JP7491239B2 - 真空ポンプおよび真空ポンプ制御方法 - Google Patents

真空ポンプおよび真空ポンプ制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、真空ポンプおよび真空ポンプ制御方法に関する。
ターボ分子ポンプは種々の半導体製造装置の排気ポンプとして使用されるが、エッチングプロセス等において排気を行うと、反応生成物がポンプ内部に堆積する。そのため、ターボ分子ポンプを一定期間使用したならば、ポンプ内を洗浄して堆積物を除去するメンテナンス作業を行うのが一般的である。
特開2020-20272号公報
しかしながら、ポンプ内に反応生成物が堆積すると、ターボ分子ポンプの排気性能が低下する(例えば、特許文献1参照)。ターボ分子ポンプの排気性能低下は発生はプロセス環境の変化の要因となるので、安定したプロセスを保証できなくなる可能性があった。
本発明の第1の態様による真空ポンプは、ポンプロータと、前記ポンプロータを設定目標回転数で回転駆動するモータと、ポンプ内における生成物の堆積量を推定する推定部と、前記推定した堆積量に応じて、堆積量が増加するほど前記設定目標回転数が大となるよう、前記設定目標回転数を変更する設定目標回転数変更部と、を備える。
本発明の第2の態様による真空ポンプ制御方法は、モータによりポンプロータを設定目標回転数で駆動する真空ポンプ制御方法であって、ポンプ内における生成物の堆積量を推定し、前記推定した堆積量に応じて、堆積量が増加するほど前記設定目標回転数が大となるよう、前記設定目標回転数を変更する。
本発明によれば、排気速度への生成物堆積の影響を抑制することができる。
図1は本発明の真空ポンプの一実施の形態を示す図であり、ターボ分子ポンプの概略構成を示す。 図2は、コントローラの一例を説明するブロック図である。 図3は、プロセス処理とモータ電流値との関係を説明する図である。 図4は、推定処理の一例を示すフローチャートである。 図5は、相関関係Mk=Fk(N,Im)および相関関係Nt=G(M)を説明する図である。 図6は、変形例1における推定処理の一例を示すフローチャートである。 図7は、変形例2を説明するブロック図である。 図8は、変形例2における推定処理の一例を示すフローチャートである。
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。図1は本発明の真空ポンプの一実施の形態を示す図であり、ターボ分子ポンプの概略構成を示す。真空ポンプ1は、真空排気を行うポンプ本体1aと、ポンプ本体1aを駆動制御すコントローラ1bとを備えている。ポンプ本体1aは、回転翼21と固定翼31とで構成されるターボポンプ段と、回転円筒部22とステータ32とで構成されるネジ溝ポンプ段とを有している。ネジ溝ポンプ段においては、ステータ32または回転円筒部22にネジ溝が形成されている。回転翼21および回転円筒部22はポンプロータ2aに形成されている。ポンプロータ2aはシャフト2bに締結されている。ポンプロータ2aとシャフト2bとによって回転体ユニット2が構成される。
軸方向に配置された複数段の回転翼21に対して、複数段の固定翼31が交互に配置されている。各固定翼31は、スペーサリング33を介してベース3上に載置される。ポンプケーシング30をベース3にボルト固定すると、積層されたスペーサリング33がベース3とポンプケーシング30の係止部30aとの間に挟持され、固定翼31が位置決めされる。
シャフト2bは、ベース3に設けられた磁気軸受34,35,36によって非接触支持される。詳細な図示は省略したが、各磁気軸受34~36は電磁石と変位センサとを備えている。変位センサによりシャフト2bの浮上位置の変位が検出される。シャフト2bはモータ10により回転駆動される。シャフト2bの回転状態(回転数または回転速度)は、回転センサ38により検出される。モータ10は、ベース3に設けられたモータステータ10aと、シャフト2bに設けられたモータロータ10bとから成る。磁気軸受が動作していない時には、シャフト2bは非常用のメカニカルベアリング37a,37bによって支持される。
図2は、コントローラ1bの一例を説明するブロック図である。ポンプ本体1aはコントローラ1bによって駆動制御される。上述したように、ポンプ本体1には磁気軸受34~36、モータ10および回転センサ38が設けられている。コントローラ1bは、CPUやFPGAなどの演算処理装置を備える。演算処理装置は、軸受制御部100、モータ制御部101、推定部102として機能する。軸受制御部100は、軸受電流を磁気軸受34~36に供給する。モータ制御部101は、回転センサ38で検出された回転情報に基づいて、ロータ回転数が所定の目標回転数(以下では、設定目標回転数Nsと呼ぶ。)となるように、インバータ104を制御してモータ10にモータ電流を供給する。電流センサ105はモータ電流値Imを検出し、その検出結果は推定部102に入力される。なお、電流センサ105でモータ電流値を検出する代わりに、インバータ104のPWM信号のデューティ比(指令値)から電流値を算出するようにしても良い。
