JP7492920B2 - ガラスにおける破壊抵抗応力プロファイル - Google Patents

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Description

関連出願の説明
本出願は、その各々の内容が依拠され、ここに全て引用される、2018年7月17日に出願された米国仮特許出願第62/699306号および2018年6月8日に出願された米国仮特許出願第62/682672号の優先権の恩恵を主張するものである。
本明細書は、広く、ガラス物品における破壊抵抗応力プロファイルに関する応力プロファイルに関する。より詳しくは、本明細書は、電子機器に使用することができる、リチウムを含有することのある、ガラスの応力プロファイルに関する。
スマートフォン、タブレット、携帯型メディアプレーヤー、パーソナルコンピュータ、およびカメラなどの携帯型機器の持ち運べる性質のために、これらの機器は、地面などの硬質表面への偶発的な落下を特に被りやすい。これらの機器には通常、カバーガラスが組み込まれており、これは、硬質表面と衝突した際に損傷を受けることがある。これらの機器の多くにおいて、カバーガラスは、ディスプレイカバーとしての機能を果たし、タッチ機能性を備えることがあり、よって、そのような機器の使用は、カバーガラスが損傷を受けたときに、悪影響を受ける。
関連する携帯型機器が硬質表面に落とされたときの、カバーガラスの主な破損様式が2つある。その様式の一方は屈曲破損であり、これは、機器が、硬質表面との衝突からの動荷重に曝されたときのガラスの曲げにより生じる。他方の様式は鋭い接触破損であり、これは、ガラス表面への損傷の導入により生じる。ガラスが、アスファルト、花崗岩などの粗い硬質表面と衝突すると、ガラス表面に鋭い圧痕が生じ得る。これらの圧痕は、ガラス表面の破損部位となり、そこから、亀裂が生じ、伝搬することがある。
ガラス製造者および携帯型機器の製造業者は、破損に対する携帯型機器の耐性を改善する努力を継続的に行ってきた。携帯型機器をできるだけ薄くすることも望ましい。したがって、強度に加え、携帯型機器におけるカバーガラスとして使用すべきガラスをできるだけ薄くすることも望ましい。それゆえ、カバーガラスの強度を増加させることに加え、薄いガラスシートなどの薄いガラス物品を製造できる過程によってガラスを成形できるようにする機械的特徴をそのガラスが有することも望ましい。
したがって、イオン交換などによって強化でき、ガラスを薄いガラス物品として成形できるようにする機械的性質を有するガラスが必要とされている。
本開示の態様は、ガラス系物品およびその製造方法と使用方法に関する。ここに開示されたガラス系物品は、高い破壊抵抗を示す。詳しくは、ここに開示されたガラス系物品は、何回もの落下後に高い破壊抵抗を提供する。
ある態様において、ガラス系物品は、基板の厚さ(t)を規定する互いに反対の第1と第2の表面を有するガラス系基板であって、tは、0.4mm以上かつ1.3mm以下であるガラス系基板;1.5MPa/マイクロメートル以下であるDOCでの応力勾配;および0.15t以上の圧縮深さ(DOC)と、4MPa・mmから20MPa・mmの範囲にある1つの圧縮領域内の応力積分の絶対値とを有する応力プロファイルを備える。
態様(1)によれば、ガラス系物品が提供される。そのガラス系物品は、基板の厚さ(t)を規定する互いに反対の第1と第2の表面を有するガラス系基板であって、tは、0.4mm以上かつ1.3mm以下であるガラス系基板;および0.15t以上の圧縮深さ(DOC)と、1.5MPa/マイクロメートル以下であるDOCでの応力勾配と、4MPa・mmから20MPa・mmの範囲にある1つの圧縮領域内の応力積分の絶対値とを有する応力プロファイルを備える。
態様(2)によれば、500MPa以上のピーク圧縮応力(CS)を有する、直前の態様のガラス系物品が提供される。
態様(3)によれば、70MPa以上の屈曲部での圧縮応力(CS)を有する、いずれかの先の態様のガラス系物品が提供される。
態様(4)によれば、DOCが95マイクロメートル以上の深さに位置している、いずれかの先の態様のガラス系物品が提供される。
態様(5)によれば、ガラス系物品が提供される。そのガラス系物品は、基板の厚さ(t)を規定する互いに反対の第1と第2の表面を有するガラス系基板;リチウムを含む、ガラス系物品の中心での中央組成;およびガラス系物品の表面から圧縮深さ(DOC)まで延在する圧縮応力層を備え、そのガラス系物品は、500MPa以上のピーク圧縮応力(CS)、0.73mm以下の厚さ(t)、140MPa以上の屈曲部での圧縮応力(CS)、および0.17超のDOC/tを有する。
態様(6)によれば、DOC/tが0.18以上である、いずれかの先の態様のガラス系物品が提供される。
態様(7)によれば、ピークCSが600MPa以上である、いずれかの先の態様のガラス系物品が提供される。
態様(8)によれば、ピークCSが720MPa以上である、いずれかの先の態様のガラス系物品が提供される。
態様(9)によれば、ピークCSが800MPa以上である、いずれかの先の態様のガラス系物品が提供される。
態様(10)によれば、ガラス系物品が提供される。そのガラス系物品は、基板の厚さ(t)を規定する互いに反対の第1と第2の表面を有するガラス系基板;リチウムを含む、ガラス系物品の中心での中央組成;およびガラス系物品の表面から圧縮深さ(DOC)まで延在する圧縮応力層を備え、そのガラス系物品は、970MPa以上のピーク圧縮応力(CS)、90MPa以上の屈曲部での圧縮応力(CS)、および0.17以上のDOC/tを有する。
態様(11)によれば、DOC/tが0.18以上である、直前の態様のガラス系物品が提供される。
態様(12)によれば、ピークCSが1020MPa以上である、態様(10)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(13)によれば、ピークCSが1060MPa以上である、態様(10)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(14)によれば、スパイクの層の深さ(DOLsp)が0.01t以上である、態様(10)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(15)によれば、スパイクの層の深さ(DOLsp)が7μm以上である、態様(10)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(16)によれば、スパイクの層の深さ(DOLsp)が7.8μm以上である、態様(10)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(17)によれば、CSが100MPa以上である、態様(10)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(18)によれば、CSが110MPa以上である、態様(10)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(19)によれば、ガラス系物品が提供される。そのガラス系物品は、基板の厚さ(t)を規定する互いに反対の第1と第2の表面を有するガラス系基板;リチウムを含む、ガラス系物品の中心での中央組成;およびガラス系物品の表面から圧縮深さ(DOC)まで延在する圧縮応力層を備え、そのガラス系物品は、970MPa以上のピーク圧縮応力(CS)、80MPa以上の屈曲部での圧縮応力(CS)、0.17以上のDOC/t、および0.012t以上のスパイクの層の深さ(DOLsp)を有する。
態様(20)によれば、ガラス系物品が提供される。そのガラス系物品は、基板の厚さ(t)を規定する互いに反対の第1と第2の表面を有するガラス系基板;リチウムを含む、ガラス系物品の中心での中央組成;およびガラス系物品の表面から圧縮深さ(DOC)まで延在する圧縮応力層を備え、そのガラス系物品は、970MPa以上のピーク圧縮応力(CS)、50MPa以上の屈曲部での圧縮応力(CS)、0.17以上のDOC/t、および0.02t以上のスパイクの層の深さ(DOLsp)を有する。
態様(21)によれば、DOLspが10μm以上である、態様(19)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(22)によれば、DOLspが10.5μm以上である、態様(19)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(23)によれば、DOLspが11μm以上である、態様(19)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(24)によれば、ガラス系物品のピーク中央張力(PT)が68MPa以上である、先の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(25)によれば、ガラス系物品のピーク中央張力(PT)が70MPa以上である、先の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(26)によれば、ガラス系物品のピーク中央張力(PT)が73MPa以上である、先の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(27)によれば、tが0.7mm以下である、先の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(28)によれば、tが0.65mm以下である、先の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(29)によれば、ガラス系物品が提供される。そのガラス系物品は、基板の厚さ(t)を規定する互いに反対の第1と第2の表面を有するガラス系基板;リチウムを含む、ガラス系物品の中心での中央組成;およびガラス系物品の表面から圧縮深さ(DOC)まで延在する圧縮応力層を備え、そのガラス系物品は、500MPa以上のピーク圧縮応力(CS)、0.008・t以上のスパイクの層の深さ(DOLsp)、および0.2MPa/μm以下の勾配の平均絶対値を有する低勾配領域を含む応力プロファイルを有し、その低勾配領域は、圧縮応力層内に位置し、少なくとも10μmに亘り延在し、その低勾配領域における平均圧縮応力は80MPa以上である。
態様(30)によれば、低勾配領域における平均圧縮応力が90MPa以上である、直前の態様のガラス系物品が提供される。
態様(31)によれば、低勾配領域における平均圧縮応力が100MPa以上である、態様(29)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(32)によれば、低勾配領域における勾配の平均絶対値が0.25MPa/μm以下である、態様(29)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(33)によれば、低勾配領域が、0.01t以上の深さで始まる、態様(29)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(34)によれば、低勾配領域が、0.012t以上の深さで始まる、態様(29)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(35)によれば、低勾配領域が、0.015t以上の深さで始まる、態様(29)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(36)によれば、低勾配領域が、0.02t以下の深さまで延在する、態様(29)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(37)によれば、低勾配領域が、0.15t以下の深さまで延在する、態様(29)から(34)のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(38)によれば、低勾配領域が、0.12t以下の深さまで延在する、態様(29)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(39)によれば、低勾配領域が、0.1t以下の深さまで延在する、態様(29)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(40)によれば、低勾配領域が、0.09t以下の深さまで延在する、態様(29)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(41)によれば、ピークCSが600MPa以上である、態様(29)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(42)によれば、ピークCSが700MPa以上である、態様(29)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(43)によれば、ピークCSが750MPa以上である、態様(29)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(44)によれば、ガラス系物品が提供される。そのガラス系物品は、基板の厚さ(t)を規定する互いに反対の第1と第2の表面を有するガラス系基板;リチウムを含む、ガラス系物品の中心での中央組成;およびガラス系物品の表面から圧縮深さ(DOC)まで延在する圧縮応力層を備え、そのガラス系物品は、500MPa以上のピーク圧縮応力(CS)、0.008t以上のスパイクの層の深さ(DOLsp)、および深さの関数としての応力の二次導関数が負である負の曲率領域を含む応力プロファイルを有し、その負の曲率領域は圧縮応力層内に位置し、その負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値が0.003MPa/μm以上である。
態様(45)によれば、負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値が0.005MPa/μm以上である、態様(44)のガラス系物品が提供される。
態様(46)によれば、負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値が0.007MPa/μm以上である、態様(44)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(47)によれば、負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値が0.009MPa/μm以上である、態様(44)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(48)によれば、厚さtと、負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値との積が、19GPa以上である、態様(44)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(49)によれば、厚さtと、負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値との積が、32GPa以上である、態様(44)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(50)によれば、厚さtと、負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値との積が、45GPa以上である、態様(44)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(51)によれば、厚さtと、負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値との積が、57GPa以上である、態様(44)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(52)によれば、負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値が、0.01t以上の深さで生じる、態様(44)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(53)によれば、負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値が、0.012t以上の深さで生じる、態様(44)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(54)によれば、負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値が、0.015t以上の深さで生じる、態様(44)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(55)によれば、負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値が、0.02t以上の深さで生じる、態様(44)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(56)によれば、負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値が、0.04t以上の深さで生じる、態様(44)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(57)によれば、負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値が、0.05t以上の深さで生じる、態様(44)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(58)によれば、負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値が、0.06t以上の深さで生じる、態様(44)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(59)によれば、負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値が、0.07t以上の深さで生じる、態様(44)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(60)によれば、負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値が、0.2t以下の深さで生じる、態様(44)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(61)によれば、負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値が、0.17t以下の深さで生じる、態様(44)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(62)によれば、負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値が、0.14t以下の深さで生じる、態様(44)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(63)によれば、負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値が、0.11t以下の深さで生じる、態様(44)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(64)によれば、負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値が、0.1t以下の深さで生じる、態様(44)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(65)によれば、ピークCSが600MPa以上である、態様(44)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(66)によれば、ピークCSが700MPa以上である、態様(44)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(67)によれば、ピークCSが750MPa以上である、態様(44)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(68)によれば、ガラス系物品の中心でのNaOのモル濃度に対するLiOのモル濃度の比が2.0以下である、先の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(69)によれば、ガラス系物品の中心でのNaOのモル濃度に対するLiOのモル濃度の比が1.9以下である、先の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(70)によれば、ガラス系物品の中心でのNaOのモル濃度に対するLiOのモル濃度の比が1.8以下である、先の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(71)によれば、ガラス系物品の中心でのNaOのモル濃度に対するLiOのモル濃度の比が1.6以下である、先の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(72)によれば、ガラス系物品の中心でのNaOのモル濃度に対するLiOのモル濃度の比が1.4以下である、先の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(73)によれば、ガラス系物品の中心でのLiO濃度が12モル%以下である、先の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(74)によれば、ガラス系物品の中心でのLiO濃度が11モル%以下である、先の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(75)によれば、ガラス系物品の中心でのLiO濃度が10モル%以下である、先の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(76)によれば、ガラス系物品の中心でのLiO濃度が9.5モル%以下である、先の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(77)によれば、ガラス系物品の中心でのLiO濃度が9モル%以下である、先の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(78)によれば、ガラス系物品の中心でのLiO濃度が8.5モル%以下である、先の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(79)によれば、ガラス系物品の中心でのLiO濃度が8モル%以下である、先の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(80)によれば、中央組成を有するガラスの破壊靭性が、0.7MPa・√m以上である、先の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(81)によれば、中央組成を有するガラスの破壊靭性が、0.75MPa・√m以上である、先の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(82)によれば、中央組成を有するガラスの破壊靭性が、0.77MPa・√m以上である、先の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(83)によれば、中央組成を有するガラスの破壊靭性が、1.3MPa・√m以下である、先の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(84)によれば、中央組成を有するガラスの破壊靭性が、1.2MPa・√m以下である、先の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(85)によれば、中央組成を有するガラスの破壊靭性が、1.1MPa・√m以下である、先の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(86)によれば、中央組成を有するガラスの破壊靭性が、0.95MPa・√m以下である、先の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(87)によれば、中央組成を有するガラスの破壊靭性が、0.9MPa・√m以下である、先の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(88)によれば、ガラス系物品が提供される。そのガラス系物品は、基板の厚さ(t)を規定する互いに反対の第1と第2の表面を有するガラス系基板;リチウムおよびナトリウムを含み、LiO/NaOのモル比が0.65以上かつ1.2以下である、ガラス系物品の中心での中央組成;および0.7MPa・√m以上から1.3MPa・√m以下の範囲にある中央組成に対応する破壊靭性を備える。
