JP7494613B2 - 半導体装置 - Google Patents

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本発明は、パワー半導体素子等を搭載する半導体装置(半導体モジュール)に関する。
従来の一般的な半導体モジュールは、セラミクス絶縁基板の片面に半導体チップが搭載され、内部では、ワイヤボンディングやリボンボンディング、リードフレーム接続で配線される(特許文献1の図15参照)。セラミクス絶縁基板は、熱拡散機能を持つ金属ベースに搭載され、主に樹脂のケースで覆われ、ケースの内部はゲルを満たすことで、絶縁性を向上させている。特許文献1の図15では、模式的に1個の半導体チップを記載しているが、複数の半導体チップを並列に搭載することもある。また、特許文献1の図15では、1回路分だけ記載しているが、必要に応じて、2回路分の半導体素子が入ったいわゆる2in1構成や、6回路分の半導体素子が入った6in1構成等になることもある。
一方、特許文献1の図15に記載の半導体装置に搭載される半導体チップを構成する半導体の中で、炭化ケイ素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)、酸化ガリウム(Ga)等のワイドバンドギャップ半導体は、シリコン(Si)に比べて、高速動作、低損失、高耐熱等の特徴がある。しかし、ワイドバンドギャップ半導体は、結晶欠陥の多さからチップを大型化すると歩留まりが低下してコストが増大するため、一般的に小型である。そのため、ワイドバンドギャップ半導体は、接続用パッドも小さく、リボンボンディングやリードフレームはおろか、太いワイヤボンディングも難しいため、スイッチングできる電流(定格電流)に見合わない細いワイヤを使う必要がある。
製造コストを度外視して、ワイドバンドギャップ半導体のチップを大型化し、パッドサイズを確保して、リボンボンディングやリードフレーム接続する場合もある。しかし、接続面積が大きくなったところに、高耐熱の特徴を活かして広い温度域でパワーサイクルやヒートサイクルをかけると、チップと配線材料の熱膨張差が大きくなって、チップ電極部やはんだ等の接続部にクラックが入り易くなる。そのため、チップを大型化しても、Siより広い温度域、即ち高温で使うことができず、やはり本来の性能を活かし難い場合がある。そこで、特許文献1に見られるような小型チップを多数集約し、微細なピンを半導体チップのパッドに接続する例もある。
特許文献1には、複数のパワー半導体チップが実装された複数の導電パターン部材と、導電パターン部材との対向面にパワー半導体チップ及び導電パターン部材にそれぞれ接続する複数の棒状導電接続部材を配置したプリント基板とを備える半導体装置が記載されている。特許文献2には、絶縁基板と、絶縁基板に固着された金属ブロックと、金属ブロックに固着された、ワイドバンドギャップ半導体を用いた複数の半導体素子と、半導体素子に固着された複数のインプラントピンと、インプラントピンに固着され、半導体素子に対向して配置されたプリント基板と、半導体素子とプリント基板の間に配置された封止材とを備える半導体装置が記載されている。特許文献3には複数の半導体素子の第1の主電極に第1の共通主電源板を電気的に接続し、第2の主電極に第2の共通主電源板を電気的に接続し、複数の半導体素子を圧接した状態で収納している圧接型半導体装置が記載されている。特許文献4には、半導体素子の複数を並列に接続し、半導体素子の出力電極の複数を互いに接続した出力電極接続体と、半導体素子の共通電極の複数を互いに接続した共通電極接続体とを備える半導体集積回路が記載されている。特許文献5には、半導体装置の第1及び第2主回路電極にそれぞれ接続された第1及び第2電極導体を備え、半導体装置が複数個の半導体素子を組み合わせた状態になっている平形半導体装置が記載されている。特許文献6には、グランド層上で第2の樹脂層に包埋された半導体IC上にスタッドバンプを設け、スタッドバンプが第2の樹脂層上の配線層に接続された半導体IC内蔵基板が記載されている。
国際公開第2014/061211号 特開2012-191010号公報 特開2001-298152号公報 特開平6-349845号公報 特開平1-122146号公報 特開2005-223223号公報
特許文献1の図15の構成は、半導体モジュールメーカ側で必要な容量且つ回路構成になるように半導体チップを組み合わせ、ワイヤボンディング等の接続を行って、パッケージの外に端子を出しておくことで、ユーザは、微細な半導体チップ自体を取り扱う必要が無く、パッケージの端子にバスバー等の配線を機械的に取り付けるだけでよい。しかし、特許文献1の図15に記載の半導体装置は汎用的に作られるため、半導体チップ自体の大きさに比べて圧倒的に体積が大きく、内部配線が長くなる。
これに対し、昨今のワイドバンドギャップ半導体の登場とその特性を生かす高速スイッチング化に対応するために、低インダクタンス化を目指して、配線の短縮が求められている。更に、電気自動車等の普及に伴い、インバータ等の装置の小型化要求の流れがある。そのため、汎用の半導体モジュールを使わず、ワイドバンドギャップ半導体専用モジュールを組む事例が増えているが、更に進んで、半導体チップそのものとコンデンサ等の一般電子回路部品、ひいては冷却フィンまで一体化することで、ユーザ側で高密度実装し、装置全体で配線の短縮と小型化を図る流れとなっている。
しかし、前述のように、ワイドバンドギャップ半導体を用いた半導体チップのような小型のチップは、接続用パッドが小さいため、一般的なSiチップで専用モジュールを組むユーザや、電子部品を組み立てる一般のユーザにとって、自由に配線を行いにくいという課題がある。