推定部102は計時機能を備え、後述する累積運転時間に基づいて、ポンプ内の生成物の堆積量Mを推定し、堆積量Mに基づく目標回転数Nt(後述する定格排気速度Sp0が達成可能な推奨回転数)を設定目標回転数Nsとしてモータ制御部101へ入力する。推定部102は、推定結果に基づく警報信号Saを生成する。警報信号Saは、コントローラ1bから外部に出力される。記憶部103には、真空ポンプ1を駆動制御するためのプログラム、堆積物の堆積量Mを推定するためのプログラムなどや、ポンプ制御および堆積物推定に必要なデータが記憶される。例えば、設定目標回転数Ns、および、設定目標回転数の初期値としての定格回転数N0がそれぞれ記憶される。設定目標回転数Nsは後述するように堆積量Mに応じて変更される。記憶部103に記憶された設定目標回転数Nsは、コントローラ1bに設けられた初期化部106を、例えばオペレータが操作することで、初期値である定格回転数N0にリセットされる。
(生成物堆積量の推定方法)
従来の真空ポンプの場合、ポンプ回転数は一定の定格回転数N0に制御されており、前述したように、ポンプ内に生成物が堆積すると排気速度が低下する。すなわち、堆積量Mがゼロの時の排気速度を定格排気速度Sp0とした場合、堆積量M(≠0)のときの排気速度は定格排気速度Sp0よりも小さくなる。本実施の形態では、堆積量Mを推定し、堆積量Mに応じた分だけ設定目標回転数Nsを増加させることで、排気速度を定格排気速度Sp0に維持するようにした。以下では、累積運転時間に基づいて堆積量を推定する場合について説明する。
(累積運転時間)
推定部102は、計時機能により計測される累積運転時間に基づいて、ポンプ内の生成物堆積量を推定する。真空ポンプ1は、半導体製造装置のプロセスチャンバに装着される。プロセスチャンバに搬入された基板に対するプロセス処理は1種類とは限らず、複数のプロセス処理が行われる場合がある。例えば、図3に示すように、搬入された基板に対してA,B,Cの3種類の処理を順に行う場合がある。図3は、プロセス処理A,B,Cが行われる場合のモータ電流値Imの時間的変化を模式的に示したものである。Winは基板が搬入されるタイミングを示し、Woutは基板が搬出されるタイミングを示す。
なお、複数のプロセス処理はレシピとして各種設定され、真空処理に応じたレシピを呼び出して真空処理が実施される。
各プロセス処理A,B,Cは、ガスの種類、ガス流入量、処理圧力、処理時間がそれぞれ異なっているためポンプ負荷がそれぞれ異なり、モータ電流値Ima、Imb、Imcもそれぞれ異なる。ガス流入量および処理圧力が安定するとモータ電流値Imも一定の値に安定し、その安定状態(符号A,B,Cで示す期間)においてプロセス処理が行われる。プロセス処理と次のプロセス処理との間の期間においては処理ガスの流入が停止され、チャンバ内圧力が低下する。そのため、この期間においてはモータ電流値Imがプロセス中のモータ電流値Ima、Imb、Imcよりも低下する。ポンプ内における生成物の堆積のほとんどは、プロセス処理A,B,Cが行われているときに生じる。
累積運転時間の算出方法としては、単純に、回転開始指令が入力されるポンプスタートから回転停止指令が入力されるポンプストップまでの時間を累積したものを、累積運転時間とする第1の方法がある。第2の方法としては、モータ電流値Imが図3の閾値Ith以上である時間を累積したものを累積運転時間とする方法がある。第2の方法の場合には、生成物堆積が少ないガス流入停止期間を累積運転時間から除外することができる。なお、プロセスチャンバの圧力変化も、図3のモータ電流値の場合と同様の変化を示す。従って、真空ポンプ1にチャンバ圧力データが入力されるような構成の場合には、チャンバ圧力が所定閾値以上である時間を累積したものを累積運転時間としても良い。
累積運転時間から生成物堆積量を推定するためには、所定時間における堆積量データが必要である。例えば、図3のように複数のプロセス処理A,B,Cが行われる場合、各プロセス処理における堆積速度が異なる。そこで、本実施の形態では、真空ポンプが装着されたプロセスチャンバに基板が搬入(Win)されてから、プロセス処理A,B,Cの後に基板がプロセスチャンバから搬出(Wout)されるまでの時間ΔTと、その時間ΔTにおける堆積増加量ΔMとを、運転時間と堆積量との関係を表すデータとして記憶部103に記憶しておく。真空ポンプ1の累積運転時間をTとすると、累積運転時間Tにおける堆積量Mは、次式(1)により算出される。
M=(T/ΔT)×ΔM …(1)
プロセス条件はユーザに応じて異なるので、ポンプが装着される装置のプロセス条件における運転時間と堆積量との関係を表すデータ(ΔT、ΔM)を予め取得し、記憶部103に記憶しておく。換言すると、レシピごとに運転時間と堆積量との関係を表すデータ(ΔT、ΔM)が記憶される。また、記憶部103には、堆積量Mと排気速度Spとの相関関係を表す相関データまたは相関関数も記憶されている。堆積量Mと排気速度Spとの相関関係としては、例えば、堆積量Mとその堆積量Mの時に定格排気速度Sp0を満足する目標回転数Ntとの相関関係Nt=G(M)である。この相関関係Nt=G(M)を、実験等により予め取得しておき、記憶部103に記憶させておく。
