JP2017007420A - ラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニット及び滑り軸受の製造方法 - Google Patents

ラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニット及び滑り軸受の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ピニオン軸の組み付け性の向上を図れる構造を実現する。
【解決手段】円周方向の1箇所位置に不連続部を有する円筒状の滑り軸受21の内周面のうち、ラック軸側の円周方向1箇所位置に、滑り軸受21の内周面の円周方向両端部に形成された1対の凹入部33a、33bを円周方向に組み合わせる事により構成される通気用凹溝32を形成する。そして、この通気用凹溝32により、前記ピニオン軸6の挿入部16が、支持凹部17aに組み込んだ滑り軸受21の内径側に挿入される際、この支持凹部17aの奥部に存在する内側空間と外側空間とを連通させる。
【選択図】図4

Description

この発明は、自動車の操舵輪に舵角を付与する為のステアリング装置を構成する、ラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニット及びこのラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニットに組み込まれる滑り軸受の製造方法の改良に関する。
ステアリングホイールから入力された回転運動を舵角付与の為の直線運動に変換する為の機構としてラックアンドピニオンを使用する、ラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニットを備えたステアリング装置が、例えば特許文献1に記載される等により、従来から広く知られている。又、ラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニットは、小型且つ軽量に構成でき、しかも剛性が高く良好な操舵感を得られる為、実際に広く使用されている。図15〜17は、この様なラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニットを組み込んだステアリング装置の1例を示している。このステアリング装置では、ステアリングホイール1の操作に伴って回転するステアリングシャフト2の動きを、自在継手3、3及び中間シャフト4を介して、ステアリングギヤユニット5の入力軸である、ピニオン軸6に伝達する。尚、図16、17の上下方向は、必ずしも使用状態での上下方向とは一致しない。上下方向は、車両への組み付け状態で適宜選択し、一般的には、前記ピニオン軸6を、鉛直方向に対し傾斜させた状態で設置する。
上述の様なステアリングギヤユニット5は、前記ピニオン軸6の軸方向の一部に設けたピニオン歯7と、ラック軸8の前面に設けたラック歯9とを噛合させて成る。
又、前記ピニオン軸6及びラック軸8は、それぞれの一部を、ケーシング10内に収納されている。このケーシング10は、それぞれが筒状である、第一収納部11及び第二収納部12を備える。このうちの第一収納部11は、両端が開口している。又、この第二収納部12は、この第一収納部11の一部側方に設けられていて、一端が開口している。これら第一収納部11の中心軸と第二収納部12の中心軸とは、互いに捩れの位置関係にある。前記ラック軸8は、このうちの第一収納部11に軸方向の変位を可能に挿通されており、両端部がこの第一収納部11から突出している。又、この第一収納部11の内周面の両端寄り部分に支持した1対のラックガイド(滑り軸受)13、13を、前記ラック軸8の外周面に摺接させて、このラック軸8が前記第一収納部11に対し、がたつきなく、軸方向に変位できる様にしている。そして、前記ラック軸8の両端部に、それぞれ球面継手14、14を介して、タイロッド15、15の基端部が結合されている。これら両タイロッド15、15の先端部は、それぞれ図示しないナックルアームの先端部に、枢軸により結合されている。尚、前記ラック軸8は、前記ピニオン歯7と前記ラック歯9との噛合により、自身の中心軸周りで回転する事はない。
又、前記ピニオン軸6は、前記ピニオン歯7を形成した先半部を前記第二収納部12内に、回転のみ可能に支持されている。この為に、前記ピニオン軸6の先端部に設けた挿入部16を、この第二収納部12の奥端部に形成した有底円筒状の支持凹部17に、ラジアルニードル軸受18により支持している。又、前記ピニオン軸6の中間部は、前記第二収納部12の開口寄り部分に、深溝型、3点接触型若しくは4点接触型等の単列の玉軸受19により、ラジアル荷重及びスラスト荷重を支承可能に(軸方向の変位を阻止して回転可能に)支持されている。
上述の構造の場合、前記ピニオン軸6の先端部(挿入部16)は、前記第二収納部12の支持凹部17に、ラジアルニードル軸受18により支持されている。一方、特許文献2等には、ラジアルニードル軸受に代えて、滑り軸受を採用する事に就いて記載されている。この様な滑り軸受を用いれば、静粛性の向上及び省スペース化を図る事ができる。
ところで、前記ピニオン軸6の先端部(挿入部16)が、前記滑り軸受により支持された構造を採用した場合、静粛性を高める為には、前記第二収納部12の支持凹部17の内周面と前記滑り軸受の外周面、及び、この滑り軸受の内周面と前記ピニオン軸6の先端部(挿入部16)の外周面との間の隙間をできるだけ小さくするのが好ましい。ところが、前記支持凹部17の形状が、前記ピニオン軸6を挿入する側の端部(図17の右端部)のみが開口した有底円筒状である場合、以下の理由により、前記支持凹部17に組み込んだ前記滑り軸受の内径側に前記ピニオン軸6を挿入する際の組み付け性が低下してしまう可能性がある。即ち、上述の構造の場合、前記支持凹部17の内径側に前記滑り軸受を隙間なく(又は、僅かな隙間を設けて)内嵌した状態で、この滑り軸受の内径側に前記ピニオン軸6の先端部(挿入部16)を挿入すると、前記支持凹部17及び前記滑り軸受の内面と、このピニオン軸6の先端面とにより画成される空間内の空気が、このピニオン軸6の先端面により圧縮されて、この空間の内圧が高くなり、このピニオン軸6が押し返されてしまう可能性がある。