上記課題に鑑み、本発明は、半導体チップ単体を組み合わせた場合と同等の集積化が可能でありながら、その取扱いが容易なチップサイズパッケージ(CSP)を実現可能な半導体装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、(a)第1主電極を一方の主面にそれぞれ有し、且つ第2主電極及び制御電極を他方の主面にそれぞれ有する複数の半導体チップと、(b)複数の半導体チップのそれぞれの第1主電極を一方の主面に接合した第1共通主電極と、(c)複数の半導体チップのそれぞれの他方の主面に一方の主面が離間して対向する絶縁層と、絶縁層の一方の主面に設けられ、複数の制御電極に電気的に接続された制御配線部と、絶縁層の一方の主面に設けられ、制御配線部と近接して配置され、複数の第2主電極と電気的に接続された主配線部と、絶縁層の他方の主面に設けられ、少なくとも一部が平面視で絶縁層を介して制御配線部に重なる位置に配置された共通制御電極と、絶縁層の他方の主面に設けられ、少なくとも一部が平面視で絶縁層を介して制御配線部および主配線部に重なる位置に配置された第2共通主電極と、制御配線部、絶縁層および共通制御電極を貫通する第1貫通孔の内壁に設けられ、第1貫通孔を介して制御配線部と共通制御電極を電気的に接続する第1金属層と、主配線部、絶縁層および第2共通主電極を貫通する第2貫通孔の内壁に設けられ、第2貫通孔を介して主配線部と第2共通主電極を電気的に接続する第2金属層とを有するプリント基板とを備える半導体装置であることを要旨とする。
本発明によれば、半導体チップ単体を組み合わせた場合と同等の集積化が可能でありながら、その取扱いが容易なチップサイズパッケージを実現可能な半導体装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る半導体装置の斜視図である。 本発明の実施形態に係る半導体装置の図1とは異なる位置から見た斜視図である。 本発明の実施形態に係る半導体装置の内部構造の斜視図である。 本発明の実施形態に係る半導体装置の内部構造の一部の斜視図である。 本発明の実施形態に係る半導体装置の内部構造の分解斜視図である。 本発明の実施形態に係る半導体装置の内部構造の図5とは異なる位置から見た分解斜視図である。 本発明の実施形態に係る半導体装置の側面図である。 本発明の実施形態に係る半導体装置の第1共通主電極及び半導体チップの平面図である。 本発明の実施形態に係る半導体装置のプリント基板の絶縁層の平面図である。 本発明の実施形態に係る半導体装置のプリント基板の平面図である。 図10のA-A方向から見た断面図である。 本発明の実施形態に係る半導体装置の適用例の側面図である。 第1比較例に係る半導体装置の断面図である。 第2比較例に係る半導体装置の断面図である。 本発明の実施形態の第1変形例に係る半導体装置の側面図である。 本発明の実施形態の第2変形例に係る半導体装置の一部の断面図である。 本発明の実施形態の第3変形例に係る半導体装置のプリント基板の平面図である。 図17のA-A方向から見た断面図である。
以下において、図面を参照して実施形態を説明する。以下の説明で参照する図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
本明細書において、半導体チップ(半導体素子)の「第1主電極」とは、主電流が流入若しくは流出する電極を意味する。例えば、半導体チップが電界効果トランジスタ(FET)や静電誘導トランジスタ(SIT)の場合には、ソース電極又はドレイン電極のいずれか一方となる電極を意味する。半導体チップが絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)の場合には、「第1主電極」はエミッタ電極又はドレイン電極のいずれか一方となる電極を意味する。半導体チップが静電誘導(SI)サイリスタやゲートターンオフ(GTO)サイリスタの場合には、「第1主電極」はアノード電極又はカソード電極のいずれか一方となる電極を意味する。
また、半導体チップの「第2主電極」とは、半導体チップがFETやSITであれば、上記第1主電極とはならないソース電極又はドレイン電極のいずれか一方となる電極を意味する。IGBTにおいては、「第2主電極」は上記第1主電極とはならないエミッタ電極又はドレイン電極のいずれか一方となる電極を意味する。SIサイリスタやGTOサイリスタにおいては、「第2主電極」は上記第1主電極とはならないアノード電極又はカソード電極のいずれか一方となる電極を意味する。このように、半導体チップの「第1主電極」がソース電極であれば、「第2主電極」はドレイン電極を意味する。半導体チップの「第1主電極」がエミッタ電極であれば、「第2主電極」はドレイン電極を意味する。半導体チップの「第1主電極」がアノード電極であれば、「第2主電極」はカソード電極を意味する。MISFET等で対称構造の半導体チップとなる場合は、バイアス関係を交換すれば「第1主電極」の機能と「第2主電極」の機能を交換可能な場合もある。
<半導体装置の構成>
本発明の実施形態に係る半導体装置(半導体モジュール)の外観は、図1及び図2に示すように略直方体形状を有する。本発明の実施形態に係る半導体装置の全体は封止部材10で覆われている。図2に示すように、本発明の実施形態に係る半導体装置の略直方体形状の一面において、封止部材10から第1共通主電極1が露出している。
図1に示すように、第1共通主電極1が露出する面と対向する面において、封止部材10から共通制御電極52a及び第2共通主電極52bが露出している。共通制御電極52aには、第1貫通孔(スルーホール又はビア)6a,6bが設けられている。第2共通主電極52bには、第2貫通孔(スルーホール又はビア)7a,7b,7c,7d,7e,7f,7g,7hが設けられている。第1貫通孔6a,6b及び第2貫通孔7a~7hには、封止部材10が充填されている。
図1及び図2に示すように、本発明の実施形態に係る半導体装置の略直方体形状の第1共通主電極1が露出する面と、第2共通主電極52b及び共通制御電極52aが露出する面の法線方向をZ軸方向と定義し、Z軸方向と直交し、かつ封止部材10の側壁のうち共通制御電極52aに最も近い側壁の面の法線方向をX軸方向と定義し、X軸方向及びZ軸方向に直交する方向をY軸方向と定義する。
