JP7488905B2 - ステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ステアリング装置に関する。
ステアリング装置として、例えば以下の特許文献1に記載されたステアリング装置が知られている。
特許文献1のステアリング装置は、ラックバーを移動可能に収容する円筒状のラックハウジングを有している。このラックハウジングは、ラックバーの移動方向へ延びる筒状部を有し、該筒状部の軸方向端部の内周部には、ラックバーの外周部と径方向に対向する角部が形成されている。
特開2015-182713号公報
特許文献1に記載のステアリング装置では、ラックバーが路面からの入力により撓んだときに、その撓み量によってはラックバーの外周部が筒状部の角部に当接してしまう。そして、この当接により筒状部の角部に過度の応力が作用することで、角部が欠損する虞があった。
本発明は、従来の実情に鑑みて案出されたもので、ラックハウジングの内周部の欠損を抑制することが可能なステアリング装置を提供することを一つの目的としている。
本発明では、その一態様として、ラックハウジングが、筒状部の軸方向端部に設けられた第1傾斜部を有し、該第1傾斜部は、ラックバーからラックバーの径方向外側へ離れるように傾斜する。第1傾斜部は、ラックバーが外部からの入力により撓んだときに、筒状部よりも後にラックバーと当接する。
本発明によれば、ラックハウジングの内周部の欠損を抑制することができる。
第1の実施形態のステアリング装置の概略図である。 (a)は、ラックバーの平面図であり、(b)は、ラックバーの斜視図である。 図2(a)の線A-Aに沿って切断したラックバーの断面図である。 図1の線B-Bに沿って切断したラックハウジング内のラックバーの断面図である。 図4の線C-Cに沿って切断したラックバーおよびラックハウジングの縦断面図である。 (a)は、ラックバーが矢印X方向へ撓み始めたときのラックバーおよびラックハウジングの縦断面図、(b)は、(a)の状態からラックバーが矢印X方向へさらに撓んだときのラックバーおよびラックハウジングの縦断面図、(c)は、(b)の状態からラックバーが矢印X方向へさらに撓んだときのラックバーおよびラックハウジングの縦断面図である。 従来技術のラックバーおよびラックハウジングの縦断面図である。 第2の実施形態のラックバーおよびラックハウジングの縦断面図である。
以下、本発明のステアリング装置の実施形態を図面に基づき説明する。
[第1の実施形態]
(ステアリング装置の構成)
図1は、第1の実施形態のステアリング装置の概略図である。図1では、ステアリング装置の一部(ラックエンドの外側部分)を断面で示してある。
図1に示すように、ステアリング装置は、運転者からの操舵力を伝達する操舵機構1と、運転者の操舵操作を補助する操舵アシスト機構2と、を備えている。
操舵機構1は、車両の運転室内に配置された図示せぬステアリングホイールと、車両の前輪である図示せぬ2つの転舵輪と、を機械的に連結している。操舵機構1は、ステアリングホイールからの回転力が伝達される入力軸3と、図示せぬトーションバーを介して入力軸3に接続された出力軸4と、を有した操舵軸5、およびこの操舵軸5の回転を転舵輪に伝達する伝達機構6を備えている。伝達機構6は、出力軸4の外周に設けられた図示せぬピニオンと、ラックバー7の外周に設けられた後述のラック歯部20と、からなるラック&ピニオン機構(ラック&ピニオン・ギヤ)により構成されている。
ラックバー7は、金属材料により円柱状に形成されており、細長い円筒状のラックハウジング8内に移動可能に収容されている。
操舵機構1側におけるラックバー7の一端部7aでは、ラックバー7の一端部7aに形成された雌ねじ部が第1ラックエンド9の雄ねじ部と噛み合うことにより、第1ラックエンド9がラックバー7の一端部7aに固定されている。ラックバー7の一端部7aにおいて、第1ラックエンド9は、円弧状に窪んだ凹部9aを有しており、この凹部9aに、第1タイロッド10の球状端部10aが嵌め込まれる。このように、凹部9aと球状端部10aとを組み合わせることによって、第1ボールジョイント11が構成されており、この第1ボールジョイント11を介して、ラックバー7と第1タイロッド10が接続されている。
同様に、操舵機構1とは反対側におけるラックバー7の他端部7bでは、ラックバー7の他端部7bに形成された雌ねじ部が第2ラックエンド12の雄ねじ部と噛み合うことにより、第2ラックエンド12が、ラックバー7の他端部7bに固定されている。ラックバー7の他端部7bにおいて、第2ラックエンド12は、円弧状に窪んだ凹部12aを有しており、この凹部12aに、第2タイロッド13の球状端部13aが嵌め込まれる。このように、凹部12aと球状端部13aとを組み合わせることによって、第2ボールジョイント14が構成されており、この第2ボールジョイント14を介して、ラックバー7と第2タイロッド13が接続されている。第1タイロッド10および第2タイロッド13は、図示せぬナックルアームを介して対応する転舵輪に連結されている。
