JP7490224B2 - 支持機構、及びこの支持機構を備えた支持装置 - Google Patents

Description

本発明は、とくにモニター用ディスプレイ等の被支持装置を、取付台のような取付要素に対し水平方向、前後方向、さらには上下方向へ移動可能に支持する支持装置に用いて好適な支持機構、及び支持機構を備えた支持装置に関する。

モニター用のディスプレイ或は事務機器等の各種機器を、仕事机のような取付台から成る取付要素に対して支持アームを用いて保持し、前記各種機器を水平方向、前後方向、さらには上下方向へ移動可能に支持することのできる各種機器の支持装置の支持機構としては、下記特許文献１に記載されたものが公知である。

特許文献１に記載された各種機器の支持装置の支持機構は、取付台側と各種機器側を支持アーム、又は支持アーム同士をスイベルトルクヒンジを用いて連結したものである。ここで、スイベルトルクヒンジとは、連結対象物を水平方向へ回転可能に連結すると共にフリクショントルク発生機構を備えたヒンジを言う。

特開２００５－８３５３８号公報

特許文献１に記載されたモニター用ディスプレイ装置等の被支持装置の支持装置では、支持アームを介して支持機構を構成するスイベルトルクヒンジのフリクショントルク発生機構に加えられる荷重が片側（モニター用ディスプレイ装置側）に偏ってしまうことから、回転トルクが不安定となり、各種機器の停止状態又は揺動力が変動してしまうという問題が生じた。また、スイベルトルクヒンジに設けられるスプリングワッシャーのような軸方向の付勢部材に偏荷重が加わることより、前記フリクショントルク発生機構のフリクショントルクに経時変化を起こしてしまう上に、スイベルトルクヒンジの耐久性が低下するおそれがあるという問題があった。さらに、支持される装置の大型化に伴い、支持装置の垂れ下がりをより低減するための支持機構が求められている。

本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、スイベルトルクヒンジのフリクショントルク発生機構に加わる偏荷重を低減することができる支持機構、及びこの支持機構を備えた支持装置を提供することを目的としている。

上記の目的を達成するため、本発明に係る支持機構は、一端部側に押し下げ荷重の加わる単数又は複数の支持アームを、取付要素に対して少なくとも水平方向へ揺動可能に支持する支持装置の支持機構であって、前記支持機構にフリクションワッシャーとスプリングワッシャーなどの弾性部材とを用いたフリクショントルク発生手段を備えたスイベルトルクヒンジを用い、前記スイベルトルクヒンジのヒンジシャフトのシャフト上部を前記支持アームに設けた取付孔部に軸支させると共に、前記ヒンジシャフトに前記フリクショントルク発生手段を介して前記支持アームを支えるブラケットをフリクション回転可能に設け、このブラケットに接して固定ガイド部材を前記ヒンジシャフトに対して回転可能に取り付け、前記支持アームと前記ブラケットと前記固定ガイド部材を取付ネジを介して共締めさせて成ることを特徴とする。

その際に、本発明に係る支持機構は、前記支持アームと前記固定ガイド部材のいずれか一方或は双方に、軸受部材を取り付けることができる。

本発明はまた、前記支持アームと前記固定ガイド部材のいずれか一方或は双方には、軸受部材が取り付けられていることを特徴とする。

本発明はさらに、前記支持機構は、前記支持アームが複数用いられる場合には、前記支持アーム間の連結個所にも用いられることを特徴とする。

本発明はさらに、前記スイベルトルクヒンジが、そのヒンジシャフトを取付要素に対して取付手段を介して取り付けられることを特徴とする。

本発明はさらに、前記スイベルトルクヒンジが、前記支持アームが複数から成る場合には、そのヒンジシャフトを互いに連結される一方の支持アームに取り付けられることを特徴とする。

本発明はさらに、前記取付要素が、支持台（例えば机）であることを特徴とする。

そして、本発明に係る支持装置は、上記に各記載の支持機構を用いたことを特徴とする。

本発明によれば、前記スイベルトルクヒンジのヒンジシャフトの上端部を前記支持アームに設けた取付孔部に軸支させると共に、前記ヒンジシャフトに前記フリクショントルク発生機構を介して前記支持アームを支えるブラケットをフリクション回転可能に設けると共に、このブラケットに接して固定ガイド部材を回転可能に設け、前記支持アームと前記ブラケットと前記固定ガイド部材を取付ネジを介して共締めさせたので、フリクショントルク発生機構に加わる偏荷重を減衰させることができることにより、フリクショントルク発生機構の耐久性を向上でき、支持機構並びにこの支持機構を用いた支持装置を提供できるものである。
その際に、ヒンジシャフトの先端部分を軸支する支持アームの取付孔部及び又は固定ガイド部材に設けた軸挿孔に軸受部材を取り付けると、支持アームの回転動作がよりスムーズになるという効果を奏する。
そして、上記支持機構を備えた支持装置においては、上述した支持機構の優れた特徴を備えた支持装置とすることができる。

