JP7488988B2 - 電動圧縮機 - Google Patents

Description

本発明は、電動圧縮機に関する。

電動圧縮機は、圧縮部と、電動モータと、インバータと、を備えている。圧縮部は、流体を圧縮する。電動モータは、圧縮部を駆動する。インバータは、電動モータを駆動する。また、インバータは、回路基板と回路基板に実装される電気部品とを備えている。電動圧縮機は、筒状の周壁及び周壁の一端を閉塞する端壁を有するモータハウジングを備えている。モータハウジングは、電動モータを収容する。電動圧縮機は、インバータカバーを備えている。インバータカバーは、モータハウジングの端壁と接合することでインバータを収容するインバータ収容室を区画する。電動圧縮機は、外部コネクタを備えている。外部コネクタは、インバータカバーに固定されている。外部コネクタには、外部から給電コネクタが接続される。そして、外部コネクタに接続された給電コネクタからの電力がインバータの回路基板に供給されることにより、インバータが電動モータを駆動する。また、例えば特許文献１のように、外部コネクタがインバータカバーから突出している場合がある。

特開２０２０－１５９３２０号公報

電動圧縮機の多くは、冷却目的として電気部品が端壁に熱的に結合され、その結果、電気部品のリード部は回路基板の外部コネクタ側の面にて回路基板に半田付けされる。特許文献１のように、外部コネクタがインバータカバーから突出している場合、回路基板と給電コネクタとを電気的に接続する導電部材を、外部コネクタ側の面から回路基板に対して半田付けすることが困難である。その結果、両方の面に対して半田付けするよう、回路基板を一度裏返す工程が必要となり、生産性が損なわれる。したがって、給電コネクタから回路基板までの導電経路を容易に形成しつつも、電動圧縮機の生産性の向上を図ることが望まれている。

上記課題を解決する電動圧縮機は、流体を圧縮する圧縮部と、前記圧縮部を駆動する電動モータと、前記電動モータを駆動するインバータと、筒状の周壁及び前記周壁の一端を閉塞する端壁を有し前記電動モータを収容するモータハウジングと、前記端壁と接合することで前記インバータを収容するインバータ収容室を区画するインバータカバーと、前記インバータカバーに固定されるとともに外部から給電コネクタが接続される外部コネクタと、を備え、前記インバータは、回路基板と前記回路基板に実装される電気部品とを備え、前記電気部品は、前記端壁に熱的に結合されている電動圧縮機であって、前記インバータ収容室には、第１内部コネクタと第２内部コネクタが設けられ、前記第１内部コネクタは、前記端壁に固定される樹脂製の第１筺体と、前記第１筺体に内蔵される第１導電部材と、を有し、前記第２内部コネクタは、前記インバータカバーに固定される樹脂製の第２筺体と、前記第２筺体に内蔵される第２導電部材と、を有し、前記第１導電部材の一端は、前記電気部品のリード部と共に、前記回路基板を前記端壁側の面から貫通するとともに、前記外部コネクタ側の面にて前記回路基板に半田付けされており、前記第２導電部材の一端は、前記給電コネクタと電気的に接続されており、前記第１導電部材の他端と前記第２導電部材の他端は、前記モータハウジングへの前記インバータカバーの結合に伴い嵌合されて電気的に接続され、前記モータハウジングと前記インバータカバーの分離に伴い嵌合が解除されて電気的に遮断される。

これによれば、第１導電部材の一端が回路基板をモータハウジングの端壁側の面から貫通するとともに、外部コネクタ側の面にて回路基板に半田付けされる。したがって、第１導電部材の一端と電気部品のリード部とを外部コネクタ側の面にて同じ工程内で半田付けすることができる。さらに、第２導電部材の一端が、給電コネクタと電気的に接続されている。そして、第１導電部材の他端と第２導電部材の他端が、モータハウジングへのインバータカバーの結合に伴い嵌合されて電気的に接続される。したがって、モータハウジングとインバータカバーとを結合するだけで、第１導電部材と第２導電部材とを電気的に接続することができる。そして、給電コネクタからの電力が、第２導電部材の一端、第２導電部材の他端、第１導電部材の他端、及び第１導電部材の一端を経由して回路基板に供給され、インバータが電動モータを駆動する。このように、電気部品が端壁に熱的に結合されつつ外部コネクタがインバータカバーから突出している構成であっても、半田付けのために回路基板を裏返す必要無く、給電コネクタから回路基板までの導電経路を容易に形成することができる。以上により、電動圧縮機の生産性の向上を図ることができる。

