JP7488449B2 - 塊成化物製造用バインダー、それを用いた塊成化物の製造方法、還元鉄の製造方法、塊成化物 - Google Patents

塊成化物製造用バインダー、それを用いた塊成化物の製造方法、還元鉄の製造方法、塊成化物 Download PDF

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Description

本発明は、塊成化物製造用バインダー、それを用いた塊成化物の製造方法、及び還元鉄の製造方法に関する。
還元鉄の製造方法として、例えば特許文献1~4に開示されるように、酸化鉄原料とバインダーとの混合物を塊成化することで塊成鉱を作製し、この塊成鉱を還元する方法が知られている。このような還元鉄の製造方法では、酸化鉄原料として製銑あるいは製鋼過程等において生じたダスト、スケール等の他、焼結用の鉄鉱石(粉鉱石、微粉鉱石等)等を使用することができる。微粉鉱石は、選鉱処理により鉄含有量を高めた鉄鉱石である。近年、リサイクルの観点からダスト、スケール等の使用が推奨されている。また、近年、鉄鉱石が低品質化しているため、選鉱処理が行われることが多くなっている(すなわち、微粉鉱石の供給量が多くなっている)。このため、微粉鉱石の使用も推奨されている。これらの観点等も含めて、塊成鉱を還元する還元鉄の製造方法は非常に着目されている。
国際公開第2012/049974号 特開2016-108580号公報 特開2016-160451号公報 特開2003-129142号公報
ところで、上述した還元鉄の製造方法においては、還元鉄の品位向上、生産量増加、あるいは燃料削減のために塊成鉱を還元する際の還元効率(すなわち塊成鉱の還元効率)を高めることが強く望まれている。特許文献1~4には、上述した通り塊成鉱を還元する方法が記載されているものの、還元効率に関してはいまだ改善の余地がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、還元効率の高い塊成化物を作製することが可能な、新規かつ改良された塊成化物製造用バインダー、それを用いた塊成化物の製造方法、及び還元鉄の製造方法を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、酸化鉄原料を含む塊成化物原料に添加される塊成化物製造用バインダーであって、バインダーは有機バインダーであり、有機バインダーを窒素雰囲気下で15℃/minで、500℃から900℃まで加熱された際の重量減少割合が10質量%以上であることを特徴とする、塊成化物製造用バインダーが提供される。
ここで、重量減少割合が20質量%以上であってもよい。
また、500℃から900℃まで加熱された際の重量減少割合が10質量%以上であるリグニン及び/または糖蜜を含んでいてもよい。
本発明の他の観点によれば、上記塊成化物製造用バインダーを準備する工程と、酸化鉄原料を含む塊成化物原料に塊成化物製造用バインダーを添加し、混合する工程と、塊成化物原料と塊成化物製造用バインダーとの混合物を用いて塊成化物を作製する工程と、を含むことを特徴とする、塊成化物の製造方法が提供される。
ここで、塊成化物製造用バインダーを準備する工程が、塊成化物製造用バインダーを500℃から900℃まで加熱した際の重量減少割合を測定する工程を含んでいてもよい。
本発明の他の観点によれば、上記の塊成化物の製造方法で製造された塊成化物を用いて、還元鉄を製造する還元鉄の製造方法が提供される。
本発明の上記観点によれば、還元効率の高い塊成化物を作製することが可能となる。
有機バインダーの加熱温度と有機バインダーの重量減少割合(未加熱時基準)との関係を有機バインダーの種類毎に示すグラフである。 有機バインダーの種類と有機バインダーの500~900℃における重量減少割合との関係を示すグラフである。 塊成化物(タブレット)の種類と塊成化物が720℃に加熱された際のCO分圧との関係を示すグラフである。 タブレットAの金属化率を基準とした各塊成化物の金属化率の差分△を示すグラフである。 有機バインダーの500~900℃における重量減少割合とタブレットGの金属化率を基準とした金属化率の差分△との関係を示すグラフである。 有機バインダーの500~800℃における重量減少割合とタブレットGの金属化率を基準とした金属化率の差分△との関係を示すグラフである。 有機バインダーの400~800℃における重量減少割合とタブレットGの金属化率を基準とした金属化率の差分△との関係を示すグラフである。 有機バインダーの400~1300℃における重量減少割合とタブレットGの金属化率を基準とした金属化率の差分△との関係を示すグラフである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