ラックハウジング8は、金属材料、例えばアルミニウムを用いたダイカストによって形成されている。ラックハウジング8の軸方向両端8a,8bには、第1ラックエンド9とラックハウジング8との衝突時、および第2ラックエンド12とラックハウジング8との衝突時に、衝突による衝撃を緩和する図示せぬ緩衝部材がそれぞれ設けられても良い。
さらに、ラックハウジング8の軸方向両端8a,8bには、第1ボールジョイント11および第2ボールジョイント14の外周を覆う蛇腹状のブーツ15,15がそれぞれ設置されている。ブーツ15は、弾性材料、例えば合成ゴム材料により所定の可撓性を確保するように形成されており、ラックハウジング8内への水や埃等の侵入を防止している。
また、ラックハウジング8の軸方向両端部8a,8b付近には、このラックハウジング8を車体に取り付けるためのマウントブラケット16がそれぞれ設けられている。マウントブラケット16には、図示せぬゴムブッシュが設置され、このゴムブッシュを介して、ラックハウジング8が車体に取り付けられる。
操舵アシスト機構2は、操舵機構1に操舵力を付与する電動モータであるモータ17を備えており、このモータ17は、電子制御ユニット(ECU)18と一体に構成されている。電子制御ユニット18は、各種制御処理を記憶および実行する機能を有し、図示せぬトルクセンサからの操舵トルクの信号等に基づいてモータ17を駆動制御する。
かかるステアリング装置の構成から、運転者がステアリングホイールを回転操作すると、入力軸3が回転してトーションバーが捩られ、これにより生じるトーションバーの弾性力によって、出力軸4が回転する。そして、出力軸4の回転運動が上記ラック&ピニオン機構によりラックバー7の軸方向に沿う直線運動に変換され、タイロッド10,13を介して図示せぬナックルアームが車幅方向へと押し引きされることによって、対応した転舵輪の向きが変更される。
図2(a)は、ラックバー7の平面図であり、図2(b)は、ラックバー7の斜視図である。図3は、図2(a)の線A-Aに沿って切断したラックバー7の断面図である。
まず、ラックバー7の中心を通る線を「基準軸線M」と定義する。また、基準軸線Mと平行な方向であり、ラックバー7の移動方向と一致する方向を「軸方向」と定義し、基準軸線Mと直交する方向を基準軸線Mに対する「径方向」と定義し、さらに、基準軸線M周りの方向を「周方向」と定義する。
ラックバー7は、金属材料により一体に形成されたものであり、基準軸線Mを挟んで出力軸4の反対側となる周方向範囲に形成された概ね半円柱状のラック本体部19と、出力軸4と対向する周方向範囲にラック本体部19と一体に形成された複数のラック歯部20と、ラック本体部19の軸方向一端に一体に形成された円柱状の一端部7aと、ラック本体部19の軸方向他端に一体に形成された円柱状の他端部7bと、を有している。
ラック本体部19は、図3に示すように軸方向から見たときに、概ね半円形状をなしており、円弧状に連続する外周部の周方向一端に位置した外縁部19aと、外周部の周方向他端に位置した外縁部19bと、を有している。なお、ラック本体部19は、図3に示すように軸方向から見たときに、概ね半円形状である例を示したが、実施形態に限定されるものではない。
ラック歯部20は、両端部7a,7bを除く軸方向範囲の外周部の一部の周方向領域を鍛造により変形させてなる複数(本実施形態では31個)のラック歯部20を有する。図2(a)および図2(b)に示すように、複数のラック歯部20は、両端部7a,7bの間の軸方向領域において軸方向に沿って等間隔に配置されている。各ラック歯部20は、図2(a)に示すように、基準軸線Mに対して一端部7a側に僅かに傾斜している。つまり、各ラック歯部20は、ラック歯部20の歯幅方向他端部20bが歯幅方向一端部20aよりも僅かに一端部7a側に位置するように傾斜している。
さらに、ラック歯部20は、図3に示すように軸方向から見たときに概ね台形をなしている。ラック歯部20は、その歯幅方向の一端に位置する歯幅方向一端部20aと、歯幅方向の他端に位置する歯幅方向他端部20bと、を有している。
図3に示すように、歯幅方向一端部20aは、ラック本体部19の一方の外縁部19aから歯先部20c側へ向かって内側に傾斜した第1傾斜面部20dと、該第1傾斜面部20dの一端と歯先部20cの一端同士を接続する円弧面状の第1円弧状面部20eと、を有している。図3に示すように、第1傾斜面部20dおよび第1円弧状面部20eは、他端部7bの外周(円弧状の実線7cおよび円弧状の破線7d,7eによって外周の一部が示される)よりも径方向外側に位置している。
歯幅方向他端部20bは、第1傾斜面部20dと同様の形状を有し、ラック本体部19の他方の外縁部19bから歯先部20c側へ向かって内側に傾斜した第2傾斜面部20fと、第1円弧状面部20eと同様の形状を有し、第2傾斜面部20fの一端と歯先部20cの他端同士を接続する円弧面状の第2円弧状面部20gと、を有している。図3に示すように、第2傾斜面部20fおよび第2円弧状面部20gは、他端部7bの上述した外周よりも径方向外側に位置している。