上記電動圧縮機において、前記インバータカバーは金属製であり、前記インバータカバーは、前記回路基板に沿って延びる延在壁と、前記延在壁から前記回路基板とは反対側へ突出する突出壁と、を有し、前記外部コネクタは、前記突出壁に固定されるとともに前記突出壁から前記延在壁に沿って延びており、前記第２筺体の少なくとも一部は、前記突出壁の内部に設けられているとよい。

これによれば、外部コネクタが突出壁から延在壁に沿って延びており、第２筺体の少なくとも一部が、突出壁の内部に設けられている。したがって、インバータカバーが金属製であり、外部コネクタが延在壁に沿って延びている構成であっても製造が容易な電動圧縮機を実現させることができる。

上記電動圧縮機において、前記第２導電部材は、前記突出壁の突出方向へ延びるとともに端部が前記第１導電部材の他端と嵌合する第１延在部と、前記延在壁の延在方向へ延びるとともに端部が前記外部コネクタにて露出される第２延在部と、を含み、前記第２筺体は、前記第１延在部を保持する第１保持部と、前記第２延在部を保持する第２保持部と、を含むとよい。

このように、第２筺体が、第１延在部を保持する第１保持部と、第２延在部を保持する第２保持部と、を含む構成は、外部コネクタが延在壁に沿って延びている電動圧縮機を製造する上で好適な構成である。

上記電動圧縮機において、前記インバータカバーは樹脂製であり、前記第２筺体は、前記インバータカバーに一体形成されているとよい。
これによれば、第２筺体が、インバータカバーとは別体である場合に比べると、部品点数を削減することができる。したがって、電動圧縮機の構成を簡素化させることができる。

この発明によれば、電動圧縮機の生産性の向上を図ることができる。

実施形態における電動圧縮機を一部破断して示す側断面図である。 電動圧縮機の一部分を拡大して示す断面図である。 別の実施形態における電動圧縮機の一部分を拡大して示す断面図である。

以下、電動圧縮機を具体化した一実施形態を図１及び図２にしたがって説明する。本実施形態の電動圧縮機は、例えば、車両空調装置に用いられる。
（電動圧縮機１０の全体構成）
図１に示すように、電動圧縮機１０は、ハウジング１１を備えている。ハウジング１１は、モータハウジング１２と、吐出ハウジング１３と、を有している。モータハウジング１２及び吐出ハウジング１３は、金属製であり、例えば、アルミニウム製である。

モータハウジング１２は、筒状の周壁１２ａ及び周壁１２ａの一端を閉塞する板状の端壁１２ｂを有している。端壁１２ｂは、周壁１２ａの開口の外縁を超えて径方向外側へ一部延在している。吐出ハウジング１３は、モータハウジング１２の周壁１２ａにおける端壁１２ｂとは反対側に連結されている。そして、吐出ハウジング１３は、モータハウジング１２における端壁１２ｂとは反対側の開口を閉塞している。

電動圧縮機１０は、回転軸１５を備えている。回転軸１５は、モータハウジング１２内に収容されている。回転軸１５は、モータハウジング１２に回転可能に支持されている。また、電動圧縮機１０は、圧縮部１６を備えている。圧縮部１６は、回転軸１５の回転によって流体である冷媒を圧縮する。圧縮部１６は、例えば、モータハウジング１２内に固定された図示しない固定スクロールと、固定スクロールに対向配置される図示しない可動スクロールと、から構成されるスクロール式である。

電動圧縮機１０は、電動モータ１７を備えている。電動モータ１７は、モータハウジング１２内に収容されている。したがって、ハウジング１１は、圧縮部１６及び電動モータ１７を収容する。電動モータ１７は、回転軸１５を回転させて圧縮部１６を駆動する。