<1.塊成化物製造用バインダーの特性>
まず、本実施形態に係る塊成化物製造用バインダーの特性について説明する。本実施形態に係る塊成化物製造用バインダーは、塊成化物を作製する際のバインダーとなるものであり、酸化鉄原料を含む塊成化物原料に添加される。その後、塊成化物原料と塊成化物製造用バインダーとの混合物は、適宜の方法で塊成化物とされる。なお、塊成化物は、例えば塊成鉱である。
本実施形態に係る塊成化物製造用バインダーは、有機バインダーの一種であり、500℃から900℃まで加熱された際の重量減少割合が10質量%以上であるという特性を有する。
本発明者は、塊成化物の還元効率を高めるためには、高温での還元ガス発生が重要であると考えた。そして、本発明者は、酸化鉄還元可能温度域と炭材(すなわち還元材)の熱分解温度域とのズレを補うような温度域である500~900℃での熱分解が盛んに起こる有機バインダーが好ましいのではないかと考えた。このような有機バインダーを用いた塊成化物を用いた場合、より低温から酸化鉄原料の還元反応が開始され、かつ還元反応が長い間起こり続けると考えられるからである。
詳細は実施例で説明するが、本発明者は、500℃から900℃まで加熱された際の重量減少割合(以下、「500~900℃における重量減少割合」とも称する)が10質量%以上である有機バインダーを用いて塊成化物を作製し、この塊成化物を還元した。この結果、塊成化物の720℃におけるCO分圧(=COガス圧/(COガス圧+COガス圧))が他の有機バインダーを用いた場合よりも低下し、金属化率(還元鉄中の全鉄の質量%に対する金属鉄の質量%の比)が向上することが明らかになった。CO分圧と酸化鉄還元可能温度域との間には相関があり、CO分圧が低くなることは酸化鉄の還元反応が進行していることを意味している。つまり、500~900℃における重量減少割合が10質量%以上である有機バインダーを用いた場合、酸化鉄の還元反応が少なくとも720℃ですでに開始されていることになる。一方、他の有機バインダーを使用した場合、塊成化物の温度が900℃となった際にCO分圧の低下が確認できた。したがって、500~900℃における重量減少割合が10質量%以上である有機バインダーを用いることで、酸化鉄の還元開始温度が少なくとも900℃から720℃に低下したことになる。つまり、ブードア平衡から還元平衡温度が低下したことになる。この結果、酸化鉄の還元(特にFeOからFeへの還元)が促進され、金属化率が向上した。
このような知見から、本実施形態に係る塊成化物製造用バインダーは、500~900℃における重量減少割合が10質量%以上とされる。このような特性を有する塊成化物製造用バインダーを用いて塊成化物を作製することで、塊成化物の還元効率を高めることができる。すなわち、このような塊成化物を還元することで、より金属化率の高い還元鉄を作製することができる。
ここで、有機バインダーの500~900℃における重量減少割合は例えば以下の方法で測定される。まず、有機バインダーを500℃まで加熱し、未加熱時(例えば25℃)の質量を基準とした重量減少割合(500℃での重量減少割合)を求める。未加熱時の有機バインダーの質量をA、500℃まで加熱した際の有機バインダーの質量をBとした場合、500℃での重量減少割合は、(A-B)/Aで求められる。ついで、引き続き有機バインダーを900℃まで加熱し、未加熱時(例えば25°)の質量を基準とした重量減少割合(900℃での重量減少割合)を求める。未加熱時の有機バインダーの質量をA、900℃まで加熱した際の有機バインダーの質量をCとした場合、900℃での重量減少割合は、(A-C)/Aで求められる。ついで、500℃での重量減少割合から900℃での重量減少割合を減じることで、有機バインダーの500~900℃における重量減少割合を求める。なお、加熱は不活性ガス雰囲気(例えば窒素雰囲気下)で行われることが好ましい。加熱速度は特に制限されないが、一例として15℃/min程度であってもよい。この測定は、例えば熱天秤を用いて連続的に行うことができる。