ラック歯部20の歯幅(最大歯幅)TWは、図3に示すように軸方向から見たときの他端部7bの外周とラック歯部20の歯先部20cとの2つの交点C1,C2を結ぶ線分Lの長さL1よりも大きく、ラックバー7の直径以下の長さに設定されている。本実施形態では、歯幅TWは、ラックバー7の直径と概ね等しくなっている。
図4は、図1の線B-Bに沿って切断したラックハウジング8内のラックバー7の断面図である。なお、図4では、図を明瞭にするため、ラックハウジング8の外周部を簡略化してある。
ラックハウジング8は、該ラックハウジング8の中央部にラックバー7の外形に対応したラックバー収容貫通孔21bを有し、ラックバー収容貫通孔21bの軸方向両端部に、軸方向外側へ向かって段差拡径状に広がる段部21が設けられている。
ラックバー収容貫通孔21bの内周面は、第1円弧状面部20eおよび第2円弧状面部20gと対向する部位に、ラックバー7が外部、例えば路面からの入力によりラック本体部19からラック歯部20へ向かう方向Xへ撓んだときに第1円弧状面部20eおよび第2円弧状面部20gが当接可能な円弧面状の第1当接面部21cおよび第2当接面部21dを有している。第1当接面部21cおよび第2当接面部21dの曲率半径は、第1円弧状面部20eおよび第2円弧状面部20gの曲率半径よりも大きく形成されている。
また、段部21は第1ラックエンド9を受容可能な内径を有し、段部21の底面21aは、軸方向に沿った第1ボールジョイント11(図1参照)の移動を規制する規制面を構成する。径方向に沿った底面21aの幅は、第1当接面部21cおよび第2当接面部21dが設けられていない箇所の幅BW1が第1当接面部21cおよび第2当接面部21dが設けられている箇所の幅BW2,BW3よりも広くなるように形成されている。
なお、第1ボールジョイント11の移動の規制は、段部21の底面21aによって直接行われるのではなく、段部21に収容され、底面21aと当接可能に設けられた図示せぬ緩衝部材を介して間接的に行われても良い。
図5は、図4の線C-Cに沿って切断したラックバー7およびラックハウジング8の縦断面図である。なお、図5において、説明の都合上、第1傾斜角度αおよび第2傾斜角度βは誇張して示されており、実際の角度よりも大きくなっている。
ラックハウジング8は、軸方向へ延びる円筒形の筒状部22と、該筒状部22の軸方向一端部に設けられた第1傾斜部23と、該第1傾斜部23の軸方向一端部に接続された第2傾斜部24と、を有している。
ここで、図5において、筒状部22と径方向に対向する複数のラック歯部20のうち第1傾斜部23に隣接する内側面22aの端部と対向するラック歯部を「第1ラック歯部20A」と定義する。また、第1傾斜部23と径方向に対向するラック歯部を「第2ラック歯部20B」と定義し、第2傾斜部24と径方向に対向するラック歯部を「第3ラック歯部20C」と定義する。
筒状部22、第1傾斜部23および第2傾斜部24は、ラックバー7が路面からの入力により矢印X方向に撓んだときに第1~第3ラック歯部20A,20B,20Cから受ける応力を段階的に分散させることを前提として設けられている。即ち、筒状部22、第1傾斜部23および第2傾斜部24は、ラックバー7が矢印X方向に撓んだときに、最初に第1ラック歯部20Aが筒状部22に当接し、次に第2ラック歯部20Bが第1傾斜部23に当接し、最後に第3ラック歯部20Cが第2傾斜部24に当接するように設けられている。
筒状部22は、ラックハウジング8の軸方向中央に位置し、軸方向に沿って延びている。筒状部22は、鋳肌面を機械加工してなる内側面22aを有しており、該内側面22aは、軸方向と平行となっている。内側面22aは、ラックハウジング8の第1当接面部21cおよび第2当接面部21d(図4参照)に設けられている。
第1傾斜部23は、軸方向外側(軸方向一端8a側)へ向かうにつれてラックバー7から径方向外側に離れるように傾斜した第1傾斜内側面23aを有している。換言すれば、第1傾斜部23は、軸方向外側へ向かうにつれて基準軸線Mと第1傾斜部23との間の径方向距離が拡大するように傾斜した第1傾斜内側面23aを有している。第1傾斜内側面23aは、ラックハウジング8をダイカスト鋳造する際に形成された鋳肌面となっている。第1傾斜内側面23aは、ラックハウジング8の第1当接面部21cおよび第2当接面部21d(図4参照)に設けられている。第1傾斜内側面23aは、軸方向と平行な筒状部22の内側面22aと第1傾斜内側面23aとの間に形成される角度のうち劣角である第1傾斜角度αで軸方向外側へ向かって傾斜している。第1傾斜角度αは、ラックバー7が路面からの入力により弾性変形領域内で矢印X方向へ撓んだときに、第1ラック歯部20Aの第1円弧状面部20eおよび第2円弧状面部20g(図4参照)が筒状部22の各内側面22aに当接した後に第2ラック歯部20Bの第1円弧状面部20eおよび第2円弧状面部20gが各第1傾斜内側面23aに当接可能な角度に設定されている。本実施形態では、第1傾斜角度αは7°である。
また、第1傾斜内側面23aと内側面22aとは、図5に示すように軸方向に沿った断面で見たときにラックバー7側へ膨らむ円弧面状をなす第1円弧面25を介して互いに滑らかに接続されている。