本発明の実施の形態に係る支持装置の斜視図である。 図１に示した支持装置から昇降装置を除いた部分を示し（ａ）は図１のＡ矢視図、（ｂ）は図１のＢ矢視図、（ｃ）は図１のＣ矢視図である。 図２の（ａ）のＤ－Ｄ線断面図である。 図１に示した支持装置の分解斜視図である。 図４に示した支持装置の取付部材を示し、（ａ）はその斜視図、（ｂ）は（ａ）のＥ－Ｅ線断面図である。 図４に示した支持装置の支持機構を構成するスイベルトルクヒンジを示し、（ａ）はその正面図、（ｂ）は（ａ）のＧ矢視図である。 図６に示した支持装置のスイベルトルクヒンジの分解斜視図である。 図４に示した支持装置の固定ガイド部材を示し、（ａ）はその平面図、（ｂ）は（ａ）のＨ－Ｈ線断面図である。 図３に示すスイベルトルクヒンジの周りの部分拡大断面図である。 軸受部材の斜視図を示し、（ａ）は第１軸受部材の斜視図、（ｂ）は第２軸受部材の斜視図である。 支持アームのスイベルトルクヒンジを取り付ける部分の構成を示すもので、（ａ）はその縦断面図、（ｂ）はその底面図である。 図１に示した支持装置に用いられる昇降装置の正面図である。

以下、本発明の好適な実施の形態に係る支持装置１００、並びにこの支持装置１００に用いられる支持機構２０と５０について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、図１に示されたＸＹＺ軸に基づき、ＸＹ平面内の方向を水平方向とし、Ｚ軸の矢印方向を上方向とし、Ｙ軸の矢印方向を前方向とする。また、図中において回動可能な方向を適宜両矢印によって図示する。

図１及び図３に示すように、まず、支持装置１００は、取付要素の一例である仕事机２００の天板２００ａへ取り付けられた取付手段の一例である昇降装置１０と、この昇降装置１０の取付部材１４に第１の支持機構２０を介してその一端部側を水平方向へ揺動可能に取り付けられた第１の支持アーム４０と、この第１の支持アーム４０の他端部側に第２の支持機構５０を介して水平方向へ揺動可能に取り付けられた第２の支持アーム７０と、この第２の支持アーム７０の先端側へ上下左右方向へ揺動可能に取り付けられたところのモニター用ディスプレイ装置などのモニター取付部８０と、を備えている。

なお、支持アームは単数のものもあり、モニター取付部８０にしても、ユニバーサルジョイントヒンジを用いないものもある。したがって、支持装置１００は実施例のものに限定されない。さらに、第１の支持機構２０と第２の支持機構５０の構成は、それが昇降装置１０側に取り付けられるか、第１の支持アーム４０側に取り付けられるかの違いがあるのみで、構造的には同じであるので、第２の支持機構５０については説明を省略する場合がある。従って、本願明細書と特許請求の範囲では、単に支持機構という場合がある。

取付手段の一例としての昇降装置１０は、実施例のものは、図１と図１２に示したように、仕事机２００の天板２００ａを挟む断面コの字形状を呈した固定部材１０ａと、この固定部材１０ａの下片部１０ｂに取り付けられ固定部材１０ａを天板２００ａへ固定する締付ネジ１０ｃと、固定部材１０ａの上片部１０ｄ上に取り付けたパイプ状の支柱１３と、この支柱１３へ昇降自在に取り付けた取付部材１４から成る。とくに図１に示したように、昇降装置１０は仕事机２００に固定され、他端のモニター取付部８０にはモニター用ディスプレイ装置３００が取り付けられる。これにより、モニター取付部８０には、モニター用ディスプレイ装置３００の例えば約１０ｋｇの質量に相当する力Ｆが下向き荷重が加わっている。