電動モータ１７は、筒状のステータ１８と、ステータ１８の内側に配置されるロータ１９と、を有している。ロータ１９は、回転軸１５と一体的に回転する。ステータ１８は、ロータ１９を取り囲んでいる。ロータ１９は、回転軸１５に止着されたロータコア１９ａと、ロータコア１９ａに設けられた図示しない複数の永久磁石と、を有している。ステータ１８は、筒状のステータコア１８ａと、ステータコア１８ａに巻回されたモータコイル２０と、を有している。そして、モータコイル２０に電力が供給されることによりロータ１９及び回転軸１５が回転する。

モータハウジング１２の周壁１２ａには、吸入口１２ｈが形成されている。また、吐出ハウジング１３には、吐出口１３ｈが形成されている。吸入口１２ｈには外部冷媒回路２１の一端が接続されている。吐出口１３ｈには外部冷媒回路２１の他端が接続されている。外部冷媒回路２１からの冷媒は、吸入口１２ｈを介してモータハウジング１２内に吸入される。モータハウジング１２内に吸入された冷媒は、圧縮部１６によって圧縮される。圧縮部１６によって圧縮された冷媒は、吐出ハウジング１３内に吐出される。吐出ハウジング１３内に吐出された冷媒は、吐出口１３ｈを介して外部冷媒回路２１に吐出される。そして、外部冷媒回路２１に吐出された冷媒は、外部冷媒回路２１の熱交換器や膨張弁を経て、吸入口１２ｈを介してモータハウジング１２内に還流される。電動圧縮機１０及び外部冷媒回路２１は、車両空調装置２２を構成している。

電動圧縮機１０は、インバータカバー２５を備えている。インバータカバー２５は、金属製であり、例えば、アルミニウム製である。インバータカバー２５は、モータハウジング１２の端壁１２ｂに結合されている。そして、インバータカバー２５は、端壁１２ｂと接合することでインバータ収容室２６を区画する。したがって、インバータカバー２５は、ハウジング１１と共にインバータ収容室２６を区画する。

なお、モータハウジング１２の端壁１２ｂとインバータカバー２５との間には、環状のシール部材２７が設けられている。シール部材２７は、モータハウジング１２の端壁１２ｂとインバータカバー２５との間をシールしている。

（インバータ３０について）
電動圧縮機１０は、インバータ３０を備えている。インバータ３０は、電動モータ１７を駆動する。インバータ３０は、インバータ収容室２６内に収容されている。したがって、インバータ収容室２６は、インバータ３０を収容する。圧縮部１６、電動モータ１７、及びインバータ３０は、この順序で、回転軸１５の軸線Ｌが延びる方向である軸線方向に並んで配置されている。インバータ３０は、回路基板３１を有している。回路基板３１は、回路基板３１の厚み方向が回転軸１５の軸線方向に一致した状態で、インバータ収容室２６内に収容されている。したがって、回路基板３１の延在方向は、回転軸１５の軸線方向に対して直交する方向に一致している。

図２に示すように、回路基板３１には、電気部品３２が実装されている。したがって、インバータ３０は、回路基板３１と回路基板３１に実装される電気部品３２とを備えている。電気部品３２としては、例えば、ノイズを低減するフィルタ素子であるコンデンサや、コンデンサと共にフィルタ回路を構成するコイル等が挙げられる。電気部品３２は、回路基板３１に対してモータハウジング１２の端壁１２ｂ寄りに配置され端壁１２ｂに熱的に結合されている。電気部品３２は、リード部としての部品リード部３２ａを有している。部品リード部３２ａは、モータハウジング１２の端壁１２ｂ側の面から回路基板３１を貫通しつつ回路基板３１の後述する外部コネクタ４５側の面に半田付けされている。したがって、部品リード部３２ａは、電動モータ１７側から回路基板３１を貫通しつつ回路基板３１に半田付けされている。

（インバータカバー２５の構成）
インバータカバー２５は、延在壁４１と、突出壁４２と、を有している。延在壁４１は、板状である。延在壁４１は、回路基板３１に沿って延びている。延在壁４１は、回路基板３１の厚み方向に対して直交する方向へ延びている。延在壁４１は、回路基板３１に対して、モータハウジング１２の端壁１２ｂとは反対側に位置している。