塊成化物製造用バインダーの500~900℃における重量減少割合が大きいほど、酸化鉄の還元が促進され、還元鉄の金属化率が高まる傾向にある。このため、塊成化物製造用バインダーの500~900℃における重量減少割合は20質量%以上であることが好ましい。一方、500~900℃における重量減少割合の上限値は特に制限されないが、95%程度であってもよい。
塊成化物製造用バインダーとして使用可能な有機バインダーの種類は特に制限されず、上述した特性を有する有機バインダーであればどのようなものであっても使用可能である。塊成化物製造用バインダーは、単一種の有機バインダーで構成されていてもよく、複数種の有機バインダーの混合物であってもよい。ただし、塊成化物製造用バインダー全体として上述した要件を満たす必要がある。
本実施形態に係る塊成化物製造用バインダーとして使用可能な有機バインダーの代表的な例として、リグニン及び糖蜜が挙げられる。ただし、リグニン及び糖蜜であればどのようなものであってもよいわけではなく、リグニン及び糖蜜の製造過程、精製過程等の違いによってリグニン及び糖蜜の特性が大きく変動しうる。つまり、リグニン及び糖蜜の中には、本実施形態に係る塊成化物製造用バインダーとして使用可能なものと、そうでないものとが混在している。他の有機バインダーについても同様である。
したがって、入手できた有機バインダーの500~900℃における重量減少割合が不明であれば、上述した方法に従って有機バインダーの500~900℃における重量減少割合を測定することが好ましい。そして、測定値が10質量%以上であれば、その有機バインダーを本実施形態に係る塊成化物製造用バインダーとして使用することができる。
塊成化物製造用バインダーは、好ましくは500℃から900℃まで加熱された際の重量減少割合が10質量%以上であるリグニンであり、より好ましくは500℃から900℃まで加熱された際の重量減少割合が20質量%以上であるリグニンである。塊成化物製造用バインダーは、当該リグニン以外の有機バインダーを含んでいてもよいが、塊成化物製造用バインダー全体として上述した要件を満たす必要がある。
<3.塊成化物の製造方法>
つぎに、上述した塊成化物製造用バインダーを用いた塊成化物の製造方法について説明する。本製造方法は、上述した塊成化物製造用バインダーを準備する工程(第1工程)と、酸化鉄原料を含む塊成化物原料に塊成化物製造用バインダーを添加し、混合する工程(第2工程)と、塊成化物原料と塊成化物製造用バインダーとの混合物を用いて塊成化物を作製する工程(第3工程)と、を含む。
(3-1.第1工程)
第1工程では、塊成化物製造用バインダーを準備する。例えば、市販されている有機バインダーを入手する。あるいは、公知の製造方法により有機バインダーを作製する。ついで、入手した有機バインダーの500~900℃における重量減少割合を上述した方法で測定する。当該重量減少割合が既知であれば必ずしも測定を行う必要はない。測定値(あるいは既知の値)が10質量%以上であればその有機バインダーを塊成化物製造用バインダーとして使用することができる。
(3-2.第2工程)
第2工程では、酸化鉄原料を含む塊成化物原料に塊成化物製造用バインダーを添加し、混合する。酸化鉄原料の種類は特に制限されず、塊成化物の原料として使用可能なものであれば本実施形態でも特に制限なく使用することができる。酸化鉄原料としては、例えば、製銑あるいは製鋼過程等において生じたダスト、スケール等の他、焼結用の鉄鉱石等が挙げられる。焼結用の鉄鉱石は、例えば、粉鉱石、微粉鉱石である。微粉鉱石は、選鉱処理により鉄含有量を高めたものである。なお、塊成化物は例えば塊成鉱である。
塊成化物原料は、酸化鉄原料のみで構成されていてもよいし、酸化鉄原料に他の原料が混合されたものであってもよい。他の原料としては、例えばコークス粉、無煙炭、コークスダスト、高炉一次灰、石炭等の還元材等が挙げられる。他の原料は、予め酸化鉄原料に添加されていてもよいし、塊成化物製造用バインダーと共に酸化鉄原料に添加してもよい。塊成化物製造用バインダーの添加量は特に制限されず、塊成化物に要求される特性等に応じて適宜調整されればよい。一例として、添加量は、塊成化物原料の総質量に対して0.5~10質量%程度であってもよい。
なお、塊成化物原料には、塊成化物製造用バインダー以外のバインダー、例えば無機バインダーを添加してもよい。塊成化物原料には、塊成化物製造用バインダー以外の有機バインダーを添加してもよいが、本実施形態の効果をより効果的に得るためには、塊成化物原料に添加される有機バインダーは本実施形態に係る塊成化物製造用バインダーのみであることが好ましい。
(3-3.第3工程)