態様(89)によれば、ガラス系物品の表面から、0.17t以上である圧縮深さ(DOC)まで延在する圧縮応力層を含む、態様(88)のガラス系物品が提供される。
態様(90)によれば、500MPa以上から1200MPaの範囲にあるピーク圧縮応力(CS)を有する、態様(88)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(91)によれば、80MPa以上から160MPaの範囲にある屈曲部での圧縮応力(CS)を有する、態様(88)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(92)によれば、68MPa以上のピーク張力(PT)を有する、態様(88)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(93)によれば、スパイクの層の深さ(DOLsp)が0.007t超である、態様(88)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(94)によれば、深さの関数としての応力の二次導関数が負である負の曲率領域であって、圧縮応力層内に位置している負の曲率領域、および0.003MPa/μm以上である負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値を含む応力プロファイルを有する、態様(88)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(95)によれば、中央組成のLiO濃度が8.5モル%以下である、態様(88)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(96)によれば、tが0.5mmから0.8mmの範囲にある、態様(88)から直前の態様のいずれかのガラス系物品が提供される。
態様(97)によれば、ガラス系物品が提供される。そのガラス系物品は、基板の厚さ(t)を規定する互いに反対の第1と第2の表面を有するガラス系基板;リチウムを含み、LiO/NaOのモル比が0.65以上かつ1.2以下である、ガラス系物品の中心での中央組成;および深さの関数としての応力の二次導関数が負である負の曲率領域であって、圧縮応力層内に位置している負の曲率領域、および0.003MPa/μm以上である負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値を含む応力プロファイルを備える。
態様(98)によれば、以下:ガラス系物品の表面から、0.17t以上である圧縮深さ(DOC)まで延在する圧縮応力層;500MPaから1200MPaの範囲にあるピーク圧縮応力(CS);80MPaから160MPaの範囲にある屈曲部での圧縮応力(CS);68MPa以上のピーク張力(PT);0.007t以上のスパイクの層の深さ(DOLsp);8.5モル%以下の中央組成のLiO濃度;および0.5mmから0.8mmの範囲のt:の内の1つ以上を有する、態様(97)のガラス系物品が提供される。
態様(99)によれば、家庭用電気製品が提供される。その家庭用電気製品は、前面、背面および側面を有する筐体と;その筐体内に少なくとも部分的に設けられた電気部品であって、少なくとも制御装置、メモリ、およびディスプレイを含み、そのディスプレイは筐体の前面またはそれに隣接して設けられている、電気部品と;ディスプレイ上に配置されたカバーとを備え、筐体およびカバーの少なくとも一方の少なくとも一部は、先の態様の内の1つのガラス系物品から作られている。
態様(100)によれば、1つ以上の硬質表面上にガラス系物品が何回も落とされた後の残存確率を増加させる方法が提供される。この方法は、基板の厚さ(t)を規定する互いに反対の第1と第2の表面を有するガラス系基板にイオン交換処理を施して、屈曲部を含む応力プロファイルを有するガラス系物品を形成する工程であって、そのガラス系物品が、リチウムを含み、LiO/NaOのモル比が0.65以上かつ1.2以下である、ガラス系物品の中心での中央組成;アルカリ金属酸化物に関して第1の表面から層の深さ(DOL)まで変化する非ゼロ濃度を有するアルカリ金属酸化物;および0.7MPa・√m以上から1.3MPa・√m以下の範囲にある中央組成に対応する破壊靭性を備える、工程を有してなる。
態様(101)によれば、ガラス系物品が、ガラス系物品の表面から0.17t以上の圧縮深さ(DOC)まで延在する圧縮応力層を含む、態様(100)の方法が提供される。
態様(102)によれば、ガラス系物品が、500MPa以上から1200MPaの範囲にあるピーク圧縮応力(CS)を有する、態様(100)から直前の態様のいずれかの方法が提供される。
態様(103)によれば、ガラス系物品が、80MPa以上から160MPaの範囲にある屈曲部での圧縮応力(CS)を有する、態様(100)から直前の態様のいずれかの方法が提供される。
態様(104)によれば、ガラス系物品が、68MPa以上のピーク張力(PT)を有する、態様(100)から直前の態様のいずれかの方法が提供される。
態様(105)によれば、ガラス系物品のDOLが0.007t超である、態様(100)から直前の態様のいずれかの方法が提供される。
態様(106)によれば、応力プロファイルが、深さの関数としての応力の二次導関数が負である負の曲率領域であって、圧縮応力層内に位置している負の曲率領域、および0.003MPa/μm以上であるその負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値を含む、態様(100)から直前の態様のいずれかの方法が提供される。
態様(107)によれば、中央組成のLiO濃度が8.5モル%以下である、態様(100)から直前の態様のいずれかの方法が提供される。
態様(108)によれば、中央組成が、1.2以下のLiO/NaOモル比を有する、態様(100)から直前の態様のいずれかの方法が提供される。
態様(109)によれば、tが0.5mmから0.8mmの範囲にある、態様(100)から直前の態様のいずれかの方法が提供される。
態様(110)によれば、ガラス系物品が提供される。そのガラス系物品は、態様(100)から直前の態様のいずれかの方法により製造される。
いくつかの実施の形態によれば、高い破壊抵抗を示す、リチウムを含有するガラス系物品の応力プロファイルが提供される。
追加の特徴および利点は、以下の詳細な説明に述べられており、一部は、その説明から当業者に容易に明白となるか、または以下の詳細な説明、特許請求の範囲、並びに添付図面を含む、ここに記載された実施の形態を実施することによって認識されるであろう。
先の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方とも、様々な実施の形態を記載しており、請求項の主題の性質および特徴を理解するための概要または骨子を提供する目的であることが理解されよう。添付図面は、様々な実施の形態のさらなる理解を与えるために含まれ、本明細書に組み込まれ、その一部を構成する。図面は、ここに記載された様々な実施の形態を示しており、説明と共に、請求項の主題の原理および作動を説明する働きをする。
ここに開示され、記載された実施の形態による、その表面上に圧縮応力層を有するガラスの断面図 屈曲部応力を含む応力プロファイルの概略図 破壊靭性KICを決定するために使用される試料およびその断面の概略図 ここに開示されたガラス系物品のいずれかを組み込んだ例示の電子機器の平面図 図4Aの例示の電子機器の斜視図 いくつかの実施の形態による、二段階イオン交換後の深さの関数としての応力のプロット いくつかの実施の形態による、一段階イオン交換後の深さの関数としての応力のプロット いくつかの実施の形態による、二段階イオン交換後の深さの関数としての応力のプロット 二段階イオン交換後の深さの関数としての応力のプロット いくつかの実施の形態による、二段階イオン交換後の深さの関数としての応力のプロット いくつかの実施の形態による、二段階イオン交換後の深さの関数としての応力および深さの関数としての比較応力プロファイルのプロット いくつかの実施の形態による、二段階イオン交換後の深さの関数としての応力のプロット いくつかの実施の形態による、二段階イオン交換後の深さの関数としての応力のプロット 標準的なガラス物品およびいくつかの実施の形態による、屈曲部応力が増加したガラス物品に関する深さ(マイクロメートル)に対する圧縮応力(MPa)のモデル化応力プロファイルのプロット 破損様式のモデル化後の図13のガラス物品における応力プロファイルに関する傷長さ(マイクロメートル)に対する残留強度(MPa)のプロット 異なる組成および0.6mmの厚さを有するガラス物品に関する圧縮応力プロファイルのプロット 図15のガラス物品に関する残留強度プロファイルのプロット 異なる組成および0.8mmの厚さを有するガラス物品に関する圧縮応力プロファイルのプロット 図17のガラス物品に関する傷長さに対する残留強度プロファイルのプロット 様々な組成および厚さを有するガラス物品に関する残存確率のプロット 異なる組成および0.5mmの厚さを有するガラス物品に関する圧縮応力プロファイルのプロット 異なる組成および0.5mmの厚さを有するガラス物品に関する圧縮応力プロファイルのプロット 物品の圧縮深さ(DOC)に対する図21の圧縮応力プロファイルのプロット
いくつかの例示の実施の形態を記載する前に、本開示は、以下の開示に述べられた構成または工程段階の詳細に限定されないことを理解すべきである。ここに与えられる開示は、他の実施の形態も可能であり、様々な様式で実施するまたは実行することができる。
本明細書を通じての「1つの実施の形態」、「特定の実施の形態」、「様々な実施の形態」、「1つ以上の実施の形態」または「ある実施の形態」への言及は、その実施の形態に関して記載された特定の特徴、構造、材料、または特性が、本開示の少なくとも1つの実施の形態に含まれることを意味する。それゆえ、本明細書に亘る様々な場所における「1つ以上の実施の形態」、「特定の実施の形態」、「様々な実施の形態」、「1つの実施の形態」、または「ある実施の形態」などの句の出現は、必ずしも、同じ実施の形態、またはただ1つの実施の形態を称するものではない。さらに、その特定の特徴、構造、材料、または特性は、1つ以上の実施の形態において、どの適切な様式で組み合わされてもよい。
定義および測定技術
「ガラス系物品」および「ガラス系基板」という用語は、ガラスセラミック(非晶相および結晶相を含む)を含む、ガラスから全てがまたは部分的に製造された任意の物体を含むために使用される。積層ガラス系物品は、ガラス材料と非ガラス材料の積層体、ガラス材料と結晶質材料の積層体を含む。1つ以上の実施の形態によるガラス系基板は、ソーダ石灰ケイ酸塩ガラス、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス、アルカリ含有ホウケイ酸ガラス、アルカリ含有アルミノホウケイ酸塩ガラス、およびアルカリ含有ガラスセラミックから選択することができる。
「基礎組成」は、任意のイオン交換(IOX)処理の前の基板の化学的組成である。すなわち、基礎組成は、IOXからのどのイオンもドープされていない。IOX処理されたガラス系物品の中心での組成は、通常、IOX処理条件が、IOXのために供給されるイオンが基板の中心に拡散しないようなものである場合、基礎組成と同じである。1つ以上の実施の形態において、ガラス物品の中心での中央組成は、基礎組成からなる。
「実質的に」および「約」という用語は、任意の定量比較、値、測定、または他の表現に帰することがある不確実さの固有の程度を表すためにここに利用されることがある。これらの用語は、定量的表現が、問題となっている主題の基本機能に変化を生じずに、述べられた言及から変動することのある程度を表すためにもここに利用されることがある。それゆえ、例えば、「MgOを実質的に含まない」ガラス系物品は、MgOが、ガラス系物品に能動的に添加されたり、バッチ配合されたりしていないが、汚染物質として非常に少量存在することがあるものである。ここに用いられているように、「約」という用語は、量、サイズ、配合、パラメータ、および他の数量と特徴が、正確ではなく、正確である必要はないが、必要に応じて、許容差、変換係数、丸め、測定誤差など、並びに当業者に公知の他の要因を反映して、近似および/またはそれより大きいか小さいことがあることを意味する。範囲の値または端点を記載する上で「約」という用語が使用される場合、その開示は、言及されている特定の値または端点を含むと理解すべきである。明細書における範囲の数値または端点に「約」が付いていようとなかろうと、範囲の数値または端点は、2つの実施の形態:「約」により修飾されているもの、および「約」により修飾されていないものを含む意図がある。範囲の各々の端点は、他の端点に関してと、他の端点と関係なくの両方で有意であることがさらに理解されよう。
特に明記のない限り、ここに記載された全ての組成は、酸化物基準のモルパーセント(モル%)で表されている。
「応力プロファイル」は、ガラス系物品に亘る厚さの関数としての応力である。圧縮応力領域は、物品の第1の表面から圧縮深さ(DOC)まで延在し、ここで、その物品は、圧縮応力下にある。中央張力領域は、DOCから延在し、物品が引張応力下にある領域を含む。
ここに用いられているように、圧縮深さ(DOC)は、ガラス系物品内の応力が圧縮応力から引張応力に変化する深さを称する。DOCでは、応力は正の(圧縮)応力から負の(引張)応力に交差し、それゆえ、ゼロの応力値を示す。機械の技術分野に通常使用される慣例によれば、圧縮は、負の(<0)応力として表され、張力は、正の(>0)応力として表される。しかしながら、本記載に亘り、応力の正の値が圧縮応力(CS)であり、これは、正の値または絶対値として表される-すなわち、ここに挙げられているように、CS=|CS|である。それに加え、応力の負の値が引張応力である。しかし、用語「引張」に使用される場合、応力または中央張力(CT)は、正の値として表されることがある、すなわち、CT=|CT|である。中央張力(CT)は、ガラス系物品の中央領域または中央張力領域における引張応力を称する。最大中央張力(最大CTまたはCTmax)は、名目上は0.5・tにある中央張力領域で生じ、ここで、tは物品の厚さであり、これにより、最大引張応力の位置の正確な中心からの変動の余地がある。ピーク張力(PT)は、測定された最大張力を称し、これは、物品の中心にあっても、なくてもよい。
応力プロファイルの「屈曲部」は、応力プロファイルの勾配が急から穏やかに移行する物品の深さである。この屈曲部は、勾配が変化する深さの範囲に亘る移行区域を称することがある。
第1の表面から層の深さ(DOL)まで金属酸化物に関して変動する、または物品の厚さ(t)の少なくともかなりの部分に沿って変動する非ゼロの金属酸化物濃度は、イオン交換の結果として、応力が、物品内で生じていることを示す。金属酸化物濃度の変動は、ここでは、金属酸化物濃度勾配と称されることがある。濃度が非ゼロであり、第1の表面からDOLまで、または厚さの一部に沿って変動する金属酸化物は、ガラス系物品内に応力を生じると記載されることがある。金属酸化物の濃度勾配または変動は、ガラス系基板内の複数の第1の金属イオンが複数の第2の金属イオンと交換される、ガラス系基板の化学強化により生じる。
ここに用いられているように、「交換深さ」、「層の深さ」(DOL)、「層の化学深さ」、および「化学層の深さ」という用語は、交換可能に使用され、一般に、特定のイオンについて、イオン交換過程(IOX)により促進されるイオン交換が行われる深さを表現することがある。DOLは、グロー放電発光分光法(GD-OES)により決定されるような、金属酸化物またはアルカリ金属酸化物のイオン(例えば、金属イオンまたはアルカリ金属イオン)がガラス系物品中に拡散する、イオンの濃度が最小値に達する、ガラス系物品内の深さ(すなわち、ガラス系物品の表面からその内部領域までの距離)を称する。いくつかの実施の形態において、DOLは、イオン交換(IOX)過程により導入される最も遅く拡散するまたは最大のイオンの交換深さとして与えられる。
特に明記のない限り、CTおよびCSは、ここでは、メガパスカル(MPa)で表され、厚さはミリメートルで表され、DOCおよびDOLは、マイクロメートル(μm)で表される。
圧縮応力(表面/ピークCS、CSmaxを含む)およびDOLspは、有限会社小原製作所(日本国)により製造されているFSM-6000などの市販の機器を使用する表面応力計(FSM)により測定される。表面応力測定は、ガラスの複屈折に関係する応力光学係数(SOC)の精密測定に依存する。SOCは、次に、その内容がここに全て引用される、「Standard Test Method for Measurement of Glass Stress-Optical Coefficient」と題する、ASTM標準C770-16に記載された手順C(ガラスディスク法)にしたがって測定される。
屈曲部での圧縮応力CSは、ここに引用される、本出願人の2018年6月22日に出願された米国特許出願第16/015776号明細書による方法により測定されることがある。
最大中央張力(CT)またはピーク張力(PT)および応力残留値は、当該技術分野で公知の散乱光偏光器(SCALP)を使用して測定される。応力プロファイルおよび圧縮深さ(DOC)を測定するために、屈折近視野(RNF)法またはSCALPが使用されることがある。応力プロファイルを測定するためにRNF法が使用される場合、SCALPにより与えられる最大CT値がRNF法に使用される。詳しくは、RNFにより測定された応力プロファイルは、SCALP測定により与えられる最大CT値に対して力平衡され、較正される。このRNF法は、ここに全てが引用される、「Systems and methods for measuring a profile characteristic of a glass sample」と題する米国特許第8854623号明細書に記載されている。詳しくは、このRNF法は、基準ブロックに隣接してガラス物品を配置する工程、1Hzから50Hzまでの間の速度で直交偏光の間で切り換えられる偏光切替光線を生成する工程、その偏光切替光線の出力量を測定する工程、および偏光切替基準信号を生成する工程を含み、直交偏光の各々の出力の測定量は互いの50%以内にある。この方法は、偏光切替光線を、ガラス試料中の異なる深さについて、ガラス試料および基準ブロックに透過させ、次いで、リレー光学系を使用して、透過した偏光切替光線を信号光検出器に中継する工程をさらに含み、その信号光検出器は偏光切替検出器信号を生成する。この方法は、検出器信号を基準信号で割って、正規化検出器信号を形成する工程、およびその正規化検出器信号からガラス試料の特徴を示すプロファイルを決定する工程も含む。
ガラス系物品の性質の総括
ここでのガラス系物品は、硬質表面上に何回も落とされた後の残存確率を増加させるように設計された応力プロファイルを有する。高い破壊靭性は、これらの都合の良い応力プロファイルと組み合わされたときに、新たなより高いレベルの破壊抵抗を提供する。その応力プロファイルは、別々に、または他のパラメータとの組合せで、増加した圧縮応力、例えば、高いピーク圧縮応力(CS)および高い屈曲部応力(CS)を含む。別々に、または他のパラメータとの組合せで、大きい圧縮深さ(DOC)および大きい層のスパイク深さ(DOLsp)も達成される。所望の値のピーク張力(PT)も得られる。それに加え、その応力プロファイルは、負の二次導関数を有することにより特定される負の曲率領域を圧縮応力層に含むことがあり、これは、ガラス系物品が何回もの落下に耐える能力に寄与する。
ここで、様々な実施の形態によるリチウムアルミノケイ酸塩ガラスおよびその応力プロファイルを詳しく参照する。アルカリアルミノケイ酸塩ガラスは良好なイオン交換可能性を有し、アルカリアルミノケイ酸塩ガラスにおいて高強度および高靭性の特性を達成するために、化学強化過程が使用されてきた。ナトリウムアルミノケイ酸塩ガラスは、ガラス成形性および品質の高い、高度にイオン交換可能なガラスである。リチウムアルミノケイ酸塩ガラスは、ガラス品質の高い、高度にイオン交換なガラスである。ケイ酸塩ガラスの網状構造中にAlを置換すると、イオン交換中に一価陽イオンの相互拡散性が増す。溶融塩浴(例えば、KNOまたはNaNO)中の化学強化によって、強度が高く、靭性が高く、圧痕亀裂形成抵抗が高いガラスを得ることができる。化学強化によって得られる応力プロファイルは、ガラス物品の落下性能、強度、靭性、および他の属性を高める様々な形状を有することがある。
したがって、物理的性質、化学的耐久性、およびイオン交換可能性が良好なリチウムアルミノケイ酸塩ガラスが、カバーガラスとしての使用のために注目されている。異なるイオン交換過程により、より大きい中央張力(CT)、圧縮深さ(DOC)、および高い圧縮応力(CS)を達成することができる。ここに記載された応力プロファイルは、リチウムを含有するガラス物品に増加した破壊抵抗を与える。
ここに記載されたガラス組成物の実施の形態において、構成成分(例えば、SiO、Al、LiOなど)の濃度は、特に明記のない限り、酸化物基準のモルパーセント(モル%)で与えられている。ある成分の様々に列挙された範囲のどれも、どの他の成分の様々に列挙された範囲のどれと個別に組み合わされてもよいことを理解すべきである。
リチウムアルミノケイ酸塩ガラス組成物に使用するための応力プロファイルがここに開示されている。この応力プロファイルは、増加した破壊抵抗を示す。図1を参照すると、ガラスは、ガラスの表面から圧縮深さ(DOC)まで延在する圧縮応力下にある第1の領域(例えば、図1の第1と第2の圧縮層120、122)、およびDOCからガラスの中央または内部領域まで延在する引張応力または中央張力(CT)下にある第2の領域(例えば、図1の中央領域130)を有する。
圧縮応力(CS)は最大またはピーク値を有し、これは、一般に、ガラスの表面で生じ(しかし、ピークがガラスの表面からのある深さで生じることがあるので、その必要はない)、CSは、ある関数にしたがって表面からの距離dにより変動する。再び図1を参照すると、第1の圧縮応力層120は第1の表面110から深さdまで延在し、第2の圧縮応力層122は第2の表面112から深さdまで延在する。これらのセグメントは、共に、ガラス100の圧縮またはCSを規定する。
両方の主面(図1における110、112)の圧縮応力は、ガラスの中央領域(130)における貯蔵張力により釣り合わされる。
ガラス系物品において、金属酸化物に関して第1と第2の表面の一方または両方から層の深さ(DOL)まで変動する非ゼロ濃度を有するアルカリ金属酸化物がある。応力プロファイルは、第1の表面から変動する金属酸化物の非ゼロ濃度のために生じる。その非ゼロ濃度は、物品の厚さの一部に沿って変動することがある。いくつかの実施の形態において、アルカリ金属酸化物の濃度は、共に、約0・tから約0.3・tまでの厚さ範囲に沿って、非ゼロであり、変動する。いくつかの実施の形態において、アルカリ金属酸化物の濃度は、非ゼロであり、約0・tから約0.35・tまで、約0・tから約0.4・tまで、約0・tから約0.45・tまで、約0・tから約0.48・tまで、または約0・tから約0.50・tまでの厚さ範囲に沿って変動する。濃度の変動は、上述した厚さ範囲に沿って連続的であることがある。濃度の変動は、約100マイクロメートルの厚さ区分に沿った約0.2モル%以上の金属酸化物濃度の変化を含むことがある。金属酸化物濃度の変化は、約100マイクロメートルの厚さ区分に沿って、約0.3モル%以上、約0.4モル%以上、または約0.5モル%以上であることがある。この変化は、マイクロプローブを含む、当該技術分野に公知の方法によって測定されることがある。
いくつかの実施の形態において、濃度の変動は、約10マイクロメートルから約30マイクロメートルの範囲の厚さ区分に沿って連続的であることがある。いくつかの実施の形態において、アルカリ金属酸化物の濃度は、第1の表面から、その第1の表面と第2の表面との間の値まで減少し、その値から第2の表面まで増加する。