特開2009−184591号公報 特開2010−023796号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、ピニオン軸の先端部を、ケーシングを構成する第二収納部の支持凹部の内径側に、滑り軸受を介して回転可能に支持する構造に於いて、このピニオン軸の組み付け性の向上を図れるラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニットを実現すべく発明したものである。
本発明のラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニットは、ケーシングと、ラック軸と、ピニオン軸と、滑り軸受とを備えている。
このうちのケーシングは、互いの内部空間同士を連通させた第一収納部と第二収納部とを有している。
又、前記ラック軸は、外周面の一部にラック歯を有するもので、前記第一収納部の内径側に軸方向変位を可能に支持されている。
又、前記ピニオン軸は、軸方向の一部外周面にピニオン歯を有するもので、このピニオン歯を前記ラック歯に噛合させた状態で、前記第二収納部の内径側に支持されている。
更に、前記滑り軸受は、例えば板状素材に丸め加工(曲げ加工)を施す事により、円周方向の1箇所位置に設けられた不連続部を挟んで存在する円周方向端部同士を付き合わせる事により円筒状に形成されたものであり、前記第二収納部の内部に形成された有底円筒状の支持凹部の内周面に内嵌されると共に、その内径側に前記ピニオン軸の先端部を、前記第二収納部に対して回転可能に支持している。
特に、本発明のラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニットに於いては、前記滑り軸受の内周面又は外周面のうちの少なくとも一方の面に、前記ピニオン軸の先端部が前記滑り軸受の内径側に配置された状態で、このピニオン軸の先端面よりも前記支持凹部の奥側に存在する内側空間と、このピニオン軸の外周面のうち前記支持凹部の内径側に位置していない部分(軸方向に外れた部分)の周囲に存在する外側空間とを連通する為の通気用凹溝が形成されている。
この様な通気用凹溝は、前記一方の面の円周方向端部に、この一方の面から径方向に凹入し、且つ、前記滑り軸受の軸方向両端面及び円周方向端面(付き合わせ面)に開口した状態で形成された凹入部により構成されている。
上述の様な本発明のラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニットを実施する場合には、追加的に、請求項2に記載した発明の様に、前記通気用凹溝を、前記一方の面の円周方向両端部に、それぞれこの一方の面から径方向に凹入し、且つ、前記滑り軸受の軸方向両端面及び円周方向端面に開口した状態で形成された1対の凹入部を組み合わせる事により構成する事ができる。
上述の様な本発明のラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニットを実施する場合には、追加的に、請求項3に記載した発明の様に、前記ラック軸の背面の一部を、前記ピニオン軸に向けて押圧する為の押圧機構を設ける構成を採用できる。
この様な構成を採用した場合には、具体的に、前記通気用凹溝を、円周方向に関して、前記押圧機構の押圧力に基づくラジアル荷重を最も支承する部分以外の位置(最も支承する部分から円周方向に外れた位置)に配置する。尚、より好ましくは、前記通気用凹溝を、円周方向に関して、前記押圧機構の押圧力に基づくラジアル荷重の負荷圏から外れた位置に配置する。
又、上述の様な本発明のラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニットを実施する場合には、追加的に、請求項4に記載した発明の様に、前記滑り軸受の外周面又は内周面のうちの何れか一方の面にのみ、前記凹入部を形成する構成を採用できる。
この様な構成を採用した場合には、追加的に、前記滑り軸受の外周面又は内周面のうち、前記通気用凹溝が形成されていない側の面である他方の面の円周方向両端部のうちの前記凹入部が形成された側の円周方向端部に、この他方の面から径方向に突出した凸部を形成する構成を採用できる。そして、これら両凸部を、前記支持凹部の内周面に、前記内側空間と前記外側空間とを連通する状態で形成された収納部側通気用凹溝の内側に配置する。
上述の様な構成を有する本発明のラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニットの滑り軸受の製造方法に係る発明である、請求項5に記載した発明は、例えば、長尺な板材から、前記滑り軸受の基となる素材を切り出す際、前記滑り軸受の円周方向端面となる部分を切断するのと同時に、前記凹入部を形成する。
そして、この凹入部が形成された前記素材を円筒状に丸めて前記滑り軸受とする。
上述の様な本発明の場合、滑り軸受の内周面又は外周面のうちの少なくとも一方の面に、ピニオン軸の先端部がこの滑り軸受の内径側に配置された状態で、このピニオン軸の先端面よりも前記支持凹部の奥側に存在する内側空間と、このピニオン軸の外周面のうちのこの支持凹部の内径側に位置していない部分の周囲に存在する外側空間とを連通する為の通気用凹溝を形成している。この為、前記滑り軸受の内径側に前記ピニオン軸の先端部の挿入が進んだ場合でも、前記内側空間内に存在していた空気が、前記通気用凹溝を通じて前記外側空間に移動する(押し出される)。従って、この内側空間内の空気が圧縮されて、この内側空間の内圧が、前記ピニオン軸を押し返すほど高くなる事はない。この結果、このピニオン軸を前記滑り軸受の内径側にスムーズに挿入する事ができ、このピニオン軸の組み付け性の向上を図れる。
又、請求項5に記載した発明の場合、板材から滑り軸受の基となる素材を切り出す際、滑り軸受の円周方向端面となる部分を切断するのと同時に前記通気用凹溝を構成する凹入部を形成する事ができる。この為、前記滑り軸受を、この通気用凹溝を形成しない構造の滑り軸受と同じ工程数で造る事ができる。