図4は、推定部102における推定処理の一例を示すフローチャートである。推定部102は、回転開始指令が入力されると推定処理を開始し、所定時間間隔で堆積量Mを推定する。ステップS10では、運転開始または前回の推定から所定時間間隔が経過したか否かを判定する。ステップS10で所定時間間隔が経過したと判定されると、ステップS20へ進んで、上述した累積運転時間Tを算出する。ステップS30では、算出した累積運転時間Tに基づいて、上述した式(1)によりに堆積量Mを算出する。
M=(T/ΔT)×ΔM …(1)
ステップS40では、算出された堆積量Mと記憶部103に記憶されている相関関係Nt=G(M)とから、目標回転数Ntを算出する。ステップS50では、算出された目標回転数Ntが、真空ポンプ1の上限回転数Nuより大きいか否かを判定する。ステップS50でNt>Nuと判定されると、ステップS60に進んで設定目標回転数Nsを上限回転数Nuに変更する。上限回転数Nuは、予め記憶部103に記憶されている。その後、ステップS70において、真空ポンプの設定目標回転数Nsが上限回転数Nuに達したことを報知する警報信号をコントローラ1bの外部へ出力する。
一方、ステップS50でNt>Nuでないと判定された場合には、ステップS65へ進んで、モータ制御部101における設定目標回転数Nsを算出された目標回転数Ntに変更し、その後、ステップS80へ進む。なお、M=0である運転開始時の設定目標回転数Nsは、ポンプ仕様の定格回転数N0である。定格回転数N0は予め記憶部103に記憶されている。記憶部103には、定格回転数N0とは別に、設定目標回転数Nsの記憶領域が設けられていて、真空ポンプの初期状態においては定格回転数N0が格納されている。設定目標回転数Nsとして目標回転数Ntが設定されると、設定目標回転数Nsの記憶領域のデータがその目標回転数Ntで書き換えられる。
ステップS80では、堆積量Mが上限値Mu以上か否かを判定し、M≧Muの場合にはステップS90へ進み、M≧Muでない場合にはステップS10へ戻る。ステップS90では、堆積量Mが上限値Muに達したことを報知する警報信号をコントローラ1bの外部へ出力する。なお、設定目標回転数Nsの記憶領域のデータは、堆積物除去のメンテナンス後に初期値(定格回転数N0)にリセットされる。
上述したように、本実施の形態では、堆積量Mが増加した場合でも、真空ポンプ1の排気速度Spが定格排気速度Sp0に維持されるように、堆積量Mの増加に応じて設定目標回転数Ntを変更するようにしている。その結果、生成物の堆積量Mの影響を受けることなく、安定したプロセス処理を保証することができる。
なお、上述した実施の形態では、堆積量Mを式(1)により算出したが、複数のプロセス処理はレシピに応じて、累積時間Tと堆積量Mとの相関関係M=H(T)を予め記憶しておき、この相関関係M=H(T)に累積時間Tを代入して堆積量Mを推定しても良い。
(変形例1)
上述した実施の形態では、生成物の堆積量の指標として、ポンプ運転状態を示す運転状態量の一つである累積運転時間を用いる場合について説明した。堆積量の指標として使用できる運転状態量としては種々の量が考えられ、例えば、モータ電流値やモータ電力値(例えば、特開2020-20272号公報参照)、ポンプ背圧(例えば、特開2020-176555号公報参照)、ロータ振れ回り量(例えば、特開2017-166458号公報参照)などがある。いずれの運転状態量も、生成物の堆積量の変化に応じて変化する。変形例1では、運転状態量としてモータ電流値を用いる場合について説明する。変形例1では、図2に示した推定部102は、検出されたモータ電流値Imに基づいて堆積量Mを推定し、その堆積量Mに基づいて目標回転数Ntを算出する。目標回転数Ntはモータ制御部101へ入力される。
モータ電流値により堆積量を推定する方法の場合、原理的には、堆積量Mとモータ電流値Imおよびポンプ回転数Nとの間の相関関係M=F(N,Im)を表す関数Fが、任意の堆積量Mに関して予め得られていれば、計測されたモータ電流値Imおよびポンプ回転数Nから堆積量Mを算出することができる。そして、上述した相関関係Nt=G(M)と算出された堆積量Mとに基づいて、目標回転数Ntが算出できる。
しかし、任意の堆積量Mに関してM=F(N,Im)を予め取得しておくのは難しく、現実的ではないので、変形例1では、複数の堆積量Mk(k=0,1,2,・・・,n)に関して、Mk=Fk(N,Im)のような関数Fkを予め取得しておき、複数の相関関係Mk=Fk(N,Im)を記憶部103に記憶しておく。なお、複数の相関関係Mk=Fk(N,Im)には、堆積量Mの上限値Muに関するMu=Fu(N,Im)が含まれる。また、上述した堆積量Mと目標回転数Ntとの相関関係Nt=G(M)も、記憶部103に記憶しておく。
図5は、相関関係Mk=Fk(N,Im)および相関関係Nt=G(M)を説明する図である。横軸は回転数Nまたは目標回転数Ntで、縦軸はモータ電流値Imである。ラインL0,L1,L2,L3は、それぞれk=0,1,2,3の場合の相関関係Mk=Fk(N,Im)を表しており、Mk=Fk(N,Im)を満足する回転数Nとモータ電流値Imとの関係を示している。ラインL0は堆積量Mがゼロ(M0=0)の場合であり、定格回転数N0におおけるモータ電流値はIm00になる。堆積量M1(>0)の場合には、回転数Nとモータ電流値Imとの関係はラインL1のようになっており、堆積量M2(>M1)の場合には、回転数Nとモータ電流値Imとの関係はラインL2のようになっている。ラインL3は、堆積量Mが上限値Mu(=M3>M2)の場合の相関関係である。