図1及び図2に示すように、本発明の実施形態に係る半導体装置の略直方体形状を構成する封止部材10の角部が面取りされ、面取り部10a,10b,10c,10dが設けられている。なお、封止部材10に面取り部10a~10dは必ずしも設けられなくてもよい。また、封止部材10の他の角部が面取りされていてもよい。
図3は、図1に示した本発明の実施形態に係る半導体装置の封止部材10を省略し、封止部材10の外形を破線で示した場合の内部構造の斜視図である。図4は、図3に示した本発明の実施形態に係る半導体装置の内部構造のプリント基板5を更に省略した構造の斜視図である。図5は、図3に示した本発明の実施形態に係る半導体装置の内部構造を分解し、プリント基板5側から見た場合の分解斜視図である。図6は、図3に示した本発明の実施形態に係る半導体装置の内部構造を分解し、第1共通主電極1側から見た分解斜視図である。図7は、本発明の実施形態に係る半導体装置を、半導体チップ3a,3b側から見た側面図である。
図3~図7に示すように、本発明の実施形態に係る半導体装置は、第1共通主電極1と、第1共通主電極1の一方の主面(素子搭載面)に複数の接合材2a,2b,2c,2dを介して搭載された複数の半導体チップ3a,3b,3c,3dを備える。
第1共通主電極1は、板状の導電部材で構成されている。第1共通主電極1としては、例えば銅(Cu)等からなる金属板が使用可能である。図2に示すように、第1共通主電極1の他方の主面(非素子搭載面)は、封止部材10から露出し、電極パッドとして機能する。
接合材2a~2dとしては、例えば高温はんだ等のはんだ、ナノ銀(Ag)ペースト等の金属焼結体が使用可能である。複数の半導体チップ3a,3b,3c,3dと第1共通主電極1との接合方法としては、メッキ又は拡散接合(固相接合)等により接合してもよい。複数の半導体チップ3a,3b,3c,3dと第1共通主電極1との接合部の融点は300℃以上程度であることが好ましい。
半導体チップ3a~3dとしては、例えばIGBT、FET、SIサイリスタ、GTOサイリスタ等が採用可能であるが、ここでは半導体チップ3a~3dがFETである場合を例示する。半導体チップ3a~3dは、例えば、炭化ケイ素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)、酸化ガリウム(Ga)等のワイドバンドギャップ半導体基板で構成してもよく、或いはシリコン(Si)基板で構成してもよい。
半導体チップ3a~3dは、一方の主面(非素子面)側に第1主電極(ドレイン電極)33a,33b,33c,33dをそれぞれ有する。第1主電極33a~33dは、複数の接合材2a~2dを介して、第1共通主電極1の一方の主面(素子搭載面)に接合されている。第1共通主電極1は、半導体チップ3a~3dの第1主電極33a~33dに共通の電極パッドとして機能する。
半導体チップ3a~3dは、一方の主面(非素子面)に対向する他方の主面(素子面)側に、制御電極(ゲート電極)31a,31b,31c,31d及び第2主電極(ソース電極)32a,32b,32c,32dをそれぞれ有する。半導体チップ3a~3dのそれぞれにおいて、第2主電極32a~32dと第1主電極33a~33dの間に主電流が流れる。制御電極31a~31dは、制御電極31a~31dに印加される所定の制御信号に応じて、第2主電極32a~32dと第1主電極33a~33dの間を流れる主電流をそれぞれ制御する。
図4、図7及び図8に示すように、半導体チップ3a~3dの制御電極31a~31d同士が対向し且つ近接するように、半導体チップ3a~3dが配置されている。Y軸方向において、半導体チップ3a,3bの制御電極31a,31b同士が対向し且つ近接するように、半導体チップ3a,3bが隣接して互いに逆向きに配置されている。また、半導体チップ3c,3dの制御電極31c,31d同士が対向し且つ近接するように、半導体チップ3c,3dが隣接して互いに逆向きに配置されている。
X軸方向において、半導体チップ3a,3cの制御電極31a,31c同士及び第2主電極32a,32c同士が対向し且つ近接するように、半導体チップ3a,3cが隣接して同じ向きで配置されている。また、半導体チップ3b,3dの制御電極31b,31d同士及び第2主電極32b,32d同士が対向し且つ近接するように、半導体チップ3b,3dが隣接して同じ向きで配置されている。半導体チップ3a~3dのサイズは、例えば1mm角以上、5mm角以下程度であるが、これに限定されない。半導体チップ3a~3d同士の間隔は例えば1mm以上、2mm以下程度であるが、これに限定されない。
なお、半導体チップ3a~3dの配置位置は、図4、図7及び図8に示した配置位置に限定されない。例えば、図4、図7及び図8に示した半導体チップ3a~3dとはそれぞれ逆向きに、半導体チップ3a~3dの第2主電極32a~32d同士が対向し且つ近接するように配置してもよい。また、図4、図7及び図8では4つの半導体チップ3a~3dを例示したが、半導体チップの個数は限定されない。例えば、1つの半導体チップを有していてもよく、2つ又は3つの半導体チップを有していてもよく、5つ以上の半導体チップを有していてもよい。
図3、図5~図7に示すように、複数の半導体チップ3a~3dの他方の主面(素子面)側には、プリント基板5が離間して対向するように配置されている。プリント基板5は、絶縁層51と、絶縁層51の一方の主面(素子対向面)に配置された制御配線部53a及び主配線部53bと、絶縁層51の他方の主面(非素子対向面)に配置された共通制御電極52a及び第2共通主電極52bとを備える。絶縁層51は、複数の半導体チップ3a~3dのそれぞれの他方の主面に一方の主面が離間して対向する。制御配線部53aは、複数の半導体チップ3a~3dのそれぞれの制御電極31a~31dに電気的に接続されている。主配線部53bは、制御配線部53aと近接して配置され、複数の半導体チップ3a~3dのそれぞれの第2主電極32a~32dと電気的に接続されている。共通制御電極52aは、少なくとも一部が平面視で絶縁層51を介して制御配線部53aに重なる位置に配置されている。第2共通主電極52bは、少なくとも一部が平面視で絶縁層51を介して制御配線部53aおよび主配線部53bに重なる位置に配置されている。
