008-111103号公報等に例示されているものがより好ましい。前記撥水性向上剤は、アルカリ現像液や有機溶剤現像液に溶解する必要がある。前述した特定の1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール残基を有する撥水性向上剤は、現像液への溶解性が良好である。撥水性向上剤として、アミノ基やアミン塩を含む繰り返し単位を含むポリマーは、ポストエクスポージャーベーク(PEB)中の酸の蒸発を防いで現像後のホールパターンの開口不良を防止する効果が高い。本発明の化学増幅レジスト材料が撥水性向上剤を含む場合、その含有量は、ベースポリマー100質量部に対し、0~20質量部が好ましく、0.5~10質量部がより好ましい。前記撥水性向上剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の化学増幅レジスト材料には、アセチレンアルコール類を配合することもできる。前記アセチレンアルコール類としては、特開2008-122932号公報の段落[0179]~[0182]に記載されたものが挙げられる。本発明の化学増幅レジスト材料がアセチレンアルコール類を含む場合、その含有量は、ベースポリマー100質量部に対し、0~5質量部が好ましい。前記アセチレンアルコール類は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
[パターン形成方法]
本発明の化学増幅レジスト材料を種々の集積回路製造に用いる場合は、公知のリソグラフィー技術を適用することができる。例えば、パターン形成方法としては、前述した化学増幅レジスト材料を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜を高エネルギー線で露光する工程と、露光したレジスト膜を、現像液を用いて現像する工程とを含む方法が挙げられる。
まず、本発明の化学増幅レジスト材料を、集積回路製造用の基板(Si、SiO2、SiN、SiON、TiN、WSi、BPSG、SOG、有機反射防止膜等)あるいはマスク回路製造用の基板(Cr、CrO、CrON、MoSi2、SiO2等)上にスピンコート、ロールコート、フローコート、ディップコート、スプレーコート、ドクターコート等の適当な塗布方法により塗布膜厚が0.1~2μmとなるように塗布する。これをホットプレート上で、好ましくは60~150℃、10秒~30分間、より好ましくは80~120℃、30秒~20分間プリベークし、レジスト膜を形成する。
次いで、高エネルギー線を用いて、前記レジスト膜を露光する。前記高エネルギー線としては、紫外線、遠紫外線、EB、波長3~15nmのEUV、X線、軟X線、エキシマレーザー光、γ線、シンクロトロン放射線等が挙げられる。前記高エネルギー線として紫外線、遠紫外線、EUV、X線、軟X線、エキシマレーザー光、γ線、シンクロトロン放射線等を用いる場合は、直接又は目的のパターンを形成するためのマスクを用いて、露光量が好ましくは1~200mJ/cm2程度、より好ましくは10~100mJ/cm2程度となるように照射する。高エネルギー線としてEBを用いる場合は、露光量が好ましくは0.1~100μC/cm2程度、より好ましくは0.5~50μC/cm2程度で直接又は目的のパターンを形成するためのマスクを用いて描画する。なお、本発明の化学増幅レジスト材料は、特に高エネルギー線の中でも、波長365nmのi線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、EB、EUV、X線、軟X線、γ線、シンクロトロン放射線による微細パターニングに最適である。
なお、露光は、通常の露光法のほか、水等の屈折率1.0以上の液体をレジスト膜と投影レンズとの間に介在させて行う液浸法を用いることも可能である。その場合には、水に不溶な保護膜を用いることも可能である。
露光後、ホットプレート上又はオーブン中で、好ましくは60~150℃、10秒~30分間、より好ましくは80~120℃、30秒~20分間PEBを行ってもよい。
露光後又はPEB後、0.1~10質量%、好ましくは2~5質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等のアルカリ水溶液の現像液を用い、3秒~3分間、好ましくは5秒~2分間、浸漬(dip)法、パドル(puddle)法、スプレー(spray)法等の常法により露光したレジスト膜を現像することで、目的のパターンが形成される。ポジ型レジスト材料の場合は、光を照射した部分は現像液に溶解し、露光されなかった部分は溶解せず、基板上に目的のポジ型のパターンが形成される。ネガ型レジスト材料の場合はポジ型レジスト材料の場合とは逆であり、すなわち光を照射した部分は現像液に不溶化し、露光されなかった部分は溶解する。