第3工程では、塊成化物原料と塊成化物製造用バインダーとの混合物を用いて塊成化物を作製する。塊成化物を作製するための具体的な方法は特に制限されない。例えば、ドラムミキサー、パンペレタイザ―等の造粒機を用いて混合物を造粒することで、塊成化物を作製してもよい。また、ダブルロール圧縮機、押出成型機、ブリケットマシン等を用いて混合物を成型することで塊成化物を作製してもよい。以上の工程により、塊成化物を作製することができる。なお、第2工程あるいは第3工程において、適宜原料に水分を添加してもよい。
<4.塊成化物を用いた還元鉄の製造方法>
塊成化物を用いた還元鉄の製造方法も特に制限されない。例えば、塊成化物を高炉、シャフト炉、回転炉床炉、ロータリーキルン等の還元炉に装入し、これらの還元炉内で塊成化物を還元してもよい。本実施形態では、塊成化物に上述した塊成化物製造用バインダーが含まれるので、還元効率が非常に高い。このため、高い金属化率の還元鉄を作製することができる。
<1.実施例1>
つぎに、本実施形態の実施例について説明する。実施例1では、以下に説明する試験を行うことで、本実施形態に係る塊成化物製造用バインダーの効果について検証した。
まず、有機バインダーA~Dを準備した。有機バインダーAは澱粉、有機バインダーBは糖蜜、有機バインダーCはリグニンを半年間放置したもの、有機バインダーDは有機バインダーCと同様の製造方法で製造された直後のリグニンである。
ついで、有機バインダーA~Dを室温(25℃)から1200℃まで窒素雰囲気下で15℃/minで昇温し、25℃での質量を基準とした各温度の重量減少割合(質量%)を測定した。各温度の重量減少割合は、25℃での質量をA、各温度での質量をBとした場合、(A-B)/Aで求められる。結果を図1に示す。さらに、図1の結果に基づいて、有機バインダーA~Dの500~900℃における重量減少割合を求めた。結果を図2に示す。図2に示すように、有機バインダーB~Dが本実施形態に係る塊成化物製造用バインダーに相当する。
ついで、有機バインダーA~Dをそれぞれ酸化鉄原料の一種であるダストに添加して混合し、混合物を水と共に造粒(混錬)することで塊成化物(タブレットA~D)を作製した。
ついで、炉内温度を1250℃に予熱した加熱炉にタブレットA~Dを個別に投入し、6分間保持した。この際、炉内温度は1250℃に維持した。これにより、タブレットA~D内で酸化鉄の還元反応を進行させた。ここで、タブレットA~Dは炉内で昇温されるので、タブレットA~Dの温度を経時で測定し、さらに、タブレットA~Dの各温度における炉内のCO分圧を測定した。具体的には、炉内雰囲気の一部を採取し、FT-IR測定を行うことで炉内のCO分圧を測定した。ここで、CO分圧は、COガス圧/(COガス圧+COガス圧)として求めた。タブレットA~Dが720℃となった際のCO分圧を図3に示す。
図3に示すように、720℃におけるタブレットB~DのCO分圧は、タブレットAのそれよりも低い。従って、熱力学的にタブレットB~Dは、タブレットAよりも低温で還元反応が進行する。実際に、各温度におけるタブレットの金属化率を測定した(測定方法は下記と同様とした)ところ、タブレットB~Dの還元開始温度は720℃程度であったのに対し、タブレットAの還元開始温度は900℃程度であることがわかった。したがって、本実施形態に係る塊成化物製造用バインダーを用いることで、酸化鉄の還元開始温度を少なくとも900℃から720℃に低下させることができる。加えて、タブレットAは、室温から500℃程度までにおいて熱分解が進行し、このときに発生したCOガスはタブレットから遊離しているため、また、還元反応が進行する際の900℃程度の温度域ではCOガスがほとんど発生していないため、還元反応が進行しにくい。
加熱炉内でタブレットA~Dを室温に戻し、タブレットA~Dを取り出した。ついで、タブレットA~Dの金属化率を測定するために、タブレットA~D中の全Fe質量であるT-FeをICP法により定量し、還元された金属鉄の質量であるM-Feを臭素メタノール法によって定量した。これらの結果と、以下の式(1)に基づいて、タブレットA~Dの金属化率(%)を算出した。結果を図4に示す。なお、図4は、タブレットAの金属化率を基準とした金属化率の差分△(タブレットA~Dの金属化率-タブレットAの金属化率)を示す。
金属化率(%)=M-Fe/T-Fe×100 (1)