複数の半導体チップ3a~3dの他方の主面(素子面)側と、プリント基板5の一方の主面(素子対向面)側とは、複数の突起電極41a,41b,41c,41d,42a,42b,42c,42d,43a,43b,43c,43dにより接合されている。
突起電極41a~41d,42a~42d,43a~43dとしては、例えば金(Au)等からなるスタッドバンプで構成されている。突起電極41a~41d,42a~42d,43a~43dとしては、スタッドバンプの他にも、例えばはんだや、ナノ銀(Ag)ペースト等の金属焼結体、各種金属材料を用いたピラー電極又はボール状電極等も使用可能である。突起電極41a~41d,42a~42d,43a~43dの高さは例えば40μm以上、350μm以下程度であり、直径は例えば30μm以上、350μm以下程度であるが、半導体チップ3a~3dのサイズ等に応じてそれぞれ適宜設定可能である。突起電極の数は、図4及び図5で示す数に限らない。突起電極の数は、電流とパッドサイズ等に応じて適宜設定可能である。
半導体チップ3aの制御電極31aには、突起電極41aを介して、プリント基板5の制御配線部53aが接合されている。半導体チップ3aの第2主電極32aには、2つの突起電極42a,43aを介して、プリント基板5の主配線部53bが接合されている。
半導体チップ3bの制御電極31bには、突起電極41bを介して、プリント基板5の制御配線部53aが接合されている。半導体チップ3bの第2主電極32bには、2つの突起電極42b,43bを介して、プリント基板5の主配線部53bが接合されている。
半導体チップ3cの制御電極31cには、突起電極41cを介して、プリント基板5の制御配線部53aが接合されている。半導体チップ3cの第2主電極32cには、2つの突起電極42c,43cを介して、プリント基板5の主配線部53bが接合されている。
半導体チップ3dの制御電極31dには、突起電極41dを介して、プリント基板5の制御配線部53aが接合されている。半導体チップ3dの第2主電極32dには、2つの突起電極42d,43dを介して、プリント基板5の主配線部53bが接合されている。
なお、半導体チップ3a~3dの制御電極31a~31dのそれぞれと、プリント基板5の制御配線部53aとを接合する突起電極の個数は特に限定されない。また、半導体チップ3a~3dの第2主電極32a~32dのそれぞれと、プリント基板5の主配線部53bとを接合する突起電極の個数は特に限定されない。
図3、図5~図7に示したプリント基板5の絶縁層51は、例えばアルミナ(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化珪素(Si)等を主成分としたセラミクスや樹脂等の絶縁材料で構成されている。絶縁層51は、ガラス繊維とエポキシ樹脂との組み合わせ等からなる樹脂基板であってよい。
制御配線部53a、主配線部53b、共通制御電極52a及び第2共通主電極52bは、例えば銅箔で構成されている。制御配線部53a、主配線部53b、共通制御電極52a及び第2共通主電極52bとしては、銅(Cu)板やアルミニウム(Al)板を貼り合わせたものでもよく、銅(Cu)やニッケル(Ni)、錫(Sn)等のメッキが施されていてもよい。
図9は、プリント基板5の他方の主面(非素子対向面)側の共通制御電極52a及び第2共通主電極52bを省略し、絶縁層51を他方の主面(非素子対向面)から見た平面図である。図9において、絶縁層51の一方の主面(素子対向面)側の制御配線部53a及び主配線部53bを破線で模式的に示している。更に、制御配線部53a及び主配線部53bに接合された突起電極41a~41d,42a~42d,43a~43dを破線で模式的に示している。
図9に示すように、制御配線部53aと主配線部53bは互いに離間する。制御配線部53aは、略矩形の平面パターンを有する。主配線部53bは、制御配線部53aの周囲を囲む環状の平面パターンを有する。なお、制御配線部53a及び主配線部53bの平面パターンはこれらに限定されず、半導体チップ3a~3dの配置位置等により適宜変更可能である。例えば、主配線部53bがU字状の平面パターンを有していてもよい。
図10は、プリント基板5を他方の主面(非素子対向面)側から見た平面図である。図10に示すように、共通制御電極52aと第2共通主電極52bは互いに離間する。共通制御電極52aは、略矩形の平面パターンを有する。共通制御電極52aの平面パターンの面積は、図9に示した制御配線部53aの平面パターンの面積よりも小さい。共通制御電極52aの少なくとも一部は、絶縁層51を挟んで、図9に示した制御配線部53aの少なくとも一部と重なるように配置されている。
第2共通主電極52bは、切り欠き部(凹部)52xが設けられた略矩形の平面パターンを有する。切り欠き部(凹部)52xに、共通制御電極52aが配置されている。第2共通主電極52bの少なくとも一部は、絶縁層51を挟んで、主配線部53bの少なくとも一部と重なるように配置されている。
なお、共通制御電極52a及び第2共通主電極52bの平面パターンはこれらに限定されず、制御配線部53a及び主配線部53bの配置位置等により適宜変更可能である。例えば、第2共通主電極52bは、切り欠き部(凹部)52xが設けられていない平面パターンを有していてもよい。