ラインL10は、堆積量Mと、堆積量Mのときに定格排気速度Sp0が達成可能な目標回転数Ntとの相関関係Nt=G(M)を表している。ラインL10は、ポンプ状態(N0,Im00,M0)である点a0においてラインL0と交差し、ポンプ状態(N1,Im11,M1)である点a1においてラインL1と交差し、ポンプ状態(N2,Im22,M2)である点a2においてラインL2と交差する。すなわち、ラインL10は、堆積量M0=0における目標回転数NtはN0で、堆積量M1=0における目標回転数NtはN1で、堆積量M2=0における目標回転数NtはN2であることを表している。
交点a0におけるポンプ状態(N0,Im00,M0)からポンプ運転を開始した場合、プロセス処理が行われることによって堆積量Mが増加し、それに伴ってモータ電流値Imも増加することになり、M=M1となったときにIm=Im10となる。同様に、ポンプ状態が交点a1の状態(M1,N1,Im11)であった場合に、堆積量MがM1からM2へと増加するとモータ電流ImがIm11からIm21へと増加し、ポンプ状態(M2,N2,Im21)へと変化する。Im(k+1)kは、Mk+1=Fk+1(N,Im)にNkを代入して算出されるImであり、例えば、ラインL1を表すM1=F1(N,Im)にN0を代入することで、Im10が算出される。
なお、図5に示す例では、堆積量Mが上限値Muに達するよりも前に、設定目標回転数Nsが上限値Nuに達する場合を示したが、上限値Muに関する相関関係Mk=Fk(N,Im)が二点鎖線で示すようなラインである場合には、設定目標回転数Nsが上限値Nuに達する前に堆積量Mが上限値Muに達することになる。
図6は、変形例1における推定処理の一例を示すフローチャートである。以下では、図5を参照しつつ説明する。コントローラ1bに回転開始を指示するスタート信号が入力されると、推定部102において図6の処理が開始される。図5の点a0が、運転開始時のポンプ状態(N,Im,M)=(N0,Im00,M0)を表している。
(ステップS100~ステップS150)
ステップS100では、k=0と設定する。ステップS110では、現在の設定目標回転数Ns(=Nk)を相関関係Mk+1=Fk+1(N,Im)のNに代入して、現在のkに対するモータ電流値Im(k+1)kを算出する。ステップS120では、堆積量Mが上限値Muである相関関係Mk=Fk(N,Im)に、現在の設定目標回転数Ns(=Nk)を代入して、設定目標回転数Nsにおける堆積量Mの上限値Muに対応するモータ電流値Imukを算出する。ステップS130では、モータ電流値Imを計測する。
ステップS140では、ステップS120で算出されたモータ電流値ImukとステップS130で計測されたモータ電流値Imとを比較し、Im≧Imukか否かを判定する。ステップS140でIm≧Imukと判定された場合には、ステップS220へ進んで、堆積量Mが上限値Muに達したことを報知する警報信号をコントローラ1bの外部へ出力する。一方、ステップS140でIm≧Imukでない(すなわちIm<Imus)と判定された場合には、ステップS150へ進む。ステップS150では、計測されたモータ電流値ImとステップS110で算出されたモータ電流値Im(k+1)kとを比較して、Im≧Im(k+1)kか否かを判定する。ステップS150においてIm≧Im(k+1)kと判定されるとステップS160へ進み、Im≧Im(k+1)kでないと判定されるとステップS110へ戻る。
図5を参照して、ステップS110からステップS150までの処理を具体的に説明する。運転開始時のポンプ状態は、図5の点a0のポンプ状態(N0,Im00,M0)である。運転開始時の設定目標回転数Nsは定格回転数N0であり、ステップS110では、定格回転数N0を相関関係M1=F1(N,Im)のNに代入して、図5の点b1におけるモータ電流値Im10を算出する。ステップS120では、堆積量Mが上限値Mu(=M3)である相関関係M3=F3(N,Im)に、現在の設定目標回転数Ns(=N0)を代入して、回転数N0における堆積量Mの上限値Muに対応するモータ電流値Imu0、すなわち、点c0におけるモータ電流値Imu0を算出する。
ステップS140ではIm≧Imu0か否かを判定する。図5に示す例では、運転開始直後はIm<Imu0なのでステップS150へ進む。k=0の場合、ステップS150においてIm≧Im10か否かが判定されるが、運転開始直後はM=M0=0なので計測されるモータ電流値ImはIm10よりも小さく、ステップS150でnoと判定される。そして、モータ電流値Imが点b1における電流値Im10に達するまでは、ステップS110からステップS150までの処理が繰り返される。プロセスガスの排気により堆積量Mが増加すると、モータ電流値Imが図5の点a0における電流値Im00から増加し、モータ電流値Imが点b1における電流値Im10に達すると、ステップS150でIm≧Im10と判定される。すなわち、ステップS150の処理は、計測されるモータ電流値Imに基づいて、堆積量MがMkからMk+1まで増加したか否かを判定する処理である、と言い換えることができる。ポンプ状態が点b1のポンプ状態に達すると、ステップS150からステップS160へ進む。