なお、取付手段としては、昇降装置１０に限定されるものではなく、その他の、例えば仕事机２００上に取り付けた取付台のようなものの場合も考えられる。さらに、取付要素は、仕事机に限定されず、その他の机、壁のようなものの場合もあり、実施例のものに限定されない。

支持機構は、実施の形態では、第１の支持アームを揺動可能に支持する第１の支持機構２０と、第２の支持アームを同じく揺動可能に支持する第２の支持機構５０とで構成されており、その構成は、どちらも同じの構成のスイベルトルクヒンジ３０，３０を用いているので、第１の支持機構２０について詳しく説明し、第２の支持機構５０の構成については、簡単に説明するか、説明を省略する。

第１の支持アーム４０は、一端が第１の支持機構２０に支持され、第１の支持機構２０から水平方向に延びるアーム部材である。第１の支持アーム４０は、一端に第１の支持機構２０が設けられ、他端は第２の支持機構５０の取付部材となる。第１の支持アーム４０の他端は、第１の支持機構２０の回動とともに、第１の支持機構２０の中心軸の周りを左右の水平方向へ揺動する。

第２の支持機構５０は、第１の支持アーム４０の他端に連結されている第２の支持アーム７０の支持機構である。

第２の支持アーム７０は、一端が第２の支持機構５０に支持され、第２の支持機構５０から水平方向に延びるアーム部材である。第２の支持アーム７０は、一端に第２の支持機構５０が設けられる、２節ジョイントアームとして配置される。第２の支持アーム７０の他端は、第２の支持機構５０の回動とともに、第２の支持機構５０の中心軸の周りを左右の水平方向へ揺動する。

モニター取付部８０は、第２の支持アーム７０の他端に設けられた座７６の上に配置されている。モニター取付部８０は、第２の支持アーム７０の他端の上下方向の中心軸の周りを水平方向に往復で回動可能に構成されている。また、モニター取付部８０は、水平方向の回転軸を有する角度調節部８１と、角度調節部８１の回転軸の周りを往復で回動可能な取付板８２と、を備える。取付板８２には、４つの孔８２ａが設けられている。取付板８２は、孔８２ａを通る４本のネジ３１０によって、モニター用ディスプレイ装置３００にネジ留めされている。

次に、図３～図１１を参照して、支持装置１００の全体構造をより詳細に説明する。

図３及び図４に示すように、第１の支持機構２０は、固定ガイド部材２１と、第１の軸受である第１軸受部材２２と、スイベルトルクヒンジ３０と、第２の軸受である第２軸受部材２３と、を備える。第２の支持機構５０は、第１の支持機構２０と同じ構成を有する。従って、第２の支持機構５０も第１の支持機構２０と同様に、固定ガイド部材２１と、第１軸受部材２２と、スイベルトルクヒンジ３０と、第２軸受部材２３と、を備える。第１軸受部材２２と第２軸受部材２３は、実施の形態では共に耐久性に優れたポリアミド系の樹脂製品である。

第１の支持アーム４０には、軽量化のための下向きの溝部４１が設けられている。第１の支持アーム４０の一端には、スイベルトルクヒンジ３０を収容するための下向きの開口部であるヒンジ収容部４２が設けられている。ヒンジ収容部４２の上端部には、円筒状の第２軸受部材２３を収容する下向きの開口部であるブッシュ受け４３が設けられている。また、第１の支持アーム４０の他端には、昇降装置１０の取付部材１４のシャフト受け１６及び係止部１８と同様に、ヒンジシャフト３１を支持するためのシャフト受け４６及び係止部４８が設けられている。尚、指示記号４７は、ヒンジシャフト３１をシャフト受け４６へ固定させる締付ネジ３５の挿入孔である。

第２の支持アーム７０には、軽量化のための下向きの溝部７１が設けられている。第２の支持アーム７０の一端には、スイベルトルクヒンジ３０を収容するための下向きの開口部であるヒンジ収容部７２が設けられている。ヒンジ収容部７２の上端部には、円筒状の第２軸受部材２３を収容する下向きの開口部であるブッシュ受け７３が設けられている。

第１の支持アーム４０への第１の支持機構２０の組み付けについては、図８～図１１を参照して後述する。第２の支持機構５０は第１の支持機構２０と同様の構成を有するため、第２の支持アーム７０への第２の支持機構５０の組み付けについても同様である。