突出壁４２は、延在壁４１の外面４１ａから突出している。したがって、突出壁４２は、延在壁４１から回路基板３１とは反対側へ突出している。突出壁４２における延在壁４１からの突出方向は、回路基板３１の厚み方向に一致している。突出壁４２は、延在壁４１の外面４１ａの外周部寄りに位置している。

突出壁４２は、延在壁４１の外面４１ａに連続する取付面４２ａを有している。取付面４２ａは、延在壁４１の外面４１ａから突出壁４２における延在壁４１からの突出方向へ延びている。したがって、取付面４２ａは、回路基板３１の厚み方向に延びている。

インバータカバー２５は、第１収容孔４３を有している。第１収容孔４３は、延在壁４１を貫通するとともに突出壁４２に凹設されている。第１収容孔４３の一端は、延在壁４１の内面４１ｂに開口している。第１収容孔４３の他端は、突出壁４２の内部で閉塞している。第１収容孔４３は、突出壁４２の内部を突出壁４２における延在壁４１からの突出方向へ延びている。第１収容孔４３は、延在壁４１の内面４１ｂにおいて、回路基板３１に対して重なっていない部位に開口している。

インバータカバー２５は、第２収容孔４４を有している。第２収容孔４４は、突出壁４２に穿設されている。第２収容孔４４の一端は、突出壁４２の取付面４２ａに開口している。第２収容孔４４の他端は、第１収容孔４３の他端に連通している。第２収容孔４４は、突出壁４２の内部を延在壁４１に沿って延びている。したがって、第２収容孔４４は、回路基板３１に沿って延びている。

（外部コネクタ４５の構成）
電動圧縮機１０は、筒状の外部コネクタ４５を備えている。外部コネクタ４５は、金属端子とそれを囲う樹脂製の筒体４５ａを有する。外部コネクタ４５には、給電コネクタ４６が接続される。外部コネクタ４５は、インバータカバー２５から突出している。外部コネクタ４５は、突出壁４２に固定されている。具体的には、筒体４５ａは、螺子４７によって突出壁４２の取付面４２ａに取り付けられている。筒体４５ａは、筒体４５ａの軸線が第２収容孔４４の軸線に一致した状態で、突出壁４２の取付面４２ａに取り付けられている。したがって、外部コネクタ４５は、突出壁４２から延在壁４１に沿って延びている。よって、外部コネクタ４５は、回路基板３１に対して、モータハウジング１２の端壁１２ｂとは反対側に位置した状態で、回路基板３１に沿って延びている。したがって、インバータ３０は、回転軸１５の軸線方向において端壁１２ｂと外部コネクタ４５とに挟まれるよう配置されている。外部コネクタ４５の延在方向は、回路基板３１の厚み方向に対して直交する方向である。

（第１筺体５１の構成）
電動圧縮機１０は、樹脂製の第１筺体５１を有している。第１筺体５１は、例えば、四角箱状のケース部材である。第１筺体５１は、螺子Ｂ１によってモータハウジング１２の端壁１２ｂに固定されている。したがって、第１筺体５１は、ハウジング１１に固定されている。第１筺体５１は、第１挿通孔５１ｈを有している。第１挿通孔５１ｈは、第１筺体５１におけるモータハウジング１２の端壁１２ｂとは反対側に位置する面に開口している。なお、第１筺体５１におけるモータハウジング１２の端壁１２ｂ側に位置する面は、第１筺体５１における電動モータ１７側に位置する面である。

第１筺体５１は、第１筺体５１の大部分が回転軸１５の軸線方向から見て回路基板３１に対して重ならない状態で、インバータ収容室２６内に収容されている。したがって、第１筺体５１は、第１筺体５１の一部分が回路基板３１に対して重なった状態で、インバータ収容室２６内に収容されている。第１挿通孔５１ｈは、第１筺体５１におけるモータハウジング１２の端壁１２ｂとは反対側に位置する面において、第１筺体５１における回路基板３１に対して重なっていない部位に開口している。

（第１導電部材６１の構成）
電動圧縮機１０は、第１導電部材６１を有している。第１導電部材６１は、第１筺体５１に内蔵されている。第１導電部材６１の一端は、コネクタリード部６２を有している。コネクタリード部６２は、柱状である。コネクタリード部６２は、第１筺体５１から突出している。そして、コネクタリード部６２は、電気部品３２の部品リード部３２ａと共に、回路基板３１を端壁１２ｂ側の面から貫通するとともに、外部コネクタ４５側の面にて回路基板３１に半田付けされている。コネクタリード部６２は、第１筺体５１におけるモータハウジング１２の端壁１２ｂとは反対側に位置する面から突出している。コネクタリード部６２は、第１筺体５１における回路基板３１に対して重なっている部位から突出している。