(ステップS160~ステップS220)
ステップS160では、現在のポンプ状態(N,Im,M)を表す点(Nk,Im(k+1)k,Mk)が乗っているラインLk+1とラインL10との交点に関して、交点における目標回転数Nt(=Nk+1)が、真空ポンプ1の上限回転数Nuより大きいか否かを判定する。ステップS160でNk+1>Nuと判定された場合には、ステップS170へ進む。一方、ステップS160でNt>Nuでないと判定された場合には、ステップS162へ進んで設定目標回転数NsをNkからNk+1に変更し、ステップS164でkの値を1だけ増加させて、ステップS110へ戻る。ステップS162で設定目標回転数NsがNkからNk+1に変更されると、回転数Nが現在のNkからNk+1へと増加するように制御される。
ステップS160においてNk+1>Nuと判定されてステップS170へ進んだ場合には、ステップS170において、設定目標回転数Nsを上限回転数Nuに変更する。その結果、真空ポンプ1の回転数Nは上限回転数Nuに制御される。ステップS180では、真空ポンプ1の設定目標回転数Nsが上限回転数Nuに達したことを報知する警報信号を、コントローラ1bの外部へ出力する。ステップS190では、堆積量Mが上限値Muである相関関係Mk=Fk(N,Im)に、現在の設定目標回転数Ns(=Nu)を代入して、上限回転数Nuにおける、堆積量Mの上限値Muに対応するモータ電流値Imuを算出する。ステップS200では、モータ電流値Imを計測する。ステップS210では、ステップS200で計測されたモータ電流値Imと上限値Muに対応するモータ電流値Imu(=Imuu)とを比較し、Im≧Imuか否かを判定する。ステップS210でIm≧Imuと判定されると、ステップS220へ進んで堆積量Mが上限値Muに達したことを報知する警報信号をコントローラ1bの外部へ出力する。
図5を参照して、ステップS160からステップS220までの処理を具体的に説明する。堆積量Mの増加により、ポンプ状態(N,Im,M)が点a0の状態(N0,Im00,M0)から点b1の状態(N0,Im10,M1)になると、ステップS150からステップS160へ進む。図5ではN1<Nuなので、ステップS160でnoと判定されてステップS162で設定目標回転数NsがN0からN1に変更され、ステップS164でk=1に設定される。ステップS162で設定目標回転数NsがN0からN1に変更されると、回転数Nが設定目標回転数Ns(=N1)となるように制御され、ポンプ状態(N,Im,M)はラインL1上を点b1(N0,Im10,M1)から点a1(N1,Im11,M1)へと移動するように変化する。
その後、ステップS110へ戻って、ステップS110からステップS150までの処理が繰り返し実行され、堆積量Mの増加に従ってモータ電流値Imが増加し、ポンプ状態が点a1の状態(N1,Im11,M1)から点b2の状態(N1,Im21,M2)まで変化する。モータ電流値ImがIm21に達すると、ステップS150からステップS160へ進んでN2>Nuか否かの判定が行われる。図5ではN2>Nuなので、ステップS160でyesと判定されてステップS170へ進み、設定目標回転数Nsとして上限回転数Nuが設定される。その結果、真空ポンプ1の回転数Nは上限回転数Nuに制御され、図5の点b2のポンプ状態(N2,Im21,M2)から点c2のポンプ状態(Nu,Im2u,M2)となり、真空ポンプの設定目標回転数Nsが上限回転数Nuに達したことを報知する警報信号が出力される(ステップS180)。
ステップS190では、上限値Mu(=M3)の相関関係M3=F3(N,Im)のNに、現在の設定目標回転数Nuを代入することで、点c3(Nu,Imuu,Mu)におけるモータ電流値Imuuがモータ電流値Imuとして算出される。堆積量Mが増加して点c2のM2から点c3のM3に達すると、すなわち、モータ電流値ImがIm2uからImuuに上昇すると、ステップS210でIm≧Imu(=Imuu)と判定され、堆積量Mが上限値Muに達したことを報知する警報信号が出力される(ステップS220)。
(変形例2)
図7,8は、変形例2を説明する図である。ターボ分子ポンプのようにポンプロータが高速回転する真空ポンプでは、ポンプロータは遠心力によって高引張応力の状態となる。また、多量のガスを排気する場合、ポンプロータは排気に伴うガスの圧縮熱や摩擦熱によって高温状態となる。このような高温でかつ高引張応力の状態では、ポンプロータにクリープ変形が生じる。一般に、クリープ変形は、一定の荷重または応力の下に時間の経過とともに歪みが増加する塑性変形である。クリープ変形は温度と密接な関係にあり、通常、材料により定まる所定の温度以上において顕著となる。
定常クリープ挙動に関するノートン則によれば、材料により定まる所定温度以上において、歪み速度u(=dε/dt)は、u=A・σで表される。発生するクリープ変形量εは、次式(2)に示すように、歪み速度uと時間tの積で表される。なお、σは応力であり、A,nは材料及び温度により異なる材料定数である。