本発明の実施の形態の第1例を示す、図15のA部に相当する部分断面図。 同じく、図1のイ−イ断面図。 同じく、図2のB部に相当する図であって、第二収納部の支持凹部に組み込んだ滑り軸受の内径側に、ピニオン軸の先端部を挿入する工程の途中の状態を示す図。 同じく、図3のロ−ロ断面図。 同じく、滑り軸受の製造方法を説明する為の模式図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図4と同様の図。 同じく第3例を示す、図3と同様の図。 同じく、図4と同様の図。 本発明の実施の形態の第4例を示す、図4と同様の図。 同第5例を示す、図4と同様の図。 同第6例を示す、図3と同様の図。 同じく、図4と同様の図。 同じく、図12のC部拡大図。 同じく、滑り軸受の製造方法を説明する為の模式図。 ラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニットを組み込んだ自動車用操舵装置の1例を示す部分切断側面図。 図15のハ−ハ断面図。 図16の拡大ニ−ニ断面図。
[実施の形態の第1例]
本発明の実施の形態の第1例に就いて、図1〜5を参照しつつ説明する。尚、本例の特徴は、ケーシング10aを構成する第二収納部12aの内側に設ける滑り軸受21の構造を工夫した点にある。以下、本例のラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニット5aを組み込む事ができるステアリング装置の1例に就いて簡単に説明した後、本例のラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニット5aに就いて説明する。
本例のラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニット5aを組み込む事ができるステアリング装置の構造は、例えば、図15〜17に記載したステアリング装置と同様に、ステアリングホイール1の操作に伴って回転するステアリングシャフト2の動きを、自在継手3、3及び中間シャフト4を介して、ステアリングギヤユニット5aの入力軸である、ピニオン軸6に伝達する。
本例のラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニット5aは、ケーシング10aと、ラック軸8と、ピニオン軸6と、押圧機構20と、滑り軸受21とを備えている。
このうちのケーシング10aは、アルミニウム合金製であり、ダイカスト等の鋳造法により造られたものである。この様なケーシング10aはそれぞれが筒状である、第一収納部11aと、第二収納部12aと、1対の取付フランジ部22a、22bとを備える。
このうちの第一収納部11aは、両端が開口しており、この第一収納部11aの直径方向に関して、後述する第二収納部12aと反対側部分にシリンダ部23が設けられている。
又、前記第二収納部12aは、前記第一収納部11aの一部側方に、その中心軸が、この第一収納部11aの中心軸に対して捩れの位置関係となる状態で設けられている。又、前記第二収納部12aは、一端が開口しており、他端に、前記ピニオン軸6の先端部を支持する為の支持凹部17aが形成されている。この様な支持凹部17aは、一端側(前記ピニオン軸6の先端部が挿入される側で、図2、3の右側)のみが開口した有底円筒状である。又、前記支持凹部17aの内周面は、全周に亙り内径が変化しない円筒面状に形成されている。
更に、前記両取付フランジ部22a、22bは、前記第一収納部22a、22bの両端部の外周面に、径方向外方に突出した状態で設けられており、中央部に取付孔24が形成されている。この様な両取付フランジ部22a、22bは、この取付孔24に挿通したボルト(図示省略)により、前記ケーシング10aを車体に取り付ける為のものである。
又、前記ラック軸8は、前面の一部にラック歯9が形成されており、前記第一収納部11aに軸方向の変位を可能に挿通されると共に、両端部をこの第一収納部11aから突出させている。又、本発明の場合も、前記第一収納部11aの内周面の両端寄り部分に支持した1対のラックガイド13、13(図16参照)を、前記ラック軸8の外周面に摺接させて、このラック軸8が前記第一収納部11aに対し、がたつきなく軸方向に変位できる様にしている。そして、前記ラック軸8の両端部に、それぞれ球面継手14、14を介して、タイロッド15、15の基端部が結合されている。これら両タイロッド15、15の先端部は、それぞれ図示しないナックルアームの先端部に、枢軸により結合されている。尚、前記ラック軸8は、前記ピニオン歯7と前記ラック歯9との噛合により、自身の中心軸周りで回転する事はない。
又、前記ピニオン軸6は、軸方向の中間部外周面にピニオン歯7が形成されている。この様なピニオン歯7を含む先半部は、前記第二収納部12a内に、回転のみ可能に支持されている。具体的には、前記ピニオン軸6の先端部に形成された外周面が円筒面状の挿入部16が、前記第二収納部12aの支持凹部17aに、前記滑り軸受21を介して支持されている。
又、前記ピニオン軸6の軸方向中間部は、前記第二収納部12aの開口寄り部分に、深溝型、3点接触型若しくは4点接触型等の単列の玉軸受19により、ラジアル荷重及びスラスト荷重を支承可能に(軸方向の変位を阻止して回転可能に)支持されている。
又、前記玉軸受19を前記ケーシング10aの所定位置に支持する為、このケーシング10a(第二収納部12aの開口部)に抑えねじ筒25が螺着されており、この抑えねじ筒25の内周面と前記ピニオン軸6の外周面との間の隙間が、シールリング26により塞がれている。
又、前記押圧機構20は、前記シリンダ部23内に設けられた、押圧ブロック27と、蓋体28と、コイルばね29とにより構成されている。
このうちの押圧ブロック27は、一端面(図2の上端面)に前記ラック軸8の背面形状に合わせた部分円筒状凹面の押圧凹部30が形成されている。又、この押圧凹部30の表面には、滑り易い合成樹脂製のラック受シート31が添設されている。この様な押圧ブロック27は、前記押圧凹部30を、このラック受シート31を介して前記ラック軸8の背面に当接させた状態で設けられている。