図9及び図10に示すように、プリント基板5には、第1貫通孔6a,6bが設けられている。第1貫通孔6a,6bは、制御配線部53aと突起電極41a~41dの接合位置と異なる位置に設けられている。第1貫通孔6a,6bは、共通制御電極52aと制御配線部53aの重なる部分に設けられ、制御配線部53a、絶縁層51及び共通制御電極52aを貫通する。第1貫通孔6a,6bの内周面(内壁)には銅メッキ等により銅箔等の第1金属層11aが設けられている。第1金属層11aは、第1貫通孔6a,6bを介して、プリント基板5の共通制御電極52aと制御配線部53aを電気的に接続する。共通制御電極52aと制御配線部53aは、第1貫通孔6a,6bを介して互いに電気的に接続されており、互いに同電位となる。共通制御電極52aは、第1貫通孔6a,6b、制御配線部53a、突起電極41a~41dを介して、半導体チップ3a~3dの制御電極31a~31dに電気的に接続されている。
更に、図9~図11に示すように、プリント基板5には、第2貫通孔7a~7hが設けられている。第2貫通孔7a~7hは、突起電極42a~42d,43a~43dの接合位置と異なる位置に設けられている。第2貫通孔7a~7hは、第2共通主電極52bと主配線部53bの重なる部分に設けられ、主配線部53b、絶縁層51及び第2共通主電極52bを貫通する。貫通孔7a~7hの内周面(内壁)には銅メッキ等により銅箔等の第2金属層11bが設けられている。第2金属層11bは、第2貫通孔7a~7hを介して、プリント基板5の第2共通主電極52bと主配線部53bを電気的に接続する。第2共通主電極52bと主配線部53bは、第2貫通孔7a~7hを介して互いに電気的に接続されており、互いに同電位となる。第2共通主電極52bは、第2貫通孔7a~7h、主配線部53b、突起電極42a~42d,43a~43dを介して、半導体チップ3a~3dの第2主電極32a~32dに電気的に接続されている。
図1及び図11に示すように、第1貫通孔6a,6b及び第2貫通孔7a~7h内には封止部材10が充填されている。第1貫通孔6a,6b及び第2貫通孔7a~7hのサイズは例えば200μm程度であるが、これに限定されない。図9及び図10では、2つの第1貫通孔6a,6b及び8つの第2貫通孔7a~7hを例示するが、制御配線部53a、絶縁層51及び共通制御電極52aを貫通する第1貫通孔及び主配線部53b、絶縁層51及び第2共通主電極52bを貫通する第2貫通孔の数はそれぞれ限定されず、配置位置も限定されない。
図1に示すように、プリント基板5の共通制御電極52a及び第2共通主電極52bは、封止部材10から露出する。共通制御電極52aは、半導体チップ3a~3dの制御電極31a~31dの共通の電極パッドとして機能する。第2共通主電極52bは、半導体チップ3a~3dの第2主電極32a~32dの共通の電極パッドとして機能する。共通制御電極52a及び第2共通主電極52bのそれぞれには、ワイヤボンディングやリボンボンディングが可能である。
封止部材10から共通制御電極52a及び第2共通主電極52bが露出した面において、封止部材10、共通制御電極52a及び第2共通主電極52bは、面一に配置されている。なお、共通制御電極52a及び第2共通主電極52bは、封止部材10の表面よりも突出していてもよい。
図1、図2及び図7に示すように、封止部材10は略直方体形状を有する。封止部材10は、第1共通主電極1、半導体チップ3a~3d及びプリント基板5の周囲を囲むように配置され、半導体チップ3a~3dを少なくとも封止する。封止部材10は、第1共通主電極1の他方の主面(非素子搭載面)と、プリント基板5の他方の主面(非素子対向面)側の共通制御電極52a及び第2共通主電極52bを露出する。
図7及び図11に示すように、封止部材10は、プリント基板5の絶縁層51の端部で引っかかるので、プリント基板5全体の剥離を防止することができる。更に、第1貫通孔6a,6b及び第2貫通孔7a~7hに封止部材10が充填されているため、アンカー効果により接合力が強化され、プリント基板5の部分的な剥離を防止することができる。
封止部材10としては、例えば耐熱性が高く硬質な熱硬化性樹脂等の樹脂材料が使用可能であり、具体的にはエポキシ樹脂、マレイミド樹脂、シアネート樹脂等が使用可能である。封止部材10の硬化温度から常温までの平均線膨張係数が、半導体チップ3a~3dの半導体材料の平均線膨張係数と、第1共通主電極1の平均線膨張係数との間となるように、封止部材10、半導体チップ3a~3d及び第1共通主電極1の材料をそれぞれ選択することが好ましい。これにより、半導体チップ3a~3d及び第1共通主電極1の剥離等を抑制することができる。
<半導体装置の組立方法>
次に、図5及び図6を参照して、本発明の実施形態に係る半導体装置の組立方法の一例を説明する。
まず、第1共通主電極1の一方の主面(素子搭載面)に、複数の接合材2a~2dを介して、複数の半導体チップ3a~3dの一方の主面(非素子面)側の第1主電極33a~33dをそれぞれ搭載し接合する。第1共通主電極1と半導体チップ3a~3dとの接合方法は、接合後の接合材2a~2dの融点が300℃以上となる接合方法を用いることが好ましい。
次に、複数の半導体チップ3a~3dの他方の主面(素子面)側の制御電極31a~31d上に、複数の突起電極41a~41dを位置合わせして形成すると共に、複数の半導体チップ3a~3dの他方の主面(素子面)側の第2主電極32a~32d上に、複数の突起電極42a~42d,43a~43dを位置合わせして形成する。例えば、突起電極41a~41d,42a~42d,43a~43dがAuスタッドバンプの場合には、ワイヤボンダにより、Auワイヤを用いて形成する。なお、複数の半導体チップ3a~3d上の突起電極41a~41d,42a~42d,43a~43dの形成は、第1共通主電極1に複数の半導体チップ3a~3dを搭載する前に行ってもよい。
次に、複数の半導体チップ3a~3dの他方の主面(素子面)側に、突起電極41a~41d,42a~42d,43a~43dを介して、プリント基板5の一方の主面(素子対向面)側を搭載する。そして、必要に応じて加圧や加熱をしつつ、超音波接合等により、突起電極41a~41dとプリント基板5の制御配線部53aとを接合すると共に、突起電極42a~42d,43a~43dとプリント基板5の主配線部53bとを接合する。