第2傾斜部24は、第1傾斜部23の第1傾斜角度αよりも大きな第2傾斜角度βで径方向外側に離れるように傾斜した第2傾斜内側面24aを有している。第2傾斜角度βは、ラックバー7が路面からの入力により弾性変形領域内で矢印X方向へ撓んだときに、第2ラック歯部20Bの第1円弧状面部20eおよび第2円弧状面部20g(図4参照)が各第1傾斜内側面23aに当接した後に第3ラック歯部20Cの第1円弧状面部20eおよび第2円弧状面部20gが各第2傾斜内側面24aに当接可能な角度に設定されている。本実施形態では、第2傾斜角度βは11°である。また、第2傾斜内側面24aは、ラックハウジング8をダイカスト鋳造する際に形成された鋳肌面となっている。第2傾斜内側面24aは、ラックハウジング8の第1当接面部21cおよび第2当接面部21d(図4参照)に設けられている。
また、第2傾斜内側面24aと第1傾斜内側面23aとは、図5に示すように軸方向に沿った断面で見たときにラックバー7側へ膨らむ円弧面状をなす第2円弧面26を介して互いに滑らかに接続されている。また、第2傾斜内側面24aと段部21の底面21aとの間に設けられたコーナ部24bには、円弧面状に湾曲したR面取り部24cが形成されている。
また、本実施形態では、第2ラック歯部20Bを含む部分を用いて説明するが、ラック歯部20のピッチPは、軸方向に沿った第1傾斜内側面23aの軸方向幅D1および第2傾斜内側面24aの軸方向幅D2よりも短くなっている。このようにピッチPが軸方向幅D1,D2よりも短いときには、図5に示すように、軸方向に沿った第1円弧状面部20eの歯厚tが軸方向幅D1,D2に対して小さくなっており、第2ラック歯部20Bおよび第3ラック歯部20Cが第1傾斜内側面23aおよび第2傾斜内側面24aに当接し易くなる。
図6(a)は、ラックバー7が矢印X方向へ撓み始めたときのラックバー7およびラックハウジング8の縦断面図である。図6(b)は、図6(a)の状態からラックバー7が矢印X方向へさらに撓んだときのラックバー7およびラックハウジング8の縦断面図である。図6(c)は、図6(b)の状態からラックバー7が矢印X方向へさらに撓んだときのラックバー7およびラックハウジング8の縦断面図である。なお、ラックバー7が矢印X方向へ撓むときには、実際には第1~第3ラック歯部20A,20B,20Cの各歯幅方向一端部20aおよび各歯幅方向他端部20bが対応する筒状部22、第1傾斜部23および第2傾斜部24に当接するが、本実施形態では、代表して、各歯幅方向一端部20aの当接のみについて説明する。
図6(a)に示すように、ラックバー7が路面からの入力により矢印X方向へ撓み始めたときに、第1ラック歯部20Aの歯幅方向一端部20aの第1円弧状面部20eは、筒状部22の内側面22aと当接する。
内側面22aへの第1円弧状面部20eの当接後に、図6(b)に示すようにラックバー7が矢印X方向へさらに撓むと、第2ラック歯部20Bの歯幅方向一端部20aの第1円弧状面部20eは、第1傾斜部23の第1傾斜内側面23aと当接する。このとき、第1ラック歯部20Aの第1円弧状面部20eが内側面22aに当接した状態で、第2ラック歯部20Bの第1円弧状面部20eが第1傾斜内側面23aと当接するため、ラックバー7からラックハウジング8へ作用する応力は、内側面22aおよび第1傾斜内側面23aに分散される。
第1傾斜内側面23aへの第1円弧状面部20eの当接後に、図6(c)に示すようにラックバー7が矢印X方向へさらに撓むと、第3ラック歯部20Cの歯幅方向一端部20aの第1円弧状面部20eは、第2傾斜部24の第2傾斜内側面24aと当接する。このとき、第1ラック歯部20Aの第1円弧状面部20eが内側面22aに当接し、さらに、第2ラック歯部20Bの第1円弧状面部20eが第1傾斜内側面23aに当接した状態で、第3ラック歯部20Cの第1円弧状面部20eが第2傾斜内側面24aと当接するため、ラックバー7からラックハウジング8へ作用する応力は、内側面22a、第1傾斜内側面23aおよび第2傾斜内側面24aに分散される。
なお、本実施形態では、ラックハウジング8の軸方向一端8a側に内側面22a、第1傾斜内側面23aおよび第2傾斜内側面24aを設けた例を開示したが、ラックハウジング8の軸方向他端8b側に内側面22a、第1傾斜内側面23aおよび第2傾斜内側面24aを設けるようにしても良い。
[第1の実施形態の効果]
図7は、従来技術のラックバー7およびラックハウジング8の縦断面図である。
従来技術のステアリング装置では、本実施形態の第1および第2傾斜部23,24に相当するものが無く、角部27がラックハウジング8の筒状部22の軸方向一端部の内周部に設けられている。
図7に示すように、ラックバー7が路面からの入力により矢印X方向へ撓んだときに、第3ラック歯部20Cが筒状部22の角部27に過度に当接する。この角部27は、図7に示すように軸方向断面で見たときに90°の角度を有しており、筒状部22の他の部位と比べて応力が集中し易い部位となっている。この応力が集中し易い角部27に第3ラック歯部20Cの当接による過度な応力が作用すると、角部27が、応力集中により欠損する虞があった。