又、前記蓋体28は、前記シリンダ部23の開口部に螺着されている。
又、前記コイルばね29は、前記押圧ブロック27と前記蓋体28との間に、弾性を付与された状態で設けられている。
この様に構成される押圧機構20は、前記ラック軸8を前記ピニオン軸6に向け弾性的に押圧する事により、前記ピニオン歯7と前記ラック歯9との噛合部のバックラッシを解消している。更には、これら両歯7、9同士の噛合部での動力伝達に伴って前記ラック軸8に加わる、前記ピニオン軸6から離れる方向の力に拘らず、前記噛合部の噛合状態を適正に維持できる様にしている。
又、前記滑り軸受21は、例えば、含油メタル、高機能樹脂等の滑り易く、圧縮強度の大きな材料により円周方向1箇所位置に設けられた不連続部51を挟んで存在する円周方向端部同士を付き合わせる事により円筒状に造られており、前記第二収納部12aの支持凹部17aの内径側に、全周に亙り隙間のない状態、又は、僅かな隙間を設けた状態で内嵌されている。
特に、本例のラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニット5aに於いては、前記滑り軸受21の内周面のうち、前記ラック軸8側の円周方向1箇所位置に、通気用凹溝32が形成されている。言い換えれば、この通気用凹溝32は、前記滑り軸受21の内周面の前記ラック軸8側半部のうち、前記ピニオン軸6の中心線O(図4参照)を通り、且つ、前記押圧機構20により前記ラック軸8を押圧する力の作用線方向(図2〜4の上下方向)に存在する仮想平面αと交わる位置に形成されている。
更に言い換えれば、前記通気用凹溝32は、前記支持凹部17aの内周面のうち、前記押圧機構20の押圧力に基づくラジアル荷重を最も支承する部分から、最も離れた位置(直径方向反対位置)に形成している。尚、このラジアル荷重を最も支承する部分とは、前記支持凹部17aの内周面のうち、ラック軸8と反対側で前記仮想平面αと交わる部分(図4にβで示す部分)である。
又、上述の様な通気用凹溝32は、前記滑り軸受21の中心軸に直交する方向に存在する仮想平面(図4の紙面)に関する断面形状が三角形状で直線状(前記滑り軸受21及び前記ピニオン軸6の中心軸と平行)に形成されており、一端(図2、3の右端)が、前記滑り軸受21の軸方向一端面に開口すると共に、他端が、この滑り軸受21の軸方向他端面に開口している。
本例の場合、上述の様な通気用凹溝32は、前記滑り軸受21の内周面の円周方向両端部に形成された1対の凹入部33a、33bを円周方向に組み合わせる事により構成されている。
具体的には、本例の場合、前記両凹入部33a、33bのうちの一方の凹入部33aは、前記滑り軸受21の内周面の円周方向一端部に、この内周面から径方向外側に凹み、且つ、この滑り軸受21の軸方向両端面、及び円周方向一端面(付き合わせ面)34に開口した状態で形成されている。この様な一方の凹入部33aの径方向に関する深さは、円周方向一方側に向かうほど深くなる。従って、この深さは、前記滑り軸受21の円周方向一端面34に相当する部分で最も深くなっている。本例の場合、前記一方の凹入部33aのうちの最も深い部分(前記滑り軸受21の円周方向一端面34に相当する部分)の深さは、この滑り軸受21の厚さ寸法の約1/3である。
一方、前記両凹入部33a、33bのうちの他方の凹入部33bは、前記滑り軸受21の内周面の円周方向他端部に、この内周面から径方向外側に凹み、且つ、この滑り軸受21の軸方向両端面、及び円周方向他端面(付き合わせ面)35に開口した状態で形成されている。この様な他方の凹入部33bの深さは、円周方向他方側に向かうほど深くなる。従って、この深さは、前記滑り軸受21の円周方向他端面35に相当する部分で最も深くなっている。本例の場合、前記他方の凹入部33bのうちの最も深い部分(前記滑り軸受21の円周方向他端面35に相当する部分)の深さは、この滑り軸受の厚さ寸法の約1/3である。
この様な構成を有する前記両凹入部33a、33bは、前記滑り軸受21の円周方向両端面34、35同士を当接させた状態で、これら両凹入部33a、33bの円周方向開口部同士が円周方向に連続する事により、前記通気用凹溝32を構成している。尚、前述の様な構成を有する前記両凹入部33a、33bは、切断加工により形成される。これら両凹入部33a、33bの形成方法に関しては後述する。
以上の様に構成される滑り軸受21は、円周方向両端面34、35同士を当接させた状態で、前記第二収納部12aの支持凹部17aの内径側に内嵌されている。そして、前記通気用凹溝32は、前記ピニオン軸6の先端部(挿入部16)が、前記支持凹部17aに組み込んだ滑り軸受21の内径側に挿入される際、この支持凹部17a及び前記滑り軸受21の内面と前記ピニオン軸6の先端面とにより画成される(この支持凹部17aの奥部に存在する)内側空間36と、このピニオン軸6の先端寄り部分の外周面のうち、前記支持凹部17aの内径側に位置していない部分(前記挿入部16、及び、この挿入部16よりもピニオン歯7側部分)の周囲に存在する外側空間37とを連通している。言い換えれば、前記内部空間36は、前記第二収納部12aのうち、前記挿入部16を収納する部分よりも大径である前記ピニオン歯7を収納する外側空間37に、前記通気用凹溝32を介して連通している。
次に、前記滑り軸受21の製造方法に就いて、図5を参照しつつ説明する。
先ず、長尺な板材38から、前記滑り軸受21の基となる素材39を、切断工具40により切り出す。この際に使用する切断工具40は、図5(a)に示す様に、前記板材38の幅方向寸法(図5の表裏方向寸法)よりも大きな幅寸法を有する板状工具であって、切断刃部41と、凹入部形成部42と、基部43とを備えている。
このうちの切断刃部41は、前記切断工具40の一端部(先端部であって、図5の下端部)に形成されており、幅方向に直交する仮想平面(図5の紙面)に関する断面形状が、一端部が鋭角の三角形状である。即ち、前記切断刃部41の厚さ方向(図5の左右方向)の寸法は、一端縁から他端縁(基端縁であって、図5の上端縁)に向かうに従って大きくなっている。