次に、第1共通主電極1、複数の半導体チップ3a~3d及びプリント基板5等からなる構造体を金型にセットし、ボイドが入らないように樹脂でモールドする。このとき、プリント基板5に設けられた第1貫通孔6a,6b及び第2貫通孔7a~7hは封止部材10で埋められる。その後、必要に応じてレーザや機械的研磨装置等により、第1共通主電極1の他方の主面(非素子搭載面)側と、第2共通主電極52bの他方の主面(非素子対向面)側の樹脂を研磨して、第1共通主電極1の他方の主面(非素子搭載面)と、プリント基板5の共通制御電極52a及び第2共通主電極52bを封止部材10から露出させる。このようにして、本発明の実施形態に係る半導体装置が完成する。
<適用例>
次に、本発明の実施形態に係る半導体装置100の適用例を図12に示す。本発明の実施形態に係る半導体装置100の第1共通主電極1が、接合材24を介して絶縁回路基板20に接合されている。本発明の実施形態に係る半導体装置100の第2共通主電極52bは、接合材25を介してリードフレーム26に接続されている。絶縁回路基板20には、本発明の実施形態に係る半導体装置100と同様の構成の半導体装置を複数搭載してもよい。
絶縁回路基板20は、例えば直接銅接合(DCB)基板や活性ろう付け(AM)基板等であってもよい。絶縁回路基板20は、絶縁基板21と、絶縁基板21の一方の主面に配置された配線層22と、絶縁基板21の他方の主面に配置された配線層23とを備える。絶縁基板21は、例えば酸化アルミニウム(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化珪素(Si)等からなるセラミクス基板で構成できる。配線層23及び配線層22の材料としては、例えば銅(Cu)やアルミニウム(Al)等の導体箔が使用可能である。
なお、図12に示した本発明の実施形態に係る半導体装置100に、リードフレーム26及び絶縁回路基板20を含めた全体を、本発明の実施形態に係る半導体装置としてもよい。
<比較例>
次に、第1及び第2比較例に係る半導体装置を説明する。第1比較例に係る半導体装置では、図13に示すように、絶縁回路基板102の一方の主面に接合材108を介して1又は複数の半導体チップ103が搭載されている。絶縁回路基板102の他方の主面は、熱拡散機能を有する金属ベース101に搭載されている。絶縁回路基板102及び半導体チップ103の周囲は樹脂ケース104で覆われている。樹脂ケース104の内側にはシリコンゲル107が充填され、絶縁性を向上させている。半導体チップ103及び絶縁回路基板102は、ボンディングワイヤ110,111やボンディングリボンを介して、樹脂ケース104から突出する外部接続端子105,106に電気的に接続されている。
第2比較例に係る半導体装置は、図14に示すように、半導体チップ103が接合材112を介してリードフレーム113で接続されている点が、図13に示した第1比較例に係る半導体装置と異なる。
図13及び図14に示した第1及び第2比較例に係る半導体装置では、半導体モジュールメーカ側で必要な容量且つ回路構成になるように半導体チップ103を組み合わせ、ワイヤボンディング等の接続を行って、外部接続端子105,106を外側に出しておく。このため、ユーザは、微細な半導体チップ103自体を取り扱う必要が無く、外部接続端子105,106にバスバー等の配線を機械的に取り付けるだけでよい。しかし、図13及び図14に示した第1及び第2比較例に係る半導体装置は、汎用的に作られるため、半導体チップ103自体の大きさに比べて圧倒的に体積が大きく、ボンディングワイヤ110,111等の内部配線が長くなる。
<効果>
これに対して、本発明の実施形態に係る半導体装置によれば、複数の半導体チップ3a~3dと同等サイズのままで、複数の半導体チップ3a~3dを集積することが可能となる。このため、SiC、Gan、Ga等のワイドバンドギャップ半導体を用いた半導体チップのような小型チップを複数並列に集積して定格を拡大できるため、同定格の大型チップを作る場合に比べ、歩留まりの面で圧倒的に低コストを実現することができる。
更に、第1共通主電極1、共通制御電極52a及び第2共通主電極52bのそれぞれが構成する電極パッドは、複数の半導体チップ3a~3dの制御電極31a~31d、第1主電極33a~33d及び第2主電極32a~32dよりもパッドサイズが大きい。このため、ワイドバンドギャップ半導体を用いた半導体チップのような小型チップに対しても、太線のワイヤボンディングやリボンボンディング、リードフレーム接続等、種々の大電流向けの接続方法を採用可能となる。したがって、本発明の実施形態に係る半導体装置を用いてモジュールを組み立てる一般のユーザにとって、配線の自由度が向上し、取り扱いが容易となる。
更に、複数の半導体チップ3a~3dの接続部周りが封止部材10によりモールドされることで、機械的信頼性が向上する。例えば、ワイドバンドギャップ半導体を用いた半導体チップのような小型チップでは素子面の接合面積が小さく、接合部の熱応力が小さくなる。よって、封止部材10による封止で接合部を機械的に抑えることができる。半導体チップ3a~3dや突起電極41a~41d,42a~42d,43a~43dは小型なので、樹脂剥離は起こりにくく、剥離したとしても素子面への影響は少ない。このため、ユーザが組み立てるモジュールがゲル封止である場合でも、半導体チップ3a~3d周りのヒートサイクル耐量、パワーサイクル耐量を向上させることができる。
更に、半導体チップ3a~3dが電極パッドを構成する共通制御電極52a及び第2共通主電極52bから離間しており、且つ封止部材10によりモールドされていることから、図12に示すようなユーザ側のリードフレーム26等の外部配線を接続する際においても、直接的な応力が半導体チップ3a~3dにかかりにくくなる。