また、この欠損した角部27が筒状部22の内部を通じてラック&ピニオンの噛み合い部に噛み込むと、ラックバー7がロックされ、ラックバー7の円滑な移動が阻害される虞があった。
これに対し、本実施形態では、第1傾斜部23の第1傾斜内側面23aは、ラックバー7が路面からの入力により矢印X方向へ撓んだときに、第1ラック歯部20Aと筒状部22の内側面22aとの当接よりも後に第2ラック歯部20Bと当接する。これにより、ラックバー7からラックハウジング8に作用する応力が、内側面22aおよび第1傾斜内側面23aに分散される。より詳細には、内側面22aにより、ラックバー7からラックハウジング8に作用する応力を吸収させたうえで、より小さな応力が第1傾斜内側面23aに作用する。従って、内側面22aのみに過度な応力が直接作用する場合と比べて、ラックハウジング8の内側面の欠損の発生を抑制することができる。
また、第1傾斜内側面23aの欠損が抑制されると、欠損した第1傾斜内側面23aの一部がラック&ピニオンの噛み合い部に入り込み難くなる。これにより、従来技術の上記欠損した角部27の噛み込みによるラックバー7のロックを回避し、ラックバー7の移動を円滑に行うことができる。
さらに、内側面22aおよび第1傾斜内側面23aによりラックバー7からの応力を受けるときには、内側面22aのみにより応力を受ける場合と比べて、第1タイロッド10とラックバー7との接続点からラックバー7とラックハウジング8との当接点までの距離が短くなる。より詳細には、第1タイロッド10とラックバー7との接続点から第1傾斜内側面23aと第2ラック歯部20Bとの当接点までの距離は、第1タイロッド10とラックバー7との接続点から内側面22aと第1ラック歯部20Aとの当接点までの距離よりも短い。また、ラックバー7に作用する曲げモーメントは、第1タイロッド10とラックバー7との接続点からラックバー7とラックハウジング8との当接点までの距離と、ラックバー7の撓み方向つまり矢印X方向に作用する力との積である。よって、ラックバー7に作用する曲げモーメントは、矢印X方向に作用する力が一定であれば、第1タイロッド10とラックバー7との接続点からラックバー7とラックハウジング8との当接点までの距離が短い方が小さくなる。従って、内側面22aおよび第1傾斜内側面23aによりラックバー7からの応力を受けるときには、内側面22aのみにより応力を受ける場合と比べて、ラックバー7に作用する曲げモーメントが小さくなり、これにより、ラックバー7に作用する曲げ応力も減少する。従って、ラックハウジング8との当接に対するラックバー7の耐久性を向上させることができる。
また、本実施形態では、第2傾斜部24は、軸方向に対して第1傾斜内側面23aよりも大きな傾斜角度で傾斜する第2傾斜内側面24aを有しており、第2傾斜内側面24aは、ラックバー7が路面からの入力により矢印X方向へ撓んだときに第3ラック歯部20Cと当接している。このとき、内側面22aが第1ラック歯部20Aに当接し、さらに、第1傾斜内側面23aが第2ラック歯部20Bに当接した状態で、第2傾斜内側面24aは第3ラック歯部20Cと当接している。これにより、ラックバー7からラックハウジング8に作用する応力が内側面22a、第1傾斜内側面23aおよび第2傾斜内側面24aに分散される。従って、内側面22aおよび第1傾斜内側面23aに応力が作用する場合と比べて、ラックハウジング8の内側面の欠損の発生をより効果的に抑制することができる。
また、内側面22a、第1傾斜内側面23aおよび第2傾斜内側面24aによりラックバー7からの応力を受けると、内側面22aおよび第1傾斜内側面23aにより応力を受ける場合と比べて、第1タイロッド10とラックバー7との接続点からラックバー7とラックハウジング8との当接点までの距離が短くなる。より詳細には、第1タイロッド10とラックバー7との接続点から第2傾斜内側面24aと第3ラック歯部20Cとの当接点までの距離は、第1タイロッド10とラックバー7との接続点から第1傾斜内側面23aと第2ラック歯部20Bとの当接点までの距離よりも短い。このため、ラックバー7に作用する曲げモーメントがさらに小さくなり、これにより、ラックバー7に作用する曲げ応力もさらに減少する。従って、ラックハウジング8との当接に対するラックバー7の耐久性をさらに向上させることができる。
さらに、本実施形態では、ラック歯部20の歯幅TWは、軸方向から見たときの他端部7bの外周とラック歯部20の歯先部20cとの2つの交点C1,C2を結ぶ線分Lの長さL1よりも大きい。このようにラック歯部20の歯幅TWを比較的広く設定すると、出力軸4のピニオンと同時に噛み合うラック歯部20の枚数が多く確保される。従って、1つのラック歯部20が受ける荷重が小さくなり、これにより、ラック歯部20の耐久性が向上する。
また、本実施形態では、内側面22a、第1傾斜内側面23aおよび第2傾斜内側面24aは、ラックバー7が路面からの入力により矢印X方向へ撓んだときに第1~第3ラック歯部20A,20B,20Cの歯幅方向一端部20aおよび歯幅方向他端部20bと当接している。このため、ラックバー7からラックハウジング8に作用する応力が歯幅方向一端部20aおよび歯幅方向他端部20bの2点に分散される。よって、応力を1点で受ける場合と比べて、応力がラックバー7からラックハウジング8の一部の領域に局所的に作用し難くなる。従って、ラックハウジング8の内側面22a、第1傾斜内側面23aおよび第2傾斜内側面24aの欠損の発生をさらに抑制することができる。