また、有機溶剤現像によってネガティブパターンを得るネガティブ現像を行うこともできる。このときに用いる現像液としては、2-オクタノン、2-ノナノン、2-ヘプタノン、3-ヘプタノン、4-ヘプタノン、2-ヘキサノン、3-ヘキサノン、ジイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノン、メチルアセトフェノン、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、酢酸ブテニル、酢酸イソペンチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸ペンチル、ギ酸イソペンチル、吉草酸メチル、ペンテン酸メチル、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、乳酸イソブチル、乳酸ペンチル、乳酸イソペンチル、2-ヒドロキシイソ酪酸メチル、2-ヒドロキシイソ酪酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、酢酸フェニル、酢酸ベンジル、フェニル酢酸メチル、ギ酸ベンジル、ギ酸フェニルエチル、3-フェニルプロピオン酸メチル、プロピオン酸ベンジル、フェニル酢酸エチル、酢酸2-フェニルエチル等が挙げられる。これらの有機溶剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
現像の終了時には、リンスを行う。リンス液としては、現像液と混溶し、レジスト膜を溶解させない溶剤が好ましい。このような溶剤としては、炭素数3~10のアルコール、炭素数8~12のエーテル化合物、炭素数6~12のアルカン、アルケン、アルキン、芳香族系の溶剤が好ましく用いられる。
前記炭素数3~10のアルコールとしては、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、1-ブチルアルコール、2-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、3-ペンタノール、tert-ペンチルアルコール、ネオペンチルアルコール、2-メチル-1-ブタノール、3-メチル-1-ブタノール、3-メチル-3-ペンタノール、シクロペンタノール、1-ヘキサノール、2-ヘキサノール、3-ヘキサノール、2,3-ジメチル-2-ブタノール、3,3-ジメチル-1-ブタノール、3,3-ジメチル-2-ブタノール、2-エチル-1-ブタノール、2-メチル-1-ペンタノール、2-メチル-2-ペンタノール、2-メチル-3-ペンタノール、3-メチル-1-ペンタノール、3-メチル-2-ペンタノール、3-メチル-3-ペンタノール、4-メチル-1-ペンタノール、4-メチル-2-ペンタノール、4-メチル-3-ペンタノール、シクロヘキサノール、1-オクタノール等が挙げられる。
前記炭素数8~12のエーテル化合物としては、ジ-n-ブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジ-sec-ブチルエーテル、ジ-n-ペンチルエーテル、ジイソペンチルエーテル、ジ-sec-ペンチルエーテル、ジ-tert-ペンチルエーテル、ジ-n-ヘキシルエーテル等が挙げられる。
前記炭素数6~12のアルカンとしては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、メチルシクロペンタン、ジメチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン等が挙げられる。炭素数6~12のアルケンとしては、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキセン、ジメチルシクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン等が挙げられる。炭素数6~12のアルキンとしては、ヘキシン、ヘプチン、オクチン等が挙げられる。
前記芳香族系の溶剤としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、tert-ブチルベンゼン、メシチレン等が挙げられる。
リンスを行うことによってレジストパターンの倒れや欠陥の発生を低減させることができる。また、リンスは必ずしも必須ではなく、リンスを行わないことによって溶剤の使用量を削減することができる。
現像後のホールパターンやトレンチパターンを、サーマルフロー、RELACS技術又はDSA技術でシュリンクすることもできる。ホールパターン上にシュリンク剤を塗布し、ベーク中のレジスト膜からの酸触媒の拡散によってレジスト膜の表面でシュリンク剤の架橋が起こり、シュリンク剤がホールパターンの側壁に付着する。ベーク温度は、好ましくは70~180℃、より好ましくは80~170℃であり、ベーク時間は、好ましくは10~300秒であり、余分なシュリンク剤を除去し、ホールパターンを縮小させる。
以下、合成例、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されない。
レジスト材料に用いたクエンチャーQ-1~Q-51、アミン化合物(Amine-1)及び1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール基(HFA)を有する化合物(HFA-1)の構造を以下に示す。
Figure 0007494805000126
Figure 0007494805000127
Figure 0007494805000128
Figure 0007494805000129
Figure 0007494805000130
Figure 0007494805000131
Figure 0007494805000132
[合成例]ベースポリマー(P-1)の合成