アルカリ金属酸化物の濃度は、複数の金属酸化物(例えば、NaOおよびKOの組合せ)を含むことがある。2種類の金属酸化物が使用され、イオンの半径が互いに異なる、いくつかの実施の形態において、浅い深さでは、半径が大きい方のイオンの濃度は、半径が小さい方のイオンの濃度より大きく、一方で、より深い深さでは、半径が小さい方のイオンの濃度は、半径が大きい方のイオンの濃度より大きい。
1つ以上の実施の形態において、アルカリ金属酸化物の濃度勾配は、その物品の厚さtのかなりの部分を通じて延在する。いくつかの実施の形態において、金属酸化物の濃度は、第1および/または第2の区域の全厚に沿って約0.5モル%以上(例えば、約1モル%以上)であることがあり、第1の表面および/または第2の表面0・tで最大であり、第1の表面と第2の表面の間の値まで、実質的に一定に減少する。その値で、金属酸化物の濃度は、全厚tに沿って最小である;しかしながら、その濃度は、その地点で非ゼロである。言い換えると、その特定の金属酸化物の非ゼロ濃度は、厚さtのかなりの部分(ここに記載されたような)、もしくは全厚tに沿って延在する。そのガラス系物品中の特定の金属酸化物の総濃度は、約1モル%から約20モル%の範囲にあることがある。
そのアルカリ金属酸化物の濃度は、前記ガラス系物品を形成するようにイオン交換されたガラス系基板中の金属酸化物の基礎量から決定されることがある。
1つ以上の実施の形態において、前記ガラス系物品は、0.7MPa・√m以上、例えば、0.75MPa・√m、または0.77MPa・√m以上の中央組成に対応する破壊靭性;および/または1.3MPa・√m以下、例えば、1.2MPa・√m、1.1MPa・√m、0.95MPa・√m、または0.9MPa・√m以下の中央組成に対応する破壊靭性;およびそれらの間の全ての値と部分的範囲の破壊靭性を有する。
その破壊靭性との組合せで、そのガラス系物品は、以下の特徴の内の1つまたは組合せを有することがある:間の全ての値と部分的範囲を含む、500MPa、550MPa、600MPa、650MPa、700MPa、750MPa、800MPa、850MPa、900MPa、950MPa、1000MPa、1050MPa、1100MPa、1150MPa、または1200MPa以上のピーク圧縮応力(CS);間の全ての値と部分的範囲を含む、80MPa、85MPa、90MPa、95MPa、100MPa、105MPa、110MPa、115MPa、120MPa、125MPa、130MPa、135MPa、140MPa、145MPa、150MPa、155MPa、160MPa以上の屈曲部での圧縮応力(CS);間の全ての値と部分的範囲を含む、68MPa、69MPa、70MPa、71MPa、72MPa、73MPa、74MPa、75MPa、77MPa、79MPa、80MPa、82MPa、84MPa、86MPa、または88MPa以上のピーク張力(PT);間の全ての値と部分的範囲を含む、0.13t、0.14t、0.15t、0.16t、0.17t、0.18t、0.19t、0.20t、0.21t、0.22t以上、および/または0.30t、0.29t、0.28t、0.27t、0.26t、0.25t、0.24t、0.23t以下の圧縮深さ(DOC);間の全ての値と部分的範囲を含む、0.007t、0.008t、0.009t、または0.01t以上および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、7マイクロメートル以上、7.8マイクロメートル以上、8マイクロメートル以上、8.5マイクロメートル以上、9マイクロメートル以上、9.5マイクロメートル以上、10マイクロメートル以上、10.5マイクロメートル以上、または11マイクロメートル以上の表面からの深さでの層のスパイク深さ(DOLsp);深さの関数としての応力の二次導関数が負であり、圧縮応力層内に位置付けられている負の曲率領域、および以下の特徴の内の1つ以上を含む:0.003MPa/μm、0.005MPa/μm、0.007MPa/μm、または0.009MPa/μm以上である;および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、0.01t、0.012t、0.015t、0.02t、0.04t、0.05t、0.06t、0.07t以上の深さに位置する;および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、0.2t、0.17t、0.14t、0.11t、または0.1t未満の深さに位置する、負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値;および/またはtと負の二次導関数の最大絶対値との積が19ギガパスカル(GPa)、32GPa、45GPa、または57GPa以上である応力プロファイル;以下の特徴の内の1つ以上を有する低勾配領域を含む応力プロファイル:0.2MPa/μm以下の勾配の平均絶対値;および/または低勾配領域内の平均圧縮応力は、間の全ての値と部分的範囲を含む、80MPa、90MPa、または100MPa以上である、1つ以上の実施の形態において、低勾配領域は、圧縮応力層内に位置しており、10μm以上に亘り延在する、および/または低勾配領域は、間の全ての値と部分的範囲を含む、0.01t、0.12t、0.15t、0.2t以上である深さで始まる;および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、0.2t、0.15t、0.12t、0.1t、または0.09t未満の深さに位置することを含む;0.5mmから0.8mmの範囲、およびその間の全ての値と部分的範囲にあるt;および/またはtは、0.8mm以下、0.75mm以下、0.73mm以下、0.70mm以下、0.65mm以下、0.6mm以下、0.55mm以下、0.4mm以下、0.3mm以下、または0.2mm以下であることがある;ガラス系物品の中心で2.0、1.9、1.8、1.6、1.4、1.2以下のLiO/NaOのモル比;LiO/NaOのモル比は、0.65以上かつ1.2以下である;または0.70以上かつ1.1以下である;または0.75以上かつ1.5以下である;または0.75以上かつ1.25以下である;または0.8以上かつ1.1以下である;または0.85以上かつ1.05以下である、または0.9以上かつ1以下である;およびガラス系物品の中心で、12モル%、11モル%、10モル%、9.5モル%、9モル%、8.5モル%、または8モル%以下のLiOのモル濃度。
1つ以上の実施の形態において、ガラス系物品は、間の全ての値と部分的範囲を含む、500MPa、550MPa、600MPa、650MPa、700MPa、750MPa、800MPa、850MPa、900MPa、950MPa、1000MPa、1050MPa、1100MPa、1150MPa、または1200MPa以上のピーク圧縮応力(CS)を有する。
ピークCSとの組合せで、そのガラス系物品は、以下の特徴の内の1つまたは組合せを有することがある:0.7MPa・√m、0.75MPa・√m、または0.77MPa・√m以上の中央組成に対応する破壊靭性;および/または1.3MPa・√m、1.2MPa・√m、1.1MPa・√m、0.95MPa・√m、または0.9MPa・√m以下の中央組成に対応する破壊靭性;およびその間の全ての値と部分的範囲;間の全ての値と部分的範囲を含む、80MPa、85MPa、90MPa、95MPa、100MPa、105MPa、110MPa、115MPa、120MPa、125MPa、130MPa、135MPa、140MPa、145MPa、150MPa、155MPa、160MPa以上の屈曲部での圧縮応力(CS);間の全ての値と部分的範囲を含む、68MPa、69MPa、70MPa、71MPa、72MPa、または73MPa、74MPa、75MPa、77MPa、79MPa、80MPa、82MPa、84MPa、86MPa、または88MPa以上のピーク張力(PT);間の全ての値と部分的範囲を含む、0.13t、0.14t、0.15t、0.16t、0.17t、0.18t、0.19t、0.20t、0.21t、0.22t以上、および/または0.30t、0.29t、0.28t、0.27t、0.26t、0.25t、0.24t、0.23t以下の圧縮深さ(DOC);間の全ての値と部分的範囲を含む、0.007t、0.008t、0.009t、または0.01t以上および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、7マイクロメートル以上、7.8マイクロメートル以上、8マイクロメートル以上、8.5マイクロメートル以上、9マイクロメートル以上、9.5マイクロメートル以上、10マイクロメートル以上、10.5マイクロメートル以上、または11マイクロメートル以上の表面からの深さでの層のスパイク深さ(DOLsp);深さの関数としての応力の二次導関数が負であり、圧縮応力層内に位置付けられている負の曲率領域、および以下の特徴の内の1つ以上を含む:0.003MPa/μm、0.005MPa/μm、0.007MPa/μm、または0.009MPa/μm以上である;および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、0.01t、0.012t、0.015t、0.02t、0.04t、0.05t、0.06t、0.07t以上の深さに位置する;および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、0.2t、0.17t、0.14t、0.11t、または0.1t未満の深さに位置する、負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値;および/またはtと負の二次導関数の最大絶対値との積が19GPa、32GPa、45GPa、または57GPa以上である応力プロファイル;以下の特徴の内の1つ以上を有する低勾配領域を含む応力プロファイル:0.2MPa/μm以下の勾配の平均絶対値;および/または低勾配領域内の平均圧縮応力は、間の全ての値と部分的範囲を含む、80MPa、90MPa、または100MPa以上である、1つ以上の実施の形態において、低勾配領域は、圧縮応力層内に位置しており、10μm以上に亘り延在する、および/または低勾配領域は、間の全ての値と部分的範囲を含む、0.01t、0.012t、0.015t、0.02t以上である深さで始まる;および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、0.2t、0.15t、0.12t、0.1t、または0.09t未満の深さに位置することを含む;0.5mmから0.8mmの範囲、およびその間の全ての値と部分的範囲にあるt;および/またはtは、0.8mm以下、0.75mm以下、0.73mm以下、0.70mm以下、0.65mm以下、0.6mm以下、0.55mm以下、0.4mm以下、0.3mm以下、または0.2mm以下であることがある;ガラス系物品の中心で2.0、1.9、1.8、1.6、1.4、1.2以下のLiO/NaOのモル比;LiO/NaOのモル比は、0.65以上かつ1.2以下である;または0.70以上かつ1.1以下である;または0.75以上かつ1.5以下である;または0.75以上かつ1.25以下である;または0.8以上かつ1.1以下である;または0.85以上かつ1.05以下である、または0.9以上かつ1以下である;およびガラス系物品の中心で、12モル%、11モル%、10モル%、9.5モル%、9モル%、8.5モル%、または8モル%以下のLiOのモル濃度。
1つ以上の実施の形態において、ガラス系物品は、間の全ての値と部分的範囲を含む、80MPa、85MPa、90MPa、95MPa、100MPa、105MPa、110MPa、115MPa、120MPa、125MPa、130MPa、135MPa、140MPa、145MPa、150MPa、155MPa、160MPa以上の屈曲部での圧縮応力(CS)を有する。1つ以上の実施の形態において、そのガラス系物品は、間の全ての値と部分的範囲を含む、50MPa、55MPa、60MPa、65MPa、70MPa、75MPa、80MPa、85MPa、90MPa、95MPa、100MPa、105MPa、110MPa、115MPa、120MPa、125MPa、130MPa、135MPa、140MPa、145MPa、150MPa、155MPa、160MPa以上の屈曲部での圧縮応力(CS)を有する。
CSとの組合せで、そのガラス系物品は、以下の特徴の内の1つまたは組合せを有することがある:0.7MPa・√m、0.75MPa・√m、または0.77MPa・√m以上の中央組成に対応する破壊靭性;および/または1.3MPa・√m、1.2MPa・√m、1.1MPa・√m、0.95MPa・√m、または0.9MPa・√m以下の中央組成に対応する破壊靭性;およびその間の全ての値と部分的範囲;間の全ての値と部分的範囲を含む、500MPa、550MPa、600MPa、650MPa、700MPa、750MPa、800MPa、850MPa、900MPa、950MPa、1000MPa、1050MPa、1100MPa、1150MPa、または1200MPa以上のピーク圧縮応力(CS);間の全ての値と部分的範囲を含む、68MPa、69MPa、70MPa、71MPa、72MPa、または73MPa、74MPa、75MPa、77MPa、79MPa、80MPa、82MPa、84MPa、86MPa、または88MPa以上のピーク張力(PT);間の全ての値と部分的範囲を含む、0.13t、0.14t、0.15t、0.16t、0.17t、0.18t、0.19t、0.20t、0.21t、0.22t以上、および/または0.30t、0.29t、0.28t、0.27t、0.26t、0.25t、0.24t、0.23t以下の圧縮深さ(DOC);間の全ての値と部分的範囲を含む、0.007t、0.008t、0.009t、または0.01t以上および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、7マイクロメートル以上、7.8マイクロメートル以上、8マイクロメートル以上、8.5マイクロメートル以上、9マイクロメートル以上、9.5マイクロメートル以上、10マイクロメートル以上、10.5マイクロメートル以上、または11マイクロメートル以上の表面からの深さでの層のスパイク深さ(DOLsp);深さの関数としての応力の二次導関数が負であり、圧縮応力層内に位置付けられている負の曲率領域、および以下の特徴の内の1つ以上を含む:0.003MPa/μm、0.005MPa/μm、0.007MPa/μm、または0.009MPa/μm以上である;および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、0.01t、0.012t、0.015t、0.02t、0.04t、0.05t、0.06t、0.07t以上の深さに位置する;および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、0.2t、0.17t、0.14t、0.11t、または0.1t未満の深さに位置する、負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値;および/またはtと負の二次導関数の最大絶対値との積が19GPa、32GPa、45GPa、または57GPa以上である応力プロファイル;以下の特徴の内の1つ以上を有する低勾配領域を含む応力プロファイル:0.2MPa/μm以下の勾配の平均絶対値;および/または低勾配領域内の平均圧縮応力は、間の全ての値と部分的範囲を含む、80MPa、90MPa、または100MPa以上である、1つ以上の実施の形態において、低勾配領域は、圧縮応力層内に位置しており、10μm以上に亘り延在する、および/または低勾配領域は、間の全ての値と部分的範囲を含む、0.01t、0.012t、0.015t、0.02t以上である深さで始まる;および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、0.2t、0.15t、0.12t、0.1t、または0.09t未満の深さに位置することを含む;0.5mmから0.8mmの範囲、およびその間の全ての値と部分的範囲にあるt;および/またはtは、0.8mm以下、0.75mm以下、0.73mm以下、0.70mm以下、0.65mm以下、0.6mm以下、0.55mm以下、0.4mm以下、0.3mm以下、または0.2mm以下であることがある;ガラス系物品の中心で2.0、1.9、1.8、1.6、1.4、1.2以下のLiO/NaOのモル比;LiO/NaOのモル比は、0.65以上かつ1.2以下である;または0.70以上かつ1.1以下である;または0.75以上かつ1.5以下である;または0.75以上かつ1.25以下である;または0.8以上かつ1.1以下である;または0.85以上かつ1.05以下である、または0.9以上かつ1以下である;およびガラス系物品の中心で、12モル%、11モル%、10モル%、9.5モル%、9モル%、8.5モル%、または8モル%以下のLiOのモル濃度。
1つ以上の実施の形態において、ガラス系物品は、間の全ての値と部分的範囲を含む、68MPa、69MPa、70MPa、71MPa、72MPa、または73MPa、74MPa、75MPa、77MPa、79MPa、80MPa、82MPa、84MPa、86MPa、または88MPa以上のピーク張力(PT)を有する。
ピークCTとの組合せで、そのガラス系物品は、以下の特徴の内の1つまたは組合せを有することがある:0.7MPa・√m、0.75MPa・√m、または0.77MPa・√m以上の中央組成に対応する破壊靭性;および/または1.3MPa・√m、1.2MPa・√m、1.1MPa・√m、0.95MPa・√m、または0.9MPa・√m以下の中央組成に対応する破壊靭性;およびその間の全ての値と部分的範囲;間の全ての値と部分的範囲を含む、500MPa、550MPa、600MPa、650MPa、700MPa、750MPa、800MPa、850MPa、900MPa、950MPa、1000MPa、1050MPa、1100MPa、1150MPa、または1200MPa以上のピーク圧縮応力(CS);間の全ての値と部分的範囲を含む、80MPa、85MPa、90MPa、95MPa、100MPa、105MPa、110MPa、115MPa、120MPa、125MPa、130MPa、135MPa、140MPa、145MPa、150MPa、155MPa、160MPa以上の屈曲部での圧縮応力(CS);間の全ての値と部分的範囲を含む、0.13t、0.14t、0.15t、0.16t、0.17t、0.18t、0.19t、0.20t、0.21t、0.22t以上、および/または0.30t、0.29t、0.28t、0.27t、0.26t、0.25t、0.24t、0.23t以下の圧縮深さ(DOC);間の全ての値と部分的範囲を含む、0.007t、0.008t、0.009t、または0.01t以上および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、7マイクロメートル以上、7.8マイクロメートル以上、8マイクロメートル以上、8.5マイクロメートル以上、9マイクロメートル以上、9.5マイクロメートル以上、10マイクロメートル以上、10.5マイクロメートル以上、または11マイクロメートル以上の表面からの深さでの層のスパイク深さ(DOLsp);深さの関数としての応力の二次導関数が負であり、圧縮応力層内に位置付けられている負の曲率領域、および以下の特徴の内の1つ以上を含む:0.003MPa/μm、0.005MPa/μm、0.007MPa/μm、または0.009MPa/μm以上である;および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、0.01t、0.012t、0.015t、0.02t、0.04t、0.05t、0.06t、0.07t以上の深さに位置する;および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、0.2t、0.17t、0.14t、0.11t、または0.1t未満の深さに位置する、負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値;および/またはtと負の二次導関数の最大絶対値との積が19GPa、32GPa、45GPa、または57GPa以上である応力プロファイル;以下の特徴の内の1つ以上を有する低勾配領域を含む応力プロファイル:0.2MPa/μm以下の勾配の平均絶対値;および/または低勾配領域内の平均圧縮応力は、間の全ての値と部分的範囲を含む、80MPa、90MPa、または100MPa以上である、1つ以上の実施の形態において、低勾配領域は、圧縮応力層内に位置しており、10μm以上に亘り延在する、および/または低勾配領域は、間の全ての値と部分的範囲を含む、0.01t、0.012t、0.015t、0.02t以上である深さで始まる;および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、0.2t、0.15t、0.12t、0.1t、または0.09t未満の深さに位置することを含む;0.5mmから0.8mmの範囲、およびその間の全ての値と部分的範囲にあるt;および/またはtは、0.8mm以下、0.75mm以下、0.73mm以下、0.70mm以下、0.65mm以下、0.6mm以下、0.55mm以下、0.4mm以下、0.3mm以下、または0.2mm以下であることがある;ガラス系物品の中心で2.0、1.9、1.8、1.6、1.4、1.2以下のLiO/NaOのモル比;LiO/NaOのモル比は、0.65以上かつ1.2以下である;または0.70以上かつ1.1以下である;または0.75以上かつ1.5以下である;または0.75以上かつ1.25以下である;または0.8以上かつ1.1以下である;または0.85以上かつ1.05以下である、または0.9以上かつ1以下である;およびガラス系物品の中心で、12モル%、11モル%、10モル%、9.5モル%、9モル%、8.5モル%、または8モル%以下のLiOのモル濃度。
1つ以上の実施の形態において、ガラス系物品は、間の全ての値と部分的範囲を含む、0.13t、0.14t、0.15t、0.16t、0.17t、0.18t、0.19t、0.20t、0.21t、0.22t以上、および/または0.30t、0.29t、0.28t、0.27t、0.26t、0.25t、0.24t、0.23t以下の圧縮深さ(DOC)を有する。