更に、低線膨張係数の半導体を用いた半導体チップ3a~3dの制御電極31a~31d及び第2主電極32a~32dを電極パッドとする代わりに、共通制御電極52a及び第2共通主電極52bを電極パッドとすることにより、これに外部の金属配線を接続しても、線膨張係数差が少なく、温度変化に対して接続部にクラックが入り難い。例えば、ユーザ側の配線材料が、共通制御電極52a及び第2共通主電極52bと同じ材料(例えばCu)であれば、半導体チップ3a~3dの制御電極31a~31d及び第2主電極32a~32dに直接ユーザ側の配線を接続した場合に比べて、熱応力を低減でき、長寿命化を図ることができる。したがって、小型で低損失、長寿命の半導体装置を安価に実現可能となる。
更に、組み立て時には、半導体チップ3a~3d上に突起電極41a~41d,42a~42d,43a~43dを立てる方式のため、半導体チップ3a~3dとプリント基板5とのアライメントが簡単であり高精度のアライメントが不要である。このため、特許文献1のような手法で対応困難なほどチップサイズ(電極サイズ)が小さい小型のチップまで扱うことができる。
更に、突起電極41a~41d,42a~42d,43a~43dの接合時には、超音波接合を使用することにより、はんだ溶融時のセルフアライメントを利用しないため、第1共通主電極1と半導体チップ3a~3dとを接合する接合材2a~2dとして、ナノ銀ペースト等の金属焼結体を用いれば、はんだのような再溶融が無く、より高温まで使用可能である。よって、CSP接合時(取付時)の信頼性が高く、使用時の温度も上げられる。
更に、プリント基板5に設けられた第1貫通孔6a,6b及び第2貫通孔7a~7hを封止部材10で充填することで、アンカー効果等によりプリント基板5が剥離し難くなる。更に、プリント基板5の回路パターンである共通制御電極52a及び第2共通主電極52bを外部電極としてそのまま利用できるため、より薄型とすることができる。
<第1変形例>
本発明の実施形態の第1変形例に係る半導体装置は、図15に示すように、第1共通主電極1が横方向(Y軸方向)に拡張され、第1共通主電極1の側面の一部が封止部材10から露出する点が、図7に示した本発明の実施形態に係る半導体装置の構成と異なる。
第1共通主電極1の一方の主面(素子搭載面)には溝部1a,1bが設けられている。溝部1a,1bには、封止部材10が充填されている。なお、溝部1a,1bの位置、形状、個数は特に限定されず、第1共通主電極1に溝部が設けられていなくてもよい。
本発明の実施形態の第1変形例に係る半導体装置によれば、第1共通主電極1の側面の一部が封止部材10から露出するため、第1共通主電極1の露出面積が大きくなるので、放熱性を向上させることができる。更に、第1共通主電極1に溝部1a,1bを設けることにより、第1共通主電極1と封止部材10の剥離を抑制することができる。
<第2変形例>
本発明の実施形態の第2変形例に係る半導体装置は、図16に示すように、第2貫通孔7b,7f内に導電部材8a,8bが設けられている点が、図11に示した本発明の実施形態に係る半導体装置の構成と異なる。
導電部材8a,8bは、例えば第2貫通孔7b,7f内に挿入されたCu等の金属からなるピンで構成されていてもよい。図示を省略するが、図12に示した第1貫通孔6a,6b及び第2貫通孔7a,7c~7e,7g,7h内にも導電部材を設けてよい。
本発明の実施形態の第2変形例に係る半導体装置によれば、第1貫通孔6a,6b及び第2貫通孔7a~7h内に導電部材を設けることにより、共通制御電極52aと制御配線部53aの間、及び第2共通主電極52bと主配線部53bの間を良好に導通することができる。
<第3変形例>
本発明の実施形態の第3変形例に係る半導体装置は、図17及び図18に示すように、プリント基板5に接合強化用貫通孔(ノンスルーホール)9a,9bが設けられている点が、図10に示した本発明の実施形態に係る半導体装置の構成と異なる。
接合強化用貫通孔9a,9bは、制御配線部53aと第2共通主電極52bが絶縁層51を挟んで重なる位置に設けられている。接合強化用貫通孔9a,9bには、封止部材10が充填されている。接合強化用貫通孔9a,9bの内周面には銅メッキがされておらず、接合強化用貫通孔9a,9bは制御配線部53aと第2共通主電極52bとを電気的に接続しない。接合強化用貫通孔9a,9bの制御配線部53a及び第2共通主電極52bを貫通する部分の開口部の面積は、接合強化用貫通孔9a,9bの絶縁層51を貫通する部分の面積よりも大きい。
なお、接合強化用貫通孔9a,9bの配置位置及び個数は特に限定されない。例えば、制御配線部53aと共通制御電極52aが絶縁層51を挟んで重なる位置に設けられていてもよく、主配線部53bと第2共通主電極52bが絶縁層51を挟んで重なる位置に設けられていてもよい。
本発明の実施形態の第3変形例に係る半導体装置によれば、プリント基板5に接合強化用貫通孔9a,9bを設けて封止部材10を充填することにより、接合強化用貫通孔9a,9bに充填された封止部材10が絶縁層51に引っかかるため、封止部材10とプリント基板5の剥離を防止することができる。
(その他の実施形態)
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、本発明の実施形態に係る半導体装置では、半導体チップ3a~3dが縦型構造の素子である場合を例示したが、複数の半導体チップが横型構造の素子の場合にも適用できる。また、横型構造の素子である複数の半導体チップを集積して、縦型構造の半導体装置に変換したり、縦型構造の素子である複数の半導体チップを集積して、横型構造の半導体装置に変換したりすることも可能である。
また、本発明の実施形態に係る半導体装置では、突起電極41a~41d,42a~42d,43a~43dがスタッドバンプで構成されている場合を例示したが、突起電極41a~41d,42a~42d,43a~43dはスタッドバンプ以外のバンプであってもよい。即ち、半導体チップ上にバンプを機械的に形成し、貫通孔付きのプリント基板を用いて電極を集合・拡大してモールドするCSP構成は全て本発明の範疇である。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