第１導電部材６１の他端は、第１接続部６３を有している。第１接続部６３は、筒状である。第１接続部６３は、第１筺体５１の内側に位置している。第１導電部材６１は、第１接続部６３の内側が第１挿通孔５１ｈを介して第１筺体５１の外部へ臨んだ状態で、第１筺体５１に内蔵されている。したがって、第１接続部６３の内側と第１挿通孔５１ｈとは連通している。第１筺体５１と第１導電部材６１は、第１内部コネクタ８１を構成している。

（第２筺体５２の構成）
電動圧縮機１０は、樹脂製の第２筺体５２を有している。第２筺体５２は、第１保持部５３と、第２保持部５４と、を含む。第１保持部５３は、例えば、四角箱状のケース部材である。第１保持部５３は、第１保持部５３の大部分が第１収容孔４３内に配置された状態でインバータカバー２５に対して配置されている。したがって、第１保持部５３の大部分は、突出壁４２の内部に設けられている。第１保持部５３は、螺子Ｂ２によってインバータカバー２５に固定されている。第１保持部５３は、第２挿通孔５３ｈを有している。第２挿通孔５３ｈは、第１保持部５３における突出壁４２の取付面４２ａ側に位置する面に開口している。第１保持部５３は、第２挿通孔５３ｈが第２収容孔４４に連通した状態となるよう第１収容孔４３に対して配置されている。

第２保持部５４は、例えば、柱状のブロック体である。第２保持部５４は、嵌込部５４ａと、筒部５４ｂと、を有している。嵌込部５４ａは、第２収容孔４４に嵌め込まれている。したがって、嵌込部５４ａは、突出壁４２の内部に設けられている。よって、第２筺体５２の一部は、突出壁４２の内部に設けられている。第２保持部５４は、嵌込部５４ａが第２収容孔４４に嵌め込まれることにより、インバータカバー２５に固定されている。したがって、第２筺体５２は、インバータカバー２５に固定されている。第２保持部５４は、筒部５４ｂが第２収容孔４４から取付面４２ａよりも突出するよう第２収容孔４４に対して配置されている。第２保持部５４の筒部５４ｂは、外部コネクタ４５の内側に突出している。

（第２導電部材７１の構成）
電動圧縮機１０は、第２導電部材７１を有している。第２導電部材７１は、第２筺体５２に内蔵されている。第２導電部材７１の一端は、コネクタ接続部７２を有している。コネクタ接続部７２は、筒体４５ａの内側にて外部に向かって露出されており、外部コネクタ４５の金属端子を成している。よって、コネクタ接続部７２は、外部コネクタ４５と電気的に接続されている。第２導電部材７１の他端は、第２接続部７３を有している。第２接続部７３は、第１導電部材６１の第１接続部６３に電気的に接続される。したがって、第１導電部材６１の他端と第２導電部材７１の他端とは、互いに電気的に接続される第１接続部６３と第２接続部７３とをそれぞれ有している。

第２導電部材７１は、第１延在部７４と、第２延在部７５と、を含む。第１延在部７４は、第１保持部５３に保持されている。したがって、第１保持部５３は、第１延在部７４を保持する。第１延在部７４の一端は、第１延在端子７４ａを有している。第１延在端子７４ａは、筒状である。第１延在端子７４ａは、第１保持部５３の内側に位置している。第１延在部７４は、第１延在端子７４ａの内側が第２挿通孔５３ｈを介して第１保持部５３の外部へ臨んだ状態で、第１保持部５３に内蔵されている。したがって、第１延在端子７４ａの内側と第２挿通孔５３ｈとは連通している。