さらに、本実施形態では、径方向に沿った底面21aの幅は、第1当接面部21cおよび第2当接面部21dが設けられていない箇所の幅BW1が第1当接面部21cおよび第2当接面部21dが設けられている箇所の幅BW2,BW3よりも広くなるように形成されている。換言すれば、ラックバー7の径方向に沿った規制面である底面21aの幅は、第2傾斜部24が設けられていない箇所の幅BW1が第2傾斜部24が設けられている箇所の幅BW2,BW3よりも広くなるように形成されている。このように第2傾斜部24に関連しない底面21aの箇所の幅BW1を広くすることで、ラックバー7の一端部7aに接続された第1ラックエンド9の衝突時の受圧面積が大きく確保される。従って、第1ラックエンド9の衝突時に底面21aが受ける面圧が小さくなり、ラックハウジング8の底面21aの損傷を抑制することができる。
また、本実施形態では、ラック歯部20の歯幅方向両端部20a,20bが円弧面状に形成されている。つまり、歯幅方向一端部20aおよび歯幅方向他端部20bは、円弧面状の第1円弧状面部20eおよび第2円弧状面部20gを有している。そして、この第1円弧状面部20eおよび第2円弧状面部20gが、円弧面状の第1当接面部21cおよび第2当接面部21dに当接する。このため、第1円弧状面部20eおよび第2円弧状面部20gは、第1当接面部21cおよび第2当接面部21dに面で接触する。従って、歯幅方向両端部20a,20bに角部を有し、この角部が第1当接面部21cおよび第2当接面部21dに点で接触する場合と比べて、第1当接面部21cおよび第2当接面部21dへ作用する応力を低減し、ラックハウジング8の損傷を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、第2傾斜内側面24aは、ラックバー7が路面からの入力により矢印X方向へ撓んだときに、第1傾斜内側面23aの当接よりも後に第3ラック歯部20Cと当接する。より詳細には、内側面22aおよび第1傾斜内側面23aにより、ラックバー7からラックハウジング8に作用する応力を吸収させたうえで、より小さな応力が第2傾斜内側面24aに作用する。これにより、第1および第2ラック歯部20A,20Bと内側面22aおよび第1傾斜内側面23aとの当接を経由せずに過度な応力が第2傾斜内側面24aに直接作用する場合と比較して、第2傾斜内側面24aの軸方向一端側に設けられたコーナ部24bに作用する応力を減少し、コーナ部24bの欠損を抑制することができる。
また、本実施形態では、内側面22aと第1傾斜内側面23aとは、円弧面状をなす第1円弧面25を介して互いに接続され、第1傾斜内側面23aと第2傾斜内側面24aとは、円弧面状をなす第2円弧面26を介して互いに接続されている。仮に内側面22aおよび第1傾斜内側面23a同士並びに第1傾斜内側面23aおよび第2傾斜内側面24a同士が角部によって接続されている場合には、第2ラック歯部20Bや第3ラック歯部20Cが角部との当接により損傷する虞がある。しかし、本実施形態では、第2ラック歯部20Bや第3ラック歯部20Cが、比較的広い面である第1および第2円弧面25,26で受けられるので、応力集中が発生し難く、第2ラック歯部20Bや第3ラック歯部20Cの当接によるラックハウジング8の内側面の損傷を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、ラック歯部20のピッチPは、軸方向に沿った第1傾斜内側面23aの軸方向幅D1よりも短い。このとき、上述したように軸方向に沿った第1円弧状面部20eの歯厚tは、軸方向に沿った第1傾斜内側面23aの軸方向幅D1よりも短くなる。従って、第2ラック歯部20Bの第1円弧状面部20eが広い第1傾斜内側面23aに当接することで、第2ラック歯部20Bからの応力が第1傾斜内側面23aにより確実に伝達される。これにより、第1傾斜部23への応力の分散を向上させ、第1傾斜部23の欠損を抑制することができる。
また、本実施形態では、ラック歯部20のピッチPは、軸方向に沿った第2傾斜内側面24aの軸方向幅D2よりも短い。従って、第1傾斜内側面23aの場合と同様に、第3ラック歯部20Cの第1円弧状面部20eが広い第2傾斜内側面24aに当接することで、第3ラック歯部20Cからの応力が第2傾斜内側面24aにより確実に伝達される。これにより、第2傾斜部24への応力の分散を向上させ、第2傾斜部24、特にコーナ部24bの欠損を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、ラックバー7は、該ラックバー7の弾性変形領域内で第2傾斜内側面24aに当接する。仮にラックバー7がその塑性変形領域内で第2傾斜内側面24aに当接する場合には、ラックバー7が弾性変形領域内で当接する場合と比べて、ラックバー7は、第2傾斜内側面24aに強く当接し、第2傾斜内側面24aおよびコーナ部24bを損傷させる虞がある。そこで、本実施形態では、弾性変形領域内にラックバー7の当接を留めることで、第2傾斜内側面24a等の損傷を抑制することができる。