又、前記凹入部形成部42は、一端縁が、前記切断刃部41の他端縁に連続し、前記仮想平面に関する断面形状は、前記切断工具40の厚さ方向の寸法が、他端縁に向かうほど大きくなる台形状に形成されている。この様な凹入部形成部42は、両側面に形成された傾斜面を、1対の凹入部形成刃部44a、44bとしている。この様な両凹入部形成刃部44a、44bの、前記切断工具40の高さ方向(図5の上下方向)に対する傾斜角度θ42は、前記切断刃部41の両側面の高さ方向に対する傾斜角度θ41よりも大きい(θ42>θ41)。
又、前記基部43は、一端縁が、前記凹入部形成部42の他端縁に連続し、その厚さ寸法は、高さ方向の全長に亙り変わらない。
この様な切断工具40は、前記板材38に対して、図5の上方側から下方側に移動する事によりこの板材38を切断する。本例の場合、この切断の際、この板材38の切断面に、前記切断工具40を構成する凹入部形成部42の両凹入部形成刃部44a、44bにより、前記凹入部33a、33bを形成する。
具体的には、前記板材38の一端面(図5の右端面)が、前記切断工具40により切断されたものではない場合には、先ず、この板材38の一端面から所定間隔だけ離れた位置{図5(a)にXで示す位置}を、図5(a)に示す様にして、前記切断工具40により切断する。この際、前記板材38のうち、この切断工具40の一方側(図5の右側)に存在する余剰部45は、前記素材39としては使用しない。一方、上述の切断により形成された前記板材38の一端面(板材38のうち、切断工具40の他方側に存在する側の端面)には、前記滑り軸受21の円周方向一端面34(又は、円周方向他端面35)となる部分と、前記一方の凹入部33a(又は、他方の凹入部33b)とが形成される。
そして、上述の工程後の前記板材38のうち、この板材38の一端面{図5(a)にXで示す位置}から、他方側に所定の長さだけ(滑り軸受21の周長だけ)離隔した位置{図5(a)にXで示す位置}を、前記切断工具40により切断して、前記素材39を切り出す。この素材39の他端面(図5の左端面)には、前記滑り軸受21の円周方向他端面35(又は、円周方向一端面34)となる部分と、前記他方の凹入部33b(又は、前記一方の凹入部33a)となる部分が形成されている。一方、上述の様に図5(a)にXで示す位置で切断された前記板材38の一端面には、前記滑り軸受21の円周方向一端面34(又は、円周方向他端面35)となる部分と、前記一方の凹入部33a(又は、他方の凹入部33b)が形成されている。以後、上述の工程を繰り返す事により、前記板材38から所定個数だけ前記素材39を切り出す。
そして、上述の様にして前記板材38から切り抜かれた素材39{図5(b)参照}に、丸め加工(曲げ加工)を施し、円周方向端部(端面)同士を突き合わせる事により、前記滑り軸受21{図5(c)参照}とする。本例の場合、前記素材39に形成された両凹入部33a、33bが、前記滑り軸受21の内周面に位置する様に前記丸め加工(曲げ加工)を施す。
上述の様な構成を有する本例のラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニット5aの場合、前記滑り軸受21の内周面に、前記通気用凹溝32を形成する事により、前記内側空間36と前記外側空間37とを連通させている。この為、図3に示す様に、前記支持凹部17aに組み込んだ前記滑り軸受21の内径側に前記ピニオン軸6の先端部(挿入部16)を挿入する際、このピニオン軸6の挿入が進むに連れて、前記内側空間36の容積が小さくなると、図3に二点鎖線γで示す様に、この内側空間36内に存在した空気が前記通気用凹溝32を通じて、前記外側空間37に移動する(押し出される)。従って、前記内側空間36内の空気が圧縮されて、この内側空間36の内圧が、前記ピニオン軸6を押し返すほど高くなる事はない。この結果、このピニオン軸6を前記支持凹部17aに組み込んだ滑り軸受21の内径側にスムーズに挿入する事ができ、前記ピニオン軸6の組み付け性の向上を図れる。
又、前記ラック軸8の背面の一部を、前記ピニオン軸6に向けて押圧する為の前記押圧機構20を設けると共に、前記通気用凹溝32を、前記支持凹部17aの内周面の前記ラック軸8側半部のうち、前記ピニオン軸6の中心線Oを通り、且つ、前記押圧機構20によりこのラック軸8を押圧する方向(図2〜4の上下方向)に存在する仮想平面α上に形成している。即ち、前記通気用凹溝32を、前記押圧機構20等により加わるラジアル荷重を最も支承する部分(図4にβで示す部分)から最も離れた位置に形成している。この為、前記通気用凹溝32を形成した事に伴って、前記滑り軸受21の性能が低下する事なく(性能の低下を最小限に抑えられ)、上述した様な組み付け性の向上を図る事ができる。
更に、前記通気用凹溝32を構成する両凹入部33a、33bを、前記板材38の切断作業と同時に形成している。この為、これら両凹入部33a、33bを形成しない構造の場合と同じ工程数で、前記滑り軸受21を造る事ができる。この結果、前記ステアリングギヤユニット5a、延いてはステアリング装置の製造コストの低減を図れる。
[実施の形態の第2例]
本発明の実施の形態の第2例に就いて、図6を参照しつつ説明する。本例のラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニットの場合、滑り軸受21aの内周面に形成された通気用凹溝32aの形状が、前述した実施の形態の第1例の場合と異なる。
具体的には、本例の場合、前記通気用凹溝32aは、前記滑り軸受21aの中心軸に直交する方向に存在する仮想平面(図6の紙面)に関する断面形状が半円形状に形成されている。この様な通気用凹溝32aは、直線状(前記滑り軸受21a及び前記ピニオン軸6の中心軸と平行)に形成されており、一端が、前記滑り軸受21aの軸方向一端面に開口すると共に、他端が、この滑り軸受21aの軸方向他端面に開口している。
又、上述の様な通気用凹溝32aは、前記滑り軸受21aの内周面のうち、円周方向両端部に形成されたそれぞれの断面形状が略1/4円形状の1対の凹入部33c、33dを円周方向に組み合わせる事により構成されている。その他の構造、及び作用・効果は前述した実施の形態の第1例と同様である。又、本例の滑り軸受21aの製造方法に関しても、前述した実施の形態の第1例と同様である。