第１延在部７４の他端は、第１保持部５３から突出する柱状である。第１延在部７４の他端は、第１挿通孔５１ｈを介して第１筺体５１内に挿入され、第１導電部材６１の第１接続部６３に嵌め込まれている。これにより、第１延在部７４と第１導電部材６１とが電気的に接続されている。第１延在部７４の他端は、第１接続部６３に電気的に接続される第２接続部７３である。したがって、第１延在部７４の他端は、第２導電部材７１の他端である。よって、第１延在部７４は、突出壁４２の突出方向へ延びるとともに端部が第１導電部材６１の他端と嵌合する。

第１導電部材６１の第１接続部６３と第２導電部材７１の第２接続部７３は、モータハウジング１２へのインバータカバー２５の結合に伴い嵌合されて電気的に接続されている。一方で、第１導電部材６１の第１接続部６３と第２導電部材７１の第２接続部７３は、モータハウジング１２とインバータカバー２５の分離に伴い嵌合が解除されて電気的に遮断される。

第２延在部７５は、第２保持部５４に保持されている。したがって、第２保持部５４は、第２延在部７５を保持する。第２延在部７５の一端は、第２保持部５４を貫通して第２保持部５４の筒部５４ｂの内側に突出する薄板状である。第２延在部７５の一端は、給電コネクタ４６と電気的に接続可能なコネクタ接続部７２である。したがって、第２延在部７５の一端は、第２導電部材７１の一端であり、給電コネクタ４６に電気的に接続されている。よって、第２延在部７５は、延在壁４１の延在方向へ延びるとともに端部が外部コネクタ４５にて露出される。

第２延在部７５の他端は、第２保持部５４から突出する柱状である。第２延在部７５の他端は、第２挿通孔５３ｈを介して第１保持部５３内に挿入され、第１延在部７４の第１延在端子７４ａに嵌め込まれている。これにより、第１延在部７４と第２延在部７５とが電気的に接続されている。第２筺体５２と第２導電部材７１は、第２内部コネクタ８２を構成している。したがって、インバータ収容室２６には、第１内部コネクタ８１と第２内部コネクタ８２が設けられている。

（作用）
次に、本実施形態の作用について説明する。
第１導電部材６１の一端が、回路基板３１に半田付けされるコネクタリード部６２を有している。コネクタリード部６２が、第１筺体５１から突出するとともに端壁１２ｂ側の面から回路基板３１を貫通しつつ回路基板３１の外部コネクタ４５側の面に半田付けされる。部品リード部３２ａもコネクタリード部６２と同様に、端壁１２ｂ側の面から回路基板３１を貫通しつつ回路基板３１の外部コネクタ４５側の面に半田付けされる。さらに、端壁１２ｂとインバータカバー２５が接合されるのに伴い、第１導電部材６１の第１接続部６３と第２導電部材７１の第２接続部７３とが接続されることで、第１導電部材６１と第２導電部材７１とが電気的に接続される。そして、給電コネクタ４６からの電力が、第２導電部材７１のコネクタ接続部７２、第２導電部材７１の第２接続部７３、第１導電部材６１の第１接続部６３、及び第１導電部材６１のコネクタリード部６２を経由して回路基板３１に供給される。これにより、インバータ３０が電動モータ１７を駆動する。

（効果）
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
（１）第１導電部材６１の一端が回路基板３１をモータハウジング１２の端壁１２ｂ側の面から貫通するとともに、外部コネクタ４５側の面にて回路基板３１に半田付けされる。したがって、第１導電部材６１の一端と電気部品３２の部品リード部３２ａとを外部コネクタ４５側の面にて同じ工程内で半田付けすることができる。さらに、第２導電部材７１の一端が、給電コネクタ４６と電気的に接続されている。そして、第１導電部材６１の他端と第２導電部材７１の他端が、モータハウジング１２へのインバータカバー２５の結合に伴い嵌合されて電気的に接続される。したがって、モータハウジング１２とインバータカバー２５とを結合するだけで、第１導電部材６１と第２導電部材７１とを電気的に接続することができる。そして、給電コネクタ４６からの電力が、第２導電部材７１のコネクタ接続部７２、第２導電部材７１の第２接続部７３、第１導電部材６１の第１接続部６３、及び第１導電部材６１のコネクタリード部６２を経由して回路基板３１に供給される。これにより、インバータ３０が電動モータ１７を駆動する。このように、電気部品３２が端壁１２ｂに熱的に結合されつつ外部コネクタ４５がインバータカバー２５から突出している構成であっても、半田付けのために回路基板３１を裏返す必要が無い。そして、給電コネクタ４６から回路基板３１までの導電経路を容易に形成することができる。以上により、電動圧縮機１０の生産性の向上を図ることができる。