モノマーを組み合わせて、溶剤であるTHF中で共重合反応を行い、反応溶液をメタノールに投入し、析出した固体をヘキサンで繰り返し洗浄した後、単離し、乾燥して、以下に示す組成のベースポリマー(P-1)を得た。得られたベースポリマーの組成は1H-NMRにより、Mw及びMw/MnはGPC(溶剤:THF、標準:ポリスチレン)により確認した。
Figure 0007494805000133
[実施例1~54、比較例1~6]レジスト材料の調製及びその評価
(1)レジスト材料の調製
界面活性剤としてオムノバ社製Polyfox636を100ppm溶解させた溶剤に、表1~4に示す組成で各成分を溶解させた溶液を、0.2μmサイズのフィルターで濾過して化学増幅レジスト材料を調製した。
表1~4中、各成分は、以下のとおりである。
・有機溶剤:PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
・酸発生剤:PAG-1
Figure 0007494805000134
・撥水性向上剤:FP-1
Figure 0007494805000135
・比較クエンチャー:cQ-1~cQ-6
Figure 0007494805000136
・ブレンドクエンチャー:bQ-1、bQ-2
Figure 0007494805000137
(2)ArF液浸リソグラフィー評価
表1~4に示す各レジスト材料を、日産化学(株)製反射防止膜ARC-29Aを膜厚78nmで成膜したシリコンウエハーにスピンコーティングし、ホットプレートを用いて100℃で60秒間ベークし、膜厚170nmのレジスト膜を形成した。これを、ArF液浸エキシマレーザースキャナー((株)ニコン製NSR-S610C、NA1.10、σ0.98/0.78、35度ダイポール照明、6%ハーフトーン位相シフトマスク)を用いて、ウエハー上寸法が60nmの1:1ラインアンドスペース(LS)のマスクを用いて露光した。なお、液浸液としては水を用いた。露光後、表1~4に記載の温度で60秒間PEBを行い、2.38質量%のTMAH水溶液で現像を行い、寸法が60nmの1:1LSパターンを形成した。
寸法が60nmの1:1LSパターンを形成する露光量を感度とした。また、(株)日立ハイテクノロジーズ製測長SEM(CG6300)を用いてLWRを測定した。結果を表1~4に併記する。
Figure 0007494805000138
Figure 0007494805000139
Figure 0007494805000140
Figure 0007494805000141
表1~4に示した結果より、トリフルオロメチル基、ヒドロカルビルカルボニル基及びヒドロカルビルオキシカルボニル基から選ばれる基に結合する1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロポキシドアニオン及び窒素原子含有カチオンからなる塩化合物を含む本発明の化学増幅レジスト材料は、LWRが小さいことがわかった。

Claims (14)

  1. クエンチャー及び酸発生剤を含む化学増幅レジスト材料であって、
    前記クエンチャーが、トリフルオロメチル基、ヒドロカルビルカルボニル基及びヒドロカルビルオキシカルボニル基から選ばれる基に結合する1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロポキシドアニオン及び窒素原子含有カチオンからなる塩化合物を含むものである化学増幅レジスト材料。
  2. 前記塩化合物が、下記式(1)又は(2)で表されるものである請求項1記載の化学増幅レジスト材料。
    Figure 0007494805000142
    (式中、mは、1~4の整数である。nは、0~4の整数である。
    1は、トリフルオロメチル基、炭素数2~21のヒドロカルビルカルボニル基又は炭素数2~21のヒドロカルビルオキシカルボニル基であり、該ヒドロカルビルカルボニル基又はヒドロカルビルオキシカルボニル基のヒドロカルビル部は、エーテル結合、エステル結合、チオール基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、スルトン基、スルホン酸エステル結合、アミド結合及びハロゲン原子から選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。
    2~R13は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~24のヒドロカルビル基であり、該ヒドロカルビル基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、エーテル結合、エステル結合、チオエーテル結合、チオエステル結合、チオノエステル結合、ジチオエステル結合、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、スルホン基又はフェロセニル基を含んでいてもよい。R2~R5のうち少なくとも2つ又はR6~R13のうち少なくとも2つが、互いに結合してこれらが結合する窒素原子とともに、又はこれらが結合する窒素原子とその間の原子とともに環を形成してもよく、R2とR3とが合わさって=C(R2A)(R3A)を形成してもよい。R2A及びR3Aは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~16のヒドロカルビル基であり、該ヒドロカルビル基は、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を含んでいてもよい。また、R2AとR4とが、互いに結合してこれらが結合する炭素原子及び窒素原子と共に環を形成してもよく、該環の中に、二重結合、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を含んでいてもよい。