[実施の形態の第3例]
本発明の実施の形態の第3例に就いて、図7、8を参照しつつ説明する。本例のラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニットの場合、滑り軸受21bの配置態様が、前述した実施の形態の第1例の場合と異なっている。尚、滑り軸受21bの構造は、前述した実施の形態の第1例の滑り軸受21と同様である。
具体的には、本例の場合、前記滑り軸受21bの内周面に形成された通気用凹溝32bを、第二収納部12aの支持凹部17aの内径側で、ピニオン軸6の中心線Oを通り、且つ、押圧機構20(図2参照)により前記ラック軸8を押圧する力の作用線方向(図7、8の上下方向)に存在する仮想平面αに対して直交する仮想平面αと交わる、円周方向1箇所位置(図8の左側)に配置している。言い換えれば、前記通気用凹溝32bを、前記支持凹部17aの内周面のうち、押圧機構20(図2参照)により加わるラジアル荷重を最も支承する部分(図8にβで示す部分)から、図8の反時計方向に90度ずらした位置に形成している。
尚、前記通気用凹溝32bの断面形状は、前述した実施の形態の第2例の通気用凹溝32aの様な半円形状や、その他の形状にする事もできる。その他の構造、及び作用・効果は前述した実施の形態の第1例と同様である。
[実施の形態の第4例]
本発明の実施の形態の第4例に就いて、図9を参照しつつ説明する。本例のラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニットの場合、滑り軸受21cの内周面のうち、ラック軸8(図2参照)側の円周方向1箇所位置に、通気用凹溝32が形成されている。この様な通気用凹溝32は、前記滑り軸受21cの内周面の円周方向両端部に形成された1対の凹入部33a、33bを円周方向に組み合わせる事により構成されている。尚、前記通気用凹溝32は、前述した実施の形態の第1例の通気用凹溝32と同様の構造を有している為、詳しい説明は省略する。
一方、前記滑り軸受21cの外周面のうち、前記ラック軸8側の円周方向1箇所位置に、外周側通気用凹溝46が形成されている。
言い換えれば、前記外周側通気用凹溝46は、前記滑り軸受21cの外周面の前記ラック軸8側半部のうち、ピニオン軸6の中心線Oを通り、且つ、押圧機構21(図2参照)により前記ラック軸8を押圧する力の作用線方向(図9の上下方向)に存在する仮想平面αと交わる位置に形成されている。
更に言い換えれば、前記外周側通気用凹溝46は、第二収納部12aの支持凹部17aの内周面のうち、前記押圧機構21の押圧力に基づくラジアル荷重を最も支承する部分(図9にβで示す部分)から、最も離れた位置に形成している。
又、上述の様な外周側通気用凹溝46は、前記滑り軸受21cの中心軸に直交する方向に存在する仮想平面(図9の紙面)に関する断面形状が三角形状で直線状(前記滑り軸受21c及び前記ピニオン軸6の中心軸と平行)に形成されており、一端が、前記滑り軸受21cの軸方向一端面に開口すると共に、他端が、この滑り軸受21cの軸方向他端面に開口している。
本例の場合、上述の様な外周側通気用凹溝46は、前記滑り軸受21cの外周面の円周方向両端部に形成された1対の凹入部47a、47bを円周方向に組み合わせる事により構成されている。
具体的には、本例の場合、前記両凹入部47a、47bのうちの一方の凹入部47aは、前記滑り軸受21cの外周面のうちの円周方向一端部に、この外周面から径方向内側に凹み、且つ、この滑り軸受21cの軸方向両端面、及び円周方向一端面34に開口した状態で形成されている。この様な一方の凹入部47aの径方向に関する深さは、円周方向一方側に向かうほど深くなる。従って、この深さは、前記滑り軸受21cの円周方向一端面34に相当する部分で最も深くなっている。本例の場合、前記一方の凹入部47aのうちの最も深い部分(前記滑り軸受21cの円周方向一端面34に相当する部分)の深さは、この滑り軸受21cの厚さ寸法の約1/3である。
一方、前記両凹入部47a、47bのうちの他方の凹入部47bは、前記滑り軸受21cの外周面の円周方向他端部に、この外周面から径方向内側に凹み、且つ、この滑り軸受21cの軸方向両端面、及び円周方向他端面35に開口した状態で形成されている。この様な他方の凹入部47bの深さは、円周方向他方側に向かうほど深くなる。従って、この深さは、前記滑り軸受21cの円周方向他端面35に相当する部分で最も深くなっている。本例の場合、前記他方の凹入部47bのうちの最も深い部分(前記滑り軸受21cの円周方向他端面35に相当する部分)の深さは、この滑り軸受の厚さ寸法の約1/3である。
この様な構成を有する前記両凹入部47a、47bは、前記滑り軸受21cの円周方向両端面34、35同士を当接させた状態で、これら両凹入部47a、47bの円周方向開口部同士が円周方向に連続する事により、前記外周側通気用凹溝46を構成している。
前述の様な構成を有する滑り軸受21cは、前記両凹入部33a、33b又は前記両凹入部47a、47bのうちの何れか一方(内周面側又は外周面側の何れか一方の周面側)の凹入部を、図5を参照して説明した製造方法と同様に、長尺な板材38(図5参照)を切断するのと同時に形成する。そして、この様にして切り出された素材39に切削加工を施す事により、前記両凹入部33a、33b又は前記両凹入部47a、47bのうちの何れか他方の凹入部を形成する。その他の構造、及び作用・効果は前述した実施の形態の第1例と同様である。
以上の様な構成を有する本例の場合、前記滑り軸受21cの内周面に前記通気用凹溝32を形成すると共に、同じく外周面に前記外周側通気用凹溝46を形成している。この為、前記支持凹部17a(図2参照)に組み込んだ前記滑り軸受21cの内径側に前記ピニオン軸6の先端部(挿入部16)を挿入する際、内側空間36と外側空間37とを連通する部分の断面積(通気用凹溝32と外周側通気用凹溝46との断面積の総和)を大きく確保できる。この結果、前記ピニオン軸6を、前記支持凹部17aに組み込んだ滑り軸受21cの内径側にスムーズに挿入する事ができ、前記ピニオン軸6の組み付け性の向上を図れる。その他の構造、及び作用・効果は前述した実施の形態の第1例と同様である。