ε=u×t=Aσt …(2)
式(2)は予め記憶部103に記憶されている。応力σは遠心力に比例、すなわち、回転数の2乗に比例するので、クリープ変形量εは回転数Nの関数ε(N)=Aσ(N)tのように表すことができる。
変形例2では、図7に示すように、推定部102は、生成物の堆積量を推定する堆積量推定部102Aと、ポンプロータ2aのクリープ変形量ε(N)に起因するポンプの寿命を推定するポンプ寿命推定部102Bとを備える。堆積量推定部102Aは、上述した実施の形態や変形例1における推定部102と同様の処理を行う。ポンプ寿命推定部102Bでは、クリープ変形量εの推定と、その推定結果に基づくポンプ寿命の推定を行う。ポンプ本体1aには、ポンプロータ2aの温度を検出する温度センサ40が設けられている。温度センサ40には、例えば、赤外線温度センサ等が用いられる。
ポンプロータ2aに生じるクリープ変形量が増加すると、ポンプロータ2aの各部( 特に、応力が大きい部分)の径寸法が大きくなる。その結果、ポンプロータ2aと静止部( 固定翼31, ステータ32等)との隙間が小さくなり、最終的には、ポンプロータ2aと静止部とが接触するおそれがある。そのため、クリープ変形量の許容値εthを予め設定して記憶部103に記憶しておき、ポンプ寿命推定部102Bは推定されるクリープ変形量εが許容値εthに達したならば、ポンプ寿命であると判断し警報(警報信号Sa)を発生する。
クリープ変形量εの演算は、ポンプロータ2aの温度が上記所定温度以上の場合に行われる。例えば、図7のように温度センサ40を備えている場合には、式(2)の時間tとして、温度センサ40の検出温度が所定温度以上となっている時間の累積時間を使用する。また、温度センサ40を備えない構成においては、上述した真空ポンプ1の運転時間を累積した累積運転時間Tを、式(2)の時間tとして用いても良い。一般的に、プロセス中は上記所定温度以上で運転されているので、時間tとして累積運転時間Tを使用しても、クリープ変形量εの演算誤差に与える影響が小さい。
図8は、変形例2における推定処理(堆積量推定およびポンプ寿命推定)の一例を示すフローチャートである。ここでは、式(2)の時間tとして累積運転時間Tを使用する場合を例に説明する。図8は、図7に示すフローチャートに、ポンプ寿命推定に関するステップS300~S320を追加したものである。以下では、ステップS300~S320の処理のみについて説明し、その他のステップの処理については上述した通りなので、説明を省略する。
ステップS70で設定目標回転数Nsが上限回転数Nuに達したことを報知する警報信号を出力したならば、または、ステップS65で設定目標回転数Nsを目標回転数Ntに変更したならば、ステップS300へ進み、設定目標回転数Nsと、ステップS20で算出された累積運転時間Tと、式(2)とに基づいて、クリープ変形量ε(Ns)=Aσ(N)Tを算出する。ステップS310では、算出されたクリープ変形量ε(Ns)が許容値εth以上か否かを判定する。ステップS310でε(Ns)≧εthと判定された場合には、ステップS320へ進んで、クリープ変形量εがポンプ寿命に相当する量に達したことを報知する警報信号を、コントローラ1bの外部に出力する。一方、ステップS310でε(Ns)≧εthでないと判定された場合には、ステップS80へ進んで堆積量Mに関する処理を行う。
以上のように、変形例2では、堆積量に基づく回転数の変更をクリープ寿命推定に反映することにより、設定目標回転数Nsの変更によるクリープ寿命判定の精度低下を防止するようにした。
なお、上述した実施の形態では、推定に使用する相関関係Mk=Fk(N,Im)および相関関係Nt=G(M)を関数の形で記憶部103に格納しているが、数値データ(データテーブル)の形で格納するようにしても良い。
上述した例示的な実施の形態および変形例は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
[1]一態様に係る真空ポンプは、ポンプロータと、前記ポンプロータを設定目標回転数で回転駆動するモータと、ポンプ内における生成物の堆積量を推定する推定部と、前記推定した堆積量に応じて、堆積量が増加するほど前記設定目標回転数が大となるよう、前記設定目標回転数を変更する設定目標回転数変更部と、を備える。
例えば、推定部102は、上述した式(1)により堆積量Mを推定し、その推定した堆積量Mに応じて、設定目標回転数Nsを少なくとも大きな値に変更する。その結果、ポンプ回転数が上昇し、生成物堆積による排気速度低下を抑制することができる。
[2]上記[1]に記載の真空ポンプにおいて、前記推定部が、ポンプ内における生成物の堆積量を、前記堆積量に応じて変化するポンプの運転状態量に基づいて推定し、推定された堆積量に基づいて所定の定格排気速度が達成可能な推奨回転数を推定し、前記設定目標回転数変更部は、推定された推奨回転数を前記ポンプロータの設定目標回転数に設定する。
例えば、図4に示すように、堆積量Mに基づいて、目標回転数Ntを定格排気速度Sp0が達成可能な推奨回転数として算出し(ステップS40)、設定目標回転数Nsを算出された目標回転数Ntに設定するので、真空ポンプの回転数が目標回転数Ntに上昇し、真空ポンプの排気速度が定格排気速度Sp0に維持される。