図4から明らかな通り、有機バインダーB~D(すなわち本実施形態に係る塊成化物製造用バインダー)を使用したタブレットB~Dでは、タブレットAよりも金属化率が上昇した。したがって、本実施形態に係る塊成化物製造用バインダーを使用することで、高い金属化率の還元鉄を得ることができる。特に、有機バインダーB~Dでは500~900℃における重量減少割合が20質量%以上となっているので、特に金属化率が高くなっている。さらに、500~900℃における重量減少割合が大きくなるほど、金属化率が高くなっていることもわかる。
<2.実施例2>
実施例2では、原料または製造方法が異なる複数種類のリグニンA~G、さらに糖蜜を準備し、それらの特性について検証した。実施例2の糖蜜は実施例1とは別のものとした。
ついで、実施例1と同様の方法によりタブレットの作製、25℃での質量を基準とした各温度の重量減少割合(質量%)の測定、500~900℃における重量減少割合の測定、及び金属化率の測定を行った。タブレットG(リグニンGを用いて作製されたタブレット)を基準とした金属化率(%)の差分△、及び各有機バインダーの500~900℃における重量減少割合を表1及び図5に示す。図5は、横軸を重量減少割合(%)とし、縦軸を金属化率(%)の差分△としたXY平面に表1の結果をプロットしたものである。
Figure 0007488449000001
表1及び図5から明らかな通り、リグニンA~F、糖蜜の500~900℃における重量減少割合は10質量%以上となっており、本実施形態に係る塊成化物製造用バインダーに相当する。そして、これらの有機バインダーを使用したタブレットを還元することで、高い金属化率の還元鉄が得られている。さらに、図5によれば、有機バインダーの500~900℃における重量減少割合と当該有機バインダーを用いたタブレットの金属化率との間には正の相関があることがわかる。このため、500~900℃における重量減少割合が大きければ大きいほど金属化率が高まり、好ましくは500~900℃における重量減少割合が20質量%以上で特に金属化率が高まることわかる。
なお、リグニンA~F、糖蜜の25℃での質量を基準とした各温度の重量減少割合(質量%)の測定結果に基づいて、タブレットGを基準とした金属化率(%)の差分△と、リグニンA~F、糖蜜の500~800℃、400~800℃、及び400~1300℃における重量減少割合との相関を求めた。結果を図6~図8に示す。図6~図8の横軸及び縦軸は図5と同様である。図5~図8から明らかな通り、500~900℃における重量減少割合が最も金属化率と相関が良いことがわかる。このため、500~900℃における重量減少割合を測定し、この値が10質量%以上である有機バインダーを使用することで、より確実に還元鉄の金属化率を高めることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

Claims (6)

  1. 酸化鉄原料を含む塊成化物原料に添加される塊成化物製造用バインダーであって、
    前記バインダーは有機バインダーであり、
    前記有機バインダーを窒素雰囲気下で15℃/minで、500℃から900℃まで加熱された際の重量減少割合が10質量%以上であることを特徴とする、塊成化物製造用バインダー。
  2. 前記重量減少割合が20質量%以上であることを特徴とする、請求項1記載の塊成化物製造用バインダー。
  3. 500℃から900℃まで加熱された際の重量減少割合が10質量%以上であるリグニン及び/または糖蜜を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の塊成化物製造用バインダー。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の塊成化物製造用バインダーを準備する工程と、
    酸化鉄原料を含む塊成化物原料に前記塊成化物製造用バインダーを添加し、混合する工程と、
    前記塊成化物原料と前記塊成化物製造用バインダーとの混合物を用いて塊成化物を作製する工程と、を含むことを特徴とする、塊成化物の製造方法。
  5. 前記塊成化物製造用バインダーを準備する工程が、前記塊成化物製造用バインダーを500℃から900℃まで加熱した際の重量減少割合を測定する工程を含むことを特徴とする請求項に記載の塊成化物の製造方法。
  6. 請求項4または5に記載の塊成化物の製造方法で製造された塊成化物を用いて、還元鉄を製造する還元鉄の製造方法。
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