[実施の形態の第5例]
本発明の実施の形態の第5例に就いて、図10を参照しつつ説明する。本例のラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニットの場合、滑り軸受21dの外周面のうち、前記ラック軸8側の円周方向1箇所位置に、外周側通気用凹溝46が形成されている。この様な外周側通気用凹溝46の構造は、前述した実施の形態の第4例の場合と同様である。尚、本例の場合、前記滑り軸受21dの内周面には、通気用凹溝を形成していない。その他の構造、及び作用・効果は前述した実施の形態の第1例と同様である。
[実施の形態の第6例]
本発明の実施の形態の第6例に就いて、図11〜14を参照しつつ説明する。本例のラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニットの場合、滑り軸受21eの内周面のうち、ラック軸8(図2参照)側の円周方向1箇所位置に、通気用凹溝32cが形成されている。この様な通気用凹溝32cは、前記滑り軸受21eの内周面の円周方向両端部に形成された1対の凹入部33e、33fを円周方向に組み合わせる事により構成されている。
これら両凹入部33e、33fのうちの一方の凹入部33eの内周面は、前記滑り軸受21eの円周方向一端側(付き合わせ面側)に向かうほど内径が大きくなる曲面状に形成されている。一方、前記凹入部33e、33fのうちの他方の凹入部33fの内周面は、前記滑り軸受21eの円周方向他端側(付き合わせ面側)に向かうほど内径が大きくなる曲面状に形成されている。
一方、前記滑り軸受21eの外周面のうち、ラック軸8側(図11〜13の下側)の円周方向1箇所位置に、位置決め用凸部48が形成されている。この様な位置決め用凸部48は、前記滑り軸受21eの外周面の円周方向両端部に形成された1対の凸部素子49a、49bを円周方向に組み合わせる事により構成されている。
前記両凸部素子49a、49bのうちの一方(図13の右側)の凸部素子49aは、前記滑り軸受21eの外周面の円周方向一端部に、この外周面から径方向外側に突出した状態で形成されている。この様な一方の凸部素子49aの突出量は、円周方向一方側に向かうほど大きくなる。言い換えれば、前記一方の凸部素子49aの外周面は、前記滑り軸受21eの円周方向一端側に向かうほど外径が大きくなる曲面状に形成されている。
一方、前記両凸部素子49a、49bのうちの他方(図13の左側)の凸部素子49bは、前記滑り軸受21eの外周面の円周方向他端部に、この外周面から径方向外側に突出した状態で形成されている。この様な他方の凸部素子49bの突出量は、円周方向他方側に向かうほど大きくなる。言い換えれば、前記他方の凸部素子49bの外周面は、前記滑り軸受21eの円周方向他端側に向かうほど外径が大きくなる曲面状に形成されている。
この様な構成を有する前記両凸部素子49a、49bは、前記滑り軸受21eの円周方向両端面34、35同士を当接させた状態で前記位置決め用凸部48を構成している。
次に、前記滑り軸受21eの製造方法に就いて、簡単に説明する。
先ず、長尺な板材38から、前記滑り軸受21eの基となる素材39aを、切断工具40aにより切り出す。
本例の場合、図14に示す様に、前記板材38の切断作業と同時に、この板材38のうちの前記切断工具40aの両側面に隣接する部分を一方(図14の下方、押し込み方向)に折り曲げる様にして、前記両凹入部33e、33f及び前記両凸部素子49a、49bを形成する。
又、本例の場合、第二収納部12aの支持凹部17aの内周面のうち、前記ラック軸8側の円周方向1箇所位置に、収納部側通気用凹溝50が形成されている。言い換えれば、この収納部側通気用凹溝50は、前記支持凹部17aの内周面の前記ラック軸8側半部のうち、ピニオン軸6の中心線O(図12参照)を通り、且つ、押圧機構20(図2参照)により前記ラック軸8を押圧する力の作用線方向(図11、12の上下方向)に存在する仮想平面αと交わる位置に形成されている。
更に言い換えれば、前記収納部側通気用凹溝50は、前記支持凹部17aの内周面のうち、前記押圧機構20の押圧力に基づくラジアル荷重を最も支承する部分(図12にβで示す部分)から、最も離れた位置に形成している。
又、上述の様な収納部側通気用凹溝50は、断面形状が略半円形で直線状(ピニオン軸6の中心軸と平行)に形成されており、一端(図11の右端)が、前記支持凹部17aの一端の周囲に開口すると共に、他端が、前記滑り軸受21eの他端よりもこの支持凹部17aの奥端側に位置している。即ち、前記収納部側通気用凹溝50は、前記ピニオン軸6の先端部(挿入部16)が、前記支持凹部17aに組み込んだ前記滑り軸受21eの内径側に挿入される際、この支持凹部17aの奥部に存在する内側空間36と、このピニオン軸6の先端寄り部分の外周面のうちこの支持凹部17aの内径側に位置していない部分(前記挿入部16、及び、この挿入部16よりもピニオン歯7側部分)の周囲に存在する外側空間37とを連通している。
又、本例の場合、前記滑り軸受21eの位置決め用凸部48が、前記収納部側通気用凹溝50の内側に配置されている。
以上の様な構成を有する本例によれば、前記滑り軸受21eの円周方向に関する位置決め(位相管理)を容易にできると共に、前記滑り軸受21eが前記ピニオン軸6と共回りする事の防止を図れる。
尚、前記支持凹部17aの内周面のうち、前記収納部側通気用凹溝50を形成する位置は、本例の場合に限定されるものではない。例えば、収納部側通気用凹溝を、前記支持凹部17aの内周面のうち、前記仮想平面αに直交する仮想平面と交わる、円周方向1箇所位置に形成する事もできる。この様な構成を採用した場合にも、前記滑り軸受21eの位置決め用凸部48を、前記収納部側通気用凹溝の内側に配置する。その他の構造、及び作用・効果は前述した実施の形態の第1例と同様である。
本発明を実施する場合に、滑り軸受の内周面又は外周面に形成した通気用凹溝の形状に関しては、前述した実施の形態の各例の形状に限定されるものではない。
又、通気用凹溝を配置する位置も、前述した実施の形態の各例の位置に限定されるものではない。