[3]上記[2]に記載の真空ポンプにおいて、前記運転状態量は、ポンプ駆動累積時間、モータ電流値、モータ電力値、前記ポンプロータの振れ回り量、ポンプ背圧のいずれかを含む。
上述した実施の形態および変形例では、運転状態量がポンプ駆動累積時間またはモータ電流値の場合について説明したが、モータ電力値、ポンプロータの振れ回り量、ポンプ背圧を運転状態量として用いることもできる。
[4]上記[2]に記載の真空ポンプにおいて、前記運転状態量はポンプ駆動累積時間であって、前記推定部は、ポンプ駆動累積時間と、真空ポンプが装着されたチャンバへの試料の搬入から搬出までの処理時間と、その処理時間における生成物の基準堆積量とに基づいて堆積量を推定し、定格排気速度が達成可能な回転数と堆積量との相関関係と、前記推定された堆積量とに基づいて前記推奨回転数を推定する。
例えば、上述した実施の形態に示すように、ポンプ駆動累積時間である累積運転時間T、試料の搬入から搬出までの処理時間ΔTおよび堆積増加量ΔMを用いて、堆積量Mを「M=(T/ΔT)×ΔM」で算出し、堆積量Mと記憶部103に記憶されている相関関係Nt=G(M)とから、推奨回転数としての目標回転数Ntを算出する。このように、運転状態量である累積運転時間Tから推奨回転数を求めることができる。
[5]上記[2]に記載の真空ポンプにおいて、前記運転状態量はモータ電流値であって、前記推定部は、堆積量、モータ電流値およびポンプ回転数の間の第1の相関関係と、設定目標回転数と、計測されるモータ電流値とに基づいて、ポンプ内の堆積量を推定し、定格排気速度が達成可能な回転数と堆積量との第2の相関関係と、前記推定された堆積量とに基づいて、前記推奨回転数を推定する。
例えば、上述した変形例1(図5,6)では、堆積量Mk、モータ電流値Imおよびポンプ回転数Nの間の第1の相関関係Mk=Fk(N,Im)に現在(k=0)の設定目標回転数N0を代入して、堆積量M1(ラインM1)に対応するモータ電流値Im10(ラインM1上の点b1のモータ電流値)を推定し(ステップS110)、計測されるモータ電流値Imが推定したモータ電流値Im10に達したか否か、すなわち、ポンプ内の堆積量が推定した堆積量M1に達したか否かをステップS150で判定する。達したと判定されると、定格排気速度Sp0が達成可能な目標回転数Ntと堆積量Mとの第2の相関関係Nt=G(M)(図5のラインL10)と、推定されたモータ電流値Im10に対応する堆積量M1とに基づいて推定される推奨回転数N1を、設定目標回転数Nsに設定する(ステップS162)。
[6]上記[2]から[5]までのいずれかに記載の真空ポンプにおいて、前記推定部は、前記推奨回転数が所定上限回転数以上の場合には、前記推奨回転数に代えて前記所定上限回転数を前記ポンプロータの設定目標回転数に設定する。
例えば、図4に示すように、推奨回転数として推定された目標回転数Ntが回転数の上限値Nu以上であった場合には、上限回転数Nuを設定目標回転数Nsに設定する(ステップS50およびステップS60)。このような制御を行うことで、堆積量Mに応じて設定目標回転数を変更する場合においても、真空ポンプ1の回転数Nが許容上限値Nuを越えることがない。
[7]上記[1]から[6]までのいずれかに記載の真空ポンプにおいて、前記設定目標回転数をポンプ出荷時の初期値にリセットする初期化部を、さらに備える。
例えば、ポンプ内の堆積物を除去するメンテナンスの後に、図2の初期化部106を操作することで、記憶部103に記憶された設定目標回転数Nsは、初期値である定格回転数N0にリセットされる。その結果、設定目標回転数Nsは堆積量M=0に対応する定格回転数N0に設定され、真空ポンプの排気速度は定格排気速度Sp0に維持される。
[8]上記[1]から[7]までのいずれかに記載の真空ポンプにおいて、前記ポンプロータのクリープ変形量を前記設定目標回転数に応じて推定し、推定されたクリープ変形量に基づいてポンプ寿命を推定するポンプ寿命推定部をさらに備える。
例えば、変形例2(図7,8)では、ポンプロータ2aのクリープ変形量ε(N)を設定目標回転数Nsに応じて推定し(ステップS300)、推定されたクリープ変形量ε(Ns)に基づいてポンプ寿命を推定する(ステップS310)。その結果、堆積量Mに応じて設定目標回転数Nsを変更しても、クリープ寿命の判定を適切に行うことができる。
[9]一態様に係る真空ポンプ制御方法は、モータによりポンプロータを設定目標回転数で駆動する真空ポンプ制御方法であって、ポンプ内における生成物の堆積量を推定し、 前記推定した堆積量に応じて、堆積量が増加するほど前記設定目標回転数が大となるよう、前記設定目標回転数を変更する。
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。例えば、上述した実施の形態では、ターボ分子ポンプを例に説明したが、ステータとロータ円筒部とで構成されるネジ溝ポンプのみを有する真空ポンプにも、本発明は適用できる。
1…真空ポンプ、1a…ポンプ本体、1b…コントローラ、2a…ポンプロータ、10…モータ、38…回転センサ、40…温度センサ、100…軸受制御部、101…モータ制御部、102…推定部、102A…堆積量推定部、102B…ポンプ寿命推定部、103…記憶部、105…電流センサ、106…初期化部