（２）外部コネクタ４５が突出壁４２から延在壁４１に沿って延びており、第２筺体５２の一部が、突出壁４２の内部に設けられている。したがって、インバータカバー２５が金属製であり、外部コネクタ４５が延在壁４１に沿って延びている構成であっても製造が容易な電動圧縮機１０を実現させることができる。

（３）第２筺体５２が、第１延在部７４を保持する第１保持部５３と、第２延在部７５を保持する第２保持部５４と、を含む構成は、外部コネクタ４５が延在壁４１に沿って延びている電動圧縮機１０を製造する上で好適な構成である。

（４）電動圧縮機１０においては、第１導電部材６１と第２導電部材７１とを互いに組み付ける構成とすることで、第１導電部材６１と第２導電部材７１との組み付け箇所で第１導電部材６１及び第２導電部材７１の寸法公差が吸収され易い。したがって、第１導電部材６１のコネクタリード部６２と回路基板３１との半田付け部分に応力が掛かり難くなるため、信頼性を向上させることができる。

（５）第２導電部材７１の第２接続部７３が第１導電部材６１の第１接続部６３に嵌め込まれることにより、シール部材２７を跨いだ第１導電部材６１と第２導電部材７１との電気的接続が可能となる。したがって、シール部材２７の位置を変更することなく、給電コネクタ４６から回路基板３１までの導電経路を容易に形成することができる。

（変更例）
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。

○ 図３に示すように、インバータカバー２５が樹脂製であってもよい。また、第２導電部材７１は、第１延在部７４及び第２延在部７５が一体形成されることで構成されていてもよい。この場合、第２導電部材７１及びインバータカバー２５は、インサート成形により一体化されていてもよい。したがって、第２導電部材７１を内蔵する第２筺体５２が、インバータカバー２５に一体形成されていてもよい。また、外部コネクタ４５が、インバータカバー２５に一体形成されていてもよい。これによれば、第２筺体５２が、インバータカバー２５とは別体である場合に比べると、部品点数を削減することができる。したがって、電動圧縮機１０の構成を簡素化させることができる。

○ 実施形態において、端壁１２ｂが回転軸１５の軸線方向において２つに分割されていてもよい。この場合、端壁１２ｂの一方をインバータカバー２５と結合させてインバータ収容室２６を区画した後に、端壁１２ｂの他方へと結合させることができる。

○ 実施形態において、外部コネクタ４５が突出壁４２から延在壁４１に沿って延びていなくてもよく、例えば、外部コネクタ４５が延在壁４１から延在壁４１の厚み方向へ突出していてもよい。要は、インバータ３０が、電動モータ１７と外部コネクタ４５とに挟まれるよう配置されている構成であればよい。

○ 実施形態において、第２筺体５２の全体が突出壁４２の内部に設けられていてもよい。要は、第２筺体５２の少なくとも一部が、突出壁４２の内部に設けられていればよい。

○ 実施形態において、第１筺体５１は、螺子Ｂ１によってモータハウジング１２の端壁１２ｂに固定されていたが、これに限らず、第１筺体５１が、例えば、接着剤によってモータハウジング１２の端壁１２ｂに固定されていてもよい。要は、第１筺体５１は、ハウジング１１に固定されていれば、その固定方法は特に限定されるものではない。

○ 実施形態において、第１保持部５３は、螺子Ｂ２によってインバータカバー２５に固定されていたが、これに限らず、第１保持部５３が、例えば、接着剤によってインバータカバー２５に固定されていてもよい。要は、第１保持部５３は、インバータカバー２５に固定されていれば、その固定方法は特に限定されるものではない。

○ 実施形態において、第２保持部５４は、嵌込部５４ａが第２収容孔４４に嵌め込まれることにより、インバータカバー２５に固定されていたが、これに限らず、第２保持部５４が、例えば、螺子によってインバータカバー２５に固定されていてもよい。要は、第２保持部５４は、インバータカバー２５に固定されていれば、その固定方法は特に限定されるものではない。