又、本発明を実施する場合に、第二収納部の支持凹部の内周面と、滑り軸受の外周面との両面に、通気用凹溝を形成する事もできる。即ち、第二収納部の支持凹部の内周面に通気用凹溝を形成した実施の形態の第6例の構造と、滑り軸受の外周面に通気用凹溝を形成した実施の形態の第4、5例の構造とを組み合わせて実施する事もできる。
更に、本発明を実施する場合に、滑り軸受の内周面又は外周面に形成した通気用凹溝は、板材の切断作業と同時に形成するだけでなく、板材を切断した後、別途切削加工により形成する事もできる。
又、通気用口溝は、滑り軸受の内周面(外周面)の円周方向両端部に設けた1対の凹入部により構成する構造だけでなく、滑り軸受の内周面(外周面)の円周方向両端部のうちの何れか一方の円周方向端部にのみ設けた1個の凹入部により構成する事もできる。
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3 自在継手
4 中間シャフト
5、5a ステアリングギヤユニット
6 ピニオン軸
7 ピニオン歯
8 ラック軸
9 ラック歯
10、10a ケーシング
11、11a 第一収納部
12、12a 第二収納部
13 ラックガイド
14 球面継手
15 タイロッド
16 挿入部
17、17a 支持凹部
18 ラジアルニードル軸受
19 玉軸受
20 押圧機構
21、21a、21b、21c、21d、21e 滑り軸受
22a、22b 取付けフランジ部
23 シリンダ部
24 取付孔
25 抑えねじ筒
26 シールリング
27 押圧ブロック
28 蓋体
29 コイルばね
30 押圧凹部
31 ラック受シート
32、32a、32b、32c 通気用凹溝
33a、33b、33c、33d、33e、33f 凹入部
34 円周方向一端面
35 円周方向他端面
36 内側空間
37 外側空間
38 板材
39、39a 素材
40、40a 切断工具
41 切断刃部
42 凹入部形成部
43 基部
44a、44b 凹入部形成刃部
45 余剰部
46 外周側通気用凹溝
47a、47b 凹入部
48 位置決め用凸部
49a、49b 凸部素子
50 収納部側通気用凹溝
51 不連続部

Claims (5)

  1. ケーシングと、ラック軸と、ピニオン軸と、滑り軸受とを備え、
    このうちのケーシングは、互いの内側空間同士を連通させた第一収納部と第二収納部とを有するものであり、
    前記ラック軸は、外周面の一部にラック歯を有するもので、前記第一収納部の内径側に軸方向変位を可能に支持されており、
    前記ピニオン軸は、軸方向の一部に、ピニオン歯を有するもので、このピニオン歯を前記ラック歯に噛合させた状態で、前記第二収納部の内径側に支持されており、
    前記滑り軸受は、円周方向の1箇所位置に設けられた不連続部を挟んで存在する円周方向端部同士を付き合わせる事により円筒状に形成されたものであり、前記第二収納部の内部に形成された支持凹部の内周面に内嵌されると共に、その内径側に前記ピニオン軸の先端部を、前記第二収納部に対して回転可能に支持しているラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニットであって、
    前記滑り軸受の外周面又は内周面のうちの少なくとも一方の面に、前記ピニオン軸の先端部がこの滑り軸受の内径側に配置された状態で、このピニオン軸の先端面よりも前記支持凹部の奥側に存在する内側空間と、前記ピニオン軸の外周面のうち前記支持凹部の内径側に位置していない部分の周囲に存在する外側空間とを連通する為の通気用凹溝が形成されており、
    この通気用凹溝が、前記一方の面の円周方向端部に、この一方の面から径方向に凹入し、且つ、前記滑り軸受の軸方向両端面及び円周方向端面に開口した状態で形成された凹入部により構成されているラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニット。
  2. 前記通気用凹溝が、前記一方の面の円周方向両端部に、それぞれこの一方の面から径方向に凹入し、且つ、前記滑り軸受の軸方向両端面及び円周方向端面に開口した状態で形成された1対の凹入部を組み合わせる事により構成されている請求項1に記載したラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニット。
  3. 前記ラック軸の背面の一部を、前記ピニオン軸に向けて押圧する為の押圧機構を有し、
    前記通気用凹溝が、円周方向に関して、前記押圧機構の押圧力に基づくラジアル荷重を最も支承する部分以外の位置に配置されている、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載したラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニット。
  4. 前記滑り軸受の外周面又は内周面のうちの何れか一方の面にのみ、前記凹入部が形成されており、
    前記滑り軸受の外周面又は内周面のうち、前記通気用凹溝が形成されていない側の面である他方の面の円周方向両端部のうちの前記凹入部が形成された側の円周方向端部に、この他方の面から径方向に突出した凸部が形成され、この凸部が、前記支持凹部の内周面に、前記内側空間と前記外側空間とを連通する状態で形成された収納部側通気用凹溝の内側に配置されている、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載されたラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニット。
  5. 請求項1〜4に記載したラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニットを構成する滑り軸受の製造方法であって、
    板材から、前記滑り軸受の基となる素材を切り出す際、前記滑り軸受の円周方向端面となる部分を切断するのと同時に、前記凹入部を形成し、
    この凹入部が形成された前記素材を円筒状に丸めて前記滑り軸受とする、滑り軸受の製造方法。
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