また、本実施形態では、第1傾斜内側面23aは鋳肌面を有している。仮に第1傾斜内側面23aを機械加工すると、第1傾斜内側面23aに鋳巣が残ることがあり、該鋳巣により第1傾斜内側面23aの強度が低下する虞がある。そこで、本実施形態では、第1傾斜内側面23aを鋳肌面とすることで、第1傾斜内側面23aの強度の低下を抑制することができる。
[第2の実施形態]
図8は、第2の実施形態のラックバー7およびラックハウジング8の縦断面図である。
第2の実施形態では、筒状部22、第1傾斜部23および第2傾斜部24は、軸方向にわたって曲線状に変化している。より詳細には、図8に示すように、直線状の内側面22aが、第1円弧面25を介して、第1傾斜部23側に円弧状に僅かに窪む第1傾斜部円弧面23bに接続され、該第1傾斜部円弧面23bが、第2円弧面26を介して、第2傾斜部24側に窪む第2傾斜部円弧面24dに接続されている。
[第2の実施形態の効果]
第2の実施形態では、筒状部22の内側面22a、第1傾斜部23の第1傾斜部円弧面23bおよび第2傾斜部24の第2傾斜部円弧面24dは、軸方向にわたって曲線状に変化している。このため、第1傾斜部円弧面23bと第2傾斜部円弧面24dとの傾斜角度の変化点となる第2円弧面26の膨らみが小さくなる。これにより、路面からの入力に伴い第2ラック歯部20Bが当接したときの第2円弧面26への応力集中が緩和される。よって、第2円弧面26の欠損を抑制することができる。
以上説明した実施形態に基づくステアリング装置としては、例えば以下に述べる態様のものが考えられる。
ステアリング装置は、その一態様として、回転力が伝達される操舵軸と、前記操舵軸と噛み合うラックバーと、金属材料で形成され、前記ラックバーを移動可能に収容するラックハウジングであって、前記ラックバーの移動方向に沿って延びる筒状部と、該筒状部の軸方向端部に設けられ、前記ラックバーから前記ラックバーの径方向外側に離れるように傾斜する第1傾斜部と、を有し、前記筒状部は、前記ラックバーが外部からの入力により撓んだときに前記ラックバーと当接し、前記第1傾斜部は、前記ラックバーが外部からの入力により撓んだときに、前記筒状部よりも後に前記ラックバーと当接する、前記ラックハウジングと、を備える。
前記ステアリング装置の好ましい態様において、前記ラックハウジングは、前記第1傾斜部に接続され、前記第1傾斜部よりも大きな傾斜角度で前記ラックバーから前記ラックバーの径方向外側に離れるように傾斜する第2傾斜部をさらに備え、前記第2傾斜部は、前記ラックバーが外部からの入力により撓んだときに前記ラックバーと当接する。
別の好ましい態様では、前記ステアリング装置の態様のいずれかにおいて、前記ラックバーは、円柱状の素材の端部を除く軸方向範囲の外周部における一部の周方向領域を鍛造することにより形成された複数のラック歯部を有し、前記第1傾斜部は、前記複数のラック歯部のうちの1つと対向する位置に形成されている。
別の好ましい態様では、前記ステアリング装置の態様のいずれかにおいて、前記ラック歯部の歯幅は、前記ラックバーの移動方向から見たときの前記端部の外周と前記ラック歯部の歯先部との2つの交点を結ぶ線分の長さよりも大きい。
別の好ましい態様では、前記ステアリング装置の態様のいずれかにおいて、前記筒状部、前記第1傾斜部および前記第2傾斜部は、前記ラックバーが外部からの入力により撓んだときに各ラック歯部の歯幅方向両端部と当接する。
別の好ましい態様では、前記ステアリング装置の態様のいずれかにおいて、前記ラックバーは、ボールジョイントに接続され、前記ラックハウジングは、前記ラックバーの移動方向において前記第2傾斜部と隣接した位置に、前記ラックバーの移動方向に沿った前記ボールジョイントの移動を規制する規制面となる底面を有した段部を備えており、前記ラックバーの径方向に沿った前記底面の幅は、前記第2傾斜部が設けられていない箇所の幅が前記第2傾斜部が設けられている箇所の幅よりも広くなるように形成されている。
別の好ましい態様では、前記ステアリング装置の態様のいずれかにおいて、各ラック歯部の歯幅方向両端部が円弧面状に形成されている。
別の好ましい態様では、前記ステアリング装置の態様のいずれかにおいて、前記第2傾斜部は、前記ラックバーが外部からの入力により撓んだときに、前記第1傾斜部よりも後に前記ラックバーと当接する。
別の好ましい態様では、前記ステアリング装置の態様のいずれかにおいて、前記筒状部と前記第1傾斜部とは、円弧面状をなす第1円弧面を介して互いに接続され、前記第1傾斜部と前記第2傾斜部とは、円弧面状をなす第2円弧面を介して互いに接続されている。
別の好ましい態様では、前記ステアリング装置の態様のいずれかにおいて、前記筒状部、前記第1傾斜部および前記第2傾斜部は、曲線状に変化する。