Claims (9)

  1. ポンプロータと、
    前記ポンプロータを設定目標回転数で回転駆動するモータと、
    ポンプ内における生成物の堆積量を推定する推定部と、
    前記推定した堆積量に応じて、堆積量が増加するほど前記設定目標回転数が大となり、かつ、前記設定目標回転数が所定の定格回転数よりも大となるよう、前記設定目標回転数を変更する設定目標回転数変更部と、を備え、
    前記設定目標回転数変更部によって変更された前記設定目標回転数に基づいて、前記推定した堆積量に応じて、前記モータが、前記定格回転数よりも大きな回転数で回転する、
    真空ポンプ。
  2. 請求項1に記載の真空ポンプにおいて、
    前記推定部が、ポンプ内における生成物の堆積量を、前記堆積量に応じて変化するポンプの運転状態量に基づいて推定し、推定された堆積量に基づいて所定の定格排気速度が達成可能な推奨回転数を推定し、
    前記設定目標回転数変更部は、推定された推奨回転数を前記ポンプロータの設定目標回転数に設定する、真空ポンプ。
  3. 請求項2に記載の真空ポンプにおいて、
    前記運転状態量は、ポンプ駆動累積時間、モータ電流値、モータ電力値、前記ポンプロータの振れ回り量、ポンプ背圧のいずれかを含む、真空ポンプ。
  4. ポンプロータと、
    前記ポンプロータを設定目標回転数で回転駆動するモータと、
    ポンプ内における生成物の堆積量を推定する推定部と、
    前記推定した堆積量に応じて、堆積量が増加するほど前記設定目標回転数が大となるよう、前記設定目標回転数を変更する設定目標回転数変更部と、を備え、
    前記推定部が、ポンプ内における生成物の堆積量を、前記堆積量に応じて変化するポンプの運転状態量に基づいて推定し、推定された堆積量に基づいて所定の定格排気速度が達成可能な推奨回転数を推定し、
    前記設定目標回転数変更部は、推定された推奨回転数を前記ポンプロータの設定目標回転数に設定し、
    前記運転状態量はポンプ駆動累積時間であって、
    前記推定部は、
    ポンプ駆動累積時間と、真空ポンプが装着されたチャンバへの試料の搬入から搬出までの処理時間と、その処理時間における生成物の基準堆積量とに基づいて堆積量を推定し、
    定格排気速度が達成可能な回転数と堆積量との相関関係と、前記推定された堆積量とに基づいて前記推奨回転数を推定する、真空ポンプ。
  5. ポンプロータと、
    前記ポンプロータを設定目標回転数で回転駆動するモータと、
    ポンプ内における生成物の堆積量を推定する推定部と、
    前記推定した堆積量に応じて、堆積量が増加するほど前記設定目標回転数が大となるよう、前記設定目標回転数を変更する設定目標回転数変更部と、を備え、
    前記推定部が、ポンプ内における生成物の堆積量を、前記堆積量に応じて変化するポンプの運転状態量に基づいて推定し、推定された堆積量に基づいて所定の定格排気速度が達成可能な推奨回転数を推定し、
    前記設定目標回転数変更部は、推定された推奨回転数を前記ポンプロータの設定目標回転数に設定し、
    前記運転状態量はモータ電流値であって、
    前記推定部は、
    堆積量、モータ電流値およびポンプ回転数の間の第1の相関関係と、設定目標回転数と、計測されるモータ電流値とに基づいて、ポンプ内の堆積量を推定し、
    定格排気速度が達成可能な回転数と堆積量との第2の相関関係と、前記推定された堆積量とに基づいて、前記推奨回転数を推定する、真空ポンプ。
  6. 請求項2から請求項5までのいずれか一項に記載の真空ポンプにおいて、
    前記推定部は、前記推奨回転数が所定上限回転数以上の場合には、前記推奨回転数に代えて前記所定上限回転数を前記ポンプロータの設定目標回転数に設定する、真空ポンプ。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の真空ポンプにおいて、
    前記設定目標回転数をポンプ出荷時の初期値にリセットする初期化部を、さらに備える真空ポンプ。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の真空ポンプにおいて、
    前記ポンプロータのクリープ変形量を前記設定目標回転数に応じて推定し、推定されたクリープ変形量に基づいてポンプ寿命を推定するポンプ寿命推定部をさらに備える、真空ポンプ。
  9. モータによりポンプロータを設定目標回転数で駆動する真空ポンプ制御方法であって、
    ポンプ内における生成物の堆積量を推定し、
    前記推定した堆積量に応じて、堆積量が増加するほど前記設定目標回転数が大となり、かつ、前記設定目標回転数が所定の定格回転数よりも大となるよう、前記設定目標回転数を変更し、
    変更された前記設定目標回転数に基づいて、前記推定した堆積量に応じて、前記モータが、前記定格回転数よりも大きな回転数で回転する、
    真空ポンプ制御方法。
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