第２の支持アーム７０の他端には、座７６を貫通する座ぐり孔である孔７７が設けられている。モニター取付部８０の角度調節部８１には、下向きのネジ孔８３が設けられている。ネジ８４は、下方から孔７７を経由して、第２の支持アーム７０とモニター取付部８０の角度調節部８１とを締め付けて固定する。

図９、図５（ａ）、（ｂ）に示すように、取付部材１４は、平面長円形状を呈したもので、その一端側に形成された挿通孔１４ａに支柱１３が弛挿されており、挿通孔１４ａからは外部に向けて割り溝１４ｂが設けられ、この割り溝１４ｂに直交する方向に設けた雌ネジ孔１４ｃに締付ネジ１４ｄがネジ着されている。取付部材１４には、一端から他端に向けて、挿通孔１４ａ、空洞部１４ｅ、シャフト受け１６の順に形成され、シャフト受け１６の挿通孔１４ａと反対側に平坦な係止部１８が形成されている。係止部１８を有するシャフト受け１６は、第１の支持アーム４０と対向する側の面で第１の支持機構２０を構成するヒンジシャフト３１の係止部３１ｄの断面形状と略同形状に形成されており、係止部３１ｄが係止部１８に拘束されてシャフト受け１６にヒンジシャフト３１が回動不能に挿入されている。このシャフト受け１６の側面には座ぐり孔である挿入孔１４ｈに続いて孔１４ｉが設けられ、挿入孔１４ｈへ挿入された締付ネジ３５を、孔１４ｉを介してヒンジシャフト３１のネジ孔３１ｅへネジ着させることにより、ヒンジシャフト３１は取付部材１４に固着されている。

言い換えれば、ヒンジシャフト３１は、シャフト胴体３１ａの内、下方に円柱の一部を中心軸に沿って切り欠いた平面部である係止部３１ｄを備える。係止部３１ｄが設けられている部分が取付部材１４の係止部１８を有するシャフト受け１６に挿入され、係止部３１ｄの平面部と係止部１８の平面部とが対面する。係止部３１ｄには、係止部３１ｄの平面部に垂直にネジ孔３１ｅが設けられている。ネジ孔３１ｅには、取付部材１４の孔１４ｉを経由して、締付ネジ３５が挿入される。

図６（ａ）、（ｂ）及び図７に示すように、スイベルトルクヒンジ３０は、下から順にヒンジシャフト３１、フリクションワッシャー３６、フリクションワッシャー３７ｂ、ブラケット３２、フリクションワッシャー３７ａ、フリクションワッシャー３６、スプリングワッシャー３３、平ワッシャー３８、及び、締付ネジ３５となるように組み付けられた構成を有する。締付ネジ３５を除いて、これらの部材は、いずれもネジ部３１ｂに組み付けられる。

ヒンジシャフト３１のシャフト胴体３１ａの上方には、シャフト胴体３１ａの外径より小さい外径を有し一部に雄ネジが形成された、ネジ部３１ｂが設けられている。ネジ部３１ｂは、円柱の側面が軸方向に沿って平行に切り欠かれた一対の平面部３１ｆ、３１ｆが形成された外面を有する。ネジ部３１ｂは、ネジ部３１ｂの一対の平面部３１ｆ、３１ｆに適合する孔を有する２個のフリクションワッシャー３６、及び、平ワッシャー３８は、ヒンジシャフト３１に対して回り止めとなっている。

ネジ部３１ｂの上方には、ネジ部３１ｂの外径より小さい外径を有する、シャフト上部３１ｃが設けられている。

２個のフリクションワッシャー３６は、円形の板状部材である。フリクションワッシャー３６は、ネジ部３１ｂの円周状及び一対の平面部３１ｆ、３１ｆの外面に適合する孔３６ａを有する。

フリクションワッシャー３７ａ、３７ｂは、円形の板状部材である。フリクションワッシャー３７ａは、ネジ部３１ｂの円周状の外面に適合する円形の孔３７ａ１と、固定部３２ｂ及び固定部３２ｃに挿入される一対の突起である爪３７ａ２、３７ａ２を有する。フリクションワッシャー３７ｂは、ネジ部３１ｂの円周状の外面に適合する円形の孔３７ｂ１と、固定部３２ｂ及び固定部３２ｃに挿入される一対の突起である爪３７ｂ２、３７ｂ２を有する。