別の好ましい態様では、前記ステアリング装置の態様のいずれかにおいて、前記ラック歯部のピッチは、前記ラックバーの移動方向に沿った前記第1傾斜部の軸方向幅よりも短い。
別の好ましい態様では、前記ステアリング装置の態様のいずれかにおいて、前記ラック歯部のピッチは、前記ラックバーの移動方向に沿った前記第2傾斜部の軸方向幅よりも短い。
別の好ましい態様では、前記ステアリング装置の態様のいずれかにおいて、前記ラックバーは、該ラックバーの弾性変形領域内で前記第2傾斜部と当接する。
別の好ましい態様では、前記ステアリング装置の態様のいずれかにおいて、前記ラックハウジングは、ダイカスト鋳造により形成され、前記第1傾斜部は鋳肌面を有する。

Claims (13)

  1. 回転力が伝達される操舵軸と、
    前記操舵軸と噛み合うラックバーと、
    金属材料で形成され、前記ラックバーを移動可能に収容するラックハウジングであって、
    前記ラックバーの移動方向に沿って延びる筒状部と、該筒状部の軸方向端部に設けられ、前記ラックバーから前記ラックバーの径方向外側に離れるように傾斜する第1傾斜部と、を有し、
    前記筒状部は、前記ラックバーが外部からの入力により撓んだときに前記ラックバーと当接し、
    前記第1傾斜部は、前記ラックバーが外部からの入力により撓んだときに、前記筒状部よりも後に前記ラックバーと当接する、前記ラックハウジングと、
    を備え
    前記ラックハウジングは、前記第1傾斜部に接続され、前記第1傾斜部よりも大きな傾斜角度で前記ラックバーから前記ラックバーの径方向外側に離れるように傾斜する第2傾斜部をさらに備え、
    前記第2傾斜部は、前記ラックバーが外部からの入力により撓んだときに前記ラックバーと当接することを特徴とするステアリング装置。
  2. 請求項に記載のステアリング装置において、
    前記ラックバーは、円柱状の素材の端部を除く軸方向範囲の外周部における一部の周方向領域を鍛造することにより形成された複数のラック歯部を有し、
    前記第1傾斜部は、前記複数のラック歯部のうちの1つと対向する位置に形成されていることを特徴とするステアリング装置。
  3. 請求項に記載のステアリング装置において、
    前記ラック歯部の歯幅は、前記ラックバーの移動方向から見たときの前記端部の外周と前記ラック歯部の歯先部との2つの交点を結ぶ線分の長さよりも大きいことを特徴とするステアリング装置。
  4. 請求項に記載のステアリング装置において、
    前記筒状部、前記第1傾斜部および前記第2傾斜部は、前記ラックバーが外部からの入力により撓んだときに各ラック歯部の歯幅方向両端部と当接することを特徴とするステアリング装置。
  5. 請求項に記載のステアリング装置において、
    前記ラックバーは、ボールジョイントに接続され、
    前記ラックハウジングは、前記ラックバーの移動方向において前記第2傾斜部と隣接した位置に、前記ラックバーの移動方向に沿った前記ボールジョイントの移動を規制する規制面となる底面を有した段部を備えており、
    前記ラックバーの径方向に沿った前記底面の幅は、前記第2傾斜部が設けられていない箇所の幅が前記第2傾斜部が設けられている箇所の幅よりも広くなるように形成されていることを特徴とするステアリング装置。
  6. 請求項に記載のステアリング装置において、
    各ラック歯部の歯幅方向両端部が円弧面状に形成されていることを特徴とするステアリング装置。
  7. 請求項に記載のステアリング装置において、
    前記第2傾斜部は、前記ラックバーが外部からの入力により撓んだときに、前記第1傾斜部よりも後に前記ラックバーと当接することを特徴とするステアリング装置。
  8. 請求項に記載のステアリング装置において、
    前記筒状部と前記第1傾斜部とは、円弧面状をなす第1円弧面を介して互いに接続され、
    前記第1傾斜部と前記第2傾斜部とは、円弧面状をなす第2円弧面を介して互いに接続されていることを特徴とするステアリング装置。
  9. 請求項に記載のステアリング装置において、
    前記筒状部、前記第1傾斜部および前記第2傾斜部は、曲線状に変化することを特徴とするステアリング装置。
  10. 請求項に記載のステアリング装置において、
    前記ラック歯部のピッチは、前記ラックバーの移動方向に沿った前記第1傾斜部の軸方向幅よりも短いことを特徴とするステアリング装置。
  11. 請求項10に記載のステアリング装置において、
    前記ラック歯部のピッチは、前記ラックバーの移動方向に沿った前記第2傾斜部の軸方向幅よりも短いことを特徴とするステアリング装置。
  12. 請求項に記載のステアリング装置において、
    前記ラックバーは、該ラックバーの弾性変形領域内で前記第2傾斜部と当接することを特徴とするステアリング装置。
  13. 請求項1に記載のステアリング装置において、
    前記ラックハウジングは、ダイカスト鋳造により形成され、
    前記第1傾斜部は鋳肌面を有することを特徴とするステアリング装置。
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