DOCとの組合せで、そのガラス系物品は、以下の特徴の内の1つまたは組合せを有することがある:0.7MPa・√m、0.75MPa・√m、または0.77MPa・√m以上の中央組成に対応する破壊靭性;および/または1.3MPa・√m、1.2MPa・√m、1.1MPa・√m、0.95MPa・√m、または0.9MPa・√m以下の中央組成に対応する破壊靭性;およびその間の全ての値と部分的範囲;間の全ての値と部分的範囲を含む、500MPa、550MPa、600MPa、650MPa、700MPa、750MPa、800MPa、850MPa、900MPa、950MPa、1000MPa、1050MPa、1100MPa、1150MPa、または1200MPa以上のピーク圧縮応力(CS);間の全ての値と部分的範囲を含む、80MPa、85MPa、90MPa、95MPa、100MPa、105MPa、110MPa、115MPa、120MPa、125MPa、130MPa、135MPa、140MPa、145MPa、150MPa、155MPa、160MPa以上の屈曲部での圧縮応力(CS);間の全ての値と部分的範囲を含む、68MPa、69MPa、70MPa、71MPa、72MPa、または73MPa、74MPa、75MPa、77MPa、79MPa、80MPa、82MPa、84MPa、86MPa、または88MPa以上のピーク張力(PT);間の全ての値と部分的範囲を含む、0.007t、0.008t、0.009t、または0.01t以上および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、7マイクロメートル以上、7.8マイクロメートル以上、8マイクロメートル以上、8.5マイクロメートル以上、9マイクロメートル以上、9.5マイクロメートル以上、10マイクロメートル以上、10.5マイクロメートル以上、または11マイクロメートル以上の表面からの深さでの層のスパイク深さ(DOLsp);深さの関数としての応力の二次導関数が負であり、圧縮応力層内に位置付けられている負の曲率領域、および以下の特徴の内の1つ以上を含む:0.003MPa/μm、0.005MPa/μm、0.007MPa/μm、または0.009MPa/μm以上である;および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、0.01t、0.012t、0.015t、0.02t、0.04t、0.05t、0.06t、0.07t以上の深さに位置する;および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、0.2t、0.17t、0.14t、0.11t、または0.1t未満の深さに位置する、負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値;および/またはtと負の二次導関数の最大絶対値との積が19GPa、32GPa、45GPa、または57GPa以上である応力プロファイル;以下の特徴の内の1つ以上を有する低勾配領域を含む応力プロファイル:0.2MPa/μm以下の勾配の平均絶対値;および/または低勾配領域内の平均圧縮応力は、間の全ての値と部分的範囲を含む、80MPa、90MPa、または100MPa以上である、1つ以上の実施の形態において、低勾配領域は、圧縮応力層内に位置しており、10μm以上に亘り延在する、および/または低勾配領域は、間の全ての値と部分的範囲を含む、0.01t、0.012t、0.015t、0.02t以上である深さで始まる;および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、0.2t、0.15t、0.12t、0.1t、または0.09t未満の深さに位置することを含む;0.5mmから0.8mmの範囲、およびその間の全ての値と部分的範囲にあるt;および/またはtは、0.8mm以下、0.75mm以下、0.73mm以下、0.70mm以下、0.65mm以下、0.6mm以下、0.55mm以下、0.4mm以下、0.3mm以下、または0.2mm以下であることがある;ガラス系物品の中心で2.0、1.9、1.8、1.6、1.4、1.2以下のLiO/NaOのモル比;LiO/NaOのモル比は、0.65以上かつ1.2以下である;または0.70以上かつ1.1以下である;または0.75以上かつ1.5以下である;または0.75以上かつ1.25以下である;または0.8以上かつ1.1以下である;または0.85以上かつ1.05以下である、または0.9以上かつ1以下である;およびガラス系物品の中心で、12モル%、11モル%、10モル%、9.5モル%、9モル%、8.5モル%、または8モル%以下のLiOのモル濃度。
1つ以上の実施の形態において、ガラス系物品は、間の全ての値と部分的範囲を含む、0.007t、0.008t、0.009t、または0.01t以上および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、7マイクロメートル以上、7.8マイクロメートル以上、8マイクロメートル以上、8.5マイクロメートル以上、9マイクロメートル以上、9.5マイクロメートル以上、10マイクロメートル以上、10.5マイクロメートル以上、または11マイクロメートル以上の表面からの深さでの層のスパイク深さ(DOLsp)を有する。1つ以上の実施の形態において、そのガラス系物品は、間の全ての値と部分的範囲を含む、0.012t、0.014t、0.016t、0.018t、または0.02t以上の層のスパイク深さ(DOLsp)を有する。
DOLspとの組合せで、そのガラス系物品は、以下の特徴の内の1つまたは組合せを有することがある:0.7MPa・√m、0.75MPa・√m、または0.77MPa・√m以上の中央組成に対応する破壊靭性;および/または1.3MPa・√m、1.2MPa・√m、1.1MPa・√m、0.95MPa・√m、または0.9MPa・√m以下の中央組成に対応する破壊靭性;およびその間の全ての値と部分的範囲;間の全ての値と部分的範囲を含む、500MPa、550MPa、600MPa、650MPa、700MPa、750MPa、800MPa、850MPa、900MPa、950MPa、1000MPa、1050MPa、1100MPa、1150MPa、または1200MPa以上のピーク圧縮応力(CS);間の全ての値と部分的範囲を含む、80MPa、85MPa、90MPa、95MPa、100MPa、105MPa、110MPa、115MPa、120MPa、125MPa、130MPa、135MPa、140MPa、145MPa、150MPa、155MPa、160MPa以上の屈曲部での圧縮応力(CS);間の全ての値と部分的範囲を含む、68MPa、69MPa、70MPa、71MPa、72MPa、または73MPa、74MPa、75MPa、77MPa、79MPa、80MPa、82MPa、84MPa、86MPa、または88MPa以上のピーク張力(PT);間の全ての値と部分的範囲を含む、0.13t、0.14t、0.15t、0.16t、0.17t、0.18t、0.19t、0.20t、0.21t、0.22t以上、および/または0.30t、0.29t、0.28t、0.27t、0.26t、0.25t、0.24t、0.23t以下の圧縮深さ(DOC);深さの関数としての応力の二次導関数が負であり、圧縮応力層内に位置付けられている負の曲率領域、および以下の特徴の内の1つ以上を含む:0.003MPa/μm、0.005MPa/μm、0.007MPa/μm、または0.009MPa/μm以上である;および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、0.01t、0.012t、0.015t、0.02t、0.04t、0.05t、0.06t、0.07t以上の深さに位置する;および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、0.2t、0.17t、0.14t、0.11t、または0.1t未満の深さに位置する、負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値;および/またはtと負の二次導関数の最大絶対値との積が19GPa、32GPa、45GPa、または57GPa以上である応力プロファイル;以下の特徴の内の1つ以上を有する低勾配領域を含む応力プロファイル:0.2MPa/μm以下の勾配の平均絶対値;および/または低勾配領域内の平均圧縮応力は、間の全ての値と部分的範囲を含む、80MPa、90MPa、または100MPa以上である、1つ以上の実施の形態において、低勾配領域は、圧縮応力層内に位置しており、10μm以上に亘り延在する、および/または低勾配領域は、間の全ての値と部分的範囲を含む、0.01t、0.012t、0.015t、0.02t以上である深さで始まる;および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、0.2t、0.15t、0.12t、0.1t、または0.09t未満の深さに位置することを含む;0.5mmから0.8mmの範囲、およびその間の全ての値と部分的範囲にあるt;および/またはtは、0.8mm以下、0.75mm以下、0.73mm以下、0.70mm以下、0.65mm以下、0.6mm以下、0.55mm以下、0.4mm以下、0.3mm以下、または0.2mm以下であることがある;ガラス系物品の中心で2.0、1.9、1.8、1.6、1.4、1.2以下のLiO/NaOのモル比;LiO/NaOのモル比は、0.65以上かつ1.2以下である;または0.70以上かつ1.1以下である;または0.75以上かつ1.5以下である;または0.75以上かつ1.25以下である;または0.8以上かつ1.1以下である;または0.85以上かつ1.05以下である、または0.9以上かつ1以下である;およびガラス系物品の中心で、12モル%、11モル%、10モル%、9.5モル%、9モル%、8.5モル%、または8モル%以下のLiOのモル濃度。
1つ以上の実施の形態において、ガラス系物品は、深さの関数としての応力の二次導関数が負であり、圧縮応力層内に位置付けられている負の曲率領域、および以下の特徴の内の1つ以上を含む:0.003MPa/μm、0.005MPa/μm、0.007MPa/μm、または0.009MPa/μm以上である;および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、0.01t、0.012t、0.015t、0.02t、0.04t、0.05t、0.06t、0.07t以上の深さに位置する;および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、0.2t、0.17t、0.14t、0.11t、または0.1t未満の深さに位置する、負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値;および/またはtと負の二次導関数の最大絶対値との積が19GPa、32GPa、45GPa、または57GPa以上である応力プロファイルを有する。
負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値および/またはその深さおよび/または二次導関数とガラスの厚さとの積との組合せで、そのガラス系物品は、以下の特徴の内の1つまたは組合せを有することがある:0.7MPa・√m、0.75MPa・√m、または0.77MPa・√m以上の中央組成に対応する破壊靭性;および/または1.3MPa・√m、1.2MPa・√m、1.1MPa・√m、0.95MPa・√m、または0.9MPa・√m以下の中央組成に対応する破壊靭性;およびその間の全ての値と部分的範囲;間の全ての値と部分的範囲を含む、500MPa、550MPa、600MPa、650MPa、700MPa、750MPa、800MPa、850MPa、900MPa、950MPa、1000MPa、1050MPa、1100MPa、1150MPa、または1200MPa以上のピーク圧縮応力(CS);間の全ての値と部分的範囲を含む、80MPa、85MPa、90MPa、95MPa、100MPa、105MPa、110MPa、115MPa、120MPa、125MPa、130MPa、135MPa、140MPa、145MPa、150MPa、155MPa、160MPa以上の屈曲部での圧縮応力(CS);間の全ての値と部分的範囲を含む、68MPa、69MPa、70MPa、71MPa、72MPa、または73MPa、74MPa、75MPa、77MPa、79MPa、80MPa、82MPa、84MPa、86MPa、または88MPa以上のピーク張力(PT);間の全ての値と部分的範囲を含む、0.13t、0.14t、0.15t、0.16t、0.17t、0.18t、0.19t、0.20t、0.21t、0.22t以上、および/または0.30t、0.29t、0.28t、0.27t、0.26t、0.25t、0.24t、0.23t以下の圧縮深さ(DOC);間の全ての値と部分的範囲を含む、0.007t、0.008t、0.009t、または0.01t以上および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、7マイクロメートル以上、7.8マイクロメートル以上、8マイクロメートル以上、8.5マイクロメートル以上、9マイクロメートル以上、9.5マイクロメートル以上、10マイクロメートル以上、10.5マイクロメートル以上、または11マイクロメートル以上の表面からの深さでの層のスパイク深さ(DOLsp);以下の特徴の内の1つ以上を有する低勾配領域を含む応力プロファイル:0.2MPa/μm以下の勾配の平均絶対値;および/または低勾配領域内の平均圧縮応力は、間の全ての値と部分的範囲を含む、80MPa、90MPa、または100MPa以上である、1つ以上の実施の形態において、低勾配領域は、圧縮応力層内に位置しており、10μm以上に亘り延在する、および/または低勾配領域は、間の全ての値と部分的範囲を含む、0.01t、0.012t、0.015t、0.02t以上である深さで始まる;および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、0.2t、0.15t、0.12t、0.1t、または0.09t未満の深さに位置することを含む;0.5mmから0.8mmの範囲、およびその間の全ての値と部分的範囲にあるt;および/またはtは、0.8mm以下、0.75mm以下、0.73mm以下、0.70mm以下、0.65mm以下、0.6mm以下、0.55mm以下、0.4mm以下、0.3mm以下、または0.2mm以下であることがある;ガラス系物品の中心で2.0、1.9、1.8、1.6、1.4、1.2以下のLiO/NaOのモル比;LiO/NaOのモル比は、0.65以上かつ1.2以下である;または0.70以上かつ1.1以下である;または0.75以上かつ1.5以下である;または0.75以上かつ1.25以下である;または0.8以上かつ1.1以下である;または0.85以上かつ1.05以下である、または0.9以上かつ1以下である;およびガラス系物品の中心で、12モル%、11モル%、10モル%、9.5モル%、9モル%、8.5モル%、または8モル%以下のLiOのモル濃度。
1つ以上の実施の形態において、ガラス系物品は、以下の特徴の内の1つ以上を有する低勾配領域を含む応力プロファイルを有する:0.2MPa/μm以下の勾配の平均絶対値;および/または低勾配領域内の平均圧縮応力は、間の全ての値と部分的範囲を含む、80MPa、90MPa、または100MPa以上である。1つ以上の実施の形態において、その低勾配領域は、圧縮応力層内に位置しており、10μm以上に亘り延在する。1つ以上の実施の形態において、その低勾配領域は、間の全ての値と部分的範囲を含む、0.01t、0.012t、0.015t、0.02t以上である深さで始まる;および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、0.2t、0.15t、0.12t、0.1t、または0.09t未満の深さに位置する。
低勾配領域の特徴との組合せで、そのガラス系物品は、以下の特徴の内の1つまたは組合せを有することがある:0.7MPa・√m、0.75MPa・√m、または0.77MPa・√m以上の中央組成に対応する破壊靭性;および/または1.3MPa・√m、1.2MPa・√m、1.1MPa・√m、0.95MPa・√m、または0.9MPa・√m以下の中央組成に対応する破壊靭性;およびその間の全ての値と部分的範囲;間の全ての値と部分的範囲を含む、500MPa、550MPa、600MPa、650MPa、700MPa、750MPa、800MPa、850MPa、900MPa、950MPa、1000MPa、1050MPa、1100MPa、1150MPa、または1200MPa以上のピーク圧縮応力(CS);間の全ての値と部分的範囲を含む、80MPa、85MPa、90MPa、95MPa、100MPa、105MPa、110MPa、115MPa、120MPa、125MPa、130MPa、135MPa、140MPa、145MPa、150MPa、155MPa、160MPa以上の屈曲部での圧縮応力(CS);間の全ての値と部分的範囲を含む、68MPa、69MPa、70MPa、71MPa、72MPa、または73MPa、74MPa、75MPa、77MPa、79MPa、80MPa、82MPa、84MPa、86MPa、または88MPa以上のピーク張力(PT);間の全ての値と部分的範囲を含む、0.13t、0.14t、0.15t、0.16t、0.17t、0.18t、0.19t、0.20t、0.21t、0.22t以上、および/または0.30t、0.29t、0.28t、0.27t、0.26t、0.25t、0.24t、0.23t以下の圧縮深さ(DOC);間の全ての値と部分的範囲を含む、0.007t、0.008t、0.009t、または0.01t以上および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、7マイクロメートル以上、7.8マイクロメートル以上、8マイクロメートル以上、8.5マイクロメートル以上、9マイクロメートル以上、9.5マイクロメートル以上、10マイクロメートル以上、10.5マイクロメートル以上、または11マイクロメートル以上の表面からの深さでの層のスパイク深さ(DOLsp);深さの関数としての応力の二次導関数が負であり、圧縮応力層内に位置付けられている負の曲率領域、および以下の特徴の内の1つ以上を含む:0.003MPa/μm、0.005MPa/μm、0.007MPa/μm、または0.009MPa/μm以上である;および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、0.01t、0.012t、0.015t、0.02t、0.04t、0.05t、0.06t、0.07t以上の深さに位置する;および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、0.2t、0.17t、0.14t、0.11t、または0.1t未満の深さに位置する、負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値;および/またはtと負の二次導関数の最大絶対値との積が19GPa、32GPa、45GPa、または57GPa以上である応力プロファイル;0.5mmから0.8mmの範囲、およびその間の全ての値と部分的範囲にあるt;および/またはtは、0.8mm以下、0.75mm以下、0.73mm以下、0.70mm以下、0.65mm以下、0.6mm以下、0.55mm以下、0.4mm以下、0.3mm以下、または0.2mm以下であることがある;ガラス系物品の中心で2.0、1.9、1.8、1.6、1.4、1.2以下のLiO/NaOのモル比;LiO/NaOのモル比は、0.65以上かつ1.2以下である;または0.70以上かつ1.1以下である;または0.75以上かつ1.5以下である;または0.75以上かつ1.25以下である;または0.8以上かつ1.1以下である;または0.85以上かつ1.05以下である、または0.9以上かつ1以下である;およびガラス系物品の中心で、12モル%、11モル%、10モル%、9.5モル%、9モル%、8.5モル%、または8モル%以下のLiOのモル濃度。
1つ以上の実施の形態において、ガラス系物品は、0.5mmから0.8mmの範囲、およびその間の全ての値と部分的範囲にあるtを有する;および/またはtは、0.8mm以下、0.75mm以下、0.73mm以下、0.70mm以下、0.65mm以下、0.6mm以下、0.55mm以下、0.4mm以下、0.3mm以下、または0.2mm以下であることがある。
tとの組合せで、そのガラス系物品は、以下の特徴の内の1つまたは組合せを有することがある:0.7MPa・√m、0.75MPa・√m、または0.77MPa・√m以上の中央組成に対応する破壊靭性;および/または1.3MPa・√m、1.2MPa・√m、1.1MPa・√m、0.95MPa・√m、または0.9MPa・√m以下の中央組成に対応する破壊靭性;およびその間の全ての値と部分的範囲;間の全ての値と部分的範囲を含む、500MPa、550MPa、600MPa、650MPa、700MPa、750MPa、800MPa、850MPa、900MPa、950MPa、1000MPa、1050MPa、1100MPa、1150MPa、または1200MPa以上のピーク圧縮応力(CS);間の全ての値と部分的範囲を含む、80MPa、85MPa、90MPa、95MPa、100MPa、105MPa、110MPa、115MPa、120MPa、125MPa、130MPa、135MPa、140MPa、145MPa、150MPa、155MPa、160MPa以上の屈曲部での圧縮応力(CS);間の全ての値と部分的範囲を含む、68MPa、69MPa、70MPa、71MPa、72MPa、または73MPa、74MPa、75MPa、77MPa、79MPa、80MPa、82MPa、84MPa、86MPa、または88MPa以上のピーク張力(PT);間の全ての値と部分的範囲を含む、0.13t、0.14t、0.15t、0.16t、0.17t、0.18t、0.19t、0.20t、0.21t、0.22t以上、および/または0.30t、0.29t、0.28t、0.27t、0.26t、0.25t、0.24t、0.23t以下の圧縮深さ(DOC);間の全ての値と部分的範囲を含む、0.007t、0.008t、0.009t、または0.01t以上および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、7マイクロメートル以上、7.8マイクロメートル以上、8マイクロメートル以上、8.5マイクロメートル以上、9マイクロメートル以上、9.5マイクロメートル以上、10マイクロメートル以上、10.5マイクロメートル以上、または11マイクロメートル以上の表面からの深さでの層のスパイク深さ(DOLsp);深さの関数としての応力の二次導関数が負であり、圧縮応力層内に位置付けられている負の曲率領域、および以下の特徴の内の1つ以上を含む:0.003MPa/μm、0.005MPa/μm、0.007MPa/μm、または0.009MPa/μm以上である;および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、0.01t、0.012t、0.015t、0.02t、0.04t、0.05t、0.06t、0.07t以上の深さに位置する;および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、0.2t、0.17t、0.14t、0.11t、または0.1t未満の深さに位置する、負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値;および/またはtと負の二次導関数の最大絶対値との積が19GPa、32GPa、45GPa、または57GPa以上である応力プロファイル;以下の特徴の内の1つ以上を有する低勾配領域を含む応力プロファイル:0.2MPa/μm以下の勾配の平均絶対値;および/または低勾配領域内の平均圧縮応力は、間の全ての値と部分的範囲を含む、80MPa、90MPa、または100MPa以上である、1つ以上の実施の形態において、低勾配領域は、圧縮応力層内に位置しており、10μm以上に亘り延在する、および/または低勾配領域は、間の全ての値と部分的範囲を含む、0.01t、0.012t、0.015t、0.02t以上である深さで始まる;および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、0.2t、0.15t、0.12t、0.1t、または0.09t未満の深さに位置することを含む;ガラス系物品の中心で2.0、1.9、1.8、1.6、1.4、1.2以下のLiO/NaOのモル比;LiO/NaOのモル比は、0.65以上かつ1.2以下である;または0.70以上かつ1.1以下である;または0.75以上かつ1.5以下である;または0.75以上かつ1.25以下である;または0.8以上かつ1.1以下である;または0.85以上かつ1.05以下である、または0.9以上かつ1以下である;およびガラス系物品の中心で、12モル%、11モル%、10モル%、9.5モル%、9モル%、8.5モル%、または8モル%以下のLiOのモル濃度。
1つ以上の実施の形態において、ガラス系物品は、ガラス系物品の中心で2.0、1.9、1.8、1.6、1.4、1.2以下のLiO/NaOのモル比を有する。いくつかの実施の形態において、そのLiO/NaOのモル比は、0.65以上かつ1.2以下である;または0.70以上かつ1.1以下である;または0.75以上かつ1.5以下である;または0.75以上かつ1.25以下である;または0.8以上かつ1.1以下である;または0.85以上かつ1.05以下である、または0.9以上かつ1以下である。