1…第1共通主電極
1a,1b…溝部
2a,2b,2c,2d…接合材
3a,3b,3c,3d…半導体チップ
5…プリント基板
6a,6b…第1貫通孔
7a,7b,7c,7d,7e,7f,7g,7h…第2貫通孔
8a,8b…導電部材
9a,9b…接合強化用貫通孔
10…封止部材
10a,10b,10c,10d…面取り部
11a…第1金属層
11b…第2金属層
20…絶縁回路基板
21…絶縁基板
22,23…配線層
24…接合材
26…リードフレーム
31a,31b,31c,31d…制御電極(ゲート電極)
32a,32b,32c,32d…第2主電極(ソース電極)
33a,33b,33c,33d…第1主電極(ドレイン電極)
41a,41b,41c,41d,42a,42b,42c,42d,43a,43b,43c,43d…突起電極
51…絶縁層
52a…共通制御電極
52b…第2共通主電極
52x…切り欠き部(凹部)
53a…制御配線部
53b…主配線部
100…半導体装置
101…金属ベース
102…絶縁回路基板
103…半導体チップ
104…樹脂ケース
105,106…外部接続端子
107…シリコンゲル
108…接合材
110,111…ボンディングワイヤ
112…接合材
113…リードフレーム

Claims (11)

  1. 第1主電極を一方の主面にそれぞれ有し、且つ第2主電極及び制御電極を他方の主面にそれぞれ有する複数の半導体チップと、
    前記複数の半導体チップのそれぞれの前記第1主電極を一方の主面に接合した第1共通主電極と、
    前記複数の半導体チップのそれぞれの前記他方の主面に一方の主面が離間して対向する絶縁層と、前記絶縁層の前記一方の主面に設けられ、複数の前記制御電極に電気的に接続された制御配線部と、前記絶縁層の前記一方の主面に設けられ、前記制御配線部と近接して配置され、複数の前記第2主電極と電気的に接続された主配線部と、前記絶縁層の他方の主面に設けられ、少なくとも一部が平面視で前記絶縁層を介して前記制御配線部に重なる位置に配置された共通制御電極と、前記絶縁層の前記他方の主面に設けられ、少なくとも一部が平面視で前記絶縁層を介して前記制御配線部および前記主配線部に重なる位置に配置された第2共通主電極と、前記制御配線部、前記絶縁層および前記共通制御電極を貫通する第1貫通孔の内壁に設けられ、前記第1貫通孔を介して前記制御配線部と前記共通制御電極を電気的に接続する第1金属層と、前記主配線部、前記絶縁層および前記第2共通主電極を貫通する第2貫通孔の内壁に設けられ、前記第2貫通孔を介して前記主配線部と前記第2共通主電極を電気的に接続する第2金属層とを有するプリント基板と、
    を備えることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記複数の半導体チップのそれぞれの前記制御電極と前記制御配線部とをそれぞれ接合する複数の第1突起電極と、
    前記複数の半導体チップのそれぞれの前記第2主電極と前記主配線部とをそれぞれ接合する複数の第2突起電極と、
    前記複数の半導体チップを封止し、且つ前記第1共通主電極の他方の主面、前記共通制御電極及び前記第2共通主電極を露出する封止部材と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記複数の第1突起電極及び前記複数の第2突起電極のそれぞれが、スタッドバンプであることを特徴とする請求項に記載の半導体装置。
  4. 前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔内に前記封止部材が充填されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の半導体装置。
  5. 前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔内に設けられた導電部材を更に備えることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の半導体装置。
  6. 前記複数の半導体チップのそれぞれの前記第1主電極と前記第1共通主電極の接合部の融点が300℃以上であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の半導体装置。
  7. 前記複数の半導体チップのそれぞれの前記制御電極同士が近接するように前記複数の半導体チップが配置されていることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の半導体装置。
  8. 前記封止部材の硬化温度から常温までの平均線膨張係数が、前記複数の半導体チップの半導体材料の平均線膨張係数と、前記第1共通主電極の平均線膨張係数との間にあることを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載の半導体装置。
  9. 前記プリント基板に、前記封止部材が充填された接合強化用貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項2~4、8のいずれか1項に記載の半導体装置。
  10. 前記第2共通主電極が切り欠き部を有し、
    前記共通制御電極が前記切り欠き部に設けられている
    ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の半導体装置。
  11. 前記封止部材と、前記封止部材から露出する前記共通制御電極と、前記封止部材から露出する前記第2共通主電極が面一に配置されることを特徴とする請求項2~4、8、9のいずれか1項に記載の半導体装置。
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