ブラケット３２は平板から形成された部材である。ブラケット３２には、ネジ部３１ｂの円周状の外面に適合する円形の孔３２ａと、フリクションワッシャー３７ａ、３７ｂの周り止めのための切欠きである固定部３２ｂと、フリクションワッシャー３７ａ、３７ｂの周り止めのための固定部３２ｃと、ネジ固定用の４つの取付孔３２ｄが設けられている。

ブラケット３２を挟んで２つのフリクションワッシャー３７ａ、３７ｂが組み付けられることで、フリクションワッシャー３６とフリクションワッシャー３７ａと、及び、フリクションワッシャー３６とフリクションワッシャー３７ｂと、が相対的にフリクション回動する。また、ブラケット３２及びフリクションワッシャー３７ａ、３７ｂは、一体としてヒンジシャフト３１に対して回動可能に構成される。

スプリングワッシャー３３は、円形の孔３３ａを有する円板状の部材であるが、フリクションワッシャー３６、フリクションワッシャー３７ａ、３７ｂ及びブラケット３２に対して軸方向に付勢するバネ状の付勢部材である。

平ワッシャー３８は、円形の平板状の部材である。平ワッシャー３８は、ネジ部３１ｂの円周状及び一対の平面部３１ｆ、３１ｆの外面に適合する孔３８ａを有する。

以下、図８～図１１を参照して、第１の支持機構２０の各部材の組み付けについて説明する。

図９に示すように、第１の支持機構２０の固定ガイド部材２１、第１軸受部材２２、第２軸受部材２３及びスイベルトルクヒンジ３０が、図１１（ａ）、（ｂ）に示す第１の支持アーム４０のヒンジ収容部４２に組み付けられる。

図８（ａ）、（ｂ）に示す固定ガイド部材２１には、円筒状の第１軸受部材２２を収容する上向きの開口であるブッシュ受け２１ａが設けられている。なお、シャフト胴体３１ａが貫通するため、ブッシュ受け２１ａの下方も開口している。また、固定ガイド部材２１は、ブッシュ受け２１ａが設けられる第１の部分の隣にタブ状に突出し、第１の部分より板厚が薄くなる第２の部分である取付部２１ｂと、取付部２１ｂに設けられる座ぐり孔であり、下方からのネジ固定用である４つの孔２１ｃと、を備える。

図１０（ａ）に示す第１軸受部材２２は、円筒状に形成された無給油型の滑り軸受である。第１軸受部材２２は、固定ガイド部材２１のブッシュ受け２１ａに挿入される。ブッシュ受け２１ａの内側には、スイベルトルクヒンジ３０のヒンジシャフト３１のシャフト胴体３１ａが挿入される。

図１０（ｂ）に示す第２軸受部材２３は、円筒状に形成された無給油型の滑り軸受である。第２軸受部材２３の外径及び内径は、第１軸受部材２２の外径及び内径に比べていずれも小さい。ヒンジシャフト３１のシャフト上部３１ｃは、第２軸受部材２３に挿入される。第２軸受部材２３は、第１の支持アーム４０のブッシュ受け４３に挿入される。

そして、第１の支持アーム４０に設けた軸受孔部に取り付けた第２軸受部材２３にヒンジシャフトのシャフト３１の上端部３１ｃを軸受けさせ、ヒンジシャフトのシャフト胴体３１ａを固定ガイド部材２１に設けた第１軸受部材２２で軸支させると共に、第１の支持アーム４０に対し、当該支持アームに設けられた固定ガイド部材２１の４つの孔２１ｃ、及び、スイベルトルクヒンジ３０のブラケット３２の４つの孔３２ｄを経由して、固定ガイド部材２１及びブラケット３２は４本のネジ４５によって第１の支持アーム４０に設けた４つの雌ネジ孔４４に共締めさせている。

このように構成すると、モニター取付部８０の例えば１０ｋｇ程度の質量に基づく図１の下向きの力Ｆが加わっても、スプリングワッシャー３３に大きな偏荷重がかからないようにすることができる。その結果、第１の支持機構２０及び第２の支持機構５０における回転トルクが安定するとともに、耐久性が向上する。また、モニター取付部８０の垂れ下がりを低減させ、フリクショントルク発生機構の耐久性を増大させることができる。