LiO/NaOのモル比との組合せで、そのガラス系物品は、以下の特徴の内の1つまたは組合せを有することがある:0.7MPa・√m、0.75MPa・√m、または0.77MPa・√m以上の中央組成に対応する破壊靭性;および/または1.3MPa・√m、1.2MPa・√m、1.1MPa・√m、0.95MPa・√m、または0.9MPa・√m以下の中央組成に対応する破壊靭性;およびその間の全ての値と部分的範囲;間の全ての値と部分的範囲を含む、500MPa、550MPa、600MPa、650MPa、700MPa、750MPa、800MPa、850MPa、900MPa、950MPa、1000MPa、1050MPa、1100MPa、1150MPa、または1200MPa以上のピーク圧縮応力(CS);間の全ての値と部分的範囲を含む、80MPa、85MPa、90MPa、95MPa、100MPa、105MPa、110MPa、115MPa、120MPa、125MPa、130MPa、135MPa、140MPa、145MPa、150MPa、155MPa、160MPa以上の屈曲部での圧縮応力(CS);間の全ての値と部分的範囲を含む、68MPa、69MPa、70MPa、71MPa、72MPa、または73MPa、74MPa、75MPa、77MPa、79MPa、80MPa、82MPa、84MPa、86MPa、または88MPa以上のピーク張力(PT);間の全ての値と部分的範囲を含む、0.13t、0.14t、0.15t、0.16t、0.17t、0.18t、0.19t、0.20t、0.21t、0.22t以上、および/または0.30t、0.29t、0.28t、0.27t、0.26t、0.25t、0.24t、0.23t以下の圧縮深さ(DOC);間の全ての値と部分的範囲を含む、0.007t、0.008t、0.009t、または0.01t以上および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、7マイクロメートル以上、7.8マイクロメートル以上、8マイクロメートル以上、8.5マイクロメートル以上、9マイクロメートル以上、9.5マイクロメートル以上、10マイクロメートル以上、10.5マイクロメートル以上、または11マイクロメートル以上の表面からの深さでの層のスパイク深さ(DOLsp);深さの関数としての応力の二次導関数が負であり、圧縮応力層内に位置付けられている負の曲率領域、および以下の特徴の内の1つ以上を含む:0.003MPa/μm、0.005MPa/μm、0.007MPa/μm、または0.009MPa/μm以上である;および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、0.01t、0.012t、0.015t、0.02t、0.04t、0.05t、0.06t、0.07t以上の深さに位置する;および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、0.2t、0.17t、0.14t、0.11t、または0.1t未満の深さに位置する、負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値;および/またはtと負の二次導関数の最大絶対値との積が19GPa、32GPa、45GPa、または57GPa以上である応力プロファイル;以下の特徴の内の1つ以上を有する低勾配領域を含む応力プロファイル:0.2MPa/μm以下の勾配の平均絶対値;および/または低勾配領域内の平均圧縮応力は、間の全ての値と部分的範囲を含む、80MPa、90MPa、または100MPa以上である、1つ以上の実施の形態において、低勾配領域は、圧縮応力層内に位置しており、10μm以上に亘り延在する、および/または低勾配領域は、間の全ての値と部分的範囲を含む、0.01t、0.012t、0.015t、0.02t以上である深さで始まる;および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、0.2t、0.15t、0.12t、0.1t、または0.09t未満の深さに位置することを含む;0.5mmから0.8mmの範囲、およびその間の全ての値と部分的範囲にあるt;および/またはtは、0.8mm以下、0.75mm以下、0.73mm以下、0.70mm以下、0.65mm以下、0.6mm以下、0.55mm以下、0.4mm以下、0.3mm以下、または0.2mm以下であることがある;およびガラス系物品の中心で、12モル%、11モル%、10モル%、9.5モル%、9モル%、8.5モル%、または8モル%以下のLiOのモル濃度。
1つ以上の実施の形態において、ガラス系物品は、ガラス系物品の中心で、12モル%、11モル%、10モル%、9.5モル%、9モル%、8.5モル%、または8モル%以下のLiOのモル濃度を有する。
LiOのモル濃度との組合せで、そのガラス系物品は、以下の特徴の内の1つまたは組合せを有することがある:0.7MPa・√m、0.75MPa・√m、または0.77MPa・√m以上の中央組成に対応する破壊靭性;および/または1.3MPa・√m、1.2MPa・√m、1.1MPa・√m、0.95MPa・√m、または0.9MPa・√m以下の中央組成に対応する破壊靭性;およびその間の全ての値と部分的範囲;間の全ての値と部分的範囲を含む、500MPa、550MPa、600MPa、650MPa、700MPa、750MPa、800MPa、850MPa、900MPa、950MPa、1000MPa、1050MPa、1100MPa、1150MPa、または1200MPa以上のピーク圧縮応力(CS);間の全ての値と部分的範囲を含む、80MPa、85MPa、90MPa、95MPa、100MPa、105MPa、110MPa、115MPa、120MPa、125MPa、130MPa、135MPa、140MPa、145MPa、150MPa、155MPa、160MPa以上の屈曲部での圧縮応力(CS);間の全ての値と部分的範囲を含む、68MPa、69MPa、70MPa、71MPa、72MPa、または73MPa、74MPa、75MPa、77MPa、79MPa、80MPa、82MPa、84MPa、86MPa、または88MPa以上のピーク張力(PT);間の全ての値と部分的範囲を含む、0.13t、0.14t、0.15t、0.16t、0.17t、0.18t、0.19t、0.20t、0.21t、0.22t以上、および/または0.30t、0.29t、0.28t、0.27t、0.26t、0.25t、0.24t、0.23t以下の圧縮深さ(DOC);間の全ての値と部分的範囲を含む、0.007t、0.008t、0.009t、または0.01t以上および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、7マイクロメートル以上、7.8マイクロメートル以上、8マイクロメートル以上、8.5マイクロメートル以上、9マイクロメートル以上、9.5マイクロメートル以上、10マイクロメートル以上、10.5マイクロメートル以上、または11マイクロメートル以上の表面からの深さでの層のスパイク深さ(DOLsp);深さの関数としての応力の二次導関数が負であり、圧縮応力層内に位置付けられている負の曲率領域、および以下の特徴の内の1つ以上を含む:0.003MPa/μm、0.005MPa/μm、0.007MPa/μm、または0.009MPa/μm以上である;および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、0.01t、0.012t、0.015t、0.02t、0.04t、0.05t、0.06t、0.07t以上の深さに位置する;および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、0.2t、0.17t、0.14t、0.11t、または0.1t未満の深さに位置する、負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値;および/またはtと負の二次導関数の最大絶対値との積が19GPa、32GPa、45GPa、または57GPa以上である応力プロファイル;以下の特徴の内の1つ以上を有する低勾配領域を含む応力プロファイル:0.2MPa/μm以下の勾配の平均絶対値;および/または低勾配領域内の平均圧縮応力は、間の全ての値と部分的範囲を含む、80MPa、90MPa、または100MPa以上である、1つ以上の実施の形態において、低勾配領域は、圧縮応力層内に位置しており、10μm以上に亘り延在する、および/または低勾配領域は、間の全ての値と部分的範囲を含む、0.01t、0.012t、0.015t、0.02t以上である深さで始まる;および/または間の全ての値と部分的範囲を含む、0.2t、0.15t、0.12t、0.1t、または0.09t未満の深さに位置することを含む;0.5mmから0.8mmの範囲、およびその間の全ての値と部分的範囲にあるt;および/またはtは、0.8mm以下、0.75mm以下、0.73mm以下、0.70mm以下、0.65mm以下、0.6mm以下、0.55mm以下、0.4mm以下、0.3mm以下、または0.2mm以下であることがある;ガラス系物品の中心で2.0、1.9、1.8、1.6、1.4、1.2以下のLiO/NaOのモル比;およびLiO/NaOのモル比は、0.65以上かつ1.2以下である;または0.70以上かつ1.1以下である;または0.75以上かつ1.5以下である;または0.75以上かつ1.25以下である;または0.8以上かつ1.1以下である;または0.85以上かつ1.05以下である、または0.9以上かつ1以下である。
実施の形態において、Li含有ガラス物品における応力プロファイルは、高い表面CS、高い屈曲部応力CS、および深い圧縮深さDOCを有する。DOCは、0.15t以上、または0.18t以上など、ガラス物品の厚さtの割合として表されることがある。いくつかの実施の形態において、これらの性質は、0.77MPa・m1/2以上のKICなど、高い破壊靭性(KIC)を有するガラス組成物を使用して得られる。そのような応力プロファイルは、特に、0.7mm以下など、より小さい厚さに適しており、既存のプロファイルは、800MPa超のCS、0.18t超のDOC、および7.5μm以上の層のスパイク深さDOLspと組み合わされた場合、110MPa以下のCSを有した。それに加え、ある場合には、ガラス物品の中心でのガラスの組成は、1.2以下のLiO/NaOのモル比を示す。ガラス物品の中心での組成は、そのガラス物品の中心でイオンが実質的に交換されていないまたは交換されていないので、イオン交換される前のガラスの組成に近い。
実施の形態において、その応力プロファイルは、DOC/t、CS、およびDOLspの高い値と同時に、125MPa以上のCSを含む。実施の形態において、その応力プロファイルは、150MPa以上、160MPa以上、または170MPa以上など、140MPa以上のCSを有することがある。いくつかの実施の形態において、より高いCS値は、CS、DOL、およびDOC/tの大きさがわずかに低い値の場合でさえ、丈夫な製品を与えることがある。いくつかの実施の形態において、応力プロファイルにおけるピーク張力(PT)は、75MPa以上、または80MPa以上、もしくは74MPa、75MPa、77MPa、79MPa、80MPa、82MPa、84MPa、86MPa、または88MPaなど、70MPa以上であることがある。いくつかの実施の形態において、応力プロファイルにおけるPTは、95MPa以下、または100MPa以下など、90MPa以下である。いくつかの実施の形態において、PTは、100MPa/√t以下、95MPa/√t以下、90MPa/√t以下、80MPa/√t以下、または77MPa/√t以下など、110MPa/√t以下であり、式中、tはmmで表されるガラス物品の厚さである。
高いCSおよび他の望ましい属性を有する応力プロファイルは、潜在的に、NaおよびKの比率が異なる複数の浴中の二段階イオン交換によって、Na含有ガラスにおいて得られるであろう。しかしながら、そのような場合、イオン交換は、数日ほどと長くかかり、そのガラス組成物の破壊靭性は、0.73未満、または0.68未満などのように低い。それゆえ、所望の応力プロファイルを達成するためには、リチウム含有ガラスが好ましい。
実施の形態において、Li含有ガラスの応力プロファイルは、970MPa以上の表面CS、50MPa以上のCS、および150μm以上のDOCおよび/または0.18以上のDOC/tを有する。いくつかの実施の形態において、CSは、1030MPa以上など、1000MPa以上である。いくつかの実施の形態において、CSは、80MPa以上、90MPa以上、100MPa以上、または110MPa以上など、70MPa以上である。いくつかの実施の形態において、DOC/tは0.19以上である。いくつかの実施の形態において、その応力プロファイルは、7μm以上から9.5μm以下のDOLspを有する。いくつかの実施の形態において、DOLspは、9.5μm以上から14μm以下である。いくつかの実施の形態において、その応力プロファイルのピーク張力PTは、60MPa以上、70MPa以上、もしくは76MPa、74MPa、75MPa、77MPa、79MPa、80MPa、82MPa、84MPa、86MPa、または88MPa以上など、50MPa以上である。いくつかの実施の形態において、PTは、95MPa以下、または100MPa以下など、90MPa以下である。いくつかの実施の形態において、PTは、100MPa/√t以下、95MPa/√t以下、90MPa/√t以下、80MPa/√t以下、または77MPa/√t以下など、110MPa/√t以下であり、ここで、tはmmで表されるガラス物品の厚さである。
実施の形態において、リチウム含有ガラス物品の応力プロファイルは、400MPa以上のピークCS、3.5μm以上から15μm以下のDOLsp、73MPa、74MPa、75MPa、77MPa、79MPa、80MPa、82MPa、84MPa、86MPa、または88MPa以上のピーク張力PT、0.18以上のDOC/t、1.6以下の、ガラス物品の中心でのLiO/NaOモル濃度比を有し、応力プロファイルの張力領域にベキ乗則プロファイルをフィッティングした場合、そのプロファイルを記載するベキ乗pは2.0以下である。いくつかの実施の形態において、そのプロファイルを記載するベキ乗pは、1.95以下、または1.9以下など、2.05以下である。いくつかの実施の形態において、DOC/tは0.19以上である。いくつかの実施の形態において、PTは、100MPa/√t以下、95MPa/√t以下、90MPa/√t以下、80MPa/√t以下、または77MPa/√t以下など、110MPa/√t以下であり、式中、tはmmで表されるガラス物品の厚さである。いくつかの実施の形態において、ガラス物品の中心でのLiO/NaOモル濃度比は、0.7以上、または0.8以上など、0.6以上である。
実施の形態において、ガラス物品の中心でのLiOのモル濃度は、9モル%以下、8.5モル%以下、または8.2モル%以下など、9.5モル%以下である。いくつかの実施の形態において、ガラス物品の中心でのNaOのモル濃度は、9.5モル%以下、9.0モル%以下、または8.5モル%以下など、10モル%以下である。先に述べたように、ガラス物品の中心での組成は、イオン交換前のガラスの組成に相当する。これらの組成により、好ましいイオン拡散性、フュージョン成形過程との適合性、および高いDOCを得る能力を達成することができる。
実施の形態において、リチウム含有ガラス物品の応力プロファイルは、400MPa以上のピークCS、3.5μm以上から15μm以下のDOLsp、65MPa以上のCS、150μm以上のDOCおよび/または0.19以上のDOC/t、および深さの関数としての応力の二次導関数が負であり、圧縮応力層内に位置付けられている応力プロファイル中の負の曲率領域であって、負の曲率領域における負の二次導関数の絶対値のピークが10μm以上から0.18t以下の深さで生じ、負の曲率領域における負の二次導関数の絶対値のピークが3000MPa/mm以上である負の曲率領域を有する。いくつかの実施の形態において、その負の曲率領域における負の二次導関数の絶対値のピークが、30μm以上、または40μm以上など、20μm以上の深さで生じる。いくつかの実施の形態において、その負の曲率領域における負の二次導関数の絶対値のピークは、50000MPa/mm以上である。いくつかの実施の形態において、その負の曲率領域における負の二次導関数の絶対値のピークは、5000MPa/mm以上、6000MPa/mm以上、または8000MPa/mm以上など、4000MPa/mm以上である。いくつかの実施の形態において、その負の曲率領域における負の二次導関数の絶対値のピークは、5500/tMPa/mm以上、6600/tMPa/mm以上、8000/tMPa/mm以上、または12000/tMPa/mm以上など、4500/tMPa/mm以上である。いくつかの実施の形態において、ピークCSは、750MPa以上など、700MPa以上である。いくつかの実施の形態において、CSは、75MPa以上、または85MPa以上など、65MPa以上である。いくつかの実施の形態において、DOCは160μm以上である。いくつかの実施の形態において、DOC/tは0.20以上である。
実施の形態において、ガラス物品の中心でのLiOのモル濃度は6.5モル%以上である。いくつかの実施の形態において、ガラス物品の中心でのNaOに対するLiOのモル比は、0.7以上など、0.6以上である。いくつかの実施の形態において、ガラス物品の中心でのNaOに対するLiOのモル比は、1.1以下、または1.0以下など、1.2以下である。いくつかの実施の形態において、ピーク張力PTは、68MPa以上、71MPa以上、もしくは76MPa、74MPa、75MPa、77MPa、79MPa、80MPa、82MPa、84MPa、86MPa、または88MPa以上など、65MPa以上である。いくつかの実施の形態において、PTは、95MPa以下、90MPa以下、85MPa以下、82MPa以下、または80MPa以下など、100MPa以下である。
実施の形態において、ガラス物品は、厚さtを有する平面部分を有し、そのガラス物品のその部分は、圧縮深さまで延在する外面上の圧縮応力層を有する。その圧縮応力層は、0.12t以上、0.15t以上、0.17t以上、0.18t以上、または0.19t以上など、0.1t以上の圧縮深さDOCまで延在する。そのガラス物品は、圧縮応力の表面近くの「スパイク」を表す比較的浅い領域を有し、最大圧縮応力CSmaxは、980MPa以上、1000MPa以上、1040MPa以上、または1070MPa以上など、950MPa以上である。そのガラス物品は、3μm以上から30μm以下の「層のスパイク深さ」DOLspを有する。そのガラス物品は、60MPa以上、70MPa以上、80MPa以上、90MPa以上、または100MPa以上など、50MPa以上の応力プロファイルの屈曲部応力CSを有する。そのスパイク領域は、圧縮応力層のより深い部分と比べて実質的に高いCSを一般に有すると特徴付けられる。
屈曲部応力CSは、深さDOLspでCSプロファイルのより深い部分が外挿する圧縮応力の値として定義される。スパイクの深さDOLspは、CSスパイク領域における導波光学モードに対応するプリズム結合角度結合スペクトルにおける縞の数を利用する公知の方法によって、表面応力計によって測定されると報告されている。DOLspが約5.5μm未満である場合、1つの偏光状態において少なくとも2つのそのような縞を測定できるように、測定波長は590nm未満であろう。例えば、測定波長は、545nm、またさらには365nmであることがある。DOLspが約4μm未満であるとすると、CSスパイクが、NaまたはLiなどの、ガラス中のより小さいイオンと比べたときに、カリウム(K)などのより大きいイオンにおける表面近くの層の実質的な富化の結果である場合、DOLspが正確に推定されるであろう。その場合、DOLspは、そのようなより大きいイオンの濃度が、深さによるさらなる減衰が無視できると考えられるレベルまで低下する(例えば、次の20μmの深さで生じる、最大K濃度からベースラインレベルまで90%低下した)深さであると考えられるであろう。屈曲部応力を含む応力プロファイルの概略図が、図2に与えられている。
いくつかの実施の形態において、比DOC/tは、0.28以下、0.25以下、または0.24以下など、0.3以下である。
いくつかの実施の形態において、そのガラス物品は、ガラス物品の中心でのLiOの濃度が0.1モル%超であるように、リチウムを含有する。いくつかの実施の形態において、ガラス物品の中心でのLiOの濃度は、5モル%以上、6モル%以上、または7モル%以上など、4モル%以上である。いくつかの実施の形態において、ガラス物品の中心でのLiOの濃度は、20モル%以下、16モル%以下、または12モル%以下など、25モル%以下である。いくつかの実施の形態において、ガラス物品の中心と同じ組成を有するガラス組成物は、0.77MPa√m以上の破壊靭性(KIC)を有する。
いくつかの実施の形態において、第1のイオン交換工程により、500MPa以上のピークCS、140MPa以上のCS、4μm以上のDOLsp、0.18以上のDOC/t比、および73MPa、74MPa、75MPa、77MPa、79MPa、80MPa、82MPa、84MPa、86MPa、または88MPa以上のピーク張力PTにより特徴付けられる応力プロファイルが生じることがある。いくつかの実施の形態において、PTは、80MPa/√t以下、90MPa/√t以下、95MPa/√t以下、100MPa/√t以下、または110MPa/√t以下など、77MPa/√t以下であり、ここで、厚さtはmmで測定される。いくつかの実施の形態において、DOLspは、5μm以上、6μm以上、または7μm以上など、4μm以上である。いくつかの実施の形態において、DOC/t比は、0.185以上、0.19以上、または0.195以上など、0.18以上である。いくつかの実施の形態において、PTは、78MPa以上、83MPa以上、または88MPa以上など、73MPa、74MPa、75MPa、77MPa、79MPa、80MPa、82MPa、84MPa、86MPa、または88MPa以上である。
いくつかの実施の形態において、第2のイオン交換工程により、700MPa以上のCS、3.5μm以上のDOLsp、110MPa以上のCS、0.18以上のDOC/t、および73MPa、74MPa、75MPa、77MPa、79MPa、80MPa、82MPa、84MPa、86MPa、または88MPa以上のPTを有する応力プロファイルが生じることがある。いくつかの実施の形態において、CSは、800MPa以上である。いくつかの実施の形態において、DOLspは、6μm以上、7μm以上、または7.5μm以上など、5μm以上である。いくつかの実施の形態において、CSは、120MPa以上など、115MPa以上である。いくつかの実施の形態において、DOC/tは、0.19以上など、0.185以上である。いくつかの実施の形態において、PTは、85MPa以上など、78MPa以上である。いくつかの実施の形態において、PTは、100MPa/√t以下、95MPa/√t以下、90MPa/√t以下、80MPa/√t以下、または77MPa/√t以下など、110MPa/√t以下であることがある。いくつかの実施の形態において、これらの例も、非脆性であることがある。
いくつかの実施の形態において、ガラス系物品は、基板の厚さ(t)を規定する互いに反対の第1と第2の表面を有するガラス系基板であって、tは、0.4mm以上かつ1.3mm以下であるガラス系基板;1.5MPa/マイクロメートル以下であるDOCでの応力勾配;および0.15t以上の圧縮深さ(DOC)と、4MPa・mmから20MPa・mmの範囲にある1つの圧縮領域内の応力積分の絶対値とを有する応力プロファイルを備える。
0.4mm以上かつ1.3mm以下のt、0.15t以上のDOC、および4MPa・mmから20MPa・mmの範囲にある1つの圧縮領域内の応力積分の絶対値は、以下の特徴の内の1つ以上と組み合わされることがある:
DOCは、間の全ての値と部分的範囲を含む、0.16t、0.17t、0.18t、0.19t、0.195t以上、および/または0.23t、または0.22t以下である;
DOCは、間の全ての値と部分的範囲を含む、95マイクロメートル、110マイクロメートル、120マイクロメートル、130マイクロメートル、150マイクロメートル、160マイクロメートル、165マイクロメートル以上、および/または300マイクロメートル、250マイクロメートル、または200マイクロメートル以下である;
間の全ての値と部分的範囲を含む、400MPa、500MPa、600MPa、970MPa、1030MPa以上、および/または1200MPa以下のピーク圧縮応力(CS);
DOCでの応力勾配は、間の全ての値と部分的範囲を含む、1.4MPa/マイクロメートル以下、1.3MPa/マイクロメートル以下、1.25MPa/マイクロメートル以下、1.14MPa/マイクロメートル以下、および/または0.4MPa/マイクロメートル以上、0.5MPa/マイクロメートル以上、0.6MPa/マイクロメートル以上、0.65MPa/マイクロメートル以上、0.7MPa/マイクロメートル以上、0.75MPa/マイクロメートル以上、または0.8MPa/マイクロメートル以上である;
間の全ての値と部分的範囲を含む、55MPa以上、65MPa以上、72MPa以上、75MPa以上、78MPa以上、または80MPa以上、83MPa以上、74MPa以上、77MPa以上、79MPa以上、81MPa、82MPa、84MPa、86MPa、または88MPaであるピーク張力(PT);
PT(MPa)は、tがmmで表される厚さである、間の全ての値と部分的範囲を含む、110/√t以下、102/√t以下、97/√t以下、92/√t以下である;