    14は、nが0のときは炭素数1~12の(m+1)価の飽和炭化水素基であり、nが1~4の整数のときは炭素数2~12の飽和ヒドロカルビレン基であり、エーテル結合、エステル結合、カルボキシ基、チオエステル結合、チオノエステル結合又はジチオエステル結合を含んでいてもよい。
    15は、炭素数2~12の飽和ヒドロカルビレン基であり、エーテル結合、エステル結合、カルボキシ基、チオエステル結合、チオノエステル結合又はジチオエステル結合を含んでいてもよい。)
  3. 前記酸発生剤が、スルホン酸、イミド酸又はメチド酸を発生するものである請求項1又は2記載の化学増幅レジスト材料。
  4. 更に、ベースポリマーを含む請求項1~3のいずれか1項記載の化学増幅レジスト材料。
  5. 前記ベースポリマーが、下記式(a1)で表される繰り返し単位又は下記式(a2)で表される繰り返し単位を含むものである請求項4記載の化学増幅レジスト材料。
    Figure 0007494805000143
    (式中、RAは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基である。R21及びR22は、それぞれ独立に、酸不安定基である。X1は、単結合、フェニレン基若しくはナフチレン基、又はエステル結合及びラクトン環から選ばれる少なくとも1種を含む炭素数1~12の連結基である。X2は、単結合又はエステル結合である。)
  6. 化学増幅ポジ型レジスト材料である請求項5記載の化学増幅レジスト材料。
  7. 前記ベースポリマーが、酸不安定基を含まないものである請求項4記載の化学増幅レジスト材料。
  8. 化学増幅ネガ型レジスト材料である請求項7記載の化学増幅レジスト材料。
  9. 前記ベースポリマーが、下記式(f1)~(f3)のいずれかで表される繰り返し単位を含むものである請求項4~8のいずれか1項記載の化学増幅レジスト材料。
    Figure 0007494805000144
    (式中、RAは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基である。
    1は、単結合、炭素数1~6の脂肪族ヒドロカルビレン基、フェニレン基、ナフチレン基若しくはこれらを組み合わせて得られる炭素数7~18の基、又は-O-Z11-、-C(=O)-O-Z11-若しくは-C(=O)-NH-Z11-である。Z11は、炭素数1~6の脂肪族ヒドロカルビレン基、フェニレン基、ナフチレン基又はこれらを組み合わせて得られる炭素数7~18の基であり、カルボニル基、エステル結合、エーテル結合又はヒドロキシ基を含んでいてもよい。
    2は、単結合、-Z21-C(=O)-O-、-Z21-O-又は-Z21-O-C(=O)-である。Z21は、炭素数1~12の飽和ヒドロカルビレン基であり、カルボニル基、エステル結合又はエーテル結合を含んでいてもよい。
    3は、単結合、メチレン基、エチレン基、フェニレン基、フッ素化フェニレン基、-O-Z31-、-C(=O)-O-Z31-又は-C(=O)-NH-Z31-である。Z31は、炭素数1~6の脂肪族ヒドロカルビレン基、フェニレン基、フッ素化フェニレン基、又はトリフルオロメチル基で置換されたフェニレン基であり、カルボニル基、エステル結合、エーテル結合又はヒドロキシ基を含んでいてもよい。
    31~R38は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~20のヒドロカルビル基である。また、R33及びR34又はR36及びR37が、互いに結合してこれらが結合する硫黄原子と共に環を形成してもよい。
    HFは、水素原子又はトリフルオロメチル基である。
    -は、非求核性対向イオンである。)
  10. 更に、有機溶剤を含む請求項1~9のいずれか1項記載の化学増幅レジスト材料。
  11. 更に、界面活性剤を含む請求項1~10のいずれか1項記載の化学増幅レジスト材料。
  12. 請求項1~11のいずれか1項記載の化学増幅レジスト材料を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜を高エネルギー線で露光する工程と、現像液を用いて前記露光したレジスト膜を現像する工程とを含むパターン形成方法。
  13. 前記高エネルギー線が、波長365nmのi線、波長193nmのArFエキシマレーザー光又は波長248nmのKrFエキシマレーザー光である請求項12記載のパターン形成方法。
  14. 前記高エネルギー線が、電子線又は波長3~15nmの極端紫外線である請求項12記載のパターン形成方法。
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