次に、本実施形態に係る支持装置１００の作用を説明する。モニター用ディスプレイ装置３００は、昇降装置１０の支柱１３に対する取付部材１４の取付位置を調節することにより、上下方向の位置が調整され、締付ネジ１４ｄによりその位置が保持される。さらに、モニター用ディスプレイ装置３００は、第１の支持アーム４０の固定端が第１支持機構２０を介して取付部材１４に取付けられ、第２の支持アーム７０の固定端が第２支持機構５０を介して第１の支持アーム４０に取付けられていることにより、水平方向及び前後方向の位置が調整される。そして、第１の支持機構２０のスイベルトルクヒンジ３０のフリクショントルク発生機構と第２の支持機構５０のスイベルトルクヒンジ３０のフリクショントルク発生機構によりフリクショントルクが創出され、モニター用ディスプレイ装置３００の水平方向の位置が任意の位置で停止保持される。

なお、図９では第１の支持アーム４０のヒンジ収容部４２に第１の支持機構２０を組み付ける形態を示している。これに対して、第２の支持アーム７０のヒンジ収容部７２にブッシュ受け７３、ネジ孔７４及びネジ７５を用いて第２の支持機構５０を組み付ける形態も第１の支持機構２０と同様である。

また、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。

上記実施の形態では、取付部材１４を昇降可能な昇降装置１０を仕事机２００にネジ固定されるものとしている。このように構成すると、モニター用ディスプレイ装置３００の高さを調節できる利点があるが、このものに限定されない。その取付方法、取付形態は任意である。したがって、取付部材１４が仕事机２００のような機器に直に取り付けられる構成としても良い。

上記実施の形態では、第１の支持アーム４０に組み付けられる第１の支持機構２０と、第２の支持アーム７０に組み付けられる第２の支持機構５０と、で同じ部品を使用している。これに対し、第１の支持機構２０と第２の支持機構５０とで互いに異なる大きさのスイベルトルクヒンジを用いる構成としてもよい。

上記実施の形態では、支持装置１００が支持する機器をモニター用ディスプレイ装置３００としている。これに対し、ディスプレイ装置モニターのみならず、電話機、事務機器等の各種機器を支持し、水平方向に延びる回動可能なアームを有し、アームの自由端側に下向きの力が加わる支持機構及びこの支持機構を用いた支持装置に本発明を適用することができる。

１０ 昇降装置（取付要素）
２０ 第１の支持機構
２１ 固定ガイド部材
２２ 第１軸受部材
２３ 第２軸受部材
３０ スイベルトルクヒンジ
３１ ヒンジシャフト
３１ｃ シャフト上部
３２ ブラケット
３３ スプリングワッシャー
３６ フリクションワッシャー
３７ａ フリクションワッシャー
３７ｂ フリクションワッシャー
４０ 第１の支持アーム
５０ 第２の支持機構
７０ 第２の支持アーム
１００ 支持装置

Claims (7)

1. 一端部側に押し下げ荷重の加わる単数又は複数の支持アームを、取付要素に対して少なくとも水平方向へ揺動可能に支持する支持装置の支持機構であって、前記支持機構にフリクションワッシャーとスプリングワッシャーなどの弾性部材とを用いたフリクショントルク発生手段を備えたスイベルトルクヒンジを用い、
   前記スイベルトルクヒンジのヒンジシャフトのシャフト上部を前記支持アームに設けた取付孔部に軸支させると共に、前記ヒンジシャフトに前記フリクショントルク発生手段を介して前記支持アームを支えるブラケットをフリクション回転可能に設け、このブラケットに接して固定ガイド部材を前記ヒンジシャフトに対して回転可能に取り付け、前記支持アームと前記ブラケットと前記固定ガイド部材を取付ネジを介して共締めさせて成ることを特徴とする、支持機構。
2. 前記支持アームと前記固定ガイド部材のいずれか一方或は双方には、軸受部材が取り付けられていることを特徴とする、請求項１に記載の支持機構。
3. 前記支持機構は、前記支持アームが複数用いられる場合には、前記支持アーム間の連結個所にも用いられることを特徴とする、請求項１～２のいずれか１項に記載の支持機構。
4. 前記スイベルトルクヒンジは、そのヒンジシャフトを取付要素に対して取付手段を介して取り付けられることを特徴とする、請求項１～３のいずれか１項に記載の支持機構。
5. 前記スイベルトルクヒンジは、前記支持アームが複数から成る場合には、そのヒンジシャフトを互いに連結される一方の支持アームに取り付けられることを特徴とする、請求項１～３のいずれか１項に記載の支持機構。
6. 前記取付要素は、支持台（例えば机）であることを特徴とする、請求項１に記載の支持機構。
7. 請求項１～５に各記載の支持機構を用いたことを特徴とする、支持装置。

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