1つの圧縮領域における応力積分の絶対値は、間の全ての値と部分的範囲を含む、6MPa・mm以上、7MPa・mm以上、8MPa・mm以上、および/または16MPa・mm以下、15MPa・mm以下、14MPa・mm以下である;
厚さで割られた1つの圧縮領域における応力積分の絶対値は、間の全ての値と部分的範囲を含む、13MPa以上、14MPa以上、または15MPa以上、および/または20MPa以下、19MPa以下、18MPa以下、17MPa以下である;
引張領域に亘る応力積分の絶対値は、間の全ての値と部分的範囲を含む、30MPa・mm以下、28MPa・mm以下、26MPa・mm以下、および/または13MPa・mm以下、15MPa・mm以下、17MPa・mm以下である;
より浅い副領域における平均応力勾配が、より深い副領域における平均応力勾配より少なくとも4倍大きい、2つの副領域を含む圧縮応力領域であって、より浅い副領域が、2マイクロメートル超の深さDOLspを有し、より深い副領域がDOLspより深い深さからDOLspの少なくとも3倍深い深さまで延在する圧縮応力領域;
DOLspは、間の全ての値と部分的範囲を含む、3マイクロメートル以上、3.5マイクロメートル以上、4マイクロメートル以上である;
DOLspは、間の全ての値と部分的範囲を含む、0.003t以上、0.004t以上、0.005t以上、0.006t以上、および/または20マイクロメートル以下、16マイクロメートル以下、13マイクロメートル以下、12マイクロメートル以下、11マイクロメートル以下、および/または0.026t以下、0.02t以下である;
約1.2DOLspから1.5DOLspの範囲にある深さでの屈曲部応力CSであって、間の全ての値と部分的範囲を含む、70MPa以上、80MPa以上、90MPa以上、100MPa以上、120MPa以上、130MPa以上、140MPa以上である屈曲部応力CS
深さの関数としてのCSの絶対値に関する負の二次導関数を有する圧縮応力領域における部分であって、二次導関数の最大絶対値が、0.003MPa/マイクロメートル以上、0.005MPa/マイクロメートル以上、0.007MPa/マイクロメートル以上、0.009MPa/マイクロメートル以上である、圧縮応力領域における部分;
間の全ての値と部分的範囲を含む、0.01t以上、0.015t以上、0.020t以上、0.040t以上、0.050t以上の深さ、および/または0.2t以下、または0.17t以下の深さで生じるCSの負の二次導関数の絶対値のピーク;
シート厚と、CSの負の二次導関数の最大値との積が、間の全ての値と部分的範囲を含む、19GPa以上、32GPa以上、45GPa以上、57GPa以上である;
間の全ての値と部分的範囲を含む、0.6MPa・√m以上、0.7MPa・√m以上、0.76MPa・√m以上、および/または0.9MPa・√m以下、0.83MPa・√m以下の破壊靭性を有する中央組成;
間の全ての値と部分的範囲を含む、5モル%以上のNaO、または7モル%以上のNaO、および/または18モル%以下のNaOを含む中央組成;および
間の全ての値と部分的範囲を含む、0.5モル%以上のKO、または0.3モル%以上のKO、および/または4モル%以下のKOを含む中央組成。
ここに記載された応力プロファイルを有するガラス物品は、いくつかの破損様式-滑らかな硬質表面上の落下による過大応力(高いCSおよび7μm以上のDOLを有する表面圧縮スパイクを使用することによって抑制されるものなど)、張力からの破損(増加したDOCを有することによって抑制されるものなど)による深い損傷(約90μm以上の深さなど)の導入、および同時またはその後の曲げ(ある場合に、高いDOCおよび深さの関数としての圧縮応力の負の二次導関数を持つプロファイルにより、または増加したCSおよび大きいDOCを同時に持つプロファイルにより得られた、中間とそれより深い深さで高い圧縮応力を有することによって抑制されるものなど)と組み合わされた中間の深さ(約30μm以上から約90μm以下の深さなど)への損傷の導入-を同時に考えたときに、破壊抵抗の全体的な改善の利点を提示する。ここに記載された応力プロファイルは、少なくとも一部には、イオン交換される前のガラス中のリチウム含有量による速い化学強化(イオン交換)も可能にし、リチウムのナトリウムによるイオン交換により、DOCの速い増加が可能になる。それに加え、ガラス組成のLiO:NaOのモル比が、0.65以上から1.2以下、または0.70超かつ1.1未満、または0.75超かつ1.5未満、または0.75超かつ1.25未満、または0.8超かつ1.1未満、または0.85超かつ1.05未満、または0.9超かつ1未満など、0.3以上から1.5以下である場合、ナトリウムイオンの拡散速度がさらに増加する。
ここに開示された応力プロファイルは、より低コストの化学強化(イオン交換)により達成されることもある。例えば、単一のイオン交換工程により得られる、高い破壊靭性を有するLi含有ガラスにおける、比較的高い表面CS、DOLsp、CS、およびDOCを同時に有する応力プロファイルは、二段階イオン交換過程により得られる類似の応力プロファイルよりも都合よく低いコストを有する。
1つ以上の実施の形態において、ガラス系物品の応力プロファイルは、増加したレベルの圧縮応力を含むスパイク領域を含むことがある。そのような応力プロファイルは、増加したDOLspおよび増加した表面CSにより特徴付けられ、減少したCSを示すことがある。これらの応力プロファイルは、粗い表面への高まった多方向落下性能により示されるように、スパイク領域における圧縮応力の増加量のために、傷形成に対して増加した抵抗を示す。どの特定の理論でも束縛する意図もないが、スパイク領域の増加した面積は、ガラス系物品における傷の形成を防ぐと考えられ、三次元形状物品および厚さの減少した物品にとって特に著しい効果であろう。増加したスパイク領域の面積に関連する有益な効果は、ガラス系物品中のより深い深さに存在する圧縮応力の量が減少し、所望の性能を維持するほど著しいようである。
これらの「大きいスパイク面積」のプロファイルは、少なくとも80MPaのCS、少なくとも970MPaのピーク圧縮応力、および少なくとも0.17の物品の厚さに対する圧縮深さの比と共に、少なくとも0.02t(tはガラス系物品の厚さである)および/または少なくとも10μmのDOLspにより特徴付けられることがある。応力プロファイルのこれらの特徴は、ここに記載されたどの他の応力プロファイルの属性とさらに組み合わされてもよい。1つ以上の実施の形態において、その物品は、多くとも0.04tのDOLsp、多くとも0.036tのDOLsp、多くとも0.032tのDOLsp、多くとも0.03tのDOLsp、または多くとも0.028tのDOLspを有することがある。1つ以上の実施の形態において、その物品は、多くとも20μmのDOLsp、多くとも19μmのDOLsp、多くとも18μmのDOLsp、多くとも17μmのDOLsp、多くとも16μmのDOLsp、多くとも15μmのDOLsp、または多くとも14μmのDOLspを有することがある。1つ以上の実施の形態において、その物品は、50MPa以上、55MPa以上、60MPa以上、65MPa以上、70MPa以上、75MPa以上、80MPa以上、85MPa以上、90MPa以上、95MPa以上、100MPa以上、もしくはそれより大きいCSを有することがある。1つ以上の実施の形態において、その物品は、150MPa以下、140MPa以下、130MPa以下、120MPa以下、115MPa以下、もしくはそれより小さいCSを有することがある。その物品のCSは、これらの最小値と最大値のどの組合せから形成された範囲内にあってもよい。
1つ以上の実施の形態において、ガラス系物品の応力プロファイルは、スパイク領域の台形面積により特徴付けられることがある。スパイク領域の台形面積(TAsp)は、以下の式:
TAsp=0.5・(CS+CS)・DOLsp
にしたがって、計算することができ、式中、CSはピーク圧縮応力であり、CSは、屈曲部での圧縮応力であり、DOLspはスパイク深さである。1つ以上の実施の形態において、ここに記載された応力プロファイルは、4000MPa・μm以上、4400MPa・μm以上、4700MPa・μm以上、5000MPa・μm以上、5300MPa・μm以上、5500MPa・μm以上、5700MPa・μm以上、5800MPa・μm以上、またはこれらの値から形成される任意の部分的範囲のTAspにより特徴付けられることがある。
ここに用いられているように、KIC破壊靭性は、二重片持ち梁(DCB)法により測定される。KIC値は、ガラス系物品を形成するためにイオン交換される前のガラス系基板について測定した。DCB試験片の形状が図3に示されており、重要なパラメータは、亀裂長さa、印加荷重P、断面寸法wと2h、および亀裂誘導溝の厚さbである。試料を、幅2h=1.25cmおよびw=0.3mmから1mmに及ぶ厚さの長方形に切断し、試料の全長は5cmから10cmと様々であるが、これは重要な寸法ではない。ダイヤモンドドリルで両端に孔を開けて、試料を試料ホルダおよび荷重に取り付ける手段を提供した。亀裂「誘導溝」は、ダイヤモンド刃を備えたウエハーダイシングソーを使用して、平らな両面に試料の長さを切り込み、刃の厚さに相当する180μmの高さで、プレートの全厚の約半分(図3の寸法b)の材料の「ウェブ」を残した。ダイシングソーの高精度の寸法公差により、試料間のばらつきを最小にすることができる。このダイシングソーを、a=15mmの初期亀裂を切るためにも使用した。この最終操作の結果として、亀裂先端の近くに非常に薄い材料の楔を形成し(刃の曲率のために)、試料内の亀裂発生をより容易にできた。試料の底部の孔にある鋼線で、金属製試料ホルダ内に試料を取り付けた。低荷重条件下で試料を水平に維持するために、試料を反対の端部で支持した。上部の孔に、ロードセル(FUTEK、LSB200)と直列のバネを引っ掛け、次いで、ロープと高精度スライドを使用して、引き伸ばして、徐々に荷重を印加した。デジタルカメラおよびコンピュータに取り付けられた5μmの解像度を有する顕微鏡を使用して、亀裂をモニタした。以下の式(III):
Figure 0007492920000001
を使用して、印加した応力強度Kを計算した。各試料について、ウェブの先端に亀裂を最初に発生させ、次いで、応力強度を正確に計算するために、式(III)のとおり、寸法比a/hが1.5より大きくなるまで、開始亀裂を注意深く、未臨界成長させた。この時点で、5μmの解像度を有する遊動顕微鏡を使用して、亀裂の長さaを測定し、記録した。次に、トルエンを一滴、亀裂の溝に入れ、毛管力によって、溝の全長に沿って運び、破壊靭性に達するまで、動かないように亀裂をピン止めした。次に、試料が破壊されるまで、荷重を増加させ、破壊荷重および試料寸法から臨界応力強度KICを計算した。Kは、測定方法のために、KICと等しい。
ガラス系基板
基板として使用されることのあるガラスの例としては、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成物またはアルカリ含有アルミノホウケイ酸塩ガラス組成物が挙げられるであろうが、他のガラス組成物も考えられる。使用されることのあるガラス系基板の特別な例に、以下に限られないが、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス、アルカリ含有ホウケイ酸ガラス、アルカリアルミノホウケイ酸塩ガラス、アルカリ含有リチウムアルミノケイ酸塩ガラス、またはアルカリ含有リン酸塩ガラスがある。そのガラス系基板は、イオン交換可能と特徴付けられることがある基礎組成を有する。ここに用いられているように、「イオン交換可能」は、その組成物から作られる基板が、その基板の表面またはその近くに位置する陽イオンを、サイズがそれより大きいか小さい同じ価数の陽イオンと交換することができることを意味する。
1つ以上の実施の形態において、ガラス系基板は、リチウム含有アルミノケイ酸塩を含むことがある。
実施の形態において、そのガラス系基板は、前記応力プロファイルを形成できるどの組成物から形成されてもよい。いくつかの実施の形態において、そのガラス系基板は、その全てがここに引用される、2017年11月29日に出願された、「Glasses with Low Excess Modifier Content」と題する米国仮特許出願第62/591953号明細書に記載されたガラス組成物から形成されることがある。いくつかの実施の形態において、そのガラス物品は、その全てがここに引用される、2017年11月29日に出願された、「Ion-Exchangeable Mixed Alkali Aluminosilicate Glasses」と題する米国仮特許出願第62/591958号明細書に記載されたガラス組成物から形成されることがある。
そのガラス系基板は、それが成形される様式によって特徴付けられることがある。例えば、そのガラス系基板は、フロート成形可能(すなわち、フロート法により成形される)、ダウンドロー可能、および特に、フュージョン成形可能またはスロットドロー可能(すなわち、フュージョンドロー法またはスロットドロー法などのダウンドロー法により成形される)と特徴付けられることがある。
ここに記載されたガラス系基板のいくつかの実施の形態は、ダウンドロー法により成形されることがある。ダウンドロー法により、比較的無垢な表面を備えた均一な厚さを有するガラス系基板が生成される。ガラス物品の平均曲げ強度は、表面傷の量とサイズにより制御されるので、接触が最小な無垢な表面は、より高い初期強度を有する。それに加え、ダウンドローされたガラス物品は、費用のかかる研削および研磨を必要とせずに最終用途に使用できる、非常に平らで滑らかな表面を有する。
そのガラス系基板のいくつかの実施の形態は、フュージョン成形可能(すなわち、フュージョンドロー法を使用して成形可能)と記載されることがある。このフュージョン法では、溶融ガラス原材料を受け容れるための通路を有する延伸槽が使用される。その通路は、通路の両側で通路の長さに沿って上部で開いた堰を有する。通路が溶融材料で満たされたときに、溶融ガラスは堰から溢れ出る。溶融ガラスは、重力のために、2つの流れるガラスフイルムとして、延伸槽の外面を下方に流れる。延伸槽のこれらの外面は、延伸槽の下のエッジで接合するように、下方かつ内側に延在する。その2つの流れるガラスフイルムは、このエッジで結合して、融合し、1つの流れるガラス物品を形成する。このフュージョンドロー法は、通路を越えて流れる2つのガラスフイルムは互いに融合するので、結果として得られたるガラス物品の外面のいずれも、装置のどの部分とも接触しないという利点を提示する。それゆえ、フュージョンドローされたガラス物品の表面特性は、そのような接触の影響を受けない。
ここに記載されたガラス基板のいくつかの実施の形態は、スロットドロー法により成形されることがある。このスロットドロー法は、フュージョンドロー法とは異なる。スロットドロー法において、溶融原材料ガラスが延伸槽に供給される。この延伸槽の底部は、開いたスロットを有し、このスロットは、スロットの長さに亘り延在するノズルを有する。この溶融ガラスは、ノズル/スロットを通って流れ、連続したガラス物品として下方に徐冷領域中に延伸される。
1つ以上の実施の形態において、ここに記載されたガラス系基板は、非晶質微細構造を示すことがあり、結晶または晶子を実質的に含まないことがある。言い換えると、そのガラス系基板は、いくつかの実施の形態において、ガラスセラミック材料を除く。
イオン交換(IOX)処理
基礎組成を有するガラス基板の化学強化は、ガラス中に拡散する陽イオン(例えば、K、Na、Agなど)を含有する溶融浴中にイオン交換可能なガラス基板を配置し、その間に、ガラスのより小さいアルカリイオン(例えば、Na、Li)が溶融浴中に拡散することにより行われる。大きいほうの陽イオンにより、小さいほうの陽イオンが置換されると、ガラスの上面近くに圧縮応力が生じる。この表面近くの圧縮応力と釣り合うために、ガラスの内部に引張応力が生じる。
イオン交換過程について、それらは、独立して、熱拡散過程または電気拡散過程であることがある。浸漬の間に洗浄工程および/または徐冷工程がある、多数のイオン交換浴中にガラスが浸漬される、イオン交換過程の非限定例が、ガラスが、異なる濃度の塩浴中の多数の連続したイオン交換処理における浸漬により強化される、2008年7月11日に出願された米国仮特許出願第61/079995号からの優先権を主張する、「Glass with Compressive Surface for Consumer Applications」と題する、2013年10月22日に発光された、Douglas C. Allan等による米国特許第8561429号明細書;およびガラスが、流出イオンで希釈された第1の浴中のイオン交換により強化され、続いて、第1の浴より小さい濃度の流出イオンを有する第2の浴に浸漬される、2008年7月29日に出願された米国仮特許出願第61/084398号からの優先権を主張する、「Dual Stage Ion Exchange for Chemical Strengthening of Glass」と題する2012年11月20日に発行されたChristopher M. Lee等による米国特許第8312739号明細書に記載されている。米国特許第8561429号および同第8312739号の各明細書の内容が、ここに全て引用される。
イオン交換過程が行われた後、ガラス物品の表面での組成が、成形されたまのガラス物品(すなわち、イオン交換過程を経る前のガラス物品)の組成と異なることがあることを理解すべきである。これは、例えば、それぞれ、NaまたはKなどのより大きいアルカリ金属イオンにより交換された、例えば、LiまたはNaなどの、形成されたままのガラス中のアルカリ金属イオンの一種から生じる。しかしながら、ガラス物品の深さの中心またはその近くでのガラス組成は、実施の形態において、それでも、成形されたままのガラス物品の組成を有するであろう。
最終製品
ここに開示されたガラス系物品は、ディスプレイを備えた物品(またはディスプレイ物品)(例えば、携帯電話、タブレット、コンピュータ、ナビゲーションシステムなどを含む家庭用電子機器)、建築物品、輸送物品(例えば、自動車、列車、航空機、船舶など)、電化製品、またはある程度の透明性、耐引掻性、耐磨耗性またはその組合せを必要とする任意の物品などの別の物品に組み込まれることがある。ここに開示されたガラス物品のいずれかを組み込んだ例示の物品が、図4Aおよび4Bに示されている。詳しくは、図4Aおよび4Bは、前面204、背面206、および側面208を有する筐体202;その筐体の少なくとも部分的に内側にまたは完全に中にあり、少なくとも制御装置、メモリ、およびその筐体の前面にまたはそれに隣接したディスプレイ210を含む電気部品(図示せず);およびそのディスプレイを覆うように筐体の前面にまたはその上にあるカバー基板212を備えた家庭用電子機器200を示している。いくつかの実施の形態において、カバー基板212は、ここに開示されたガラス物品のいずれかを含むことがある。
実施の形態が、以下の実施例によりさらに明白になるであろう。これらの実施例は、先に記載された実施の形態を限定するものではないことが理解されよう。
組成Aまたは組成Bによるリチウムアルミノケイ酸塩ガラス組成を有するガラスシートを成形した。成形され、分析された組成Aは、63.70モル%のSiO、0.39モル%のB、16.18モル%のAl、8.10モル%のNaO、0.53モル%のKO、8.04モル%のLiO、0.33モル%のMgO、0.01モル%のTiO、0.02モル%のFe、0.05モル%のSnO、および2.64モル%のPを含んだ。成形され、分析された組成Bは、63.60モル%のSiO、15.67モル%のAl、10.81モル%のNaO、6.24モル%のLiO、1.16モル%のZnO、0.04モル%のSnO、および2.48モル%のPを含んだ。
実施例1~29-ガラス組成Aに基づくガラス物品
ガラス物品を組成Aから形成し、下記の表1に記載された条件にしたがってイオン交換した。
Figure 0007492920000002
表1にしたがって形成されたガラス物品を、ピーク圧縮応力(CSmax)、スパイクの層の深さ(DOLsp)、屈曲部での圧縮応力(CS)、圧縮深さ(DOC)、およびピーク張力(PT)について分析した。その結果が表2にある。実施例において、CSmaxおよびDOLspは、表面応力計(FSM)により測定した。CSは、ここに引用される、本出願人の2018年6月22日に出願された米国特許出願第16/015776号明細書による方法によって測定した。応力プロファイルおよびDOCは、屈折近視野(RNF)法により測定した。PTおよび応力残留は、散乱光偏光器(SCALP)技術によって測定した。表2において、計測学の精度限界のために、CS値における潜在的なばらつきは±25MPaであり得、DOLのばらつきは約±0.2μmであり得る。
Figure 0007492920000003
表2の応力プロファイルおよびDOCを使用して、以下を計算した(これは、表3に纏められている):DOCでの勾配の絶対値(MPa/μm)、外側圧縮領域の応力積分の絶対値(MPa・mm)、張力領域の応力積分の絶対値(MPa・mm)、厚さに対する圧縮深さの割合(DOC/t)、および厚さに対する圧縮応力積分(CS積分/t)(MPa)。
Figure 0007492920000004
実施例2の例示の応力プロファイルが図5に示されている。図5の応力プロファイルは、0.5mm厚の化学強化されたガラス物品の前半である。図5の応力プロファイルは、ガラスシートを三次元形状に成形する(3D成形)ための15分間に亘る580℃の温度での組成Aのガラスシートの熱処理後の、二段階イオン交換過程により得た。イオン交換過程の第1の工程は、2時間に亘る390℃での約38質量%のNaNOおよび約62質量%のKNOを含む塩浴中の試料の浸漬であった。そのイオン交換過程の第2の工程は、20分間に亘る370℃での約1質量%のNaNOおよび約99質量%のKNOを含む塩浴中の浸漬であった。図5に示されたような、得られた応力プロファイルは、1100MPaのCSmax、108MPaの屈曲部応力CS、8.25μmのDOLsp、および0.198tを示す99μmのDOCを有した。
第1のイオン交換工程後の応力プロファイル(実施例1)は、表面で生じた581MPaのCSmax、8.95μmでのDOLsp、170MPa以上から180MPa以下の範囲にあるCS、0.194tに相当する97μmのDOC、および91.1MPaのPTを有した。張力領域に亘る応力積分は17.7MPa・mmであり、2つの圧縮応力領域の各々は、絶対値でその約半分であった応力の深さ積分を有した。DOCでの応力プロファイルの勾配の絶対値は、1.15MPa/マイクロメートルであった。
別の実施例において、実施例1と同じ熱履歴および同じ第一段階イオン交換のガラスシートに、実施例4にしたがって、20分間に亘る380℃での約6質量%のNaNOおよび約94質量%のKNOを含む浴中の第二段階イオン交換を行った。第二段階後に得られた応力プロファイルは、表面で生じた877MPaのピークCS、8.9μmのDOLsp、159MPaのCS、88.3MPaのPT、および0.196tに相当する98μmのDOCを有した。
別の実施例において、実施例1と同じ熱履歴および同じ第一段階イオン交換のガラスシートに、実施例3にしたがって、20分間に亘る380℃での約5質量%のNaNOおよび約95質量%のKNOを含む浴中の第二段階イオン交換を行った。得られた応力プロファイルは、890MPaの表面でのCSmax、8.9μmのDOLsp、および142MPaのCSを含んだ。ピーク張力PTおよびDOCは、それぞれ、約88.8MPa、および98μmであった。
例示の応力プロファイルが図6に示されている。図6の応力プロファイルは、フュージョンドロー熱履歴を持つガラス(組成A)の0.6mm厚のシートにおいて形成された。このガラスシートは、実施例10にしたがって、約50質量%のNaNOおよび50質量%のKNOを含む浴中で2時間に亘り390℃でイオン交換された。得られた応力プロファイルは、表面での565MPaのピークCS、9.06μmのDOLsp、185から190MPaの範囲にあるCS、115.2μmのDOC、0.192のDOC/t、および90MPaのPTを示した。全引張領域の下の積分は、約22.1MPa・mmであった。応力領域は、絶対値で約11.05MPa・mmの応力・深さ積分を有した。DOCでの応力プロファイルの勾配の絶対値は、1.06MPa/μmであった。