○ 実施形態において、電動圧縮機１０は、例えば、インバータ３０が、ハウジング１１に対して回転軸１５の径方向外側に配置されている構成であってもよい。要は、圧縮部１６、電動モータ１７、及びインバータ３０が、この順序で、回転軸１５の軸線方向に並んで配置されていなくてもよい。そして、外部コネクタ４５がインバータカバー２５から突出している構成であればよい。

○ 実施形態において、圧縮部１６は、スクロール式に限らず、例えば、ピストン式やベーン式等であってもよい。
○ 実施形態において、電動圧縮機１０は、車両空調装置２２を構成していたが、これに限らず、例えば、電動圧縮機１０は、燃料電池車に搭載されており、燃料電池に供給される流体としての空気を圧縮部１６により圧縮するものであってもよい。

１０…電動圧縮機、１２…モータハウジング、１２ａ…周壁、１２ｂ…端壁、１６…圧縮部、１７…電動モータ、２５…インバータカバー、２６…インバータ収容室、３０…インバータ、３１…回路基板、３２…電気部品、３２ａ…リード部としての部品リード部、４１…延在壁、４２…突出壁、４５…外部コネクタ、４６…給電コネクタ、５１…第１筺体、５２…第２筺体、５３…第１保持部、５４…第２保持部、６１…第１導電部材、７１…第２導電部材、７４…第１延在部、７５…第２延在部、８１…第１内部コネクタ、８２…第２内部コネクタ。

Claims (4)

1. 流体を圧縮する圧縮部と、
   前記圧縮部を駆動する電動モータと、
   前記電動モータを駆動するインバータと、
   筒状の周壁及び前記周壁の一端を閉塞する端壁を有し前記電動モータを収容するモータハウジングと、
   前記端壁と接合することで前記インバータを収容するインバータ収容室を区画するインバータカバーと、
   前記インバータカバーに固定されるとともに外部から給電コネクタが接続される外部コネクタと、を備え、
   前記インバータは、回路基板と前記回路基板に実装される電気部品とを備え、
   前記電気部品は、前記端壁に熱的に結合されている電動圧縮機であって、
   前記インバータ収容室には、第１内部コネクタと第２内部コネクタが設けられ、
   前記第１内部コネクタは、前記端壁に固定される樹脂製の第１筺体と、前記第１筺体に内蔵される第１導電部材と、を有し、
   前記第２内部コネクタは、前記インバータカバーに固定される樹脂製の第２筺体と、前記第２筺体に内蔵される第２導電部材と、を有し、
   前記第１導電部材の一端は、前記電気部品のリード部と共に、前記回路基板を前記端壁側の面から貫通するとともに、前記外部コネクタ側の面にて前記回路基板に半田付けされており、
   前記第２導電部材の一端は、前記給電コネクタと電気的に接続されており、
   前記第１導電部材の他端と前記第２導電部材の他端は、前記モータハウジングへの前記インバータカバーの結合に伴い嵌合されて電気的に接続され、前記モータハウジングと前記インバータカバーの分離に伴い嵌合が解除されて電気的に遮断されることを特徴とする電動圧縮機。
2. 前記インバータカバーは金属製であり、
   前記インバータカバーは、
   前記回路基板に沿って延びる延在壁と、
   前記延在壁から前記回路基板とは反対側へ突出する突出壁と、を有し、
   前記外部コネクタは、前記突出壁に固定されるとともに前記突出壁から前記延在壁に沿って延びており、
   前記第２筺体の少なくとも一部は、前記突出壁の内部に設けられていることを特徴とする請求項１に記載の電動圧縮機。
3. 前記第２導電部材は、
   前記突出壁の突出方向へ延びるとともに端部が前記第１導電部材の他端と嵌合する第１延在部と、
   前記延在壁の延在方向へ延びるとともに端部が前記外部コネクタにて露出される第２延在部と、を含み、
   前記第２筺体は、
   前記第１延在部を保持する第１保持部と、
   前記第２延在部を保持する第２保持部と、を含むことを特徴とする請求項２に記載の電動圧縮機。
4. 前記インバータカバーは樹脂製であり、
   前記第２筺体は、前記インバータカバーに一体形成されていることを特徴とする請求項１に記載の電動圧縮機。

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