実施例11による例示の応力プロファイルが図7に示されている。図7の応力プロファイルは、ガラス(組成A)の0.6mm厚のシートにおいて形成された。この応力プロファイルは、二段階イオン交換により得た。第1のイオン交換工程は、2時間に亘る390℃の浴中の浸漬であり、この浴は、約50質量%のNaNOおよび50質量%のKNOを含んだ。第1のイオン交換工程後の応力プロファイルは、図6に示されたプロファイルと似ていた。第2のイオン交換工程は、0.4時間に亘る380℃での浴中の浸漬であり、その浴は、約6質量%のNaNOおよび94質量%のKNOを含んだ。得られた応力プロファイルは、903MPaの表面CS、8.36μmのDOLsp、119μmのDOC、0.198のDOC/t、135MPaのCS、および88.6MPaのPTを有した。DOCでの応力プロファイルの勾配の絶対値は、1.06MPa/μmであった。引張領域に亘る応力積分の絶対値は、約21.6MPa・mmであり、一方で、2つの応力領域の各々に関する応力積分の絶対値は、10.81MPa・mmであった。
例示の応力プロファイルが図9に示されている。図9の応力プロファイルは、組成Aを有するガラスの0.8mm厚のシートにおいて生じた。このガラスシートに、表1の実施例21について詳述されているような二段階イオン交換処理を施した。図9に示されるような、得られた応力プロファイルは、839MPaのピークCS、8.7μmのDOLsp、163μmのDOC、0.204のDOC/t、83.4MPaのPT、および130MPaのCSを有した。DOCでの応力プロファイルの勾配は、0.75MPa/μmであり、応力領域におけるCS積分は、13.48MPa・mmであった。厚さに正規化されたCS積分は、16.85MPaであった。16μmから32μm(0.02tから0.04t)の深さ領域における圧縮応力は、120MPaから114MPaに徐々に変化し、平均勾配絶対値は約0.19MPa/μmであった。
例示の応力プロファイルが図10に示されている。図10の応力プロファイルは、組成Aを有するガラスの0.8mm厚のシートにおいて生じた。このガラスシートに、表1の実施例19について詳述されているようなイオン交換処理を施した。図10は、実施例21の応力プロファイル、および組成Bを有するガラスシートに生じた応力プロファイルも含む。図10に示された3つの応力プロファイルは、スパイク領域(ほぼ最初の10μm)内で実質的に同一である。実施例19の応力プロファイルは、表面での848MPaのピークCS、8.3μmのDOLsp、78.6MPaのPT、および0.213tと等しい170μmのDOCを特徴とする。実施例19の応力プロファイルは、最初の30μmにおいて組成BのプロファイルのCSと一致するが、次いで、30μmから225μm(約0.04tから約0.28t)のより深い深さでは、深さの関数として、CSに関して従来技術のプロファイルより高い。その差は、80μmから120μmの深さ範囲において最大であった。実施例19の応力プロファイルは、約63μm(0.08t)の深さで生じるCSのピークの負の二次導関数を有し、その絶対値は10-2MPa/μmであった。
例示の応力プロファイルが図11に示されている。図11の応力プロファイルは、表1の実施例29の詳細にしたがって生じた。得られた応力プロファイルは、1137MPaのピークCS、159μmのDOC、0.199のDOC/t、169MPaのCS、91MPaのPT、および7.7μmのDOLspを有した。この応力プロファイルは、0.75MPa/μmのDOCでの応力勾配、厚さに正規化したときに18.28MPaに対応する、14.62MPa・mmの圧縮領域に亘るCS積分も特徴とする。この応力プロファイルは、NaNO、KNO、およびLiNOの75:25:0.3の質量比を有する浴中の3.75時間に亘る390℃での第1のイオン交換工程後に得られた。第2のイオン交換工程は、LiNOを添加していない、約0.5質量%のNaNOおよび99.5質量%のKNOを有する浴中の20分間の浸漬であった。LiNO含有量をわずかに増加させて(0.1質量%~0.2質量%)、または第2のイオン交換工程の時間を35分以上に延ばすことにより、もしくはNaNOをわずかに減少させ(0.5質量%から0.3~0.4質量%に)、第2の工程においてLiNOを増加させる(0から0.1~0.2質量%に)ことにより、より低いPT(80~86MPa)、より低いCS(950~1100MPa)、およびより低いCS(120~160MPa)を有する応力プロファイルが得られるであろう。ピークCSを1100MPa辺りに維持しつつ、PTおよびCSを減少させるために、LiNOの代わりにNaNOを使用することができる。
例示の応力プロファイルが図12に示されている。図12の応力プロファイルは、表1の実施例25の詳細にしたがって生じた。得られた応力プロファイルは、1146MPaのピークCS、10.8μmのDOLsp、133MPaのCS、84.4MPaのPT、および0.198のDOC/tと等しい158μmのDOCを特徴とした。圧縮領域に亘るCS積分は13.5MPa・mmであり、これは、厚さに正規化されたときに、16.9MPaと同じである。DOCでの勾配は、0.67MPa/μmであった。高いCSと組み合わされた高いDOLspは、落下事象中の著しい局部応力を生じやすい設計において高応力破壊を防ぐのに役立つ。それに加え、高いピークCSおよび高いDOLspの比較的高いCSとDOCとの組合せは、そのような環境にとって特に有益である。
実施例30-組成Bに基づくガラス物品
例示の応力プロファイルが図8に示されている。図8の応力プロファイルは、組成Bを有するガラスの0.6mm厚のシートにおいて生じた。このガラスシートを15分間に亘り580℃の温度で熱処理して、ガラスシートを三次元形状に成形した(3D成形)。次に、このガラスシートに二段階イオン交換処理を施した。このイオン交換過程の第1の工程は、2時間に亘る380℃での約38質量%のNaNOおよび約62質量%のKNOを含む塩浴中の試料の浸漬であった。そのイオン交換過程の第2の工程は、20分間に亘る370℃での約1質量%のNaNOおよび約99質量%のKNOを含む塩浴中の浸漬であった。図8に示されたような、得られた応力プロファイルは、1125MPaのピークCS、9.1μmのDOLsp、113μmのDOC、およびガラス物品の厚さのほぼ中間での70.4MPaのPTを有した。13μmから30μmの深さ領域における圧縮応力は、76MPaから71MPaに徐々に変化し、13μmから23μmの範囲においてはたった約2MPaしか変化しなかった(約0.2MPa/μmの平均勾配に相関する)。比較として、組成Aに関する図5の応力プロファイルは、ガラス物品の厚さがより小さいにもかかわらず、この領域において20MPaを超える応力値を示した。
実施例31-モデル化
ガラス物品の残留強度に対する屈曲部応力CSの影響を分析した。図13は、二次元(2D)平面歪みイオン交換(IOX)モデルを使用して拡散モデル化した応力プロファイルを与える。このモデルは、両方とも0.8mmの厚さでの、増加したCS(260MPa)を有する組成Bのガラス物品およびより低いCS(150Mpa)の組成Bの標準ガラス物品に関する有限差分モデル化に基づく。図13は、シミュレーションしたイオン交換により強化されたままの物品の深さ(マイクロメートル)に対する圧縮応力(MPa)を示す。残留強度は、亀裂先端での応力強度因子が材料の破壊靭性に到達し、亀裂が破滅的に伝搬する前の特定の深さの亀裂の存在下でガラス物品に印加できる最大曲げ応力を称する。残留強度のプロットは、機器の潜在的な落下性能に関する洞察を与える。図14は、有限要素破壊力学モデル化によりモデル化された鋭い接触損傷の導入および粗面上の同時の落下のシミュレーション破壊様式後に生じる、傷長さ(マイクロメートル)に対する残留強度(MPa)のグラフを与える。図14において、長さが約180マイクロメートル以下の傷および/または亀裂について、より大きいCSプロファイルが、曲線の下により大きい面積を有することが示されており、これは、より大きいCSプロファイルが、約180マイクロメートル以下の傷および/または亀裂の長さに関して、標準ガラス物品よりも大きい曲げ応力に対処できるであろうことを示す。
図14の残留強度プロットの変曲点は、図13の圧縮応力プロファイルにおける変曲点の深さを約20マイクロメートル越えた傷について生じる。屈曲部での圧縮の増加の大きさは、約30マイクロメートルの領域における傷に関する残留強度の増加とほぼ一対一で対応する。より高い屈曲部応力は、プロットの交差点(約180マイクロメートル)まで、より高い残留強度に対応する。理論で束縛する意図はないが、より高い屈曲部応力のプロットは、圧縮深さを越えた張力のより急激な増加のために、最長の傷についてより低い強度を有すると考えられる。標準的な組成Bのプロファイルが、高い屈曲部応力プロファイルに亘り増加した残留強度を有する領域において、印加された応力について、破損は滅多に観察されないことに留意のこと。より高い屈曲部応力プロファイルは、より高い強度を有し、これは、交差点に到達するまで減少する。
実施例32-試験およびモデル化
各々が0.6mmの厚さを有する、組成Aのガラスシート、および組成Bのガラスシートにおいて、ここに記載されるような応力プロファイルを形成した。深さ(マイクロメートル)に対する圧縮応力(MPa)の測定応力プロファイルが、図15に示されており、実施例31にしたがって生成された、関連する残留強度が、図16に示されている。組成AおよびBは、組成Aがより高い圧縮応力を有する前と、組成Bがより高い圧縮応力を有した後と同じ圧縮深さ(DOC)を示した。組成Aは、約180マイクロメートルまでの傷長さについて、より高い残留強度を示した。実施例31および32を検討すると、同じDOCを有するプロファイルについて、残留強度の交差は、屈曲部応力と関係なく、ほぼ一定であることが示される。
実施例33-試験およびモデル化
各々が0.8mmの厚さを有する、組成Aのガラスシート、および組成Bのガラスシートにおいて、ここに記載されるような応力プロファイルを形成した。深さ(マイクロメートル)に対する圧縮応力(MPa)の測定応力プロファイルが、図17に示されており、実施例31にしたがって生成された、関連する残留強度が、図18に示されている。組成Aは、中立応力点までより高い圧縮応力を有することが図17から分かる。図18に示された残留強度プロットは、このことを反映している。組成Aの強度は、プロファイル全体でより良好である。
実施例34-試験およびモデル化
図15および17に示された応力プロファイルに関する残存確率を判定し、それが図19に示されている。破壊力学モデル化および現場返品に基づく破損の理解に基づいて、破損確率を生成した。図19は、0.6mmおよび0.8mmの両方の厚さについて、圧縮応力の差(図15および17について)は、非常に大きくなくとも、累積的影響により、現場破損の理解に基づいて現場における組成Aの性能が改善されることを示すことを示す。
実施例35~57-組成Aに基づくガラス物品
ガラス物品を組成Aから形成し、下記の表4に記載された条件にしたがってイオン交換した。
Figure 0007492920000005
表4にしたがって形成されたガラス物品を、ピーク圧縮応力(CSmax)、スパイクの層の深さ(DOLsp)、屈曲部での圧縮応力(CS)、圧縮深さ(DOC)、およびピーク張力(PT)について分析した。その結果が表5にある。実施例において、CSmaxおよびDOLspは、表面応力計(FSM)により測定した。CSは、ここに引用される、本出願人の2018年6月22日に出願された米国特許出願第16/015776号明細書による方法によって測定した。応力プロファイルおよびDOCは、屈折近視野(RNF)法により測定した。PTおよび応力残留は、散乱光偏光器(SCALP)技術によって測定した。表5において、計測学の精度限界のために、CS値における潜在的なばらつきは±25MPaであり得、DOLのばらつきは約±0.2μmであり得る。
Figure 0007492920000006
実施例58~62-DOLspの増加したガラス物品
0.5mm厚のガラス物品を、組成AまたはBから形成し、下記の表6に記載された条件にしたがってイオン交換した。
Figure 0007492920000007
このイオン交換処理により与えられた特徴が、下記の表7に報告されている。
Figure 0007492920000008
実施例58(点線)および59(実線)の測定応力プロファイルが、図20に示されている。図20に示されるように、実施例58の応力プロファイルは、実施例59と比べた場合、DOLspとDOCとの間でより高い圧縮応力を含む。実施例59は、実施例58よりも、粗い花崗岩上への複数方向の落下において改善された破壊抵抗を示すことが観察された。この結果は、実施例59におけるスパイク領域のより大きい圧縮応力面積が、高まった複数方向の粗面落下性能に寄与することを示す。比較目的のために、数値積分の台形法による実施例59に関するスパイクの面積は、4μmの深さまで約2925MPa・μmであり、5μmの深さまで約3269MPa・μmであり、6μmの深さまで約3555MPa・μmであり、7μmの深さまで約3747MPa・μmであり、8μmの深さまで約3905MPa・μmであるのに対し、実施例58に関するスパイクの面積は、これらの深さの各々で4μmと10μmの間低かった。言い換えると、実施例58は、概して、等しい深さで実施例59よりも少なくとも約15%小さいスパイク面積を有し、4μmまたは5μmの深さまで、実施例59よりも少なくとも24%小さいスパイク面積を有した。実施例58は、3772MPa・μmの、上述したように計算された、スパイクの台形面積(TAsp)により特徴付けられ、実施例59は、5803MPa・μmのTAspを有した。このように、代わりのスパイク面積測定手法も、スパイク面積と複数方向の落下性能との間に相関関係を示す。それに加え、スパイク領域を越えた応力プロファイルの部分が、図20において実施例58および59の応力プロファイルを比較することによって示されるように、減少した圧縮応力値を示す場合でさえ、増加したスパイク面積に関連する恩恵が存在する。
実施例59は、約6073MPa・μmの圧縮応力積分を示し、DOCで圧縮応力積分を割ることによって計算される、69MPaの圧縮応力領域における平均圧縮応力を生じる。実施例59に関するDOCでの応力プロファイルの勾配の絶対値は、約0.6MPa/μmであり、DOCでの応力勾配の絶対値と厚さの積は、実施例59について約300MPaであった。
物品の表面から厚さの中間での、実施例60(点線)、61(一点鎖線)、および62(実線)の応力プロファイルが、図21に示されている。表面からDOCまでの、実施例60(点線)、61(一点鎖線)、および62(実線)の応力プロファイルが、図22に示されている。概要として、実施例60がベースラインと考えられる場合、実施例61は、増加した最大圧縮応力を有し、実施例62は、増加した最大圧縮応力およびDOLspを示す。実施例60~62の全ては、実施例58および59と等しいかまたはそれより良好な、粗い花崗岩上の複数方向の落下試験の性能を示し、実施例62が最良の性能を示し、実施例60が、これらの試験における実施例60~62の最小の破壊抵抗を示す。
実施例62に関するDOCでの応力プロファイルの勾配の絶対値は、約1.2MPa/μmと約1.4MPa/μmとの間であり、DOCでの応力プロファイルの勾配の絶対値と厚さとの積は、実施例62について、約600MPaと約700MPaとの間であった。
本明細書に記載された全ての組成成分、関係、および比は、特に明記のない限り、モル%で与えられている。本明細書に開示された全ての範囲は、範囲が開示された前または後に明白に述べられていようとなかろうと、広く開示された範囲により包含される任意と全ての範囲および部分的範囲を含む。
請求項の主題の精神および範囲から逸脱せずに、ここに記載された実施の形態に様々な改変および変更を行えることが、当業者に明白であろう。それゆえ、明細書は、ここに記載された様々な実施の形態の改変および変更を、そのような改変および変更が、付随の特許請求の範囲およびその等価物の範囲内に入るという前提で、包含することが意図されている。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
ガラス系物品において、
基板の厚さ(t)を規定する互いに反対の第1と第2の表面を有するガラス系基板であって、tは、0.4mm以上かつ1.3mm以下であるガラス系基板、および
応力プロファイルであって、
0.15t以上の圧縮深さ(DOC)と、
1.5MPa/マイクロメートル以下であるDOCでの応力勾配と、
4MPa・mmから20MPa・mmの範囲にある1つの圧縮領域内の応力積分の絶対値と、
を有する応力プロファイル、
を備えるガラス系物品。
実施形態2
500MPa以上のピーク圧縮応力(CS)を有する、実施形態1に記載のガラス系物品。
実施形態3
70MPa以上の屈曲部での圧縮応力(CS)を有する、実施形態1または2に記載のガラス系物品。
実施形態4
前記DOCが95マイクロメートル以上の深さに位置している、実施形態1から3のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態5
ガラス系物品において、
基板の厚さ(t)を規定する互いに反対の第1と第2の表面を有するガラス系基板、
リチウムを含む、前記ガラス系物品の中心での中央組成、および
前記ガラス系物品の表面から圧縮深さ(DOC)まで延在する圧縮応力層、
を備え、
500MPa以上のピーク圧縮応力(CS)、0.73mm以下の厚さ(t)、140MPa以上の屈曲部での圧縮応力(CS)、および0.17超のDOC/tを有するガラス系物品。
実施形態6
前記DOC/tが0.18以上である、実施形態1から5のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態7
前記ピークCSが600MPa以上である、実施形態1から6のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態8
前記ピークCSが720MPa以上である、実施形態1から7のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態9
前記ピークCSが800MPa以上である、実施形態1から8のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態10
ガラス系物品において、
基板の厚さ(t)を規定する互いに反対の第1と第2の表面を有するガラス系基板、
リチウムを含む、前記ガラス系物品の中心での中央組成、および
前記ガラス系物品の表面から圧縮深さ(DOC)まで延在する圧縮応力層、
を備え、
970MPa以上のピーク圧縮応力(CS)、90MPa以上の屈曲部での圧縮応力(CS)、および0.17以上のDOC/tを有するガラス系物品。
実施形態11
前記DOC/tが0.18以上である、実施形態10に記載のガラス系物品。
実施形態12
前記ピークCSが1020MPa以上である、実施形態10または11に記載のガラス系物品。
実施形態13
前記ピークCSが1060MPa以上である、実施形態10から12のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態14
スパイクの層の深さ(DOLsp)が0.01t以上である、実施形態10から13のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態15
スパイクの層の深さ(DOLsp)が7μm以上である、実施形態10から14のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態16
スパイクの層の深さ(DOLsp)が7.8μm以上である、実施形態10から15のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態17
前記CSが100MPa以上である、実施形態10から16のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態18
前記CSが110MPa以上である、実施形態10から17のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態19
ガラス系物品において、
基板の厚さ(t)を規定する互いに反対の第1と第2の表面を有するガラス系基板、
リチウムを含む、前記ガラス系物品の中心での中央組成、および
前記ガラス系物品の表面から圧縮深さ(DOC)まで延在する圧縮応力層、
を備え、
970MPa以上のピーク圧縮応力(CS)、80MPa以上の屈曲部での圧縮応力(CS)、0.17以上のDOC/t、および0.012t以上のスパイクの層の深さ(DOLsp)を有するガラス系物品。
実施形態20
ガラス系物品において、
基板の厚さ(t)を規定する互いに反対の第1と第2の表面を有するガラス系基板、
リチウムを含む、前記ガラス系物品の中心での中央組成、および
前記ガラス系物品の表面から圧縮深さ(DOC)まで延在する圧縮応力層、
を備え、
970MPa以上のピーク圧縮応力(CS)、50MPa以上の屈曲部での圧縮応力(CS)、0.17以上のDOC/t、および0.02t以上のスパイクの層の深さ(DOLsp)を有するガラス系物品。
実施形態21
前記DOLspが10μm以上である、実施形態19または20に記載のガラス系物品。
実施形態22
前記DOLspが10.5μm以上である、実施形態19から21のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態23
前記DOLspが11μm以上である、実施形態19から22のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態24
前記ガラス系物品のピーク中央張力(PT)が68MPa以上である、実施形態1から23のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態25
前記ガラス系物品のピーク中央張力(PT)が70MPa以上である、実施形態1から24のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態26
前記ガラス系物品のピーク中央張力(PT)が73MPa以上である、実施形態1から25のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態27
tが0.7mm以下である、実施形態1から26のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態28
tが0.65mm以下である、実施形態1から27のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態29
ガラス系物品において、
基板の厚さ(t)を規定する互いに反対の第1と第2の表面を有するガラス系基板、
リチウムを含む、前記ガラス系物品の中心での中央組成、および
前記ガラス系物品の表面から圧縮深さ(DOC)まで延在する圧縮応力層、
を備え、
前記ガラス系物品は、500MPa以上のピーク圧縮応力(CS)、0.008・t以上のスパイクの層の深さ(DOLsp)、および0.2MPa/μm以下の勾配の平均絶対値を有する低勾配領域を含む応力プロファイルを有し、該低勾配領域は、前記圧縮応力層内に位置し、少なくとも10μmに亘り延在し、該低勾配領域における平均圧縮応力は80MPa以上である、ガラス系物品。
実施形態30
前記低勾配領域における平均圧縮応力が90MPa以上である、実施形態29に記載のガラス系物品。
実施形態31
前記低勾配領域における平均圧縮応力が100MPa以上である、実施形態29または30に記載のガラス系物品。
実施形態32
前記低勾配領域における勾配の平均絶対値が0.25MPa/μm以下である、実施形態29から31のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態33
前記低勾配領域が、0.01t以上の深さで始まる、実施形態29から32のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態34
前記低勾配領域が、0.012t以上の深さで始まる、実施形態29から33のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態35
前記低勾配領域が、0.015t以上の深さで始まる、実施形態29から34のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態36
前記低勾配領域が、0.02t以下の深さまで延在する、実施形態29から35のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態37
前記低勾配領域が、0.15t以下の深さまで延在する、実施形態29から34のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態38
前記低勾配領域が、0.12t以下の深さまで延在する、実施形態29から37のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態39
前記低勾配領域が、0.1t以下の深さまで延在する、実施形態29から38のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態40
前記低勾配領域が、0.09t以下の深さまで延在する、実施形態29から39のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態41
前記ピークCSが600MPa以上である、実施形態29から40のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態42
前記ピークCSが700MPa以上である、実施形態29から41のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態43
前記ピークCSが750MPa以上である、実施形態29から42のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態44
ガラス系物品において、
基板の厚さ(t)を規定する互いに反対の第1と第2の表面を有するガラス系基板、
リチウムを含む、前記ガラス系物品の中心での中央組成、および
前記ガラス系物品の表面から圧縮深さ(DOC)まで延在する圧縮応力層、
を備え、
前記ガラス系物品は、500MPa以上のピーク圧縮応力(CS)、0.008t以上のスパイクの層の深さ(DOLsp)、および深さの関数としての応力の二次導関数が負である負の曲率領域を含む応力プロファイルを有し、該負の曲率領域は前記圧縮応力層内に位置し、該負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値が0.003MPa/μm以上である、ガラス系物品。
実施形態45
前記負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値が0.005MPa/μm以上である、実施形態44に記載のガラス系物品。
実施形態46
前記負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値が0.007MPa/μm以上である、実施形態44または45に記載のガラス系物品。
実施形態47
前記負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値が0.009MPa/μm以上である、実施形態44から46のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態48
前記厚さtと、前記負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値との積が、19GPa以上である、実施形態44から47のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態49
前記厚さtと、前記負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値との積が、32GPa以上である、実施形態44から48のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態50
前記厚さtと、前記負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値との積が、45GPa以上である、実施形態44から49のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態51
前記厚さtと、前記負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値との積が、57GPa以上である、実施形態44から50のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態52
前記負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値が、0.01t以上の深さで生じる、実施形態44から51のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態53
前記負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値が、0.012t以上の深さで生じる、実施形態44から52のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態54
前記負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値が、0.015t以上の深さで生じる、実施形態44から53のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態55
前記負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値が、0.02t以上の深さで生じる、実施形態44から54のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態56
前記負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値が、0.04t以上の深さで生じる、実施形態44から55のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態57
前記負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値が、0.05t以上の深さで生じる、実施形態44から56のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態58
前記負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値が、0.06t以上の深さで生じる、実施形態44から57のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態59
前記負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値が、0.07t以上の深さで生じる、実施形態44から58のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態60
前記負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値が、0.2t以下の深さで生じる、実施形態44から59のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態61
前記負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値が、0.17t以下の深さで生じる、実施形態44から60のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態62
前記負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値が、0.14t以下の深さで生じる、実施形態44から61のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態63
前記負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値が、0.11t以下の深さで生じる、実施形態44から62のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態64
前記負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値が、0.1t以下の深さで生じる、実施形態44から63のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態65
前記ピークCSが600MPa以上である、実施形態44から64のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態66
前記ピークCSが700MPa以上である、実施形態44から65のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態67
前記ピークCSが750MPa以上である、実施形態44から66のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態68
前記ガラス系物品の中心でのNaOのモル濃度に対するLiOのモル濃度の比が2.0以下である、実施形態1から67のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態69
前記ガラス系物品の中心でのNaOのモル濃度に対するLiOのモル濃度の比が1.9以下である、実施形態1から68のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態70
前記ガラス系物品の中心でのNaOのモル濃度に対するLiOのモル濃度の比が1.8以下である、実施形態1から69のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態71
前記ガラス系物品の中心でのNaOのモル濃度に対するLiOのモル濃度の比が1.6以下である、実施形態1から70のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態72
前記ガラス系物品の中心でのNaOのモル濃度に対するLiOのモル濃度の比が1.4以下である、実施形態1から71のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態73
前記ガラス系物品の中心でのLiO濃度が12モル%以下である、実施形態1から72のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態74
前記ガラス系物品の中心でのLiO濃度が11モル%以下である、実施形態1から73のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態75
前記ガラス系物品の中心でのLiO濃度が10モル%以下である、実施形態1から74のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態76
前記ガラス系物品の中心でのLiO濃度が9.5モル%以下である、実施形態1から75のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態77
前記ガラス系物品の中心でのLiO濃度が9モル%以下である、実施形態1から76のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態78
前記ガラス系物品の中心でのLiO濃度が8.5モル%以下である、実施形態1から77のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態79
前記ガラス系物品の中心でのLiO濃度が8モル%以下である、実施形態1から78のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態80
前記中央組成を有するガラスの破壊靭性が、0.7MPa・√m以上である、実施形態1から79のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態81
前記中央組成を有するガラスの破壊靭性が、0.75MPa・√m以上である、実施形態1から80のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態82
前記中央組成を有するガラスの破壊靭性が、0.77MPa・√m以上である、実施形態1から81のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態83
前記中央組成を有するガラスの破壊靭性が、1.3MPa・√m以下である、実施形態1から82のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態84
前記中央組成を有するガラスの破壊靭性が、1.2MPa・√m以下である、実施形態1から83のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態85
前記中央組成を有するガラスの破壊靭性が、1.1MPa・√m以下である、実施形態1から84のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態86
前記中央組成を有するガラスの破壊靭性が、0.95MPa・√m以下である、実施形態1から85のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態87
前記中央組成を有するガラスの破壊靭性が、0.9MPa・√m以下である、実施形態1から86のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態88
ガラス系物品において、
基板の厚さ(t)を規定する互いに反対の第1と第2の表面を有するガラス系基板、
リチウムおよびナトリウムを含み、LiO/NaOのモル比が0.65以上かつ1.2以下である、前記ガラス系物品の中心での中央組成、および
0.7MPa・√m以上から1.3MPa・√m以下の範囲にある前記中央組成に対応する破壊靭性、
を備えるガラス系物品。
実施形態89
前記ガラス系物品の表面から、0.17t以上である圧縮深さ(DOC)まで延在する圧縮応力層を含む、実施形態88に記載のガラス系物品。
実施形態90
500MPa以上から1200MPaの範囲にあるピーク圧縮応力(CS)を有する、実施形態88または89に記載のガラス系物品。
実施形態91
80MPa以上から160MPaの範囲にある屈曲部での圧縮応力(CS)を有する、実施形態88から90のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態92
68MPa以上のピーク張力(PT)を有する、実施形態88から91のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態93
スパイクの層の深さ(DOLsp)が0.007t超である、実施形態88から92のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態94
深さの関数としての応力の二次導関数が負である負の曲率領域であって、圧縮応力層内に位置している負の曲率領域、および0.003MPa/μm以上である前記負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値を含む応力プロファイルを有する、実施形態88から93のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態95
前記中央組成のLiO濃度が8.5モル%以下である、実施形態88から94のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態96
tが0.5mmから0.8mmの範囲にある、実施形態88から95のいずれか1つに記載のガラス系物品。
実施形態97
ガラス系物品において、
基板の厚さ(t)を規定する互いに反対の第1と第2の表面を有するガラス系基板、
リチウムを含み、LiO/NaOのモル比が0.65以上かつ1.2以下である、前記ガラス系物品の中心での中央組成、および
深さの関数としての応力の二次導関数が負である負の曲率領域であって、圧縮応力層内に位置している負の曲率領域、および0.003MPa/μm以上である前記負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値を含む応力プロファイル、
を備えるガラス系物品。
実施形態98
以下:
前記ガラス系物品の表面から、0.17t以上である圧縮深さ(DOC)まで延在する圧縮応力層、
500MPaから1200MPaの範囲にあるピーク圧縮応力(CS)、
80MPaから160MPaの範囲にある屈曲部での圧縮応力(CS)、
68MPa以上のピーク張力(PT)、
0.007t以上のスパイクの層の深さ(DOLsp)、
8.5モル%以下の前記中央組成のLiO濃度、および
0.5mmから0.8mmの範囲のt、
の内の1つ以上を有する、実施形態97に記載のガラス系物品。
実施形態99
家庭用電気製品において、
前面、背面および側面を有する筐体と、
前記筐体内に少なくとも部分的に設けられた電気部品であって、少なくとも制御装置、メモリ、およびディスプレイを含み、該ディスプレイは該筐体の前面またはそれに隣接して設けられている、電気部品と、
前記ディスプレイ上に配置されたカバーと、
を備え、
前記筐体および前記カバーの少なくとも一方の少なくとも一部は、実施形態1から98の内の1つに記載のガラス系物品から作られている、家庭用電気製品。
実施形態100
1つ以上の硬質表面上にガラス系物品が何回も落とされた後の残存確率を増加させる方法において、
基板の厚さ(t)を規定する互いに反対の第1と第2の表面を有するガラス系基板にイオン交換処理を施して、屈曲部を含む応力プロファイルを有するガラス系物品を形成する工程であって、該ガラス系物品が、
リチウムを含み、LiO/NaOのモル比が0.65以上かつ1.2以下である、前記ガラス系物品の中心での中央組成、
アルカリ金属酸化物に関して前記第1の表面から層の深さ(DOL)まで変化する非ゼロ濃度を有するアルカリ金属酸化物、および
0.7MPa・√m以上から1.3MPa・√m以下の範囲にある前記中央組成に対応する破壊靭性、
を備える、工程、
を有してなる方法。
実施形態101
前記ガラス系物品が、該ガラス系物品の表面から0.17t以上の圧縮深さ(DOC)まで延在する圧縮応力層を含む、実施形態100に記載の方法。
実施形態102
前記ガラス系物品が、500MPa以上から1200MPaの範囲にあるピーク圧縮応力(CS)を有する、実施形態100または101に記載の方法。
実施形態103
前記ガラス系物品が、80MPa以上から160MPaの範囲にある前記屈曲部での圧縮応力(CS)を有する、実施形態100から102のいずれか1つに記載の方法。
実施形態104
前記ガラス系物品が、68MPa以上のピーク張力(PT)を有する、実施形態100から103のいずれか1つに記載の方法。
実施形態105
前記ガラス系物品のDOLが0.007t超である、実施形態100から104のいずれか1つに記載の方法。
実施形態106
前記応力プロファイルが、深さの関数としての応力の二次導関数が負である負の曲率領域であって、圧縮応力層内に位置している負の曲率領域、および0.003MPa/μm以上である該負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値を含む、実施形態100から105のいずれか1つに記載の方法。
実施形態107
前記中央組成のLiO濃度が8.5モル%以下である、実施形態100から106のいずれか1つに記載の方法。
実施形態108
前記中央組成が、1.2以下のLiO/NaOモル比を有する、実施形態100から107のいずれか1つに記載の方法。
実施形態109
tが0.5mmから0.8mmの範囲にある、実施形態100から108のいずれか1つに記載の方法。
実施形態110
実施形態100から109のいずれか1つに記載の方法により製造されるガラス系物品。
100 ガラス
110 第1の表面
112 第2の表面
120 第1の圧縮応力層
122 第2の圧縮応力層
130 中央領域
200 家庭用電子機器
202 筐体
204 前面
206 背面
208 側面
210 ディスプレイ

Claims (18)

  1. ガラス系物品において、
    基板の厚さ(t)を規定する互いに反対の第1と第2の表面を有するガラス系基板、
    リチウムおよびナトリウムを含み、LiO/NaOのモル比が0.65以上かつ1.2以下である、前記ガラス系物品の中心での中央組成、
    0.7MPa・√m以上から1.3MPa・√m以下の範囲にある前記中央組成に対応する破壊靭性、および、
    82MPa以上のピーク張力(PT)、
    を備えるガラス系物品。
  2. 前記ガラス系物品の表面から、0.17t以上である圧縮深さ(DOC)まで延在する圧縮応力層を含む、請求項1記載のガラス系物品。
  3. 500MPa以上から1200MPaの範囲にあるピーク圧縮応力(CS)を有する、請求項1または2記載のガラス系物品。
  4. 80MPa以上から160MPaの範囲にある屈曲部での圧縮応力(CS)を有する、請求項1から3いずれか1項記載のガラス系物品。
  5. スパイクの層の深さ(DOLsp)が0.007t超である、請求項1からいずれか1項記載のガラス系物品。
  6. 深さの関数としての応力の二次導関数が負である負の曲率領域であって、圧縮応力層内に位置している負の曲率領域、および0.003MPa/μm以上である前記負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値を含む応力プロファイルを有する、請求項1からいずれか1項記載のガラス系物品。
  7. 前記中央組成のLiO濃度が8.5モル%以下である、請求項1からいずれか1項記載のガラス系物品。
  8. tが0.5mmから0.8mmの範囲にある、請求項1からいずれか1項記載のガラス系物品。
  9. 家庭用電気製品において、
    前面、背面および側面を有する筐体と、
    前記筐体内に少なくとも部分的に設けられた電気部品であって、少なくとも制御装置、メモリ、およびディスプレイを含み、該ディスプレイは該筐体の前面またはそれに隣接して設けられている、電気部品と、
    前記ディスプレイ上に配置されたカバーと、
    を備え、
    前記筐体および前記カバーの少なくとも一方の少なくとも一部は、請求項1からいずれか1記載のガラス系物品から作られている、家庭用電気製品。
  10. 1つ以上の硬質表面上にガラス系物品が何回も落とされた後の残存確率を増加させる方法において、
    基板の厚さ(t)を規定する互いに反対の第1と第2の表面を有するガラス系基板にイオン交換処理を施して、屈曲部を含む応力プロファイルを有するガラス系物品を形成する工程であって、該ガラス系物品が、
    リチウムを含み、LiO/NaOのモル比が0.65以上かつ1.2以下である、前記ガラス系物品の中心での中央組成、
    アルカリ金属酸化物に関して前記第1の表面から層の深さ(DOL)まで変化する非ゼロ濃度を有するアルカリ金属酸化物、
    0.7MPa・√m以上から1.3MPa・√m以下の範囲にある前記中央組成に対応する破壊靭性、および、
    82MPa以上のピーク張力(PT)、
    を備える、工程、
    を有してなる方法。
  11. 前記ガラス系物品が、該ガラス系物品の表面から0.17t以上の圧縮深さ(DOC)まで延在する圧縮応力層を含む、請求項10記載の方法。
  12. 前記ガラス系物品が、500MPa以上から1200MPaの範囲にあるピーク圧縮応力(CS)を有する、請求項10または11記載の方法。
  13. 前記ガラス系物品が、80MPa以上から160MPaの範囲にある前記屈曲部での圧縮応力(CS)を有する、請求項10から12いずれか1項記載の方法。
  14. 前記ガラス系物品のDOLが0.007t超である、請求項10から13いずれか1項記載の方法。
  15. 前記応力プロファイルが、深さの関数としての応力の二次導関数が負である負の曲率領域であって、圧縮応力層内に位置している負の曲率領域、および0.003MPa/μm以上である該負の曲率領域における二次導関数の最大絶対値を含む、請求項10から14いずれか1項記載の方法。
  16. 前記中央組成のLiO濃度が8.5モル%以下である、請求項10から15いずれか1項記載の方法。
  17. 前記中央組成が、0.9以上かつ1以下のLiO/NaOモル比を有する、請求項10から16いずれか1項記載の方法。
  18. tが0.5mmから0.8mmの範囲にある、請求項10から17いずれか1項記載の方法。
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